JP7433432B2 - 電子機器の筐体および電子機器 - Google Patents
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Description
このような電子機器の中には、意匠性等の観点から、額縁を狭くした電子機器がある。これを以下では、狭額縁電子機器と称する。狭額縁電子機器には、一例として、狭額縁ディスプレイがある。
一方で、接着剤は、電子部品に付着すると、電子部品を故障および動作不良させることがある。
そこで、狭額縁電子機器の中には、開口周部に塗布する接着剤を電子部品に付着させないために、例えば、筐体の開口周部における一部の領域である、電子部品に近い領域に、接着剤を塗布しない領域(以下、オープンエリアとも称する。)を設けたものがある。
これに対し、前記特許文献1の技術を、狭額縁電子機器に適用し、筐体に凸部を一体に形成することが考えられる。この場合、凸部は、筐体の開口周部におけるオープンエリアと接着剤を塗布する領域との境界に形成される。
しかしながら、筐体に前記のように凸部を形成した場合、蓋体は、筐体の凸部と接触する。一般に、電子機器の筐体は、内部の電子部品を保護するように、蓋体よりも硬い材質で構成されることが多く、そのような材質の場合、蓋体が傷付いてしまうといった課題があった。
開口を有し、開口周部に接着剤を介して蓋体が接着される電子機器の筐体であって、開口周部は、接着剤が塗布される領域と接着剤が塗布されない領域とを有し、
接着剤が塗布されない領域に凹状の筐体開口部を備え、
筐体開口部は、筐体開口部における対向する面の間を繋ぐ面を有し、
開口周部における接着剤が塗布される領域と接着剤が塗布されない領域との境界に沿って、開口周部から突出する、蓋体を傷付けない硬度のスペーサを備え、
スペーサは、
筐体開口部の対向する面それぞれに沿って配置された立設部と、
筐体開口部における、対向する面の間を繋ぐ面に沿って配置され、立設部の間を繋ぐ接続部と、を有し、
立設部および接続部は、開口周部から突出している、
ように構成したものである。
実施の形態1に係る電子機器の筐体について、図1から図6を用いて説明する。図1から図6においては、電子機器がディスプレイ1000である例を示している。さらに具体的には、ディスプレイ1000は、例えば狭額縁ディスプレイである。
図1において、ディスプレイ1000は、カバーリア1と、LCDモジュール4と、カバーガラス5と、を備えている。
カバーリア1は、ディスプレイ1000の筐体である。ディスプレイ1000の筐体は、本開示における電子機器の筐体の一例である。カバーリア1の詳細は、後述する。
LCD(Liquid crystal display)モジュール4は、本開示に係る電子機器において電子部品を有する構成部である。例えば、LCDモジュール4は、ディスプレイ1000において表示機能を実現するための電子部品を有する。LCDモジュール4は、表示用の液晶パネルといった板状の部品4a、および、液晶パネルに電気信号を供給する電子部品等が実装された基板4b等から構成されている。LCDモジュール4は、光学ボンディング材等を用いて、カバーガラス5に貼り付けられている。なお、図1において、光学ボンディング材は、図示されていない。LCDモジュール4は、既知の技術により実現される構成であるため、より詳細な説明は、省略する。
カバーガラス5は、ディスプレイ1000の蓋体である。ディスプレイ1000の蓋体は、本開示における電子機器の筐体に接着される蓋体の一例である。
カバーガラス5は、例えば、透過性を有するガラスまたはプラスチックといった材料で構成されている。
なお、ディスプレイ1000に関し、カバーリア1、LCDモジュール4およびカバーガラス5以外の構成を含む場合がある。その構成の図示は、本開示においては、省略される。
図2は、本開示に係る電子機器の筐体を示す斜視図であり、図3は、図2におけるA-B-C-D線で囲まれた領域の拡大図であり、図4は、実施の形態1に係る電子機器の筐体における筐体開口部を示す斜視図である。
カバーリア1は、図2に示すように、開口11および開口周部12を有し、開口周部12に接着剤3を介してカバーガラス5が接着されるものである。
開口周部12は、図3に示すように、接着剤が塗布される領域12aと接着剤が塗布されない領域12bとを有している。接着剤が塗布されない領域12bは、図1に示す各構成を組み立てた後に、LCDモジュール4の基板4bから近い位置に設けられている。
カバーリア1には、開口周部12における接着剤が塗布される領域12aと接着剤が塗布されない領域12bとの境界に、開口周部12から突出する、蓋体であるカバーガラス5を傷付けない硬度のスペーサ2が取り付けられている。
