JP7434943B2 - 自己位置制御システムおよび自己位置制御方法 - Google Patents

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本発明は、自己位置制御システムおよび自己位置制御方法に関する。
従来より、周りの環境を探索しながら目標や障害物等を検知して移動経路を決定し、これに従って移動する自律走行車が知られている。自律走行車は、工場や医療福祉施設、家庭等において物品の搬送や清掃作業、あるいは作業台や机などにおいて所定の作業をおこなうことに利用されている。
このような自律走行車の自己位置推定には、LRF(Laser Range Finder)等による周辺環境のセンシング結果をあらかじめ作成して保持している広域地図とマッチングして、この車両がその地図上のどこにいるかを推定するSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)技術が使われている。しかし、現状のSLAM技術のおいては、位置精度が±10cm程度であるため、充電ステーションやベルトコンベア等の設備に横付けする際に衝突する恐れがある。
特許文献1には、設備等の対象物に接近する方法として、移動台車に方向距離センサを搭載し、この方向距離センサから得られた距離の変化量が閾値以上に変化する部分を対象物の端点と推定し、端点間の距離が予め指定された対象物の外形と所定誤差範囲内であれば、この端点を対象物として認識する発明が開示されている。
特開2006-163558号公報
引用文献1においては、図7に示すように、対象物(ランドマーク)7の端点71、72から等距離にあり、対象物7に垂直な距離Lの位置73が目標位置として推定される。この場合、位置の推定に用いられるのは、71、72の2点のみであり、端点71、72の位置は測定誤差によって2点鎖線で示す位置までずれて認識される可能性がある。その場合、矢印74に示す幅が目標位置の誤差として生じてしまい、目標位置に台車を精度良く移動できない恐れがある。すなわち、目標位置の推定に含まれる誤差が、自律走行車の移動制御に関して種々の問題を引き起こす恐れがある。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、目標位置姿勢の推定を精度良く行うことが可能な自己位置制御システムおよび自己位置制御方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明の自己位置制御システムは、2つのランドマークと、レーザレンジファインダを備えた自律走行車と、該自律走行車を制御する制御装置と、を備え、該制御装置は、前記レーザレンジファインダによって検出された前記2つのランドマークの位置データに基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定する。
このような発明によれば、推定がレーザレンジファインダによって検出した2つのランドマークの位置データに基づくので、目標位置姿勢の推定を精度良く行うことができる。
本発明の一態様においては、前記2つのランドマークは、矩形状の平面を有し、前記制御装置は、前記レーザレンジファインダが取得したデータから推定された、前記2つのランドマークの前記矩形状の平面の端部を含む直線式に基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定する。
このような構成によれば、矩形状の平面を有するランドマークの端部を含む直線式に基づいて目標位置姿勢の推定が行われるので、適切な形態のランドマークを採用し、目標位置姿勢の推定精度を向上することができる。
本発明の一態様においては、前記2つのランドマークの一方は、矩形状の平面を有し、前記2つのランドマークの他方は、円柱形状を有し、前記制御装置は、前記レーザレンジファインダが取得したデータから推定された、前記一方のランドマークの前記矩形状の平面の端部を含む直線式と、前記他方のランドマークの前記円柱形状の中心座標と距離と、に基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定する。
このような構成によれば、一方のランドマークは矩形状の平面を有するものとし、他方のランドマークを円柱形状とするので、作業台や机の脚等、作業現場に備えられた設備を円柱形状のランドマークとして採用でき、目標位置姿勢の推定精度を担保しつつ、容易にランドマークを構成することができる。
本発明の一態様においては、前記2つのランドマークは、円柱形状を有し、前記制御装置は、前記レーザレンジファインダが取得したデータから推定された、前記2つのランドマークの前記円柱形状の中心座標と距離に基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定する。
このような構成によれば、ランドマークを円柱形状のみで構成できるので、特別にランドマーク用の構造物を配置しなくても、作業台や机の脚等、作業現場に備えられた設備を円柱形状のランドマークとして採用できるので、自律走行車が使用される現場で、容易にランドマークを構成することができる。
本発明の一態様においては、前記制御装置は、前記自律走行車の目標位置姿勢の推定は拡張カルマンフィルタに基づいて行うこと、前記推定された目標位置姿勢に基づいて前記自律走行車を移動すること、前記移動後の前記自律走行車の推定目標位置姿勢が前記レーザレンジファインダの原点を目標とすること、を含む制御を行う。
このような構成によれば、目標位置姿勢の推定を拡張カルマンフィルタに基づいて行い、自律走行車の目標位置姿勢をレーザレンジファインダの原点に追い込む制御とするので、簡便なアルゴリズムで精度良く自律走行車を制御できる。
また、本発明の自己位置制御システムは、矩形状の平面を有する1つのランドマークと、レーザレンジファインダを備えた自律走行車と、該自律走行車を制御する制御装置と、を備え、該制御装置は、前記レーザレンジファインダが取得したデータから推定された、前記ランドマークの前記矩形状の平面の端部の座標に基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定すること、前記自律走行車の目標位置姿勢の推定は拡張カルマンフィルタに基づいて行うこと、前記推定された目標位置姿勢に基づいて前記自律走行車を移動すること、前記移動後の前記自律走行車の推定目標位置姿勢が前記レーザレンジファインダの原点を目標とすること、を含む制御を行う。
