JP7442704B1 - 工作機械、情報処理装置および制御プログラム - Google Patents

工作機械、情報処理装置および制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】自動ドアの開閉動作(移動)の異常を正確に検知することが可能な工作機械、情報処理装置および制御プログラム、を提供する。【解決手段】工作機械は、ドアと、ドアを開閉動作させるモータと、ドアの開閉動作時におけるモータのトルク波形が入力され、入力されたモータのトルク波形と、ドアの正常な開閉動作時のモータのトルク波形を学習データとして生成された学習済みモデル70(適応AIフィルタF)とに基づいて、モータを停止させるモータ制御部とを備える。【選択図】図4

Description

この発明は、工作機械、情報処理装置および制御プログラムに関する。
たとえば、特開2020-44601号公報(特許文献1)には、開口部が設けられるカバー体と、開口部に配置され、水平方向にスライド可能に支持される扉部と、扉部を開閉動作させるアクチュエータとを備える工作機械が開示されている。アクチュエータは、サーボモータからなり、扉部を任意の位置で停止させることが可能である。
特開2020-44601号公報
上述の特許文献1に開示されるように、モータにより開閉動作されるドアを備えた工作機械が知られている。このような工作機械において、ドアの衝突または異物の巻き込み等が発生した場合に、モータを停止させたり、停止からさらに反転させたりする制御を行なうために、モータのトルク波形(ドアの駆動に必要なモータ電流値の変動)に基づいて、ドアの開閉動作の異常を検知することが試みられている。
しかしながら、モータのトルク波形は、ドアの開閉動作時に生じる振動成分を含んでおり、モータのトルク波形に占める振動成分が大きいと、ドアの開閉動作の異常を正確に検知することが難しくなる。また、振動の主要因であるドアの固有振動数(共振周波数)の値を予め特定しておき、その値に基づいて、振動成分を除去するという方法も考えられる。しかしながら、ドアの開閉動作時の抵抗の増減、モータおよびドア間に懸架されるベルトの張力の変化、または、ドアに後付けされる資材(たとえば、ホワイトボード)による重量の変化などに起因して、共振現象における周波数および振幅は、経時的に変化する。このため、振動成分に対して固定的に対処するだけでは、共振現象の経時的な変化に対応することができない。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、自動ドアの開閉動作(移動)の異常を正確に検知することが可能な工作機械、情報処理装置および制御プログラムを提供することである。
[1]ドアと、上記ドアを開閉動作させるモータと、上記ドアの開閉動作時における上記モータのトルク波形が入力され、入力された上記モータのトルク波形と、上記ドアの正常な開閉動作時の上記モータのトルク波形を学習データとして生成された学習済みモデルとに基づいて、上記モータを停止させるモータ制御部とを備える、工作機械。
このように構成された工作機械によれば、ドアの正常な開閉動作時のモータのトルク波形を学習データとして生成された学習済みモデルを用いることによって、入力されたモータのトルク波形からドアの開閉動作の異常を正確に検知し、モータを停止させることができる。
[2]上記学習済みモデルでは、上記モータのトルク波形が、上記モータの回転速度、上記モータの回転加速度、上記モータの回転角度、周辺温度、時間情報、および、ドアの位置情報のうちの少なくとも1つのパラメータと関連付けられており、上記モータ制御部には、上記パラメータがさらに入力される、[1]に記載の工作機械。
このように構成された工作機械によれば、ドアの開閉動作の異常をさらに正確に検知することができる。
[3]上記モータ制御部は、上記ドアの正常な開閉動作時の上記モータのトルク波形を学習データとして取得し、上記学習データに基づいて、上記学習済みモデルを更新する、[1]または[2]に記載の工作機械。
このように構成された工作機械によれば、ドアの開閉動作の異常をさらに正確に検知することができる。
[4]上記ドアの開閉動作の完了を検出するためのセンサをさらに備え、上記モータ制御部は、上記センサにより上記ドアの開閉動作の完了が検出された場合に、上記学習済みモデルを更新する、[3]に記載の工作機械。
[5]上記モータ制御部は、上記ドアの開閉動作時に、上記モータのトルク波形を随時取得することにより、上記学習済みモデルの更新を進行し、上記ドアの異常な開閉動作時の上記モータのトルク波形を取得した時点で、上記学習済みモデルの更新を停止する、[3]に記載の工作機械。
このように構成された工作機械によれば、学習済みモデルの更新に、ドアの異常な開閉動作時のモータのトルク波形が学習データとして用いられることを防止できる。
[6]ドアと、上記ドアを移動させるモータと、上記ドアの移動における上記モータのトルク波形が入力されることで、予め上記ドアの移動と、上記モータのトルク波形との関係を学習した学習済みモデルに基づいて、上記モータを停止させるモータ制御部とを備える、工作機械。
このように構成された工作機械によれば、ドアの移動と、モータのトルク波形との関係を学習した学習済みモデルを用いることによって、入力されたモータのトルク波形からドアの移動の異常を正確に検知し、モータを停止させることができる。
