以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係るパチンコ機(遊技機)の外観を示す正面図、図2は前枠を開放状態にしたときのパチンコ機を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、パチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の外枠1と、外枠1の前面に扉状に開閉可能に取り付けられた内枠2と、内枠2の前面に扉状に開閉可能に取り付けられた前枠3と、を備える。外枠1および内枠2は本体部4を構成する。本体部4は遊技盤5を保持する。
外枠1の左側枠部には、上側軸受け体6と下側軸受け体7が固着される。内枠2の左側枠部の上下両端には、第1ピン(図示せず)が設けられる。これら両第1ピンを上側軸受け体6と下側軸受け体7に軸支することで、内枠2を外枠1に対して開閉可能に支持する第1ヒンジ機構が構成される。また、前枠3の左側枠部の上下両端には、第2ピン(図示せず)が設けられる。これら両第2ピンを内枠2の左側枠部に突設した上下の支持板8,9に軸支することで、前枠3を内枠2の左側枠部に対して開閉可能に支持する第2ヒンジ機構が構成される。
内枠2の右側枠部は、第1ヒンジ機構および第2ヒンジ機構と反対側の自由端側である。この右側枠部にはシリンダ錠10が設けられる。シリンダ錠10の鍵穴に鍵を差し込み、その鍵の回動方向に応じて、内枠2または前枠3が開錠される。
前枠3は、ガラスやプラスチック等からなる透明板11を保持する。透明板11は、前枠3が内枠2に対して閉じられた状態になると、遊技盤5と対向する。前枠3の透明板11の周囲には、各種機器が設けられる。例えば、透明板11の上方には意匠ユニット12が設けられ、透明板11の下方には受皿13が設けられ、受皿13の前方中央に演出操作ユニット14が設けられ、演出操作ユニット14の右下方に操作ハンドル15が設けられる。
意匠ユニット12は、左スピーカユニット12aと、右スピーカユニット12bと、これらの間に配置されたロゴユニット12cと、ロゴユニット12cを支持するベースユニット12dと、を有する。左スピーカユニット12aは、透明板11の左上方に配設される。右スピーカユニット12bは、透明板11の右上方に配設される。ロゴユニット12cは、透明板11の上方に配設される。ベースユニット12dは、透明板11の上方であって、ロゴユニット12cの背面側に配設される。なお、ロゴユニット12cの前面には、機種のコンテンツやスペック等に応じたデザインが施される。
受皿13は、遊技球を収容可能とする。受皿13には、パチンコ機Pの側方に設置された遊技球貸出装置(図示せず)により貸し出される遊技球や、パチンコ機Pの賞球払出装置(図3の符号20)から払い出される賞球が導かれる。受皿13が遊技球で一杯になると、満タン検知ユニット(図3の符号23)によってその状態が検知される。
演出操作ユニット14は、遊技の進行に伴って実行される演出の切り替え等を行うことを可能にする。
操作ハンドル15は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように構成されている。操作ハンドル15の回転操作が行われると、受皿13に収容されている遊技球が、遊技盤5の下方に配設された発射装置(発射手段)16に送られ、操作ハンドル15の回転角度に応じた強度で発射される。なお、前枠3の背面における透明板11の下方には整流器ユニット17が配設される。整流器ユニット17は、受皿13に収納された遊技球を発射装置16に供給する。
図3はパチンコ機Pの背面図である。図3に示すように、パチンコ機Pは、その背面側に、主制御基板18と、副制御基板19と、賞球払出装置20と、払出制御基板21と、発射制御基板(図示せず)と、外部端子基板22と、満タン検知ユニット23と、を備える。
主制御基板18は、遊技に関する主要な処理を行う。副制御基板19は、主制御基板18からの指令を受けて各種演出ユニットを制御する。なお、主制御基板18および副制御基板19は背面カバー部材24によって覆われている。
賞球払出装置20は、遊技球が遊技盤5の遊技領域に設けられた所定の入賞口に入球したことに基づいて賞球を払い出す。払出制御基板21は、主制御基板18からの指令を受けて賞球払出装置20を制御する。
発射制御基板は、操作ハンドル15の回転角度に応じて発射装置16の作動を制御する。外部端子基板22は、大当たり回数等の各種情報を遊技場のホールコンピュータに出力する。満タン検知ユニット23は、受皿13が遊技球で一杯になったことを検知する。
このように、パチンコ機Pはその背面側に遊技を進行する際の制御を行う各種基板等を備えており、これらの制御等によって遊技を円滑に進めることができる。
次に、図4を参照して遊技盤5について説明する。図4は遊技盤5を示す正面図である。
図4に示すように、遊技盤5は、略矩形状のアクリル板5aと、レールベース26と、外ガイドレール27と、内ガイドレール28と、を有する。レールベース26は、アクリル板5aの前面に固定されており、正面視で円弧状の内周面を有する。外ガイドレール27は、レールベース26の内周面に沿って取り付けられており、遊技盤5の中央下部から離れた左側位置から左端部、上端部および右上端部近傍に亘って円弧状に配置される。内ガイドレール28は、アクリル板5aの前面における外ガイドレール27の内側に取り付けられており、遊技盤5の中央下部よりもやや左側位置から遊技盤5の左端部近傍および左上端部近傍に亘って円弧状に配置される。これら外ガイドレール27と内ガイドレール28との間の湾曲形状の領域が、案内通路29となっている。案内通路29は、発射装置16(図2参照)により発射された遊技球を遊技領域30に案内する。案内通路29と遊技領域30との間には境界領域700が設けられている。境界領域700の出口は遊技領域30と連通しており、境界領域700の入口は案内通路29と連通している。詳細は後述するが、内ガイドレール28の先端部には、球戻り防止機構(図5の符号50)が設けられており、この球戻り防止機構は境界領域700に配置されている。
遊技領域30は、外ガイドレール27および内ガイドレール28よりも内側の領域であり、発射装置16の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする左打ち領域30aおよび右打ち領域30bを含む。左打ち領域30aは、パチンコ機Pに正対した遊技者から見て遊技盤5の左側に位置する。一方、右打ち領域30bは、同遊技者から見て遊技盤5の右側に位置する。
遊技領域30には、各種の入賞口等が設けられる。例えば遊技領域30の中央下方には、第1始動入賞口31およびアウト口32が設けられる。また、遊技領域30の左打ち領域30aには、一般入賞口33、ワープ通路34、風車35、複数の遊技釘36等が設けられる。さらに、遊技領域30の右打ち領域30bには、ゲート37、第2始動入賞口38および大入賞口39等が設けられる。なお、詳細は後述するが、第1始動入賞口31は、アクリル板5aに始動口ユニット60が取り付けられることで形成される。
遊技盤5のアクリル板5aの略中央には、所定形状に切り抜かれた開口40が形成されている。アクリル板5aの背面側であって、遊技者が開口40を通して臨める位置に、遊技に関する各種演出を遊技者が視認可能な表示領域に表示する演出表示装置(画像表示手段)41、および遊技の進行に合わせて昇降動作する可動役物42等が設けられている。また、図示は省略するが、遊技盤5は、遊技領域30の外方であって、かつ遊技者が視認可能な位置に第1特別図柄表示器、第2特別図柄表示器、第1特別図柄保留表示器、第2特別図柄保留表示器、普通図柄表示器、普通図柄保留表示器、および右打ち報知表示器を有する。これらの表示器は遊技に係る種々の状況を表示するための装置である。
本実施形態では、演出表示装置41は、大当り時において、例えば中図柄(第1画像)と、エフェクト画像(第2画像)と、を表示領域における中央の位置等の一部の領域(特定領域)に所定の態様で表示可能となっている。この演出態様の詳細については後述する。なお、中図柄(第1画像)とエフェクト画像(第2画像)は、本発明を構成する特定画像に含まれるものであり、この特定画像(中図柄とエフェクト画像)が表示される位置は、表示領域における中央の位置に限定されない。