このような発明によれば、ランドマークを1つだけ用い、目標位置姿勢の推定を拡張カルマンフィルタに基づいて行い、自律走行車の目標位置姿勢をレーザレンジファインダの原点に追い込む制御とするので、簡便なランドマークの構成を用いることができ、かつ簡便なアルゴリズムで精度良く自律走行車を制御できる。
また、本発明の自律走行車の制御方法は、レーザレンジファインダを備えた自律走行車の制御方法であって、矩形状の平面を有する2つのランドマークを設けること、前記レーザレンジファインダで前記2つのランドマークを検出すること、前記検出データから前記2つのランドマークの前記矩形状の平面の端部を含む直線式を推定すること、前記推定した2つの直線式に基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定すること、を含む。
このような発明によれば、推定がレーザレンジファインダによって検出した2つのランドマークの位置データに基づくので、目標位置姿勢の推定を精度良く行うことができる。また、矩形状の平面を有するランドマークの端部を含む直線式に基づいて位置の推定が行われるので、適切な形態のランドマークを採用し、目標位置姿勢の推定精度を向上することができる。
本発明の一態様においては、前記自律走行車の目標位置姿勢の推定は拡張カルマンフィルタに基づいて行うこと、前記推定された目標位置姿勢に基づいて前記自律走行車を移動すること、前記移動後の前記自律走行車の推定目標位置姿勢が前記レーザレンジファインダの原点を目標とすること、を含む制御を行う。
このような構成によれば、目標位置姿勢の推定を拡張カルマンフィルタに基づいて行い、自律走行車の目標位置姿勢をレーザレンジファインダの原点に追い込む制御とするので、簡便なアルゴリズムで精度良く自律走行車を制御できる。
本発明によれば、目標位置姿勢の推定を精度良く行うことが可能な自己位置制御システムおよび自己位置制御方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る自己位置制御システムの構成を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る自己位置制御システムの制御装置を含む構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る自己位置制御システムの制御を説明するための平面図である。 本発明の実施形態に係るランドマークモードの制御を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る自己位置制御システムのランドマーク検知を説明するための平面図である。 本発明の実施形態に係る自己位置制御システムの制御を説明するための模式図である。 従来例のランドマーク検知誤差を説明するための模式図である。 本発明の実施形態におけるランドマーク検知精度を説明するための模式図である。 本発明の実施形態に係る自己位置制御システムの制御を説明するための平面図である。 本発明の実施形態に係るランドマークモードの制御を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態に係る自己位置制御システムのランドマーク検知を説明するための平面図である。 本発明の実施形態におけるランドマーク検知精度を説明するための模式図である。 本発明の実施形態に係る自己位置制御システムの制御を説明するための平面図である。 本発明の実施形態に係るランドマークモードの制御を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態におけるランドマーク検知精度を説明するための模式図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本発明において、自律走行車の“位置”または“位置姿勢”というとき、特に言及がないときは、自律走行車の座標値とその座標系における向き(進行方向等)を含むものとする。したがって、自立走行車の“目標位置”または“目標位置姿勢”は、上記に従い、自立走行車の移動目標とする座標値と向きを含む。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態に係る自己位置制御システムの構成を示す概略図を示す。図2に、本実施形態に係る自己位置制御システムの制御装置を含む構成を示す機能ブロック図を示す。
図1を参照して、本実施形態に係る自己位置制御システム1は、2つのランドマーク21、22と、レーザレンジファインダ(LRF)3を備えた自律走行車(AGV)4と、自律走行車(AGV)4を制御する制御装置5と、を備えている。本実施形態では、自律走行車4の移動の目標対象物は、充電ステーション6とされている。自律走行車4は、充電ステーション6の充電コネクタ(図示せず)に接続するために目標位置姿勢まで移動するよう制御される。また、2つのランドマーク21、22は、本実施形態では、矩形状の平面を有する板で構成されており、板面が床に対して鉛直となるように配置されている。レーザレンジファインダ(LRF)3は、図1に破線Rで示されている範囲をレーザでスキャンし、その範囲内にある物体からのレーザの反射を検知する。レーザレンジファインダ(LRF)3は、その検知したレーザの反射に基づいて、レーザレンジファインダ(LRF)3の原点から物体までの距離を測定する機能を有している。
図2を参照して、本実施形態における制御装置5は、後述するSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)機能を有するAGVコントローラ51と、地図情報・ルートデータ部52と、ランドマーク検出・自己位置姿勢推定部53と、を備える構成とされ、逐次、LRF3、およびAGV4と通信することによって、AGV4本体を制御する。
制御装置5は、コンピュータを含むアーキテクチャにより構成され、ハードウェアリソースである、CPU、ROM、RAM、入力装置、出力装置、記憶媒体であるハードディスクやSSD(Solid State Drive)、通信インターフェース等を備え、これらを記憶媒体にロードされたソフトウェアリソースであるOS、アプリケーションを利用して駆動し、実装される。上述した制御装置5を構成するAGVコントローラ51、地図情報・ルートデータ部52、およびランドマーク検出・自己位置姿勢推定部53は、物理的な位置は、どこに置かれていてもよく、それぞれのユニットが、有線、あるいは無線によって情報伝達が行われるように通信可能に接続されていればよい。例えば、AGVコントローラ51と地図情報・ルートデータ部52は、AGV4の外部のホストコンピュータ(図示せず)に実装され、ランドマーク検出・自己位置姿勢推定部53がAGV4内部に搭載されたコンピュータに実装されていてよい。