[7]ドアを開閉動作させるモータを備える工作機械を制御するための情報処理装置であって、上記モータを制御するモータ制御部を備え、上記モータ制御部は、上記工作機械から上記ドアの開閉動作時における上記モータのトルク波形を取得するトルク波形取得部と、上記トルク波形取得部から上記モータのトルク波形が入力され、入力された上記モータのトルク波形と、上記ドアの正常な開閉動作時の上記モータのトルク波形を学習データとして生成された学習済みモデルとに基づいて、上記モータを停止させる異常検知部とを含む、情報処理装置。
このように構成された情報処理装置によれば、ドアの正常な開閉動作時のモータのトルク波形を学習データとして生成された学習済みモデルを用いることによって、入力されたモータのトルク波形からドアの開閉動作の異常を正確に検知し、モータを停止させることができる。
[8]ドアを開閉動作させるモータを備える工作機械の制御プログラムであって、上記制御プログラムは、上記工作機械に、上記ドアの開閉動作時における上記モータのトルク波形の入力を受け付けるステップと、受け付けた上記モータのトルク波形と、上記ドアの正常な開閉動作時の上記モータのトルク波形を学習データとして生成された学習済みモデルとに基づいて、上記モータを停止させるステップとを実行させる、制御プログラム。
このように構成された制御プログラムによれば、ドアの正常な開閉動作時のモータのトルク波形を学習データとして生成された学習済みモデルを用いることによって、入力されたモータのトルク波形からドアの開閉動作の異常を正確に検知し、モータを停止させることができる。
以上に説明したように、この発明に従えば、自動ドアの開閉動作(移動)の異常を正確に検出することが可能な工作機械、情報処理装置および制御プログラムを提供することができる。
この発明の実施の形態1における工作機械を示す斜視図である。 図1中の工作機械において、ドアが閉動作する状態を模式的に示す前面図である。 図1中の工作機械において、ドアが開動作する状態を模式的に示す前面図である。 ドアの開閉動作の異常検知のための処理を模式的に示す図である。 ドアの開閉動作の異常検知のための処理を模式的に示す別の図である。 ドアの開閉動作の異常検知の処理の流れを示すフローチャートである。 ドアの閉動作時のモータのトルク変動および速度の一例を示す図である。 図6中のドアの開閉動作の異常検知の処理の流れの変形例を示すフローチャートである。 図1中の工作機械において、ドアの開閉動作に関連する構成を示すブロック図である。 ドアの開閉動作の異常検知を実現するための機能構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2における情報処理装置と、情報処理装置により制御される工作機械とにおいて、ドアの開閉動作に関連する構成を示すブロック図である。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における工作機械を示す斜視図である。図1を参照して、本実施の形態における工作機械10は、コンピュータによる数値制御によって、ワーク加工のための各種動作が自動化されたNC(Numerically Control)工作機械である。
工作機械10は、加工エリア18においてワークを加工する。工作機械10は、旋盤である。本発明における工作機械は、マシニングセンタであってもよいし、旋削機能と、ミーリング機能とを有する複合加工機であってもよいし、ワークの除去加工(SM(Subtractive Manufacturing))と、ワークの付加加工(AM(Additive Manufacturing))とが可能なAM/SMハイブリッド加工機であってもよい。
工作機械10は、カバー体12と、ドア21と、駆動側プーリ31および従動側プーリ32と、ベルト36と、モータ41とを有する。
カバー体12は、スプラッシュガードとも呼ばれ、工作機械10の外観をなすとともに、加工エリア18を区画形成している。カバー体12は、全体として、直方体形状をなしており、前部27と、天井部28とを有する。カバー体12には、開口部16が設けられている。開口部16は、加工エリア18を外部空間に開放している。
ドア21は、開口部16に設けられている。ドア21は、カバー体12に対して、水平方向にスライド可能なように取り付けられている。ドア21がスライド動作することによって、開口部16が開状態とされたり、閉状態とされたりする。開口部16が閉状態とされた時に、ドア21は、カバー体12とともに加工エリア18を区画形成する。
本実施の形態では、開口部16が、上方開口部13と、前方開口部14とを有する。上方開口部13は、カバー体12の天井部28に設けられている。前方開口部14は、カバー体12の前部27に設けられている。上方開口部13は、加工エリア18の上方の位置で開口している。前方開口部14は、水平方向において加工エリア18と対向する位置で開口している。前方開口部14の上端部は、上方開口部13の前端部に連なっている。
ドア21は、前方ドア部22と、上方ドア部23とを有する。ドア21が閉状態とされた場合に、前方ドア部22は、前方開口部14を閉塞し、上方ドア部23は、上方開口部13を閉塞している。前方ドア部22の上端部と、上方ドア部23の前端部とが繋がって、角部をなしている。前方ドア部22および上方ドア部23は、ドア21のスライド方向に見た場合に、L字形状をなしている。前方ドア部22には、透明窓24が設けられている。作業者は、透明窓24を通して、加工エリア18内のワーク加工の状況を確認することができる。
