以下、本発明の一実施形態による情報処理システム、及び制御方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による情報処理システム100の一例を示す外観図である。
図1に示すように、情報処理システム100は、ノートPC1と、外付けキーボード2とを備える。
なお、本実施形態において、情報処理装置の一例として、ノートPC1について説明する。
図1に示すように、ノートPC1は、第1筐体101と、第2筐体102と、ヒンジ機構103とを備える。
第1筐体101は、表示部14A及びタッチセンサ部33Aを備える筐体であり、ヒンジ機構103により、第2筐体102と接続されている。なお、第1筐体101の表示部14Aが視認できない側(表示の裏側)のカバーをAカバーといい、第1筐体101の表示部14Aが視認できる側(表示側)のカバーをBカバーという。
第2筐体102は、表示部14B及びタッチセンサ部33Bを備える筐体であり、ヒンジ機構103により、第1筐体101と接続されている。第2筐体102の内部には、ノートPC1の主要なハードウェアが搭載されたマザーボードが格納されている。なお、第2筐体102の表示部14Bが視認できる側(表示側)のカバーをCカバーといい、第2筐体102の表示部14Bが視認できない側(表示の裏側)のカバーをDカバーという。
ヒンジ機構103(回動機構の一例)は、第1筐体101と第2筐体102とを結合しながら、第1筐体101を第2筐体102に対して、回転軸AXの周りに回動可能である。
表示部14Aは、第1筐体101に配置された表示部であり、表示領域AR1(第1表示領域)を有している。また、表示部14Bは、第2筐体102に配置された表示部であり、表示領域AR2(第2表示領域)を有している。
なお、本実施形態では、表示部14Aと表示部14Bとの総称として、表示部14と表記する。
タッチセンサ部33Aは、表示部14Aに重ねて配置されており、例えば、電子ペンや指などの操作媒体が、表示部14Aの表示画面(表示領域AR1)に接触するのを検出するとともに、操作媒体の接触位置を検出する。
タッチセンサ部33Bは、表示部14Bに重ねて配置されており、指などの操作媒体が、表示部14Bの表示画面(表示領域AR2)に接触するのを検出するといともに、操作媒体の接触位置を検出する。なお、タッチセンサ部33Bは、例えば、後述する仮想タッチパッドとして機能させることが可能である。
なお、本実施形態では、タッチセンサ部33Aとタッチセンサ部33Bとの総称として、タッチセンサ部33と表記する。
外付けキーボード2(物理キーボードの一例)は、ノートPC1に接続可能な外付けのキーボードである。外付けキーボード2は、タッチセンサ部33Bと組み合わせて操作できるように、タッチセンサ部33Bに近接する位置に配置される。外付けキーボード2は、例えば、タッチセンサ部33Bの一部に重ねて、タッチセンサ部33Bの少なくとも一部領域が視認できるように配置されてもよい。
なお、外付けキーボード2の詳細については、後述する。
次に、図2を参照して、情報処理システム100の主要なハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態による情報処理システム100の主要なハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示すように、情報処理システム100は、ノートPC1と、外付けキーボード2とを備える。また、ノートPC1は、CPU11と、メインメモリ12と、ビデオサブシステム13と、表示部14と、チップセット21と、BIOSメモリ22と、SSD23と、USBコネクタ24と、オーディオシステム25と、WLANカード26と、無線通信部27と、エンベデッドコントローラ31と、タッチセンサ部33と、電源回路34と、センサ部35とを備える。
CPU(Central Processing Unit)11は、プログラム制御により種々の演算処理を実行し、ノートPC1全体を制御する。
メインメモリ12は、CPU11の実行プログラムの読み込み領域として、又は、実行プログラムの処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。メインメモリ12は、例えば、複数個のDRAM(Dynamic Random Access Memory)チップで構成される。この実行プログラムには、OS(Operating System:オペレーティングシステム)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム(アプリケーションソフトウェア)、等が含まれる。
ビデオサブシステム13は、画像表示に関連する機能を実現するためのサブシステムであり、ビデオコントローラを含んでいる。このビデオコントローラは、CPU11からの描画命令を処理し、処理した描画情報をビデオメモリに書き込むとともに、ビデオメモリからこの描画情報を読み出して、表示部14に描画データ(表示データ)として出力する。
表示部14は、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイであり、ビデオサブシステム13から出力された描画データ(表示データ)に基づく表示画面を表示する。表示部14は、上述した図1に示すように、表示部14Aと、表示部14Bとを含み、複数の表示領域(AR1、AR2)を有している。すなわち、複数の表示領域には、表示領域AR1(第1表示領域)と、表示領域AR2(第2表示領域)とが含まれている。
チップセット21は、USB(Universal Serial Bus)、シリアルATA(AT Attachment)、SPI(Serial Peripheral Interface)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス、PCI-Expressバス、及びLPC(Low Pin Count)バスなどのコントローラを備えており複数のデバイスが接続される。図2では、デバイスの例示として、BIOSメモリ22と、SSD23と、USBコネクタ24と、オーディオシステム25と、WLANカード26と、無線通信部27と、エンベデッドコントローラ31とが、チップセット21に接続されている。
BIOS(Basic Input Output System)メモリ22は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュROMなどの電気的に書き換え可能な不揮発性メモリで構成される。BIOSメモリ22は、BIOS、及びエンベデッドコントローラ31などを制御するためのシステムファームウェアなどを記憶する。
