JP7432479B2 - 鉄筋コンクリート壁構造 - Google Patents

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本発明は、開口部を有する鉄筋コンクリート板の構造に関する。
従来より、鉄筋コンクリート構造体に開口部を設ける場合、この開口部の周囲に開口補強材を設けることが提案されている(特許文献1~3参照)。
特許文献1には、上下梁主筋間に配置された梁貫通孔を補強する補強装置が示されている。補強装置は、梁貫通孔を成形する型枠を包囲する鋼製の環状補強部材と、環状補強部材に設けられた座屈拘束筋と、を備える。座屈拘束筋の内側には、上下の梁主筋が挿通される。
特許文献2には、鉄筋コンクリート構造壁の開口部の補強構造が示されている。この補強構造は、開口部を形成する円形鋼管と、円形鋼管の外周面に形成された補強鋼板と、この補強鋼板から突出して形成された継手筋と、を備える。この継手筋は、壁の主鉄筋に溶接される。
特許文献3には、開口を有する鉄筋コンクリート梁の補強構造が示されている。この補強構造は、開口を形成する鋼管と、この鋼管の周囲に接合された略コの字形状のせん断補強筋と、を備える。せん断補強筋の内側には、梁主筋が挿通されている。
特開2011-137335号公報 特開2008-144415号公報 特開2007-51533号公報
本発明は、壁や床などの鉄筋コンクリート板に開口部を設ける際に、開口部廻りのコンクリートの充填性を向上できる、鉄筋コンクリート構造を提供することを課題とする。
本発明者らは、開口部を有する鉄筋コンクリート板(壁、床)を対象として、開口部に予め開口補強材を設置し、この開口補強材廻りにコンクリートを充填することで、開口部廻りの主筋(壁筋、床筋)に開口補強筋を接続する必要がなく、配筋作業を軽減できかつコンクリートの充填性を向上できる点に着目して、本発明に至った。
第1の発明の鉄筋コンクリート板構造は、開口補強材(例えば、後述の開口補強材10)で補強された開口部(例えば、後述の開口部2)が設けられた鉄筋コンクリート板(例えば、後述の鉄筋コンクリート壁1~1G)の構造であって、当該鉄筋コンクリート板の主筋(例えば、後述の壁筋20)は、ダブル配筋されており、前記開口補強材は、内部が前記開口部となる鋼管(例えば、後述の鋼管11)と、当該鋼管の外周面に全周に亘って立設された補強材(例えば、後述の頭付きスタッド12、鋼板13)と、を備え、当該補強材は、前記ダブル配筋された主筋同士の間に、当該主筋から離れて配置されていることを特徴とする。
ここで、鉄筋コンクリート板とは、例えば、鉄筋コンクリート造の壁や床であり、断面が直線状に限らず、ドーム状のような湾曲した形状も含まれる。また、鉄筋コンクリート板の主筋とは、例えば、壁筋や床筋である。
この発明によれば、開口補強材を、鋼管と、この鋼管の外周面に設けられた補強材と、を含んで構成した。よって、主筋の配筋時に、鉄筋コンクリート板の開口部に開口補強材を配置するだけで、この開口部を補強でき、鉄筋材による開口補強を省略したり簡素化したりできるから、主筋の配筋作業の作業効率を向上できる。
また、鋼管の外周面に全周に亘って補強材を設けたので、開口補強材に対して様々な方向から応力が作用しても、この開口補強材が十分に抵抗できる。
このとき、開口補強材の補強材を主筋から離れて配置した。よって、開口部廻りの鉄筋が複雑な配置にならないから、開口部廻りのコンクリートの充填性を向上できる。また、従来のように、開口補強材に設けた補強材を壁筋や梁主筋に接合する必要がないから、施工性を向上できる。また、開口部廻りに開口補強材を配置するだけでよく、主筋から開口補強材に直接、応力が伝達されないので、設計自由度の高い開口補強設計が可能となる。
