JP7438870B2 - 吸収性物品 - Google Patents

Description

本発明は、吸収性物品に関する。

尿等の排泄物が外に漏れ出ることを抑制する観点から、使い捨ておむつ等の吸収性物品の側部に一対の防漏カフを設けることが知られている。
特許文献１には、防漏カフとして、積層されたサイドシート間に伸縮性部材が接着されることよって形成されたサイドギャザーを有する吸収性物品が開示されている。斯かるサイドギャザーには、前記伸縮性部材よりも前後方向外側及び伸縮性部材どうし間に、積層されたサイドシート同士が接着されていない第１及び第２非接着領域が設けられており、これら非接着領域の幅方向の長さが互いに異なっている。

また、特許文献２には、防漏カフとして、所定の位置に接合部及び非接合部を有する防漏壁を備えた吸収性物品が開示されている。斯かる防漏壁は、長手方向における吸収性コアの凹み部に対応する領域の少なくとも一部に、厚さ方向の一方側の面同士が接合された接合部を有し、同長手方向において前記接合部よりも一端側の領域及び他方側の領域のうち少なくとも一方に、厚さ方向の一方側の面同士が接合されていない非接合部を有している。

特開２０１３－１２３５５４号公報 特開２０１７－１３１５６８号公報

防漏カフは、吸収性物品の着用状態において着用者の肌に当接して、排泄物が吸収性物品から横漏れすることを防止する部材である。着用状態において防漏カフと肌との摩擦が過剰であると、該防漏カフの肌触りが悪化し、さらに肌のかぶれを引き起こす虞があった。特許文献１及び２に記載の吸収性物品は、防漏カフと肌との摩擦を抑制して、肌触りを良好にする点が不充分であった。

したがって、本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。

本発明は、着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有するとともに、着用者の股間部に配される股下部並びに該股下部の前後に延在する腹側部及び背側部を有し、液保持性の吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の前記縦方向に沿う両側部に沿って配された一対の防漏カフとを備える吸収性物品に関する。
前記防漏カフは、着用者の肌と当接する肌当接面を有する帯状の肌面接部、及び該肌面接部と前記吸収性本体との間に位置する起立シート部とを有していることが好ましい。
前記防漏カフは、前記股下部に、前記肌面接部に配された弾性部材の収縮により前記起立シート部が着用者の肌側に向かって起立する起立領域を有していることが好ましい。
前記防漏カフは、前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方に、前記起立シート部が前記吸収性本体上に固定され、前記肌面接部がカフ内固定部を介して前記起立シート部に固定されている非起立領域を有していることが好ましい。
前記非起立領域における前記肌面接部においては、前記肌当接面を形成する肌側シートと該肌側シートが相対向する非肌側シートとが非接合であり、且つ前記カフ内固定部が、前記横方向における前記肌面接部の両端以外の部位に位置していることが好ましい。

本発明によれば、防漏カフと肌との過剰な摩擦を抑制して、肌触りに優れる吸収性物品を提供することができる。

図１は、本発明の吸収性物品の一実施形態において、その展開且つ伸長状態における肌対向面側（内面側）を模式的に示す展開平面図である。 図２は、図１に示す股下部における防漏カフの横方向に沿う断面図である。 図３は、図１に示す非起立領域における防漏カフの横方向に沿う断面図である。 図４は、本発明の吸収性物品における作用効果を説明するための図３相当図である。 図５は、図１に示す縦方向の端縁近傍における防漏カフの横方向に沿う断面図であって、着用前の状態を示す図である。 図６は、本発明に係る防漏カフの別の実施形態を示す図であって、図６（ａ）は股下部における該防漏カフの横方向に沿う断面図であり、図６（ｂ）は非起立領域における防漏カフの横方向に沿う断面図である。 図７は、本発明に係る防漏カフのさらに別の実施形態を示す図であって、図７（ａ）は股下部における該防漏カフの横方向に沿う断面図であり、図７（ｂ）は非起立領域における防漏カフの横方向に沿う断面図である。 図８は、カフ形成固定部の一例を示す平面図である。

以下、本発明の吸収性物品を、その好ましい実施形態に基づき説明する。図１～図５には、本発明の吸収性物品の一実施形態である展開型の使い捨ておむつ（以下、これを単に「おむつ」ともいう。）が示されている。図１には、おむつ１の肌対向面側から視た構成が示されている。
図１に示すおむつ１は、その展開且つ伸長状態において、着用者の前後方向に対応し、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向Ｘと、該縦方向Ｘに直交する横方向Ｙとを有している。おむつ１は、その着用時に着用者の腹側に配される腹側部Ａ及び背側に配される背側部Ｂと、腹側部Ａ及び背側部Ｂの間に位置する股下部Ｃと有している。各領域Ａ，Ｂ，Ｃは、おむつ１の縦方向Ｘの全長を三等分した領域であり、着用者の前後方向に連続して延びている。股下部Ｃは、おむつ１の着用時に着用者の排泄部に対向配置される排泄部対向部（図示せず）を有している。

図２に示すように、おむつ１は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート２と、非肌対向面を形成する液難透過性（撥水性も含む）の防漏シート３と、これら表面シート２及び防漏シート３間に配された液保持性の吸収体４とを備えており、これらの部材が吸収性本体１０を構成している。
表面シート２及び防漏シート３は、それぞれ、吸収体４よりも大きな寸法を有し、吸収体４の外周縁から外方に延出している。表面シート２及び防漏シート３は、吸収体４の縦方向Ｘに沿う両側縁から横方向Ｙの外方に延出している。本実施形態における表面シート２及び防漏シート３の各長手方向両端縁は、おむつ１の長手方向両端縁と略一致している。