SSD(Solid State Drive)23(不揮発性記憶装置の一例)は、OS、各種ドライバ、各種サービス/ユーティリティ、アプリケーションプログラム(以下、アプリケーションということがある)、及び各種データを記憶する。
USBコネクタ24は、USBを利用した周辺機器類を接続するためのコネクタである。
オーディオシステム25は、音データの記録、再生、出力を行う。
WLAN(Wireless Local Area Network)カード26は、ワイヤレスLAN(無線LAN)により、ネットワークに接続して、データ通信を行う。
無線通信部27は、例えば、Bluetooth(登録商標)モジュールであり、ノートPC1と外付けキーボード2との間で無線通信を行う。無線通信部27は、外付けキーボード2において操作(例えば、押下など)されたキー入力情報(例えば、キーコードなど)を、無線通信により受信し、チップセット21に出力する。
エンベデッドコントローラ31は、ノートPC1のシステム状態に関わらず、各種デバイス(周辺装置やセンサ等)を監視し制御するワンチップマイコン(One-Chip Microcomputer)である。また、エンベデッドコントローラ31は、電源回路34を制御する電源管理機能を有している。なお、エンベデッドコントローラ31は、不図示のCPU、ROM、RAMなどで構成されるとともに、複数チャネルのA/D入力端子、D/A出力端子、タイマ、及びデジタル入出力端子を備えている。エンベデッドコントローラ31には、それらの入出力端子を介して、例えば、タッチセンサ部33、電源回路34、及びセンサ部35などが接続されており、エンベデッドコントローラ31は、これらの動作を制御する。
タッチセンサ部33は、表示部14の画面上における指などの物体の接触及び接触位置を検出する。
なお、本実施形態では、タッチセンサ部33は、上述した図1に示すように、タッチセンサ部33Aと、タッチセンサ部33Bとを含んでいる。また、タッチセンサ部33と、表示部14とは、タッチスクリーン20を構成する。
電源回路34は、例えば、DC/DCコンバータ、充放電ユニット、電池ユニット、AC/DCアダプタなどを含んでおり、AC/DCアダプタ、又は電池ユニットから供給される直流電圧を、ノートPC1を動作させるために必要な複数の電圧に変換する。また、電源回路34は、エンベデッドコントローラ31からの制御に基づいて、ノートPC1の各部に電力を供給する。
センサ部35は、例えば、加速度センサやジャイロセンサ、ホール素子、近接センサなどであり、ノートPC1の使用状態を示す画面表示向きを検出する。センサ部35は、例えば、重力加速度の向きを検出して、ノートPC1(表示部14)の画面表示向きを検出する。センサ部35は、例えば、ホール素子である場合に、外付けキーボード2に設置されている磁石(不図示)により、外付けキーボード2とタッチセンサ部33とが所定の距離以内に接近したことを検出する。
なお、本実施形態において、上述したCPU11及びチップセット21は、メイン制御部10に対応する。メイン制御部10は、OS(例えば、Windows(登録商標))に基づく処理を実行する。
外付けキーボード2は、例えば、無線通信によりノートPC1に接続可能なキーボードであり、無線通信部201と、キー入力部202とを備える。
無線通信部201は、例えば、Bluetooth(登録商標)モジュールであり、ノートPC1と外付けキーボード2との間で無線通信を行う。無線通信部201は、外付けキーボード2において操作(例えば、押下など)された入力情報(例えば、キーコードなど)を、無線通信によりノートPC1に送信する。
キー入力部202は、複数のキーボタンを有し、キーボタンの操作に応じたキーコードを生成する。キー入力部202に対する利用者の操作は、キー入力情報として、無線通信部201を介して、ノートPC1に送信される。
次に、図3を参照して、本実施形態による情報処理システム100の機能構成について説明する。
図3は、本実施形態による情報処理システム100の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、ノートPC1は、メイン制御部10と、タッチスクリーン20と、無線通信部27と、エンベデッドコントローラ31と、記憶部40とを備える。
図3において、タッチスクリーン20は、表示部14と、タッチセンサ部33と、センサ部35とを備える。また、表示部14は、図1に示す表示部14A及び表示部14Bを有し、タッチセンサ部33は、図1に示すタッチセンサ部33A及びタッチセンサ部33Bを有している。
なお、図3において、情報処理システム100の構成として、本実施形態の発明に関する主要な機能構成のみを記載している。また、タッチスクリーン20と、無線通信部27と、エンベデッドコントローラ31と、外付けキーボード2とについては、上述した図2と同一であるため、ここではその説明を省略する。
記憶部40は、例えば、メインメモリ12又はSSD23により実現される記憶部であり、利き手設定記憶部41と、切替テーブル記憶部42と、マクロキーメニュー記憶部43と、キーモード記憶部44と、キー設定記憶部45とを備える。
利き手設定記憶部41は、例えば、SSD23により実現される記憶部であり、後述する仮想タッチパッドを操作する際の利用者の手が、右手か、左手かを設定する利き手情報を記憶する。利き手設定記憶部41には、例えば、OSに基づく操作により、利用者によって、利き手情報を設定可能であり、ここでは、利き手設定記憶部41には、利用者によって、予め利き手情報が記憶されているものとする。
切替テーブル記憶部42は、例えば、SSD23により実現される記憶部であり、外付けキーボード2をタッチパッドキー変換モードに変更する際に、利用者の人差し指の位置から親指の位置に対応したキーボタンを割り当てる切替テーブル情報を記憶する。切替テーブル記憶部42は、例えば、利用者の人差し指の接触位置と、利き手情報とに基づいて、操作ボタンに割り当てるキーボタンを指定する切替テーブル情報を記憶する。ここで、図4を参照して、切替テーブル記憶部42のデータ例について説明する。
図4は、本実施形態における切替テーブル記憶部42のデータ例を示す図である。
図4に示すように、切替テーブル記憶部42は、例えば、人差し指位置と、利き手情報と、キー名と、操作ボタンとを対応付けて、切替テーブル情報して記憶する。
図4において、人差し指位置は、仮想タッチパッドの領域における利用者の人差し指の接触位置の範囲を示している。人差し指の接触位置は、例えば、仮想タッチパッドの領域(表示部14B及びタッチセンサ部33Bの一部領域)の横軸をX軸、縦軸をY軸とした2次元座標の範囲を示している。また、利き手情報は、設定されている利き手情報を示し、キー名は、キーボタン名を示している。また、操作ボタンは、割り当てる操作ボタン名を示している。なお、キー名は、キーボタンを識別するキーボタン識別情報の一例であり、操作ボタン名は、操作ボタンを識別する操作ボタン識別情報の一例である。