制御装置5は、AGV4を、任意の起点から、最初はSLAM機能によって目標位置に移動するように制御する。ここでSLAM機能とは、近年工場等で採用されてきている、自己位置推定と環境地図作成を同時に行う機能のことであり、位置の推定やマップ作成にレーザーレンジスキャナー(測域センサ)、カメラ、エンコーダ、マイクロフォンアレイなどが利用され、対象の移動空間の形状、及びその空間に対する自機位置の検出をすることにより、移動経路の最適化と、それによる効率化を図ることができる機能である。
次に、上述のような構成の自己位置制御システム1において、任意の起点に置かれたAGV4が目標位置にむけて移動する動作について説明する。図3は、自己位置制御システム1において、ランドマークモードと呼称される制御にはいる直前のAGV4とランドマーク21、22の平面図である。AGV4は、図3にGとして示される目標位置を中心とした予め定められた距離範囲内に接近するまでは、すなわち図3に示された目標位置Gに充分接近するまでは、広域地図とAGV4のオドメトリデータに基づいて目標位置Gに接近するようにSLAM機能により移動制御される。
本実施形態では、目標位置Gは、図3に示すように、ランドマーク21、22の板面に垂直で中心を通る直線21a、22aの交点に設定されており、ランドマーク21からL1、ランドマーク22からL2の距離だけはなれている。図からわかるとおり、ランドマーク21、22は、目標位置Gからみて、互いに90度外れた位置に配置されている。
図2を参照して、SLAM機能による制御は以下のようにして行われる。

(1)AGVコントローラ51は、LRF3からLRF3がレーザでスキャンして得られた検知データ(矢印p)と、地図情報・ルートデータ部52記録されている予め作成された広域地図(矢印q)と、を取得する。

(2)AGVコントローラ51は、LRF3から得られたデータと広域地図とを比較し、自己位置を推定する。

(3)AGVコントローラ51は、(2)で推定した自己位置に基づいて、目標位置Gに接近するように、AGV4が駆動手段(車輪等)を動作させる命令を制御情報(移動方向、移動距離等)として送信する(矢印r)。

(4)AGV4は、AGVコントローラ51から受信した制御情報に基づいて、駆動手段を駆動する。

(5)AGV4は、駆動終了後、制御情報に基づいて実際に動作した駆動輪の駆動角や回転角等を積算し、AGVコントローラ51にオドメトリ情報として送信する(矢印s)。

(6)AGVコントローラ51は、AGV4から得られたオドメトリ情報および検知データ(矢印p)と広域地図(矢印q)の重なり度合いの情報を用いて広域地図上の自己位置および姿勢(向き)をアップデートする。

以上の(1)~(6)のステップを、AGV4が、目標位置Gから予め定められた範囲内にAGV4が移動するまで(例えば図3の状態まで)、逐次繰り返す制御が行われる。
AGV4が目標位置Gを含む予め定められた距離範囲内に移動したことをAGVコントローラ51が検知すると、制御装置5は、SLAM機能からランドマークモードに制御を切り替える。図4は、このランドマークモードの動作のアルゴリズムを示したフローチャートである。ランドマークモードに制御が切り替わった場合は、以降の制御に利用される座標系は、AGV4のLRF3の原点(レーザ照射源)を基準として行われる。
以下図2の機能ブロック図と図4のフローチャートを参照しながら、ランドマークモードの動作について説明する。
図4のフローチャートにおいて、まず、制御がランドマークモードに入ったかどうかが確認される(S01)。ランドマークモードに入っていない場合(S01:NO)、このフローチャートを終了し、引き続き前述のSLAM機能によるAGV4の制御を継続する。制御がランドマークモードに入っている場合(S01:YES)、このランドマークモードの制御が最初の実行であるかどうかが確認される(S02)。
制御が最初のランドマークモードである場合(S02:YES)、SLAMでの推定位置姿勢結果に基づく、それぞれのランドマーク21、22の位置を推定する(S03)。制御が2回目以降のランドマークモードである場合(S02:NO)、前回のランドマークモードにおける推定位置姿勢およびオドメトリ情報からのそれぞれのランドマーク21、22の位置を推定する(S04)。
S03、S04において具体的には、SLAM上での目標位置姿勢情報、SLAM上での現在位置姿勢、目標停止位置基準でのランドマークの両端点座標、およびオドメトリ情報が、図2において、AGVコントローラ51からランドマーク検出・自己位置姿勢推定部53に送られる(図2の矢印t)。以降の処理は主に、ランドマーク検出・自己位置姿勢推定部53において行われる。
次に、ランドマーク検出・自己位置姿勢推定部53は、得られた上記の情報から、それぞれのランドマークの暫定的直線式を算出する(S05)。ランドマークモード中にLRF3が取得した検知データは、LRF3からランドマーク検出・自己位置姿勢推定部53に送られており(図2の矢印u)、ランドマーク検出・自己位置姿勢推定部53は、LRFからのデータのうち、上記で求めた直線式近傍のデータを選別する(S06)。
ここで、図5を参照して、直線式近傍のデータの選別方法を説明する。図5には、1つのランドマーク21とLRF3搭載のAGV4の平面図が示されている。ここで図5にランドマーク21として示されているのは、上記のランドマークの暫定的直線式から得られた暫定位置である。この図では、ランドマーク21の1つだけについて説明するが、他方のランドマーク22についても同様の方法がとられる。
破線Sは、LRF3が、ランドマーク21を検知するのに使用されるレーザスキャンの範囲を示している。レーザスキャン角度3aは、ランドマーク21の暫定位置に対して定められた余裕幅3bの範囲内を含んで設定される。また、ランドマーク21の検知に使用するデータの最も遠い距離は、ランドマーク21の暫定位置の最も遠い位置21bから余裕幅3bを含んだLmに設定される。ランドマーク21の板面に垂直な方向の選別範囲は、ランドマーク21を真ん中に含んで紙面で上下に余裕幅3b離れた幅3cが設定される。結果として、この図でランドマーク21の位置検知のために選別(採用)されるデータは、楕円形21cに接する破線の範囲内で検知されたものに設定されている。LRF3に得られたデータにレーザ反射強度のばらつきがみられ、ノイズが大きい場合は、反射強度閾値を設定し、この閾値を選別に利用しても良い。
