JP7427707B2

JP7427707B2 - 端子付き電線収容ユニット

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Publication number: JP7427707B2
Application number: JP2022063792A
Authority: JP
Inventors: 広尊長谷川; 遼介村田
Original assignee: Yazaki Corp
Current assignee: Yazaki Corp
Priority date: 2022-04-07
Filing date: 2022-04-07
Publication date: 2024-02-05
Anticipated expiration: 2042-04-07
Also published as: JP2023154482A; WO2023195291A1

Description

本発明は、端子付き電線収容ユニットに関する。

従来、電線の端末に端子金具が物理的且つ電気的に接続された端子付き電線について知られている。この端子付き電線については、その端子金具の保護や作業者等の端子金具への接触防止などを図るべく、その端子金具が収容具に収められることがある。下記の特許文献１には、このような端子付き電線と収容具とを備える端子付き電線収容ユニットが開示されている。

特開２００６－２６９１０４号公報

ところで、端子付き電線収容ユニットは、端子金具を一方の電気接続対象物に対して物理的且つ電気的に接続させると共に、電線を他方の電気接続対象物に対して物理的且つ電気的に接続させる。このため、この端子付き電線収容ユニットにおいては、電線が電線引出口から収容具の外に引き出され、その引き出された電線を引き回した先で他方の電気接続対象物に対して物理的且つ電気的に接続させる。また、その引き出された電線は、引き回す経路が長くなる場合、例えば、クリップ等でその周囲の他部品に固定される。よって、この端子付き電線収容ユニットは、電線引出口からの電線の引出量が決められており、その引出量を公差ばらつきの範囲内に収めておく必要があるので、電気接続対象物に組み付ける前に電線の引出量が所定範囲内にあるのか否か検査される。

ここで、端子付き電線収容ユニットにおいては、端子金具を固定する一方の電気接続対象物と収容具を固定する組付け部材との間に相対的な変位が生じる場合、その変位に追従させるべく、端子金具と収容具との間での相対的な変位を許容しなければならない。しかしながら、この端子付き電線収容ユニットは、その変位を許容することで、端子金具及び一方の電気接続対象物の固定と収容具及び組付け部材の固定が行われる前に、端子付き電線が収容具の中で様々な位置に動けてしまうので、電線引出口からの電線の引出量が所定範囲内にあるのか否か判断し難い。

そこで、本発明は、電線の引出量の検査精度を向上させ得る端子付き電線収容ユニットを提供することを、その目的とする。

本発明は、組付け部材に対する往復移動方向への相対的な往復動が可能な電気接続対象物への電気接続を図るための電気接続部品であり、電線の端末に端子金具の電線接続部が物理的且つ電気的に接続された端子付き電線と、前記組付け部材に対して相対的な変位無きよう固定させる固定部、前記電線の端末及び前記端子金具が収容される収容室、並びに、前記電線を前記収容室から室外に引き出させる開口であり、前記固定部が前記組付け部材に固定された状態で、前記往復移動方向に対して交差させた電線引出方向に向けて前記電線を引き出させる電線引出口を有する収容具と、を備え、前記端子金具は、前記電線引出方向に対する交差方向に突出させ且つ前記電気接続対象物に対して相対的な変位無きよう物理的且つ電気的に接続させる電気接続部を有し、前記収容具は、前記端子金具と向き合う対向壁から前記端子金具に向けて突出させた突起部であり、前記往復移動方向が軸線方向となる前記収容室内の仮想軸を回転軸にして前記端子金具が前記対向壁に近づくよう前記端子付き電線を回転させた際に、前記端子金具を規定位置で当接させて係止する係止突起部を有し、前記係止突起部は、前記収容室内での前記往復移動方向に沿う前記端子金具の相対移動位置に拘わらず当該端子金具を係止するべく前記往復移動方向に延在させることを特徴としている。

本発明に係る端子付き電線収容ユニットは、収容室内での往復移動方向に沿う端子金具の相対移動位置に拘わらず、収容室の室内で端子付き電線を規定位置に止めることによって、電線の引出量の検査精度を向上させることができる。

