JP7433385B2 - 感光性着色組成物、ブラックマトリックス、およびシリコン基板 - Google Patents

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本発明は、シリコン基板、前記シリコン基板上に形成するカラーフィルタおよびブラックマトリックスを備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置のブラックマトリックス形成に使用する感光性着色組成物に関する。
近年、携帯電話機や携帯情報端末などの電子機器において、現在の主流である液晶表示装置では困難であった更なる薄型・軽量化や曲面表示の要求に対応するため、自発光素子である有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)を用いた表示装置の開発・量産化が進んでいる。その中でも、薄型・軽量化の特徴を活かすため、ヘッドマウントディスプレイ、電子ビューファインダなどの高精細かつ0.5インチ程度の小型ディスプレイ(以下、マイクロディスプレイと称する)への応用が期待されている。
有機ELディスプレイの表示方式には、白色発光層を製膜し、カラーフィルタおよびブラックマトリックスを用いてRGB等の色表現をする方式と、RGB等それぞれの色を発光する発光層を蒸着させ色表現する方式の大きく2つの方式がある。マイクロディスプレイは、画素が微細であるため、RGBの発光層を選択的に製膜する方法は非常に困難な状況となっている。そのため、白色発光層にカラーフィルタおよびブラックマトリックスを用いる方式がマイクロディスプレイには積極的に採用されている。
マイクロディスプレイは画素サイズが1μm~10μmと微細であるため、従来から採用されている有機EL素子とカラーフィルタおよびブラックマトリックスを別々の基板に作製し貼り合せる方式では、精度が下がり、色ズレが生じてしまう。そのため、有機EL素子上にカラーフィルタおよびブラックマトリックスを形成する方式が提案されている。
カラーフィルタおよびブラックマトリックスは、インクジェット方式やフォトリソグラフィー法等の製造方法があるが、微細な画素形成が可能なフォトリソグラフィー法の採用が進んでいる。しかしながら、有機発光層は耐熱性が低いため、有機EL素子上にカラーフィルタを形成するには、低温で焼成する必要がある。具体的には、従来のフォトリソグラフィー法では230℃と非常に高温で焼成していたが、100℃程度での焼成が必要となる。しかしながら、着色画素の焼成温度を下げると、硬化が不十分となり、次工程の画素形成時に、塗工した着色組成物に含まれる溶剤による着色画素の剥がれや表面荒れといった問題が発生してしまう。一方で、露光量を上げた場合においては、着色画素に含まれる架橋成分の反応が進行し、硬化は進行するものの、任意のサイズの画素形成することは非常に困難であった。
前記問題点を解決するため、例えば特許文献1ではエポキシ基を含有するアルカリ可溶性樹脂とアミン化合物を含有する着色組成物を用いることにより低温での硬化性を上げる手法が提案されている。しかし、着色組成物中にアミン化合物を添加することにより、カラーフィルタとしての透過率を低下させる恐れがある。また、特許文献2では、オキセタン化合物と、過酸化物骨格を持つベンゾフェノン系化合物を用いることにより、低温で硬化させる手法が提案されている。
またブラックマトリックスの遮光性向上のためには、感光性黒色組成物中の色素の含有量を多くするか、あるいは、膜厚を厚くする必要がある。しかし、色素の含有量を多くする方法においては、感度低下、現像性、解像性が悪化する等の問題が発生する。膜厚を厚くする方法においては、膜底部まで露光光が届かず、パタ-ン形状が不良となる等の問題が発生する。このような問題を解決するため、感光性黒色組成物の高感度化が必要であり、一般的には、(1)光重合開始剤、増感剤の選択あるいは増量、(2)モノマーの選択あるいは増量等が行われる。しかしながら、光重合開始剤や増感剤、モノマーの選択あるいは増量だけでは、感度向上には限界がある。特に、光重合開始剤を増量すると、光重合開始剤特有の色による着色、耐熱性の低下、光透過率の減少、解像力の低下等が生じる。また、モノマーを増量すると、タック等の問題が生じる。
前記問題点を解決するため、例えば特許文献3では2種類以上の有機顔料と高感度光重合開始剤を用いることにより遮光性が高く、かつ、高感度でパターニング特性をあげる手法が提案されている。
特開2012-063745号公報 特開2003-255531号公報 特開2013-207124号公報
液晶表示装置等のカラーフィルタに用いられているブラックマトリクスは、カーボンブラック(CB)を含有する着色組成物の硬化膜が広く用いられている。しかしながらCBを含む着色組成物は、当該CBの光吸収により、塗膜の深部まで光硬化反応が進行しがたかった。そのため、ブラックマトリクスは、高温(例えば230℃)でポストベークする必要があった。有機エレクトロルミネッセンス表示装置においては、発光素子の耐熱性が低いため、前述のように有機EL素子上にカラーフィルタおよびブラックマトリックスを形成する方式では、高温でポストベークすることができず、硬化反応を十分に促進することができなかった。一方、光照射強度を挙げると、露光量過多で良好な形状のパターンが形成できない問題があった。
前述の特許文献1及び2において組成物の硬化温度は150℃以上であり、有機EL素子の耐熱性を考慮すると、更なる低温硬化性が求められている。また、高い色再現性を薄膜で達成するためには、カラーフィルタの着色剤濃度を高くする必要がある。特許文献1~3の手法では、着色剤濃度が高い場合において、パターニングするだけの十分な感度を出すことが非常に困難であった。
そこで本発明は、着色剤濃度が高くとも、高感度で、且つパターニング特性(解像性)および耐溶剤性に優れた、感光性着色組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、シリコン基板、前記シリコン基板上に形成するカラーフィルタおよびブラックマトリックスを備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置のブラックマトリックス形成に使用する感光性着色組成物であって、
着色剤(A)、光重合単量体(B)、光重合開始剤(C)、および樹脂(D)を含有し、
前記着色剤(A)が、少なくとも青色顔料と黄色顔料と紫色顔料を含み、
前記光重合単量体(B)が下記一般式(1)で示す化合物を含み、
前記樹脂(D)が、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基と、の反応生成物の存在下で、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)を重合させた水酸基含有重合体の水酸基と、1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)のイソシアネート基と、を反応させた樹脂であって、前記水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)に由来する構成単位の含有量が、前記エチレン性不飽和単量体(c)に由来する構成単位の全量に対して35質量%以上、80質量%以下である感光性アクリル樹脂(E)を含む、感光性着色組成物に関する。
一般式(1)
[CH=CHC(=O)-(OC2m-OCH-CCHCH
(一般式(1)中、mは1~3の整数を表し、nは0~2の整数を表し、複数あるm及びnは同一であっても異なってもよい。)
上記感光性着色組成物の一実施形態は、前記青色顔料がピグメントブルー15:6であり、前記黄色顔料がピグメントイエロー139であり、前記紫色顔料がピグメントバイオレット23である。
上記感光性着色組成物の一実施形態は、前記着色剤(A)全量に対し、前記青色顔料32~45質量%、前記黄色顔料30~40質量%、および前記紫色顔料20~30質量%を含む。
上記感光性着色組成物の一実施形態は、前記光重合開始剤(C)が、下記一般式(2)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤を含む。
Figure 0007433385000001
(一般式(2)中、Zは直接結合、又は-C(=O)-基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表し、R~R10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ニトロ基、又はR11-C(=O)-基を表す。R11は置換基を有してもよいアリール基を表す。)
本発明は、前記感光性着色組成物から形成されてなるブラックマトリックスに関する。
また、本発明は、前記ブラックマトリックスを備えてなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。
本発明により、着色剤濃度が高くとも、高感度で、且つパターニング特性(解像性)および耐溶剤性に優れた、感光性着色組成物を提供できる。
ブラックマトリクスの一例を示す模式的な断面図である。 ブラックマトリクスの一例を示す模式的な平面図である。 有機EL表示装置の一例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の感光性着色組成物の各構成成分について説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、「(メタ)アクリレート」、又は「(メタ)アクリルアミド」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、「アクリレート及び/又はメタクリレート」、又は「アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド」を表すものとする。また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
1.感光性着色組成物
本発明の感光性着色組成物は、シリコン基板、前記シリコン基板上に形成するカラーフィルタおよびブラックマトリックスを備える有機エレクトロルミネッセンス表示装置のブラックマトリックス形成に使用する感光性着色組成物であって、
着色剤(A)、光重合単量体(B)、光重合開始剤(C)、および樹脂(D)を含有し、
着色剤(A)が、少なくとも青色顔料と黄色顔料と紫色顔料を含み、
光重合単量体(B)が下記一般式(1)で示す化合物を含み、
樹脂(D)が、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基と、の反応生成物の存在下で、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)を重合させた水酸基含有重合体の水酸基と、1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)のイソシアネート基と、を反応させた樹脂であり、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)に由来する構成単位の含有量が、エチレン性不飽和単量体(c)由来する構成単位の全量に対して35質量%以上、80質量%以下である感光性アクリル樹脂(E)を含むことを特徴とする。
一般式(1)
[CH=CHC(=O)-(OC2m-OCH-CCHCH
(一般式(1)中、mは1~3の整数を表し、nは0~2の整数を表し、複数あるm及びnは同一であっても異なってもよい。)
<着色剤(A)>
本発明における着色剤(A)は、少なくとも青色顔料と黄色顔料と紫色顔料の有機顔料を含み、本発明の作用効果を損なわない範囲で、さまざまな有機顔料が使用可能である。本発明は着色剤として、上記顔料の組合せによりブラックマトリックスに適用可能な黒色感光性着色組成物を得ることができる。また、当該感光性樹脂組成物は光照射時に塗膜の深部まで光が到達しやすいため、得られた硬化膜は、耐溶剤性や密着性に優れている。
(有機顔料)
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79などが挙げられる。これらの中でも高着色力を得る点から、好ましくはC.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、又は15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6である。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208などが挙げられる。これらの中でも、高着色力を得る点から、好ましくはC.I.ピグメントイエロー83、117、129、138、139、150、154、155、180、又は185であり、更に好ましくはC.I.ピグメントイエロー138、139、150、又は185であり、更に好ましくは、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150である。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50などが挙げられる。これらの中でも、高着色力を得る点から、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、又は23であり、更に好ましくは、C.I.ピグメントバイオレット23である。
