以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。記載されている装置の構成や形状等は単なる説明例であり、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
図1,図2は、本発明のシステムの一形態を含むドライブレコーダで記録した映像データ等を自動的に取り込みサーバに蓄積するデータ取り込みシステムの一形態を示している。本形態のデータ取り込みシステムは、車両1に搭載されたドライブレコーダ2が撮影して記録した映像データ等を、サーバ3に記憶して蓄積するに際し、ドライブレコーダ2がサーバ3に直接送信することなく、一旦、車両1が立ち寄る所定の場所に設置されたNAS3に対し無線送信する機能を有する。データ取り込みシステムを構成するNAS4は、その無線送信されたデータを記録し、その記録したデータをインターネットを介してサーバ3に送信する機能を備える。サーバ3は、インターネット15からアクセス可能な構成としている。
本実施形態に用いられるNAS4は、データを記憶するストレージ機能と、プログラム実行する制御機能と、ネットワークに接続して通信を行う通信機能等を有する。通信機能は、本実施形態ではローカルネットワーク11に接続する機能を有する。後述するように、ローカルネットワーク11にはルーター14を接続しており、NAS4はそのルーター14を経由してインターネット15に接続し、インターネット15に接続されるサーバ3にアクセス可能な構成となる。
NAS4は、例えば全国の各地に設けられた複数の事業所5とするとよい。本形態では、NAS4は、事業所5の建物6内に設置される。各事業所5には、駐車場7が併設されていることが多く、建物6の近くに駐車場7がある。
ドライブレコーダ2が搭載された車両1は、例えば自動車等であって、いずれかの事業所5に登録・管理している営業車である。この営業車は、例えば昼間の営業時間中は、外回り等で事業所5の外を走行し、例えば夕方等に帰庫して夜間などの非営業時間中はその駐車場7に駐車する。その車両1が登録された事業所5は、その車両1が立ち寄る所定の場所となる。また、車両1は、登録された事業所5とは別の事業所5にまで移動することがあり、係る別の事業所5も当該車両が立ち寄る所定の場所となる。
その事業所5の建物6には、無線LANのアクセスポイント10を設置し、NAS4は、ローカルネットワーク11を介してアクセスポイント10とネットワーク接続する。アクセスポイント10は、たとえばWi-Fiのルーターで構成すると良い。アクセスポイント10は、無線LANと、建物6内のローカルネットワーク11とを相互に変換し、無線LANに接続される端末と、ローカルネットワーク11上の機器・端末とを接続し、相互通信を行う機能を有する。アクセスポイント10の通信可能エリアは、駐車場7の設置エリアを覆う範囲にしている。このように事業所5に無線LANの通信システム機器であるアクセスポイント10を設置し、アクセスポイント10から駐車場7に向けて無線LANの電波を飛ばすように構成する。これにより、駐車場7に駐車する車両1に搭載されたドライブレコーダ2は、アクセスポイント10の通信可能のエリア内に位置する。
ドライブレコーダ2は、無線通信機能を有する。ドライブレコーダ2は、車両1が駐車場7内で駐車するなど、所定のタイミングで当該無線通信機能を起動し、アクセスポイント10の通信可能エリアに位置した状態で、アクセスポイント10と無線通信により接続し、記録した映像データ等をアクセスポイント10経由でNAS4に送信する機能を有する。
ローカルネットワーク11には、PoEスイッチ12が接続され、アクセスポイント10に対する給電を行う。PoEスイッチ12には、ローカルネットワーク11を介してパソコン13やルーター14が接続される。パソコン13からNAS4にアクセス可能な構成とすると良い。
NAS4は、ドライブレコーダ2が送信した映像データ等をインターネット15経由でサーバ3にアップロードする機能を有する。ドライブレコーダ2が無線通信した映像データ等を一時的にNAS4に記録し、NAS4からサーバ3にアップロードする。サーバ3は、インターネット15からアクセス可能な構成としているため、例えば、事業所5に配置されたパソコン13や、その他のインターネット15に接続されたパソコン17は、インターネット15を経由してサーバ3にアクセスし、例えばアクセスした状態でサーバ3に記憶保持された映像データ等をパソコン13,17の表示部にWebブラウザ等で再生表示する。
車両1が事業所5に属する営業車などとすると、当該車両1は事業所5から出庫し、外部の所定の地域・場所を移動し、適宜のタイミングで事業所5に帰庫し、その後は駐車場7にて所定時間駐車する。営業車は、事業所5に必ず立ち寄り、そこで所定時間以上駐車するので、運転者は、通常の仕事を行うだけで自然とドライブレコーダ2をNAS4と通信可能なエリアに位置させることができ、運転者は、わざわざドライブレコーダ2に記憶した映像データを送信するために、通常の業務と関係なく特定の場所に移動する必要は無いのでよい。本実施形態では、ドライブレコーダ2は、車両1の駐車中に記憶保持している映像データ等をNAS4に自動的に送信する機能を備える。運転者は、事業所5に戻ってきた際には、そのままエンジンを切って降車し、例えば建物6内に戻るなどといった通常の業務の一連の行為を行うだけで、その後の適宜のタイミングで映像データ等が送信される。運転者は、映像データ等を送信するための特別に作業は不要となるので良い。適宜のタイミングは、例えば、朝出庫し、昼もそのまま外部を移動し夕方帰庫し、翌朝までの比較的長時間するものがある。このように比較的長時間駐車する場合、例えば多数の車両1が駐車する場合でも、朝までの長い時間を利用して各車両1に搭載されたドライブレコーダ2が記録した映像データ等を無線送信によりNAS4に送り、ひいてはサーバ3にアップロードすることができるので好ましい。
本実施形態では、事業所5毎にNAS4を置き、そこで各事業所単位で一旦データを収集し、サーバ3に集約するシステムとなる。本実施形態のNAS4を事業所5に設置すれば、各車両1のドライブレコーダ2が撮影し記憶した映像データ等は、サーバ3にアップロードされる。NASという分散型と、サーバという集中型のものを組み合わせ、サーバに集約できる仕組みをとった。よって、例えば全国の事業所全体の運行管理者18は、インターネット15に接続されたパソコン17を操作し、サーバ3にアクセスし、例えばサーバ3に記憶した所定のドライブレコーダ2の映像データを読み出して、パソコン17の表示部に再生表示し、その再生した映像を確認し、所定のドライブレコーダ2が搭載された車両1の運転者についての運行状況等を確認することができる。運行管理者18は、各事業所に行くことなくインターネット15に接続可能な場所からサーバ3にアクセスすることで運行管理を行えるので好ましい。
運行管理者18は、NAS4が記憶するデータを直接見に行くのではなく、サーバ3が記憶するデータを見に行く構成とした。例えば、事業所5にいる人は、事業所5内にあるパソコン13等を用いローカルネットワーク11経由でNAS4を直接見に行く構成を採っても良いが、本実施形態のようにサーバという情報集約した一箇所を見にくいようにすると良い。NAS4を直接見に行くようにすると、何かあったときにそのNAS4が設置された事業所5にまで行かなければならないが、サーバ3に集約するので運行管理者18がサーバ3や事業所5から離れた場所にいても確認できるので良い。例えばNASが故障した場合、映像データ等をサーバ3が記憶保持しているので、故障したNASを交換・修理し、その後に必要なデータ等を格納すれば良い。個々の事業所に配置されたNASに直接見に行くようにすると、当該NASが故障等するとデータが見られなくなるが、本実施形態ではそのようなおそれがないので良い。
ハードウェアは故障・障害が生じることはよくあり、障害・故障した場合に修理・メンテナンスが必要である。各事業所5のNAS4が映像データ等を記憶・管理し、その映像データを当該NAS4に直接アクセスして再生、確認する構成にしておくと、当該NAS4は事業所5に設置しておく必要がある。修理・メンテナンスを行う場合、作業員は離れた場所にある事業所5に出張する必要があり、メンテナンスがしにくいという課題もある。特に全国に事業所5を展開しているような会社の場合、各事業所は例えば本社等のシステムのメンテナンスを行うメンテナンスセンターから離れており、工場も地方等の離れた辺鄙な場所に設置されていることがあるので、上記の課題はより顕著となる。
これに対し、本実施形態では、事業所5に設置したNASは、駐車場に立ち寄った車両1のドライブレコーダ2から映像データ等を無線通信で一旦吸い上げ、サーバ3にアップロードする構成とし、例えば遠隔地からリモートで所定のソフトウエアをインストールし、バックアップデータを格納することでメンテナンスを行う構成とするとよい。また、事業所5側では故障したNASをローカルネットワーク11から取り外し、メンテナンスセンター等に送り、メンテナンスセンターでは、必要なデータ・ソフト等を組み込んだ新しいNASを返送する。事業所側では、送られてきた新しいNASを電源・ローカルネットワーク11に接続し、起動するだけで、本実施形態のシステムが構築できるので良い。NAS4に記憶するデータ等は、最新のデータを送る必要がある場合、起動後にメンテナンスセンターから新しいNAS4にリモートアクセスし必要なデータを送り記憶させたり、NAS側にインストールしておいた起動時に自動実行するアプリによりサーバ3から必要なデータをダウンロードするようにしたりすると良い。
本実施形態のデータ取り込みシステムを構成するサーバ3は、例えば図3(b)に示すように、通信部31と、制御部32と、データ記憶部33と、ID記憶部34を備える。通信部31は、インターネット15に接続するインターフェースである。
ID記憶部34は、映像データ等を記録・管理する対象のドライブレコーダ2を特定する特定情報を記憶する。特定情報は、個々のドライブレコーダ毎に設定されたID(以下、「ドラレコID」と称する)とした。全国のいずれかの事業所5を立ち寄る場所としている車両1に搭載されるドライブレコーダ2のドラレコIDは全て登録する。
データ記憶部33は、ドライブレコーダ2が送信した映像データ等を記憶する。本実施形態では、複数のドライブレコーダ2が送信した映像データ等を記憶保持するため、例えば個々のドライブレコーダ2に関連付けて映像データ等を記憶する(図3(c)参照)。関連付けて記憶するとは、例えばドラレコID毎にホルダを形成し、アップロードされた映像データ等のファイルを対応するドラレコIDのホルダに記憶すると良い。ドライブレコーダ2毎にホルダを作成すると、サーバ3にアクセスした運行管理者18等は、確認したいドライブレコーダ2の映像データ等を容易に見つけることができるので良い。特に、管理するドライブレコーダ2の数が多くなるほど、その効果が大きくなる。
ドライブレコーダ2から送られてくる映像データ等は、例えば、イベント録画した映像データ等に限定した場合、1イベント当りのファイルの容量は例えば20メガバイトとし、イベント録画が10件発生した場合、一つのドライブレコーダ本体16から送信されるファイルの総容量は、200メガバイトとなる。サーバ3のデータ記憶部33のメモリ容量は、例えば管理するドライブレコーダ2の台数と、記憶する日数を想定して設定すると良い。
サーバ3には、例えばドラレコID以外にも、各事業所に設置されるNASを特定する情報等の通信を行う際の正規の相手として認証するために必要な情報や、ドラレコIDに付随して運転者について記憶する運転者情報を持たせ、運転者情報の一つの項目に事業所を登録すると良い。これらの情報は、例えばサーバの所定の記憶エリアに格納する。例えば運行管理者は、サーバ3にアクセスすることで、アップロードされた映像データ等を閲覧し、その映像データが誰の運転に伴うものか、運転者がどの事業所に属するか等を容易に特定することができる。このようにサーバ3にアクセスすれば、各種の情報を収集することができる。
上述した本実施形態のデータ取り込みシステムを構成するNAS4は、例えば図3(a)に示すように、通信部21と、制御部22と、データ記憶部23と、通信中IPアドレス記憶部24と、通信中ドラレコID記憶部25を備える。通信部21は、ローカルネットワーク11に接続するインターフェースである。制御部22は、通信部21を経由してローカルネットワーク11上の機器等と通信する。例えば、制御部22は、ローカルネットワーク11上のアクセスポイント10と通信し、そのアクセスポイント10に無線接続しているドライブレコーダ2と送受信する機能を有する。また制御部22は、ローカルネットワーク11上のルーター14と通信し、そのルーター14に接続しているインターネット15経由でサーバ3と送受信する機能を有する。制御部22は、上記の送受信する機能により他の機器等と通信しつつ、後述する所定の処理を実行する機能を有する。
