JP7438966B2 - ナノアレイおよびマイクロアレイを製造する方法 - Google Patents

ナノアレイおよびマイクロアレイを製造する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7438966B2
JP7438966B2 JP2020554139A JP2020554139A JP7438966B2 JP 7438966 B2 JP7438966 B2 JP 7438966B2 JP 2020554139 A JP2020554139 A JP 2020554139A JP 2020554139 A JP2020554139 A JP 2020554139A JP 7438966 B2 JP7438966 B2 JP 7438966B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
snap
cases
solid support
binding
item
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020554139A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019195633A5 (ja
JP2021520779A (ja
Inventor
ドミトリー グレムヤチンスキー
レイチェル ガリミディ
パラグ マリック
スジャル エム. パテル
Original Assignee
ノーティラス・サブシディアリー・インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノーティラス・サブシディアリー・インコーポレイテッド filed Critical ノーティラス・サブシディアリー・インコーポレイテッド
Publication of JP2021520779A publication Critical patent/JP2021520779A/ja
Publication of JPWO2019195633A5 publication Critical patent/JPWO2019195633A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7438966B2 publication Critical patent/JP7438966B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/04General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length on carriers
    • C07K1/047Simultaneous synthesis of different peptide species; Peptide libraries
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54353Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals with ligand attached to the carrier via a chemical coupling agent
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6813Hybridisation assays
    • C12Q1/6834Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase
    • C12Q1/6837Enzymatic or biochemical coupling of nucleic acids to a solid phase using probe arrays or probe chips

