JP7440880B2 - 椅子 - Google Patents
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Description
本発明の第1の態様に係る椅子は、背もたれ部と、座面部と、を具備する椅子であって、前記座面部は、前傾変位可能に構成され、前記背もたれ部は、前記座面部の前傾変位の度合いにかかわらず、接地面に対する傾斜角度が一定となるように構成されている。
以下、本発明の第1の実施形態およびその変形例に係る椅子について、図1~図7を参照しながら説明する。
本実施形態に係る椅子1は、例えば、オフィスチェアなどであってよい。
椅子1の全体構成について、図1を参照しながら詳しく説明する。
図1(a)は、椅子1の正面図であり、図1(b)は、椅子1の側面図である。また、図1(c)は、座面部10の斜視図である。図1(a)~(c)に示すように、椅子1は、座面部10と、背もたれ部11と、肘掛部12とを有してなる。
座面部10は、座面クッション100と、回転軸101とを備えている。
回転軸101は、左右方向(各図の±Y方向)に延びる部材であって、肘掛部12の肘掛支柱12bによって両端が固定支持されている。
背もたれ部11は、背もたれクッション11aと、背もたれ支柱11bとを備えている。
図1(b)に示すように、背もたれクッション11a及び背もたれ支柱11bは、接地面Gに対し、所定の傾斜角度θで傾斜するように設けられる。この傾斜角度θは、座面クッション100の回動に連動して変位することはない。つまり、座面クッション100の回動位置にかかわらず、背もたれ部11が接地面Gとなす傾斜角度θは固定されている。
肘掛部12は、肘掛部材12aと、肘掛支柱12bとを備えている。
肘掛支柱12bは、肘掛部材12aを支持するとともに、左右方向から座面部10をはさむように構成される。肘掛支柱12bは、回転軸101の両端を固定支持することで、座面部10の座面クッション100を回動可能に支持する。
ストッパーSの構成について、図2を参照しながら詳しく説明する。
ストッパーSは、着座者Aが所望する回動角度で座面クッション100を固定するための機構である。
図2(a)~(d)に示すように、ストッパーSは、ビス受け手SaおよびビスSbからなる。
ビス受け手Saは、座面クッション100の一方側の側面(+Y方向側の面)に設けられる。ビス受け手Saは、複数の穴部を有している。この穴部は、ビスSbを差込可能に形成されている。
ビスSbは、肘掛支柱12bに設けられる(図2(a)~(d)では、肘掛支柱12bの図示が省略されている。)ビスSbは、椅子1の右方向(-Y方向)に付勢力を有しながら肘掛支柱12bに取り付けられている。これにより、ビスSbの先端が、ビス受け手Saのいずれかの穴部に差し込まれる。ビスSbの先端が、ビス受け手Saの穴部に差し込まれることで座面クッション100の回動が抑止される。
図2(a)~(d)に示すように、着座者Aは、ビスSbの先端をビス受け手Saのいずれの穴部に差し込こむかによって所望の回動角度で座面クッション100を固定することができる。例えば、図2(c)は、座面クッション100を前傾させた状態で固定させた場合のストッパーSの状態を示しており、図2(d)は、座面クッション100を後傾させた状態で固定させた場合のストッパーSの状態を示している。
第1の実施形態に係る椅子1によって得られる作用、効果について、図3を参照しながら詳しく説明する。
図3(a)、(b)に示すように、座面部10は、着座者Aの重心移動に追随しながら回転軸101の軸線周りに回転することで前傾変位および後傾変位を可能とする。
図3(a)に示すように、座面部10が前傾変位している場合、傾斜角度θが固定された背もたれ部11により着座者Aの背中の姿勢を維持しながら、股関節屈曲角δが開く方向に変位する。これにより、着座者Aの骨盤が垂直方向に立つ姿勢となり、なおかつ、股関節屈曲角δは座面部10が前傾変位しない場合よりも開かれる。したがって、着座者Aは、股関節が過度に屈曲することを避けつつ、着座者Aの骨盤が垂直に立つ姿勢を得られる。これにより、着座者Aは、股関節が過度に屈曲することで生じる負担を課せられることなく、骨盤を垂直に立たせる姿勢を維持し続けることができる。
図4は、第1の実施形態の第1変形例に係る椅子の構成を示す図である。
図4(a)は、椅子1の側面図である。また、図4(b)は、座面部10の斜視図である。図4(a)、(b)に示すように、第1の実施形態の第1変形例に係る椅子1は、座面クッション100の上面奥側(+Z方向側の面における-X方向)の領域に凹形状面Dが設けられている。
図5は、第1の実施形態の第2変形例に係る椅子の構成を示す図である。
図5(a)は、椅子1の側面図である。また、図5(b)は、座面部10の斜視図である。図5(a)、(b)に示すように、第1の実施形態の第2変形例に係る座面部10は、座面クッション100のミート内にアンカー102が設けられている。このアンカー102は、硬質な素材からなり、アンカー102の上面には凹形状面Dが設けられている。