おむつ１は、液保持性の吸収体４を備えている。図１に示す吸収体４は、その長手方向とおむつの縦方向Ｘとが一致するように配され、腹側部Ａから股下部Ｃを介して背側部Ｂに延びて配されている。吸収体４の長手方向両側縁は、おむつ１の縦方向Ｘの両側縁よりも内方に位置している。
吸収体４は、吸収性能を有する吸収性コア４０が液透過性のコアラップシート（図示せず）に被覆されて形成されている。本実施形態の吸収性コア４０は、一方向に長い略長方形の四隅が斜めに切り欠かれた形状を有し、股下部Ｃにおいて横方向Ｙに括れた部位を有している。

本明細書において、おむつ１の「展開且つ伸長状態」とは、おむつ１を展開状態とし、その展開状態のおむつ１を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法（弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ）となるまで拡げた状態をいう。
また、「肌対向面」は、おむつ又はその構成部材（例えば吸収体）に着目したときに、おむつの着用時に着用者の肌に向けられる面であり、「非肌対向面」は、おむつの着用時に着用者の肌とは反対側に向けられる面である。つまり、肌対向面は、着用者の肌に相対的に近い側の面であり、非肌対向面は、着用者の肌から相対的に遠い側の面である。「着用時」及び「着用状態」は、おむつの適正な着用位置が維持されて着用された状態を指す。

本実施形態のおむつ１は、図１に示すように、一対のファスニングテープ７，７が、後述する背側部Ｂのウエストフラップ部ＷＦの縦方向Ｘに沿う両側縁それぞれに設けられている。各ファスニングテープ７は、ウエストフラップ部ＷＦの縦方向Ｘに沿う両側縁から延出するように配されている。各ファスニングテープ７の横方向Ｙ内方側の一端は、おむつ１を構成するシート部材どうしの間、例えば防漏シート３と外装シートとの間に固定されている（図示せず）。

おむつ１の腹側部Ａにおける非肌対向面には、ファスニングテープ７が具備する止着部が着脱自在に止着可能な止着領域（図示せず）が設けられている。止着領域は、ファスニングテープ７が具備する止着部の素材に応じ、適切な素材のものが選択される。例えば止着部がメカニカルファスナーのオス材である場合、止着領域としては、メカニカルファスナーのメス材として、該オス材と係合可能な繊維シート、例えば、編物地、不織布を用いることができる。また、止着部が粘着剤である場合、止着領域としては、例えば、合成樹脂製の平滑なフィルムを用いることができる。例えば、おむつ１の腹側部Ａにおける非肌対向面を形成する外装シート等のシート部材が、止着領域となっていてもよい。

おむつ１は、吸収性本体１０の縦方向Ｘに沿う両側部に沿って配された一対の防漏カフ６，６を備えている。本実施形態の防漏カフ６は、股下部Ｃに、起立シート部６５が着用者の肌側に向かって起立する起立領域Ｆ２を有している（図１参照）。起立領域Ｆ２では、防漏カフ６が起立した状態となる。起立領域Ｆ２は、少なくとも股下部Ｃに位置している。
防漏カフ６は、図２に示すように、吸収性本体１０上に固定されており、起立領域Ｆ２において吸収性本体１０と固定される固定部２３を基端として着用者の肌側に自由端をなすように起立する。
図２に示す防漏カフ６は、おむつ１の展開且つ伸長状態のものであるので起立した状態ではないが、後述するカフ形成用弾性部材６１の伸長状態を解除して収縮させると前記固定部２３を基端として起立した状態となる。本実施形態の防漏カフ６が起立する基端は、吸収体４の横方向外方側に位置している。以下、この基端を形成する固定部２３を、「サイド固定部」２３ともいう。

防漏カフ６は、撥水性且つ通気性のカフ形成用シート１６から構成されている。防漏カフ６は、横方向内方側の端部に糸状のカフ形成用弾性部材６１が縦方向Ｘに伸長状態で一本以上配されている。このカフ形成用弾性部材６１が収縮することによって、防漏カフ６は少なくとも股下部Ｃで起立し、それによって尿等の排泄物が、横方向Ｙの外方へ流出することを抑制する。

本実施形態のおむつ１は、防漏シート３よりも非肌対向面側に配された外装シート（図示せず）を備えている。
本実施形態のおむつ１は、吸収性本体１０の非肌対向面側に外装シートが配されている。外装シートは、おむつ１の着用状態において、外部から視認可能なおむつ１の外面を形成する部材である。外装シートは、吸収性本体１０の非肌対向面に、腹側部Ａから股下部Ｃを介して背側部Ｂに延在して配されている。また、外装シートは、展開且つ伸長状態のおむつ１の外形を形作っており、外装シートの周縁は、腹側部Ａ、股下部Ｃ及び背側部Ｂのそれぞれの輪郭線を形成している。
本実施形態のおむつ１の輪郭は、縦方向Ｘの中央側、即ち股下部Ｃ側の部位が横方向Ｙに括れており、腹側部Ａ及び背側部Ｂそれぞれにおける縦方向Ｘの端部側が、該股下部Ｃ側の部位よりも横方向Ｙ外方に張り出している。換言すると、本実施形態のおむつ１は、腹側部Ａ及び背側部Ｂそれぞれに幅広部を有し、縦方向Ｘのこれら両幅広部間に該幅広部よりも幅が狭い括れ部を有している。

外装シートは、吸収体４の縦方向Ｘに沿う両側縁から横方向Ｙの外方に延出しており、防漏カフ６を構成するカフ形成用シート１６とともにサイドフラップ部ＳＦを形成している。
サイドフラップ部ＳＦは、吸収体４の縦方向Ｘに沿う両側縁から横方向Ｙの外方に延出する部材からなる部分である。本実施形態においてサイドフラップ部ＳＦは、吸収体４の前記両側縁から横方向Ｙの外方に延出したカフ形成用シート１６、表面シート２、防漏シート３、及び外装シートからなる。これらシートは、腹側部Ａから股下部Ｃを介して背側部Ｂに延在しており、吸収体４の両側縁それぞれから横方向Ｙ外方に延出している。これらシートは、吸収体４の前記両側縁からの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。