データ記憶部23は、ドライブレコーダ2が送信した映像データ等を記憶する。本実施形態では、複数のドライブレコーダ2が送信した映像データ等を記憶保持するため、例えば個々のドライブレコーダ2に関連付けて映像データ等を記憶する。通信中IPアドレス記憶部24は、アクセスポイント10と通信が確立しているドライブレコーダ2等の無線端末のIPアドレスを記憶する。制御部22は、通信中IPアドレス記憶部24にアクセスし、通信中IPアドレス記憶部24が記憶するIPアドレスが、正規のドライブレコーダ2のものの場合には通信を継続し、正規でない場合には通信を継続しない制御を行う。正規のドライブレコーダ2のIPアドレスか否かの判断は、NAS4側で行っても良いが、本実施形態ではサーバ3側で行うようにすると良い。本実施形態のように複数の事業所5が存在する場合、例えばある車両1は特定の一つの事業所5が立ち寄る場所であったり、別の車両1は複数の異なる複数の事業所5が立ち寄る場所であったりすることがあり、また時間の経過に伴い立ち寄る場所が別の事業所に変わることもある。NAS4側で判断を行う場合には、NAS4に正規のドライブレコーダ2のIPアドレスを登録する必要があり、複数の事業所5のNAS4に同じドライブレコーダ2のIPアドレスを記憶させたり、状況に応じて各事業所に登録するIPアドレスを修正したりする必要があり煩雑となる。これに対し本実施形態のようにサーバ3側で判断させる場合、サーバ3のID記憶部34に全国の事業所5のいずれかでも立ち寄り場所としているドライブレコーダのドラレコIDを登録し、一括管理できる。そして、ドラレコIDを登録する場合にどの事業所が立ち寄り場所かを判断する必要も無く、立ち寄る場所が変更された場合でも更新する必要が無く、通常の立ち寄り場所でない別の営業所に行った場合でもその行った先で正規のドライブレコーダと認証でき、映像データがアップロードできるので良い。
通信中ドラレコID記憶部25は、現在通信中のドライブレコーダ2のドラレコIDを記憶する。無線LANのアクセスポイント10は、同時に複数の無線端末と接続し、無線通信可能な構成としている。無線LANで使用できる帯域が限られているため、一度に大量のデータを無線送信することはできない。そこで、本実施形態では、例えば同時に接続し映像データ等を無線送信するドライブレコーダ2の数に制限を設け、制限台数を超える数のドライブレコーダ2が同時にアクセスポイント10に無線接続してきた場合には、制限台数までのドライブレコーダ2と通信を行い、残りの車両のドライブレコーダ2は待機させる機能を備える。映像データ等の送信は、車両1の駐車中に行うようにしたため、待機中のドライブレコーダ2は省電力モードにし、所定時間経過後に通信を試みる。
本実施形態では、NAS4の制御部22が、ドライブレコーダ2からの映像データ等の送信の管理を行う。制御部22は、通信中ドラレコID記憶部25に記憶したドラレコIDの数から、同時に接続しているドライブレコーダ2の数が制限台数以下であるか否かを判断し、制限台数を超えている場合には待機するドライブレコーダ2を決定し、決定した当該ドライブレコーダ2に対して待機命令を送る。詳細は後述する。
図4は、車両1に搭載されるドライブレコーダ2の一例を示している。本実施形態のドライブレコーダ2は、ドライブレコーダ本体16と、そのドライブレコーダ本体16に電源供給する電源アダプター19を備える。ドライブレコーダ本体16は、制御部40、映像を撮影する撮影手段としてのCCDカメラ41、音声を収集するマイク42、加速度センサ43、GPS受信器44、スピーカ45、メモリカードスロット46、AP情報記憶部47、無線通信部48、インターフェース49並びに操作スイッチ50等を備える。
ドライブレコーダ本体16は、所定のブラケット等の取付手段を用いて車両1の所定位置に装着する。所定の位置は、フロントガラスや、ダッシュボードなどがあり、フロントガラスとすると良く、特にフロントガラスの上方とすると良い。CCDカメラ41は、ドライブレコーダ本体16を車両1の所定位置に固定した状態で、撮影範囲が例えば車両の前方を向くようにするとよい。例えばCCDカメラ41が半天球や、半天球よりも広い範囲を撮影するカメラとした場合、例えばブラケット等を介してドライブレコーダ本体16を車両の所定位置に固定した状態でCCDカメラ41がドライブレコーダ本体16の下側の半天球や当該半天球を含みそれよりも広い範囲を撮影するようにセットすると、車両の前方と車室内を撮影する。
加速度センサ43は、例えば車両1に加わる衝撃、急加速・急減速・急カーブを検知する。GPS受信器44は、衛星軌道上の人工衛星等から発信される電波を受信し、現在位置の緯度・経度を測位し得られた現在位置情報等をNMEA形式のデータで制御部40へ送る。スピーカ45は、たとえば、操作スイッチ50における操作音や、各種のメッセージ(例えばガイド・警報等)を報知するものである。
制御部40は、CPU,ROM,RAM,不揮発性メモリ、I/O等を備えるマイコンであり、上記の各種の入力機器(CCDカメラ41、マイク42、加速度センサ43,GPS受信器44、無線通信部48、操作スイッチ50等)から入力される情報に基づき所定の処理を実行し、出力機器(スピーカ45、メモリカードスロット46、無線通信部48等)を利用して所定の情報を出力する。ドライブレコーダ本体16の機能は、制御部40に有するコンピュータが実行するプログラムとして制御部40のEEPROM上に格納され、これを制御部40に有するコンピュータが実行することで実現される。
メモリカードスロット46には、メモリカード46aを着脱自在に装着する。制御部40は、CCDカメラ41で撮影した映像データを、メモリカード46aに記憶する。この映像データの記憶は、CCDカメラ41で撮影範囲内を常時撮影し、記録手段であるメモリカード46aに記録する常時録画モードと、所定のイベント条件が発生した際にその発生の前後の所定時間の録画ファイルを作成し、メモリカード46aに記録するイベント記録モードを備える。制御部40は、映像データとともにマイク42で取得した音声データも併せてメモリカード46aに記憶する。映像データと音声データは関連付けられており、メモリカード46aに記憶した映像データを再生する際には、音声データも同時に再生する。
所定のイベント条件は、加速度センサ43に基づく急発進・急減速・急カーブ・衝撃を検知した場合、操作スイッチ50が押された場合、後述するオプション機器からの通知等がある。また、常時録画モードで記録中に、所定のイベント条件が発生した場合、イベントに基づくイベント記録も行う。常時録画モードに基づく記録エリアと、イベント記録に基づく記録エリアを分けている。例えば上書き記録する場合には、同じモードの記録エリアに対して上書きをする。
制御部40は、上述した映像データ以外にも、例えばGPS受信器44で受信した位置情報等のGPS情報や、加速度センサ43で検出した加速度センサ情報もメモリカード46aに記憶する。GPS情報は、位置情報の履歴を示すGPSログであり、例えば、移動軌跡を求めるのに利用するとよい。加速度センサ情報は、例えば、しきい値を超えた加速度が検出された場合、位置情報と関連付けて記録すると良い。このようにすると、事故等に伴い発生する衝撃や、急発信・急ブレーキ、急カーブなどの安全運転上好ましくない危険な運転を行った地点を記憶することができるので良い。記憶した加速度情報を、例えば地図アプリと連携させ、地図上で危険な運転を行った地点を表示・確認できるようにすると良い。
AP情報記憶部47は、アクセスポイント10を特定し通信するためのAP特定情報を記憶する。AP特定情報は、例えば、設置されたアクセスポイント10のSSIDやパスワードなどである。車両1が立ち寄る事業所5に設置されたアクセスポイント10についてのAP特定情報を事前に登録する。接続対象となるアクセスポイント10が複数存在する場合、当該複数の全てのアクセスポイント10のAP特定情報を記憶保持する。
制御部40は、AP情報記憶部47が記憶するAP特定情報を用い、無線通信部48の無線通信範囲内にあるアクセスポイント10に無線接続する。無線接続を行うタイミングは、例えば、車両1が事業所5に立ち寄り、駐車場7に止めてエンジンをOFF等の移動停止状態になった際に行うとよい。本実施形態のドライブレコーダ2を構成するドライブレコーダ本体16は、車両1のバッテリーからの電源供給を受けて動作し、車両が移動停止状態になっても電源がONの状態を継続する。この電源のONの状態の継続は、後述する電源アダプター19からドライブレコーダ本体16への電源供給により行う。制御部40は、車両1の駐車中にエンジンをOFF等の移動停止状態になった際に、アクセスポイント10と無線通信を確立し、NAS4に対して走行中等にメモリカード46aに記憶したデータを送信する機能を備える。送信するデータは、メモリカード46aに記録した各モードで録画した映像データ等とするとよいが、常時録画以外の情報とすると特に良い。
例えば同一事業所に一日に一回は車両1が戻ってきて、駐車中に映像データ等を送信するものとすると、一回に送信する映像データ等のデータ容量は、一日に発生するイベント録画の数に起因する。イベント記録の数は、運転動向により変動するが、多くても10件程度/1日と予測でき、1イベント当りのファイルの容量は例えば20メガバイトとすると、イベント録画が10件発生した場合、一つのドライブレコーダ本体16が送信するファイルの総容量は、200メガバイトとなる。この程度であれば、例えば30台以上といった比較的多数の車両であっても、例えば夜間の駐車中の時間を利用することで、一日分の映像データ等を収集することができる。常時録画モードで記録した映像データまで送信しようとすると、データ容量が非常に大きくなり1台の搭載されたドライブレコーダが送信完了になる時間が長くなり、多数の車両が駐車した場合にはよく朝までに全てのドライブレコーダ本体16から映像データ等をアップロードすることができないおそれがある。そこで、本実施形態のように、常時録画以外のデータをアップするようにすると良い。常時録画よりもイベント録画モードで記憶した映像データ等の方が、例えば運行管理を行う際に有益な情報であるので、効率よく必要なデータを収集できる本実施形態の方がより好ましい。
ドライブレコーダ本体16は、エンジンOFF後の駐車中においても電源がON状態を継続し、制御部40はメモリカード46aに記憶した映像データ等を読み出して無線送信する機能を備える。ドライブレコーダ本体16は、走行中は、映像を撮影し、記録する録画機能が動作し、エンジンOFF後は、録画機能を停止し通信機能が動作する。運転者は、走行中にドライブレコーダ本体16が記憶した映像データを送信するためにエンジンを掛けておく必要は無く、例えば通常の営業活動をし、車両1のエンジンを切って事業所5の建物6内に戻る所作を行うだけで、NAS4への映像データ等のアップが行われる。運転者は、そのまま通信完了を待つこと無く降車でき、通信完了まで車両で待機する煩わしさがなくなるのでよい。
制御部40は、エンジンが始動してからエンジンを停止するまでのエンジンON状態では、アクセスポイント10をサーチし通信確立を試みる処理を行わないようにするとよい。事業所5を出庫した後の走行中は、通常、通信可能なエリアにアクセスポイント10はないので、仮に当該処理を実行してもアクセスポイント10と無線接続される可能性はなく、当該処理を実行しないことで制御部40の負荷を削減できるので良い。また、例えば、車両1が事業所5に進入して事業所5・駐車場7内を走行中など、エンジンはON状態でアクセスポイント10の通信エリア内にドライブレコーダ2が存在する場合、アクセスポイント10と無線接続し、映像データ等を送信することは可能であり係る構成を採っても良いが、本実施形態では、エンジンがOFFになるのを通信開始の条件としたため、アクセスポイント10の通信エリア内であってもエンジンがONの状態では通信機能を起動せず、無線通信を行わないことを特徴としている。このようにすると、当該走行中は通信機能は起動しておらず通常のドライブレコーダとしてしての録画機能が作動しているため、当該事故もイベント録画してメモリカード46aに記憶し、その後にエンジンをOFFした際に通信を開始するので、当該事故の映像データ等も送信することができるので良い。これに対し、例えば事業所5に進入し走行中に事故等が生じた場合、通信を開始後の事故であると当該事故に起因する映像データを送信できないという問題があるので、本実施形態のようにエンジンOFF後に通信機能を起動し、送信するようにすると良い。またエンジンをOFFにして駐車した状態は、通信が安定して行えるというメリットもあるので良い。例えば走行して車両1の位置が移動すると、通信環境が変化し通信が安定しないおそれがあるが、エンジンをOFFして駐車した状態で行うとそのような事態が生じないので良い。また、エンジンがONの状態で速度が0km/hだと、ドライブレコーダ2とアクセスポイント10との距離が変わらないので、移動しているよりも通信は安定するが、エンジンをOFFにするとさらに良い。特に、映像データといった大容量のデータを通信するので、通信環境が安定した状態で送るのが良く、本実施形態のようにエンジンOFF後に通信を行うように構成すると良い。