Description

相互参照
本出願は、2018年4月4日に出願された米国仮特許出願第62/652,849号の恩典を主張し、これは参照により本明細書に完全に組み入れられる。
発明の背景
マイクロアレイおよびナノアレイは、生物学的および化学的実体を評価するために使用され得る。ナノアレイおよびマイクロアレイの設計を特定の評価用に調整することが有益であり得る。
本開示は、生物学的および化学的実体を分離するための方法およびシステムを提供する。
本発明の一局面は、タンパク質に共有結合している構造化核酸粒子(structured nucleic acid particle)(SNAP)を含む組成物を提供する。いくつかの場合において、前記SNAPは固体支持体に結合している。いくつかの場合において、前記SNAPは固体支持体に共有結合している。いくつかの場合において、前記SNAPは固体支持体に非共有結合している。
本発明の一局面は、生体分子に共有結合しているSNAPを含む組成物を提供する。いくつかの場合において、前記SNAPは固体支持体に結合している。いくつかの場合において、前記SNAPは固体支持体に共有結合している。いくつかの場合において、前記SNAPは固体支持体に非共有結合している。
本発明の一局面は、複数の構造化核酸粒子(SNAP)に結合している固体支持体を含む組成物であって、該複数のSNAPの各々が生体分子に結合している、組成物を提供する。いくつかの場合において、複数のSNAPはアレイ状に配置されている。
本発明の一局面は、単一のタンパク質を固体支持体上の結合部位に結合させる方法であって、該結合部位がタンパク質より大きく;該方法が、タンパク質をSNAPに共有結合させる工程であって、該SNAPの直径が少なくとも該結合部位の直径と同じ大きさである、工程;および、該SNAPを該結合部位に結合させる工程を含む、方法を提供する。いくつかの場合において、各結合部位が単一のタンパク質に結合するように、前記複数のタンパク質の各々を前記固体支持体上の結合部位に結合させる。
本発明の一局面は、固体支持体に結合している複数の生体分子を含む生体分子アレイであって、該複数の生体分子の各生体分子がリンカーに共有結合しており、該リンカーが固体支持体に結合しており、かつ、各リンカーが該複数の生体分子のうちの一つの生体分子のみに結合しており、各リンカーが少なくとも50nmの直径を有する、生体分子アレイを提供する。
本発明の一局面は、複数のタンパク質から空間的に分離されているタンパク質のアレイを製造する方法であって、該複数のタンパク質の各タンパク質を、SNAPを構成する核酸分子の末端に共有結合させる工程、該SNAPを固体支持体に結合させる工程を含み、それによって空間的に分離されているタンパク質のアレイを製造する、方法を提供する。
本発明の一局面は、タンパク質、SNAP、および固体支持体を含む組成物であって、該タンパク質がSNAPに共有結合しており、かつ該タンパク質が固体支持体に接触していない、組成物を提供する。
本発明の一局面は、空間的に分離されている生物学的または化学的実体のアレイを製造する方法であって、結合部位を有する固体支持体を得る工程、複数の生物学的または化学的実体を含むサンプルを得る工程、各々が官能基を有するシードを得る工程、複数の生物学的または化学的実体の各生物学的または化学的実体を、該官能基を介して単一のシードに共有結合させる工程、結合した各シードを所望のサイズのSNAPへと成長させる工程、SNAPをアレイの結合部位に結合させる工程を含み、それによって、空間的に分離されている生物学的または化学的実体のアレイを製造する、方法を提供する。
いくつかの場合において、固体支持体は、ガラス、シリカ、プラスチック、シリコン、金、金属、クロム、チタン、酸化チタン、スズ、または酸化スズ支持体である。いくつかの場合において、固体支持体は光学的に不透明である。いくつかの場合において、固体支持体は光学的に透明である。いくつかの場合において、前記固体支持体は、正電荷を有するように修飾されている。いくつかの場合において、前記固体支持体は、負電荷を有するように修飾されている。いくつかの場合において、前記固体支持体は、SNAPに結合し得る官能基を有するように修飾されている。いくつかの場合において、前記固体支持体は、周囲の表面とは異なるように修飾されている結合部位を含む。いくつかの場合において、前記固体支持体は結合部位のアレイを含む。いくつかの場合において、各結合部位は他の結合部位の各々から少なくとも70nm離れている。いくつかの場合において、各結合部位は他の結合部位の各々から少なくとも25nm離れている。いくつかの場合において、任意の2つの結合部位の端部間の距離は、使用されるSNAPの半径よりも大きい。いくつかの場合において、任意の2つの結合部位の端部間の距離は、使用されるSNAPの直径よりも大きい。
いくつかの場合において、分子はタンパク質である。いくつかの場合において、シードはオリゴヌクレオチドである。
いくつかの場合において、オリゴヌクレオチドは、その3'末端が官能基で修飾されている。いくつかの場合において、オリゴヌクレオチドは、その5'末端が官能基で修飾されている。いくつかの場合において、官能基は、アミン、チオール、カルボン酸、三重結合、二重結合、エポキシド、アルキン、アルケン、シクロアルキン、アジド、シクロオクチン、シクロアルキン、ノルボルネン、テトラジン、シクロオクタン(cyclloctane)、エポキシド、およびヒドロキシルからなる群より選択される。いくつかの場合において、オリゴヌクレオチドは、光切断可能な結合を含むように修飾されている。いくつかの場合において、SNAPはローリングサークル増幅によって形成される。いくつかの場合において、SNAPはデンドリマーである。いくつかの場合において、デンドリマーが正に帯電しており、かつ、アレイ上の結合部位が負に帯電している。いくつかの場合において、デンドリマーが負に帯電しており、かつ、アレイ上の結合部位が正に帯電している。いくつかの場合において、SNAPはおよそ100nmの直径を有する。いくつかの場合において、SNAPはおよそ300nmの直径を有する。いくつかの場合において、SNAPは約10nm~500μmの直径を有する。いくつかの場合において、SNAPは約10nm~50μmの直径を有する。いくつかの場合において、SNAPは約10nm~5μmの直径を有する。いくつかの場合において、SNAPは約100nm~500nmの直径を有する。いくつかの場合において、SNAPは、静電相互作用を通じて固体支持体に付着する。
本発明の一局面は、分子の空間的分離を達成する方法であって、複数の分子を得る工程、各々が官能基を有するシードを得る工程、該複数の分子の各々を該官能基を介して単一のシードに共有結合させる工程、結合した各シードを所望のサイズのSNAPへと成長させる工程、該SNAPを固体支持体に結合させる工程を含み、それによって単一分子の空間的分離を達成する、方法を提供する。
本発明の一局面は、単一分子のアレイであって、各単一分子が所望のサイズのSNAPに結合しており、該SNAPが結合部位を介してアレイに結合している、単一分子のアレイを提供する。
本発明の一局面は、単一分子のアレイを製造するためのキットであって、結合部位を有するアレイ、各々が単一の結合部位を有するシード、および該シードをSNAPへと成長させるための試薬を含む、キットを提供する。
本発明の一局面は、組成物であって、固体支持体;および、固体支持体に直接結合しているポリマーベースの分子であって、該ポリマーベースの分子が、実質的に該固体支持体の反対側に配置されているタンパク質部分を含み、かつ該タンパク質部分が親和性試薬にアクセス可能である、ポリマーベースの分子を含む、組成物を提供する。
本発明の一局面は、アレイ上で生物学的または化学的実体を隔離する方法であって、複数のSNAPを作製する工程;単一の生物学的または化学的実体を複数のSNAPの各々にカップリングさせる工程;該複数のSNAPをアレイに結合させる工程であって、該生物学的または化学的実体が実質的に該アレイの反対側にある工程を含み、それによって、複数のSNAPの各々の各生物学的または化学的実体を、複数のSNAPの各SNAPのサイズに基づく距離だけ隔離する、方法を提供する。
本発明の一局面は、分子を分離する方法であって、各分子をより大きな荷電分子に変換する工程を含む、方法を提供する。
いくつかの場合において、各分子をより大きな荷電分子に変換する工程は、所望のサイズへと成長することができるバイオポリマーに該分子をコンジュゲートさせることを含む。
いくつかの場合において、各分子をより大きな荷電分子に変換する工程は、各分子を10倍大きい分子に変換することを含む。
いくつかの場合において、各分子をより大きな荷電分子に変換する工程は、各分子をより大きな荷電分子にコンジュゲートさせることを含む。
本発明の一局面は、空間的に分離されている生物学的または化学的実体のアレイを製造する方法であって、結合部位を有する固体支持体を得る工程、複数の生物学的または化学的実体を含むサンプルを得る工程、各々が官能基を有するSNAPを得る工程、複数の生物学的または化学的実体の各生物学的または化学的実体を単一のSNAPに共有結合させる工程、SNAPをアレイの結合部位に結合させる工程を含み、それによって、空間的に分離されている生物学的または化学的実体のアレイを製造する、方法を提供する。
いくつかの場合において、SNAPはローリングサークル増幅産物である。いくつかの場合において、SNAPはプラスミドである。いくつかの場合において、SNAPはDNA折り紙分子である。いくつかの場合において、SNAPは核酸クラスターである。
参照による組み入れ
本明細書において言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、および特許出願の各々が参照により組み入れられるために具体的かつ個々に示されているかのように同程度まで、参照により本明細書に組み入れられる。
本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。本発明の特徴および利点のよりよい理解は、本発明の原理が用いられる、例示的な態様を記載する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって得られるだろう。
構造化核酸粒子(SNAP)を介して基体にタンパク質を結合させる例示的な方法を示し、ここで、タンパク質はオリゴヌクレオチドプライマーに共有結合され、これは次いで、内部相補性領域を含有する環状DNAテンプレートにアニールされ、テンプレート上でのプライマーのローリングサークルDNA増幅によって、内部ハイブリダイゼーション領域を有するDNA分子が生じ、これはDNAクラスター(SNAPの例)を形成し、SNAPは負に帯電しているため、それは、固体支持体上の正に帯電している結合部位に結合することができる。 タンパク質を基体に結合させる代替方法を示し、ここでは、最初にSNAPが形成され、次いでタンパク質に結合される。 タンパク質を基体に結合させる代替方法を示し、ここでは、最初にSNAPが形成され、クロスリンカーに共有結合され、これは次いでタンパク質に結合される。 タンパク質を基体に結合させる代替方法を示し、ここでは、SNAPが表面上に堆積され、化学的部分を有するタンパク質がSNAPの化学的部分と反応し、タンパク質をSNAPに結合させる。 所望の間隔で配置された結合部位を有する固体支持体を製造するための方法を示す。 実施例1で生成されたSNAPの吸光度スペクトルを示す。 ドットブロットとして画像化されたSNAPの蛍光強度を示す。 実施例1で生成されたSNAPの顕微鏡検査画像におけるSNAPおよび結合しているDeep Red 200nmビーズの共局在を示す。DNAを視覚化するために使用されたSybr Goldは488 nmで蛍光を発し、連結されたDeep Redビーズは647 nmで蛍光を発し、画像領域は詳細を示すために拡大表示され、矢印は共局在の例を示す。 陰イオン交換精製前後のSNAPを含むサンプル中の粒子の半径を示す。 SNAPを含むサンプルの陰イオン交換精製中に収集されたフラクションにおいて検出された強度を示す。 異なるバッチのSNAPの260 nmでの吸収スペクトルトレースを示す。 チップ上での小さなSNAPの共局在を示す。 チップ上での大きなSNAPの共局在が存在しないことを示す。 用量設定されたSNAPがチップに加えられた際の、占有されたフィーチャーの数およびカウント数を示す。 あるバッチのSNAPの輝度を示す。 OPAアッセイを用いた、SNAP濃度の測定を示す。 アジド-AlexaFluor 568とのコンジュゲーション前後の、SNAPを有するチップの488 nmおよび568 nmでの蛍光画像を示す。 アジド-AlexaFluor 568とのコンジュゲーション前後の、SNAPを有するチップの488 nmおよび575 nmでの蛍光画像からの強度の定量化を示す。 過剰量のアジド-AlexaFluor 568とのインキュベーション前後の、SNAPを有するチップの488 nmでの蛍光画像を示す。 過剰量のアジド-AlexaFluor 568とのインキュベーション前後の、SNAPを有するチップの568 nmでの蛍光画像を示す。 PEとコンジュゲートしたアジドとのクリックコンジュゲーション後の、表面上にSNAPを有するチップの蛍光画像を示す。 SNAPでコーティングされているフィーチャーを有するアレイ上の、大腸菌(E. coli)溶解液由来のタンパク質の固定化を示す。 SNAPを使用する、短い三量体ペプチドエピトープからなる短ペプチドの特異的検出を示す。
発明の詳細な説明
固体支持体の表面にわたって空間的に分布しておりかつ該表面と安定的に相互作用している複数の分子を有するマイクロアレイおよびナノアレイは、バイオアナリシスおよび関連分野においてますます重要なツールとなりつつある。ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの両方のマイクロアレイが開発され、遺伝子シーケンシング、遺伝子発現のモニタリング、遺伝子マッピング、細菌の同定、創薬、およびコンビナトリアルケミストリー等の様々な適用分野において用途が見出される。特にマイクロアレイが用途を見出す一つの領域は、遺伝子発現解析における領域である。
いくつか場合において、個々の生物学的または化学的実体がそれぞれ他の生物学的または化学的実体の各々から空間的に分離するように、複数の生物学的または化学的実体が固体支持体の表面にわたって空間的に分布しておりかつ該表面と安定的に相互作用している、マイクロアレイまたはナノアレイを製造することが望ましい場合がある。
いくつかの態様において、本開示は、空間的に分離されている生物学的または化学的実体のアレイを製造する方法を提供し、該方法は、結合部位を有する固体支持体を得る工程、生物学的または化学的実体を含むサンプルを得る工程、各々が官能基を有するシードを得る工程、各生物学的または化学的実体を該官能基を介して単一のシードに共有結合させる工程、結合した各シードを所望のサイズのSNAP(構造化核酸粒子)へと成長させる工程、該SNAPをアレイの結合部位に結合させる工程を含み得、それによって生物学的または化学的実体の規則的なアレイを製造する。いくつか場合において、SNAPは、任意のタイプのDNAベースのナノ粒子、例えば、ローリングサークル増幅ベースのナノ粒子、プラスミド、またはDNA折り紙ナノ粒子であり得る。
タンパク質等の実体のアレイを製造するそのような方法の例を、図1A~Dに提供する。図1Aは、タンパク質をリンカーを介してオリゴヌクレオチドプライマーに結合させることから始まる方法を示す。次に、プライマーを環状DNAテンプレートにアニールさせることができ、ローリングサークル増幅が行われてSNAP(この例ではDNAクラスターとして示されている)を生成することができる。次に、SNAPをチップ上に堆積させることができる。この例では、DNA骨格の負電荷が、アレイの正に帯電しているフィーチャーと相互作用することができ、その結果、SNAPがアレイ上に固定化される。
図1Bは、リンカーを有するプライマーが環状DNAテンプレートを用いてローリングサークル増幅を開始することから始まる方法を示す。従って、結果として生じたSNAP(この例ではDNAクラスターとして示されている)はリンカーを含み、次にこれをタンパク質とコンジュゲートさせることができる。次にSNAPをチップ上に堆積させることができる。この例では、DNA骨格の負電荷が、アレイの正に帯電しているフィーチャーと相互作用することができ、その結果、SNAPがアレイ上に固定化される。
図1Cは、プライマーが環状DNAテンプレートを用いてローリングサークル増幅を開始することから始まる方法を示す。次に、結果として生じたSNAP(この例においてはDNAクラスターとして示される)をクロスリンカーと連結させることができ、次にこれをタンパク質とコンジュゲートさせることができ、タンパク質に架橋されているSNAPが生じる。次に、SNAPをチップ上に堆積させることができる。この例では、DNA骨格の負電荷が、アレイの正に帯電しているフィーチャーと相互作用することができ、その結果、SNAPがアレイ上に固定化される。
図1Dは、例えばローリングサークル増幅または他の許容される方法によって既に作られているSNAPを示す。次に、これらのSNAPをチップ上に堆積させることができる。例えば、DNA骨格の負電荷が、アレイの正に帯電しているフィーチャーと相互作用することができ、その結果、SNAPがアレイ上に固定化される。これとは別に、タンパク質は、SNAP上にあり得る化学的部分に結合可能な化学ハンドルで修飾されてもよい。次に、ハンドル付けされたタンパク質をSNAPに加えることができ、その結果、それらがSNAPに共有結合する。
いくつかの態様において、本開示は、単一分子のアレイ、ならびに単一分子のアレイを製造するための方法およびキットを提供する。いくつかの態様において、本開示は、生物学的または化学的実体のアレイ、ならびに生物学的または化学的実体のアレイを製造するための方法およびキットを提供する。いくつかの例において、生物学的または化学的実体のアレイは、固体支持体上に配置された、規則正しい一連の生物学的または化学的実体を含み得る。他の例において、生物学的または化学的実体のアレイは、生物学的または化学的実体の不規則なアレイを含み得る。
いくつかの例において、アレイ上の生物学的または化学的実体は、10nm未満、約10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、120nm、140nm、160nm、180nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm、1μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、2μm、2.5μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、16μm、17μm、18μm、19μm、20μm、25μm、30μm、40μm、50μm、75μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、または500μm超、分離されていてもよい。いくつかの場合において、アレイ上の生物学的または化学的実体は、約50nm~約1μm、約50nm~約500nm、約100nm~約400nm、約200nm~約300nm、約500nm~約10μm、約50nm~約1μm、または約300nm~約1μm、分離されていてもよい。いくつかの場合において、アレイ上の生物学的または化学的実体の間隔は、固体支持体上に配置された結合部位の存在によって決定され得る。
いくつかの態様において、固体支持体上にアレイを作製する。固体支持体は、分子が共有結合または非共有結合され得る任意の固体表面であり得る。固体基体の非限定的な例としては、スライド、デバイスの素子の表面、メンブレン、フローセル、ウェル、チャンバ、およびマクロ流体チャンバが挙げられる。本明細書において使用される固体支持体は、平面であっても曲面であってもよいし、他の形状を有してもよく、滑らかであっても質感を有してもよい。いくつかの場合において、固体支持体の表面はマイクロウェルを含有し得る。いくつかの場合において、基体の表面はナノウェルを含有し得る。いくつかの場合において、固体支持体の表面は、1つまたは複数のナノウェルとの組み合わせで1つまたは複数のマイクロウェルを含有し得る。いくつかの態様において、固体支持体は、ガラス、糖質、例えばデキストラン、プラスチック、例えばポリスチレンもしくはポリプロピレン、ポリアクリルアミド、ラテックス、シリコン、金属、例えば金、クロム、チタン、もしくはスズ、酸化チタン、酸化スズ、またはセルロースから構成され得る。いくつかの例において、固体支持体はスライドまたはフローセルであり得る。
いくつかの態様において、固体支持体の表面は、本明細書に記載されているSNAP等の分子の共有結合または非共有結合を可能にするかまたは増強するように修飾され得る。分子の結合のための固体支持体およびプロセスは好ましくは、結合工程、洗浄工程、画像化工程、および溶出工程の繰り返しについて安定である。いくつかの場合において、表面は、正電荷または負電荷を有するように修飾され得る。いくつかの場合において、表面は、マレイン酸部分もしくはコハク酸部分等の特異的官能基での修飾によって官能化されてもよいし、アミノ基、チオール基、またはアクリレート基等の化学反応基での修飾(例えばシラン化)によって誘導体化されてもよい。好適なシラン試薬としては、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、および4-アミノブチルトリエトキシシランが挙げられる。表面は、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)官能基で官能化されてもよい。ガラス表面はまた、例えばエポキシシラン、アクリレートシラン、またはアクリルアミドシランを使用して、アクリレートまたはエポキシ等の他の反応基で誘導体化されてもよい。
いくつかの態様において、固体支持体は、固体支持体へのSNAPの非特異的結合を減少させるように修飾され得る。いくつかの態様において、固体支持体は、固体支持体への生物学的実体および/または化学的実体の非特異的結合を減少させるように修飾され得る。いくつかの態様において、固体支持体は不動態化され得る。いくつかのさらなる態様において、固体支持体の表面は不動態化され得る。いくつかの態様において、不動態化層は、ダイヤモンド様炭素、ヘキサメチルジシラザン、テフロン、フルオロカーボン、ポリマー、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)および/またはパリレンを含み得る。いくつかの態様において、固体支持体は、固体支持体全体へのポリエチレングリコール(PEG)分子の結合によって不動態化され得る。いくつかの態様において、固体支持体は、サケ精子DNA、グリコール、アルブミン、または上記のものの組み合わせを使用して不動態化され得る。いくつかの態様において、固体支持体は、サケ精子DNA、グリコール、およびアルブミンからなる群より選択される1つまたは複数の成分を使用して不動態化され得る。いくつかの態様において、不動態化成分は表面に曝露され得る。いくつかの態様において、不動態化成分は表面に共有結合されなくてもよい。いくつかの態様において、不動態化材料は、固体支持体に共有結合されなくてもよい。
いくつかの態様において、固体支持体は、分子が結合される表面全体にわたって修飾され得る。他の態様において、固体支持体は、分子の結合を可能にするように修飾されている領域および修飾されていない領域、または分子の結合を減少させるように修飾されている領域および修飾されていない領域、または分子の結合を増加させるように修飾されている領域および分子の結合を減少させるように修飾されている領域を含有し得る。いくつかの場合において、結合部位が、アレイ(例えば規則正しいアレイ)状に配置されてもよい。
結合部位の規則正しいアレイは、例えば、フォトリソグラフィー、Dip-Penナノリソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィー、ナノスフェアリソグラフィー、クラスターリソグラフィー、ナノピラーアレイ、ナノワイヤーリソグラフィー、走査プローブリソグラフィー、熱化学リソグラフィー、熱走査プローブリソグラフィー、局所酸化ナノリソグラフィー、分子自己組織化、ステンシルリソグラフィー、または電子ビームリソグラフィーによって作られ得る。規則正しいアレイにおける結合部位は、各結合部位が任意の他の結合部位から20ナノメートル(nm)未満、または約20 nm、約50 nm、約75 nm、約100 nm、約125 nm、約150 nm、約175 nm、約200 nm、約225 nm、約250 nm、約275 nm、約300 nm、約325 nm、約350 nm、約375 nm、約400 nm、約425 nm、約450 nm、約475 nm、約500 nm、約525 nm、約550 nm、約575 nm、約600 nm、約625 nm、約650 nm、約675 nm、約700 nm、約725 nm、約750 nm、約775 nm、約800 nm、約825 nm、約850 nm、約875 nm、約900 nm、約925 nm、約950 nm、約975 nm、約1000 nm、約1025 nm、約1050 nm、約1075 nm、約1100 nm、約1125 nm、約1150 nm、約1175 nm、約1200 nm、約1225 nm、約1250 nm、約1275 nm、約1300 nm、約1325 nm、約1350 nm、約1375 nm、約1400 nm、約1425 nm、約1450 nm、約1475 nm、約1500nm、約1525 nm、約1550 nm、約1575 nm、約1600 nm、約1625 nm、約1650 nm、約1675 nm、約1700 nm、約1725 nm、約1750 nm、約1775 nm、約1800 nm、約1825 nm、約1850 nm、約1875 nm、約1900 nm、約1925 nm、約1950 nm、約1975 nm、約2000 nm、または2000 nm超離れているように、位置し得る。
いくつかの場合において、固体支持体上の結合部位の間隔は、使用されるSNAPのサイズに依存して選択され得る。例えば、結合部位の間隔は、任意の2つの結合部位の端部間の距離が、使用されるSNAPの直径よりも大きくなるように、選択され得る。
いくつかの場合において、固体支持体上の結合部位のサイズは、使用されるSNAPのサイズに依存して選択され得る。例えば、結合部位のサイズは、各結合部位の直径が、使用されるSNAPの直径よりも小さくなるように、選択され得る。
いくつかの場合において、結合部位は、マイクロウェルまたはナノウェル中に提供され得る。
いくつかの場合において、官能基はランダムな間隔で存在し得、官能基が任意の他の官能基から平均で少なくとも約50 nm、約100 nm、約150 nm、約200 nm、約250 nm、約300 nm、約350 nm、約400 nm、約450 nm、約500 nm、約550 nm、約600 nm、約650 nm、約700 nm、約750 nm、約800 nm、約850 nm、約900 nm、約950 nm、約1000 nm、または100 nm超となるような密度で、提供され得る。
固体支持体は間接的に官能化されてもよい。例えば、固体支持体がPEG化されてもよく、PEG分子の全部またはサブセットに官能基が付加されてもよい。
いくつかの場合において、固体支持体へのSNAPの結合効率は高い場合がある。いくつかの場合において、固体支持体へのSNAPの結合効率は中程度であり得る。いくつかの場合において、固体支持体へのSNAPの結合効率は低い場合があり得る。固体支持体へのSNAPの結合効率は、クラスターの配列、対応する結合パッチのサイズと比べてのSNAPのサイズ、結合に影響を与えるように修飾された構造をSNAPが有している程度、SNAPの年齢、SNAPと接触するバッファーの貯蔵条件、SNAPの貯蔵条件;結合の達成が期待される溶媒のpHまたは他の特性(大きく影響を与え得る);正のカチオンの割合、および温度を含むがこれらに限定されない多くの要因によって影響され得る。いくつかの場合において、固体支持体へのSNAPの結合の信頼度は高い場合がある。いくつかの場合において、固体支持体へのSNAPの結合の信頼度は中程度であり得る。いくつかの場合において、固体支持体へのSNAPの結合の信頼度は低い場合がある。
いくつかの態様において、固体支持体は光学的に不透明であり得る。いくつかの場合において、固体支持体は、1つまたは複数の波長で光学的に透明であり得る。いくつかの場合において、固体支持体は、部分的に光学的に透明であり得、またはいくつかの領域において光学的に透明であり得る。例えば、固体支持体は、官能化されていない領域において光学的に不透明であり、かつ、官能化されている領域において光学的に透明であり得る。
図2は、所望の間隔で配置された結合部位を有する固体支持体を製造するための方法を示す。最初に、基体を提供する。いくつかの態様において、基体はガラスであり得る。特に、いくつかの態様において、基体は、他の例の中でも、非晶質ガラス、溶融シリカ、または石英であり得る。いくつかの態様において、基体はシリコンであり得る。いくつかの態様において、基体の厚さは、100ミクロン未満、100ミクロン、150ミクロン、200ミクロン、300ミクロン、400ミクロン、500ミクロン、600ミクロン、700ミクロン、800ミクロン、900ミクロン、1ミリメートル、2ミリメートル、または2ミリメートル超であり得る。
最初に、基体を、例えばピラニアクリーニングを用いて、クリーニングする。いくつかの態様において、基体をエッチングすることなく基体をクリーニングするために、強酸を使用して基体をクリーニングしてもよい。いくつかの態様において、界面活性剤を使用して基体をクリーニングしてもよい。あるいは、溶媒、超音波処理で、またはプラズマ、例えばO2もしくはN2プラズマで、またはその組み合わせで、基体をクリーニングしてもよい。
いったん基体がクリーニングされると、クロム層を基体の裏面に堆積する。堆積方法としては、例えば、蒸着またはスパッタリングが挙げられ得る。いくつかの態様において、基体が不透明である場合、裏面クロム蒸着は適用されなくてもよい。裏面クロム蒸着は、1オングストローム、2オングストローム、10オングストローム、10ナノメートル、20ナノメートル、30ナノメートル、40ナノメートル、50ナノメートル、60ナノメートル、70ナノメートル、80ナノメートル、90ナノメートル、100ナノメートル、150ナノメートル、200ナノメートル、250ナノメートル、300ナノメートル、400ナノメートル、500ナノメートル、または500ナノメートル超の厚さを有し得る。あるいは、他の例の中でも、アルミニウム、タングステン、および/またはチタン等の他の金属が、基体の裏面上の堆積に使用され得る。あるいは、誘電体ミラーが、基体の裏面上の堆積に使用され得る。
さらに、基体の正面にフィデューシャルが作られてもよい。フィデューシャルは、少なくとも1つの材料層を付加することによって、およびこの少なくとも1つの層をパターニングすることによって、作られ得る。いくつかの態様において、そのような材料はクロムであることができ、かつ/またはそのような材料はタングステンもしくは金のような他の金属であってもよい。あるいは、誘電体ミラーをフィデューシャルのための材料として使用することができる。あるいは、例えばZrO2のような金属酸化物をフィデューシャルのために使用することができる。そのような材料のパターニングは種々の方法で行うことができる。フィデューシャル材料をパターニングするための第1の方法は、当該材料のブランケット層を堆積させ、次いで選択領域内のこの材料を保護し、保護されていない領域中の材料を除去することである。これは、例えば、基体の正面を感光材料(例えば、フォトレジスト)でコーティングし、それをマスクを通してUV光に露光し、次いでそれを現像することによりこのフォトレジストをパターニングすることによって、達成することができる。フィデューシャル材料のエッチングは、ウェットエッチング(例えば酸)またはドライエッチング(例えば反応性イオンエッチング、RIE)によって行われ得る。あるいは、最初にフォトレジストが堆積およびパターニングされ得る。いくつかの態様において、最初にフォトレジストが堆積およびパターニングされる場合、そのようなフォトレジストを含まない領域が画定され、次いでフォトレジストの上にフィデューシャル材料が堆積され得る。次いでフォトレジストが(例えば、溶媒浴において超音波処理を用いて)除去され得、最初にフォトレジストを含まなかった領域上にフィデューシャル材料が残り得る(例えば、リフトオフ技術を使用する)。あるいは、フィデューシャルは、例えば、基体の正面上のフォトレジストの層をパターニングし、次いでフォトレジストでコーティングされていない領域内の基体をドライエッチングすることにより、選択領域内の基体から材料を除去することによって、作られ得る。別の選択肢では、フィデューシャルは、(例えばレーザ溶融および/またはフラクショニングにより)基体を局所的に修飾することによって、画定され得る。フィデューシャルは、様々な形状、線、および/または配向で生じる。いくつかの態様において、フィデューシャルのパターンが基体に適用され得る。さらに別の態様において、フィデューシャルの形状は、基体の表面上のそれらの場所についての情報をコード化するために変わり得る。
基体の正面にフィデューシャルのパターンが作られると、この正面は、区別をしてコーティングされ得、関心対象の生物学的物体(例えば、タンパク質に共有結合している核酸クラスター)が固定化され得るフィーチャーを画定する。第1の態様において、表面は、2つのシランで(例えば、フィールドはHMDSまたはPEG-シランで、固定化スポット上はAPTESで)区別をしてパターニングされ得る。この差次的なパターニングは、例えば、表面上に最初のHMDS層、続いてリフトオフ層、続いて任意選択の反射防止層、続いてフォトレジスト層を堆積することによって、達成される。いくつかの態様において、不透明基体が使用される場合、反射防止層は提供されなくてもよい。
フォトレジストが適用されると、第2のリソグラフィー工程が提供され得る。特に、所望のフィーチャーが提供され得る。いくつかの態様において、所望のフィーチャーはおよそ300 nmの長さを有し得る。いくつかの態様において、フィーチャーは、50 nm未満、100 nm、150 nm、200 nm、250 nm、300 nm、350 nm、400 nm、450 nm、500 nm、600 nm、700 nm、または700 nm超の長さを有し得る。いくつかのさらなる態様において、この第2のリソグラフィーを行うために表面に堆積された1つまたは複数の層は、この第2のリソグラフィーの現像工程によってエッチングされなくてもよい(例えば、反射防止コーティング)。
裏面コーティングが提供される態様において、裏面コーティングは、例えば、ウェットエッチングまたはドライエッチングなどの使用を通じて、除去され得る。さらに、方向性反応性イオンエッチング(RIE)が、リソグラフィー工程によって除去されなかった層(例えば反射防止コーティング)を除去するために提供され得る。
ホールが提供されると、クリーニングが行われ得る。図2において見られるように、酸素プラズマクリーニングおよび活性化工程が提供される。いったんチップがクリーニングされると、アミノ-シラン堆積が提供され得る。いったんアミノ-シラン堆積が提供されると、チップ製造の部分は、例えば熱いDMFを使用して、リフトオフされ得る。さらに、超音波処理工程が行われ得る。結果として生じたチップは、生物学的アッセイの評価のためのフローセルにおいて使用され得る。
代替の態様において、表面はシラン層および金属層で区別をして(例えば、固定化スポット上は(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES)で、フィールド中はクロムで)パターニングされ得る。別の態様において、表面はシラン層および金属酸化物層で区別をして(例えば、フィールド中はPEG-シラン層で、固定化スポット上はZrO2層で)パターニングされ得る。さらに別の態様において、表面は、固定化スポット上はシラン層(例えばアシルプロテインチオエステラーゼ(APTS)で、フィールド中は金属酸化物層(例えばZrO2)およびPEG-ホスホン酸層で区別をしてパターニングされ得る。
本開示の生物学的または化学的実体は、空間的分離が望まれる任意の生物学的または化学的実体であり得る。いくつかの態様において、生物学的または化学的実体はタンパク質である。いくつかの場合において、タンパク質は、細胞もしくは組織ホモジェネート由来、生体液由来、または環境サンプル由来のタンパク質であり得る。いくつかの場合において、生物学的または化学的実体は抗体であり得る。いくつかの態様において、生物学的または化学的実体は核酸である。例えば、生物学的または化学的実体は、DNA、RNA、mRNA、tRNA、またはmiRNAであり得る。いくつかの態様において、生物学的または化学的実体は糖質である。いくつかの態様において、生物学的または化学的実体は複合ポリマーである。いくつかの態様において、生物学的または化学的実体は、小分子、例えば、複合ポリマーではない化学物質である。
本開示の生物学的または化学的実体はシードに結合され得る。これらのシードは、より大きなポリマー分子へと成長させるための出発「シード」として使用され得る分子である。シードは、ポリマーへと成長させることができるモノマーであり得、またはポリマーへと成長させることができるモノマーを含み得る。概して、シードは、分子に共有結合され得る分子である。シードは極性を有し得、その結果、シードの一つの官能基だけが、分離される分子のうちの1つの分子に結合することができ、一方、シードの別の1つまたは複数の官能基がポリマーについての出発点を形成することができる。
シード中に存在し得るモノマーの例としては、オリゴヌクレオチド、糖質、タンパク質、アミロイド、原線維、およびテトラトリコペプチド反復配列が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの場合において、シードは小分子である。
シードは、モノマーと、分離される生物学的または化学的実体に結合することができる官能基とを含み得る。そのような官能基の例としては、アミン、チオール、カルボン酸、三重結合、二重結合、エポキシド、アルキン、アルケン、シクロアルキン、アジド、シクロオクチン、シクロアルキン、ノルボルネン、テトラジン、シクロオクタン、エポキシド、およびヒドロキシルが挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの場合において、シードは、クリックケミストリーに適合する官能基を含み得る。いくつかの場合において、シードはまた、シードと官能基との間にリンカーまたはスペーサーを含み得る。いくつかの場合において、リンカーまたはスペーサーは光切断可能な結合を含み得る。いくつかの場合において、シードは、その5'末端においてアミン基にコンジュゲートしているオリゴヌクレオチドを含み得る。いくつかの場合において、シードは、その5'末端においてクリックケミストリーコンポーネントにコンジュゲートしているオリゴヌクレオチドを含み得る。
いくつかの場合において、少なくとも1つが生体分子である2つの分子の間で共有結合を形成するために、バイオコンジュゲーションが使用され得る。バイオコンジュゲーションは、これらに限定されないが、化学的コンジュゲーション、酵素的コンジュゲーション、フォトコンジュゲーション、熱的コンジュゲーション、またはその組み合わせを介して形成され得る。(本開示について参照により本明細書に組み入れられる、Spicer, C. D., Pashuck, E. T., & Stevens, M. M., Achieving Controlled Biomolecule-Biomaterial Conjugation. Chemical Reviews., 2018, 118, Pgs. 7702-7743、およびGreg T. Hermanson, “Bioconjugate Techniques”, Academic Press; 3rd Edition, 2013)。いくつかの場合において、シードおよび生物学的実体(例えばSNAP)または化学的実体の両方が官能化され得る。両方のパートナーを官能化することは、コンジュゲーション反応の効率または速度を改善し得る。例えば、シード、生物学的実体、または化学的実体の化学的活性部位のスルフヒドリル基(-SH)またはアミン(-NH2)は、コンジュゲーション反応のより大きな反応性または効率を可能にするために官能化され得る。任意の様々なスルフヒドリル反応性(もしくはチオール反応性)またはアミンコンジュゲーション化学が、スルフヒドリルまたはアミン基へ化学的部分をカップリングするために使用され得る。例としては、ハロアセチル、マレイミド、アジリジン、アクリロイル、アリール化剤、ビニルスルホン、ピリジルジスルフィド、TNB-チオール、および/または他のスルフヒドリル反応性/アミン反応性/チオール反応性剤の使用が挙げられるが、これらに限定されない。これらの基の多くは、アルキル化(例えば、チオエーテル結合もしくはアミン結合の形成による)またはジスルフィド交換(例えば、ジスルフィド結合の形成による)のいずれかを通じてスルフヒドリル基にコンジュゲートする。バイオコンジュゲーションについての反応に関するより多くの戦略および詳細を以下に記載し、これらは他の適切な生体分子にまで拡大され得る。
バイオコンジュゲーションは、一部分において、化学的部分またはリンカー分子と生体分子上の化学的活性部位との化学反応によって成し遂げられ得る。化学的コンジュゲーションは、アミド形成反応、還元的アミノ化反応、N末端修飾、チオールマイケル付加反応、ジスルフィド形成反応、銅(I)触媒アルキン-アジド付加環化(CuAAC)反応、歪み促進型アルキン-アジド付加環化反応(SPAAC)、歪み促進型アルキン-ニトロン付加環化(SPANC)、逆電子要請型Diels-Alder(IEDDA)反応、オキシム/ヒドラゾン形成反応、フリーラジカル重合反応、またはその組み合わせを介して進行し得る。酵素媒介コンジュゲーションは、トランスグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、ソルターゼ、SpyTag-SpyCatcher、またはその組み合わせを介して進行し得る。光によるコンジュゲーションおよび活性化は、光アクリレート架橋反応、光チオール-エン反応、光チオール-イン反応、またはその組み合わせを介して進行し得る。いくつかの場合において、コンジュゲーションは非共有相互作用を介して進行し得、これらは、自己組織化ペプチド、結合配列、ホスト-ゲスト化学、核酸、またはその組み合わせを通じてであり得る。
いくつかの場合において、部位選択的な方法が、生体分子の反応部分を修飾して、コンジュゲーション効率、使いやすさ、再現性を増加させるために用いられ得る。これらの共通の戦略は、典型的に、部位選択的バイオコンジュゲーションために用いられる。(i)総括的な反応性ハンドルを標的とするのではなく、多くの中から単一のモチーフを選択することができる修飾戦略。これは、配列、局所環境、または反応性の僅かな差を囲むことによって決定され得る。タンパク質配列内の特定のアミノ酸または単一の位置でのグリカンを修飾する酵素の能力は、特に顕著である。タンパク質N末端またはグリカンのアノマー位の独特の反応性を標的とするもののような、優れた化学選択性を示す反応もまた、このカテゴリー内に入る。(ii)天然生合成経路を乗っ取ることによる、非天然官能性の部位特異的組み込みが、利用され得る。(iii)化学合成を介しての独特の反応性の導入が利用され得る。ペプチドおよびオリゴヌクレオチドの完全なまたは部分的な合成が、特に固相アプローチを使用して、広まっている。これらの技術は、正確な位置制御で多種多様の官能化モノマーを導入する能力を用いて、100アミノ酸または200ヌクレオチドまでの配列へのアクセスを可能にする
いくつかの場合において、生体材料-生体分子コンジュゲートを作るために、化学的コンジュゲーション技術が適用され得る。バイオコンジュゲーションについて使用される官能基は、生体分子にネイティブであってもよく、または合成的に組み込まれてもよい。下記の説明図において、RおよびR'は、生体分子(例えば、しかし以下に限定されない:SNAP、タンパク質、核酸、糖質、脂質、代謝産物、小分子、モノマー、オリゴマー、ポリマー)および/または固体支持体であり得る。
いくつかの場合において、還元的アミノ化がバイオコンジュゲーションのために利用され得る。アミンは、水の脱離を伴って、アルデヒドと可逆的に反応して一時的なイミン部分を形成し得る。この反応は迅速な平衡において起こり、コンジュゲートされていない出発材料が、高濃度の水に起因して水性条件において強く好まれる。しかし、第2の段階において、不安定なイミンは、シアノ水素化ホウ素ナトリウムでの処理を介して対応のアミンへ不可逆的に還元され得る。この穏やかな還元剤は、未反応アルデヒの存在下でさえイミンの選択的還元を可能にする。結果として、生体分子の不可逆的コンジュゲーションが、関心対象の生体材料へ徐々に生じ得る。対照的に、水素化ホウ素ナトリウムのようなより強い還元剤はまたアルデヒドを還元することができる。この2段階還元的アミノ化プロセスはまたケトンの修飾のために利用され得る。例えば、還元的アミノ化は、従って、過ヨウ素酸ナトリウム処理アルギネートおよびキトサンスキャフォールドの修飾のために主に使用されてきた。反応性の順序もまた、開鎖形態で生成された末端アルデヒド/ケトンを活用することによって、還元糖の結合について逆転され得る。この戦略は、例えば、それぞれ、マルトースおよびラクトースの還元的アミノ化を介して、ECM中における天然コラーゲンのグルコシル化およびガラクトシル化パターンを模倣するために活用され得る。
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のイソチオシアネートが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、生体分子のイソチオシアネートは、アミン、スルフヒドリル、チロシン側鎖のフェノラートイオン、または他の生体分子のような求核剤と反応して、2つの分子間に安定な結合を形成し得る。
Figure 0007438966000001
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のイソシアネートが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、イソシアネートは、アミン含有分子と反応して安定したイソ尿素結合を形成し得る。
Figure 0007438966000002
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のアシルアジドが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、アシルアジドは、第1級アミンと反応してアミド結合を形成し得る活性化カルボキシレート基である。
