以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係るパチンコ機の外観を示す正面図、図2は前枠を開放状態にしたときのパチンコ機を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、パチンコ機Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の外枠1と、外枠1の前面に扉状に開閉可能に取り付けられた内枠2と、内枠2の前面に扉状に開閉可能に取り付けられた前扉3と、を備える。外枠1および内枠2は本体部(遊技機枠)4を構成する。本体部4は、遊技盤ユニット100を保持可能である。遊技盤ユニット100は、遊技盤5と、後述する上可動体ユニット200および下可動体ユニット300と、を有する。遊技盤5は、上可動体ユニット200および下可動体ユニット300の前方に位置している。
外枠1の左側枠部には、上側軸受け体6と下側軸受け体7が固着される。内枠2の左側枠部の上下両端には、第1ピン(図示せず)が設けられる。これら両第1ピンを上側軸受け体6と下側軸受け体7に軸支することで、内枠2を外枠1に対して開閉可能に支持する第1ヒンジ機構が構成される。また、前扉3の左側枠部の上下両端には、第2ピン(図示せず)が設けられる。これら両第2ピンを内枠2の左側枠部に突設した上下の支持板8,9に軸支することで、前扉3を内枠2の左側枠部に対して開閉可能に支持する第2ヒンジ機構が構成される。
内枠2の右側枠部は、第1ヒンジ機構および第2ヒンジ機構と反対側の自由端側である。この右側枠部にはシリンダ錠10が設けられる。シリンダ錠10の鍵穴に鍵を差し込み、その鍵の回動方向に応じて、内枠2または前扉3が開錠される。
前扉3は、ガラスやプラスチック等からなる透明板11を保持可能である。透明板11は、前扉3が内枠2に対して閉じられた状態になると、遊技盤5と対向する。前扉3の透明板11の周囲には、各種機器が設けられる。例えば、透明板11の上方には意匠ユニット12が設けられ、透明板11の下方には受皿13が設けられ、受皿13の前方中央に演出操作ユニット14が設けられ、演出操作ユニット14の右下方に操作ハンドル15が設けられる。
意匠ユニット12は、左スピーカユニット12aと、右スピーカユニット12bと、これらの間に配置されたロゴユニット12cと、ロゴユニット12cを支持するベースユニット12dと、を有する。左スピーカユニット12aは、透明板11の左上方に配設される。右スピーカユニット12bは、透明板11の右上方に配設される。ロゴユニット12cは、透明板11の上方に配設される。ベースユニット12dは、透明板11の上方であって、ロゴユニット12cの背面側に配設される。なお、ロゴユニット12cの前面には、機種のコンテンツやスペック等に応じたデザインが施される。
受皿13は、遊技球を収容可能とする。受皿13には、パチンコ機Pの側方に設置された遊技球貸出装置(図示せず)により貸し出される遊技球や、パチンコ機Pの賞球払出装置(図3の符号20)から払い出される賞球が導かれる。受皿13が遊技球で一杯になると、満タン検知ユニット(図3の符号23)によってその状態が検知される。
演出操作ユニット14は、遊技の進行に伴って実行される演出の切り替え等を行うことを可能にする。
操作ハンドル15は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように構成されている。操作ハンドル15の回転操作が行われると、受皿13に収容されている遊技球が、遊技盤5の下方に配設された発射装置(発射手段)16に送られ、操作ハンドル15の回転角度に応じた強度で発射される。なお、前扉3の背面における透明板11の下方には整流器ユニット17が配設される。整流器ユニット17は、受皿13に収納された遊技球を発射装置16に供給する。
図3はパチンコ機Pの背面図である。図3に示すように、パチンコ機Pは、その背面側に、主制御基板18と、副制御基板19と、賞球払出装置20と、払出制御基板21と、発射制御基板(図示せず)と、外部端子基板22と、満タン検知ユニット23と、を備える。
主制御基板18は、遊技に関する主要な処理を行う。副制御基板19は、主制御基板18からの指令を受けて各種演出ユニットを制御する。なお、主制御基板18および副制御基板19はそれぞれ収納ケースに収納された状態で背面カバー部材24によって覆われている。
賞球払出装置20は、遊技球が遊技盤5の遊技領域に設けられた所定の入賞口に入球したことに基づいて賞球を払い出す。払出制御基板21は、主制御基板18からの指令を受けて賞球払出装置20を制御する。
発射制御基板は、操作ハンドル15の回転角度に応じて発射装置16の作動を制御する。外部端子基板22は、大当たり回数等の各種情報を遊技場のホールコンピュータに出力する。満タン検知ユニット23は、受皿13が遊技球で一杯になったことを検知する。
このように、パチンコ機Pはその背面側に遊技を進行する際の制御を行う各種基板等を備えており、これらの制御等によって遊技を円滑に進めることができる。
次に、図4を参照して遊技盤5について説明する。図4は遊技盤5を示す正面図である。遊技盤5は、上述した遊技盤ユニット100の前面に設けられており、前扉3の透明板11と対向するように配置されている。
図4に示すように、遊技盤5は、略矩形状のアクリル板(盤面板)5aと、レールベース26と、外ガイドレール27と、内ガイドレール28と、を有する。レールベース26は、アクリル板5aの前面に固定されており、正面視で円弧状の内周面を有する。外ガイドレール27は、レールベース26の内周面に沿って取り付けられており、遊技盤5の中央下部から離れた左側位置から左端部、上端部および右上端部近傍に亘って円弧状に配置される。内ガイドレール28は、アクリル板5aの前面における外ガイドレール27の内側に取り付けられており、遊技盤5の中央下部よりもやや左側位置から遊技盤5の左端部近傍および左上端部近傍に亘って円弧状に配置される。これら外ガイドレール27と内ガイドレール28との間の湾曲形状の領域が、案内通路29となっている。案内通路29は、発射装置16(図2参照)により発射された遊技球を遊技領域30に案内する。案内通路29と遊技領域30との間には境界領域70が設けられている。境界領域70の出口は遊技領域30と連通しており、境界領域70の入口は案内通路29と連通している。詳細は後述するが、内ガイドレール28の先端部には、球戻り防止機構(図5の符号50)が設けられており、この球戻り防止機構は境界領域70に配置されている。
遊技領域30は、外ガイドレール27および内ガイドレール28よりも内側の領域であり、発射装置16の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする左打ち領域30aおよび右打ち領域30bを含む。左打ち領域30aは、パチンコ機Pに正対した遊技者から見て遊技盤5の左側に位置する。一方、右打ち領域30bは、同遊技者から見て遊技盤5の右側に位置する。
遊技領域30には、各種の入賞口等が設けられる。例えば遊技領域30の中央下方には、第1始動入賞口31およびアウト口32が設けられる。また、遊技領域30の左打ち領域30aには、一般入賞口33、ワープ通路34、風車35、複数の遊技釘36等が設けられる。さらに、図示は省略するが、遊技領域30の右打ち領域30bには、ゲート、第2始動入賞口および大入賞口等が設けられる。
遊技盤5のアクリル板5aの略中央には、所定形状に切り抜かれた開口40が形成されている。アクリル板5aの背面側であって、遊技者が開口40を通して臨める位置に、遊技に関する各種演出を表示する演出表示装置41、および遊技の進行に合わせて昇降動作する可動役物42等が設けられている。また、図示は省略するが、遊技盤5は、遊技領域30の外方であって、かつ遊技者が視認可能な位置に第1特別図柄表示器、第2特別図柄表示器、第1特別図柄保留表示器、第2特別図柄保留表示器、普通図柄表示器、普通図柄保留表示器、および右打ち報知表示器を有する。これらの表示器は遊技に係る種々の状況を表示するための装置である。
遊技盤5の上部の背面側には、上可動体ユニット200が配置されている。上可動体ユニット200は、第1上可動体ユニット80と、第2上可動体ユニット90と、を有する。第1上可動体ユニット80は、第2上可動体ユニット90よりも前方に配置されている。換言すれば、第2上可動体ユニット90は、第1上可動体ユニット80よりも後方に配置されている。常態では、遊技者は、主として第1上可動体ユニット80の後述する左可動体81および右可動体82を視認できるようになっている。第1上可動体ユニット80および第2上可動体ユニット90の詳細については後述する。
また、遊技盤5の下部の背面側には、下可動体ユニット300が配置されている。常態においては、遊技者は、下可動体ユニット300の後述する下可動体301の一部を視認できるようになっている。下可動体ユニット300の詳細については後述する。
