JP7435752B2 - 単結晶製造装置及び単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶製造装置及び単結晶の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、CZ法という)により単結晶を製造するための単結晶製造装置及び単結晶の製造方法に関し、特に、結晶引き上げ工程中の単結晶の直径計測に関するものである。
半導体デバイスの基板材料となるシリコンウェーハの多くはCZ法により製造されている。CZ法では、石英ルツボ内で多結晶シリコン原料を加熱してシリコン融液を生成し、シリコン融液の上方から種結晶を降下させてシリコン融液に浸漬した後、種結晶及び石英ルツボを回転させながら種結晶を徐々に上昇させることにより、種結晶の下方に大きな単結晶を成長させる。CZ法によれば大口径のシリコン単結晶を高い歩留りで製造することが可能である。
単結晶インゴットはある直径を狙って製造される。例えば最終製品が300mmウェーハであれば、その直径より少し大きい305~320mmの単結晶インゴットを育成することが一般的である。その後、単結晶インゴットは、円柱状に外周研削され、ウェーハ状にスライスされた後、面取り工程を経て、最終的に目標直径のウェーハとなる。このように、単結晶インゴットの目標直径は、最終製品のウェーハ直径より大きくなければならないが、あまり大きすぎると研削研磨代が増えて経済的ではなくなる。したがって、ウェーハより大きく、かつ、なるべく小さい直径の単結晶インゴットが求められる。
CZ法では、結晶直径が一定になるように結晶引き上げ条件を制御しながら単結晶を引き上げる。単結晶の直径制御に関し、例えば特許文献1には、単結晶と融液との界面の画像を処理することにより、成長する単結晶の直径を正確に測定する方法が記載されている。この方法では、単結晶の直径が狙いの直径となるように、ルツボ回転速度、結晶回転速度、結晶引き上げ速度、ルツボ上昇速度、融液の温度(ヒーターパワー)等を制御する。
また特許文献2は融液面位置の測定に関し、チャンバーの外側に設置されたカメラでチャンバー内の炉内構造物及び融液の液面を撮影したときの撮影画像に写る炉内構造物の実像及び鏡像の代表寸法を算出する方法が記載されている。この方法では、撮影画像に写る炉内構造物の実像及び融液の液面に映った炉内構造物の鏡像それぞれのエッジパターンを検出し、カメラの設置角度及び焦点距離に基づいて、炉内構造物の実像及び鏡像それぞれのエッジパターンを基準平面上に投影変換し、基準平面上の炉内構造物の実像及び鏡像それぞれのエッジパターンに対するパターンマッチングを行ったときにマッチング率が最大となる基準パターンの形状から炉内構造物の実像及び鏡像それぞれの代表寸法を算出する。
特許第4253123号公報 特開2018-90451号公報
CZ法による単結晶の引き上げ制御では、炉外に設置したカメラの撮影画像から単結晶の直径を計測し、直径の計測値が直径プロファイルと一致するように単結晶の直径制御を行なうため、高精度の直径計測が求められる。従来の直径計測方法は、図8に示すように、カメラ画像中に水平方向の直径計測用走査線SLを設定し、この走査線SL上の輝度分布と閾値TH(スライスレベル)との交点からフュージョンリングFRのエッジを検出する。次に、走査線SLとフュージョンリングFRのエッジとの2つの交点p,p間の幅wと、結晶中心位置Cから走査線SLまでの距離hとを用いて、フュージョンリングの直径D=2(w+4h1/2を求める。こうして求められるフュージョンリングの直径値Dの単位は画素数(pixel)であるから、直径Dに直径換算係数を乗算することにより、実際の単位(mm)に変換された結晶直径値が求められる。
このように、カメラ画像から得られる結晶直径の情報は画素(pixel)であるため、実際の直径の単位(mm)への変換が必要となる。しかし、単位変換に用いられる直径換算係数は、単結晶の引き上げ工程中にオペレータが望遠鏡で目視により計測した結晶直径値に基づいて作成したものであるため、単位変換の精度が悪く、直径算出誤差が大きいという問題がある。
したがって、本発明の目的は、結晶直径の測定精度を高めることが可能な単結晶製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による単結晶製造装置は、融液から単結晶を引き上げる単結晶引き上げ部と、前記融液と前記単結晶との境界部に発生するフュージョンリングを撮影するカメラと、前記カメラの撮影画像を処理する演算部とを備え、前記演算部は、前記カメラの設置角度及び焦点距離に基づいて、前記カメラの撮影画像に写る前記フュージョンリングを前記融液の液面に相当する基準平面上に投影変換し、前記基準平面上の前記フュージョンリングの形状から前記単結晶の直径を算出することを特徴とする。
本発明によれば、カメラの撮影画像から求めた直径計測値を単位変換するための直径換算係数を用いることなく単結晶の実際の直径を正確に求めることができる。したがって、結晶引き上げ工程中における単結晶の直径の測定精度を高めることができる。