本実施形態のおむつ１では、図１に示すように、該おむつ１の縦方向Ｘに沿う両側部、具体的には一対のサイドフラップ部ＳＦ，ＳＦそれぞれには、レッグギャザー形成用弾性部材３１が、股下部Ｃを通って縦方向Ｘに延びるように伸長状態で配されている。以下、レッグギャザー形成用弾性部材３１を、レッグ弾性部材ともいう。このレッグ弾性部材３１の収縮により、着用者の脚周りに配される左右の部分、即ちおむつ１の縦方向Ｘの両側部にレッグギャザーが形成されるようになされている。本実施形態においてレッグ弾性部材３１は、サイドフラップ部ＳＦにおけるカフ形成用シート１６と防漏シート３との間に、縦方向Ｘに沿って伸長状態で固定されている。

本実施形態のおむつ１は、背側部Ｂの縦方向Ｘの端部側において、具体的には背側部Ｂにおける幅広部の縦方向Ｘの前後端間の領域において、吸収体４の周縁から縦方向Ｘの外方又は横方向Ｙの外方に延出したウエストフラップ部ＷＦを有している。ウエストフラップ部ＷＦは、背側部Ｂの縦方向Ｘの端部側において、吸収体４の周縁よりも縦方向Ｘの外方又は横方向Ｙの外方に延出する部材からなる部分である。本実施形態においてウエストフラップ部ＷＦは、吸収体４の周縁から外方に延出したカフ形成用シート１６、表面シート２、防漏シート３、及び外装シートからなる。これらシートは、吸収体４の周縁からの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。ウエストフラップ部ＷＦは、おむつ１の着用時に着用者の腰周りに対応する。ウエストフラップ部ＷＦの横方向Ｙの両側部は、サイドフラップ部ＳＦの縦方向Ｘの前後端部でもある。

本実施形態の防漏カフ６の構成について詳述する。本実施形態の防漏カフ６は、１枚のカフ形成用シート１６を複数回縦方向Ｘに沿う折り目に沿って折り畳むことで形成されている。本実施形態においては、一枚のカフ形成用シート１６を２箇所の折り目で折り返しているので、防漏カフ６は、横方向Ｙに沿う断面視においてカフ形成用シート１６が折り返された折り返し部を２箇所有している。これら２箇所の折り返し部のうち、横方向Ｙ外方側の折り返し部が防漏カフ６の自由端をなし、横方向Ｙ内方側の折り返し部が防漏カフ６の内方端部をなしている。

本実施形態の防漏カフ６は、自由端側に帯状の肌面接部６３を有している（図２参照）。肌面接部６３は、着用状態において着用者の肌と当接する肌当接面１２を有している（図２参照）。肌面接部６３は、肌当接面１２を形成する肌側シート１３と、該肌側シート１３が相対向する非肌側シート１４と、これら肌側シート１３及び非肌側シート１４間に配されたカフ形成用弾性部材６１とを備えている。
本実施形態の非肌側シート１４は、肌側シート１３と連続する一枚のカフ形成用シート１６が、縦方向Ｘに沿って折り畳まれて形成されている。

図２及び図３では、横方向Ｙにおける防漏カフ６の内方端を形成するシート間に隙間が生じるように図示されているが、該シート間に隙間が生じないように一枚のカフ形成用シート１６が折り畳まれて防漏カフ６が形成されていてもよい。なお、図３に示す非起立領域Ｆ１における防漏カフ６では、後述するように肌側シート及び非肌側シート間が接合されていないことにより、ほんの僅かな隙間が生じていてもよい。

本実施形態の防漏カフ６は、おむつ１の厚み方向Ｚにおいて肌面接部６３よりも非肌対向面側に位置する起立シート部６５を有している。起立シート部６５は、防漏カフの起立部分をなしており、肌面接部６３に配されたカフ形成用弾性部材６１の収縮により起立する。起立シート部６５は、図２及び図３に示すように、おむつ１の厚み方向Ｚにおいて肌面接部６３と吸収性本体１０との間に位置している。
起立シート部６５は、おむつ１の厚み方向Ｚにおいて肌面接部６３と対向し、防漏カフ６から横方向Ｙ外方に延出するサイドシート部１７及び該サイドシート部１７と吸収性本体１０との間に位置する本体側シート部１８を有している。本実施形態のサイドシート部１７と本体側シート部１８とは、おむつ１の厚み方向Ｚにおいて相対向しており、これら両シート部１７，１８間に形成されたカフ形成固定部６２を介して接合されている。
カフ形成固定部６２は、起立シート部６５を形成する固定部であり、縦方向Ｘにおける防漏カフ６の全長に連続して形成されている。なお、「縦方向Ｘにおける全長に連続して形成されているカフ形成固定部６２」の形態には、カフ形成固定部６２が縦方向Ｘに連続して延びる形態が含まれる他、カフ形成固定部６２が複数の小固定部ａからなり、小固定部ａどうしが部分的に重なり、且つ該小固定部ａが防漏カフ６の縦方向Ｘ全長に連なるようにして間欠配置されている形態が含まれる（図８参照）。例えば、図８に示すカフ形成固定部６２は、該カフ形成固定部６２を形成する各小固定部ａが縦方向Ｘ及び横方向Ｙ双方に傾いており、縦方向Ｘに隣り合った小固定部ａの一部どうしが、縦方向Ｘの同じ位置に重なって配置されている。

本実施形態の防漏カフ６は、腹側部Ａ及び背側部Ｂの双方に、非起立領域Ｆ１を有している。本実施形態の防漏カフ６は、縦方向Ｘにおいて起立領域Ｆ２の両側それぞれに非起立領域Ｆ１を有している。これに代えて、防漏カフ６は、腹側部Ａ及び背側部Ｂの少なくとも一方に非起立領域Ｆ１を有していてもよい。