特に、本発明において着色剤(A)は、C.I.ピグメントブルー15:6とピグメントイエロー139とピグメントバイオレット23を組み合わせることが好ましい。
また、着色剤(A)の比率は、青色顔料32~45質量%、黄色顔料30~40質量%、および紫色顔料20~30質量%が好ましい。
(顔料の微細化)
着色剤(A)として顔料を用いる場合、当該顔料は微細化して使用することが好ましい。微細化方法は、例えば、ソルトミリング処理等が挙げられる。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する方法である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働き、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕され、それにより活性面が生じて、結晶成長がおこると考えられる。従って、混練時は顔料の破砕と結晶成長が同時に起こり、混練条件により得られる顔料の1次粒子径が異なる。
加熱により結晶成長を促進するには、加熱温度40~150℃が好ましい。加熱温度が40℃未満の場合は、結晶成長が十分に起こらず、顔料粒子の形状が無定形に近くなるため好ましくない。一方、加熱温度が150℃を越える場合は、結晶成長が進みすぎ、顔料の1次粒子径が大きくなる恐れがある。又、ソルトミリング処理の混練時間は、ソルトミリング処理顔料の一次粒子の粒度分布とソルトミリング処理に要する費用のバランスの点から2~24時間が好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することで、1次粒子径が非常に微細で、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料が得られる。
顔料の粒子径はTEM(透過型電子顕微鏡)により求められる。顔料の平均1次粒子径は、20~100nmが好ましい。20nmよりも小さいと有機溶剤中への分散が困難となる。又、100nmよりも大きいと十分なコントラスト比が得られない場合がある。顔料の平均1次粒子径は25~85nmが特に好ましい。
ソルトミリング処理に用いる水溶性無機塩は、例えば、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。中でも価格の点から塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。
水溶性無機塩の使用量は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対して、50~2000質量部が好ましく、300~1000質量部がより好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料および水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。但し、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。水溶性有機溶剤は、例えば、2-メトキシエタノール、2-ブトキシエタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が挙げられる。
水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対して、5~1000質量部が好ましく、50~500質量部がより好ましい。
ソルトミリング処理は、必要に応じて樹脂を添加してもよい。当該樹脂の種類は、例えば、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が挙げられる。樹脂は、室温(25℃)で固体、かつ水不溶性が好ましい。さらに上記有機溶剤に一部可溶であることが好ましい。
樹脂の使用量は、顔料100質量部に対して、5~200質量部が好ましい。
<光重合単量体(B)>
光重合単量体(B)は、少なくとも下記一般式(1)で表される化合物を含む。
一般式(1)
[CH=CHC(=O)-(OC2m-OCH-CCHCH
(一般式(1)中、mは1~3の整数を表し、nは0~2の整数を表し、複数あるm及びnは同一であっても異なってもよい。)
感光性着色組成物中の全不揮発分に対する光重合単量体(B)の含有量は5~30質量%が好ましい。上記範囲とすることで、微細パターンを形成する場合の剥がれがなく、且つ、パターンのテーパー部が長く引き伸ばされることを抑制し、高精細な微細画素パターンが形成できる。さらに、光重合単量体(B)に含まれる前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、光重合単量体(B)全量に対して50~100質量%が好ましく、60質量%以上がより好ましい。上記範囲とすることで、現像時の基板に対する塗膜密着性や薬品耐性に優れる。
(その他の光重合単量体)
また、光重合単量体(B)は、その他の光重合単量体を含んでもよい。その他の光重合単量体は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート等の各種アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの光重合単量体は、1種を単独で、又は必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
<光重合開始剤(C)>
本発明において光重合開始剤(C)は、紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成できる溶剤現像型あるいはアルカリ現像型感光性着色組成物の形態で調製するために用いられ、色特性及び耐薬品性に優れ、パターニング性も良好な感光性着色組成物が得られる。本発明において光重合開始剤(C)は、オキシムエステル系光重合開始剤を含むことが好ましい。
(オキシムエステル系光重合開始剤)
オキシムエステル系光重合開始剤は、紫外線を吸収することによってオキシムのN-O結合の開裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成できる。感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜の紫外線透過率が低くなり塗膜の硬化度が低くなることがあるが、オキシムエステル系光重合開始剤は高い量子効率を持つため好適である。中でも、下記一般式(2)又は(3)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましく、より好ましくは一般式(2)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤である。
[一般式(2)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤]
Figure 0007433385000002
(一般式(2)中、Zは直接結合、又は-C(=O)-基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表し、R~R10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ニトロ基、又はR11-C(=O)-基を表す。R11は置換基を有してもよいアリール基を表す。)
有してもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基;メトキシ基、エトキシ基、tert-ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、p-トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基;メチルスルファニル基、tert-ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基;フェニルスルファニル基、p-トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基;メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基;フェニルアミノ基、p-トリルアミノ基等のアリールアミノ基;メチル基、エチル基、tert-ブチル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のアルキル基;フェニル基、p-トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基;フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
これらの置換基は1個以上あるいは1種以上存在することができ、さらにこれらの置換基の水素原子がさらに他の置換基で置換されていてもよい。
としては、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基が好ましい。Rとしては置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基が好ましい。R~R10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有しても良い炭素数1~20のアルキル基、置換基を有しても良いアリール基、ニトロ基、又はR11-CO-基が好ましく、中でも、R~Rは水素原子がより好ましく、また、R10は水素原子、又はR11-CO-基が好ましく、はR11-CO-基がより好ましい。R11は置換基を有してもよいアリール基が好ましい。
一般式(2)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、下記化学式(2-1)又は(2-2)で表わされる化合物等が挙げられる。
Figure 0007433385000003
[一般式(3)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤]
Figure 0007433385000004
(一般式(3)において、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、R23及びR24は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基であり、R25は、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又はR26-CO-基であり、R26は、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、又は複素環基である。)
21~R26における炭素数1~20のアルキル基は、前記R~R10における炭素数1~20のアルキル基と同様のものとすることができる。
21~R26におけるアリール基は、前記R~R11におけるアリール基と同様のものとすることができる。
26の複素環基における複素環としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラン、ピロン、ピリジン、ピロン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ベンゾフラン、チオナフテン、インドール、カルバゾール、クマリン、キノリン、フタラジン、キノキサリン等が挙げられる。
また、アルキル基及びアリール基が有してもよい置換基は、前記一般式(2)における置換基と同様のものとすることができる。
一般式(3)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤は、R21が置換基を有してもよいアリール基であり、R22が置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基であり、R23及びR24が水素原子であり、R25が水素原子、又はR26-CO-基であることが好ましい。
一般式(3)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤としては、下記化学式(3-1)で表される光重合開始剤等が挙げられる。
Figure 0007433385000005
(その他の光重合開始剤)