図１は、実施形態の電線収容ユニットを電池パックと共に示す斜視図である。図２は、実施形態の電線収容ユニットを電線引出口側から見た平面図である。図３は、実施形態の電線収容ユニットを端子引出口側から見た平面図である。図４は、図２のＸ１－Ｘ１線断面図である。図５は、図２のＸ１－Ｘ１線断面に相当する図であり、端子金具が時計回りの規定位置で係止された状態を示している。図６は、図２のＸ１－Ｘ１線断面図である。図７は、図２のＸ２－Ｘ２線断面に相当する図であり、端子金具が反時計回りの規定位置で係止された状態を示している。図８は、図２のＸ３－Ｘ３線断面図である。図９は、図２のＸ３－Ｘ３線断面に相当する図であり、端子金具が時計回りの規定位置で係止された状態を示している。図１０は、図２のＸ３－Ｘ３線断面に相当する図であり、端子金具が反時計回りの規定位置で係止された状態を示している。図１１は、図２のＸ４－Ｘ４線断面図である。図１２は、図２のＸ４－Ｘ４線断面に相当する図であり、端子金具が時計回りの規定位置で係止された状態を示している。図１３は、図２のＸ４－Ｘ４線断面に相当する図であり、端子金具が反時計回りの規定位置で係止された状態を示している。図１４は、実施形態の電線収容ユニットを示す分解斜視図である。図１５は、実施形態の電線収容ユニットを別角度から見た分解斜視図である。

以下に、本発明に係る端子付き電線収容ユニットの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。

［実施形態］
本発明に係る端子付き電線収容ユニットの実施形態の１つを図１から図１５に基づいて説明する。

図１の符号１は、本実施形態の端子付き電線収容ユニットを示す。この端子付き電線収容ユニット１は、端子付き電線１０と収容具２０とを備え（図１から図１５）、この端子付き電線１０と収容具２０をそれぞれ別の接続対象物に組み付ける。ここでは、端子付き電線１０を電気接続対象物５１０Ｅに対して物理的且つ電気的に接続した状態で組み付け、収容具２０を組付け部材５２０Ｅに組み付ける（図１）。

本実施形態の例示では、この端子付き電線収容ユニット１を電気自動車等の車両に搭載される電池パック５００に組み付ける（図１）。

電池パック５００は、１列に並べられた複数の電池セル５１０を備える（図１）。ここで示す電池セル５１０は、方体状のセル本体５１０ａと、このセル本体５１０ａの１つの壁面に設けた正負それぞれの電極端子（円柱状に形成された所謂極柱）５１０ｂと、を備える（図１）。

また、この電池パック５００は、それぞれの電池セル５１０を複数の電池セル５１０の配列方向（以下、「セル配列方向」という。）で挟み込む平板５２０を備える（図１）。この電池パック５００においては、それぞれの電池セル５１０の間に１枚ずつ介在する平板５２０（図示略）が各々間仕切り板となり、複数の電池セル５１０におけるセル配列方向の両端を挟み込む平板５２０が各々終端板となる。尚、図中では、説明の便宜上、その板厚等を考慮に入れていない。

この電池パック５００においては、車両走行等に伴って電池セル５１０が熱膨張や熱収縮を起こし、隣り合う電池セル５１０にて電極端子５１０ｂの間の距離（以下、「電極間ピッチ」という。）Ｐ（図２）がセル配列方向で変化する。これに応じて、この電池パック５００においては、その電極端子５１０ｂと平板５２０との間の距離もセル配列方向で変化する。つまり、この電池パック５００においては、電極端子５１０ｂが平板５２０に対するセル配列方向への相対的な往復動が可能なものとなっており、そのセル配列方向が電極端子５１０ｂと平板５２０との間での往復移動方向になる。以下においては、特段の言及が無ければ、その電極端子５１０ｂと平板５２０との間の往復移動方向について単に「往復移動方向」という。

この例示では、複数の電池セル５１０の内のセル配列方向で一端に配置されたものの電極端子５１０ｂ（２つの電極端子５１０ｂの内の一方）を電気接続対象物５１０Ｅとし、かつ、この一端の電池セル５１０に並べて配置された終端板としての平板５２０を組付け部材５２０Ｅとする（図１及び図２）。このため、この例示の電気接続対象物５１０Ｅは、組付け部材５２０Ｅに対する往復移動方向（セル配列方向）への相対的な往復動が可能なものとなっている。

端子付き電線１０は、その電気接続対象物５１０Ｅへの電気接続を図るための電気接続部品である。この端子付き電線１０は、一端の電池セル５１０の隣の組付け部材５２０Ｅ（終端板としての平板５２０）に対して、往復移動方向（セル配列方向）に並べて配置される。よって、この端子付き電線１０は、その組付け部材５２０Ｅを跨いで一端の電池セル５１０の電極端子５１０ｂ（電気接続対象物５１０Ｅ）に接続する。