遊技者が操作ハンドル15(図1および図2参照)を任意角度に回転操作すると、遊技球が発射装置16により遊技領域30に向かって連続的に打ち出される。通常、遊技者は、遊技開始時において、左打ち領域30aに向かって遊技球を打ち出す。そして、打ち出された遊技球は、風車35や複数の遊技釘36に衝突して流下方向を不規則に変えながら左打ち領域30aを流下する。その結果、流下した遊技球が第1始動入賞口31に入球した場合には、特別遊技を実行させるか否かを決定する大当たりの電子抽選が行われるとともに、所定個数(例えば3個)の賞球が付与される。なお、流下した遊技球が、一般入賞口33に入球した場合には所定個数(例えば3個)の賞球が付与され、第1始動入賞口31または一般入賞口33のいずれにも入球しなかった場合には、アウト口32を通って遊技盤5の背面側に排出される。
一方、上記した大当たりの電子抽選に当選した場合には、特別遊技に移行する。特別遊技おいては、遊技者は右打ち領域30bに向かって遊技球を打ち出す。そして、打ち出された遊技球は右打ち領域30bを流下して、大入賞口に入球可能となる。大入賞口には前後方向にスライド可能な大入賞口用スライド板が設けられている。大入賞口用スライド板が、前方にスライドすると大入賞口を閉鎖する一方、後方にスライドすると大入賞口を開放する。特別遊技において、大入賞口用スライド板は、所定のタイミングで複数回、大入賞口を開放する。特別遊技の開始から終了までの間に開放した大入賞口に遊技球を入球させることにより、多数個(例えば2000個)の賞球が遊技者に付与される。
また、上記した特別遊技が終了した場合には、時短遊技に移行する。時短遊技においては、遊技者は右打ち領域30bに向かって遊技球を打ち出す。そして、打ち出された遊技球がゲートを通過すると、普通図柄の電子抽選が実行される。普通図柄の電子抽選に当選すると、第2始動入賞口に遊技球が入球可能となる。第2始動入賞口には前後方向にスライド可能な第2始動入賞口用スライド板が設けられている。第2始動入賞口用スライド板が、前方にスライドすると第2始動入賞口を閉鎖する一方、後方にスライドすると第2始動入賞口を開放する。普通図柄の電子抽選に当選すると、第2始動入賞口用スライド板が所定のタイミングで複数回、第2始動入賞口を開放する。遊技球が第2始動入賞口に入球した場合には、再び大当たりの電子抽選が行われるとともに、所定個数(例えば1個)の賞球が付与される。なお、第2始動入賞口の入球を契機として大当たりの電子抽選が行われる回数は、予め定められた規定回数(例えば100回)に設定されている。規定回数以内に大当たりの電子抽選に当選しなかった場合には、時短遊技を終了させて遊技者は再び左打ち領域30aに向かって遊技球を打ち出すことになる。
次に、図5を参照して、内ガイドレール28の先端部に設けられた球戻り防止機構の概観構成について説明する。図5は内ガイドレール28の斜視図である。
図5に示すように、内ガイドレール28の先端部には、遊技領域30に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを防止する球戻り防止機構50が設けられている。球戻り防止機構50は、本体ケース52と、カバー53と、球戻り防止部材(変位部材)54と、を備える。本体ケース52、カバー53、および球戻り防止部材54はいずれも合成樹脂材料から成る成形品である。これら本体ケース52、カバー53および球戻り防止部材54が組み合わされることで球戻り防止機構50が形成される。上述したように、球戻り防止機構50は、内ガイドレール28がアクリル板5aに取り付けられた状態では、境界領域70に配置される。
次に、図6~図8を参照して、球戻り防止機構50の詳細な構成について説明する。図6は球戻り防止機構50の前面斜視図、図7は球戻り防止機構50の背面斜視図、図8は球戻り防止機構50の分解斜視図である。
図6~図8に示すように、本体ケース52は、内ガイドレール28の上端部に一体形成されており、底面部52aと、底面部52aの一端から立設された側面部52bと、を有する。底面部52aおよび側面部52bによって囲まれた空間が、切欠部Sとなっている。切欠部Sは、透明板11と対向する前面側、および境界領域70と対向する上面側を開放している(図8参照)。切欠部Sの上部開口端は、ストッパ壁52cとなっている。ストッパ壁52cは、遊技領域30の近傍に位置する側面部52bの上端部に形成されており、その上端部を幅方向に横切る円柱状の壁面となっている。
本体ケース52の底面部52aには、第1軸受部52d、およびガイド溝52eが形成されている。ガイド溝52eは、第1軸受部52dを中心とする仮想円に沿って略円弧状に延びている。また、底面部52aには、第1ネジ孔52fおよび第1位置決めピン52gが設けられている(図8参照)。底面部52aの背面側には、第2位置決めピン52hが設けられており(図7参照)、この第2位置決めピン52hがアクリル板5aの孔部(図示せず)に挿入されることで球戻り防止機構50がアクリル板5aに位置決めされる。
カバー53は、板状に形成されており、第2ネジ孔53aおよび位置決め孔53bを有する。また、カバー53の背面側には、第2軸受部53cが形成されている。底面部52aの第1位置決めピン52gを位置決め孔53bに挿入するとともに、ネジ55を第2ネジ孔53aおよび底面部52aの第1ネジ孔52fに挿入することで、カバー53が切欠部Sの前面側を塞いだ状態で本体ケース52に取り付けられる。
球戻り防止部材54は、軸孔54aと、開閉弁54bと、錘部54cと、を有する。開閉弁54bおよび錘部54cは、軸孔54aを境にくの字状に屈曲するように形成されている。軸孔54aには支軸56が挿通されており、この支軸56の一端部が底面部52aの第1軸受部52dに係止され、他端部がカバー53の第2軸受部53cに係止されている。これにより、球戻り防止部材54は、本体ケース52およびカバー53に回動可能に支持される。
開閉弁54bは略矩形板状に形成されており、その長手方向(鉛直方向)の長さは、遊技領域30から境界領域70に戻ってきた遊技球が衝突するのに十分な長さとなっている。開閉弁54bは、案内通路29と対向する第1側面部540bと、第1側面部540bと反対側であって遊技領域30(左打ち領域30a)と対向する第2側面部541bと、を有する(図9参照)。第1側面部540bは、発射装置16から発射され、案内通路29を通過した遊技球と衝突する部分である。第2側面部541bは、遊技領域30から案内通路29に戻ろうとする遊技球と衝突する部分である。
開閉弁54bの先端部は先細に形成されている。具体的には、第1側面部540bの鉛直方向の長さは、第2側面部541bの鉛直方向の長さよりも長くなっており、第1側面部540bの先端部から第2側面部541bの先端部に向かって下方傾斜している。また、第2側面部541bの中央部には、遊技領域30に向かって突出する突出部541cが形成されている。
錘部54cは開閉弁54bよりも肉厚であって重量が大きい。錘部54cの背面側には、係合ピン54dが突設されており、この係合ピン54dが底面部52aのガイド溝52eに挿入されている(図7参照)。球戻り防止部材54は、上述したように本体ケース52およびカバー53に回動可能に支持されており、開状態と閉状態との間で変位可能となっている。常態では、球戻り防止部材54は、錘部54cの自重によって支軸56を中心にして一方向(反時計回り)に回動するように付勢されており、係合ピン54dがガイド溝52eの一端部に当接している。これにより、球戻り防止部材54は、それ以上回動できず、閉状態を維持している。一方で、球戻り防止部材54は、発射装置16から発射された遊技球と接触することで、その接触力により支軸56を中心にして他方向(時計回り)に回動して、上述したストッパ壁52cに当接することで開状態となる。
次に、図9および図10を参照して、球戻り防止部材54が、閉状態(第1状態)にあるときの球戻り防止機構50と、開状態(第2状態)にあるときの球戻り防止機構50について説明する。図9は球戻り防止部材54が閉状態にあるときの球戻り防止機構50の正面図、図10は球戻り防止部材54が開状態にあるときの球戻り防止機構50の正面図である。
図9に示すように、球戻り防止部材54が閉状態(第1状態)にあるとき、開閉弁54bが切欠部Sの上面開口から境界領域70の出口に向かって略垂直な姿勢で突出している。この状態においては、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外ガイドレール27までの距離(特定距離)は、遊技球Bの直径よりも短く、かつ、最短となっている。なお、この距離は、球戻り防止部材54の開閉弁54b(第1側面部540b)の先端部から外ガイドレール27までの最短の距離を意味する。そのため、一旦遊技領域30に進入した遊技球が、遊技釘36等に衝突して境界領域70に向かって跳ね戻されても、球戻り防止部材54に衝突することになる。また、球戻り防止部材54は、遊技球に衝突されても閉状態を維持するため、反時計回りに回動することもない。よって、球戻り防止部材54は、閉状態にあるとき、遊技領域30に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを防止する。