本発明において、前記演算部は、前記撮影画像の輝度分布に対する所定の閾値をもとに検出された前記フュージョンリングのエッジパターンを前記基準平面上に投影変換することが好ましい。これにより、フュージョンリングの形状を正確に把握することができる。
本発明において、前記閾値は、前記撮影画像中の輝度のピーク値に1よりも小さい値を乗じて得られる値であり、前記演算部は、前記撮影画像中に前記フュージョンリングと交差する水平走査線を設定し、前記水平走査線上の輝度分布と前記閾値との外側交点(撮影画像の外周寄りの一点)を前記フュージョンリングのエッジパターンとして検出することが好ましい。
本発明において、前記演算部は、前記基準平面上に投影された前記フュージョンリングのエッジパターンと所定の直径計測ラインとの2つの交点間の距離及び前記単結晶の中心位置から前記直径計測ラインまでの距離から前記単結晶の直径を算出することが好ましい。これにより、フュージョンリングの直径を幾何学的に算出することができ、フュージョンリングの直径から単結晶の直径を算出することができる。
本発明において、前記演算部は、前記フュージョンリングのエッジパターンを円近似し、前記フュージョンリングの近似円の直径から前記単結晶の直径を算出することが好ましい。これにより、フュージョンリングの直径の測定精度を高めることができる。
本発明において、前記演算部は、前記単結晶の引き上げ工程中の直径から所定の補正量を差し引くか、あるいは前記単結晶の引き上げ工程中の直径に所定の補正係数を乗ずることにより、前記単結晶の室温下での直径を算出することが好ましい。これにより、室温下での単結晶の直径に基づいて結晶直径を制御することができる。
本発明において、前記演算部は、炉内構造、前記液面の位置又は前記単結晶の長さの変化に応じて、前記補正量又は前記補正係数を変化させることが好ましい。これにより、単結晶の育成状況の変化に合わせて結晶直径を正確に測定することができる。
また、本発明による単結晶の製造方法は、CZ法による単結晶の製造方法であって、融液と単結晶との境界部に発生するフュージョンリングをカメラで撮影するステップと、前記カメラの撮影画像を処理して前記単結晶の直径を算出するステップとを含み、前記単結晶の直径を算出するステップは、前記カメラの設置角度及び焦点距離に基づいて、前記カメラの撮影画像に写る前記フュージョンリングを前記融液の液面に相当する基準平面上に投影変換し、前記基準平面上の前記フュージョンリングの形状から前記単結晶の直径を算出することを特徴とする。
本発明によれば、カメラの撮影画像から求めた直径計測値を単位変換するための直径換算係数を用いることなく単結晶の実際の直径を正確に求めることができる。したがって、結晶引き上げ工程中における単結晶の直径の測定精度を高めることができる。
本発明において、前記単結晶の直径を算出するステップは、前記撮影画像の輝度分布に対する所定の閾値をもとに検出された前記フュージョンリングのエッジパターンを前記基準平面上に投影変換することが好ましい。これにより、フュージョンリングの形状を正確に把握することができる。
本発明において、前記閾値は、前記撮影画像中の輝度のピーク値に1よりも小さい値を乗じて得られる値であり、前記単結晶の直径を算出するステップは、前記撮影画像中に前記フュージョンリングと交差する水平走査線を設定し、前記水平走査線上の輝度分布と前記閾値との外側交点(撮影画像の外周寄りの一点)を前記フュージョンリングのエッジパターンとして検出することが好ましい。
本発明において、前記単結晶の直径を算出するステップは、前記基準平面上に投影された前記フュージョンリングのエッジパターンと所定の直径計測ラインとの2つの交点間の距離及び前記単結晶の中心位置から前記直径計測ラインまでの距離から前記単結晶の直径を算出することが好ましい。これにより、フュージョンリングの直径を幾何学的に算出することができ、フュージョンリングの直径から単結晶の直径を算出することができる。
本発明において、前記単結晶の直径を算出するステップは、前記フュージョンリングのエッジパターンを円近似し、前記フュージョンリングの近似円の直径から前記単結晶の直径を算出することが好ましい。これにより、フュージョンリングの直径の測定精度を高めることができる。
本発明において、前記単結晶の直径を算出するステップは、前記単結晶の引き上げ工程中の直径から所定の補正量を差し引くか、あるいは前記単結晶の引き上げ工程中の直径に所定の補正係数を乗ずることにより、前記単結晶の室温下での直径を算出することが好ましい。これにより、室温下での単結晶の直径に基づいて結晶直径を制御することができる。
本発明において、前記単結晶の直径を算出するステップは、炉内構造、前記液面の位置又は前記単結晶の長さの変化に応じて、前記補正量又は前記補正係数を変化させることが好ましい。これにより、単結晶の育成状況の変化に合わせて結晶直径を正確に測定することができる。