また、本発明における光重合開始剤(C)は、その他の光重合開始剤を含んでもよい。その他の光重合開始剤としては、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン、又は2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、又は2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;ボレート系化合物;カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;チタノセン系化合物等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で、又は任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
また市販品を用いてもよい。アセトフェノン系化合物としては、全てBASF社製で「IRGACURE 907」(2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン)、「IRGACURE 369」(2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン)、「IRGACURE 379」2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、ホスフィン系化合物としては、全てBASF社製で「IRGACURE 819」(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド)、「IRGACURE TPO」(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド)、などが挙げられる。
光重合開始剤(C)の含有量は、光硬化性及び現像性の観点から、着色剤100質量部に対し、2~50質量部が好ましく、2~30質量部がより好ましい。2質量部よりも少ない場合、形成パターンの基材との密着性が悪くなり、50質量部を超えると解像性に問題が生じる場合がある。
<増感剤>
さらに、本発明の感光性着色組成物は増感剤を含有してもよい。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等の不飽和ケトン類;ベンジルやカンファーキノン等の1,2-ジケトン誘導体;ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノン、3,3’又は4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
上記増感剤の中で、特に好適に増感する増感剤としては、チオキサントン誘導体、ミヒラーケトン誘導体、カルバゾール誘導体が挙げられる。さらに具体的には、2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン、N-エチルカルバゾール、3-ベンゾイル-N-エチルカルバゾール、3,6-ジベンゾイル-N-エチルカルバゾール等が挙げられる。
市販品としては、「KAYACURE DETX-S」(2,3-ジエチルチオキサントン 日本化薬社製)、「EAB-F」(4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 保土ヶ谷化学工業社製)などが挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を用いてもよい。
これらの増感剤は、1種を単独で、又は任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
増感剤を使用する際の含有量は、光硬化性、現像性の観点から、感光性着色組成物に含まれる光重合開始剤100質量部に対し、3~60質量部が好ましく、5~50質量部がより好ましい。
<樹脂(D)>
本発明において樹脂(D)は、可視光領域の400~700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。本発明において樹脂(D)は、少なくとも後述する特定の感光性アクリル樹脂(E)を含むものであり、更に他の樹脂を含んでいてもよいものである。樹脂(D)は、機能でいうと樹脂型分散剤、バインダー樹脂として使用できる。なお、樹脂(D)は、樹脂型分散剤として使用することが好ましい。また、樹脂(D)は、感光性アクリル樹脂を含み、性状でいうと熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、感光性樹脂等が挙げられる。
樹脂(D)について、以下、まず他の樹脂について説明し、次に感光性アクリル樹脂(E)について説明する。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性アクリル樹脂(E)とは別の感光性アクリル樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂や、スチレン-無水マレイン酸共重合物やα-オレフィン-無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものが挙げられる。
感光性アクリル樹脂は、エチレン性不飽和二重結合およびカルボキシル基を有することが好ましい。特に以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂を用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂を3次元架橋することで架橋密度が上がり、薬品耐性が良好になる。
[方法(i)]
方法(i)として、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
多塩基酸無水物としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。カルボキシル基の数を増やすため、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解して用いてもよい。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸等を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合して得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)として、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合して得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ-バレロラクトン、ポリε-カプロラクトン、及び/又はポリ12-ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2-ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。また感度の点からは2個以上6個以下の水酸基を有するものを使用することが好ましく、グリセロールモノ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1-ビス[メタアクリロイルオキシ]エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定されない。当該イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体は1種単独、又は2種類以上を併用できる。
感光性アクリル樹脂を構成するモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類;スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン類;エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等;
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2-ビスマレイミドエタン1,6-ビスマレイミドヘキサン、3-マレイミドプロピオン酸、6,7-メチレンジオキシ-4-メチル-3-マレイミドクマリン、4,4’-ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、N,N’-1,3-フェニレンジマレイミド、N,N’-1,4-フェニレンジマレイミド、N-(1-ピレニル)マレイミド、N-(2,4,6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-(4-アミノフェニル)マレイミド、N-(4-ニトロフェニル)マレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-ブロモメチル-2,3-ジクロロマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオナート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチラート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドヘキサノアート、N-[4-(2-ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9-マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類;
下記一般式(4)で表される化合物、具体的にはEO変性クレゾールアクリレート、n-ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
Figure 0007433385000006
(一般式(4)中、R12は、水素原子、又はメチル基であり、R13は、炭素数2~3のアルキレン基であり、R14は、ベンゼン環を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基であり、nは1~15の整数である。)
また、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いてもよい。カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ε-カプロラクトン付加アクリル酸、ε-カプロラクトン付加メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられる。
また、水酸基含有エチレン性不飽和モノマーを用いてもよい。水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-または3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-、3-、または4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。又、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ-バレロラクトン、(ポリ)ε-カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12-ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いてもよい。リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマーの水酸基に、5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応させることで得られたモノマー等が挙げられる。
本発明において樹脂(D)は、感光性アクリル樹脂を含むことが好ましい。感光性アクリル樹脂により、着色組成物を硬化した後の耐薬品性、耐溶剤性が向上する。感光性アクリル樹脂は、感光性アクリル樹脂(E)が好ましい。以下、当該感光性アクリル樹脂(E)について説明する。
<感光性アクリル樹脂(E)>
感光性アクリル樹脂(E)は、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基と、の反応生成物の存在下で、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)を重合させた水酸基含有重合体の水酸基と、1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)のイソシアネート基と、を反応させた樹脂であって、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)に由来する構成単位の含有量が、エチレン性不飽和単量体(c)由来する構成単位の全量に対して35質量%以上、80質量%以下である。