図9に示した状態で発射装置16から遊技領域30に向かって発射された遊技球Bが案内通路29を上昇し、境界領域70に侵入して開閉弁54bに接触すると、その接触力で球戻り防止部材54は閉状態から開状態に変位可能となる。そして、図10に示すように、球戻り防止部材54は、境界領域70の出口を開放する方向へ回動していき、ストッパ壁52cに衝突すると、それ以上の回動が規制されて開状態(第2状態)となる。この状態においては、開閉弁54b(第1側面部540b)の先端部から外ガイドレール27までの距離(特定距離)は、遊技球Bの直径よりも長く、かつ、最長となっている。よって、球戻り防止部材54は、開状態にあるとき、発射装置16により発射された遊技球が境界領域70から遊技領域30に進入することを許容する。なお、球戻り防止部材54は、開状態に変位した後、錘部54cの付勢力を受けて逆方向(反時計周り)へ瞬時に回動して再び図9に示した閉状態に変位する。
上述したように、球戻り防止機構50は、球戻り防止部材54が閉状態にあるときに遊技領域30に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを防止するように構成されているが、本実施形態では、さらに、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位する途中の状態(第3状態)でも遊技球の案内通路(案内領域)29への戻りを防止できるようになっている。
図11は、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位している途中の状態において、遊技領域30(左打ち領域30a)に進入した遊技球が境界領域70に戻ろうとしている様子を示す図、図12および図13は図11に示す点線で囲まれた領域の拡大図である。
図11では、発射装置16から遊技領域30に向けて発射された一の遊技球(第1遊技球)B1が、案内通路29から境界領域70に進入し、球戻り防止部材54(開閉弁54b)、外ガイドレール27および他の遊技球(第2遊技球)B2に接している。図12では、一の遊技球B1と開閉弁54bの第1側面部540bとの接点を符号P1、外ガイドレール27との接点を符号P2、他の遊技球B2との接点を符号P3で示している。
また、他の遊技球B2は、遊技領域30から境界領域70に進入し、球戻り防止部材54の先端部、外ガイドレール27および一の遊技球B1に接している。図12では、他の遊技球B2と開閉弁54bの先端部との接点を符号P4、外ガイドレール27との接点を符号P5、他の遊技球B2の最下点を符号P6で示している。
図12に示す状態では、球戻り防止部材54の先端部から外ガイドレール27までの距離(特定距離)は、閉状態(図9参照)のときよりも長く開状態(図10参照)のときよりも短くなっている。換言すれば、閉状態と開状態との間の距離になっている。しかも、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外ガイドレール27までの距離H1は、他の遊技球B2の最下点P6から外ガイドレール27までの距離H2よりも短い。換言すれば、他の遊技球B2と球戻り防止部材54の先端部との接点P4から外ガイドレール27までの距離H1は、他の遊技球B2の最下点P6から外ガイドレール27までの距離H2よりも短い。つまり、球戻り防止部材54の先端部から外ガイドレール27に下した垂線L1の長さH1は、他の遊技球B2の最下点P6から外ガイドレール27に下した垂線L2の長さH2よりも短くなっている。
また、図13に示すように、球戻り防止部材54が上記した途中の状態にあるとき、他の遊技球B2と球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部との接点P4から他の遊技球B2と一の遊技球B1との接点P3までの距離H3が、他の遊技球の最下点P6から接点P3までの距離H4よりも短い。つまり、接点P4と接点P3とを結ぶ線分L3の長さは、最下点P6と接点P3とを結ぶ線分L4の長さよりも短くなっている。
また、図12および図13に示すように、球戻り防止部材54が上記した途中の状態にあるとき、球戻り防止部材54は、その先端部が他の遊技球B2の最下点P6に至るほど回動していない。具体的には、球戻り防止部材54の先端部は、鉛直方向において遊技球B2の最下点P6よりも高い位置にあり、水平方向において遊技球B2の最下点P6よりも左側(案内通路29側)に位置している。つまり、球戻り防止部材54の先端部は、最下点P6に対して左上に位置している。
上記のような遊技球B1と遊技球B2との衝突後に、遊技球B2が、案内通路29に戻ろうとしても、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部に遊技領域30側から接触することになる。そのため、球戻り防止部材54は、遊技領域30側から案内通路29側に向かう接触力を付与されて反時計回りに回動する可能性が高くなる。したがって、球戻り防止部材54は遊技球B1と遊技球B2との衝突時よりも境界領域70の出口を塞いでいき、遊技球B2が案内通路29に戻ることは困難となる。その結果、図11に示すような遊技球B1と遊技球B2との衝突時でも、遊技球B2が案内通路29に戻ることを抑制できる。つまり、遊技球が2球連続して案内通路29に戻ることを抑制できる。
なお、図11に示すような遊技球B1と遊技球B2との衝突時において、球戻り防止部材54(開閉弁54b)の先端部から外ガイドレール27までの距離(特定距離)H1が、他の遊技球B2の最下点P6から外ガイドレール27までの距離H2よりもよりも長くなっていると、その衝突後に遊技球B2が、球戻り防止部材54の先端部と外ガイドレール27との間に入り込むことが可能になる。そうすると、遊技球B2は、球戻り防止部材54の先端部にその上方から接触することが可能になるため、球戻り防止部材54は時計回りに回動する可能性が高くなる。よって、球戻り防止部材54は遊技球B1と遊技球B2との衝突時よりも境界領域70の出口を開いていき、遊技球B2が案内通路29に戻ることを抑制できない。
このように、本実施形態に係るパチンコ機Pは、従来のパチンコ機に比べて、遊技領域30に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止について十分な改善が行われているが、以下に示すように、球戻り防止機構50と遊技球との引っ掛かりを防止することで更なる戻り防止の改善を図っている。そこで、図14を参照して、球戻り防止機構50と遊技球との引っ掛かりを防止について説明する。図14は、遊技領域30から境界領域70に戻ってきた遊技球Bが球戻り防止部材54と衝突している状態を示す図である。
図14に示すように、遊技球Bが、遊技領域30から境界領域70に戻ってきて球戻り防止部材54の開閉弁54bおよび本体ケース52と接している。具体的には、遊技球Bは、閉状態にある開閉弁54bの突出部541cと接し、かつ、本体ケース52の上端部(ストッパ壁52c)と接している。図14では、遊技球Bと、開閉弁54bの突出部541cとの接点を符号P7、本体ケース52の上端部との接点をP8で示し、遊技球Bの最左点をP9で示している。
このような状態において、遊技球Bと開閉弁54bの突出部541cとの接点P7は、鉛直方向において遊技球Bの最左点P9よりも下方に位置している。また、遊技球Bと本体ケース52の上端部との接点P8は、水平方向において遊技球Bの最下点P6よりも左側に位置しており、鉛直方向において遊技球Bの最下点P6よりも上方に位置している。つまり、接点P8は、最下点P6に対して左上に位置している。そして、接点P7から接点P8までの距離H5は、遊技球Bの最左点P9から最下点P6までの距離H6よりも短くなっている。そのため、遊技球Bは、本体ケース52における境界領域70と対向する上面側の開口(図8参照)と、開閉弁54bの第2側面部541bにおける突出部541cよりも基端部側の部分と、の間の隙間領域SPに入り込めないようになっている。しかも、図14の点線矢印で示すように、遊技球Bは、球戻り防止部材54との衝突時に、開閉弁54bの突出部541cから右方に力を付与され、本体ケース52の上端部から右斜め上方に力を付与されることで、遊技領域30に跳ね返る。そのため、遊技球Bが隙間領域SP内に入り込むことで球戻り防止機構50の開閉弁54bと本体ケース52との間に引っ掛かかることを防止できる。よって、そのような遊技球Bの引っ掛かりに起因する球戻り防止機構50の戻り防止が損なわれることがない。したがって、球戻り防止機構50の戻り防止を安定して確保できるので、遊技領域30に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止をさらに向上させることができる。
