JP7443960B2 - ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法 - Google Patents

ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7443960B2
JP7443960B2 JP2020115922A JP2020115922A JP7443960B2 JP 7443960 B2 JP7443960 B2 JP 7443960B2 JP 2020115922 A JP2020115922 A JP 2020115922A JP 2020115922 A JP2020115922 A JP 2020115922A JP 7443960 B2 JP7443960 B2 JP 7443960B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
wire rope
detection
signal
predetermined length
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020115922A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022013394A (ja
Inventor
寛道 戸波
亘 潮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2020115922A priority Critical patent/JP7443960B2/ja
Publication of JP2022013394A publication Critical patent/JP2022013394A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7443960B2 publication Critical patent/JP7443960B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Description

本発明は、ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法に関し、特に、ワイヤロープの磁界の変化に基づいてワイヤロープの状態を検知するワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法に関する。
従来、ワイヤロープの磁界の変化を検知するワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1のワイヤロープ検査装置は、磁界印加部によりワイヤロープの磁化の方向を予め整えた状態でワイヤロープの磁界の変化を検知する。磁化の方向が予め整えられることにより、ワイヤロープ検査装置により検知される検知信号にノイズが生じるのが抑制される。
国際公開第2018/138850号
ここで、上記特許文献1に記載されているような従来のワイヤロープ検査装置では、ワイヤロープの揺れ等の様々な要因に基づいてノイズが生じるため、磁化の方向が予め整えられた場合でも、検知信号にノイズに起因する信号が現れる場合がある。このため、検知信号においてワイヤロープの断線等の損傷に起因する信号がノイズに起因する信号に埋もれてしまい、損傷を検知するのが困難となる場合がある。したがって、損傷を容易に検知することが可能なワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法が望まれている。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、損傷を容易に検知することが可能なワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるワイヤロープ検査装置は、
ワイヤロープの磁界の変化に対応する検知信号を検知する検知部と、検知部により検知された検知信号を取得する制御部と、を備え、検知部は、ワイヤロープが検知部を通過しながら一方向に移動する間に、ワイヤロープにおける所定の長さごとの部分である複数の所定長さ部分の各々が検知部を複数回通過するように設けられており、制御部は、ワイヤロープが検知部を通過しながら一方向に移動する間に検知部により検知された複数の所定長さ部分に基づく検知信号としての第1信号列に基づくデータと、第1信号列のうちの少なくとも先頭の所定の長さ分の検知信号以外の部分が第1信号列から抽出された第2信号列に基づくデータとを、互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、複数の所定長さ部分のうちの一部の所定長さ部分に対応する検知信号を重ねて加算することによって、ワイヤロープの状態を検知するように構成されている。
この発明の第2の局面におけるワイヤロープ検査システムは、ワイヤロープの磁界の変化に対応する検知信号を検知する検知部を含むワイヤロープ検査装置と、検知部により検知された検知信号を取得する制御装置と、を備え、検知部は、ワイヤロープが検知部を通過しながら一方向に移動する間に、ワイヤロープにおける所定の長さごとの部分である複数の所定長さ部分の各々が検知部を複数回通過するように設けられており、制御装置は、ワイヤロープが検知部を通過しながら一方向に移動する間に検知部により検知された複数の所定長さ部分に基づく検知信号としての第1信号列に基づくデータと、第1信号列のうちの少なくとも先頭の所定の長さ分の検知信号以外の部分が第1信号列から抽出された第2信号列に基づくデータとを、互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、複数の所定長さ部分のうちの一部の所定長さ部分に対応する検知信号を重ねて加算することによって、ワイヤロープの状態を検知するように構成されている。
この発明の第3の局面におけるワイヤロープ検査方法は、ワイヤロープの磁界の変化に対応する検知信号を検知する検知部により、ワイヤロープが検知部を通過しながら一方向に移動する間に、ワイヤロープにおける所定の長さごとの部分である複数の所定長さ部分の各々を検知部に複数回通過させるステップと、ワイヤロープが検知部を通過しながら一方向に移動する間に検知部により検知された複数の所定長さ部分に基づく検知信号としての第1信号列に基づくデータと、第1信号列のうちの少なくとも先頭の所定の長さ分の検知信号以外の部分が第1信号列から抽出された第2信号列に基づくデータとを、互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、複数の所定長さ部分のうちの一部の所定長さ部分に対応する検知信号を重ねて加算することによって、ワイヤロープの状態を検知するステップと、を備える。
上記第1の局面におけるワイヤロープ検査装置、上記第2の局面におけるワイヤロープ検査システム、上記第3のワイヤロープ検査方法では、上記のように、ワイヤロープが検知部を通過しながら一方向に移動する間に、ワイヤロープにおける複数の所定長さ部分の各々が検知部を複数回通過するように構成されていることによって、第1信号列に基づくデータと第2信号列に基づくデータとを互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、複数の所定長さ部分のうちの一部の所定長さ部分に対応する検知信号を重ねて加算することを可能としている。これにより、検知信号が重ねて加算される所定長さ部分に損傷が生じている場合は、損傷に起因する信号が重ねて加算されるので、損傷に起因する信号が強調される。また、ワイヤロープの移動中におけるワイヤロープの揺れの生じ方は一定でないので、ワイヤロープの揺れに起因するノイズ信号は検知部による検査の度に発生するタイミングが異なると考えられる。この場合、検知信号が重ねて加算された場合でも、ノイズ信号同士が互いに加算される可能性は低い。つまり、ノイズ信号は強調される可能性は低い。これにより、検知信号を重ねて加算することによって、損傷に起因する信号のS/N比を増大させることができるので、損傷を容易に検知することができる。
第1実施形態によるワイヤロープ検査装置およびワイヤロープ検査装置が設けられるエレベータの構成を示す模式図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の制御的な構成を示すブロック図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の磁界印加部および検出部の構成を示した概略図である。 第1実施形態によるワイヤロープ検査装置の差動コイルの構成を示す図である。 第1実施形態による差動コイルにより検知された測定データ(生データ)である。 第1実施形態による差動コイルにより検知された測定データ(生データ)と基準データ(生データ)との差分データである。 図1のワイヤロープ検査装置の近傍の拡大斜視図である。 第1実施形態によるワイヤロープの複数の検知部分を示す図である。 第1実施形態による第1信号列および第2信号列を示す図である。 第1実施形態による第1信号列と第2信号列とを加算した信号を示した図である。 第1実施形態による損傷検知の方法を示すフロー図である。 第1実施形態による微分データを示す図である。 第2実施形態によるワイヤロープ検査装置の制御的な構成を示すブロック図である。 第2実施形態による損傷検知の方法を示すフロー図である。 第2実施形態による損傷を判定する制御を説明するための図である。 第3実施形態によるワイヤロープ検査装置の制御的な構成を示すブロック図である。 第3実施形態による損傷検知の方法を示すフロー図である。 第1~第3実施形態の変形例によるワイヤロープ検査およびワイヤロープ検査装置が設けられるエレベータの構成を示す模式図である。 第1~第3実施形態の変形例による第1信号列、第2信号列、および第1信号列と第2信号列とが加算された信号を示す図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図12を参照して、第1実施形態によるワイヤロープ検査装置100の構成について説明する。
(ワイヤロープ検査装置の構成)
図1に示すように、ワイヤロープ検査装置100は、検査対象物であるワイヤロープWを検査するように構成されている。ワイヤロープ検査装置100は、ワイヤロープWを定期的に検査するように構成されている。ワイヤロープ検査装置100は、ワイヤロープWの損傷を検査するように構成されている。