例えば、図4に示す例では、人差し指位置が、“(XX1-XX2,YY1-YY2)”(X軸がXX1からXX2の範囲、Y軸がYY1からYY2の範囲)であり、利き手情報が“右手”である場合に、“F6”キー、“F7”キー、及び“F8”キーが、操作ボタンの“左クリック”ボタンに割り当てられることを示している。また、この場合、“F9”キー、“F10”キー、及び“F11”キーが、操作ボタンの“右クリック”ボタンに割り当てられ、“F5”キーが、操作ボタンの“トグルボタン”に割り当てられることを示している。また、この場合、“8”キーが、操作ボタンの“メニューA”ボタンに割り当てられ、“9”キーが、操作ボタンの“メニューB”ボタンに割り当てられることを示している。
なお、“F5”キー~“F11”キーは、ファンクションキーであり、“8”キー及び“9”キーは、数字キーである。また、“トグルボタン”は、1回押下されると、“左クリック”ボタンを押下した状態が固定されるドラッグ状態になり、再度、押下されると、当該ドラッグ状態が解除される操作ボタンである。
図3の説明に戻り、マクロキーメニュー記憶部43は、例えば、メインメモリ12又はSSD23により実現される記憶部であり、マクロキーのメニュー情報を記憶する。マクロキーメニュー記憶部43は、例えば、マクロキーメニューの識別情報と、メニュー情報とを対応付けて記憶する。ここで、図5を参照して、マクロキーメニュー記憶部43のデータ例について説明する。
図5は、本実施形態におけるマクロキーメニュー記憶部43のデータ例を示す図である。
図5に示すように、マクロキーメニュー記憶部43は、メニュー名と、メニュー内容とを対応付けて記憶する。
図5において、メニュー名は、マクロキーメニューの識別情報の一例であり、メニュー内容は、メニュー内のマクロキー名のリストを示している。メニュー内容は、上述したメニュー情報の一例である。
図5に示す例では、メニュー名が“メニューA”である場合に、メニュー内容が“Copy”、“Cut”、“Paste”、“Undo”、“Redo”、及び“Delete”であることを示している。また、メニュー名が“メニューB”である場合に、メニュー内容が“PrintScr”、“Start、Desktop”、“Snipping”、“Explorer”、及び“LockScr”であることを示している。ここで、メニュー内容の各項目は、特定の機能を実行するマクロキー(ショートカットキー)を示している。
再び、図3の説明に戻り、キーモード記憶部44は、例えば、メインメモリ12により実現される記憶部であり、外付けキーボード2の動作モードを示すキーモード情報を記憶する。ここで、キーモード情報には、タッチパッド変換モードと、通常の外付けキーボード2の動作モードである通常モードとが含まれる。
キー設定記憶部45は、例えば、メインメモリ12により実現される記憶部であり、タッチパッド変換モードに変更された場合に設定された操作ボタンの設定情報を記憶する。キー設定記憶部45は、例えば、キーボタン識別情報と、変換操作ボタンの操作ボタン識別情報とを対応付けて記憶する。ここで、図6を参照して、キー設定記憶部45のデータ例について説明する。
図6は、本実施形態におけるキー設定記憶部45のデータ例を示す図である。
図6に示すように、キー設定記憶部45は、キー名と、変換操作ボタン名とを対応付けて記憶する。ここで、キー名は、キーボタン識別情報の一例であり、変換操作ボタン名は、操作ボタン識別情報の一例である。
図6に示す例では、“F6”キー、“F7”キー、及び“F8”キーが、操作ボタンの“左クリック”ボタンに割り当てられ、“F9”キー、“F10”キー、及び“F11”キーが、操作ボタンの“右クリック”ボタンに割り当てられていることを示している。また、“F5”キーが、操作ボタンの“トグルボタン”に割り当てられ、“8”キーが、操作ボタンの“メニューA”ボタンに割り当てられ、“9”キーが、操作ボタンの“メニューB”ボタンに割り当てられていることを示している。
再び、図3の説明に戻り、メイン制御部10は、CPU11及びチップセット21が、メインメモリ12が記憶するプログラムを実行することで実現される機能部であり、OSに基づく各種処理を実行する。メイン制御部10は、例えば、仮想入力処理部111と、キー切替処理部112とを備える。
仮想入力処理部111は、CPU11及びチップセット21が、メインメモリ12が記憶するプログラムを実行することで実現される機能部であり、タッチセンサ部33Bの一部領域を仮想タッチパッドとして機能させる処理を実行する。すなわち、仮想入力処理部111は、外付けキーボード2に近接するタッチセンサ部33Bの少なくとも一部領域(例えば、図7の仮想タッチパッド領域SAR1)を、仮想のポインティングデバイスである仮想タッチパッドとして機能させる。
仮想入力処理部111は、仮想タッチパッド領域における物体(例えば、利用者の指)の接触位置の移動に応じて、表示部14(表示部14A)に表示しているポインタの移動や、画面のスクロールなどの処理を実行する。
仮想入力処理部111は、例えば、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bの検出面とが特定の位置関係に配置されたことを検出した場合に、外付けキーボード2に近接するタッチセンサ部33Bの少なくとも一部領域を、仮想のポインティングデバイスである仮想タッチパッドとして機能させる。ここで、特定の位置関係とは、平面視で、一部領域(例えば、図7の仮想タッチパッド領域SAR1)と外付けキーボード2のキーボタンの面とが同時に視認可能な位置関係であり、例えば、図7に示すように、ノートPC1のCカバー上に、外付けキーボード2を重ねて配置した状態である。
仮想入力処理部111は、センサ部35が、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bとが所定の距離以内に接近したことを検出した場合に、平面視で、タッチセンサ部33Bの一部領域と外付けキーボード2のキーボタンの面とが同時に視認可能な位置に配置されている特定の位置関係に配置されたと判定する。
仮想入力処理部111は、タッチセンサ部33Bの一部領域を仮想タッチパッドとして機能させる際に、タッチセンサ部33Bによる利用者の指の接触検出と、外付けキーボード2に割り付けた機能ボタン(例えば、左クリックボタン、等)との組み合わせにより実現する。
キー切替処理部112は、CPU11及びチップセット21が、メインメモリ12が記憶するプログラムを実行することで実現される機能部であり、仮想入力処理部111によって、仮想タッチパッドとして機能させている領域(一部領域)に、タッチセンサ部33Bが物体の接触を検出した場合に、外付けキーボード2が有する複数のキーボタンのうちの、物体の接触位置に応した位置のキーボタンの機能を、異なる機能の操作ボタンに切り替える。