この端子付き電線１０は、電線３０と端子金具４０を備える（図１から図４、図１４及び図１５）。この端子付き電線１０においては、電線３０の端末に端子金具４０が物理的且つ電気的に接続されている。

電線３０は、芯線３１と当該芯線３１を覆う被覆３２とを備える（図１及び図２）。この電線３０においては、端末で被覆３２が剥ぎ取られ、芯線３１を露出させている。

端子金具４０は、金属板を母材にしてプレス成形される。この端子金具４０は、電線３０に対して物理的且つ電気的に接続させる電線接続部４１と、電気接続対象物５１０Ｅ（電極端子５１０ｂ）に対して物理的且つ電気的に接続させる電気接続部４２と、を有する（図４、図１４及び図１５）。

電線接続部４１は、電線３０の端末に対して相対的な変位無きよう物理的且つ電気的に接続させる。ここで示す電線接続部４１は、電線３０の端末で露出している芯線３１に一対のバレル片を加締め圧着させたものである。電線３０の端末は、この電線接続部４１から自身の軸線方向（以下、「電線引出方向」という。）に引き出されている。

電気接続部４２は、電線引出方向に対する交差方向に突出させ、電気接続対象物５１０Ｅに対して相対的な変位無きよう物理的且つ電気的に接続させる。ここで示す電気接続部４２は、電気接続対象物５１０Ｅ（電極端子５１０ｂ）の雄螺子部を挿通させる貫通孔４２ａが設けられた片体であり（図１、図１４及び図１５）、その雄螺子部に雌螺子部材（図示略）を螺合して電気接続対象物５１０Ｅ（電極端子５１０ｂ）に螺子止め固定する。

端子金具４０は、電線接続部４１から電線引出方向に突出させ且つ電線３０に対向配置させる対向配置部４３と、組付け部材５２０Ｅ（終端板としての平板５２０）を乗り越えるべく対向配置部４３から立ち上げ、この立ち上げた先で電気接続部４２を電線引出方向に対する交差方向に突出させる連結部４４と、を有する（図４、図１４及び図１５）。

対向配置部４３は、片体形状の片部４３ａを有している（図１４及び図１５）。ここで示す片部４３ａは、電線引出方向に沿う上底と下底を有する台形形状の片体として形成されている。この片部４３ａにおける電線３０との対向壁面４３ｂは、電線引出方向と平行な平面で且つ往復移動方向に対して交差する交差平面になっている（図１４）。

連結部４４は、片部４３ａの下底側から往復移動方向に対する直交方向へと立ち上げた矩形の片体形状を成している。電気接続部４２は、連結部４４の立ち上げた先で（つまり、連結部４４における立ち上げ方向の端部の一辺から）往復移動方向に向けて突出させる。この電気接続部４２は、その突出させた先の端部を電気接続対象物５１０Ｅ（電極端子５１０ｂ）に対して物理的且つ電気的に接続させる。以下においては、必要に応じて、その対向配置部４３からの連結部４４の立ち上げ方向を単に「立ち上げ方向」という。

収容具２０は、この端子付き電線１０における電線３０の端末と端子金具４０を収容するための端子付き電線収容具である。この収容具２０は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形される。

収容具２０は、組付け部材５２０Ｅ（終端板としての平板５２０）に対して相対的な変位無きよう固定させる固定部２１を有する（図１、図２、図１４及び図１５）。ここで示す固定部２１は、雄螺子部材（図示略）を挿通させる貫通孔２１ａが設けられており（図１、図１４及び図１５）、その雄螺子部材に雌螺子部材（図示略）を螺合して組付け部材５２０Ｅ（終端板としての平板５２０）に螺子止め固定する。その貫通孔２１ａには、金属製のカラー部材２１ｂが嵌め込まれている。

また、この収容具２０は、電線３０の端末及び端子金具４０が収容される収容室２２と、電線３０を収容室２２から室外に引き出させる開口であり、固定部２１が組付け部材５２０Ｅに固定された状態で、往復移動方向に対して交差させた電線引出方向に向けて電線３０を引き出させる電線引出口２３と、を有する（図１、図２、図４、図１４及び図１５）。

更に、この収容具２０は、端子金具４０の電気接続部４２を往復移動方向に向けて収容室２２の室外に飛び出させる端子引出口２４を有する（図３及び図１１）。この端子引出口２４は、往復移動方向で電気接続対象物５１０Ｅ（電極端子５１０ｂ）側に口を開けている。電気接続部４２は、この端子引出口２４から収容室２２の室外に飛び出させた先で電気接続対象物５１０Ｅ（電極端子５１０ｂ）に対して物理的且つ電気的に接続させる。

