JP2019100092A - 床スラブの開口部形成・補強装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】床スラブに開口部を簡易に形成でき、かつ該開口部を簡易に補強する。【解決手段】床スラブ1の開口部2の位置に開口部形成・補強装置3の筒状型枠10を設置する。床スラブの主筋と同等の高さに環状補強部材20を配置し、該環状補強部材20によって筒状型枠10ひいては開口部2を囲む。【選択図】図1
Description
本発明は、床スラブの開口部を形成し、かつ補強する装置に関する。
建物の床スラブには水道管などを通す開口部が必要な場合がある。かかる開口部を設ける際、非特許文献1に示された補強方法を採用するのが一般的である。これによると、開口部を形成するために切断された構造鉄筋と同等以上の量の補強鉄筋を開口部周辺に補い、更にひび割れ防止の目的で斜め筋を配置することが示されている。
日本建築学会、鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説(2010年度版、第50ページ〜第53ページ)
床スラブの開口部は確実に補強する必要がある。一方、前掲の非特許文献1に倣って補強するには多くの労力が費やされている。
本発明は、前掲非特許文献1と同等以上の性能を発現し得る簡易な開口部形成・補強装置を提供することを目的とする。
本発明は、前掲非特許文献1と同等以上の性能を発現し得る簡易な開口部形成・補強装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明は、床スラブの開口部を形成し補強する開口部形成・補強装置であって、
前記開口部の形成位置に設置される筒状型枠と、
前記筒状型枠ひいては前記開口部を囲む環状補強部材と、を備え、
前記環状補強部材が、前記床スラブの主筋と同等の高さに配置されていることを特徴とする。
前記筒状型枠及び環状補強部材を設置してコンクリートを打設する。筒状型枠の内部にはコンクリートを打設しないことで開口部が形成される。筒状型枠は、コンクリートの養生硬化後、撤去してもよく、埋め殺しにしてもよい。撤去する場合は、撤去によって露出したコンクリート面によって前記開口部の内周面が画成される。埋め殺しの場合は、筒状型枠によって開口部の内周面が画成される。
かつ前記開口部のまわりのコンクリート中に環状補強部材が埋設される。該環状補強部材によって開口部のまわりのコンクリートを補強できる。環状補強部材を主筋と同等の高さに配置することによって、環状補強部材に対して適切なコンクリートかぶり厚さを確保でき、補強効率を高めることができる。
前記開口部の形成位置に設置される筒状型枠と、
前記筒状型枠ひいては前記開口部を囲む環状補強部材と、を備え、
前記環状補強部材が、前記床スラブの主筋と同等の高さに配置されていることを特徴とする。
前記筒状型枠及び環状補強部材を設置してコンクリートを打設する。筒状型枠の内部にはコンクリートを打設しないことで開口部が形成される。筒状型枠は、コンクリートの養生硬化後、撤去してもよく、埋め殺しにしてもよい。撤去する場合は、撤去によって露出したコンクリート面によって前記開口部の内周面が画成される。埋め殺しの場合は、筒状型枠によって開口部の内周面が画成される。
かつ前記開口部のまわりのコンクリート中に環状補強部材が埋設される。該環状補強部材によって開口部のまわりのコンクリートを補強できる。環状補強部材を主筋と同等の高さに配置することによって、環状補強部材に対して適切なコンクリートかぶり厚さを確保でき、補強効率を高めることができる。
前記筒状型枠の外周部には、前記環状補強部材を前記主筋と同等の高さに支持する支持突起が設けられていることが好ましい。これによって、環状補強部材を筒状型枠のまわりに簡単に設置できる。しかも環状補強部材を主筋と同等の高さに確実に配置でき、補強効率を高めることができる。