無線通信部48は、無線LANを利用する無線送受信機能を備える。本実施形態では、アクセスポイント10と無線通信する。無線通信部48が利用する無線通信は、その通信可能距離が駐車場7をカバーする範囲の長さを確保し例えばLTE(キャリア)のような基地局までの距離は含まない短さとすると良い。通信距離が短く通信範囲が限定されるものを用いるので、セキュリティの点でも好ましい。また、Bluetooth(登録商標)のようにピアツーピアではなく、複数の無線端末がアクセスポイント10と同時に接続して無線通信する無線LAN方式に対応するものとすると良く、例えばWi-Fiなどを用いると良い。 Wi-Fiは無線免許がいらず、無料で利用でき、その帯域が映像データを送信することができ、通信速度も映像データがストレス無く送れる速さがあるので好ましい。Bluetooth(登録商標)は、Wi-Fiを用いた無線LANに比べ通信距離が短く、駐車場7の全域を通信エリアにすることはできない場合があるので、係る点に鑑みてもWi-Fiを用いると良い。
インターフェース49は、電源アダプター19と接続する接続ケーブル63の一端を装着するためのものである。本実施形態では、接続ケーブル63は、データを通信する通信ケーブルと、電源供給するための電源ラインを備えて1本のハーネスとして構成している。インターフェース49は、UART、NTSC、電源、グランドを有し、ドライブレコーダ本体16のケースの側面には、インターフェース49のうち接続ケーブル63のコネクタ端子を接続するためのソケット部を配置する。
電源アダプター19は、電源回路51と、制御部52と、タイマ53と、インターフェース54等を備える。電源回路51は、車両1のバッテリーに接続し、当該バッテリーからの電力供給を受け、ドライブレコーダ本体16等の外部接続される機器に対して電力供給する機能を備える。
制御部52は、例えばドライブレコーダ本体16と通信する機能、ドライブレコーダ本体16に対する電源供給のON/OFFの制御等を行う機能等を有する。インターフェース54は、インターフェース49と同様の構成となり、接続ケーブル63の他端を装着する。電源回路51の電力出力回路から出力される電力は、接続ケーブル63を経由してドライブレコーダ本体16に供給する。制御部52は、接続ケーブル63を介してドライブレコーダ本体16の制御部40と通信する。
上述したNAS4,サーバ3,ドライブレコーダ本体16並びに電源アダプター19に実装される各制御部は、他の機器・装置の制御部と協働し、各車両1の走行中にその車両1に搭載されたドライブレコーダ2が撮影し、記録した映像データ等を、サーバ3のデータ記憶部33にアップロードして集約する機能を有する。図5は、ドライブレコーダ2と、NAS4と、サーバ3との間の通信手順の一例を示しており、各機器の制御部は当該通信手順を実行する機能を有する。
NAS4の制御部22は、定期的にアクセスポイント10経由で、ブロードキャストでアープスキャンを無線送信する(処理a)。定期的は、例えば1分間に1回程度とすると良い。
上述したように、例えば駐車場7内で車両1のエンジンがOFFになると、ドライブレコーダ2を構成するドライブレコーダ本体16の制御部40は、アクセスポイント10との無線通信を確立する。そこで、エンジンがOFFで駐車中の車両1に搭載されたドライブレコーダ2は、アープスキャンを無線通信部48で受信すると、その受信したアープスキャンに対する応答として、制御部40は自己のIPアドレスを送信する(処理b)。
NAS4の制御部22は、返ってきたIPアドレスを通信中IPアドレス記憶部24に記憶する。これにより現在アクセスポイント10と無線通信が確立している無線機器、本例ではドライブレコーダのIPアドレスが、通信中IPアドレス記憶部24にリストアップされる。NAS4の制御部22は、通信中IPアドレス記憶部24にアクセスし、所定のIPアドレスを取得し、そのIPアドレスの無線端末宛てに対してテルネットでIDの問い合わせのコマンドを送信する(処理c)。
係るIDの問い合わせのコマンドを受信したドライブレコーダ2を構成するドライブレコーダ本体16の制御部40は、その受信したコマンドが自己のIPアドレス宛のものか否かを判断し、自己宛の場合、制御部40は、自己のドラレコIDをIPアドレスとともに送信する(処理d)。
NAS4の制御部52は、受信したドラレコIDがドライブレコーダであることを認識し、通信中ドラレコID記憶部25に記憶する。制御部52は、受信したドラレコIDに対応するIPアドレスを、通信中IPアドレス記憶部24から削除する。制御部52は、通信中ドラレコID記憶部25に記憶したネットワーク接続中のドラレコIDのリストのうち、先頭から順にドラレコIDを取得し、その取得したドラレコIDについてのアップロード可否要求をサーバ3に送る(処理e)。
サーバ3の制御部32は、当該要求を受け付けると、ID記憶部34にアクセスして受信したドラレコIDを登録しているか否かを判断する。登録している正規のものの場合、制御部32はデータ記憶部33にアクセスし、そのデータ記憶部23が記憶する当該ドラレコIDに関連する格納された映像データ等のファイルを特定する特定情報を備えたアップロード済みのファイルリストを作成する。特定情報は、例えばファイル名とすると良い。制御部32は、ドラレコIDがID記憶部34に登録している場合、応答としてアップロード済みのファイルリストを返信し、ドラレコIDがID記憶部34に登録していない場合、リストに無い旨のエラー応答を返す(処理f)。
NAS4の制御部22は、サーバ3からアップロード済みファイルリストの応答を受信すると、対応するドラレコIDに対してアップロード済みファイルリストとともに未アップファイルの送信要求を行う(処理g)。なお、処理fにおいてエラー応答を受信した場合、NAS4の制御部22は、通信中ドラレコID記憶部25から該当のドラレコIDを削除し、そのドラレコIDについての処理を終了する。
未アップファイルの送信要求を受信したドライブレコーダ2を構成するドライブレコーダ本体16の制御部40は、メモリカード46aにアクセスし、アップロード済みファイルリストにリストアップしていない映像データファイル等を抽出する。制御部40は、その抽出した映像データ等をNAS4宛てに無線送信する(処理h)。
NAS4の制御部22は、受信したドライブレコーダ2が無線送信した映像データ等をデータ記憶部23に一時記憶する。制御部22は、適宜のタイミングでその記憶した映像データ等を、ドラレコIDとともにサーバ3にアップロードする(処理i)。
サーバ3の制御部32は、ドラレコIDとともにアップロードされた映像データ等を受信し、受信した映像データ等をデータ記憶部33内の当該ドラレコID用の記憶エリア・ホルダに記憶する。記憶完了後、制御部32は、NAS4に対し処理iで行ったドラレコIDのアップロードの完了の応答を送信する(処理j)。
NAS4の制御部22は、完了の応答を受信すると、そのドラレコIDのドライブレコーダ2に対し電源OFF指令を送信する(処理k)。この電源OFF指令を受信したドライブレコーダ2を構成するドライブレコーダ本体16の制御部40は、電源をOFFにする処理を実行する。本実施形態では、制御部40は電源アダプター19に対し、電源OFF指令を送り、その電源OFF指令を受けた電源アダプター19の制御部52が電源回路51からの電力供給をOFFにする処理を行うようにする。
電源供給をOFFにすることで、バッテリー上がりを防止できるので良い。電源供給のOFFは、サーバ3からのアップロード完了の応答に基づき行われ、その状態ではドライブレコーダ2より具体的にはドライブレコーダ本体16が記憶する映像データは、確実にアップロードしたことが保証されるので良い。
また、NAS4の制御部22は、上述した電源OFF指令の送信相手のドライブレコーダ2のドラレコIDを、通信中ドラレコID記憶部25から削除する。この削除に伴い、通信の枠が1つあくので、NAS4の制御部22は、例えばその次のアープスキャンの処理等においてドラレコIDが追加されると(処理a~d)、その追加したドラレコIDのドライブレコーダ2が記憶する映像データ等をアップロードする処理(処理e~j)等を行う。前回の処理で上位5台には入れず待機していたドライブレコーダ2のドライブレコーダ本体16が再起動してドラレコIDを送り、その受信に伴いカメラリストの5番目以内になれば、そのドライブレコーダ本体16から映像データを吸い上げる。
[同時接続する制限台数を超える場合の制御]
NAS4の制御部22は、通信中ドラレコID記憶部25に記憶したネットワーク接続中のドラレコIDのリストの先頭から順に上述した処理eからの一連の処理を実行することで、最大で制限台数分(本実施形態では、例えば5台)のドライブレコーダと映像データ等の通信を行い、サーバ3に対してアップロードする。そして、通信中ドラレコID記憶部25に格納されたドラレコIDの数が制限台数を超えると、超えた分のドライブレコーダ2に対し待機命令を送る。例えば制限台数が5台とすると、通信中ドラレコID記憶部25に記憶したドラレコIDのリストの6番目以降のドライブレコーダ2に対して、待機命令を送る。待機命令は、例えば、「再起動をN分後に行え」のように待機時間とともに通知する。制御部22は、待機命令を送信した対象のドラレコIDを、通信中ドラレコID記憶部25から削除する。
待機命令を受けたドライブレコーダ2は、一旦ドライブレコーダ本体16の電源をOFFにする制御を行い、指定された待機時間を経過後に、ドライブレコーダ本体16の電源をONにする。この電源がON状態になることで、車両1のエンジンはOFFでドライブレコーダ2がON状態になり、ドライブレコーダ本体16の制御部40は通信機能を起動しアクセスポイント10と無線接続を確立する処理を実行し、上述した図5に示す映像データ等の送信処理フローを実行する。待機中は電源をOFFにすることで、バッテリー上がりを防止できるので良い。
本実施形態では、ドライブレコーダ2のドライブレコーダ本体16の電源の制御は、電源アダプター19が行うため、待機命令を受けたドライブレコーダ本体16の制御部40は、待機時間とともに一時停止命令を電源アダプター19に送信する。この送信は、接続ケーブル63を経由した有線通信を用いて行う。電源アダプター19の制御部52は、一時停止命令を受けると、受信した待機時間をタイマ53にセットし、接続ケーブル63を介したドライブレコーダ本体16への電力を遮断する。さらに、タイマ53を作動させタイムアップしたらその旨を制御部52に伝える。制御部52は、タイムアップされたら、電力供給を再開する。この電力供給の再開に伴い、ドライブレコーダ本体16は電源がONになり、通信機能を起動しアクセスポイント10への無線接続から映像データ等の送信のための処理を行う。
上述したように、本実施形態では、電源アダプター19は、ドライブレコーダ本体16に対し電源ON/OFFを切り替える機能を有し、ドライブレコーダ本体16は、全体でON/OFFする。待機中の電力消費を抑制する仕組みとしては、例えば、ドライブレコーダ本体16の中の一部の使わない部分、例えば映像記録関係などを停止し、通信モジュール等を間欠駆動させるというようなパワーコントロールする機能を設けても良いが、本実施形態のようにドライブレコーダ本体16側にパワーコントロールする機能を設けず、電源アダプター19側でドラレコ全体をON/OFFするのがより良い。電源アダプター19で行う制御処理の方が、ドライブレコーダ本体16で行う制御に比べて簡易であり、電源アダプター19側の制御部52を構成するCPUの方が、ドライブレコーダ本体16側の制御部40を構成するCPUに比べて消費電力が小さいので良い。ドライブレコーダ本体16側のCPUで細かくパワーコントロールすると電源アダプター19側は通常の動作をしてドライブレコーダ本体16に電源供給するので、電源アダプター19側で制御した方がドライブレコーダ2の全体の電力消費を抑えることができるので好ましい。本実施形態のように車両1のバッテリー上がり防止のために、待機中はドライブレコーダ本体16の全体をOFFにするとよい。
例えば、ドライブレコーダには、駐車中も車両のバッテリー或いは電池内蔵の電源ボックス等から電力供給を受け、周囲の映像を記録する駐車監視モードを備えたものもある。駐車監視モードが起動すると、決められた時間動作するので、駐車中ある程度の電力消費が常に生じる。これに対し本実施実態では、走行中等において記録した映像データ等を送信すれば例えばドライブレコーダ本体16の電源がOFFになるので、駐車中の電力消費を抑えることができるのでよい。例えばイベント録画が1件しかなければ、その1件を送信すれば電源をOFFにすることができるので良い。特に、映像データ等の送信を完了した場合に電源アダプター19の電源もOFFにするように構成するとより好ましい。