図6、図7は、第1の実施形態の第3変形例に係る椅子の構成を示す図である。
図6(a)は、椅子1の側面図である。また、図6(b)は、座面部10の斜視図である。図6(a)、(b)に示すように、第1の実施形態の第3変形例に係る座面部10は、さらに、着座者Aの腰椎を支えるランバーサポート103を備えている。このランバーサポート103は、座面クッション100と一体形成されており、座面クッション100と一体に前傾変位(回動)可能とされている。
図7(a)に示すように、座面クッション100の前傾時には、骨盤の前傾に伴う腰椎の前弯をサポートする形となる。これにより、骨盤を垂直に維持しようとする着座者Aの負担を一層軽減することができる。
また、図7(b)に示すように、座面クッション100の後傾時には、ランバーサポート103が背もたれ部11の後側(-X方向)に逃げる構成となる。これにより、骨盤の後傾に伴う腰椎の後弯を妨げず、着座者Aに楽な姿勢を取らせることができる。
以下、本発明の第2の実施形態およびその変形例に係る椅子について、図8~図13を参照しながら説明する。第2の実施形態およびその変形例に係る椅子は、座面部が前傾変位可能とされる構成において、ロッキング機構が適用されることを特徴とする。
本実施形態に係る椅子1は、オフィスチェアである。
図8は、椅子1の側面図である。図9は、図8の側面図のうちロッキング機構3周りの構成を詳しく図示したものである。また、図10(a)は、椅子1の正面図であってロッキング機構3周りの構成を詳しく図示したものであり、図10(b)は、座面部10の底面図(-Z方向側から見た図)である。
図8、図9、図10(a)、(b)に示すように、第2の実施形態に係る椅子1は、座面部10と、背もたれ部11と、肘掛部12と、を有してなる。これらの各構成は、第1の実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。なお、図9では、図が煩雑になるのを防ぐため、肘掛部12の図示を省略している。
なお、本実施形態に係る椅子1は、第1の実施形態で説明したストッパーSを有していない。
図9に示すように、ロッキング機構3は、スプリング30と、ピストン31と、連結ピン32a、32bとを有してなる。ロッキング機構3は、座面クッション100の回動に応じて伸縮自在とされる。
このようなロッキング機構3によれば、着座者Aが重心を前方(+X方向)に移すと、座面クッション100の前側に荷重がかかり、前傾変位する。この前傾変位に応じて、ロッキング機構3のスプリング30及びピストン31が伸び、元の位置(座面が水平となる位置)に戻ろうとする反発力を与える。一方、着座者Aが重心を後方(-X方向)に移すと、座面クッション100の後側に荷重がかかり、後傾変位する。この後傾変位に応じて、ロッキング機構3のスプリング30およびピストン31が縮み、元の位置に戻ろうとする反発力を与える。
座面の基本角度を前傾位とした場合、着座者Aが重心を後方(-X方向)に移すと座面クッション100の後方に荷重がかかり、後傾変位する。この後傾変位に応じて、ロッキング機構3のスプリング30およびピストン31が縮み、元の位置(座面が前傾となる位置)に戻ろうとする反発力を与える。このように、座面の基本角度を前傾位とすることで、着座者が脊柱に負担の少ない姿勢をとることが容易となる。
また、座面の基本角度を後傾位とした場合、着座者Aが重心を前方(-X方向)に移すと座面クッション100の前方に荷重がかかり、前傾変位する。この前傾変位に応じて、ロッキング機構3のスプリング30およびピストン31が伸び、元の位置(座面が後傾となる位置)に戻ろうとする反発力を与える。このように、座面の基本角度を後傾位とした場合は、着座者がリラックスした姿勢をとることが容易となる。
図11~図13は、第2の実施形態の変形例に係る椅子の構成を示す図である。
本変形例に係る椅子1は、映画館などに設置される劇場用椅子である。
図11は、椅子1の側面図である。図12は、図11の側面図のうちロッキング機構3周りの構成を詳しく図示したものである。また、図13(a)は、椅子1の正面図であってロッキング機構3周りの構成を詳しく図示したものであり、図13(b)は、座面部10の底面図(-Z方向側から見た図)である。
図11、図12、図13(a)、(b)に示すように、第2の実施形態の変形例に係る椅子1は、第2の実施形態と同様に、座面部10と、背もたれ部11と、肘掛部12と、を有してなる。これらの各構成は、第1の実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。なお、図12では、図が煩雑になるのを防ぐため、肘掛部12の図示を省略している。
なお、本変形例に係る椅子1は、第1の実施形態で説明したストッパーSを有していない。
以下、本発明の第3の実施形態およびその変形例に係る椅子について、図14~図22を参照しながら説明する。第3の実施形態およびその変形例に係る椅子は、座面部の前方側の先端の高さが固定され、当該先端を回転軸として後方側が持ち上がる構成とされることを特徴とする。