遊技者が操作ハンドル15(図1および図2参照)を任意角度に回転操作すると、遊技球が発射装置16により遊技領域30に向かって連続的に打ち出される。通常、遊技者は、遊技開始時において、左打ち領域30aに向かって遊技球を打ち出す。そして、打ち出された遊技球は、風車35や複数の遊技釘36に衝突して流下方向を不規則に変えながら左打ち領域30aを流下する。その結果、流下した遊技球が第1始動入賞口31に入球した場合には、特別遊技を実行させるか否かを決定する大当たりの電子抽選が行われるとともに、所定個数(例えば3個)の賞球が付与される。なお、流下した遊技球が、一般入賞口33に入球した場合には所定個数(例えば3個)の賞球が付与され、第1始動入賞口31または一般入賞口33のいずれにも入球しなかった場合には、アウト口32を通って遊技盤5の背面側に排出される。
一方、上記した大当たりの電子抽選に当選した場合には、特別遊技に移行する。特別遊技おいては、遊技者は右打ち領域30bに向かって遊技球を打ち出す。そして、打ち出された遊技球は右打ち領域30bを流下して、大入賞口39に入球可能となる。大入賞口39には前後方向にスライド可能な大入賞口用スライド板39aが設けられている。大入賞口用スライド板39aが、前方にスライドすると大入賞口39を閉鎖する一方、後方にスライドすると大入賞口39を開放する。特別遊技において、大入賞口用スライド板39aは、所定のタイミングで複数回、大入賞口39を開放する。特別遊技の開始から終了までの間に開放した大入賞口39に遊技球を入球させることにより、多数個(例えば2000個)の賞球が遊技者に付与される。
また、上記した特別遊技が終了した場合には、時短遊技に移行する。時短遊技においては、遊技者は右打ち領域30bに向かって遊技球を打ち出す。そして、打ち出された遊技球がゲート37を通過すると、普通図柄の電子抽選が実行される。普通図柄の電子抽選に当選すると、第2始動入賞口38に遊技球が入球可能となる。第2始動入賞口38には前後方向にスライド可能な第2始動入賞口用スライド板38aが設けられている。第2始動入賞口用スライド板38aが、前方にスライドすると第2始動入賞口38を閉鎖する一方、後方にスライドすると第2始動入賞口38を開放する。普通図柄の電子抽選に当選すると、第2始動入賞口用スライド板38aが所定のタイミングで複数回、第2始動入賞口38を開放する。遊技球が第2始動入賞口38に入球した場合には、再び大当たりの電子抽選が行われるとともに、所定個数(例えば1個)の賞球が付与される。なお、第2始動入賞口38の入球を契機として大当たりの電子抽選が行われる回数は、予め定められた規定回数(例えば100回)に設定されている。規定回数以内に大当たりの電子抽選に当選しなかった場合には、時短遊技を終了させて遊技者は再び左打ち領域30aに向かって遊技球を打ち出すことになる。
次に、図5を参照して、内ガイドレール28の先端部に設けられた球戻り防止機構の概観構成について説明する。図5は内ガイドレール28の斜視図である。
図5に示すように、内ガイドレール28の先端部には、遊技領域30に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを防止する球戻り防止機構50が設けられている。球戻り防止機構50は、本体ケース52と、カバー53と、球戻り防止部材(変位部材)54と、を備える。本体ケース52、カバー53、および球戻り防止部材54はいずれも合成樹脂材料から成る成形品である。これら本体ケース52、カバー53および球戻り防止部材54が組み合わされることで球戻り防止機構50が形成される。上述したように、球戻り防止機構50は、内ガイドレール28がアクリル板5aに取り付けられた状態では、境界領域700に配置される。
次に、図6~図8を参照して、球戻り防止機構50の詳細な構成について説明する。図6は球戻り防止機構50の前面斜視図、図7は球戻り防止機構50の背面斜視図、図8は球戻り防止機構50の分解斜視図である。
図6~図8に示すように、本体ケース52は、内ガイドレール28の上端部に一体形成されており、底面部52aと、底面部52aの一端から立設された側面部52bと、を有する。底面部52aおよび側面部52bによって囲まれた空間が、切欠部Sとなっている。切欠部Sは、透明板11と対向する前面側、および境界領域700と対向する上面側を開放している(図8参照)。切欠部Sの上部開口端は、ストッパ壁52cとなっている。ストッパ壁52cは、遊技領域30の近傍に位置する側面部52bの上端部に形成されており、その上端部を幅方向に横切る円柱状の壁面となっている。
本体ケース52の底面部52aには、第1軸受部52d、およびガイド溝52eが形成されている。ガイド溝52eは、第1軸受部52dを中心とする仮想円に沿って略円弧状に延びている。また、底面部52aには、第1ネジ孔52fおよび第1位置決めピン52gが設けられている(図8参照)。底面部52aの背面側には、第2位置決めピン52hが設けられており(図7参照)、この第2位置決めピン52hがアクリル板5aの孔部(図示せず)に挿入されることで球戻り防止機構50がアクリル板5aに位置決めされる。
カバー53は、板状に形成されており、第2ネジ孔53aおよび位置決め孔53bを有する。また、カバー53の背面側には、第2軸受部53cが形成されている。底面部52aの第1位置決めピン52gを位置決め孔53bに挿入するとともに、ネジ55を第2ネジ孔53aおよび底面部52aの第1ネジ孔52fに挿入することで、カバー53が切欠部Sの前面側を塞いだ状態で本体ケース52に取り付けられる。
球戻り防止部材54は、軸孔54aと、開閉弁54bと、錘部54cと、を有する。開閉弁54bおよび錘部54cは、軸孔54aを境にくの字状に屈曲するように形成されている。軸孔54aには支軸56が挿通されており、この支軸56の一端部が底面部52aの第1軸受部52dに係止され、他端部がカバー53の第2軸受部53cに係止されている。これにより、球戻り防止部材54は、本体ケース52およびカバー53に回動可能に支持される。
開閉弁54bは略矩形板状に形成されており、その長手方向(鉛直方向)の長さは、遊技領域30から境界領域700に戻ってきた遊技球が衝突するのに十分な長さとなっている。開閉弁54bは、案内通路29と対向する第1側面部540bと、第1側面部540bと反対側であって遊技領域30(左打ち領域30a)と対向する第2側面部541bと、を有する(図9参照)。第1側面部540bは、発射装置16から発射され、案内通路29を通過した遊技球と衝突する部分である。第2側面部541bは、遊技領域30から案内通路29に戻ろうとする遊技球と衝突する部分である。
開閉弁54bの先端部は先細に形成されている。具体的には、第1側面部540bの鉛直方向の長さは、第2側面部541bの鉛直方向の長さよりも長くなっており、第1側面部540bの先端部から第2側面部541bの先端部に向かって下方傾斜している。また、第2側面部541bの中央部には、遊技領域30に向かって突出する突出部541cが形成されている。
錘部54cは開閉弁54bよりも肉厚であって重量が大きい。錘部54cの背面側には、係合ピン54dが突設されており、この係合ピン54dが底面部52aのガイド溝52eに挿入されている(図7参照)。球戻り防止部材54は、上述したように本体ケース52およびカバー53に回動可能に支持されており、開状態と閉状態との間で変位可能となっている。常態では、球戻り防止部材54は、錘部54cの自重によって支軸56を中心にして一方向(反時計回り)に回動するように付勢されており、係合ピン54dがガイド溝52eの一端部に当接している。これにより、球戻り防止部材54は、それ以上回動できず、閉状態を維持している。一方で、球戻り防止部材54は、発射装置16から発射された遊技球と接触することで、その接触力により支軸56を中心にして他方向(時計回り)に回動して、上述したストッパ壁52cに当接することで開状態となる。なお、本体ケース52、カバー53、または支軸56は開閉弁(変位部材)54bを支持する支持部材として機能している。
次に、図9および図10を参照して、球戻り防止部材54が、閉状態(第1状態)にあるときの球戻り防止機構50と、開状態(第2状態)にあるときの球戻り防止機構50について説明する。図9は球戻り防止部材54が閉状態にあるときの球戻り防止機構50の正面図、図10は球戻り防止部材54が開状態にあるときの球戻り防止機構50の正面図である。