第2の発明の鉄筋コンクリート板構造は、前記補強材は、円環状または矩形状の鋼板(例えば、後述の鋼板13)であり、当該鋼板には、前記鋼管の外周面に沿って複数の貫通孔(例えば、後述の貫通孔14)が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、補強材として円環状または矩形状の鋼板を設け、この鋼板に複数の貫通孔を設けた。よって、これら貫通孔を通してコンクリートの流動性が高まるので、鋼板の両側におけるコンクリートの充填性を高めることができ、開口部廻りにおける開口補強材とコンクリートとの一体性を確保できる。
第3の発明の鉄筋コンクリート板構造は、前記補強材は、円環状または矩形状の鋼板(例えば、後述の鋼板13)であり、当該鋼板の両面には、前記鋼管の外周面に沿って複数の棒状部材(例えば、後述の頭付きスタッド15)が立設されていることを特徴とする。
この発明によれば、補強材として円環状または矩形状の鋼板を設け、この鋼板の両面の複数の棒状部材を立設した。よって、これら棒状部材が鉄筋コンクリート板のコンクリート体に係止するから、鋼板とコンクリートとの一体性を確保できる。
本発明によれば、鉄筋コンクリート板に開口部を設ける際に、開口部廻りのコンクリートの充填性を向上できる、鉄筋コンクリート構造を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る鉄筋コンクリート壁の正面図である。 図1に示す前記鉄筋コンクリート壁の部分拡大正面図およびA-A断面図である。 前記鉄筋コンクリート壁の構築手順のフローチャートである。 前記鉄筋コンクリート壁の開口補強材の模式図およびこの開口補強材に作用するせん断力の分布図である。 開口部が設けられた鉄筋コンクリート壁の解析モデルを示す図である。 鉄筋コンクリート壁の実験結果およびシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る鉄筋コンクリート壁の部分拡大正面図およびB-B断面図である。 本発明の第3実施形態に係る鉄筋コンクリート壁の部分拡大正面図およびC-C断面図である。 本発明の第4実施形態に係る鉄筋コンクリート壁の部分拡大正面図およびD-D断面図である。 図9に示す前記鉄筋コンクリート壁のE-E断面図およびF-F断面図である。 本発明の第5実施形態に係る鉄筋コンクリート壁の部分拡大正面図およびG-G断面図である。 本発明の第6実施形態に係る鉄筋コンクリート壁の部分拡大正面図およびH-H断面図である。 本発明の第7実施形態に係る鉄筋コンクリート壁の部分拡大正面図およびI-I断面図である。 図13に示す前記鉄筋コンクリート壁のJ-J断面図およびK-K断面図である。 本発明の第8実施形態に係る鉄筋コンクリート壁の部分拡大正面図およびL-L断面図である。 本発明の実施例および比較例の試験体の構成を示す図である。 本発明の実施例および比較例の加力試験結果を示す図である。 本発明の実施例および比較例の加力試験結果(鉛直荷重と鉛直変位との関係)を示す図である。
本発明は、開口部を有する鉄筋コンクリート板(壁、床)を対象とし、開口部廻りに開口補強材を設けた鉄筋コンクリート板構造である。具体的には、第1実施形態では、開口補強材としてスタッド付きの鋼管を設け(図2)、第2実施形態では、開口補強材としてドーナツ型鋼板付き鋼管を設けた(図7)。また、第3実施形態では、第2実施形態のドーナツ型鋼板に貫通孔を設け(図8)、第4実施形態では、第2実施形態のドーナツ型鋼板にスタッドを設けた(図9)。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る鉄筋コンクリート壁1の正面図である。図2(a)は、鉄筋コンクリート壁1の開口部2周囲の配筋状況を示す拡大正面図であり、図2(b)は、図2(a)のA-A断面図である。
鉄筋コンクリート壁1は、柱3および梁4で囲まれた既存の鉄筋コンクリート壁に、あと施工で開口部2を形成したものである。この鉄筋コンクリート壁1では、縦横に延びる壁筋20がダブル配筋されている。なお、鉄筋コンクリート壁1の開口部2が設けられる部分には、壁筋20が配筋されておらず、その代わりに開口補強材10が配置されており、これにより、開口部2は、開口補強材10で補強されている。