本実施形態では、通信中ドラレコID記憶部25から待機するドライブレコーダのドラレコIDを削除する際に、待機中リストなどを作成・記憶保持せず、当該削除したドラレコIDに対して待機の順番付けをしないようしている。よって、例えば、ドライブレコーダAに対して待機時間として5分待ちの指示をし、現在通信中の別のドライブレコーダが行う映像データの通信が3分で終わると、2分間空きが生じる。その2分間の間に、さらに別のドライブレコーダBが帰庫し、アープスキャンに対応してIPアドレスさらにはドラレコIDを送信し、通信中ドラレコID記憶部25のリストの5番目以内に登録されると、ドライブレコーダBが映像データ等の通信を開始する。その後、待機解除でドライブレコーダAがアクセスしてきたときに制限台数の5台のドライブレコーダが通信をしていると、NAS4はドライブレコーダAに対して「再起動をM分後にして」(M=N或いはM≠N)を通知する。このように各車両1の帰庫のタイミングによっては、後から帰庫した車両1のドライブレコーダ2の方が先に映像データ等の通信を完了し、運が悪いと早く帰庫しても何回も待機を繰り返すこともある。
例えば、待機中のドライブレコーダがある場合、それを優先して後から帰ってきた別の車両1のドライブレコーダ2の処理はその後に行うようにしてもよいが、本実施形態では、上述したように待機中のドライブレコーダ2のドラレコIDは、通信中ドラレコID記憶部25から削除し、待機中リストも備えておらず、そのような待機中を優先する処理を行わず、適宜のタイミングで各ドライブレコーダ2がアクセスポイント10に接続し、制限台数以下で選ばれたドライブレコーダ2が映像データ等の送信を行うようにした。
このように、ドライブレコーダ2が待機中に後から来たドライブレコーダ2が通信を試みて映像データ等の送信が可能な状態であれば、本実施形態のように当該後から来たドライブレコーダ2を先に処理した方が、事業所5に駐車する車両の全体に対する総処理は速く終了するので好ましい。また、待機中のドライブレコーダ2を優先処理しなくても、その待機中のドライブレコーダ2が搭載された車両の運転者は、映像データ等のアップ完了の有無にかかわらず下車できるので問題は無いので良い。仮に、待機中のドライブレコーダ2を優先処理するようにすると、待機中リストで管理する必要があって処理が煩雑となり、待機中のドライブレコーダ2が待機時間経過するまで待つと、その間に制限台数未満のドライブレコーダが映像データ等を送信処理することになり、本来処理できる別のドライブレコーダ2の処理がさらに遅れてしまい、事業所5に駐車する全ての車両に搭載されたドライブレコーダ2のアップロードが完了する時刻が遅くなると言う問題を生じるが、本実施形態によれば、かかる問題は生じないので良い。
待機時間は、例えばアップロードするファイル数から現在通信中のドライブレコーダ2の送信完了時間等を予測し、待機時間経過後にすぐに映像データ等を送信できるような最適な値を求めても良いが、予め設定した固定値とすると良い。固定値にすると、都度待機時間を求める必要が無く制御が簡単に行えるので良い。固定値にすることで、例えばタイミングが悪く待機中から復帰して通信を試みた際にアクセスポイント10に接続しているドライブレコーダ2の数が制限台数を超えていて再度待機状態に移行することが複数回生じることがあっても、例えば営業時刻終了後に帰庫し、夜間の比較的長い時間駐車しているような場合には、翌日に出庫するまでの間では映像データ等をアップロードできるので固定値による上記弊害は少ない。
都度待機時間を求めるようにした場合、自己並びに同時に通信しているドライブレコーダの通信環境・送信状況の変化、サーバ3へのアップロードの完了に要する時間等から精度良く求めることがしにくく適切な待機時間を求めること自体が困難であり、余裕を持たせて待機時間を決定すると送信しない無駄な時間を発生させることになり好ましくない。待機中に別の車両1が帰庫して駐車場7でエンジンをOFFにした場合、当該別の車両1のドライブレコーダ2がアクセスポイント10と接続を確立し、そのときに通信をしているドライブレコーダ2が制限台数以下とすると、その別の車両1のドライブレコーダ2が映像データ等の送信を開始する。このように待機中に帰庫した車両1等に搭載されたドライブレコーダ2より、待機中のドライブレコーダ2が待機時間経過後に電源ON状態になった際には制限台数を超えいる事態になるおそれがあり、かかる事態の場合に再び待機命令を受けて待機することになる。各車両1が事業所に立ち寄り、駐車する時刻は不定であることも相まって、一度待機指令を受けたドライブレコーダ2の再起動後に映像データ等の送信を行える保証がない。最適な待機時間を求めてもその効果が少ないので、本実施形態のように待機時間を固定値にすると良く、さらに設定により固定値を変更する機能を備えると良い。例えば、イベント録画等が多くされ送信する映像データ等の容量が多いドライブレコーダ2が多い傾向にある場合には待機時間を長めに設定するなど、その事業所5に立ち寄る制限台数分の車両1のドライブレコーダ2の処理が完了する時間を設定すると良い。設定後の待機時間は、その設定した固定値で行う。待機時間が固定とした場合、待機時間は電源アダプター19側で設定し、NAS4からは待機命令のみ受け、待機命令を受けたら設定された待機時間電源OFFにした後、再起動するようにしてもよいが、本実施形態のようにNAS4が待機時間を通知するように構成すると、待機時間を柔軟に変更するシステムにも適用できるので好ましい。
[ドラレコIDのリストに載せる優先順位]
本実施形態では、制限台数を超える台数のドライブレコーダ2を接続している場合、NAS4の制御部22は、リストに登録された上位の制限台数分をドライブレコーダ2から映像データ等の送受信を行い、制限台数を超える下位のドライブレコーダ2に対しては待機命令を送る制御を行う。
制御部22は、このリストに載せる際の優先順位を、処理が早く完了しそうなドライブレコーダ本体を高くするようにするとよい。処理が早く完了しそうなものとして例えば各IPアドレスに対してテルネットで問い合わせてからドラレコIDの応答が返ってくるまでのレスポンス時間を求め、速いものほど優先度を高くし上位にリストする制御を行うとよい。レスポンス時間が短いほど、映像データ等の送信処理が早く完了する可能性が高いため、当該早く処理が完了するドライブレコーダを優先して処理することで、待機中のドライブレコーダ2の数を削減する。レスポンス時間が長く処理に時間がかかりそうなドライブレコーダ2は、後でゆっくり処理すると良い。
レスポンス時間は、通信距離が短いほど速くなり、通信環境が良いほど速くなり、各制御部の応答処理の影響も生じる。駐車場7内での遠近の差では、距離に応じたレスポンス時間の差はあまりなく、実際には、通信環境や、制御部・CPUの応答処理系の影響があり、特に通信環境の影響が大きい。優先度の決定を、レスポンス時間に限ることはなく、通信環境により変化する情報に基づき決定すると良い。通信環境により変化する情報は、例えば、ドライブレコーダ2とアクセスポイント10間での無線通信における受信信号の電界強度を用いると良い。例えば駐車場7内という限られた範囲内では、距離差に基づくレスポンス時間への影響は低く、電界強度が高いほど、通信環境が良好な状況と言える。そこで、電界強度が高いものほど優先度を高く設定すると良い。
電界強度は、例えば、アクセスポイント10側で求めても良いが、ドライブレコーダ2の無線通信部48で、アクセスポイント10から送られてくる信号の電界強度を検知し、制御部40が、ドラレコIDを送る際に検知した電界強度に関連する電界強度情報を送信すると良い。電界強度情報は、レベル1,レベル2,レベル3……のように複数段階のレベル分けし、電界強度が属するレベルを用いても良いが、電界強度の数値そのものとするとよい。数値そのものを用いた方が、個々のドライブレコーダ2の置かれた通信環境の善し悪し等を精度良く判定できるので良い。
上述したように求めた優先度高いものほど、ドラレコIDのリストの上位に登録され、上位から制限台数分のドライブレコーダ2から映像データ等の送信を受ける。優先度が低いドライブレコーダ2であっても、同時に接続しているドライブレコーダ2の数が制限台数以下であれば接続を継続して映像データ等の送信を行う。優先度が低いドライブレコーダ2は後回しにすることはなく、そのとき制限台数以下の接続で通信可能であれば映像データ等のアップロードのための処理を行うようにすると良い。また、優先度の低いものも含め既に制限台数を接続している状態で優先度の高いドラレコが帰ってきても、通信中のものを切断して優先度の高いドライブレコーダ2からの映像データの送信を受け付けることはしないようにすることを特徴としている。優先度が低くても一旦通信を開始している場合、そのまま通信を継続し、映像データ等のアップロードを完了して切断した後で、次のドライブレコーダ2からの映像データ等のアップロードを行う方が、事業所5に駐車する車両1の全体に対する総処理は速く終了するので好ましい。
例えば、各車両1がバラバラで事業所5に立ち寄り駐車するようなケースでは、立ち寄って駐車した順に映像データ等のアップロードの処理を行う。上述したように優先度を用いた制限台数を超えたドライブレコーダ2への待機命令は、一定時間内に複数の車両1がエンジンOFFしてドライブレコーダ2が通信を開始した場合に行う。一定時間は、例えばアープスキャンを行う間隔であり、例えば1分程度となる。例えば、事業所5の営業終了時刻付近など、1分の間に制限台数の例えば5台以上帰ってくることはあり得る。NAS4の制御部22は、係る場合の待機命令を送るか否かの振り分け制御を行う。
運行管理は、点呼が必要で終わったらその場で指導が必要である。本実施形態のように帰庫して駐車した順番で順次アップロードすると、例えば帰庫したら、運転者が事業所5の建物6内に戻ってくるまでに映像データ等のアップロードが完了し、運転者が帰宅する前に運行管理者がチェックできるので良い。
本実施形態では、サーバ3に未アップロードの映像データ等をドライブレコーダ本体16が送信し、NAS4に一旦記憶した後、サーバ3にアップロードする仕組みとした。これにより、例えば、NAS4にデータがあるが何らかの理由でサーバ3にアップしていなかった場合、NAS4に記録済みのデータもあわせてドライブレコーダ本体16が送信することになるが、NAS4は今回ドライブレコーダ本体16から送られてきたデータをサーバ3にアップロードする処理をすれば良くNAS4側で記憶しているデータがアップロード済みか否かの判断を行わなくて済むので良く、確実にドライブレコーダ本体16が記憶した所望の映像データ等をサーバ3にアップロードして記憶保持できるので好ましい。
[車載側の構成]
図6は、車両1に実装される車載機器の構成の一例を示している。上述したように、ドライブレコーダ2を構成するドライブレコーダ本体16と電源アダプター19は、接続ケーブル63を介して接続される。ドライブレコーダ本体16は、ケース本体16aの下方にCCDカメラ41のレンズ41aが配置され、レンズ41aの視野方向を下向きにした場合に、下側の半天球を含み、その半天球よりも広い範囲とし、斜め上方まで撮影可能なCCDカメラ41とすると良い。このようにすると、CCDカメラ41の視野方向を真下にした状態でも、例えば車両の前方斜め上のエリアも撮影範囲となる。ドライブレコーダ本体16のケース本体16a内に、加速度センサ43その他の図4に示した各機器が実装され、加速度に基づくイベント録画開始の判断はドライブレコーダ本体16で行う。
本形態の電源アダプター19は、ドライブレコーダ本体16に加え、別の機器に対して電源供給したり、通信したりする機能を有する。図7に示すように、電源アダプター19は、扁平で矩形状のケース本体19aを備え、そのケース本体19a内に図4に示した各機器等を備える。この電源アダプター19は、例えば車両1のシートの下側の空間や、ダッシュボードの裏などに設置すると良い。充電池を実装していないので、ケース本体19aが薄型で、設置しても邪魔にならないので良い。制御部52のファームの更新もWi-Fi経由で行うと良い。
ケース本体19aの長手方向の一方の側面には、第一ソケット部19c、第二ソケット部19d、第三ソケット部19e、第四ソケット部19f、第五ソケット部19gを備える。第一ソケット部19cには、ドライブレコーダ本体16に接続する接続ケーブル63のコネクタ端子を着脱自在に装着する。ソケット部は、例えばメス型コネクタ等とも称される。この第一ソケット部19cが、インターフェース54の一部を構成するソケット部に対応する。