なお、ワイヤロープWの損傷とは、スレ、局所的磨耗、素線断線、凹み、腐食、亀裂、折れ等により生じる検知方向に対する(ワイヤロープW内部で傷等が生じた場合の空隙に起因するものを含む)断面積の変化、ワイヤロープWの錆、溶接焼け、不純物の混入、組成変化等により生じる透磁率の変化、その他ワイヤロープWが不均一となる部分を含む広い概念である。
また、ワイヤロープWは、複数(第1実施形態では4本:図7参照)設けられている。ワイヤロープ検査装置100の後述する差動コイル10は、複数のワイヤロープWの磁気特性を一括して検知するように構成されている。すなわち、差動コイル10は、複数のワイヤロープWの各々の検知信号が合わさった1つの検知信号を取得する。また、ワイヤロープ検査装置100(差動コイル10)は、複数のワイヤロープWに対して非接触状態で検査を行うように構成されている。なお、ワイヤロープ検査装置100による検査は、通常の運転時におけるエレベータEの速度よりも遅い速度でエレベータEを移動させる検査モードにおいて行われる。
ワイヤロープ検査装置100は、エレベータEに使用されているワイヤロープWの表面に沿って相対移動されながら、ワイヤロープWを検査する。第1実施形態では、ワイヤロープ検査装置100が固定された状態でワイヤロープWが移動することにより、ワイヤロープ検査装置100は、ワイヤロープWに対して相対移動される。
エレベータEは、カゴ部E1と、釣り合い重りE2とを備えている。釣り合い重りE2は、カゴ部E1とは反対側のワイヤロープWの端部に設けられている。また、エレベータEは、ワイヤロープWを巻き上げてカゴ部E1を昇降させる巻上機シーブE3およびそらせ車E4を備えている。巻上機シーブE3およびそらせ車E4は、ワイヤロープWが引っかけられるとともに互いに離間して設けられている。なお、巻上機シーブE3およびそらせ車E4は、それぞれ、特許請求の範囲の「第1滑車」および「第2滑車」の一例である。
ワイヤロープ検査装置100は、巻上機シーブE3とそらせ車E4との間に設けられている。
以下では、1本のワイヤロープWに着目して説明を行う。図8に示すように、ワイヤロープWは、カゴ部E1側から釣り合い重りE2側に向かって、巻上機シーブE3、ワイヤロープ検査装置100、そらせ車E4、巻上機シーブE3、ワイヤロープ検査装置100、そらせ車E4の順に通過する。すなわち、ワイヤロープWは、ワイヤロープ検査装置100を2回通過する部分を含む。具体的には、ワイヤロープWは、巻上機シーブE3からそらせ車E4に渡るとともにワイヤロープ検査装置100を通過する2本の第1渡り部W1と、そらせ車E4から巻上機シーブE3に渡るとともにワイヤロープ検査装置100の下方を通過する第2渡り部W2とを含む。言い換えると、ワイヤロープWは、ワイヤロープWの同じ部分が、ワイヤロープ検査装置100を2回通過する。
また、図1に示すように、エレベータEは、昇降路110を昇降する。巻上機シーブE3、そらせ車E4、およびワイヤロープ検査装置100は、エレベータEの昇降路110の上部に設けられている機械室111に配置されている。なお、エレベータEが機械室なしタイプのエレベータであってもよい。
図2に示すように、ワイヤロープ検査装置100は、検出部1と、電子回路部2とを備えている。検出部1は、一対の受信コイル11および12を有する差動コイル10と、励振コイル13とを含んでいる。電子回路部2は、制御部21と、受信I/F22と、記憶部23と、励振I/F24と、電源回路25と、通信部26とを含んでいる。また、ワイヤロープ検査装置100は、磁界印加部4(図3参照)を備えている。なお、差動コイル10は、特許請求の範囲の「検知部」の一例である。
また、ワイヤロープ検査装置100は、通信部26を介して外部装置900(図1参照)と通信している。
図1に示すように、外部装置900は、通信部901と、表示部902とを備えている。外部装置900は、通信部901を介して、ワイヤロープ検査装置100によるワイヤロープWの計測データを受信するように構成されている。また、外部装置900は、受信したワイヤロープWの計測データに基づくワイヤロープWの状態に関する結果を、表示部902に表示するように構成されている。
図3に示すように、ワイヤロープ検査装置100は、差動コイル10によりワイヤロープWの磁界(磁束)の変化に対応する検知信号(図5参照)を検知するように構成されている。
なお、磁界の変化とは、ワイヤロープWと検出部1とを相対移動させることによる検出部1で検知される磁界の強さの時間的な変化を含む広い概念である。
(磁界印加部の構成)
図3に示すように、磁界印加部4は、検査対象物であるワイヤロープWに対して予めY方向(ワイヤロープWの延びるX方向に交差する方向)に磁界を印加し磁性体であるワイヤロープWの磁化の大きさおよび方向を整えるように構成されている。また、磁界印加部4は、磁石41および42を含む第1磁界印加部と、磁石43および44を含む第2磁界印加部とを含んでいる。第1磁界印加部(磁石41および42)は、検出部1に対して、ワイヤロープWの延びる方向の一方側(X1方向側)に配置されている。また、第2磁界印加部(磁石43および44)は、検出部1に対して、ワイヤロープWの延びる方向の他方側(X2方向側)に配置されている。なお、第1磁界印加部および第2磁界印加部のいずれか一方のみが設けられる構成であってもよい。
第1磁界印加部(磁石41および42)は、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に交差する面に平行かつY2方向に磁界を印加するように構成されている。第2磁界印加部(磁石43および44)は、ワイヤロープWの延びる方向(X方向)に交差する面に平行かつY1方向に磁界を印加するように構成されている。すなわち、磁界印加部4は、長尺材の長手方向であるX方向と略直交する方向に磁界を印加するように構成されている。
(検出部の構成)
図3に示すように、差動コイル10は、長尺材からなる磁性体であるワイヤロープWが延びる方向に沿うように配置された受信コイル11を含む。また、差動コイル10は、ワイヤロープWに対して受信コイル11が配置される側(Y1方向側)とは反対側(Y2方向側)において、受信コイル11とともにワイヤロープWを挟むように配置されている受信コイル12を含む。励振コイル13は、第1導線部13aが形成されたプリント基板13bを含む。また、励振コイル13は、第2導線部13cが形成されたプリント基板13dを含む。第1導線部13aと第2導線部13cとは、図示しない接続導線部により接続されている。ワイヤロープWは、差動コイル10および励振コイル13の内部(内側)を通過する。また、差動コイル10は、励振コイル13の内側に設けられている。なお、差動コイル10および励振コイル13の配置はこれに限られない。なお、図3の差動コイル10および励振コイル13は、概略的に図示したものであり、実際の配置(構成)とは異なっている場合がある。
また、差動コイル10は、図4に示すように、受信コイル11と受信コイル12とが差動接続された差動コイルとなるように構成されている。また、受信コイル11は、第1導線部13a(図3参照)と電気的に絶縁して設けられる。受信コイル11は、第1導線部13aが形成されたプリント基板13b(図3参照)に導体パターンとして形成してもよいし、プリント基板13bとは異なるプリント基板、または、多層構造のフレキシブル基板に導体パターンとして形成してもよい。受信コイル12は、第2導線部13cと電気的に絶縁して設けられる。受信コイル12は、第2導線部13cが形成されたプリント基板13dに導体パターンとして形成してもよいし、プリント基板13dとは異なるプリント基板、または、多層構造のフレキシブル基板に導体パターンとして形成してもよい。
励振コイル13は、ワイヤロープWの磁化の状態を励振する。具体的には、励振コイル13に励振交流電流が流されることにより、励振コイル13の内部において、励振交流電流に基づいて発生する磁界がX方向に沿って印加されるように構成されている。
差動コイル10は、一対の受信コイル11および12の差動信号を送信するように構成されている。具体的には、差動コイル10は、ワイヤロープWの磁界の変化を検知して差動信号を送信するように構成されている。差動コイル10は、検査対象物であるワイヤロープWのX方向の磁界の変化を検知して検知信号(電圧)を出力するように構成されている。すなわち、差動コイル10は、磁界印加部4によりY方向に磁界が印加されたワイヤロープWに対して、Y方向に交差するX方向の磁界の変化を検知する。また、差動コイル10は、検知したワイヤロープWのX方向の磁界の変化に基づく差動信号(電圧)を出力するように構成されている。また、差動コイル10は、励振コイル13によって発生する磁界の略全てが検知可能に(入力される様に)配置されている。
ワイヤロープWに欠陥(傷等)が存在する場合は、欠陥(傷等)のある部分でワイヤロープWの全磁束(磁界に透磁率と面積とを掛けた値)が小さくなる。その結果、たとえば、差動コイル10が、欠陥(傷等)のある場所に位置する場合、差動コイル10による検知電圧の差の絶対値(差動信号)が大きくなる。一方、欠陥(傷等)のない部分での差動信号は略ゼロとなる。このように、差動コイル10において、欠陥(傷等)の存在をあらわす明確な信号(S/N比の良い信号)が検知される。これにより、電子回路部2は、差動信号の値に基づいてワイヤロープWの欠陥(傷等)の存在を検出することが可能である。
(電子回路部の構成)
図2に示す電子回路部2の制御部21は、ワイヤロープ検査装置100の各部を制御するように構成されている。具体的には、制御部21は、CPU(中央処理装置)などのプロセッサ、メモリ、AD変換器などを含んでいる。
制御部21は、差動コイル10により検知された差動信号(検知信号)を取得して、ワイヤロープWの状態を検知するように構成されている。また、制御部21は、励振コイル13を励振させる制御を行うように構成されている。また、制御部21は、通信部26を介して、ワイヤロープWの状態の検知結果を外部装置900に送信するように構成されている。制御部21の詳細は後述する。
受信I/F22は、差動コイル10からの差動信号を受信して、制御部21に送信するように構成されている。具体的には、受信I/F22は、増幅器を含んでいる。また、受信I/F22は、差動コイル10の差動信号を増幅して、制御部21に送信するように構成されている。
励振I/F24は、制御部21からの信号を受信して、励振コイル13に対する電力の供給を制御するように構成されている。具体的には、励振I/F24は、制御部21からの制御信号に基づいて、電源回路25から励振コイル13への電力の供給を制御する。
(ワイヤロープの構成、特性)