図9に示すように、球戻り防止部材54が閉状態(第1状態)にあるとき、開閉弁54bが切欠部Sの上面開口から境界領域700の出口に向かって略垂直な姿勢で突出している。この状態においては、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外ガイドレール27までの距離(特定距離)は、遊技球Bの直径よりも短く、かつ、最短となっている。なお、この距離は、球戻り防止部材54の開閉弁54b(第1側面部540b)の先端部から外ガイドレール27までの最短の距離を意味する。そのため、一旦遊技領域30に進入した遊技球が、遊技釘36等に衝突して境界領域700に向かって跳ね戻されても、球戻り防止部材54に衝突することになる。また、球戻り防止部材54は、遊技球に衝突されても閉状態を維持するため、反時計回りに回動することもない。よって、球戻り防止部材54は、閉状態にあるとき、遊技領域30に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを防止する。
図9に示した状態で発射装置16から遊技領域30に向かって発射された遊技球Bが案内通路29を上昇し、境界領域700に侵入して開閉弁54bに接触すると、その接触力で球戻り防止部材54は閉状態から開状態に変位可能となる。そして、図10に示すように、球戻り防止部材54は、境界領域700の出口を開放する方向へ回動していき、ストッパ壁52cに衝突すると、それ以上の回動が規制されて開状態(第2状態)となる。この状態においては、開閉弁54b(第1側面部540b)の先端部から外ガイドレール27までの距離(特定距離)は、遊技球Bの直径よりも長く、かつ、最長となっている。よって、球戻り防止部材54は、開状態にあるとき、発射装置16により発射された遊技球が境界領域700から遊技領域30に進入することを許容する。なお、球戻り防止部材54は、開状態に変位した後、錘部54cの付勢力を受けて逆方向(反時計周り)へ瞬時に回動して再び図9に示した閉状態に変位する。
上述したように、球戻り防止機構50は、球戻り防止部材54が閉状態にあるときに遊技領域30に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを防止するように構成されているが、本実施形態では、さらに、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位する途中の状態(第3状態)でも遊技球の案内通路(案内領域)29への戻りを防止できるようになっている。
図11は、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位している途中の状態において、遊技領域30(左打ち領域30a)に進入した遊技球が境界領域700に戻ろうとしている様子を示す図、図12および図13は図11に示す点線で囲まれた領域の拡大図である。
図11では、発射装置16から遊技領域30に向けて発射された一の遊技球(第1遊技球)B1が、案内通路29から境界領域700に進入し、球戻り防止部材54(開閉弁54b)、外ガイドレール27および他の遊技球(第2遊技球)B2に接している。図12では、一の遊技球B1と開閉弁54bの第1側面部540bとの接点を符号P1、外ガイドレール27との接点を符号P2、他の遊技球B2との接点を符号P3で示している。
また、他の遊技球B2は、遊技領域30から境界領域700に進入し、球戻り防止部材54の先端部、外ガイドレール27および一の遊技球B1に接している。図12では、他の遊技球B2と開閉弁54bの先端部との接点を符号P4、外ガイドレール27との接点を符号P5、他の遊技球B2の最下点を符号P6で示している。
図12に示す状態では、球戻り防止部材54の先端部から外ガイドレール27までの距離(特定距離)は、閉状態(図9参照)のときよりも長く開状態(図10参照)のときよりも短くなっている。換言すれば、閉状態と開状態との間の距離になっている。しかも、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外ガイドレール27までの距離H1は、他の遊技球B2の最下点P6から外ガイドレール27までの距離H2よりも短い。換言すれば、他の遊技球B2と球戻り防止部材54の先端部との接点P4から外ガイドレール27までの距離H1は、他の遊技球B2の最下点P6から外ガイドレール27までの距離H2よりも短い。つまり、球戻り防止部材54の先端部から外ガイドレール27に下した垂線L1の長さH1は、他の遊技球B2の最下点P6から外ガイドレール27に下した垂線L2の長さH2よりも短くなっている。
また、図13に示すように、球戻り防止部材54が上記した途中の状態にあるとき、他の遊技球B2と球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部との接点P4から他の遊技球B2と一の遊技球B1との接点P3までの距離H3が、他の遊技球の最下点P6から接点P3までの距離H4よりも短い。つまり、接点P4と接点P3とを結ぶ線分L3の長さは、最下点P6と接点P3とを結ぶ線分L4の長さよりも短くなっている。
また、図12および図13に示すように、球戻り防止部材54が上記した途中の状態にあるとき、球戻り防止部材54は、その先端部が他の遊技球B2の最下点P6に至るほど回動していない。具体的には、球戻り防止部材54の先端部は、鉛直方向において遊技球B2の最下点P6よりも高い位置にあり、水平方向において遊技球B2の最下点P6よりも左側(案内通路29側)に位置している。つまり、球戻り防止部材54の先端部は、最下点P6に対して左上に位置している。
上記のような遊技球B1と遊技球B2との衝突後に、遊技球B2が、案内通路29に戻ろうとしても、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部に遊技領域30側から接触することになる。そのため、球戻り防止部材54は、遊技領域30側から案内通路29側に向かう接触力を付与されて反時計回りに回動する可能性が高くなる。したがって、球戻り防止部材54は遊技球B1と遊技球B2との衝突時よりも境界領域700の出口を塞いでいき、遊技球B2が案内通路29に戻ることは困難となる。その結果、図11に示すような遊技球B1と遊技球B2との衝突時でも、遊技球B2が案内通路29に戻ることを抑制できる。つまり、遊技球が2球連続して案内通路29に戻ることを抑制できる。
なお、図11に示すような遊技球B1と遊技球B2との衝突時において、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外ガイドレール27までの距離(特定距離)H1が、他の遊技球B2の最下点P6から外ガイドレール27までの距離H2よりも長くなっていると、その衝突後に遊技球B2が、球戻り防止部材54の先端部と外ガイドレール27との間に入り込むことが可能になる。そうすると、遊技球B2は、球戻り防止部材54の先端部にその上方から接触することが可能になるため、球戻り防止部材54は時計回りに回動する可能性が高くなる。よって、球戻り防止部材54は遊技球B1と遊技球B2との衝突時よりも境界領域700の出口を開いていき、遊技球B2が案内通路29に戻ることを抑制できない。
このように、本実施形態に係るパチンコ機Pは、従来のパチンコ機に比べて、遊技領域30に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止について十分な改善が行われているが、以下に示すように、球戻り防止機構50と遊技球との引っ掛かりを防止することで更なる戻り防止の改善を図っている。そこで、図14を参照して、球戻り防止機構50と遊技球との引っ掛かりを防止について説明する。図14は、遊技領域30から境界領域700に戻ってきた遊技球Bが球戻り防止部材54と衝突している状態を示す図である。
図14に示すように、遊技球Bが、遊技領域30から境界領域700に戻ってきて球戻り防止部材54の開閉弁54bおよび本体ケース52と接している。具体的には、遊技球Bは、閉状態にある開閉弁54bの突出部541cと接し、かつ、本体ケース52の上端部(ストッパ壁52c)と接している。図14では、遊技球Bと、開閉弁54bの突出部541cとの接点を符号P7、本体ケース52の上端部との接点をP8で示し、遊技球Bの最左点をP9で示している。
