JP7444828B2 - 止水装置、止水構造 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、水害の発生時における浸水対策を行うための止水装置等に関するものである。
水害が発生した際に、建物などへの浸水を防止する方法として、種々の浸水防止用設備が提案されている。例えば、建物の入り口に、開閉式やスライド式の防水シャッターや防水扉を設けて、必要な際にはシャッターや扉を閉じる方法がある。このような防水用設備は建物と一体で設置される。このため、設備が大掛かりであり、特定の場所でしか利用することができない。
これに対し、簡易的ではあるが、必要な際に特定の場所に運搬して設置する持ち運び式の止水部材がある。例えば、水害の発生時に、土嚢を所定の場所に設置して水をせき止めることで、浸水を防止することができる。しかし、土嚢は重量があり、所定の範囲の浸水を防止するためには、数多くの土嚢が必要となるため、より設置作業性に優れた方法が望まれる。
より設置作業が良好な方法として、略L字状の止水板を用いて止水を行う方法が提案されている(例えば特許文献1)。特許文献1の方法では、L字状の一体型パネルを連結フレームで連結することで、所定の範囲の止水を行うことができる。
しかし、特許文献1の止水部材は略L字状であるため、運搬時や保管時にかさばるという問題がある。
これに対し、折り畳みが可能な略L字状の止水装置が提案されている(特許文献2)。特許文献2の止水装置によれば、運搬時や保管時には折り畳んだ状態とすることができるため、場所をとることがない。
特開2016-223183号公報 特許第6748317号公報
特許文献1も特許文献2も、例えば建物の出入口を塞ぐために使用する際には、止水装置の背面と、出入口の両側の壁面との間に止水部材を挿入して、壁面及び止水装置を止水部材に密着させることで、出入口への水の浸入を防ぐ必要がある。しかし、壁面前の地面が傾斜している場合には、止水装置背面と壁面とが略平行にならず、隙間が斜めに形成される。このため、止水装置背面と壁面との間に止水部材を挿入しても、十分な止水性を確保することが困難である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、地面が傾斜している場合であっても止水性能が良好な止水装置等を得ることを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、浸水を防ぐために使用可能な止水装置であって、設置面に設置する設置部材と、前記設置部材に対してヒンジ部を介して開閉可能な起立部材と、を具備し、前記設置部材に対して前記起立部材を開いた状態において、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であり、前記設置部材の一方の端部側には、第1設置部材連結部が設けられ、前記設置部材の他方の端部側には第2設置部材連結部が設けられ、前記起立部材の一方の端部側には、第1起立部材連結部が設けられ、前記起立部材の他方の端部側には第2起立部材連結部が設けられ、前記第2設置部材連結部は、隣り合う他の止水装置の前記第1設置部材連結部に対して下方に向けて連結させることが可能であるとともに、前記第2起立部材連結部は、隣り合う他の止水装置の前記第1起立部材連結部に対して、前記起立部材の開方向へ向けて連結させることが可能であり、前記第1設置部材連結部と前記第2設置部材連結部との連結部、及び、前記第1起立部材連結部と前記第2起立部材連結部との連結部には、それぞれ、連結部止水部材が配置され、前記第1設置部材連結部と前記第2設置部材連結部は、互いの溝部及び爪部が互いに噛み合うことで連結可能であり、前記第1起立部材連結部と前記第2起立部材連結部は、互いの溝部及び爪部が互いに噛み合うことで連結可能であり、それぞれの連結部において、前記溝部と前記爪部との間にはクリアランスが形成されており、連結方向の連結長さ及び連結角度を調整可能であり、前記溝部及び前記爪部が互いに噛み合ったときに、前記連結部止水部材がそれぞれの連結部と密着して変形し、既設の止水装置の隣の所定位置に、止水装置を配置するのみで、前記設置部材同士の連結が完了することを特徴とする止水装置である。
第2の発明は、浸水を防ぐために使用可能な止水装置であって、設置面に設置する設置部材と、前記設置部材に対してヒンジ部を介して開閉可能な起立部材と、を具備し、前記設置部材に対して前記起立部材を開いた状態において、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であり、前記設置部材の下面側には、滑り防止部材が配置され、前記起立部材の外面側には、前記止水装置を畳んで重ねた際における前記滑り防止部材に対応する部位を避けた位置に凸部が形成されることを特徴とする止水装置である。
第3の発明は、浸水を防ぐために使用可能な止水装置であって、設置面に設置する設置部材と、前記設置部材に対してヒンジ部を介して開閉可能な起立部材と、を具備し、前記設置部材に対して前記起立部材を開いた状態において、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であり、前記設置部材の長さは、前記起立部材の長さよりも長く、前記設置部材の前端部近傍における下面側には、止水部材が配置され、前記止水部材の長さをL1とし、前記起立部材の前端からの前記設置部材の前端部のはみ出し長さをL2とすると、L1≦L2であることを特徴とする止水装置である。
第4の発明は、浸水を防ぐために使用可能な止水装置であって、設置面に設置する設置部材と、前記設置部材に対してヒンジ部を介して開閉可能な起立部材と、を具備し、前記設置部材に対して前記起立部材を開いた状態において、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であり、前記設置部材の上面には貯水部があり、水を貯留することが可能であることを特徴とする止水装置である。