上記のデータの選別の後、選別されたデータを使って、ランドマークの線分を検出する(S07)。線分の検出には、各板状ランドマーク21、22に対して上記のように選別したLRF距離データの点群から最小二乗法や、RANSAC(Random Sample Consensus)等の統計手法を使用して線分を求める。
ここで、図6を参照して、LRF3のレーザスキャンの死角にランドマークの一部が存在した場合の動作について説明する。図6は、ランドマーク21とLRF3搭載のAGV4の平面図である。破線TはLRF3のレーザスキャンの範囲を示しており、紙面の左側の範囲がレーザがスキャンできる範囲であり、矢印3dで示された範囲の角度は、レーザがスキャンできない範囲である。図からわかるとおり、ランドマーク21のレーザが照射可能な最端点21dより紙面で右側にある部分は、LRF3では検知できない。この場合は、見える範囲のデータ点群から直線の式を求め、板状ランドマーク21の視野内にある片方の端点座標を算出してそこから板状ランドマーク21の死角にある端点座標を算出する。
2つのランドマーク21、22の線分検出動作が終了すると、2つの線分の検出が成功して得られているかどうかが調べられる(S08)。2つの線分検出が成功している場合(S08:YES)、それぞれの線分から目標位置を通る平行な直線を求め、その交点から目標位置を算出する(S09)。
上記の目標位置Gは、次のように算出される。
すなわち図3におけるランドマーク21、22の線分式が、それぞれ順に、
Figure 0007434943000001
として得られたとき、これらの式について、ランドマーク21の線分式を距離L1だけ平行移動した破線(理想的には22a)、およびランドマーク22の線分式を距離L2だけ平行移動した破線(理想的には21a)の式を、計算する。これらがそれぞれ順に、
Figure 0007434943000002
として得られたとき、目標位置G(x、y)の座標は、[数2]の上記方程式を解いて次の式で得られる。
Figure 0007434943000003
ただし、a≠aである。
ここで、P、P、Q、Q、a、a、b、b、c、cは定数で、x、yは、座標に係る変数である。
このとき、図3に示された目標座標Gの計算とは別に、LRF3で検知されたランドマーク21の端点21e、21fの座標から、AGV4の向きの角度である図3に示す姿勢角度θが計算される。ランドマーク22の端点22e、22fの座標からもAGV4の姿勢角度θが計算され、2つのランドマーク21、22から計算された姿勢角度θの平均値を現在のAGV4の姿勢角度θとして決定する。
図4のフローチャートS08において、2つの線分検出が成功していない場合(S08:NO)、ランドマーク21かランドマーク22のどちらかは検出されているかどうかが調べられる(S10)。片方のランドマークが検出されている場合(S10:YES)、検出された片方の線分から、目標位置を算出する(S11)。具体的には、例えばランドマーク22のみが検知されている場合、ランドマーク22の2つの端点22e、22fから等距離にある、ランドマーク22の板面に垂直な距離L2離れた点が目標位置Gとして算出される。ランドマーク21のみが検出された場合もランドマーク21の端点に基づいて目標位置Gが算出される。
このとき、目標座標Gの計算とは別に、LRF3で検知された片方のランドマーク21または22の端点21e、21f、または22e、22fの座標から、AGV4の向きの角度θが計算され、現在のAGV4の姿勢角度θとして決定される。
ランドマーク21、22のどちらも検出に成功していない場合(S10:NO)、前回の線分検出結果とオドメトリ情報から目標位置G、および姿勢角度θが算出される(S12)。このようにして、S09、S11、S12のいずれかのステップで算出された目標位置Gと姿勢角度θが、ランドマーク検出・自己位置姿勢推定部53からAGVコントローラ51に送信され(図2の矢印v)(S13)、1サイクルのランドマークモードが終了する。目標位置Gと姿勢角度θを受信したAGVコントローラ51は、AGV4がそれらの値が0(LRF3の原点と姿勢角度0)を目標として駆動するように制御情報を送信する(図2の矢印r)。
このランドマークモード中は、目標座標Gと姿勢角度θが設定された閾値以下(LRF3の座標系で制御しているので、理想的にはどちらも0になるまで)になるまで上述の制御がループし、目標位置、目標姿勢が許容誤差範囲内となったところで終了する。
次に図7、図8を参照して、本実施形態の効果について説明する。
図7は、従来例を説明する為の模式図で、図8は、本実施形態を説明するための模式図である。図7については、上記で説明したように、ランドマーク7の検知誤差のため2点鎖線の位置までランドマーク7の検知がずれる恐れがあり、矢印74で示すごとく誤差が生じる様子がわかる。
図8を参照して本実施形態においては、2つのランドマーク21、22を用いて、それぞれのランドマークの線分式をLRF3の検知データから推定し、その2つの推定式を、ランドマーク21の線分式については距離L1、ランドマーク22の線分式については、距離L2の平行移動をさせた2つの直線式の交点を目標座標Gとして算出する。図8上においては、検知のばらつきを実線と2点鎖線で描かれたランドマークで示している。
図8に示すように、直線式の角度のばらつきは、2直線の交点を求める場合、交点座標のばらつきに影響を与えづらいので、この方法により算出された目標位置Gは、ランドマーク21、22の角度的な検知について誤差の影響を極力減らすことができる。したがって、本実施形態においては、従来例に比較して、ランドマーク21、22の検知誤差に影響されずに充分高い精度で、目標位置(目標位置に対する自己位置)を推定することができる。
すなわち、目標位置姿勢の推定が精度良く行われることによって自律走行車を精度良く目標位置姿勢まで自律走行させる事が可能となる。
(第2実施形態)