図2は、図1中の工作機械において、ドアが閉動作する状態を模式的に示す前面図である。図3は、図1中の工作機械において、ドアが開動作する状態を模式的に示す前面図である。
図1から図3を参照して、駆動側プーリ31および従動側プーリ32は、カバー体12によって支持されている。駆動側プーリ31および従動側プーリ32は、ドア21のスライド方向に互いに離れて設けられている。駆動側プーリ31は、中心軸101を中心に回転可能に設けられている。従動側プーリ32は、中心軸106を中心に回転可能に設けられている。中心軸101および中心軸106は、水平方向であって、ドア21のスライド方向に直交する方向に延びている。
ベルト36は、駆動側プーリ31および従動側プーリ32と係合している。ベルト36は、駆動側プーリ31および従動側プーリ32の間に掛け渡されている。ベルト36は、駆動側プーリ31および従動側プーリ32の間で周回する環状の無端ベルトである。
ドア21は、ベルト36と連結されている。ドア21は、連結部材26を介して、ベルト36と連結されている。連結部材26は、ドア21の上方ドア部23に取り付けられている。連結部材26は、ドア21のスライド方向における上方ドア部23の中央部に配置されている。
モータ41は、カバー体12に取り付けられている。モータ41は、カバー体12の天井部28に取り付けられている。モータ41は、ドア21のスライド方向における上方開口部13の開口端部と、ドア21のスライド方向に直交する水平方向(工作機械10の前後方向)に隣り合って配置されている。
モータ41は、回転シャフト42を有する。回転シャフト42は、モータ41からの回転運動を出力する軸部材である。モータ41は、回転シャフト42の回転方向、回転速度(加速度)および回転角を任意に制御することが可能なサーボモータである。回転シャフト42は、中心軸101の軸上で延びている。回転シャフト42には、駆動側プーリ31が接続されている。駆動側プーリ31は、回転シャフト42とともに、中心軸101を中心に回転する。
図2に示されるように、ドア21を閉動作させる場合、モータ41の回転シャフト42を、矢印110Aに示す方向に回転させる。駆動側プーリ31が、回転シャフト42とともに矢印110Aに示す方向に回転すると、ベルト36は、駆動側プーリ31からの回転を受けることによって、駆動側プーリ31および従動側プーリ32の間で反時計回り方向に周回する。これにより、ドア21が矢印112Aに示す方向にスライド移動する。
図3に示されるように、ドア21の開動作させる場合、モータ41の回転シャフト42を矢印110Bに示す方向に回転させる。駆動側プーリ31が、回転シャフト42とともに矢印110Bに示す方向に回転すると、ベルト36は、駆動側プーリ31からの回転を受けることによって、駆動側プーリ31および従動側プーリ32の間で時計回り方向に周回する。これにより、ドア21が、矢印112Bに示す方向にスライド移動する。
本実施の形態では、開口部16の開口面積を減少させるドア21の動作が、「閉動作」に対応し、開口部16の開口面積を増大させるドア21の動作が、「開動作」に対応している。本発明は、このようなドアの開閉動作に限られず、たとえば、ドアが開口部の第1領域および第2領域の間で移動し、開口部の開口面積が不変であるような場合にも適用され得る。
ドア21が、上記開閉動作(移動)に伴って、ワーク、または、ワークを搬送するロボットアーム等と衝突したり、ドア21を支持するレールに切屑等の異物が巻き込まれたりする場合がある。このような場合に、ドア21の開閉動作(移動)の異常を検知して、モータ41を停止させる制御が行なわれる。以下においては、ドア21の開閉動作(移動)の異常検知について説明する。
図4および図5は、ドアの開閉動作の異常検知のための処理を模式的に示す図である。図6は、ドアの開閉動作の異常検知の処理の流れを示すフローチャートである。
図7は、ドアの閉動作時のモータのトルク変動および速度の一例を示す図である。図7中では、モータ41のトルク変動が、ライン210により示され、モータ41の速度が、ライン220により示されている。図7中の縦軸は、モータ41のトルク変動および速度を表わし、図7中の横軸は、時間を表わしている。図7中のライン210に示されるモータ41のトルク波形は、ドア21を全開位置から全閉位置まで閉動作させる場合に、ドア21の駆動に必要なモータ41の電流値の変動に対応している。図7中のライン210に示されるモータ41のトルク波形は、ドア21の閉動作に伴って生じる振動成分を含んでいる。
なお、図7中では、ドア21を開動作させるときのモータ41の回転方向を正転方向と想定し、ドア21を閉動作させるときのモータ41の回転方向を逆転方向と想定しているため、ドア21の閉動作時のモータ41のトルク変動および速度は、負数のグラフで表わされている。図示を省略しているが、ドア21の開動作時のモータ41のトルク変動および速度は、正数のグラフで表わされる。
図4から図7を参照して、工作機械10は、モータ制御部61(後出の図9および図10を参照)を有する。モータ制御部61には、ドア21の開閉動作時におけるモータ41のトルク波形が入力される。モータ制御部61は、入力されたモータ41のトルク波形と、学習済みモデル70とに基づいて、モータ41を停止させる。より特定的には、モータ制御部61は、入力されたモータ41のトルク波形と、学習済みモデル70とに基づいて、ドア21の開閉動作が正常であるか否かを判定し、ドア21の開閉動作が異常であると判定した場合に、モータ41を停止させる。