前記環状補強部材が、高強度鉄筋を含むことが好ましい。これによって、環状補強部材の数が少なくても開口部のまわりのコンクリートを確実に補強できる。
高強度鉄筋とは、異型鉄筋SD490以上の耐力を有する鉄筋を言う。
高強度鉄筋とは、異型鉄筋SD490以上の耐力を有する鉄筋を言う。
前記環状補強部材が、所要強度を発現する径方向厚さの鋼製の筒部材を含むことが好ましい。これによって、資材コストを抑えながら、開口部のまわりのコンクリートを確実に補強できる。
前記筒部材の外周部に前記床スラブのコンクリートと定着される定着突起が設けられていることが好ましい。
定着突起がコンクリートに埋設されて定着されることによって、コンクリートにかかる引っ張り力等の負荷が定着突起を介して前記筒部材に伝わり、前記筒部材が前記負荷を担うことができる。これによって、コンクリートを確実に補強できる。
定着突起がコンクリートに埋設されて定着されることによって、コンクリートにかかる引っ張り力等の負荷が定着突起を介して前記筒部材に伝わり、前記筒部材が前記負荷を担うことができる。これによって、コンクリートを確実に補強できる。
前記筒状型枠が、外筒と、前記外筒の軸線方向にスライド可能に収容された内筒と、前記内筒を前記外筒に対して固定する高さ固定手段とを含むことが好ましい。
前記内筒を外筒に対して上下にスライドさせる。これによって、筒状型枠の全体高さを床スラブの厚さに合わせて調節できる。更に高さ固定手段によって調節後の高さを保持できる。
前記内筒を外筒に対して上下にスライドさせる。これによって、筒状型枠の全体高さを床スラブの厚さに合わせて調節できる。更に高さ固定手段によって調節後の高さを保持できる。
本発明によれば、床スラブに開口部を簡易に形成でき、かつ該開口部を簡易かつ確実に補強することができる。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
<第1実施形態>
図1は、集合住宅、オフィスビルその他の建物における床スラブ1を、主筋1a及び配力筋1bを配筋後、かつ図中二点鎖線にて示すコンクリート1cの打設前の状態で示したものである。本形態の床スラブ1は、場所打ち鉄筋コンクリートであるが、本発明は必ずしもこれに限られずプレキャストコンクリートスラブであってもよい。
<第1実施形態>
図1は、集合住宅、オフィスビルその他の建物における床スラブ1を、主筋1a及び配力筋1bを配筋後、かつ図中二点鎖線にて示すコンクリート1cの打設前の状態で示したものである。本形態の床スラブ1は、場所打ち鉄筋コンクリートであるが、本発明は必ずしもこれに限られずプレキャストコンクリートスラブであってもよい。
図1及び図2に示すように、構築中の床スラブ1には開口部形成・補強装置3が設けられている。図3に示すように、開口部形成・補強装置3は、筒状型枠10と、環状補強部材20を含む。
筒状型枠10は、例えば紙製のボードを螺旋状に巻くことによって構成され、円筒形状になっている。筒状型枠10の軸線は鉛直に向けられることで、床スラブ1の厚さ方向に沿っている。筒状型枠10の高さ寸法は、床スラブ1の厚みと実質等しい。筒状型枠10の径方向厚さは、コンクリート1cの打設時の圧力に耐え得る程度に筒状型枠10の材質及びコスト等を考慮して適宜設定される。紙製の筒状型枠10における径方向厚さは、2mm〜10mm程度である。
図1及び図2に示すように、筒状型枠10によって床スラブ1の開口部2が画成される。開口部2は、床スラブ1を厚み方向(上下)に貫通している。図示は省略するが、開口部2には、例えば上水道管、排水管、ガス管などの設備管が通される。
なお、床スラブ1には、設備管の本数や種類に応じて開口部2が複数形成されていてもよい。開口部2ごとに開口部形成・補強装置3が設置されることが好ましい。図では開口部2を1つだけ図示してある。