次に、図9を参照して、第2実施形態を説明する。図9は、本実施形態を説明するための平面図である。本実施形態が、第1実施形態と異なっている点は、他方のランドマーク23が、円柱形状を有する点である。一方のランドマーク21は、矩形状の平面を有しており、第1実施形態と同じランドマーク21である。その他の構成については、同等であるので、第1実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。図9には、ランドマーク21、23と説明のためのLRF3搭載のAGV4が描かれている。
本実施形態では、目標位置Gは、図9に示すように、ランドマーク21の板面から垂直に距離L1離れたランドマーク21の板面に平行な直線21eと、ランドマーク23の中心23aから距離L3の円23bの交点Gとして設定されている。本実施形態において、ランドマークモードに入るまでのSLAM機能によるAGV4の制御は、第1実施形態と同じであって、同様の制御によって、第1実施形態で述べたランドマークモードに入る。
図10は、本実施形態におけるランドマークモードの動作のアルゴリズムを示したフローチャートである。ランドマークモードに制御が切り替わった場合は、以降の制御に利用される座標系は、第1実施形態と同様に、AGV4のLRF3の原点(レーザ照射源)を基準として行われる。
図10において、S21からS27のステップについては、第1実施形態における図4のS01からS07と同等であるので、ここでは、第1実施形態と異なっている円柱形状を有するランドマーク23の検知について焦点を当てて説明する。
S25からS27は、板状ランドマーク21の両端部を含む直線式を検知する処理であるが、その処理と平行して、S34からS36の円柱形状のランドマーク23に関する処理が行われる。
ランドマーク23に関する処理は、まず、LRF3から取得してデータのうち、推定した円柱状ランドマーク23の近傍のデータを選別する(S34)。
ここで、図11を参照して、直線式近傍のデータの選別方法を説明する。図11には、1つの円柱状ランドマーク23とLRF3搭載のAGV4の平面図が示されている。ここで図11にランドマーク23として示されているのは、前処理で前回のSLAM機能による処理、またはランドマークモードによる処理で得られたデータ(SLAM上での目標位置姿勢情報、SLAM上での現在位置姿勢、目標停止位置基準でのランドマーク23の中心座標、およびオドメトリ情報等)から暫定的に推定されたれた暫定位置である。
破線Uは、LRF3が、ランドマーク23を検知するのに使用されるレーザスキャンの範囲を示している。レーザスキャン角度3eは、ランドマーク23の暫定位置に対して余裕角度分を含んで設定される。また、ランドマーク23の検知に使用するデータのLRF3からの距離範囲は、暫定円柱状ランドマーク23までの距離に対して、円柱状ランドマーク23の直径も考慮し、余裕幅3fを含んで3gの範囲内に設定される。結果として、この図でランドマーク23の位置検知のために選別(採用)されるデータは、扇形の幅3gの部分23bの範囲内で検知されたものに設定されている。なお、LRF3によって検知される円柱状ランドマーク23の形状は、曲面における反射等の影響で、図11上示す板面23cとして検知されており、反射強度に閾値を設けて閾値以上のデータを採用する。
上記のデータ選別の後、選別されたデータを使って、ランドマーク23の中心座標を検出する(S35)。上述のように円柱状ランドマーク23は、直線状の点群として検知されるので、これを平均化し、円柱状ランドマーク23の半径を加えてLRF3から円柱状ランドマーク23の中心までの距離を算出する。またLRF3からみて反射強度が最大になる角度が円柱状ランドマーク23の中心であり、最大反射強度から角度を算出する。ここで求めた距離と角度より、円柱状ランドマーク23の中心座標を求める。
図9に示す通り、目標位置Gは、円柱状ランドマーク23の中心23aから距離L3の位置に設定されているので、上記で求めた円柱状ランドマーク23の中心座標から、L3の距離を半径とした円の式を算出する(S36)。
2つのランドマーク21、23の検出動作が終了すると、2つのランドマークの検出が成功しているかどうかが調べられる(S28)。2つのランドマーク21、23の検出が成功している場合(S28:YES)、ランドマーク21の線分式を距離L1平行移動した直線式とランドマーク23の円の式の交点から目標位置Gを算出する(S29)。
上記の目標位置Gは、次のように算出される。
すなわち図9におけるランドマーク21の線分式から、距離L1平行移動した直線21eの式が、第1実施形態と同じ方法により、次のように得られる。
Figure 0007434943000004
ここで、a、b、cは定数である。また、円柱状ランドマーク23の中心座標が(xr、yr)として求められたときの半径l(L3)の円は、以下のように得られる。
Figure 0007434943000005
ここで、[数4]と[数5]の連立方程式をとくと、交点座標G(x、y)は、以下のように求められる。
Figure 0007434943000006
また、AGV4の姿勢角度θは、板状ランドマーク21と円柱状ランドマーク23の位置関係から一般的な数式を解くことによって求めることができる。
図10のフローチャートS28において、2つのランドマーク検出が成功していない場合(S28:NO)、板状ランドマーク21のみが検出されているかどうかが調べられる(S30)。板状ランドマーク21が検出されている場合(S30:YES)、検出された線分から、目標位置を算出する。具体的には、ランドマーク21の2つの端点21e、21fから等距離にある、ランドマーク21の板面に垂直な距離L1離れた点が目標位置Gとして算出される。
このとき、目標座標Gの計算とは別に、LRF3で検知されたランドマーク21の端点21e、21fの座標から、AGV4の向きの角度θが計算され、現在のAGV4の姿勢角度θとして決定される。
板状ランドマーク21の検出に成功していない場合(S30:NO)、前回の検出結果とオドメトリ情報から目標位置G、および姿勢角度θが算出される(S30)。このようにして、S29、S31、S32のいずれかのステップで算出された目標位置Gと姿勢角度θが、ランドマーク検出・自己位置姿勢推定部53からAGVコントローラ51に送信され(図2の矢印v)(S33)、1サイクルのランドマークモードが終了する。目標位置Gと姿勢角度θを受信したAGVコントローラ51は、AGV4がそれらの値が0を目標(LRF3の原点と姿勢角度0)として駆動するように制御情報を送信する(図2の矢印r)。