第二ソケット部19dには、接続ケーブル64の一端のコネクタ端子を装着し、この接続ケーブル64の他端のコネクタ端子を例えば第一オプション機器61に接続する。電源アダプター19の電源回路51は接続ケーブル64を経由して第一オプション機器61に電源供給する。制御部52は、接続ケーブル64を介して第一オプション機器61と通信する機能を備える。第一オプション機器61は、例えば、レーザーで距離を測定し、前方車との接近を警報する衝突警報システム等とするとよい。第一オプション機器61が衝突警報システムの場合、制御部52は衝突警報システムとの通信により、衝突警報システムが前方車両との接近を検知した場合、それをドライブレコーダ本体16に通知する機能を有する。ドライブレコーダ本体16の制御部40は、当該前方車両との接近の検知を受信に基づき、接近のイベント録画を行うと良い。この記録した情報は、事業所5の駐車場7で駐車した際に、NAS4に送信され、サーバ3にアップロードされるとよい。また、上記の衝突警報システム或いは別の第一オプション機器61が、例えば、白線逸脱検知機能を備えている場合、制御部52は第一オプション機器61との通信により、第一オプション機器61が検知した白線逸脱したことを知得し、その白線逸脱をドライブレコーダ本体16に通知する機能を有すると良い。ドライブレコーダ本体16は、係る通知に基づきイベント録画すると良い。
第三ソケット部19eには、接続ケーブル65の一端のコネクタ端子を装着し、この接続ケーブル65の他端のコネクタ端子を例えば第二オプション機器62に接続する。電源アダプター19の電源回路51は接続ケーブル65を経由して第二オプション機器62に電源供給する。制御部52は、接続ケーブル65を介して第二オプション機器62と通信する機能を備える。第二オプション機器62は、例えば、ICカードリーダとすると良い。例えば、運転者は、運転するに際し自己を特定するIDカードをICカードリーダにセットする。制御部52は、例えばICカードリーダが読み取ったIDカードに記録された運転者のID情報をドライブレコーダ本体16に通知し、ドライブレコーダ本体16は取得したID情報を映像データ等の記録と併せて行い、映像データ等を送信するに際しID情報も併せて送信するようにすると良い。このようにすると、NAS4ひいてはサーバ3似記憶する映像データ等がどの運転者の走行時に撮影等されたものかの紐付けができ、例えば運行管理者等が映像データ等を閲覧した際に誰の運転時の映像データ等かが容易に確認・理解できるので好ましい。
第四ソケット部19fには車両信号接続ケーブル66の一端のコネクタ端子を装着し、この車両信号接続ケーブル66の他端のコネクタ端子を、車両1の車両情報が出力されるソケット部等に装着する。車両情報はウインカー情報、フットブレーキの状態、車速パルス、デジタコ等の外部機器トリガ入力などがある。制御部52は、取得したそれらの車両情報をシリアルの情報として接続ケーブル63を介してドライブレコーダ本体16に通知する機能を有する。また制御部52は、接続ケーブル63を介して送られてくるドライブレコーダ本体16からのイベントの通知を受けとると、車両信号接続ケーブル66を介してデジタコ等の外部機器にトリガ信号を出力する機能も有する。電源アダプター19は、このような情報の送受のインターフェースとしての機能も有する。
第五ソケット部19gには、電源ケーブルの一端のコネクタ端子を接続する。電源ケーブルは、バッテリー接続線67a、ACC接続線67b、アース線67cを備え、それら各線67a,67b,67cの先端を車両1の電源ライン等の所定位置に接続する。第五ソケット部19gは、ケース本体19a内の電源回路51に電気的に接続する。上述したように電源回路51を介して、車両1のバッテリーからドライブレコーダ本体16、第一オプション機器61、第二オプション機器62への電源供給を行う。
図7に示すように、ケース本体19aの上面には、その上面から一段低く奥まった位置で開口する開口部を設け、その開口部に監視電圧設定用ディップスイッチ19bを露出状態で配置する。この監視電圧設定用ディップスイッチ19bは、4ビットのディップスイッチで、ユーザが操作することで12V用或いは24V用のバッテリィの遮断電圧を設定するスイッチである。
制御部52は、ACCのON/OFFの2つの状態を検出する。制御部52は、車両1のACCがON状態の時にディップスイッチ設定を読み出し、記憶保持する。制御部52は、車両1のバッテリー電圧を監視し、バッテリー電圧が設定された遮断電圧以下になった場合、電源を遮断し、ドライブレコーダ本体16への電力供給を停止する。これにより、車両1のバッテリーが上がるのを抑制する。なお、車両のACCがOFF状態のときに監視電圧設定用ディップスイッチ19bが操作された場合、制御部52は次のACCがON状態になった際にディップスイッチ設定を読み出す。
図8以降は、図6,図7に示す車載機器を用いたデータ取り込みシステムを構成する各機器間の処理フローの一例を示している。オプション機器以外についての処理フローは、図5等を用いて説明した上述した実施形態の処理フローについても同様に適用するとよい。
図8は、車両1の走行中並びに事業所5以外の場所でエンジンをOFFにした場合の処理フローを示している。図において、「本体」はドライブレコーダ本体16を示し、「アダプタ」は電源アダプター19を示し、「車両」は車両1を示している。車両1は、エンジンを始動しON状態になる。このとき、ACCがONになる(a1)。ACCONに伴い、電源アダプター19の電源が投入される。電源アダプター19の制御部52は、初回起動時は無条件で電源回路51によるドライブレコーダ本体16やオプション機器に対する電源供給を開始する(a2)。ドライブレコーダ本体16は、電源供給開始に伴い電源がオンになり、所定の初期化処理を実行する(s1)。その後、設定されたモードで動作し、記録条件に合致したら映像データ等の記憶を行う。
制御部52は、車両1のバッテリーの電源種別判定を行う(s2)。電源種別判定は、12Vか24Vかの判定であり、例えば、電源供給されるバッテリー電圧に基づき判定する。この判定は、電源アダプター19の電源が投入された後、最初の定期送信を開始するまでの待ち時間Tad_initの間に実行する。このTad_initは、例えば1秒とすると良い。制御部52は、電源種別の判定結果をドライブレコーダ本体16に通知する(a3)。ドライブレコーダ本体16は、当該通知に基づき、所定の初期化処理を実行する。電源アダプター19の制御部52は、所定の周期(Tad_tr)でドライブレコーダ本体16に向けて定期送信を行う(a4)。所定の周期(Tad_tr)は、例えば0.02秒とするとよい。
ドライブレコーダ本体16の制御部40は、例えば加速度センサやボタン操作などのイベントが発生した場合、イベント記録を行う(S3)。ドライブレコーダ本体16の制御部40は、イベント録画を行ったことを電源アダプター19に通知する(a4)。
車両1のエンジンがOFF状態になり、ACCがOFFになる(a5)。電源アダプター19の制御部52は、ACCのON/OFFの2つの状態を検出する機能があり、その制御部52は、ACCがOFFになったことを検出すると、オプション機器への電源供給をOFFにする(S4)。本形態では、第一オプション機器61と第二オプション機器62への電源供給をOFFにする。ACCがOFFになったことを検出してからオプション機器への電源供給をOFFにするまでの時間(Top_off)は、0秒とすると良い。すぐにOFFにすることで、駐車中に車両1のバッテリーが無駄に消費されるのを抑制するのでよい。制御部52は、電源回路51を用いたドライブレコーダ本体16への電源供給を継続する。
制御部52は、オプション機器機への電源供給のOFF処理後に行う定期送信の際にACCがOFFすなわちエンジンがOFF状態になったことを通知する(a6)。ドライブレコーダ本体16の制御部40は、係るACCOFF・エンジンOFF通知を受け付けると、常時録画・イベント録画といった録画機能を停止し、無線通信機能(ワイヤレスLAN:WLAN)を起動する(S5)。この無線通信機能の起動に伴いあらかじめ設定されたSSIDのアクセスポイント10の探す処理を実行する。
所定のSSIDのアクセスポイント10の応答がなく見つけられないと、タイムアウトする(S6)。タイムアウトは、例えば3分程度とするとよい。制御部40は、タイムアウトすると、電源アダプター19に対して電源遮断要求を送る(a7)。
電源アダプター19の制御部52は、ドライブレコーダ本体16の制御部40からの電源遮断要求を受け付けると、直ちに全電源OFF処理を行う(S7)。全電源OFF処理により、ドライブレコーダ本体16への電源供給を停止し(a8)、電源アダプター19自体の電源もOFFにする。S4の処理でオプション機器への電源供給は既にOFFになっており、その状態を継続する。直ちにとは、電源遮断要求を受け付けてからOFF状態にするまでの時間(OFFTpwr_off)が、0秒とすると良い。
車両1は、例えば、コンビニエンスストア、営業先その他の施設の駐車場など、車両1が立ち寄る指定場所以外で駐車する場合がある。係る場合、駐車に際しエンジンOFFになるのに伴い、アクセスポイント10を探すが、当該アクセスポイント10が存在していないのでアクセスポイント10を探索するための通信をトライし続けることになる。係るトライをし続けると、車両1のバッテリー上がりを招くおそれがある。電源遮断要求に伴い全電源のOFFにすることで、バッテリーの消費が抑制できるので良い。
図9は、車両1の停止並びに事業所5内でエンジンをOFFにした場合に映像データ等の送信等を行う際の処理フローを示している。図において、「NAS」はNAS4を示し、「本体」はドライブレコーダ本体16を示し、「アダプタ」は電源アダプター19を示し、「車両」は車両1を示し、「FCW-L1」は第一オプション機器61を示している。車両1の走行中は、例えば図8に示すエンジンON状態における処理と同様の処理を実行する。
車両1のエンジンがOFF状態になり、ACCがOFFになる(a5)と、制御部52はオプション電源OFF処理を実行する(S4)。これにともない、オプション機器へ電源供給を停止する(a9)。
制御部52は、オプション電源OFF処理後に行う定期送信の際にACCがOFFすなわちエンジンがOFF状態になったことを通知する(a6)。この通知を受けてドライブレコーダ本体16の制御部40は、常時録画・イベント録画といった録画機能を停止し、無線通信機能(ここでは例えばワイヤレスLAN:WLAN)を起動する(S5)。
一方、NAS4は、定期的に死活監視を行い、駐車場7でOFFのドライブレコーダ2・ドライブレコーダ本体16がいないかの監視を行う(a10)。この死活監視は、例えば図5に示すアープスキャン(処理a)などの処理に対応する。車両が走行中等のエンジンがON状態では、ドライブレコーダ本体16は録画機能といった通常の動作が行われているため、サーバ3は、定期的に死活監視を繰り返し行う。
処理S5の録画機能を停止し、無線通信機能(WLAN)を起動した後に、NAS4が死活監視を行うと、例えば図5に示す処理a~g等を実行し、未アップファイルのファイル送信要求を行う。このファイル送信要求を受けたドライブレコーダ本体16の制御部40は、未アップファイルで今回送信するファイル数を通知する(a11)。
NAS4の制御部22は、ドライブレコーダ本体16に対して送信するファイル一覧を要求する(a13)。当該要求を受け取ったドライブレコーダ本体16の制御部40は、送信する映像データ等のファイル一覧を無線送信する(a14)。ファイル一覧を受け取ったNAS4の制御部22は、ファイル送信の要求をする(a15)。当該要求を受け取ったドライブレコーダ本体16の制御部40は、a14で無線送信したファイル一覧でリストしファイルを順に転送する(a16)。NAS4の制御部22は、転送してきたファイルをデータ記憶部23に記憶する。NAS4の制御部22は、ファイル転送してきたファイルのファイル名と先に受信したファイル一覧にリストされたファイル名をチェックし、全てのファイルを受信したならば、ドライブレコーダ本体16に対し終了コマンドを無線送信する(a16)。この終了コマンドの受信により、ドライブレコーダ本体16の制御部40は、ファイル一覧にリストした全てのファイル転送が成功したことがわかる。
NAS4の制御部22は、終了コマンド送信後、SDフォーマット命令を送信する(a18)。ドライブレコーダ本体16の制御部40は、SDフォーマット命令を受信すると、メモリカードのフォーマットを実行する(S8)。制御部40は、フォーマット完了後にNAS4に対して完了応答を無線送信し(a19)、アクセスポイント10との接続を切りNAS4との通信を終了する。制御部40は、電源アダプター19に対して接続ケーブル63を介して電源遮断要求を通知する(a7)。