Figure 0007438966000003
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のアミドが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、反応性N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステルの使用が特に広まっている。NHS-エステルが前もって形成され得る一方、しばしば、それらは、N-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-N′-エチルカルボジイミド(EDC)カップリング化学の使用を通じて、代わりにインサイチュで生成され、関心対象の化学種に直接カップリングされる。活性化NHS-エステルの形成は弱酸性条件(pH約5)下で好まれるが、その後のアミドカップリングはより高いpHで促進され、ここでアミンカップリングパートナーはプロトン化されない。約6.5の中間pHでの1段階修飾が可能である。コンジュゲーションは、典型的に、先ずpH 5で活性NHS-エステルを形成し、その後、pHを約8へ上げ、そしてアミンカップリングパートナーを添加することによって、2段階手順で行われる。いくつかの場合において、水溶性誘導体スルホ-NHSを選択肢として利用してもよい。いくつかの場合において、生体分子のNHSエステルは、N端末α-アミンおよびリジン側鎖ε-アミンとは対照的に、チロシン、セリン、およびトレオニン-OH基と反応およびカップリングし得る。
Figure 0007438966000004
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体の塩化スルホニルが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、第1級アミン含有分子との塩化スルホニル化合物の反応は、塩素原子の喪失およびスルホンアミド結合の形成と共に進行する。
Figure 0007438966000005
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のトシル酸エステルが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、反応基を含むトシル酸エステルは、スルホニルエステル誘導体を生じる、4-トルエンスルホニルクロリド(塩化トシルまたはTsClとも呼ばれる)とヒドロキシル基との反応から形成され得る。スルホニルエステルは、求核剤とカップリングして共有結合を生成し得、第1級アミンとの第2級アミン結合、スルフヒドリル基とのチオエーテル結合、またはヒドロキシルとのエーテル結合を生じさせ得る。
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のカルボニルが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、カルボニル基、例えば、アルデヒド、ケトン、およびグリオキサールは、アミンと反応して、それらの遊離形態と平衡状態にあるシッフ塩基中間体を形成し得る。いくつかの場合において、アルデヒド化合物およびアミン含有分子を含有する反応媒体への水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムの添加は、シッフ塩基中間体の還元および共有結合形成をもたらし、2つの分子間に第2級アミン結合を作る。
Figure 0007438966000006
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のエポキシドまたはオキシランが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、生体分子のエポキシドまたはオキシラン基は、開環プロセスにおいて求核剤と反応し得る。反応は、第1級アミン、スルフヒドリル、またはヒドロキシル基と起こり得、それぞれ、第2級アミン、チオエーテル、またはエーテル結合を作る。
Figure 0007438966000007
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のカーボネートが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、カーボネートは求核剤と反応し、カルバメート結合を形成し得、ジスクシンイミジルカーボネートは、ヒドロキシル含有分子を活性化し、アミン反応性スクシンイミジルカーボネート中間体を形成するために使用され得る。いくつかの場合において、このカーボネート活性化手順は、タンパク質または他のアミン含有分子へのポリエチレングリコール(PEG)のカップリングにおいて使用され得る。いくつかの場合において、タンパク質の第1級アミノ基のような求核剤は、スクシンイミジルカーボネート官能基と反応し、安定したカルバメート(脂肪族ウレタン)結合を与え得る。
Figure 0007438966000008
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のハロゲン化アリールが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、フルオロベンゼン誘導体等のハロゲン化アリール化合物が、タンパク質のようなアミン含有分子と共有結合を形成するために使用され得る。アミノ酸側鎖のチオール、イミダゾリル、およびフェノラート基等の他の求核剤もまた、反応して生体分子または固体支持体と安定な結合を形成し得る。いくつかの場合において、フルオロベンゼン型化合物は、ホモ二官能性架橋剤中の官能基として使用されてきた。例えば、アミンとのそれらの反応は、置換アリールアミン結合を作る、アミン誘導体でのフッ素原子の求核置換を伴う。
Figure 0007438966000009
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のイミドエステルが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、タンパク質のα-アミンおよびε-アミンは、ホモ二官能性イミドエステルとの反応によって標的とされて架橋され得る。いくつかの場合において、2つのタンパク質を二官能性イミドエステルクロスリンカーとコンジュゲートした後、過剰なイミドエステル官能基は、エタノールアミンでブロックされ得る。
Figure 0007438966000010
いくつかの場合において、カルボジイミドが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。一般に、カルボジイミドは、それぞれ、カルボキシレート基およびアミンまたはホスフェートおよびアミン間のアミドまたはホスホロアミデート結合の形成を媒介するために使用され得るゼロレングス架橋剤である。カルボジイミドはゼロレングス試薬であり、何故ならば、これらの結合の形成において、追加の化学構造がコンジュゲーティング分子間に導入されないためである。いくつかの場合において、N-置換カルボジイミドは、カルボン酸と反応し、高反応性のO-アシルイソ尿素誘導体を形成し得る。この活性種は、次いで、第1級アミンのような求核剤と反応し、アミド結合を形成し得る。いくつかの場合において、スルフヒドリル基は活性種を攻撃し、チオエステル結合を形成し得る。いくつかの場合において、ヒドラジド含有化合物もまた、カルボジイミド媒介反応を使用してカルボキシレート基にカップリングされ得る。二官能性ヒドラジド試薬を使用して、カルボキシレートは、他のカルボニル化合物とコンジュゲートすることができる末端ヒドラジド基を有するように修飾され得る。
いくつかの場合において、オリゴヌクレオチドの5′ホスフェートのような、リン酸基を含有する生体分子もまた、カルボジイミド媒介反応を使用することによってアミン含有分子にコンジュゲートされ得る。例えば、生体分子のカルボジイミドは、カルボキシレートとのその反応に類似する中間リン酸エステルへホスフェートを活性化し得る。アミンの存在下でエステルが反応し、安定なホスホロアミデート結合を形成する。
Figure 0007438966000011
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体の酸無水物が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。無水物は、求核剤に対して高反応性であり、タンパク質および他の生体分子の多数の重要な官能基をアシル化することができる。例えば、無水物と反応することができるタンパク質官能基としては、N端末でのα-アミン、リジン側鎖のε-アミン、システインスルフヒドリル基、チロシン残基のフェノラートイオン、およびヒスチジンのイミダゾリル環が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの場合において、タンパク質分子における無水物に反応性の部位は、結合している任意の糖鎖の修飾である。いくつかの場合において、ポリペプチド鎖中のアミノ基修飾に加えて、糖タンパク質が、それらの多糖ヒドロキシル基にて修飾され、エステル化誘導体を形成し得る。
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のフルオロフェニルエステルが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。フルオロフェニル(flurophenyl)エステルは、アミンと反応し得る別のタイプのカルボン酸誘導体であり得、フルオロフェノール化合物のエステルからなり、これは、タンパク質および他の分子とアミド結合を形成することができる基を作る。いくつかの場合において、フルオロフェニルエステルは、ペンタフルオロフェニル(PFP)エステル、テトラフルオロフェニル(TFP)エステル、またはスルホ-テトラフルオロフェニル(STP)エステルであり得る。いくつかの場合において、フルオロフェニルエステルは、弱アルカリ性pH値でアミン含有分子と反応し、NHSエステルと同じアミド結合連結を提供する。
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のヒドロキシメチルホスフィンが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。ヒドロキシメチル基置換を有するホスフィン誘導体は、カップリングまたは架橋目的のためにバイオコンジュゲーション剤として作用し得る。例えば、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン(THP)およびβ-[トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィノ]プロピオン酸(THPP)は、アミンのような求核剤と自発的に反応して共有結合を形成する、小さな三官能性化合物である。
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のチオール反応性が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、システインのチオール基は、20個のタンパク新生アミノ酸において見られる最も求核性の官能基である。pHの注意深い制御を通じて、リジンのような他の求核残基を上回る選択的修飾が容易に達成され得る。別の例、オリゴヌクレオチドのチオール修飾が、誘導体化を可能にするために使用され得、しかし、増強された化学的直交性で代替の反応性ハンドルが導入され得る容易さは、生体材料-コンジュゲーションについての使用を限定してきた。さらに、マイケル付加としても公知の、α,β-不飽和カルボニルへのチオールのコンジュゲート付加が、組織工学、機能材料、およびタンパク質修飾の分野においてポリペプチドコンジュゲートを形成するために使用され得る。一般に、反応速度およびコンジュゲーション効率は、3つの要因によって主に制御され、必要に応じて改変され得る:(i)チオールのpKa;(ii)Michaelアクセプターの求電子性;(iii)触媒の選択。(i)に関して:チオレートアニオンはマイケル付加中の活性求核剤であり、脱プロトン化を受けるチオールの傾向は、チオレート濃度および従って反応速度を決定し得る。例えば、脂肪族相当物と比較した場合の、芳香族チオールのより低いpKaは、反応速度のより高い速度をもたらし、弱塩基が触媒するために使用される。結果として、局所構造は、特にポリペプチド基体についての、コンジュゲーション効率を有意に変更することができる。システイン含有ペプチドのpKaおよび反応性は、周囲のアミノ酸の合理的な選択を通じて有意に変更され得、リジンおよびアルギニンのような、正に帯電しているアミノ酸の存在は、チオールpKaを低下させそして従って反応性を増強するように作用する。(ii)に関して:Michaelアクセプターはより電子不足となり、それは求核攻撃に対してより活性化状態となり、従って反応速度は増加する。生体材料分野において最も広く利用されるアクセプター内で、反応性の傾向は、マレイミド > ビニルスルホン > アクリレート > アクリルアミド > メタクリレートと一般化され得る。(iii)に関して、マイケル付加は、塩基性または求核性触媒作用のいずれかによって促進され得る(活性チオレートの濃度を増加させることによって両方とも作用するが)。
いくつかの場合において、チオールの独特の求核性は、多数の代替の求電子剤との選択的反応に活用され得、これは、効率的かつ選択的な生体分子結合が達成されることを可能にする。例えば、1つのそのような基はα-ハロカルボニルであり、ヨードアセトアミドベースの試薬は特定の有用性を見出す。より高いチオール選択性は、反応性もまた劇的に減少するが、より低い求電子性のブロモおよびさらにはクロロ誘導体を使用して、達成され得る。ごく最近になって、メチルスルホニルヘテロ芳香族誘導体が、チオール特異的コンジュゲーションについての見込みのある試薬として現れた。他の場合において、代替のチオール反応性ハンドル、例えば、ジスルフィド架橋ピリダジンジオン、カルボニルアクリリック試薬、およびシクロプロペニルケトンが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のスルフヒドリルが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。いくつかの場合において、活性化ハロゲン誘導体の3つの形態が、スルフヒドリル反応性化合物を作るために使用され得る:ハロアセチル、ハロゲン化ベンジル、およびハロゲン化アルキル。これらの化合物の各々において、ハロゲン基は、攻撃的な求核性物質によって容易に置き換えられ、HX(ここで、Xはハロゲンであり、水素は求核剤に由来する)の喪失を伴ってアルキル化誘導体を形成し得る。ハロアセチル化合物およびハロゲン化ベンジルは典型的にヨウ素または臭素誘導体であり、一方、ハロ-マスタードは主に塩素および臭素形態を用いる。ヨードアセチル基はまた、親和性リガンドをクロマトグラフィー支持体にカップリングさせるために首尾よく使用されてきた。
Figure 0007438966000012
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のマレイミドが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。マレイミドの二重結合はスルフヒドリル基とのアルキル化反応を受け、安定なチオエーテル結合を形成し得る。
Figure 0007438966000013
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のアジリジンが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。この複素環の立体障害が大きい性質は、求核剤に対する強い反応性をそれに与える。例えば、スルフヒドリルは、開環プロセスにおいてアジリジン含有試薬と反応し、チオエーテル結合を形成する。最も単純なアジリジン化合物、エチレンイミンは、利用可能なスルフヒドリル基をアミンに変換するために使用することができる。いくつかの場合において、置換アジリジンは、ホモ二官能性および三官能性架橋剤を形成するために使用され得る。
Figure 0007438966000014
いくつかの場合において、チオール-マレイミド反応は、低濃度でコンジュゲーションを行うために、または生体分子基体の価値に起因して極めて高い効率を必要とする場合に、特に有用である。バイオコンジュゲーションにおけるマレイミドの使用は、二官能性試薬スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(より一般的にはその省略形SMCCによって呼ばれる)でのアミンの修飾を通じて、それらが広範囲のスキャフォールド材料中へ導入され得る容易さによってさらに増強される。例えば、この試薬は、選択した生体材料上にマレイミド反応性ハンドルを先ず導入し、次いでペプチドおよび成長因子の両方の結合を可能にして生物活性スキャフォールドを製造するために、広く使用されてきた。
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のアクリロイルが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。反応性二重結合は、スルフヒドリル基での付加反応を受けることができる。いくつかの場合において、スルフヒドリル基とのアクリロイル化合物の反応は、安定なチオエーテル結合の生成と共に生じる。いくつかの場合において、アクリロイルは、スルフヒドリル反応性蛍光プローブ、6-アクリロイル-2-ジメチルアミノナフタレンの設計において用途が見出された。
Figure 0007438966000015
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のアリール基が、スルフヒドリル基とのバイオコンジュゲーションのために利用され得る。ハロゲン化アリールはアミン含有分子を修飾してアリールアミン誘導体を形成するために一般的に使用されるが、それらはまた、非常に容易にスルフヒドリル基と反応し得る。例えば、フルオロベンゼン型化合物は、ホモ二官能性架橋剤中の官能基として使用されてきた。求核剤とのそれらの反応は二分子求核置換を伴い、スルフヒドリル誘導体でのフッ素原子の置き換えを引き起こし、置換アリール結合を作る。スルフヒドリル基で形成されたコンジュゲートは、過剰なチオール(例えばDTT)で切断することによって可逆的である。
Figure 0007438966000016
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のジスルフィド基が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。いくつかの場合において、ジスルフィド基を含有する化合物は、別のチオールとのジスルフィド交換反応に参加することができる。ジスルフィド交換(相互交換とも呼ばれる)プロセスは、ジスルフィドでのチオールの攻撃、-S-S-結合の破壊、元のジスルフィド化合物の部分を含む新しい混合ジスルフィドのその後の形成を伴う。チオール含有還元剤を使用するタンパク質中のスルフヒドリルへのジスルフィド基の還元は、混合ジスルフィドの中間体形成を通じて進行する。いくつかの場合において、架橋または修飾反応は、ジスルフィド交換プロセスを使用し、スルフヒドリル含有分子とジスルフィド結合を形成し得る。
Figure 0007438966000017
いくつかの場合において、ジスルフィド結合が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、ジスルフィド交換反応の使用は、関心対象のペプチドまたはタンパク質を導入するために好まれ得る。組織工学における最も一般的に使用される試薬は、反応性ピリジルチオ-ジスルフィドに基づき、これは、急速なチオール交換を受け、不十分に求核性で分光学的に活性な2-メルカプトピリジンを放出する。さらに、ジスルフィド結合形成の可逆的性質に起因して、切断は、ジチオトレイトール(DTT)またはグルタチオンのような還元剤の添加によって時間的に正確に制御され得る。
いくつかの場合において、ピリジルジチオール官能基が、バイオコンジュゲーションのためのクロスリンカーまたは修飾試薬の構築において使用され得る。ピリジルジスルフィドは、4,4′-ジピリジルジスルフィドと協力して2-イミノチオランの反応を通じて分子上の利用可能な第1級アミンから作られ得る。例えば、タンパク質または他の生体分子、2-イミノチオラン、および4,4′-ジピリジルジスルフィド間の同時反応は、一段階で、反応性ピリジルジスルフィド基を含有する修飾をもたらす。ピリジルジスルフィドは、遊離スルフヒドリルとの相互交換反応を容易に受け、単一の混合ジスルフィド生成物をもたらす。
Figure 0007438966000018
いくつかの場合において、脱離基5-チオ-2-ニトロ安息香酸で活性化されたスルフヒドリル基が、本明細書に記載されているような、ピリジルジスルフィドと同様のジスルフィド相互交換によって遊離チオールをカップリングするために使用され得る。エルマン試薬のジスルフィドは、遊離スルフヒドリルとのジスルフィド交換を容易に受け、混合ジスルフィドを形成し、発色物質5-スルフィド-2-ニトロベンゾエート(5-チオ-2-ニトロ安息香酸(TNB)とも呼ばれる)の1つの分子の同時放出を伴う。TNB-チオール基は、スルフヒドリル含有標的分子との相互交換を再び受け、ジスルフィド架橋をもたらし得る。スルフヒドリル化合物とカップリングすると、TNB基は放出される。
Figure 0007438966000019
いくつかの場合において、ジスルフィド還元が、TCEP、DTT、2-メルカプトエタノール、または2-メルカプトエチルアミンのようなチオール含有化合物を使用して行われ得る。
Figure 0007438966000020
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のビニルスルホン基が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、生体分子-材料コンジュゲートを形成するための活性化ビニルスルホンへのチオールのマイケル付加が使用されおり、システインキャップドペプチドが、ビニルスルホン官能化マルチアームPEGを架橋してプロテアーゼ応答性ヒドロゲルを形成し得、組織増殖中に細胞侵入を可能にすることを実証した。いくつかの場合において、チオールに加えて、ビニルスルホン基はより高いpH条件下でアミンおよびヒドロキシルと反応し得る。チオールとビニルスルホンとの反応の生成物は単一の立体異性体構造を与える。加えて、ビニルスルホンを含有するクロスリンカーおよび修飾試薬は、チオール反応基を含有するように表面または分子を活性化するために使用され得る。
Figure 0007438966000021
いくつかの場合において、チオール含有生体分子は、金属イオンおよび金属表面と相互作用し、バイオコンジュゲーションについての供与結合を形成し得る。いくつかの場合において、酸素および窒素含有有機または生体分子は、様々なランタニドキレート、二官能性金属キレーティング化合物、およびFeBABEにおいてなど、金属イオンをキレート化するために使用され得る。さらに、タンパク質中のアミノ酸側鎖および補欠分子族は、活性中心の一部としての金属イオンに配位することによって、生物無機モチーフをしばしば形成する。
Figure 0007438966000022
いくつかの場合において、チオール有機化合物は、金属表面または粒子をコーティングし、生物学的適合層を形成するかまたは生体分子のさらなるコンジュゲーションのための官能基を作るために、慣例的に使用され得る。例えば、チオール含有脂肪族/PEGリンカーは、平坦な金表面および粒子上に自己組織化単分子膜(SAM)を形成するために使用されてきた。
Figure 0007438966000023
いくつかの場合において、多数の代替のカップリングシステムが生体分子官能化のために使用され得る。これらは、O-ニトロフェニルエステル(これは水性条件において低下した安定性を有する)または1,1′-カルボニルジイミダゾール(CDI)の使用を含み、アミドではなくアミン架橋カルバメート結合を形成する。ヒドラジンもまた、EDC/NHS媒介カップリング中にアミンの代わりに使用することができる。ヒドラジン官能化ペプチドは、pH 5~6にて一段階で生体材料にカップリングされ得る。そうすることで、ある程度の部位選択性が、存在するリジン残基にわたって達成され得る。このアプローチは、反応基をアルギン酸ヒドロゲルにコンジュゲートさせるために、Madlおよび共同研究者によって首尾よく実施され、成長因子および接着ペプチドでの間接的官能化を可能にする。
いくつかの場合において、生体分子のN末端修飾が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、2-ピリジンカルボキサルデヒド修飾アクリルアミドヒドロゲルは、ECMタンパク質のN末端と特異的に反応し得、隣接するアミド結合と環状イミダゾリジノン生成物を形成し、これらの重要なバイオインストラクティブモチーフの配向ディスプレイを可能にする。
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のアクリレート、アクリルアミド、およびメタクリレートが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のチオール-インが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。
いくつかの場合において、ネイティブ・ケミカル・ライゲーション(NCL)のようなチオール反応性コンジュゲーションが、ペプチド結合の形成を介してペプチドおよびタンパク質を生体材料スキャフォールドに結合させるために利用され得る。例えば、C末端チオエステルを有するペプチドは、別のペプチド中のN端末システイン残基と反応し、トランスチオエステル化反応を受け、これは、システインチオールを有する中間体チオエステルの形成をもたらす。
いくつかの場合において、(ストレプト)アビジンの強力な結合が、バイオコンジュゲーションのために小分子ビオチンについて使用され得る。いくつかの場合において、(ストレプト)アビジンおよびビオチンは、バイオコンジュゲーションのために生体分子または固体支持体に結合され得る。いくつかの場合において、修飾試薬は、タンパク質、核酸、および他の生体分子へ官能性ビオチン基を付加することができる。いくつかの場合において、ビオチン化化合物上に存在する官能性に依存して、抗体または他のタンパク質上の特異的反応基は、(ストレプト)アビジン結合部位を作るように修飾され得る。アミン、カルボキシレート、スルフヒドリル、および糖質基は、ビオチン誘導体の適切な選択を通じてビオチン化のために特異的に標的とされ得る。いくつかの場合において、光反応性ビオチン化試薬が、修飾のための好都合な官能基を含有しない分子へ非選択的にビオチン基を付加するために使用される。いくつかの場合において、ビオチン結合性タンパク質が、ビオチン化分子のカップリングにおける使用のために、表面、クロマトグラフィー支持体、マイクロ粒子、およびナノ粒子上に固定化され得る。いくつかの場合において、一連の(ストレプト)アビジン-ビオチン相互作用は互いで構築され得、各四量体(ストレプト)アビジン分子の多価の性質を利用し、標的についての検出能力を増強する。いくつかの場合において、ビオチンの吉草酸側鎖の(off)反応基を含有し得るアミン反応性ビオチン化試薬は、タンパク質および他の分子中の第1級アミンと共有結合を形成することができる。いくつかの場合において、NHSエステルはアミンと自発的に反応してアミド結合を形成し、一方、カルボキシレート含有ビオチン化合物は、EDCを使用するカルボジイミド媒介反応を介してアミンにカップリングされ得る。いくつかの場合において、NHS-イミノビオチンは、アミン含有分子をイミノビオチンタグで標識するために使用され得、アビジンまたはストレプトアビジンとの可逆的結合ポテンシャルを提供する。いくつかの場合において、スルホ-NHS-SS-ビオチン(NHS-SS-ビオチンとしても公知)は、アミン含有タンパク質および他の分子を修飾するために使用され得る長鎖切断可能ビオチン化試薬である、スルホスクシンイミジル-2-(ビオチンアミド)エチル-1,3-ジチオプロピオネートである。いくつかの場合において、伸長したスペーサーアームの末端にマレイミド基を含有するビオチン化試薬である、1-ビオチンアミド-4-[4′-(マレイミドメチル)シクロヘキサン-カルボキサミド]ブタンは、タンパク質および他の分子中のスルフヒドリル基と反応し、安定なチオエーテル結合を形成する。いくつかの場合において、N-[6-(ビオチンアミド)ヘキシル]-3′-(2′-ピリジルジチオ)プロピオンアミド、ここで、試薬は、ビオチンの吉草酸側鎖に結合している1,6-ジアミノヘキサンスペーサー基を含有し、スペーサーの末端アミノ基は、SPDPの酸前駆体とのアミド結合を介してさらに修飾され、末端スルフヒドリル-反応基を作り得る。ビオチン-HPDPのピリジルジスルフィド末端は、タンパク質および他の分子中の遊離チオール基と反応し、ピリジン-2-チオンの喪失を伴ってジスルフィド結合を形成し得る。
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のカルボキシレートが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。いくつかの場合において、ジアゾメタンおよび他のジアゾアルキル誘導体が、カルオキシレート基(caroxylate group)を標識するために使用され得る。いくつかの場合において、N,N′-カルボニルジイミダゾール(CDI)は、非水性条件下でカルボン酸と反応し、高反応性のN-アシルイミダゾールを形成するために使用され得る。活性カルボキシレートは、次いでアミンと反応してアミド結合を形成し得るか、またはヒドロキシル基と反応してエステル結合を形成し得る。さらに、CDIでのスチレン/4-ビニル安息香酸コポリマーの活性化は、酵素リゾチームまたは他の生体分子をその利用可能なアミノ基を通してマトリックス上のカルボキシル基に固定化するために使用され得る。
Figure 0007438966000024
いくつかの場合において、カルボジイミドは、バイオコンジュゲーションのためのアミン含有化合物または固体支持体とのカップリングのために、カルボキシレート基を活性化することができるゼロレングス架橋剤として機能する。いくつかの場合において、カルボジイミドは、カルボキシレートおよびアミンまたはホスフェートおよびアミン間のアミドまたはホスホロアミデート結合の形成を媒介するために使用され得る。
いくつかの場合において、N,N′-ジスクシンイミジルカーボネートまたはN-ヒドロキシスクシンイミジルクロロホルメートが、バイオコンジュゲーションにおいて利用され得る。N,N′-ジスクシンイミジルカーボネート(DSC)は、本質的に2つのNHSエステルを含有するカルボニル基からなる。化合物は求核剤に対して高反応性である。水溶液中でDSCは加水分解し、1分子のCO2の放出を伴ってN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)の2つの分子を形成する。非水性環境において、試薬は、ヒドロキシル基をスクシンイミジルカーボネート誘導体へ活性化するために使用され得る。DSC-活性化ヒドロキシル化合物は、アミン含有分子とコンジュゲートして安定な架橋化生成物を形成するために使用され得る。
Figure 0007438966000025
いくつかの場合において、過ヨウ素酸ナトリウムが、隣接する炭素原子上のヒドロキシル基を酸化し、バイオコンジュゲーションのためのアミン-またはヒドラジド-含有分子とのカップリングに適した反応性アルデヒド残基を形成するために使用され得る。例えば、これらの反応は、還元的アミノ化によるアミン含有分子のその後のコンジュゲーションについて糖質または糖タンパク質において架橋性部位を生成するために使用され得る。
いくつかの場合において、酵素が、ヒドロキシルを含有する糖質を酸化し、バイオコンジュゲーションのためのアルデヒド基を作るために使用され得る。例えば、末端ガラクトースまたはN-アセチル-d-ガラクトース残基上のガラクトースオキシダーゼの反応は、多糖鎖上にC-6アルデヒド基を形成するように進行する。これらの基は、次いで、アミン-またはヒドラジド-含有分子とのコンジュゲーション反応のために使用され得る。
いくつかの場合において、反応性アルキルハロゲン化合物が、バイオコンジュゲーションのために糖質、ポリマー、および他の生体分子中のヒドロキシル基を特異的に修飾するために使用され得る。
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のアルデヒドまたはケトンが、バイオコンジュゲーションのために使用され得る。例えば、ヒドラジンの誘導体、特に、カルボキシレート基から形成されたヒドラジド化合物は、標的生体分子中のアルデヒドまたはケトン官能基と特異的に反応し得る。ヒドラジドおよびアルデヒド間の結合をさらに安定させるために、ヒドラゾンは、二重結合を還元して確かな共有結合を形成するために、シアノ水素化ホウ素ナトリウムと反応され得る。
Figure 0007438966000026
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のアミノオキシ基が、バイオコンジュゲーションのために使用され得る。例えば、アルデヒド基およびアミノオキシ基間で生じる化学選択的ライゲーション反応は、多くのバイオコンジュゲーション反応において、ならびに表面を含む不溶性支持体へのリガンドのカップリングにおいて使用されてきたオキシム結合(アルドキシム)を生成する。この反応はまた、ケトンで非常に効率的であり、ケトキシムと呼ばれるオキシムを形成する。
Figure 0007438966000027
いくつかの場合において、付加環化反応が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。バイオコンジュゲーションのための付加環化反応において、2つ以上の不飽和分子が一緒にされ、不飽和度の低下を伴う環状生成物が形成され、必要とされるこれらの反応パートナーは自然系には典型的に存在せず、従って、コンジュゲーションのための付加環化の使用は、生体分子カップリングパートナー内における非天然官能性の導入を必要とする。
Figure 0007438966000028
いくつかの場合において、銅触媒アジド-アルキン付加環化が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。いくつかの場合において、アジドおよびアルキン間の(3 + 2)付加環化は、高温(>90℃)で自発的に進行し、2つのトリアゾール異性体の混合物が生成される。いくつかの場合において、この反応は、室温、周囲、酸素化、および/または水性環境で進行する。いくつかの場合において、例えば、アジド-官能化PEGとヒドロゲルを形成するためにアルキン-キャップドペプチドを使用する、CuAACによるペプチド-材料コンジュゲートの形成。いくつかの場合において、アミノ酸であるアジドリジンおよびホモプロパルギルグリシンが固相ペプチド合成によって導入され得る容易さに一部分において起因して、CuAACは、アルキンおよびアジド官能化ペプチドおよび糖質でスキャフォールドを官能化するために広く使用されてきた。いくつかの場合において、CuAACを介して生体材料コンジュゲーションを達成するために、必要な銅(I)触媒は、直接添加され得るか、または最も一般的にはアスコルビン酸を使用して、最初の銅(II)錯体の還元によってインサイチュで生成され得る。還元剤の添加は、酸素に対するCuAACライゲーションの感受性をさらに弱める。追加のリガンドはトリアゾール形成のために必要でないが、第3級アミンベースのリガンドの添加が使用され得る。
いくつかの場合において、歪み促進型アジド-アルキン付加環化(SPAAC)が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。いくつかの場合において、高度に歪んだシクロオクチンは、いかなる添加される触媒の必要なく、生理的条件下でアジドと容易に反応してトリアゾールを形成する。いくつかの場合において、ペプチドコンジュゲーションのためのSPAACの使用に加えて、多数の優れたレポートが、タンパク質カップリングパートナー中への非天然アジドモチーフの導入を介してシクロオクチン官能化生体材料へタンパク質基体をコンジュゲートするためにSPAACを使用した。いくつかの場合において、例えば、これは、骨形成タンパク質2(BMP-2)中に存在する天然システインのマレイミド官能化を含めることによって、IFN-γの酵素媒介N端末修飾を介して、または多数のタンパク質基体中の非天然アミノ酸4-アジドフェニルアラニンでのコドン再定義を介して、達成される。いくつかの場合において、超分子ホスト-ゲスト相互作用も、アジド-アルキン付加環化を促進するために使用することができる。例えば、2つの反応性パートナーをククルビット[6]ウリルホストの空孔内で接近させることによって、タンパク質の表面で効率的な付加環化が達成され得、この戦略は他の適切な生体分子にまで拡大され得る。
いくつかの場合において、逆電子要請型Diels-Alder反応(IEDDA)が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、1,2,4,5-テトラジンおよび歪んだアルケンまたはアルキン間の逆電子要請型Diels-Alder (IEDDA)反応が用いられ得る。生体分子コンジュゲーションを行うための広範囲の好適な誘導体が報告されており、例えば、一連のますます歪んだ(従って反応性の)trans-シクロオクテンが利用され得る。いくつかの場合において、官能化ノルボルネン誘導体がIEDDA反応を行うために利用され得る。いくつかの場合において、トリアジンが利用され得る。いくつかの場合において、スピロヘキセンが利用され得る。これらの戦略は他の適切な生体分子にまで拡大され得る。いくつかの場合において、マレイミドおよびフランのヘテロ-Diels-Alder付加環化が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、マレイミド-官能化PEG-ヒドロゲルへのフラン-官能化RGDSペプチドのカップリングが利用され得、この戦略は他の適切な生体分子にまで拡大され得る。いくつかの場合において、フラン官能化ヒアルロン酸ヒドロゲルが、Diels-Alder付加環化を介してジマレイミド-官能化ペプチドと架橋され得る。MMP切断可能ペプチドは、ゲルを通っての播種された癌の移動を可能にする。
いくつかの場合において、オキシムおよびヒドラゾン形成が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。いくつかの場合において、ヒドラゾン形成を介しての生体材料へのペプチドおよびDNAの安定な結合は、二官能性架橋を介して達成することができ、この戦略は他の適切な生体分子にまで拡大され得る。いくつかの場合において、ヒドロキシルアミン-官能化合成ポリマーへのケトンまたはアルデヒド修飾緑色蛍光タンパク質(GFP)またはメタロチオネインの結合は、他の適切な生体分子にまで拡大され得る。例えば、タンパク質架橋ヒドロゲルは、タンパク質N末端およびC末端の両方でのオキシム修飾を通じて生成された。
いくつかの場合において、Diels-Alder反応は、バイオコンジュゲーションについての6員環複合体を形成するためのジエンとアルケンの共有結合カップリングからなる。
Figure 0007438966000029
いくつかの場合において、遷移金属錯体がバイオコンジュゲーションのために利用され得る。後期遷移金属の性質は、不飽和かつ分極化可能な官能基(オレフィン、アルキン、ヨウ化アリール、アリールボロン酸など)の操作に遷移金属錯体を適合させ得る。例えば、Pd(0)-官能化マイクロスフェアは、細胞質中におけるカルバミン酸アリル脱保護およびSuzuki-Miyauraクロスカップリング(cross-couping)を媒介し得る。他の例において、ルテニウム触媒は、生細胞内のケージ化フルオロフォアのカルバミン酸アリル脱保護を媒介するために使用され得る。いくつかの場合において、細胞培養におけるパラジウムベースの適用の適用には、銅フリーのSonagashiraカップリング、大腸菌細胞の表面上での細胞外Suzukiカップリング、およびセレノ硫酸アリル塩とのチオール基のコンジュゲーションが含まれる。いくつかの場合において、オレフィンメタセシスが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、ルテニウム錯体を用いて、S-アリルシステインは、デヒドロアラニンへのアリルチオールのコンジュゲート付加、システインの直接アリル化、アリルジスルフィドの脱硫、またはメチオニン栄養要求性大腸菌中におけるメチオニン代用物としての代謝組み込みを含む、様々な方法によってタンパク質中へ容易に導入され得る。
Figure 0007438966000030
いくつかの場合において、ボロン酸誘導体での複合体形成が、バイオコンジュゲーションのために使用され得る。例えば、ボロン酸誘導体は、1,2-または1,3-ジオール、1,2-または1,3-ヒドロキシ酸、1,2-または1,3-ヒドロキシルアミン、1-2-または1,3-ヒドロキシアミド、1,2-または1,3-ヒドロキシオキシム、ならびにこれらの化学種を含有する様々な糖または生体分子からなる隣接する官能基を有する他の分子と環構造を形成することができる。
Figure 0007438966000031
いくつかの場合において、酵素媒介コンジュゲーションが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、トランスグルタミナーゼ酵素ファミリーは、リジン側鎖の第1級アミン間のイソペプチド結合および相補的グルタミン残基のアミド結合の形成を触媒し、この戦略は他の適切な生体分子にまで拡大され得る。他の場合において、ペルオキシダーゼ媒介コンジュゲーションが、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、ホースラディシュペルオキシダーゼ(HRP)が、チロシン(tyrosie)のフェノール基のような広範囲の有機基体を酸化し、自発的二量体化を受ける高反応性のラジカルまたはキノン中間体を生成し、2つのチロシン残基間にオルト炭素-炭素結合を形成させるために利用され得、この戦略は他の適切な生体分子にまで拡大され得る。いくつかの場合において、短鎖ペプチドタグがバイオコンジュゲーションのために利用され得る。これらのペプチドタグは、5アミノ酸長という短さであり得、ペプチドまたはタンパク質基体へ付加され得、これはそれらのその後の修飾を可能にする。
いくつかの場合において、低分子量モノマーの重合が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。重合は、2つの機構のうちの1つ、鎖成長または段階的成長のいずれかを介して進行すると分類され得る。鎖成長重合中、モノマーは成長中のポリマー鎖の「活性」末端で付加され、低変換でさえ高分子量材料の形成がもたらされる。段階的成長重合中、短いオリゴマー鎖がカップリングしてポリマー化学種を形成し、高分子量に達するために高変換を必要とする。両方の技術が生体分子-ポリマーコンジュゲートを形成するために使用され得る。アクリレートおよびメタクリレートモノマーの重合は、特に有益であると分かった。例えば、アクリレートおよびメタクリレート修飾ペプチドおよびグリカンは容易に重合され得る。同様に、合成オリゴヌクレオチドホスホロアミダイト構築ブロック「Acrydite」、フリーラジカル重合の利用可能性は、DNAおよびRNA官能化生体材料を形成するための最も一般的な方法のうちの1つのままである。コモノマーの存在下で重合を行うことによって、生体分子提示の密度は容易に調整され得、立体障害からの潜在的な困難が克服されることを可能にする。重合の開始は、熱、UVおよび可視光、酸化還元反応、ならびに電気化学を含む、多数の手段によって誘発され得る。アクリレート修飾タンパク質もまた、重合を受け、生物学的活性を保持しつつ機能材料を生成し得る。いくつかの場合において、リビングラジカル重合(LRP)がバイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、バイオコンジュゲートの形成のための最も一般的に使用されるLRPとしては、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合、およびニトロキシド媒介重合(NMP)が挙げられる。
いくつかの場合において、フォトコンジュゲーションがバイオコンジュゲーションのために利用され得る。いくつかの場合において、重合はラジカル化学種の生成によって開始され、これは次いで結合形成を通じて伝わり、活性ポリマー鎖を作る。開始段階は、多数の刺激を介して引き起こされ得、開始化学種の熱分解、酸化還元活性化、および電気化学的イオン化が最も一般的である。あるいは、多くの開始剤は、光誘起される光分解性結合切断(タイプI)または共開始剤からのプロトンの光活性化引き抜き(タイプII)を介して活性化され得る。光開始は、使用される開始剤に依存する狭く調整可能な活性化波長を使用して、広い温度範囲にわたって適用可能であること、急速に生成するラジカル、および光源を除去することによって重合を制御する能力という利点を提供する。重要なことには、酸素に対する重合の耐性が大幅に増強され、細胞および組織の存在下での重合を可能にする。光重合中のアクリレート-官能化ペプチドおよびタンパク質の組み込みが、生体材料コンジュゲートを製造するための方法として使用され得る。あるいは、前もって形成された材料上のペンダントビニル基へのポリペプチドの光開始結合もまた、広く報告されており、ごく最近になって、二光子励起を介しての3Dパターニングのために使用された。広範囲の光開始剤(photoinitator)がフォトコンジュゲーションコンジュゲーションにおいて使用され得る。例えば、これらに限定されないが、Eosin Υ、2,2-ジメトキシ-2-フェニル-アセトフェノン、Igracure D2959、フェニル-2,4,6-トリメチルベンゾイルホスフィン酸リチウム、およびリボフラビンが、光開始剤として使用され得る。光開始剤は、一般に、光を吸収し、光化学反応プロセスを開始する。いくつかの場合において、フォトコンジュゲーションは光チオール-エン反応を利用し得る。チオールはまたフリーラジカル機構を介してアルケンと反応し得る。チオールラジカルは、先ず、アルケンと反応し、炭素中心ラジカルを生成し、これは、次いで、別のチオールからのプロトンを引き抜き、従って反応を伝える。光チオール-エン反応は、電子リッチアルケンによって加速され得、これは、チオール-水素を素早く引き抜くことができる不安定な炭素-ラジカル中間体を生成する。この規則における例外は、ノルボルネン誘導体であり、ここで、反応性は、代わりに、チオール付加時の環歪みの解放によって駆動される。これは、ノルボルネン > ビニルエーテル > プロペニル > アリルエーテル > アクリレート > マレイミドという反応性の一般的傾向に至る。ノルボルネンおよびアリルオキシカルボニル(アロック基)は、それぞれ、鎖移動のほぼ無視できる寄与およびペプチド合成中のそれらの導入の容易さに起因して、ペプチド/タンパク質-生体材料官能化のために特に広く使用されてきた。例えば、固相ペプチド合成中の直交リジン保護基として典型的に使用される、アロック基は、効率的な光チオール-エン反応性ハンドルである。他の例において、ノルボルネン光チオール-エン反応は、生物活性ペプチドおよび成長因子タンパク質の係留および空間パターニングのために使用され得る。最も一般的に使用されるアロックおよびノルボルネン反応基に加えて、他のアルケンもまた生体材料官能化のために使用されてきた。例えば、コドン再定義が、タンパク質中へアリル-システイン残基を部位特異的に組み込むために使用されており、これは、その後、光チオール-エン反応の使用を通じてコンジュゲーションを受け得る。あるいは、アクリレートは、システインキャップドペプチドの存在下において混合モード光重合を受け得、一方、アリルジスルフィド構造は、コンジュゲートしたチオールの可逆的で制御された交換を受けることが最近示された。