このランドマークモード中は、目標座標Gと姿勢角度θが設定された閾値以下(LRF3の座標系で制御しているので、理想的にはどちらも0になるまで)になるまで上述の制御がループし、目標位置、目標姿勢が許容誤差範囲内となったところで終了する。
次に図12を参照して、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、2つのランドマーク21、23を用いて、板状ランドマーク21の線分式と円柱状ランドマーク23の中心座標をLRF3の検知データから推定し、ランドマーク21の直線式を、距離L1の平行移動をさせた直線式と、円柱状ランドマーク23の中心座標を中心とした半径L3(l)の円の式を求め、その交点を目標座標Gとして算出する。図12上においては、板状ランドマークの検知のばらつきを実線と2点鎖線で描かれたランドマークで示している。
図12に示すように、直線式の角度のばらつきは、直線式と円の交点を求める場合、交点座標のばらつきに影響を与えづらいので、この方法により算出された目標位置Gは、ランドマーク21の角度的な検知について誤差の影響を極力減らすことができる。したがって、本実施形態においては、従来例に比較して、ランドマーク21の検知誤差に影響されずに充分高い精度で、目標位置(目標位置に対する自己位置)を推定することができる。
すなわち、目標位置姿勢の推定が精度良く行われることによって自律走行車を精度良く目標位置姿勢まで自律走行させる事が可能となる。
また、円柱状ランドマーク23を使用するので、特にランドマークとして、板状のものを改めて設置しなくても、作業台や机の脚等、作業現場に備えられた設備を円柱形状のランドマークとして採用でき、位置の推定精度を担保しつつ、容易にランドマークを構成することができる。
(第3実施形態)
次に、図13を参照して、第3実施形態を説明する。図13は、本実施形態を説明するための平面図である。本実施形態が、第2実施形態と異なっている点は、2つのランドマーク23、24が、円柱形状を有する点である。その他の構成については、同等であるので、第2実施形態と同じ符号を付し、説明を省略する。図13には、ランドマーク23、24と説明のためのLRF3搭載のAGV4が描かれている。
本実施形態では、目標位置Gは、図13に示すように、ランドマーク23の中心23aから距離L3の円23bと、ランドマーク24の中心24aから距離L4の円24bとの交点Gとして設定されている。本実施形態において、ランドマークモードに入るまでのSLAM機能によるAGV4の制御は、第1実施形態と同じであって、同様の制御によって、第1実施形態で述べたランドマークモードに入る。
図14は、本実施形態におけるランドマークモードの動作のアルゴリズムを示したフローチャートである。ランドマークモードに制御が切り替わった場合は、以降の制御に利用される座標系は、第1実施形態と同様に、AGV4のLRF3の原点(レーザ照射源)を基準として行われる。
図14において、S41からS44のステップについては、第1実施形態における図4のS01からS04と同等である。また、図14のS45からS47のステップは、第2実施形態における図10のS34からS36と同等である。したがって、ここでは、第1実施形態、第2実施形態と異なっている円柱形状を有する2つのランドマーク23、24を利用した自己位置推定について焦点を当てて説明する。
第2実施形態のS34からS36の処理と同等の処理をランドマーク23と24に行い、ランドマーク23と24の中心座標を求め、図13に示す通り、目標位置Gは、円柱状ランドマーク23の中心23aから距離L3、および円柱状ランドマーク24の中心24aから距離L4、の位置に設定されているので、上記で求めた円柱状ランドマーク23、24の中心座標から、それぞれL3、L4の距離を半径とした2つの円の式を算出する(S45からS47)。
2つのランドマーク23、24の検出動作が終了すると、2つのランドマークの検出が成功しているかどうかが調べられる(S48)。2つのランドマーク23、24の検出が成功している場合(S48:YES)、ランドマーク23とランドマーク24の円の式の交点から目標位置Gを算出する(S49)。
上記の目標位置Gは、次のように算出される。
円柱状ランドマーク23の中心座標が(x、y)、として求められたときの半径l(L3)の円の式と、円柱状ランドマーク23の中心座標が(x、y)、として求められたときの半径l(L4)の円の式は、それぞれ順に以下のように得られる。
Figure 0007434943000007
ここで、上記の連立方程式をとくと、交点座標G(x、y)は、以下のように求められる。
Figure 0007434943000008
ただし、
Figure 0007434943000009
である。
また、AGV4の姿勢角度θは、2つの円柱状ランドマーク23、24の位置関係から一般的な数式を解くことによって求めることができる。
図14のフローチャートS48において、2つのランドマーク検出が成功していない場合(S48:NO)、前回の検出結果とオドメトリ情報から目標位置G、および姿勢角度θが算出される(S50)。このようにして、S49、S50のいずれかのステップで算出された目標位置Gと姿勢角度θが、ランドマーク検出・自己位置姿勢推定部53からAGVコントローラ51に送信され(図2の矢印v)(S51)、1サイクルのランドマークモードが終了する。目標位置Gと姿勢角度θを受信したAGVコントローラ51は、AGV4がそれらの値が0を目標(LRF3の原点と姿勢角度0)として駆動するように制御情報を送信する(図2の矢印r)。
このランドマークモード中は、目標座標Gと姿勢角度θが設定された閾値以下(LRF3の座標系で制御しているので、理想的にはどちらも0になるまで)になるまで上述の制御がループし、目標位置、目標姿勢が許容誤差範囲内となったところで終了する。
次に図15を参照して、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、2つのランドマーク23、24を用いて、2つの円柱状ランドマーク23、24の中心座標をLRF3の検知データから推定し、円柱状ランドマーク23の中心座標を中心とした半径L3(l)の円の式と、円柱状ランドマーク24の中心座標を中心とした半径L4(l)の円の式と、を求め、その交点を目標座標Gとして算出する。