このように構成された本実施形態に係るパチンコ機Pによれば、以下の効果を奏することができる。
本実施形態に係るパチンコ機Pは、外ガイドレール(外レール)27と内ガイドレール(内レール)28との間の領域であって、発射された遊技球を遊技領域30に案内する案内通路(案内領域)29と、遊技球が遊技領域30から案内通路29に戻ることを防止する球戻り防止機構50と、を備え、球戻り防止機構50は、閉状態(第1状態)と、開状態(第2状態)と、閉状態から開状態に変位する途中の状態(第3状態)と、に変位可能な開閉弁(変位部材)54bを有し、開閉弁54bは、外ガイドレール27と対向する側面部と、側面部の先端側の先端部と、を有し、先端部から外ガイドレール27までの距離を特定距離H1とし、案内通路29から遊技領域30に案内される遊技球を一の遊技球B1とし、遊技領域30から案内通路29に戻ろうとする遊技球を他の遊技球B2とすると、閉状態は、特定距離が開状態より短い状態であり、開状態は、特定距離が閉状態より長い状態であり、閉状態から開状態に変位する途中の状態は、一の遊技球B1が側面部と外ガイドレール27と他の遊技球B2と接し、他の遊技球B2が先端部と外ガイドレール27と一の遊技球B1と接することで、特定距離H1が開状態より長く閉状態より短く、かつ、他の遊技球B2の最下点から外ガイドレール27までの距離H2より短い状態であることを特徴とする。そのため、球戻り防止機構50は、球戻り防止部材54(開閉弁54b)が閉状態にあるときに遊技領域30に進入した遊技球が戻ることを防止するだけでなく、球戻り防止部材54が閉状態から開状態に変位している途中でも、遊技領域30に進入した遊技球が案内通路29に戻ることを抑制できる。したがって、遊技領域30に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止を向上させることができる。
また、本実施形態に係るパチンコ機Pは、外ガイドレール(外レール)27と内ガイドレール(内レール)28との間の領域であって、発射された遊技球を遊技領域30に案内する案内通路(案内領域)29と、遊技球が遊技領域30から案内通路29に戻ることを防止する球戻り防止機構50と、を備え、球戻り防止機構50は、閉状態(第1状態)と、開状態(第2状態)と、に変位可能な開閉弁(変位部材)54bと、開閉弁54bを保持可能な本体ケース(保持部材)52と、を有し、開閉弁54bは、遊技領域30と対向する第2側面部(側面部)541bと、第2側面部541bの先端側の先端部と、を有し、先端部から外ガイドレール27までの距離を特定距離とすると、閉状態は、特定距離が開状態よりも短い状態であり、開状態は、特定距離が閉状態よりも長い状態であり、本体ケース52は、開状態において開閉弁54bの第2側面部541bと当接するストッパ壁(当接部)52cを有し、遊技球は、閉状態においてストッパ壁52cと第2側面部541b(の突出部541c)に接する場合があり、閉状態において、遊技球とストッパ壁52cの接点P8から遊技球と第2側面部541b(の突出部541c)の接点P7までの距離を第1距離H5とし、遊技球の最下点P6から最左点P9までの距離を第2距離H6とすると、第1距離H5は、第2距離H6よりも短いことを特徴とする。したがって、遊技領域30に進入した遊技球の案内通路(案内領域)29への戻り防止をさらに向上させることができる。
次に、図15~図20を参照して、上述した第1上可動体ユニット80の詳細につて説明する。図15は、第1上可動体ユニット80の正面図、図16は第1上可動体ユニット80を前面側から視たときの分解斜視図、図17は第1上可動体ユニット80の左可動体を前面側から視たときの斜視図、図18は同左可動体を背面側から視たときの斜視図、図19は第1上可動体ユニット80のベース部材の正面図、図20は第1上可動体ユニット80の背面図である。なお、以下においては、図中に示した矢印の向きを「上下方向」、「左右方向」、および「前後方向」と規定する。
図15および図16に示すように、第1上可動体ユニット80は、左可動体81と、右可動体82と、これら左可動体81および右可動体82が取り付けられるベース部材83と、を備えている。左可動体81は、ベース部材83に対して左斜め下方に移動可能な役物である。一方で、右可動体82は、ベース部材83に対して右斜め下方に移動可能な役物である。これら左可動体81および右可動体82は、互いに独立してベース部材83の前面に取り付けられている。左可動体81と右可動体82は、基本的構成は同様である。そこで、以下においては、左可動体81について説明し、右可動体82の説明は省略する。なお、図15においては、左右方向において、図4と同じ位置に二点鎖線(A-A線)を引いている。
図17に示すように、左可動体81は、略板状に形成されたベース部81aと、このベース部81aの前面に設けられた意匠部81bと、を有する。意匠部81bは、図17において矢印で示すように、ベース部81aの前面から前方に突出している。この意匠部81bは、遊技盤5の上部の下方に配置されている一方、ベース部81aの一部は、遊技盤5の左上部の背面に隠されている(図4参照)。
図18に示すように、左可動体81は、その背面の左端部周辺に第1突出部81c、第2突出部81dおよび第3突出部81eを有する。これら第1突出部81c、第2突出部81dおよび第3突出部81eは何れも、円筒形状に形成されており、左可動体81のベース部81aの背面からベース部材83の前面に向かって突出している。なお、左可動体81と遊技盤5との位置関係については後述する。
図19に示すように、ベース部材83は、略長尺状に形状に形成されており、その左端部に第1ガイド溝83aおよび第2ガイド溝83bを有する。第1ガイド溝83aは、ベース部材83の左下端部に設けられている。この第1ガイド溝83aは、右方から左方に向かって下り傾斜する直線状に形成されている。
一方、第2ガイド溝83bは、ベース部材83の左端中央部に設けられている。つまり、第2ガイド溝83bは、第1ガイド溝83aの左斜め上方に配置されている。この第2ガイド溝83bの形状は、第1ガイド溝83aと同様な形状であるが、全長が第1ガイド溝83aよりも短くなっている。そして、これら第1ガイド溝83aと第2ガイド溝83bは、互いに平行になっている。なお、詳細な説明は省略するが、ベース部材83は、その右端部に第1ガイド溝83aおよび第2ガイド溝83bと同様な2つのガイド溝を有している。
図16に戻り、第1ガイド溝83aには左可動体81の第1突出部81cと第3突出部81eが挿入され、第2ガイド溝83bには左可動体81の第2突出部81dが挿入されている。この際に、第1突出部81cには、その基端側から第1ブッシュ84cおよび第2ブッシュ85cが取り付けられ、これら第1ブッシュ84cおよび第2ブッシュ85cは、第1ガイド溝83aに嵌っている。
同様に、第3突出部81eには、その基端側から第3ブッシュ84eおよび第4ブッシュ85eが取り付けられ、これら第3ブッシュ84eおよび第4ブッシュ85eは、第1ガイド溝83aに嵌っている。一方、第2突出部81dには、その基端側から第5ブッシュ84dおよび第6ブッシュ85dが取り付けられ、これら第5ブッシュ84dおよび第6ブッシュ85dは、第2ガイド溝83bに嵌っている。
第1突出部81cの先端部は、第1ガイド溝83aを貫通し、左スライドプレート86の第1挿入口86cに挿入されている。そして、この状態で第1挿入口86cおよび第1突出部81cに第1ネジ87cが挿入されている。これにより、第1突出部81cに取り付けられた第1ブッシュ84cおよび第2ブッシュ85cが、第1ガイド溝83aに沿って摺動可能となっている。
同様に、第3突出部81eの先端部は、第1ガイド溝83aを貫通し、左スライドプレート86の第3挿入口86eに挿入されている。そして、この状態で第3挿入口86eおよび第3突出部81eに第3ネジ87eが挿入されている。これにより、第3突出部81eに取り付けられた第3ブッシュ84eおよび第4ブッシュ85eが、第1ガイド溝83aに沿って摺動可能となっている。
また、第2突出部81dの先端部は、第2ガイド溝83bを貫通し、左スライドプレート86の第2挿入口86dに挿入されている。そして、この状態で第2挿入口86dおよび第2突出部81dに第2ネジ87dが挿入されている。これにより、第2突出部81dに取り付けられた第5ブッシュ84dおよび第6ブッシュ85dが、第2ガイド溝83bに沿って摺動可能となっている。
このように、第1ブッシュ84cおよび第2ブッシュ85cと、第3ブッシュ84eおよび第4ブッシュ85eと、が第1ガイド溝83aに沿って摺動可能となっており、第5ブッシュ84dおよび第6ブッシュ85dが、第2ガイド溝83bに沿って摺動可能となっていることで、左可動体81は第1ガイド溝83aおよび第2ガイド溝83bに沿って移動可能となっている。