すなわち、キー切替処理部112は、物体(利用者の指)の接触位置に応じて、可変的に定まる異なる位置のキーボタンの機能を、操作ボタンに切り替える。
また、キー切替処理部112は、仮想入力処理部111によって、仮想タッチパッドとして機能させている領域に、タッチセンサ部33Bが指の接触を検出した場合に、タッチパッドキー変換モードに変更し、外付けキーボード2が有するキーボタンを、仮想タッチパッドの操作ボタンに変更する。キー切替処理部112は、仮想タッチパッドの領域に、タッチセンサ部33Bが指の接触を検出した場合に、外付けキーボード2が有する複数のキーボタンのうちの、指の接触位置に応した位置のキーボタンを、仮想タッチパッドの操作ボタンに変更する。
キー切替処理部112は、例えば、物体の接触位置を利用者の人差し指の接触位置と仮定し、物体の接触位置に基づいて、利用者の親指の位置を推定し、親指の位置に対応した位置のキーボタンを、操作ボタンに切り替える。例えば、キー切替処理部112は、タッチセンサ部33Bが検出した指の接触位置が1つの場合に、当該1つの指の接触位置を、利用者の人差し指の接触位置と判定する。
また、キー切替処理部112は、タッチセンサ部33Bが2つ以上の指の接触位置が検出した場合に、利き手設定記憶部41が記憶する利き手情報に基づいて、人差し指の接触位置と判定する。キー切替処理部112は、利き手情報が右手の場合に、最も左側、且つ、外付けキーボード2から遠い指の接触位置を利用者の人差し指の接触位置と判定する。また、キー切替処理部112は、利き手情報が左手の場合に、最も右側、且つ、外付けキーボード2から遠い指の接触位置を利用者の人差し指の接触位置と判定する。
キー切替処理部112は、さらに、人差し指の接触位置及び利き手情報から、切替テーブル記憶部42が記憶する親指の位置に対応するキーボタンを割り当てる切替テーブル情報を取得し、当該切替テーブル情報に基づいて、キー設定記憶部45に、操作ボタンの設定情報を記憶させる。
また、キー切替処理部112は、タッチパッドキー変換モードに変更した際に、タッチパッドキー変換モードを示す情報を、キーモード記憶部44に記憶させる。
キー切替処理部112は、タッチパッドキー変換モードである場合に、キー設定記憶部45が記憶する設定情報に基づいて、外付けキーボード2の特定のキーボタンのキーコードを、操作ボタンのキーコードに変換して、変換したキーコードに応じた処理をメイン制御部10に実行させる。
なお、仮想タッチパッドの操作ボタンには、左クリックボタン、及び右クリックボタンが含まれる。また、仮想タッチパッドの操作ボタンには、さらに、左クリックボタンを押下した状態を維持するトグルボタンが含まれる。
また、キー切替処理部112は、仮想入力処理部111が一部領域を仮想タッチパッドとして機能させている状態(例えば、タッチパッドキー変換モード)において、複数のキーボタンのうちの特定のキーボタンが押下された場合に、特定のキーボタンに対応して仮想キーボードを表示部14(表示部14B)に表示させる。ここで、仮想キーボードは、特定の機能を割り付けたマクロキーを含むメニュー画面であり、各マクロキーは、マクロキーメニュー記憶部43が記憶するメニュー内容に対応する。
また、キー切替処理部112は、タッチセンサ部33Bが、マクロキーの押下を検出した場合に、マクロキーに対応するキーコードを出力し、マクロキーに割り付けられた特定の機能を実行させる。
また、キー切替処理部112は、タッチセンサ部33Bが指の接触を検出しない状態が一定期間継続した場合に、位置のキーボタンを、操作ボタンから、外付けキーボード2における通常のキーボタン(通常モード)に戻す処理を実行する。キー切替処理部112は、通常のキーボタン(通常モード)に戻す際に、通常モードを示す情報を、キーモード記憶部44に記憶させる。
なお、本実施形態において、仮想入力処理部111及びキー切替処理部112は、アプリケーションの一部として実現されてもよいし、OS上に常駐する常駐プログラムの一部として実現されてもよい。また、仮想入力処理部111及びキー切替処理部112は、デバイスドライバの一部、又は各種サービス/ユーティリティの一部として実現されてもよい。
次に、図面を参照して、本実施形態による情報処理システム100の動作について説明する。
図7は、本実施形態による情報処理システム100の動作例を説明する図である。
図7に示す例は、ノートPC1のCカバーの一部に、外付けキーボード2を重ねて配置して使用した一例を示している。
図7に示すように、外付けキーボード2は、タッチセンサ部33Bに近接する位置に配置されている。すなわち、表示部14B及びタッチセンサ部33Bは、平面視で、タッチセンサ部33Bの一部領域(仮想タッチパッド領域SAR1と外付けキーボード2のキーボタンの面とが同時に視認可能な位置に配置されている。
図7に示すように、ノートPC1のメイン制御部10は、表示部14Aに、各種アプリケーションなどの表示情報を表示させる。また、ノートPC1の仮想入力処理部111は、仮想タッチパッド領域SAR1を仮想タッチパッドとして機能させ、仮想タッチパッド上における利用者による手HNDの指の移動に応じて、表示部14Aにおけるポインタの移動や画面のスクロールなど処理を実行する。また、キー切替処理部112は、外付けキーボード2の一部のキーボタンを、仮想タッチパッドを操作するための操作ボタンに割り当てる。
次に、図8を参照して、本実施形態による情報処理システム100のタッチパッドキー変換モードの具体例について説明する。
図8は、本実施形態による情報処理システムの仮想タッチパッドの動作例を示す図である。
図8において、キー切替処理部112は、タッチセンサ部33Bの仮想タッチパッド領域SAR1に、利用者の手HNDの指の接触を検出すると、通常モードからタッチパッドキー変換モードに変更し、人差し指の位置P1から、外付けキーボード2が有する複数のキーボタンKBの一部に、操作ボタンを割り付ける。ここでは、人差し指の位置P1が、仮想タッチパッド領域SAR1の範囲(XX1-XX2,YY1-YY2)内であるものとして説明する。
キー切替処理部112は、人差し指の位置P1と、利き手情報(ここでは右手)とに基づいて、図4に示す切替テーブル記憶部42の“(XX1-XX2,YY1-YY2)”に対応する切替テーブル情報を取得する。キー切替処理部112は、取得した切替テーブル情報に基づいて、図6に示す例のような設定情報を、キー設定記憶部45に記憶させる。