本実施形態に係る椅子1は、映画館などに設置される劇場用椅子である。
図14(a)、(b)は、椅子1の側面図である。図14(a)は、肘掛部12の図示を省略している。図15は、椅子1の正面図であって、ストッパーS周りの構成を詳しく図示したものである。また、図16は、ストッパーSの構成部材を詳しく図示したものである。
図14(a)、(b)、図15に示すように、第3の実施形態に係る椅子1は、座面部10と、背もたれ部11と、肘掛部12とを有してなる。これらの各構成は、第1の実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。
以上の通り、第3の実施形態に係る椅子1は、座面部10の下部後方側にスプリング41が備えられており、着座者Aが座れば圧縮され、立ち上がるように荷重を軽くすれば座面部10は持ち上がる。着座者Aは、その途中の所望な高さでビスSbを差し込んでロックをかけることができる。
図17、図18は、第3の実施形態の第1変形例に係る椅子の構成を示す図である。
本変形例に係る椅子1は、第3の実施形態と同様の劇場用椅子である。
ビス受け手501は、ランバーサポートクッション500の側面に設けられ、高さ方向(±Z方向)に複数の穴部Vが配列されている(図18参照)。肘掛支柱12bに設けられたビスB(図17(b)参照)が複数の穴部Vのいずれに差し込まれるかによって、ランバーサポート50の高さを調節することができる。これにより、ランバーサポート50を、座面部10の前傾変位の度合いに応じた適切な高さに調節することができる。
図19、図22は、第3の実施形態の第2変形例に係る椅子の構成を示す図である。
本変形例に係る椅子1は、第3の実施形態と同様の劇場用椅子である。
また、図22に示すように、本変形例に係るランバーサポート50は、ランバーサポートクッション500の背面側の面(背もたれ部11と接する面)に、2つの鋲503を備えている。この鋲503は、背もたれ支柱11bの高さ方向に延びる溝11c(図20参照)に嵌め込まれる。この鋲503及び溝11cの構成により、ランバーサポート50は、背もたれ支柱11bの斜面に沿って高さ方向の位置を調節可能となる。
これにより、ランバーサポート50の位置調整と座面部10の傾斜調整とを個別に行わなくて済み、着座者の負担を軽減することができる。
10 座面部
100 座面クッション
101 回転軸
102 アンカー
103 ランバーサポート
11 背もたれ部
11a 背もたれクッション
11b 背もたれ支柱
11c 溝
12 肘掛部
12a 肘掛部材
12b 肘掛支柱
12c ストッパー保持部
20 座面支柱連結ピン
21 座面受部
22 固定フレーム
23 座面支柱
24 固定フレーム
25 支柱
26 固定フレーム
27 固定フレーム
28 固定フレーム
29 固定フレーム
3 ロッキング機構
30 スプリング
31 ピストン
32a、32b 連結ピン
40 ヒンジ
41 スプリング
50 ランバーサポート
500 ランバーサポートクッション
501 ビス受け手
502 ヒンジ
503 鋲
S ストッパー
Sa ビス受け手
Sb ビス
Sc ストッパースプリング
D 凹形状面
V 穴部
T 突出部
B ビス
Claims (7)
- 背もたれ部と、座面部と、を具備する椅子であって、
前記座面部は、前傾変位可能に構成され、
前記背もたれ部は、前記座面部の前傾変位の度合いにかかわらず、接地面に対する傾斜角度が一定となるように構成されており、
前記座面部は、座面において凹形状に形成された面を有し、
前記凹形状は、座面の前後方向における中心より後方側にのみ設けられる、
前記座面部は、前方側の先端の高さが固定され、当該先端を回転軸として後方側が持ち上がる構成とされることで、前傾変位可能とされる、
椅子。 - 前記座面部は、着座者の左右方向に延びる回転軸を有し、当該回転軸線周りの回動により、前傾変位可能とされている
請求項1に記載の椅子。 - 前記座面部は、着座者の腰椎を支えるランバーサポートと一体に前傾変位可能とされている
請求項1または請求項2に記載の椅子。 - 前記座面部は、さらに、後傾変位可能に構成されている
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の椅子。 - 前記座面部の前傾変位を所望の度合いで固定可能なストッパーをさらに備えている
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の椅子。 - 前記座面部が前傾変位可能な構成において、ロッキング機構が適用されている
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の椅子。 - 着座者の腰椎を支えるランバーサポートをさらに備え、
前記ランバーサポートは、前記座面部の前傾変位の度合いに応じて、前記背もたれ部に沿って高さ方向の位置を調節可能な構成とされている
請求項1に記載の椅子。
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