いくつかの場合において、生体分子または固体支持体のアリールアジドまたはハロゲン化アリールアジド(halogenate aryl azide)が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。
Figure 0007438966000032
いくつかの場合において、光反応基ベンゾフェノンがバイオコンジュゲーションのために利用され得る。
Figure 0007438966000033
いくつかの場合において、光反応基アントラキノンがバイオコンジュゲーションのために利用され得る。
いくつかの場合において、光チオール-イン反応がバイオコンジュゲーションのために利用され得る。光チオール-イン反応の大抵の例が、単純なプロパルギル-エーテルまたは-アミン反応性ハンドルを活用した。
いくつかの場合において、反応性官能性のフォトケージングおよび活性化がバイオコンジュゲーションのために利用され得る。一般に、それがアクリレートまたはチオール由来ラジカルであるかどうかにかかわらず、一時的な反応性化学種が形成される。いくつかの場合において、フォトケージングは、それが曝露されることが望ましくなるまで、官能基をマスクまたは保護するために使用され得る。いくつかの場合において、最も広く利用されるケージは、o-ニトロベンジルおよびクマリン発色団に基づく。例えば、ニトロベンジル-キャップドシステイン残基は、325 nm UV光での照射によって脱ケージ化され得、放出されたチオールは、次いで、マイケル付加を介してマレイミド-官能化ペプチドと反応し、細胞移動を導くことができるパターン化ヒドロゲルを生成し得る。いくつかの場合において、6-ブロモ-ヒドロキシクマリンがチオール-ケージングのために使用され得る。いくつかの場合において、光親和性(photoaffinitiy)プローブがバイオコンジュゲーションのために利用され得、ここで、照射で高反応性の中間が、次いで、高い空間精度で最も近いアクセス可能な官能基と素早く反応する。いくつかの場合において、最も一般的に使用されるのは、フェニルアジド、ベンゾフェノン、およびフェニル-ジアジリンである。いくつかの場合において、フォトケージ化付加環化が使用され得る。例えば、テトラゾールのUV照射は、アクリレートまたはアクリルアミドのような電子不足アルケンとの急速な付加環化を受け得る反応性ニトリル-イミン中間体を生成することが示された。いくつかの場合において、チオールとのニトリル-イミン副反応性が、テトラゾール官能化表面へとシステイン含有タンパク質を部位特異的にコンジュゲートさせるために利用され得る。
いくつかの場合において、非共有相互作用がバイオコンジュゲーションのために利用され得る。いくつかの場合において、非共有結合は、細胞内で重要な役割(生体分子インターフェイスを制御することおよびタンパク質-タンパク質相互作用に影響を与えること、DNA-DNA複合体化、DNA-タンパク質インターフェイス、タンパク質局限化など)を果たす。いくつかの場合において、関心対象の生体分子に対する結合親和性を呈する非共有結合配列は、生成後修飾を可能にするか、または天然生体分子が生物学的サンプル内の周囲環境から単に隔離されることを可能にする。最も一般的に使用される結合配列は、インビボで存在するかまたはファージディスプレイ等の技術を通じて決定された公知のタンパク質結合ドメインを含み、種々の供給源に由来する、長さが7~20アミノ酸の短鎖ペプチドである。いくつかの場合において、サイトカイン、血管内皮成長因子(VEGF)、および血小板由来成長因子(PDGF)を含む様々なタンパク質基質、ならびに上皮成長因子受容体(EGFR)等の細胞表面タンパク質に結合させるために、アプタマーとして公知の短鎖オリゴヌクレオチドも使用され得る。いくつかの場合において、結合配列はまた、ヘパリン等の天然バイオポリマーに対する親和性を有する生体材料に導入され得る。いくつかの場合において、最初にバイオポリマー結合を誘導することによって、次いで、添加されたまたは内因性の成長因子またはシグナル伝達タンパク質の生体材料スキャフォールドへの吸着が制御され得る。いくつかの場合において、ペプチドおよびタンパク質の生体材料基体へのコンジュゲーションを可能にするために、アミノ酸レベルでの結合親和性も活用することができる。例えば、非天然カテコールベースのアミノ酸の結合を用いて、金属酸化物含有バイオガラスおよび金属インプラントへの結合を誘導することができ、これらの重要な技術の生物活性が増強されることを可能にする。
いくつかの場合において、自己組織化ペプチドがバイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、天然ペプチドおよびタンパク質は、個々の配列を安定させかつタンパク質間凝集を制御することができる、β-シートおよびα-ヘリックスを含む、一連の二次構造をとる。いくつかの場合において、自己組織化ペプチドは、ヒドロゲルおよび繊維状物質を組織化するために広く使用されてきた。これらの構造の多くにおいて、生物学的エピトープまたは官能基が、系中へ所望の生物活性を加えるために、ペプチド合成中にペプチド構築ブロックの一部または全部へ付加され得る。単純な接着モチーフから、ラミニン由来エピトープ、および成長因子模倣物までの範囲に及ぶペプチド-リガンドが全て、自己組織化原線維の表面上にディスプレイされた。あるいは、細胞外シグナル伝達タンパク質および成長因子を動員し、ヒアルロン酸内のグリコシル化パターンを模倣し、またはグリコサミノグリカンスキャフォールド中の最適なスルホン化比率を調べるために、グリコペプチドを組織化することができる。いくつかの場合において、自己組織化ドメインをまた完全長タンパク質へ付加することができ、ヒドロゲル形成中にペンダント官能性の組み込みをもたらす。いくつかの場合において、二次構造を形成するペプチドの傾向はまた、非自己組織化スキャフォールド内で活用された。これは、PEGの相互貫入網目構造のような非相互作用ポリマーまたは追加の電荷相互作用が最終構築物をさらに安定させるシステム(例えば、正に帯電しているペプチドおよび負に帯電しているアルギン酸ゲルの間で)のいずれかから構成された、共有結合性ヒドロゲル中へ自己組織化ペプチドを混合することによって達成され得る。選択肢として、ペンダントヘリックス基を共有結合性材料に結合させ、コイルドコイル三重らせんへの自己組織化を介しての成長因子のような生物活性群の非共有結合を駆動するために使用することができる。
いくつかの場合において、ホスト-ゲスト化学が、バイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、β-シクロデキストリン修飾アルギネートスキャフォールドの接着性は、ゲスト、ナフチル官能化RGDSペプチドの添加を通じて、およびより高いホスト結合定数を有する非細胞接着性アダマンタン-RGESペプチドをその後導入するによって、インサイチュで制御され得、線維芽細胞付着の動的調節が可能にされた。シクロデキストリンおよびナフチル-またはアダマンタン-官能化ペプチド間のホスト-ゲスト相互作用はアルギネート官能化を可能にし、これは他の適切な生体分子に適用され得る。
いくつかの場合において、ビオチン-(ストレプト)アビジンがバイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、アビジンおよびストレプトアビジンは、それらの小分子結合パートナーである4分子のビオチンに同時に結合することができるホモ四量体タンパク質である。ビオチンの小さなサイズ(僅か244 Daの質量を有する)、およびそれがその遊離カルボン酸を介して官能化され得る容易さは、生体材料コンジュゲーションを行うための手段としての広範囲の用途を見出す、ビオチン-(ストレプト)アビジン結合へ至った。ストレプトアビジン-タンパク質融合は、組み換えによって製造され、適切に官能化された表面に結合され、コンジュゲーションを達成し得る。いくつかの場合において、生体分子ビオチン化が行われ、この構築物は次いで(ストレプト)アビジン官能化表面に結合される。いくつかの場合において、これは、(ストレプト)-アビジンとの材料の化学的プレコンジュゲーションを介しての、直接的経路によって、またはビオチン官能化スキャフォールドの間接的修飾もしくは架橋を媒介するために(ストレプト)アビジンの四量体結合を活用することによって、達成され得る。
いくつかの場合において、核酸がバイオコンジュゲーションのために利用され得る。いくつかの場合において、自己組織化ペプチドと類似の様式で、核酸もまたそれら自体で組織化材料を形成し、生体分子のディスプレイのための調整可能なプラットフォームを生成することができる。いくつかの場合において、DNAタグ化ペプチドおよび成長因子が、適切に官能化された生体材料にコンジュゲートされ、局在化細胞集団に対して所望の生物学的効果を誘発するために使用され得る。
一般に、反応性ハンドルの組み込みがバイオコンジュゲーションのために利用され得る。例えば、生体分子基体にユニークに反応性のモチーフを導入することは、単一部位選択性または特異性が達成されることを可能にする化学的「タグ」を提供する。いくつかの場合において、短鎖ペプチドおよびオリゴヌクレオチドは、典型的に、固相合成(SPS)を介して製造され得る。有機合成の万能性は、本明細書に記載されているように利用可能な広範囲の適切に官能化されたアミノ酸およびオリゴヌクレオチドを用いて、反応性ハンドル組み込みの困難が克服されることを可能にする。いくつかの場合において、代替のアプローチは、所望の反応性ハンドルを有する非天然アミノ酸(UAA)を導入することである。これは、アミン反応性誘導体でのリジン残基の修飾を介して達成され得る。いくつかの場合において、特定のアミノ酸を生合成することができず従って増殖培地からの取り込みを必要とする栄養要求性菌株の使用し、細菌から天然アミノ酸を欠乏させ、構造的に関連する非天然類似体をそれに補うことによって、細菌細胞は、翻訳中にUAAを組み込むことができる。この技術は、メチオニンのアジド-およびアルキン-ベースの模倣物を導入するために使用され得、CuAACおよびSPAAC反応を行うための反応性ハンドルの導入をもたらす。類似した戦略が非天然単糖の組み込みのために使用され得、複合グリカンのリモデリングを可能にする。いくつかの場合において、翻訳中にUAAを選択的に認識およびチャージする直交tRNAおよびtRNAシンテターゼ対を使用するコドン再定義の使用。いくつかの場合において、これは、代替の界由来のtRNACUA/tRNAシンテターゼ対を宿主細胞中へ組み込むことにより、アンバー終止コドンUAGを再定義することによって達成され得る。この対は、内因性細胞機構に対して有効に不可視でありなら、所望のUAAを導入することができる場合がある。結果として、部位特異的突然変異誘発が、コーディングDNAの所望に位置で単一のTAGコドンを導入するために使用され得、高い特異性および選択性でのUAAの単一導入をもたらす。
いくつかの場合において、1つまたは複数の官能基は、別の官能基と、またはSNAPまたは生物学的実体もしくは化学的実体と反応すると、レポーターを放出し得る。SNAPおよび生物学的または化学的実体がコンジュゲートされる場合にレポーターを放出させることは、反応の追跡を可能にし得る。いくつかの場合において、遊離レポーターの濃度をモニタリングすることによって、SNAP-生物学的/化学的実体コンジュゲーション反応の完了の程度をモニタリングすることが可能であり得る。いくつかの場合において、レポーターは、コンジュゲーション反応によっていったん放出されると蛍光を発し得る。
いくつかの場合において、生物学的または化学的実体はリンカーで官能化されてもよい。いくつかの場合において、リンカーで生物学的または化学的実体を官能化することは、立体障害を減少させ得る。リンカーは、SNAPから離れて生物学的または化学的実体を保持することができる剛直または半剛直部分を含み得る。いくつかの場合において、リンカーは、長い、中程度の、または短いリンカーであり得る。いくつかの場合において、リンカーは、他の例の中でも、PEG、DNA、短いカルボキシル、炭素鎖、ペプトイド、スペーサー、および/またはグリセル(glycer)より選択される1つまたは複数のコンポーネントを含み得る。
いくつかの場合において、SNAP、シード、および/または生物学的もしくは化学的実体は、シングル・ポット・プロテオミクス法を使用して官能化され得る。シングル・ポット・プロテオミクス法は、官能化の非常に高い効率をもたらし得る。いくつかの場合において、シングル・ポット・プロテオミクス法は、実体の非常に低いレベルの喪失を伴って生物学的または化学的実体を官能化するために有用であり得る。
いくつかの態様において、SNAPは、シードから成長し得るポリマーである。例えば、シードがDNAオリゴヌクレオチドである場合、SNAPはDNA分子であり得る。いくつかの場合において、SNAPは、分子が自己ハイブリダイズし得るような、内部相補性の領域を有するDNA分子であり得る。例えば、SNAPは、分子内での自己ハイブリダイゼーションによって形成されたDNAクラスターであり得る。いくつかの場合において、SNAPは、DNA、RNA、L-DNA、L-RNA、LNA、PNA、または2つ以上の異なるタイプの核酸の混合物から形成され得る。いくつかの場合において、SNAPは、ヌクレオチドの繰り返し配列等の繰り返し構造を有し得る。いくつかの場合において、SNAPは、繰り返し配列を有さない不規則なポリマーであり得る。例えば、SNAPはヌクレオチドのランダム配列を含み得る。
いくつかの場合において、SNAPはローリングサークル増幅によって形成され得る。テンプレートとしてのプラスミドまたは他の環状核酸分子が、環状核酸分子に結合するプライマーと共に提供され得、ここで、プライマーは5'末端に官能基を含む。十分に長い伸長工程を伴うポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、または単にポリメラーゼ伸長反応を行うことは、官能化プライマーが環状核酸分子に結合し、一本鎖核酸産物を生成することを可能にする。一本鎖核酸産物の長さは、伸長時間、使用するポリメラーゼ酵素、または反応条件を変更することによって影響され得る。いくつかの場合において、環状核酸テンプレートは、内部相補性領域を含有し、その結果、一本鎖核酸産物は、自己ハイブリダイズし得る領域を含有する。いくつかの場合において、環状核酸テンプレートはdsDNA分子である。いくつかの場合において、一本鎖核酸産物はssDNA分子である。いくつかの場合において、使用されるポリメラーゼはDNAポリメラーゼである。
いくつかの場合において、SNAPは、核酸折り紙またはDNA折り紙によって形成され得る。DNA折り紙は、一般に、非恣意的な二次元および三次元形状をナノスケールで作るためのDNAのナノスケールでの折り畳みを指す。相補的塩基対間の相互作用の特異性は、DNAを有用な構築材料にし得る。いくつかの場合において、異なる領域間の相互作用は塩基配列の設計を通じて制御され得る。DNA折り紙は、他の分子を適所に保持するスキャフォールドを作るために、または構造を全て自然に作るために使用され得る。
本明細書に記載されているSNAPは、核酸折り紙を介して作られたものを含み得る。一般に、核酸折り紙はDNA折り紙を指し得るが、核酸折り紙はまた、他の例の中でも、RNA折り紙、DNAおよびRNA分子の組み合わせの折り紙、または、DNAもしくはRNA以外であり得る核酸分子(例えばシリコンベースの核酸)の折り紙を指し得る。核酸折り紙は、設計された形状を有する核酸分子を生じさせ得る。設計された形状は、部分的にまたは完全に計画された形状を有し得る。形状の計画は、核酸のどのセクションが結合するか、どこで核酸のセグメントが折れ得るか、どこで核酸のセグメントが一本鎖であり得るか、どこで核酸のセグメントが二本鎖であり得るか、どこで核酸のセグメントが同じ鎖上の核酸のセグメントに結合され得るか、またはどこで核酸のセグメントが別の鎖上の核酸のセグメントに結合され得るかを計画または設計することを含み得る。いくつかの場合において、タンパク質等の非核酸分子を用いて、設計された形状へと核酸を促すことができる。
概して、核酸折り紙は、少なくとも1つまたは複数の長い核酸鎖および1つまたは複数の短い核酸鎖を含み得る。一般に、これらの核酸鎖は一本鎖であり、しかし、それらは二本鎖であり得るセグメントを有することができる。短い鎖のうちの1つは、長い鎖の第1のセグメントに相補的であり得る少なくとも第1のセグメント、ならびに長い鎖の第2のセグメントに相補的であり得る第2のセグメントを含み得る。短い鎖および長い鎖が、ヌクレオチドのハイブリダイゼーションを可能にし得る条件下でインキュベートされると、より短いオリゴヌクレオチドはより長いオリゴヌクレオチドとハイブリダイズし得る。このハイブリダイゼーションは核酸分子に形状を与え得る。例えば、第1の鎖上の2つのセグメントが離れている場合、これらの2つのセグメントは、ハイブリダイゼーション中に一緒にされ、形状を作り得る。いくつかの場合において、短い鎖は、長い核酸鎖の少なくとも2、3、4、5、または6個の相補的セグメントに結合し得る、少なくとも2、3、4、5、または6個のセグメントに結合し得る。
いくつかの場合において、短い鎖は、長い鎖に相補的であり得ない1つまたは複数のセグメントを有し得る。そのような場合、長い鎖に相補的でないセグメントは、少なくとも約1、2、3、4、5、10、15、または20ヌクレオチド長であり得る。
このプロセスは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300個、またはそれより多くの短い核酸鎖を用いて行うことができる。これらの短い核酸鎖は各々、長い核酸鎖の1つまたは複数の異なるセグメントに結合し得る。長い核酸鎖にハイブリダイズする短い核酸鎖の各々は、長い核酸鎖に折り目をもたらし得る。いくつかの場合において、短い鎖の数は、設計形状の複雑さと相関し得る。例えば、多くの折り目を有する設計形状は、より少ない折り目を有する設計形状と比べて、より多くの短い核酸鎖を利用し得る。設計形状は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300個、またはそれより多くの折り目を有し得る。
いくつかの場合において、複数の長い鎖が核酸折り紙構造に組み入れられ得る。これは、例えば、設計形状の複雑さを増大させるため、設計形状の設計もしくは計画を容易にするため、所望の設計形状よりも熱力学的に安定な形状の生成を回避するため、設計形状の生成をより容易にするため、または設計形状を作るコストを管理するために、行われ得る。
複数の長い鎖の組み入れは、各鎖が他の鎖のセグメントに相補的であり得る少なくとも1つのセグメントを有するように2つ以上の長い鎖を設計することによって、または、各々が短い核酸鎖の領域に相補的であり得る少なくとも1つのセグメントを有するように、両方の長い鎖が短い核酸鎖に相補的なセグメントを有するように、2つ以上の長い鎖を設計することによって、達成され得る。
短い核酸鎖は、1つの長い核酸鎖または複数の長い核酸鎖に対して相補性を有し得る。いくつかの場合において、短い核酸鎖は、1つまたは複数の短い核酸鎖に対しても相補性を有し得る。
用語「長い」および「短い」は、本明細書において、一般的な用語であるように意図される。長い鎖は短い鎖より長くてもよいが、場合によっては、長い鎖は短い鎖と同じサイズであってもよい。いくつかの場合において、長い鎖は、少なくとも約30、40、50、100、150、200、250、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはそれを超えるヌクレオチド長であり得る。いくつかの場合において、短い鎖は、少なくとも約6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、またはそれを超えるヌクレオチド長であり得る。
設計形状は、特定の目的のために設計され得る。例えば、設計形状は、積荷をサポートするため、分子をカプセル化するため、分子に結合するため、2つ以上の分子を連結するため、くぼみにフィットするため、突起に結合するため、または他の目的のために設計され得る。設計形状は、楕円形、長方形、丸、円形、球状、平坦、質感のある、滑らか、対称、非対称、円錐形、または不規則等の任意の形状であり得る。設計形状は、キューブ、ピラミッド、ボックス、ケージ、ラダー、またはツリーであり得る。
上述のような核酸折り紙を介して形成された設計形状またはSNAPは組織化され得る。組織化は、核酸鎖が互いにハイブリダイズして設計形状を作るプロセスを指し得る。
設計形状またはSNAPは自発的に自己組織化し得る。自己組織化は、相補的であり得る領域を有する長いオリゴヌクレオチドおよび短いオリゴヌクレオチドが一緒にインキュベートされる場合に生じ得る。自発的な自己組織化の間、ヌクレオチドはハイブリダイズし得、ヘルパー分子または触媒の助けを借りずにインキュベーション中に設計形状が作られ得る。そのような自己組織化は、特定の条件または一連の特定の条件下で生じ得る。自己組織化のためにDNA鎖をインキュベートする場合に考慮され得る条件は、塩濃度、温度、および時間であり得る。
場合によっては、組織化は触媒を利用または要求し得る。そのような場合、触媒は、組織化を加速し得るか、または組織化が特定の所望の設計形状を生じさせることを保証し得る。触媒は、RNA、DNA、またはタンパク質成分を含み得る。
組織化中の塩濃度は、1 M未満、0.5M未満、0.25 M未満、0.1M未満、0.05 M未満、0.01 M未満、0.005 M未満、または0.001 M未満であり得る。
組織化中の温度は少なくとも室温であり得る。いくつかの場合において、組織化中の温度は、少なくとも約50、60、70、80、85、90、または95℃であり得る。いくつかの場合において、組織化中の温度は変動し得る。例えば、温度は、少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、85、90、または95℃へ上昇し得る。この上昇は、核酸鎖が組織化前に二次構造を含まないことを保証し得る。記載されるように温度が上昇すると、それは、例えば約20、30、40、50、60、70、または80℃へ低下し得る。この温度の低下は、核酸がハイブリダイズすることを可能にし得る。いくつかの場合において、温度の低下は、約0.5、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、45、または60分間にわたって生じ得る。
組織化は段階的に行われ得る。そのような場合、最初に、核酸分子のサブセットが一緒にインキュベートされ得る。これらの分子をハイブリダイズさせた後、1つまたは複数の追加の核酸分子を添加し、ハイブリダイズさせ得る。いくつかの場合において、組織化された2つ以上の設計形状を、より大きな設計形状へと組織化させるために、一緒にインキュベートすることができる。
いくつかの場合において、組織化には、フラクタル組織化が含まれ得る。フラクタル組織化は、設計された形状のアレイであり得るSNAPを作り得る。組織化は段階的に生じ得、これは、設計プロセスを単純化し得るかまたは正確な組織化を保証し得る。そのようなアレイは、少なくとも1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000、またはそれを超える段階で組織化させることができる。いくつかの場合において、使用される段階の数は、偽の相互作用の減少と相関し得る。これは任意の所定の時間での可能な反応の総数の減少に起因し得る。
SNAPはアレイへと組織化され得、これは、少なくとも3×3、少なくとも5×5、少なくとも10×10、少なくとも50×50、少なくとも100×100、または少なくとも1000×1000(設計形状×設計形状)であり得る。
各ハイブリダイゼーション反応は、約10、20、30、40、50、または60秒間かかり得る。いくつかの場合において、各ハイブリダイゼーション反応は、約1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、または60分間かかり得る。いくつかの場合において、ハイブリダイゼーション反応は1時間超を要し得る。
核酸折り紙は、SNAPがどのように固体支持体上に「着地」するかを優先的に選択するために使用され得る。例えば、核酸折り紙は、優先的に固体支持体と接触し得る着地面を有するSNAPを構築するために使用され得る。核酸折り紙を介して作製されたもの等のSNAPは、支持体上でのSNAPの配向に影響を与え得る支持体との立体相互作用または静電相互作用を作り得る領域を含むように設計され得る。例えば、領域は、例えば、SNAPと固体支持体の間の相互作用を促進し得る核酸の骨格への修飾を有するヌクレオチドを含み得る。さらなる例において、領域は、固体支持体上のくぼみまたは突起に「フィット」し得る突起またはくぼみを含み得る。いくつかの場合において、支持体表面は、化学的構造体(例えば、ナノ粒子もしくはオリゴヌクレオチド)、クリック試薬、またはSNAP構造体(核酸折り紙を介して合成されたSNAPを含む)の位置および配向に影響を与え得る他の合理的に設計された材料を含み得る。
核酸折り紙は、生物学的または化学的実体に結合し得るリンカーを有するSNAPを構築するために使用され得、ここでリンカーは、着地面に対して、生物学的または化学的実体が固体支持体に対して遠位またはほぼ遠位となり得るように配置される。リンカーはまた、SNAPからの強固なアウトポストが形成されるようにdsDNAの領域を含み得る。いくつかの場合において、タンパク質折り紙を使用してもよい。
表面は、SNAPが倒れるかまたは傾くことができるような様式でSNAPが表面に結合し得るような特性を有し得る。SNAPは、左側、右側、前側、後ろ側、またはそれらの側の任意の組み合わせの方に、倒れるかまたは傾くことができる。SNAPは、一度倒れるかまたは傾いて所定の位置に留まり得るか、またはSNAPは経時的に複数の側の間を自由に倒れることができる。いくつかの場合において、SNAPは、1つまたは複数の他の方向よりも1つの方向へと優先的に倒れることができる。いくつかの場合において、SNAPは、特定の方向に倒れることを優先的に回避することができる。
いくつかの場合において、例えば、ナノ粒子またはオリゴヌクレオチド鎖等のフィラメント状または鎖状の分子が表面に結合され得る。設計形状を含み得るSNAPは、垂れ下がっている一本鎖オリゴヌクレオチドまたはナノ粒子等のフィラメント状または鎖状の分子に結合し得る1つまたは複数の部分を含み得る。表面をそのようなSNAPと接触させると、1つまたは複数の部分が、フィラメント状または鎖状の分子のうちの1つまたは複数と相互作用し得る。いくつかの場合において、当該部分は、フィラメント状または鎖状の分子に堅く結合し得る。そのような場合、SNAPは取り外し可能または取り外し不可能であり得る。
コンピューターモデリングまたはシミュレーションツールが、オリゴヌクレオチドまたはタンパク質配列を設計および最適化して特定のSNAP構造を作るために用いられ得る。
いくつかの場合において、SNAPは、DNAプラスミド等の核酸プラスミドであり得る。プラスミドは、スーパーコイルDNAとして公知のコンパクトな形態で存在し得る。スーパーコイルプラスミドの半径はプラスミドのサイズによって決定され得、即ち、より長い骨格を有するプラスミドは、より大きなスーパーコイル実体を形成するだろう。いくつかの場合において、SNAPは、5 kb~150 kbの骨格を有するプラスミドを含み得る。いくつかの場合において、SNAPは、5 kb~100 kbの骨格を有するプラスミドを含み得る。いくつかの場合において、SNAPは、5 kb~90 kbの骨格を有するプラスミドを含み得る。いくつかの場合において、SNAPは、25 kb~50 kbの骨格を有するプラスミドを含み得る。いくつかの場合において、SNAPは、少なくとも約5 kb、10 kb、15 kb、20 kb、25 kb、30 kb、35 kb、40 kb、45 kb、50 kb、55 kb、60 kb、65 kb、70 kb、75 kb、80 kb、85 kb、90 kb、95 kb、100 kb、105 kb、110 kb、115 kb、120 kb、125 kb、130 kb、135 kb、140 kb、145 kb、または150 kbの骨格を有するプラスミドを含み得る。いくつかの態様において、SNAPは、NanocyteまたはLeica等のイメージングプラットフォームを使用して画像化され得る。
いくつかの場合において、SNAPは分岐構造を有し得る。例えば、SNAPはデンドリマーであり得る。デンドリマーのいくつかの例は、Newkome, George R., and Carol D. Shreiner. "Poly (amidoamine), polypropylenimine, and related dendrimers and dendrons possessing different 1→ 2 branching motifs: an overview of the divergent procedures." Polymer 49.1 (2008): 1-173に見られ得る。本開示の方法で使用されるデンドリマーは、G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8、G9、G10、G11、G12、G13、G14、またはG15デンドリマーであり得る。いくつかの場合において、デンドリマーは、G15デンドリマーよりも高次であってもよく、例えば、G15~G30のデンドリマーであってもよい。
いくつかの態様において、SNAPは、タンパク質であってもよいし、タンパク質から構成されてもよい。例えば、SNAPはタンパク質原線維であり得る。SNAPは、例えばタウタンパク質またはタウタンパク質の一部分等の、原線維を形成することが公知のタンパク質から構成され得る。集合して原線維を構築するタウの31残基部分が、Stohr, Jan, et al. "A 31-residue peptide induces aggregation of tau's microtubule-binding region in cells." Nature chemistry 9.9 (2017): 874に記載されている。いくつかの場合において、SNAPはテトラトリコペプチド反復配列を含み得る。テトラトリコペプチド反復配列の例は、Blatch, Gregory L., and Michael Lassle. "The tetratricopeptide repeat: a structural motif mediating protein‐protein interactions." Bioessays 21.11 (1999): 932-939に見られ得る。組織化し得るタンパク質の他の例は、Speltz, Elizabeth B., Aparna Nathan, and Lynne Regan. "Design of protein-peptide interaction modules for assembling supramolecular structures in vivo and in vitro." ACS chemical biology 10.9 (2015): 2108-2115に見られ得る。
いくつかの態様において、SNAPは単一分子であってもよい。いくつかの態様において、SNAPは単一分子でなくてもよい。いくつかの場合において、SNAPは、非共有結合するいくつかの分子から構築(組織化)されてもよい。例えば、SNAPは、一緒にハイブリダイズする2つ以上の核酸分子から形成され得る。別の例において、SNAPは、非共有結合を介して一緒に組織化する2つ以上のタンパク質分子から形成され得る。
いくつかの態様において、SNAPは、直径が約50nm~約100umである。
SNAPは概してポリマー分子である。これらは、制御重合反応、段階重合反応、または段階的合成法を通じて成長し得る。SNAPの成長は、利用可能なモノマーの量、反応を進行させる時間の長さ、または行われる合成段階の数によって制御され得る。
各SNAPは、少なくとも約10ナノメートル(nm)、または約10 nm、約50 nm、約75 nm、約100 nm、約125 nm、約150 nm、約175 nm、約200 nm、約225 nm、約250 nm、約275 nm、約300 nm、約325 nm、約350 nm、約375 nm、約400 nm、約425 nm、約450 nm、約475 nm、約500 nm、約525 nm、約550 nm、約575 nm、約600 nm、約625 nm、約650 nm、約675 nm、約700 nm、約725 nm、約750 nm、約775 nm、約800 nm、約825 nm、約850 nm、約875 nm、約900 nm、約925 nm、約950 nm、約975 nm、約1000 nm、約1025 nm、約1050 nm、約1075 nm、約1100 nm、約1125 nm、約1150 nm、約1175 nm、約1200 nm、約1225 nm、約1250 nm、約1275 nm、約1300 nm、約1325 nm、約1350 nm、約1375 nm、約1400 nm、約1425 nm、約1450 nm、約1475 nm、約1500nm、約1525 nm、約1550 nm、約1575 nm、約1600 nm、約1625 nm、約1650 nm、約1675 nm、約1700 nm、約1725 nm、約1750 nm、約1775 nm、約1800 nm、約1825 nm、約1850 nm、約1875 nm、約1900 nm、約1925 nm、約1950 nm、約1975 nm、約2000 nm、約3000 nm、約4000 nm、約5000 nm、約6000 nm、約7000nm、約8000nm、約9000 nm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約40μm、約50μm、約75μm、約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、または約500μm超の直径を有し得る。いくつかの場合において、SNAPは、約100 nm~500nm、約200 nm~約400 nm、約500 nm~約10μm、または約1000 nm~約10μmの直径を有し得る。
いくつかの場合において、SNAPは、クリックケミストリーを使用して固体支持体に共有結合され得る。一般に、用語「クリックケミストリー」は、高収率であり、範囲が広く、クロマトグラフィー無しで除去することができる副生成物だけを生成し、立体特異的であり、行うのが簡単であり、かつ容易に除去可能なもしくは無害な溶媒中で行うことができる、反応を記載するために使用される(参照により本明細書に組み入れられる、McKay, C., & Finn M.G. (2014) Click Chemistry in Complex Mixtures Bioorthogonal Bioconjugation vol 21, Issue 9, pp 1075-1101; M.G. Meldal, M., & Tornoe, C. W. (2008). Cu-Catalyzed Azide-Alkyne Cycloaddition. Chemical Reviews, 108(8), 2952-3015; Lutz, J., & Zarafshani, Z. (2008). Efficient construction of therapeutics, bioconjugates, biomaterials and bioactive surfaces using azide-alkyne “click” chemistry. Advanced Drug Delivery Reviews, 60(9), 958-970)。
いくつかの場合において、クリックケミストリー反応は、CuAAC、SPAAC、SPANC、または本明細書の他の場所において記載される通りであり得る。いくつかの場合において、クリックケミストリー反応は、例えば、CuSO4、Cu(0)、CuBr(Ph3P)3、CuBr、CuBr/Cu(OAc)2、CuBr2、[Cu(CH3CN)4]PF6、PS-NMe2:CuI、シリカ:CuI、(EtO)3P:CuI、CuCl/Pd2(dba)3、CuBF4、CuCl、CuCl2、Cu(AcO)2、Cu(2)、TTA:CuSO4、Cu(1)ゼオライト(USY)、Cu(CH3CN)4OTf、CuOTf、Cu(2):ビス-batho、またはその組み合わせのような、銅源を必要とし得る。いくつかの場合において、銅源は、クリックケミストリー反応が進行するために必要とされない。いくつかの場合において、クリックケミストリー反応の還元剤は、例えば、NaAsc、空気、ICl、酸素、N2、HAsc、TCEP、ジチトレイトール(dithithreitol)(DTT)、PPh3、メルカプトエタノール、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、TCEPT-塩酸、その組み合わせ、または還元剤無しであり得る。いくつかの場合において、クリックケミストリー反応の溶媒は、例えば、THF、ピリジン、DMSO、DMF、トルエン、NMP、アセトニトリル、水、tBuOH、iBuOH、EtOH、MeOH、ジオキサン、ジクロロメタン、HEPES、NaCl緩衝液、アセトン、PBS、SFM、Tris緩衝液、ホウ酸緩衝液、PB、TFH、AcOEt、PIPES、尿素、アセトン、Tris、食塩水、AllOCO2Me、TMS-N3、尿素溶液、重炭酸緩衝液、その組み合わせ、または溶液無しであり得る。いくつかの場合において、クリックケミストリー反応の塩基は、例えば、DIPEA、Lut Na2CO3、iPr2NH、DBU、Et3N、Et3N・HCl、Et3NH+ -OAc、K2CO3、TBAF、CuSO4、PS-NMe2、ピペリジン、所望のpH、またはその組み合わせであり得る。いくつかの場合において、クリックケミストリー反応のリガンドは、例えば、TBTA、プロリン、BMAH、Lut、キラルLig's、ピリジン、His、Batho、TTA、Bim、Phen、Bipy、PMDETA、dNbipy、TRMEDA、またはその組み合わせであり得る。いくつかの場合において、クリックケミストリー反応の温度は、例えば、0~5℃、5~15℃、15~25℃、20~25℃、25~35℃、35~45℃、45~55℃、55~65℃、65~75℃、75~85℃、85~95℃、またはそれを超え得る。いくつかの場合において、クリックケミストリー反応の温度は0℃未満であり得る。いくつかの反応において、クリックケミストリー反応はアルミ箔によって覆われ得る。いくつかの場合において、クリックケミストリー反応は、酸、例えば、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、またはトリブロモ酢酸を含み得る。
いくつかの場合において、コンジュゲーションのためにクロスリンカーが使用され得る。いくつかの場合において、クロスリンカーは、ゼロレングスクロスリンカー、ホモ二官能性クロスリンカー、ヘテロ二官能性クロスリンカー、または三官能性クロスリンカーであり得る。クロスリンカーは、インサイチュでまたは前もって形成されて生体分子中へ組み込まれ得る。
いくつかの場合において、ゼロレングスクロスリンカーが、追加の原子を含有しない結合を形成することによってバイオコンジュゲーションのためのコンジュゲーションを媒介する。従って、分子の1つの原子は、介在するリンカーまたはスペーサー無しで第2の分子の原子に共有結合される。コンジュゲーションスキームにおいて、最終複合体は、架橋される物質に外来構造を追加する化学成分により共に結合している。カルボジイミドは、カルボキシレートおよびアミン間のアミド結合、またはホスフェートおよびアミン間のホスホロアミデート結合の形成を媒介するために使用され得、使用され得る一般的なタイプのゼロレングスクロスリンカーであり、2つのタンパク質分子間で、ペプチドおよびタンパク質間で、オリゴヌクレオチドおよびタンパク質間で、生体分子および表面もしくは粒子間で、または小分子とこれらの任意の組み合わせ間で、コンジュゲートを形成することにおいて効率的である。いくつかの場合において、EDC(またはEDAC;1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)が、カルボキシレートおよびアミンを含有する生体分子をコンジュゲートさせるために使用され得る。いくつかの場合において、CMC、または1-シクロヘキシル-3-(2-モルホリノエチル)カルボジイミド(メトp-トルエンスルホン酸塩として通常合成される)は、バイオコンジュゲーションのためのクロスリンカーとして使用され得る、カルボキシレートを含有する1つの分子とアミンを含有する第2の分子との間にアミド結合を形成するために使用される水溶性試薬である。いくつかの場合において、DIC、またはジイソプロピルカルボジイミドが、ゼロレングスクロスリンカーとしてバイオコンジュゲーションのために使用され得る。いくつかの場合において、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)が、ゼロレングスクロスリンカーとしてバイオコンジュゲーションのために使用され得る。いくつかの場合において、Woodward試薬Kは、N-エチル-3-フェニルイソオキサゾリウム-3′-スルホナート、カルボキシレートおよびアミンの縮合を引き起こしてアミド結合を形成することができるゼロレングス架橋剤である。いくつかの場合において、CDI、またはN,N′-カルボニルジイミダゾールは、ゼロレングスクロスリンカーとしてバイオコンジュゲーションのために使用され得る。いくつかの場合において、シッフ塩基形成および還元的アミノ化が、ゼロレングスクロスリンカーとしてバイオコンジュゲーションのために使用され得る。
いくつかの場合において、ホモ二官能性クロスリンカーが、バイオコンジュゲーションのためのコンジュゲーションを媒介する。いくつかの場合において、ホモ二官能性NHSエステルが、バイオコンジュゲーションのために使用され得る。例えば、Lomant試薬[(ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)、またはDSP])は、8原子スペーサー12Å長を含有するホモ二官能性NHSエステル架橋剤である。DSPのスルホ-NHS型、ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)またはDTSSPは、事前有機溶媒溶解無しで水性反応へ直接添加され得るLomant試薬の水溶性アナログである。いくつかの場合において、アミン反応性、ホモ二官能性、NHSエステル、架橋試薬である、スベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)は、コンジュゲートされた生体分子間に8原子架橋(11.4Å)をもたらす。いくつかの場合において、過ヨウ素酸ナトリウムでの切断に敏感である中心ジオールを含有するホモ二官能性NHSエステル架橋試薬である、酒石酸ジスクシンイミジル(disuccinimidyl tartarate)(DST)は、タンパク質または他のアミン含有分子のα-アミンおよびε-アミンとアミド結合を形成するために使用され得る(may be used forms)。いくつかの場合において、中心スルホン基を含有する非水溶性、ホモ二官能性NHSエステル架橋試薬である、BSOCOES [ビス[2-(スクシンイミジルオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン]、ここで、2つのNHSエステル末端は、タンパク質および他の分子中のアミン基と反応性であり、安定なアミド結合を形成する。いくつかの場合において、両末端にNHSエステル基を含有するホモ二官能性架橋剤である、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート) (EGS)。2つのNHSエステルはアミン反応性であり、約7~9のpH範囲内で、架橋される分子間に安定なアミド結合を形成する。いくつかの場合において、両末端にアミン反応性NHSエステルを含有する非水溶性、ホモ二官能性クロスリンカーである、グルタル酸ジスクシンイミジル(DSG)が、バイオコンジュゲーション(biconjugation)のために使用され得る。いくつかの場合において、利用可能な最も小さいホモ二官能性NHSエステル架橋試薬である、N,N′-ジスクシンイミジルカーボネート(DSC)が使用され得る。いくつかの場合において、アジプイミド酸ジメチル(DMA)、ピメルイミド酸ジメチル(DMP)、スベルイミド酸ジメチル(DMS)、ジメチル3,3′-ジチオビスプロピオンイミダート(DTBP)、1,4-ジ-[3′-(2′-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ブタン、ビスマレイミドヘキサン、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンもしくは1,3-ジフルオロ-4,6-ジニトロベンゼン、DFDNPS (4,4′-ジフルオロ-3,3′-ジニトロフェニルスルホン)、ビス-[β-(4-アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド(BASED)、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、3,3′-ジメチルベンジジン、p-ジアミノジフェニル、またはハロアセチル誘導体が、ホモ二官能性クロスリンカーとして使用され得る。