非起立領域Ｆ１は、縦方向Ｘにおいて、カフ形成用弾性部材６１が配されていない領域、又は該カフ形成用弾性部材６１が弾性伸縮性を発現しないように配されている領域である。後者の領域においてカフ形成用弾性部材６１は、切断等の処理が施されていることによって、又は伸長状態でカフ形成用シート１６に接合されていないことによって、弾性伸縮性を発現しないようになされている。
非起立領域Ｆ１では、図３に示すように、起立シート部６５が吸収性本体１０上に固定部６７を介して固定されており、肌面接部６３が他の固定部６０を介して起立シート部６５に固定されている。以下、肌面接部６３と起立シート部６５とを固定する固定部６０を、「カフ内固定部」６０といい、起立シート部６５と吸収性本体１０とを固定する固定部６７を、「本体側固定部」６７ともいう。
本実施形態の非起立領域Ｆ１においては、起立シート部６５における本体側シート部１８が、本体側固定部６７を介して吸収性本体１０における表面シート２上に固定されている。

非起立領域Ｆ１の肌面接部６３においては、肌側シート１３と非肌側シート１４とは非接合である。即ち、非起立領域Ｆ１において肌側シート１３と非肌側シート１４との間は接合されていない。
非起立領域Ｆ１においてカフ内固定部６０は、横方向Ｙにおける肌面接部６３の両端以外の部位に位置している。即ち、肌面接部６３と起立シート部６５とは、横方向Ｙにおける該肌面接部６３の両端において接合されていない。
非起立領域Ｆ１では、カフ形成用弾性部材６１の収縮性が発現せず、且つ起立シート部６５がカフ内固定部６０で吸収性本体１０に固定されているので、起立シート部６５が起立しないようになされている。

腹側部Ａ又は背側部Ｂにおける非起立領域Ｆ１は、着用状態において着用者の腰回り配される領域であるので、着用者の動きに応じて、当該領域と着用者の肌との間で摩擦が生じ易い。この摩擦が過剰であると、肌にかぶれが生じることがある。
本実施形態の非起立領域Ｆ１における肌面接部６３では、図３に示すように、肌側シート１３と非肌側シート１４とが非接合である。一方、肌面接部６３と起立シート部６５とはカフ内固定部６０を介して固定されている。斯かる構成により、非起立領域Ｆ１において、肌当接面１２を良好に維持しながら、肌側シート１３と非肌側シート１４との位置が横方向Ｙにずれる余地を生じさせることができる（図４参照）。即ち、肌側シート１３が横方向Ｙに動く余地があるので、肌面接部６３が着用者の肌の動きに良好に追従して、摩擦が生じ難い。特にカフ内固定部６０が横方向Ｙにおける肌面接部６３の両端以外の部位に位置している場合、肌当接面１２を肌に当接させた状態で、該カフ内固定部６０を起点に肌側シート１３がより動き易くなることを、本発明者らは見出した。しかも、カフ内固定部６０が肌面接部６３及び起立シート部６５間にあり、シートどうしの接合部分である該カフ内固定部６０の感触が肌に伝わり難いので、良好な肌触りが得られる。このようにして、本実施形態のおむつ１では、防漏カフ６と肌との過剰な摩擦が効果的に抑制されるとともに、優れた肌触りを得ることができる。

カフ内固定部６０は、肌面接部６３の非肌側シート１４と起立シート部６５のサイドシート部１７とを接合する接合部分である。カフ内固定部６０は、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって形成することができる。
カフ形成固定部６２、本体側固定部６７及びサイド固定部２３も、前述の公知の接合手段によって形成することができる。

非起立領域Ｆ１における肌側シート１３の肌への追従性をより向上させる観点から、横方向Ｙにおけるカフ内固定部６０の長さＷ２（図３参照）は、横方向Ｙにおける肌当接面１２の長さＷ１（図３参照）に対して好ましくは１０％以上、より好ましくは２０％以上であり、また好ましくは５０％以下、より好ましくは４０％以下であり、また好ましくは１０％以上５０％以下、より好ましくは２０％以上４０％以下である。
上記と同様の観点から、横方向Ｙにおける肌当接面１２の長さＷ１（図３参照）は、好ましくは６ｍｍ以上、より好ましくは１２ｍｍ以上であり、また好ましくは２５ｍｍ以下、より好ましくは１８ｍｍ以下であり、また好ましくは６ｍｍ以上２５ｍｍ以下、より好ましくは１２ｍｍ以上１８ｍｍ以下である。
肌面接部６３の保形性をより向上させる観点から、横方向Ｙにおけるカフ内固定部６０の長さＷ２（図３参照）は、好ましくは２ｍｍ以上、より好ましくは３ｍｍ以上であり、また好ましくは８ｍｍ以下、より好ましくは６ｍｍ以下であり、また好ましくは２ｍｍ以上８ｍｍ以下、より好ましくは３ｍｍ以上６ｍｍ以下である。

非起立領域Ｆ１における肌側シート１３との摩擦をより抑制する観点から、非起立領域Ｆ１では、横方向Ｙにおけるカフ内固定部６０と肌面接部６３の端縁との間の距離Ｄ１（図３参照）が、横方向Ｙにおける肌当接面１２の長さＷ１（図３参照）に対して好ましくは１０％以上、より好ましくは２０％以上であり、また好ましくは５０％以下、より好ましくは４０％以下であり、また好ましくは１０％以上５０％以下、より好ましくは２０％以上４０％以下である。
上記と同様の観点から、横方向Ｙにおけるカフ内固定部６０と肌面接部６３の端縁との間の距離Ｄ１（図３参照）は、好ましくは２ｍｍ以上、より好ましくは３ｍｍ以上であり、また好ましくは８ｍｍ以下、より好ましくは６ｍｍ以下であり、また好ましくは２ｍｍ以上８ｍｍ以下、より好ましくは３ｍｍ以上６ｍｍ以下である。

前記横方向Ｙにおけるカフ内固定部６０と肌面接部６３の両端縁それぞれとの間の距離Ｄ１は、同じであってもよく、異なっていてもよい。本実施形態では、横方向Ｙにおけるカフ内固定部６０と肌面接部６３の同方向Ｙ内方側の端縁との間の距離が、横方向Ｙにおけるカフ内固定部６０と肌面接部６３の同方向Ｙ外方側の端縁との間の距離と異なっている。