図15に示すように、本実施形態では、2つのランドマークから求めた2つの円の交点によって目標位置Gを算出する。したがって、本実施形態においては、従来例に比較して、ランドマーク23、24を2系統の独立した手順で検知するので、検知誤差の影響を極力押さえて高い精度で、目標位置(目標位置に対する自己位置)を推定することができる。
すなわち、目標位置姿勢の推定が精度良く行われることによって自律走行車を精度良く目標位置姿勢まで自律走行させる事が可能となる。
また、ランドマーク23、24として、円柱形状のものだけを使用するので、特別にランドマーク用の構造物を配置しなくても、作業台や机の脚等、作業現場に備えられた設備を円柱形状のランドマークとして採用でき、自律走行車が使用される現場で、容易にランドマークを構成することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、説明する。本実施形態が、上記の第1から第3実施形態と異なる点は、ランドマークモードにおける、目標位置Gと姿勢角度θの推定に拡張カルマンフィルタを用いる点である。(以降、目標位置Gと姿勢角度Gをあわせて、目標位置姿勢と呼称する。)したがって、ランドマークの種類の組合せや、目標位置Gや姿勢角度θの基本的な算出方法は、上述のそれぞれの実施形態と同じである。
ここにおいて、AGVコントローラ51に最終段階で送信する目標位置姿勢は、目標停止位置と目標姿勢角度までの残差であり、これはLRF3の座標系においては、目標位置姿勢(x、y、θそのものである。また、制御入力はオドメトリ変化量(dx dy dθと記載し、ランドマーク検出結果を幾何計算して得られるLRF3座標系の目標位置姿勢の観測値を(z (x)、z (y)、z (θ)とすると、拡張カルマンフィルタにおける状態モデルと観測モデルは、以下のようになる。
Figure 0007434943000010
ここで、wは、制御信号に対するノイズ成分を表し、vは、観測センサに対するノイズ成分を表しており、期待値は0で、ある幅をもって変動している。
これから得られるヤコビアンは、以下のようになる。
Figure 0007434943000011
ここでHは単位行列となり、式を単純化できる。
続いて予測を行う。状態の予測は、状態モデルのノイズを除いた式で以下のように計算する。
Figure 0007434943000012
誤差共分散行列は制御ノイズの共分散行列Qを用いて以下の通りとなる。
Figure 0007434943000013
ここで出てくる制御ノイズの共分散行列は、本来のAGV4の制御誤差を計測してばらつきを求めて設定する。また誤差共分散行列の初期値Pは、0としている。
続いて誤差共分散行列の更新を行う。実際の観測と状態から予測される観測との差eを以下のように求める。
Figure 0007434943000014
上記の値を使って観測誤差の共分散行列Sを求める。Hkは上述したように単位行列であるので、以下のように式を単純化できる。
Figure 0007434943000015
ここで観測ノイズの共分散行列Rは、ランドマーク検出結果のばらつきを計測して設定する。
続いてカルマンゲインKを以下のように求める。
Figure 0007434943000016
最後に、状態と誤差共分散行列を更新する。
Figure 0007434943000017
以上で状態の更新が完了する。AGVコントローラ51へは、目標位置姿勢の残差として、
Figure 0007434943000018
を送信する。
本実施形態においては、目標位置姿勢の推定に、拡張カルマンフィルタを使用するので、LRF3の観測ノイズ、及びAGV4への制御ノイズを最小とするように最適化した予測値を使用でき、実施形態1から3の作用効果に加え、さらに高精度な制御が可能となる。すなわち、目標位置姿勢の推定がさらに高精精度に行われることによって自律走行車を精度良く目標位置姿勢まで自律走行させる事が可能となる。また、拡張カルマンフィルタの制御については、LRF3の座標系でおこなわれ、目標位置姿勢は、LRF3の座標系における原点であり、姿勢角度0が目標として制御される。したがって、制御アルゴリズムの構成を簡便に実装可能となる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態を説明する。本実施形態が、第1実施形態と異なる点は、ランドマークとして、板状ランドマーク21の一つだけを用い、目標位置姿勢の推定に第4実施形態と同様の拡張カルマンフィルタを用いる点である。すなわち、第1実施形態における図5に示したのと同等の構成を採用する。1つの板状ランドマーク21から目標位置姿勢を算出する動作は、第1実施形態の図4のフローチャートS11の動作と同等である。その結果に対して第4実施形態で説明した拡張カルマンフィルタを用いる。
この構成により、本実施形態では、板状ランドマーク21を1つだけ用い、位置の推定を拡張カルマンフィルタに基づいて行うので、簡便なランドマークの構成を用いて高い精度の目標位置姿勢の推定が可能となる。すなわち、目標位置姿勢の推定が精度良く行われることによって自律走行車を精度良く目標位置姿勢まで自律走行させる事が可能となる。また、拡張カルマンフィルタの制御については、LRF3の座標系でおこなわれ、目標位置姿勢は、LRF3の座標系における原点であり、姿勢角度0が目標として制御される。したがって、第4実施形態と同様に、制御アルゴリズムの構成を簡便に実装可能となる。
上記の実施形態では、自律走行車として、AGV(無人搬送車)を例示したが、これに限定されず、自律走行で制御されるものであれば、例えば掃除ロボットや、ロボットアームを備えて、作業台で作業するようなロボットであってよく、本発明は、LRFを備えて自律走行する機能が備わっているすべてのシステムに適用可能である。
1 自己位置制御システム
21、22、23、24 ランドマーク
3 レーザレンジファインダ(LRF)
4 自律走行車(AGV)
5 制御装置

Claims (7)

  1. 2つのランドマークと、
    レーザレンジファインダを備えた自律走行車と、
    該自律走行車を制御する制御装置と、を備え、
    該制御装置は、前記レーザレンジファインダによって検出された前記2つのランドマークの位置データに基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定し、