Figure 0007438966000034
いくつかの場合において、ヘテロ二官能性クロスリンカーが、バイオコンジュゲーションのためのコンジュゲーションを媒介する。ヘテロ二官能性試薬は、2または3段階プロセスでタンパク質および他の分子を架橋するために使用され得る。いくつかの場合において、1つのタンパク質は、クロスリンカーの最も反応性のまたは最も不安定な末端を使用して、ヘテロ二官能性化合物で修飾される。修飾されたタンパク質は、次いで、ゲル濾過または迅速な透析によって過剰な試薬から精製され得る。いくつかの場合において、ヘテロ二官能性は、水性環境において拡大された安定性を示す少なくとも1つの反応基を含有し、従って、コンジュゲートされる第2の分子を添加する前に、活性化中間体の精製を可能にする。例えば、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHSエステル-アレイミド(aleimide)ヘテロ-二官能性は、そのマレイミド官能性の活性を保存したまま、そのNHSエステル末端(最も不安定な官能性)を通じて1つのタンパク質のアミン基と反応するために使用され得る。マレイミド基は、NHSエステル基と比べて水溶液中でより大きな安定性を有するため、マレイミド活性化中間体が作られ得る。迅速な精製工程後、クロスリンカーのマレイミド末端は、次いで、スルフヒドリル含有分子にコンジュゲートさせるために使用され得る。ヘテロ二官能性架橋試薬はまた、標的分子の特定の部分へコンジュゲーション反応を部位指向化するために使用され得る。いくつかの場合において、一方の分子においてはアミンがカップリングされ得、別の分子においてはスルフヒドリルまたは糖質が標的とされる。いくつかの場合において、1つの光反応性末端を含有するヘテロ二官能性試薬が、UV照射によって標的分子中へ非選択的に挿入するために使用され得る。ヘテロ二官能性試薬の別のコンポーネントは、2つの反応性末端を一緒に結ぶ架橋またはスペーサーである。クロスリンカーは、それらの反応性に基づいてだけではなく、それらが有する架橋の長さおよびタイプにも基づいて、選択され得る。いくつかのヘテロ二官能性ファミリーは、それらのスペーサーの長さだけが異なる。架橋の性質はまた試薬の全体的な親水性を左右し得る。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)ベースの架橋は、ヘテロ二官能性化合物全体へ水溶性を提供する親水性試薬を作る。いくつかの場合において、多数のヘテロ二官能性がそれらの架橋内に切断可能基を含有し、実験設計へより大きな柔軟性を与える。少数のクロスリンカーが、それらの官能基の反応性に実際に影響を与える特殊な架橋構成要素を含有する。例えば、それのすぐ隣に芳香環を有するマレイミド基は、それに隣接する脂肪族環を有するマレイミドと比べて、開環および活性の喪失に対してより不安定であることが公知である。さらに、インビボでの使用のためのコンジュゲートは、関連するクロスリンカー上のスペーサーのタイプに依存して異なる特性を有し得る。いくつかのスペーサーは免疫原性であり得、特異的抗体産生をそれらに対して生じさせ得る。他の場合において、インビボでのコンジュゲートの半減期は、特に切断可能試薬を使用する場合、架橋の選択によって変更され得る。いくつかの場合において、ヘテロ二官能性クロスリンカーは、N-スクシンイミジル 3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、標準SPDP、LC-SPDP、スルホ-LC-SPDP、スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン、スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロ-ヘキサン-1-カルボキシレート、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホ-スクシンイミドエステル、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル、スクシンイミジル-3-(ブロモアセトアミド)プロピオネート、スクシンイミジルヨードアセテート、4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシル-ヒドラジド、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド、N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸、スルホスクシンイミジル-2-(p-アジドサリチルアミド)エチル-1,3′-ジチオプロピオネート、N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジド-ベンゾエート、N-スクシンイミジル-6-(4′-アジド-2′-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、スルホスクシンイミジル-6-(4′-アジド-2′-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド、スルホスクシンイミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3′-ジチオプロピオネート、N-スクシンイミジル-(4-アジドフェニル)1,3′-ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル 4-(p-アジドフェニル)ブチレート、スルホスクシンイミジル 2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3′-ジチオプロピオネート、スルホスクシンイミジル 7-アジド-4-メチルクマイン(coumain)-3-アセテート、p-ニトロフェニルジアゾピルベート、p-ニトロフェニル-2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオネート、1-(p-アジドサリチルアミド)-4-(ヨードアセトアミド)ブタン、N-[4-(p-アジドサリチルアミド)ブチル]-3′-(2′-ピリジルジチオ)プロピオンアミド、ベンゾフェノン-4-マレイミド、p-アジドベンゾイルヒドラジド、4-(p-アジドサリチルアミド)ブチルアミン、またはp-アジドフェニルグリオキサールであり得る。
Figure 0007438966000035
クロスリンカーの他の例は、これらに限定されないが、NHS-PEG4-アジド、NHS-ホスフィン、N-γ-マレイミドブチリル-オキシスルホスクシンイミドエステル、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、スルホスクシンイミジル (4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート、スクシンイミジル 3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート)、スルホスクシンイミジル (4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、1-エチル-3-[3-ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩、ピメルイミド酸ジメチル、スルホスクシンイミジル 6-(3'-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート、6-(3'-[2-ピリジルジチオ]-プロピオンアミド)ヘキサノエート、トリス-(スクシンイミジル)アミノトリアセテート、スルホ-NHS-LC-ジアジリン、ビスマレイミドヘキサン、1,4-ビスマレイミドブタン、スルホスクシンイミジル 4-(N-マレイミドフェニル)ブチレート、スルホ-SBEDビオチン標識転移試薬、スクシンイミジル 6-(3(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート、スクシンイミジル 3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート、スルホスクシンイミジル 6-(3'-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート、L-フォト-ロイシン、L-フォト-メチオニン、スルホスクシンイミジル 4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート、Pierce BS(PEG)5、スルホスクシンイミジル 2-((4,4'-アジペンタンアミド)エチル)-1,3'-ジチオプロピオネート、スルホ-NHS-SS-ジアジリン、Pierce SM(PEG)n、NHS-dPEG-Mal、N-ヒドロキシスルホスクシンイミド、スルホスクシンイミジル 4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート、スルホスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N-α-マレイミドアセトキシスクシンイミドエステル、スルホ-NHS-LC-ビオチン、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート、trans-4-(マレイミジルメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート、ビスマレイミドヘキサン、1,8-ビスマレイミド-ジエチレングリコール、N-β-マレイミドプロピオン酸ヒドラジド、N-スクシンイミジル 3-(2-ピリジルジチオ)-プロピオネート、スルホスクシンイミジル 4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド、4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド、3,3'-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート、ビス(スルホスクシンイミジル) 2,2,4,4-グルタレート-d4、またはスクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレートであり得る。
いくつかの場合において、固体支持体またはSNAPに結合しているアルキン誘導体は、例えば、ジベンゾシクロオクチン-アミン、ジベンゾシクロオクチン-酸、ジベンゾシクロオクチン-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、イベンゾ(ibenzo)シクロオクチン-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-S-S-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ジベンゾシクロオクチン-PEG4-酸、ジベンゾシクロオクチン-マレイミド、スルホ-ジベンゾシクロオクチン-ビオチンコンジュゲート、(1R,8S,9s)-ビシクロ[6.1.0]ノナ-4-イン-9-イルメチル N-スクシンイミジルカーボネート、(1R,8S,9s)-ビシクロ6.1.0ノナ-4-イン-9-イルメタノール、APN-BCN、(1R,8S,9s)-ビシクロ6.1.0ノナ-4-イン-9-イルメタノール、エチル (1R,8S,9s)-ビシクロ6.1.0ノナ-4-エン-9-カルボキシレート、アルキン-PEG5-酸、(R)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(S)-3-アミノ-5-ヘキシン酸塩酸塩、(R)-3-(Boc-アミノ)-5-ヘキシン酸、(S)-3-(Boc-アミノ)-5-ヘキシン酸、N-Boc-4-ペンチン-1-アミン、4-ペンチン-1-アミン、Boc-プロパルギル-Gly-OH、3-エチニルアニリン、4-エチニルアニリン、PCビオチン-アルキン、クロロギ酸プロパルギル、プロパルギル-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、N-Z-4-ペンチン-1-アミン、1-アジド-2-(2-(2-エトキシエトキシ)エトキシ)エタン、O-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、Click-iT(登録商標)DIBO-Alexa Fluor(登録商標)488、Click-iT(登録商標)DIBO-Alexa Fluor(登録商標)555、Click-iT(登録商標)DIBO-Alexa Fluor(登録商標)594、Click-iT(登録商標)DIBO-Alexa Fluor(登録商標)647、Click-iT(登録商標)DIBO TAMRA、Click-iT(登録商標)DIBO-ビオチン、Click-iT(登録商標)DIBO-アミン、Click-iT(登録商標)DIBO-マレイミド、Click-iT(登録商標)DIBO-スクシンイミジルエステル、Alexa Fluor(登録商標)488アルキン、Alexa Fluor(登録商標)555アルキン、トリエチルアンモニウム塩、Alexa Fluor(登録商標)594カルボキサミド-(5-(および6-)プロパルギル)、ビス(トリエチルアンモニウム塩、3-プロパルギルオキシプロパン酸、スクシンイミジルエステル、ビオチンアルキン、テトラアセチルフコースアルキン、Oregon Green(登録商標)488アルキン*6-異性体*、ヨードアセトアミドアルキン、または5-カルボキシテトラメチルローダミンプロパルギルアミドであり得る。
いくつかの場合において、固体支持体、SNAP、または生体分子に結合しているアジド誘導体は、例えば、(S)-5-アジド-2-(Fmoc-アミノ)ペンタン酸、(S)-(-)-2-アジド-6-(Boc-アミノ)ヘキサン酸(ジシクロヘキシルアンモニウム)、(S)-2-アジド-3-(4-tert-ブトキシフェニル)プロピオン酸シクロヘキシルアンモニウム塩、L-アジドホモアラニン塩酸塩、(S)-2 アジド-3-(3-インドリル)プロピオン酸シクロヘキシルアンモニウム塩、(S)-2-アジド-3-メチル酪酸シクロヘキシルアンモニウム塩、(S)-2-アジド-3-フェニルプロピオン酸(ジシクロヘキシルアンモニウム)塩、Boc-3-アジド-Ala-OH (ジシクロヘキシルアンモニウム)塩、N-Boc-4-アジド-L-ホモアラニン(ジシクロヘキシルアンモニウム)塩、N-Boc-6-アジド-L-ノルロイシン(ジシクロヘキシルアンモニウム)塩、Boc-4-アジド-Phe-OH、(S)-(-)-4-tert-ブチル水素2-アジドスクシネート(ジシクロヘキシルアンモニウム)塩、N2-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-N6-[(2-プロピニルオキシ)カルボニル]-L-リジン、Fmoc-β-アジド-Ala-OH、2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシルアジド、2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシルアジド3,4,6-トリアセテート、2-アセトアミド-3,4,6-トリ-O-ベンジル-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシルアジド、N-アジドアセチルガラクトサミン-テトラアシル化、N-アジドアセチルグルコサミン、N-アジドアセチルグルコサミン-テトラアシル化、6-アジド-6-デオキシ-1,2:3,4-ジ-O-イソプロピリデン-α-D-ガラクトピラノース、1-アジド-1-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシド、1-アジド-1-デオキシ-β-D-ガラクトピラノシドテトラアセテート、6-アジド-6-デオキシ-D-ガラクトース、1-アジド-1-デオキシ-β-D-グルコピラノシド、2-アジド-2-デオキシ-D-グルコース、6-アジド-6-デオキシ-D-グルコース、1-アジド-1-デオキシ-β-D-ラクトピラノシド、3-アジド-2,3-ジデオキシ-1-O-(tert-ブチルジメチルシリル)-β-D-アラビノ-ヘキソピラノース、2-アジド-D-ガラクトーステトラアセテート、1,2-ジ-O-アセチル-3-アジド-3-デオキシ-5-O-(p-トルオイル)-D-リボフラノース、α-D-マンノピラノシルアジドテトラアセテート、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-1-アジド-1-デオキシ-α-D-ガラクトピラノシルシアニド、2,3,4-トリ-O-アセチル-β-D-キシロピラノシルアジド、3'-アジド-3'-デオキシチミジン、γ-(2-アジドエチル)-ATPナトリウム塩溶液、γ-[(6-アジドヘキシル)-イミド]-ATPナトリウム塩、(2'S)-2'-デオキシ-2'-フルオロ-5-エチニルウリジン、5-エチニル-2'-デオキシシチジン、N6-プロパルギル-ATPナトリウム塩、4-アセトアミドベンゼンスルホニルアジド、(E)-N-(2-アミノエチル)-4-{2-[4-(3-アジドプロポキシ)フェニル]ジアゼニル}ベンズアミド塩酸塩、アジド酢酸NHSエステル、1-アジドアダマンタン、4-アジドアニリン塩酸塩、(4S)-4-[(1R)-2-アジド-1-(ベンジルオキシ)エチル]-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン、NHS-PEG4-アジド、[3aS-(3aα,4α,5β,7aα)]-5-アジド-7-ブロモ-3a,4,5,7a-テトラヒドロ-2,2-ジメチル-1,3-ベンゾジオキソール-4-オール、3'-アジド-3'-2-アジド-1-メチルキノリニウムテトラフルオロボレート、5-アジドペンタン酸、4-アジドフェナシルブロミド、4-アジドフェニルイソチオシアネート、3-(4-アジドフェニル)プロピオン酸、3-アジド-1-プロパンアミン、3-アジド-1-プロパノール、アゾビオチン-アジド、ビオチンピコリルアジド、tert-ブチル 2-(4-{[4-(3-アジドプロポキシ)フェニル]アゾ}ベンズアミド)エチルカルバメート、4-カルボキシベンゼンスルホンアジド、7-(ジエチルアミノ)クマリン-3-カルボニルアジド、エチジウムブロミドモノアジド、エチルアジドアセテート、4-メトキシベンジルオキシカルボニルアジド、アリールアジド、ジアジエリン(diazierine)、またはO-(2-アミノエチル)-O'-(2-アジドエチル)ヘプタエチレングリコール、ブロモアセトミド-PEG3-アジド、ヨードアセトアミド-アジド、Alexa Fluor(登録商標)488アジド、Alexa Fluor(登録商標)488 5-カルボキサミド-(6-アジドヘキサニル)、ビス(トリエチルアンモニウム塩)、Alexa Fluor(登録商標)555アジドトリエチルアンモニウム塩、Alexa Fluor(登録商標)594カルボキサミド-(6-アジドヘキサニル)、ビス(トリエチルアンモニウム塩)、Alexa Fluor(登録商標)647アジドトリエチルアンモニウム塩、3-(アジドテトラ(エチレンオキシ))プロピオン酸スクシンイミジルエステル、ビオチンアジド、L-アジドホモアラニン、L-ホモプロパルギルグリシン、Click-iT(登録商標)ファルネシルアルコールアジド、15-アジドペンタデカン酸、12-アジドドデカン酸、テトラアセチル化N-アジドアセチルガラクトサミン、テトラアセチル化N-アジドアセチル-D-マンノサミン、テトラアセチル化N-アジドアセチルグルコサミン、ヨードアセトアミドアジド、またはテトラメチルローダミン5-カルボキサミド-(6-アジドヘキサニル)であり得る。
いくつかの場合において、SNAPは、SNAPの固有の化学的性質を利用して固体支持体に共有結合され得る。いくつかの場合において、固体支持体は、SNAPに反応性であり得る官能基で覆われ得る。これらの官能基は、例えば、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、アミノ、アミド、アジド、アルキン、アルケン、ホスフェート、スルフヒドリル、チオール、イソチオシアネート、イソシアネート、アシルアジド、NHSエステル、シラン、塩化スルホニル、アルデヒド、エステル、グリオキサール、エポキシド、オキシラン、アルカンチオール、カーボネート、ハロゲン化アリール、イミドエステル、カルボジイミド、無水物、フルオロフェニルエステル、アミン、チミンまたはその組み合わせであり得る。いくつかの場合において、SNAPは、固体支持体上の官能基と反応して共有結合を形成し得る官能基を有し得る。例えば、DNA SNAPは、DNA中の1つまたは複数のチミンを固体支持体上のアミンと反応させることによって、固体支持体に結合され得る。例えば、ポリペプチド鎖のN-末端での-NH2またはポリペプチド鎖のC-末端での-COOHは適切な官能基と反応し、共有結合を通じて固体支持体に結合され得る。いくつかの場合において、例えば、SNAPの官能基は、ヒドロキシル、カルボニル、カルボキシル、アミノ、アミド、アジド、アルキン、シラン、アルケン、ホスフェート、スルフヒドリル、チオール、イソチオシアネート、イソシアネート、アシルアジド、NHSエステル、塩化スルホニル、アルデヒド、エステル、グリオキサール、エポキシド、オキシラン、アルカンチオール、カーボネート、ハロゲン化アリール、イミドエステル、カルボジイミド、無水物、フルオロフェニルエステル、アミン、チミンまたはその組み合わせであり得る。SNAPを固体支持体に結合させるために使用され得る、他のバイオコンジュゲーションプロセス、反応、および官能基は、他の場所において記載される。そのような反応は、自発的であり得るか、または熱もしくは紫外線の適用によって誘発され得る。
いくつかの場合において、シラン化学がバイオコンジュゲーションのために用いられ得る。いくつかの場合において、有機官能性または有機反応性アームを含有する官能性シラン化合物が、生体分子を無機基体にコンジュゲートさせるために使用することができる。特定の適用についての官能基または反応基の適切な選択は、基体へのタンパク質、オリゴヌクレオチド、細胞全体、細胞小器官、またはさらには組織切片の結合を可能にし得る。これらの適用について使用されるオルガノシランは、疎水性相互作用を通じて分子に結合するためのヒドロキシル、アミノ、アルデヒド、エポキシ、カルボキシレート、チオール、およびさらにはアルキル基のような、官能基または反応基を含み得る。いくつかの場合において、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APTS)および3-アミノプロピルトリメトキシシランが、無機表面または粒子上に官能基を作るために使用される。いくつかの場合において、いったん基体上に堆積されると、アルコキシ基は、表面から突出しかつその後のコンジュゲーションに利用可能な第1級アミン基を有する共有結合性ポリマーコーティングを形成する。カルボキシル含有リガンドまたはアルデヒド含有リガンドが、カルボジイミド反応または還元的アミノ化を用いてアミノプロピル基に直接カップリングされてもよい。いくつかの場合において、あるいは、アミノプロピルシラン化合物で最初に誘導体化された表面は、親和性リガンドまたは生体分子をカップリングするための反応基を作るために、スペーサーアームまたはクロスリンカーでさらに修飾され得る。例えば、アミン基は、タンパク質または他の生体分子を連結するためのクリックケミストリーまたはStaudingerライゲーション反応における使用についてNHS-PEGn-アジド化合物で誘導体化され得る。いくつかの場合において、APTS修飾表面は、追加の表面特性および反応性を作るためにアミン反応性クロスリンカーでさらに誘導体化され得る。NHS-PEG4-アジドでの修飾は、他の分子をカップリングするためのクリックケミストリーまたはStaudingerライゲーション反応において使用され得るアジド基中に親水性PEGスペーサー終端を形成する。
いくつかの場合において、一末端にアミン反応基を含有する他の架橋剤もまた、APTS修飾基体を修飾および活性化するために使用され得る。表面は、例えば、糖質の過ヨウ素酸塩酸化を通じて形成されるかまたは糖およびグリカンの還元末端に天然に存在するアルデヒドような、カルボニル含有分子(例えば)とのコンジュゲーションのための反応性ヒドラジンまたはアミノオキシ基を含有するように設計され得る。
いくつかの場合において、ATPS表面(surfac)上のアミン基は、カルボキシレート官能性を作るためにグルタル酸無水物を使用してアシル化され得、これは、次いで、NHSエステルを形成するためにNHS/DCCで活性化された。この誘導体は、アミド結合形成を介してアミン含有タンパク質および他の分子をカップリングするために使用され得る。第2の活性化戦略において、表面上のアミノプロピル基は、アミンをカップリングするための末端イソチオシアネート基を作るために1,4-フェニレンジイソチオシアネート(PDITC)で活性化された。方法は両方とも、アレイにおける使用のためのシリカ表面へのアミン-デンドリマーの首尾よいカップリングをもたらした。いくつかの場合において、アミノシラン化合物を使用して調製されたアミン表面は、コハク酸無水物またはグルタル酸無水物のような無水物との反応を伴う以下のプロトコルを使用してカルボキシレート基を含有するように修飾され得る。修飾後、カルボキシレートは、次いで、EDCおよびスルホ-NHSでのカルボジイミド反応を使用してアミン含有分子をカップリングするために使用され得る。いくつかの場合において、グルタル酸無水物でのAPTS表面の修飾が、バイオコンジュゲーションのために使用され得るアミン含有リガンドのカップリングのための末端カルボキシレートを作る。
いくつかの場合において、アミノシラン表面はまた、生体分子へのその後のカップリングのための反応基を含有するように、二官能性クロスリンカーの使用によって活性化され得る。一つのそのような反応において、N,N'-ジスクシンイミジルカーボネート(DSC)が、スライド表面上のアミンと反応し、末端NHS-カーボネート基を作るために使用され、これは、次いで、バイオコンジュゲーションのために使用され得るアミン含有分子にカップリングされ得る。いくつかの場合において、APTS修飾表面は、DSCで活性化され、タンパク質または他のアミン含有分子をカップリングするためのアミン反応性スクシンイミジルカーボネートを形成し得る。
いくつかの場合において、カルボキシレート基を含有するシランカップリング剤が、アミン含有分子とのその後のコンジュゲーションについてカルボン酸で表面を官能化するために使用され得る。例えば、カルボキシエチルシラントリオールは、シラントリオール無機反応性末端上にアセテートオルガノ基を含有する。シラントリオールコンポーネントは、大抵の他のシラン化試薬にはよくあることだが、アルコキシ基の事前加水分解無しで無機-OH基体と直ちに反応性である。いくつかの場合において、カルボキシエチルシラントリオールは、カルボキシレート基を蛍光性シリカナノ粒子へ付加し、多重細菌モニタリングについての抗体をカップリングするために使用された。この試薬は、多くの無機または金属性ナノ材料へカルボキシレート官能性を付加するために同様の様式で使用され得、これらはまた、水溶液中における粒子分散を維持するために負電荷反発作用を作る。いくつかの場合において、カルボキシレート化表面への共有結合カップリングが、次いで、カルボジイミドでのカルボン酸基の活性化によって行われ得、アミン含有分子との直接反応を促進するかまたは中間体NHSエステルを形成し、これらはバイオコンジュゲーションのために使用され得る。いくつかの場合において、カルボキシルエチルシラントリオールは、アミン含有リガンドをカップリングするためのカルボキシレート基を含有するように無機基体を修飾するために使用され得る。
いくつかの場合において、グリシドキシのようなシラン修飾剤が、表面基体へのバイオコンジュゲーションのために利用され得る。グリシドキシ化合物は反応性エポキシ基を含有する。これらのシランカップリング剤で共有結合的にコーティングされた表面は、反応のpHに依存して、チオール-、アミン-、またはヒドロキシル-含有リガンドをコンジュゲートするために使用され得る。いくつかの場合において、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GOPTS)または3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランが、-OH基を含有する無機シリカまたは他の金属性表面を、これらの主な官能基のうちの任意の3つを含有する生物学的分子と連結するために使用され得る。いくつかの場合において、エポキシ含有シランカップリング剤が、バイオコンジュゲーションのために使用され得るアミン-、チオール-、またはヒドロキシル-含有リガンドをカップリングするために使用され得る反応性表面を形成する。
いくつかの場合において、エポキシドのチオール基との反応はチオエーテル結合を生じさせ、一方、ヒドロキシルとの反応はエーテルを生じさせ、アミンとの反応は第2級アミンを生じさせる。エポキシ基の相対的な反応性はチオール、アミン、およびヒドロキシルであり、これは各反応の最適なpH範囲に反映される。この場合、官能基の反応性が低いほど、反応を効率的に駆動するために必要なpHは高くなる。
いくつかの場合において、イソシアネート基が表面支持体へのバイオコンジュゲーションのために利用され得る。イソシアネート基は、求核剤に対して極めて反応性であり、水溶液中で急速に加水分解し、これは、多くの糖質リガンドへのコンジュゲーションに適切である、非水性条件下でのヒドロキシル基への共有結合カップリングに特に有用である。シラン化は、イソシアネートの活性を保存したまま、乾燥有機溶媒中で達成され、反応性表面を形成し得る。イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(ICPTES)は、イソシアネート基を短いプロピルスペーサーの末端に含有し、これは無機基体への結合に有用なトリエトキシシラン基に連結されている。いくつかの場合において、イソシアネート含有シランカップリング剤は、バイオコンジュゲーションのために使用され得る無機表面へヒドロキシル含有分子をカップリングするために使用され得る。
いくつかの場合において、ICPTESは、イソシアネート基を糖質の官能基へカップリングし、トリエトキシシラン骨格を使用してシリカポリマーを形成することによって、新規のキトサン-シロキサンハイブリッドポリマーを作るために使用され得る。いくつかの場合において、ICPTESおよびAPTSは組み合わせて使用され、カルボン酸加溶媒分解を通じて有機的に修飾されたシリカキセロゲルを作り、これは発光特性を有するハイブリッド材料を形成した。
いくつかの場合において、ナノ粒子またはマイクロ粒子が、バイオコンジュゲーションのための表面支持体として利用され得る。いくつかの場合において、球状、無定形、または凝集粒子、ならびに棒、チューブ、立方体、三角形および円錐体のような複雑な幾何学形状を含む、ほぼ無限の形状およびサイズの粒子タイプおよび組成。さらに、フラーレン(例えば、Buckyボール)、カーボンナノチューブ、およびデンドリマーを含む新しい対称的な有機構築物がナノメートル範囲で出現し、これらは、バイオコンジュゲーションスキャフォールドとして使用される高度に画定された合成構造体である。粒子の化学組成は、それらの形状と全く同じぐらい多様であり得る。粒子は、ポリマーもしくはコポリマー、無機構築物、金属、半導体、超常磁性複合材料、生分解性構築物、合成デンドリマー、およびデンドロンから構成され得る。ポリマー粒子は、多数の異なるモノマーまたはコポリマー組み合わせから構築され得る。より一般的なもののうちのいくつかは、ポリスチレン(伝統的な「ラテックス」粒子)、ポリ(スチレン/ジビニルベンゼン)コポリマー、ポリ(スチレン/アクリレート)コポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(pHEMA)、ポリ(ビニルトルエン)、ポリ(スチレン/ブタジエン)コポリマー、およびポリ(スチレン/ビニルトルエン)コポリマーを含む。いくつかの場合において、官能性モノマーの組み合わせを重合反応中へ混合することによって、親和性リガンドへのその後のカップリングのために粒子表面上に反応基または官能基を作ることができる。これの一例はポリ(スチレン/アクリレート)コポリマー粒子であり、これはポリマー構造内にカルボキシレート基を作り、この数は重合プロセス中に使用されたモノマーの比率に依存する。いくつかの場合において、無機粒子が様々な生物学的適用において広く使用される。例えば、金ナノ粒子は、免疫組織化学(IHC)染色および側方流動診断検査についての検出標識のために使用され得る。いくつかの場合において、バイオコンジュゲーションのような生物学的適用における粒子の使用は、受動吸着または共有結合カップリングのいずれかによる、それらの表面への親和性捕捉リガンドの結合を伴う。そのような粒子への親和性リガンドのカップリングは、複雑なサンプル混合物中の生物学的標的に選択的に結合する能力をもたらす。従って、親和性粒子複合体は、タンパク質もしくは他の生体分子を分離および隔離するために、または細胞、組織切片、溶解液、もしくは他の複雑な生物学的サンプルにおけるこれらの標的の存在を特異的に検出するために、使用することができる。いくつかの場合において、ナノ粒子またはマイクロ粒子に親和性リガンドをカップリングさせるために使用される反応は、本明細書に記載されている分子のバイオコンジュゲーションのために使用されるものと基本的に同じである。
いくつかの場合において、生物学的適用(例えば、バイオコンジュゲーション)のために使用される粒子タイプは、長い、絡み合った線形または架橋ポリマーから作製された球状、非多孔性、「ハード」粒子を含む、ポリマーマイクロスフェアまたはナノスフェアである。いくつかの場合において、これらの粒子の生成は、時にはジビニル架橋モノマーの存在下で、ビニルモノマーを使用する乳化重合プロセスを伴う。いくつかの場合において、より大きなマイクロ粒子が、遥かにより小さなナノ粒子シードの成長を通じて逐次重合工程から作られ得る。いくつかの場合において、ポリマー粒子は、ポリスチレンまたはスチレンのコポリマー、例えば、スチレン/ジビニルベンゼン、スチレン/ブタジエン、スチレン/アクリレート、またはスチレン/ビニルトルエンから構成される。他の一般的なポリマー支持体は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルトルエン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(pHEMA)、およびコポリマー、ポリ(エチレングリコールジメタクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート)[ポリ(EGDMA/HEMA)]を含む。
いくつかの場合において、生体分子を疎水性ポリマー粒子に結合させる一つの方法は、受動吸着の使用である。いくつかの場合において、疎水性粒子上へのタンパク質吸着は、水分子の同時排除を伴って無極性または芳香族アミノ酸残基と粒子上の表面ポリマー鎖との強い相互作用を通じて起こる。タンパク質は優位に親水性の表面を伴って疎水性コア構造を通常含有するため、疎水性粒子との相互作用は、大規模な疎水性接触を作るために著しい構造変化を伴わなければならない。
いくつかの場合において、粒子タイプは、ポリマー骨格に組み込まれておりかつその表面に提示されている官能基を含有する。これらの基の量は、重合プロセスにおいて使用されたモノマーのタイプおよび比率、または行われた二次表面修飾の程度に依存して、広く変動し得る。いくつかの場合において、官能化されている粒子は、適切な反応条件を通じて生体分子を共有結合的にカップリングさせるために使用され得る。
Figure 0007438966000036
バイオコンジュゲーションについての粒子上の一般的な官能基または反応基
いくつかの場合において、粒子は、バイオコンジュゲーションのためのクロスリンカーとカップリングし得る。
いくつかの場合において、固体支持体へのDNA SNAPの結合の速度、または結合の効力もしくは強さは、SNAPを構成するDNAの配列を変更することによって変更され得る。例えば、1つまたは複数のチミンが関与する反応によって固体支持体に結合するDNA SNAPの場合、当該結合は、DNA配列中のチミンの数を変えることによって変えられ得る。いくつかの場合において、チミンの数を増加させることは、固体支持体へのSNAPの結合を促進させ得る。
いくつかの場合において、固体支持体はフローセルの一部である。いくつかの場合において、SNAPはフローセル中の固体支持体に結合され得る。いくつかの場合において、SNAPはフローセル中の固体支持体に直接コンジュゲートされ得る。いくつかの場合において、SNAPはフローセル中の固体支持体に吸着され得る。フローセル中でSNAPを結合させることは、それらが固体支持体に結合されるにつれてのSNAPの視覚化を可能にし得る。SNAPの結合は、結合プロセス中に、結合部位の数と比較して、結合しているSNAPの数をモニタリングすることによって最適化され得る。いくつかの場合において、SNAPの結合は、結合プロセス中に、SNAPによって覆われた固体支持体の領域およびSNAPによって占有されていない固体支持体の領域をモニタリングすることによって最適化され得る。
いくつかの場合において、SNAPはフローセル中に直接コンジュゲートされ得る。いくつかの場合において、SNAPはフローセル内の表面にコンジュゲートされ得る。いくつかの場合において、SNAPは、生物学的または化学的実体にコンジュゲートされる前に、フローセル内の表面にコンジュゲートされ得る。いくつかの場合において、生物学的または化学的実体は、フローセル中へ流され得、固体支持体へ既にコンジュゲートされているSNAPにコンジュゲートされ得る。いくつかの場合において、生物学的または化学的実体は、SNAPがフローセル中へ導入される前にSNAPにコンジュゲートされ得、フローセル中の固体支持体にコンジュゲートされ得る。いくつかの場合において、生物学的または化学的実体およびSNAPは、フローセル中へ導入され得、フローセル内で互いにコンジュゲートされ得、その後、SNAPはフローセル内で固体支持体にコンジュゲートされる。
いくつかの場合において、生物学的または化学的実体は、SNAPを固体支持体に結合させる前に、SNAPにコンジュゲートされ得る。そのような反応を行った後、生成物は精製され得、コンジュゲートされていないSNAPおよび生物学的/化学的実体から、コンジュゲートされたSNAP-生物学的/化学的実体部分を分離する。
本開示の方法は、生物学的または化学的実体を空間的に分離させるために使用され得る。いくつかの態様において、本開示の方法は、タンパク質、小分子、DNA、RNA、糖タンパク質、代謝産物、糖質、酵素、または抗体を空間的に分離させるために使用され得る。いくつかの態様において、本開示の方法は、2つ以上のタンパク質を含むタンパク質複合体、タンパク質核酸複合体、または他の複合体のような、複合体を空間的に分離させるために使用され得る。いくつかの場合において、方法は、ウイルス粒子またはウイロイドを空間的に分離させるために使用され得る。いくつかの場合において、方法は、細菌細胞、微生物細胞、哺乳動物細胞または他の細胞のような、細胞を分離するために使用され得る。
いくつかの態様において、SNAPは、シードが生物学的または化学的実体に結合され得る前に、シード上に形成され得る。
いくつかの態様において、本開示は、タンパク質に結合している核酸SNAP、小分子に結合している核酸SNAP、タンパク質複合体に結合している核酸SNAP、タンパク質核酸SNAPに結合している核酸SNAP、糖質に結合している核酸SNAP、ウイルス粒子に結合している核酸SNAP、または細胞に結合している核酸SNAPを含む、組成物を提供する。
いくつかの態様において、本開示は、タンパク質に結合しているデンドリマー、小分子に結合しているデンドリマー、タンパク質複合体に結合しているデンドリマー、タンパク質デンドリマーに結合しているデンドリマー、糖質に結合しているデンドリマー、ウイルス粒子に結合しているデンドリマー、または細胞に結合しているデンドリマーを含む、組成物を提供する。
いくつかの場合において、光切断可能な結合を切断することによって、またはSNAPを化学的にもしくは酵素的に消化することによってのいずれかで、生物学的または化学的実体は固体支持体から溶出され得る。
いくつかの場合において、生物学的または化学的実体は固体支持体に直接結合してもよく、一方、SNAPは、他の生物学的または化学的実体がすぐ近辺において結合するのを塞ぐ。いくつかの場合において、生物学的または化学的実体は、マイクロウェルまたはナノウェル内の結合部位に直接結合し得、SNAPのサイズは、複数のSNAPがマイクロウェルまたはナノウェルを占有するのを防ぐように選択され得る。そのような場合、光切断可能な結合を切断することによって、またはSNAPを化学的にもしくは酵素的に消化することによってのいずれかで、SNAPは取り外され得る。
いくつかの態様において、本開示のSNAPはナノ粒子として使用され得る。例えば、本開示のSNAPは、検出または視覚化のためのナノ粒子として使用され得る。いくつかの場合において、蛍光部分を含む修飾ヌクレオチドを組み込む、核酸SNAPが形成され得る。当技術分野において公知の任意の蛍光標識ヌクレオチドが、本開示のSNAPにおいて使用され得る。蛍光標識ヌクレオチドの例としては、Alexa Fluor(商標)555-aha-dCTP、Alexa Fluor(商標)555-aha-dUTP、TE緩衝液中1 mM、Alexa Fluor(商標)647 ATP (アデノシン5'-三リン酸、Alexa Fluor(商標)647 2'-(または-3')-O-(N-(2-アミノエチル)ウレタン)、ヘキサ(トリエチルアンモニウム)塩)、Alexa Fluor(商標)647-aha-dCTP、Alexa Fluor(商標)647-aha-dUTP、TE緩衝液中1 mM、BODIPY(商標)FL ATP (アデノシン5´-三リン酸、BODIPY(商標)FL 2´-(または-3´)-O-(N-(2-アミノエチル)ウレタン)、三ナトリウム塩)、緩衝液中5 mM、BODIPY(商標)FL ATP-γ-S、チオエステル(アデノシン5'-O-(3-チオ三リン酸)、BODIPY(商標)FLチオエステル、ナトリウム塩)、BODIPY(商標)FL GDP (グアノシン5'-二リン酸、BODIPY(商標)FL 2'-(または-3')-O-(N-(2-アミノエチル)ウレタン)、ビス(トリエチルアンモニウム)塩)、ChromaTide(商標)Alexa Fluor(商標)488-5-UTP、ChromaTide(商標)Alexa Fluor(商標)488-5-dUTP、ChromaTide(商標)Alexa Fluor(商標)546-14-UTP、ChromaTide(商標)Alexa Fluor(商標)546-14-dUTP、ChromaTide(商標)Alexa Fluor(商標)568-5-dUTP、ChromaTide(商標)Alexa Fluor(商標)594-5-dUTP、ChromaTide(商標)フルオレセイン-12-dUTP、ChromaTide(商標)Texas Red(商標)-12-dUTP、フルオレセイン-12-dUTP溶液(1 mM)、フルオレセイン-aha-dUTP - TE緩衝液中1 mM、グアノシン5'-O-(3-チオ三リン酸)、BODIPY(商標)FLチオエステル、ナトリウム塩(BODIPY(商標)FL GTP-γ-S、チオエステル)、グアノシン5'-三リン酸、BODIPY(商標)FL 2'-(または-3')-O-(N-(2-アミノエチル)ウレタン)、三ナトリウム塩(BODIPY(商標)FL GTP)、グアノシン5'-三リン酸、BODIPY(商標)TR 2'-(または-3')-O-(N-(2-アミノエチル)ウレタン)、三ナトリウム塩(BODIPY(商標)TR GTP)、MANT-ADP (2'-(または-3')-O-(N-メチルアントラニロイル)アデノシン5'-二リン酸、二ナトリウム塩)、MANT-ATP (2'-(または-3')-O-(N-メチルアントラニロイル)アデノシン5'-三リン酸、三ナトリウム塩)、MANT-GDP (2'-(または-3')-O-(N-メチルアントラニロイル)グアノシン5'-二リン酸、二ナトリウム塩)、MANT-GMPPNP (2'-(または-3')-O-(N-メチルアントラニロイル)-β:γ-イミドグアノシン5'-三リン酸、および三ナトリウム塩)、MANT-GTP (2'-(または-3')-O-(N-メチルアントラニロイル)グアノシン5'-三リン酸、三ナトリウム塩)が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの場合において、本開示のSNAPは、該SNAPの表面上にプローブが結合し得るように設計され得る。プローブが結合しているSNAPは、検出試薬として使用され得る。いくつかの場合において、プローブが結合しているSNAPはまた、蛍光検出試薬を形成するために蛍光部分で標識される。いくつかの場合において、結合しているプローブおよび蛍光部分を有するSNAPは、高度のシグナル増幅を提供し得る。SNAP上のプローブの量は、所望の程度のサンプル増幅を達成するように設定され得る。いくつかの場合において、異なるサイズのSNAPが異なるプローブに結合し得る。いくつかの場合において、異なる色のSNAPが異なるプローブに結合し得る。いくつかの場合において、異なるプローブのライブラリーが蛍光標識SNAPに結合し得、その結果、第1のプローブは、他のプローブがそれぞれ結合しているSNAPとは異なるサイズおよび/または色を有するSNAPに結合する。
実施例1 - DNA SNAPの作製
オリゴを最終濃度100uMになるようにdH20で戻した。ただし、伸長プライマーは500uM (2.9mg/ml)になるように戻した。伸長プライマーをDeep Red 200nmビーズにコンジュゲートさせた。
Figure 0007438966000037
テンプレートの増幅
以下のサブミックスを調製した:
Figure 0007438966000038
各サブミックスを100μLアリコートへと等分し、以下に記載されるようにインキュベートした:
サーモサイクラー条件:
95℃で30秒間
0.1℃/sで50℃まで下げる
4℃で維持する