前記貯水部は、升又はタンク形状であることが望ましい。
一端側が前記設置部材に固定され、他端側が前記起立部材に固定される固定部材を有し、前記固定部材が伸縮可能であり、前記固定部材の長さを調整することで、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であってもよい。
一端側が前記設置部材に固定され、他端側が前記起立部材に固定される固定部材を有し、前記固定部材と、前記設置部材又は前記起立部材との固定位置を変えることで、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であってもよい。
第1-4の発明によれば、設置部材と起立部材とがヒンジ部を介して開閉可能であるため、運搬時や保管時には折り畳んだ状態とすることができ、使用時には起立部材を開くことで略L字状にすることができる。また、設置部材と起立部材の固定角度を変更可能であるため、地面と壁面とが垂直である場合によらずに、地面が傾斜しているような場合にも効率よく止水性を確保することができる。
また、設置部材と起立部材とを固定する固定部材を伸縮可能とすることで、固定部材の長さによって、設置部材と起立部材との角度を調整することができる。
また、設置部材又は起立部材に対する固定部材の固定位置を変えても、設置部材と起立部材との角度を調整することができる。
の発明は、第1-4の発明にかかる止水装置を用いた止水構造であって、前記止水装置が連結されて地面に設置され、少なくとも一部の前記止水装置の前記起立部材の背面が、壁面と対向するように配置され、前記止水装置の前記起立部材の背面との間に止水部材が挟み込まれることを特徴とする止水構造である。
前記地面が、前記壁面に対して傾斜していてもよい。
前記起立部材の背面の一部のみが前記壁面に対面してもよい。
の発明によれば、地面が傾斜しているような場合であっても、起立部材の背面の少なくとも一部が壁面と対面して、止水部材が挟み込まれるため、建物の出入口等に対しても、効率よく水の浸入を抑制することができる。
本発明によれば、地面が傾斜している場合であっても止水性能が良好な止水装置等を得ることができる。
閉じた状態の止水装置1を示す斜視図。 開いた状態の止水装置1を示す斜視図。 止水装置1の底面図。 (a)は、閉じた状態の止水装置1の側面図、(b)は、(a)のヒンジ部7近傍の拡大図。 (a)は、開いた状態の止水装置1の側面図、(b)は、(a)のヒンジ部7近傍の拡大図。 (a)は、水を貯留した状態の止水装置1の平面図、(b)は(a)のE-E線断面図。 (a)、(b)は、止水装置1、1aの設置方法を示す図。 (a)は、図7(a)のF部における断面図、(b)は、図7(b)のH部における断面図、(c)は(b)に対して、連結方向等の調整を行っている状態を示す図。 (a)、(b)は、止水装置1、1aの設置方法を示す図。 (a)、(b)は、図9(b)のL部における断面図、(c)は(b)に対して、連結方向等の調整を行っている状態を示す図。 止水構造30を示す図。 止水構造30aを示す図。 止水構造30aの側面図であって、(a)は地面37が壁面39に対して垂直な場合を示す図、(b)は地面37が壁面39に対して傾斜している場合を示す図。 (a)は止水装置1bの側面図、(b)は止水装置1bを設置した状態を示す図。 (a)は固定部材19bの平面図、(b)は(a)のP-P線断面図、(c)は固定部材19bの長さを調整した状態を示す図。 (a)は止水装置1cの側面図、(b)、(c)は固定部材19と設置部材3との固定部近傍の拡大図。 (a)は、止水装置1を積み重ねた状態を示す側面図、(b)は、(a)のR-R線断面図。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、閉じた状態の止水装置1を示す斜視図、図2は、開いた状態の止水装置1の斜視図である。止水装置1は、浸水を防ぐために使用可能な部材であり、保管時や運搬時には、図1に示すように折り畳んでおき、使用時には図2に示すように開いて使用することができる。
止水装置1は、主に地面などの設置面に設置される設置部材3と、設置部材3に対してヒンジ部7(図2参照)を介して開閉可能な起立部材5等からなる。なお、以下の説明において、起立部材5を開く側(図中A方向)を止水装置の前方とし、ヒンジ部7側(図中B方向)を止水装置1の後方とする。また、止水装置1の前後方向に直交する方向(図中C、D方向)を止水装置1の幅方向とする。
設置部材3の幅方向の一方の端部側(図中C方向の端部側)には、第1の設置部材連結部である設置部材連結部9aが設けられる。また、設置部材3の幅方向の他方の端部側(図中D方向の端部側)には第2の設置部材連結部である設置部材連結部9bが設けられる。止水装置1を併設した際には、隣り合う止水装置1の設置部材連結部9aと設置部材連結部9bを連結することができる。なお、設置部材連結部9aと設置部材連結部9bの詳細については後述する。
また、起立部材5の幅方向の一方の端部側(図中C方向の端部側)には、第1の起立部材連結部である起立部材連結部11a(図2参照)が設けられる。また起立部材5の幅方向の他方の端部側(図中D方向の端部側)には第2の起立部材連結部である起立部材連結部11bが設けられる。止水装置1を併設した際には、隣り合う止水装置1の起立部材連結部11aと起立部材連結部11bを連結することができる。なお、起立部材連結部11aと起立部材連結部11bの詳細については後述する。
