JP7431071B2 - 車両用シート芯材 - Google Patents
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Description
〔1〕熱可塑性樹脂発泡粒子成形体と、該熱可塑性樹脂発泡粒子成形体に埋設されたインサート部材とで構成された車両用シート芯材であって、
上記インサート部材が、車体に固定するための掛け止め具を有し、該掛け止め具の一部が熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の外方に突出しており、
上記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体が、貫通孔を有する発泡粒子が相互に融着してなるものであり、
上記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体全体の平均空隙率が、5体積%以上であり、
上記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体全体の平均空隙率に対する熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の空隙率の比が、0.95以下であることを特徴とする、
車両用シート芯材。
〔2〕上記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体全体の平均嵩密度が、25~40kg/m3であることを特徴とする、上記〔1〕に記載の車両用シート芯材。
〔3〕上記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の嵩密度が、35kg/m3以上であることを特徴とすることを特徴とする、上記〔1〕又は〔2〕に記載の車両用シート芯材。
〔4〕上記熱可塑性樹脂発泡粒子成形体を構成する貫通孔を有する発泡粒子の平均肉厚が、0.5~2mmであることを特徴とする、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の車両用シート芯材。
〔5〕上記発泡粒子を構成する熱可塑性樹脂の曲げ弾性率が、500~2500MPaであることを特徴とする、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の車両用シート芯材。
なお、以下の説明において、適宜、本発明の好ましい数値範囲を示す場合があるが、この場合に、数値範囲の上限及び下限に関する好ましい範囲、より好ましい範囲、特に好ましい範囲は、上限及び下限のすべての組み合わせから決定することができる。また、特段の断りがない場合には、車両用シート芯材の前後方向、左右方向、及び上下方向は、該車両用シート芯材が車両に設置された際における車両の前後方向、左右方向、及び上下方向と同様である。
なお、本明細書においてインサート部材30が埋設されるとは、発泡粒子成形体10内にインサート部材30が埋め込まれていることであり、インサート部材が発泡粒子成形体に密着して取り囲まれている場合のほか、インサート部材の周囲に形成された空間を介してインサート部材が発泡粒子成形体に取り囲まれているものも上記埋設に含まれる。また、上記インサート部材は、その全体が発泡粒子成形体に埋設されている必要はなく、インサート部材の一部が発泡粒子成形体の外部に露出していてもよい。
また、実施形態における発泡粒子成形体10は、中央付近に上下方向に貫通する穴部14が設けられ、その左方及び右方にそれぞれ1箇所ずつ座部15を有している。なお、前記穴部14や座部15、更には発泡粒子成形体の全体形状は、設置する車体の構造に合わせて適宜設計されるものである。
発泡粒子50を構成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレート、若しくはポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、またはポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。また、上記熱可塑性樹脂として、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との複合樹脂、上記の樹脂の2種以上の混合物などを用いることもできる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂、またはポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂との複合樹脂等の結晶性樹脂を含む熱可塑性樹脂が好ましい。上記ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、またはポリプロピレン系樹脂が好ましく、中でも強度や耐衝撃性の観点からは、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
