JP7437658B2 - 三次元成形回路部品の製造方法 - Google Patents

三次元成形回路部品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7437658B2
JP7437658B2 JP2021046645A JP2021046645A JP7437658B2 JP 7437658 B2 JP7437658 B2 JP 7437658B2 JP 2021046645 A JP2021046645 A JP 2021046645A JP 2021046645 A JP2021046645 A JP 2021046645A JP 7437658 B2 JP7437658 B2 JP 7437658B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photoreactive
substrate
bonding agent
catalyst
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021046645A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022145295A (ja
Inventor
一孝 鈴木
和幸 目黒
総一郎 村上
真希 村松
健太 樋澤
恵美 黒須
綾子 石原
英俊 平原
宏樹 村岡
静 桑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iwate University
Original Assignee
Iwate University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iwate University filed Critical Iwate University
Priority to JP2021046645A priority Critical patent/JP7437658B2/ja
Publication of JP2022145295A publication Critical patent/JP2022145295A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7437658B2 publication Critical patent/JP7437658B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chemically Coating (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Description

本発明は、三次元成形回路部品の製造方法に関する。
近年、無機材料や高分子材料の成形品の基板表面に、立体的に導体配線を形成したMID(Molded Interconnect Device、三次元成形回路部品)への需要が高まっている。三次元成形回路部品の例には、例えば電子機器の回路基板や、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂上に金属めっきが施された車両用の部材などがある。
三次元成形回路部品は異なる材料が接合された複合材料であるため、異なる材料同士の密着性は重要な特性であり、密着性を向上させるための改良が試みられている。例えば、密着性を向上させるための方法として、基板表面を粗面化することで微細な凹凸を形成し、その上に導体配線を形成するものが提案されている(例えば、特許文献1)。当該方法によれば、形成された微細な凹凸により、導体配線を形成した際のアンカー効果(食い込み効果)が期待され、基板表面と導体配線との密着性が向上する。基板表面に微細な凹凸を形成する手段としては、酸化剤等により基板表面をエッチングする技術が知られている。
しかしながら、上記の方法では、基板表面に凹凸が存在する分、信号の伝達ロスや発熱の原因となるため好ましくなく、さらに、基板表面の凹凸により導体配線の微細なパターンの形成が妨げられるという問題もある。
上記の問題に対して、例えば、基板に凹凸を設けることなく密着性を高める技術として、コロナ放電処理によって基板上にOH基を導入する技術が存在する。しかし、コロナ放電処理においては導入されるOH基が少ないことなどから、コロナ放電処理のみでは密着性の向上に限界があった。
また、基板に凹凸を設けず他の材質との密着性を高める技術の他の例として、基板の表面に反応性を付与できる化合物(反応性付与化合物)を設けるものがある。例えば、プラスチックから成る基板と、ガラスや金属等の密着性を向上させる有機官能性シラン化合物が開発されている。この方法はカップリング剤、すなわち二官能性分子を用いるもので、プラスチックと接合対象の双方に反応し、共有結合を形成するものである。より具体的に言えば、シランカップリング剤は有機官能性シランモノマー類であり、二元反応性を持っているものである。この特性は分子の一端にある官能基が加水分解し、シラノールを形成、次いでガラス等上の類似官能基や、金属酸化物上のOH基との縮合などにより結合することを可能としている。このようにシランカップリング剤は有機物とその他材料を共有結合で結合させる分子として非常に有用なものとして知られている。
基板の表面に反応性付与化合物を用いる場合の回路形成方法として、被覆材を用いて非回路部分を選択的に被覆することにより、非被覆部分に回路を形成する方法が知られている(例えば、特許文献2)。特許文献2の方法においては、被覆材として、ポリグリコール酸、若しくはポリ乳酸の単体、またはポリ乳酸と脂肪族ポリエステルとの混合体、若しくは共重合体からなるものを用いている。
特開2001-230524号公報 特開2009-302081号公報
上述のように三次元成形回路部品は、異なる材料同士の密着性が高いことが望ましい。特に電子機器分野では、技術の進歩に伴って、さらなる高集積化や高密度化が求められており、隙間なく密着していることや、小さい面積で接合していても剥がれにくいこと等が好ましい。