なお、床スラブ1には、設備管の本数や種類に応じて開口部2が複数形成されていてもよい。開口部2ごとに開口部形成・補強装置3が設置されることが好ましい。図では開口部2を1つだけ図示してある。
図1及び図3に示すように、筒状型枠10の外周には、2つの環状補強部材20が上下に離れて配置されている。環状補強部材20は、筒状型枠10よりも大径の円環状になっている。好ましくは、環状補強部材20は、閉じた環状に形成されている。該環状補強部材20が、筒状型枠10ひいては開口部2を囲んでいる。
図2に示すように、好ましくは、環状補強部材20と筒状型枠10との半径差は、環状補強部材20から開口部2の内周面までのコンクリートの所要かぶり厚さ(以下「径方向かぶり厚さtR」)に対応するように設定されている。径方向かぶり厚さtRは、好ましくはtR=20mm〜200mm程度である。
詳細な図示は省略するが、環状補強部材20は、床スラブ1の主筋1a又は配力筋1bに番線その他の連結手段によって連結されて支持されている。
図2に示すように、上側の環状補強部材20は、床スラブ1内の上側の主筋1aと同等の高さに配置されている。下側の環状補強部材20は、下側の主筋1aと同等の高さに配置されている。要するに、上側の環状補強部材20から床スラブ1の上面まで、及び下側の環状補強部材20から床スラブ1の底面までの上下方向かぶり厚さtVは、主筋1aのかぶり厚さとほぼ同等位置である。
図2に示すように、上側の環状補強部材20は、床スラブ1内の上側の主筋1aと同等の高さに配置されている。下側の環状補強部材20は、下側の主筋1aと同等の高さに配置されている。要するに、上側の環状補強部材20から床スラブ1の上面まで、及び下側の環状補強部材20から床スラブ1の底面までの上下方向かぶり厚さtVは、主筋1aのかぶり厚さとほぼ同等位置である。
環状補強部材20は、異型鉄筋SD490以上の耐力を有する高強度鉄筋によって構成されている。該高強度鉄筋が環状に曲げられ、かつ両端部が突き当てられるか、重ねられて接合されている。接合手段としては、溶接、番線結束、専用の連結冶具等が挙げられる。
なお、環状補強部材20の形状は、円形に限られず、四角形、八角形などの多角形であってもよい。また、環状補強部材20が、筒状型枠10を一周以上囲むコイル状になっていてもよい。
なお、環状補強部材20の形状は、円形に限られず、四角形、八角形などの多角形であってもよい。また、環状補強部材20が、筒状型枠10を一周以上囲むコイル状になっていてもよい。
床スラブ1は、例えば次のようにして構築される。
床スラブ1の側面を画成する外周型枠(図示省略)の内側に主筋1a及び配力筋1bを配筋する。
開口部2に対応する位置には筒状型枠10を設置し、その周りに環状補強部材20を設置する。筒状型枠10の上端開口は蓋(図示省略)で塞いでもよい。筒状型枠10の底部は、床スラブ1の底面を画成する底型枠で塞ぐことができる。
床スラブ1の側面を画成する外周型枠(図示省略)の内側に主筋1a及び配力筋1bを配筋する。
開口部2に対応する位置には筒状型枠10を設置し、その周りに環状補強部材20を設置する。筒状型枠10の上端開口は蓋(図示省略)で塞いでもよい。筒状型枠10の底部は、床スラブ1の底面を画成する底型枠で塞ぐことができる。
そして、コンクリート1cを打設することによって、鉄筋1a,1b及び環状補強部材20をコンクリート1c中に埋設する。筒状型枠10の内部にはコンクリート1cを打設しない。これによって、開口部2が形成される。
コンクリート1cの硬化後、紙製の筒状型枠10を破く等して撤去する。
撤去によって露出したコンクリート面によって開口部2の内周面が画成される。
開口部形成・補強装置3によれば、床スラブ1の開口部2を簡易に形成でき、かつ開口部2のまわりのコンクリート1cを簡易な補強構造で確実に補強することができる。すなわち、開口部2の周りに多数の補強筋を配筋する必要が無く、施工を簡易化して施工時間を短縮でき、資材コスト及び施工コストを削減できる。しかも、高強度鉄筋製の閉環状の補強部材20が周方向に沿って引っ張り応力を担うことで、前掲非特許文献1と同等以上の性能を発現でき、開口部2を確実に補強することができる。