学習済みモデル70は、ドア21の正常な開閉動作時のモータ41のトルク波形を学習データとして生成される人工知能モデルである。学習済みモデル70は、ドア21の正常な開閉動作時のモータ41のトルク波形の正常モデルである。本実施の形態では、図4および図5に示される適応AIフィルタFが、学習済みモデル70に対応している。
モータ制御部61は、ドア21の移動におけるモータ41のトルク波形が入力されることによって、学習済みモデル70に基づいてモータ41を停止させる。学習済みモデル70は、予めドア21の移動と、モータ41のトルク波形との関係を学習したものである。
適応AIフィルタFでは、モータ41のトルク波形が、モータ41の回転速度、モータ41の回転加速度、モータ41の回転角度、周辺温度、時間情報、および、ドア21の位置情報のうちの少なくとも1つのパラメータNと関連付けられている。これらパラメータNは、モータ41のトルク波形に含まれる振動成分に影響を与え得る因子である。
モータ41の速度、加速度および回転角度は、開閉動作時におけるドア21の挙動(ドア21の開閉動作の途中停止および再開、または、ドア21の開閉動作の開始位置および完了位置など)と相関するため、モータ41のトルク波形に含まれる振動成分に影響を与え得る。
周辺温度は、工作機械10(ドア21)の周辺の空間の温度である。周辺温度は、たとえば、ドア21およびカバー体12の間に配置されるグリス等の潤滑剤の粘度と相関するため、モータ41のトルク波形に含まれる振動成分に影響を与え得る。時間情報は、たとえば、日付け、工作機械10の累積使用時間、または、ドア21の累積開閉時間などである。時間情報は、たとえば、グリス等の潤滑剤の粘度の経時的な変化、または、ベルト36の伸びもしくは張力の経時的な変化と相関するため、モータ41のトルク波形に含まれる振動成分に影響を与え得る。
ドア21の位置情報は、ドア21の現位置に関する情報であり、本実施の形態では、ドア21のスライド方向における座標によって表わされる。たとえば、ドア21の現位置によってベルト36の張力が変化するため、ドア21の位置情報は、モータ41のトルク波形に含まれる振動成分に影響を与え得る。
適応AIフィルタFの学習処理について説明する。まず、工作機械10のメーカーの作業者が、ドア21を開閉動作させるためのランニングプログラムを作成する。作業者は、かかるランニングプログラムを用いてモータ41を駆動させることにより、ドア21を正常に開閉動作させるステップを繰り返す。本ステップにおいては、ドア21を、全開位置および全閉位置の間で開閉動作させたり、全開位置または全閉位置と、ドア21が途中停止する全開位置および全閉位置の間の中間位置との間で開閉動作させたりする。
なお、ドア21の正常な開閉動作とは、ドア21が衝突を起こしたり、ドア21に異物が巻き込まれたりすることがない開閉動作である。
ドア21を正常に開閉動作させるステップに伴って、モータ41のトルク波形と、モータ41の回転速度、モータ41の回転加速度、モータ41の回転角度、周辺温度、時間情報、および、ドア21の位置情報のうちの少なくとも1つのパラメータNとを検出する。検出したモータ41のトルク波形と、そのモータ41のトルク波形に対応するパラメータNとを含む学習データを収集し、これらを用いて適応AIフィルタFを機械学習させる。
適応AIフィルタFは、各種のパラメータNに対応するモータ41のトルク波形の正常モデルx’(n)である。正常モデルx’(n)は、パラメータNの条件下で発生する振動の成分を含んでいる。
次に、作成した適応AIフィルタFを、販売される前の工作機械10の記憶部66(後出の図10を参照)内に初期データとして格納する。初期データとして記憶部66に格納される適応AIフィルタFは、個別の工作機械10に対応して作成されてもよいし、同種の工作機械10に対応して(工作機械10の機種毎に)作成されてもよい。
適応AIフィルタFを用いたドア21の開閉動作の異常検知のための処理について説明する。適応AIフィルタFを用いたドア21の開閉動作の異常検知は、工作機械10がユーザに販売された後、工作機械10が実際にユーザにより使用される場面において実行される。
図4から図6に示されるように、まず、ドア21の開閉動作を開始する(S101)。本ステップにおいては、ユーザが作成した制御プログラムに従って、ドア21を自動的に開閉動作させる。
次に、図4および図6に示されるように、ドア21の開閉動作に伴って、モータ41のトルク波形と、モータ41の回転速度、モータ41の回転加速度、モータ41の回転角度、周辺温度、時間情報、および、ドア21の位置情報のうちの少なくとも1つのパラメータNとを検出する(S102)。検出したモータ41のトルク波形x(n)と、パラメータNとは、モータ制御部61に入力される。
図5に示されるように、モータ制御部61に入力されるモータ41のトルク波形x(n)は、ドア21の正常な開閉動作時のモータ41のトルク波形に含まれる振動の周期的成分と、周期的成分以外の非周期的成分(たとえば、ドア21の衝突または異物の巻き込みに起因する異常振動の成分)とを含んでいる。
次に、図4から図6に示されるように、モータ制御部61は、入力されたモータ41のトルク波形x(n)と、適応AIフィルタFとに基づいて、ドア21の開閉動作が正常であるか否かを判定する(S103)。