特許文献2の方法では、基板表面と導体配線との密着性を高めるために反応性付与化合物を用いており、被覆材により部分的に被覆することで、配線パターンを形成している。しかし、三次元成形回路部品は基板の形状が立体的であるため、そもそも被覆材により非回路部分を選択的に被覆することに困難が生じる。特許文献2においては、所定の被覆材を用いることによりかかる課題を解決しようとしているが、被覆材を用いず(マスク法によらず)配線パターンを形成することができれば、三次元成形回路部品の製造がより容易となる。
本発明は上記のような事情を鑑みてなされたものであり、基板表面を粗面化せずとも、基板と導体配線(導電性物質)とを十分に密着させることができ、三次元成形回路部品を容易に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく研究を行った結果、高分子材料から成る基板の表面に光反応性接合剤を付与する接合剤付与工程と、光反応性接合剤が付与された基板の表面に収束光を選択的に照射し、基板の表面と光反応性接合剤とを接合する照射工程と、照射工程後に基板の表面と接合していない光反応性接合剤を洗浄により取り除く第1洗浄工程と、第1洗浄工程の後に光反応性接合剤に結合する触媒を付与する触媒付与工程と、触媒付与工程の後に光反応性接合剤に結合していない触媒を洗浄により取り除く第2洗浄工程と、第2洗浄工程の後に触媒が結合した光反応性接合剤に無電解めっき処理により導電性物質を配置するめっき工程と、を有する三次元成形回路部品の製造方法により、基板表面を粗面化しなくとも、三次元成形回路部品の基板と導体配線(導電性物質)とを十分に密着するができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
具体的には、本発明は以下の通りである。
〔1〕 高分子材料から成る基板の表面に光反応性接合剤を付与する接合剤付与工程と、
前記光反応性接合剤が付与された前記基板の表面に収束光を選択的に照射し、前記基板の表面と前記光反応性接合剤とを接合する照射工程と、
前記照射工程後に前記基板の表面と接合していない前記光反応性接合剤を洗浄により取り除く第1洗浄工程と、
前記第1洗浄工程の後に前記光反応性接合剤に結合する触媒を付与する触媒付与工程と、
前記触媒付与工程の後に前記光反応性接合剤に結合していない前記触媒を洗浄により取り除く第2洗浄工程と、
前記第2洗浄工程の後に前記触媒が結合した前記光反応性接合剤に無電解めっき処理により導電性物質を配置するめっき工程と、を有する三次元成形回路部品の製造方法。
〔2〕 前記照射工程では、前記基板を多軸制御することで前記基板の表面に前記収束光を選択的に照射する、〔1〕に記載の三次元成形回路部品の製造方法。
〔3〕 前記光反応性接合剤は、1分子内に、トリアジン環と、ジアゾメチル基と、アルコキシシリル基(前記アルコキシシリル基中のアルコキシ基がOHである場合も含まれる)および/またはチオール基とを有する化合物である、〔1〕又は〔2〕に記載の三次元成形回路部品の製造方法。
〔4〕 前記光反応性接合剤は、下記一般式(1)で表される化合物である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の三次元成形回路部品の製造方法。
Figure 0007437658000001

[式(1)中、-Q又は-Qの少なくとも1つが-NR(R)又は-SR(R)であり、残りは任意の基である。R及びRは、H、炭素数が1~24の炭化水素基、又は-RSi(R’)(OA)3-n(Rは、炭素数が1~12の鎖状の炭化水素基である。R’は、炭素数が1~4の鎖状の炭化水素基である。Aは、H又は炭素数が1~4の鎖状の炭化水素基である。nは0~2の整数である。)である。ただし、前記R,Rのうちの少なくとも一つは前記-RSi(R’)(OA)3-nである。]
〔5〕 前記接合剤付与工程の前に、前記基板の表面を改質する表面改質工程を有する、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の三次元成形回路部品の製造方法。
〔6〕 前記照射工程にて照射する光の波長が280nm~400nmである、〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の三次元成形回路部品の製造方法。
〔7〕 前記照射工程にて照射する光の積算光量が50mJ/cm~10J/cmである、〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の三次元成形回路部品の製造方法。
〔8〕 前記触媒付与工程において付与される触媒は、Pd、Ag、Cuからなる群より選ばれる、〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の三次元成形回路部品の製造方法。
〔9〕 前記めっき工程において配置される導電性物質の表面粗さが0.3μm以下である、〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の三次元成形回路部品の製造方法。
本発明の三次元成形回路部品の製造方法によれば、基板表面を粗面化せずとも、基板と導体配線とが十分に密着した三次元成形回路部品を製造することができる。
本実施形態に係る三次元成形回路部品の製造方法を説明するための概略図である。 実施例で製造した三次元成形回路部品の断面を走査電子顕微鏡を用いて観察した際の写真である。 実施例で製造した三次元成形回路部品の表面を走査電子顕微鏡を用いて観察した際の写真である。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る三次元成形回路部品の製造方法は、高分子材料から成る基板の表面に光反応性接合剤を付与する接合剤付与工程と、光反応性接合剤が付与された基板の表面に収束光を選択的に照射し、基板の表面と光反応性接合剤とを接合する照射工程と、照射工程後に基板の表面と接合していない光反応性接合剤を洗浄により取り除く第1洗浄工程と、第1洗浄工程の後に光反応性接合剤に結合する触媒を付与する触媒付与工程と、触媒付与工程の後に光反応性接合剤に結合していない触媒を洗浄により取り除く第2洗浄工程と、第2洗浄工程の後に触媒が結合した光反応性接合剤に無電解めっき処理により導電性物質を配置するめっき工程と、を有する。
〔光反応性接合剤〕
本実施形態の三次元成形回路部品の製造方法に用いられる光反応性接合剤2は、図1に示されるように、基板1の表面に付与された後に照射工程における光照射により基板1と接合し、さらに触媒付与工程で付与される触媒4と結合し、めっき工程によって形成されるめっき(導電性物質5)の基礎となる物質である。