コンクリート1cの硬化後、紙製の筒状型枠10を破く等して撤去する。
撤去によって露出したコンクリート面によって開口部2の内周面が画成される。
開口部形成・補強装置3によれば、床スラブ1の開口部2を簡易に形成でき、かつ開口部2のまわりのコンクリート1cを簡易な補強構造で確実に補強することができる。すなわち、開口部2の周りに多数の補強筋を配筋する必要が無く、施工を簡易化して施工時間を短縮でき、資材コスト及び施工コストを削減できる。しかも、高強度鉄筋製の閉環状の補強部材20が周方向に沿って引っ張り応力を担うことで、前掲非特許文献1と同等以上の性能を発現でき、開口部2を確実に補強することができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
<第2実施形態>
図4〜図6は、本発明の第2実施形態を示したものである。
第2実施形態の開口部形成・補強装置3Bにおける筒状型枠11は、鋼製である。鋼製の筒状型枠11は、第1実施形態における紙製の筒状型枠10より薄肉にできる。
<第2実施形態>
図4〜図6は、本発明の第2実施形態を示したものである。
第2実施形態の開口部形成・補強装置3Bにおける筒状型枠11は、鋼製である。鋼製の筒状型枠11は、第1実施形態における紙製の筒状型枠10より薄肉にできる。
図4及び図5に示すように、筒状型枠11の外周部には、複数の支持突起12が設けられている。各支持突起12は小片状の鋼材によって構成されている。該支持突起12が、筒状型枠11に溶接されるとともに、筒状型枠11の径方向に沿って水平に突出されている。
図6に示すように、支持突起12は、周方向に等間隔(例えば90度)置きに、かつ上下の主筋1aとそれぞれ対応する高さに配置されている。詳細には、図5に示すように、上段の支持突起12から筒状型枠11の上端までの距離は、上側の主筋1aに対するコンクリートかぶり厚さと環状補強部材20の直径の合計程度である。下段の支持突起12から筒状型枠11の下端までの距離は、下側の主筋1aに対するコンクリートかぶり厚さ程度である。
図6に示すように、支持突起12は、周方向に等間隔(例えば90度)置きに、かつ上下の主筋1aとそれぞれ対応する高さに配置されている。詳細には、図5に示すように、上段の支持突起12から筒状型枠11の上端までの距離は、上側の主筋1aに対するコンクリートかぶり厚さと環状補強部材20の直径の合計程度である。下段の支持突起12から筒状型枠11の下端までの距離は、下側の主筋1aに対するコンクリートかぶり厚さ程度である。
図5及び図6に示すように、上段の支持突起12によって上側の環状補強部材20が支持されている。下段の支持突起12によって下側の環状補強部材20が支持されている。
なお、図における支持突起12は平板状であるが、支持突起12の先端部に環状補強部材20を係止する例えば爪形状の係止部を設けてもよい。
なお、図における支持突起12は平板状であるが、支持突起12の先端部に環状補強部材20を係止する例えば爪形状の係止部を設けてもよい。
第2実施形態の開口部形成・補強装置3Bにおいては、各環状補強部材20を支持突起12に載せることによって筒状型枠11のまわりに簡単に設置できる。しかも、環状補強部材20を主筋1aと同等の高さに確実に配置できる。したがって、環状補強部材20に対する上下かぶり厚さtVを確実に確保して、補強効率を高めることができる。
鋼製の筒状型枠11は、コンクリート1cの打設後も撤去されず、埋め殺しされる。したがって、筒状型枠11によって開口部2の内周面が画成される。鋼製の筒状型枠11は不燃性であるから、床スラブ1内に残置しても防火性を確保できる。