より具体的には、図5に示されるように、モータ制御部61は、入力されたモータ41のトルク波形x(n)と、適応AIフィルタFにおけるモータ41のトルク波形の正常モデルx’(n)との差分を算出し、算出した差分y(n)を出力する。
差分y(n)は、振動の周期的成分および非周期的成分のうちの非周期的成分のみを含んでいる。また、本実施の形態では、モータ41のトルク波形が、モータ41の回転速度、モータ41の回転加速度、モータ41の回転角度、周辺温度、時間情報、および、ドア21の位置情報のうちの少なくとも1つのパラメータNと関連付けられているため、これらパラメータNに対応した振動成分の周期性成分を除去することができる。
モータ制御部61は、差分y(n)が予め定められた閾値以下である場合に、ドア21の開閉動作が正常であると判定し、差分y(n)が予め定められた閾値を超える場合に、ドア21の開閉動作が異常であると判定する。閾値は、たとえば、モータ制御部61に入力されるモータ41のトルク波形x(n)の最大の振幅に対して、20%であってもよいし、10%であってもよい。
次に、モータ制御部61は、S103のステップでドア21の開閉動作が異常であると判定した場合に、モータ41を停止させる(S104)。モータ41を停止させることによって、ドア21の開閉動作が停止する。本ステップにおいて、モータ制御部61は、モータ41を停止からさらに反転させてもよい。この場合、モータ41を反転させることによって、ドア21が開動作および閉動作のいずれか一方の動作から、開動作および閉動作のいずれか他方の動作に転じる。
モータ制御部61は、S103のステップでドア21の開閉動作が正常であると判定した場合に、モータ41の運転を継続する。モータ制御部61は、ドア21の開閉動作の完了を確認する(S105)。
本ステップにおいて、ドア21の開閉動作の完了は、ドア21および/またはカバー体12に設けられる各種のセンサ81(後出の図10を参照)により検出される。センサ81は、リミットスイッチおよびマイクロスイッチ等の接触式センサであってもよいし、近接センサ等の非接触式センサであってもよい。
モータ制御部61は、S105のステップでドア21の開閉動作の完了を確認した場合に、適応AIフィルタFを更新する(S106)。
本ステップにおいては、モータ制御部61に入力されたモータ41のトルク波形x(n)を用いて適応AIフィルタFを更新する。より具体的には、S103のステップで算出されたモータ41のトルク波形x(n)と、モータ41のトルク波形の正常モデルx’(n)との差分がゼロになるように、適応AIフィルタFにおけるモータ41のトルク波形の正常モデルx’(n)を再学習させる。
正常であるか異常であるかが予め判明している教師データを用いた機械学習とは異なり、本実施の形態における機械学習では、ドア21の開閉動作時に、衝突または巻き込み等の不測の事態がいつ発生するかが不明である。これに対して、ドア21の開閉動作の完了を確認した後に、適応AIフィルタFの更新を実行することによって、ドア21の開閉動作の途中で正常から異常に切り替わるような学習データを用いた機械学習を防ぐことができる。これにより、モータ41の正常モデルx’(n)の適切な再学習が可能となる。
図8は、図6中のドアの開閉動作の異常検知の処理の流れの変形例を示すフローチャートである。図8を参照して、本変形例では、モータ制御部61が、ドア21の開閉動作時に、モータ41のトルク波形を随時取得することにより、適応AIフィルタFの更新を進行し、ドア21の異常な開閉動作時のモータ41のトルク波形を取得した時点で、適応AIフィルタFの更新を停止する。
より具体的には、S102のステップで検出されたトルク波形x(n)と、パラメータNとは、モータ制御部61に随時入力される。モータ制御部61は、入力されるモータ41のトルク波形x(n)と、適応AIフィルタFとに基づいて、ドア21の開閉動作が正常であるか否かを判定する(S103)。
モータ制御部61は、S103のステップでドア21の開閉動作が正常であると判定した場合に、モータ41の運転を継続するとともに、モータ制御部61に入力されるモータ41のトルク波形x(n)を用いて適応AIフィルタFを更新する(S111)。一方、モータ制御部61は、S103のステップでドア21の開閉動作が異常であると判定した場合に、モータ41を停止させるとともに、適応AIフィルタFの更新を停止する(S112)。
本変形例においても、モータ41の正常モデルx’(n)の適切な再学習を実現することができる。
なお、ドア21の開動作時の速度と閉動作時の速度とが同じである場合であっても、適応AIフィルタFの機械学習において、ドア21の開閉動作(移動)を停止させる基準値としてのトルク波形の閾値を、ドア21の開動作時と閉動作時との間で異なる設定としてもよい。
また、ドア21の閉動作の間に、ドア21の速度を多段階に変化させてもよい。この場合に、ドア21の閉動作の開始時には、停止しているドア21を動かすため、他の速度より速い第1速度が設定され、それ以降、段階的に第2速度および第3速度と速度を落とし、最終的にドア21の閉動作を完了する速度設定としてもよい。
また、工作機械10が、ドア21の閉動作時に、工作機械10の周りの防護柵の閉状態を検出する信号、工作機械10の周りに物体が存在しないことを伝える信号、自動加工運転を行なう指令に関する信号などの入力の有無を確認し、これら信号の入力を確認した場合に、ドア21の閉動作の全体時間を短くする設定が可能であってもよい。たとえば、工作機械10が信号の入力を確認した場合には、相対的に速いドア21の速度を設定し、工作機械10が信号の入力を確認できなかった場合には、相対的に遅いドア21の速度を設定してもよい。