なお、上記樹脂の曲げ弾性率は、JIS K7171(2008)に基づき、射出成形にて試験片(試験片寸法;長さ80mm、幅10mm、厚さ4mm)を作製して、求めることができる。また、後記する多層構造の発泡粒子である場合には、芯層を構成する樹脂が上記範囲を満足すればよい。
なお、貫通孔51の平均孔径dは、発泡粒子の断面写真(貫通孔に直交する断面)において観察される50個以上の発泡粒子の貫通孔の断面積を測定し、断面積を円の面積とした時の直径に換算してこれらの算術平均から求めることができる。
なお、発泡粒子50の平均肉厚tは、図2における、発泡粒子の表面から貫通孔51の外径までの厚みをいい、例えば、発泡粒子の断面写真(貫通孔に直交する断面)において、発泡粒子表面から貫通孔の中心に向けて直線を引き、発泡粒子表面から発泡粒子の貫通孔壁部分までの直線の長さを測定する。上記のようにして観察される複数の発泡粒子の肉厚を、1つの発泡粒子につき全周に亘って均等に4箇所以上、合計50個以上の発泡粒子の算術平均として求めることができる。
また、発泡粒子50の平均長さLは、2~7mmであることが好ましい。発泡粒子の平均長さLは、発泡粒子の貫通孔の貫通方向の長さをいい、1つの発泡粒子につき均等に4箇所以上、合計50個以上の発泡粒子の算術平均として求めることができる。
また、発泡粒子50の平均外径Dに対する平均長さLの比L/Dは、成形性の観点から、0.5~2であることが好ましく、1~1.5であることがより好ましい。
多層構造である発泡粒子50の各層を構成する樹脂は、同種の樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよいが、融点の異なる樹脂であることが好ましく、特に、多層発泡粒子の被覆層53を構成する樹脂は、芯層52を構成する樹脂よりも低融点の樹脂であることが好適である。多層発泡粒子の各層を構成する基材樹脂は、上述した単層の発泡粒子50と同様の樹脂を用いることができる。中でも、芯層52をポリプロピレン系樹脂、被覆層53をポリプロピレン系樹脂またはポリエチレン系樹脂とすることがより好ましい。発泡粒子成形体10に用いられる発泡粒子の一部又は全部が、芯層52と、該芯層52を被覆する被覆層53とを有する多層発泡粒子50であって、被覆層53を構成する樹脂の融点が、芯層52を構成する樹脂の融点よりも低い態様は、本発明の好ましい態様の一つである。かかる態様によれば、発泡粒子成形体10の型内成形時、芯層52よりも先に被覆層53を融解せしめ、貫通孔51による空隙を維持しつつ、発泡粒子同士をより確実に融着させて発泡粒子成形体10を成形することができる。
先ず、基材樹脂を押出機で溶融混練した後、ストランド状に押し出して、冷却後適宜長さに切断することによって、樹脂粒子を製造する。この際、ダイとして押出機ダイの溶融樹脂出口に所望の筒状の樹脂粒子の断面形状と同様のスリットを有するものを選択することや、筒形を維持するために、スリットの内側に筒形ストランド穴部の圧力を常圧もしくはそれ以上に保つための圧力調整孔を設けたものなどを使用することにより、貫通孔を有する樹脂粒子を製造することができる。
次に、樹脂粒子を密閉容器内に発泡剤の存在下で分散媒に分散させて、樹脂粒子の軟化温度以上の温度に加熱して樹脂粒子内に発泡剤を含浸させる。その後、容器を開放し、容器内圧力を発泡剤の蒸気圧以上の圧力に保持しながら樹脂粒子と分散媒とを同時に容器内よりも低圧の雰囲気下(通常は大気圧下)に放出して熱可塑性樹脂粒子を発泡させることで、貫通孔51を有する発泡粒子50を得ることができる。
なお、掛け止め具は、発泡粒子成形体10の前方両端側にそれぞれ2以上備えていてもよい。掛け止め具は、車体に設置する際の車両用シート芯材の下面側に突出するように形成されている。掛け止め具は、座席シートを車体に固定するためにU字状、フック状等の形状を有する。
なお、線材の引張強さは、JIS G3532:2011 SWM-Bに示される測定方法に準じて測定することができる。
先ず、車両用シート芯材成形用の金型内の所定の位置に、上記したインサート部材30を配置し、掛け止め具32、後方固定部33を金型に固定するとともに、上記した貫通孔51を有する発泡粒子50を当該金型内に充填する。