すなわち、図8に示すように、キー切替処理部112は、左クリックボタン領域LBAとして、“F6”キー、“F7”キー、及び“F8”キーを割り当てるとともに、右クリックボタン領域RBAとして、“F9”キー、“F10”キー、及び“F11”キーを割り当てる。また、キー切替処理部112は、トグルボタン領域TBAとして、“F5”キーを割り当て、マクロキーメニューを表示させる特定のキー(例えば、数字キー)の領域MKAとして、“8”キー及び“9”キーを割り当てる。
なお、キー切替処理部112は、人差し指の位置P1に応じて、表示部14Bの仮想タッチパッド領域SAR1に、割り当てた操作ボタンの位置の目安を示す表示マークを表示させてもよい。図8に示す例では、表示マークBM1が、左クリックボタン領域LBAの目安を示し、表示マークBM2が、右クリックボタン領域RBAの目安を示し、表示マークBM3が、トグルボタン領域TBAの目安を示している。
ここで、表示マークBM1、表示マークBM2、及び表示マークBM3は、機能が切り替えられた操作ボタンの位置を示す補助標示の一例である。キー切替処理部112は、図8に示す表示マークBM1、表示マークBM2、及び表示マークBM3のように、機能が切り替えられた操作ボタンの位置を示す補助標示を表示部14B(仮想タッチパッド領域SAR1)に表示させる。
次に、図9を参照して、本実施形態による情報処理システム100のマクロキーメニュー表示及び選択処理について説明する。
図9は、本実施形態による情報処理システム100のマクロキーメニューの表示例を示すの図である。
図9に示す例は、タッチパッドキー変換モードにおいて、例えば、“8”キーが押下された場合を示しており、キー切替処理部112は、この場合、“8”キーに対応したマクロキーメニューMN1を、仮想タッチパッド領域SAR1に表示させ、マクロキーメニューの仮想キーボードとして機能させる。キー切替処理部112は、“8”キーが押下された場合に、キー設定記憶部45が記憶する設定情報に基づいて、例えば、図6に示す“8”キーに対応する、“メニューA”を選択し、マクロキーメニュー記憶部43から“メニューA”に対応するメニュー内容を取得して、“8”キーに対応したマクロキーメニューMN1を、仮想タッチパッド領域SAR1に表示させる。
また、キー切替処理部112は、図9に示すマクロキーメニューMN1を表示させた状態で、マクロキーの“Copy”、“Cut”、“Paste”、“Undo”、“Redo”、及び“Delete”のいずれかの表示部分がタッチされた場合に、タッチされたマクロキーに応じた処理を、メイン制御部10に実行させる。
次に、図10を参照して、本実施形態による情報処理システム100の外付けキーボード2のモード変更処理について説明する。
図10は、本実施形態による情報処理システム100の外付けキーボード2のモード変更処理の一例を示すのフローチャートである。
図10に示すように、情報処理システム100のノートPC1は、まず、仮想タッチパッドの領域に指の接触を検出したか否かを判定する(ステップS101)。ノートPC1のキー切替処理部112は、タッチセンサ部33Bによって、仮想タッチパッドの領域(例えば、仮想タッチパッド領域SAR1)に、手HNDの指の接触が検出されたか否かを判定する。キー切替処理部112は、仮想タッチパッドの領域に指の接触が検出された場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS102に進める。また、キー切替処理部112は、仮想タッチパッドの領域に指の接触が検出されていない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS103に進める。
ステップS102において、キー切替処理部112は、外付けキーボード2を、タッチパッドキー変換モードに変更する。すなわち、キー切替処理部112は、外付けキーボード2が有する複数のキーボタンのうちの、接触した指の接触位置に応した位置のキーボタンを、仮想タッチパッドの操作ボタンに割り当てるタッチパッドキー変換モードに変更する。なお、タッチパッドキー変換モードへの変更処理の詳細については、図11を参照して後述する。ステップS102の処理後に、キー切替処理部112は、処理をステップS101に戻す。
また、ステップS103において、キー切替処理部112は、仮想タッチパッドの領域に指の未接触を一定期間検出したかを判定する。すなわち、キー切替処理部112は、タッチセンサ部33Bによって、例えば、仮想タッチパッド領域SAR1において、指を検出していない状態を一定期間検出したか否かを判定する。キー切替処理部112は、指を検出していない状態を一定期間検出した(指の接触を検出しない状態が一定期間継続した)場合(ステップS102:YES)に、処理をステップS104に進める。また、キー切替処理部112は、指を検出していない状態を一定期間検出していない(指の接触を検出しない状態が一定期間継続していない)場合(ステップS102:NO)に、処理をステップS101に戻す。
ステップS104において、キー切替処理部112は、外付けキーボード2を、通常モードに戻す。すなわち、キー切替処理部112は、タッチパッドキー変換モードから通常モードに変更し、通常モードを示す情報を、キーモード記憶部44に記憶させる。ステップS104の処理後に、キー切替処理部112は、処理をステップS101に戻す。
次に、図11を参照して、上述した図10のステップS102の処理の詳細について説明する。
図11は、本実施形態による情報処理システム100のタッチパッド変換モードへの変更処理の一例を示すのフローチャートである。
図11示すように、キー切替処理部112は、タッチパッド変換モードへの変更処理において、まず、キーモード記憶部44にタッチパッドキー変換モードを示す情報を記憶させる(ステップS201)。
次に、キー切替処理部112は、利き手情報と、人差し指の位置とから親指の位置を推定して、切替テーブル情報を決定する(ステップS202)。キー切替処理部112は、利き手設定記憶部41が記憶する利き手情報と、タッチセンサ部33Bが検出した人差し指の接触位置とに基づいて、切替テーブル記憶部42から対応する切替テーブル情報を取得する。ここで、切替テーブル情報には、人差し指の接触位置に応じた親指の位置に対応したキー名と操作ボタンとの対応情報が含まれている。
次に、キー切替処理部112は、決定した切替テーブル情報をキー設定記憶部に記憶して、キーボタンの一部を操作ボタンに変更する(ステップS203)、キー切替処理部112は、切替テーブル記憶部42から取得したキー名と操作ボタンとの対応情報に基づいて、例えば、図6及び図8に示すように、キー設定記憶部45に設定情報を記憶させる。ステップS203の処理後に、キー切替処理部112は、タッチパッド変換モードへの変更処理を終了する。
次に、図12を参照して、本実施形態による情報処理システム100のタッチパッド変換モードにおけるキー変換処理について説明する。