また、本実施の形態では、モータ41のトルク波形の正常モデルx’(n)の再学習について説明したが、適応AIフィルタFの更新は必ずしも実行されなくてもよい。また、ドア21の衝突時または異物の巻き込み時のモータ41のトルク波形をさらに収集することによって、モータ41のトルク波形の正常モデルおよび異常モデルの両方を用いて、適応AIフィルタFを機械学習させてもよい。この場合に、まず、上記のS103のステップに従って、モータ41のトルク波形の正常モデルx’(n)を用いて、ドア21の開閉動作が正常であるか否かを判定し、さらに、ドア21の開閉動作が異常であると判定した場合に、モータ41のトルク波形の異常モデルを用いて、本当に異常であるか否かを分類してもよい。
本発明における学習済みモデルは、少なくともドアの正常な開閉動作時のモータのトルク波形を学習データとして生成されるものであれば、特に限定されない。本発明における学習済みモデルの作成には、たとえば、リザーバコンピューティング手法が利用されてもよい。
続いて、ドア21の開閉動作に関連する工作機械10の構成と、ドア21の開閉動作の異常検知を実現するための機能構成とについて説明する。
図9は、図1中の工作機械において、ドアの開閉動作に関連する構成を示すブロック図である。図9を参照して、工作機械10は、操作盤51と、PLC(Programmable Logic Controller)52と、自動ドアコントローラ53と、サーボドライバ54とをさらに有する。
操作盤51は、ワーク加工に関する各種情報を表示したり、工作機械10に対する各種操作を受け付けたりする。PLC52は、予め準備されている制御プログラムの指令を読み取って、自動ドアコントローラ53に出力する。制御プログラムは、たとえば、ラダープログラムで記述されている。
自動ドアコントローラ53は、PLC52からの制御プログラムに従って、サーボドライバ54に制御信号を出力する。サーボドライバ54は、自動ドアコントローラ53からの制御信号を受けて、ドア21を開閉動作させるためのモータ41を制御する。
図10は、ドアの開閉動作の異常検知を実現するための機能構成を示すブロック図である。図9および図10を参照して、本実施の形態では、モータ制御部61が、自動ドアコントローラ53に含まれている。
モータ制御部61の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コンピュータプロセッサなどの演算器、メモリおよびストレージなどの記憶装置、ならびに、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアとによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、または、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。
モータ制御部61は、信号出力部62と、異常検知部63と、トルク波形取得部64と、パラメータ取得部65と、記憶部66と、機械学習部67とを有する。
信号出力部62は、PLC52からの制御プログラムに従ったモータ41の制御信号をサーボドライバ54に出力する。さらに、信号出力部62は、異常検知部63でドア21の開閉動作の異常が検知された場合に、モータ41を停止させるための制御信号をサーボドライバ54に出力する。信号出力部62は、モータ41を停止からさらに反転させるための制御信号をサーボドライバ54に出力してもよい。
サーボドライバ54は、モータ41のトルク波形を検出する。サーボドライバ54は、検出したモータ41のトルク波形をモータ制御部61に出力する。トルク波形取得部64は、サーボドライバ54からのモータ41のトルク波形を取得する。
トルク波形取得部64は、サーボドライバ54から取得したモータ41のトルク波形を異常検知部63および機械学習部67に出力する。
サーボドライバ54は、モータ41の回転速度、回転加速度および回転角度をさらに検出する。モータ41には、モータ41の回転角を検出するためのエンコーダが内蔵されている。サーボドライバ54は、そのエンコーダからの検出信号を受けて、モータ41の回転速度、回転加速度および回転角度を算出する。
特に本実施の形態では、モータ41に内蔵されるエンコーダが、多回転角度を検出することが可能な絶対値エンコーダである。サーボドライバ54は、エンコーダからの検出信号を受けて、リファレンス位置からのモータ41の多回転角度を算出することで、ドア21の現位置を特定する。なお、ドア21の位置情報は、ドア21および/またはカバー体12に設置され、ドア21の位置を検出するための位置センサからの検出信号に基づいて算出されてもよい。
サーボドライバ54は、検出したモータ41の回転速度、回転加速度、回転角度、および、ドア21の位置情報をモータ制御部61に出力する。パラメータ取得部65は、サーボドライバ54からのモータ41の回転速度、回転加速度、回転角度、および、ドア21の位置情報を取得する。
温度センサ68は、工作機械10の周辺温度を検出する。温度センサ68は、検出した周辺温度をモータ制御部61に出力する。パラメータ取得部65は、温度センサ68からの周辺温度を取得する。
操作盤51は、時間情報を検出する。操作盤51は、検出した時間情報をモータ制御部61に出力する。パラメータ取得部65は、操作盤51からの時間情報を取得する。