なお、ベース部材83には、左可動体81が初期位置(図15に示す左可動体81の位置)(第1位置)から移動することを阻止(ロック)または許容(ロック解除)するロック機構(不図示)が搭載されている。ロック機構は、所定条件が成立したこと(例えば「大当たり」に当選したこと)に基づいて、ロック解除を行うようになっている。また、ベース部材83には、左可動体81が落下位置(図15に示す左可動体81の位置から矢印に沿って左下方に移動した位置)(第2位置)まで移動した後に初期位置に復帰させるための駆動源としてのモータと、このモータの動力を左可動体81に伝達する動力伝達機構と、が搭載されている。
次に、図20を参照して、左可動体81の固定位置の詳細について説明する。図20に示すように、左可動体81は、ベース部材83の背面側において、3つの位置で左スライドプレート86に固定されている。これら3つの位置は、左可動体81の第1突出部81cが第1ネジ87cによって固定されている位置(以下、「第1固定位置」という。)E1、第2突出部81dが第2ネジ87dによって固定されている位置(以下、「第2固定位置」という。)E2、および第3突出部81eが第3ネジ87eによって固定されている位置(以下、「第3固定位置」という。)E3である。なお、図20においては、左右方向において、図15と同じ位置に二点鎖線(A-A線)を引いている。
ここで、第1突出部81c、第2突出部81dおよび第3突出部81eは何れも、上述したように左可動体81の背面の左端部周辺に設けられており(図16参照)、左可動体81の右端部は、一切固定されていない。つまり、図20において点線で囲んだ領域Sの前方に配置されている左可動体81の右端部は、フリーの状態となっている。そのため、本体部4(外枠1および内枠2)が前方に倒された状態となると、左可動体81の右端部と、遊技盤5のアクリル板5aまたは前扉3の透明板11と、が接する虞がある。本体部4が前方に倒された状態になることは、例えばパチンコ機Pのメンテナンス作業を行うとき等において多いに発生するため、このような事態を避ける必要がある。そこで、本実施形態では、左可動体81の第1固定位置E1、第2固定位置E2および第3固定位置E3を以下のように設定している。
まず、第1固定位置E1は、左可動体81の中心寄りの位置であって、できる限り左可動体81の右端部に近い位置としている。例えば、第1固定位置E1と左可動体81の右端部を上下方向に通る線(図20に示す二点鎖線(A-A線))との距離F1は、7.5mmに設定されている。これにより、左可動体81の右端部がガタつくことを抑制している。
次に、第3固定位置E3は、左可動体81の最も左側の位置であって、第1固定位置E1からできる限り離れた位置としている。例えば、第1固定位置E1と第2固定位置E2との距離F2は、5.5mmに設定されている。これにより、左可動体81の右端部がガタつくことをさらに抑制している。
最後に、第2固定位置E2は、第1固定位置E1と第2固定位置E2との概ね等しい位置としている。例えば、第2固定位置E2と第1固定位置E1との距離F3、および第2固定位置E2と第3固定位置E3との距離F4は、4.5mm~5.0mmに設定されている。この第2固定位置E2が設けられることで、左可動体81は3点で固定されることになる。これにより、左可動体81の右端部がガタつくことを確実に抑制するとともに、左可動体81の安定した移動(スライド)を実現できる。
次に、図21を参照して、左可動体81と遊技盤5との位置関係について説明する。図21は、図4のA-A線断面斜視図である。なお、図4のA-A線は、上述したように左可動体81の右端部を上下方向に通る線である。
図21に示すように、左可動体81は、遊技盤5の背面側に配置されている。具体的には、左可動体81の右端部を構成するベース部(第1対面部)81aは、遊技盤5のアクリル板5aと所定間隔を空けて配置されており、遊技盤5の裏面と対面している。遊技盤5の表面が前を向くようにパチンコ機Pを立たせた状態を第1遊技機状態とすると、左可動体81が初期位置にあるときの第1遊技機状態では、ベース部81aの前面とアクリル板5aの背面(裏面)との間には第1間隔D1が設けられている。この第1間隔D1は、概ね5.0mm~10mm(10mm以下)に設定されている。なお、図示は省略しているが、右可動体82の左端部を構成するベース部の前面と、アクリル板5aの背面との間にも、第1間隔D1が設けられている。
また、左可動体81が落下位置にあるときの第1遊技機状態では、ベース部81aの前面とアクリル板5aの背面(裏面)との間には、上記同様に第1間隔D1(不図示)が設けられている。なお、右可動体82の左端部を構成するベース部の前面と、アクリル板5aの背面との間にも、上記同様に第1間隔D1(不図示)が設けられている。
一方で、遊技盤5の表面が下を向くようにパチンコ機Pが倒された状態を第2遊技機状態とすると、左可動体81が初期位置にあるときの第2遊技機状態では、ベース部81aの前面とアクリル板5aの背面(裏面)との間には、左可動体81の自重により上記した第1間隔D1よりも小さくなるが、第2間隔D2(不図示)が設けられる。これにより、左可動体81の右端部が仮にガタついても、左可動体81の右端部を構成するベース部81aの前面が、遊技盤5のアクリル板5aの背面と接することはない。具体的には、左可動体81は、上述したように第1固定位置E1、第2固定位置E2および第3固定位置E3で固定されているため、このベース部81aが、前後方向において、第2間隔D2以上の範囲でガタつかないようになっている。換言すれば、第1固定位置E1、第2固定位置E2および第3固定位置E3は、このベース部81aが、前後方向において、第2間隔D2以上の範囲でガタつかないようにする固定位置となっている。これにより、左可動体81の右端部を構成するベース部81aがアクリル板5aと接することに起因して、左可動体81が破損することを抑制できる。なお、図示は省略しているが、右可動体82の左端部を構成するベース部の前面と、アクリル板5aの背面との間にも、第2間隔D2が設けられている。
また、左可動体81が落下位置にあるときの第2遊技機状態では、ベース部81aの前面とアクリル板5aの背面(裏面)との間には、上記同様に第2間隔D2(不図示)が設けられている。なお、右可動体82の左端部を構成するベース部の前面と、アクリル板5aの背面との間にも、第2間隔D2(不図示)が設けられている。このように、第2遊技機状態では、左可動体81が初期位置にあるときだけでなく、落下位置にあるときにおいても、左可動体81の右端部が仮にガタついても、左可動体81の右端部を構成するベース部81aの前面が、遊技盤5のアクリル板5aの背面と接することはない。そのため、パチンコ機Pが倒された状態となっても、左可動体81の位置を気にする必要がなくなるため、使い勝手が極めて良い。
次に、図22を参照して、左可動体81と前扉3の透明板11との位置関係について説明する。図22は、左可動体81と透明板11との位置関係を示す断面図である。なお、図22においては、透明板11を模式的に描いている。
図22に示すように、左可動体81の右端部を構成する意匠部(第2対面部)81bは、遊技盤5のアクリル板5aの上部の下方に配置されている。意匠部81bは、前扉3の透明板11と対面している。左可動体81が初期位置にあるときの第1遊技機状態では、意匠部81bの前面と、前扉3の透明板11の背面との間には、第3間隔D3が設けられている。この第3間隔D3は、概ね18mm~20mm(20mm以下)に設定されている。また、アクリル板5aの表面から透明板11の背面との間の第5間隔D5は、第3間隔D3よりも小さく、概ね16mm~18mm(18mm以下)に設定されている。なお、右可動体82の左端部を構成するベース部の前面と、透明板11の背面との間にも、第3間隔D3(不図示)が設けられている。
また、左可動体81が落下位置にあるときの第1遊技機状態では、意匠部81bの前面と、前扉3の透明板11の背面との間には、上記と同様に第3間隔D3が設けられている。なお、右可動体の意匠部の前面と、前扉3の透明板11の背面との間にも、上記と同様に第3間隔D3が設けられている。
なお、上記においては、第3間隔D3は、第5間隔D5よりも大きくっていたが、この構成に限定されない。第3間隔D3は、第5間隔D5よりも小さくなっても良い。例えば、左可動体81の表面がアクリル板5aの表面より前方に位置する場合には、第3間隔D3が第5間隔D5よりも小さくなる。