ワイヤロープWは、磁性を有する素線材料が編みこまれる(たとえば、ストランド編みされる)ことにより形成されている。ワイヤロープWは、X方向に延びる長尺材からなる磁性体である。ワイヤロープWは、劣化による切断が起こるのを防ぐために、状態(傷等の有無)を監視されている。そして、劣化が所定量より進行したワイヤロープWは、交換される。
ワイヤロープWは、固有の磁気特性を有している。固有の磁気特性とは、ワイヤロープWの長手方向(X方向)に直交する断面位置における撚(よ)りの均一度や、鋼材の量の均一度などの違いに起因して、変化する磁気特性である。このため、ワイヤロープ検査装置100により検知されたワイヤロープWの検知信号には、磁気特性に起因するノイズ成分が含まれる。また、ワイヤロープWには移動中に揺れが生じるため、ワイヤロープ検査装置100により検知されたワイヤロープWの検知信号には、ワイヤロープWの揺れに起因するノイズ成分も含まれる。
このため、図5のワイヤロープWの検知信号(測定データ)の生データに示すように、ワイヤロープWに損傷があった場合でも、損傷に起因する信号が上記ノイズに対応する信号に埋もれて、損傷に対応する信号の判別が困難となる場合がある。
また、図6に示すように、上記測定データと、上記測定データの前に検知された(損傷が生じていない)ワイヤロープWに対応する検知信号の生データ(基準データ)との差分を取った場合でも、測定データ取得時と基準データ取得時とで発生するノイズが一致しないため、ノイズ成分同士がキャンセルされない。ノイズが一致しない原因としては、測定の度にワイヤロープWの揺れ方が異なるため、ワイヤロープWの揺れに起因するノイズが測定の度に異なることが考えられる。したがって、上記測定データと上記基準データとの差分を取った場合でも、損傷に対応する信号の判別が困難となる場合がある。
そこで、本明細書では、下記のようなワイヤロープWの損傷検出手法を提案する。
図8に示すように、ワイヤロープ検査装置100(差動コイル10)は、ワイヤロープWが差動コイル10を通過しながら一方向に移動する間(たとえばカゴ部E1が下降している間)に、ワイヤロープWにおける長さL(図9参照)ごとの部分である複数の検知部分W10の各々が差動コイル10を複数回(第1実施形態では2回)通過するように設けられている。ここで、長さLとは、巻上機シーブE3およびそらせ車E4にワイヤロープWが巻き付けられた際の1周分のワイヤロープWの長さである。
具体的には、複数の検知部分W10のうちの検知信号aに対応する検知部分W10よりもカゴ部E1とは反対側の検知部分W10(すなわち、検知信号b、c、d…に対応する検知部分W10)は、カゴ部E1が最上階から最下階に移動する間に、差動コイル10を2回通過する。また、検知信号aに対応する検知部分W10は、カゴ部E1が最上階から最下階に移動する間に、差動コイル10を1回通過する。また、検知信号aに対応する検知部分W10とカゴ部E1との間の部分は、差動コイル10を通過しない非検知領域である。なお、検知信号aに対応する検知部分W10とは、カゴ部E1に最も近い側の検知部分W10を意味し、検知信号aに対応する検知部分W10側から順に、検知信号b、c、d…に対応する検知部分W10とする。
また、ワイヤロープ検査装置100(差動コイル10)は、互いに異なる検知部分W10が同時に差動コイル10を通過するように配置されている。これにより、差動コイル10を同時に通過する互いに異なる検知部分W10の磁界の変化に対応する検知信号が一括で検知される。
具体的には、第1実施形態では、複数の検知部分W10のうちの一の検知部分W10が差動コイル10を通過している状態で、上記一の検知部分W10と連続する検知部分W10が差動コイル10を通過するように配置されている。これにより、差動コイル10により、連続する検知部分W10の磁界の変化に対応する検知信号が一括で検知される。
詳細には、検知信号aに対応する検知部分W10が差動コイル10を通過している間は、検知信号aに対応する検知部分W10に連続する検知信号bに対応する検知部分W10も差動コイル10を通過する。これにより、差動コイル10により検知される検知信号として、検知信号aと検知信号bとが加算された(重ねられた)検知信号(図9の(1)参照)が得られる。そして、ワイヤロープWの移動が進むにつれ、検知信号bおよび検知信号cが加算された検知信号(図9の(2)参照)、検知信号cおよび検知信号dが加算された検知信号(図9の(3)参照)、検知信号dおよび検知信号eが加算された検知信号(図9の(4)参照)…の順で検知信号が取得される。これにより、ワイヤロープWが差動コイル10を通過しながら一方向に移動する間に、複数の検知部分W10に基づく検知信号としての第1信号列(図9参照)が検知(取得)される。
また、図9に示すように、制御部21は、第1信号列のうちの先頭の長さL分の検知信号以外の部分を第1信号列から抽出して第2信号列を取得(生成)する。すなわち、第2信号列は、第1信号列の(2)以降の部分が第1信号列から抽出された信号である。
ここで、第1実施形態では、第1信号列に基づくデータと、第2信号列に基づくデータとを、互いに始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、複数の検知部分W10のうちの一部の検知部分W10に対応する検知信号を重ねて加算することによって、ワイヤロープWの状態を検知するように構成されている。上記のような加算制御を、本明細書では、ダブルラップ加算と呼ぶ。
図9および図10を参照して、ダブルラップ加算の概念について説明する。一例として、検知信号cに対応する検知部分W10に損傷が生じているとして説明する。なお、図9および図10に示す距離dとは、検知信号cに対応する検知部分W10のうちのカゴ部E1側の端部から損傷箇所までの距離を意味する。
第1実施形態では、制御部21は、第1信号列に基づくデータと第2信号列に基づくデータとを互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、差動コイル10を同時に通過する互いに異なる検知部分W10に対応する検知信号のうちの一部の検知信号だけを重ねて加算することによって、ワイヤロープWの状態を検知するように構成されている。
第1信号列の(1)の検知信号に着目して具体的に説明する。この場合、第1信号列と第2信号列とをダブルラップ加算することにより、第1信号列の(1)の検知信号には、第2信号列の(2)の検知信号が加算される。これにより、図10に示すように、検知信号aと、検知信号bの2倍の検知信号と、検知信号cとが加算された検知信号(a+2b+c)が取得(生成)される。すなわち、差動コイル10を同時に通過する、検知信号aに対応する検知部分W10と検知信号bに対応する検知部分W10とのうち、検知信号bに対応する検知部分W10だけが重ねて加算される。
同様に、第1信号列の(2)の検知信号(b+c)と、第2信号列の(3)の検知信号(c+d)とが加算されることにより、検知信号cに対応する検知部分W10だけが重ねて加算される。その結果、検知信号cに含まれる損傷に起因するピーク信号が重ねられて大きくなる(2倍になる)ので、損傷に起因するピーク信号のノイズに起因する信号に対する比(S/N比)が大きくなる。一方、ワイヤロープWの揺れ方は一定ではないので、異なるタイミングで取得された検知信号c同士が加算されてもワイヤロープWの揺れに起因するノイズ成分同士は加算されにくい。すなわち、ワイヤロープWの揺れに起因するノイズ成分は強調されにくい。
(ワイヤロープ検査方法)
次に、図11を参照して、ワイヤロープWの検査方法について説明する。
まず、測定データと、基準データと、測定抽出データと、基準抽出データとが準備される。なお、測定データ(基準データ)は、上記のように、ワイヤロープWが差動コイル10を通過しながら一方向に移動する間に、複数の検知部分W10の各々を複数回通過させるステップを行うことにより取得される。また、測定データおよび基準データは、上記の第1信号列に含まれるデータある。また、測定抽出データおよび基準抽出データは、上記の第2信号列に含まれるデータである。
測定データは、ワイヤロープWが差動コイル10を通過しながら一方向に移動する間に差動コイル10により検知された生データである。また、基準データは、測定データよりも前に取得された、ワイヤロープWが差動コイル10を通過しながら一方向に移動する間に差動コイル10により検知された生データである。測定抽出データは、測定データのうちの先頭の長さL分の検知信号以外の部分が測定データから抽出されたデータである。また、基準抽出データは、基準データのうちの先頭の長さL分の検知信号以外の部分が基準データから抽出されたデータである。
ここで、本実施形態では、制御部21は、測定抽出データに基づくデータと、基準抽出データに基づくデータとの差分に基づいて、ワイヤロープWの状態を検知する制御を行うように構成されている。以下に詳しく説明する。
ステップ101において、制御部21は、基準データと基準抽出データとを加算(ダブルラップ加算)する制御を行うことにより、基準加算データが取得される。この基準加算データが、上記の基準抽出データに基づくデータを意味する。
また、ステップ102では、測定データと測定抽出データとを加算(ダブルラップ加算)する制御を行うことにより、測定加算データが取得される。この測定加算データが、上記の測定抽出データに基づくデータを意味する。
これにより、測定データに損傷の信号が含まれている場合、測定データおよび測定抽出データの各々に含まれる損傷の信号同士が2重に加算されることになり、損傷に起因する信号のS/N比が増大する。また、基準データとしては、基本的には、損傷がない状態のワイヤロープWのデータが用いられる。なお、ステップ101とステップ102との順番はいずれが先であってもよいし、同時であってもよい。
次に、ステップ103では、ステップ102において取得された測定加算データと、ステップ101において取得された基準加算データとの差分である差分データを取得する差分制御が行われる。ここで、ワイヤロープWの磁気特性は短期間では変化しないので、ワイヤロープWの磁気特性に起因するノイズは、ワイヤロープWの揺れに起因するノイズとは異なり、検知信号の測定の度に同様に現れる可能性が高い。これにより、基準データと測定データとにおいて共通に含まれるノイズ(磁気特性に起因するノイズ)に起因する信号がキャンセルされるので、損傷に起因するS/N比がさらに増大する。なお、ステップ103において取得された差分データは、特許請求の範囲の「第1差分データ」の一例である。
次に、ステップ104では、ステップ103において取得された差分データを微分処理計算することにより微分データ(図12参照)を取得する微分処理が行われる。微分処理計算を行うことにより、損傷に基づくピーク信号が顕著に現れる微分データが取得される。なお、ステップ104において取得される微分データは、特許請求の範囲の「第1微分データ」の一例である。