本実施形態で用いる光反応性接合剤は、その1分子内に、光の照射により高反応性の化学種を発生させ、高分子材料から成る基板の表面に接合する光反応性基と、触媒と相互作用して結合する相互作用性基と、を有する。なお、相互作用性基は、加水分解等により触媒との相互作用性(結合性)を発現する官能基であってもよい。
光反応性接合剤は、1分子内に、トリアジン環と、ジアゾメチル基と、アルコキシシリル基(前記アルコキシシリル基中のアルコキシ基がOHである場合も含まれる)および/またはチオール基とを有する化合物であることが好ましい。
トリアジン環としては、好ましくは1,3,5-トリアジンなどを用いることができる。また、アルコキシシリル基は、シラノール生成基の一種として選択することができる。シラノール生成基は、加水分解等によりシラノールを生じる基である。アルコキシシリル基としては、ケイ素とアルコキシ基を有する基であれば任意に選択できる。ここで、アルコキシシリル基がトリアジン環と結合する部位と、ケイ素との間には、他の元素が存在してもよい。例えば、アルコキシシリル基がトリアジン環と結合する部位とケイ素との間には、アミノ基、チオ基、オキシ基および/または炭化水素基などが存在していてもよい。前述のような他の元素が存在することで、基板表面と導体配線とが光反応性接合剤を介して接合する際に、スペーサとして働く。また、本実施形態の光反応性接合剤が2個以上のアルコキシシリル基を有する場合は、その構造は同一でも異なるものでも良い。
光反応性接合剤として好ましい上記化合物においては、ジアゾメチル基が光反応性基であり、アルコキシシリル基および/またはチオール基が相互作用性基に該当し得る。なお、アルコキシシリル基は、加水分解によりシラノール基を生じ、かかるシラノール基が触媒との相互作用に寄与する。上記化合物は、光が照射されることで、ジアゾメチル基が光分解してカルベン(価電子が6個で電荷をもたない炭素)を生成し、かかるカルベンの部位がラジカル付加反応を起こし、基板の高分子材料表面と化学結合を形成する。これにより、上記化合物のアルコキシシリル基および/またはチオール基が基板表面に付与される。
光反応性接合剤は、より好ましくは、下記の一般式(1)で表される化合物である。
Figure 0007437658000002
前記一般式(1)中、-Q又は-Qの少なくとも1つが-NR(R)又は-SR(R)、であり、残りは任意の基である。R及びRは、H、炭素数が1~24の炭化水素基、又は-RSi(R’)(OA)3-nである。前記炭素数が1~24の炭化水素基は、鎖状の炭化水素基、置換基(環状又は鎖状)を有する鎖状の炭化水素基、環状基、又は置換基(環状又は鎖状)を有する環状基である。例えば、-C2m+1,-C2m-1,-C,-CHCH,-CH,-C10等である。前記-RSi(R’)(OA)3-mのRは、炭素数が1~12の鎖状の炭化水素基(例えば、-C2m)である。前記R’は、炭素数が1~4の鎖状の炭化水素基(例えば、-C2m+1)である。前記Aは、H、又は炭素数が1~4の鎖状の炭化水素基(例えば、-CH,-C,-CH(CH,-CHCH(CH,又は-C(CH)である。nは0~2の整数である。RとRとの少なくとも一方は、前記-RSi(R’)(OA)3-nである。RとRとは同一でも異なるものでも良い。本明細書で置換基を有する基(例えば、炭化水素基)とは、例えば、前記基(例えば、炭化水素基)のHが置換可能な適宜な官能基で置換されたものを意味する。
及びQは、両方が-HN-RSi(R’)(OA)3-n又は-S-RSi(R’)(OA)3-nであってもよい。すなわち、-Q又は-Qの両方が-NR(R)又は-SR(R)であり、R、Rのいずれかが-RSi(R’)(OA)3-n、残りがHであってもよい。また、Q及びQに結合する-HN-RSi(R’)(OA)3-n又は-S-RSi(R’)(OA)3-nは、同一でも異なるものでも良い。同一の場合、Q及びQの双方が-HN-Rであり、RはRSi(R’)(OA)3-nである、と表すこともできる。
前記Q,Qのうちの少なくとも一つは、-HN(CHSi(EtO)又は-S(CHSi(EtO)であってもよい。ここでEtはCを表す。また、前記Q,Qの両方が-HN(CHSi(EtO)又は-S(CHSi(EtO)であってもよい。この場合、光反応性接合剤は、下記の一般式(2)で表される2,4-ビス[(3-トリエトキシシリルプロピル)アミノ]-6-ジアゾメチル-1,3,5-トリアジンである。
Figure 0007437658000003
以下、図1を参照しながら、本実施形態の三次元成形回路部品の製造方法についてより詳細に説明する。
〔基板〕
図1(a)には、本実施形態の三次元成形回路部品の製造方法に用いられる基板1を示している。本実施形態において用いる基板は、高分子材料(ポリマー)等を材料とするものが挙げられる。
高分子材料としては、硬化性樹脂(例えば、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂)、熱可塑性樹脂、繊維強化樹脂、ゴム(加硫ゴム)、又は、表面にこれらのポリマーを含む塗膜が設けられた他の材質であっても良い。
これらの高分子材料には、所要の性質、機能を付加するための各種の配合、添加成分が含有されていてよい。たとえば、高分子材料の熱による変形を防ぐため補強する場合には、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、湿式及び乾式シリカなどの充填剤やレーヨン、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、スチール、ケブラ(デュポン社の商品名)、炭素繊維、ガラス繊維などの繊維や布を入れたり、過酸化物などの架橋剤や多官能性モノマーを加えて三次元化して使用することにより目的を達成する。
基板は、予め表面が改質されていてもよい。換言すると、本実施形態の三次元成形回路部品の製造方法は、次に述べる接合剤付与工程の前に、基板の表面を改質する表面改質工程を有していてもよい。基板の表面が改質されることにより、上記光反応性接合剤における光反応性基との接合がより強固なものとなり、基板と、後述するめっき工程により配置される導電性物質との密着性をより一層向上させることができる。