図2に示すように、起立部材5を開いた状態では、固定部材19が、一端側が設置部材3に固定され、他端側が起立部材5に固定される。このため、設置部材3と起立部材5は、一対の固定部材19によって固定されて、略L字状の状態を維持することができる。なお、固定部材19は、起立部材5を折り畳んだ状態では、設置部材3と起立部材5の内部に収容可能である。なお、固定部材19の配置や個数は図示した例には限られない。
図3は、設置部材3の下面を示す図である。設置部材3の下面において、設置部材3の前端側には下面止水部材23が配置される。下面止水部材23は、設置部材3の幅方向の全体に配置される。なお、下面止水部材23の幅方向の端部には、隣り合う止水装置1の下面止水部材23同士が互いに噛み合うように、一部に切り欠き部が形成される。下面止水部材23は、例えばゴム製など圧縮変形可能な部材で構成される。
また、設置部材3の幅方向の端部側には、下面止水部材23とつながるように、下面止水部材24が配置される。下面止水部材24は、止水装置1の前後方向に対して全体に配置される。下面止水部材24は、例えばゴム製など圧縮変形可能な部材で構成される。なお、下面止水部材24は、必ずしもすべての止水装置1に対して必須ではなく、詳細は後述するが、止水装置1を併設した際に、両端部に位置する止水装置1にのみ配置してもよい。
また、設置部材3の下面止水部材23の後方には、排水溝25が設けられる。排水溝25は、設置部材3の幅方向の略中央であって、下面止水部材23の後方から、設置部材3の後端まで連続する。排水溝25は設置部材3の下面に設けられた溝であり、下面止水部材23を超えて設置部材3の下方に浸入した水を止水装置1の後方へ排出するための部位である。このように設置部材3の下面に排水溝25を設けることで、設置部材3の下方の水による水圧によって、止水装置1を持ち上げようとする力が生じることを抑制することができる。
設置部材3の下面止水部材23の後方であって、排水溝25の両側には、滑り防止部材27が配置される。滑り防止部材27は、止水装置1を地面等の設置面に設置した際に、止水装置1のずれや意図しない移動を抑制するための部材である。滑り防止部材27は、例えばゴム製など圧縮変形可能な部材で構成される。
次に、各部の構造についてより詳細に説明する。図4(a)は、閉じた状態の止水装置1の側面図であり、図4(b)は、図4(a)のヒンジ部7近傍の拡大図である。図5(a)は、開いた状態の止水装置1の側面図であり、図5(b)は、図5(a)のヒンジ部7近傍の拡大図である。
前述したように、設置部材3に対して、ヒンジ部7を介して起立部材5を開くことができる。この際、ヒンジ部7の後方には溝31が形成され、溝31には、ヒンジ部止水部材29が配置される。ヒンジ部止水部材29は、例えばゴム製など圧縮変形可能な部材で構成される。
図5(b)に示すように、起立部材5を設置部材3に対して起立させた状態において、設置部材3と起立部材5とでヒンジ部止水部材29が挟み込まれる。より詳細には、起立部材5の後端面と設置部材3の上面がヒンジ部止水部材29と密着する。このため、ヒンジ部7の後方において、設置部材3と起立部材5との間の隙間を、ヒンジ部止水部材29によって止水することができる。
次に、設置部材3についてより詳細に説明する。図6(a)は止水装置1を設置した状態を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)のE-E線断面図である。設置部材3は、全周にわたって周縁部が起立した側壁が形成される。すなわち、設置部材3の上面は、升形状である。このため、設置部材3の上面は、水32を貯留することが可能な貯水部となる。
このように設置部材3の上部に水32を貯留可能とすることで、止水装置1を設置した後に、水32によって重量を増加させ、止水装置1の錘とすることができる。このため、風などによる止水装置1のずれや移動を抑制することができる。なお、設置部材3の上面に形成される貯水部としては、升形状ではなく、タンク形状であってもよい。
次に、止水装置の設置方法を説明する。図7(a)は、設置部材3の連結前の状態を示す正面図であり、図7(b)は、設置部材3同士を連結した状態を示す図である。なお、以下の説明において、隣り合う止水装置を区別するため、既設の止水装置1の隣に、新たに止水装置1aを設置するものとして説明するが、止水装置1aは止水装置1と全く同一の構成である。
図7(a)に示すように、止水装置1を設置面である地面に載置して、起立部材5を開き、固定部材19で設置部材3と起立部材5とを固定することで、止水装置1が設置される。次に、既設の止水装置1に対して、止水装置1aを設置する。この際、止水装置1aは、起立部材5を折り畳んだ状態で、止水装置1に隣接するように配置する。
図8(a)は、図7(a)の状態におけるF部の拡大断面図である。前述したように、止水装置1の一方の端部側(図中左側の端部)には、設置部材連結部9aが設けられる。設置部材連結部9aは、上方に開口した溝部15aを有する。また、溝部15aの外側の側壁部が、上方に向けて突出する凸部15cとなる。
また、止水装置1aの他方の端部側(図中右側の端部)には、設置部材連結部9bが設けられる。設置部材連結部9bは、下方に向けて突出する爪部15bを有する。また、爪部15bの内側には、下方に向けて露出する連結部止水部材21bが設けられる。連結部止水部材21bは、例えばゴム製など圧縮変形可能な部材で構成される。
図7(b)は、設置部材3同士が連結された状態を示す正面図であり、図8(b)は、図7(b)のH部における拡大断面図である。止水装置1aを止水装置1の隣に配置する際には、止水装置1aの設置部材連結部9bの爪部15bを、止水装置1の設置部材連結部9aの溝部15aへ挿入する(図中矢印G)。爪部15bを溝部15aへ挿入すると、設置部材連結部9aの凸部15cが、設置部材連結部9bの連結部止水部材21bと密着する。なお、図示した例では、連結部止水部材21bが大きく変形している例を示すが、連結部止水部材21bと凸部15cとが密着できれば、連結部止水部材21bの変形はわずかでよい。