そして、ステップ105では、ステップ104において取得された微分データに基づいて、ワイヤロープWの状態を検知する制御(検出判定)が行われる。たとえば、制御部21は、微分データにおいて現れているピーク信号のピーク値(最大値)が、所定のしきい値α(図12参照)よりも大きいピーク信号を損傷による信号であると判定する制御を行う。ここで、上記所定のしきい値αは、損傷に起因する信号が2重に加算された場合のピーク値に対応する値として、予め設定されている。なお、所定のしきい値αは、特許請求の範囲の「所定の第1しきい値」の一例である。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、制御部21は、ワイヤロープWが差動コイル10(検知部)を通過しながら一方向に移動する間に差動コイル10により検知された複数の検知部分W10(所定長さ部分)に基づく検知信号としての第1信号列に基づくデータと、第1信号列のうちの少なくとも先頭の長さL(所定の長さ)分の検知信号以外の部分が第1信号列から抽出された第2信号列に基づくデータとを、互いの始点を合わせて加算する加算制御を行う。この加算制御を行うことにより、制御部21は、複数の検知部分W10のうちの一部の検知部分W10に対応する検知信号を重ねて加算することによって、ワイヤロープWの状態を検知するように構成されている。これにより、検知信号が重ねて加算される検知部分W10に損傷が生じている場合は、損傷に起因する信号が重ねて加算される。また、ワイヤロープWの移動中におけるワイヤロープWの揺れの生じ方は一定でないので、ワイヤロープWの揺れに起因するノイズ信号は差動コイル10による検査の度に発生するタイミングが異なると考えられる。この場合、検知信号が重ねて加算された場合でも、ノイズ信号同士が互いに加算されない。これにより、検知信号を重ねて加算することによって、損傷に起因する信号のS/N比を増大させることができるので、損傷を容易に検知することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、差動コイル10(検知部)は、互いに異なる検知部分W10(所定長さ部分)が同時に差動コイル10を通過するように配置されていることによって、差動コイル10を同時に通過する互いに異なる検知部分W10の磁界の変化に対応する検知信号を一括で検知するように設けられている。また、制御部21は、第1信号列に基づくデータと第2信号列に基づくデータとを互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、差動コイル10を同時に通過する互いに異なる検知部分W10に対応する検知信号のうちの一部の検知信号だけを重ねて加算することによって、ワイヤロープWの状態を検知するように構成されている。このように構成すれば、一部の検知信号だけが重ねて加算されるので、一部の検知信号に損傷に起因する検知信号が含まれていれば、損傷に起因する検知信号が強調される。これにより、損傷に起因する信号のS/N比を容易に増大させることができるので、損傷をより容易に検知することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、差動コイル10(検知部)は、ワイヤロープWが引っかけられるとともに互いに離間する巻上機シーブE3(第1滑車)とそらせ車E4(第2滑車)との間に設けられている。また、検知部分W10(所定長さ部分)は、巻上機シーブE3およびそらせ車E4にワイヤロープWが巻き付けられた際の1周分のワイヤロープWの長さである長さLごとのワイヤロープWの部分である。また、差動コイル10は、複数の検知部分W10(所定長さ部分)のうちの一の検知部分W10が差動コイル10を通過している状態で、上記一の検知部分W10と連続する検知部分W10が差動コイル10を通過するように配置されていることにより、連続する検知部分W10の磁界の変化に対応する検知信号を一括で検知するように設けられている。このように構成すれば、連続する検知部分W10の磁界の変化に対応する検知信号が一括で検知されるように巻上機シーブE3とそらせ車E4との間に差動コイル10を配置することによって、第1信号列と第2信号列とを加算することにより、連続する検知部分W10のうちの一方だけを重ねて加算することができる。その結果、重ねて加算される上記一方の検知部分W10に損傷が生じていれば、損傷に起因する検知信号を容易に強調することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1信号列は、生データとしての測定データと、測定データよりも前に取得された生データとしての基準データとを含む。また、第2信号列は、測定データのうちの少なくとも先頭の長さL(所定の長さ分)の検知信号以外の部分が測定データから抽出された測定抽出データと、基準データのうちの少なくとも先頭の長さL分の検知信号以外の部分が基準データから抽出された基準抽出データと、を含む。また、制御部21は、測定抽出データに基づくデータと、基準抽出データに基づくデータとの差分に基づいて、ワイヤロープWの状態を検知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、測定抽出データに基づくデータと、基準抽出データに基づくデータとの差分において、測定抽出データに基づくデータおよび基準抽出データに基づくデータに共通に含まれるノイズ成分がキャンセルされる。その結果、ノイズ成分がキャンセルされた信号に基づいてワイヤロープWの状態を検知する制御を行うことができるので、損傷に起因する信号のS/N比をより増大することができるとともに、損傷をより一層容易に検知することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部21は、測定データと測定抽出データとを加算することにより測定加算データを取得するとともに、基準データと基準抽出データとを加算することにより基準加算データを取得する加算制御を行うように構成されている。また、制御部21は、測定加算データと基準加算データとの差分である差分データ(第1差分データ)を取得する差分制御を行うように構成されている。また、制御部21は、上記差分データを微分処理することにより微分データ(第1微分データ)を取得する微分制御を行うように構成されている。また、制御部21は、上記微分データに基づいて、ワイヤロープWの状態を検知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、測定データと測定抽出データとを加算することにより損傷に起因する信号のS/N比を増大させることができる。さらに、上記差分制御を行うことによりノイズの起因する信号同士がキャンセルされるので、加算制御により増大した損傷に起因する信号のS/N比をさらに増大させることができる。また、上記微分処理を行うことにより、損傷に起因するピーク信号がより明確に現れるので、ピーク信号に基づいて損傷が生じていることをより正確に判定することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、差動コイル10(検知部)は、エレベータEに用いられるワイヤロープWの磁界の変化に対応する検知信号を検知するように構成されている。このように構成すれば、エレベータEのワイヤロープWの損傷を容易に検知することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ワイヤロープ検査方法は、差動コイル10(検知部)により、ワイヤロープWが差動コイル10を通過しながら一方向に移動する間に、複数の検知部分W10(所定長さ部分)の各々を差動コイル10に複数回通過させるステップを備える。また、ワイヤロープ検査方法は、ワイヤロープWが差動コイル10を通過しながら一方向に移動する間に差動コイル10により検知された第1信号列に基づくデータと、第2信号列に基づくデータとを、互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、複数の検知部分W10のうちの一部の検知部分W10に対応する検知信号を重ねて加算することによって、ワイヤロープWの状態を検知するステップを備える。これにより、検知信号を重ねて加算することによって、損傷に起因する信号のS/N比を増大させることができるので、損傷を容易に検知することが可能なワイヤロープ検査方法を提供することができる。
[第2実施形態]
次に、図13~図15を参照して、第2実施形態によるワイヤロープ検査装置200について説明する。この第2実施形態のワイヤロープ検査装置200は、基準データと基準抽出データとの加算、および、測定データと測定抽出データとの加算が行われる上記第1実施形態とは異なり、基準データと基準抽出データとの差分計算、および、測定データと測定抽出データとの差分計算が行われる。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
図13に示すように、ワイヤロープ検査装置200は、電子回路部32を備えている。電子回路部32は、制御部321を含んでいる。
(ワイヤロープ検査方法)
次に、図14を参照して、ワイヤロープWの検査方法について説明する。
ステップ201において、制御部321は、測定データと基準データとの差分である差分データを取得する差分計算を行う。これにより、基準データと測定データとにおいて共通に含まれるノイズに起因する信号がキャンセルされるので、損傷に起因する信号のS/N比が増大する。なお、ステップ201において取得される差分データは、特許請求の範囲の「第2差分データ」の一例である。
また、ステップ202において、制御部321は、測定抽出データと基準抽出データとの差分である差分抽出データを取得する差分計算を行う。これにより、基準抽出データと測定抽出データとにおいて共通に含まれるノイズに起因する信号がキャンセルされるので、損傷に起因する信号のS/N比が増大する。なお、ステップ201とステップ202との順番はいずれが先であってもよいし、同時であってもよい。
