JP7445075B2 - 喫煙システム、デバイスキット、消耗品、組み合わせ品、並びに末端到達感および末端到達予見感を得る方法 - Google Patents

喫煙システム、デバイスキット、消耗品、組み合わせ品、並びに末端到達感および末端到達予見感を得る方法 Download PDF

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Description

本発明は、喫煙システム、デバイスキット、消耗品、組み合わせ品、並びに末端到達感および末端到達予見感を得る方法に関する。
従来、材料の燃焼をすることなく香味等を吸引するための香味吸引器が知られている。このような香味吸引器として、例えば、チャンバの開口部に対応して、挿入された香味発生物品を把持する把持部を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第6737902号明細書
引用文献1には、チャンバに挿入された香味発生物品を把持する構造が開示されている。しかしながら、香味発生物品をチャンバに挿入したとき、チャンバの末端に到達したことを感じやすく、かつチャンバの末端に到達することを予見しやすいデバイスは存在しない。つまり、チャンバの末端に到達したことを感じにくく、チャンバの末端に到達することを予見し難いために、香味発生物品を強く押し込みすぎて、香味発生物品の変形を招くことがある。
また、香味吸引器の加熱部に対して香味発生物品が適切な位置に配置されていないと、香味発生物品(特に、喫煙可能物が充填された充填部)に対する加熱が十分とならず、喫味に望ましくない影響が生じることがある。そのため、香味発生物品をチャンバ内の適正位置に配置できるよう、チャンバの末端に到達したことを感じやすく、かつチャンバの末端に到達することを予見しやすいことが重要である。
本発明は、上記のような課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、香味発生物品をチャンバに挿入したとき、チャンバの末端に到達したことを感じやすく、かつチャンバの末端に到達することを予見しやすい喫煙システムを得ることを目的とする。
本発明の第1形態では、喫煙システムが提供される。この喫煙システムは、香味吸引器と香味発生物品とを備え、香味吸引器は、一端に開口が形成され、開口を介して香味発生物品の少なくとも一部を収容する収容部を含み、香味発生物品を収容部に挿入し、香味発生物品の先端が収容部の末端に到達したときの抵抗値を挿入力Aとし、香味発生物品を収容部に挿入した場合における、収容部の挿入端側の所定位置から所定位置と収容部の末端との中間点までの抵抗値の平均である前半部平均抵抗力に対する、所定位置と収容部の末端との中間点から収容部の末端までの抵抗値の平均である後半部平均抵抗力の比を第1抵抗力比Bとしたとき、次式(1)および次式(2)を満たす。
A≦4.00N…(1)
B>1.0…(2)
本発明の第1形態によれば、式(1)を満たすことで、香味発生物品を収容部に挿入したとき、収容部の末端に到達したことを感じることができ、また、式(2)を満たすことで、収容部の末端に接近する側での挿入抵抗の上昇感が、末端の接近を感知させてくれるので、収容部の末端に到達することを予見しやすくなる。
本発明の第1形態において、収容部の挿入端側の所定位置は、収容部の末端から10mmの位置であってもよい。また、所定位置と収容部の末端との中間点は、収容部の末端から5mmの位置であってもよい。この場合、前半部平均抵抗力とは、収容部の末端からの位置が10mm~5mmの範囲における抵抗値の平均であり、後半部平均抵抗力とは、収容部の末端からの位置が5mm~0mmの範囲における抵抗値の平均であってもよい。
本発明の第2形態では、第1形態において、香味発生物品を収容部に挿入した場合に、所定範囲において抵抗値が所定量以上変動する局所変動領域が少なくとも1つ設けられる。
本発明の第2形態によれば、抵抗値の局所的な変動を提供することで、ユーザが収容部の末端の接近を感知しやすくなり、収容部の末端に到達することをさらに予見しやすくなる。
本発明の第3形態では、第2形態において、局所変動領域における抵抗値と挿入力との比を第2抵抗力比Cとしたとき、次式(3)を満たす。
C≧0.8…(3)
本発明の第3形態によれば、式(3)を満たすことで、挿入力に比べて局所変動領域における抵抗値が顕著に小さいために、収容部の末端への到達の予見に寄与できなくなることを抑制することができる。
本発明の第4形態では、第2形態または第3形態において、収容部の末端位置から局所変動領域までの距離を距離Dとしたとき、次式(4)を満たす。
D≦5.0mm…(4)
本発明の第4形態によれば、式(4)を満たすことで、収容部の末端に到達するまで、ユーザが局所変動領域を通過した感触を維持することができるので、収容部の末端に到達することをさらに予見しやすくなる。
本発明の第5形態では、第1形態から第4形態までのいずれかにおいて、喫煙システムは、収容部に収容された香味発生物品を加熱する加熱部をさらに含み、加熱部は、香味吸引器に設けられ、香味発生物品に挿入される加熱要素を有しない。
本発明の第5形態によれば、例えば収容部の外周に加熱部が配置された香味吸引器において、収容部の末端に到達したことを感じやすくなるとともに、収容部の末端に到達することを予見しやすくなる。また、香味吸引器に設けられた加熱部が香味発生物品に挿入される場合、使用に伴って香味発生物品や香味発生物品から生じたエアロゾル煙の凝集物等が加熱部に付着することで、香味発生物品の挿入感に影響が生じてしまう場合がある。これに対して、本発明の第5形態によれば、例えば収容部の外周に加熱部が配置された香味吸引器においては、凝集物等の加熱部への付着が生じないため、使用に伴い香味発生物品の挿入感が変化してしまうのを抑制することができる。
本発明の第6形態では、第1形態から第5形態までのいずれかにおいて、香味発生物品は、喫煙可能物が充填された充填部と、充填部と連続して設けられる中空の筒状部と、筒状部と連続して設けられるフィルタ部と、を含み、収容部は、収容部に収容された香味発生物品を把持する把持部を含み、把持部は、香味発生物品を収容部に挿入した場合に、香味発生物品の少なくとも2つの部分と接触可能な位置に設けられる。
本発明の第6形態によれば、香味発生物品を収容部に挿入した場合に、香味発生物品の少なくとも2つの部分と接触することで、収容部の挿入端に近い位置で香味発生物品を安定して把持することができる。
本発明の第7形態では、第1形態から第6形態までのいずれかにおいて、収容部は、収容された香味発生物品の一部を収容部の軸方向に沿って押圧する接触部と、収容された香味発生物品から離間する離間部と、を含む。
本発明の第7形態によれば、収容部に収容された香味発生物品の一部を、接触部により収容部の軸方向に沿って押圧することで、挿入された香味発生物品を圧縮して保持することができる。
本発明の第8形態では、デバイスキットが提供される。このデバイスキットは、第1形態から第7形態までのいずれか1項に記載の香味吸引器と、第1形態から第7形態までのいずれか1項に記載の香味発生物品に用いられることを示す表示と、を有する。
本発明の第8形態によれば、デバイスキットに含まれる香味吸引器に、この香味吸引器に用いられる香味発生物品を適用した場合に、収容部の末端に到達したことを感じやすくなるとともに、かつ収容部の末端に到達することを予見しやすくなる。
本発明の第9形態では、消耗品が提供される。この消耗品は、第1形態から第7形態までのいずれか1項に記載の香味発生物品と、第1形態から第7形態までのいずれか1項に記載の香味吸引器に用いられることを示す表示と、を有する。
本発明の第9形態によれば、消耗品に含まれる香味発生物品に、この香味発生物品に用いられる香味吸引器を適用した場合に、収容部の末端に到達したことを感じやすくなるとともに、かつ収容部の末端に到達することを予見しやすくなる。
本発明の第10形態では、消耗品とデバイスキットとの組み合わせ品が提供される。この組み合わせ品は、第1形態から第6形態までのいずれかの香味発生物品を含む消耗品と、第1形態から第6形態までのいずれかの香味吸引器を含むデバイスキットと、を備え、消耗品およびデバイスキットの少なくとも一方は、消耗品およびデバイスキットの他方に用いられることを示す表示を有する。
本発明の第10形態によれば、デバイスキットとデバイスキットの専用品である消耗品との組み合わせ品において、収容部の末端に到達したことを感じやすくなるとともに、かつ収容部の末端に到達することを予見しやすくなる。
本発明の第11形態では、香味吸引器と香味発生物品とを備える喫煙システムにおいて、末端到達感および末端到達予見感を得る方法が提供される。この方法において、香味吸引器は、一端に開口が形成され、開口を介して香味発生物品の少なくとも一部を収容する収容部を含み、香味発生物品を収容部に挿入し、香味発生物品の先端が収容部の末端に到達したときの抵抗値を挿入力Aとし、香味発生物品を収容部に挿入した場合における、収容部の挿入端側の所定位置から所定位置と収容部の末端との中間点までの抵抗値の平均である前半部平均抵抗力に対する、所定位置と収容部の末端との中間点から収容部の末端までの抵抗値の平均である後半部平均抵抗力の比を第1抵抗力比Bとしたとき、次式(1)および次式(2)を満たす。
A≦4.00N…(1)
B>1.0…(2)
本発明の第11形態によれば、式(1)を満たすことで、香味発生物品を収容部に挿入したとき、収容部の末端に到達したことを感じることができ、また、式(2)を満たすことで、収容部の末端に接近する側での挿入抵抗の上昇感が、末端の接近を感知させてくれるので、収容部の末端に到達することを予見しやすくなる。
本発明の第11形態において、収容部の挿入端側の所定位置は、収容部の末端から10mmの位置であってもよい。また、所定位置と収容部の末端との中間点は、収容部の末端から5mmの位置であってもよい。この場合、前半部平均抵抗力とは、収容部の末端からの位置が10mm~5mmの範囲における抵抗値の平均であり、後半部平均抵抗力とは、収容部の末端からの位置が5mm~0mmの範囲における抵抗値の平均であってもよい。
本実施形態に係る香味吸引器の概略正面図である。 本実施形態に係る香味吸引器の概略上面図である。 本実施形態に係る香味吸引器の概略底面図である。 香味発生物品の概略側断面図である。 図1Bに示した矢視3-3における香味吸引器の断面図である。 本実施形態に係るチャンバの斜視図である。 図4Aに示す矢視4B-4Bにおけるチャンバの断面図である。 図4Bに示す矢視5A-5Aにおけるチャンバの断面図である。 図4Bに示す矢視5B-5Bにおけるチャンバの断面図である。 本実施形態に係るチャンバおよび加熱部の斜視図である。 本実施形態に係るチャンバ内の所望の位置に香味発生物品が配置された状態の図5Bに示す断面図である。 本実施形態の実施例1に係るチャンバを示す断面図である。 図8に示したチャンバの断面図である。 本実施形態の実施例1に係るチャンバを示す断面図である。 図10に示したチャンバの断面図である。 本実施形態の実施例1に係るチャンバを示す断面図である。 図12に示したチャンバの断面図である。 サンプル1における、チャンバの末端位置からの距離と抵抗値との関係を示すグラフである。 サンプル2における、チャンバの末端位置からの距離と抵抗値との関係を示すグラフである。 サンプル3における、チャンバの末端位置からの距離と抵抗値との関係を示すグラフである。 サンプル4における、チャンバの末端位置からの距離と抵抗値との関係を示すグラフである。 サンプル5における、チャンバの末端位置からの距離と抵抗値との関係を示すグラフである。 サンプル6における、チャンバの末端位置からの距離と抵抗値との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一のまたは相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
[基本構成]
最初に、本実施形態に係る香味吸引器の基本構成について説明する。図1Aは、本実施形態に係る香味吸引器100の概略正面図である。図1Bは、本実施形態に係る香味吸引器100の概略上面図である。図1Cは、本実施形態に係る香味吸引器100の概略底面図である。本明細書で説明する図面においては、説明の便宜のためにX-Y-Z直交座標系を付することがある。この座標系において、Z軸は鉛直上方を向いており、X-Y平面は香味吸引器100を水平方向に切断するように配置されており、Y軸は香味吸引器100の正面から裏面へ延出するように配置されている。Z軸は、後述する霧化部30のチャンバ50に収容される香味発生物品の挿入方向、またはチャンバ50の軸方向ということもできる。また、X軸は、Y軸およびZ軸に直交する方向である。
