JP2005503879A - 移動可能なアナトミックシート - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、移動可能なアナトミックシート(an anatomic seat)に関する。
【背景技術】
【0002】
シートの分野において、アーゴノミック特徴、すなわち使用者に与える疲労が少ない特徴はシートの設計において常に非常に重要なことである。
【0003】
このような見地は、本質的に、長い時間の間座っていなければならない使用者のために用いられるシートの場合に強調される。
【0004】
長い時間の間座っている姿勢は、背中の痛み及び他の筋肉−骨部位の痛みを生じさせる恐れがある。
【0005】
もしシート上でとられている姿勢が生理学的に適正でない場合には、立っている姿勢と比べて脊髄円盤上への圧力が増大する。これは、圧力が腰柱上に長く加わっている静荷重と関連させられるからである。
【0006】
このようなことから最もひんぱんに生じる症候は、腰痛、頸椎痛及び胸帯痛である。
【0007】
したがって、幾つかのシートには、特にシート及び背もたれの位置に関して使用者が形態学的に適応できるようにする調整装置が設けられている。
【0008】
骨盤の位置は、身体の静止姿勢を決めるうえで必要不可欠なものである。
【0009】
もし骨盤が前方へ傾けられた場合には、正しい頭−胴−骨盤整列を維持することは容易である。
【0010】
当分野において、可能の限り直立姿勢に近い姿勢をとらなければならない正しい背部姿勢を使用者がとることができるようにした特殊のシートは存在している。
【0011】
一般に、このようなシートは、前へ傾くことができるシートであって、使用者の足の下方部分、例えばひざを支持する装置を備えている。
【0012】
可傾式シートは、背部の正しい姿勢をとることを助ける。また、支持装置は脊髄に加わる重さの一部分を使用者の下肢に解放させるようにする。それにもかかわらず、このようなシートは非常に重く、それ故運送するのが困難である。
【0013】
更に、シートの傾き調整が非常に正確ではなく、使用者の下肢が所定の位置をとりつづけることを強いられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、したがって、上述した欠点を除去すること、特に、いすのアーゴノミックス、すなわち使用者に与える疲労の減少を改善することができる移動可能なアナトミックシートを実現することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、使用者の形態特徴、すなわち姿勢のために最適な傾きに正確に調整することができる移動可能なアナトミックシートを実現することにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、特に、比較的低コストで信頼があって簡単であり、かつ機能的である移動可能なアナトミックシートを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のこれらの目的及び他の目的は、請求項1に記載している移動可能なアナトミックシートを実現することにより達成される。
【0018】
他の特徴は、請求項2−11に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明による移動可能なシートの特徴及び利点は、添付図面を参照して一例として限定する目的でなく述べられている下記の説明から明らかになるであろう。
【0020】
好適な実施例に関する下記の説明は、本発明による移動可能なアナトミックシートをいすに適用していることに言及していることを留意すべきである。
【0021】
選択的にかつ多くも少なくもないが有益には、本発明の対象物である移動可能なアナトミックシートアセンブリ、例えばひじ掛けいす及び腰掛けのような他の種類の腰掛け家具のためにも用いることができる。
【0022】
図面を参照するに、符号10により総括的に示されている移動可能なシートは、いす14の水平座台12の上面上に載せられている。いす14は、その背部に背もたれ16を備えている。
【0023】
ここに例示した例において、本発明によれば、アナトミックシート10はアナトミック座りリセス20を包含し、このリセスは構体22により支持されている。
【0024】
アナトミックリセス20は、使用者が座り心地よく座ることができるような形状とされている。このリセス20は、その正面中央位置に、上向きに突出する要素、すなわち隆起部分21を備えている。