開口補強材10は、内部が開口部2となる鋼管11と、この鋼管11の外周面上に全周に亘って三列立設された複数本の補強材としての頭付きスタッド12と、を備える。具体的には、これら頭付きスタッド12は、各列12本ずつ合計36本設けられており、ダブル配筋された壁筋20同士の間に、壁筋20から離れて配置されている。
以上の鉄筋コンクリート壁1の具体的な寸法は、例えば以下の通りである。すなわち、壁厚は400mmであり、壁筋はD13(SD295)で縦横135mmピッチのダブル配筋である。また、鋼管は、厚さ8.2mm、外径216.3mm、長さ400mmである。また、頭付きスタッドは、D16(外径16mm)、長さ80mmであり、頭付きスタッドの列同士の間隔は、100mmである。
以下、既存の鉄筋コンクリート壁に開口部2を設けて鉄筋コンクリート壁1を構築する手順について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1では、既存の鉄筋コンクリート壁のうち開口部2を設ける部分およびその周囲(図1中ハッチングで示す部分)を斫って、壁筋20を露出させる。このとき、既存の鉄筋コンクリート躯体とあと施工のコンクリート打設部分との接合強度を高めるため、斫り面を目荒らしすることが好ましい。
ステップS2では、開口補強材10に干渉する壁筋20を切断して撤去する。
ステップS3では、開口補強材10を開口部2の位置に配置する。このとき、開口補強材10を溶接等で壁筋20に接合することなく、壁筋20から離して配置する。
ステップS4では、コンクリートを斫った部分に図示しない型枠を建て込んで、この型枠に開口補強材10の両端部を仮固定する。次に、この型枠内にコンクリートを打設して、既存の鉄筋コンクリート躯体と開口補強材10とを一体化させる。
〔スタッドのせん断耐力の検討〕
円形の鋼管の周長の1/4分に配置されたスタッドがせん断力を負担すると考える。そこで、本実施形態における鋼管の周長の1/4分に設けるD16(外径16mm)の頭付きスタッドについて、スタッドの総せん断耐力qsが、スタッドに作用する最大せん断力Qを上回るか否かを計算した。
スタッドは、図4(a)に示すように、各列12本ずつ合計36本設けられている。
等厚な鉄筋コンクリートスラブ中のスタッドの総せん断耐力qsは、以下の式(1)で表わされる。なお、以下の式(1)において、scaは、頭付きスタッドの総断面積であり、Fcは、コンクリートの設計基準強度(24N/mm)であり、Ecは、コンクリートのヤング係数である。
Figure 0007432479000001
ここで、コンクリートのヤング係数Eは、以下の式(2)で求められる。なお、以下の式(2)において、γはコンクリートの気乾単位体積重量(23kN/m)である。
Figure 0007432479000002
また、スタッドの1本当たりの断面積aは、以下の式(3)で求められる。
Figure 0007432479000003
円形の鋼管の周長の1/4分に配置されたスタッドの本数は、3×3=12本である。よって、これらスタッドの総せん断耐力qsは、以下の式(4)で求められる。
Figure 0007432479000004
次に、鋼管の周長の1/4分に配置されたスタッドに作用する最大せん断力Qを求める。この最大せん断力Qは、後述の図5に示す解析モデルを用いたシミュレーションを行い、図6に示すシミュレーション結果から推定したものである。図6には、圧縮載荷時の外荷重(反力)と鉛直方向の変形量(変形)との関係が示されている。このシミュレーション結果に基づくと、図4(b)に示すように、鋼管の周長の1/4部分に作用する軸力は、圧縮側が最大で429kN、引張側が最大で119kNとなる。よって、鋼管の周長の1/4分に生じる最大せん断力Qは、以下の式(5)で表わされる。
Figure 0007432479000005