鋼製の筒状型枠11は、コンクリート1cの打設後も撤去されず、埋め殺しされる。したがって、筒状型枠11によって開口部2の内周面が画成される。鋼製の筒状型枠11は不燃性であるから、床スラブ1内に残置しても防火性を確保できる。
<第3実施形態>
図7〜図9は、本発明の第3実施形態を示したものである。
第3実施形態の開口部形成・補強装置3Cにおける環状補強部材は、鋼製の筒部材21によって構成されている。図8に示すように、筒状型枠10の外周に2つの鋼製筒部材21が上下に離れて配置されている。上側の鋼製筒部材21は、床スラブ1内の上側の主筋1aと同等の高さに配置されている。下側の鋼製筒部材21は、下側の主筋1aと同等の高さに配置されている。
図7〜図9は、本発明の第3実施形態を示したものである。
第3実施形態の開口部形成・補強装置3Cにおける環状補強部材は、鋼製の筒部材21によって構成されている。図8に示すように、筒状型枠10の外周に2つの鋼製筒部材21が上下に離れて配置されている。上側の鋼製筒部材21は、床スラブ1内の上側の主筋1aと同等の高さに配置されている。下側の鋼製筒部材21は、下側の主筋1aと同等の高さに配置されている。
図7に示すように、鋼製筒部材21が、筒状型枠10ひいては開口部2を囲んでいる。好ましくは、鋼製筒部材21と筒状型枠10との半径差は、鋼製筒部材21の内周面から開口部2の内周面までのコンクリートの所要かぶり厚さtRとほぼ同等である。
図8に示すように、鋼製筒部材21の高さ寸法h21(上下方向の寸法)は、例えばh21=10mm〜100mm程度であり、好ましくはh21=50mm程度である。
鋼製筒部材21の径方向厚さt21は、開口部2の補強材としての所要強度を発現可能な大きさに設定されている。具体的には、鋼製筒部材21の径方向厚さt21は、好ましくはt21=1mm〜10mmであり、より好ましくはt21=4mm程度である。鋼製筒部材21の径方向厚さが1mm未満であると、所要強度を発現困難になる。鋼製筒部材21の径方向厚さが10mm超であると、コスト高になる。
鋼製筒部材21の径方向厚さt21は、開口部2の補強材としての所要強度を発現可能な大きさに設定されている。具体的には、鋼製筒部材21の径方向厚さt21は、好ましくはt21=1mm〜10mmであり、より好ましくはt21=4mm程度である。鋼製筒部材21の径方向厚さが1mm未満であると、所要強度を発現困難になる。鋼製筒部材21の径方向厚さが10mm超であると、コスト高になる。
図7及び図9に示すように、各鋼製筒部材21の外周部には、複数の定着突起22が放射状に設けられている。各定着突起22は、鋼製筒部材21に溶接されるとともに径方向へ突出されたアーム部22aと、該アーム部22aの先端部から直角に折れ曲がった引掛部22bとを有し、平面視でL字形状になっている。
複数の定着突起22が、鋼製筒部材21の周方向に好ましくは等間隔置きに配置されている。ここでは、4つの定着突起22が90度間隔で配置されている。
複数の定着突起22が、鋼製筒部材21の周方向に好ましくは等間隔置きに配置されている。ここでは、4つの定着突起22が90度間隔で配置されている。
定着突起22は、床スラブ1のコンクリート1cに埋設されて定着される。これによって、コンクリート1cにかかる引っ張り力等の負荷が定着突起22を介して鋼製筒部材21に伝わる。したがって、鋼製筒部材21が前記負荷を確実に担うことができ、コンクリート1cを確実に補強できる。特に、開口部2の周辺のコンクリート1cのひび割れなどを防止できる。
筒部材21は鋼製であるから資材コストを抑えることができる。
なお、定着突起22は、コンクリート1cに定着され得るものであれば、その形状はL字状に限られず適宜改変できる。また、各鋼製筒部材21における定着突起22の数は、4つに限られず、3つ以下でもよく5つ以上でもよい。
筒部材21は鋼製であるから資材コストを抑えることができる。
なお、定着突起22は、コンクリート1cに定着され得るものであれば、その形状はL字状に限られず適宜改変できる。また、各鋼製筒部材21における定着突起22の数は、4つに限られず、3つ以下でもよく5つ以上でもよい。