表面処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、エキシマUV処理等が挙げられるが、これらの中でもコロナ放電処理が好ましい。
<接合剤付与工程>
図1(b)に示すように、本実施形態に係る接合剤付与工程は、基板1の表面に、光反応性接合剤2を付与する工程である。ここで、基板1及び光反応性接合剤2としては、それぞれ上述したものを用いる。
光反応性接合剤は、例えば、溶媒に溶解し、光反応性接合剤溶液(分散液を含む)として基板に付与することができる。付与方法は特に制限されず各種の方法で行われてよく、例えば、基板を光反応性接合剤溶液へ浸漬すること、基板へ光反応性接合剤溶液を噴霧やロール塗布すること等が挙げられる。付与された光反応性接合剤は、当該工程の後、後述する照射工程により基板表面と接合させる。
光反応性接合剤溶液(分散液を含む)は、光反応性接合剤を溶剤に0.01質量%~0.5質量%の範囲内で溶解して基板に付与することが好ましいが、0.05質量%~0.3質量%であることがさらに好ましく、0.075質量%~0.2質量%であることが特に好ましい。上記範囲にあることにより、基板表面を十分に被覆することができ、さらに1分子で基板表面を被覆することができるため、被覆表面の粗化や凹凸化が起こらず、十分な接着力を得ることができる。
基板を光反応性接合剤溶液(分散液を含む)へ浸漬する場合、浸漬する時間は0.5分~10分であることが好ましく、1分~6分であることがより好ましい。また、浸漬する際の光反応性接合剤溶液(分散液を含む)の温度は、光反応性接合剤の接合能の活性の観点から10℃~40℃であることが好ましく15℃~25℃であることがより好ましい。
光反応性接合剤を溶解又は分散させる溶媒は、溶解又は分散が可能であれば特に制限をされないが、水をはじめ、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステル類、塩化メチレンなどのハロゲン化物、ブタン、ヘキサンなどのオレフィン類、テトラヒドロフラン、ブチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族類、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドンなどのアミド類などを使用することができる。また、これらの各種溶媒を混合した混合溶媒であってもよい。
なお、光反応性接合剤溶液には、光反応性接合剤以外にも、例えば、安定剤、重合防止剤、光劣化防止剤等の各種成分を含んでもよい。
<照射工程>
本実施形態に係る照射工程は、図1(c)にも示すように、接合剤付与工程にて光反応性接合剤2を付与された基板1の表面に収束光3を選択的に照射することにより、光反応性接合剤2と基板表面とを接合する工程である。なお、図1(c)中の黒塗りの矢印は基板の移動方向、破線及び破線の矢印は選択的に照射された基板表面の範囲を模式的に表している。
図1(c)に示す一例においては、光反応性接合剤2が基板1の表面に露出した状態となっている。これに対し、収束光3を、選択的に照射することにより、被覆材などを用いることなく、光が照射される部分(のちに導電性物質が配置され回路を形成する部分)を、光が照射されない部分(非回路部分)から区分けして形成することができる。
基板が立体的である三次元成形回路部品を形成する場合、被覆材などを用いる方法(マスク法)を適用することは困難が生じるが、本実施形態によれば被覆材を用いることなく直接的に回路部分を描画することができるため、本実施形態の方法は三次元成形回路部品の製造に特に好適である。
また、照射工程における光の照射方向は、基板表面に対して略垂直であることが好ましい。基板表面に略垂直であることにより、光が照射される部分と光が照射されない部分とをより明確に区分けすることができる。
照射工程では、基板を多軸制御することで、当該基板の表面に収束光を選択的に照射してもよい。より具体的には、例えば、基板を固定することで、基板を多軸制御することが可能な治具を有する装置を用い、基板を多軸方向へ移動させながら照射を行うことができる。この時、光源の位置及び光照射の軸方向は固定されていることが好ましい。基板を多軸制御することにより、照射をより局所的に行うことが可能となり、光が照射される部分と光が照射されない部分とをより十分に区分けすることが可能となる。
多軸制御の軸構成としては、X軸とY軸との2軸構成であってもよいし、X軸とY軸とZ軸との3軸構成であってもよい。また、これらの2軸構成、3軸構成に加えて、X軸及びY軸と平行な軸線回りに回転動作するA軸とB軸を含んだ構成としてもよい。この時、光照射の方向をZ軸方向としてもよい。
また、前述の治具を有する装置は、多軸方向への移動がコンピューターによって制御することが可能な装置であってもよく、それにより当該治具に固定された基板の多軸方向への移動速度を制御することも可能となる。
照射工程では、光反応性接合剤が付与された基板表面の少なくとも一部に収束光が選択的に照射される。この光には可視光を用いることもできるが、光反応性接合剤の基板への接合能の活性化に有効である紫外線を用いることが好ましい。ここで紫外線とは波長範囲が100nm~400nmの光を意味するが、波長範囲が280nm~400nmであることがより好ましく、310nm~370nmであることが特に好ましい。照射する光の波長が上記の範囲にあることにより、光反応性接合剤の基板への接合能をより十分に発揮することができる。
収束光が照射される基板上の範囲のスポット径は、製品の配線幅により適宜選定される。スポット径の設定により、基板上に十分に微細な配線を配置することができる。
また、照射工程において照射する光の積算光量は、50mJ/cm~10J/cmであることが好ましく、500mJ/cm~10J/cmであることがより好ましく、5J/cm~8J/cmであることが特に好ましい。照射する光の積算光量が上記の範囲にあることにより、光反応性接合剤の基板への接合能をより十分に発揮することができ、さらに紫外線の照射によって生じうる基板の劣化も抑えることができる。
照射工程に用いる光源は、上述した収束光を照射することができれば特に制限されないが、例えば、紫外線LED、低圧水銀ランプ,高圧水銀ランプ,エキシマレーザー,バリア放電ランプ,マイクロ波無電極放電ランプなどを用いることができる。