本実施形態に係る香味吸引器100は、例えば、エアロゾル源を含んだ香味源を有するスティック型の香味発生物品を加熱することで、香味を含むエアロゾルを生成するように構成される。
図1Aから図1Cに示すように、香味吸引器100は、アウタハウジング101と、スライドカバー102と、スイッチ部103と、端子104と、を有する。アウタハウジング101は、香味吸引器100の最外のハウジングを構成し、ユーザの手に収まるようなサイズを有する。ユーザが香味吸引器100を使用する際は、香味吸引器100を手で保持して、エアロゾルを吸引することができる。アウタハウジング101は、複数の部材を組み立てることによって構成されてもよい。アウタハウジング101は、例えばアルミニウム等の金属で形成され得る。なお、アウタハウジング101は、樹脂製、例えばポリカーボネート(PC)、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)または複数種類のポリマーを含有するポリマーアロイ等で形成された部材を有していてもよい。
アウタハウジング101は、香味発生物品を受け入れるための図示しない開口を有し、スライドカバー102は、この開口を閉じるようにアウタハウジング101にスライド可能に取り付けられる。具体的には、スライドカバー102は、アウタハウジング101の開口を閉鎖する閉位置(図1Aおよび図1Bに示す位置)と、上記開口を開放する開位置との間を、アウタハウジング101の外表面に沿って移動可能に構成される。例えば、ユーザがスライドカバー102を手動で操作することにより、スライドカバー102を閉位置と開位置とに移動させることができる。これにより、スライドカバー102、香味吸引器100の内部への香味発生物品のアクセスを許可または制限することができる。
スイッチ部103は、香味吸引器100の作動のオンとオフとを切り替えるために使用される。例えば、ユーザは、香味発生物品を香味吸引器100に挿入した状態でスイッチ部103を操作することで、図示しない加熱部に図示しない電源から電力が供給され、香味発生物品を燃焼させずに加熱することができる。なお、スイッチ部103は、アウタハウジング101の外部に設けられるスイッチであってもよいし、アウタハウジング101の内部に位置するスイッチであってもよい。スイッチがアウタハウジング101の内部に位置する場合、アウタハウジング101の表面のスイッチ部103を押下することで、間接的にスイッチが押下される。本実施形態では、スイッチ部103のスイッチがアウタハウジング101の内部に位置する例を説明する。
端子104は、香味吸引器100を例えば外部電源と接続するUSB等のインターフェースである。香味吸引器100が備える電源が充電式バッテリである場合は、端子104に外部電源を接続することで、外部電源が電源に電流を流し、電源を充電することができる。また、香味吸引器100は、端子104にデータ送信ケーブルを接続することにより、香味吸引器100の作動に関連するデータを外部装置に送信できるように構成され得る。
次に、本実施形態に係る香味吸引器100で使用される香味発生物品について説明する。図2は、香味発生物品110の概略側断面図である。本実施形態において、香味吸引器100と香味発生物品110とにより喫煙システムが構成され得る。図2に示す例においては、香味発生物品110は、喫煙可能物が充填された充填部111と、フィルタ部115と中空フィルタ部116を含むフィルタセグメントと、を有し得る。中空フィルタ部116は、フィルタ部115よりも喫煙可能物側に位置し得る。具体的には、香味発生物品110は、喫煙可能物と、マウスピース部と、これらを巻装してなるチップペーパ等の第2の巻紙113とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこであり得る。マウスピース部は、筒状部材114と、フィルタセグメントと、を有する。フィルタセグメントは、中空フィルタ部116と、フィルタ部115と、を有する。香味発生物品110の軸方向(「長軸方向」とも称する。)に対して、冷却セグメントである筒状部材114が、喫煙可能物とフィルタセグメントとに隣接して挟持されてもよい。また、筒状部材114には、筒状部材114の周方向に同心状に開孔Vが設けられていてもよい。香味発生物品110における筒状部材114に設けられる開孔Vは、通常、ユーザの吸引による外部からの空気の流入を促進するための孔であり、この空気の流入により喫煙可能物から流入する成分や空気の温度を下げることができる。
棒状の香味発生物品110は、以下のように定義されるアスペクト比が1以上である形状を満たす柱状形状を有していることが好ましい。
アスペクト比=h/w
wは柱状体の底面の幅(本明細書においては、喫煙可能物側の底面の幅とする。)、hは高さであり、h≧wであることが好ましい。本明細書においては、長軸方向はhで示された方向であると規定する。したがって、仮にw≧hである場合においてもhで示された方向を便宜上長軸方向と称する。底面の形状は限定されず、多角、角丸多角、円、または楕円等であってよく、幅wは当該底面が円形の場合は直径、楕円形である場合は長径、または多角形もしくは角丸多角である場合は外接円の直径もしくは外接楕円の長径である。
香味発生物品110は、喫煙可能物を巻装する第1の巻紙112を有していてもよい。香味発生物品110の長手方向の長さは、40mm~90mmであることが好ましく、50mm~75mmであることがより好ましく、50mm~60mmであることがさらに好ましい。より詳細には、香味発生物品110の長軸方向の長さhは、特段制限されず、例えば、通常40mm以上であり、45mm以上であることが好ましく、50mm以上であることがより好ましい。また、香味発生物品110の長軸方向の長さhは、通常100mm以下であり、90mm以下であることが好ましく、80mm以下であることがより好ましい。香味発生物品110の円周は、15mm~25mmであることが好ましく、17mm~24mmであることがより好ましく、20mm~23mmであることがさらに好ましい。より詳細には、香味発生物品110の柱状体の底面の幅wは、特段制限されず、例えば、通常5mm以上であり、5.5mm以上であることが好ましい。また、香味発生物品110の柱状体の底面の幅wは、通常10mm以下であり、9mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがより好ましい。また、香味発生物品110における喫煙可能物の長さは18mm~22mm、第1の巻紙112の長さは18mm~22mm、中空フィルタ部116の長さは7mm~9mm、フィルタ部115の長さは6mm~8mmであってよい。
香味発生物品110の長軸方向の長さにおける、筒状部材114及びフィルタセグメントの長さの割合(筒状部材114:フィルタセグメント)は、特段制限されないが、香料のデリバリ量や適切なエアロゾル温度の観点から、通常0.60~1.40:0.60~1.40であり、0.80~1.20:0.80~1.20であることが好ましく、0.85~1.15:0.85~1.15であることがより好ましく、0.90~1.10:0.90~1.10であることがさらに好ましく、0.95~1.05:0.95~1.05であることが特に好ましい。筒状部材114及びフィルタセグメントの長さの割合を上記範囲内とすることで、冷却効果、生成した蒸気及びエアロゾルが筒状部材114の内壁に付着することによるロスを抑制する効果、及びフィルタの空気量及び香味の調整機能のバランスがとれて、良好な香味及び香味の強さを実現できる。特に、筒状部材114を長くすると、エアロゾル等の粒子化が促進され良好な香味を実現できるが、長すぎると通過する物質の内壁への付着が生じてしまう。
マウスピース部の構成は、香味発生物品110の軸方向に対して、筒状部材114が、喫煙可能物とフィルタセグメントとに隣接して挟持されるように構成されていれば、特に制限されない。言い換えれば、香味発生物品110は、喫煙可能物とフィルタセグメントとの間に筒状部材114を有し得る。以下、フィルタセグメント及び筒状部材114について詳細に説明する。
(フィルタセグメントに関する開示)
フィルタセグメントは、フィルタ部115を含み、一般的なフィルタとしての機能を有していれば特に制限されない。フィルタの一般的な機能とは、例えば、エアロゾル等を吸引する際に混ざる空気量の調整や、香味の軽減、ニコチンやタールの軽減等が挙げられるが、これらの機能を全て備えていることは要しない。また、紙巻きたばこ製品と比較して、生成される成分が少なく、また、たばこ充填物の充填率が低くなる傾向のある電気加熱式たばこ製品においては、濾過機能を抑えつつたばこ充填物の落下を防止する、ということも重要な機能の1つである。
(寸法に関する開示)
フィルタセグメントの周方向の断面形状は実質的に円形であり、その円の直径は、製品のサイズに合わせて適宜変更し得るが、通常4.0mm以上、9.0mm以下であり、4.5mm以上、8.5mm以下であることが好ましく、5.0mm以上、8.0mm以下であることがより好ましい。なお、断面が円形でない場合、上記の直径には、その断面の面積と同じ面積を有すると仮定した円における直径が適用される。フィルタセグメントの周方向の断面形状の周の長さは、製品のサイズに合わせて適宜変更し得るが、通常14.0mm以上、27.0mm以下であり、15.0mm以上、26.0mm以下であることが好ましく、16.0mm以上、25.0mm以下であることがより好ましい。フィルタセグメントの軸方向の長さは、製品のサイズに合わせて適宜変更し得るが、通常15mm以上、35mm以下であり、17.5mm以上、32.5mm以下であることが好ましく、20.0mm以上、30.0mm以下であることがより好ましい。フィルタセグメントの形状や寸法が上記範囲となるように、フィルタ部115の形状や寸法を適宜調整できる。
(フィルタ部115に関する開示)
フィルタセグメントを構成するフィルタ部115は、例えば、後述する製造方法により製造したものを用いても、市販品を用いてもよい。また、フィルタセグメントの態様は、特段制限されず、単一のフィルタセグメントを含むプレーンフィルタ、デュアルフィルター又はトリプルフィルタ等の複数のフィルタセグメントを含むマルチセグメントフィルタ等とすることができる。フィルタセグメントは、公知の方法で製造することができ、例えば、セルロースアセテートトウの等の合成繊維をフィルタ部115の材料として用いる場合、ポリマー及び溶媒を含むポリマー溶液を紡糸し、これを捲縮する方法により製造することができる。該方法としては、例えば、国際公開第2013/067511号に記載の方法を用いることができる。フィルタセグメントの製造において、通気抵抗の調整や添加物(公知の吸着剤や香料(例えばメンソール)、粒状の活性炭、香料保持材等)のフィルタ部115への添加を適宜設計できる。フィルタセグメントを構成するフィルタ部115の態様は特段制限されず、公知の態様を採用してよく、例えば、セルロースアセテートトウを円柱状に加工したものを挙げることができる。セルロースアセテートトウの単糸繊度、総繊度は特に限定されないが、円周22mmのマウスピース部の場合は、単糸繊度は5g/9000m以上、12g/9000m以下、総繊度は12000g/9000m以上、35000g/9000m以下であることが好ましい。セルロースアセテートトウの繊維の断面形状は、円形、楕円形、Y字型、I字型、R字型等が挙げられる。セルロースアセテートトウを充填したフィルタ部115の場合は、フィルタ硬さを向上させるためにトリアセチン(可塑剤)をセルロースアセテートトウ重量に対して、5重量%以上、10重量%以下添加してもよい。また、該アセテートフィルタの代わりに、シート状のパルプ紙を充填したペーパーフィルタを用いる態様でもよい。
(中空フィルタ部116に関する開示)
フィルタセグメントは、1つまたは複数の中空部を有する中空フィルタ部116を含んでいてもよい。中空フィルタ部116は、通常、フィルタ部115よりも筒状部材114側に配置され、好ましくは筒状部材114と隣接するように配置される。
中空フィルタ部116は1つまたは複数の中空部を有する充填層と、該充填層を覆うインナープラグラッパー(内側巻取紙)とで構成される。中空部は中空フィルタ部116の任意の位置に設けることができる。中空フィルタ部116は、マウスピース部の強度を高める機能を有する。充填層は、例えば酢酸セルロース繊維が高密度で充填されトリアセチンを含む可塑剤が酢酸セルロース質量に対して、6質量%以上、20質量%以下添加されて硬化されたロッドとすることができる。中空フィルタ部116の内径は、φ1.0mm以上、φ5.0mm以下であり得る。充填層は繊維の充填密度が高いため、吸引時は、空気やエアロゾルは中空部のみを流れることになり、充填層内はほとんど流れない。中空フィルタ部116内部の充填層が繊維充填層であることから、使用時の外側からの触り心地は、使用者に違和感を生じさせることが少ない。なお、中空フィルタ部116がインナープラグラッパーを持たず、熱成型によってその形が保たれていてもよい。中空フィルタ部116の硬さは、フィルタ部115の硬さよりも大きいことが好ましい。具体的には、中空フィルタ部116に含まれる可塑剤の質量パーセントは、フィルタ部115に含まれる可塑剤の質量パーセントより大きいことが好ましい。香味発生物品110において、フィルタ部115でのエアロゾル成分の濾過による減少を少なくしたいときに、フィルタ部115の長さを短くして中空フィルタ部116で置き換えることは、エアロゾルのデリバリ量を増大させるために有効である。