具体的には、カバーリア1は、開口周部12における接着剤が塗布されない領域12bに凹状の筐体開口部13を備えている。筐体開口部13は、接着剤が塗布されない領域12bから掘り下げられたような形状である。
筐体開口部13は、図4に示すように、互いに対向する面13aおよび面13a´を有している。互いに対向する面13aおよび面13a´に関し、説明が冗長になるのを避けるため、以下、“対向する面13a,13a´”と記載される場合がある。
対向する面13a,13a´は、開口周部12における接着剤が塗布される領域12aと接着剤が塗布されない領域12bとの境界、かつ、接着剤が塗布されない領域12bの両端に形成されている。
筐体開口部13は、カバーリア1の開口11に続く空間を有するとともに、対向する面13aと面13a´との間を繋ぐ面13bを有している。面13bに関し、以下では、“対向する面の間を繋ぐ面13b”とも記載される。
図5は、実施の形態1に係る電子機器の筐体に設けられるスペーサを示す斜視図である。
スペーサ2には、カバーガラス5を傷付けない硬度の材料が用いられている。例えば、スペーサ2には、ガラスまたはプラスチックの硬度以下の材料であって、ガラスまたはプラスチックに比して柔らかい性質を有する材料が用いられている。より好ましい材料の具体例は、ゴムまたはクッション材といった、外力が加えられると外力に応じて変形する性質および元の形状に戻ろうとする性質を有する材料である。
立設部21,21´は、筐体開口部13の対向する面13a,13a´それぞれに沿って配置される構成部である。
スペーサ2の立設部21,21´は、図3に示すように、カバーリア1の開口周部12における、接着剤が塗布される領域12aと接着剤が塗布されない領域12bとの境界であって、接着剤が塗布されない領域12bの両端に配置される。
具体的には、立設部21は、筐体開口部13における、対向する面13a,13a´のうちの面13aに沿って配置され、立設部21´は、筐体開口部13における、対向する面13a,13a´のうちの面13a´に沿って配置される。
接続部22は、筐体開口部13における、対向する面の間を繋ぐ面13bに沿って配置される構成部である。
立設部21,21´および接続部22の高さaは、筐体開口部13の高さa´よりも高さ(a-a´)分高い。高さ(a-a´)は、カバーリア1における開口周部12に塗布される接着剤3の厚みよりも高く設計されている。
すなわち、スペーサ2の立設部21,21´および接続部22はそれぞれ、スペーサ2が筐体開口部13に配置された状態で、開口周部12から突出する突出部を有している。
接続部22の長さbは、筐体開口部13の対向する面13a,13a´の間の長さb´より長くしてもよい。これにより、スペーサ2は、スペーサ2をカバーリア1に取り付ける際に、例えば、スペーサの両端から立設部21および立設部21´に力が加えられることで、接続部22が少し曲げられて筐体開口部13に挿入される。挿入後には、接続部22が元の形状に戻ろうとする力が働くため、スペーサ2の両方の立設部21,21´は、カバーリア1の筐体開口部13の対向する面13a,13a´をそれぞれ付勢する。そのため、接着剤を用いずにスペーサ2をカバーリア1に取り付けることができ、取り付ける際の作業性が向上する。一方、接着剤を用いてスペーサ2をカバーリア1に取り付けた場合は、接着剤を用いない場合より、さらに外れにくくなる。
すなわち、スペーサ2における接続部22の長さbは、筐体開口部13の対向する面13a,13a´の間の長さb´以上に設計されていればよい。
図6における図6A、図6Bおよび図6Cは、実施の形態1に係る電子機器の筐体に関し、図1および図2に示すカバーリア1に、図1に示すカバーガラス5を接着させる状態を示す説明図である。図6A、図6Bおよび図6Cそれぞれにおいて、図面に向かって左の図は、図3の矢印Fが指す方向に向かって見た状態を示し、図面に向かって右の図は、図3のG-G線を切断した断面を見た状態を示している。
このとき、接着剤が塗布される領域12aと接着剤が塗布されない領域12bとの境界において、スペーサ2は、立設部21,21´が開口周部12から突出している突出部21a,21´aを有することにより、接着剤が塗布されない領域12bおよび筐体開口部13に、接着剤3が流れ込むことを防止する。
このとき、立設部21における突出部21a,21´aは、変形することによって低くなるものの、依然として、接着剤が塗布される領域12aから接着剤が塗布されない領域12bおよび筐体開口部13に、接着剤3が流れ込むことを防止できる。特に、スペーサ2の材料としてゴムまたはクッション材といった材料を用いた場合は、スペーサ2とカバーガラス5とがより密着するため、スペーサ2は、接着剤3が流れ込むことをより防止できる。
このようにして、本開示に係る電子機器の筐体において、スペーサ2は、接着剤が塗布されない領域12bおよび筐体開口部13の近くに配置された基板4bおよび基板4bに実装された電子部品それぞれに、接着剤3が付着することを防止できる。