非起立領域Ｆ１における肌側シート１３との摩擦をより抑制する観点から、縦方向Ｘにおける非起立領域Ｆ１の長さは、縦方向Ｘにおける防漏カフ６の全長に対して好ましくは５％以上、より好ましくは１０％以上であり、また好ましくは３０％以下、より好ましくは２０％以下であり、また好ましくは５％以上３０％以下、より好ましくは１０％以上２０％以下である。縦方向Ｘにおける非起立領域Ｆ１の長さは、非起立領域Ｆ１の１個当たりの縦方向Ｘにおける長さである。
上記と同様の観点から、縦方向Ｘにおける非起立領域Ｆ１の長さは、好ましくは４０ｍｍ以上、より好ましくは５０ｍｍ以上であり、また好ましくは１５０ｍｍ以下、より好ましくは１００ｍｍ以下であり、また好ましくは４０ｍｍ以上１５０ｍｍ以下、より好ましくは５０ｍｍ以上１００ｍｍ以下である。

非起立領域Ｆ１は、おむつ１の厚みが他の部分よりも大きい部分において、着用者の肌と接触し易い。着用者の肌と接触し易い部分において、前述した良好な肌触りをより確実に得る観点から、防漏カフ６は、吸収体４と重なる位置に非起立領域Ｆ１を有していることが好ましい。この場合、非起立領域Ｆ１は、その全域が吸収体４と重なっていなくともよく、部分的に吸収体４と重なっていればよい。

本実施形態の防漏カフ６は、一枚のカフ形成用シートが縦方向に沿って複数箇所で折り畳まれることによって肌面接部６３及び起立シート部６５が形成されている。この防漏カフ６の横方向Ｙに沿う断面視において、肌面接部６３及び起立シート部６５は、横方向Ｙ内方側のカフ形成用シート１６の折り返し部を介して連結している（図２参照）。換言すると、本実施形態の防漏カフ６は、横方向Ｙに沿う断面視において、カフ形成用シート１６が横方向Ｙの外方側に連続するように折り返された折り返し部を有している。前記折り返し部は、肌面接部６３の横方向Ｙ内方端及び起立シート部６５の横方向Ｙ内方端となっている。このように、前記断面視においてカフ形成用シート１６が横方向Ｙの外方側に連続するように折り返されて、肌面接部６３を形成している防漏カフの構造を以下「外折り構造」ともいう。

本実施形態の吸収性本体１０の肌対向面は、クッション層ＣＳを備えたシートで形成されている。より具体的には、表面シート２が肌対向面側にクッション層ＣＳを備えている。
本実施形態のクッション層ＣＳは、シートの一方の面（肌対向面）に形成された複数の凹部及び凸部からなる凹凸領域で構成されている。凹凸領域を有するシートの形態としては、積層された第１シート及び第２シートが複数の接合部において互いに接合されている複合シートであって、第１シートが接合部以外の部位において第２シートから離れる方向に突出して凸部を形成しているものが挙げられる。第１及び第２シートそれぞれは繊維シートからなることが好ましく、該繊維シートは、不織布、織布、編物、抄紙又はこれらの積層体等であることが好ましい。このような複合シートは、例えば特開２０１５－１１２３４３号公報等に記載の方法と同様の方法により製造することができる。

非起立領域Ｆ１における感触を柔らかくして、肌触りをより向上させる観点から、カフ内固定部６０は、吸収性本体１０の肌対向面におけるクッション層ＣＳと重なるように位置していることが好ましい。この場合、カフ内固定部６０は、平面視において部分的に前記クッション層ＣＳと重なるように位置していてもよいが、該カフ内固定部６０全域が平面視において前記クッション層ＣＳと重なるように位置していることがより好ましい。

本実施形態のおむつ１は、背側部Ｂにおいて、横方向Ｙに延びる弾性部材５１が伸長状態で配された背側伸縮領域５０を有している。斯かる背側伸縮領域５０は、背側部Ｂにおけるウエストフラップ部ＷＦを構成するシート間において、横方向Ｙに伸長状態で固定されたウエスト弾性部材５１が複数本配されており、該弾性部材５１の収縮によって、ウエストフラップ部ＷＦにウエストギャザーが形成されるようになされている。本実施形態のウエスト弾性部材５１は、防漏シート３と表面シート２との間に固定されている。
非起立領域Ｆ１の肌触りとフィット性とをより両立させる観点から、平面視において非起立領域Ｆ１と背側伸縮領域５０とが重なっていることが好ましい。この場合、非起立領域Ｆ１と背側伸縮領域５０とは部分的に重なっていればよいが、平面視において非起立領域Ｆ１全域が背側伸縮領域５０と重なっていることがより好ましい。

非起立領域Ｆ１において、その肌対向面側に他のシート部材が配されていてもよい。例えば、非起立領域Ｆ１の肌対向面が、部分的に他のシート部材で被覆されていてもよい。この場合、吸収性本体１０の肌対向面上を伝って移動した尿などの排泄物の漏れをより抑制することができる点で好ましい。
斯かる効果をより向上させる観点から、非起立領域Ｆ１における縦方向Ｘ外方側端部の肌対向面が別体のシート部材で被覆されていることが好ましい。
排泄物の漏れをより抑制する観点から、非起立領域Ｆ１が前記別体のシートで被覆される領域は、縦方向Ｘ外方側の端縁から縦方向Ｘの股下部Ｃに向かって、好ましくは５０ｍｍ以上、より好ましくは６０ｍｍ以上の領域であり、また好ましくは１６０ｍｍ以下、より好ましくは１１０ｍｍ以下の領域であり、また好ましくは５０ｍｍ以上１６０ｍｍ以下の領域、より好ましくは６０ｍｍ以上１１０ｍｍ以下の領域である。
別体のシート部材は、防漏カフ６を構成するシート部材以外の他のシート部材やその一部であってもよい。他のシート部材としては補助シート等が挙げられ、他のシート部材の一部としては、外装シートをおむつ１の縦方向Ｘの端縁で肌対向面側に折り返した折り返し部等が挙げられる。