一方で、左可動体81が初期位置にあるときの第2遊技機状態では、意匠部81bの前面と、前扉3の透明板11の背面との間には、左可動体81の自重により上記した第3間隔D3よりも小さくなるが、第4間隔D4(不図示)が設けられる。これにより、左可動体81の右端部が仮にガタついても、左可動体81の右端部を構成する意匠部81bの前面が、透明板11の背面と接することはない。具体的には、左可動体81は、上述したように第1固定位置E1、第2固定位置E2および第3固定位置E3で固定されているため、この意匠部81bが、前後方向において、第4間隔D4以上の範囲でガタつかないようになっている。換言すれば、第1固定位置E1、第2固定位置E2および第3固定位置E3は、この意匠部81bが、前後方向において、第4間隔D4以上の範囲でガタつかないようにする固定位置となっている。これにより、左可動体81の右端部を構成する意匠部81bが透明板11と接することに起因して、左可動体81が破損することを抑制できる。なお、右可動体の意匠部の前面と、前扉3の透明板11の背面との間にも、第4間隔(不図示)が設けられている。
また、左可動体81が落下位置にあるときの第2遊技機状態では、意匠部81bの前面と、前扉3の透明板11の背面との間には、上記と同様に第4間隔D4(不図示)が設けられる。なお、右可動体の意匠部の前面と、前扉3の透明板11の背面との間にも、第4間隔D4(不図示)が設けられている。このように、第2遊技機状態では、左可動体81が初期位置にあるときだけでなく、落下位置にあるときにおいても、左可動体81の右端部が仮にガタついても、左可動体81の右端部を構成する意匠部81bの前面が、前扉3の透明板11の背面と接することはない。そのため、パチンコ機Pが倒された状態となっても、左可動体81の位置を気にする必要がなくなるため、使い勝手が極めて良い。
このように構成されたパチンコ機Pによれば、以下の効果を奏することができる。
遊技盤(本例では、遊技盤5)および可動体(本例では、左可動体81)を有する遊技盤ユニット(本例では、遊技盤ユニット100)と、前記遊技盤ユニットが着脱可能な遊技枠(本例では、本体部4)と、を備えた遊技機(本例では、パチンコ機)であって、前記可動体は、前記遊技盤の裏面と対面する第1対面部(本例では、ベース部81a)を有し、前記遊技盤の表面が前を向くように前記遊技機を立たせた状態を、第1遊技機状態とし、前記遊技盤の表面が下を向くように前記遊技機を倒した状態を、第2遊技機状態とすると、前記第1遊技機状態では、前記遊技盤の裏面と前記第1対面部との間に、第1間隔(本例では、第1間隔D1)が設けられ、前記第2遊技機状態では、前記遊技盤の裏面と前記第1対面部との間に、前記可動体の自重によって前記第1間隔よりは小さくなるが、第2間隔(本例では、第2間隔D2)が設けられることを特徴とする。したがって、可動体を破損し難くした遊技機を提供できる。
遊技盤(本例では、遊技盤5)および可動体(本例では、左可動体81)を有する遊技盤ユニット(本例では、遊技盤ユニット100)と、前記遊技盤ユニットが着脱可能な遊技枠(本例では、本体部4)と、を備えた遊技機であって、前記遊技機枠は、前記遊技盤と対向するように透明板(本例では、透明板11)を有し、前記可動体は、前記透明板の裏面と対面する第2対面部(本例では、意匠部81b)を有し、前記遊技盤の表面が前を向くように前記遊技機を立たせた状態を、第1遊技機状態とし、前記遊技盤の表面が下を向くように前記遊技機を倒した状態を、第2遊技機状態とすると、前記第1遊技機状態では、前記透明板の裏面と前記第2対面部との間に、第3間隔(本例では、第3間隔D3)が設けられ、前記第2遊技機状態では、前記透明板の裏面と前記第2対面部との間に、前記可動体の自重によって前記第3間隔よりは小さくなるが、第4間隔(本例では、第4間隔D4)が設けられることを特徴とする。したがって、可動体を破損し難くした遊技機を提供できる。
また、本実施形態では、左可動体81の背面の左端部周辺に設けられた第1突出部81cが第1固定位置E1で固定され、第2突出部81dが第2固定位置E2で固定され、第3突出部81eが第3固定位置で固定されている。そのため、ベース部材83の第1ガイド溝83aおよび第2ガイド溝83bをできる限りベース部材83の左端部に形成できる。これにより、左可動体81の背面に第1ガイド溝83aおよび第2ガイド溝83bが形成されることを防ぐことができるので、第1上可動体ユニット80の外観を損なうことを防止できる。
なお、上記実施形態では、左可動体81と遊技盤5との位置関係について説明をしたが、右可動体82と遊技盤5との位置関係についても同様である。つまり、遊技盤5の表面が前を向くようにパチンコ機Pを立たせた状態では、右可動体82の左端部を構成するベース部の前面と、アクリル板5aの背面との間にも、上記した第1間隔D1と同様な間隔が設けられる。一方で、遊技盤5の表面が下を向くようにパチンコ機Pが倒された状態では、上記した第2間隔D2が設けられる。そのため、パチンコ機Pが倒された状態となり、右可動体82の左端部が仮にガタついても、右可動体82の左端部を構成するベース部と、アクリル板5aの背面(裏面)と、が接することはない。したがって、右可動体(可動体)82を破損し難くしたパチンコ機(遊技機)Pを提供できる。
また、遊技盤5の表面が前を向くようにパチンコ機Pを立たせた状態では、右可動体82の左端部を構成する意匠部の前面と、透明板11の背面との間にも、上記した第3間隔D3と同様な間隔が設けられる。一方で、遊技盤5の表面が下を向くようにパチンコ機Pが倒された状態では、上記した第4間隔D4が設けられる。そのため、パチンコ機Pが倒された状態となり、右可動体82の左端部が仮にガタついても、右可動体82の左端部を構成する意匠部と、透明板11の背面と、が接することはない。したがって、右可動体(可動体)82を破損し難くしたパチンコ機(遊技機)Pを提供できる。
次に、図23~図26を参照して、第2上可動体ユニット90の詳細について説明する。図23は第2上可動体ユニット90を前面側から視たときの斜視図、図24は図23に示す第2上可動体ユニット90を前面側から視たときの分解斜視図、図25は第2上可動体ユニット90を前面側から視たときの斜視図、図26は図25に示す第2上可動体ユニットを前面側から視たときの分解斜視図である。なお、図23および図24は、第2上可動体ユニット90の後述する顔意匠部材および体意匠部材が初期位置にある状態を示しており、図25および図26は顔意匠部材および体意匠部材が落下位置まで落下した状態を示している。
図23および図24に示すように、第2上可動体ユニット90は、顔意匠部材91と、体意匠部材92と、左モータベース93と、右モータベース94と、これらが取り付けられるベース部材95と、を備えている。ベース部材95は、下方にスライド可能な略矩形平板状のスライドレール96と、所定方向に回動可能な左羽根部材97および右羽根部材98と、を有している。
顔意匠部材91は、スライドレール96の上端部に固定されており、このスライドレール96とともに移動可能となっている。なお、顔意匠部材91の前面には、人の顔を模したデザインが施されている。
体意匠部材92は、顔意匠部材91の背面側に配置されている。この体意匠部材92は、その背面側に断面視クランク形状の左レール92aと、同形状の右レール92bと、を有している(図28参照)。左レール92aおよび右レール92bは、上下方向に沿って延びている。これら左レール92aおよび右レール92bの内側にスライドレール96の短手方向の両端部が配置されており、体意匠部材92はスライドレール96の前方において下方にスライド可能になっている。
また、体意匠部材92の背面には、左右方向に延びる左ガイド溝(不図示)と、同形状の右ガイド溝(不図示)と、が形成されている。左ガイド溝は、左レール92aの左側に形成されており、この左ガイド溝には左羽根部材97の一端部に形成された左軸部97aが摺動可能に挿入されている。一方、右ガイド溝は、右レール92bの右側に形成されており、この右ガイド溝には右羽根部材98の一端部に形成された右軸部98aが摺動可能に挿入されている。なお、体意匠部材92の前面には、人の体を模したデザインが施されている。
左モータベース93は、顔意匠部材91および体意匠部材92の左方に配置されている。この左モータベース93には、左モータ93aが搭載されている。この左モータ93aは、左羽根部材97を回動させるための駆動源となっている。
一方、右モータベース94は、顔意匠部材91および体意匠部材92の右方に配置されている。この右モータベース94には、右モータ94aが搭載されている。この右モータ94aは、右羽根部材98を回動させるための駆動源となっている。
ベース部材95は、左モータ93aの動力を左羽根部材97に伝達する左動力伝達機構95aと、右モータ94aの動力を右羽根部材98に伝達する右動力伝達機構95bと、を有している。左動力伝達機構95aは左モータベース93の背面側に配置されており、右動力伝達機構95bは右モータベース94の背面側に配置されている。これら左動力伝達機構95aおよび右動力伝達機構96aはそれぞれ、カムやリンク機構を含む。なお、左動力伝達機構95aは、左羽根部材97の背面の中央部に軸支された左動力伝達軸(不図示)を有し、右動力伝達機構95bは、右羽根部材98の背面の中央部に軸支された右動力伝達軸(不図示)を有している。
また、ベース部材95は、その左下部に左回転軸95cを有している。この左回転軸95cには、左羽根部材97の他端部が回動可能に軸支されている。また、この左回転軸95cには左バネ95dが巻回されており、常態では、左羽根部材97は、左回転軸95cを中心として時計周り方向に付勢されている。