(フィルタ密度に関する開示)
フィルタ部115の密度は、特段制限されないが、通常0.10g/cm以上、0.25g/cm以下であり、0.11g/cm以上、0.24g/cm以下であることが好ましく、0.12g/cm以上、0.23g/cm以下であることがより好ましい。
(フィルタラッパー(内側、外側巻取紙)に関する開示)
フィルタセグメントは、強度及び構造剛性の向上の観点から、上述のフィルタ部115等を巻装する巻取紙(フィルタープラグ巻取紙)を備えていてよい。巻取紙の態様は特段制限されず、一列以上の接着剤を含む継ぎ目を含んでいてよい。該接着剤は、ホットメルト接着剤を含んでいてよく、さらに該ホットメルト接着剤は、ポリビニルアルコールを含み得る。また、フィルタセグメントが2以上のセグメントからなる場合、巻取紙は、これらの2以上のセグメントを併せて巻装することが好ましい。巻取紙の材料は特段制限されず、公知のものを用いることができ、また、炭酸カルシウム等の充填剤等を含んでいてよい。巻取紙の厚さは、特段制限されず、通常20μm以上、140μm以下であり、30μm以上、130μm以下であることが好ましく、30μm以上、120μm以下であることがより好ましい。巻取紙の坪量は、特段制限されず、通常20gsm以上、100gsm以下であり、22gsm以上、95gsm以下であることが好ましく、23gsm以上、90gsm以下であることがより好ましい。また、巻取紙は、コーティングされていても、されていなくともよいが、強度や構造剛性以外の機能を付与できる観点からは、所望の材料でコーティングされることが好ましい。
中空フィルタ部116と、フィルタ部115とは、例えばアウタープラグラッパー(外側巻取紙)で接続されていてよい。アウタープラグラッパーは、例えば円筒状の紙であることができる。また、喫煙可能物と、筒状部材114と、接続済みの中空フィルタ部116及びフィルタ部115とは、例えばマウスピースライニングペーパー(第2の巻紙113)により接続されていてよい。これらの接続は、例えばマウスピースライニングペーパーの内側面に酢酸ビニル系糊等の糊を塗り、喫煙可能物、筒状部材114と、並びに接続済みの中空フィルタ部116及びフィルタ部115を入れて巻くことで接続することができる。なお、これらは複数のライニングペーパーで複数回に分けて接続されていてもよい。
(活性炭添加に関する開示)
フィルタ部115の少なくとも一部には、活性炭が添加されてもよい。活性炭の添加量は、1本の香味発生物品110において、活性炭の比表面積×活性炭の重量/フィルタ部115の通気方向に対して垂直方向の断面積の値として、15.0m/cm以上、80.0m/cm以下である。上記の「活性炭の比表面積×活性炭の重量/フィルタ部115の通気方向に対して垂直方向の断面積」を、便宜上、「単位断面積当たりの活性炭の表面積」と表現することがある。この単位断面積当たりの活性炭の表面積は、香味発生物品1101本が有するフィルタ部115に添加する活性炭の比表面積と、添加した活性炭の重量、フィルタ部115の断面積、に基づき算出できる。なお、活性炭はそれが添加されるフィルタ部115中には均一に分散されていないこともあり、フィルタ部115の全ての断面(通気方向に対して垂直方向の断面)において、上記の範囲を満たすことを要求するものではない。単位断面積当たりの活性炭の表面積が上記の範囲内であることで、加熱により生成する成分を所望の量でユーザにデリバリできるとともに、ユーザに対して所望の香味感を与えることができる。単位断面積当たりの活性炭の表面積が上記範囲の下限より小さいと、活性炭を添加することによる効果を十分に得ることができない。一方で、単位断面積当たりの活性炭の表面積が上記範囲の上限より大きいと、加熱により生成する成分が必要以上に低減してしまう。
単位断面積当たりの活性炭の表面積は、17.0m/cm以上であることがより好ましく、35.0m/cm以上であることがさらに好ましい。一方、77.0m/cm以下であることがより好ましく、73.0m/cm以下であることがさらに好ましい。単位断面積当たりの活性炭の表面積は、例えば、活性炭の比表面積とその添加量、フィルタ部115の通気方向に垂直な方向の断面積を調整することで調整できる。上記の単位断面積当たりの活性炭の表面積の算出は、活性炭が添加されているフィルタ部115を基準として算出される。フィルタセグメントが複数のフィルタ部115から構成されている場合、活性炭が添加されているフィルタ部115のみの断面積、長さを基準とする。
本態様で用いることができる活性炭としては、例えば、木、竹、椰子殻、胡桃殻、石炭などを原材料とするものを挙げることができる。また、本態様で用いることができる活性炭としては、BET比表面積が、1100m/g以上、1600m/g以下であるものを用いることができ、好ましくは1200m/g以上、1500m/g以下であるものを用いることができ、さらに好ましくは、1250m/g以上、1380m/g以下であるものを用いることができる。BET比表面積は、窒素ガス吸着法(BET多点法)によって求めることができる。また、本実施形態で用いることができる活性炭としては、その細孔容積が400μL/g以上、800μL/g以下であるものを用いることができ、より好ましくは500μL/g以上、750μL/g以下であるものを用いることができ、さらに好ましくは600μL/g以上、700μL/g以下であるものを用いることができる。細孔容積は、窒素ガス吸着法を用いて得た最大吸着量から算出することができる。
本態様では、活性炭が添加されたフィルタ部115の通気方向の単位長さ当たりの活性炭の添加量が、5mg/cm以上、50mg/cm以下であることが好ましく、8mg/cm以上、40mg/cm以下であることがより好ましく、10mg/cm以上、35mg/cm以下であることがさらに好ましい。本態様において、活性炭の比表面積、活性炭の添加量が上記の範囲であることで、単位断面積当たりの活性炭の表面積を所望のものに調整することができる。また、本態様で用いることができる活性炭としては、活性炭粒子の累積10体積%粒子径(粒子径D10)が250μm以上、1200μm以下であることが好ましい。また、活性炭粒子の累積50体積%粒子径(粒子径D50)は350μm以上、1500μm以下であることが好ましい。なお、D10及びD50は、レーザー回折散乱法によって測定される。この測定に適した装置として、堀場製作所のレーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置「LA-950」が挙げられる。この装置のセル内に、粉末が純水と共に流し込まれ、粒子の光散乱情報に基づいて、粒子径が検出される。該装置による測定条件は以下のとおりである。
測定モード:マニュアルフローモー式セル測定
分散媒:イオン交換水
分散方法:超音波1分照射後に測定
屈折率:1.92-0.00i(試料屈折)/1.33-0.00i(分散媒屈折率)
測定回数:試料を変えて2回測定
本態様において、フィルタ部115に活性炭を添加する方法については特に制限されず、活性炭の添加対象のフィルタ部115において略均一に分散されるように添加すればよい。なお、フィルタセグメントは、例えば、公知の製造方法により製造したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。また、フィルタセグメントの態様は、特段制限されず、単一のフィルタセグメントを含むフィルタや、デュアルフィルタ又はトリプルフィルタ等の複数のフィルタセグメントを含むマルチセグメントフィルタ等とすることができる。単一のフィルタセグメントからなる場合、活性炭が添加されるフィルタ部115がそのままフィルタセグメントとなる。一方で、複数のフィルタセグメントから構成される場合は、活性炭が添加されたフィルタ部115は、吸い口端を構成するフィルタ部115よりも上流側に配置されることが好ましい。一方、吸い口端を構成するフィルタ部115に活性炭が添加されていてもよい。なお、フィルタセグメントがマルチセグメントフィルタである場合、活性炭の添加量の基準となるフィルタセグメントの長さは、活性炭が添加されたフィルタ部115の長さである。活性炭の添加量は、フィルタセグメント全体に対する重量としては、例えば4.0mg以上、24.0mg以下を挙げることができ、4.5mg以上、23.0mg以下であることが好ましく、10.5mg以上、22.0mg以下であることがさらに好ましい。
(筒状部材114に関する開示)
筒状部材114は、喫煙可能物とフィルタセグメントとに隣接して挟持され得る。筒状部材114は、通常、円筒等の周方向の断面が中空(空洞)となるキャビティが設けられた棒状又は筒状の部材を含む。
(筒状部材114の寸法に関する開示)
筒状部材114の長軸方向の長さは、製品のサイズに合わせて適宜変更し得るが、通常15mm以上であり、20mm以上であることが好ましく、25mm以上であることがより好ましく、また、通常40mm以下であり、35mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましい。筒状部材114の長軸方向の長さを上記下限以上とすることで、十分な冷却効果を確保して良好な香味を得ることができ、上記上限以下とすることで、生成した蒸気及びエアロゾルが筒状部材114の内壁に付着することによりロスを抑制することができる。
冷却のためのシート等を筒状部材114に充填してもよい。筒状部材114の全表面積は、特段制限されず、例えば、300mm/mm以上、1000mm/mm以下を挙げることができる。この表面積は、筒状部材114の通気方向の長さ(mm)当たりの表面積である。筒状部材114の全表面積は、400mm/mm以上であることが好ましく、450mm/mm以上であることがより好ましく、一方、600mm/mm以下であることが好ましく、550mm/mm以下であることがより好ましい。筒状部材114は、その内部構造が大きい全表面積を有することが望ましい。従って、好ましい態様において、筒状部材114は、チャネルを形成するためにしわ付けされて、次に、ひだ付け、ギャザー付け、及び折り畳まれた薄い材料のシートを含んでもよい。要素の与えられた体積内の折り畳み又はひだが多いと、筒状部材114の合計表面積が大きくなる。筒状部材114の構成材料の厚みは、特段制限されず、例えば、5μm以上、500μm以下であってよく、また、10μm以上、250μm以下であってよい。
(喫煙可能物に関する開示)
喫煙可能物の態様は、公知の態様であれば特段制限されないが、通常、たばこ充填物を巻紙(第1の巻紙112)で巻装してなる態様である。たばこ充填物は特段制限されず、後述する第1のたばこ充填物又は第2のたばこ充填物を用いることができる。また、本願明細書では、後述するたばこ刻み、たばこシート、たばこ顆粒等のような乾燥たばこの成形品を、単に「乾燥たばこ葉」と称することがある。また、喫煙可能物は、たばこ製品を加熱するためのヒータ部材等との嵌合部を有していてもよい。
(喫煙可能物の寸法に関する開示)
たばこ充填物を巻紙で巻装してなる喫煙可能物は、柱状形状を有していることが好ましく、この場合には、喫煙可能物の底面の幅に対する喫煙可能物の長軸方向の高さで表されるアスペクト比が1以上であることが好ましい。底面の形状は限定されず、多角、角丸多角、円、楕円等であってよく、幅は当該底面が円形の場合は直径、楕円形である場合は長径、多角形または角丸多角である場合は外接円の直径または外接楕円の長径である。喫煙可能物を構成するたばこ充填物の高さは10mm~70mm程度、幅は4mm~9mm程度であることが好ましい。
喫煙可能物の長軸方向の長さは、製品のサイズに合わせて適宜変更し得るが、通常10mm以上であり、12mm以上であることが好ましく、15mm以上であることがより好ましく、18mm以上であることがさらに好ましく、また、通常70mm以下であり、50mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましく、25mm以下であることがさらに好ましい。また、香味発生物品110の長軸方向の全体の長さhに対する喫煙可能物の長さの割合は、特段制限されないが、デリバリ量とエアロゾル温度のバランスの観点から、通常10%以上であり、20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましく、また、通常80%以下であり、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましく、50%以下であることがさらに好ましく、45%以下であることが特に好ましく、40%以下であることが最も好ましい。