電源アダプター19の制御部52は、ドライブレコーダ本体16の制御部40からの電源遮断要求を受け付けると、直ちに全電源OFF処理を行う(S7)。全電源OFF処理は、ドライブレコーダ本体16への電源供給を停止し(a8)、電源アダプター19自体の電源もOFFにする。
図10は、車両1の停止並びに事業所5内の場所でエンジンをOFFにした場合に他車両のデータ転送中で待機する際の処理フローを示している。図において、「他車両本体」は、映像データ等の通信中の車両に実装されたドライブレコーダ本体を示し、「NAS」はNAS4を示し、「本体」はドライブレコーダ本体16を示し、「アダプタ」は電源アダプター19を示し、「車両」は車両1を示し、「FCW-L1」は第一オプション機器61を示している。車両1の走行中は、例えば図8に示すエンジンON状態における処理と同様の処理を実行する。
車両1のエンジンがOFF状態になり、ACCがOFFになる(a5)と、制御部52はオプション電源OFF処理を実行する(S4)。これにともない、オプション機器へ電源供給を停止する(a9)。
制御部52は、オプション電源OFF処理後に行う定期送信の際にACCがOFFすなわちエンジンがOFF状態になったことを通知する(a6)。この通知を受けてドライブレコーダ本体16の制御部40は、常時録画・イベント録画といった録画機能を停止し、無線通信機能(例えばワイヤレスLAN:WLAN)を起動する(S5)。
一方、NAS4は、定期的に死活監視を行い、駐車場7でエンジンOFFのドライブレコーダ2・ドライブレコーダ本体16がいないかの監視を行う(a10)。またこの例では、以前の死活監視に伴い別の車両のドライブレコーダとの間で映像データ等のファイル転送を行っている(a16)。
無線通信機能(例えばワイヤレスLAN:WLAN)を起動したドライブレコーダ本体16は、起動後に受信したNAS4からの死活監視(a10)を受けてファイル数を送る(a11)。ここまでの処理は、図9に示すものと同様である。
一方、図10の例では、すでに別車両のドライブレコーダ本体16がNAS4に対して映像データ等のファイル転送を行っていて新たなドライブレコーダ本体16からのファイル転送を受け付けることができない状態にあるため、NAS4の制御部22は待機時間を求め(S10)、求めた待機時間をドライブレコーダ本体16に送る(a20)。待機時間を受信したドライブレコーダ本体16の制御部40は、接続ケーブル63を介して電源アダプター19に対して待機時間のタイマセット命令を行う(a21)。
この予約タイマセット命令を受信した電源アダプター19の制御部52は、受信した待機時間をタイマ53にセットし、タイマ53はスタートする。また、適宜のタイミングでドライブレコーダ本体16は、接続ケーブル63を経由して電源アダプター19に対してドライブレコーダ本体16に対する電源遮断要求を通知する(a22)。
この電源遮断要求を受けた電源アダプター19の制御部52は、電源回路51からドライブレコーダ本体16への電源供給をOFFにする(S22)。これによりドライブレコーダ本体16に対する電源供給が停止され(a23)、ドライブレコーダ本体16は電源OFFとなる。電源アダプター19の電源はON状態のまま維持し、タイマ53が動作を継続する。待機時間が経過してタイマ53が終了すると(S23)、制御部52は電源回路51からドライブレコーダ本体16への電源供給を再開する(a24)。
これにともない、ドライブレコーダ本体16の電源がオンになり、所定の初期化処理を実行する(s1)。電源アダプター19の制御部52は、タイマ終了後に行う定期送信の際にACCがOFFすなわちエンジンがOFF状態になったことを通知する(a25)。ドライブレコーダ本体16の制御部40は、係るACCOFF・エンジンOFF通知を受け付けると、無線通信機能(例えばワイヤレスLAN:WLAN)を起動する(S25)。この無線通信機能の起動に伴いあらかじめ設定されたSSIDのアクセスポイント10の探す処理を実行する。
ドライブレコーダ本体16の制御部40は、係るACCOFF・エンジンOFF通知を受け付けると、常時録画・イベント録画といった録画機能を停止し、無線通信機能(例えばワイヤレスLAN:WLAN)を起動する(S5)。この無線通信機能の起動に伴いあらかじめ設定されたSSIDのアクセスポイント10を探す処理を実行し、アクセスポイント10に接続する。
上述したタイマが終了し、S25の無線通信機能が起動するまでに、別の車両のドライブレコーダ本体16によるファイル転送が終了したら、当該別の車両のドライブレコーダ本体16は、図9に示すファイル転送終了後の所定の処理を実行し、NAS4との通信を終了する。これにともない、NAS4に接続して通信しているドライブレコーダの数が制限台数に満たない状態となると、待機状態から復帰したドライブレコーダ本体16がNAS4に対して映像データ等のファイル転送が可能な状態となる。この状態でNAS4が死活監視を行い(a10)、それに対する応答としてドライブレコーダ本体16の制御部40は、今回送信するファイル数を通知する(a11)。以降は、例えば図9に示す処理を実行し、所望の映像データ等をファイル転送し、転送完了後はドライブレコーダ本体16の電源はOFFにする処理を行う。
上記具体的に説明したが、駐車中の基本機能は、エンジンをOFFにしても電源アダプター19は、ドライブレコーダ本体16への電源供給を継続し、ドライブレコーダ本体16がSSIDを探せなければ完全OFFにして正常終了する機能を有する(図9等参照)。ドライブレコーダ本体16から待機命令を受けると、電源アダプター19はドライブレコーダ本体16への電源供給をOFFにし、待機時間のタイマセットし、タイムアップしたらドライブレコーダ本体16の電源供給を開始する機能を有する。ドライブレコーダ本体16が映像データ等の送信が完了したら、ドライブレコーダ本体16からの通知を受けて電源アダプター19はシャットダウンしてた完全OFFにする機能を有する(図9+図8等参照)。
本実施形態では、待機中はドライブレコーダ本体16の電源をOFFにし、待機時間経過後に電源再投入する機能を有することを特徴としている。例えばアクセスポイント10と無線接続できても、NAS4に対して映像データ等を送信できるとは限らない。この場合に、ドライブレコーダ本体16はON状態のまま待機するようにしてもよいが、いつまでONの状態を継続すれば良いかが不定であり、待機時間が長くなるとバッテリーが上がる危険性が高くなるという問題がある。本実施形態のように電源をOFFにして待機すると、係る問題が生じないので好ましい。
さらに、本実施形態では、「一旦OFF・待機にせよ」のように、NAS4からON状態を停止する指令を受けたことを契機として待機状態に移行するようにし、停止する指令を受け付けるまではON状態を継続する機能を有することを特徴としている。例えば、同じ時期に複数の車両が帰庫し、一斉に通信を始めた場合、NAS4は各ドライブレコーダと順次通信を行い、ドラレコIDを取得し、所定のドラレコIDに対して映像データ等の送信要求をし、ファイル転送を受け付ける。例えば、所望のSSIDを見つけアクセスポイント10と通信が確立してからある程度時間が経過してもNAS4から映像データ等の転送要求が来ない場合、例えば「現在通信中のドライブレコーダ本体の数は制限台数以下で本来的に映像データ等の送信が可能である状況であるがNAS4側の処理タイミング等から転送要求が来ない」(状況1)のか、「現在通信中のドライブレコーダ本体の数は制限台数を超えていて本来的に映像データ等の送信ができない状態」(状況2)のかは、ドライブレコーダ本体16側では不明である。状況1であれば、そのまま少し待てばNAS4と接続して映像データ等の無線送信ができる状態になるが、状況2であればしばらく映像データ等を送信できずに待機する必要がある。本実施形態では、停止する指令を受け付けるまではON状態を継続することで、状況1の場合にドライブレコーダ2はオン状態のまま待機することで早期に映像データ等の送信が行えるのでよい。状況2の場合は、適宜のタイミングで待機指令を受け付けるので、ドライブレコーダ本体16は電源OFFの状態で待機し、車両のバッテリーの消費を抑制するのでよい。
アクセスポイントに接続してから一定時間経過した場合、ドライブレコーダ本体16は自動的に電源OFFにして待機状態に移行するようにしてもよいが、状況1で一定時間経過した場合、そのままあと少し待てば送信できたにもかかわらず待機すると、早期に映像データをアップできない事態を生じ、早期に運行管理を行いたいという要求に応えられず好ましくない。待機後の再起動時にアクセスポイントの探索からやり直すので、バッテリーの消費を招くので好ましくないし、また待機後の再起動時に他の複数の車両のドライブレコーダ本体からの通信が集中し、再び通信できずに待機状態を招くおそれがあり、事業所に駐車する車両全体の映像データ等の通信効率が悪く、時間が掛かるのおそれがある点に鑑みても本実施形態のように構成すると良い。
[待機時間の調整]
待機命令とともに待機時間も合わせて通知する機能を備えたことを特徴としている。本実施形態では、待機時間は設定により変更できるようにしたが、運用時に通知する待機時間は、状況により変動するのではなく固定値としたが、混み具合や優先度、転送する映像データのファイル数などに応じて待機時間の調整もできる仕組みとするとより良い。例えば、現在映像データ等を通信しているドライブレコーダ本体16からのファイル数から、ファイル転送が完了する予想時刻を求めておき、通信中のドライブレコーダ本体16の数が制限台数未満になるまでの時間を求め、その求めた時間に応じた値を待機時間に設定すると良い。このようにすると、待ち時間なく各車両1のドライブレコーダ2から効率よく映像データ等の転送を受け付けることができるので良い。応じた値は、求めた時間そのままとしても良いが、一定のマージンをとると良い。映像データ等の送信が予想よりも時間が掛かると、待機状態から復帰したドライブレコーダ本体が通信を試みた際に制限台数以上で送信できずに、再度待機状態になるおそれがある。そこで少しマージンを設けることで、待機状態から復帰したドライブレコーダ本体が映像データ等を送信できるようになる確率が高いので良い。なお、マージンをあまり長くとると、映像データ等を送信していない空き時間が生じることと、待機中に帰ってきた別の車両が通信を開始してしまう確率が出てくる。マージンは、それらを考慮して決定すると良い。
待機時間は、現在通信中のイベント録画が1つずつしかない場合には、例えば5分程度とする良い。本実施形態では、常時録画は送信しない設定としたが、送信する場合には常時録画の分で例えば1時間程度とするとよい。
[車両の使用状況による優先付け]
制限台数を超えた場合の映像データ等を送信するドライブレコーダの送信順番は、上述した実施形態では処理が早く完了しそうなドライブレコーダの優先度を高くするようにした。このように速度に着目するのではなく、或いはそれに加えて、車両の使用状況に応じて優先度を決定すると良い。例えば、使用頻度が高い車両に搭載されたドライブレコーダほど、優先度を高くするとよい。例えば車両の使用頻度として、頻繁に使用する車両と、あまり使わない車両があれば、頻繁に使用する車両の優先度を高くする。例えば、ワゴン・ワンボックス・軽自動車があり、軽自動車は頻繁に使うというように車種によって優先度を変えると良いが、車種による使用頻度は業態によっても変わるので、実際の使用頻度に応じて設定すると良い。設定は、例えば、ドライブレコーダ本体16に優先度情報を記憶保持しておき、ドラレコIDを送信する際に優先度情報も併せて送るようにすると良い。
ドライブレコーダ本体16に設定する優先度情報は、設定により変更できるようにすると良い。例えば、事業所に一時的に戻り短時間駐車して再び出庫したり、別の人が利用して出庫したりするように比較的短時間駐車する場合と、帰庫後翌朝まで使用しないというように長時間駐車する場合のように帰庫後の駐車時間が、車両単位ではなくそのときの状況により変化する場合がある。このような場合に、例えば降車時等においてそのときの状況に応じて優先度情報を変更することで、より適切な優先度付けが行えるので良い。
[車両の立ち寄り先]
上述した実施形態では、複数の事業所5が配置されている場合でも、個々の車両はいずれかの事業所を立ち寄る場所としている。例えば、朝出庫して一日中外回りして夕方帰庫し、夜間は駐車場で駐車するような場合である。係る場合では、上述したように駐車場に戻り、SSIDを検知してアクセスポイント10に無線接続し、NAS4に繋がった順に映像データ等を送信し、朝までに全ての車両1についての映像データ等とのアップが完了するのが基本的なルーチンとなる。係るシステムにおいて例えば昼に一度戻ってきて昼休みの所定時間(例えば一時間)は駐車場7に駐車した後、午後から半日外出するようなケースでは、昼休みの駐車中に午前中の分をアップし、夕方戻ってきたときに午後の分をアップすると良い。なお、昼休みに戻ってきた車両の台数と、駐車時間と、転送に要する時間の関係等から、昼休み期間中で映像データ等がアップロードできない場合、夜間の駐車中にまとめて一日分をアップロードすると良い。また、夜間でアップできなかった場合、翌日に二日分をまとめてアップロードする。