感光性アクリル樹脂(E)を含むことにより、感光性着色組成物を硬化した後の耐薬品性、耐溶剤性が更に向上する。
感光性アクリル樹脂(E)は、2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基との反応生成物を製造する第一の工程、続いて、前記反応生成物の残存しているチオール基を連鎖移動剤として水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合することで水酸基を有するビニル重合体部分を導入した水酸基含有重合体を製造する第二の工程、さらに1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)との反応である第三の工程を経ることにより得られる。感光性アクリル樹脂(E)中の複数のカルボキシル基部分が、顔料吸着部として機能し、ビニル重合体部分が溶媒親和部として機能する。
なお、感光性アクリル樹脂(E)は、水酸基と酸無水物基との反応、残存チオール基を連鎖移動剤としたラジカル重合反応、残存水酸基とイソシアネート基との反応、といった複数の反応を経由して得られる複雑な構造を有するものであり、一般式(構造)で表すことは不可能であるか、およそ現実的ではないため、製造方法により記載する。
(分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a))
分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)としては3-メルカプト-1,2-プロパンジオール(別名:1-チオグリセロール)が好適に使用できる。
ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基と水酸基を反応させる際に用いられる触媒としては、公知の触媒を使用できる。例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、N-メチルモルホリン、1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ-[4.3.0]-5-ノネン、モノブチルスズオキシド等が挙げられる。
次に2つの水酸基と1つのチオール基を有する化合物(a)の水酸基とピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基との反応生成物、に残存しているチオール基を連鎖移動剤として、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)をラジカル重合することで水酸基含有エチレン性不飽和単量体を導入した水酸基含有重合体を製造する第二の工程について説明する。第二の工程で水酸基を含有するエチレン性不飽和単量体(b)を共重合することにより、分散剤のビニル重合体部分に水酸基を導入することができ、第三の工程で1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)と反応させることができる。
(水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b))
水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)は、水酸基と、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体である。水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)として、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレート系単量体、水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体、水酸基を有するビニルエーテル系単量体、水酸基を有するアリルエーテル系単量体などが挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレート系単量体としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3又は4)-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;エチル-α-ヒドロキシメチルアクリレートなどのアルキル-α-ヒドロキシアルキルアクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体としては、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN-(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
水酸基を有するビニルエーテル系単量体としては、例えば、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
また、水酸基を有するアリルエーテル系単量体、としては、例えば、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテル等が挙げられる。
(その他のエチレン性不飽和単量体)
エチレン性不飽和単量体(c)は、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)以外の、その他のエチレン性不飽和単量体を含んでいてもよい。その他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,4-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;
フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の複素環式(メタ)アクリレート類;
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の(N置換型)(メタ)アクリルアミド類;
N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;
スチレン、α-メチルスチレン、インデン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体などが挙げられる。これらの単量体は1種単独で又は2種以上を併用できる。
水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)の含有量は、エチレン性不飽和単量体(c)の全量に対して35質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
次に、前記水酸基含有重合体と、1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)とを反応させる第三の工程について説明する。感光性アクリル樹脂(E)は、この水酸基含有重合体中の水酸基と、1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)中のイソシアネート基との反応により得られる。これにより、感光性アクリル樹脂(E)中の、主にビニル重合体部分に(メタ)アクリロイル基を任意に導入でき、溶媒親和性部位に硬化性を有する硬化性分散剤として機能する。
(1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d))
第三の工程で使用される1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)は、イソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有す得るものであれば、その他の構造は特に限定されない。中でも、1つのイソシアネート基と1つ又は2つの(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、中でも、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネートがより好ましい。1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)は1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
また樹脂(D)として、オキセタン基を有する樹脂を併用してもよい。オキセタン基を有する樹脂は、例えばオキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体を共重合することなどにより得られる。オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体としては、(3-メチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3-エチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3-ブチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3-ヘキシルチル-3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オキセタン基を有するエチレン性不飽和単量体の市販品としては、例えば、ETERNACOLL OXMA(宇部興産社製)、OXE-10、OXE-30(以上、大阪有機化学工業社製)などが挙げられる。樹脂がオキセタン基を有することにより、該樹脂を含有する着色組成物は、硬化した後の耐熱性が優れる。
樹脂(D)の含有量は、感光性着色組成物中の着色剤(A)100質量部に対して、1~400質量部、好ましくは1~300質量部である。
<酸化防止剤>
本発明の感光性着色組成物は酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤により、感光性着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬化やITOアニールなどの加熱工程において酸化による黄変を抑制して、透過率の高い塗膜が得られる。
本発明において「酸化防止剤」は、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、及び過酸化物分解機能を有する化合物を含む。具体的には、酸化防止剤としてヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、及びトリアジン系の化合物が挙げられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤又はイオウ系酸化防止剤であり、より好ましくは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、又はリン系酸化防止剤である。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,4-ビス[(ラウリルチオ)メチル]-o-クレゾール、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)、2,4-ビス-(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6-ジ-t-ブチル-4-ノニルフェノール、2,2’-イソブチリデン-ビス-(4,6-ジメチル-フェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス-(2-t-ブチル-5-メチルフェノール)、2,2’-チオ-ビス-(6-t-ブチル-4-メチルフェノール)、2,5-ジ-t-アミル-ヒドロキノン、2,2’チオジエチルビス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-プロピオネート、1,1,3-トリス-(2’-メチル-4’-ヒドロキシ-5’-t-ブチルフェニル)-ブタン、2,2’-メチレン-ビス-(6-(1-メチル-シクロヘキシル)-p-クレゾール)、2,4-ジメチル-6-(1-メチル-シクロヘキシル)-フェノール、N,N-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)等が挙げられる。その他ヒンダードフェノール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物を用いてもよい。
ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(N-メチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、N,N′-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,6-ヘキサメチレンジアミン、2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)アミノ-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)プロピオンアミド、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)(1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ポリ[{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチル{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}]、ポリ[(6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル){(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの重縮合物、N,N′-4,7-テトラキス[4,6-ビス{N-ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル]-4,7-ジアザデカン-1,10-ジアミン等が挙げられる。その他ヒンダードアミン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物を用いてもよい。
リン系酸化防止剤としては、トリス(イソデシル)フォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、フェニルイソオクチルフォスファイト、フェニルイソデシルフォスファイト、フェニルジ(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルイソオクチルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、ジフェニルトリデシルフォスファイト、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、4,4’イソプロピリデンジフェノールアルキルフォスファイト、トリスノニルフェニルフォスファイト、トリスジノニルフェニルフォスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)フォスファイト、トリス(ビフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニルビスフェノールAペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラトリデシル4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)ジフォスファイト、ヘキサトリデシル1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタントリフォスファイト、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルフォスファイトジエチルエステル、ソジウムビス(4-t-ブチルフェニル)フォスファイト、ソジウム-2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)-フォスファイト、1,3-ビス(ジフェノキシフォスフォニロキシ)-ベンゼン、亜リン酸エチルビス(2,4-ジtert-ブチル-6-メチルフェニル)等が挙げられる。その他フォスファイト構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物を用いてもよい。
イオウ系酸化防止剤としては、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-o-クレゾール、2,4-ビス[(ラウリルチオ)メチル]-o-クレゾール等が挙げられる。その他チオエーテル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物を用いてもよい。
ベンゾトリアゾール系酸化防止剤としては、ベンゾトリアゾール構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物が挙げられる。
ベンゾフェノン系酸化防止剤としては、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ドデシロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-5スルフォベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-2’-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-クロロベンゾフェノン等が挙げられる。その他ベンゾフェノン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物を用いてもよい。
トリアジン系酸化防止剤としては、2,4-ビス(アリル)-6-(2-ヒドロキシフェニル)1,3,5-トリアジン等が挙げられる。その他トリアジン構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物を用いてもよい。
サルチル酸エステル系酸化防止剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸p-オクチルフェニル、サリチル酸p-tertブチルフェニル等が挙げられる。その他サルチル酸エステル構造を有するオリゴマータイプ及びポリマータイプの化合物を用いてもよい。
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、又は任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、感光性着色組成物の不揮発分質量を基準として、0.5~5.0質量%が好ましい。上記範囲内とすることで、明度、感度が良好となる。
<密着向上剤>
本発明の感光性着色組成物は、基材との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有してもよい。密着性が向上することにより、細線の再現性が良好となり解像度が向上する。
密着向上剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン類;3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類;2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類;N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩等のアミノシラン類;3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト類;p-スチリルトリメトキシシラン等のスチリル類;3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド類;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド類;3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対し、0.01~10質量部、好ましくは0.05~5質量部の量で用いることができる。この範囲内で効果が大きくなり、密着性、解像性、感度のバランスが良好である。
<レベリング剤>
本発明の感光性着色組成物は、透明基板上での組成物のレベリング性をよくするため、レベリング剤を含有してもよい。レベリング剤としては、主鎖にポリエーテル構造又はポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社製FZ-2122、ビックケミー社製BYK-333などが挙げられる。ポリエステル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK-310、BYK-370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとを併用してもよい。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の全質量を基準(100質量%)として、0.003~0.5質量%が好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものは、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながら水に対する溶解性が小さく、着色組成物に添加した場合、その表面張力低下能が低く、さらに表面張力低下能が低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。このような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましい。ポリアルキレンオキサイド単位としては、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位などが挙げられ、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有してもよい。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、又は両性の界面活性剤を補助的に加えてもよい。界面活性剤は、1種単独で、2種以上混合して使用できる。
上記アニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げられる。
上記カオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また感光性着色組成物は、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含有してもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤でもよい。これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましい。上記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メトキシ-N,N-ジメチルベンジルアミン、4-メチル-N,N-ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、4-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-(2-シアノエチル)-2-エチル-4-メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S-トリアジン誘導体(例えば、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン、2-ビニル-2,4-ジアミノ-S-トリアジン、2-ビニル-4,6-ジアミノ-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4-ジアミノ-6-メタクリロイルオキシエチル-S-トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100質量部に対し、0.01~15質量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明の感光性着色組成物は、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有してもよい。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有してもよい。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド;乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル;t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン;亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤100質量部に対し、通常、0.1~10質量部である。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類;γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類;β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類;N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類;γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着色剤100質量部に対して、0.01~10質量部、好ましくは0.05~5質量部である。