この際、インサート部材30に設けられた掛け止め具32埋設部に充填される発泡粒子50の高密度化を図るため、図4に図示した部分圧縮機構70を金型80に設け、当該部分の発泡粒子50を圧縮し、他の部分に比して掛け止め具埋設部の発泡粒子の高密度化を図る。
続いて、加熱スチームを金型内に導入して充填した発泡粒子50を加熱して二次発泡させ、発泡粒子を相互に融着させる。これによりインサート部材30を埋設する発泡粒子成形体10を備えるシート芯材100が製造される。
通常、発泡粒子成形体の一部を高密度化しようとすると、型内成形時に発泡粒子間の空隙が少なくなるため、加熱スチームが供給されにくくなり、融着性に劣る成形体となりやすい。しかし、貫通孔を有する発泡粒子であれば、発泡粒子間の空隙だけでなく発泡粒子の貫通孔から加熱スチームが供給されるため、高密度化した部分の融着性に優れ、良好な発泡粒子成形体が得られる。
なお、貫通孔を有する発泡粒子を高密度化することで融着強度の向上が図れるが、軽量性の観点からは、過度な力により亀裂等の破断が生じるおそれの高い掛け止め具埋設部のみを高密度化することが好ましい。掛け止め具埋設部のみを高密度化することで重量増加を最小限に抑え、且つ掛け止め具の引き抜き力の向上を達成したシート芯材を提供することができる。上記した実施形態では、掛け止め具埋設部を部分圧縮機構70により高密度化したものである。
掛け止め具埋設部を部分的に高密度化する別の手法として、インサート部材30を配置した車両用シート芯材成形用の金型内において、掛け止め具埋設部と掛け止め具埋設部以外の部分との境界線に発泡粒子が通り抜けられないようにシャッター構造の櫛歯を立てて分割し、上記した貫通孔51を有する発泡粒子50を当該掛け止め具埋設部以外の部分に充填するとともに、掛け止め具埋設部以外に充填される発泡粒子よりも空隙率が低い発泡粒子(例えば、貫通孔の孔径が小さい発泡粒子)を掛け止め具埋設部に充填することにより、掛け止め具埋設部を部分的に高密度化することができる。但し、掛け止め具埋設部の発泡粒子が圧縮されて高密度化した場合には、特に融着性に優れる発泡粒子成形体とすることができる。上記観点からは、掛け止め具埋設部を部分圧縮機構70により高密度化させることが好ましい。また、掛け止め具埋設部を部分圧縮機構70により発泡粒子成形体の下面側(車両用シート芯材が車体に設置された際における車両の下面側)から圧縮させることにより、発泡粒子成形体の下面側を高密度化させつつ、発泡粒子成形体の上面側(車両用シート芯材が車体に設置された際における車両の上面側)における空隙率を高く維持することができ、ポリウレタンフォームとの高い接合強度を維持させやすくなる。上記観点から、掛け止め具埋設部を部分圧縮機構70により発泡粒子成形体の下面側から高密度化させることがより好ましい。
なお、本発明において発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部とは、掛け止め具の中心から半径50mmの範囲であり、かつ掛け止め具が突出している側の表面からインサート部材が埋設された位置までの範囲の発泡粒子成形体をいう。
発泡粒子成形体全体の平均空隙率が低すぎると、積層するウレタンフォーム等のクッション材との接合強度が弱くなるとともに、発泡粒子成形体の成形収縮により埋設したインサート部材30が湾曲するおそれがある。かかる観点からは、平均空隙率の下限は、15体積%以上であることが好ましく、17体積%以上であることがより好ましく、20体積%以上であることが特に好ましい。また、シート芯材の機械的強度を担保する観点からは、平均空隙率は、37体積%以下であることが好ましく、35体積%以下であることがより好ましい。
一方、発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の空隙率は、上記発泡粒子成形体全体の平均空隙率に対して0.95以下とする。発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の空隙率を上記範囲よりも高いものとした場合には、発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の融着強度が高いものとならず、掛け止め具埋設部に亀裂等の破断が生じ難い車両用シート芯材、具体的には、掛け止め具の引抜強度が900N以上の車両用シート芯材とはならない。かかる観点から、発泡粒子成形体全体の平均空隙率に対する発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の空隙率の比が、0.5~0.95とすることが好ましく、0.6~0.9とすることがより好ましく、0.7~0.85とすることがさらに好ましい。