このように、止水装置1aの設置部材連結部9bは、隣り合う他の止水装置1の設置部材連結部9aに対して、下方に向けて連結させることが可能である。このため、既設の止水装置1の隣の所定の位置に、止水装置1aを配置するのみで、設置部材3同士の連結が完了する。この際、設置部材連結部9aと設置部材連結部9bとの連結部には、連結部止水部材21bが配置されるため、連結部における止水性も確保することができる。
ここで、前述したように、設置部材連結部9aと設置部材連結部9bは、溝部15aと爪部15bとを有し、互いの溝部15aと爪部15bが互いに噛み合うことで連結可能である。この際、図8(c)に示すように、溝部15aと爪部15bとの間にはクリアランス33が形成される。このため、止水装置1、1aの連結方向の連結長さ(図中J)及び連結角度(図中I)を調整可能である。このようにすることで、止水装置同士の連結長さの調整が可能であるとともに、地面が平らでない場合にも確実に止水装置同士を連結して止水性を確保することができる。
次に、止水装置1aの起立部材5を開いて、設置部材3に対して起立させる。図9(a)は、止水装置1aの起立部材5を開く前の平面図であり、図9(b)は、起立部材5を開いて起立させた状態を示す平面図である。前述したように、隣り合う止水装置1、1aの設置部材3の端部が連結して重なり合っているため、起立部材5を開くと(図中矢印K)、起立部材5同士にも重なり部が形成される。
図10(a)は、図9(b)のL部における連結前の状態を示す拡大断面図であり、図10(b)は、図9(b)のL部における連結後の状態を示す拡大断面図である。前述したように、止水装置1の一方の端部側(図中左側の端部)には、起立部材連結部11aが設けられる。起立部材連結部11aは、起立させた際の前方(閉じた際の下面側)に開口した溝部17aを有する。また、溝部17aの側壁部が、前方(閉じた際の下面側)に向けて突出する凸部17cとなる。
また、止水装置1aの他方の端部側(図中右側の端部)には、起立部材連結部11bが設けられる。起立部材連結部11bは、起立させた際の後方(閉じた際の上面側)に向けて突出する爪部17bを有する。また、爪部17bの内側には爪部17bの突出方向に露出する連結部止水部材21aが設けられる。連結部止水部材21aは、例えばゴム製など圧縮変形可能な部材で構成される。
止水装置1aの起立部材5を開くと、止水装置1aの起立部材連結部11bの爪部17bが、止水装置1の起立部材連結部11aの溝部17aへ挿入される。爪部17bが溝部17aへ挿入されると、起立部材連結部11aの凸部17cが、起立部材連結部11bの連結部止水部材21aと密着する。以上により、起立部材5同士が連結される。
このように、止水装置1aの起立部材連結部11bは、隣り合う他の止水装置1の起立部材連結部11aに対して、起立部材5の開方向へ向けて連結させることが可能である。このため、既設の止水装置1の隣の所定の位置に、止水装置1aを配置して設置部材3同士が連結し、止水装置1aの起立部材5を開くだけで、起立部材5同士の連結が完了する。この際、起立部材連結部11aと起立部材連結部11bとの連結部には、連結部止水部材21aが配置されるため、連結部における止水性も確保することができる。
ここで、設置部材3同士の連結部と同様に、起立部材連結部11aと起立部材連結部11bは、溝部17aと爪部17bとを有し、互いの溝部17aと爪部17bが互いに噛み合うことで連結可能である。この際、図10(c)に示すように、溝部17aと爪部17bとの間にはクリアランス35が形成される。このため、止水装置1、1aの連結方向の連結長さ(図中M)及び連結角度(図中L)を調整可能である。このようにすることで、止水装置同士の連結長さ調整が可能であるとともに、止水装置同士を所定の角度で曲げて連結することができる。
なお、上述した例では、設置部材連結部9bに連結部止水部材21aを配置したが、設置部材連結部9a側に設けてもよい。同様に、起立部材連結部11bに連結部止水部材21aを配置したが、起立部材連結部11a側に設けてもよい。また、設置部材連結部9aに溝部15aを設け、設置部材連結部9bに爪部15bを設けたが、設置部材連結部9aに爪部15bを設け、設置部材連結部9bに溝部15aを設けてもよい。同様に、起立部材連結部11aに溝部17aを設け、起立部材連結部11bに爪部17bを設けたが、起立部材連結部11aに爪部17bを設け、起立部材連結部11bに溝部17aを設けてもよい。
図11は、複数の止水装置を連結して形成した止水構造30を示す概念図である。止水装置1を幅方向(図中C、D方向)に複数連結し、所定の長さに形成することで、止水装置1の前方側(図中A方向)からの水を、止水装置1(起立部材5)によってせき止めることができる。
なお、起立部材5の前面側には水圧がかかるが、設置部材3の上方にも水圧がかかるため、止水装置1が倒れることがない。また、設置部材3の上方からの水圧によって、下面止水部材23(図3参照)が地面に押し付けられるため、下面止水部材23、24が地面に密着し、設置部材3の下面への水の流出を抑制することができる。また、設置部材3の上方からの水圧によって、滑り防止部材27(図3参照)が地面に押し付けられるため、滑り防止部材27が地面に密着し、止水装置1がずれることを抑制することができる。
また、前述したように、ヒンジ部7の後方にヒンジ部止水部材29が配置されるため、設置部材3と起立部材5との隙間からの水の流出を抑制することができる。また、起立部材連結部11a、11bの連結部、及び、設置部材連結部9a、9bの連結部に、それぞれ、連結部止水部材21a、21bが配置されるため、止水装置同士の隙間からの水の流出を抑制することができる。このように止水構造30によれば、止水装置1の後方(図中B方向)への水の流出を抑制することができる。