ここで、第2実施形態では、制御部321は、ステップ201において取得された差分データと、ステップ202において取得された差分抽出データとを加算する加算制御を行うことに基づいて、ワイヤロープWの状態を検知する制御を行うように構成されている。具体的には、ステップ203において、制御部321は、ステップ201において取得された差分データと、ステップ202において取得された差分抽出データとを加算(ダブルラップ加算)することにより、加算データを取得する加算制御を行うように構成されている。これにより、測定データに損傷の信号が含まれている場合、測定データおよび測定抽出データの各々に含まれる損傷の信号同士が2重に加算されることになり、損傷に起因する信号のS/N比がさらに増大する。なお、ステップ203において取得された加算データは、特許請求の範囲の「第1加算データ」の一例である。
次に、ステップ204において、制御部321は、ステップ203において取得された加算データを微分処理計算することにより、微分データ(図12参照)を取得する制御を行う。微分処理計算を行うことにより、損傷やノイズ等に基づくピーク信号が顕著に現れる微分データが取得される。なお、ステップ204において取得される微分データは、特許請求の範囲の「第2微分データ」の一例である。
そして、ステップ205では、ステップ204において取得された微分データに基づいて、ワイヤロープWの状態を検知する制御(検出判定)が行われる。具体的には、制御部321は、上記第1実施形態に記載した所定のしきい値α(図12参照)に基づく判定に加えて、ステップ204において取得された微分データに所定のしきい値αよりも小さい第1ピーク信号(図15の下図参照)が現れている場合に、下記の判定制御を行う。
詳細には、制御部321は、第1ピーク信号が現れている箇所に対応する、ステップ201において取得された差分データの第2ピーク信号(図15の上図参照)と、第1ピーク信号が現れている箇所に対応する、ステップ202において取得された差分抽出データの第3ピーク信号(図15の上図参照)とのずれ量に基づく値X(図15の上図参照)に基づいて、下記の判定制御を行う。
図15に示すように、第1ピーク信号の値が最大となるワイヤロープWの位置P1(座標)における第2ピーク信号の値をY1とするとともに、位置P1における第3ピーク信号の値をY2とする。この場合、Y1とY2との中央値は、(Y1+Y2)/2となる。ここで、制御部321は、第2ピーク信号において値が(Y1+Y2)/2となるワイヤロープWの位置P2(座標)と、第3ピーク信号において値が(Y1+Y2)/2となるワイヤロープWの位置P3(座標)との差を、上記ずれ量に基づく値Xとして算出する。
そして、制御部321は、上記ずれ量に基づく値Xが、所定のしきい値よりも大きいことに基づいて、第1ピーク信号が現れている箇所にワイヤロープWの損傷が発生していないことを検知するように構成されている。なお、位置P1に損傷が生じている場合は、位置P2と位置P3とが略一致するため、ずれ量に基づく値Xは極めて小さく(略ゼロに)なる。なお、上記ずれ量に基づく値Xと比較される上記所定のしきい値は、特許請求の範囲の「所定の第2しきい値」の一例である。
なお、所定のしきい値αよりも小さいピーク信号について上記のずれ量に基づく判定を行う例を示したが、所定のしきい値αと、所定のしきい値αよりも小さいしきい値(ここではβとする)とに基づいて、上記の判定を行ってもよい。たとえば、第1ピーク信号のピーク値(最大値)が、しきい値βよりも大きく、かつ、しきい値αよりも小さい場合に上記のずれ量に基づく判定を行ってもよい。また、第2ピーク信号のピーク位置(最大となる位置)と、第3ピーク信号のピーク位置(最大となる位置)との差を、上記のずれ量に基づく値としてもよい。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、制御部321は、測定データと基準データとの差分である差分データ(第2差分データ)を取得するとともに、測定抽出データと基準抽出データとの差分である差分抽出データを取得する差分制御を行うように構成されている。また、制御部321は、上記差分データに基づくデータと、差分抽出データに基づくデータとを加算する加算制御を行うことに基づいて、ワイヤロープWの状態を検知する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、上記差分制御を行うことによりノイズに起因する信号同士をキャンセルさせることによって損傷に起因する信号のS/N比を増大させることができる。また、上記加算制御を行うことにより、差分制御によってS/N比が増大された損傷に起因する信号のS/N比をさらに増大させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、制御部321は、上記差分データ(第2差分データ)と差分抽出データとを加算することにより加算データ(第1加算データ)を取得する加算制御と、上記加算データを微分処理することにより微分データ(第2微分データ)を取得する微分制御と、上記微分データに基づいて、ワイヤロープWの状態を検知する制御と、を行うように構成されている。このように構成すれば、微分処理を行う回数が1回となるので、微分処理を複数回行う必要がある場合に比べて、制御部321における処理負荷を軽減することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、制御部321は、上記加算制御および上記微分制御が行われることにより取得されたデータにおいて所定のしきい値α(所定の第1しきい値)よりも小さい第1ピーク信号が現れている場合に、第1ピーク信号が現れている箇所に対応する差分データ(第2差分データ)の第2ピーク信号と、第1ピーク信号が現れている箇所に対応する差分抽出データの第3ピーク信号とのずれ量に基づく値Xが所定のしきい値(所定の第2しきい値)よりも大きいことに基づいて、第1ピーク信号が現れている箇所にワイヤロープWの損傷が発生していないことを検知するように構成されている。ここで、第1ピーク信号が損傷に起因する信号である場合は、第2ピーク信号および第3ピーク信号のピーク位置は互いに略等しくなるので、上記ずれ量に基づく値Xも極めて小さく(略ゼロ)になる。したがって、上記ずれ量に基づく値Xが所定のしきい値よりも大きいことに基づいて、第1ピーク信号が現れている箇所にワイヤロープWの損傷が発生していないことを検知するように構成されていることによって、損傷に起因する信号として制御部321により誤判定されるのを容易に抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果のうち、上記第1実施形態で得られる効果と同様のものの説明は省略する。
[第3実施形態]
次に、図16および図17を参照して、第3実施形態によるワイヤロープ検査装置300について説明する。この第3実施形態のワイヤロープ検査装置300は、測定データと基準データとの差分と、測定抽出データと基準抽出データとの差分とを加算(ダブルラップ加算)する制御を行う上記第2実施形態とは異なり、測定データと基準データとの差分を微分計算するとともに、測定抽出データと基準抽出データとの差分を微分計算する制御を行う。なお、上記第2実施形態と同様の構成は、第2実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
図16に示すように、ワイヤロープ検査装置300は、電子回路部42を備えている。電子回路部42は、制御部421を含んでいる。
(ワイヤロープ検査方法)
次に、図17を参照して、ワイヤロープWの検査方法について説明する。
ステップ301において、制御部421は、ステップ201において取得された差分データを微分処理することにより微分データを取得する制御を行う。また、ステップ302において、制御部421は、ステップ202において取得された差分抽出データを微分処理することにより微分抽出データを取得する制御を行う。なお、ステップ301において取得された微分データは、特許請求の範囲の「第3微分データ」の一例である。
次に、ステップ303では、制御部421は、ステップ301において取得された微分データと、ステップ302において取得された微分抽出データとを加算(ダブルラップ加算)することにより、加算データを取得する制御を行う。なお、ステップ303において取得された加算データは、特許請求の範囲の「第2加算データ」の一例である。
そして、ステップ304において、制御部421は、ステップ303において取得された加算データに基づいて、ワイヤロープWの状態を検知する制御(検出判定)を行う。なお、ステップ304における制御は、上記第2実施形態におけるステップ205の制御と同様であるので、詳細な説明は省略する。
なお、第3実施形態のその他の効果のうち、上記第2実施形態で得られる効果と同様のものの説明は省略する。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、制御部421は、差分データ(第2差分データ)を微分処理することにより微分データ(第3微分データ)を取得するとともに、差分抽出データを微分処理することにより微分抽出データを取得する微分制御を行うように構成されている。また、制御部421は、上記微分データと微分抽出データとを加算することにより加算データ(第2加算データ)を取得する加算制御と、上記加算データに基づいて、ワイヤロープWの状態を検知する制御と、を行うように構成されている。このように構成すれば、微分処理によって検知信号に明確に現れ出た損傷に起因する信号同士を加算することができるので、加算制御によって得られる検知信号における損傷に起因する信号のS/N比をより効果的に増大させることができる。
なお、第3実施形態のその他の効果のうち、上記第1実施形態で得られる効果と同様のものの説明は省略する。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1~第3実施形態では、ワイヤロープ検査装置100(200、300)の制御部21(321、421)が、ワイヤロープWの状態を検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、ワイヤロープ検査装置100(200、300)とは別個の装置が上記の制御を行ってもよい。
具体的には、図18に示すように、ワイヤロープ検査システム500は、ワイヤロープ検査装置400と、外部装置900aとを備えている。外部装置900aは、制御部903を備える。制御部903は、上記第1~第3実施形態の制御部21(321、421)と同様の制御を行うように構成されている。なお、外部装置900aは、特許請求の範囲の「制御装置」の一例である。
これにより、検知信号を重ねて加算することによって、損傷に起因する信号のS/N比を増大させることができるので、損傷を容易に検知することが可能なワイヤロープ検査システム500を提供することができる。