また、掛け止め具埋設部の空隙率は、0体積%でも構わないが、軽量性の観点から13体積%以上であることが好ましく、15体積%以上であることがより好ましく、16体積%以上であることがさらに好ましい。
平均空隙率(体積%)=[(H-I)/H]×100 ・・・(式1)
具体的には、以下のとおり測定することができる。成形収縮が収まった後の発泡粒子成形体10から、測定対象箇所を無作為に10箇所以上選択し、各測定対象箇所からスキン面を有しないカットサンプルを切り出す。該カットサンプルのそれぞれについて、カットサンプル外形寸法から体積H(cm3)を算出するとともに、カットサンプルの空隙部を除いた体積I(cm3)を測定する。体積Iは、カットサンプルをアルコール中に沈めた時の、体積の増量分の値として求めることができる。このとき、アルコールとしては、例えばエタノールなどを用いることができる。そして、体積Hの値と体積Iの値に基づき、上記(式1)により空隙率を体積比率として算出する(体積%)。それぞれのカットサンプルについて算出された空隙率の値を算術平均し、それを発泡粒子成形体10全体の平均空隙率とする。
また、発泡粒子成形体10の上記掛け止め具埋設部の空隙率は、成形収縮が収まった後の発泡粒子成形体10から、掛け止め具の中心から半径50mmの範囲であり、かつ掛け止め具が突出している側の表面からインサート部材が埋設された位置までの範囲において、無作為に3箇所以上からカットサンプルを切り出し、該カットサンプルについて、上記発泡粒子成形体10全体の平均空隙率の測定と同様の方法によって、空隙率を求めるものとする。なお、掛け止め具が、発泡粒子成形体10に2つ以上備えられている場合には、それぞれの掛け止め具埋設部について、上記した方法により空隙率をそれぞれ求め、それらの空隙率の算術平均した値を、発泡粒子成形体10の掛け止め具埋設部の空隙率とする。
また、発泡粒子成形体10の掛け止め具埋設部の嵩密度は、亀裂等の破断が生じ難い車両用シート芯材100とする観点から、35kg/m3以上とすることが好ましく、36~45kg/m3とすることがより好ましく、37~43kg/m3とすることが特に好ましい。
また、発泡粒子成形体10全体の平均嵩密度に対する発泡粒子成形体10の掛け止め具埋設部の嵩密度(掛け止め具埋設部の嵩密度/発泡粒子成形体全体の平均嵩密度)は、1を超えることが好ましく、1.05以上であることがより好ましく、1.1以上であることがさらに好ましく、1.2以上であることが特に好ましい。掛け止め具埋設部の嵩密度/発泡粒子成形体全体の平均嵩密度は、2以下であることが好ましく、1.5以下であることがより好ましい。
発泡粒子成形体全体の平均嵩密度に対する発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の嵩密度が、上記範囲であると、発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部が高密度化され、より亀裂等の破断が生じにくくなることから好ましい。
成形収縮が収まった後の発泡粒子成形体10から、任意に選択された10箇所以上において、所定寸法のスキン面を有しないカットサンプルを切り出し、そのカットサンプルの体積(cm3)を算出するとともに、カットサンプルの重量(g)を測定する。そして、カットサンプルの体積V(cm3)でカットサンプルの重量M(g)を除することによりM/Vを算出する。カットサンプルごとに算出されたM/Vの値を算術平均し、発泡粒子成形体10全体の平均嵩密度とすることができる。
また、発泡粒子成形体10の掛け止め具埋設部の嵩密度は、掛け止め具の中心から半径50mmの範囲であり、かつ掛け止め具が突出している側の表面からインサート部材が埋設された位置までの範囲において、無作為に3箇所以上からスキン面を有しない所定寸法のカットサンプルを切り出し、該カットサンプルについて、上記発泡粒子成形体10全体の平均嵩密度の測定と同様の方法によって、嵩密度を求めるものとする。なお、掛け止め具が、発泡粒子成形体10に2つ以上備えられている場合には、それぞれの掛け止め具埋設部について、上記した方法により嵩密度をそれぞれ求め、それらの嵩密度の算術平均した値を、発泡粒子成形体10の掛け止め具埋設部の嵩密度とする。
発泡粒子を構成する樹脂は、ポリプロピレン系樹脂(融点142℃、曲げ弾性率1470MPa)を用いた。