ローリングサークルテンプレートのライゲーション
Figure 0007438966000039
100μLのNEB T4 DNAリガーゼ[400,000u/ml]を添加する
完全な混合物をPCRチューブ中に等分し、20℃で約20時間、続いて65℃で10分間インキュベートした。
溶液をプールし、50μLの100uMストック伸長プライマーを添加して混合した。混合物をPCRチューブ中に100μLアリコートへと等分し、以下の温度条件へ供した:
サーモサイクラー条件:
70℃で30秒間
0.1℃/sで40℃まで下げる
4℃で維持する
ここで、テンプレートを、使用準備ができるまで-20℃で保存することができる。

ナノ粒子を構築するためのローリングサークル増幅
Figure 0007438966000040
ボルテックスして混合し、次いで以下を添加した:
プライミングされたローリングサークルテンプレート 300μL
ボルテックスして混合し、次いで以下を添加した:
NEB phi29ポリメラーゼ[10Ku/ml] 50μL
反転して混合した。反応混合物をPCRチューブ中に63μLアリコートへと等分した。
以下でインキュベートした:
30℃で120分間
65℃で10分間。
サンプルをプールし、90ulの250mM EDTAを添加した。
サンプルを4℃にて5分間12,500Gで遠心分離した。上澄みを回収し、白色ペレットを廃棄した。
ナノボールの分析
サンプル(100ul)に対して1:100で連続希釈を行い(+1:10希釈)、2ulのSybr Gold (1×)を添加した。アミン表面処理スライド上に1ulスポットを加えて画像化した。図3および図4において見られるように、DNA SNAPが首尾よく形成され、DNA SNAPとDeep Redボールの間で高度の共局在が見られた。
結合の分析
いくつかの場合において、SNAPを、それらが結合しているチップまたはアレイ等の表面から取り外すことができる。SNAPの取り外しは、例えば、高量のアセトニトリル、高濃度の水酸化ナトリウム、または高濃度の塩によって媒介され得る。高量のアセトニトリルは、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%アセトニトリルの最終パーセンテージであり得る。高量の水酸化ナトリウムは、少なくとも約0.1 M、0.5 M、1 M、2 M、3 M、4 M、5 M、6 M、7 M、8 M、9 M、または10 Mであり得る。高量の塩は、少なくとも約0.1 M、0.5 M、1 M、2 M、3 M、4 M、5 M、6 M、7 M、8 M、9 M、または10 Mであり得る。使用される塩は、例えばMgCl2またはNaClであり得る。いくつかの場合において、DMSOまたはホルムアミド等のカオトロピック試薬がSNAPの取り外しを媒介し得る。
実施例2 - Epimark Taqポリメラーゼを使用するSNAP生成
さらなる例において、Epimark Taqポリメラーゼを使用して、SNAP生成を最適化した。SNAPテンプレートを、実施例1、段落[0071]~[0076]に記載の方法に従って調製した。Taqポリメラーゼは、phi29ポリメラーゼよりもSNAPサイズに対してより良い制御を有すると決定された。500μl反応混合物を、8683 ngテンプレートを使用して調製した。以下の試薬を1.5 ml PCRチューブ内で混合した:
PCRミックス:
Figure 0007438966000041