また、上記第1~第3実施形態では、差動コイル10(検知部)は、ワイヤロープWが差動コイル10を通過しながら一方向に移動する間に、ワイヤロープWにおける複数の検知部分W10(所定長さ部分)の各々が差動コイル10を2回通過する例を示したが、本発明はこれに限られない。ワイヤロープWが差動コイル10を通過しながら一方向に移動する間に、複数の検知部分W10の各々が差動コイル10を3回以上通過するように構成されていてもよい。
たとえば、複数の検知部分W10の各々が差動コイル10を3回通過する場合は、互いに異なる3つの検知部分W10が差動コイル10により検査される。この場合、図19の第1信号列に示す検知信号が得られる。また、制御部は、第1信号列のうちの先頭の長さL分の検知信号以外の部分を第1信号列から抽出して第2信号列(1)を取得(生成)する。また、制御部は、第1信号列のうちの先頭の2つの長さL分の検知信号以外の部分を第1信号列から抽出して第2信号列(2)を取得(生成)する。そして、制御部は、第1信号列と、第2信号列(1)と、第2信号列(2)とを互いの始点を合わせて加算(トリプルラップ加算)する。これにより、検知信号cに対応する部分に損傷がある場合は、加算されることにより得られた検知信号のうちの先頭の長さLに対応する部分では、検知信号cが3重に加算される。これにより、損傷に起因する信号のS/N比が増大する。
また、上記第1~第3実施形態では、巻上機シーブE3(第1滑車)とそらし車E4(第2滑車)とに巻き付けられたワイヤロープWを検査するようにワイヤロープ検査装置(100、200、300)が設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。上記の損傷検知の制御(アルゴリズム)を適用可能な構成であれば、巻上機シーブとそらし車とに巻き付けられたワイヤロープWに検査対象は限られない。そして、ワイヤロープWを移動させる機構の構成に基づいて、複数の検知部分W10(所定長さ部分)の長さLは、適宜変更し得る。
また、上記第1~第3実施形態では、差動コイル10(検知部)は、複数のワイヤロープWを一括で検査する例を示したが、本発明はこれに限られない。差動コイル10(検知部)は、複数のワイヤロープWの各々を個別に検査してもいい。この場合、複数のワイヤロープWの各々に対応して差動コイルが複数設けられる。
また、上記第1~第3実施形態では、連続する検知部分W10(所定長さ部分)が差動コイル10(検知部)により一括で検査される例を示したが、本発明はこれに限られない。非連続の検知部分W10が差動コイル10により一括で検査されてもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、ワイヤロープ検査装置(100、200、300)は、エレベータEのワイヤロープWを検査する例を示したが、本発明はこれに限られない。ワイヤロープ検査装置は、エレベータ以外のワイヤロープを検査してもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、基準データを、ワイヤロープWが差動コイル10を通過しながら一方向に移動する間に差動コイル10により検知された生データとする例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、連続する検知部分W10を順番に測定して得られたデータ(すなわち、検知信号a、b、c…の順に並ぶ検知信号)に基づいて、基準データ(すなわち、検知信号a+b、b+c、c+d…の順に並ぶ検知信号)を新たに生成してもよい。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理を、処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(項目1)
ワイヤロープの磁界の変化に対応する検知信号を検知する検知部と、
前記検知部により検知された前記検知信号を取得する制御部と、を備え、
前記検知部は、前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に、前記ワイヤロープにおける所定の長さごとの部分である複数の所定長さ部分の各々が前記検知部を複数回通過するように設けられており、
前記制御部は、前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に前記検知部により検知された前記複数の所定長さ部分に基づく前記検知信号としての第1信号列に基づくデータと、前記第1信号列のうちの少なくとも先頭の前記所定の長さ分の前記検知信号以外の部分が前記第1信号列から抽出された第2信号列に基づくデータとを、互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、前記複数の所定長さ部分のうちの一部の前記所定長さ部分に対応する前記検知信号を重ねて加算することによって、前記ワイヤロープの状態を検知するように構成されている、ワイヤロープ検査装置。
(項目2)
前記検知部は、互いに異なる前記所定長さ部分が同時に前記検知部を通過するように配置されていることによって、前記検知部を同時に通過する互いに異なる前記所定長さ部分の磁界の変化に対応する前記検知信号を一括で検知するように設けられており、
前記制御部は、前記第1信号列に基づくデータと前記第2信号列に基づくデータとを互いの始点を合わせて加算する前記加算制御を行うことにより、前記検知部を同時に通過する互いに異なる前記所定長さ部分に対応する前記検知信号のうちの一部の前記検知信号だけを重ねて加算することによって、前記ワイヤロープの状態を検知するように構成されている、項目1に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目3)
前記検知部は、前記ワイヤロープが引っかけられるとともに互いに離間する第1滑車と第2滑車との間に設けられており、
前記所定長さ部分は、前記第1滑車および前記第2滑車に前記ワイヤロープが巻き付けられた際の1周分の前記ワイヤロープの長さである前記所定の長さごとの前記ワイヤロープの部分であり、
前記検知部は、前記複数の所定長さ部分のうちの一の前記所定長さ部分が前記検知部を通過している状態で、前記一の所定長さ部分と連続する前記所定長さ部分が前記検知部を通過するように配置されていることにより、連続する前記所定長さ部分の磁界の変化に対応する前記検知信号を一括で検知するように設けられている、項目2に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目4)
前記第1信号列は、生データとしての測定データと、前記測定データよりも前に取得された生データとしての基準データとを含み、
前記第2信号列は、前記測定データのうちの少なくとも先頭の前記所定の長さ分の前記検知信号以外の部分が前記測定データから抽出された測定抽出データと、前記基準データのうちの少なくとも先頭の前記所定の長さ分の前記検知信号以外の部分が前記基準データから抽出された基準抽出データと、を含み、
前記制御部は、前記測定抽出データに基づくデータと、前記基準抽出データに基づくデータとの差分に基づいて、前記ワイヤロープの状態を検知する制御を行うように構成されている、項目1~3のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目5)
前記制御部は、
前記測定データと前記測定抽出データとを加算することにより測定加算データを取得するとともに、前記基準データと前記基準抽出データとを加算することにより基準加算データを取得する前記加算制御と、
前記測定加算データと前記基準加算データとの差分である第1差分データを取得する差分制御と、
前記第1差分データを微分処理することにより第1微分データを取得する微分制御と、
前記第1微分データに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検知する制御と、を行うように構成されている、項目4に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目6)
前記制御部は、
前記測定データと前記基準データとの差分である第2差分データを取得するとともに、前記測定抽出データと前記基準抽出データとの差分である差分抽出データを取得する差分制御と、
前記第2差分データに基づくデータと、前記差分抽出データに基づくデータとを加算する前記加算制御を行うことに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検知する制御と、を行うように構成されている、項目4に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目7)
前記制御部は、
前記第2差分データと前記差分抽出データとを加算することにより第1加算データを取得する前記加算制御と、
前記第1加算データを微分処理することにより第2微分データを取得する微分制御と、
前記第2微分データに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検知する制御と、を行うように構成されている、項目6に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目8)
前記制御部は、
前記第2差分データを微分処理することにより第3微分データを取得するとともに、前記差分抽出データを微分処理することにより微分抽出データを取得する微分制御と、
前記第3微分データと前記微分抽出データとを加算することにより第2加算データを取得する前記加算制御と、
前記第2加算データに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検知する制御と、を行うように構成されている、項目6に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目9)
前記制御部は、前記加算制御および前記微分制御が行われることにより取得されたデータにおいて所定の第1しきい値よりも小さい第1ピーク信号が現れている場合に、前記第1ピーク信号が現れている箇所に対応する前記第2差分データの第2ピーク信号と、前記第1ピーク信号が現れている箇所に対応する前記差分抽出データの第3ピーク信号とのずれ量に基づく値が所定の第2しきい値よりも大きいことに基づいて、前記第1ピーク信号が現れている箇所に前記ワイヤロープの損傷が発生していないことを検知するように構成されている、項目7または8に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目10)