<第4実施形態>
図10及び図11は、本発明の第4実施形態を示したものである。
第4実施形態の開口部形成・補強装置3Dにおいては、第3実施形態(図7〜図9)と同様の鋼製筒部材21が、第2実施形態(図4〜図6)と同様の支持突起12によって支持されている。
図10及び図11は、本発明の第4実施形態を示したものである。
第4実施形態の開口部形成・補強装置3Dにおいては、第3実施形態(図7〜図9)と同様の鋼製筒部材21が、第2実施形態(図4〜図6)と同様の支持突起12によって支持されている。
<第5実施形態>
図12〜図14は、本発明の第5実施形態を示したものである。
図12及び図14に示すように、第5実施形態の開口部形成・補強装置3Eにおいては、筒状型枠11Eが、外筒13と、内筒14と、高さ固定手段15を含む。外筒13及び内筒14は、鋼鉄などの金属製である。内筒14の下側部分が外筒13に収容されている。筒14の上側部分が外筒13の上方へ突出されている。かつ、内筒14は、外筒13の鉛直な軸線方向にスライド可能(昇降可能)になっている。これによって、筒状型枠11Eの全体が高さ調節可能である。
内筒14の上端開口は、蓋(図示省略)によって開閉可能であることが好ましい。
図12〜図14は、本発明の第5実施形態を示したものである。
図12及び図14に示すように、第5実施形態の開口部形成・補強装置3Eにおいては、筒状型枠11Eが、外筒13と、内筒14と、高さ固定手段15を含む。外筒13及び内筒14は、鋼鉄などの金属製である。内筒14の下側部分が外筒13に収容されている。筒14の上側部分が外筒13の上方へ突出されている。かつ、内筒14は、外筒13の鉛直な軸線方向にスライド可能(昇降可能)になっている。これによって、筒状型枠11Eの全体が高さ調節可能である。
内筒14の上端開口は、蓋(図示省略)によって開閉可能であることが好ましい。
図12及び図14に示すように、内筒14の中間高さに高さ固定手段15が設けられている。高さ固定手段15は、バンド15aと、バックル15bを含む。バンド15aは、金属又は樹脂によって構成されている。該バンド15aが、内筒14の周方向に環状に巻かれるとともに、バックル15bによって緩まないように止められている。これによって、バンド15aが、内筒14の中間高さの外周に巻き付けられて固定されている。
図13に示すように、バンド15aは、外筒13の上端縁に係止されている。これによって、外筒13からの内筒14の突出量(内筒14の上下方向位置)が固定されている。ひいては、筒状型枠11Eの高さが保持されている。図12(a)及び同図(b)に示すように、バンド15aの巻き付け位置を調節することによって筒状型枠11Eを任意に高さ調節できる。
図14に示すように、外筒13及び内筒14にはそれぞれ支持突起12が設けられている。外筒13における下端から支持突起12までの距離は、下側の主筋1aから床スラブ1の底面までのかぶり厚さと対応している。内筒14における上端から支持突起12までの距離は、上側の主筋1aから床スラブ1の上面までのかぶり厚さと対応している。
第5実施形態の開口部形成・補強装置3Eによれば、作製すべき床スラブ1の厚さに応じて、外筒13からの内筒14の突出量を調節する。たとえば、図12(a)に示すように、厚さが比較的小さい床スラブ1を作製するときは、外筒13からの内筒14の突出量を小さくする。図12(b)に示すように、厚さが比較的小さい床スラブ1を作製するときは、外筒13からの内筒14の突出量を大きくする。これによって、筒状型枠11Eの全体高さを、作製すべき床スラブ1の厚さと合致させることができる。
さらに、外筒13及び内筒14の支持突起12にそれぞれ環状補強部材20を支持させることによって、上下の環状補強部材20をそれぞれ上下の主筋1aと同等の高さに配置することができる。