これに加え、スペーサ2の材料として、ESD(Electro-Static Discharge)対策用の材料を選択することで、スペーサ2は、筐体開口部13および開口11に異物等が入り込むことを防ぐとともに、ESDによる悪影響を抑えられる。また、スペーサ2の材料として、異物等が入り込むことを防ぐとともに通気性を有する材料を選択することで、スペーサ2は、筐体開口部13および開口11に異物等が入り込むことを防止するとともに、ファンと組合せて電子部品を冷却する構成を実現できる。
すなわち、本開示に係る電子機器の筐体は、スペーサ2の材料を適宜選択することで、筐体開口部13の近くに配置された、基板4bに実装された電子部品に係る悪影響を防止するようにできる。
実施の形態2に係る電子機器の筐体について、図1、図2および図7から図11を用いて説明する。図1、図2および図7から図11においては、電子機器がディスプレイ1000である例を示している。さらに具体的には、ディスプレイ1000は、例えば狭額縁ディスプレイである。
ここで、実施の形態2に係る電子機器の筐体の一例である、ディスプレイ1000のカバーリアは、実施の形態1に係るカバーリア1における筐体開口部13およびスペーサ2が、筐体開口部103およびスペーサ200に変更されたものである。実施の形態2に係るカバーリアは、実施の形態1に係るカバーリア1と区別するため、以下、カバーリア100と記載される。
カバーリア100以外の構成は、実施の形態1に係る構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
開口周部12は、図7に示すように、接着剤が塗布される領域12aと接着剤が塗布されない領域12bとを有している。接着剤が塗布されない領域12bは、図1に示す各構成を組み立てた後に、LCDモジュール4の基板4bから近い位置に設けられている。
カバーリア100には、開口周部12における接着剤が塗布される領域12aと接着剤が塗布されない領域12bとの境界に、開口周部12から突出する、蓋体としてのカバーガラス5を傷付けない硬度のスペーサ200が取り付けられている。
具体的には、カバーリア100は、開口周部12における接着剤が塗布されない領域12bに凹状の筐体開口部103を備えている。筐体開口部103は、接着剤が塗布されない領域12bから掘り下げられるにしたがって幅が広がる形状を有する。
筐体開口部103は、図9に示すように、互いに対向する面103aおよび面103a´を有している。互いに対向する面103aおよび面103a´に関し、説明が冗長になるのを避けるため、以下、“対向する面103a,103a´”と記載される場合がある。
対向する面103a,103a´は、開口周部12における接着剤が塗布される領域12aと接着剤が塗布されない領域12bとの境界、かつ、接着剤が塗布されない領域12bの両端に、それぞれ傾いて形成されている。
筐体開口部103における対向する面103aと面103a´との間隔は、開口周部12から遠くなるにしたがって広くなっており、開口周部12に近づくにしたがって狭くなっている。
筐体開口部103は、カバーリア100の開口11に続く空間を有するとともに、対向する面103aと面103a´との間を繋ぐ面103bを有している。面103bに関し、以下では、“対向する面の間を繋ぐ面103b”とも記載される。
図10は、実施の形態2に係る電子機器の筐体に設けられるスペーサを示す斜視図である。
スペーサ200の材料は、実施の形態1のスペーサ2の説明と同様である。
立設部201,201´は、図7に示すように、カバーリア1の開口周部12における、接着剤が塗布される領域12aと接着剤が塗布されない領域12bとの境界であって、接着剤が塗布されない領域12bの両端に、それぞれ傾いて配置される。
具体的には、立設部201は、筐体開口部103における、対向する面103a,103a´のうちの面103aに沿って、傾いて配置され、立設部201´は、筐体開口部103における、対向する面103a,103a´のうちの面103a´に沿って、傾いて配置される。
立設部201と立設部201´との間隔は、開口周部12から遠くなるにしたがって広くなっており、開口周部12に近づくにしたがって狭くなっている。
接続部202は、開口周部12に近づくにしたがってカバーリア1の内側に向かって傾いている。
すなわち、スペーサ200の立設部201,201´および接続部202はそれぞれ、スペーサ200が筐体開口部103に配置された状態で、開口周部12から突出する突出部を有している。
すなわち、実施の形態1に係るスペーサ2の接続部22の長さbと同様に、スペーサ200における接続部202の長さは、筐体開口部103の対向する面103a,103a´の間の長さ以上に設計されていればよい。