このような状態において、遊技球Bと開閉弁54bの突出部541cとの接点P7は、鉛直方向において遊技球Bの最左点P9よりも下方に位置している。また、遊技球Bと本体ケース52の上端部との接点P8は、水平方向において遊技球Bの最下点P6よりも左側に位置しており、鉛直方向において遊技球Bの最下点P6よりも上方に位置している。つまり、接点P8は、最下点P6に対して左上に位置している。そして、接点P7から接点P8までの距離(第1距離)H5は、遊技球Bの最左点P9から最下点P6までの距離(第2距離)H6よりも短くなっている。そのため、遊技球Bは、本体ケース52における境界領域700と対向する上面側の開口(図8参照)と、開閉弁54bの第2側面部541bにおける突出部541cよりも基端部側の部分と、の間の隙間領域SPに入り込めないようになっている。しかも、図14の点線矢印で示すように、遊技球Bは、球戻り防止部材54との衝突時に、開閉弁54bの突出部541cから右方に力を付与され、本体ケース52の上端部から右斜め上方に力を付与されることで、遊技領域30に跳ね返る。そのため、遊技球Bが隙間領域SP内に入り込むことで球戻り防止機構50の開閉弁54bと本体ケース52との間に引っ掛かかることを防止できる。よって、そのような遊技球Bの引っ掛かりに起因する球戻り防止機構50の戻り防止が損なわれることがない。したがって、球戻り防止機構50の戻り防止を安定して確保できので、遊技領域30に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止をさらに向上させることができる。
このように構成された本実施形態に係るパチンコ機Pによれば、以下の効果を奏することができる。
本実施形態に係るパチンコ機Pは、外ガイドレール(外レール)27と内ガイドレール(内レール)28との間の領域であって、発射された遊技球を遊技領域30に案内する案内通路(案内領域)29と、遊技球が遊技領域30から案内通路29に戻ることを防止する球戻り防止機構50と、を備え、球戻り防止機構50は、閉状態(第1状態)と、開状態(第2状態)と、閉状態から開状態に変位する途中の状態(第3状態)と、に変位可能な開閉弁(変位部材)54bを有し、開閉弁54bは、外ガイドレール27と対向する側面部と、側面部の先端側の先端部と、を有し、先端部から外ガイドレール27までの距離を特定距離H1とし、案内通路29から遊技領域30に案内される遊技球を一の遊技球B1とし、遊技領域30から案内通路29に戻ろうとする遊技球を他の遊技球B2とすると、閉状態は、特定距離が開状態より短い状態であり、開状態は、特定距離が閉状態より長い状態であり、閉状態から開状態に変位する途中の状態は、一の遊技球B1が側面部と外ガイドレール27と他の遊技球B2と接し、他の遊技球B2が先端部と外ガイドレール27と一の遊技球B1と接することで、特定距離H1が開状態より長く閉状態より短く、かつ、他の遊技球B2の最下点から外ガイドレール27までの距離H2より短い状態であることを特徴とする。そのため、球戻り防止機構50は、球戻り防止部材54(開閉弁54b)が閉状態にあるときに遊技領域30に進入した遊技球が戻ることを防止するだけでなく、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位している途中でも、遊技領域30に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを抑制できる。したがって、遊技領域30に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止を向上させることができる。
また、本実施形態に係るパチンコ機Pは、外ガイドレール(外レール)27と内ガイドレール(内レール)28との間の領域であって、発射された遊技球を遊技領域30に案内する案内通路(案内領域)29と、遊技球が遊技領域30から案内通路29に戻ることを防止する球戻り防止機構50と、を備え、球戻り防止機構50は、閉状態(第1状態)と、開状態(第2状態)と、に変位可能な開閉弁(変位部材)54bと、開閉弁54bを保持可能な本体ケース(支持部材)52と、を有し、開閉弁54bは、遊技領域30と対向する第2側面部(側面部)541bと、第2側面部541bの先端側の先端部と、を有し、先端部から外ガイドレール27までの距離を特定距離とすると、閉状態は、特定距離が開状態よりも短い状態であり、開状態は、特定距離が閉状態よりも長い状態であり、本体ケース52は、開状態において開閉弁54bの第2側面部541bと当接するストッパ壁(接する接部)52cを有し、遊技球は、閉状態においてストッパ壁52cと第2側面部541b(の突出部541c)に接する場合があり、閉状態において、遊技球とストッパ壁52cの接点P8から遊技球と第2側面部541b(の突出部541c)の接点P7までの距離を第1距離H5とし、遊技球の最下点P6から最左点P9までの距離を第2距離H6とすると、第1距離H5は、第2距離H6よりも短いことを特徴とする。したがって、遊技領域30に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止をさらに向上させることができる。
次に、図15および図16を参照して、上述した始動口ユニット(樹脂部材)60の構成について説明する。図15は始動口ユニット60を示す前面斜視図、図16は始動口ユニット60を示す背面斜視図である。
図15および図16に示すように、始動口ユニット60は、遊技盤5(アクリル板5a)の下縁部の形状に合わせて、全体として湾曲した細長い形状をした樹脂製の部材である。始動口ユニット60は、始動口ベース61と、始動口ベース61の全面に固定される第1前飾り部62および第2前飾り部63と、を有する。
始動口ベース61は、略台形状の第1板状部64、略三角形状の第2板状部65と、第1板状部64と第2板状部65とを連結する連結部66と、を有する。第1板状部64の前面(第2面)は、遊技領域30を流下する遊技球と接する。第1板状部64の背面(第1面)は、後述する取付ベース部を介してアクリル板5aと接する。
第1板状部64の前面には、第1前飾り部62が固定されている。なお、図示は省略するが、第1前飾り部62の背面には固定ピンが突出するように形成されており、この固定ピンを第1板状部64に形成された固定ピン用貫通孔に挿入することで、第1前飾り部62が第1板状部64に取り付けられる。
第1前飾り部62は、遊技盤5のアクリル板5aと協働して第1始動入賞口31を形成する略コの字形状の始動口形成部62aと、始動口ベース61と協働してアウト口32を形成する第1アウト口形成部62bおよび第2アウト口形成部62cと、を有する。第1アウト口形成部62bは始動口形成部62の左側に設けられ、第2アウト口形成部62cは始動口形成部62の右側に設けられる。
第1板状部64の背面の四隅にはそれぞれ、所定の厚みを有する取付ベース部(第1樹脂部)69が形成されている。各取付ベース部69は、第1板状部64がアクリル板5aに取り付けられたときにアクリル板5aの前面と接する平坦状の部分である。これら取付ベース部69のうち、第1板状部64の背面における右上隅部、右下隅部、および左下隅部に形成された3つの取付ベース部69には、ネジ(固定部材)(図17の符号71)が挿入されるネジ孔(第1孔部)67と、アクリル板5aに対する始動口ベース61の取り付け位置を決めるピン(位置決め突部)68と、が対を成し、所定間隔を設けて隣接して形成されている。ネジ孔67は、第1板状部64の前面から取付ベース部69の背面に向かって凹んでおり、さらに第1板状部64の前面から取付ベース部69の背面に向かうまで突き抜けている。ピン68は、取付ベース部69の背面から後方に突出するように形成されている。一方、第1板状部64の背面における左上隅部に形成された取付ベース部(第4樹脂部)69には、ネジ孔67だけが形成されており、ピン68は形成されていない。
また、第1板状部64は、薄肉部(第2樹脂部)70と、厚肉部(第3樹脂部)75と、を有する。薄肉部70は、第1板状部64の周端部(本例では、上端部)に形成されている部分である。この薄肉部70では、第1板状部64の前面から背面までの長さ(寸法)(つまり、厚み)が、厚肉部75よりも小さく、第1板状部64の周端に向かうほど小さくなっている。一方、厚肉部75は、第1板状部64の周端部以外に形成されている部分である。この厚肉部75では、第1板状部64の前面から背面までの長さが、薄肉部70よりも大きく、概ね一定となっている。
第2板状部65の前面には第2前飾り部63が固定されている。第2前飾り部63は、第2板状部65と協働して遊技球を一般入賞口33に案内する通路63aを有する。第2板状部65の背面における右端部には、上記した取付ベース部69が形成されている。この取付ベース部69には、ネジ孔67およびピン68の双方が形成されている。また、第2板状部65は、第1板状部64と同様に、第2板状部65の周端部(本例では、上端部)に形成されている部分である薄肉部70と、第2板状部65の周端部以外に形成されている部分である厚肉部75と、を有する。