前記検知部は、エレベータに用いられる前記ワイヤロープの磁界の変化に対応する前記検知信号を検知するように構成されている、項目1~9のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
(項目11)
ワイヤロープの磁界の変化に対応する検知信号を検知する検知部を含むワイヤロープ検査装置と、
前記検知部により検知された前記検知信号を取得する制御装置と、を備え、
前記検知部は、前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に、前記ワイヤロープにおける所定の長さごとの部分である複数の所定長さ部分の各々が前記検知部を複数回通過するように設けられており、
前記制御装置は、前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に前記検知部により検知された前記複数の所定長さ部分に基づく前記検知信号としての第1信号列に基づくデータと、前記第1信号列のうちの少なくとも先頭の前記所定の長さ分の前記検知信号以外の部分が前記第1信号列から抽出された第2信号列に基づくデータとを、互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、前記複数の所定長さ部分のうちの一部の前記所定長さ部分に対応する前記検知信号を重ねて加算することによって、前記ワイヤロープの状態を検知するように構成されている、ワイヤロープ検査システム。
(項目12)
ワイヤロープの磁界の変化に対応する検知信号を検知する検知部により、前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に、前記ワイヤロープにおける所定の長さごとの部分である複数の所定長さ部分の各々を前記検知部に複数回通過させるステップと、
前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に前記検知部により検知された前記複数の所定長さ部分に基づく前記検知信号としての第1信号列に基づくデータと、前記第1信号列のうちの少なくとも先頭の前記所定の長さ分の前記検知信号以外の部分が前記第1信号列から抽出された第2信号列に基づくデータとを、互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、前記複数の所定長さ部分のうちの一部の前記所定長さ部分に対応する前記検知信号を重ねて加算することによって、前記ワイヤロープの状態を検知するステップと、を備える、ワイヤロープ検査方法。
10 差動コイル(検知部)
21、321、421 制御部
100、200、300、400 ワイヤロープ検査装置
900a 外部装置(制御装置)
500 ワイヤロープ検査システム
E エレベータ
E3 巻上機シーブ(第1滑車)
E4 そらせ車(第2滑車)
L 長さ(所定の長さ)
W ワイヤロープ
W10 検知部分(所定長さ部分)
α 所定の第1しきい値

Claims (12)

  1. ワイヤロープの磁界の変化に対応する検知信号を検知する検知部と、
    前記検知部により検知された前記検知信号を取得する制御部と、を備え、
    前記検知部は、前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に、前記ワイヤロープにおける所定の長さごとの部分である複数の所定長さ部分の各々が前記検知部を複数回通過するように設けられており、
    前記制御部は、前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に前記検知部により検知された前記複数の所定長さ部分に基づく前記検知信号としての第1信号列に基づくデータと、前記第1信号列のうちの少なくとも先頭の前記所定の長さ分の前記検知信号以外の部分が前記第1信号列から抽出された第2信号列に基づくデータとを、互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、前記複数の所定長さ部分のうちの一部の前記所定長さ部分に対応する前記検知信号を重ねて加算することによって、前記ワイヤロープの状態を検知するように構成されている、ワイヤロープ検査装置。
  2. 前記検知部は、互いに異なる前記所定長さ部分が同時に前記検知部を通過するように配置されていることによって、前記検知部を同時に通過する互いに異なる前記所定長さ部分の磁界の変化に対応する前記検知信号を一括で検知するように設けられており、
    前記制御部は、前記第1信号列に基づくデータと前記第2信号列に基づくデータとを互いの始点を合わせて加算する前記加算制御を行うことにより、前記検知部を同時に通過する互いに異なる前記所定長さ部分に対応する前記検知信号のうちの一部の前記検知信号だけを重ねて加算することによって、前記ワイヤロープの状態を検知するように構成されている、請求項1に記載のワイヤロープ検査装置。
  3. 前記検知部は、前記ワイヤロープが引っかけられるとともに互いに離間する第1滑車と第2滑車との間に設けられており、
    前記所定長さ部分は、前記第1滑車および前記第2滑車に前記ワイヤロープが巻き付けられた際の1周分の前記ワイヤロープの長さである前記所定の長さごとの前記ワイヤロープの部分であり、
    前記検知部は、前記複数の所定長さ部分のうちの一の前記所定長さ部分が前記検知部を通過している状態で、前記一の所定長さ部分と連続する前記所定長さ部分が前記検知部を通過するように配置されていることにより、連続する前記所定長さ部分の磁界の変化に対応する前記検知信号を一括で検知するように設けられている、請求項2に記載のワイヤロープ検査装置。
  4. 前記第1信号列は、生データとしての測定データと、前記測定データよりも前に取得された生データとしての基準データとを含み、
    前記第2信号列は、前記測定データのうちの少なくとも先頭の前記所定の長さ分の前記検知信号以外の部分が前記測定データから抽出された測定抽出データと、前記基準データのうちの少なくとも先頭の前記所定の長さ分の前記検知信号以外の部分が前記基準データから抽出された基準抽出データと、を含み、
    前記制御部は、
    前記測定データと前記測定抽出データとを加算する前記加算制御により取得された前記測定抽出データに基づくデータと、前記基準データと前記基準抽出データとを加算する前記加算制御により取得された前記基準抽出データに基づくデータとの差分に基づいて、前記ワイヤロープの状態を検知する制御を行うように構成されているか、または、
    前記測定データと前記基準データとの差分に基づくデータと、前記測定抽出データと前記基準抽出データとの差分に基づくデータとを加算する前記加算制御を行うことに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検知する制御を行うように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  5. 前記制御部は、
    前記測定データと前記測定抽出データとを加算することにより測定加算データを取得するとともに、前記基準データと前記基準抽出データとを加算することにより基準加算データを取得する前記加算制御と、
    前記測定加算データと前記基準加算データとの差分である第1差分データを取得する差分制御と、
    前記第1差分データを微分処理することにより第1微分データを取得する微分制御と、
    前記第1微分データに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検知する制御と、を行うように構成されている、請求項4に記載のワイヤロープ検査装置。
  6. 前記制御部は、
    前記測定データと前記基準データとの差分である第2差分データを取得するとともに、前記測定抽出データと前記基準抽出データとの差分である差分抽出データを取得する差分制御と、
    前記第2差分データに基づくデータと、前記差分抽出データに基づくデータとを加算する前記加算制御を行うことに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検知する制御と、を行うように構成されている、請求項4に記載のワイヤロープ検査装置。
  7. 前記制御部は、
    前記第2差分データと前記差分抽出データとを加算することにより第1加算データを取得する前記加算制御と、
    前記第1加算データを微分処理することにより第2微分データを取得する微分制御と、
    前記第2微分データに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検知する制御と、を行うように構成されている、請求項6に記載のワイヤロープ検査装置。
  8. 前記制御部は、
    前記第2差分データを微分処理することにより第3微分データを取得するとともに、前記差分抽出データを微分処理することにより微分抽出データを取得する微分制御と、
    前記第3微分データと前記微分抽出データとを加算することにより第2加算データを取得する前記加算制御と、
    前記第2加算データに基づいて、前記ワイヤロープの状態を検知する制御と、を行うように構成されている、請求項6に記載のワイヤロープ検査装置。
  9. 前記制御部は、前記加算制御および前記微分制御が行われることにより取得されたデータにおいて所定の第1しきい値よりも小さい第1ピーク信号が現れている場合に、前記第1ピーク信号が現れている箇所に対応する前記第2差分データの第2ピーク信号と、前記第1ピーク信号が現れている箇所に対応する前記差分抽出データの第3ピーク信号とのずれ量に基づく値が所定の第2しきい値よりも大きいことに基づいて、前記第1ピーク信号が現れている箇所に前記ワイヤロープの損傷が発生していないことを検知するように構成されている、請求項7または8に記載のワイヤロープ検査装置。
  10. 前記検知部は、エレベータに用いられる前記ワイヤロープの磁界の変化に対応する前記検知信号を検知するように構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載のワイヤロープ検査装置。
  11. ワイヤロープの磁界の変化に対応する検知信号を検知する検知部を含むワイヤロープ検査装置と、
    前記検知部により検知された前記検知信号を取得する制御装置と、を備え、
    前記検知部は、前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に、前記ワイヤロープにおける所定の長さごとの部分である複数の所定長さ部分の各々が前記検知部を複数回通過するように設けられており、