本発明によれば、結晶直径の測定精度を高めることが可能な単結晶製造装置及び製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態による単結晶製造装置の構成を示す略断面図である。 図2は、単結晶製造装置を用いたシリコン単結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図3は、図2の製造方法により製造されるシリコン単結晶インゴットの形状を示す側面図である。 図4は、カメラ18の撮影画像であって、固液界面に発生するフュージョンリングを説明するための図である。 図5は、撮影画像の二次元座標を実空間の座標に投影変換する方法を説明するための模式図である。 図6は、本実施形態による直径算出方法を説明するための図である。 図7は、遮熱部材17の実像Ma及び鏡像Mbそれぞれの開口の半径r,rからギャップ値ΔGを算出する方法を説明するための模式図である。 図8は、従来の直径算出方法を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明の実施の形態による単結晶製造装置の構成を示す略断面図である。
図1に示すように、単結晶製造装置10は、シリコン単結晶を育成するための装置であって、略円筒形のチャンバー19を備え、チャンバー19の内部にはシリコン融液13を貯留する石英ルツボ11が設置されている。チャンバー19は、例えば内部に一定の隙間を形成した二重壁構造であればよく、この隙間に冷却水を流すことによって、石英ルツボ11を加熱した際にチャンバー19が高温化することを防止する。
こうしたチャンバー19の内部には、シリコン単結晶の引き上げ開始前から終了後までアルゴンなどの不活性ガスが導入される。チャンバー19の頂部には、引上駆動装置22が備えられる。引上駆動装置22は、シリコン単結晶インゴット15の成長核となる種結晶14及びそこから成長するシリコン単結晶インゴット15を回転させつつ上方に引き上げる。こうした引上駆動装置22には、シリコン単結晶インゴット15の引き上げ量に基づいてシリコン単結晶インゴット15の結晶長情報を送出するセンサ(不図示)が形成されていれば良い。引上駆動装置22は、制御部26に接続されており、結晶長情報は制御部26に送られる。本実施形態において、石英ルツボ11等のチャンバー19内の構成要素及び引上駆動装置22は、単結晶引き上げ部を構成している。
チャンバー19の内部には、石英ルツボ11を取り囲むように配置された略円筒形のヒータ12が備えられる。ヒータ12は、石英ルツボ11を加熱する。このヒータ12の内側に、ルツボ支持体(黒鉛ルツボ)16及び石英ルツボ11が収容される。石英ルツボ11は、全体が石英で一体に形成され、上方が開放面を成す略円筒形の容器である。
石英ルツボ11には、固形のシリコンを溶融したシリコン融液13が貯留される。ルツボ支持体16は、例えば全体が黒鉛で形成され、石英ルツボ11を包むように密着して支持する。ルツボ支持体16は、シリコンの溶融時に軟化した石英ルツボ11の形状を維持し、石英ルツボ11を支える役割を果たす。
ルツボ支持体16の下側にはルツボリフト装置21が備えられる。ルツボリフト装置21は、ルツボ支持体16及び石英ルツボ11を下側から支えるとともに、シリコン単結晶インゴット15の引き上げに伴って変化するシリコン融液13の融液面13aの液面位置が適切な位置となるように石英ルツボ11を上下動させる。これにより、シリコン融液13の融液面13aの位置が制御される。ルツボリフト装置21は、同時に、引き上げ時にルツボ支持体16及び石英ルツボ11を所定の回転数で回転可能に支持している。
石英ルツボ11の上面には、シリコン融液13の上面、すなわち融液面13aを覆うように遮熱部材(遮蔽筒)17が形成されている。遮熱部材17は、例えばすり鉢状に形成された断熱板からなり、その下端には略円形の開口17aが形成されている。また遮熱部材17の上端の外側縁部はチャンバー19の内面側に固定されている。
こうした遮熱部材17は、引き上げたシリコン単結晶インゴット15が石英ルツボ11内のシリコン融液13から輻射熱を受けて熱履歴が変化し、品質が劣化することを防止する。また、こうした遮熱部材17は、チャンバー19の内部に導入された引き上げ雰囲気ガスをシリコン単結晶インゴット15側からシリコン融液13側に誘導することによって、シリコン融液13の融液面13a付近の残留酸素量や、シリコン融液13から蒸発したシリコン蒸気やSiOなどを制御し、シリコン単結晶インゴット15が目的の品質になるようにする。このような引き上げ雰囲気ガスの制御は、炉内圧及び遮熱部材17の下端とシリコン融液13の融液面13aとのギャップを通過する際の流速に依存すると考えられる。シリコン単結晶インゴット15が目的の品質になるように、遮熱部材17の下端からシリコン融液13の融液面13aまでの距離(ギャップ値)ΔGは正確に設定される必要がある。なお、引き上げ雰囲気ガスとしては、アルゴンなどの不活性ガスに、ドーパントガスとして水素、窒素、やそれ以外の所定のガスを含有することができる。
チャンバー19の外側にはカメラ18が設置されている。カメラ18は例えばCCDカメラであり、チャンバー19に形成された覗き窓を介してチャンバー19内を撮影する。カメラ18の設置角度θは、シリコン単結晶インゴット15の引き上げ軸Zに対して所定の角度をなしており、カメラ18は鉛直方向に対して傾斜した光軸Lを有する。言い換えるとカメラ18の設置角度θとは、鉛直方向に対する光軸Lの傾斜角である。カメラ18は、遮熱部材17の開口17a及び融液面13aを含む石英ルツボ11の上面領域を斜め上方から撮影する。カメラ18は、演算部24に接続されており、カメラ18の撮影画像は、演算部24において結晶直径及び液面位置の検出に用いられる。