    前記2つのランドマークは、矩形状の平面を有し、前記制御装置は、前記レーザレンジファインダが取得したデータから推定された、前記2つのランドマークそれぞれの、前記矩形状の平面の2つの端部を含む直線式に基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定し、
    前記目標位置姿勢の推定は、
    前記2つのランドマークの前記直線式から予め定められたそれぞれの距離だけ移動した目標位置を通る平行な直線を求め、その交点から目標位置を算出し、
    いずれかまたは双方のランドマークの2つの端点の座標から、前記2つのランドマークに対して予め定められた基準方向を0度とするときの前記自律走行車の進行方向の角度である姿勢角度を算出する、自己位置制御システム。
  2. 2つのランドマークと、
    レーザレンジファインダを備えた自律走行車と、
    該自律走行車を制御する制御装置と、を備え、
    該制御装置は、前記レーザレンジファインダによって検出された前記2つのランドマークの位置データに基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定し、
    前記2つのランドマークの一方は、矩形状の平面を有し、前記2つのランドマークの他方は、円柱形状を有し、前記制御装置は、前記レーザレンジファインダが取得したデータから推定された、前記一方のランドマークの前記矩形状の平面の2つの端部を含む直線式と、前記他方のランドマークの前記円柱形状の中心座標と距離と、に基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定し、
    前記目標位置姿勢の推定は、
    前記一方のランドマークの前記直線式から予め定められた第1の距離だけ平行移動した直線式と、前記他方のランドマークの前記中心座標から予め定められた第2の距離を半径とする円との交点から目標位置を算出し、
    前記一方のランドマークの2つの端点の座標から、前記2つのランドマークに対して予め定められた基準方向を0度とするときの前記自律走行車の進行方向の角度である姿勢角度を算出する、自己位置制御システム。
  3. 2つのランドマークと、
    レーザレンジファインダを備えた自律走行車と、
    該自律走行車を制御する制御装置と、を備え、
    該制御装置は、前記レーザレンジファインダによって検出された前記2つのランドマークの位置データに基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定し、
    前記2つのランドマークは、円柱形状を有し、前記制御装置は、前記レーザレンジファインダが取得したデータから推定された、前記2つのランドマークの前記円柱形状の中心座標と距離に基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定し、
    前記目標位置姿勢の推定は、
    前記2つのランドマークのそれぞれの中心座標から予めそれぞれ定められた距離を半径とする2つの円の交点から目標位置を算出し、
    前記2つのランドマークのそれぞれの中心座標から、前記2つのランドマークに対して予め定められた基準方向を0度とするときの前記自律走行車の進行方向の角度である姿勢角度を算出する、自己位置制御システム。
  4. 前記制御装置は、
    前記自律走行車の目標位置姿勢の推定は拡張カルマンフィルタに基づいて行うこと、
    前記推定された目標位置姿勢に基づいて前記自律走行車を移動すること、
    前記移動後の前記自律走行車の推定目標位置姿勢が前記レーザレンジファインダの原点を目標とすること、
    を含む制御を行う、請求項1から3のいずれか1項に記載の自己位置制御システム。
  5. 矩形状の平面を有する1つのランドマークと、
    レーザレンジファインダを備えた自律走行車と、
    該自律走行車を制御する制御装置と、を備え、
    該制御装置は、
    前記レーザレンジファインダが取得したデータから推定された、前記ランドマークの前記矩形状の平面の端部の座標に基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定すること、
    前記目標位置姿勢の推定は、
    前記ランドマークの2つの端から等距離にある、前記ランドマークの板面に垂直な予め定められた距離だけ離れた点を目標位置として算出し、
    前記ランドマークの2つの端点の座標から、前記ランドマークに対して予め定められた基準方向を0度とするときの前記自律走行車の進行方向の角度である姿勢角度を算出し、
    前記自律走行車の目標位置姿勢の推定は拡張カルマンフィルタに基づいて行うこと、
    前記推定された目標位置姿勢に基づいて前記自律走行車を移動すること、
    前記移動後の前記自律走行車の推定目標位置姿勢が前記レーザレンジファインダの原点を目標とすること、
    を含む制御を行う、自己位置制御システム。
  6. レーザレンジファインダを備えた自律走行車の制御方法であって、
    矩形状の平面を有する2つのランドマークを設けること、
    前記レーザレンジファインダで前記2つのランドマークを検出すること、
    前記検出データから前記2つのランドマークそれぞれの、前記矩形状の平面の2つの端部を含む直線式を推定すること、
    前記推定した2つの直線式に基づいて前記自律走行車の目標位置姿勢を推定すること、
    を含み、
    前記目標位置姿勢を推定することは、
    前記2つのランドマークの前記直線式から予め定められたそれぞれの距離だけ移動した目標位置を通る平行な直線を求め、その交点から目標位置を算出すること、
    いずれかまたは双方のランドマークの2つの端点の座標から、前記2つのランドマークに対して予め定められた基準方向を0度とするときの前記自律走行車の進行方向の角度である姿勢角度を算出すること、を含む自律走行車の自己位置制御方法。
  7. 前記自律走行車の目標位置姿勢の推定は拡張カルマンフィルタに基づいて行うこと、
    前記推定された目標位置姿勢に基づいて前記自律走行車を移動すること、
    前記移動後の前記自律走行車の推定目標位置姿勢が前記レーザレンジファインダの原点を目標とすること、
    を含む制御を行う、請求項6に記載の自律走行車の自己位置制御方法。
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