光源から放射された光を収束して被照射部に照射するために、レンズ系を用いることが一般的である。レンズ系としては、フレネルレンズやレンズアレイ等を用いることができる。
また、光源をレーザー光とする場合は、レンズやレンズ系の代わりに非線形光学結晶を用いることができる。このように非線形光学結晶を用いる場合は、入射波を波長変換して用いることが可能となる。例えば、波長1064nmのYAGレーザー光は非線形光学結晶を設置することにより、波長が532nmになる。さらに、非線形光学結晶を2段設置すると3倍波として、355nmの紫外光とすることができる。これにより、光反応性接合剤の反応に必要な波長として用いることができる。
<第1洗浄工程>
図1(d)に示すように、本実施形態に係る第1洗浄工程は、照射工程後に、基板1の表面と接合していない光反応性接合剤2を洗浄により基板表面から取り除く工程である。これにより、光反応性接合剤2は、基板1の表面のうち、上記照射工程において収束光3が選択的に照射された部分のみに残ることとなる。
洗浄方法は特に制限されないが、溶媒浸漬や溶媒洗浄などが挙げられる。第1洗浄工程に使用する溶媒は、接合剤付与工程で付与された光反応性接合剤の種類などにより適宜最適な溶媒が使用される。例えば、水、アルコール(メタノール、エタノールなど)、ケトン、芳香族炭化水素、エステル又はエーテル、アルカリ水などが挙げられる。溶液を用いた場合は、自然乾燥や加熱等によって溶液中の溶媒を乾燥させてもよい。なお、洗浄の際に、超音波などの手段を併用して用いてもよい。
<触媒付与工程>
本実施形態に係る触媒付与工程は、図1(e)に示すように、第1洗浄工程の後に、無電解めっき用の触媒4を光反応性接合剤2に付与し、結合させる工程である。本明細書において単に触媒と述べた場合は、その前駆体も含むものとする。
無電解めっき用の触媒(例えば、金属コロイド)及び/又は無電解めっき用の前駆体(例えば、金属塩)を光反応性接合剤に結合する方法としては、金属コロイドを適当な分散媒に分散させた触媒分散液又は金属塩を適切な溶媒で溶解し解離した金属イオンを含む触媒溶液を調製し、これらの触媒分散液又は触媒溶液を光反応性接合剤が接合した基板表面に塗布するか、又は触媒分散液中又は触媒溶液中に光反応性接合剤が接合した基板を浸漬すればよい。
これらの方法によって、光反応性接合剤中の相互作用性基に、イオン-イオン相互作用、若しくは、双極子-イオン相互作用を利用して触媒を吸着させること、又は光反応性接合剤に触媒を含浸させることができる。このような吸着又は含浸を充分に行なわせるという観点からは、光反応性分子接合剤の1分子に1化学当量の触媒が吸着するよう適宜選定することが望ましい。
触媒付与工程に使用される無電解めっき用の触媒は、主に0価金属であり、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。特に、Pd、Ag、Cuがその取り扱い性の良さ、触媒能の高さから好ましい。これらの触媒を光反応性接合剤に結合する手法としては、例えば、光反応性接合剤の相互作用性基(例えば、親水性基)と相互作用するように荷電を調節した金属コロイドを、光反応性接合剤に付与する手法が用いられる。
触媒付与工程に使用される電解めっき触媒用の前駆体は、化学反応により無電解めっき触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には上述の無電解めっき触媒で用いた0価金属の金属イオンが用いられる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解めっき触媒である0価金属になる。無電解めっき触媒前駆体である金属イオンは、光反応性接合剤へ付与した後、無電解めっき浴への浸漬前に、別途還元反応により0価金属に変化させて無電解めっき触媒としてもよい。また、無電解めっき触媒前駆体のまま無電解めっき浴に浸漬し、無電解めっき浴中の還元剤により金属(無電解めっき触媒)に変化させてもよい。これらの触媒を光反応性接合剤に結合する手法としては、例えば、無電解めっき前駆体である金属イオンを、金属塩の状態で光反応性接合剤に付与する。使用される金属塩としては、適切な溶媒に溶解して金属イオンと塩基(陰イオン)とに解離されるものであれば特に制限はなく、M(NOMCl、M2/n(SO)、M3/n(PO)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。
<第2洗浄工程>
本実施形態に係る第2洗浄工程は、図1(f)に示すように、触媒付与工程後に基板1の表面と接合した光反応性接合剤2に結合していない触媒4(触媒の前駆体を含む。)を洗浄により基板表面から取り除く工程である。これにより、触媒4は、基板1の表面のうち、光反応性接合剤2が接合されていた部分(すなわち、上記照射工程において収束光3が選択的に照射された部分)のみに残ることとなる。
洗浄方法は特に制限されないが、溶媒浸漬や溶媒洗浄などが挙げられる。第2洗浄工程に使用する溶媒は、使用された光反応性接合剤の種類や、触媒及びその前駆体の種類などにより適宜最適な溶媒が使用される。例えば、水、メタノール、エタノール、アルカリ水などが挙げられる。なお、洗浄の際に、超音波などの手段を併用して用いてもよい。
<めっき工程>
本実施形態に係るめっき工程は、図1(g)にも示した通り、基板1上に接合され、無電解めっき用の触媒4が結合した光反応性接合剤2上に、無電解めっき処理により導電性物質5を配置する工程である。また当該めっき工程は、前述の第2洗浄工程にて、光反応性接合剤2に結合していない触媒4(触媒の前駆体を含む。)を洗浄により基板表面から取り除いた後に行われる。めっき工程において無電解めっき処理を行うことで、光反応性接合剤が接合された基板上に高密度の導電性物質(金属)の膜が形成される。形成された導電性物質(金属)の膜は、基板表面に対して優れた密着性を有する。
無電解めっき処理とは、めっきとして析出させたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作である。無電解めっき処理は、例えば、無電解めっき用の触媒と結合した光反応性接合剤が接合した基板を、無電解めっき浴に浸漬して行う。また、無電解めっき用の前駆体と結合した光反応性接合剤が接合した基板を、無電解めっき浴に浸漬する場合にも、当該基板を無電解めっき浴中へ浸漬するが、この場合には、無電解めっき浴中において、前駆体の還元とこれに引き続き無電解めっきが行われる。使用される無電解めっき浴としては、一般的に知られている無電解めっき浴を使用することができる。