さらに、ベース部材95は、その右下部に右回転軸95eを有している。この右回転軸95eには、右羽根部材98の他端部が回動可能に軸支されている。また、この右回転軸95eには右バネ95fが巻回されており、常態では、右羽根部材98は、右回転軸95eを中心として反時計周り方向に付勢されている。
左羽根部材97とスライドレール96は、略長尺状に延びる左連結部材95gによって連結されている。左連結部材95gの一端部は、スライドレール96の下端部に固定されている。左連結部材95gの他端部には、左連結軸(不図示)が形成されており、この左連結軸には左羽根部材97が回動可能に軸支されている。
一方、右羽根部材98とスライドレール96は、略長尺状に延びる右連結部材95hによって連結されている。右連結部材95hの一端部は、スライドレール96の下端部に固定されている。右連結部材95hの他端部には、右連結軸(不図示)が形成されており、この右連結軸には左羽根部材97が回動可能に軸支されている。
なお、ベース部材95には、左羽根部材97および右羽根部材98が初期位置(図24に示す左羽根部材97および右羽根部材98の位置)から回動することを阻止(ロック)または許容(ロック解除)するロック機構(不図示)が搭載されている。ロック機構は、所定条件が成立したこと(例えば「大当たり」に当選したこと)に基づいて、ロック解除を行うようになっている。
図25および図26に示すように、ロック機構がロック解除を行うと、左羽根部材97は、体意匠部材92の自重および左バネ95dの付勢力等によって左回転軸95cを中心として時計回り方向に回動する。一方、右羽根部材98は、体意匠部材92の自重および右バネ95fの付勢力等によって右回転軸95eを中心として反時計回り方向に回動する。
そして、左羽根部材97および右羽根部材98の回動に伴もなって、顔意匠部材91および体意匠部材92は、図25に示す落下位置まで落下する。この際に、左羽根部材97の左軸部97aが体意匠部材92の第1ガイド溝の一端側から他端側に向かって摺動するとともに、右羽根部材98の右軸部98aが第2ガイド溝の一端側から他端側に向かって摺動する。また、それと同時に、スライドレール96は、顔意匠部材91とともにベース部材95に対して下方にスライドし、体意匠部材92はこのスライドレール96の前方において下方にスライドする。
なお、詳細な説明は省略するが、顔意匠部材91および体意匠部材92が、図25に示す落下位置まで落下してから一定の時間が経過すると、左モータ93aおよび右モータ94aが駆動して左動力伝達機構95aおよび右動力伝達機構95bが作動する。これにより、顔意匠部材91および体意匠部材92は、図23に示す初期位置に復帰するようになっている。
次に、図27および図28を参照して、体意匠部材92の左レール92aおよび右レール92bの周辺構造について説明する。図27は、図25に示す第2上可動体ユニット90の上面図、図28は、図27に示すB部の拡大図である。
図27および図28に示すように、体意匠部材92の左レール92aは、前後方向において、ベース部材95のスライドレール96(の左端部)と左連結部材95g(の右端部)との間に配置されている。そして、左レール92aとスライドレール96との間には隙間G1が形成されており、左レール92aと左連結部材95gとの間には隙間G2が形成されている。この隙間G1は、できる限り小さな値であることが好ましく、例えば0.4mmであり、この隙間G2も、できる限り小さな値であることが好ましく、例えば0.35mmである。
また、体意匠部材92の右レール92bは、前後方向において、ベース部材95のスライドレール96(の右端部)と右連結部材95h(の左端部)との間に配置されている。右レール92bとスライドレール96との間には、隙間G3が形成されており、右レール92bと右連結部材95hとの間には、隙間G4が形成されている。この隙間G3は、上記した隙間G1と同様に、例えば0.4mmであり、この隙間G4は、上記した隙間G2と同様に、例えば0.35mmである。
このように隙間G1~G4が設定されていることで、体意匠部材92とスライドレール96とを近接させることができるとともに、体意匠部材92と左連結部材95gおよび右連結部材95hとを近接させることができる。つまり、体意匠部材92の前後方向のクリアランスを極めて小さくすることができる。そのため、体意匠部材92がガタつくことを抑制できる。また、第2上可動体ユニット90全体の前後方向の厚みも小さくできる。
次に、図29および図30を参照して、体意匠部材92の第1ガイド溝および第2ガイド溝の周辺構造について説明する。図29は、図25に示す第2上可動体ユニット90の左側面図、図30は、図29に示すC部の拡大図である。
図29および図30に示すように、体意匠部材92は、左羽根部材97の前方に配置されている。上述したように、左羽根部材97の左軸部97aは、体意匠部材92の背面に形成された第1ガイド溝に挿入されている。左軸部97aは左羽根部材97の前面から体意匠部材92の背面に向かって突出しているが、体意匠部材92の背面と左羽根部材97の前面との間には隙間G5が形成されている。この隙間G5は、できる限り小さな値であることが好ましく、例えば0.3mmである。なお、図示は省略しているが、体意匠部材92の背面と右羽根部材98の前面との間にも、上記した隙間G5と同様な隙間G6(不図示)が形成されている。
このように隙間G5,G6が設定されていることで、体意匠部材92と左羽根部材97および右羽根部材98とを近接させることができる。つまり、体意匠部材92の前後方向のクリアランスを極めて小さくすることができる。そのため、体意匠部材92がガタつくことをさらに抑制できる。また、第2上可動体ユニット90全体の前後方向の厚みもさらに小さくできる。
次に、図31および図32を参照して、下可動体ユニット300について説明する。図31および図32は下可動体ユニット300を前面側から視たときの斜視図である。なお、図31は下可動体ユニット300の下可動体が初期位置にある状態を示しており、図32は下可動体が上昇位置まで上昇した状態を示している。
図31に示すように、下可動体ユニット300は、下可動体301と、左アーム部材302と、右アーム部材303と、ベース部材304と、を備えている。下可動体301は、左アーム部材302および右アーム部材303を介してベース部材304に取り付けられている。左アーム部材302および右アーム部材303は、所定方向に回動可能となっている。
下可動体301は、略円板形状の第1意匠部301aと、第1意匠部301aの左下部から左方に突出する第2意匠部301bと、第1意匠部301aの右下部から右方に突出する第3意匠部301cと、第1意匠部301aが載置されている第4意匠部301dと、を含む。詳細な説明は省略するが、第1意匠部301aの背面には、第2意匠部301bおよび第3意匠部301cを可動させるためのモータが設けられている。このモータが駆動すると、第2意匠部301bは時計回り方向に回動し、第3意匠部301cは反時計回り方向に回動する。そして、これら第2意匠部301bおよび第3意匠部301cは、第1意匠部301aの上部から突出した姿勢となる(図32参照)。
左アーム部材302の一端部は、下可動体301の第4意匠部301dの背面に回動可能に連結されている。また、右アーム部材303の一端部も、第4意匠部301dの背面に回動可能に連結されている。
左アーム部材302の他端部は、ベース部材304の左下部に形成された左回転軸(不図示)に軸支されている。詳細な説明は省略するが、ベース部材304には、左アーム部材302を回動させるための駆動源としての左モータ、および左モータの動力を左アーム部材302に伝達する左動力伝達機構が搭載されている。これにより、左アーム部材302は、左回転軸を中心として反時計回り方向に回動可能になっている。
右アーム部材303の他端部は、ベース部材304の右下部に形成された右回転軸(不図示)に軸支されている。詳細な説明は省略するが、ベース部材304には、右アーム部材303を回動させるための駆動源としての右モータ、および右モータの動力を右アーム部材303に伝達する右動力伝達機構が搭載されている。これにより、右アーム部材303は、右回転軸を中心として時計回り方向に回動可能になっている。
左モータおよび右モータが駆動すると、左アーム部材302は左回転軸を中心として反時計回り方向に回動し、右アーム部材303は右回転軸を中心として時計回り方向に回動する。これにより、下可動体301の第4意匠部301dおよび第1意匠部301aは上昇していき、遂には図32に示す上昇位置まで上昇する。また、この際に、第2意匠部301bおよび第3意匠部301cは、上述したように第1意匠部301aの上部から突出した姿勢となる。