連結部66は、第1前壁66aおよび第2前壁66bと、これら前壁66a,66bの裏面から突出する複数の湾曲片66cと、を有する。第1前壁66a、第2前壁66bおよび複数の湾曲片66cは、遊技盤5のアクリル板5aと協働して複数の一般入賞口33を形成する。また、第1前壁66aの裏面から突出する湾曲片66cと第2前壁66bの裏面から突出する湾曲片とを接続する接続片66dには、ネジ孔67が形成されている。
このように、始動口ベース61では、第1板状部64の背面に設けられた3つの取付ベース部69それぞれに1組のネジ孔67およびピン68が形成され、第2板状部65の背面に設けられた1つの取付ベース部69に1組のネジ孔67およびピン68が形成されている。また、第1板状部の背面に設けられた1つの取付ベース部69にネジ孔67のみが形成され、連結部66の接続片66dに1つのネジ孔67が形成されている。
次に、図17を参照して始動口ユニット60の遊技盤5(アクリル板5a)への取り付けについて説明する。図17は始動口ユニット60のアクリル板5aへの取り付けを示す斜視図である。なお、図17においては、説明の便宜上、始動口ユニット60において第1前飾り部64および第2前飾り部65は図示していない。
図17に示すように、アクリル板5aの前面には、始動口ベース61のネジ孔67に挿入されたネジ71を挿入する複数(本例では6つ)のネジ用貫通孔(第2孔部)72、および始動口ベース61のピン68(図15および図16参照)が挿入される複数(本例では4つ)のピン用貫通孔(位置決め孔部)73が形成されている。始動口ユニット60(始動口ベース61)をアクリル板5aの前面に取り付ける際には、まず、始動口ベース61のピン68をアクリル板5aのピン用貫通孔73に挿入する。この際に、始動口ベース61の第1板状部64に形成された3つのピン68と第2板状部65に形成された1つのピンをそれぞれ、アクリル板5aのピン用貫通孔73に挿入することで始動口ユニット60をアクリル板5aに対して位置決めする。次に、ネジ71を始動口ベース61のネジ孔67を通してアクリル板5aのネジ用貫通孔72に螺合する。この際に、第1板状部64に形成された4つのネジ孔67、第2板状部65に形成された1つのネジ孔67、および連結部66の接続片66dに形成された1つのネジ孔67を通してネジ71をアクリル板5aのネジ用貫通孔72に螺合する。これにより、始動口ユニット60をアクリル板5aの前面に固定できる。
次に、図18および図19を参照して、始動口ベース61のネジ孔67およびピン68の配置について説明する。図18は、遊技盤5の遊技領域30における始動口ユニット60周辺の拡大正面図、図19は図18に示す点線枠部の拡大図である。
図18に示すように、第2板状部65において、取付ベース部69のピン68は、厚肉部75に形成されており、薄肉部70に形成されていない。具体的には、取付ベース部69は第2板状部65の厚肉部75の背面に形成されており、この取付ベース部69のピン68も厚肉部75の背面に形成されている。また、図19に示すように、第1板状部64において、その背面の右上隅部に形成されたピン68は、厚肉部75に形成されており、薄肉部70に形成されていない。具体的には、そのピン68は、厚肉部75と薄肉部70との境界線に沿ってネジ孔67と並ぶように厚肉部75の背面に形成されている。また、第1板状部64の背面における左下隅部および右下隅部は厚肉部75となっており、この厚肉部75の背面の取付ベース部69にピン68が形成されている。
なお、第1板状部64の背面における左上隅部の取付部(第4樹脂部)にはピンは形成されていないが、仮にこの位置にピンが形成されると、このピンが遊技領域30を流下した遊技球から比較的大きな衝撃を受けて破損する虞がある。よって、このような事態を予め防ぐため、この位置にピンを形成しないようにしている。
次に、図20を参照して、始動口ベース61に形成されたネジ用貫通孔72の径、ピン用貫通孔73の径、およびピン68の長さ(寸法)の詳細について説明する。図20は図18のXX-XX線断面図である。なお、図20においては、説明の便宜上ハッチングを施していない。
図20に示すように、ピン用貫通孔73の径R1は、ネジ用貫通孔72の径R2と概ね等しい(R1≒R2)。また、ピン68の径R3は、始動口ベース61の第2板状部65の厚みT1よりも小さく(R3<T1)、具体的には、ピン68の径R3はD1の70%以下であることが好ましい(R3≦0.7D1)。ここで、第2板状部65の厚みT1は、ピン68が形成された範囲における第2板状部65の前面から取付ベース部69の背面までの長さ(寸法)である。さらに、ピン68がピン用貫通孔73に挿入されている部分の長さD1は、ネジ71がネジ用貫通孔72に挿入されている部分の長さD2よりも小さい(D1<D2)。
このように構成された本実施形態に係る遊技盤5によれば、以下の効果を奏することができる。
始動口ベース61のピン68の径R3は、第2板状部65の厚みT1よりも小さくなっているので、樹脂材料を射出成型することで形成される始動口ベース61にヒケが生じ難くなる。よって、始動口ベース61の不良を抑制できる。
また、ピン68がピン用貫通孔73に挿入されている部分の長さD1は、ネジ71がネジ用貫通孔72に挿入されている部分の長さD2よりも小さくなっているので、仮にピンに予期せぬ外力が付与されても、そのピンが折れて破損する可能性を低減できる。よって、始動口ベース61の不良を抑制できる。
また、始動口ベース61のピン用貫通孔73の径R2は、ネジ用貫通孔72の径R1と概ね等しいので、アクリル板5aの製造段階においてこれらの貫通孔72,73を纏めて形成できるため、作業効率を上げるとともに作業コストを低減できる。
次に、パチンコ機Pの変形例について説明する。
(変形例)
図21および図22を参照して変形例に係る遊技盤500について説明する。図21は遊技盤500に取り付けられた始動口ベース61の拡大正面図、図22は図21のXXII-XXII線断面図である。なお、図22においては、説明の便宜上ハッチングを施していない。遊技盤500は、始動口ベース61の第2板状部65において、ピン68の位置およびアクリル板5aのピン用貫通孔73の大きさが上記第1実施形態と異なる。
図21に示すように、第2板状部65においては、取付ベース部69のネジ孔67とピン68が形成されている位置が異なっている。具体的には、取付ベース部69は第2板状部65の背面における右端部で、薄肉部70と厚肉部75とに跨るように形成されている。そして、この取付ベース部69のネジ孔67は厚肉部75に形成されている一方、ピン68は薄肉部70に形成されている。また、図示は省略しているが、第1板状部64の背面における右上部の取付ベース部69は、薄肉部70と厚肉部75に跨るように形成され、この取付ベース部69のネジ孔67は厚肉部75に形成されている一方、ピン68は薄肉部70に形成されている。なお、ピン68は少なくとも薄肉部70に形成されていれば良く、例えば薄肉部70と厚肉部75とを跨ぐように形成されても良い。また、複数のピン68が形成される場合、それらの一部のピン68が薄肉部70に形成され、残りのピン68が厚肉部75に形成されても良い。
図22に示すように、ピン用貫通孔73の径R1は、ネジ用貫通孔72の径R2よりも大きく(R1>R2)、ネジ71の軸部71aの径R4よりも大きく(R1>R4)、ネジ71の頭部71bの径R5よりは小さい(R1<R5)。
図23は遊技盤500のアクリル板5aに取り付けられた始動口ベース61と前枠3が保持する透明板11との位置関係を示す断面図である。なお、図23においては、説明の便宜上ハッチングを施していない。
図23に示すように、前枠3が内枠2(図2参照)に対して閉じられた状態となると、遊技盤500と透明板11とが対向する。この状態において、始動口ベース61の最前端と透明板11との長さ(最短の長さ(寸法))D3は、ピン68がピン用貫通孔73に挿入されている部分の長さD1よりも小さい(D3<D1)。具体的には、始動口ベース61の最前端は、連結部66の第1前壁66aおよび第2前壁66bの前面であり、これらの前面と透明板11の背面との間の長さD3は、上記した長さD1よりも小さい。
このように構成された変形例に係る遊技盤500によれば、以下の効果を奏することができる。
始動口ベース61のピン68の径R3は、ネジ用貫通孔72の径よりも大きく、ネジのネジ71の軸部71aの径よりも大きくなっているので、ピン68の強度を向上でき、ピン68が破損し難くなる。