<溶剤>
本発明の感光性着色組成物は、着色剤を十分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2~5μmとなるように塗布して着色膜を形成することを容易にするために溶剤を含有ことが好ましい。溶剤は、感光性着色組成物の塗布性が良好であることに加え、感光性着色組成物各成分の溶解性、さらには安全性を考慮して選定される。
溶剤としては、例えば1,2,3-トリクロロプロパン、1-メトキシ-2-プロパノール、乳酸エチル、1,3-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ブタンジオールジアセテート、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3-メトキシブチルアセテート、4-ヘプタノン、m-キシレン、m-ジエチルベンゼン、m-ジクロロベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-ブチルベンゼン、n-プロピルアセテート、N-メチルピロリドン、o-キシレン、o-クロロトルエン、o-ジエチルベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p-クロロトルエン、p-ジエチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で、又は任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、着色剤の分散性、浸透性、及び感光性組成物の塗布性が良好なことから、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1,3-ブチレングリコールジアセテート、シクロヘキサノールアセテート、1,4-ブタンジオールジアセテート、ブタンジオールジアセテート等のアセテート類;ベンジルアルコール、ダイアセトンアルコール、1-メトキシ-2-プロパノール、3-メトキシブタノール等のアルコール類;シクロヘキサノン等のケトン類;3-エトキシプロピオン酸エチルが好ましい。
溶剤の含有量は、感光性着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚の着色膜を形成できる点から、着色剤100質量部に対して、500~4000質量部が好ましい。
<感光性着色組成物の製造方法>
本発明における感光性着色組成物は、着色剤を、樹脂及び/又は溶剤中に、好ましくは分散助剤と一緒に、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、アニュラー型ビーズミル、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる(着色剤分散体)。このとき、着色剤(A)及びその他の着色剤等を混合して着色剤分散体としてもよく、各色の着色剤を各々分散した後、混合して着色剤分散体としてもよい。また、着色剤の溶解性が高い場合、具体的には使用する溶剤への溶解性が高く、攪拌により溶解、異物が確認されない状態であれば、上記のような微細に分散して製造する必要はない。
また、感光性着色組成物をレジスト材として用いる場合には、溶剤現像型またはアルカリ現像型着色組成物として調製することができる。溶剤現像型またはアルカリ現像型着色組成物は、前記着色剤分散体と、光重合単量体及び/又は光重合開始剤と、必要に応じて、溶剤、その他各成分を混合して得ることができる。光重合開始剤は、着色組成物を調製する段階で加えてもよく、調製した着色組成物に後から加えてもよい。
[分散助剤]
着色剤を分散する際に、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を添加してもよい。分散助剤は、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を含有する感光性着色組成物は、明度及び粘度安定性が良好になる。
(色素誘導体)
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドン又はトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、又は置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物が挙げられ、例えば、特開昭63-305173号公報、特公昭57-15620号公報、特公昭59-40172号公報、特公昭63-17102号公報、特公平5-9469号公報、特開2001-335717号公報、特開2003-128669号公報、特開2004-091497号公報、特開2007-156395号公報、特開2008-094873号公報、特開2008-094986号公報、特開2008-095007号公報、特開2008-195916号公報、特許第4585781号公報等に記載されているものを使用できる。これらは単独又は2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の含有量は、分散性向上の観点から、着色剤100質量部に対し、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下である。
(樹脂型分散剤)
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、溶剤や樹脂と相溶性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤の分散を安定化する働きをするものである。樹脂型分散剤としては、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、又はAnti-Terra-U、203、204、又はBYK-P104、P104S、220S、6919、又はLactimon、Lactimon-WS又はBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA-46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
分散助剤を添加する場合、配合量は、着色剤100質量部に対し、好ましくは0.1~55質量部、より好ましくは0.1~45質量部である。分散助剤配合量が、0.1質量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、含有量が55質量部より多いと、分散助剤が過剰となる。
<粗大粒子の除去>
分散後の感光性着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタやメンブレンフィルタによる濾過等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。感光性着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以上の粒子を含まないことがより好ましい。
2.ブラックマトリックス
本発明に係るブラックマトリックスは、前記本発明の感光性着色組成物から形成されてなることを特徴とする。本発明のブラックマトリクスは、前記感光性着色組成物を用いて形成されたものであるため、可視光の透過率が低く、耐溶剤性や密着性に優れている。
本発明のブラックマトリクスについて、図を参照しながら説明する。図1は、本発明のブラックマトリクスを備えた基板の一例を示す模式的な断面図である。図2は、本発明のブラックマトリクスを備えた基板の一例を示す模式的な平面図である。図1及び図2の例では、本発明のブラックマトリクス2は、基板1上に開口部3を備えたパターン状に形成されて、ブラックマトリクス基板10を構成する。開口部3には、後述するカラーフィルタの着色層が形成される。図1及び図2の例ではブラックマトリクス2が基板1上に形成されている例を示したが、後述する有機エレクトロルミネッセンス表示装置においては、当該基板1の代わりに有機EL層や、有機EL層上に形成される平坦層上に形成されることが好ましい。本発明の感光性着色組成物は、高温でポストベークしなくても十分に硬化が進行したブラックマトリックスを形成できるため、有機EL層や有機EL層を含む積層体上に直接形成した場合であっても、ブラックマトリックス形成時における有機EL素子の劣化が抑制される。
ブラックマトリクスのパターンは、特に限定されず、後述する着色層の配列に応じて調整すればよい。ブラックマトリクスの厚みは、特に限定されないが、通常、0.2~2μmである。また、ブラックマトリックスの線幅は、特に限定されないが、細線であることが好ましく、具体的には0.4~1.0μmが好ましい。
本発明のブラックマトリクスは、有機EL層上、又は、必要に応じて設けられた平坦層上に形成される。なお、平坦層は有機EL層の微細な凹凸面を平坦化する層である。平坦層は、公知の硬化性樹脂を用いることができ、紫外線硬化型樹脂が好ましく、必要に応じては熱硬化型樹脂を併用してもよい。前記紫外線硬化型樹脂としては特に限定するものではないが、i線(波長365nm)に感度を示すアクリル系樹脂が好ましい。
ブラックマトリクスの形成方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法とすることができる。まず、前述の感光性着色組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、コールコート法、スピンコート法などの公知の塗布方法により塗布して塗膜を形成する。
次いで、必要に応じて前記塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、光重合単量体や感光性アクリル樹脂を光重合反応させて、硬化塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整すればよい。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。前記感光性組成物は、低温硬化性を有するため、100℃以下の加熱処理であっても十分に硬化することができる。
3.有機エレクトロルミネッセンス表示装置
本発明の有機EL表示装置は、前記本発明のブラックマトリックスを備えることを特徴とする。
有機EL表示装置の構成について図3を参照して説明する。図3は、本実施の有機EL表示装置の模式的な断面図である。本実施の有機EL表示装置11は、駆動素子が形成されたシリコン基板4上に、有機EL層5と、ブラックマトリックス2を備えたカラーフィルタ6とを有するものであり、必要に応じて、当該カラーフィルタ6上に、さらに封止層7やカバーガラス8を有してもよく、また、有機EL層5とカラーフィルタ6との間に前記平坦層(プレーナー)を有してもよい(図示せず)。
以下、有機EL表示装置の各構成の詳細について説明する。
[カラーフィルタ]
カラーフィルタ6は、有機EL層5上に形成され、通常、赤色画素と、緑色画素と、青色画素とを備えている(6a、6b、6c)。本実施においてカラーフィルタは、さらにマゼンタ色画素、シアン色画素、黄色画素、又はその他の画素を有するものであってもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本実施においてカラーフィルタ6は、ブラックマトリクス2が形成された有機EL層5上に、又は、平坦層上に形成される。
カラーフィルタを構成する画素の形成方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法とすることができる。
まず、各色の画素用の感光性着色組成物をそれぞれ調製する。当該感光性着色組成物は、公知のものから適宜選択することができる。また、前記ブラックマトリックス用の感光性着色組成物において、着色剤を画素用に変更したものを用いてもよい。
準備した画素用の感光性着色組成物をスプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、コールコート法、スピンコート法などの塗布手段を用いて有機EL層又は平坦層に塗布して、塗膜を形成する。