PCRチューブ内でPCRミックスを短時間ボルテックスした。ボルテックスした後、2.5μlのEpimark TaqポリメラーゼをPCRミックスに添加した。PCRチューブを反転し、ポリメラーゼと他の試薬を混合した。PCRミックスをサーマルサイクラー中に置いた。最初にテンプレートDNAを94℃で30秒間変性させた。反応混合物を以下の熱的条件下で30サイクル増幅させた:
94℃で30秒間変性
53℃で60秒間アニーリング
68℃で30秒間伸長
最終熱サイクル後、SNAPを68℃でさらに5分間保持した。次に、PCRチューブを4℃まで冷却し、精製まで保持した。
合成後にSNAPを精製した。EDTAスピン精製法によってdNTPを除去した。PCRチューブ内の500μl PCRミックスに30μlの250 mM EDTAを添加した。PCRチューブを4℃にて5分間12,500Gで遠心分離した。上澄みを保存し、ペレットを廃棄した。SNAPサンプルを0.22μm濾過管で濾過し、次いで、勾配法を使用してAKTA FPLCを用いて精製した。0.22μmフィルターによって濾過された1M NaCl溶液および脱イオン水各1Lを使用して、陰イオン交換クロマトグラフィーによって、SNAPを精製した。SNAP含有フラクションを収集した後、透析カセット内で一晩透析を用いて溶液を脱塩した。真空遠心分離機を使用してSNAPを濃縮した。最終体積が500μl未満になるまで、溶媒を28℃でおよそ4時間蒸発させた。
実施例3:SNAPの精製
SNAPのバッチは本明細書に記載されているように生成可能である。SNAPが生成されると、それらを精製することができる。SNAPを精製可能な3工程の例示的プロトコルを、以下に記載する。
工程1:陰イオン交換クロマトグラフィー
高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して、SNAPを精製した。ここでは、塩勾配を用いて、異なって帯電したDNA分子(SNAP)を収集のために分離した。3つのフラクション(下部、中央、上部)を分析のために収集した。
陰イオン交換精製の例を図5に示す。動的光散乱を使用して、精製前のサンプル中の粒子の流体力学半径を測定した(左パネル)。半径は約0.1 nm~10,000 nmの間に分布している。陰イオン交換精製中に、同定された標的ピーク(中央パネル)中に存在したサンプルを収集した。動的光散乱を使用して、精製されたサンプル中の粒子の流体力学半径を測定し、サンプルは、約100 nmおよび約1000 nmの流体力学半径を有するSNAPを含むことが分かった。
いくつかの場合において、サイズ排除クロマトグラフィーが、精製のために陰イオン交換クロマトグラフィーの代わりに行われ得る。
3つのチャネルに由来するサンプルを、標準的な顕微鏡検査プロトコルを使用して画像化し(図6、左)、強度を定量化した(右)。下部チャネル由来のSNAPは、中央および上部チャネル由来のものよりも高い強度を示した。従って、場合によっては、SNAPのサイズおよび/または輝度は、特定の陰イオン交換フラクション中に溶出し得る。
工程2:透析
陰イオン交換クロマトグラフィーを行った後、標準的な透析プロトコルによって塩を除去した。簡潔には、透析は、半透膜を通しての選択および受動拡散によって溶液中の高分子(例えばSNAP)からの小さい不要な化合物(例えば塩)の除去を促進し得る分離技術である。塩の除去を必要とするSNAPを含む陰イオン交換精製されたサンプルと、緩衝液とを、膜の反対側に置いた。SNAPは膜のサンプル側に保持されたが、塩は膜を自由に通過することができた。塩はSNAPとは反対の膜の側に収集され、従って、サンプル中の塩の濃度は低下した。このようにして、サンプル中の塩等の小さな混入物質の濃度を、許容されるかまたは無視できるレベルまで低下させた。
工程3:濃縮
標準的な真空遠心分離プロトコルを使用して、従来のアプローチと比較して最小限の損失でSNAPのバッチを濃縮した。
SNAPは最終濃度1μM~100μMへと濃縮することができる。例えば、生成されたSNAPのバッチは、約63.6μM、47.5μM、38μM、および8.9μMの濃度を有していた。
図7は、異なるSNAPバッチの260 nmでの吸収スペクトル(A260)トレースを示す。様々な蛍光dNTPタイプ、様々な供給業者からの蛍光dNTP、様々な蛍光色素、様々なTaqポリメラーゼ、および/または様々な供給業者からの使用されたTaqポリメラーゼを使用して、個々のバッチを生成した。各SNAPは同様の吸収プロフィールを示す。
実施例4:所望のサイズのSNAPの生成
本明細書に記載されているようにSNAPを生成し、ナノ粒子サイズを測定した。
ナノ粒子(例えばSNAP)サイズを測定するための方法としては、動的光散乱、ナノ粒子トラッキング解析、ならびに顕微鏡検査技術、例えば、透過型電子顕微鏡法(TEM)、走査型電子顕微鏡法(SEM)、および原子間力顕微鏡法(AFM)が挙げられ得る。
本明細書において使用された動的光散乱は、SNAPの集団全体の建設的干渉および相殺的干渉パターンを通じて拡散係数を測定することができる。ナノ粒子トラッキング解析は、粒子のサイズが30 nmより大きい場合、個々の粒子の粒子トラッキングを通じて拡散係数を測定することができる。TEM、SEM、およびAFMを含む顕微鏡検査技術は、粒子サイズを測定することができ、光の散乱に頼ることなく個々の粒子のその後の画像解析を可能にする。
標準的な画像化プロトコルを使用して画像を撮影し、陰イオン交換クロマトグラフィーによって、SNAPの流体力学半径は25 nm~27 nmであると決定された。このサイズ範囲は、いくつかの適用では複数のSNAPが各フィーチャーを占有することを可能にし得る。これらの小さなSNAPは、図8において見られるように、単一のフィーチャー内に共局在化することが観察された。この例では、SNAPをアレイに加えて画像化し(下部パネルにSNAP 1、中央パネルにSNAP 2)、画像を統合することによって、共局在を判定した(上部パネル)。
追加の実験では、より大きなSNAPをチップ表面に加えた。この場合、大きなSNAPはチップ表面上にそれら自体を配置し、従って「フィーチャーの単一占有」を達成した。図9は、フィーチャーを有するチップに加えられた、大きな流体力学半径を有するSNAPを示す。SNAPは下部画像(SNAP1)および中央画像(SNAP2)において画像化されており、これらの画像が上部画像において重ね合わせられている(SNAP 1およびSNAP 2)。顕著な共局在は観察されなかった。従って、SNAPのサイズがより大きい場合、それはごく僅かな共局在を伴ってフィーチャー上に位置することができる。対照的に、SNAPのサイズがより小さい場合、それらは、場合によっては、フィーチャーに共局在化し得る。
SNAPの適切なサイズ範囲を決定するために、アレイ上のSNAP占有を測定することができる。これは輝度対希釈として測定され得る。
希釈範囲10-5~100となるようにSNAPの量を設定してアレイに加え、動的光散乱を使用してシグナルを測定した。各希釈物について、SNAPによって占有されたフィーチャーの数およびカウントの数を測定した(図10)。暗い線は蛍光対照を示し、明るい線はSNAPを示す。点線は占有されたフィーチャーの数を示し、実線はカウントの数を示す。小分子についての異なるシグナル傾向が、アレイ上の色素対SNAPについて観察された。
希釈率に関わらず一定数のカウントがSNAP(明るい実線)について記録され、これは、アレイのフィーチャー上のSNAPの不連続占有を示唆し得る。
占有されたフィーチャーの見掛けの数は、検出閾値と共に変化することが観察された(明るい点線)。これは、占有されたフィーチャーの数が希釈の関数であり得ることを示唆し得る。検出感度および特異度について受診者動作特性(ROC)曲線を作成することができる。
生成されたSNAPは様々なサイズであり得る。いくつかの場合において、SNAPは、直径が約1 nm、10 nm、20 nm、30 nm、40 nm、50 nm、60 nm、70 nm、80 nm、90 nm、100 nm、150 nm、200 nm、250 nm、または300 nmであり得る。直径は、大径、小径、または平均直径であり得る。いくつかの場合において、SNAPは、ある範囲の直径を有するSNAPが生成され得るように生成され得る。
実施例5:SNAPの輝度
SNAPのバッチを、フィーチャーを有するアレイに別々に加え、標準的な画像化プロトコルを使用して画像化した。アレイ間の濃淡値の違いによって測定したところ、最大濃淡値は約12,000であり、SNAPを有する領域と有さない領域との濃淡値の差異は約6,000であった。このように、SNAPはアレイに結合することができ、コンジュゲートされたSNAPが検出可能である。
実施例6:SNAPの濃度の測定
SNAPを濃縮した後、SNAPの濃度を測定することができる。例えば、アミンとコンジュゲートしたSNAPは、図12の左上に示されているようなo-フタルジアルデヒド(OPA)遊離アミン反応を使用して定量することができる。簡潔には、OPAはアミンと反応して蛍光検出を可能にし得、標準曲線(例えば、0~100μMのポリTアミン連続希釈液、図12の左下)が行われる場合、定量を可能にし得る。
SNAPの3つの別個のバッチにおけるそのような反応から生じた蛍光を、図12(右)に示されているように、Ex/Em: 380 nm / 460 nmで測定した。A260(260 nmでの吸光度)を定量化して標準曲線に適用し、各バッチの濃度を決定した。3つのバッチは、47.5μM、38μM、および8.9μMの濃度を有すると決定された。別のバッチは、63.6μMの濃度を有すると決定された(データを示さず)。このアッセイは、少なくとも1μM~100μMの範囲内のSNAPの濃度を測定することができる。いくつかの場合において、SNAPのサンプルは、必要に応じてこの範囲に適合するように希釈され得る。このアッセイを使用して、比較的少量のアミン修飾DNA (例えばSNAP)が測定され得る。
実施例7:SNAPコンジュゲーション#1
SNAPへのアジド-AlexaFluor 586のクリックコンジュゲーションがチップ上で行われるように、実験を行った。DBCO-SNAP(488) (488 nmで蛍光を発することができる色素にコンジュゲートされたDBCO基を有するSNAP)をフローによってアレイ上に固定化し、488 nm(SNAPチャネル)および575 nm (アジド色素チャネル)で画像を取得した。次いで、568 nmで蛍光を発することができるアジド-568 (アジド-AlexaFluor 568)をアレイ上でインキュベートしてDBCOとアジドの間のコンジュゲーション反応を可能にし、インキュベーション後にアレイを洗浄した。このプロトコルに続いて、488 nmおよび575 nmで再び画像を取得し、DBCO-アジド反応の程度を評価した。インキュベーション後、アジド色素チャネルは、インキュベーション前と比べ得て有意により多い蛍光を示した。SNAPチャネル(対照)は反応前後で同様のシグナルを示した(図14)。これは、チップ(アレイ)上でDBCOとアジドの間のクリックコンジュゲーションが実行可能であり得ることを示している。
両方のチャネルについて、インキュベーション前および後に、暗いセクション(より暗い陰影)および明るいセクション(より明るい陰影)について、信号対雑音比および強度を測定した(図14)。これらのデータは、クリック反応後に強度が有意に増強すること、およびチップ上でクリック反応が十分に行われることを立証している。
次いで、SNAPの追加のセットをアレイ上に固定化し、アジド-AlexaFluor 568にコンジュゲートさせた。ここで、アジド-AlexaFluor 568は、フィーチャーの総数の10倍過剰量を加えた。フローチャネル当たり約2350万個のフィーチャーがあった。インキュベーション前後に488 nmおよび568 nmで画像を撮影し、強度を定量化した。488 nmでの強度は488 nmで僅かにより低く、これは、ブロック溶液の手動での洗浄の差異の影響であり得る(図15)。568 nmでの強度は、図16に示されているように、10×アジド-AlexaFluor 568とのインキュベーション後、有意により高かった(約2~2.5倍)。換言すると、チャネル当たりのフィーチャー数の10倍過剰量のアジド-AlexaFluor 568がコンジュゲートされた後に、568 nmでの均一な局在化シグナルが観察された。
実施例8:SNAPコンジュゲーション#2
PEとコンジュゲートした(R-フィコエリトリンとコンジュゲートした)アジドのクリックコンジュゲーションがチップ上で行われるように、実験を行った。DBCOハンドルおよび488 nmで蛍光を発することができるヌクレオチドを用いて、SNAPを調製した。SNAPをチップ表面上に堆積し、1時間インキュベートしてチップ表面に結合させた。チップを、ブロッキング緩衝液と共に15分~30分間インキュベートし、1000×モル過剰量のPE SNAPが存在するように、アミン上にアジドハンドルを有するPE(1 mg/ml)をチップ上に放った。次いでチップを一晩インキュベートした。次いで、2% tweenを含むリン酸緩衝食塩水(PBST)でチャネルを洗浄し、画像化した。
画像を図17に示す。全体として、フローチャネルの全体にわたって高いPEシグナルが存在し、これは、見かけ上高い非特異的結合を示唆し得る。点状のシグナル、またはオンおよびオフのフィーチャーが観察された。オンのフィーチャーは、典型的には、およそ2000カウント高いことが観察された。DBCO SNAPがフィーチャー上に存在し、PEからのシグナルと比較して低いシグナルを生じさせた。いくつかの場合において、SNAPのバッチは、例えば、品質を改善することおよび濃度を増加させることによって、最適化され、さらにより良い結果をもたらし得る。加えて、一連の用量設定(使用されるPEの量を設定すること)も行われ得る。さらに、ブロッキング手段の最適化が結果を改善し得る。
実施例9:ビオチン化されたクリックハンドル付き溶解液のコンジュゲーション
DBCOハンドルで調製されたSNAPを、チップ表面上に堆積し、チップ表面に結合させるために十分に長くインキュベートさせることができる。次いで、チップをブロッキング緩衝液と共に15分~30分間インキュベートすることができる。
溶解液をビオチン化し、アジドクリック修飾剤でハンドル付けすることができる。ビオチン化溶解液をチップ上に放ち、DBCO SNAPへの溶解液のクリックコンジュゲーションを可能にすることができる。次いで、例えばストレプトアビジンローブによって、溶解液を検出することができる。
実施例10:DNA折り紙
DNA折り紙SNAPは、例えばDBCOハンドルで調製され得、チップ表面上に堆積され、チップ表面に結合するために十分に長くインキュベートさせることができる。いくつかの場合において、DNA折り紙SNAPは、グリッド様の様式でアレイ上に堆積され得る。いくつかの場合において、折り紙SNAPは約300 nmであり得る。
いくつかの場合において、DNA折り紙SNAPは、他のタイプのSNAPと比較してSNAP構成、SNAPの形状、設計、および寸法の柔軟性を提供し得る。
実施例11:アレイ上での溶解液由来のタンパク質の固定化
SNAPをフローによってアレイ上に固定化した。SNAPの蛍光を、100×100ミクロン視野で標準的な画像化プロトコルを使用して検出した(図18Aおよび18D)。ビオチンハンドルを含む大腸菌溶解液をアレイに加え、タンパク質をSNAPに結合させた。対照として、ビオチンハンドルを欠く溶解液にSNAPを曝露し、これとコンジュゲートさせた。図18B(ビオチンハンドル)および18E(対照)において見られるように、100×100ミクロン視野で蛍光ストレプトアビジン(これは検出のためにビオチンに結合することができる)を使用する標準的な画像化プロトコルを使用して蛍光イメージングを行い、溶解液を検出した。固定化された溶解液はビオチンタグを含有しないため、タンパク質は蛍光ストレプトアビジンによって検出されない。この対照は、(B)で観察された検出シグナルが固定化タンパク質に特異的であること(即ち、アレイ表面へのストレプトアビジン検出試薬の非特異的結合は存在しないこと)を実証する。
白黒画像を重ねて、図18C(ビオチンハンドル)および18F(対照)においてSNAPとビオチンハンドル付き溶解液の共局在を示した。共局在画像において、白色は共局在を示し、黒色は共局在無しを示す。
フィデューシャルは画像の左下隅に見られ得る。フィーチャーパターニングを有さないHMDSレーンは、視野の上端および右端において暗いストライプとして見られ得る。サブアレイ内の個々のフィーチャー上のSNAPが見られ得る。注:検出チャネルからのこのチャネル中への蛍光クロストークに起因して、SNAPはまた可視化するのがより容易である(Bを参照のこと)。
実施例12:短いペプチドエピトープ(三量体)の特異的検出
蛍光標識されたSNAPをフローによってアレイ上に固定化した。当該SNAPに小さなペプチド(HHH*)をコンジュゲートさせた。対照として、SNAPをチップに固定化し、当該SNAPにはペプチドをコンジュゲートさせなかった。小さなHHHペプチドに特異的な蛍光アプタマーを加えた。SNAPの蛍光を、35×35ミクロン視野で標準的な画像化プロトコルを使用して検出した(図19Aおよび19D)。この視野はチップ上の1つのサブアレイの隅を示し得る。固定化されたSNAPは、アレイ上の不連続スポットとして見られ得る(これらのスポットの各々は直径が300 nmである)。
ペプチドを検出するための標準的なプロトコルを使用して、アプタマーを検出し得る異なる蛍光チャネルにおける同じ領域で、蛍光イメージングを行った(図19B(ペプチド)および19E(ペプチド無し対照))。
白黒画像を重ねて、SNAPおよびHHHペプチドの共局在を示した。図19C(ペプチド)および19F(ペプチド無し対照)は、SNAP-ペプチドチャネルとアプタマー検出チャネルの間の蛍光の共局在を示す。共局在は、アレイのフィーチャー上のSNAP上のHHHペプチドの首尾よい結合および同定を示し得る。図19Fにおいて結合しているアプタマーが存在しないため、対照画像についての統合画像は共局在を示さない。
ペプチド無し対照画像では、HHHペプチドがアレイ上のSNAPに結合することができないため、アプタマー蛍光チャネルにおけるHHHの検出はない。従って、この結果は、1) HHHペプチドがSNAPに直接結合したこと、および2) アプタマーチャネルにおいて観察されるシグナルは、標的ペプチドが存在する場合にのみ観察され得ること、を立証し得る。
2つのクロムフィデューシャルマークが画像の右下隅に見られ得る。画像中のより暗いレーンは、パターン化されたフィーチャーを含有しないHMDSコーティング領域である。
本発明の好ましい態様を本明細書において表示および記載したが、そのような態様は単に例として提供されることが当業者には明らかであろう。多数の変化、変更および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者に今は想到されるだろう。本明細書に記載されている本発明の態様の様々な代替物が、本発明の実施において用いられ得ることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義し、この特許請求の範囲の範囲内の方法および構造体ならびにそれらの等価物はそれによって保護されることが、意図される。
一態様において、本発明は以下を提供する。
(項目1)
タンパク質に共有結合している構造化核酸粒子(structured nucleic acid particle)(SNAP)を含む、組成物。
(項目2)
前記SNAPが固体支持体に結合している、項目1記載の組成物。
(項目3)
前記SNAPが固体支持体に共有結合している、項目2記載の組成物。
(項目4)
前記SNAPが固体支持体に非共有結合している、項目2記載の組成物。
(項目5)
生体分子に共有結合している核酸SNAPを含む、組成物。
(項目6)
前記SNAPが固体支持体に結合している、項目5記載の組成物。
(項目7)
前記SNAPが固体支持体に共有結合している、項目6記載の組成物。
(項目8)
前記SNAPが固体支持体に非共有結合している、項目6記載の組成物。
(項目9)
複数の構造化核酸粒子(SNAP)に結合している固体支持体を含む組成物であって、該複数のSNAPの各々が生体分子に結合している、組成物。
(項目10)
前記複数のSNAPがアレイ状に配置されている、項目9記載の組成物。
(項目11)
単一のタンパク質を固体支持体上の結合部位に結合させる方法であって、
該結合部位が該タンパク質より大きく;
該方法が、
該タンパク質を構造化核酸粒子(SNAP)に共有結合させる工程であって、該SNAPの直径が少なくとも該結合部位の直径と同じ大きさである、工程;および
該核酸SNAPを該結合部位に結合させる工程
を含む、方法。
(項目12)
各結合部位が単一のタンパク質に結合するように、複数の前記タンパク質の各々が前記固体支持体上の結合部位に結合する、項目11記載の方法。
(項目13)
固体支持体に結合している複数の生体分子を含む生体分子アレイであって、該複数の生体分子の各生体分子がリンカーに共有結合しており、該リンカーが該固体支持体に結合しており、かつ各リンカーが該複数の生体分子のうちの一つの生体分子のみに結合しており、各リンカーが少なくとも50nmの直径を有する、生体分子アレイ。
(項目14)
複数のタンパク質から空間的に分離されているタンパク質のアレイを製造する方法であって、該複数のタンパク質の各タンパク質を、構造化核酸粒子(SNAP)を構成する核酸分子の末端に共有結合させる工程、該SNAPを固体支持体に結合させる工程を含み、それによって空間的に分離されているタンパク質のアレイを製造する、方法。
(項目15)
タンパク質、構造化核酸粒子(SNAP)、および固体支持体を含む組成物であって、該タンパク質が該SNAPに共有結合しており、かつ該タンパク質が該固体支持体に接触していない、組成物。
(項目16)
空間的に分離されている生物学的または化学的実体のアレイを製造する方法であって、
結合部位を有する固体支持体を得る工程、
複数の生物学的または化学的実体を含むサンプルを得る工程、
各々が官能基を有するシードを得る工程、
該複数の生物学的または化学的実体の各生物学的または化学的実体を、該官能基を介して単一のシードに共有結合させる工程、
結合した各シードを所望のサイズの構造化核酸粒子(SNAP)へと成長させる工程、
該SNAPを該アレイの結合部位に結合させる工程
を含み、
それによって、空間的に分離されている生物学的または化学的実体のアレイを製造する、方法。
(項目17)
前記固体支持体がガラス支持体である、項目16記載の方法。
(項目18)
前記固体支持体がシリカ支持体である、項目16記載の方法。
(項目19)
前記固体支持体がプラスチック支持体である、項目16記載の方法。
(項目20)
前記固体支持体がシリコン支持体である、項目16記載の方法。
(項目21)
前記固体支持体が金支持体である、項目16記載の方法。
(項目22)
前記固体支持体が金属支持体である、項目16記載の方法。
(項目23)
前記固体支持体がクロム支持体である、項目16記載の方法。
(項目24)
前記固体支持体がチタン支持体である、項目16記載の方法。
(項目25)
前記固体支持体が酸化チタン支持体である、項目16記載の方法。
(項目26)
前記固体支持体がスズ支持体である、項目16記載の方法。
(項目27)
前記固体支持体が酸化スズ支持体である、項目16記載の方法。
(項目28)
前記固体支持体が光学的に不透明である、項目16記載の方法。
(項目29)
前記固体支持体が光学的に透明である、項目16記載の方法。
(項目30)
前記固体支持体が、正電荷を有するように修飾されている、項目16記載の方法。
(項目31)
前記固体支持体が、負電荷を有するように修飾されている、項目16記載の方法。
(項目32)
前記固体支持体が、前記SNAPに結合し得る官能基を有するように修飾されている、項目16記載の方法。
(項目33)
前記固体支持体が、周囲の表面とは異なるように修飾されている結合部位を含む、項目16記載の方法。
(項目34)
前記固体支持体が結合部位のアレイを含む、項目27記載の方法。
(項目35)
各結合部位が、他の結合部位の各々から少なくとも70nm離れている、項目34記載の方
法。
(項目36)
各結合部位が、他の結合部位の各々から少なくとも25nm離れている、項目34記載の方法。
(項目37)
任意の2つの結合部位の端部間の距離が、使用される前記SNAPの半径よりも大きい、項目34記載の方法。
(項目38)
任意の2つの結合部位の端部間の距離が、使用される前記SNAPの直径よりも大きい、項目34記載の方法。
(項目39)
前記分子がタンパク質である、項目16記載の方法。
(項目40)
前記シードがオリゴヌクレオチドである、項目16記載の方法。
(項目41)
前記オリゴヌクレオチドの3'末端が官能基で修飾されている、項目40記載の方法。
(項目42)
前記オリゴヌクレオチドの5'末端が官能基で修飾されている、項目40記載の方法。
(項目43)
前記官能基が、アミン、チオール、カルボン酸、三重結合、二重結合、エポキシド、アルキン、アルケン、シクロアルキン、アジド、シクロオクチン、シクロアルキン、ノルボルネン、テトラジン、シクロオクタン、エポキシド、およびヒドロキシルからなる群より選択される、項目41または42のいずれか一項記載の方法。
(項目44)
前記オリゴヌクレオチドが、光切断可能な結合を含むように修飾されている、項目40記載の方法。
(項目45)
前記SNAPがローリングサークル増幅によって形成される、項目16記載の方法。
(項目46)
前記SNAPがデンドリマーである、項目16記載の方法。
(項目47)
前記デンドリマーが正に帯電している、項目46記載の方法。
(項目48)
前記アレイ上の結合部位が負に帯電している、項目47記載の方法。
(項目49)
前記デンドリマーが負に帯電している、項目46記載の方法。
(項目50)
前記アレイ上の結合部位が正に帯電している、項目49記載の方法。
(項目51)
前記SNAPがおよそ100nmの直径を有する、項目50記載の方法。
(項目52)
前記SNAPがおよそ300nmの直径を有する、項目45記載の方法。
(項目53)
前記SNAPが約10nm~500μmの直径を有する、項目45記載の方法。
(項目54)
前記SNAPが約10nm~50μmの直径を有する、項目45記載の方法。
(項目55)
前記SNAPが約10nm~5μmの直径を有する、項目45記載の方法。
(項目56)
前記SNAPが約100nm~500nmの直径を有する、項目45記載の方法。
(項目57)
前記SNAPが、静電相互作用を通じて前記固体支持体に付着する、項目45記載の方法。
(項目58)
分子の空間的分離を達成する方法であって、
複数の分子を得る工程、
各々が官能基を有するシードを得る工程、
該複数の分子の各々を、該官能基を介して単一のシードに共有結合させる工程、
結合した各シードを、所望のサイズの構造化核酸粒子(SNAP)へと成長させる工程、
該SNAPを固体支持体に結合させる工程
を含み、
それによって単一分子の空間的分離を達成する、方法。
(項目59)
単一分子のアレイであって、各単一分子が所望のサイズの構造化核酸粒子(SNAP)に結合しており、該SNAPが該結合部位を介してアレイに結合している、単一分子のアレイ。
(項目60)
単一分子のアレイを製造するためのキットであって、
結合部位を有するアレイ、
各シードが単一の結合部位を有する、シード、および
該シードを構造化核酸粒子(SNAP)へと成長させるための試薬
を含む、キット。
(項目61)
固体支持体;および
該固体支持体に直接結合しているポリマーベースの分子であって、該ポリマーベースの分子が、実質的に該固体支持体の反対側に配置されているタンパク質部分を含み、かつ、該タンパク質部分が親和性試薬にアクセス可能である、ポリマーベースの分子
を含む、組成物。
(項目62)
アレイ上で生物学的または化学的実体を隔離する方法であって、
複数の構造化核酸粒子(SNAP)を作製する工程;
単一の生物学的または化学的実体を該複数のSNAPの各々にカップリングさせる工程;
該複数のSNAPをアレイに結合させる工程であって、該生物学的または化学的実体が実質的に該アレイの反対側にある、工程
を含み、
それによって、該複数のSNAPの各々の各生物学的または化学的実体を、該複数のSNAPの各SNAPのサイズに基づく距離だけ隔離する、方法。
(項目63)
分子を分離する方法であって、各分子をより大きな荷電分子に変換する工程を含む、方法。
(項目64)
各分子をより大きな荷電分子に変換する工程が、所望のサイズへと成長することができるバイオポリマーに該分子をコンジュゲートさせることを含む、項目63記載の方法。
(項目65)
各分子をより大きな荷電分子に変換する工程が、各分子を10倍大きい分子に変換することを含む、項目63記載の方法。
(項目66)
各分子をより大きな荷電分子に変換する工程が、各分子をより大きな荷電分子にコンジュゲートさせることを含む、項目63記載の方法。
(項目67)
空間的に分離されている生物学的または化学的実体のアレイを製造する方法であって、
結合部位を有する固体支持体を得る工程、
複数の生物学的または化学的実体を含むサンプルを得る工程、
各々が官能基を有する構造化核酸粒子(SNAP)を得る工程、
該複数の生物学的または化学的実体の各生物学的または化学的実体を単一のSNAPに共有結合させる工程、
該SNAPを該アレイの該結合部位に結合させる工程、
を含み、
それによって、空間的に分離されている生物学的または化学的実体のアレイを製造する、方法。
(項目68)
前記SNAPがローリングサークル増幅産物である、前記項目のいずれか一項記載の組成物。
(項目69)
前記SNAPがプラスミドである、前記項目のいずれか一項記載の組成物。
(項目70)
前記SNAPがDNA折り紙分子である、前記項目のいずれか一項記載の組成物。
(項目71)
前記SNAPが核酸クラスターである、前記項目のいずれか一項記載の方法。
(項目72)
前記SNAPがローリングサークル増幅産物である、前記項目のいずれか一項記載の方法。
(項目73)
前記SNAPがプラスミドである、前記項目のいずれか一項記載の方法。
(項目74)
前記SNAPがDNA折り紙分子である、前記項目のいずれか一項記載の方法。
(項目75)
前記SNAPが核酸クラスターである、前記項目のいずれか一項記載の方法。
(項目76)
前記SNAPがローリングサークル増幅産物である、前記項目のいずれか一項記載のキット。
(項目77)
前記SNAPがプラスミドである、前記項目のいずれか一項記載のキット。
(項目78)
前記SNAPがDNA折り紙分子である、前記項目のいずれか一項記載のキット。
(項目79)
前記SNAPが核酸クラスターである、前記項目のいずれか一項記載のキット。