また、ピン用貫通孔73の径R1は、ネジ用貫通孔72の径R2よりも大きく、ネジ71の軸部71aの径R4よりも大きいため、ピン用貫通孔73に挿入されたピン68の外周面と、ピン用貫通孔73の内周面との間に所定の隙間を形成可能となり、挿入時にピン68が破損し難くなる。また、ピン用貫通孔73の径R1は、ネジ71の頭部71bの径R5よりは小さいため、アクリル板5aの耐久性を保持できる。特に、ネジ用貫通孔72とピン用貫通孔73とは互いに近接した位置に形成される場合が多いため、これら貫通孔72,73が形成されるアクリル板5aの領域は耐久性が低減し易い。そこで、このように設計すれば、アクリル板5aの耐久性を保持できるため、極めて有効である。
また、ピン68の径R3は、始動口ベース61の第2板状部65の厚みよりも小さいので、樹脂材料を射出成型することで形成される始動口ベース61にヒケが生じ難くなる。
さらに、ピン68がピン用貫通孔73に挿入されている部分の長さD1は、ネジ71がネジ用貫通孔72に挿入されている部分の長さD2よりも小さいので、ピン68の突出量を抑えて、ピン68が折れて破損し難くなる。
このように、アクリル板5aに取り付けられる始動口ベース61は、上記のような様々な特徴を有しているので、始動口ベース(樹脂部材)61の不良を抑制できる。
また、始動口ベース61の第2板状部65の取付ベース部69には、1組のネジ孔67とピン68が形成されているが、このうちネジ孔67は厚肉部75に形成されている一方で、ピン68は薄肉部70に形成されている。そのため、始動口ベース61の周端部を支持して位置決めが行えるので、位置決めされた始動口ベース61を十分に固定でき、始動口ベース61をネジ71によってアクリル板(盤面板)5aに取り付け易くすることができる。また、周端部の薄肉部70にピン68が形成されていない始動口ベース61に比べて、周端部の薄肉部70にピンを配置できる分だけ始動口ベース61を小型化できる。よって、この小型化により、遊技領域30に新たなスペースを形成でき、遊技領域30の設計の自由度を高めることができる。
さらに、始動口ベース61の最前端と透明板11との最短の長さD3は、ピン68がピン用貫通孔73に挿入されている部分の長さD1よりも小さいので、遊技領域30の前後方向の幅を可能な限り小さくして、設計通りに遊技球を遊技領域30で流下させることができる。一方、ピン68がピン用貫通孔73に挿入されている部分の長さD1は、始動口ベース61の最前端と透明板11との最短の長さD3よりも大きいので、始動口ベース61の位置決めを行える程度の長さD1を確保でき、始動口ベース(樹脂部材)61の不良を抑制できる。
次に、図24~図26を参照して、演出表示装置41による大当たり時の演出態様について説明する。図24~図26は、大当り時の演出態様の一例を示す説明図である。なお、以下に説明する演出態様は、一例として大当たり時の場合を示したものにすぎず、大当たり時に限定されることなく、例えば先読み演出や各種リーチ演出(例えばノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出、プレミアムリーチ演出)、または予告演出等のあらゆる演出が行われる場合にも採用できる。
演出表示装置41は、大当たり時においては、後述する左図柄500L、中図柄500C、右図柄500R(図24等参照)の変動表示が開始され、左図柄500Lと右図柄500Rがリーチ態様で停止してリーチ状態が発生すると、一旦、各演出図柄500L,500C,500Rを消去する。そして、演出表示装置41は、大当たりを示唆する示唆画像を所定期間だけ表示する。この示唆画像においては、例えば所定のキャラクタが登場して「チャンス!」というセリフを発し、大当りになることを示唆する。その後、演出表示装置41は、再び、演出図柄500L,500C,500Rの変動表示を行う変動画面に復帰する。以下においては、演出表示装置41がこの変動画面に復帰した状態から説明する。なお、図24(a)→図24(b)→図24(c)→図24(d)→図25(e)→図25(f)→図25(g)→図25(h)→図26(i)→図26(j)→図26(k)→図26(l)の順に演出表示装置41の画面が遷移する場合を示している。
図24(a)に示すように、演出図柄500L,500C,500Rの変動表示を行う変動画面に復帰する。このとき、左図柄500Lと右図柄500Rは停止した状態で縮小表示され、中図柄500Cがスローダウンした状態で変動表示される。
そして、図24(b)に示すように、中図柄500Cの変動中に図柄が停止することを示唆するとともに停止する図柄を強調するエフェクト画像506が出現する。
次に、図24(c)に示すように、中図柄500Cが拡大表示された状態で仮停止する。本例では、数字の「5」の演出図柄が仮停止した例を示している。中図柄500Cが仮停止すると中図柄500Cは揺動した状態で中央の位置(特定表示領域)に留まる。また、中図柄500Cが仮停止したときに、中図柄500Cの下位レイヤーでエフェクト画像506が表示される。これにより、中図柄500Cとエフェクト画像506が重畳して表示される。さらに、エフェクト画像506が拡大し始める。
そして、図24(d)に示すように、仮停止している中図柄500Cと重畳しているエフェクト画像506が拡大表示される。
次に、図25(e)に示すように、仮停止した中図柄500Cが完全停止しない場合は、再度中図柄500Cの変動表示が開始されるとともにエフェクト画像506が出現する。
そして、図25(f)に示すように、中図柄500Cが拡大表示された状態で仮停止する。本例では、数字の「6」の演出図柄が仮停止した例を示している。中図柄500Cが仮停止すると中図柄500Cは揺動した状態で中央の位置に留まる。また、中図柄500Cが仮停止したときに、中図柄500Cの下位レイヤーでエフェクト画像506が表示される。これにより、中図柄500Cとエフェクト画像506が重畳して表示される。さらに、エフェクト画像506が拡大し始める。
そして、図25(g)に示すように、仮停止している中図柄500Cと重畳しているエフェクト画像506が拡大表示される。
次に、図25(h)に示すように、仮停止した中図柄500Cが完全停止しない場合は、再度中図柄500Cの変動表示が開始されるとともにエフェクト画像506が出現する。
次に、図26(i)に示すように、中図柄500Cが拡大表示された状態(拡大を行う「特定変化」で変化した状態)で仮停止する。本例では、数字の「7」の演出図柄が仮停止した例を示している。中図柄500Cが仮停止すると中図柄500Cは揺動した状態で中央の位置に留まる。また、中図柄500Cが仮停止したときに、中図柄500Cの下位レイヤーでエフェクト画像506が表示される。これにより、中図柄500Cとエフェクト画像506が重畳して表示される。さらに、エフェクト画像506が拡大し始める。
そして、図26(j)に示すように、仮停止している中図柄500Cと重畳しているエフェクト画像506が拡大表示される。
次に、図26(k)に示すように、仮停止した中図柄500Cが完全停止する場合は、中図柄500Cを拡大表示したままでエフェクト画像506が消去される。
そして、図26(l)に示すように、縮小していた左図柄500Lと右図柄500Rが元の大きさに拡大されるとともに、拡大していた中図柄500Cが元の大きさに縮小され、各演出図柄500L,500C,500Rが同一の大きさで揃った状態になる。本例では、演出図柄「7」が揃い、大当りとなる。
なお、中図柄500Cの拡大表示開始のタイミングは、エフェクト画像506の表示開始のタイミングよりも早くてもよいし、遅くてもよい。
また、中図柄500Cの拡大表示完了のタイミングは、エフェクト画像506の表示終了のタイミングよりも早くてもよいし、遅くてもよい。
さらに、中図柄500Cとエフェクト画像506は同時期に表示されている期間があってもよいし、同時期に表示されている期間がなくてもよい。
次に、図27および図28を参照して、図24~図26で示す演出例における演出図柄の表示位置とエフェクト画像の表示位置について説明する。図27は、エフェクト画像の拡大中心と図柄の拡大中心とが同一であることを示す説明図、図28は、各図柄の拡大中心が同一であることを示す説明図である。なお、図27および図28では、図示の内容が明確になるように演出図柄を白抜きにして説明する。