次いで、必要に応じて前記塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、光重合性単量体や感光性アクリル樹脂を光重合反応させて、硬化塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整すればよい。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。着色剤以外を前記ブラックマトリックス用の感光性組成物と同様の組成とすることで、100℃以下の加熱処理であっても十分に硬化することができる。カラーフィルタを構成する画素の膜厚は、通常、1.0μm~2.0μmである。
[有機EL層]
前記有機EL層5は、発光物質を含む有機発光単層、あるいは多層で形成することができる。多層で形成される場合は、たとえば一般的な正孔輸送層、電子輸送性有機発光層、電子輸送層が順次積層してなる3層構成、さらには正孔(電子)注入層、正孔(電子)輸送層と注入機能と輸送機能を分けた層を設けたり、あるいは正孔(電子)輸送をブロックする層を設けたりする多層構成でもよい。
有機EL層の一例としては、シリコン基板側から順に、陽極、有機層及び陰極を積層してなり、封止層で気密に覆われた構成が挙げられる。
陽極は、シリコン基板上に設けられ、仕事関数の大きな導電性材料で構成される。仕事関数の大きな導電性材料としては、たとえば、ニッケル、銀、金、白金、パラジウム、セレン、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、レニウム、タングステン、モリブデン、クロム、タンタル、ニオブやこれらの合金、あるいは酸化錫(SnO)、酸化インジウム錫(ITO:Indium tin oxide)、酸化亜鉛、酸化チタン等がある。
陰極は、仕事関数が小さな導電性材料を用いて構成されている。このような導電性材料としては、例えば、Li、Mg、Ca等の活性な金属とAg、Al、In等の金属との合金、或いはこれらを積層した構造を使用できる。また、有機層との間に例えば、Li、Mg、Ca等の活性な金属とフッ素、臭素等のハロゲンや酸素等との化合物層を薄く挿入した構造としてもよい。
陽極及び陰極は、表示装置の駆動方式によって適する形状にパターニングされる。例えば、有機EL表示装置の駆動方式が単純マトリックス型である場合には、この陽極及び陰極は互いに交差するストライプ状に形成され、これらが交差した部分が有機EL素子となる。
有機層は、少なくとも白色の発光層を有するものであるが、通常、複数層の有機層から構成されるものであり、正孔注入層や電子注入層といった電荷注入層や、白色の発光層に正孔を輸送する正孔輸送層、白色の発光層に電子を輸送する電子輸送層といった電荷輸送層を有するものとすることができる。有機層は、白色の発光層を有する公知のあらゆる構成の中から任意の構成とすることができる。
発光層は、白色の発光が得られる、公知のものを用いることができる。白色の発光特性は、少なくとも赤色領域(600nm~780nm)と緑色領域(475nm~600nm)及び青色領域(380nm~475nm)の3つの領域に発光があればよい。発光ピークは必ずしも3つあるいはそれ以上の数を必要とするのではなく、例えば2つの発光ピークでも上記の領域に発光があればよい。しかし、広い色再現性を得るためには3つ以上の発光ピークがある白色発光層を用いることが好ましく、上記3つの色領域のひとつ以上に発光ピークがあることが好ましい。
このような白色の発光層を構成する材料としては、蛍光又は燐光を発するものであれば特に限定されるものではない。また、発光材料は、正孔輸送性や電子輸送性を有していていもよい。発光材料としては、色素系材料、金属錯体系材料、及び高分子系材料などが挙げられる。
上記色素系材料としては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾ-ル誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、シロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、及びピラゾリンダイマー等が挙げられる。
上記金属錯体系材料としては、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾール亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、及びユーロピウム錯体、あるいは、中心金属に、Al、Zn、Be等又はTb、Eu、Dy等の希土類金属を有し、配位子に、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、及びキノリン構造等を有する金属錯体などが挙げられる。
上記高分子系材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体等、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、並びに上記の色素系材料及び金属錯体系材料を高分子化したもの等が挙げられる。
上記白色の発光層の形成方法としては、例えば蒸着法、印刷法、インクジェット法、又はスピンコート法、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ブレードコート法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、及び自己組織化法(交互吸着法、自己組織化単分子膜法)等が挙げられる。特に、蒸着法、スピンコート法、及びインクジェット法を用いることが好ましい。白色の発光層の膜厚は、通常5nm~5μm程度である。
また有機EL層は、白色の発光層と陽極との間に正孔注入層を備えてもよい。正孔注入層を設けることにより、白色の発光層への正孔の注入が安定化し、発光効率を高めることができる。正孔注入層の形成材料としては、一般的に有機EL素子の正孔注入層に使用される材料を用いることができる。また、正孔注入層の形成材料は、正孔の注入性若しくは電子の障壁性のいずれかを有するものであればよい。
具体的に、正孔注入層の形成材料としては、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、ポリシラン系、アニリン系共重合体、及びチオフェンオリゴマー等の導電性高分子オリゴマー等が挙げられる。
さらに、正孔注入層の形成材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、及びスチリルアミン化合物等が挙げられる。正孔注入層の膜厚は、通常5nm~1μm程度である。
また有機EL層は、白色の発光層と陰極との間に電子注入層が形成を備えてもよい。電子注入層を設けることにより、白色発光層への電子の注入が安定化し、発光効率を高めることができる。
電子注入層の形成材料としては、例えばニトロ置換フルオレン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体のオキサジアゾール環の酸素原子をイオウ原子に置換したチアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有したキノキサリン誘導体、トリス(8-キノリノール)アルミニウム等の8-キノリノール誘導体の金属錯体、フタロシアニン、金属フタロシアニン、並びにジスチリルピラジン誘導体等が挙げられる。
以下に、実施例により本発明を説明する。なお、実施例中の「部」及び「%」とは、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。また、「PGMAc」はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを意味する。
まず、実施例に先立ち、樹脂型分散剤、バインダー樹脂溶液、着色剤、顔料分散体、及び感光性着色組成物の製造方法について説明する。また、樹脂の重量平均分子量(Mw)及び酸価の測定方法は以下の通りである。
(重量平均分子量)
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC-8320GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(酸価)
樹脂酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠し、測定した酸価(mgKOH/g)を不揮発分換算した値である。
<アクリル樹脂溶液の製造>
(アクリル樹脂溶液1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール8部、ピロメリット酸無水物12部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)80部、触媒としてモノブチルスズオキシド0.2部を仕込み、窒素ガスで置換した後、120℃で5時間反応させた(第一工程)。酸価の測定で95%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した。次に、メチルメタクリレート(MMA)15部、t-ブチルアクリレート(tBA)10部、エチルアクリレート(EA)10部、メタクリル酸(MAA)5部、ベンジルメタクリレート(BzMA)10部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)50部を仕込み、反応容器内を80℃に加熱して、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)1部を添加し、12時間反応した(第二工程)。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。ついで、次にフラスコ内を空気置換し、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)54.0部、ヒドロキノン0.1部を仕込み、70℃で4時間反応を行った(第三工程)。IRにてイソシアネート基に基づく2270cm-1のピークの消失を確認後、反応溶液を冷却して、PGMAcで不揮発分調整することにより、不揮発分40%の感光性アクリル樹脂であるアクリル樹脂溶液1を得た。得られたアクリル樹脂の酸価は36、重量平均分子量は12,000であった。
(アクリル樹脂溶液2)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、エチルアクリレート30部、tert-ブチルアクリレート20部、2‐メチルメタクリレート40部、を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール6部に、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.1部をシクロヘキサノン45.7部に溶解した溶液を添加して、10時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。このとき、重量平均分子量が4000であった。次に、ピロメリット酸二無水物9.7部、PGMAc70部、触媒として1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン0.20部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。反応終了後、不揮発分を40質量%に調製し、重量平均分子量8,100、酸価50mgKOH/g、ビニル重合部位のガラス転移温度22.5℃のアクリル樹脂のPGMAc溶液(アクリル樹脂溶液2)を得た。
(アクリル樹脂溶液3)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管及び撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、ベンジルメタクリレート20.0部、n-ブチルメタクリレート17.2部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して、アクリル樹脂溶液3を調製した。重量平均分子量(Mw)は26,000であった。
<着色剤(A)の製造>
(微細化青色顔料(B1))
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメントブルー15:6(トーヨーカラー株式会社製「LIONOL BLUE ES」、比表面積60m/g)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、フタロシアニン系の微細化青色顔料(B1)を得た。
(微細化黄色顔料(Y1))
黄色顔料C.I.ピグメントイエロー139(BASF社製「パリオトールエローD1819」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(Y1)を得た。