図５には、本実施形態のおむつ１について、縦方向Ｘの端縁ｅ１近傍（図１参照）における防漏カフ６の横方向Ｙに沿う拡大断面図が示されている。図５は着用前の防漏カフ６の拡大断面図である。
本実施形態の非起立領域Ｆ１は、図５に示すように、縦方向Ｘの端縁ｅ１において、肌側シート１３及び非肌側シート１４間が仮固定されている。斯かる端縁において、肌側シート１３及び非肌側シート１４は、これら両シート１３，１４を圧接することにより互いに仮固定されており、着用状態において非起立領域Ｆ１が着用者の肌の動きに追従したときに剥離される程度に弱く固定されている。
このように、非起立領域Ｆ１の縦方向Ｘの端縁ｅ１において、仮固定された肌側シート１３と非肌側シート１４とが着用状態において剥離可能になされていると、着用時に防漏カフ６の起立性をより向上させることができる点で好ましい。

本実施形態の非起立領域Ｆ１では、図３に示すように、前記横方向に沿う断面視において横方向Ｙにカフ内固定部６０とカフ形成固定部６２とが重なって配されている。即ち、平面視においてカフ内固定部６０とカフ形成固定部６２とは重なって配されている。斯かる構成により、肌面接部６３の肌への追従性及び防漏カフ６の起立性をより両立させることができる。平面視においてカフ内固定部６０とカフ形成固定部６２とは、部分的に重なっていてもよく、その全域が重なっていてもよい。
また、本実施形態の非起立領域Ｆ１では、前記横方向に沿う断面視において横方向Ｙにカフ内固定部６０と、カフ形成固定部６２とともに、本体側固定部６７も重なって配されている（図３参照）。即ち、平面視においてカフ内固定部６０とカフ形成固定部６２と本体側固定部６７とは重なって配されている。斯かる構成により、肌側シート１３が着用者の肌に追従して、肌面接部６３の肌側シート１３と非肌側シート１４との間に、よりズレが生じやすくなり、着用時に仮固定部をより確実に剥離することができる。平面視においてカフ内固定部６０とカフ形成固定部６２と本体側固定部６７とは、部分的に重なっていてもよく、その全域が重なっていてもよい。

図６及び図７には、本発明に係る防漏カフの他の実施形態が示されている。後述する図６及び図７に示す実施形態については、図１～図５に示す実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、上述した実施形態についての説明が適宜適用される。

前述した実施形態において防漏カフ６は、一枚のカフ形成用シート１６が外折り構造に折り畳まれたものであったが、防漏カフの構造は斯かる形態に限定されない。
図６（ａ）及び（ｂ）に示す実施形態において防漏カフ６ａは、肌面接部６３と、二段重ねの起立シート部６５ａとを有している。この起立シート部６５ａは、厚み方向Ｚにおいて、肌面接部６３と隣接する肌側起立シート部６６と、吸収性本体１０と隣接する非肌側起立シート部６９とを有しており、これら肌側起立シート部６６と非肌側起立シート部６９とが重なって二段重ねとなっている。
肌面接部６３、肌側起立シート部６６及び非肌側起立シート部６９は、一枚のカフ形成用シート１６が折り畳まれることによって形成されている。

本実施形態の起立シート部６５ａにおいて肌側起立シート部６６は、おむつ１の厚み方向Ｚにおいて肌面接部６３と対向しており、横方向Ｙにおける肌面接部６３の中央近傍で該肌面接部６３と連結している。これにより、横方向Ｙにおいて起立シート部６５ａの肌面接部６３及び肌側起立シート部６６の断面が、Ｔ字型構造となっている〔図６（ａ）及び（ｂ）参照〕。
本実施形態の非肌側起立シート部６９は、防漏カフ６ａの横方向Ｙ内方端部において肌側起立シート部６６と連結しており、該内方端部から横方向外方に向かって連続する２枚のシート１７，１８によって形成されている。これら２枚のシートは、防漏カフ６ａから横方向Ｙ外方に延出するサイドシート部１７及び該サイドシート部１７と吸収性本体１０との間に位置する本体側シート部１８である。これらサイドシート部１７と本体側シート部１８とは、おむつ１の厚み方向Ｚにおいて相対向している。

本実施形態における肌側起立シート部６６と非肌側起立シート部６９との連結部分は、該連結部分を形成するシート間に接着剤等で形成されたカフ形成固定部６２ａを有している。カフ形成固定部６２ａは、２段重ねの起立シート部６５ａの横方向Ｙ内方端部を形成するシート１６間に配されている。より具体的には、カフ形成固定部６２ａは、非肌側起立シート部６９におけるサイドシート部１７と本体側シート部１８との間、及び肌側起立シート部６６におけるサイドシート部１７及び本体側シート部１８それぞれが連続したシート間に配されている。このカフ形成固定部６２ａによって、前述したＴ字型構造が維持された状態で、２段重ねの起立シート部６５ａを着用者の肌に向かって起立させることができる。

図７（ａ）及び（ｂ）に示す実施形態において防漏カフ６ｂは、肌面接部６３と、二段重ねの起立シート部６５ｂとを有している。この起立シート部６５ｂは、厚み方向Ｚにおいて、肌側起立シート部６６ｂと非肌側起立シート部６９ｂとを有しており、これらシート部６６ｂ，６９ｂが重なって二段重ねとなっている。
肌面接部６３、肌側起立シート部６６ｂ及び非肌側起立シート部６９ｂは、一枚のカフ形成用シート１６が折り畳まれることによって形成されている。肌側起立シート部６６ｂを形成し且つ厚み方向Ｚに対向するシート間、及び非肌側起立シート部６９ｂを形成し且つ厚み方向Ｚに対向するシート間それぞれは、カフ形成固定部６２によって接合されている。