以上の式(4)、(5)より、以下の式(6)が成立する。
Figure 0007432479000006
式(6)より、鋼管の周長の1/4分に作用する最大せん断力Qが548kNであるのに対して、スタッド12本の総せん断耐力qsが672kNであり、鋼管の外周面に設けるスタッドの直径を16mmとすることで、十分なせん断耐力を確保できることが判る。
〔鋼管を設けた鉄筋コンクリート壁の耐力の検証〕
以下、開口部に設けた鋼管の効果を検証するため、以下の参考例1~6の実験およびシミュレーションを行った。
参考例1は、開口部を設けない鉄筋コンクリート壁の試験体を実際に製作して、この試験体に上下から荷重を加える実験を行った。
参考例2は、仮想空間上にて、開口部を設けない鉄筋コンクリート壁の解析モデルを生成し、この解析モデルに上下から荷重を加えるシミュレーションを行った。
参考例3~6は、図5に示すように、仮想空間上にて、開口部が設けられた鉄筋コンクリート壁の解析モデルを生成し、この解析モデルに上下から荷重を加えるシミュレーションを行った。これらの解析モデルでは、壁筋をD13(SD295)で縦横135mmピッチ、ダブル配筋とした。また、開口寸法を208mmとした。
具体的には、参考例3は、解析モデルに開口部を設けるが、鋼管を設けず、開口補強も行わない場合である。参考例4~6は、開口部に鋼管を配置し、鋼管の厚さをパラメータとして変化させた場合である。具体的には、参考例4~6は、それぞれ、鋼管の厚さを、9mm、12mm、16mmとした。
図6は、参考例1~6の実験結果およびシミュレーション結果を示す図である。すなわち、図6は、開口部無しの試験体に対する実験結果(参考例1)、開口部無しの解析モデルの解析結果(参考例2)、および、開口部有りの解析モデルの解析結果(参考例3~6)であり、圧縮載荷時の外荷重(反力)と鉛直方向の変形量(変形)の関係を示す。図6より、開口部に鋼管を設けた場合(参考例4~6)には、開口部に鋼管を設けない場合(参考例3)と比べて、反力が4500kN程度まで大きくなっても、反力と変形量がほぼ正比例することが判る。したがって、鉄筋コンクリート壁に開口部を設ける場合、この開口部に鋼管を設けることで、大きな耐力を確保できることが判る。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)開口補強材10を、鋼管11と、この鋼管11の外周面に設けられた頭付きスタッド12と、を含んで構成した。よって、壁筋20の配筋時に、壁の開口部2に開口補強材10を配置するだけで、この開口部2を補強でき、鉄筋材による開口補強を省略したり簡素化したりできるから、壁筋20の配筋作業の作業効率を向上できる。
また、鋼管11の外周面に全周に亘って頭付きスタッド12を設けたので、開口補強材10に対して様々な方向から応力が作用しても、この開口補強材10が十分に抵抗できる。
このとき、開口補強材10の頭付きスタッド12を壁筋20から離して配置した。よって、開口部2廻りの鉄筋が複雑な配置にならないから、開口部2廻りのコンクリートの充填性を向上できる。また、従来のように、開口補強材に設けた補強材を壁筋や梁主筋に接合する必要がないから、施工性を向上できる。また、壁筋20が負担している応力が、開口補強材10に直接伝達されないので、開口部2周りに作用する応力や変形モードのみに着目して、開口補強材の鋼材量や強度が異なる様々な開口補強設計が可能である。
〔第2実施形態〕
図7(a)は、本発明の第2実施形態に係る鉄筋コンクリート壁1Aの開口部2周囲の配筋状況を示す拡大正面図であり、図7(b)は、図7(a)のB-B断面図である。
本実施形態では、鋼管11の外周面上に、スタッドではなく補強材としてのドーナツ型の鋼板13を設けた点が、第1実施形態と異なる。すなわち、鋼板13は、円環状であり、鋼管11の外周面上に全周に亘って二枚並んで立設されている。また、これら鋼板13は、ダブル配筋された壁筋20同士の間に、壁筋20から離れて配置されている。