演算部24は、カメラ18によって撮影された遮熱部材17の実像と、シリコン融液13の融液面13aに映し出された遮熱部材17の鏡像とを含む画像に基づいて、シリコン融液13の液面位置を算出する。また、演算部24は、カメラ18によって撮影されたシリコン融液13とシリコン単結晶インゴット15との境界部を含む画像に基づいて、シリコン単結晶インゴットの直径を算出する。演算部24は、制御部26に接続されており、演算部24により演算結果は制御部26に送られる。
制御部26は、引上駆動装置22のセンサから得られたシリコン単結晶インゴット15の結晶長データと、演算部24によって算出された結晶直径データに基づいて、石英ルツボ11の移動量(上昇量)を制御する。さらに石英ルツボ11の移動量を制御するため、制御部26は、演算部24によって算出されたシリコン融液13の液面位置に基づいて、石英ルツボ11の位置補正制御を行う。
図2は、単結晶製造装置10を用いたシリコン単結晶の製造方法を説明するためのフローチャートである。また、図3は、図2の製造方法により製造されるシリコン単結晶インゴットの形状を示す側面図である。
図2に示すように、シリコン単結晶の製造では、まず石英ルツボ11に原料の多結晶シリコンを投入し、ヒータ12によって石英ルツボ11内の多結晶シリコンを加熱して溶融し、シリコン融液13を生成する(ステップS11)。
次に、種結晶14を降下させてシリコン融液13に着液させる(ステップS12)。その後、シリコン融液13との接触状態を維持しながら種結晶14を徐々に引き上げて単結晶を成長させる結晶引き上げ工程(ステップS13~S16)を実施する。
結晶引き上げ工程では、無転位化のために結晶直径が細く絞られたネック部15aを形成するネッキング工程S13と、結晶直径が徐々に大きくなったショルダー部15bを形成するショルダー部育成工程S14と、結晶直径が規定の直径(例えば約300mm)に維持された直胴部15cを形成する直胴部育成工程S15と、結晶直径が徐々に小さくなったテール部15dを形成するテール部育成工程S16が順に実施され、最終的には単結晶が融液面から切り離される。以上により、ネック部15a、ショルダー部15b、直胴部15c及びテール部15dを有する図3に示したシリコン単結晶インゴット15が完成する。
結晶引き上げ工程中は、カメラ18の撮影画像からシリコン融液13の融液面13aと遮熱部材17とのギャップ値ΔGを算出し、これによりシリコン融液13の液面位置を算出する。そして、このギャップ値ΔGに基づいて、ルツボの上昇量を制御する。これにより、シリコン単結晶の引き上げ開始から引き上げ終了までの間、シリコン融液13の減少によらずヒータ12や遮熱部材17などの炉内構造物に対する融液面13aの位置を一定に保ちあるいは変化させて、これによりシリコン融液13に対する熱の輻射分布を制御することができる。
また、結晶引き上げ工程中は、カメラ18の撮影画像から単結晶の直径を算出し、結晶直径が結晶長に対応した所定の直径となるように、結晶引き上げ条件を制御する。ショルダー部育成工程S14では結晶直径が徐々に大きくなるように制御し、直胴部育成工程S15では結晶直径が一定になるように制御し、テール部育成工程S16では結晶直径が徐々に小さくなるように制御する。結晶引き上げ条件の制御対象は、石英ルツボ11の高さ位置、結晶引き上げ速度、ヒータ出力などである。カメラ18の撮影画像を用いた引き上げ条件の制御は、結晶引き上げ工程中に行われる。具体的には、図2におけるネッキング工程S13の開始からテール部育成工程S16の終了までの間に行われる。
次に、カメラ18の撮影画像から結晶直径を算出する方法について詳細に説明する。
図4は、カメラ18の撮影画像であって、固液界面に発生するフュージョンリングを説明するための図である。
図4に示すように、シリコン融液13は遮熱部材17の開口17aを通して覗き見ることができ、撮影画像には遮熱部材17の一部が写り込んでいる。また遮熱部材17の開口17aの内側にはシリコン単結晶15があり、さらに遮熱部材17とシリコン単結晶15との間のわずかな隙間からシリコン融液13を覗き見ることができる。さらに、シリコン単結晶15とシリコン融液13との境界部にはフュージョンリングFRが発生している。フュージョンリングFRは、ヒータ12等からの輻射光が固液界面のメニスカスで反射することにより発生するリング状の高輝度領域である。撮影画像中、遮熱部材17はチャンバー19に固定されているのでその位置は変化しないが、フュージョンリングFRの位置や大きさは結晶直径や液面位置の変化によって変化する。液面位置が一定である場合、結晶直径が大きくなるほどフュージョンリングFRも大きくなる。また結晶直径が一定である場合、液面位置が低下するほど結晶直径は小さくなる。このように、フュージョンリングFRから固液界面近傍における単結晶の輪郭を捉えることができるので、単結晶の直径を算出することができる。