図12は、本実施形態による情報処理システム100のタッチパッド変換モードにおけるキー変換処理の一例を示すのフローチャートである。
図12に示すように、ノートPC1は、外付けキーボード2の操作を検出したか否かを判定する(ステップS301)。ノートPC1のキー切替処理部112は、メイン制御部10によって、無線通信部27を介して、外付けキーボード2の操作を検出されたか否かを判定する。キー切替処理部112は、メイン制御部10によって、外付けキーボード2の操作を検出された場合(ステップS301:YES)に、処理をステップS302に進める。また、キー切替処理部112は、メイン制御部10によって、外付けキーボード2の操作を検出されていない場合(ステップS301:NO)に、処理をステップS301に戻す。
ステップS302において、キー切替処理部112は、タッチパッドキー変換モードであるか否かを判定する。キー切替処理部112は、キーモード記憶部44を参照して、タッチパッドキー変換モードであるか否かを判定する。キー切替処理部112は、タッチパッドキー変換モードである場合(ステップS302:YES)に、処理をステップS303に進める。また、キー切替処理部112は、タッチパッドキー変換モードでない場合(ステップS302:NO)に、処理をステップS301に戻す。
ステップS303において、キー切替処理部112は、検出された外付けキーボード2の操作が、キー設定記憶部45に設定されたキー操作であるか否かを判定する。キー切替処理部112は、検出された外付けキーボード2の操作が、キー設定記憶部45に設定されたキー操作である場合(ステップS303:YES)に、処理をステップS304に進める。また、キー切替処理部112は、検出された外付けキーボード2の操作が、キー設定記憶部45に設定されたキー操作でない場合(ステップS303:NO)に、処理をステップS301に戻す。
ステップS304において、キー切替処理部112は、キー設定記憶部45に記憶されている設定情報に基づいて、キーコードを変換し、変換したキーコードに応じた処理をメイン制御部10に実行させる。キー切替処理部112は、例えば、図6及び図8において、ファンクションキーの“F7”キーが押下された場合に、“F7”キーのキーコードを、左クリックボタンのキーコードに変換して、仮想タッチパッドの左クリックボタンの処理を実行させる。
また、キー切替処理部112は、例えば、図6及び図8において、ファンクションキーの“F10”キーが押下された場合に、“F10”キーのキーコードを、右クリックボタンのキーコードに変換して、仮想タッチパッドの右クリックボタンの処理を実行させる。また、キー切替処理部112は、例えば、図6及び図8において、ファンクションキーの“8”キーが押下された場合に、“8”キーのキーコードを、メニューAのマクロキーメニューを表示するキーコードに変換して、メニューAを表示部14Bの仮想タッチパッド領域SAR1に表示させる処理(マクロキー操作の仮想キーボードの処理)を実行させる。なお、マクロキーメニューを表示させる処理の詳細については、図13を参照して後述する。ステップS304の処理後に、キー切替処理部112は、処理をステップS301に戻す。
次に、図13を参照して、図12のステップS304におけるマクロキー操作の仮想キーボードの処理の詳細について説明する。
図13は、本実施形態による情報処理システム100のマクロキー操作の処理の一例を示すのフローチャートである。
図13に示すように、ノートPC1のキー切替処理部112は、まず、外付けキーボード2の特定のキーの押下を検出したか否かを判定する(ステップS401)。キー切替処理部112は、外付けキーボード2から特定のキーの押下のキーコードが出力されたか否かにより、外付けキーボード2の特定のキーの押下を検出したか否かを判定する。ここでの特定のキーは、例えば、図9に示す領域MKAの“8”キー、“9”キー、及び“0”キーである。キー切替処理部112は、特定のキーの押下を検出した場合(ステップS401:YES)に、処理をステップS402に進める。また、キー切替処理部112は、特定のキーの押下を検出していない場合(ステップS401:NO)に、処理をステップS401に戻す。
ステップS402において、キー切替処理部112は、特定のキーに対応したマクロキーメニューを仮想タッチパッドの領域に表示する。キー切替処理部112は、特定のキーに対応したマクロキーメニュー(メニュー名)をキー設定記憶部45が記憶する設定情報に基づいて決定し、決定したマクロキーメニューのメニュー名に基づいて、マクロキーメニュー記憶部43からメニュー内容を取得する。キー切替処理部112は、取得したメニュー内容に基づいて、例えば、図9に示すようなマクロキーメニューMN1を、仮想タッチパッド領域SAR1に表示させる。
次に、キー切替処理部112は、マクロキーのタッチを検出したか否かを判定する(ステップS403)。キー切替処理部112は、タッチセンサ部33Bの指の接触位置に基づいて、例えば、図9に示すようなマクロキーメニューMN1内のマクロキーがタッチされたか否かを判定する。キー切替処理部112は、マクロキーのタッチを検出した場合(ステップS403:YES)に、処理をステップS404に進める。また、キー切替処理部112は、マクロキーのタッチを検出していない場合(ステップS403:NO)に、処理をステップS405に進める。
ステップS404において、キー切替処理部112は、マクロキーに対応したキーコードを出力し、対応した特定の機能を実行させる。例えば、図9において、“Cut”のマクロキーがタッチされた場合には、キー切替処理部112は、“Cut”のマクロキーに対応したキーコードを出力し、“Cut”の処理を実行させる。
次に、キー切替処理部112は、外付けキーボード2の特定のキーの押下の終了を検出したか否かを判定する(ステップS405)。キー切替処理部112は、特定のキーの押下の終了を検出した場合(ステップS405:YES)に、処理をステップS406に進める。また、キー切替処理部112は、特定のキーの押下の終了を検出していない場合(ステップS405:NO)に、処理をステップS403に戻す。
ステップS406において、キー切替処理部112は、マクロキーメニューの表示を終了する。ステップS406の処理後に、キー切替処理部112は、処理をステップS401に戻す。