また更に、この収容具２０は、端子金具４０と向き合う対向壁２５から端子金具４０に向けて突出させた突起部であり、往復移動方向が軸線方向となる収容室２２内の仮想軸を回転軸にして端子金具４０が対向壁２５に近づくよう端子付き電線１０を回転させた際に、端子金具４０を規定位置で当接させて係止する係止突起部２６を有する（図４から図７）。

ここで、規定位置は、組付け部材５２０Ｅ（終端板としての平板５２０）に対する固定部２１の固定と電気接続対象物５１０Ｅ（電極端子５１０ｂ）に対する電気接続部４２の接続とを行う前に実施される検査時の検査位置であり、電線引出口２３からの電線３０の引出量を検査する電線引出量検査位置である。よって、係止突起部２６は、端子金具４０が対向壁２５に近づくよう仮想軸の軸周りに端子付き電線１０を回転させた際に、電線引出量検査位置で端子金具４０を当接させて係止する。作業者等は、端子金具４０が収容室２２の室内で電線引出量検査位置に位置しているときに、電線引出口２３からの電線３０の引出量を計測し、その引出量が規定の公差ばらつきの範囲内に収まっているのか否か判断する。作業者等は、電線３０の引出量が規定の公差ばらつきの範囲内に収まっていれば、この端子付き電線収容ユニット１を合格品と判断し、電線３０の引出量が規定の公差ばらつきの範囲内から外れていれば、この端子付き電線収容ユニット１を不合格品と判断する。このように、この端子付き電線収容ユニット１においては、収容室２２の室内で端子付き電線１０を規定位置に止めることによって、電線３０の引出量の検査精度を向上させることができる。

具体的に、収容具２０においては、図４及び図６に示すように、対向壁２５を２箇所に設け（対向壁２５Ａ，２５Ｂ）、この２箇所の対向壁２５毎に係止突起部２６を設けている（係止突起部２６Ａ，２６Ｂ）。

一方の対向壁２５Ａは、端子金具４０の電線接続部４１に対して当該電線接続部４１よりも対向配置部４３からの連結部４４の立ち上げ方向に配置される（図４及び図５）。そして、一方の係止突起部２６Ａは、一方の対向壁２５Ａから電線接続部４１に向けて突出させた突起部であり、電線接続部４１が一方の対向壁２５Ａに近づくよう仮想軸の軸周りに端子付き電線１０を回転させた際に、電線接続部４１を規定位置で当接させて係止する（図５）。図中の紙面上では、端子付き電線１０が収容室２２の室内で時計回り（以下、「第１回転方向」という。）に相対回転している。

他方の対向壁２５Ｂは、対向配置部４３に対して当該対向配置部４３よりも対向配置部４３からの連結部４４の立ち上げ方向とは逆側に配置される（図６及び図７）。そして、他方の係止突起部２６Ｂは、他方の対向壁２５Ｂから対向配置部４３に向けて突出させた突起部であり、対向配置部４３が他方の対向壁２５Ｂに近づくよう仮想軸の軸周りに端子付き電線１０を回転させた際に、対向配置部４３を規定位置で当接させて係止する（図７）。図中の紙面上では、端子付き電線１０が収容室２２の室内で反時計回り（以下、「第２回転方向」という。）に相対回転している。

この具体例においては、端子付き電線１０を収容室２２の室内で第１回転方向に相対回転させたときに、収容具２０における更に別の場所で端子金具４０を規定位置に係止させる（図８、図９、図１１及び図１２）。

収容具２０は、連結部４４における往復移動方向と立ち上げ方向とに直交する方向の端部を規定位置で当接させて係止する第１係止部（以下、「第１回転方向の第１係止部」という。）２７Ａ（図９）と、端子引出口２４の周縁部２８（図２、図３及び図１１から図１３）の一部であり、電気接続部４２を規定位置で当接させて係止する第２係止部（以下、「第１回転方向の第２係止部」という。）２７Ｂ（図１２）と、を有する。つまり、ここで示す端子付き電線収容ユニット１においては、収容室２２の室内での端子付き電線１０の第１回転方向の相対回転を電線接続部４１及び一方の係止突起部２６Ａの間と電気接続部４２及び第１回転方向の第２係止部２７Ｂの間とで係止し、かつ、収容室２２の室内での端子付き電線１０の電線引出方向の相対的な動きを連結部４４及び第１回転方向の第１係止部２７Ａの間で係止する。これにより、この端子付き電線収容ユニット１においては、収容室２２の室内での端子付き電線１０の第１回転方向への相対的な動きを規定位置で効果的に止めることができるので、電線３０の引出量の検査精度を更に向上させることができる。