図11A、図11Bおよび図11Cは、実施の形態2に係る電子機器の筐体に関し、図1および図2に示すカバーリア100に、図1に示すカバーガラス5を接着させる状態を示す説明図である。
図11A、図11Bおよび図11Cそれぞれにおいて、図面に向かって左の図は、図7の矢印Iが指す方向に向かって見た状態を示し、図面に向かって右の図は、図8の図面正面から見た状態を示している。
このとき、接着剤が塗布される領域12aと接着剤が塗布されない領域12bとの境界において、スペーサ200は、立設部201,201´が開口周部12から突出している突出部201a,201´aを有することにより、接着剤が塗布されない領域12bおよび筐体開口部103に、接着剤3が流れ込むことを防止する。
このとき、立設部201における突出部201a,201´aは、上記のとおり傾いて配置されているため、開口周部12における接着剤が塗布されない領域12bの方向に折れ曲がるように変形して低くなるものの、依然として、接着剤が塗布される領域12aから接着剤が塗布されない領域12bおよび筐体開口部103に、接着剤3が流れ込むことを防止できる。特に、スペーサ200の材料としてゴムまたはクッション材といった材料を用いた場合は、スペーサ200とカバーガラス5とがより密着するため、スペーサ200は、接着剤3が流れ込むことをより防止できる。
このようにして、本開示に係る電子機器の筐体において、スペーサ200は、接着剤が塗布されない領域12bおよび筐体開口部103の近くに配置された基板4bおよび基板4bに実装された電子部品それぞれに、接着剤3が付着することを防止できる。
これに加え、スペーサ200の材料として、ESD(Electro-Static Discharge)対策用の材料を選択することで、スペーサ200は、筐体開口部13および開口11に異物等が入り込むことを防ぐとともに、ESDによる悪影響を抑えられる。また、スペーサ200の材料として、異物等が入り込むことを防ぐとともに通気性を有する材料を選択することで、スペーサ200は、筐体開口部13および開口11に異物等が入り込むことを防ぐとともに、ファンと組合せて電子部品を冷却する構成を実現できる。
すなわち、本開示に係る電子機器の筐体は、スペーサ200の材料を適宜選択することで、筐体開口部103の近くに配置された、基板4bに実装された電子部品に係る悪影響を防止するようにできる。
Claims (7)
- 開口を有し、開口周部に接着剤を介して蓋体が接着される電子機器の筐体であって、
前記開口周部は、接着剤が塗布される領域と接着剤が塗布されない領域とを有し、
前記接着剤が塗布されない領域に凹状の筐体開口部を備え、
前記筐体開口部は、前記筐体開口部における対向する面の間を繋ぐ面を有し、
前記開口周部における接着剤が塗布される領域と接着剤が塗布されない領域との境界に沿って、前記開口周部から突出する、前記蓋体を傷付けない硬度のスペーサを備え、
前記スペーサは、
前記筐体開口部の対向する面それぞれに沿って配置された立設部と、
前記筐体開口部における、対向する面の間を繋ぐ面に沿って配置され、前記立設部の間を繋ぐ接続部と、を有し、
前記立設部および前記接続部は、前記開口周部から突出している、
電子機器の筐体。 - 前記接続部の長さは、
前記筐体開口部の対向する面の間の長さ以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の筐体。 - 前記筐体開口部の前記対向する面の間隔および前記スペーサの前記立設部の間隔は、前記開口周部に近づくにしたがって狭くなることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の筐体。
- 前記スペーサの前記接続部は、前記開口周部に近づくにしたがって前記筐体の内側に向かって傾いていることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の電子機器の筐体。
- 前記電子機器の筐体は、ディスプレイの筐体であることを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の電子機器の筐体。
- 請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の電子機器の筐体と、
前記開口周部に接着剤を介して接着された蓋体と、
を備えた電子機器。 - 前記電子機器は、ディスプレイであり、
前記電子機器の筐体は、前記ディスプレイのカバーリアであり、
前記蓋体は、前記ディスプレイのカバーガラスであることを特徴とする請求項6記載の電子機器。
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