以上説明したように、本実施形態による情報処理システム100は、ノートPC1(情報処理装置)と、ノートPC1に接続可能な外付けの物理キーボード(外付けキーボード2)とを備える。ノートPC1は、タッチセンサ部33(タッチセンサ部33B)と、仮想入力処理部111と、キー切替処理部112とを備える。タッチセンサ部33(タッチセンサ部33B)は、表示部14(表示部14B)の画面上の検出面における物体の接触及び接触位置を検出する。仮想入力処理部111は、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bの検出面とが特定の位置関係に配置されたことを検出した場合に、外付けキーボード2に近接するタッチセンサ部33Bの少なくとも一部領域(仮想タッチパッド領域SAR1)を、仮想のポインティングデバイスである仮想タッチパッドとして機能させる。キー切替処理部112は、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bの検出面とが特定の位置関係に配置されたことが検出され、仮想タッチパッドとして機能させている一部領域に、タッチセンサ部33Bが物体(例えば、指)の接触を検出した場合に、外付けキーボード2が有する複数のキーボタンKBのうちの、物体(例えば、指)の接触位置に応した位置のキーボタンの機能を、異なる機能の操作ボタンに切り替える。
これにより、本実施形態による情報処理システム100は、指の接触位置に応した位置のキーボタンの機能を、異なる機能の操作ボタン(仮想タッチパッドの操作ボタン)に切り替える(変更する)ため、例えば、片手で仮想タッチパッドの操作を簡単に行うことができる。そのため、本実施形態による情報処理システム100は、仮想タッチパッドの操作性を向上させることができる。
また、本実施形態による情報処理システム100は、物理キーボード(外付けキーボード2)を操作ボタンとして使用することで、例えば、ドラッグ&ドロップ操作、等の複雑な操作を片手で簡単に行うことができ、誤操作を低減することができる。
また、本実施形態では、キー切替処理部112は、物体(例えば、指)の接触位置に応じて、可変的に定まる異なる位置のキーボタンの機能を、操作ボタンに切り替える。
これにより、本実施形態による情報処理システム100は、物体(例えば、指)の接触位置に応じて、操作ボタンに機能を切り替えるキーボタンを変更するため、さらに操作性を向上させることができる。
また、本実施形態では、キー切替処理部112は、物体の接触位置を利用者の人差し指の接触位置と仮定し、物体の接触位置に基づいて、利用者の親指の位置を推定し、親指の位置に対応した位置のキーボタンを、操作ボタンに変更する。
これにより、本実施形態による情報処理システム100は、例えば、利用者の人差し指で仮想タッチパッドによるポインタの位置やスクロール位置の移動操作を行い、親指で操作ボタンの操作を行うことができ、仮想タッチパッドを片手で簡単に操作することができる。よって、本実施形態では、キー切替処理部112は、さらに操作性を向上させることができる。
また、本実施形態では、キー切替処理部112は、仮想入力処理部111が一部領域を仮想タッチパッドとして機能させている状態において、複数のキーボタンのうちの特定のキーボタンが押下された場合に、特定のキーボタンに対応して特定の機能を割り付けたマクロキーを含む仮想キーボードを表示部14(表示部14B)に表示させるとともに、タッチセンサ部33Bが、マクロキーの押下を検出した場合に、マクロキーに対応するキーコードを出力し、特定の機能を実行させる。
これにより、本実施形態による情報処理システム100は、例えば、カット&ペーストなどのシュートカットキー操作を、仮想タッチパッドと組み合わせて、マクロキーにより簡単に行うことができ、さらに操作性を向上させることができる。
また、本実施形態では、操作ボタンには、左クリックボタン、及び右クリックボタンが含まれる。
これにより、本実施形態による情報処理システム100は、仮想タッチパッドの基本の操作ボタンである左クリックボタン、及び右クリックボタンを、外付けキーボード2に割り当てることで、仮想タッチパッドの操作性を向上させることができる。
また、本実施形態では、操作ボタンには、さらに、左クリックボタンを押下した状態を維持するトグルボタンが含まれる。
これにより、本実施形態による情報処理システム100は、トグルボタンの機能を追加することで、仮想タッチパッドの操作性をさらに向上させることができるとともに、利便性を向上させることができる。
また、本実施形態では、キー切替処理部112は、機能が切り替えられた操作ボタンの位置を示す補助標示(例えば、図8に示す表示マークBM1、表示マークBM2、及び表示マークBM3)を表示部14Bに表示させる。
これにより、本実施形態では、キー切替処理部112は、利用者が、機能が切り替えられた操作ボタンの位置を把握し易くなるため、仮想タッチパッドの操作性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、キー切替処理部112は、タッチセンサ部33Bが指の接触を検出しない状態が一定期間継続した場合に、指の接触位置に応した位置のキーボタンを、操作ボタンから、外付けキーボード2における通常のキーボタンに戻す処理を実行する。
これにより、本実施形態による情報処理システム100は、仮想タッチパッドから指の接触を止めることで、外付けキーボード2を通常のキーボードの操作に使用することができ、操作性をさらに向上させることができる。
また、本実施形態では、表示部14B及びタッチセンサ部33Bは、平面視で、一部領域(例えば、仮想タッチパッド領域SAR1)と外付けキーボード2のキーボタンの面とが同時に視認可能な位置に配置されている。すなわち、ノートPC1は、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bとが所定の距離以内に接近したことを検出するセンサ部35を備える。そして、仮想入力処理部111は、センサ部35が、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bとが所定の距離以内に接近したことを検出した場合に、平面視で、一部領域(例えば、仮想タッチパッド領域SAR1)と外付けキーボード2のキーボタンの面とが同時に視認可能な位置に配置されている特定の位置関係に配置されたと判定する。
これにより、本実施形態による情報処理システム100は、仮想タッチパッドと外付けキーボード2とを組み合わせてた操作が可能になり、操作性を向上させることができる。
また、本実施形態による制御方法は、表示部14Bの画面上の検出面における物体の接触及び接触位置を検出するタッチセンサ部33Bを有するノートPC1(情報処理装置)と、ノートPC1に接続可能な外付けキーボード2とを備える情報処理システム100の制御方法であって、仮想入力処理ステップと、キー切替処理ステップとを含む。仮想入力処理ステップにおいて、ノートPC1が、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bの検出面とが特定の位置関係に配置されたことを検出した場合に、外付けキーボード2に近接するタッチセンサ部33Bの少なくとも一部領域を、仮想のポインティングデバイスである仮想タッチパッドとして機能させる。キー切替処理ステップにおいて、ノートPC1が、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bの検出面とが特定の位置関係に配置されたことを検出し、仮想タッチパッドとして機能させている一部領域に、タッチセンサ部33Bが物体の接触を検出した場合に、外付けキーボード2が有する複数のキーボタンのうちの、物体の接触位置に応した位置のキーボタンの機能を、異なる機能の操作ボタンに切り替える。