以上の鉄筋コンクリート壁1Aの具体的な寸法は、例えば以下の通りである。すなわち、壁厚は400mm、壁筋はD13(SD295)で縦横135mmピッチ、ダブル配筋である。また、鋼管は、厚さ8.2mm、外径216.3mm、長さ400mmである。また、鋼板は、厚さ9mm、外径378.3mmであり、2枚の鋼板同士の間隔は、200mmである。
本実施形態によれば、上述の(1)と同様の効果がある。
〔第3実施形態〕
図8(a)は、本発明の第3実施形態に係る鉄筋コンクリート壁1Bの開口部2周囲の配筋状況を示す拡大正面図であり、図8(b)は、図8(a)のC-C断面図である。
本実施形態では、各鋼板13に貫通孔14を設けた点が、第2実施形態と異なる。すなわち、各鋼板13には、鋼管11の外周面に沿って所定間隔おきに14個の貫通孔14が設けられている。
以上の鉄筋コンクリート壁1Bの具体的な寸法は、例えば以下の通りである。すなわち、壁厚は400mm、壁筋はD13(SD295)で縦横135mmピッチ、ダブル配筋である。また、鋼管は、厚さ8.2mm、外径216.3mm、長さ400mmである。また、鋼板は、厚さ9mm、外径378.3mmであり、2枚の鋼板同士の間隔は、200mmである。また、貫通孔の内径は35mmである。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加え、以下のような効果がある。
(2)補強材として鋼板13を設け、この鋼板13に複数の貫通孔14を設けた。よって、これら貫通孔14を通してコンクリートの流動性が高まるので、鋼板13の両側におけるコンクリートの充填性を高めることができ、開口部2廻りにおける開口補強材10とコンクリートとの一体性を確保できる。
〔第4実施形態〕
図9(a)は、本発明の第4実施形態に係る鉄筋コンクリート壁1Cの開口部2周囲の配筋状況を示す拡大正面図であり、図9(b)は、図9(a)のD-D断面図である。図10は、図9の鉄筋コンクリート壁1CのE-E断面図およびF-F断面図である。
本実施形態では、各鋼板13にさらに棒状部材としての頭付きスタッド15を設けた点が、第2実施形態と異なる。すなわち、各鋼板13の壁面側の面には、鋼管11の外周に沿って所定間隔おきに12本の頭付きスタッド15が設けられており、各鋼板13の壁内部側の面には、外周に沿って所定間隔おきに6本の頭付きスタッド15が設けられている。ここで、2枚の鋼板13の互いに対向する面に配置された6本の頭付きスタッド15同士は、交互に配置されている。
以上の鉄筋コンクリート壁1Cの具体的な寸法は、例えば以下の通りである。すなわち、壁厚は400mm、壁筋はD13(SD295)で縦横135mmピッチ、ダブル配筋である。また、鋼管は、厚さ8.2mm、外径216.3mm、長さ400mmである。また、鋼板は、厚さ9mm、外径378.3mmであり、2枚の鋼板同士の間隔は、120mmである。また、頭付きスタッドは、D16(外径16mm)、長さ80mmである。
本実施形態によれば、上述の(1)の効果に加え、以下のような効果がある。
(3)鋼板13の両面に複数の頭付きスタッド15を立設した。よって、これら頭付きスタッド15が壁のコンクリートに係止するから、鋼板13とコンクリートとの一体性を確保できる。
〔第5実施形態〕
図11(a)は、本発明の第5実施形態に係る鉄筋コンクリート壁1Dの開口部2周囲の配筋状況を示す拡大正面図であり、図11(b)は、図11(a)のG-G断面図である。
本実施形態では、鋼管11の外周面上に、補強材としての矩形状の鋼板13を設けた点が、第1実施形態と異なる。すなわち、鋼板13は、鋼管11の外周面上に全周に亘って三枚並んで立設されている。また、これら鋼板13は、ダブル配筋された壁筋20同士の間に、壁筋20から離れて配置されている。
以上の鉄筋コンクリート壁1Dの具体的な寸法は、例えば以下の通りである。すなわち、壁厚は400mm、壁筋はD13(SD295)で縦横135mmピッチ、ダブル配筋である。また、鋼管は、厚さ8.2mm、外径216.3mm、長さ400mmである。また、鋼板は、厚さ9mm、外径378.3mmであり、3枚の鋼板同士の間隔は、100mmである。