発泡粒子は、嵩密度30.0kg/m3、平均粒子重量1.5mg、貫通孔の平均孔径d1.4mm、平均肉厚t1.1mm、平均t/d=0.8、平均外径D3.6mm、平均L/D=1.3の貫通孔を有する略円筒状のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を用いた。
なお、発泡粒子の平均粒子重量、貫通孔の平均孔径、平均t/d及び平均L/Dは、50個の発泡粒子についてそれぞれ測定した算術平均値を採用した。
また、発泡粒子の平均肉厚tは、発泡粒子成形体から無作為に発泡粒子を切り出し、発泡粒子の断面写真(貫通孔に直交する断面)において、発泡粒子表面から貫通孔の中心に向けて直線を引き、発泡粒子表面から発泡粒子の貫通孔壁部分までの直線の長さを測定した。上記のようにして観察される発泡粒子の肉厚を1つの発泡粒子につき全周に亘って均等に4箇所肉厚を測定し、上記操作を合計50個の発泡粒子について行い、それらの算術平均値を発泡粒子の平均肉厚tとした。
上記したインサート部材を、車両用シート芯材成形用金型(長手方向1330mm 、前後方向600mm、最大厚み225mm)内に設置した。このとき、成形されるシート芯材の後方側に2ヶ所の後方固定具が、前方側に2ヶ所の掛け止め具が配置されるとともに、前方フレーム部が発泡粒子成形体の底面から30mmの高さに埋設されるようにインサート部材を配置した。
金型を8mm開けた状態まで型締めした後、金型内に上述した発泡粒子を充填し、その後充填された発泡粒子を圧縮する様に完全に型締めを行った(クラッキング法)。加えて実施例1では、図4に示した部分圧縮機構70により更に部分的に圧縮を行った。部分的に圧縮した箇所は、具体的には掛け止め具埋設部(図5の斜線部分)を100mm×100mmの正方形型のピンヘッド(中央に40mm×40mmの掛け止め具を避けるための貫通穴有り)を用いて、発泡粒子成形体の掛け止め具の一部が突出した面から20mm圧縮を行った。
続いて、両面の型のドレン弁を開放した状態でスチームを4秒間型内に供給して予備加熱(排気工程)を行った後、0.14MPaの成形スチーム圧で一方加熱(1次加熱)を行い、さらに0.20MPaの成形スチーム圧で逆方向から一方加熱(2次加熱)を行った後、0.24MPaの成形スチーム圧で両面から本加熱を3秒間行った。加熱終了後、放圧し、1秒間水冷し、20秒間空冷してシート芯材を得た。
実施例2については、クラッキング法による全体の圧縮量を12mm、実施例3については16mmとし、部分圧縮機構70による部分的な圧縮量は実施例1と同じ20mmにてシート芯材を成形した。実施例4についてはクラッキング法による全体の圧縮量は実施例1と同じ8mmにして、部分圧縮機構70による部分的な圧縮量を40mmにしてシート芯材を成形した。
クラッキング法による全体の圧縮量は実施例1と同じにして、部分圧縮機構による部分的な圧縮を行わずにシート芯材を成形したものを比較例1とした。
<成形体全体の平均嵩密度>
発泡粒子成形体全体の平均嵩密度は、25mm×25mm×100mmの寸法を有する直方体形状のスキン面を有しないカットサンプルを無作為に10箇所から切り出し、そのカットサンプルの体積(cm3)を算出するとともに、カットサンプルの重量(g)を測定した。そして、カットサンプルの体積V(cm3)でカットサンプルの重量M(g)を除することによりM/Vを算出した。カットサンプルごとに算出されたM/Vの値を算術平均した値を、発泡粒子成形体全体の平均嵩密度とした。
<成形体全体の平均空隙率>
まず、上記成形体全体の平均嵩密度と同様に10箇所からカットサンプルを切り出した。該カットサンプルのそれぞれについて、カットサンプル外形寸法から体積H(cm3)を算出するとともに、カットサンプルの空隙部を除いた体積I(cm3)を測定した。体積Iは、カットサンプルをエタノール中に沈めた時の体積の増量分の値として求めた。そして、体積Hの値と体積Iの値に基づき、上記(式1)により空隙率を体積比率として算出した(体積%)。それぞれのカットサンプルについて算出された空隙率の値を算術平均した値を、発泡粒子成形体全体の平均空隙率とした。
<掛け止め具埋設部の嵩密度>
発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の嵩密度は、掛け止め具の中心から半径50mmの範囲であり、かつ掛け止め具が突出している側の表面からインサート部材が埋設された位置までの範囲において、無作為に3箇所からスキン面を有しない25mm×25mm×25mmのカットサンプルを切り出し、該カットサンプルについて、上記発泡粒子成形体全体の平均嵩密度の測定と同様の方法によって嵩密度を求め、算術平均した値を、発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の嵩密度とした。