これにより、本実施形態による制御方法は、上述した情報処理システム100と同様の効果を奏し、操作性を向上させることができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、情報処理システム100及び情報処理システム100の制御方法は、指の接触位置に応した位置のキーボタンを、仮想タッチパッドの操作ボタンに変更する例を説明したが、これに限定されずに、指の接触位置に依存せずに、特定のキーボタンを仮想タッチパッドの操作ボタンに変更するようにしてもよい。
すなわち、本実施形態による情報処理システム100は、ノートPC1と、ノートPC1に接続可能な外付けキーボード2とを備える情報処理システムであって、ノートPC1は、タッチセンサ部33Bと、仮想入力処理部111と、キー切替処理部112とを備える。タッチセンサ部33Bは、表示部14Bの画面上の検出面における物体の接触及び接触位置を検出する。仮想入力処理部111は、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bの検出面とが特定の位置関係に配置されたことを検出した場合に、外付けキーボード2に近接するタッチセンサ部33Bの少なくとも一部領域を、仮想のポインティングデバイスである仮想タッチパッドとして機能させる。そして、キー切替処理部112は、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bの検出面とが特定の位置関係に配置されたことが検出され、仮想タッチパッドとして機能させている一部領域に、タッチセンサ部33Bが物体の接触を検出した場合に、外付けキーボード2が有するキーボタンの機能を、異なる機能の操作ボタンに切り替えるようにしてもよい。
これにより、本実施形態による情報処理システム100は、タッチセンサ部33Bと外付けキーボード2とを組み合わせて、仮想タッチパッドの操作を簡単に行うことができ、仮想タッチパッドの操作性を向上させることができる。
また、本実施形態による制御方法は、表示部14Bの画面上の検出面における物体の接触及び接触位置を検出するタッチセンサ部33Bを有するノートPC1と、ノートPC1に接続可能な外付けキーボード2とを備える情報処理システム100の制御方法であって、仮想入力処理ステップと、キー切替処理ステップとを含む。仮想入力処理ステップにおいて、ノートPC1が、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bの検出面とが特定の位置関係に配置されたことを検出した場合に、外付けキーボード2に近接するタッチセンサ部33Bの少なくとも一部領域を、仮想のポインティングデバイスである仮想タッチパッドとして機能させる。そして、キー切替処理ステップにおいて、ノートPC1が、外付けキーボード2とタッチセンサ部33Bの検出面とが特定の位置関係に配置されたことを検出し、仮想タッチパッドとして機能させている一部領域に、タッチセンサ部33Bが物体の接触を検出した場合に、外付けキーボード2が有するキーボタンの機能を、異なる機能の操作ボタンに切り替えるようにしてもよい。
これにより、本実施形態による制御方法は、タッチセンサ部33Bと外付けキーボード2とを組み合わせて、仮想タッチパッドの操作を簡単に行うことができ、仮想タッチパッドの操作性を向上させることができる。
また、上記の実施形態において、情報処理装置がノートPC1である例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、タブレット端末装置、スマートフォンなどの他の情報処理装置であってもよい。
また、上記の実施形態において、表示部14が、2つの表示部(14A、14B)を含み、タッチセンサ部33が、2つのタッチセンサ部(33A、33B)を含む例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図1に示す表示領域AR1及び表示領域AR2を1つの表示部及びタッチセンサ部(1つのタッチスクリーン)で構成してもよい。
また、上記の実施形態において、マクロキーメニューが、カット&ペースト関連(コピーペースト関連)のメニューAと、Snipping関連のメニューBである例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、タスク切り替え関連のメニューなど他のマクロキーメニューに対応してもよい。
また、上記の実施形態において、仮想入力処理部111及びキー切替処理部112が、アプリケーション、常駐プログラム、ドライバ、又はサービス/ユーティリティの一部として実現される例を説明したが、これに限定されるものではなく、仮想入力処理部111及びキー切替処理部112の処理の一部又は全部をハードウェアにより実現してもよい。
また、上記の実施形態において、外付けキーボード2が、ノートPC1と無線通信により接続される例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、USBなどの有線通信によりノートPC1と接続されてもよい。また、無線通信は、Bluetooth(登録商標)に限定されるものではなく、他の無線通信を適用してもよい。
また、上記の実施形態において、センサ部35が、磁石とホール素子により、外付けキーボード2と、タッチセンサ部33Bとの接近を検出する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、近接センサ、等、他のセンサ手段により、外付けキーボード2と、タッチセンサ部33Bとの接近を検出するようにしてもよい。
なお、上述したノートPC1が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したノートPC1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したノートPC1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後にノートPC1が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。