本実施形態によれば、上述の(1)と同様の効果がある。
〔第6実施形態〕
図12(a)は、本発明の第6実施形態に係る鉄筋コンクリート壁1Eの開口部2周囲の配筋状況を示す拡大正面図であり、図12(b)は、図12(a)のH-H断面図である。
本実施形態では、各鋼板13に貫通孔14を設けた点が、第5実施形態と異なる。すなわち、各鋼板13には、鋼管11の外周面に沿って所定間隔おきに12個の貫通孔14が設けられている。
以上の鉄筋コンクリート壁1Eの具体的な寸法は、例えば以下の通りである。すなわち、壁厚は400mm、壁筋はD13(SD295)で縦横135mmピッチ、ダブル配筋である。また、鋼管は、厚さ8.2mm、外径216.3mm、長さ400mmである。また、鋼板は、厚さ9mm、外径378.3mmであり、3枚の鋼板同士の間隔は、100mmである。また、貫通孔の内径は35mmである。
本実施形態によれば、上述の(1)、(2)と同様の効果がある。
〔第7実施形態〕
図13(a)は、本発明の第7実施形態に係る鉄筋コンクリート壁1Fの開口部2周囲の配筋状況を示す拡大正面図であり、図13(b)は、図13(a)のI-I断面図である。図14は、図13(b)の鉄筋コンクリート壁1FのJ-J断面図およびK-K断面図である。
本実施形態では、各鋼板13にさらに棒状部材としての頭付きスタッド15を設けた点が、第5実施形態と異なる。すなわち、各鋼板13の壁面側の面には、鋼管11の外周に沿って所定間隔おきに16本の頭付きスタッド15が設けられており、各鋼板13の壁内部側の面には、外周に沿って所定間隔おきに8本の頭付きスタッド15が設けられている。ここで、2枚の鋼板13の互いに対向する面に配置された8本の頭付きスタッド15同士は、交互に配置されている。
本実施形態によれば、上述の(1)、(3)と同様の効果がある。
以上の鉄筋コンクリート壁1Fの具体的な寸法は、例えば以下の通りである。すなわち、壁厚は400mm、壁筋はD13(SD295)で縦横135mmピッチ、ダブル配筋である。また、鋼管は、厚さ8.2mm、外径216.3mm、長さ400mmである。また、鋼板は、厚さ9mm、外径378.3mmであり、2枚の鋼板同士の間隔は、120mmである。また、頭付きスタッドは、D16(外径16mm)、長さ80mmである。
〔第8実施形態〕
図15(a)は、本発明の第8実施形態に係る鉄筋コンクリート壁1Gの開口部2周囲の配筋状況を示す拡大正面図であり、図15(b)は、図15(a)のL-L断面図である。
本実施形態では、鋼管11を角形鋼管とした点が、第6実施形態と異なる。
以上の鉄筋コンクリート壁1Gの具体的な寸法は、例えば以下の通りである。すなわち、壁厚は400mm、壁筋はD13(SD295)で縦横135mmピッチ、ダブル配筋である。また、鋼管は、厚さ8.2mm、長さ400mmである。また、鋼板は、厚さ9mm、外径378.3mmであり、3枚の鋼板同士の間隔は、100mmである。
本実施形態によれば、上述の(1)、(2)と同様の効果がある。
〔実施例および比較例〕
実施例として、上述の実施形態と同様の構成の鉄筋コンクリート造の試験体を実際に製作し、この試験体に鉛直荷重を加える加力試験を行った。また、比較例として、上述の実施形態とは異なる構成の鉄筋コンクリート造の試験体を実際に製作し、この試験体に鉛直荷重を加える加力試験を行った。
これら実施例および比較例の試験体は、壁厚を400mm、壁筋をD13(SD295)で縦横135mmピッチ、ダブル配筋とした。
図16は、各試験体の構成を示す図である。
比較例1は、試験体に開口部を設けていない。
比較例2は、試験体に開口部を設けるが、鋼管を設けず、開口補強も行わない。この開口部の開口寸法は、208mmとした。