(充填量に関する開示)
喫煙可能物中の乾燥たばこ葉の含有量は、特段制限されないが、200mg/1喫煙可能物以上、800mg/1喫煙可能物以下を挙げることができ、250mg/1喫煙可能物以上、600mg/1喫煙可能物以下が好ましい。この範囲は、特に、円周22mm、長さ20mmの喫煙可能物において好適である。
(充填物に関する開示(第1のたばこ充填物:刻充填))
まず、第1のたばこ充填物(単に「第1の充填物」とも称する。)から説明する。第1の充填物に含まれるたばこ刻み(香味源)の材料は特に限定されず、ラミナや中骨等のたばこ、又はその他の公知の植物を用いることができる。また、たばこ等の香味源の形状は、刻み状、シート状、紐状、粉状、粒状、ペレット状、スラリー状、又は多孔質状などであってもよい。具体的には例えば、乾燥したたばこ葉を平均粒径が20μm以上、200μm以下になるように粉砕してたばこ粉砕物とし、これを均一化したものをシート加工したもの(以下、単に均一化シートともいう)を刻んだものであってもよい。さらに、喫煙可能物の長手方向と同程度の長さを有する均一化シートを、喫煙可能物の長手方向と略水平に刻んだものを喫煙可能物に充填する、いわゆるストランドタイプであってもよい。さらに、上記のシート加工したものについて刻まずにギャザー加工したものを喫煙可能物として用いてもよい。また、たばこ刻みの幅は、喫煙可能物に充填するうえで0.5mm以上、2.0mm以下であることが好ましい。香味発生物品110におけるたばこ等の喫煙可能物の含有量の範囲は、喫煙可能物の大きさが円周20mm~23mm、長さ18mm~22mmの場合、例えば、200mg~400mgであり、250mg~320mgであることが好ましい。
上記たばこ刻み及び均一化シートの作製に用いるたばこ葉について、使用するたばこの種類は、様々なものを用いることができる。例えば、黄色種、バーレー種、オリエント種、在来種、その他のニコチアナ-タバカム系品種、ニコチアナ-ルスチカ系品種、及びこれらの混合物を挙げることができる。混合物については、目的とする味となるように、上記の各品種を適宜ブレンドして用いることができる。上記たばこの品種の詳細は、「たばこの事典、たばこ総合研究センター、2009.3.31」に開示されている。上記均一化シートの製造方法、すなわち、たばこ葉を粉砕して均一化シートに加工する方法は従来の方法が複数存在している。1つ目は抄紙プロセスを用いて抄造シートを作製する方法である。2つ目は水等の適切な溶媒を、粉砕したたばこ葉に混ぜて均一化した後に金属製板もしくは金属製板ベルトの上に均一化物を薄くキャスティングし、乾燥させてキャストシートを作製する方法である。3つ目は水等の適切な溶媒を、粉砕したたばこ葉に混ぜて均一化したものをシート状に押し出し成型して圧延シートを作製する方法である。上記均一化シートの種類については、「たばこの事典、たばこ総合研究センター、2009.3.31」に詳細が開示されている。
たばこ充填物の水分含有量は、たばこ充填物の全量に対して8重量%以上18重量%以下であり得、10重量%~16重量%であることが好ましく、10重量%以上15重量%以下であることがより好ましく、11重量%以上、13重量%以下であることがさらに好ましい。このような水分含有量であると、巻染みの発生を抑制し、喫煙可能物の製造時の巻上適性を良好にする。また、香味発生物品110が保持部の断面形状に合わせて適度に変形しやすくなる。第1のたばこ充填物に含まれるたばこ刻みの大きさやその調製法については特に制限はない。例えば、乾燥したたばこ葉を、幅0.5mm以上2.0mm以下に刻んだものを用いてもよく、好ましくは幅0.8mm以上1.2mm以下に刻んだものを用いることができる。また、均一化シートの粉砕物を用いる場合、乾燥したたばこ葉を平均粒径が20μm~200μm程度になるように粉砕して均一化したものをシート加工し、それを幅0.5mm以上、2.0mm以下、好ましくは幅0.8mm以上1.2mm以下に刻んだものを用いてもよい。
第1のたばこ充填物は、エアロゾル煙を生成するエアロゾル基材を含んでいてもよい。当該エアロゾル基材の種類は、特に限定されず、用途に応じて種々の天然物からの抽出物質及び/又はそれらの構成成分を選択することができる。エアロゾル基材としては、グリセリン、プロピレングリコール、トリアセチン、1,3-ブタンジオール、及びこれらの混合物を挙げることができる。第1のたばこ充填物中のエアロゾル基材の含有量(第1のたばこ充填物の重量に対する重量%)は、特に限定されず、十分にエアロゾルを生成させるとともに、良好な香味の付与の観点から、たばこ充填物の全量に対して通常5重量%以上であり、好ましくは10重量%以上であり、また、通常50重量%以下であり、好ましくは15重量%以上、25重量%以下である。
第1のたばこ充填物は、香料を含んでいてもよい。当該香料の種類は、特に限定されず、良好な香味の付与の観点から、フィルタ部115に添加される上述した香料と同様の香料であり得る。
第1のたばこ充填物中の香料の含有量は、特に限定されず、良好な香味の付与の観点から、通常10000ppm以上であり、好ましくは20000ppm以上であり、より好ましくは25000ppm以上であり、また、通常70000ppm以下であり、好ましくは50000ppm以下であり、より好ましくは40000ppm以下であり、さらに好ましくは33000ppm以下である。
第1のたばこ充填物における充填密度は、特に限定されないが、香味発生物品110の性能を担保し、良好な香味の付与の観点から、通常250mg/cm以上であり、好ましくは300mg/cm以上であり、また、通常400mg/cm以下であり、好ましくは350mg/cm以下である。上記の第1のたばこ充填物は、それが内側になるように巻紙によって巻装されて喫煙可能物を形成する。
(充填物に関する開示(第2のたばこ充填物:シート充填))
第2のたばこ充填物は、被充填物に充填されたたばこシートから構成される。たばこシートの枚数は、1枚であってもよく、2枚以上であってもよい。第2のたばこ充填物が、1枚のたばこシートから構成される場合の態様としては、例えば、その一辺が、被充填物の長手方向と同程度の長さを有するたばこシートが、被充填物の長手方向と水平に複数回折り返された状態で充填態様(いわゆるギャザーシート)が挙げられる。また、その一辺が、被充填物の長手方向と同程度の長さを有するたばこシートを、被充填物の長手方向と直交する方向に巻き回された状態で充填される態様も挙げられる。
第2のたばこ充填物が、2枚以上のたばこシートから構成される場合の態様としては、例えば、その一辺が、被充填物の長手方向と同程度の長さを有する複数のたばこシートが、同心状に配置されるように、被充填物の長手方向と直交する方向に巻き回された状態で充填される態様が挙げられる。「同心状に配置される」とは、すべてのたばこシートの中心が略同じ位置にあるように配置されていることをいう。また、たばこシートの枚数は、特に制限されないが、2枚、3枚、4枚、5枚、6枚、又は7枚である態様を挙げることができる。2枚以上のたばこシートはすべて同じ組成あるいは物性であってもよいし、各たばこシートの中の一部または全部が異なる組成あるいは物性であってもよい。また、各たばこシートの厚みは、それぞれが同一であってもよく、異なっていてもよい。
第2のたばこ充填物は、幅の異なる複数のたばこシートを準備して、底部から頂部に向かって幅が小さくなるように積層した積層体を調製し、これを巻管に通して巻き上げ成形することで製造できる。この製造方法によれば、該複数のたばこシートが、長手方向に延在するとともに、該長手方向軸を中心として同心状に配置されるようになる。また、該長手方向軸と、最内層のたばこシートとの間に、長手方向に延在する嵌合部が形成されてもよい。
この製造方法において、積層体は巻上げ成形後に隣接する上記たばこシート間に非接触部が形成されるように調製されることが好ましい。複数のたばこシート間に、当該たばこシートが接触しない非接触部(隙間)が存在すると、香味流路を確保して香味成分のデリバリー効率を高めることができる。他方で、複数のたばこシートの接触部分を介してヒータからの熱を外側のたばこシートに伝達できるので高い伝熱効率を確保することができる。複数のたばこシート間に、当該たばこシートが接触しない非接触部を設けるために、例えば、エンボス加工したたばこシートを用いる、隣接するたばこシート同士の全面を接着せずに積層する、隣接するたばこシート同士の一部を接着して積層する、あるいは隣接するたばこシート同士の全面あるいは一部を、巻上げ成形後に剥がれるように軽度に接着して積層することで積層体を調製する方法を挙げることができる。巻紙を含めた喫煙可能物を調製する場合には、積層体の最底部に上記の巻紙を配置してもよい。また、積層体の最頂部にマンドレル等の筒状ダミーを載置して第2のたばこ充填物を形成した後に、当該ダミーを除去することで、嵌合部を形成することもできる。
第2のたばこ充填物の充填密度は、特に限定されないが、たばこ製品の性能を担保し、良好な香味を付与する観点から、通常250mg/cm以上であり、好ましくは300mg/cm以上であり、また、通常400mg/cm以下であり、好ましくは350mg/cm以下である。
たばこシートは、加熱に伴ってエアロゾル煙を生成するエアロゾル基材を含んでいてもよい。エアロゾル基材としてグリセリン、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール等のポリオール等のエアロゾル源を添加する。かかるエアロゾル基材の添加量は、たばこシートの乾燥重量に対して5重量%以上、50重量%以下が好ましく、15重量%以上、25重量%以下がより好ましい。
たばこシートは、抄造、スラリー、圧延、等の公知の方法で適宜製造できる。なお、第1のたばこ充填物で説明した均一化シートを用いることもできる。抄造の場合は、以下の工程を含む方法で製造できる。1)乾燥たばこ葉を粗砕し、水で抽出して水抽出物と残渣に分離する。2)水抽出物を減圧乾燥して濃縮する。3)残渣にパルプを加え、リファイナで繊維化した後、抄紙する。4)抄紙したシートに水抽出物の濃縮液を添加して乾燥し、たばこシートとする。この場合、ニトロソアミン等の一部の成分を除去する工程を加えてもよい(特表2004-510422号公報参照)。スラリー法の場合は、以下の工程を含む方法で製造できる。1)水、パルプ及びバインダーと、砕いたたばこ葉を混合する。2)当該混合物を薄く延ばして(キャストして)乾燥する。この場合、水、パルプ及びバインダーと、砕いたたばこ葉を混合したスラリーに対して紫外線照射もしくはX線照射することでニトロソアミン等の一部の成分を除去する工程を加えてもよい。
この他、国際公開第2014/104078号に記載されているように、以下の工程を含む方法によって製造された不織布状のたばこシートを用いることもできる。1)粉粒状のたばこ葉と結合剤を混合する。2)当該混合物を不織布によって挟む。3)当該積層物を熱溶着によって一定形状に成形し、不織布状のたばこシートを得る。上記の各方法で用いる原料のたばこ葉の種類は、第1の充填物で説明したものと同じものを用いることができる。たばこシートの組成は特に限定されないが、例えば、たばこ原料(たばこ葉)の含有量はたばこシート全重量に対して50重量%以上、95重量%以下であることが好ましい。また、たばこシートはバインダーを含んでもよく、係るバインダーとしては、例えば、グアーガム、キサンタンガム、CMC(カルボキシメチルセルロース)、CMC-Na(カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩)等が挙げられる。バインダー量としては、たばこシート全重量に対して1重量%以上、10重量%以下であることが好ましい。たばこシートはさらに他の添加物を含んでもよい。添加物としては、例えばパルプなどのフィラーを挙げることができる。本実施形態においては複数のたばこシートを用いるが、係るたばこシートはすべて同じ組成あるいは物性であってもよいし、各たばこシートの中の一部または全部が異なる組成あるいは物性であってもよい。
第2のたばこ充填物は、幅の異なる複数のたばこシートを準備して、底部から頂部に向かって幅が小さくなるように積層した積層体を調製し、これを巻管に通して巻き上げ成形することで製造できる。この製造方法によれば、該複数のたばこシートが、長手方向に延在するとともに、該長手方向軸を中心として同心状に配置されるようになる。また、該長手方向軸と、最内層のたばこシートとの間に、長手方向に延在する嵌合部が形成されてもよい。この製造方法において、積層体は巻上げ成形後に隣接する上記たばこシート間に非接触部が形成されるように調製されることが好ましい。複数のたばこシート間に、当該たばこシートが接触しない非接触部(隙間)が存在すると、香味流路を確保して香味成分のデリバリ効率を高めることができる。他方で、たばこ製品を電気加熱式たばこ製品で用いる場合、複数のたばこシートの接触部分を介してヒータからの熱を外側のたばこシートに伝達できるので高い伝熱効率を確保することができる。