なお、止水装置1は、例えば建物等の出入口の止水にも用いられる。図12は、止水装置1を用いた、建物の出入口41への水の浸入を防ぐための止水構造30aを示す図である。複数の止水装置1が連結されて地面37上に設置されて、建物の出入口41の両側の壁面39にまたがるように配置される。すなわち、併設された止水装置1の内、少なくとも両端の止水装置1は、出入口41の両側の壁面39にはみ出すように配置される。このように、止水構造30は、少なくとも一部の止水装置1の起立部材5の背面が、壁面39と対向するように配置される。
図13(a)は、止水構造30aにおける止水装置1の側面図である。前述したように、本実施形態では、両端の止水装置1の起立部材5の背面の一部のみが壁面39に対面する。この際、起立部材5の背面側には、幅方向の少なくとも両端部側において、凹凸の無い平坦面が形成され、壁面39と起立部材5の平坦面とが対面する。
併設された止水装置1の内、両端の止水装置1に対して、壁面39と、止水装置1の起立部材5の背面との間には、止水部材43が挟み込まれる。止水部材43は、ゴムやスポンジなどの弾性部材であり、壁面39と起立部材5の背面に密着することで、両者の隙間を埋めることができる。このようにすることで、設置部材3の下面に配置された下面止水部材23と、ヒンジ部7におけるヒンジ部止水部材29による、前方からの水の浸入を防ぐことができるとともに起立部材5と壁面39の隙間からの水の浸入を防ぐことができる。
また、前述したように、併設された止水装置1の側方からの水の浸入は、設置部材3の下面に配置された下面止水部材24によって防ぐことができる。この際、全ての止水装置1に対して下面止水部材24を配置する必要はなく、併設された止水装置1の内、両端の止水装置1に対してのみ、下面止水部材24を配置すればよい。さらに、下面止水部材24は、止水装置1の幅方向の両端に一対配置する必要はなく、併設された際に、外側に位置する部位にのみ下面止水部材24を配置すればよい。
ここで、図13(b)に示すように、出入口41(壁面39)前の地面37が、壁面39に対して傾斜して斜面になっている場合がある。図示したように、壁面39が鉛直方向であるとした際に、地面37が水平面から角度θ1の傾斜があるとすると、起立部材5の背面と壁面39との間にもほぼ同じ角度の隙間が形成される。
ここで、図13(a)に示すように、地面37と壁面39とが略垂直な場合には、起立部材5の背面と壁面39が略平行になるため、止水部材43によって効率よく隙間の止水を行うことができる。しかし、図13(b)に示すように、隙間が斜めになると、止水部材43を挿入しても隙間をうまく塞ぐことが困難となる。
このような場合には、図14(a)に示すような、止水装置1bを用いてもよい。止水装置1bは、止水装置1と略同様の構成であるが、設置部材3に対して起立部材5を開いた状態において、設置部材3と起立部材5の固定角度を変更可能である点で異なる。止水装置1bは、設置部材3と起立部材5の固定に対して、固定部材19aが用いられる。固定部材19aは、一対の固定部47の間にターンバックル45が設けられる。
固定部材19aの一端側の固定部47は、設置部材3に固定され、他端側の固定部47は起立部材5に固定される。それぞれの固定部47は、互いに逆ねじによってターンバックル45と接続されており、ターンバックル45を回転することによって、固定部47同士の間隔を調整可能である。すなわち、固定部材19bは伸縮可能(図中矢印N)であり、固定部材19bの長さを調整することで、設置部材3と起立部材5の固定角度を変更可能(図中矢印O)である。このため、設置部材3と起立部材5を、90度以外の固定角度(図中θ2)で固定することができる。
図14(b)は、図13(b)に対して止水装置1bを設置した状態を示す図である。前述したように、止水装置1bは、設置部材3と起立部材5の固定角度を任意の角度(90度±α度)に調整可能であり、90度以外の角度に固定することができる。このため、水平に対してθ1だけ傾斜した地面37に対しては、傾斜角度に対応させて設置部材3と起立部材5の固定角度を調整することで(90度+θ1)、起立部材5の背面と壁面39とを略平行にすることができる。このため、起立部材5の背面と壁面39との間に挿入される止水部材43によって、確実に止水性を確保することができる。
なお、設置部材3と起立部材5の固定角度の調整機構は、固定部材19aを用いた例には限られない。例えば、図15(a)は、固定部材19bの平面図であり、図15(b)は、図15(a)のP-P線断面図である。固定部材19bは、一対の固定部47a、47bが連結されて構成される。固定部47a、47bは、頂部と一対の側壁部からなる断面が略コの字状の部材であり、固定部47aの内側に固定部47bの一部が嵌り込むように構成される。
固定部47bの一端側(固定部47aとの連結部側)には、長手方向に突出する調整ねじ部49が固定される。また、固定部47bの頂部には、一端側から所定の距離において、上方に向けて突出する固定ねじ部51が設けられ、固定ナット55が螺合する。
また、固定部47aの一端側(固定部47bとの連結部側)の頂部には、長手方向にスリット59が形成される。スリット59には、固定部47bの固定ねじ部51が挿入される。この状態で固定ナット55を締めこむことで、固定部47a、47bを仮固定することができる。
また、固定部47aの一端側の端部から所定の距離の部位には、対向する側壁部にまたがるようにガイド56が固定される。ガイド56には、調整ねじ部49が貫通可能な孔が形成される。また、ガイド56を挟むように、調整ねじ部49には、一対の調整ナット53が螺合する。調整ナット53は、例えば固定部47aの頂部に対して一部が突出するため、固定部材19bの上方から手で回転させることができる。一対の調整ナット53をそれぞれガイド56側に締めこむことで、固定部47a、47bが固定される。