第１回転方向の第１係止部２７Ａは、連結部４４における往復移動方向と立ち上げ方向とに直交する方向の両端部（それぞれの辺部）４４ａ，４４ｂの内の何れか一方を係止する。例えば、ここでは、一方の端部４４ａを第１回転方向の第１係止部２７Ａが係止する（図９）。

また、この具体例においては、端子付き電線１０を収容室２２の室内で第２回転方向に相対回転させたときに、収容具２０における更に別の場所で端子金具４０を規定位置に係止させる（図８、図１０、図１１及び図１３）。

収容具２０は、連結部４４における往復移動方向と立ち上げ方向とに直交する方向の端部を規定位置で当接させて係止する第１係止部（以下、「第２回転方向の第１係止部」という。）２７Ｃ（図１０）と、端子引出口２４の周縁部２８（図２、図３及び図１１から図１３）の一部であり、電気接続部４２を規定位置で当接させて係止する第２係止部（以下、「第２回転方向の第２係止部」という。）２７Ｄ（図１３）と、を有する。つまり、ここで示す端子付き電線収容ユニット１においては、収容室２２の室内での端子付き電線１０の第２回転方向の相対回転を電線接続部４１及び他方の係止突起部２６Ｂの間と電気接続部４２及び第２回転方向の第２係止部２７Ｄの間とで係止し、かつ、収容室２２の室内での端子付き電線１０の電線引出方向の相対的な動きを連結部４４及び第２回転方向の第１係止部２７Ｃの間で係止する。これにより、この端子付き電線収容ユニット１においては、収容室２２の室内での端子付き電線１０の第２回転方向への相対的な動きを規定位置で効果的に止めることができるので、電線３０の引出量の検査精度を更に向上させることができる。

第２回転方向の第１係止部２７Ｃは、連結部４４の両端部（それぞれの辺部）４４ａ，４４ｂの内の何れか一方を係止する。例えば、ここでは、一方の端部４４ａを第２回転方向の第１係止部２７Ｃが係止する（図１０）。

この収容具２０は、互いに組み付けられる第１収容部材５０と第２収容部材６０を備える（図１から図１５）。

第１収容部材５０は、底壁５１と、この底壁５１の周縁部から立設させた周壁５２と、を有する（図１から図４、図１４及び図１５）。この第１収容部材５０においては、その底壁５１と周壁５２で囲まれた空間を電線３０の端末及び端子金具４０が収容される第１収容空間２２ａとして利用する（図４、図１４及び図１５）。また、この第１収容部材５０は、往復移動方向に対する直交方向に口を開け、かつ、その直交方向で底壁５１に対向配置させた開口５３を有している（図１５）。この開口５３は、周壁５２における立ち上げ方向の端部の周縁部５２ａの内方に形成される開口である。この第１収容部材５０においては、その開口５３から電線３０の端末及び端子金具４０が第１収容空間２２ａに挿入される。ここでは、底壁５１と開口５３の対向配置方向が電線３０の端末及び端子金具４０の開口５３からの挿入方向となる。

第２収容部材６０は、底壁６１と、この底壁６１の周縁部から立設させた周壁６２と、を有する（図３、図４、図１４及び図１５）。この第２収容部材６０においては、その底壁６１と周壁６２で囲まれた空間を電線３０の端末及び端子金具４０が収容される第２収容空間２２ｂとして利用する（図４、図１４及び図１５）。また、この第２収容部材６０は、往復移動方向に対する直交方向に口を開け、かつ、その直交方向で底壁６１に対向配置させた開口６３を有している（図１４）。この開口６３は、周壁６２における立ち上げ方向の端部の周縁部６２ａの内方に形成される開口である。この第２収容部材６０においては、その開口６３から電線３０の端末及び端子金具４０が第２収容空間２２ｂに挿入される。ここでは、底壁６１と開口６３の対向配置方向が電線３０の端末及び端子金具４０の開口６３からの挿入方向となる。

第１収容部材５０と第２収容部材６０は、それぞれの開口５３，６３の周縁部５２ａ，６２ａ同士を嵌め合わせて組み付けられる。この収容具２０においては、その組付け状態の第１収容部材５０の第１収容空間２２ａと第２収容部材６０の第２収容空間２２ｂとで収容室２２が形成される。