パラメータ取得部65は、サーボドライバ54から取得したモータ41の回転速度、回転加速度、回転角度、および、ドア21の位置情報と、温度センサ68から取得した周辺温度と、操作盤51から取得した時間情報とからなる各種パラメータNを、異常検知部63および機械学習部67に出力する。
記憶部66は、学習済みモデル70に対応する適応AIフィルタFを記憶している。記憶部66は、工作機械10において、ドア21の開閉動作の異常検知を実行するための制御プログラムをさらに記憶している。
異常検知部63は、記憶部66から適応AIフィルタFを読み取る。異常検知部63は、パラメータNと関連付けられたモータ41のトルク波形と、適応AIフィルタFとに基づいて、ドア21の開閉動作が正常であるか否かを判定することによって、ドア21の開閉動作の異常を検知する。異常検知部63は、ドア21の開閉動作の異常を検知した場合に、モータ41の停止信号をサーボドライバ54に出力するように信号出力部62に指令する。
センサ81は、ドア21の開閉動作の完了を検出する。センサ81は、ドア21の開閉動作の完了を検出した場合に、その検出信号を機械学習部67に出力する。
機械学習部67は、記憶部66から適応AIフィルタFを読み取る。機械学習部67は、センサ81からドア21の開閉動作の完了の検出信号が入力された場合に、トルク波形取得部64からのモータ41のトルク波形と、パラメータ取得部65からのモータ41の回転速度、モータ41の回転加速度、モータ41の回転角度、周辺温度、時間情報、および、ドア21の位置情報からなる各種パラメータNとの組み合わせを学習データとして、適応AIフィルタFを再学習させる。機械学習部67は、再学習させた適応AIフィルタFを記憶部66に格納する。
以上に説明した、この発明の実施の形態1における工作機械10の構成をまとめると、本実施の形態における工作機械10は、ドア21と、ドア21を開閉動作させるモータ41と、ドア21の開閉動作時におけるモータ41のトルク波形が入力され、入力されたモータ41のトルク波形と、ドア21の正常な開閉動作時のモータ41のトルク波形を学習データとして生成された学習済みモデル70(適応AIフィルタF)とに基づいて、モータ41を停止させるモータ制御部61とを備える。
また、本実施の形態における工作機械10は、ドア21と、ドア21を移動させるモータ41と、ドア21の移動におけるモータ41のトルク波形が入力されることで、予めドア21の移動と、モータ41のトルク波形との関係を学習した学習済みモデルに基づいて、モータ41を停止させるモータ制御部61とを備える。
また、本実施の形態における工作機械10の制御プログラムは、工作機械10に、ドア21の開閉動作時におけるモータ41のトルク波形の入力を受け付けるステップと、受け付けたモータ41のトルク波形と、ドア21の正常な開閉動作時のモータ41のトルク波形を学習データとして生成された学習済みモデル70(適応AIフィルタF)とに基づいて、モータ41を停止させるステップとを実行させる。
このように構成された、この発明の実施の形態1における工作機械10およびその制御プログラムによれば、ドア21の正常な開閉動作時のモータ41のトルク波形を学習データとして生成された学習済みモデル70(適応AIフィルタF)を用いることによって、入力されたモータ41のトルク波形に含まれる異常振動の成分を容易に抽出することができる。これにより、ドア21の開閉動作の異常を正確に検出することができる。
(実施の形態2)
図11は、この発明の実施の形態2における情報処理装置と、情報処理装置により制御される工作機械とにおいて、ドアの開閉動作に関連する構成を示すブロック図である。
図11を参照して、本実施の形態における情報処理装置100は、実施の形態1において説明した工作機械10を制御する。より特定的には、情報処理装置100は、工作機械10におけるドア21の開閉動作の異常の検知して、モータ41を制御する。
情報処理装置100の各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)および各種コンピュータプロセッサなどの演算器、メモリおよびストレージなどの記憶装置、ならびに、それらを連結する有線または無線の通信線を含むハードウェアと、記憶装置に格納され、演算器に処理命令を供給するソフトウェアとによって実現される。コンピュータプログラムは、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、それらの上位層に位置する各種アプリケーションプログラム、または、これらのプログラムに共通機能を提供するライブラリによって構成されてもよい。
情報処理装置100は、工作機械10と通信可能に構成されている。情報処理装置100および工作機械10の間の通信手段は、無線であってもよいし、有線であってもよい。一例として、工作機械10および情報処理装置100の通信規格には、EtherNET(登録商標)が採用される。
情報処理装置100は、モータ41を制御するモータ制御部161を有する。モータ制御部161には、図10中の異常検知部63、トルク波形取得部64、パラメータ取得部65、記憶部66および機械学習部67の機能構成が含まれている。一方、工作機械10における自動ドアコントローラ53には、図10中の信号出力部62の機能構成が含まれている。