<掛け止め具埋設部の空隙率>
まず、上記発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の嵩密度と同様に3箇所からカットサンプルを切り出した。該カットサンプルについて、上記発泡粒子成形体全体の平均空隙率の測定と同様の方法によって空隙率を求め、算術平均した値を、発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の空隙率とした。
<掛け止め具の引抜強度>
シート芯材を外す際の状態を再現した掛け止め具の引張試験を各シート芯材について行い、掛け止め具の引抜強度を測定した。具体的な引張試験方法は、シート芯材の掛け止め具埋設部を固定し、掛け止め具にフック状の治具を装着して引っ張ることにより引張試験測定を実施した。引張試験条件は、万能試験機〔株式会社オリエンテック製:TENSILON(登録商標)〕にて、最大荷重1000N、引張速度500mm/minにて実施した。
その測定結果を、表1に実施例1~4および比較例1として記載する。
また参考例として貫通孔の無い発泡粒子(ポリプロピレン系樹脂、嵩密度30.0kg/m3)を用いたシート芯材の測定結果を表1に併記する。
実施例における掛け止め具の引抜強度は、同等の嵩密度を有するシート芯材の引抜強度と同程度の値であり、充分な引抜強度を示していた。
11 発泡粒子成形体の前方端
12 発泡粒子成形体の後方端
13 発泡粒子成形体の中間部
14 穴部
15 座部
30 インサート部材
31 環状のフレーム部
31a 前方フレーム部(連結部)
31b 後方フレーム部
31c 側方フレーム部
32 掛け止め具
32a 掛け止め具の両端部
32b 掛け止め具のU字部
33 後方固定具
33a 後方固定具の両端部
33b 後方固定具のU字部
34 プレート
50 発泡粒子
51 貫通孔
52 芯層
53 被覆層
70 部分圧縮機構
80 車両用シート芯材成形用金型
100 車両用シート芯材
Claims (5)
- ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体と、該ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体に埋設されたインサート部材とで構成された車両用シート芯材であって、
上記インサート部材が、車体に固定するための掛け止め具を有し、該掛け止め具の一部がポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体の外方に突出しており、
上記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体が、貫通孔を有する発泡粒子が相互に融着してなるものであり、
上記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体全体の平均空隙率が、17体積% 以上であり、
上記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体全体の平均空隙率に対するポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の空隙率の比が、0.6~0.9であることを特徴とする、
車両用シート芯材。 - 上記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体全体の平均嵩密度が、25~40kg/m3であることを特徴とする、請求項1に記載の車両用シート芯材。
- 上記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体の掛け止め具埋設部の嵩密度が、35kg/m3以上であることを特徴とすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両用シート芯材。
- 上記ポリプロピレン系樹脂発泡粒子成形体を構成する貫通孔を有する発泡粒子の平均肉厚が、0.5~2mmであることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の車両用シート芯材。
- 上記発泡粒子を構成するポリプロピレン系樹脂の曲げ弾性率が、500~2 500MPaであることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の車両用シート芯材。
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