シリコン融液13の融液面13aには遮熱部材17の鏡像Mbが映り込んでいる。遮熱部材17の鏡像Mbは、遮熱部材17から融液面13aまでの距離に応じて変化する。このため、遮熱部材17の実像Maと融液面13aに映った鏡像Mbとの間隔は、結晶成長に伴うシリコン融液13の消費や石英ルツボ11の昇降による融液面13aの上下動に連動するが、融液面13aの位置はこの実像Maと鏡像Mbとの間の中間点にある。したがって、例えば、融液面13aを遮熱部材17の下端に一致させると遮熱部材17の実像Maと鏡像Mbとの間隔はゼロになり、融液面13aを徐々に下げていくと遮熱部材17の下端から融液面13aまでの距離(ギャップ値)ΔGも徐々に広がる。このときのギャップ値ΔGは、遮熱部材17の実像Maと鏡像Mbとの間隔Dの1/2の値(すなわち、D=ΔG×2)として算出することができる。このように、シリコン融液13の液面位置は、遮熱部材17の下端からの距離として求めることができる。
フュージョンリングFRから単結晶の直径を測定する場合、カメラ18で撮影した画像からフュージョンリングFRのエッジパターンを検出し、フュージョンリングFRのエッジパターンから結晶直径を算出する。フュージョンリングFRの直径値は、そのエッジパターン(サンプル値)を最小二乗法により近似して得られる近似円から求めることができる。このようにして求めたフュージョンリングFRの直径をさらに補正することにより、常温下での単結晶の直径を算出することができる。
結晶直径を測定する場合はフュージョンリングFRの安定した検出が必須となる。画像データ中から所定の像の位置を検出する手法としては、その像の輝度値をもとに閾値を設定して二値化処理する手法が一般的である。しかしフュージョンリングFRのエッジ検出を二値化処理により行った場合、炉内温度の変化に伴う輝度変化により検出位置がずれる可能性がある。
この影響を排除するため、一般的な二値化手法ではなく、撮影画像中の輝度のピーク値(フュージョンリングFRのピーク輝度)を求め、このピーク輝度に1よりも小さい値を乗ずることにより決定した閾値(スライスレベル)からフュージョンリングFRのエッジを検出することが好ましい。すなわち、フュージョンリングFRのエッジパターン(輪郭線)の検出においては、画像でのフュージョンリングFRの輝度に応じて閾値(スライスレベル)を変更することにより、輝度変化の影響による測定誤差を小さくして、フュージョンリングFRの正確な寸法を安定して検出し、特定することが可能となる。具体的には、図8と同様にフュージョンリングFRと交差する水平走査線SLを設定し、この水平走査線SL上の輝度分布と閾値(図8中のTHに相当)との外側交点(撮影画像の外周寄りの一点)をフュージョンリングFRのエッジとして検出する。
チャンバー19の外側に設置したカメラ18は融液面13aを斜め上方から撮影するので、フュージョンリングFRの見かけ上の形状は真円とならず歪んでいる。フュージョンリングFRの直径を正確に算出するためには、画像の歪み補正が必要である。そこで本実施形態では、カメラ18で撮影したフュージョンリングFRのエッジパターンを基準平面上に投影変換し、真上から見たときのフュージョンリングFRの直径を求める。なお、基準平面はシリコン融液13の液面(水平面)であり、上記のように遮熱部材17の実像Maと鏡像Mbから求めることができる。
図5は、撮影画像の二次元座標を実空間の座標に投影変換する方法を説明するための模式図である。
図5の左側の図に示すように、カメラ18はチャンバー19内を斜め上方から撮影しているため、撮影画像中のフュージョンリングの形状は歪んでおり、遠近感を持った画像となっている。すなわち、カメラ18までの距離が近い下側の画像は上側よりも広がっている。したがって、フュージョンリングの寸法を正確に算出するためには、画像の歪み補正が必要となる。そこで、カメラ18の撮像画像の座標を、融液面13aと同じ高さ位置に設定した基準平面上の座標に投影変換して歪みを補正する。
図5の右側の図は、画像補正を行う際の座標系を示している。この座標系では、基準平面をxy平面としている。またXY座標の原点Cは、カメラ18の撮像デバイス18aの中心位置C(0,y,z)からカメラ18のレンズ18bの中心位置F(0,y,z)を通るように引いた直線(一点鎖線)と基準平面との交点である。この直線はカメラ18の光軸である。
また、シリコン単結晶15の引き上げ方向が、鉛直軸であるz軸の正方向であり、撮像デバイス18aの中心位置C(0,y,z)とレンズ18bの中心位置F(0,y,z)はyz平面内にある。図5の左側の図に示した画像中の座標(u,v)は撮像デバイス18aの画素で表され,以下の式(1)に示す撮像デバイス18a上の任意の一点P(x,y,z)に対応している。
Figure 0007435752000001
ここで、αとαは撮像デバイス18aの横方向と縦方向の画素サイズであり、yとzは撮像デバイス18aの中心位置Cのy座標とz座標である。また図5の右側の図に示すように、θは、カメラ18の光軸がz軸となす角度であって、カメラ18の設置角度である。
さらに、撮像デバイス18aの中心位置C(0,y,z)は、カメラ18のレンズ18bの中心位置F(0,y,z)及びレンズの焦点距離fを用いて、以下の式(2)で表される。
Figure 0007435752000002