一般的な無電解めっき浴は、めっき用の金属イオン、還元剤、金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)を主要な成分とする。また、無電解めっき浴には、これらに加えて、無電解めっき浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。
無電解めっき浴に含まれる金属イオンの種類としては、銅、すず、鉛、ニッケル、金、パラジウム、ロジウム等のイオンが知られており、中でも、導電性の観点からは、銅、銀、金のイオンがより好ましい。
還元剤、添加物は金属イオンの種類に合わせて適宜選択することができる。例えば、銅の無電解めっきの浴は、銅塩としてCu(SO、還元剤としてHCOH、添加剤として銅イオンの安定剤であるEDTAやロッシェル塩などのキレート剤が含まれている。また、CoNiPの無電解めっきに使用されるめっき浴には、その金属塩として硫酸コバルト、硫酸ニッケル、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、錯化剤としてマロン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、コハク酸ナトリウムが含まれている。また、パラジウムの無電解めっき浴は、金属イオンとして(Pd(NH)Cl、還元剤としてNH、HNNH、安定化剤としてEDTAが含まれている。これらのめっき浴には、上記成分以外の成分が入っていてもよい。
めっき工程にて形成される導電性物質の膜(金属膜)の表面の粗さ(算術平均粗さRa)は、0.3μm以下であることが好ましく、0.2μm以下であることがより好ましい。表面の粗さが上記の範囲内にあることで、回路部品として、信号の伝達ロスや発熱を防ぐことができる。
めっき工程にて形成される導電性物質の膜(金属膜)の膜厚は、めっき浴の金属塩若しくは金属イオン濃度や、めっき浴への浸漬時間、めっき浴の温度などにより適宜選択することができるが、50nm~1000nmであることが好ましく、100nm~500nmであることがより好ましい。膜厚が上記の範囲内にあることで、十分な導電性を保つことができ、さらに電子部品として十分なコンパクトさを持った三次元成形回路部品とすることができる。
なお、導電性物質の膜を厚化する場合は、無電解めっき処理により導電性物質の膜を形成した後、さらに電気めっき処理を行い、短時間で金属膜を成長させることも可能である。電気めっき処理を実施した後の導電性物質の膜(金属膜)の膜厚は、適宜選択することができるが、1μm~50μmであることが好ましい。
以上説明した実施形態は、本実施形態の理解を容易にするために記載されたものであって、本実施形態を限定するために記載されたものではない。従って、上記実施形態に開示された各要素は、本実施形態の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、三次元成形回路部品の製造方法の具体例を示すことにより本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態は下記の内容に何ら限定されるものではない。
基板としてポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂から成るものを用いた。当該基板を、下記の一般式(2)で表される光反応性接合剤(2,4-ビス[(3-トリエトキシシリルプロピル)アミノ]-6-ジアゾメチル-1,3,5-トリアジン) 0.1gを、エタノール溶媒 100gに溶かして作成した光反応性接合剤溶液(0.1質量%)に20℃で5分間浸漬した。
Figure 0007437658000004
次に、光反応性接合剤溶液から基板を取り出し、乾燥した。得られた基板を、多軸制御可能な装置(ラステック社製 LPF-2)の治具に固定し、紫外線照射装置(アズワン社製、紫外線LEDスポット照射措置 NS-ULEDN-102CT)から出力された紫外線(波長365nm、照度4000mW/cm)をレンズによりスポット径60μmとなるよう収束しながら、基板をXY軸方向へ移動し、微細配線を模した箇所として200μm×60μmの部分を選択的に照射した。このとき、基板表面の積算光量が6J/cmとなるように基板の移動の速度を制御した。その後、基板表面から未反応の光反応性接合剤を除去するために、エタノールを用いて超音波洗浄を行った。
続いて、光反応性接合剤が結合した基板を、触媒処理液(NP-8 150ml/l、HCl150ml/l、触媒:Pd、上村工業社製)に25℃、1分間浸漬することで光反応性接合剤にPdを触媒として担持させた。その後、光反応性接合剤に担持されなかった触媒を基板表面から除去するために、エタノールを用いて超音波洗浄を行った。
次に、触媒を担持した基板を無電解銅めっき液(スルカップPSY-1A 100ml/l(上村工業社製)、スルカップPSY-1b 55ml/l(上村工業社製), 18.5ホルマリン水溶液 20ml/l)に33℃で20分間浸漬することで無電解めっき処理を行いった。その後、無電解めっき処理によって配置された銅膜上に、さらに電解銅めっきを行うことにより、銅膜を20μmに厚膜化した。
得られた三次元成形回路部品の回路部分について、各種特性を評価した。
回路部分の表面粗さ(算術平均粗さRa)は、表面粗さ測定器(レーザテック社製「HYBRID L7」)を用いて測定した。表面粗さ(算術平均粗さRa)は0.13μmであった。
回路部分(銅層)となるめっき(銅膜)と基板との剥離強度は、剥離強度測定装置(イマダ社製「デジタルフォースゲージ」)を用い、JISK6854に準拠した90°剥離試験により測定した。測定条件は、ピール角度90°及びピール速度10mm/分とした。剥離強度は0.8kN/mであった。
得られた三次元成形回路部品の断面及び表面を走査電子顕微鏡を用いて観察した結果を図2及び図3にそれぞれ示す。平滑な基板1の表面上に導電性物質5(ここでは銅膜)が配置されていることが分かる。また、配置された導電性物質5(ここでは銅膜)の線幅を測定したところ、図3に示すように60μmであった。