次に、図33~図35を参照して、第2上可動体ユニット90と下可動体ユニット300の位置関係について説明する。図33は、第2上可動体ユニット90の体意匠部材92が落下位置まで落下し、下可動体ユニット300の下可動体301が上昇位置まで上昇した状態を示す正面図、図34は、図33に示すD-D線断面図、図35は、図34に示すE部の拡大図である。
図33および図34に示すように、第2上可動体ユニット90の体意匠部材92と、下可動体ユニット300の下可動体301の第2意匠部301bおよび第3意匠部301cと、は正面視で重なっている。具体的には、第2意匠部301bおよび第3意匠部301cの上側部は、体意匠部材92の中央下部の前方に位置している。すなわち、体意匠部材92の中央下部は、第2意匠部301bおよび第3意匠部301cの上側部の背面と対面する対面部となっている。
図35に示すように、第1遊技機状態(遊技盤5の表面が前を向くようにパチンコ機Pを立たせた状態)では、第2意匠部301bの上側部の背面と体意匠部材92の中央下部の前面との間に、隙間G6が設けられている。この隙間G6は、できる限り大きな値であることが好ましく、例えば6.4mmである。なお、図示は省略しているが、下可動体301における第3意匠部301cの上側部の背面と体意匠部材92の中央下部の前面との間にも、上記と同様な隙間G6(不図示)が設けられている。
本実施形態では、このような隙間G6を確保するために、上述した隙間G1~G5が設定されている。つまり、体意匠部材92の前後方向のクリアランスを極めて小さくすることで、図35に示すように、第2意匠部301bの上側部の背面と体意匠部材92の中央下部の前面とを、前後方向において、離れた位置とすることができる。これにより、体意匠部材92が落下位置まで落下し、下可動体301が上昇位置まで上昇している場合に、体意匠部材92、第2意匠部301bまたは第3意匠部301cが仮にガタついても、体意匠部材92の中央下部と第2意匠部301bまたは第3意匠部301cの上側部とが接しないようになっている。
また、第2遊技機状態(遊技盤5の表面が下を向くようにパチンコ機Pが倒された状態)では、第2意匠部301bの上側部の背面と体意匠部材92の中央下部の前面との間に、第2意匠部301b、第3意匠部301cおよび体意匠部材92の自重によって隙間G6とは異なるが、隙間G7(不図示)が設けられる。なお、下可動体301における第3意匠部301cの上側部の背面と体意匠部材92の中央下部の前面との間にも、上記と同様な隙間G7(不図示)が設けられる。
ここで、パチンコ機Pが第2遊技機状態となると、体意匠部材92の中央下部は上下方向に振動し、第2意匠部301bおよび第3意匠部301cの上側部も上下方向に振動する。そして、体意匠部材92の振動の周期と、第2意匠部301bおよび第3意匠部301cの振動の周期と、は異なるため、隙間G7は隙間G6よりも大きくなったり、小さくなったりする。しかしながら、体意匠部材92と、第2意匠部301bおよび第3意匠部301cとの間には隙間G7が必ず存在するようになっているので、体意匠部材92の中央下部と第2意匠部301bまたは第3意匠部301cの上側部とが接しないようになっている。したがって、体意匠部材92または下可動体301が接触により破損することを抑制できる。
さらに、本実施形態では、第2上可動体ユニット90の体意匠部材92が落下位置まで落下してから所定時間が経過した後に、下可動体ユニット300の下可動体301が上昇位置まで上昇するようになっている。これにより、体意匠部材92が落下位置まで落下したときに仮にガタついても、上記所定時間内でそのガタつきが抑えられる。そのため、下可動体301が上昇位置まで上昇したときに、体意匠部材92の中央下部と第3意匠部301cの上側部とが確実に接しないようにできる。
このように構成されたパチンコ機Pにおいては、以下の効果を奏することができる。
遊技盤(本例では、遊技盤5)、第1可動体(本例では、体意匠部材92)および第2可動体(本例では、下可動体301)を有する遊技盤ユニット(本例では、遊技盤ユニット100)と、前記遊技盤ユニットを着脱可能な遊技枠(本例では、本体部4)と、を備えた遊技機(本例では、パチンコ機P)であって、前記第1可動体は、前記第2可動体の裏面と対面する対面部(本例では、体意匠部材92の中央下部)を有し、前記遊技盤の表面が前を向くように前記遊技機を立たせた状態を、第1遊技機状態とし、前記遊技盤の表面が下を向くように前記遊技機を倒した状態を、第2遊技機状態とすると、前記第1遊技機状態では、前記第2可動体の裏面と前記対面部との間に、第1間隔(本例では、隙間G6)が設けられ、前記第2遊技状態では、前記第2可動体の裏面と前記対面部との間に、前記第1可動体および前記第2可動体の自重によって第1間隔とは異なるが、第2間隔(本例では、隙間G7)が設けられることを特徴とする遊技機。したがって、体意匠部材92または第3意匠部301c(可動体)を破損し難くしたパチンコ機(遊技機)Pを提供できる。
なお、上記実施形態では、体意匠部材92と第2意匠部301bとの位置関係について説明したが、体意匠部材92と第3意匠部301cとの位置関係についても同様である。つまり、第3意匠部301cの上側部の背面と、体意匠部材92の中央下部の前面と、の間にも、上記した隙間G7が形成されている。そのため、体意匠部材92の中央下部と第3意匠部301cの上側部とが接しないようになっている。また、体意匠部材92が落下位置まで落下し、下可動体301が上昇位置まで上昇した場合に、本体部4(筐体)が前方に倒された状態となっても、上記した隙間G7が形成されていることで、体意匠部材92の中央下部と、第3意匠部301cの上側部と、が接しないようになっている。したがって、体意匠部材92または第3意匠部301c(可動体)を破損し難くしたパチンコ機(遊技機)Pを提供できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、本発明を構成する「第1可動体」として下方(第1方向)へ移動可能な体意匠部材92を一例に挙げて説明し、「第2可動体」として上方(第2方向)へ移動可能な下可動体301を一例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、斜め下方へ移動可能な第1可動体と、斜め上方へ移動可能な第2可動体に本発明を適用でき、また、右方へ移動可能な第1可動体と、左方へ移動可能な第2可動体に本発明を適用できる。つまり、第1方向および第2方向として種々の方向を当て嵌めることができる。この場合でも、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、本発明を構成する「第1可動体」として下方(第1方向)へ移動可能な体意匠部材92を一例に挙げて説明し、「第2可動体」として上方(第2方向)へ移動可能な下可動体301を一例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、斜め下方へ移動可能な第1可動体と、斜め上方へ移動可能な第2可動体に本発明を適用でき、また、右方へ移動可能な第1可動体と、左方へ移動可能な第2可動体に本発明を適用できる。つまり、第1方向および第2方向として種々の方向を当て嵌めることができる。この場合でも、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施形態では、本体部(遊技機枠)4は、外枠1および内枠2によって構成されていたが、この構成に限定さない。本体部(遊技機枠)4は、外枠1、内枠2および前扉3によって構成されても良い。
また、上記実施形態では、遊技盤5は、アクリル板(盤面板)5aを有していたが、この構成に限定されず、アクリル板5aの代わりに木製板を採用しても良い。
上記実施形態では、図11において球戻り防止部材54が閉状態と開状態との間の概ね中間の状態まで変位したときを示しているが、この状態に限られず、閉状態と開状態との間の任意の状態に変位したときについても本発明を適用可能である。
また、上記実施形態では、図11において、球戻り防止部材54によって遊技球B2が案内通路29に戻ることを抑制できることを示したが、仮に遊技領域30から境界領域70に戻ってきた遊技球B2に連続して、もう1球別の遊技球Cが境界領域70に戻ってきた場合でも、勿論、球戻り防止部材54によって2球の遊技球(遊技球B2と遊技球C)が案内通路29に戻ることを抑制できる。
また、上記実施形態では、球戻り防止機構50は、内ガイドレール28の上端部に一体形成されていたが、この構成に限定されることなく、内ガイドレール28と別個に形成されても良い。
また、上記実施形態では、案内通路29と遊技領域30との間に境界領域70が設けられていたが、この構成に限定されることなく、境界領域70は案内通路29に含まれても良い。
また、上記実施形態では、開閉弁54bの第2側面部541bには、突出部541cが形成されていたが、この構成に限定されることなく、突出部541cが形成されることなく、第2側面部541bの表面を平坦状にしても良い。