【0025】
図面に示される例において、構体20は例えば4つの側部を有するベース23を包含し、このベース23はいす14の座台12を覆っている。
【0026】
例えば4つの支持体25が、いす14の4本の脚13に対応して配設されている。いす14の背もたれ16と反対側にある2つの正面支持体25は、符号24で示すところで座りリセス20に回転可能に接続されている。
【0027】
また、構体22は例えばベルト26のような安定した位置決め手段を介していす14に固定されており、ベルト26は一般にはいす14の座台12の下でバックル28を用いて閉じループとされる。
【0028】
座りリセス20は、リフティング手段を介して、構体22の水平支持体に関して傾斜させることができる。
【0029】
このようなリフティングはシャフト30の移動でもって生じさせられ、シャフト30はその下方端32でアナトミックリセス20の中央に、より詳細には中央区域に、又はどんな場合でも正面支持体25には接近しないようにして、回転可能に接続されている。この接続は、有益には、例えばピンを介して迅速に移動可能とすることができる。
【0030】
シャフト30は、端32とは反対側の端34で小さいブロック36に回転可能に接続されている。この接続は、有益には、例えばピンを介して迅速に移動可能とすることができる。
【0031】
図5に見ることができるように、この小さいブロック36は構体22内でガイド38上を滑動することができ、このガイドは背もたれ16に対して垂直の方向Xにしたがって延びている。また、小さいブロック36は前記方向Xに設けられたねじ穴40を有し、このねじ穴は同じ前記方向Xに沿って配置されているねじ42と組み合っている。ねじ42は、アナトミックシート10の正面部に位置しているハンドル44を備えている。
【0032】
本発明による移動可能なアナトミックシートの作動は、図面を参照して上述した説明から明らかであるが、簡単に述べれば次のとおりである。
【0033】
構体22のベース23は、いす14の座台12に固定されている。
【0034】
2つの正面支持体25に符号24で示すところで枢着されている座りリセス20は、2つの背面支持体25上に水平に載せられている。
【0035】
図1に見ることができるように、小さいブロック36は2つの正面支持体25に近い一方の側に位置させられ、これにより、小さいブロック36に接続されているシャフト30は、実質的に水平状態である。
【0036】
ねじ42のハンドル44を回転させることにより、小さいブロック36は背もたれ16に向かって移動させられる。この方法でもって、シャフト30はアナトミックリセス20を上向きに押し、リセス20を水平面に関して傾斜せしめる。
【0037】
有益には、約30°の傾斜が達せられるが、実際には傾斜は無限に変化させることができるものである。例えば、ハンドル44を毎日毎日回転させることにより、傾斜を漸進的に変えることができる。
【0038】
座りリセス20は、その上面に高摩擦係数区域を有して使用者が前方へつるりとすべるのを制限する。また、適当に布張りした中央隆起部分21も、また、同じ目的のために用いられる。
【0039】
座りリセス20の正面縁及び側面縁は、適当にサンド(sand)、すなわちみがかれている。
【0040】
小さいブロック36とシャフト30との間及び/又はシャフト30とリセス20との間に施した移動可能な接続は、いつでも、セットした最適な傾斜から水平位置への移行又はその逆の移動を許し、これは、正確には、シャフト30と小さいブロック36との間及び/又はシャフト30とリセス20との間の接続を簡単に移動させることにより、すなわち接続をそれぞれ再び確立させることによりなされる。
【0041】
上述した説明から、本発明の対象物である移動可能なシートの特徴は明らかであり、同様にその関連する利点も明らかであるが、とりわけ次のような特徴及び利点がある。
−簡単でかつ信頼のある使用
−小型化及び軽量化
−実際に従来のシートのすべてに適応できること
−運送が簡単であること
−傾斜を非常に正確に調整できること
−たとえ不正確に取付けた後でも、セットした傾斜を維持できること
−使用者の要求に合うように、セットした傾斜位置から水平位置への移動及びその逆の移行をすぐに行うことができること
−使用者が下肢を動かすのが自由であること
−得られる利点に関連して、従来技術と比べてコストが低いこと
【0042】