図27に示すように、中図柄500Cが拡大表示されるとき(例えば、図26(i)の状態のとき)の拡大の基準位置として拡大中心C1が中図柄500Cの内側に設定されている。また、エフェクト画像506が拡大表示されるとき(例えば、図26(j)の状態のとき)の拡大の基準位置として拡大中心C2がエフェクト画像506の内側に設定されている。そして、本実施形態では、中図柄500Cとエフェクト画像506が重畳表示されるにあたって、中図柄500Cの拡大中心C1とエフェクト画像506の拡大中心C2とが同一の位置になっている。これにより、中図柄500Cとエフェクト画像506の遠近感を好適な態様で表示することができる。なお、拡大中心C1と拡大中心C2とは、完全に同一の位置でなく、略同一の位置にしてもよい。
なお、本実施形態では、中図柄500Cが揺動したときの基準位置(換言すると、揺動の中心)もエフェクト画像506の拡大の基準位置と同一の位置である。さらに、中図柄500Cが揺動したときの中心は他の中図柄500Cが揺動したときの中心と同一の位置である。この場合も、同一の位置でなく、略同一の位置にしてもよい。
また、図28に示すように、前述したように、中図柄500Cの1つである演出図柄「7」が拡大表示されるとき(例えば、図26(i)の状態のとき)の拡大の基準位置(換言すると、アンカーポイント)として拡大中心C1が中図柄500Cの内側に設定されている。また、中図柄500Cの1つである演出図柄「6」が拡大表示されるとき(例えば、図25(f)状態のとき)の拡大の基準位置として拡大中心C3が中図柄500Cの内側に設定されている。そして、本実施形態では、演出図柄「7」が拡大表示されるときの拡大中心C1と演出図柄「6」が拡大表示されるときの拡大中心C3とが同一の位置になっている。そして、本実施形態では、演出図柄として「1」~「9」が変動表示されるが、演出図柄「6」と「7」に限らず、各々の演出図柄の拡大中心同士が同一の位置になっている。これにより、中図柄500C同士の遠近感を好適な態様で表示することができる。なお、拡大中心C1と拡大中心C3とは、完全に同一の位置でなく、略同一の位置にしてもよい。
なお、本演出例では、中図柄500Cの拡大表示後にエフェクト画像506を拡大する例を挙げているが、エフェクト画像506を拡大表示した後に中図柄500Cを拡大表示するように構成することも可能である。
また、演出図柄を、変動時間の経過にしたがって拡大表示や縮小表示する場合(例えば、図柄の仮停止時や停止時)は、演出図柄が拡大表示されるときの基準位置と演出図柄が縮小表示するときの基準位置とが同じようになるように構成することが可能である。
次に、図29を参照して、上記実施形態の変形例について説明するが、本変形例では上記実施形態と異なる部分について詳述し、その他の部分は説明を省略する。図29は、図柄の中心とエフェクト画像の拡大中心とが同一であることを示す説明図である。
上記実施形態では、中図柄500Cとエフェクト画像506の両方が拡大する例を挙げたが、リーチ演出を実行するときに、中図柄500Cの表示態様は変化せずにエフェクト画像506のみが拡大するように構成することも可能である。
このように構成する場合において、図29に示すように、中図柄500Cの縦幅Yの中央を通る線と横幅Xの中央を通る線とが交差する中心を中心C4とする。また、エフェクト画像506の内側に設定された拡大の基準位置(換言すると、アンカーポイント)を拡大中心C5とする。そして、中図柄500Cと中心とエフェクト画像506の拡大中心C5とを同一の位置にする。これにより、上記実施形態と同様に中図柄500Cとエフェクト画像506の遠近感を好適な態様で表示することができる。なお、中心C4と拡大中心C5とは、完全に同一の位置でなく、略同一の位置にしてもよい。
本変形例では、第1画像として中図柄500Cを例に挙げたが、例えば、左図柄500L、右図柄500Rなど、第1画像は他の演出図柄でもよく、また、演出図柄以外の画像にしてもよい。
本変形例では、第2画像としてエフェクト画像506を例に挙げたが、例えば、放射状に光が広がる放射画像(放射線画像、放射演画像)など、第2画像は変化の基準位置が特定できれば本変形例と異なる画像にしてもよい。
そして、第1画像として、上記実施形態以外の例として、例えば、アイテム画像、文字画像、ウインドウ予告画像、保留予告画像、演出ボタン45の操作を促進する促進演出画像、キャラ画像、ハズレ図柄、または単数又は複数の文字等を挙げることができる。そして、これらの画像が拡大、縮小、揺動、回転するなど表示態様が変化したときの変化の基準位置が第2画像の中心と同一の位置になるようにすればよい。なお、第1画像として、複数の文字を採用する場合には、複数の文字全体の中心を基準位置としても良いし、複数の文字の各々の中心を基準位置としても良い。
本変形例では、第2画像の表示態様が変化する例として、エフェクト画像506が拡大する例について説明したが、拡大表示に限らず、例えば、光が放射状に広がる放射表示、縮小表示、揺動表示、回転表示など、拡大表示以外の態様で表示態様が変化してもよい。
本変形例では、リーチ演出を実行するときに第2画像の表示態様の変化の基準位置と第1画像の基準位置とが同一となる例を挙げたが、第2画像の表示態様の変化があれば、リーチ演出以外の演出を実行するときに本発明を適用してもよい。
このように構成された本実施形態に係るパチンコ機Pによれば、以下の効果を奏することができる。
案内領域(本例では、案内通路29)と遊技領域(本例では、遊技領域30)とを有する遊技盤(本例では、遊技盤5)と、発射された遊技球を前記案内領域から前記遊技領域に案内可能な外レール(本例では、外ガイドレール27)および内レール(本例では、内ガイドレール28)と、遊技球が前記遊技領域から前記案内領域に戻ることを防止する球戻り防止機構(本例では、球戻り防止機構50)と、前記遊技盤の背面側に設けられた画像表示手段(本例では、演出表示装置41)と、を備え、前記球戻り防止機構は、第1状態(本例では、閉状態)と、第2状態(本例では、開状態)と、に変位可能な変位部材(本例では、開閉弁54b)と、前記変位部材を支持可能な支持部材(本例では、本体ケース52、カバー53、または支軸56)と、を有し、前記変位部材は、前記遊技領域と対向する側面部(本例では、第2側面部541b)と、前記側面部の先端側の先端部と、を有し、前記先端部から前記外レールまでの距離を特定距離(本例では、特定距離H1)とすると、前記第1状態は、前記特定距離が前記第2状態よりも短い状態であり、前記第2状態は、前記特定距離が前記第1状態よりも長い状態であり、前記支持部材は、前記第2状態において前記側面部と接する接部(本例では、当接するストッパ壁52c)を有し、遊技球は、前記第1状態において前記接部と前記側面部に接する場合があり、前記第1状態において、遊技球(本例では、遊技球B)と前記接部の接点(本例では、接点P8)から遊技球(本例では、遊技球B)と前記側面部の接点(本例では、接点P7)までの距離を第1距離(本例では、距離H5)とし、遊技球(本例では、遊技球B)の最下点(本例では、最下点P6)から最左点(本例では、最左点P9)までの距離を第2距離(本例では、距離H6)とすると、前記第1距離は、前記第2距離よりも短く、前記画像表示手段は、特定画像を含む複数の画像を表示可能であり、前記特定画像は、第1画像(本例では、中図柄500C)と、前記第1画像に関連する第2画像(本例では、エフェクト画像506)と、を含み、前記第1画像と前記第2画像は、表示態様が変化(本例では、拡大表示)するようになっており、前記第1画像の表示態様を変化させるときの変化の基準位置を第1基準位置(本例では、図27のC1)とし、前記第2画像の表示態様を変化させるときの変化の基準位置を第2基準位置(本例では、図27のC2)とすると、前記第1基準位置と前記第2基準位置とが同じようになっている。したがって、遊技領域に進入した遊技球の案内領域への戻り防止を向上させることができ、かつ、演出効果を高めることができる遊技機を提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
例えば上記実施形態では、図11において球戻り防止部材54が閉状態と開状態との間の概ね中間の状態まで変位したときを示しているが、この状態に限られず、閉状態と開状態との間の任意の状態に変位したときについても本発明を適用可能である。
また、上記実施形態では、図11において、球戻り防止部材54によって遊技球B2が案内通路29に戻ることを抑制できることを示したが、仮に遊技領域30から境界領域700に戻ってきた遊技球B2に連続して、もう1球別の遊技球Cが境界領域700に戻ってきた場合でも、勿論、球戻り防止部材54によって2球の遊技球(遊技球B2と遊技球C)が案内通路29に戻ることを抑制できる。
また、上記実施形態では、球戻り防止機構50は、内ガイドレール28の上端部に一体形成されていたが、この構成に限定されることなく、内ガイドレール28と別個に形成されても良い。