上述したように本実施形態では車両の立ち寄る場所は一つの事業所としたが、上述した実施形態のシステムは、異なる複数の事業所を立ち寄る場所とするものにも適用できる。例えば、A事業所において前日分の走行時に撮影した映像データ等は、A事業所の駐車場における夜間の駐車中にサーバ3にアップロードする。例えば翌朝、A事業所からルート営業してB事業所に行きB事業所の駐車場で所定時間駐車し、その後ルート営業してA事業所に戻るようなケースを想定する。本実施形態では、サーバ3にドラレコIDを記憶しているので、B事業所のNAS4はアープスキャンを経て取得したドラレコIDをサーバ3に問い合わせ、サーバ3に登録していれば正規のドライブレコーダ本体と認定する。サーバ3は、応答としてアップロード済みのファイルリストを返信し、B事業所のNAS4は、アップロードしていない差分の映像データ等を取得し、取得した差分の映像データ等をサーバにアップロードする。B事業所のNASは前日分の走行時に撮影した映像データ等は取得していないものの、サーバ3には、前日分の走行時に撮影した映像データ等はアップロード済みとなっているので、ドライブレコーダ本体16からは、当日分のA事業所からB事業所の間の走行時に撮影した映像データ等を送信する。このB事業所での駐車中にサーバにアップロードが完了したならば、その後、車両がA事業所に戻って駐車した際には、当日分のB事業所からA事業所の間の走行時に撮影した映像データ等を送信する。また、仮にB事業所での駐車中にサーバにアップロードができなかった場合には、A事業所に戻ってきて駐車している際に、A事業所からB事業所へ行くまでの走行分と、B事業所からA事業所に行くまでの走行分の映像データ等をA事業所のNAS4を介してサーバ3にアップロードする。
係る対応を行うためにも、ドラレコIDの記憶・正規か否かの判定を本実施形態のようにサーバで行うと良く、本実施形態ではサーバ上に登録しているドラレコIDからの映像データ等は、どこの事業所のNASを経由してもサーバに吸い上げることを特徴としている。
A事業所からB事業所に行きA事業所に戻るケースを説明したが、例えばA事業所に戻るのではなく、さらに別のC事業所に行く場合も同じ仕組みを利用して各事業所のNASがサーバにアップロードすると良い。A事業所からB事業所までの走行時に撮影した映像データ等は、車両がB事業所で駐車している際にB事業所のNASが取得し、サーバ3にアップロードすると良い。この場合、C事業所のNAS4はB事業所からC事業所までの映像デーをアップロードする。B事業所のNAS4が一度それまでの映像データ等をサーバにアップロードすることで、例えば、B事業所にくるまでの映像データを見て運行管理等を行いたいという要望に対応することができ、例えばB事業所からC事業所にいく間に大事故に遭うなどしてドライブレコーダ本体16に記憶したデータが消えるような場合があっても、少なくともB事業所までの映像データ等はアブロードできるので良い。途中のB事業所で滞在時間が短い場合、B事業所のNASは最優先で映像データ等をアップロードするようにすると良い。なお、B事業所でアップロードできなかった場合、最終地点のC事業所でA事業所からB事業所までの走行分と、B事業所からC事業所までの走行分の全て映像データ等をC事業所のNASが一括してアップロードする。
[駐車監視機能]
ドライブレコーダ2は、駐車中も車両のバッテリー或いは電池内蔵の電源ボックス等から電力供給を受け、周囲の映像を記録する駐車監視モードを備えると良い。この駐車監視モードは、立ち寄る場所である事業所5・駐車場7で駐車する場合には起動せず、事業所5・駐車場7以外の場所で駐車した場合に起動すると良い。事業所は、セキュリティシステムを配備していたり、監視員がいたりするので安全なため、駐車監視をしないように構成することで、バッテリー上がり等を防止できるのでよい。
例えば、ドライブレコーダ本体16の制御部40は、エンジンOFFに伴い駐車監視モードに切り替えるとともに、SSIDを探しに行く。SSIDが見つけなれない場合には、そのまま駐車監視モードを継続する。SSIDが見つけられた駐車監視モードを停止する。NAS4に対する映像データ等の送信完了後や、待機中も駐車監視に移行せずに電源をOFFにする。
本形態では、SSIDを見つけ、アクセスポイント10と接続したら駐車監視モードを停止するので、その後に行うNAS4に対する映像データ等の送信を行う際には、駐車監視モードは停止している。また、駐車監視モードが起動中は、NAS4に対する映像データ等の送信は行わない。よって、メモリカード46aに書き込み処理を行う駐車監視と、メモリカード46aから読み出す映像データ等の転送処理を同時に行わないので、CPUの負荷が増加し処理速度が低下することがない。読み出し・転送に集中処理し、映像データ等の送信に要する時間を短縮することができるので良い。
なお、メモリカード46aの書き込みと読み出しを並行処理しないようにするためには、NAS4との通信が確立し、映像データ等の転送要求が来たら、録画を停止するようにしてもよいが、そのようにすると例えば待機中も駐車監視をすることになりドライブレコーダ本体16の電源がONとなるので、上述したように事業所5内は安全であることからSSIDを見つけたら駐車監視モードを終了する方がより好ましい。また、SSIDを見つけるのではなく、別の検出手法で事業所内に進入したことを検知し、事業所内でエンジンをOFFした場合には駐車監視モードを起動しないようにしてもよいが、上述したSSIDの検出、アクセスポイント10との接続を契機とする方が、特別な検出手法を用いることなく行えるので好ましい。
[駐車場所の案内機能]
電界強度が弱いと通信に時間がかかる。そこで、上述した形態では、ドラレコIDのリストに載せる優先順位に受信電界強度を利用し、電界強度が強いものほど上位にリストするようにした。このリストが機能するのは、制限台数を超えたドライブレコーダ本体16から同時にアクセスがあった場合であり、受信電界強度が低いドライブレコーダ本体16は、後回しにされるもののその低い通信環境で映像データ等の送信が行われるので時間がかかる。
本形態では、受信電界強度が低い通信環境の悪い場所に駐車した場合、ドライブレコーダ本体16が通信環境の良い場所へ移動を促す機能を備えると良い。アープスキャンは一定間隔毎に送信されるが、Wi-Fiの電波は常時飛んでいるので、ドライブレコーダ本体16は、無線通信部48にてその電波を検知し、受信電界強度が高い通信環境の良い場所まで移動することを案内する機能を有する。
本システムでは、エンジンがOFFにしないとWi-Fiの通信機能が起動しないので、通信機能の起動後に受信電界強度がしきい値以上か否かを判定し、しきい値以下の場合「移動を促すメッセージ」を報知し、しきい値以上の場合にはそのまま通信開始する。移動を促すメッセージは、例えば「電波が弱いので移動して下さい」等の注意・報知をするものとするとよい。
[1つの事業所に複数のNASがある場合の取り合い]
本システムのNAS4は、例えば夜間の駐車中の車両1のドライブレコーダ本体16から未アップファイルの映像データ等を吸い上げ、サーバ3にアップロードする。本実施形態では、同時接続可能な制限台数は5台に制限しており、例えば同時に10台の車両が帰ってくると、その中の5台は処理され、他の5台は待機状態となる。先の5台の処理が終わると、次に5台分の処理が可能な状況となるが、待機中にさらに別の車両が帰ってくると、待機する車両がでる。処理台数が増えると、一晩待機していても、順番が回ってこなくなるおそれがある。NASの処理能力・リソースと、処理対象の映像データ等のデータ容量等から、一晩でイベント記録の映像が吸い上げられる台数を考慮して、NAS4が1台に対してドライブレコーダ2は例えば35台とする。NAS4の能力・スペックが上がれば最大台数も増える。
制限台数を超えたドライブレコーダ本体16は、電源アダプター19からの電源供給をオフにし、待機時間経過後に電源をONにしてドライブレコーダ本体16を再起動し、通信を開始する。処理対象の台数が多いと、再起動したときに別の車両が帰ってきてタイミングが悪く通信を開始してしまうと、再び待機状態になり、通知された待機時間の間、電源をOFFにして待機する。よって、処理多少の最大台数が増えると、ON-OFFを繰り返すことになり、バッテリー消費や、結果的に映像を送れず無駄な通信処理を行うことが増えるので好ましくない。係る点のバランスも加味し、35台とすると良い。
事業所5の駐車場7に駐車する車両の台数が、最大台数を超える場合、NAS4を複数設けると良い。上述した実施形態のように、1つのアクセスポイント10の通信可能エリアが駐車場7の全体をカバーできる場合、アクセスポイント10を複数設置し、アクセスポイント10とNAS4を1対1で繋げる。各NAS4に対して管理するドライブレコーダを一意に特定する。例えば、最大台数の35台を超える40台の車両がある場合、例えば、第一NASは、1番から20番のドライブレコーダ本体が記憶・アップロードし、第二NASは、21番から40番のドライブレコーダ本体が記憶・アップロードするようにする。そして、この各ドラレコIDとNASとの対応付けの情報をサーバ3が記憶保持する。NASは、図5の処理eでドラレコIDをサーバに送る際に、自己を特定する特定情報を送る。サーバは、ドラレコIDが正規のものか否かの判定とともに、そのNASにとって処理対象であるかも判定し、応答を返す(処理f)。例えば、第一NASが10番のドライブレコーダ本体16と通信し、ドラレコID(10)を取得した場合、サーバからはファイルリストが送られてくる。よって、処理g以降を実行し10番のドライブレコーダ本体16から送られてくる未アップファイルをサーバにアップロードする。一方、第一NASが30番のドライブレコーダ本体16と通信し、ドラレコID(30)を取得した場合、サーバからNOの応答を受け付け、第一NASはそのドラレコID(30)を通信中ドラレコID記憶部25から削除する。また、ドラレコID(30)を、第二NASの通信中ドラレコID記憶部25に登録しており、第二NASからの要求に対し、サーバはファイルリストを返す。これにより30番のドライブレコーダ本体の未アップファイルは、第二NASがサーバにアップロードする。このようにして、複数のNASのいずれかがアップロードし、サーバに映像データ等が集約する。
最大台数にかかわらず、アクセスポイントの通信エリアが駐車場7の一部しかカバーできない場合、複数アクセスポイントを合わせた通信エリアが、駐車場7の全体をカバーするように配置する。そして、各アクセスポイントとNASを1対1に対応づける。上述するように、ドラレコIDが正規のものか否かはサーバ3が判定するシステムの場合、いずれのアクセスポイント・NASを介しても正規のものか否かの判断はサーバが行い、正規の場合にはサーバがファイルリストをNASに通知する。例えば、第一アクセスポイントの通信エリアに駐車した車両のドライブレコーダは、第一アクセスポイントを経由して、第一アクセスポイントに接続される第一NASと通信し、その第一NASが未アップファイルをサーバにアップロードする。第二アクセスポイントの通信エリアに駐車した車両のドライブレコーダは、第二アクセスポイントを経由して、第二アクセスポイントに接続される第二NASと通信し、その第二NASが未アップファイルをサーバにアップロードする。第一アクセスポイントと第二アクセスポイントの両方の通信エリアに駐車する車両がある場合、どちらのアクセスポイント・NASが対応するかは、NASの処理の混雑状況等で割り振ると良い。
[本システムを利用するのに適したユーザ]
本システムを利用する車両は、例えば営業車、或いはタクシーなどの乗客を乗せる車両等とすると良く、白ナンバーの営業車に好ましく適用できる。特に事業所が地方にある場合、建物6に隣接して駐車場7が設けられることが多いので、適用しやすい。例えば、運転者がMR(medical representative)の場合、一般にルート営業であり、事業所5を朝出庫すると、決まったルートを走行して医療機関を転々とし、夕方事業所に帰庫する。
営業車の場合、車両の会社名、シンボルマークなどの会社の冠といった会社を特定する情報が表面に表示していることが多い。すると、例えば、危険運転はもとより、適切でない運転をしている場合には、それを見つけた一般人等が、会社にクレームを入れることがある。適切でない運転は、例えば、飲食しながら運転、たばこ吸い殻等のゴミ捨て、幅寄せ・車間を詰める等の荒い運転、携帯電話やスマートフォンを操作しながら運転等がある。運行管理者は、そのようなクレームが入りやすい運転を行って否かのチェックや、クレームが入った場合はその真意を確認したいという要求がある。係る要求に対応するためには、サーバにアップロードする映像データ等に常時録画データを加えるようにしてもよいが、管理対象の車両が多いと常時録画データのアップロードは現実的に行えない。