    前記制御装置は、前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に前記検知部により検知された前記複数の所定長さ部分に基づく前記検知信号としての第1信号列に基づくデータと、前記第1信号列のうちの少なくとも先頭の前記所定の長さ分の前記検知信号以外の部分が前記第1信号列から抽出された第2信号列に基づくデータとを、互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、前記複数の所定長さ部分のうちの一部の前記所定長さ部分に対応する前記検知信号を重ねて加算することによって、前記ワイヤロープの状態を検知するように構成されている、ワイヤロープ検査システム。
  12. ワイヤロープの磁界の変化に対応する検知信号を検知する検知部により、前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に、前記ワイヤロープにおける所定の長さごとの部分である複数の所定長さ部分の各々を前記検知部に複数回通過させるステップと、
    前記ワイヤロープが前記検知部を通過しながら一方向に移動する間に前記検知部により検知された前記複数の所定長さ部分に基づく前記検知信号としての第1信号列に基づくデータと、前記第1信号列のうちの少なくとも先頭の前記所定の長さ分の前記検知信号以外の部分が前記第1信号列から抽出された第2信号列に基づくデータとを、互いの始点を合わせて加算する加算制御を行うことにより、前記複数の所定長さ部分のうちの一部の前記所定長さ部分に対応する前記検知信号を重ねて加算することによって、前記ワイヤロープの状態を検知するステップと、を備える、ワイヤロープ検査方法。
JP2020115922A 2020-07-03 2020-07-03 ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法 Active JP7443960B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020115922A JP7443960B2 (ja) 2020-07-03 2020-07-03 ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020115922A JP7443960B2 (ja) 2020-07-03 2020-07-03 ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022013394A JP2022013394A (ja) 2022-01-18
JP7443960B2 true JP7443960B2 (ja) 2024-03-06

Family

ID=80169583

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020115922A Active JP7443960B2 (ja) 2020-07-03 2020-07-03 ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7443960B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005351626A (ja) 2004-06-08 2005-12-22 Shikoku Res Inst Inc 非破壊検査方法及びその装置
US20130147471A1 (en) 2011-12-07 2013-06-13 Ndt Technologies, Inc. Magnetic inspection device and method
WO2015166533A1 (ja) 2014-04-28 2015-11-05 東京製綱株式会社 ワイヤロープの検査装置
WO2017077570A1 (ja) 2015-11-02 2017-05-11 三菱電機株式会社 ワイヤロープ探傷装置
JP2017088411A (ja) 2016-12-05 2017-05-25 株式会社日立ビルシステム ハンドレール検査装置、および、ハンドレール検査システム
WO2019150539A1 (ja) 2018-02-01 2019-08-08 株式会社島津製作所 ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査方法
JP2019194552A (ja) 2018-05-02 2019-11-07 三菱電機株式会社 ワイヤロープ検査装置、及び方法
WO2020079747A1 (ja) 2018-10-16 2020-04-23 株式会社島津製作所 磁性体管理システムおよび磁性体管理方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5548649A (en) * 1978-10-04 1980-04-07 Toshiba Corp Defect detecting device
JPS6285856A (ja) * 1985-10-11 1987-04-20 Sanyo Tokushu Seiko Kk 貫通型探傷装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005351626A (ja) 2004-06-08 2005-12-22 Shikoku Res Inst Inc 非破壊検査方法及びその装置
US20130147471A1 (en) 2011-12-07 2013-06-13 Ndt Technologies, Inc. Magnetic inspection device and method
WO2015166533A1 (ja) 2014-04-28 2015-11-05 東京製綱株式会社 ワイヤロープの検査装置
WO2017077570A1 (ja) 2015-11-02 2017-05-11 三菱電機株式会社 ワイヤロープ探傷装置
JP2017088411A (ja) 2016-12-05 2017-05-25 株式会社日立ビルシステム ハンドレール検査装置、および、ハンドレール検査システム
WO2019150539A1 (ja) 2018-02-01 2019-08-08 株式会社島津製作所 ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査方法
JP2019194552A (ja) 2018-05-02 2019-11-07 三菱電機株式会社 ワイヤロープ検査装置、及び方法
WO2020079747A1 (ja) 2018-10-16 2020-04-23 株式会社島津製作所 磁性体管理システムおよび磁性体管理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022013394A (ja) 2022-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102361456B1 (ko) 와이어 로프 검사 장치, 와이어 로프 검사 시스템 및 와이어 로프 검사 방법
US9103798B2 (en) Magnetic inspection device and method
JP7119788B2 (ja) 磁性体の検査装置
JP7172135B2 (ja) 磁性体検査装置
JP7187855B2 (ja) 磁性体検査システム、磁性体検査装置および磁性体検査方法
JP7107438B2 (ja) ワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査方法
JP7443960B2 (ja) ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法
JP7027927B2 (ja) 磁性体検査装置
US20220050152A1 (en) Magnetic Material Inspection Device
JP7200697B2 (ja) ワイヤロープ検査装置およびワイヤロープ検査方法
WO2022054315A1 (ja) ワイヤロープ検査装置およびワイヤロープ検査システム
JP7081446B2 (ja) 磁性体検査装置および磁性体検査システム
JPH06286957A (ja) エレベーター用ロープの劣化検出方法
JP7095808B2 (ja) ワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査方法
JP7318749B2 (ja) ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システム、およびワイヤロープ検査方法
JP7276233B2 (ja) エレベータ用ワイヤロープ検査装置、エレベータ用ワイヤロープ検査システム、およびエレベータ用ワイヤロープ検査方法
JP7276238B2 (ja) ワイヤロープ検査装置およびワイヤロープ検査システム
JP7452316B2 (ja) ワイヤロープ検査装置、ワイヤロープ検査システムおよびワイヤロープ検査方法
US20220196599A1 (en) Magnetic material inspection system, magnetic material inspection device, and magnetic material inspection method
JP7143690B2 (ja) 磁性体検査システム、磁性体検査装置および磁性体検査方法
US20230072626A1 (en) Wire rope inspection method, wire rope inspection system, and wire rope inspection device
JP2023137140A (ja) ワイヤロープ検査装置およびワイヤロープ検査方法
JP2023137124A (ja) ワイヤロープ検査システム
JP2023027643A (ja) ワイヤロープ検査方法、ワイヤロープ検査装置およびワイヤロープ検査システム
JP2016088697A (ja) 移動手摺り劣化診断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231114

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240205

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7443960

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151