本実施形態の肌面接部６３及び起立シート部６５ｂそれぞれの横方向Ｙ内方端は、該横方向Ｙの位置が一致しており、これら各部６３，６５ｂの横方向Ｙ内方端が防漏カフ６ｂの横方向Ｙ内方端を形成している。
本実施形態の起立シート部６５ｂにおいて肌側起立シート部６６ｂは、おむつ１の厚み方向Ｚにおいて肌面接部６３と対向しており、肌面接部６３の横方向Ｙ外方端部で該肌面接部６３と連結している。本実施形態の非肌側起立シート部６９ｂは、防漏カフ６ｂの横方向Ｙ内方端部において肌側起立シート部６６ｂと連結しており、該内方端部から横方向外方に向かって連続するサイドシート部１７及び本体側シート部１８で形成されている。即ち、本実施形態の防漏カフ６ｂは、横方向Ｙにおける断面がつづら折り構造となっている〔図７（ａ）及び（ｂ）参照〕。
本実施形態の非起立領域Ｆ１では、前記つづら折り構造の一部をなす肌側起立シート部６６ｂ及び非肌側起立シート部６９ｂ間が固定部６８によって固定されている。非起立領域Ｆ１では、カフ内固定部６０、カフ形成固定部６２、前記固定部６８、及び本体側固定部６７が横方向Ｙにおいて重なっている。

上述した実施形態におけるおむつの各部の形成材料について詳述する。表面シート２、防漏シート３及び吸収体４としてはそれぞれ、吸収性物品に従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。
表面シート２としては例えば、液透過性の不織布及び開孔フィルム等を用いることができる。
防漏シート３としては、液難透過性の樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。
吸収体４は、吸収性コア４１として、木材パルプ、親水化処理された合成繊維等の親水性繊維の集合体や、該集合体に吸水性ポリマーを保持させたものを用いることができる。また、コアラップシート４２としては、表面シート２と同様のものを用いることができる。また、カフ形成用シート１６としては、撥水性の不織布を用いることができる。

また、外装シート及びカフ形成用シート１６は、例えば各種製法による不織布を用いることができ、例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、ヒートロール不織布、メルトブローン不織布、又はこれらの積層不織布等を用いることができる。外装シートは、一枚のシートで構成されていてもよく、これに代えて、複数枚のシートの積層体で構成されていてもよい。
防漏カフ６の肌面接部６３に配されるカフ形成用弾性部材６１や、ウエスト弾性部材５１、レッグ弾性部材３１等の弾性部材は、この種の吸収性物品に通常用いられる各種公知の弾性材料を特に制限なく用いることができる。弾性材料としては、例えば、スチレン－ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、ＥＶＡ、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等が挙げられる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、多角形状等の糸状（糸ゴム等）若しくは紐状（平ゴム等）のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。

以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。
例えば、上述した実施形態において、防漏カフ６は一枚のカフ形成用シート１６を折り畳んで形成されていたが、複数枚のカフ形成用シート１６を組み合わせて形成されていてもよい。斯かる形態としては、肌面接部６３及び肌側起立シート部６６と、非肌側起立シート部６９とがそれぞれ別体のシートで形成されており、肌側起立シート部６６と非肌側起立シート部６９とが接着剤等で固定されたものが挙げられる。
また、非起立領域Ｆ１では、平面視においてカフ内固定部６０とカフ形成固定部６２とが重なっていなくともよい。さらに起立領域Ｆ１では、平面視においてカフ形成固定部６２と本体側固定部６７とが重なっていなくともよい。
また、上述した吸収性物品は、止着テープを有するいわゆる展開型の使い捨ておむつであったが、本発明の吸収性物品には、人体から排出される体液（尿、軟便、経血、汗等）の吸収に用いられる物品が広く包含される。例えば、パンツ型の使い捨ておむつ、失禁パッド、生理用ナプキン、生理用ショーツ等が包含される。

上述した本発明の実施形態に関し、さらに以下の吸収性物品を開示する。
＜１＞
着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有するとともに、着用者の股間部に配される股下部並びに該股下部の前後に延在する腹側部及び背側部を有し、液保持性の吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の前記縦方向に沿う両側部に沿って配された一対の防漏カフとを備える吸収性物品であって、
前記防漏カフは、着用者の肌と当接する肌当接面を有する帯状の肌面接部、及び該肌面接部と前記吸収性本体との間に位置する起立シート部とを有しており、
前記股下部に、前記肌面接部に配された弾性部材の収縮により前記起立シート部が着用者の肌側に向かって起立する起立領域を有し、
前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方に、前記起立シート部が前記吸収性本体上に固定され、前記肌面接部がカフ内固定部を介して前記起立シート部に固定されている非起立領域を有しており、
前記非起立領域における前記肌面接部においては、前記肌当接面を形成する肌側シートと該肌側シートが相対向する非肌側シートとが非接合であり、且つ前記カフ内固定部が、前記横方向における前記肌面接部の両端以外の部位に位置している、吸収性物品。

＜２＞
前記防漏カフは、前記吸収体と重なる位置に前記非起立領域を有している、前記＜１＞に記載の吸収性物品。
＜３＞
前記防漏カフは、前記横方向に沿う断面視において、カフ形成用シートが前記横方向の外方側に連続するように折り返されて形成されており、その折り返し部が、前記肌面接部の前記横方向内方端と前記起立シート部の前記横方向内方端となっている、前記＜２＞に記載の吸収性物品。
＜４＞
前記吸収性本体の肌対向面はクッション層を備えたシートで形成されており、
前記カフ内固定部は、平面視において前記クッション層と重なるように位置している、前記＜１＞～＜３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜５＞
前記吸収性物品は、前記背側部において、前記横方向に延びる弾性部材が伸長状態で配された背側伸縮領域を有しており、
平面視において前記非起立領域と前記背側伸縮領域とが重なっている、前記＜１＞～＜４＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜６＞
前記非起立領域の肌対向面が、部分的に他のシート部材で被覆されている、前記＜１＞～＜５＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜７＞
前記非起立領域は、前記縦方向外方の端縁において、前記肌側シート及び前記非肌側シート間が仮固定されており、該肌側シートと該非肌側シートとが着用状態において剥離可能になされている、前記＜１＞～＜６＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜８＞
前記起立シート部は、前記吸収性物品の厚み方向において前記肌面接部と対向し、前記防漏カフから前記横方向外方に延出するサイドシート部及び該サイドシート部と前記吸収性本体との間に位置する本体側シート部を有しており、
前記サイドシート部と前記本体側シート部とは、前記吸収性物品の厚み方向において相対向し、これら両シート部間に形成されたカフ形成固定部を介して接合されており、
前記起立領域では、平面視において前記カフ内固定部と前記カフ形成固定部とが重なって配されている、前記＜１＞～＜７＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜９＞
前記起立シート部は、前記吸収性本体上に本体側固定部を介して固定されており、
平面視において前記カフ内固定部と、前記カフ形成固定部とともに、前記本体側固定部も重なって配されている、前記＜８＞に記載の吸収性物品。
＜１０＞
前記カフ形成固定部は、前記縦方向における前記防漏カフの全長に連続して形成されている、前記＜８＞又は＜９＞に記載の吸収性物品。