Claims (14)

  1. 単一のタンパク質を固体支持体上の1つの結合部位に結合させる方法であって、
    該方法が、
    該単一のタンパク質を、核酸折り紙を含む構造化核酸粒子(SNAP)に共有結合させる工程であって、該SNAPの直径が少なくとも該結合部位の直径と同じ大きさである、工程;および
    各単一のタンパク質が該SNAPの1つに結合しており、該1つのSNAPが前記1つの結合部位に結合するように、該SNAPを該結合部位に結合させる工程
    を含む、方法。
  2. 前記固体支持体がガラス支持体、シリカ支持体、プラスチック支持体、シリコン支持体、金支持体、金属支持体、クロム支持体、チタン支持体、酸化チタン支持体、スズ支持体、または酸化スズ支持体である、請求項1記載の方法。
  3. 前記固体支持体が光学的に不透明または透明である、請求項2記載の方法。
  4. 前記固体支持体が、正電荷または負電荷を有するように修飾されている、請求項2記載の方法。
  5. 前記固体支持体が、前記SNAPを前記結合部位に結合させる前に不動態化されている、請求項2記載の方法。
  6. 前記固体支持体が結合部位のアレイを含む、請求項1記載の方法。
  7. 各結合部位が、他の結合部位の各々から少なくとも70nmまたは少なくとも25nm離れている、請求項6記載の方法。
  8. 任意の2つの結合部位の端部間の距離が、前記SNAPの半径または直径よりも大きい、請求項6記載の方法。
  9. 前記SNAPが、光切断可能な結合を含む請求項1記載の方法。
  10. 前記核酸折り紙がデオキシリボ核酸(DNA)またはリボデオキシリボ核酸(RNA)を含む、請求項1記載の方法。
  11. 前記SNAPがおよそ100nmまたはおよそ300nmの直径を有する、請求項1記載の方法。
  12. 前記SNAPが約10nm~500μmの直径を有する、請求項1記載の方法。
  13. 前記SNAPが、静電相互作用を通じて前記固体支持体に付着する、請求項1記載の方法。
  14. 前記SNAPが、リンカーにより前記単一のタンパク質に共有結合されており、該リンカーがPEG、DNA、短いカルボキシル、炭素鎖、ペプトイド、スペーサー、グリセル(glycer)から選択されるものを含んでもよい、請求項1に記載の方法。
JP2020554139A 2018-04-04 2019-04-04 ナノアレイおよびマイクロアレイを製造する方法 Active JP7438966B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862652849P 2018-04-04 2018-04-04
US62/652,849 2018-04-04
PCT/US2019/025909 WO2019195633A1 (en) 2018-04-04 2019-04-04 Methods of generating nanoarrays and microarrays

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2024020674A Division JP2024056881A (ja) 2018-04-04 2024-02-14 ナノアレイおよびマイクロアレイを製造する方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2021520779A JP2021520779A (ja) 2021-08-26
JPWO2019195633A5 JPWO2019195633A5 (ja) 2022-04-11
JP7438966B2 true JP7438966B2 (ja) 2024-02-27

Family

ID=68101381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020554139A Active JP7438966B2 (ja) 2018-04-04 2019-04-04 ナノアレイおよびマイクロアレイを製造する方法

Country Status (7)

Country Link
US (5) US11203612B2 (ja)
EP (1) EP3775196A4 (ja)
JP (1) JP7438966B2 (ja)
CN (1) CN112236528A (ja)
AU (1) AU2019247841B2 (ja)
CA (1) CA3095762A1 (ja)
WO (1) WO2019195633A1 (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3548652B1 (en) 2016-12-01 2024-04-03 Nautilus Subsidiary, Inc. Methods of assaying proteins
AU2018353967B2 (en) * 2017-10-23 2024-02-29 Nautilus Subsidiary, Inc. Methods and systems for protein identification
CN112236528A (zh) 2018-04-04 2021-01-15 诺迪勒思生物科技公司 产生纳米阵列和微阵列的方法
CA3135206A1 (en) * 2019-04-29 2020-11-05 Pierre Indermuhle Methods and systems for integrated on-chip single-molecule detection
WO2020223000A1 (en) * 2019-04-30 2020-11-05 Encodia, Inc. Methods for preparing analytes and related kits
US20210187470A1 (en) * 2019-12-23 2021-06-24 llumina, Inc. Nanoparticle with single site for template polynucleotide attachment
EP4231174A3 (en) * 2020-06-11 2023-11-01 Nautilus Subsidiary, Inc. Methods and systems for computational decoding of biological, chemical, and physical entities
EP4244382A1 (en) 2020-11-11 2023-09-20 Nautilus Subsidiary, Inc. Affinity reagents having enhanced binding and detection characteristics
US20220236282A1 (en) 2021-01-20 2022-07-28 Nautilus Biotechnology, Inc. Systems and methods for biomolecule quantitation
CA3203535A1 (en) 2021-01-21 2022-07-28 Gregory KAPP Systems and methods for biomolecule preparation
AU2022232933A1 (en) 2021-03-11 2023-09-07 Nautilus Subsidiary, Inc. Systems and methods for biomolecule retention
US20230070896A1 (en) 2021-09-09 2023-03-09 Nautilus Biotechnology, Inc. Characterization and localization of protein modifications
WO2023049073A1 (en) 2021-09-22 2023-03-30 Nautilus Biotechnology, Inc. Methods and systems for determining polypeptide interactions
CA3232183A1 (en) 2021-10-11 2023-04-20 Nautilus Subsidiary, Inc. Highly multiplexable analysis of proteins and proteomes
WO2023081728A1 (en) 2021-11-03 2023-05-11 Nautilus Biotechnology, Inc. Systems and methods for surface structuring
CN114235988B (zh) * 2021-11-27 2023-12-22 山东省烟台市农业科学研究院 一种测定抑芽丹含量的高效液相色谱法
WO2023102336A1 (en) * 2021-11-30 2023-06-08 Nautilus Subsidiary, Inc. Particle-based isolation of proteins and other analytes
WO2023114732A2 (en) 2021-12-14 2023-06-22 Glyphic Biotechnologies, Inc. Single-molecule peptide sequencing through molecular barcoding and ex-situ analysis
US20230314324A1 (en) 2022-03-29 2023-10-05 Nautilus Subsidiary, Inc. Integrated arrays for single-analyte processes
WO2023196642A1 (en) 2022-04-08 2023-10-12 Glyphic Biotechnologies, Inc. Methods and systems for processing polymeric analytes
US20230360732A1 (en) 2022-04-25 2023-11-09 Nautilus Subsidiary, Inc. Systems and methods for assessing and improving the quality of multiplex molecular assays
WO2023250364A1 (en) 2022-06-21 2023-12-28 Nautilus Subsidiary, Inc. Method for detecting analytes at sites of optically non-resolvable distances
WO2024030919A1 (en) 2022-08-02 2024-02-08 Glyphic Biotechnologies, Inc. Protein sequencing via coupling of polymerizable molecules
US20240053333A1 (en) 2022-08-03 2024-02-15 Nautilus Subsidiary, Inc. Chemical modification of antibodies and functional fragments thereof
WO2024058967A1 (en) 2022-09-13 2024-03-21 Nautilus Subsidiary, Inc. Systems and methods of validating new affinity reagents
WO2024059655A1 (en) 2022-09-15 2024-03-21 Nautilus Subsidiary, Inc. Characterizing accessibility of macromolecule structures
WO2024072614A1 (en) 2022-09-27 2024-04-04 Nautilus Subsidiary, Inc. Polypeptide capture, in situ fragmentation and identification
WO2024073599A1 (en) 2022-09-29 2024-04-04 Nautilus Subsidiary, Inc. Preparation of array surfaces for single-analyte processes
CN116732141B (zh) * 2023-07-10 2024-04-02 海南大学 一种快速检测生物dna特异性的方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20160310926A1 (en) 2015-03-24 2016-10-27 Pacific Biosciences Of California, Inc. Methods and Compositions for Single Molecule Composition Loading
WO2016174525A1 (en) 2015-04-29 2016-11-03 Biosims Technologies Enhanced sensitivity in ligand binding assays performed with secondary ion mass spectrometry
US20170175184A1 (en) 2005-06-15 2017-06-22 Complete Genomics, Inc. Dna sequencing from high density dna arrays using asynchronous reactions
US20170191051A1 (en) 2009-03-27 2017-07-06 Life Technologies Corporation Labeled enzyme compositions, methods and systems

Family Cites Families (84)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060194258A1 (en) * 1989-06-07 2006-08-31 Affymetrix, Inc. Polypeptide array synthesis
US5143854A (en) 1989-06-07 1992-09-01 Affymax Technologies N.V. Large scale photolithographic solid phase synthesis of polypeptides and receptor binding screening thereof
US20040132067A1 (en) * 1990-06-11 2004-07-08 Somalogic, Inc. Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: photoselection of nucleic acid ligands and solution selex
US5635602A (en) * 1993-08-13 1997-06-03 The Regents Of The University Of California Design and synthesis of bispecific DNA-antibody conjugates
US6682886B1 (en) 1994-04-28 2004-01-27 Gilead Sciences, Inc. Bivalent binding molecules of 7 transmembrane G protein-coupled receptors
CA2277159A1 (en) 1997-01-08 1998-07-16 Wolfgang Pieken Bioconjugation of macromolecules
US7427678B2 (en) 1998-01-08 2008-09-23 Sigma-Aldrich Co. Method for immobilizing oligonucleotides employing the cycloaddition bioconjugation method
US6255469B1 (en) 1998-05-06 2001-07-03 New York University Periodic two and three dimensional nucleic acid structures
US20020197656A1 (en) * 1999-12-17 2002-12-26 Ronghao Li Cell arrays and the uses thereof
US6500611B2 (en) * 2000-08-17 2002-12-31 Thomas L. Mattson Inviable virus particles as scaffolds for constructing flexible detection systems
US20030054408A1 (en) 2001-04-20 2003-03-20 Ramamoorthi Ravi Methods and systems for identifying proteins
EP1439910A2 (en) * 2001-07-26 2004-07-28 Motorola, Inc. System and methods for mixing within a microfluidic device
US6720595B2 (en) 2001-08-06 2004-04-13 International Business Machines Corporation Three-dimensional island pixel photo-sensor
US20040023413A1 (en) 2001-11-26 2004-02-05 Molecular Reflections, Inc. Microscale immobilization of molecules using a hydrogel and methods of use thereof
CA2487424C (en) 2002-05-30 2011-01-04 The Scripps Research Institute Copper-catalysed ligation of azides and acetylenes
US6998241B2 (en) 2002-09-11 2006-02-14 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Antibody pair screening methods
EP1556506A1 (en) * 2002-09-19 2005-07-27 The Chancellor, Masters And Scholars Of The University Of Oxford Molecular arrays and single molecule detection
AU2003282832B2 (en) 2002-10-15 2009-09-10 Abmetrix, Inc. Sets of digital antibodies directed against short epitopes, and methods using same
US20060240430A1 (en) * 2002-12-04 2006-10-26 Ying Wu Method for hybridisation of immobilized genomic dna
WO2004094456A2 (en) * 2003-04-18 2004-11-04 Becton, Dickinson And Company Immuno-amplification
US7259258B2 (en) 2003-12-17 2007-08-21 Illumina, Inc. Methods of attaching biological compounds to solid supports using triazine
US20050153321A1 (en) * 2003-12-30 2005-07-14 Saba James A. Libraries of multiple-ligand-conjugated nucleic acids
EP2789383B1 (en) 2004-01-07 2023-05-03 Illumina Cambridge Limited Molecular arrays
WO2006085921A2 (en) 2004-06-10 2006-08-17 New York University Polygonal nanostructures of polynucleic acid multi-crossover molecules and assembly of lattices based on double crossover cohesion
DE102004057430A1 (de) * 2004-11-27 2006-06-01 Degussa Ag Polymere Nano-Kompositwerkstoffe durch kontrollierte Keimbildung von dendritischen Polymeren
US20060160234A1 (en) 2005-01-18 2006-07-20 Viorica Lopez-Avila Methods for assessing polypeptide array quality
WO2006102098A2 (en) 2005-03-17 2006-09-28 Primex Clinical Laboratories, Inc. Immunogens for vaccines against antigenically variable pathogens and diseases
CA2606723A1 (en) * 2005-05-09 2006-11-16 Panomics, Inc. Multiplex capture of nucleic acids
US20090018028A1 (en) 2005-05-12 2009-01-15 Stuart Lindsay Self-Assembled Nucleic Acid Nanoarrays and Uses Therefor
WO2006135527A2 (en) 2005-06-10 2006-12-21 Saint Louis University Methods for the selection of aptamers
US7842793B2 (en) 2005-06-14 2010-11-30 The California Institute Of Technology Methods of making nucleic acid nanostructures
US20070248546A1 (en) * 2005-11-09 2007-10-25 Exact Sciences Corporation Clinical algorithm for excluding patients identified in virtual imaging
WO2007120208A2 (en) * 2005-11-14 2007-10-25 President And Fellows Of Harvard College Nanogrid rolling circle dna sequencing
US7754475B2 (en) * 2006-01-25 2010-07-13 Agilent Technologies, Inc. Nucleic acid probes and microarrays for analysis of polynucleotides
US20070218503A1 (en) 2006-02-13 2007-09-20 Mitra Robi D Methods of polypeptide identification, and compositions therefor
US7692783B2 (en) 2006-02-13 2010-04-06 Pacific Biosciences Of California Methods and systems for simultaneous real-time monitoring of optical signals from multiple sources
CN100500865C (zh) 2006-04-21 2009-06-17 华东师范大学 一种通过同时识别多个表位来检测CatD蛋白的方法
WO2007117444A2 (en) 2006-03-31 2007-10-18 Yinghe Hu Protein detection by aptamers
US8735167B2 (en) * 2007-08-20 2014-05-27 Colorado Seminary, Which Owns And Operates The University Of Denver Photoinduced signal amplification through externally sensitized photofragmentation in masked photosensitizers and photoamplified fluorescence turn-off system
CA2720587A1 (en) 2008-04-09 2009-10-15 Francis Barany Coferons and methods of making and using them
US9102520B2 (en) 2008-08-13 2015-08-11 California Institute Of Technology Nanocomposite structures and related methods and systems
WO2010065531A1 (en) 2008-12-01 2010-06-10 Robi David Mitra Single molecule protein screening
WO2010120385A1 (en) * 2009-04-18 2010-10-21 Massachusetts Institute Of Technology pH SENSITIVE BIODEGRADABLE POLYMERIC PARTICLES FOR DRUG DELIVERY
US9523680B2 (en) * 2010-06-30 2016-12-20 Ambergen, Inc. Global Proteomic screening of random bead arrays using mass spectrometry imaging
US9671344B2 (en) * 2010-08-31 2017-06-06 Complete Genomics, Inc. High-density biochemical array chips with asynchronous tracks for alignment correction by moiré averaging
CN102618940A (zh) 2011-01-31 2012-08-01 艾比玛特生物医药(上海)有限公司 抗体制备方法及所得抗体和抗体库
EP2739638B1 (en) 2011-08-05 2017-10-04 President and Fellows of Harvard College Compositions and methods relating to nucleic acid nano-and micro-technology
JP6093498B2 (ja) * 2011-12-13 2017-03-08 株式会社日立ハイテクノロジーズ 核酸増幅方法
WO2013119676A1 (en) 2012-02-06 2013-08-15 Arizona Board Of Regents, A Body Corporate Of The State Of Arizona Acting For And On Behalf Of Arizona State University Novel dna-origami nanovaccines
WO2013148186A1 (en) 2012-03-26 2013-10-03 President And Fellows Of Harvard College Lipid-coated nucleic acid nanostructures of defined shape
NL2009191C2 (en) 2012-07-16 2014-01-20 Univ Delft Tech Single molecule protein sequencing.
CN104781416B (zh) 2012-07-24 2017-07-04 哈佛学院院长及董事 核酸纳米结构的自装配
US9975916B2 (en) 2012-11-06 2018-05-22 President And Fellows Of Harvard College Compositions and methods relating to complex nucleic acid nanostructures
AU2013344340B2 (en) 2012-11-19 2019-09-19 Pacific Biosciences Of California, Inc. Digital analysis of molecular analytes using single molecule detection
US10829816B2 (en) 2012-11-19 2020-11-10 Apton Biosystems, Inc. Methods of analyte detection
WO2015097077A2 (en) 2013-12-27 2015-07-02 F. Hoffmann-La Roche Ag Systemic discovery, maturation and extension of peptide binders to proteins
US9275871B2 (en) 2014-01-09 2016-03-01 Micron Technology, Inc. Nanostructures having low defect density and methods of forming thereof
SG11201609055RA (en) * 2014-05-08 2016-11-29 Fluidigm Corp Integrated single cell sequencing
TWI621584B (zh) 2014-05-22 2018-04-21 哈佛大學校長及研究員協會 可縮放核酸奈米製造技術
CN117442748A (zh) 2014-10-02 2024-01-26 希望之城公司 多价中间表位、中间表位结合抗体及其用途
EP3009520B1 (en) * 2014-10-14 2018-12-12 Karlsruher Institut für Technologie Site-specific immobilization of DNA origami structures on solid substrates
US10550145B2 (en) 2015-03-07 2020-02-04 President And Fellows Of Harvard College Single-stranded DNA nanostructures
US9466504B1 (en) 2015-03-31 2016-10-11 Micron Technology, Inc. Methods of fabricating features associated with semiconductor substrates
US9330932B1 (en) 2015-03-31 2016-05-03 Micron Technology, Inc. Methods of fabricating features associated with semiconductor substrates
US9881786B2 (en) 2015-04-02 2018-01-30 Micron Technology, Inc. Methods of forming nanostructures using self-assembled nucleic acids, and nanostructures thereof
WO2017127762A1 (en) 2016-01-20 2017-07-27 Vitrisa Therapeutics, Inc. Methods for improved aptamer selection
US11168320B2 (en) 2016-08-09 2021-11-09 Arizona Board Of Regents On Behalf Of Arizona State University Structure assisted directed evolution of multivalent aptamers
EP3548652B1 (en) 2016-12-01 2024-04-03 Nautilus Subsidiary, Inc. Methods of assaying proteins
CN111566261A (zh) 2017-08-18 2020-08-21 诺迪勒思生物科技公司 选择结合试剂的方法
US11125748B2 (en) 2017-09-01 2021-09-21 University Of British Columbia Method for organizing individual molecules on a patterned substrate and structures assembled thereby
US11391734B2 (en) 2017-09-25 2022-07-19 California Institute Of Technology Surface-immobilized bistable polynucleotide devices for the sensing and quantification of molecular events
US11214795B2 (en) 2017-09-25 2022-01-04 California Institute Of Technology Bistable polynucleotide devices for the sensing and quantification of molecular events
AU2018353967B2 (en) 2017-10-23 2024-02-29 Nautilus Subsidiary, Inc. Methods and systems for protein identification
US11721412B2 (en) 2017-10-23 2023-08-08 Nautilus Subsidiary, Inc. Methods for identifying a protein in a sample of unknown proteins
EP3704249A4 (en) * 2017-10-31 2021-10-27 Encodia, Inc. ANALYSIS KITS USING A NUCLEIC ACID CODING AND / OR LABEL
EP3704246A4 (en) 2017-10-31 2021-08-11 Encodia, Inc. PROCEDURES AND KITS USING NUCLEIC ACID ENCODING AND / OR MARKING
US11162192B2 (en) 2017-12-01 2021-11-02 Arizona Board Of Regents On Behalf Of Arizona State University Materials and methods relating to single molecule arrays
CN112236528A (zh) 2018-04-04 2021-01-15 诺迪勒思生物科技公司 产生纳米阵列和微阵列的方法
GB201807409D0 (en) 2018-05-04 2018-06-20 Oxford Nanoimaging Ltd Assay
US20210239705A1 (en) 2018-06-06 2021-08-05 Nautilus Biotechnology, Inc. Methods and applications of protein identification
JP2022513092A (ja) 2018-11-20 2022-02-07 ノーティラス・バイオテクノロジー・インコーポレイテッド 親和性試薬の設計および選択
CA3135206A1 (en) 2019-04-29 2020-11-05 Pierre Indermuhle Methods and systems for integrated on-chip single-molecule detection
US20220339181A1 (en) 2019-06-21 2022-10-27 Tilibit Nanosystems Gmbh Conditionally switchable nanostructure
WO2021087402A1 (en) 2019-10-30 2021-05-06 Nautilus Biotechnology, Inc. Flow cell systems and methods

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20170175184A1 (en) 2005-06-15 2017-06-22 Complete Genomics, Inc. Dna sequencing from high density dna arrays using asynchronous reactions
US20170191051A1 (en) 2009-03-27 2017-07-06 Life Technologies Corporation Labeled enzyme compositions, methods and systems
US20160310926A1 (en) 2015-03-24 2016-10-27 Pacific Biosciences Of California, Inc. Methods and Compositions for Single Molecule Composition Loading
WO2016174525A1 (en) 2015-04-29 2016-11-03 Biosims Technologies Enhanced sensitivity in ligand binding assays performed with secondary ion mass spectrometry

Also Published As

Publication number Publication date
US20230257416A1 (en) 2023-08-17
JP2021520779A (ja) 2021-08-26
US11603383B2 (en) 2023-03-14
CA3095762A1 (en) 2019-10-10
AU2019247841A1 (en) 2020-10-22
EP3775196A1 (en) 2021-02-17
US20230340014A1 (en) 2023-10-26
US20220017567A1 (en) 2022-01-20
AU2019247841B2 (en) 2023-02-09
CN112236528A (zh) 2021-01-15
US20220204549A1 (en) 2022-06-30
US11203612B2 (en) 2021-12-21
WO2019195633A1 (en) 2019-10-10
US20210101930A1 (en) 2021-04-08
EP3775196A4 (en) 2021-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7438966B2 (ja) ナノアレイおよびマイクロアレイを製造する方法
US20230213438A1 (en) Methods and systems for integrated on-chip single-molecule detection
US11692217B2 (en) Affinity reagents having enhanced binding and detection characteristics
Zhao et al. Engineering functional DNA-protein conjugates for biosensing, biomedical, and nanoassembly applications
EP4237581A1 (en) Reagents for massively parallel nucleic acid sequencing
Kaupbayeva et al. Molecular sieving on the surface of a nano-armored protein
US20090118140A1 (en) Method and system for assembly of macromolecules and nanostructures
EP4231174A2 (en) Methods and systems for computational decoding of biological, chemical, and physical entities
JP2008533167A (ja) 分析物の検出のための、抗体の代替抗原系の使用
JP2024056881A (ja) ナノアレイおよびマイクロアレイを製造する方法
JP7454225B2 (ja) 検出対象の分析用センサ作製用基材、検出対象の分析用センサ、及び検出対象の分析法
CN117120627A (zh) 具有增强的结合和检测特征的亲和试剂
US20230392144A1 (en) Compositions and methods for reducing base call errors by removing deaminated nucleotides from a nucleic acid library
CA3182910A1 (en) Incorporation and imaging mixes
Tulla-Puche The Power of Functional Resins in Organic Synthesis

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210118

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20210305

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220401

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230801

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7438966

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150