複数のたばこシート間に、当該たばこシートが接触しない非接触部を設けるために、例えば、エンボス加工したたばこシートを用いる、隣接するたばこシート同士の全面を接着せずに積層する、隣接するたばこシート同士の一部を接着して積層する、あるいは隣接するたばこシート同士の全面あるいは一部を、巻上げ成形後に剥がれるように軽度に接着して積層することで積層体を調製する方法を挙げることができる。巻紙を含めた喫煙可能物を調製する場合には、積層体の最底部に上記の巻紙を配置してもよい。また、積層体の最頂部にマンドレル等の筒状ダミーを載置して第2のたばこ充填物を形成した後に、当該ダミーを除去することで、嵌合部を形成することもできる。各たばこシートの厚みについては制限されないが、伝熱効率と強度の兼ね合いから、150μm以上、1000μm以下が好ましく、200μm以上、600μm以下がより好ましい。各たばこシートの厚みについては、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。第2のたばこ充填物を構成するたばこシートの枚数は、特段制限されないが、例えば2枚、3枚、4枚、5枚、6枚、または7枚を挙げることができる。
(巻紙に関する開示)
香味発生物品110は、筒状部材114、中空フィルタ部116、及びフィルタ部115の少なくとも1つを巻装する、第1の巻紙112とは異なる第2の巻紙113を有していてもよい。第2の巻紙113は、喫煙可能物を巻装する第1の巻紙112の一部を巻装してもよい。巻紙(以下、第1の巻紙112又は第2の巻紙113を含む)の構成は、特段制限されず、一般的な態様とすることができ、例えば、パルプが主成分のものを挙げることができる。パルプとしては、針葉樹パルプや広葉樹パルプなどの木材パルプで抄造される以外にも、亜麻パルプ、大麻パルプ、サイザル麻パルプ、エスパルトなど一般的にたばこ製品用の巻紙に使用される非木材パルプを混抄して製造して得たものでもよい。パルプの種類としては、クラフト蒸解法、酸性・中性・アルカリ亜硫酸塩蒸解法、ソーダ塩蒸解法等による化学パルプ、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等を使用できる。
上記パルプを用いて長網抄紙機、円網抄紙機、円短複合抄紙機等による抄紙工程の中で、地合いを整え均一化して巻紙を製造する。なお、必要に応じて、湿潤紙力増強剤を添加して巻紙に耐水性を付与したり、サイズ剤を添加して巻紙の印刷具合の調整を行ったりすることができる。さらに、硫酸バンド、各種のアニオン性、カチオン性、ノニオン性或いは、両性の歩留まり向上剤、濾水性向上剤、及び紙力増強剤等の抄紙用内添助剤、並びに、染料、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、及びスライムコントロール剤等の製紙用添加剤を添加することができる。
巻紙原紙の坪量は、例えば通常20gsm以上であり、好ましくは25gsm以上である。一方、坪量は通常65gsm以下、好ましくは50gsm以下、さらに好ましくは45gsm以下、である。上記の特性を有する巻紙の厚みは、特に限定されず、剛性、通気性、及び製紙時の調整の容易性の観点から、通常10μm以上であり、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは30μm以上であり、また、通常100μm以下であり、好ましくは75μm以下であり、より好ましくは50μm以下である。該香味発生物品110の巻紙として、その形状は正方形又は長方形を挙げることができる。たばこ充填物を巻装するため(喫煙可能物を作製するため)の巻紙として利用する場合、一辺の長さとして12mm~70mm程度を挙げることができ、もう一辺の長さとして15mm~28mm、もう一辺の好ましい長さとして22mm~24mm、さらに好ましい長さとして23mm程度を挙げることができる。たばこ充填物を巻紙で柱状に巻装する際は、例えば幅方向の巻紙の端部とその逆側の端部を2mm程度重ね合わせて糊付けすることで、柱状の紙管の形状となり、その中にたばこ充填物が充填されている形状となる。長方形形状の巻紙のサイズは、出来上がった喫煙可能物のサイズによって決めることができる。チップペーパのように、喫煙可能物と喫煙可能物に隣接するその他の部材を連結して巻装するものである場合、一辺の長さとして20mm~60mm、もう一辺の長さとして15mm~28mmを挙げることができる。
上記のパルプの他に、巻紙には填料が含まれてもよい。填料の含有量は、巻紙の全重量に対して10重量%以上、60重量%未満を挙げることができ、15重量%以上、45重量%以下であることが好ましい。巻紙では、好ましい坪量の範囲(25gsm以上、45gsm以下)において、填料が15重量%以上、45重量%以下であることが好ましい。さらに、坪量が25gsm以上、35gsm以下のとき、填料が15重量%以上、45重量%以下であることが好ましく、坪量が35gsm超、45gsm以下のとき、填料が25重量%以上、45重量%以下であることが好ましい。填料としては、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カオリン等を使用することができるが、香味や白色度を高める観点等から炭酸カルシウムを使用することが好ましい。これらのような填料を含む紙は、香味発生物品110の巻紙として利用する外観上の観点から好ましい白色系の明るい色を呈し、恒久的に白さを保つことができる。そのような填料を多く含有させることで、例えば、巻紙のISO白色度を83%以上にすることができる。また、香味発生物品110の巻紙として利用する実用上の観点から、第1の巻紙112及び第2の巻紙113は、8N/15mm以上の引張強度を有することが好ましい。これによって、保持部に保持された香味発生物品110を引き抜く際にも巻紙が破損しにくくなる。この引張強度は、填料の含有量を少なくすることで高めることができる。具体的には、上記で例示した各坪量の範囲において示した填料の含有量の上限よりも填料の含有量を少なくすることで、引張強度を高めることができる。
巻紙には、原紙や填料以外の種々の助剤を添加してもよく、例えば、耐水性を向上させるために、耐水性向上剤を添加することができる。耐水性向上剤には、湿潤紙力増強剤(WS剤)及びサイズ剤が含まれる。湿潤紙力増強剤の例を挙げると、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン(PAE)等である。また、サイズ剤の例を挙げると、ロジン石けん、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)、ケン化度が90%以上の高ケン化ポリビニルアルコール等である。助剤として、紙力増強剤を添加してもよく、例えば、ポリアクリルアミド、カチオンでんぷん、酸化でんぷん、CMC、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、ポリビニルアルコール等を挙げられる。特に、酸化でんぷんについては、極少量用いることにより、通気度が向上することが知られている(特開2017-218699号公報)。また、巻紙は、適宜コーティングされていてもよい。
巻紙には、その表面及び裏面の2面うち、少なくとも1面にコーティング剤が添加されてもよい。コーティング剤としては特に制限はないが、紙の表面に膜を形成し、液体の透過性を減少させることができるコーティング剤が好ましい。例えばアルギン酸及びその塩(例えばナトリウム塩)、ペクチンのような多糖類、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロースのようなセルロース誘導体、デンプンやその誘導体(例えばカルボキシメチルデンプン、ヒドロキシアルキルデンプン及びカチオンデンプンのようなエーテル誘導体、酢酸デンプン、リン酸デンプン及びオクテニルコハク酸デンプンのようなエステル誘導体)を挙げることができる。
(チップペーパ(第2の巻紙113)に関する開示)
チップペーパの構成は、特段制限されず、一般的な態様とすることができ、例えば、パルプが主成分のものを挙げることができる。パルプとしては、針葉樹パルプや広葉樹パルプなどの木材パルプで抄造される以外にも、亜麻パルプ、大麻パルプ、サイザル麻パルプ、エスパルトなど一般的にたばこ物品用の巻紙に使用される非木材パルプを混抄して製造して得たものでもよい。これらのパルプは、単独の種類で用いてもよく、複数の種類を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。また、チップペーパは1枚で構成されていてもよいが、複数枚以上で構成されていてもよい。パルプの態様としては、クラフト蒸解法、酸性・中性・アルカリ亜硫酸塩蒸解法、ソーダ塩蒸解法等による化学パルプ、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等を使用できる。なお、チップペーパは、後述する製造方法により製造したものでも、市販品を用いてもよい。チップペーパの形状は、特段制限されず、例えば、正方形または長方形とすることができる。
チップペーパの坪量は、特段制限されないが、通常32gsm以上、40gsm以下であり、33gsm以上、39gsm以下であることが好ましく、34gsm以上、38gsm以下であることがより好ましい。チップペーパの通気度は、特段制限されないが、通常0コレスタユニット以上、30000コレスタユニット以下であり、0コレスタユニット超、10000コレスタユニット以下であることが好ましい。通気度は、ISO 2965:2009に準拠して測定される値であり、紙の両面の差圧が1kPaのときに、1分ごとに面積1cmを通過する気体の流量(cm)で表される。1コレスタユニット(1コレスタ単位、1C.U.)は、1kPa下においてcm/(min・cm)である。
チップペーパは、上記のパルプ以外に、填料が含有されていてもよく、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩、酸化チタン、二酸化チタン、酸化アルミニウムなどの金属酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの金属硫酸塩、硫化亜鉛などの金属硫化物、石英、カオリン、タルク、ケイソウ土、石膏等が挙げられ、特に、白色度・不透明度の向上及び加熱速度の増加の観点から炭酸カルシウムを含んでいることが好ましい。また、これらの填料は1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
チップペーパは、上記のパルプや填料以外に、種々の助剤を添加してもよく、例えば、向上させるために、耐水性向上剤を有することができる。耐水性向上剤には、湿潤紙力増強剤(WS剤)及びサイズ剤が含まれる。湿潤紙力増強剤の例を挙げると、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドエピクロルヒドリン(PAE)等である。また、サイズ剤の例を挙げると、ロジン石けん、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水コハク酸(ASA)、ケン化度が90%以上の高ケン化ポリビニルアルコール等である。
チップペーパには、その表面及び裏面の2面うち、少なくとも1面にコーティング剤が添加されてもよい。コーティング剤としては特に制限はないが、紙の表面に膜を形成し、液体の透過性を減少させることができるコーティング剤が好ましい。
本態様に係る香味発生物品110の構成は、電気加熱式たばこ製品に用いられ得るものであるが、燃焼を伴うシガレット(紙巻きたばこ)にも適用することができる。チップペーパの外面の一部がリップリリース材料117によって被覆されていてもよい。リップリリース材料117は、ユーザが香味発生物品110のマウスピース部を口で咥えた際に、唇とチップペーパとの間の接触が実質的に粘着することなく容易に離れることを補助するように構成される材料を意味する。リップリリース材料117は、例えば、エチルセルロース、メチルセルロースなどを含んでいても良い。例えば、チップペーパの外面に対して、エチルセルロース系、或いは、メチルセルロース系のインクを塗工することでチップペーパの外面をリップリリース材料117によってコーティングしても良い。