ここで、式(2)について詳細に説明すると、基準平面上の座標原点Cから撮像デバイス18aの中心位置C(0,y,z)までの距離をLとするとき、y,zはそれぞれ次の式(3)のようになる。
Figure 0007435752000003
座標原点Cからカメラ18のレンズ18bの中心位置Fまでの距離をaとし、レンズ18bの中心位置Fから撮像デバイス18aの中心位置Cまでの距離をbとするとき、座標原点Cから撮像デバイス18aの中心位置Cまでの距離Lは次の式(4)のようになる。
Figure 0007435752000004
またレンズの結像公式から、焦点距離fは距離a,bを用いて次の式(5)のように表される。
Figure 0007435752000005
式(4)及び式(5)から距離bを消去し、Lを距離aと焦点距離fとで表現すると次の式(6)ようになる。
Figure 0007435752000006
座標原点Cからカメラ18のレンズ18bの中心位置Fまでの距離aの値は、カメラ18のレンズ18bの中心位置F(0,y,z)を用いて次の式(7)のように表すことができる。
Figure 0007435752000007
したがって、上記式(2)は、式(3)、式(6)及び式(7)から求められる。
レンズ18bをピンホールと考えるとき、撮像デバイス18a上の任意の一点P(x ,y ,z は、F(0,y,z)を通して基準平面上に投影され、この投影点P'(X,Y,0)は、以下の式(8)で示すことができる。
Figure 0007435752000008
式(1)、式(2)及び式(8)を用いることにより、基準平面上に投影されたフュージョンリングの座標を求めることができる。
レンズ18bの中心位置F(0,y,z)から撮像デバイス18aの中心位置C(0,y,z)までの距離bが既知である場合、レンズ18bの中心位置Fの座標y,zは、距離b及び撮像デバイス18aの中心位置Cの座標y,zを用いて次の式(9)のように表すことができる。
Figure 0007435752000009
このように、レンズ18bの中心位置F(主点)から撮像デバイス18aの中心位置Cまでの距離b(バックディスタンス)が既知の場合には、バックディスタンスの値を用いて投影点P'(X,Y,0)を表すことができる。
次に、フュージョンリングの半径の算出方法について説明する。基準平面に投影されたフュージョンリングの座標からその中心位置の座標(x、y)及び半径rを算出する方法としては最小二乗法を用いればよい。フュージョンリングは円形であり、その像は以下の式(10)に示す円の方程式を満たす。
Figure 0007435752000010
ここで式(10)中の(x,y)及びrの算出には最小二乗法を用いる。最小二乗法での演算を簡易に行うために以下の式(11)に示す変形を行う。
Figure 0007435752000011
この式(11)中の変数a,b,cを最小二乗法で求めることとなる。それは式(11)と測定された点との差の二乗和が最小なる条件を得ることとなり、これを以下の式(12)に示す偏微分方程式を解くことにより得られる。
Figure 0007435752000012
そして、この式(12)の解は以下の式(13)に示す連立方程式により算出可能である。
Figure 0007435752000013
このように最小二乗法を用いることにより、基準平面に投影されたフュージョンリングの近似円を算出することができる。
その後、フュージョンリングの近似円からその直径を算出する。このときの直径の算出方法は、図6に示すように、基準平面PL上に投影されたフュージョンリングFR(近似円)上の2点と交差する直径計測ラインSLを設定し、フュージョンリングFRと直径計測ラインとの2つの交点pL0,pR0間の幅w及び結晶中心位置Cから直径計測ラインSLまでの距離hを用いて、フュージョンリングFRの直径D=(w+4h1/2を求める。こうして幾何学的計算により求められたフュージョンリングの直径Dの情報は画素(pixel)ではなくミリ(mm)であるため、単位変換は不要である。
結晶引き上げ工程中のシリコン単結晶は高温下で熱膨張しているため、その直径はチャンバー19から取り出されて冷却されたときの直径よりも大きくなっている。このような熱膨張した結晶直径に基づいてシリコン単結晶の直径制御を行った場合には、室温下での結晶直径が狙いの直径となるように制御することが難しい。
そのため、結晶引き上げ工程中のシリコン単結晶の直径制御では、カメラ18の撮影画像に写るシリコン単結晶の高温下での直径を室温下での直径に変換し、この室温下での結晶直径に基づいて結晶引き上げ速度等の結晶成長条件を制御する。このように、室温のときの結晶直径に基づいて結晶引き上げ条件を制御する理由は、室温のときの結晶直径の管理が重要だからである。すなわち、高温下で狙い直径の通りに引き上げても室温に戻したときに狙い直径よりも小さくなっている場合には製品化できないおそれがあるため、室温のときの結晶直径が狙いの直径となるように直径制御を行っている。