なお、固定部47a、47bには、他端側(互いの連結部とは逆側)の側壁部に、下方に向けて切り欠き57が設けられる。切り欠き57は、設置部材3又は起立部材5に接続される部位となる。なお、固定部47a、47bの一方の切り欠き57は、貫通孔であってもよい。
固定部材19bの長さ調整を行う場合には、固定ナット55を緩めてから、調整ナット53をガイド56から離れる方向に緩める。このようにすることで、調整ナット53とガイド56との隙間の範囲で長さを調整可能である。例えば、固定部材19bを長くしたい場合には、図中左側の調整ナット53を緩めるとともに固定ナット55を緩める。このようにすることで、固定部47bを固定部47aから引き出す方向にスライドさせることができる。所定の長さに調整したら、固定ナット55を締め込んで長さを仮固定した状態で、それぞれの調整ナット53をガイド56に接するように締め込む。以上により、固定部材19bの長さ調整が完了する。
このように、伸縮可能な固定部材19a、19bを用いることで、設置部材3と起立部材5の固定角度を任意の角度に調整することができる。
なお、固定部材19a、19bは、いずれも無段階で長さ調整が可能であるため、複数の止水部材を全て同じ角度に固定する際には、全ての固定部材19a、19bを同じ長さに調整する必要がある。このような場合には、例えば、図15(a)に示すように、固定部材19bの頂部に目盛等のマーク63を付して、固定部材19bの長さを把握することができるようにしてもよい。固定部材19bの長さを把握することで、対応する設置部材3と起立部材5の固定角度を把握することができる。
なお、マーク63は前述した固定部材19aにも適用可能である。また、マーク63を固定部材19に付するのではなく、設置部材3又は起立部材5にマーク63を付して、固定角度を直接把握可能としてもよい。すなわち、設置部材3と起立部材5の固定角度を直接的または間接的に把握可能なマーク63をいずれかの部位に配置しておくことが望ましい。
なお、併設する止水部材同士の設置部材3と起立部材5の固定角度は、完全に同じでなくてもよい。例えば、隣り合う止水部材において設置部材3と起立部材5の固定角度が多少異なっても、設置部材3と起立部材5の撓みによって、角度差を吸収することもできる。このため、設置場所に応じて、隣り合う止水部材の設置部材3と起立部材5の固定角度を徐々に変化させることも可能である。
また、設置部材3と起立部材5との固定角度を変える方法としては、伸縮可能な固定部材を用いる方法には限られない。図16(a)は、伸縮しない固定部材19を用いた止水装置1cを示す側面図であり、図16(b)は図16(a)のQ部拡大図である。固定部材19の端部には切り欠き57が形成され、設置部材3(及び起立部材5)のピン61を切り欠き57に嵌合させることで固定部材19と設置部材3(及び起立部材5)とが連結されて固定される。
ここで、設置部材3又は起立部材5の少なくとも一方において、ピン61を複数配置することで、図16(b)、図16(c)に示すように、切り欠き57と嵌合させるピン61を選択可能となる。このように、切り欠き57と嵌合させるピン61の位置を変えることで、固定部材19と、設置部材3又は起立部材5との固定位置を変えることができる。なお、固定部材19に所定の間隔で複数の切り欠き57を設けて、ピン61と嵌合させる切り欠き57の位置を変えてもよい。すなわち、固定部材19と、設置部材3又は起立部材5との固定位置を変えることで、設置部材3と起立部材5の固定角度を変更可能である。
このように、設置部材3と起立部材5の固定角度を変える方法は特に限定されず、いずれの方法も適用可能である。例えば、複数の長さの固定部材を予め準備して、所定の長さの固定部材を選択することで、設置部材3と起立部材5の固定角度を変えてもよい。
次に、止水装置1の保管及び運搬方法について説明する。図17(a)は、止水装置1を積み重ねた状態を示す側面図であり、図17(b)は、図17(a)のR-R線断面図である。なお、以下の説明では止水装置1を用いて説明するが、止水装置1b、1cも同様である。前述したように、止水装置1は、保管及び運搬時には折り畳んだ状態とすることができる。なお、止水装置1を積み重ねる際には、底面を上方に向けて、設置状態とは逆向きにして積層させる。
図示したように、設置部材3の長さは、起立部材5の長さよりも長い。このようにすることで、止水構造30(図11参照)において、設置部材3に対する水圧を十分に受けることができるため、止水装置1の後方への転倒を抑制することができる。このように設置部材3の長さが長いため、起立部材5を折り畳んだ際に、起立部材5の前端部から設置部材3の一部がはみ出す。
ここで、前述したように、設置部材3の前端部近傍における下面側には、下面止水部材23が配置される。この際、下面止水部材23の前後方向の長さをL1とし、起立部材5の前端からの設置部材3の前端部のはみ出し長さをL2とすると、
L1≦L2
が成立する。
このようにすることで、止水装置1を積み重ねても、下面止水部材23が、上方に重ねられた他の止水装置1と接触することがなく、下面止水部材23が潰れたり傷ついたりすることを抑制することができる。
また、図1に示すように、起立部材5の外面側には、凸部13が形成される。凸部13は、起立部材5の略中央部に、前後方向に沿って所定の範囲に形成される。なお、凸部13は、止水装置1を畳んで重ねた際における滑り防止部材27に対応する部位を避けた位置に形成される。したがって、止水装置1を積み重ねると、上方の止水装置1の凸部13が、下方の止水装置1の設置部材3の下面(滑り防止部材27以外の部位)と接触する。
ここで、図17(a)に示すように、滑り防止部材27の厚みをT1とし、図17(b)に示すように、凸部13の突出高さをT2とすると、