本態様において、チップペーパのリップリリース材料117は、ユーザがマウスピース部を咥えた際に、当該ユーザの唇に接触する所定の吸い口領域に少なくとも配置される。より具体的には、チップペーパにおける外面のうち、リップリリース材料117によって被覆されたリップリリース材料配置領域は、マウスピース部の吸い口端から通気孔との間に位置する領域として規定されている。
次に、香味吸引器100の内部構造について説明する。図3は、図1Bに示した矢視3-3における香味吸引器100の断面図である。図3に示すように、香味吸引器100のアウタハウジング101の内側には、後述する電源部20や霧化部30等の被収容物が載置される載置部10が設けられる。載置部10は、例えば樹脂製であり、特に、ポリカーボネート(PC)、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)または複数種類のポリマーを含有するポリマーアロイ等で形成され得る。なお、載置部10は、例えばアルミニウム等の金属で形成された部分を含んでいてもよい。ここで、耐熱性や加工性、強度の観点から、載置部10は、ポリカーボネートであることが好ましい。載置部10の内部空間には、電源部20と、霧化部30と、が設けられる。なお、電源部20および霧化部30は、香味吸引器100が組み立てられた後は、交換不可能である。また、アウタハウジング101と載置部10とを合わせて筐体と呼ぶことがある。
電源部20は、電源21を有する。電源21は、例えば、充電式バッテリまたは非充電式のバッテリであり得る。電源21は、霧化部30と電気的に接続される。これにより、電源21は、香味発生物品110を適切に加熱するように、霧化部30に電力を供給することができる。
霧化部30は、図示のように、香味発生物品110の挿入方向(Z軸方向)に延びるチャンバ50(収容部の一例に相当する)と、チャンバ50の軸方向(Z軸方向)に沿って配置され、チャンバ50の一部を覆う加熱部40と、断熱部32と、略筒状の挿入ガイド部材34と、を有する。チャンバ50は、香味発生物品110を収容するように構成される。チャンバ50の内周面には、収容された香味発生物品110を把持する図示しないボス(把持部、突起の一例に相当する)が設けられる。ボスの詳細については、後述する。
加熱部40は、チャンバ50の外周面に接触し、チャンバ50に収容された香味発生物品110を加熱するように構成される。ここで、加熱部40は、香味発生物品110に挿入される加熱要素を有するものではない。図示のように、チャンバ50の底部には、底部材36が設けられていてもよい。底部材36は、チャンバ50に挿入された香味発生物品110を位置決めするストッパとして機能し得る。底部材36は、香味発生物品110が当接する面に凹凸を有し、香味発生物品110が当接する面に空気を供給可能な空間を画定し得る。底部材36は、例えば樹脂製であり、特に、ポリカーボネート(PC)、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)または複数種類のポリマーを含有するポリマーアロイ等、あるいは、アルミニウム等の金属で形成され得る。なお、底部材36は、断熱部32等に熱が伝わることを抑制するために、熱伝導率の小さい素材で形成されることが好ましい。
断熱部32は、全体として略筒状であり、チャンバ50を覆うように配置される。断熱部32は、例えばエアロゲルシートを含み得る。挿入ガイド部材34は、アウタハウジング101とチャンバ50との間に設けられる。挿入ガイド部材34は、アウタハウジング101の開口から筐体内に差し込まれると、爪が筐体に係合し、筐体外に脱出不能に構成されている。挿入ガイド部材34は、例えば樹脂製であり、特に、ポリカーボネート(PC)、ABS(Acrylonitrile-Butadiene-Styrene)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)または複数種類のポリマーを含有するポリマーアロイ等で形成され得る。なお、挿入ガイド部材34は、金属やガラス、セラミック等で形成されてもよい。また、耐熱性の観点から、挿入ガイド部材34は、PEEKであることが好ましい。挿入ガイド部材34は、スライドカバー102が開位置にあるときに、香味吸引器100の外部と連通し、香味発生物品110を挿入ガイド部材34の貫通孔34aに挿入することで、チャンバ50への香味発生物品110の挿入を案内する。スライドカバー102は、開位置にあるときに、挿入ガイド部材34の貫通孔34aを外部に露見させつつ、チャンバ50の軸方向(Z軸方向)において挿入ガイド部材34の少なくとも一部を覆うように構成されている。図3において、スライドカバー102が挿入ガイド部材34の貫通孔34aの全体を覆うように閉じている状態を2点鎖線で示す。
香味吸引器100は、さらに、チャンバ50および断熱部32の両端を保持する、第1保持部37と、第2保持部38とを有する。第1保持部37は、チャンバ50および断熱部32のZ軸負方向側の端部を保持するように配置される。第2保持部38は、チャンバ50および断熱部32のスライドカバー102側(Z軸正方向側)の端部を保持するように配置される。
次に、チャンバ50の構造について説明する。図4Aは、本実施形態に係るチャンバ50の斜視図である。図4Bは、図4Aに示す矢視4B-4Bにおけるチャンバ50の断面図である。図5Aは、図4Bに示す矢視5A-5Aにおけるチャンバ50の断面図である。図5Bは、図4Bに示す矢視5B-5Bにおけるチャンバ50の断面図である。図6は、本実施形態に係るチャンバ50および加熱部40の斜視図である。
図4Aおよび図4Bに示すように、チャンバ50は、香味発生物品110が挿入される開口52と、香味発生物品110を収容する筒状の側壁部60と、を含む筒状形状を有し得る。チャンバ50の開口52を画定する端部には、フランジ部52aが形成される。チャンバ50は、底部56の反対側に設けられたフランジ部52aがアウタハウジング101の開口を向くように配置される。チャンバ50は、耐熱性を有し、熱膨張率の小さい素材で形成されることが好ましく、例えば、ステンレス鋼等で形成され得る。なお、チャンバ50は、金属の他、PEEK等の樹脂や、ガラス、セラミック等で形成されてもよい。これにより、チャンバ50から香味発生物品110へ効果的な加熱が可能になる。なお、チャンバ50は、筒状形状に限定されず、カップ形状を有していてもよい。
図4Bおよび図5Bに示すように、側壁部60は、接触部62と、離間部66と、を含む。香味発生物品110がチャンバ50内の所望の位置に配置されたとき、接触部62は、チャンバ50の軸方向(Z軸方向)に沿って香味発生物品110の一部と接触または押圧し、離間部66は、香味発生物品110から離間する。すなわち、チャンバ50は、挿入された香味発生物品110を圧縮して把持する。なお、本明細書において、「チャンバ50内の所望の位置」とは、香味発生物品110が適切に加熱される位置、またはユーザが喫煙するときの香味発生物品110の位置をいう。接触部62は、内面62aと、外面62bとを有する。離間部66は、内面66aと、外面66bとを有する。図6に示すように、加熱部40は、接触部62の外面62bに配置される。加熱部40は、接触部62の外面62bに隙間なく配置されることが好ましい。なお、加熱部40は接着層を含んでもよい。その場合、接着層を含む加熱部40が、接触部62の外面62bに隙間なく配置されることが好ましい。
図4Aおよび図5Bに示すように、接触部62の外面62bは平面である。接触部62の外面62bが平面であることにより、図6に示すように、接触部62の外面62bに配置される加熱部40に帯状の電極48が接続されている場合に、帯状の電極48が撓むことを抑制することができる。図4Bおよび図5Bに示すように、接触部62の内面62aは平面である。また、図4Bおよび図5Bに示すように、接触部62の厚みは均一である。
図4A、図4Bおよび図5Bに示すように、チャンバ50は、接触部62をチャンバ50の周方向に2つ有し、2つの接触部62は、互いに平行になるように対向する。2つの接触部62の内面62a間の少なくとも一部の距離は、チャンバ50に挿入される香味発生物品110の接触部62間に配置される箇所の幅よりも小さいことが好ましい。
図5Bに示すように、離間部66の内面66aは、チャンバ50の軸方向(Z軸方向)に直交する断面において、全体的に円弧状の断面を有し得る。また、離間部66は、接触部62と周方向において隣接するように配置される。すなわち、接触部62および離間部66は、チャンバ50の軸方向(Z軸方向)に直交する断面において、非円形の内周面を構成する。
図4Bに示すように、チャンバ50は図3に示した底部材36が貫通してチャンバ50内部に配置されるように、その底部56に孔56aを有し得る。底部材36は、チャンバ50の底部56の内部に接着剤等により固定され得る。なお、底部材36と底部56との間に介在する接着剤は、エポキシ樹脂等の樹脂材料で構成され得る。また、これに代えて、セメントや溶接等、無機の接着剤も用いられ得る。底部56に設けられる底部材36は、香味発生物品110の端面の少なくとも一部を露出するように、チャンバ50に挿入された香味発生物品110の一部を支持し得る。また、底部56は、露出した香味発生物品110の端面が後述する空隙67(図7参照)と連通するように、香味発生物品110の一部を支持し得る。
図4A、図4Bおよび図5Aに示すように、チャンバ50は、開口52と側壁部60との間に筒状の非保持部54を有することが好ましい。香味発生物品110がチャンバ50の所望の位置に位置決めされた状態において、非保持部54と香味発生物品110との間に隙間が形成され得る。また、図4Aおよび図4Bに示すように、チャンバ50は、非保持部54の内面と接触部62の内面62aとを接続するテーパ面58aを備えた第1ガイド部58を有することが好ましい。
図6に示すように、加熱部40は、加熱要素42を有する。加熱要素42は、例えば発熱抵抗体であってもよい。加熱要素42は、チャンバ50の離間部66に接触せず、接触部62を加熱するように配置されることが好ましい。言い換えれば、加熱要素42は、接触部62の外面にのみ配置されることが好ましい。加熱要素42は、チャンバ50の離間部66を加熱する部分と、接触部62を加熱する部分とで、加熱能力に差を有していてもよい。具体的には、加熱要素42は、離間部66よりも接触部62を高い温度に加熱するように構成されていてもよい。例えば、接触部62と離間部66とにおける加熱要素42の発熱抵抗体の配置密度が調整され得る。また、加熱要素42は、チャンバ50の全周において略同一の加熱能力を有して、チャンバ50の外周に巻回されてもよい。図6に示すように、加熱部40は、加熱要素42に加えて、加熱要素42の少なくとも一面を覆う樹脂等で構成された電気絶縁部材44を有することが好ましい。本実施形態においては、電気絶縁部材44は加熱要素42の両面を覆うように配置される。
図7は、本実施形態に係るチャンバ50内の所望の位置に香味発生物品110が配置された状態の図5Bに示す断面図である。図7に示すように、香味発生物品110がチャンバ50内の所望の位置に配置されると、香味発生物品110はチャンバ50の接触部62と接触して押圧され得る。他方、香味発生物品110と離間部66との間には、空隙67が形成される。空隙67は、チャンバ50の開口52と、チャンバ50内に位置づけられた香味発生物品110の端面と連通し得る。これにより、チャンバ50の開口52から流入した空気は、空隙67を通過して、香味発生物品110の内部に流入することができる。言い換えれば、香味発生物品110と離間部66との間に空気流路(空隙67)が形成される。
次に、本実施形態に係るチャンバ50について、各実施例に対応するボスの具体的な構造について説明する。
[実施例1:縦長ボス]
図8は、本実施形態の実施例1に係るチャンバ50を示す断面図である。図9は、図8に示したチャンバ50の断面図である。ここで、図8は、チャンバ50の軸に沿ってチャンバ50を切断した断面であって、図4Bに示した断面に直交する断面を示している。また、図9は、図5Aに対応した断面を示している。
図8および図9に示すように、チャンバ50の内周面には、チャンバ50に収容された香味発生物品110の外周面を、チャンバ50の径方向内向きに押圧して把持するように構成されたボス51Aが形成される。ボス51Aは、チャンバ50の内周面において、接触部62の内面62aに設けられる。また、ボス51Aは、互いに対向する内面62aのそれぞれに設けられる。また、ボス51Aは、チャンバ50の内周面から突出し、香味発生物品110を押圧する突起であり、チャンバ50の軸方向(Z軸方向)に沿って延在する。ボス51Aは、エンボス加工によって形成されてもよいし、チャンバ50の内周面に取り付けられた凸状部材によって形成されてもよい。また、ボス51Aは、互いに対向する内面62aの一方のみに設けられてもよいし、1つの内面62aに複数のボス51Aが設けられてもよい。