ここで示す電線引出口２３は、組付け状態の第１収容部材５０の第１切欠き２３ａと第２収容部材６０の第２切欠き２３ｂとで形成される（図２及び図４）。第１収容部材５０の周壁５２には、開口５３側（周縁部５２ａ側）から底壁５１に向けて第１切欠き２３ａが切り欠かれている。また、第２収容部材６０の周壁６２には、開口６３側（周縁部６２ａ側）から底壁６１に向けて第２切欠き２３ｂが切り欠かれている。

ここで、第１収容部材５０は、第１収容空間２２ａに連通させ且つ底壁５１から開口５３とは逆側に突出させた空間部を有しており、この空間部を端子金具４０が収容される第３収容空間２２ｃとして利用する（図１５）。この第３収容空間２２ｃには、連結部４４における電気接続部４２側と電気接続部４２における連結部４４側とが収容される。このため、ここで示す収容室２２は、組付け状態の第１収容部材５０の第１収容空間２２ａ及び第３収容空間２２ｃと第２収容部材６０の第２収容空間２２ｂとで形成されている。

第２収容部材６０は、その第３収容空間２２ｃの中の連結部４４に対向配置させ、かつ、この第３収容空間２２ｃにおける連結部４４の壁面に対向配置された開口５４を覆うカバー壁部６４を有する（図３、図１１、図１４及び図１５）。その開口５４は、第３収容空間２２ｃを成す周壁５２ｘ（図１、図２、図４、図８、図１１、図１４及び図１５）の一部を周縁部５２ａ側から立ち上げ方向に切り欠いた切欠き部である。この立ち上げ方向に沿う切欠き部（開口）５４は、端子付き電線１０を開口５３から挿入する際の電気接続部４２の挿入軌跡に沿って切り欠かれている。この切欠き部（開口）５４とカバー壁部６４の間には、電気接続部４２を収容室２２の外に引き出させる端子引出口２４が形成される（図３及び図１１）。

一方の対向壁２５Ａと一方の係止突起部２６Ａは、第１収容部材５０に設けている（図４から図７）。この第１収容部材５０においては、底壁５１が一方の対向壁２５Ａとなり、この底壁５１から一方の係止突起部２６Ａを突出させている。

更に、この第１収容部材５０には、第１回転方向の第１係止部２７Ａを設けている（図９）。この第１収容部材５０においては、第３収容空間２２ｃを成す周壁５２ｘの一部を第１回転方向の第１係止部２７Ａとして利用している。

第１回転方向の第２係止部２７Ｂは、第２収容部材６０に設けている（図１２）。この第２収容部材６０においては、カバー壁部６４における端子引出口２４の周縁部２８を成す端部の一部を第１回転方向の第２係止部２７Ｂとして利用している。

また、他方の対向壁２５Ｂと他方の係止突起部２６Ｂは、第２収容部材６０に設けている（図４から図７）。この第２収容部材６０においては、底壁６１が他方の対向壁２５Ｂとなり、この底壁６１から他方の係止突起部２６Ｂを突出させている。

第２回転方向の第１係止部２７Ｃと第２回転方向の第２係止部２７Ｄは、第１収容部材５０に設けている（図１０及び図１３）。この第１収容部材５０においては、第３収容空間２２ｃを成す周壁５２ｘの一部を第２回転方向の第１係止部２７Ｃとして利用している（図１０）。また、この第１収容部材５０においては、第３収容空間２２ｃを成す底壁５１ｘ（図１から図４）で且つ当該底壁５１ｘにおける端子引出口２４の周縁部２８を成す部位の一部を第２回転方向の第２係止部２７Ｄとして利用している（図１３）。

第１収容部材５０と第２収容部材６０は、複数箇所（ここでは、３箇所）のロック機構２９によって組付け状態が保たれる（図１、図３、図１４及び図１５）。そのロック機構２９は、第１収容部材５０と第２収容部材６０を組み付けた状態で、この組付け状態が保たれるように第１収容部材５０に設けた第１係合部２９ａと第２収容部材６０に設けた第２係合部２９ｂを係合させる（図３、図１４及び図１５）。ここでは、第１係合部２９ａが爪状に形成されている。そして、第２係合部２９ｂは、自身を撓ませながら第１係合部２９ａを乗り越えさせる可撓片部として形成されている。このロック機構２９は、第１収容部材５０と第２収容部材６０を組み付けた状態で第１係合部２９ａを第２係合部２９ｂに引っ掛けて、その組付け状態を保持させる。