また、上記実施形態では、案内通路29と遊技領域30との間に境界領域700が設けられていたが、この構成に限定されることなく、境界領域700は案内通路29に含まれても良い。
また、上記実施形態では、開閉弁54bの第2側面部541bには、突出部541cが形成されていたが、この構成に限定されることなく、突出部541cが形成されることなく、第2側面部541bの表面を平坦状にしても良い。
また、上記実施形態では、ストッパ壁(接部)52cは、開状態において開閉弁54bの第2側面部541bと当接するよう構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、ストッパ壁52cは、開状態において開閉弁54bの第2側面部541bと圧接するよう構成されても良いし、近接するよう構成されても良い。
また、上記実施形態では、本発明の樹脂部材の一例として、始動口ベース61を挙げて説明したが、本発明の技術的思想は、遊技盤5のアクリル板(盤面板)5aに取り付けられる各種樹脂部材に適用できる。例えば樹脂材料で形成されたワープ通路34に本発明の技術的思想を適用しても良い。また、大入賞口や第2始動口を構成するユニットが設けられる場合には、これらのユニットのうちアクリル板5aに取り付けられるベース部材に本発明の技術的思想を適用しても良い。
また、上記実施形態では、始動口ベース61は、第1板状部64の背面に設けられた3つの取付ベース部69それぞれに1組のネジ孔67およびピン68が形成され、第2板状部65の背面に設けられた1つの取付ベース部69に1組のネジ孔67およびピン68が形成されていたが、この構成に限定されない。アクリル板5aに取り付けられる部材の形状に応じて取付ベース部69を適宜形成し、形成された取付ベース部69に1組のネジ孔67およびピン68を形成するか、またはネジ孔のみを形成するかを決定できる。
また、上記実施形態では、始動口ベース61の第1板状部64および第2板状部65は、その周端部の一部である上端部に薄肉部70を有していたが、この構成に限定されない。本発明の樹脂部材がアクリル板5aに取り付けられる位置に応じて、薄肉部70の位置を適宜決定できる。
また、上記実施形態では、始動口ベース61の第1板状部64および第2板状部65の背面に取付ベース部69が形成され、この取付ベース部69にネジ孔67やピン68が形成されていたが、この構成に限定されない。例えば第1板状部64および第2板状部65の背面に取付ベース部69が形成されることなく、これら板状部64,65の背面に直接ネジ孔67やピン68が形成されても良い。この場合、第1板状部64および第2板状部65の背面が遊技盤5のアクリル板5aと接する面となる。
また、上記実施形態では、第1画像が拡大を行う特定変化を示したが、第1画像が縮小を行う特定変化においても、第1基準位置と第2基準位置は同じようになっても良い。
また、上記実施形態では、第1画像として中図柄500Cを例に挙げるとともに、第2画像としてエフェクト画像506を例に挙げ、エフェクト画像506を中図柄500Cの下位レイヤーに表示する例、すなわち第2画像を第1画像の下位レイヤーに表示する例を挙げたが、この例に限らず、第2画像を第1画像の上位レイヤーに表示する、あるいは、第2画像を第1画像の上位レイヤー及び下位レイヤーの両方に表示してもよい。
また、上記実施形態では、第1画像及び第2画像の変化の基準位置(すなわち、アンカーポイント)を第1画像及び第2画像の内側に設定する例を挙げたが、第1画像及び第2画像の外側に変化の基準位置を設定してもよい。
なお、第1画像と第2画像の表示タイミングは適宜に設定することが可能であるが、例えば、第2画像は、第1画像よりも先に表示が開始されるものであり、第1画像よりも後まで表示されるものであるように構成する、あるいは、第1画像は、第2画像よりも先に表示が開始されるものであり、第2画像よりも後まで表示されるものであるように構成することが可能である。
また、上記実施形態では、第1画像として中図柄500Cを例に挙げたが、例えば、左図柄500L、右図柄500Rなど、第1画像は他の演出図柄でもよく、また、演出図柄でなくてもよく、第1画像は、表示態様の変化の基準位置が特定できれば上記実施形態と異なる画像にしてもよい。
また、上記実施形態では、第2画像としてエフェクト画像506を例に挙げたが、例えば、放射状に光が広がる放射画像など、第2画像は変化の基準位置が特定できれば上記実施形態と異なる画像にしてもよい。
そして、第1画像や第2画像として、上記実施形態以外の例として、例えば、アイテム画像、文字画像、ウインドウ予告画像、保留予告画像、演出ボタン45の操作を促進する促進演出画像などを挙げることができる。そして、これらの画像が拡大、縮小、揺動、回転するなど表示態様が変化したときの変化の基準位置が他の画像の変化の基準位置と同一の位置となるようにすればよい。なお、文字の変化の基準位置(換言すると、中心)とは、一文字の場合はその中心、複数の文字からなる文章(フレーズ)である場合は複数の文字の中心(5文字からなる横書きの文章である場合は左右から3文字目の真ん中の文字を中心とするなど)を例として挙げることができる。
また、上記実施形態では、第1画像の表示態様が変化する例として、中図柄500Cが拡大表示される例について説明したが、拡大表示に限らず、例えば、縮小表示、揺動表示、回転表示など、拡大表示以外の態様で表示態様が変化してもよい。
また、上記実施形態では、第2画像の表示態様が変化する例として、エフェクト画像506が拡大する例について説明したが、拡大表示に限らず、例えば、光が放射状に広がる放射表示、縮小表示、揺動表示、回転表示など、拡大表示以外の態様で表示態様が変化してもよい。
また、上記実施形態では、リーチ演出を実行するときに第1画像の表示態様の変化の基準位置と第2画像の表示態様の変化の基準位置とが同一となる例を挙げたが、第1画像の表示態様の変化や第2画像の表示態様の変化があれば、リーチ演出以外の演出を実行するときに本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例において、演出図柄のレイヤーに変化をつけなかったが、例えば、リーチ状態が発生する前の通常の変動状態では中図柄500Cは左図柄500L及び右図柄500Rよりも下位レイヤーであるが、リーチ演出を実行するときには、中図柄500Cは左図柄500L及び右図柄500Rよりも上位レイヤーになるようにしてもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例において、演出図柄のレイヤーに変化をつけなかったが、例えば、拡大表示が終了した図柄の上位レイヤーに次に拡大表示する図柄を表示するなど、同一例の演出図柄同士でレイヤーに変化をつけてもよい。
また、上記実施形態及び上記変形例において、演出図柄は個別に拡大表示されるように構成したが、例えば、拡大表示が終了した図柄に重畳するように次に拡大表示する図柄を拡大表示するなど、変動表示する演出図柄同士を重畳させてもよい。
また、上記実施形態及び変形例において、放射型に配置したLEDを設け、この放射型のLEDの発光の放射の基準位置(換言すると、中心)と、演出表示装置41で表示態様を変化させる画像の変化の基準位置とが同一の位置となるようにしてもよい。
上記実施形態では、第1画像および第2画像の変化の基準位置(すなわち、アンカーポイント)を第1画像および第2画像の内側に設定する例を挙げたが、第2画像の外側に変化の基準位置を設定してもよい。また、表示領域の一部(例えば、縁部分等)が遊技機を構成する構成部材(例えば、画像表示装置の前側にあるアクリル板5aや可動役物42)によって、遊技者に視認不能または視認困難な表示領域に変化の基準位置が設定されていても良い。さらに、表示領域外に変化の基準位置が設定されていても良い。
また、第1画像と第2画像は、どちらが上位レイヤーであっても良く、どちらが下位レイヤーであっても良い。
また、第1画像と第2画像の表示開始タイミングについては、第1画像が先であっても良いし、第2画像が先であっても良いし、同時であっても良い。また、第1画像と第2画像の表示終了タイミングについても、第1画像が先であっても良いし、第2画像が先であっても良いし、同時であっても良い。また、第1画像が表示終了した後に第2画像が表示開始されてもよく、第2画像が表示終了した後に第1画像が表示開始されても良い。
また、本発明は、パチンコ遊技機に限ることなく、遊技者が遊技球に触れることなく遊技を行う構造となったスマパチにも適用できる。