T2≧T1
が成立する。
このようにすることで、止水装置1を積み重ねても、滑り防止部材27が上方の他の止水装置1によって押しつぶされることがなく、滑り防止部材27が潰れたり傷ついたりすることを抑制することができる。
なお、下面止水部材24を設ける場合には、凸部13が、滑り防止部材27と共に、下面止水部材24に対応する部位を避けた位置に形成される。また、凸部13の突出高さT2を、下面止水部材24及び滑り防止部材27の厚みT1以上とする。このようにすることで、止水装置1を積み重ねても、下面止水部材24及び滑り防止部材27が上方の他の止水装置1によって押しつぶされることがなく、下面止水部材24及び滑り防止部材27が潰れたり傷ついたりすることを抑制することができる。
なお、止水装置1同士を積み重ねた際に、止水装置1同士のずれを防止するため、例えば、設置部材3の下面に、凸部13が嵌り込むような凹部を形成してもよい。この場合でも、凸部13の突出代が下面止水部材24及び滑り防止部材27の厚み以上であれば、滑り防止部材27等の潰れ等を抑制することができる。
以上、本実施の形態によれば、止水装置1等は、使用時以外は折り畳むことができるため、保管時や運搬時に場所をとることがない。また、止水装置1等は、ヒンジ部7によって設置部材3と起立部材5とを開くことができるため、開閉を繰り返すことが可能である。
また、設置部材3と起立部材5との固定角度が変更可能であるため、地面37が傾斜した斜面に起立する壁面39に対して配置しても、壁面39と起立部材5の背面とを略平行にすることが可能である。このため、壁面39と起立部材5の背面との間の止水性を効率よく確保することができる。
また、伸縮可能な固定部材19a、19bを用いることで、無段階で設置部材3と起立部材5との固定角度を調整可能である。このため、地面の傾斜角度に応じて細かな角度調整が可能である。この際、固定部材19a、19bの長さを把握可能なマーク(目盛等)を設けることで、複数の止水部材を配置する際の角度合わせが容易である。
また、角度調整は、固定部材と設置部材3又は起立部材5との固定位置の調整や、長さの異なる固定部材を用いて行うこともできる。この場合、無段階での角度調整は難しいが、複数の止水装置を同じ固定角度に合わせるのが容易である。
また、壁面39と対向する起立部材5を平坦面として、併設される複数の止水装置の内、両端に配置される止水装置の起立部材5の背面と壁面39との間にのみ止水部材43を配置することで、必要最小限の止水部材43の使用で、止水性を確保することができる。
また、ヒンジ部7の近傍にヒンジ部止水部材29を配置することで、起立部材5を起立させた際に、設置部材3との間の隙間を埋めて、止水性を確保することができる。
また、設置部材連結部9bの爪部15bを、上方から設置部材連結部9aの溝部15aに挿入するだけで設置部材3同士を連結することができるため、既設の止水装置の隣の所定の位置に、止水装置を次々に配置するだけで設置部材3同士を連結することができる。このため、連結のために他の部材を用いる必要がなく、また、連結部材を別途取り付ける作業も不要である。
また、既設の止水装置の隣に設置した止水装置の起立部材5を起立させるだけで、起立部材連結部11bの爪部17bを、起立部材連結部11aの溝部17aに挿入して、両者を連結することができる。このため、設置部材3と同様に、連結のために他の部材を用いる必要がなく、また、連結部材を別途取り付ける作業も不要である。このように、止水装置同士を次々に隣り合わせに配置して、起立部材5を起こすだけで止水装置同士の連結作業が完了するため、作業性が良好である。
また、それぞれの連結部には、連結部止水部材21a、21bが配置されているため、設置部材3同士及び起立部材5同士を連結するだけで、それぞれの連結部の止水性を確保することができる。
また、それぞれの連結部において、爪部と溝部との間にクリアランスを設けることで、隣り合う止水装置同士の間隔や角度を任意に調整することができる。このため、地面が平坦でない場合や止水範囲が湾曲している場合にも適用が可能である。
また、設置部材3には水を貯留することができる。このため、設置した後に雨水等を設置部材3の上部に貯めることで、止水装置の重量が増加し、風などで止水装置が飛ばされることを抑制することができる。
また、保管時には、止水装置を上下逆さまにして重ねることが可能である。この際、設置部材3の長さが起立部材5の長さよりも十分に長いため、下面止水部材23の上に起立部材5が重なることがなく、下面止水部材23の潰れ等を抑制することができる。
また、設置部材3の下面の下面止水部材24や滑り防止部材27を避けた位置であって、起立部材5の上面に凸部13を形成することで、凸部13の突出代分だけ設置部材3の下面(積み重ねた際の上面)と起立部材5の上面(積み重ねた際の下面)の間に隙間を形成することができる。このため、止水装置を積み重ねた際に、下面止水部材24や滑り防止部材27に荷重がかかることがなく、下面止水部材24や滑り防止部材27の潰れ等を抑制することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、設置部材3及び起立部材5同士の連結構造や止水構造は、上述した実施形態には限られず、他の構造であってもよい。
1、1a、1b、1c……止水装置
3………設置部材
5………起立部材
7………ヒンジ部
9a、9b………設置部材連結部
11a、11b………起立部材連結部
13………凸部
15a、17a………溝部
15b、17b………爪部
15c、17c………凸部
19、19a、19b………固定部材
21a、21b………連結部止水部材
23、24………下面止水部材
25………排水溝
27………滑り防止部材
29………ヒンジ部止水部材
30、30a………止水構造
31………溝