＜１１＞
前記カフ形成固定部は、複数の小固定部からなり、該小固定部どうしが部分的に重なり、且つ該小固定部が前記防漏カフの前記縦方向全長に連なるようにして間欠配置されている、前記＜８＞～＜１０＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜１２＞
前記横方向における前記カフ内固定部の長さＷ２は、前記横方向における前記肌当接面の長さＷ１に対して１０％以上、好ましくは２０％以上であり、また５０％以下、好ましくは４０％以下であり、また１０％以上５０％以下、好ましくは２０％以上４０％以下である、前記＜１＞～＜１１＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜１３＞
前記横方向における前記肌当接面の長さＷ１は、６ｍｍ以上、好ましくは１２ｍｍ以上であり、また２５ｍｍ以下、好ましくは１８ｍｍ以下であり、また６ｍｍ以上２５ｍｍ以下、好ましくは１２ｍｍ以上１８ｍｍ以下である、前記＜１２＞に記載の吸収性物品。
＜１４＞
前記非起立領域では、前記横方向における前記カフ内固定部と前記肌面接部の端縁との間の距離Ｄ１が、前記横方向における前記肌当接面の長さＷ１に対して１０％以上、好ましくは２０％以上であり、また５０％以下、好ましくは４０％以下であり、また１０％以上５０％以下、好ましくは２０％以上４０％以下である、前記＜１＞～＜１３＞の何れか１に記載の吸収性物品。
＜１５＞
前記横方向における前記カフ内固定部と前記肌面接部の端縁との間の距離Ｄ１は、２ｍｍ以上、好ましくは３ｍｍ以上であり、また８ｍｍ以下、より好ましくは６ｍｍ以下であり、また２ｍｍ以上８ｍｍ以下、好ましくは３ｍｍ以上６ｍｍ以下である、前記＜１４＞に記載の吸収性物品。

１ 吸収性物品（使い捨ておむつ）
２ 表面シート
３ 防漏シート
４ 吸収体
６ 防漏カフ
７ ファスニングテープ
１０ 吸収性本体
１６ カフ形成用シート
６０ カフ内固定部
６１ カフ形成用弾性部材
６２ カフ形成固定部
６３ 肌面接部
６５ 起立シート部
６６ 肌側起立シート部
６７ 本体側固定部
Ａ 腹側部
Ｂ 背側部
Ｃ 股下部
ＳＦ サイドフラップ部
ＷＦ ウエストフラップ部
Ｘ 縦方向
Ｙ 横方向
Ｚ 厚み方向

Claims (6)

1. 着用者の前後方向に対応する縦方向及び該縦方向に直交する横方向を有するとともに、着用者の股間部に配される股下部並びに該股下部の前後に延在する腹側部及び背側部を有し、液保持性の吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の前記縦方向に沿う両側部に沿って配された一対の防漏カフとを備える吸収性物品であって、
   前記防漏カフは、着用者の肌と当接する肌当接面を有する帯状の肌面接部、及び該肌面接部と前記吸収性本体との間に位置する起立シート部を有しており、
   前記股下部に、前記肌面接部に配された弾性部材の収縮により前記起立シート部が着用者の肌側に向かって起立する起立領域を有し、
   前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方に、前記起立シート部が前記吸収性本体上に固定され、前記肌面接部がカフ内固定部を介して前記起立シート部に固定されている非起立領域を有しており、
   前記非起立領域における前記肌面接部においては、前記肌当接面を形成する肌側シートと該肌側シートが相対向する非肌側シートとが非接合であり、且つ前記カフ内固定部が、前記横方向における前記肌面接部の両端以外の部位に位置しており、
   前記非起立領域は、前記縦方向外方の端縁において、前記肌側シート及び前記非肌側シート間が仮固定されており、該肌側シートと該非肌側シートとが着用状態において剥離可能になされている、吸収性物品。
2. 前記防漏カフは、前記吸収体と重なる位置に前記非起立領域を有している、請求項１に記載の吸収性物品。
3. 前記防漏カフは、前記横方向に沿う断面視において、カフ形成用シートが前記横方向の外方側に連続するように折り返されて形成されており、その折り返し部が、前記肌面接部の前記横方向内方端と前記起立シート部の前記横方向内方端となっている、請求項２に記載の吸収性物品。
4. 前記吸収性本体の肌対向面はクッション層を備えたシートで形成されており、
   前記カフ内固定部は、平面視において前記クッション層と重なるように位置している、請求項１～３の何れか１項に記載の吸収性物品。
5. 前記吸収性物品は、前記背側部において、前記横方向に延びる弾性部材が伸長状態で配された背側伸縮領域を有しており、
   平面視において前記非起立領域と前記背側伸縮領域とが重なっている、請求項１～４の何れか１項に記載の吸収性物品。
6. 前記非起立領域の肌対向面が、部分的に他のシート部材で被覆されている、請求項１～５の何れか１項に記載の吸収性物品。

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