シリコン単結晶の室温下での直径は、フュージョンリングから求めた単結晶の高温下での直径から所定の補正量を差し引くことにより求めることができる。あるいは、シリコン単結晶の室温下での直径は、フュージョンリングから求めた単結晶の高温下での直径に所定の補正係数を乗ずることにより求めてもよい。このときの補正量又は補正係数は、炉内構造によって異なるため、単結晶引き上げ装置ごとに個別に設定される。また結晶成長に伴って炉内構造が変化する場合には、結晶成長に合わせて補正量又は補正係数を変化させてもよい。さらに、結晶直径の補正量又は補正係数は、シリコン融液の液面位置の変化に合わせて変化させてもよく、あるいは単結晶の引き上げ長さに応じて設定してもよい。したがって、例えば結晶引き上げ工程の前半ではある補正量を使用して結晶直径を補正し、結晶引き上げ工程の後半では別の補正量を使用して結晶直径を補正してもよい。このようにすることで、常温下での結晶直径をより正確に推定することができる。
カメラによる結晶直径の計測結果から所定の補正量を差し引くことによって室温下での結晶直径を求める場合、前記補正量は、同一の結晶に対して得られた、カメラによる引き上げ工程中の結晶直径の計測結果と室温下で実測した結晶直径の計測結果をもとに予め算出される。また、カメラによる結晶直径の計測結果に所定の補正係数を乗ずることによって室温下での結晶直径を求める場合、前記補正係数は、同一の結晶に対して得られた、カメラによる引き上げ工程中の結晶直径の計測結果と室温下で実測した結晶直径の計測結果をもとに予め算出される。上記のいずれの方法においても、結晶引き上げ工程中の熱膨張によって長手方向に単結晶が伸びている分を考慮して、結晶長手方向で一致する直径計測位置における補正量あるいは補正係数が算出される。
次に、フュージョンリングを投影変換する際の基準平面となるシリコン融液の液面位置の算出方法について説明する。
図7は、遮熱部材17の実像Ma及び鏡像Mbそれぞれの開口の半径r,rからギャップ値ΔGを算出する方法を説明するための模式図である。
図7に示すように、遮熱部材17が水平に設置されている場合、遮熱部材17の鏡像の中心座標は本来、融液面13aを挟んで遮熱部材17の実像の中心座標(Xhc,Yhc,0)と反対側に存在し、その2点を結ぶ直線は遮熱部材17の実像の中心座標(Xhc,Yhc,0)を通り鉛直軸であるZ軸と平行な直線となる。
一方、基準平面上での遮熱部材17の鏡像の中心座標(Xmc,Ymc,0)は、遮熱部材17の鏡像の中心座標(X hc ,Y hc ,Z gap が基準平面上に投影された座標となるため、鏡像の中心座標(Xhc,Yhc,Zgap)は、基準平面上での遮熱部材17の鏡像の中心座標(Xmc,Ymc,0)とレンズ18bの中心位置F(X,Y,Z)を通る直線上にあることとなる。そのため、算出したいギャップΔGはZgapの半分の値となり、以下に示す式(14)より算出できる。
Figure 0007435752000014
撮像デバイスのレンズ18bの中心位置Fから遮熱部材17の実像の開口の中心までの距離Lとし、撮像デバイスのレンズ18bの中心位置Fから遮熱部材17の鏡像の開口の中心までの距離Lとするとき、距離L,Lは式(15)のようになる。
Figure 0007435752000015
そしてこれらの距離L,Lより、ギャップ値ΔGは式(16)のように表すことができる。
Figure 0007435752000016
このように、ギャップ値ΔGを算出するためには、距離L,Lを求めればよいことが分かる。
融液面13aに映った遮熱部材17の鏡像は実際の遮熱部材17よりも2ΔGだけ遠くにあると考えることができ、そのため遮熱部材17の鏡像の半径rは実像の半径rよりも小さく見える。さらに、結晶引き上げ中の炉内温度環境下では、熱膨張により遮熱部材17の開口の寸法は常温下での寸法よりも大きくなっていることが分かっている。そこで、熱膨張を考慮した開口の半径(理論値)をractual、遮熱部材17の実像の開口の半径測定値をr、遮熱部材17の鏡像の開口の半径測定値をrとすると、距離L,Lは次の式(17)により算出可能である。
Figure 0007435752000017
上記(16)、(17)式から、ギャップ値ΔGは以下の式(18)ように算出可能である。
Figure 0007435752000018
このように、ギャップ値ΔGは、遮熱部材17の実像及び鏡像それぞれの開口の半径測定値r,rから求めることができる。
以上説明したように、本実施形態によるシリコン単結晶の製造方法は、シリコン融液とシリコン単結晶との境界部に発生するフュージョンリングをカメラで撮影する撮影ステップと、カメラの撮影画像を処理してシリコン単結晶の直径を算出する結晶直径算出ステップとを含み、結晶直径算出ステップは、カメラの設置角度θ及び焦点距離fに基づいて、カメラの撮影画像に写るフュージョンリングを融液の液面位置に相当する基準平面上に投影変換し、前記基準平面上の前記フュージョンリングの形状から前記単結晶の直径を算出するので、カメラの撮影画像から求めた直径計測値を単位変換するための直径換算係数を用いることなく単結晶の実際の直径を正確に求めることができる。したがって、結晶引き上げ工程において結晶直径を正確に測定して制御することができ、これによりシリコン単結晶の製造歩留まりを高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態ではシリコン単結晶の製造を例に挙げたが、本発明はこれに限定されず、CZ法により育成される種々の単結晶の製造に適用することができる。