32………水
33、35………クリアランス
37………地面
39………壁面
41………出入口
43………止水部材
45………ターンバックル
47、47a、47b………固定部
49………調整ねじ部
51………固定ねじ部
53………調整ナット
55………固定ナット
56………ガイド
57………切り欠き
59………スリット
61………ピン
63………マーク

Claims (10)

  1. 浸水を防ぐために使用可能な止水装置であって、
    設置面に設置する設置部材と、
    前記設置部材に対してヒンジ部を介して開閉可能な起立部材と、
    を具備し、
    前記設置部材に対して前記起立部材を開いた状態において、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であり、
    前記設置部材の一方の端部側には、第1設置部材連結部が設けられ、前記設置部材の他方の端部側には第2設置部材連結部が設けられ、
    前記起立部材の一方の端部側には、第1起立部材連結部が設けられ、前記起立部材の他方の端部側には第2起立部材連結部が設けられ、
    前記第2設置部材連結部は、隣り合う他の止水装置の前記第1設置部材連結部に対して下方に向けて連結させることが可能であるとともに、前記第2起立部材連結部は、隣り合う他の止水装置の前記第1起立部材連結部に対して、前記起立部材の開方向へ向けて連結させることが可能であり、
    前記第1設置部材連結部と前記第2設置部材連結部との連結部、及び、前記第1起立部材連結部と前記第2起立部材連結部との連結部には、それぞれ、連結部止水部材が配置され、
    前記第1設置部材連結部と前記第2設置部材連結部は、互いの溝部及び爪部が互いに噛み合うことで連結可能であり、
    前記第1起立部材連結部と前記第2起立部材連結部は、互いの溝部及び爪部が互いに噛み合うことで連結可能であり、
    それぞれの連結部において、前記溝部と前記爪部との間にはクリアランスが形成されており、連結方向の連結長さ及び連結角度を調整可能であり、
    前記溝部及び前記爪部が互いに噛み合ったときに、前記連結部止水部材がそれぞれの連結部と密着して変形し、
    既設の止水装置の隣の所定位置に、止水装置を配置するのみで、前記設置部材同士の連結が完了することを特徴とする止水装置。
  2. 浸水を防ぐために使用可能な止水装置であって、
    設置面に設置する設置部材と、
    前記設置部材に対してヒンジ部を介して開閉可能な起立部材と、
    を具備し、
    前記設置部材に対して前記起立部材を開いた状態において、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であり、
    前記設置部材の下面側には、滑り防止部材が配置され、
    前記起立部材の外面側には、前記止水装置を畳んで重ねた際における前記滑り防止部材に対応する部位を避けた位置に凸部が形成されることを特徴とする止水装置。
  3. 浸水を防ぐために使用可能な止水装置であって、
    設置面に設置する設置部材と、
    前記設置部材に対してヒンジ部を介して開閉可能な起立部材と、
    を具備し、
    前記設置部材に対して前記起立部材を開いた状態において、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であり、
    前記設置部材の長さは、前記起立部材の長さよりも長く、
    前記設置部材の前端部近傍における下面側には、止水部材が配置され、
    前記止水部材の長さをL1とし、前記起立部材の前端からの前記設置部材の前端部のはみ出し長さをL2とすると、
    L1≦L2
    であることを特徴とする止水装置。
  4. 浸水を防ぐために使用可能な止水装置であって、
    設置面に設置する設置部材と、
    前記設置部材に対してヒンジ部を介して開閉可能な起立部材と、
    を具備し、
    前記設置部材に対して前記起立部材を開いた状態において、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であり、
    前記設置部材の上面には貯水部があり、水を貯留することが可能であることを特徴とする止水装置。
  5. 前記貯水部は、升又はタンク形状であることを特徴とする請求項4に記載の止水装置。
  6. 一端側が前記設置部材に固定され、他端側が前記起立部材に固定される固定部材を有し、
    前記固定部材が伸縮可能であり、前記固定部材の長さを調整することで、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の止水装置。
  7. 一端側が前記設置部材に固定され、他端側が前記起立部材に固定される固定部材を有し、
    前記固定部材と、前記設置部材又は前記起立部材との固定位置を変えることで、前記設置部材と前記起立部材の固定角度を変更可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の止水装置。
  8. 請求項1から請求項のいずれかに記載の止水装置を用いた止水構造であって、
    前記止水装置が連結されて地面に設置され、
    少なくとも一部の前記止水装置の前記起立部材の背面が、壁面と対向するように配置され、前記止水装置の前記起立部材の背面との間に止水部材が挟み込まれることを特徴とする止水構造。
  9. 前記地面が、前記壁面に対して傾斜していることを特徴とする請求項記載の止水構造。
  10. 前記起立部材の背面の一部のみが前記壁面に対面することを特徴とする請求項または請求項記載の止水構造。
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