この収容具２０において、収容室２２は、組付け部材５２０Ｅ（終端板としての平板５２０）に対する電気接続対象物５１０Ｅ（電極端子５１０ｂ）の往復動の範囲内で端子金具４０を相対移動させ得る室内形状とする。第１収容空間２２ａと第２収容空間２２ｂは、その往復動の範囲内で電線接続部４１と対向配置部４３と連結部４４における対向配置部４３側を相対移動させ得る大きさの室内形状に形成される。そして、第３収容空間２２ｃは、その往復動の範囲内で電気接続部４２における連結部４４側と連結部４４における電気接続部４２側を相対移動させ得る大きさの室内形状に形成される。端子金具４０においては、組付け部材５２０Ｅ（終端板としての平板５２０）に対して電気接続対象物５１０Ｅ（電極端子５１０ｂ）が往復動するときに、電気接続部４２の一部が端子引出口２４から出し入れされる。

このように、この端子付き電線収容ユニット１においては、端子金具４０の体格と比較して収容室２２の室内空間が広く取られている。このため、係止突起部２６は、収容室２２内での往復移動方向に沿う端子金具４０の相対移動位置に拘わらず当該端子金具４０を係止するべく往復移動方向に延在させる（図１４及び図１５）。例えば、一方の係止突起部２６Ａは、収容室２２内での往復移動方向に沿う電線接続部４１の相対移動位置に拘わらず当該電線接続部４１を係止するべく往復移動方向に延在させている（図１５）。また、他方の係止突起部２６Ｂは、収容室２２内での往復移動方向に沿う対向配置部４３の相対移動位置に拘わらず当該対向配置部４３を係止するべく往復移動方向に延在させている（図１４）。よって、この端子付き電線収容ユニット１においては、収容室２２内での往復移動方向に沿う端子金具４０の相対移動位置に拘わらず、その収容室２２の室内で端子付き電線１０を規定位置に止めることができる。従って、この端子付き電線収容ユニット１は、その端子金具４０の相対移動位置に拘わらず、電線３０の引出量の検査精度を向上させることができる。

１端子付き電線収容ユニット
１０端子付き電線
２０収容具
２１固定部
２２収容室
２３電線引出口
２４端子引出口
２５対向壁
２５Ａ一方の対向壁
２５Ｂ他方の対向壁
２６係止突起部
２６Ａ一方の係止突起部
２６Ｂ他方の係止突起部
２７Ａ第１回転方向の第１係止部
２７Ｂ第１回転方向の第２係止部
２７Ｃ第２回転方向の第１係止部
２７Ｄ第２回転方向の第２係止部
２８周縁部
３０電線
４０端子金具
４１電線接続部
４２電気接続部
４３対向配置部
４４連結部
５１０電池セル
５１０ｂ電極端子
５１０Ｅ電気接続対象物
５２０平板
５２０Ｅ組付け部材