そこで、係るクレームが来そうな所作に基づきイベント録画をする機能を設け、イベント録画された映像データをアップロードする。このイベント録画は、例えば、電源アダプター19に接続するオプション機器で、運転中に運転者を撮影し、画像処理・認識して、クレームが来そうな人物の異常行為があった部分を検出し、電源アダプター19経由でドライブレコーダ本体16にイベント通知をする。ドライブレコーダ本体16は、そのイベント通知を受け付けると、その前後の一定期間をイベント録画する。
運行管理者は、クレームが来そうな運転があった場合に、効率よくそれを見つけ、運転者に対して注意・指導等を行うことができるので良い。例えばMRの場合、特にストレスにさらされる仕事のため、普通の運転者よりも異常行為が多く出るおそれもあるが、それらの素行を抽出して記録することで、ストレス緩和も含め適切な処理を早期に行えるので良い。
一台のNASの処理対象のドライブレコーダの数が少ない場合や通信速度が速くなった場合には、常時録画した映像データもNASに送信すると良い。例えば通信容量・ストレージ容量により、その日記録した映像データの全てを送信することは可能である。但し、各事業所のNASからサーバに全ての映像データをアップロードするのは難しい。例えば、ドライブレコーダ本体16からNAS4へは、常時録画データを含め全ての映像データ等を送信し、サーバへのアップロードは、上述した実施形態と同様に常時録画データ以外の映像データ等を行うと良く、常時録画データは、NASが記憶保持すると良い。
このようにNASが取得した映像データ等から、サーバにアップロードするものと、アップロードしないものを仕分ける機能を備えると良い。仕分ける機能は、上述したように常時録画データか、それ以外かというようにファイルの種類で分けても良いが、さらに常時録画データの中から所定のファイルを選択してアップロードすると良い。所定のファイルは、例えば、上述したようにクレームが来そうな映像データが記録されたファイルを抽出するとよい。係るファイルの抽出は、例えば常時録画データの映像に対し、AIのエッジコンピューティングで画像認識し、運転者の動作・所作が、クレームの来そうな動きであるものを検出し、そのファイルを抽出する。常時録画データは、所定時間毎に分割されたファイルで構成しているので、該当するファイルを抽出しアップロードすると、サーバには当該クレームが来そうな動作が記録されたファイルが集約されるので良い。
上述した実施形態では、データの集約をサーバで行うようにしたが、クラウドとするとより良い。クラウドは、一つの機器から構成するものでも良いが、複数の機器で構成すると良い。
[変形例1]
上述した実施形態では、一旦繋がったらドライブレコーダ本体16は、全ての未アップファイルをNAS4に転送するようにしている。例えば、輻輳している場合には、1つのファイルを送信したら一度終了するようにすると良い。
[変形例2]
NASは、上述したようにサーバへアップロードするモードと、サーバにアップロードせずにNAS単体で使用するモードを備え、それら2つのモードを切り替える機能を備えると良い。切り替えはNASに対する指示を受けて行なう構成とするとよい。例えば、まず、NAS単体で使用するモードとし、例えば事業所の駐車場に駐車した車両に搭載されたドライブレコーダが撮影し、記憶した映像データ等を単独で動作するNASに転送し、NASに記憶する。その記憶した映像データ等は、例えば事業所内のパソコン等からローカルネットワークを介してNASにアクセスし、当該パソコンの表示部に出力・再生して確認すると良い。その後、例えば、NASにサーバに接続してアップロードするモードに切替える指示をパソコンから送り、この指示を受けたNASはサーバへアップロードするモードになり、上述した実施形態等のように、NAS経由でサーバにデータを集約するシステムとして動作する。このようにすると、本システムの導入が容易となるので良い。この切替は、パソコンからの指示に限らず、例えばNASに切替スイッチなど設け、NAS側で行っても良い。また、サーバ側から切替が行えるように構成しても良い。
[変形例3]
上述した各実施形態等のシステムは、いずれもドライブレコーダ側が子機でNAS側が親機の構成としているが、NAS側にスマートフォンのエミュレーション機能を備えると良い。従来のWi-Fi対応のドライブレコーダは、ドライブレコーダ側が親機となって、スマートフォン側が子機になった状態でドライブレコーダとスマートフォンを無線接続し、ドライブレコーダで撮影し記憶した映像データをスマートフォンで再生し確認できる良いにしている。そこで、従来のスマートフォンのアプリの機能をNAS側で行うようにすると良い。このようにすると、既存のWi-Fi対応のドライブレコーダから、既存の仕組みでNASにイベント録画データ等を吸い上げることができるので良い。係る機能に加え、上述した各実施形態の機能をNASに備え、両機能を切り替える機能を備えると良い。この切替は、例えば一定時間ごとに切り替えるとよい。このようにすると、既存のドライブレコーダと、上述した各実施形態対応のドライブレコーダのいずれからもデータをNASに吸い上げることができるので良い。また、例えば、アドホックモードでドライブレコーダとスマートフォンを接続してドライブレコーダの映像を表示する従来のドライブレコーダの映像をNASに吸い上げるために、アクセスポイントをインフラストラクチャモードからアドホックモードに切替える制御をNAS側から行なう機能を備えるとよい。
[変形例4]
例えば、リース車両は、車両を動かすことが重要であるが、バッテリー上がりとパンクがリースできなくなる大きな要因である。パンクは定期検診でわかるがバッテリー上がりは急遽発生する。上述した実施形態では、電源アダプター19により車両1のバッテリー電圧を監視する機能を備えているので、リース車両にドライブレコーダ2を搭載し、電源アダプター19の制御部52は、検出したバッテリー電圧をドライブレコーダ本体16に通知し、ドライブレコーダ本体16を介してバッテリー電圧をNASに吸い上げる。吸い上げたバッテリー電圧の履歴からバッテリー上がりを予測し、通知する機能を備えると良い。エンジンがONの状態では兆候を採りにくいが、本システムでは、エンジンがOFFのときのバッテリー電圧を電源アダプター19は知ることができるので好ましい。
バッテリーの劣化を正確に測定・判定するためには、専用テスターが必要で、単純にバッテリー電圧だけでは判断が難しいが、目安として通知できると良い。また、実際にバッテリーが上がったことが検知すると、電源アダプター19はそのバッテリー上がりをドライブレコーダ本体16に通知し、ドライブレコーダ本体16からNAS4に送る。すると、NASにはバッテリーが上がる直前の履歴(例えばエンジン掛けるときの電圧降下、かかったときの電圧、停止したときの電圧等の履歴)を記録しておくことで、バッテリーが上がる直前の動向がわかる。よって、その後は、かかる動向が有ると通知すると良い。
バッテリーの上がりの検知は、例えば実際にバッテリーが上がったことではなく、監視電圧設定用ディップスイッチで設定される遮断電圧になったタイミングでバッテリー上がりとみなすとよい。また、例えば、SSIDがとれて通信が確立したが、その後応答がなくなるといった通信の応答がない場合に、バッテリーが上がったと判定しても良い。この場合、応答かないのはバッテリーが上がる場合以外にも要因があり、電源アダプター19を用いた場合には、実際のバッテリーが上がる前に遮断電圧になって電源がOFFになるので上述したように遮断電圧になったタイミングでバッテリー上がりとみなすのが好ましい。
[変形例5]
例えば一般車両であれば、イベント録画された映像データは一日に1件あるか否かであるが、タクシーは多い。タクシーの運転者は、アクセル踏み込みが多い、一度大きくぐっと踏んで加速し、所定の速度で安定走行する。この行為が急加速とカウント判断され、イベント数が多くなることがある。トラックは特殊であり、通常の車両をベースに設定されたドライブレコーダをそのまま適用するとイベント録画回数が多くなる傾向にある。イベントの取り方を、タクシー等と、その他の一般の営業車等とで異ならせるとよい。例えばタクシーの場合、アクセルの踏み込みが強く、急加速があってもイベントとみなさないようにするとよい。
[その他の変形例]
1.NASで「所定条件」成立時に映像データのトランスコードを行ない、ファイルを軽量化して保存し、原本ファイルは自動的に削除する機能を備えるとよい。このときGPSログは削除しない機能を備えるとよい。
1-1.トランスコードを行なう「所定条件」は、例えば、アップロードから所定日数の経過、記録日から所定日数の経過の少なくともいずれか一方とするとよい。またイベントの発生していない部分だけ削除する機能を設けるとよい。これらのいずれを実施するかを設定する機能を備えるとよい。
1-2.NASでは上述した映像データのリアルタイムトランスコード(オンザフライ)または、バッチでのトランスコード(バックグラウンド)を行なう機能を備えるとよい。また、例えば、リアルタイムトランスコードして、スマートフォン等へ送信し、スマートフォンで表示させるとともに、NASではリアルタイムトランスコードしたときのストリームをNASにコピーして保存しておき、バッチでのトランスコードの際には、コピーして保存されているリアルタイムトランスコードしたときのストリームは、トランスコードの対象から除く処理を行なうとよい。このようにして重複エンコードを避けることができ、NASの負荷を軽減できる。
2.上記1.以下の部分でNASと書いた部分は、クラウドに置き換えてもよい。
3.クラウドのストレージには、サービスレベル、アクセス頻度、書き換え頻度、取り出し時間などに応じて、価格の異なるストレージがある。例えばAWSでは、標準ストレージ、低頻度アクセスストレージ、Glacierストレージがある。Glacierストレージは、安価であるが取り出しに数時間がかかる。NASからのアップロード先としていずれのストレージとするか選択する機能を備えるとよい。Glacierストレージが選択されたときには「安いが、取り出しに数時間かかるがよいか?」といった、時間がかかる旨の確認画面を表示するとよい。
以上、本発明の様々な側面を実施形態並びに変形例等を用いて説明してきたが、これらの実施形態や説明は、本発明の範囲を制限する目的でなされたものではなく、本発明の理解に資するために提供されたものであることを付言しておく。本発明の範囲は、明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも、その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、願書に添付した特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても、本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求する可能性があることを、念のために申し述べる。本願出願人は、そのような箇所・組み合わせについて、補正・分割出願・意匠登録出願への変更出願等により権利を取得する意思を有する。また「~の場合」「~のとき」という記載があったとしてもその場合やそのときに限られる構成として記載はしているものではない。これらの場合やときでない構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。また順番を伴った記載になっている箇所もこの順番に限らない。一部の箇所を削除したり、順番を入れ替えた構成についても開示しているものであり、権利取得する意思を有する。
また,意匠出願への変更出願により,全体意匠または部分意匠について権利取得する意思を有する。図面は本装置の全体を実線で描画しているが,全体意匠のみならず当該装置の一部の部分に対して請求する部分意匠も包含した図面である。例えば当該装置の一部の部材を部分意匠とすることはもちろんのこと,部材と関係なく当該装置の一部の部分を部分意匠として包含した図面である。当該装置の一部の部分としては,装置の一部の部材としても良いし,その部材の部分としても良い。全体意匠はもちろんのこと,図面の実線部分のうち任意の部分を破線部分とした部分意匠を,権利化する意思を有する。
本願発明は上述した実施の形態に記載の構成に限定されない。上述した各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらの構成の発明についても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。