なお、一般に床スラブにおける主筋のかぶり厚さは、床スラブの厚さに依らずほぼ一定である。したがって、筒状型枠11Eの高さ調節に伴って支持突起12の取付高さを変更する必要はない。
さらに、外筒13及び内筒14の支持突起12にそれぞれ環状補強部材20を支持させることによって、上下の環状補強部材20をそれぞれ上下の主筋1aと同等の高さに配置することができる。
なお、一般に床スラブにおける主筋のかぶり厚さは、床スラブの厚さに依らずほぼ一定である。したがって、筒状型枠11Eの高さ調節に伴って支持突起12の取付高さを変更する必要はない。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、筒状型枠の材質は、紙や金属に限られず、樹脂であってもよい。
各実施形態を組み合わせてもよい。例えば第5実施形態(図12〜図14)の環状補強部材として第3実施形態の鋼製筒部材21を用いてもよい。
例えば、筒状型枠の材質は、紙や金属に限られず、樹脂であってもよい。
各実施形態を組み合わせてもよい。例えば第5実施形態(図12〜図14)の環状補強部材として第3実施形態の鋼製筒部材21を用いてもよい。
本発明は、例えば建物の開口部付きの床スラブに適用できる。
1 床スラブ
1a 主筋
1c コンクリート
2 開口部
3 開口部形成・補強装置
3B〜3E 開口部形成・補強装置
10 紙製筒状型枠
11 鋼製筒状型枠
11 鋼製筒状型枠
12 支持突起
13 外筒
14 内筒
15 高さ固定手段
20 環状補強部材
21 鋼製筒部材(環状補強部材)
22 定着突起
1a 主筋
1c コンクリート
2 開口部
3 開口部形成・補強装置
3B〜3E 開口部形成・補強装置
10 紙製筒状型枠
11 鋼製筒状型枠
11 鋼製筒状型枠
12 支持突起
13 外筒
14 内筒
15 高さ固定手段
20 環状補強部材
21 鋼製筒部材(環状補強部材)
22 定着突起
Claims (6)
- 床スラブの開口部を形成し補強する開口部形成・補強装置であって、
前記開口部の形成位置に設置される筒状型枠と、
前記筒状型枠ひいては前記開口部を囲む環状補強部材と、を備え、
前記環状補強部材が、前記床スラブの主筋と同等の高さに配置されていることを特徴とする床スラブの開口部形成・補強装置。 - 前記筒状型枠の外周部には、前記環状補強部材を前記主筋と同等の高さに支持する支持突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の開口部形成・補強装置。
- 前記環状補強部材が、高強度鉄筋を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の開口部形成・補強装置。
- 前記環状補強部材が、所要強度を発現する径方向厚さの鋼製の筒部材を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の開口部形成・補強装置。
- 前記筒部材の外周部に前記床スラブのコンクリートと定着される定着突起が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の開口部形成・補強装置。
- 前記筒状型枠が、外筒と、前記外筒の軸線方向にスライド可能に収容された内筒と、前記内筒を前記外筒に対して固定する高さ固定手段とを含むことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の開口部形成・補強装置。
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- 2017-12-04 JP JP2017232393A patent/JP2019100092A/ja active Pending
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