Claims

組付け部材に対する往復移動方向への相対的な往復動が可能な電気接続対象物への電気接続を図るための電気接続部品であり、電線の端末に端子金具の電線接続部が物理的且つ電気的に接続された端子付き電線と、
前記組付け部材に対して相対的な変位無きよう固定させる固定部、前記電線の端末及び前記端子金具が収容される収容室、並びに、前記電線を前記収容室から室外に引き出させる開口であり、前記固定部が前記組付け部材に固定された状態で、前記往復移動方向に対して交差させた電線引出方向に向けて前記電線を引き出させる電線引出口を有する収容具と、
を備え、
前記端子金具は、前記電線引出方向に対する交差方向に突出させ且つ前記電気接続対象物に対して相対的な変位無きよう物理的且つ電気的に接続させる電気接続部を有し、
前記収容具は、前記端子金具と向き合う対向壁から前記端子金具に向けて突出させた突起部であり、前記往復移動方向が軸線方向となる前記収容室内の仮想軸を回転軸にして前記端子金具が前記対向壁に近づくよう前記端子付き電線を回転させた際に、前記端子金具を規定位置で当接させて係止する係止突起部を有し、
前記係止突起部は、前記収容室内での前記往復移動方向に沿う前記端子金具の相対移動位置に拘わらず当該端子金具を係止するべく前記往復移動方向に延在させることを特徴とした端子付き電線収容ユニット。
前記規定位置は、前記組付け部材に対する前記固定部の固定と前記電気接続対象物に対する前記電気接続部の接続とを行う前に実施される検査時の検査位置であり、前記電線引出口からの前記電線の引出量を検査する電線引出量検査位置であることを特徴とした請求項１に記載の端子付き電線収容ユニット。
前記端子金具は、前記電線接続部から前記電線引出方向に突出させ且つ前記電線に対向配置させる対向配置部と、前記往復移動方向に対する直交方向へと前記対向配置部から立ち上げ、この立ち上げた先で前記電気接続部を前記往復移動方向に突出させる連結部と、を有し、
前記対向壁は、前記電線接続部に対して当該電線接続部よりも前記対向配置部からの前記連結部の立ち上げ方向に配置され、
前記係止突起部は、前記対向壁から前記電線接続部に向けて突出させた突起部であり、前記電線接続部が前記対向壁に近づくよう前記仮想軸の軸周りに前記端子付き電線を回転させた際に、前記電線接続部を前記規定位置で当接させて係止することを特徴とした請求項１又は２に記載の端子付き電線収容ユニット。
前記端子金具は、前記電線接続部から前記電線引出方向に突出させ且つ前記電線に対向配置させる対向配置部と、前記往復移動方向に対する直交方向へと前記対向配置部から立ち上げ、この立ち上げた先で前記電気接続部を前記往復移動方向に突出させる連結部と、を有し、
前記対向壁は、前記電線接続部に対して当該電線接続部よりも前記対向配置部からの前記連結部の立ち上げ方向に配置され、
前記係止突起部は、前記対向壁から前記電線接続部に向けて突出させた突起部であり、前記電線接続部が前記対向壁に近づくよう前記仮想軸の軸周りに前記端子付き電線を回転させた際に、前記電線接続部を前記規定位置で当接させて係止し、
前記収容具は、前記電気接続部を前記往復移動方向に向けて前記収容室の室外に飛び出させる端子引出口と、前記連結部における前記往復移動方向と前記立ち上げ方向とに直交する方向の端部を前記規定位置で当接させて係止する第１係止部と、前記端子引出口の周縁部の一部であり、前記電気接続部を前記規定位置で当接させて係止する第２係止部と、を有することを特徴とした請求項１又は２に記載の端子付き電線収容ユニット。
前記端子金具は、前記電線接続部から前記電線引出方向に突出させ且つ前記電線に対向配置させる対向配置部と、前記往復移動方向に対する直交方向へと前記対向配置部から立ち上げ、この立ち上げた先で前記電気接続部を前記往復移動方向に突出させる連結部と、を有し、
前記対向壁は、前記対向配置部に対して当該対向配置部よりも前記対向配置部からの前記連結部の立ち上げ方向とは逆側に配置され、
前記係止突起部は、前記対向壁から前記対向配置部に向けて突出させた突起部であり、前記対向配置部が前記対向壁に近づくよう前記仮想軸の軸周りに前記端子付き電線を回転させた際に、前記対向配置部を前記規定位置で当接させて係止することを特徴とした請求項１又は２に記載の端子付き電線収容ユニット。
前記端子金具は、前記電線接続部から前記電線引出方向に突出させ且つ前記電線に対向配置させる対向配置部と、前記往復移動方向に対する直交方向へと前記対向配置部から立ち上げ、この立ち上げた先で前記電気接続部を前記往復移動方向に突出させる連結部と、を有し、
前記対向壁は、前記対向配置部に対して当該対向配置部よりも前記対向配置部からの前記連結部の立ち上げ方向とは逆側に配置され、
前記係止突起部は、前記対向壁から前記対向配置部に向けて突出させた突起部であり、前記対向配置部が前記対向壁に近づくよう前記仮想軸の軸周りに前記端子付き電線を回転させた際に、前記対向配置部を前記規定位置で当接させて係止し、
前記収容具は、前記電気接続部を前記往復移動方向に向けて前記収容室の室外に飛び出させる端子引出口と、前記連結部における前記往復移動方向と前記立ち上げ方向とに直交する方向の端部を前記規定位置で当接させて係止する第１係止部と、前記端子引出口の周縁部の一部であり、前記電気接続部を前記規定位置で当接させて係止する第２係止部と、を有することを特徴とした請求項１又は２に記載の端子付き電線収容ユニット。
前記電気接続対象物は、１列に並べられた複数の電池セルの内の配列方向で一端に配置されたものの電極端子であり、
前記往復移動方向は、複数の前記電池セルの前記配列方向であることを特徴とした請求項１又は２に記載の端子付き電線収容ユニット。