(微細化黄色顔料(Y2))
アゾ系黄色顔料C.I.ピグメントイエロー 150(PY150、ランクセス社製「E-4GN」)100部、粉砕した食塩500部、及びジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で4時間混練した。この混合物を温水5000部に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で24時間乾燥し、490部の黄色微細化顔料(Y2)を得た。
(微細化紫色顔料(V1))
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメントバイオレット23(トーヨーカラー株式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム1400部、及びジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、ジオキサジン系の微細化紫色顔料(V1)を得た。
<顔料分散体の製造>
(顔料分散体(BP-1))
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM-250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(BP-1)を作製した。
微細化青色顔料(B1) :14.0部
アクリル樹脂溶液1 :11.0部
アクリル樹脂溶液3 : 8.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート :67.0部
(顔料分散体(BP-2、YP1~4、VP-1~2)の製造)
表1記載の組成、および配合量(質量部)に変更した以外は、顔料分散体(BP-1)と同様にして、顔料分散体(BP-2、YP1~4、VP-1~2)を得た。
Figure 0007433385000007
黒色顔料C1:カーボンブラック
(CABOT社製「Regal250R」)
[実施例1]
(感光性着色組成物(BLK-1)の製造)
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、感光性着色組成物(BLK-1)を得た。
顔料分散体(BP-1) :22.5部
C.I.ピグメントブルー PB15:6
顔料分散体(YP-1) :24.4部
C.I.ピグメントイエロー PY139
顔料分散体(VP-1) :18.3部
C.I.ピグメントバイオレット PV23
光重合単量体(B-1) : 4.2部
東亜合成社製「アロニックス M-309」
光重合開始剤(C-2) : 0.7部
BASF社製「イルガキュア OXE-02」
(エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム))
レベリング剤溶液 : 1.0部
東レ・ダウコーニング社製「FZ-2122」
((不揮発分100質量%)1部をシクロヘキサノン99部で希釈した溶液)
溶剤 : 28.9部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
[実施例2~13、比較例1~6]
(感光性着色組成物(BLK-2~19)の製造)
表2に記載の組成、および配合量(質量部)に変更した以外は、感光性着色組成物(BLK-1)と同様にして、感光性着色組成物(BLK-2~19)を得た。
Figure 0007433385000008
表2中の略称について以下に示す。
<光重合単量体(B)>
光重合単量体B-1:トリメチロールプロパントリアクリレート(東亞合成社製「アロニックス M-309」)(一般式(1)中、m=1、n=0)
光重合単量体(B-2):トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート(東亞合成社製「アロニックス M-350」)(一般式(1)中、m=2、n=1)
光重合単量体(B-3):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(東亞合成社製「アロニックス M-402」)
<光重合開始剤(C)>
光重合開始剤(C-1):一般式(3)で示す化合物/1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル-,2-(O-ベンゾイルオキシム)](BASF社製「IRGACURE OXE 01」)
光重合開始剤C-2:化学式(2)で示す化合物/エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)(BASF社製「IRGACURE OXE 02」)
光重合開始剤(C-3):以下の化学式(2-2)で表される化合物
Figure 0007433385000009

光重合開始剤(C-4):2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1(BASF社製「IRGACURE 369」)
<感光性着色組成物の評価>
[光透過率測定評価]
得られた感光性着色組成物をそれぞれ100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて塗布し、プリベークとして70℃のホートプレートで1分加熱処理した。更に100℃のホットプレートにて15分間加熱、保冷後に膜厚1.2μmの塗膜基板を得た。得られた塗膜基板について、分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製「U-3900」)を用いて波長400~1000nmの光透過率を測定し、波長400~650nmの光線透過率の最大値(Tmax(400~650nm))、波長650~730nmの範囲の光線透過率の最大値(Tmax(650~730nm))を求め、下記の2段階で評価した。結果を表3に示す。なお、比較例1~3の感光性着色組成物は、黒色の被膜が得られなかったため、光透過率測定以外の評価は実施しなかった。なお、評価基準は、〇~△は実用域、×は実用不可である(以下同様)。
波長400~650nmの範囲の光透過率の最大値(Tmax(400~650nm))の評価:
○:Tmaxが3%未満
×:Tmaxが3%以上
波長650~730nmの範囲の光線透過率の最大値(Tmax(650~730nm))の評価:
○:Tmaxが13%未満
×:Tmaxが13%以上
[耐溶剤性評価]
8インチシリコンウエハ上に、平坦化膜用レジスト液(HL-18s:新日鐵化学社製)をスピンコート法により塗布し、プリベークとして、70℃のホットプレートで1分加熱処理した。更に、100℃のホットプレートにて15分間加熱処理して、塗布膜を硬化させて0.2μmの平坦化膜を形成し、平坦化膜付きウエハを得た。
感光性着色組成物(BLK-1)を平坦化膜付シリコンウエハ上に、スピンコーターで塗布し、プリベークとして、70℃のホットプレートで1分加熱処理した。次いで、i線ステッパー露光装置FPA-3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長で2.4μm四方と線幅100μmの細線のフィルタセグメントを形成するためのフォトマスクを通して露光量300mJ/cmにてパターン露光を行った。
露光後の塗膜を有機アルカリ現像液で1分、パドル現像を行った。パドル現像後、20秒スピンシャワーにて純水でリンスを行い、さらに純粋にて20秒間水洗を行った。その後、ウエハ上に残った水滴を高圧のエアーで飛ばし、基板を自然乾燥させ、さらに、表面温度100℃のホットプレート上で15分間加熱処理して正方形ピクセルパターンを形成した。熱処理後の黒色パターンの膜厚は1.2μmであった。塗膜の膜厚は、線幅100μmの細線パターン部をDektak 3030(日本真空技術社製)を用いて測定した。
上記方法で形成されたパターン基板をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに5分間浸漬した後の塗膜の膜厚をDektak 3030(日本真空技術社製)を用いて測定し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート浸漬前の膜厚と比較した。評価のランクは次の通りである。結果を表3に示す。
○:膜厚差が3%以内
△:膜厚差が3%より大きく、5%以内
×:膜厚差が5%より大きい
[解像性評価]
上記方法で形成された塗膜の2000~4000J/mにおける2.4μm四方の画素パタ-ンについて、走査型電子顕微鏡(日立ハイテク社製「S-3000N」)を用いて観察して評価を行った。評価のランクは次の通りである。結果を表3に示す。
○:2.8μm未満の画素を形成できる
△:2.8μm以上、3.2μm未満の画素を形成できる
×:3.2μm以上の画素が形成される
[密着性評価]
得られた2.4μm四方のピクセルパターンを顕微鏡を用いて観察し、ピクセルパターン100個あたりの密着しているパターンの個数を数え、密着性の評価を行った。評価のランクは次の通りである。結果を表3に示す。
○:100個のパターンのうち、98個以上が密着している
△: 100個のパターンのうち、密着しているパターンが95個以上、98個未満
×: 100個のパターンのうち、密着しているパターンが95個未満
Figure 0007433385000010
1 基板
2 ブラックマトリックス
3 開口部
4 シリコン基板
5 有機EL層
6 カラーフィルタ
6a、6b、6c 画素
7 封止層
8 カバーガラス
10 ブラックマトリックス基板
11 有機EL表示装置

Claims (6)

  1. ブラックマトリックスを備えたシリコン基板の前記ブラックマトリックス形成に使用する感光性着色組成物であって、
    着色剤(A)、光重合単量体(B)、光重合開始剤(C)、および樹脂(D)を含有し、
    前記着色剤(A)が、少なくとも青色顔料と黄色顔料と紫色顔料を含み、
    前記光重合単量体(B)が下記一般式(1)で示す化合物を含み、
    前記樹脂(D)が、分子内に2つの水酸基と1つのチオール基とを有する化合物(a)の水酸基と、ピロメリット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物の酸無水物基と、の反応生成物の存在下で、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)を含むエチレン性不飽和単量体(c)を重合させた水酸基含有重合体の水酸基と、1つのイソシアネート基及び1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(d)のイソシアネート基と、を反応させた樹脂であって、前記水酸基含有エチレン性不飽和単量体(b)に由来する構成単位の含有量が、前記エチレン性不飽和単量体(c)に由来する構成単位の全量に対して35質量%以上、80質量%以下である感光性アクリル樹脂(E)を含み、
    100℃以下の加熱処理で重合反応が促進する、感光性着色組成物。
    一般式(1)
    [CH=CHC(=O)-(OC2m-OCH-CCHCH
    (一般式(1)中、mは1~3の整数を表し、nは0~2の整数を表し、複数あるm及びnは同一であっても異なってもよい。)
  2. 前記青色顔料がピグメントブルー15:6であり、前記黄色顔料がピグメントイエロー139であり、前記紫色顔料がピグメントバイオレット23である、請求項1記載の感光性着色組成物。
  3. 前記着色剤(A)全量に対し、前記青色顔料32~45質量%、前記黄色顔料30~40質量%、および前記紫色顔料20~30質量%を含む、請求項1または2に記載の感光性着色組成物。
  4. 前記光重合開始剤(C)が、下記一般式(2)で表されるオキシムエステル系光重合開始剤を含む、請求項1~3いずれか1項に記載の感光性着色組成物。
    Figure 0007433385000011
    (一般式(2)中、Zは直接結合、又は-C(=O)-基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基を表し、Rは置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、又は置換基を有してもよいアリール基を表し、R~R10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、ニトロ基、又はR11-C(=O)-基を表す。R11は置換基を有してもよいアリール基を表す。)
  5. 請求項1~4いずれか1項に記載の感光性着色組成物から形成されてなる、ブラックマトリックス。
  6. 請求項5に記載のブラックマトリックスを備える、シリコン基板。
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