比較例3は、試験体に開口部を設けて、鋼管を設けず、開口補強を行った。この開口部の開口寸法は208mmとし、開口補強筋は、D13(SD295)を縦、横、斜めに各2本ずつ配置した。
比較例4は、試験体に開口部を設けて、鋼管を設けた。この鋼管は、厚さ8.2mm、外径216.3mm、長さ400mmとした。
実施例1は、上述の第1実施形態と同様の構成とした。すなわち、鋼管は、厚さ8.2mm、外径216.3mm、長さ400mmとした。また、頭付きスタッドは、D16(外径16mm)、長さ80mmとし、頭付きスタッドの列同士の間隔は、100mmとした。
実施例2は、上述の第3実施形態と同様の構成とした。鋼管は、厚さ8.2mm、外径216.3mm、長さ400mmとした。また、鋼板は、厚さ9mm、外径378.3mmとし、2枚の鋼板同士の間隔は、200mmとした。また、貫通孔は14個設け、各貫通孔の内径は35mmとした。
実施例3は、上述の第4実施形態と同様の構成とした。鋼管は、厚さ8.2mm、外径216.3mm、長さ400mmとした。また、鋼板は、厚さ9mm、外径378.3mmとし、2枚の鋼板同士の間隔は、120mmとした。また、頭付きスタッドは、16本設け、D16(外径16mm)、長さ80mmとした。
図17および図18は、実施例および比較例の加力試験結果である。図17は、実施例および比較例について、初期剛性、初ひび割れ、最大耐力を示す。図18は、実施例および比較例について、荷重Pと鉛直方向δの変位との関係を示す。図17および図18より、鋼管のみを設けた場合(比較例4)、ならびに、鋼管およびスタッドを設けた場合(実施例1)は、従来の開口補強を行った場合(比較例3)と比べて、最大耐力が9割程度となることが判る。また、鋼管に円形の鋼板を設けた場合(実施例2)、ならびに、鋼管に鋼板およびスタッドを設けた場合(実施例3)は、従来の開口補強を行った場合(比較例3)と比べて、最大耐力が同等度となることが判る。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上述の各実施形態では、本発明の鉄筋コンクリート板を断面が直線状の壁としたが、これに限らず、断面が直線状の床としてもよいし、ドーム形状のような断面が湾曲した壁や床としてもよい。
また、上述の各実施形態では、既存の鉄筋コンクリート壁に、あと施工で開口補強材10を取り付けて開口部2を形成したが、これに限らず、新設の鉄筋コンクリート壁を構築する際に、開口補強材を取り付けて開口部を形成してもよい。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G…鉄筋コンクリート壁(鉄筋コンクリート板) 2…開口部 3…柱 4…梁
10…開口補強材 11…鋼管 12…頭付きスタッド(補強材)
13…鋼板(補強材) 14…貫通孔 15…頭付きスタッド(棒状部材)
20…壁筋

Claims (3)

  1. 既存の鉄筋コンクリート壁に開口補強材で補強された開口部が設けられた鉄筋コンクリートの構造であって、
    当該鉄筋コンクリートの主筋は、ダブル配筋されており、
    前記開口補強材は、内部が前記開口部となる鋼管と、
    前記鉄筋コンクリート壁の壁内部にのみ設けられて前記鋼管の外周面に全周に亘って立設された円環状または矩形状の鋼板からなる補強材と、を備え、
    当該補強材は、前記ダブル配筋された主筋同士の間に、前記主筋に接合されることなく、当該主筋から離れて配置されていることを特徴とする鉄筋コンクリート壁構造。
  2. 該鋼板には、前記鋼管の外周面に沿って複数の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造。
  3. 該鋼板の両面には、前記鋼管の外周面に沿って複数の棒状部材が立設されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造。
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