本実施の形態における情報処理装置100の構成をまとめると、情報処理装置100は、モータ41を制御するモータ制御部161を備える。モータ制御部161は、工作機械10からドア21の開閉動作時におけるモータ41のトルク波形を取得するトルク波形取得部64と、トルク波形取得部64からモータ41のトルク波形が入力され、入力されたモータ41のトルク波形と、ドア21の正常な開閉動作時のモータ41のトルク波形を学習データとして生成された学習済みモデル70(適応AIフィルタF)とに基づいて、モータ41を停止させる異常検知部63とを含む。
このように構成された、この発明の実施の形態2における情報処理装置100によれば、実施の形態1における工作機械10と同様の効果を奏することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 工作機械、12 カバー体、13 上方開口部、14 前方開口部、16 開口部、18 加工エリア、21 ドア、22 前方ドア部、23 上方ドア部、24 透明窓、26 連結部材、27 前部、28 天井部、31 駆動側プーリ、32 従動側プーリ、36 ベルト、41 モータ、42 回転シャフト、51 操作盤、53 自動ドアコントローラ、54 サーボドライバ、61,161 モータ制御部、62 信号出力部、63 異常検知部、64 トルク波形取得部、65 パラメータ取得部、66 記憶部、67 機械学習部、68 温度センサ、70 学習済みモデル、81 センサ、100 情報処理装置。

Claims (7)

  1. 開口が設けられ、加工エリアを区画形成するカバー体と、
    前記開口を覆う位置に移動可能であり、前記カバー体とともに前記加工エリアを区画形成するドアと、
    前記ドアを開閉動作させるモータと、
    前記ドアの正常な開閉動作時の前記モータのトルク波形データと、トルク波形に振動の非周期的成分が加わったトルク波形データと、を学習データとして、生成された学習済みモデルと、
    前記ドアの開閉動作時における前記モータの信号を検出し、検出信号で形成されるトルク波形データを前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される波形データに基づいて、前記モータを停止させるモータ制御部とを備える、工作機械。
  2. 前記学習済みモデルでは、前記モータのトルク波形が、前記モータの回転速度、前記モータの回転加速度、前記モータの回転角度、周辺温度、時間情報、および、前記ドアの位置情報のうちの少なくとも1つのパラメータと関連付けられており、
    前記モータ制御部には、前記パラメータがさらに入力される、請求項1に記載の工作機械。
  3. 前記モータ制御部は、前記ドアの正常な開閉動作時の前記モータのトルク波形を学習データとして取得し、前記学習データに基づいて、前記学習済みモデルを更新する、請求項1または2に記載の工作機械。
  4. 前記ドアの開閉動作の完了を検出するためのセンサをさらに備え、
    前記モータ制御部は、前記センサにより前記ドアの開閉動作の完了が検出された場合に、前記学習済みモデルを更新する、請求項3に記載の工作機械。
  5. 開口が設けられ、加工エリアを区画形成するカバー体と、
    前記開口を覆う位置に移動可能であり、前記カバー体とともに前記加工エリアを区画形成するドアと、
    前記ドアを移動させるモータと、
    前記ドアの正常な移動時の前記モータのトルク波形データと、トルク波形に振動の非周期的成分が加わったトルク波形データと、を学習データとして、生成された学習済みモデルと、
    前記ドアの移動時における前記モータの信号を検出し、検出信号で形成されるトルク波形データを前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される波形データに基づいて、前記モータを停止させるモータ制御部とを備える、工作機械。
  6. 開口が設けられ、加工エリアを区画形成するカバー体と、前記開口を覆う位置に移動可能であり、前記カバー体とともに前記加工エリアを区画形成するドアと、前記ドアを開閉動作させるモータとを備える工作機械を制御するための情報処理装置であって、
    前記ドアの正常な開閉動作時の前記モータのトルク波形データと、トルク波形に振動の非周期的成分が加わったトルク波形データと、を学習データとして、生成された学習済みモデルと、
    前記ドアの開閉動作時における前記モータの信号を検出し、検出信号で形成されるトルク波形データを前記学習済みモデルに入力し、前記学習済みモデルから出力される波形データに基づいて、前記モータを停止させるモータ制御部とを備える、情報処理装置。
  7. 開口が設けられ、加工エリアを区画形成するカバー体と、前記開口を覆う位置に移動可能であり、前記カバー体とともに前記加工エリアを区画形成するドアと、前記ドアを開閉動作させるモータとを備える工作機械の制御プログラムであって、
    前記制御プログラムは、前記工作機械に、
    前記ドアの開閉動作時における前記モータの信号を検出し、検出信号で形成されるトルク波形データを、前記ドアの正常な開閉動作時の前記モータのトルク波形データと、トルク波形に振動の非周期的成分が加わったトルク波形データと、を学習データとして、生成された学習済みモデルに入力するステップと、
    前記学習済みモデルから出力される波形データに基づいて、前記モータを停止させるステップとを実行させる、制御プログラム。
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