1 基板
2 光反応性接合剤
3 収束光
4 触媒
5 導電性物質

Claims (9)

  1. 三次元成形回路部品の製造方法であって、
    高分子材料から成る基板の表面に光反応性接合剤を付与する接合剤付与工程と、
    前記光反応性接合剤が付与された前記基板の表面に収束光を選択的に照射し、前記基板の表面と前記光反応性接合剤とを接合する照射工程と、
    前記照射工程後に前記基板の表面と接合していない前記光反応性接合剤を洗浄により取り除く第1洗浄工程と、
    前記第1洗浄工程の後に前記光反応性接合剤に結合する触媒を付与する触媒付与工程と、
    前記触媒付与工程の後に前記光反応性接合剤に結合していない前記触媒を洗浄により取り除く第2洗浄工程と、
    前記第2洗浄工程の後に前記触媒が結合した前記光反応性接合剤に無電解めっき処理により導電性物質を配置するめっき工程と、を有し、
    前記光反応性接合剤は、その1分子内に
    光の照射により光分解し、高分子材料から成る基板の表面と、ラジカル付加反応による化学結合を形成できる化学種を発生させる光反応性基と
    触媒と相互作用して結合する相互作用性基と
    を有するものであ
    前記光反応性接合剤は、光重合開始剤と併用しない、
    三次元成形回路部品の製造方法。
  2. 前記照射工程では、前記基板を多軸制御することで前記基板の表面に前記収束光を選択的に照射する、請求項に記載の三次元成形回路部品の製造方法。
  3. 前記光反応性接合剤は、1分子内に、トリアジン環と、ジアゾメチル基と、アルコキシシリル基(前記アルコキシシリル基中のアルコキシ基がOHである場合も含まれる)および/またはチオール基とを有する化合物である、請求項1又は2に記載の三次元成形回路部品の製造方法。
  4. 前記光反応性接合剤は、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1~のいずれか1項に記載の三次元成形回路部品の製造方法。
    Figure 0007437658000005

    [式(1)中、-Q又は-Qの少なくとも1つが-NR(R)又は-SR(R)であり、残りは任意の基である。R及びRは、H、炭素数が1~24の炭化水素基、又は-RSi(R’)(OA)3-n(Rは、炭素数が1~12の鎖状の炭化水素基である。R’は、炭素数が1~4の鎖状の炭化水素基である。Aは、H又は炭素数が1~4の鎖状の炭化水素基である。nは0~2の整数である。)である。ただし、前記R,Rのうちの少なくとも一つは前記-RSi(R’)(OA)3-nである。]
  5. 前記接合剤付与工程の前に、前記基板の表面を改質する表面改質工程を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の三次元成形回路部品の製造方法。
  6. 前記照射工程にて照射する光の波長が280nm~400nmである、請求項1~のいずれか1項に記載の三次元成形回路部品の製造方法。
  7. 前記照射工程にて照射する光の積算光量が50mJ/cm~10J/cmである、請求項1~のいずれか1項に記載の三次元成形回路部品の製造方法。
  8. 前記触媒付与工程において付与される触媒は、Pd、Ag、Cuからなる群より選ばれる、請求項1~のいずれか1項に記載の三次元成形回路部品の製造方法。
  9. 前記めっき工程において配置される導電性物質の表面粗さが0.3μm以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の三次元成形回路部品の製造方法。
JP2021046645A 2021-03-19 2021-03-19 三次元成形回路部品の製造方法 Active JP7437658B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021046645A JP7437658B2 (ja) 2021-03-19 2021-03-19 三次元成形回路部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021046645A JP7437658B2 (ja) 2021-03-19 2021-03-19 三次元成形回路部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022145295A JP2022145295A (ja) 2022-10-03
JP7437658B2 true JP7437658B2 (ja) 2024-02-26

Family

ID=83453774

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021046645A Active JP7437658B2 (ja) 2021-03-19 2021-03-19 三次元成形回路部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7437658B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3049542A (en) 1954-11-10 1962-08-14 Ici Ltd Diazomethyltriazine derivatives
JP2007131919A (ja) 2005-11-10 2007-05-31 Iwate Univ 電鋳金型の製造方法
JP2009302081A (ja) 2008-06-10 2009-12-24 Sulfur Chemical Institute Inc 成形回路部品の製造方法
WO2010029635A1 (ja) 2008-09-11 2010-03-18 パイオニア株式会社 金属配線の形成方法、及び金属配線を備えた電子部品
WO2012046651A1 (ja) 2010-10-04 2012-04-12 株式会社いおう化学研究所 金属膜形成方法、及び金属膜を有する製品
JP2012136769A (ja) 2010-12-10 2012-07-19 Sankyo Kasei Co Ltd 成形回路部品の製造方法