このように、接触部62の内面62aにボス51Aを設けることにより、チャンバ50で香味発生物品110を圧縮して保持しつつ、チャンバ50内でボス51Aにより香味発生物品110を把持することができる。そのため、香味発生物品110に応力が作用した場合であっても、香味発生物品110がチャンバ50から抜けることを防止することができる。また、チャンバ50の軸方向(Z軸方向)に沿って延在する突起でボス51Aを構成することにより、チャンバ50内で香味発生物品110を安定して把持することができる。
なお、ボス51Aは、香味発生物品110をチャンバ50に挿入した場合、香味発生物品110の充填部111、筒状部材114およびフィルタ部115のうち、少なくとも2つの部分と接触可能な位置に設けられている。例えば、香味発生物品110をチャンバ50に挿入したとき、ボス51Aはまず充填部111と接触し、続いて筒状部材114およびフィルタ部115と接触する。そのため、チャンバ50の挿入端に近い位置で香味発生物品110を安定して把持することができる。
[実施例2:横長ボス]
図10は、本実施形態の実施例2に係るチャンバ50を示す断面図である。図11は、図10に示したチャンバ50の断面図である。ここで、図10は、チャンバ50の軸に沿ってチャンバ50を切断した断面であって、図4Bに示した断面に直交する断面を示している。また、図11は、図5Aに対応した断面を示している。
図10および図11に示すように、チャンバ50の内周面には、チャンバ50に収容された香味発生物品110の外周面を、チャンバ50の径方向内向きに押圧して把持するように構成されたボス51Bが形成される。ボス51Bは、チャンバ50の内周面において、接触部62の内面62aに設けられる。また、ボス51Bは、互いに対向する内面62aのそれぞれに設けられる。また、ボス51Bは、チャンバ50の内周面から突出し、香味発生物品110を押圧する突起であり、チャンバ50の軸方向(Z軸方向)に直交する方向、具体的には横方向(Y軸方向)に沿って延在する。実施例1と同様に、ボス51Bは、エンボス加工によって形成されてもよいし、チャンバ50の内周面に取り付けられた凸状部材によって形成されてもよい。また、ボス51Bは、互いに対向する内面62aの一方のみに設けられてもよいし、1つの内面62aに複数のボス51Bが設けられてもよい。
このように、接触部62の内面62aにボス51Bを設けることにより、チャンバ50で香味発生物品110を圧縮して保持しつつ、チャンバ50内でボス51Bにより香味発生物品110を把持することができる。そのため、香味発生物品110に応力が作用した場合であっても、香味発生物品110がチャンバ50から抜けることを防止することができる。また、チャンバ50の横方向(Y軸方向)に沿って延在する突起でボス51Bを構成することにより、香味発生物品110のY軸回りの回転が規制されるので、香味発生物品110の離間部66側への揺れを抑制することができる。
また、実施例1と同様に、ボス51Bを、香味発生物品110の少なくとも2つの部分と接触可能な位置に設けることにより、チャンバ50の挿入端に近い位置で香味発生物品110を安定して把持することができる。
[実施例3:点状ボス]
図12は、本実施形態の実施例3に係るチャンバ50を示す断面図である。図13は、図12に示したチャンバ50の断面図である。ここで、図12は、チャンバ50の軸に沿ってチャンバ50を切断した断面であって、図4Bに示した断面に直交する断面を示している。また、図13は、図5Aに対応した断面を示している。
図12および図13に示すように、チャンバ50の内周面には、チャンバ50に収容された香味発生物品110の外周面を、チャンバ50の径方向内向きに押圧して把持するように構成されたボス51Cが形成される。ボス51Cは、チャンバ50の内周面において、接触部62の内面62aに設けられる。また、ボス51Cは、互いに対向する内面62aのそれぞれに設けられる。また、ボス51Cは、チャンバ50の内周面から突出し、香味発生物品110を押圧する点状の突起である。実施例1と同様に、ボス51Cは、エンボス加工によって形成されてもよいし、チャンバ50の内周面に取り付けられた凸状部材によって形成されてもよい。また、ボス51Cは、互いに対向する内面62aの一方のみに設けられてもよいし、1つの内面62aに複数のボス51Cが設けられてもよい。
このように、接触部62の内面62aにボス51Cを設けることにより、チャンバ50で香味発生物品110を圧縮して保持しつつ、チャンバ50内でボス51Cにより香味発生物品110を把持することができる。そのため、香味発生物品110に応力が作用した場合であっても、香味発生物品110がチャンバ50から抜けることを防止することができる。また、点状の突起でボス51C構成することにより、簡素な構成で、チャンバ50内で香味発生物品110を押圧して把持することができる。
また、実施例1と同様に、ボス51Cを、香味発生物品110の少なくとも2つの部分と接触可能な位置に設けることにより、チャンバ50の挿入端に近い位置で香味発生物品110を安定して把持することができる。
[実験結果]
上述した本実施形態の実施例1~3に係るチャンバ50を用いた香味吸引器と、比較例1~3に係る香味吸引器とを用いて各種実験を行った。以下において、実験結果について説明する。
[サンプルの準備]
まず、表1に示す香味発生物品と香味吸引器との組み合わせからなる喫煙システムを準備した。ここで、サンプル1の試験吸引器1は、上述した実施例1に係るチャンバ50(図8、図9参照)を有する。サンプル2の試験吸引器2は、上述した実施例2に係るチャンバ50(図10、図11参照)を有すること以外は、サンプル1と同一の香味吸引器である。サンプル3の試験吸引器3は、上述した実施例3に係るチャンバ50(図12、図13参照)を有すること以外は、サンプル1と同一の香味吸引器である。
また、サンプル4~6の香味吸引器は、それぞれ市販品であるPloomS2.0、Ploomおよびglo hyper(gloは登録商標)である。なお、サンプル1~5における香味発生物品は、試験吸引器1~3、PloomS2.0およびPloom(ロシア、UKにおいて販売されたもの)に専ら用いられるものとして製造されたものである。また、サンプル6における香味発生物品は、glo hyper専用の市販品である。
ここで、サンプル1~3における香味発生物品と試験吸引器1~3との関係は、例えば消耗品とデバイスキットの組み合わせ品に相当する。この組み合わせ品は、サンプル1~3における香味発生物品を含む消耗品と、サンプル1~3における試験吸引器1~3のいずれかを含むデバイスキットとを備え、消耗品およびデバイスキットの少なくとも一方は、消耗品およびデバイスキットの他方に用いられることを示す表示を有する。すなわち、消耗品は、デバイスキットの専用品である。なお、表示は、例えば「X用」、「for X」、「designed for X」(Xはブランドや商品名等)のようなものを含む。また、消耗品には、消耗品のパッケージを含み、デバイスキットには、例えばパッケージや取扱説明書を含む。
[抵抗値の測定方法]
各サンプルについて、香味発生物品を香味吸引器に挿入したときの抵抗値(挿入抵抗)について、島津製作所製のEZ-S500N(以下、装置ともいう)を用いて測定した。詳細には、まず、装置に取り付けられた香味吸引器用治具に、香味吸引器を取り付けた。次に、香味発生物品がぐらつかない程度に、香味発生物品の一方端部(マウスピース部側でない端部)を香味吸引器に挿入した。続いて、押込用治具を香味発生物品の他方端部(マウスピース部側の端部)に接触させた。次に、装置の抵抗値のゼロ点補正を行った。
続いて、香味吸引器と香味発生物品とが傾いていないことを確認し、押込用治具を下降させた。このときの押込用治具のストローク速度は、60mm/minとした。また、試験条件として、温度は25℃であり、湿度は20%であった。なお、本装置において、サンプリング長さは、50msecとされており、この場合、取得されるデータの一区間の長さは、0.05mmとなる。次に、押込用治具が所定長下降し、当該押込用治具の動作が停止したら、試験を終了した。各サンプルにおいて、上述の測定を2回実施した。
[抵抗値の取得]
各サンプルについて実施された2回の測定結果の平均値を抵抗値とした。この場合、まず、測定結果ごとに、香味発生物品の先端がチャンバの末端位置に到達したときの位置を決定し、決定された位置を基準として、2つの測定結果を揃えて平均値を取得した。そして、チャンバの末端位置から10mmの範囲を対象として、各値を取得した。すなわち、後述する挿入力、平均抵抗力、局所抵抗力、局所抵抗位置および最小抵抗力は、チャンバの末端位置から10mmの範囲において取得した。
図14~図19は、サンプル1~6のそれぞれにおける、チャンバの末端位置からの距離(mm)と測定された抵抗値(N)との関係を示すグラフである。図14~図19において、チャンバの末端位置に対応する押込用治具の位置を0として表示し、当該末端位置に到達する前の位置を正の値として表示し、当該末端位置に到達した後の位置を負の値として表示した。例えば、図14~図19における+10mmの位置とは、香味発生物品の挿入方向において、当該末端位置から10mm手前の位置をいう。
ここで、「チャンバの末端位置に到達したときの位置」(以下、末端位置ともいう)とは、上述の方法で測定された抵抗値のうちで、ある区間とその直前の区間との抵抗値の差(すなわち、0.05mmの間における抵抗値の差)が0.1N以上となる区間が、0.5mmに亘り連続する領域がある場合に、当該領域の直前の区間における位置とした。
[挿入力]
上述の方法で取得した抵抗値のデータから、各サンプルの挿入力を取得した。ここで、挿入力とは、香味発生物品の先端がチャンバの末端位置に到達したときの抵抗値のことをいう。
[平均抵抗力]
上述の方法で取得した抵抗値のデータから、各サンプルの平均抵抗力を取得した。ここでは、前半部平均抵抗力と後半部平均抵抗力とを評価した。前半部平均抵抗力とは、末端からの位置が10mm~5mmの範囲における抵抗値の平均をいい、後半部平均抵抗力とは、末端からの位置が5mm~0mmの範囲における抵抗値の平均をいう。また、前半部平均抵抗力に対する後半部平均抵抗力の比(後半部/前半部)を第1抵抗力比ともいう。
[局所抵抗力および局所抵抗位置]
上述の方法で取得した抵抗値のデータから、各サンプルの局所抵抗力および局所抵抗位置を取得した。ここで、局所抵抗力とは、所定範囲において抵抗値が所定量以上変動する局所変動領域、具体的には、連続する1.0mmの範囲に局所上昇と局所下降とがこの順で存在する場合において、最初の局所上昇と最後の局所下降との間の領域における最大の抵抗値のことをいう。なお、局所上昇とは、連続する2区間において、抵抗値が0.1N以上上昇することをいう。また、局所下降とは、連続する2区間において、抵抗値が0.05N以上下降することをいう。また、局所抵抗力と挿入力との比を第2抵抗力比という。また、局所抵抗位置とは、局所抵抗力が生じた場合における、チャンバの末端位置からの位置、すなわちチャンバの末端位置から局所抵抗力が生じた位置までの距離をいう。
[最小抵抗力]
上述の方法で取得した抵抗値のデータから、各サンプルの最小抵抗力を取得した。ここで、最小抵抗力とは、局所抵抗位置とチャンバの末端位置との間における最小の抵抗値のことをいう。
サンプル1~6のそれぞれについて取得した、挿入力、平均抵抗力、局所抵抗力、局所抵抗位置および最小抵抗力を表2に示す。
[官能評価]
サンプル1~6のそれぞれについて、訓練された識別能力のあるパネル5名が、香味発生物品をチャンバに挿入したとき、チャンバの末端に到達したことを感じやすいか、また、チャンバの末端に到達することを予見しやすいかについて、官能評価を行った。なお、チャンバの末端に到達したことを感じやすいことを、末端到達感を得られるともいい、チャンバの末端に到達することを予見しやすいことを、末端到達予見感を得られるともいう。
[サンプル6の官能評価]
まず、末端到達感について、パネル5名がサンプル6を用いて、パネルの合議によって香味発生物品の先端がチャンバの末端に到達したことを感じられる程度を評価した。評価基準は、以下の通りである。
・末端の到達を感じ難い。
・末端の到達を感じることができる。
次に、末端到達予見感について、パネル5名がサンプル6を用いて、パネルの合議によって香味発生物品の先端がチャンバの末端に到達することを予見できる程度を評価した。評価基準は、以下の通りである。
・末端の到達を予見し難い。
・末端の到達を予見することができる。
パネルの合議による評価の結果、サンプル6は、香味発生物品の先端がチャンバの末端に到達したことは感じやすい一方で、香味発生物品の先端がチャンバの末端に到達することは予見し難いことが分かった。
[サンプル1~5の官能評価]
続いて、末端到達感について、同一のパネル5名がサンプル1~5を用い、香味発生物品の先端がチャンバの末端に到達したことを感じられる程度を、サンプル6を3点として1~5点の5段階評価で独立して点数付けし、その平均値を算出した。評価基準は、以下の通りである。