最後に、以上述べた移動可能なアナトミックシートは多数の変化及び変形が可能であり、これらのすべてが本発明により保護されるものであることは明らかである。また、詳部のすべては技術的に等価な要素に置換できるものである。実際に、形状及び寸法に加えて、使用する材料は技術的要求にしたがってどのようなものにすることができる。
【0043】
したがって、本発明の保護の範囲は特許請求の範囲により限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による移動可能なアナトミックシートを備えているいすの側面図であって、シートは水平状態である。
【図2】図1のいすの正面図である。
【図3】図1の移動可能なアナトミックシートを備えているいすの側面図であって、シートは傾斜状態となっている。
【図4】図3のいすの正面図である。
【図5】図1の移動可能なアナトミックシートを備えているいすを、図1のV−V線にしたがって、上から見た平面図であって、アナトミック座りリセスは取り除かれている。
Claims (11)
- 移動可能なアナトミックシート(10)であって、使用者のためのアナトミック座りリセス(20)のための支持構体(22)を包含し、この支持構体(22)が腰掛け家具(14)の上に載せられていると共に前記リセス(20)がその少なくともひとつの端で前記支持構体(22)に枢着(24)され、前記リセス(20)を前記支持構体(22)に関して傾斜させるためのリフティング手段(30,32,34,36,38,40,42,44)を備えていることを特徴とするシート。
- 請求項1記載のシート(10)において、前記リフティング手段(30,32,34,38,36,40,42,44)がシャフト(30)を包含し、このシャフト(30)がその下方端(32)で前記リセス(20)にまたその反対側の端で小さいブロック(36)に回転可能に接続され、前記小さいブロック(36)が前記支持構体(22)と一体のガイド(38)上を滑動できることを特徴とするシート。
- 請求項2記載のシート(10)において、前記シャフト(30)と前記小さいブロック(36)との間及び前記シャフト(30)と前記リセス(20)との間の前記接続の少なくともひとつが移動可能な方法で施されていることを特徴とするシート。
- 請求項2又は3記載のシート(10)において、前記ガイド(38)が前記支持構体(20)と前記リセス(20)との間の枢着部(24)の軸線に対して垂直の方向(X)にしたがって延びており、また前記小さいブロック(36)がねじ穴(40)を有し、このねじ穴(40)が同じ前記方向(X)に設けられていると共にねじ(42)と組み合い、このねじ(42)もまた同じ前記方向(X)に沿って配置されていると共にこのねじの回転を容易にするためのハンドル(44)を備えていることを特徴とするシート。
- 請求項1記載のシート(10)において、前記支持構体(22)が安定した位置決め手段(26,28)を介して前記腰掛け家具(14)に固定されていることを特徴とするシート。
- 請求項5記載のシート(10)において、前記安定した位置決め手段(26,28)がベルト(26)とバックル(28)とから成ることを特徴とするシート。
- 請求項1記載のシート(10)において、前記腰掛け家具(14)がいす(14)であり、このいす(14)が水平座台(12)と、4本の脚(13)と、背もたれ(16)とを備えていることを特徴とするシート。
- 請求項7記載のシート(10)において、前記支持構体(22)が4つの側部を有して前記いす(14)の座台(12)を覆うベース(23)を包含し、このベース(23)上には前記いす(14)の4本の脚(13)に対応して4つの支持体(25)が配設され、前記背もたれ(16)と反対側にある2つの正面支持体(25)が前記座りリセス(20)に回転可能に接続(24)されていることを特徴とするシート。
- 請求項1記載のシート(10)において、前記リセス(20)が前記少なくともひとつの端の近くであってかつ前記リセス(20)の中央横位置に上向きに突出する要素、すなわち隆起部分(21)を備えていることを特徴とするシート。
- 請求項9記載のシート(10)において、前記隆起部分(21)が布張りされていることを特徴とするシート。
- 請求項1記載のシート(10)において、前記リセス(20)がその上面に使用者の前方への滑りを制限するための高い摩擦係数区域を有することを特徴とするシート。
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