10 単結晶製造装置
11 石英ルツボ
12 ヒータ
13 シリコン融液
13a シリコン融液の液面
14 種結晶
15 シリコン単結晶(インゴット)
15a ネック部
15b ショルダー部
15c 直胴部
15d テール部
16 ルツボ支持体(黒鉛ルツボ)
17 遮熱部材(遮蔽筒)
17a 遮熱部材の開口
18 カメラ
18a 撮像デバイス
18b レンズ
19 チャンバー
21 ルツボリフト装置
22 引上駆動装置
24 演算部
26 制御部

Claims (12)

  1. 融液から単結晶を引き上げる単結晶引き上げ部と、
    前記融液と前記単結晶との境界部に発生するフュージョンリングを撮影するカメラと、
    前記カメラの撮影画像を処理する演算部とを備え、
    前記演算部は、前記カメラの設置角度及び焦点距離に基づいて、前記カメラの撮影画像に写る前記フュージョンリングを前記融液の液面に相当する基準平面上に投影変換し、前記基準平面上の前記フュージョンリングの形状から前記単結晶の引き上げ工程中の直径を算出し、前記単結晶の引き上げ工程中の直径から所定の補正量を差し引くか、あるいは前記単結晶の引き上げ工程中の直径に所定の補正係数を乗ずることにより、前記単結晶の室温下での直径を算出することを特徴とする単結晶製造装置。
  2. 前記演算部は、前記撮影画像の輝度分布に対する所定の閾値をもとに検出された前記フュージョンリングのエッジパターンを前記基準平面上に投影変換する、請求項1に記載の単結晶製造装置。
  3. 前記閾値は、前記撮影画像中の輝度のピーク値に1よりも小さい値を乗じて得られる値であり、
    前記演算部は、前記撮影画像中に前記フュージョンリングと交差する水平走査線を設定し、前記水平走査線上の輝度分布と前記閾値との外側交点を前記フュージョンリングのエッジパターンとして検出する、請求項2に記載の単結晶製造装置。
  4. 前記演算部は、前記基準平面上に投影された前記フュージョンリングのエッジパターンと所定の直径計測ラインとの2つの交点間の距離及び前記単結晶の中心位置から前記直径計測ラインまでの距離から前記単結晶の直径を算出する、請求項2又は3に記載の単結晶製造装置。
  5. 前記演算部は、前記フュージョンリングのエッジパターンを円近似し、前記フュージョンリングの近似円の直径から前記単結晶の直径を算出する、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の単結晶製造装置。
  6. 前記演算部は、炉内構造、前記液面の位置又は前記単結晶の長さの変化に応じて、前記補正量又は前記補正係数を変化させる、請求項1に記載の単結晶製造装置。
  7. CZ法による単結晶の製造方法であって、
    融液と単結晶との境界部に発生するフュージョンリングをカメラで撮影するステップと、
    前記カメラの撮影画像を処理して前記単結晶の直径を算出するステップとを含み、
    前記単結晶の直径を算出するステップは、
    前記カメラの設置角度及び焦点距離に基づいて、前記カメラの撮影画像に写る前記フュージョンリングを前記融液の液面に相当する基準平面上に投影変換し、前記基準平面上の前記フュージョンリングの形状から前記単結晶の引き上げ工程中の直径を算出し、前記単結晶の引き上げ工程中の直径から所定の補正量を差し引くか、あるいは前記単結晶の引き上げ工程中の直径に所定の補正係数を乗ずることにより、前記単結晶の室温下での直径を算出することを特徴とする単結晶の製造方法。
  8. 前記単結晶の直径を算出するステップは、前記撮影画像の輝度分布に対する所定の閾値をもとに検出された前記フュージョンリングのエッジパターンを前記基準平面上に投影変換する、請求項7に記載の単結晶の製造方法。
  9. 前記閾値は、前記撮影画像中の輝度のピーク値に1よりも小さい値を乗じて得られる値であり、
    前記単結晶の直径を算出するステップは、前記撮影画像中に前記フュージョンリングと交差する水平走査線を設定し、前記水平走査線上の輝度分布と前記閾値との外側交点を前記フュージョンリングのエッジパターンとして検出する、請求項8に記載の単結晶の製造方法。
  10. 前記単結晶の直径を算出するステップは、前記基準平面上に投影された前記フュージョンリングのエッジパターンと所定の直径計測ラインとの2つの交点間の距離及び前記単結晶の中心位置から前記直径計測ラインまでの距離から前記単結晶の直径を算出する、請求項7又は8に記載の単結晶の製造方法。
  11. 前記単結晶の直径を算出するステップは、前記フュージョンリングのエッジパターンを円近似し、前記フュージョンリングの近似円の直径から前記単結晶の直径を算出する、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の単結晶の製造方法。
  12. 前記単結晶の直径を算出するステップは、炉内構造、前記液面の位置又は前記単結晶の長さの変化に応じて、前記補正量又は前記補正係数を変化させる、請求項7に記載の単結晶の製造方法。
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