5点:末端の到達が感じやすい。
4点:末端の到達がやや感じやすい。
3点:変わらない。
2点:末端の到達がやや感じ難い。
1点:末端の到達が感じ難い。
次に、末端到達予見感について、同一のパネル5名がサンプル1~5を用い、香味発生物品の先端がチャンバの末端に到達することを予見できる程度を、サンプル6を3点として1~5点の5段階評価で独立して点数付けし、その平均値を算出した。評価基準は、以下の通りである。
5点:末端の到達を予見しやすい。
4点:末端の到達をやや予見しやすい。
3点:変わらない。
2点:末端の到達をやや予見し難い。
1点:末端の到達を予見し難い。
サンプル1~6のそれぞれについて末端到達感および末端到達予見感を評価した結果を表3に示す。
[結果の検討]
表2に示すように、サンプル1~3は、挿入力が4.00N以下であるため、香味発生物品をチャンバに挿入したとき、チャンバの末端に到達したことを感じることができる。また、サンプル1~3は、第1抵抗力比が1.0よりも大きいため、チャンバの末端に接近する側での挿入抵抗の上昇感が、末端の接近を感知させてくれるので、チャンバの末端に到達することを予見しやすくなる。また、サンプル1~3には、局所変動領域が設けられているため、ユーザがチャンバの末端の接近を感知しやすくなり、チャンバの末端に到達することをさらに予見しやすくなる。
実際に、表3に示すように、サンプル1~3は、末端到達感および末端到達予見感の評価がともに3点を超えている。そのため、サンプル1~3は、末端到達感および末端到達予見感がともに得られていること、すなわち末端到達感および末端到達予見感が両立されていることが確認された。これは、サンプル1~3では、香味発生物品の挿入時における抵抗感が小さいため、末端到達感を得られやすいものと考えられる。また、サンプル2では、図15に示されるように、局所変動領域で抵抗値が上昇した後、抵抗値の下降が感じられるので、より末端到達感を得られやすいものと考えられる。また、サンプル1~3では、香味発生物品の挿入時に一度引っかかり、もう一度押し込むことでチャンバの末端に到達するように感じられるので、末端到達予見感を得られやすいものと考えられる。
なお、挿入力の下限値としては、香味発生物品の脱落を抑制する観点から、0.50N以上であることが好ましく、0.70N以上であることがより好ましく、1.00N以上であることがさらに好ましい。また、挿入力の上限値としては、挿入のし易さの観点から、3.00N以下であることが好ましく、2.00N以下であることがより好ましい。また、末端到達予見感を得られ易くする観点から、第1抵抗力比の下限値としては、1.0以上であることが好ましく、1.05以上であることがより好ましい。また、第1抵抗力比の上限値としては、2.0以下であることが好ましく、1.8以下であることがより好ましい。
また、表2に示すように、サンプル2、3は、局所変動領域における抵抗値と挿入力との比である第2抵抗力比が0.8以上であるため、挿入力に比べて局所変動領域における抵抗値が顕著に小さいために、チャンバの末端への到達の予見に寄与できなくなることを抑制することができる。
実際に、表3に示すように、サンプル2、3は、末端到達感および末端到達予見感の評価がともに4点を超えている。そのため、サンプル2、3は、末端到達感および末端到達予見感がともに得られ、末端到達感および末端到達予見感が両立されていること、特に、高い末端到達予見感が得られることが確認された。これは、図14~図16を参照すると、サンプル2、3では、香味発生物品の挿入時に一度引っかかった後、サンプル1よりも抵抗値が小さいので、末端到達予見感をより得られやすいものと考えられる。
なお、第2抵抗力比の上限値としては、1.0以下であることが好ましい。挿入力よりも大きい抵抗値が局所変動領域に存在すると、ユーザに違和感を与えるおそれがあるし、ユーザが局所変動領域をチャンバの末端位置を勘違いをするおそれもある。また、過大な局所抵抗値が存在すると、局所変動領域において香味発生物品が座屈してしまうおそれがある。また、局所抵抗によってユーザに末端の到達を予見させる観点から、第2抵抗力比の下限値としては、0.8以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましい。
また、表2に示すように、サンプル3は、チャンバの末端位置から局所変動領域までの距離が5.0mm以下であるため、チャンバの末端に到達するまで、ユーザが局所変動領域を通過した感触を維持することができるので、チャンバの末端に到達することをさらに予見しやすくなる。
実際に、表3に示すように、サンプル3は、末端到達感および末端到達予見感の評価が、サンプル1~3のうちで一番大きい。そのため、サンプル3は、末端到達感および末端到達予見感がともに得られ、末端到達感および末端到達予見感が両立されていること、特に、非常に高い末端到達予見感が得られることが確認された。
なお、チャンバの末端位置から局所変動領域までの距離の上限値としては、6.5mm以下であることが好ましく、6.0mm以下であることがより好ましい。また、チャンバの末端位置と局所変動領域とが近接して、ユーザが局所変動領域を通過した感触を得る前に、チャンバの末端に到達してしまうのを抑制する観点から、チャンバの末端位置から局所変動領域までの距離の下限値としては、2.0mm以上であることが好ましく、3.0mm以上であることがより好ましく、3.5mm以上であることがさらに好ましい。
一方、サンプル4、5は、挿入力が大きいことから、香味発生物品の先端がチャンバの末端に到達したことを感じ難く、かつチャンバの末端に到達することを予見し難かった。また、サンプル6は、上述したように、香味発生物品の先端がチャンバの末端に到達したことは感じられるが、香味発生物品の先端がチャンバの末端に到達することは予見し難かった。
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書および図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
例えば、本実施形態の香味吸引器100は、チャンバ50の開口52から流入した空気が香味発生物品110の端面に供給される、いわゆるカウンターフロー式の空気流路を有するが、これに限らず、チャンバ50の底部56からチャンバ50内に空気が供給する、いわゆるボトムフロー式の空気流路を有してもよい。また、加熱要素42は、抵抗加熱型に限らず、誘導加熱型であってもよい。その場合、加熱要素42は、誘導加熱によってチャンバ50を加熱することができる。また、香味発生物品110が加熱要素であるサセプタを有していてもよい。この場合、香味吸引器100は、前記香味発生物品に挿入される加熱要素を有さず、加熱要素であるサセプタが香味発生物品110の内部に存在することとなる。なお、チャンバ50の周囲に加熱要素42を配置して、チャンバ50内の香味発生物品110を昇温させる構造を説明したが、チャンバ50内の香味発生物品110を昇温させる方法は、加熱要素42を香味発生物品110に直接当てたり、香味発生物品110の中の物質同士の振動により摩擦熱を生じさせたりしてもよい。
40…加熱部
50…チャンバ
51A~51C…ボス
62…接触部
66…離間部
100…香味吸引器
110…香味発生物品
111…充填部
114…筒状部材
115…フィルタ部

Claims (11)

  1. 喫煙システムであって、
    香味吸引器と香味発生物品とを備え、
    前記香味吸引器は、一端に開口が形成され、前記開口を介して前記香味発生物品の少なくとも一部を収容する収容部を含み、
    前記香味発生物品を前記収容部に挿入し、前記香味発生物品の先端が前記収容部の末端に到達したときの抵抗値を挿入力Aとし、
    前記香味発生物品を前記収容部に挿入した場合における、前記収容部の末端からの位置が10mm~5mmの範囲における抵抗値の平均である前半部平均抵抗力に対する、前記収容部の末端からの位置が5mm~0mmの範囲における抵抗値の平均である後半部平均抵抗力の比を第1抵抗力比Bとしたとき、
    次式(1)および次式(2)を満たす
    A≦2.00N…(1)
    B>1.0…(2)
    喫煙システム。
  2. 請求項1に記載の喫煙システムであって、
    前記香味発生物品を前記収容部に挿入した場合に、所定範囲において抵抗値が所定量以上変動する局所変動領域が少なくとも1つ設けられる、
    喫煙システム。
  3. 請求項2に記載の喫煙システムであって、
    前記局所変動領域における抵抗値と前記挿入力との比を第2抵抗力比Cとしたとき、
    次式(3)を満たす
    C≧0.8…(3)
    喫煙システム。
  4. 請求項2または請求項3の記載の喫煙システムであって、
    前記収容部の末端位置から前記局所変動領域までの距離を距離Dとしたとき、
    次式(4)を満たす
    D≦5.0mm…(4)
    喫煙システム。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の喫煙システムであって、
    前記喫煙システムは、前記収容部に収容された前記香味発生物品を加熱する加熱部をさらに含み、
    前記加熱部は、前記香味吸引器に設けられ、前記香味発生物品に挿入される加熱要素を有しない、
    喫煙システム。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の喫煙システムであって、
    前記香味発生物品は、
    喫煙可能物が充填された充填部と、
    前記充填部と連続して設けられる中空の筒状部と、
    前記筒状部と連続して設けられるフィルタ部と、を含み、
    前記収容部は、前記収容部に収容された前記香味発生物品を把持する把持部を含み、
    前記把持部は、前記香味発生物品を前記収容部に挿入した場合に、前記香味発生物品の少なくとも2つの部分と接触可能な位置に設けられる、
    喫煙システム。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の喫煙システムであって、
    前記収容部は、
    収容された前記香味発生物品の一部を前記収容部の軸方向に沿って押圧する接触部と、
    収容された前記香味発生物品から離間する離間部と、を含む、
    喫煙システム。
  8. デバイスキットであって、
    請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の香味吸引器と、
    請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の香味発生物品に用いられることを示す表示と、を有する、
    デバイスキット。
  9. 消耗品であって、
    請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の香味発生物品と、
    請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の香味吸引器に用いられることを示す表示と、を有する、
    消耗品。
  10. 消耗品とデバイスキットとの組み合わせ品であって、
    請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の香味発生物品を含む消耗品と、
    請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の香味吸引器を含むデバイスキットと、を備え、
    前記消耗品および前記デバイスキットの少なくとも一方は、前記消耗品および前記デバイスキットの他方に用いられることを示す表示を有する、
    組み合わせ品。
  11. 香味吸引器と香味発生物品とを備える喫煙システムにおいて、末端到達感および末端到達予見感を得る方法であって、
    前記香味吸引器は、一端に開口が形成され、前記開口を介して前記香味発生物品の少なくとも一部を収容する収容部を含み、
    前記香味発生物品を前記収容部に挿入し、前記香味発生物品の先端が前記収容部の末端に到達したときの抵抗値を挿入力Aとし、
    前記香味発生物品を前記収容部に挿入した場合における、前記収容部の末端からの位置が10mm~5mmの範囲における抵抗値の平均である前半部平均抵抗力に対する、前記収容部の末端からの位置が5mm~0mmの範囲における抵抗値の平均である後半部平均抵抗力の比を第1抵抗力比Bとしたとき、
    次式(1)および次式(2)を満たす
    A≦2.00N…(1)
    B>1.0…(2)
    方法。
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