WO2017163830A1 (ja) 2016-03-23 2017-09-28 富士フイルム株式会社 導電性積層体の製造方法、並びに、被めっき層前駆体層付き立体構造物、パターン状被めっき層付き立体構造物、導電性積層体、タッチセンサー、発熱部材及び立体構造物
JP2020143007A (ja) 2019-03-05 2020-09-10 国立大学法人岩手大学 反応性付与化合物、その製造方法、それを用いた表面反応性固体、及び表面反応性固体の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3049542A (en) 1954-11-10 1962-08-14 Ici Ltd Diazomethyltriazine derivatives
JP2007131919A (ja) 2005-11-10 2007-05-31 Iwate Univ 電鋳金型の製造方法
JP2009302081A (ja) 2008-06-10 2009-12-24 Sulfur Chemical Institute Inc 成形回路部品の製造方法
WO2010029635A1 (ja) 2008-09-11 2010-03-18 パイオニア株式会社 金属配線の形成方法、及び金属配線を備えた電子部品
WO2012046651A1 (ja) 2010-10-04 2012-04-12 株式会社いおう化学研究所 金属膜形成方法、及び金属膜を有する製品
JP2012136769A (ja) 2010-12-10 2012-07-19 Sankyo Kasei Co Ltd 成形回路部品の製造方法
WO2017163830A1 (ja) 2016-03-23 2017-09-28 富士フイルム株式会社 導電性積層体の製造方法、並びに、被めっき層前駆体層付き立体構造物、パターン状被めっき層付き立体構造物、導電性積層体、タッチセンサー、発熱部材及び立体構造物
JP2020143007A (ja) 2019-03-05 2020-09-10 国立大学法人岩手大学 反応性付与化合物、その製造方法、それを用いた表面反応性固体、及び表面反応性固体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2022145295A (ja) 2022-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4903479B2 (ja) 金属パターン形成方法、金属パターン、及びプリント配線板
US7291427B2 (en) Surface graft material, conductive pattern material, and production method thereof
JP4528634B2 (ja) 金属膜の形成方法
KR100887251B1 (ko) 도전성 패턴재료의 제조방법
JP5258489B2 (ja) 金属膜形成方法
JP5241304B2 (ja) 表面金属膜材料の作製方法、表面金属膜材料、金属パターン材料の作製方法、及び金属パターン材料
JPH021912B2 (ja)
WO2008050631A1 (fr) Procédé de production d'un substrat revêtu d'un film métallique, substrat revêtu d'un film métallique, procédé de production d'un matériau à motif métallique, et matériau à motif métallique
JP2010185128A (ja) めっき用感光性樹脂組成物、積層体、それを用いた表面金属膜材料の作製方法、表面金属膜材料、金属パターン材料の作製方法、金属パターン材料、及び配線基板
US20100243461A1 (en) Method of fabricating circuit board
JP2008104909A (ja) 金属膜付基板の作製方法、金属膜付基板、金属パターン材料の作製方法、金属パターン材料
JP2008207401A (ja) 積層体、その製造方法、それを用いた配線基板及び表示装置
JP7437658B2 (ja) 三次元成形回路部品の製造方法
JP2006058797A (ja) グラフトポリマーパターン形成方法、グラフトポリマーパターン材料、導電性パターン材料の製造方法、及び導電性パターン材料
JP4348256B2 (ja) 導電性パターン材料の製造方法
JP4252919B2 (ja) 導電性パターン材料、金属微粒子パターン材料及びパターン形成方法
JP2008004304A (ja) 導電性パターン形成方法、及びワイヤグリッド型偏光子
JP2006057059A (ja) 表面導電性材料の製造方法
JP4795100B2 (ja) 金属膜形成方法、金属膜形成用基板、金属膜、金属パターン形成方法、金属パターン形成用基板、金属パターン、及びポリマー層形成用組成物
JP2006066180A (ja) 導電膜の製造方法及び導電膜
JP3843706B2 (ja) 微細構造体の製造方法
JP4565181B2 (ja) 金属コーティング方法
JP2008242412A (ja) 積層体、導電性パターン形成方法及びそれにより得られた導電性パターン、プリント配線基板及び薄層トランジスタ、並びにそれらを用いた装置
JP4291718B2 (ja) 導電性パターン形成方法及び導電性パターン材料
JP4216751B2 (ja) 導電性パターン形成方法及び導電性パターン材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230525

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20230525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230919

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231114

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7437658

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150