JP7426119B2 - 非線形抵抗素子、スイッチング素子、非線形抵抗素子の製造方法 - Google Patents

非線形抵抗素子、スイッチング素子、非線形抵抗素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非線形抵抗素子およびその製造方法、並びにスイッチング素子に関する。
半導体集積回路は、微細化(スケーリング則)によってデバイスの集積化・低電力化が進められ、性能向上が図られてきた。近年、リソグラフィプロセスの高コスト化、およびデバイス寸法の物理的限界により、これまでのスケーリング則とは異なるアプローチでのデバイス性能の改善が求められている。
近年、ゲートアレイとスタンダードセルの中間的な位置づけとして、FPGA(Field Programmable Gate Array)と呼ばれる再書き換え可能なプログラマブルロジックデバイスが開発されている。FPGAは、顧客自身がチップの回路構成を任意に設定することを可能とするものである。FPGAは、多層配線構造の内部に抵抗変化素子を有し、配線の電気的接続を変更できる。このようなFPGAを搭載した半導体装置を用いることによって、回路の自由度を向上することができる。
抵抗変化素子としては、MRAM(磁気抵抗メモリ:Magneto-resistive Random Access Memory)、PRAM(相変化メモリ:Phase Change Random Access Memory)、ReRAM(抵抗変化型メモリ:Resistive Random Access Memory)、CBRAM(固体電解質のイオンにより導電性パスを形成するRAM:Conductive Bridging Random Access Memory)などが挙げられる。
ReRAMは、外部から印加される電圧と電流により、抵抗値が変化する特性を利用するものである。ReRAMセルでは、2つの電極の間に挟まれた抵抗変化膜を有する構造が用いられる。例えば、2つの電極間に電界を印加して、金属酸化物からなる抵抗変化膜内部にフィラメントを生成するか、または、2つの電極間に導電性パスを形成することにより、オン状態とする。その後、2つの電極間へ逆方向に電界を印加することで、フィラメントを消失させるか、または、2つの電極間に形成されていた導電性パスを消失させることにより、オフ状態とする。印加する電界の方向を反転させることで、2つの電極間の抵抗値が大きく異なり、オン状態とオフ状態との間のスイッチングがなされる。上記オン状態とオフ状態との間における抵抗値の相違に応じて、この抵抗変化素子を介して流れる電流が異なることを利用して、データを記憶する。データ書き込み時は、記憶させるデータに対応して、オフ状態からオン状態への遷移、またはオン状態からオフ状態への遷移を引き起こすための電圧値、電流値およびパルス幅を選択し、データ記憶用のフィラメントの生成もしくは消失、または導電性パスの形成もしくは消失を行う。
非特許文献1には、このようなReRAMに利用できる抵抗変化素子の一例として、不揮発性抵抗変化素子が開示されている。非特許文献1に開示されている不揮発性抵抗変化素子は、イオン伝導体からなる固体電解質と、固体電解質の2つの面のそれぞれに接して設けられた第1電極および第2電極とを有する。第1電極は第1の金属から構成され、第2電極は第2の金属から構成されている。第1の金属と第2の金属は、金属を酸化して金属イオンを生成する過程における標準生成ギブズエネルギーΔGが相違している。
非特許文献1の抵抗変化素子は、イオン伝導体中における金属イオン移動と、電気化学反応による「金属イオンの還元による金属の析出」と「金属の酸化による金属イオンの生成」を利用して、抵抗変化膜を挟む電極間の抵抗値を可逆的に変化させ、スイッチングを行う不揮発性スイッチング素子である。この不揮発性スイッチング素子は、金属架橋構造の形成と溶解によって、オン状態とオフ状態を遷移可能な不揮発性の金属架橋型抵抗変化素子である。
非特許文献1の抵抗変化素子にあっては、オフ状態からオン状態への遷移過程(セット過程)では、不活性電極である第2電極を接地して、活性電極である第1電極に正電圧を印加すると、第1電極と固体電解質の界面において、第1電極の金属が金属イオンとなって固体電解質に溶解する。一方、第2電極側において、第2電極から供給される電子を利用して、固体電解質中の金属イオンが固体電解質中に金属になって析出する。固体電解質中に析出した金属により、金属架橋構造が形成され、最終的に、第1電極と第2電極を接続する金属架橋が形成される。金属架橋を介して第1電極と第2電極が電気的に接続されることで、スイッチがオン状態になる。
一方、オン状態からオフ状態への遷移過程(リセット過程)では、オン状態のスイッチに対して、第2電極を接地して第1電極に負電圧を印加すると、金属架橋を構成している金属が金属イオンになって固体電解質に溶解する。金属の溶解が進行すると、金属架橋を構成している金属架橋構造の一部が切れる。最終的に、第1電極と第2電極を接続する金属架橋が切断されると、電気的接続が切れ、スイッチがオフ状態になる。
なお、金属の溶解が進行すると、導通経路を構成する金属架橋構造は細くなって第1電極および第2電極間の抵抗が大きくなり、第1電極と固体電解質の界面では、溶解している金属イオンが還元され、金属として析出する。そのため、固体電解質中に含まれる金属イオン濃度が減少して比誘電率が変化することに伴い、電極間容量が変化するなど、電気的接続が完全に切れる前の段階から電気特性が変化し、最終的に電気的接続が切れる。
また、金属架橋型抵抗変化素子をオン状態からオフ状態に遷移させた(リセットした)後、再び第2電極を接地して第1電極に正電圧を印加すると、オフ状態からオン状態への遷移過程(セット過程)が進行する。すなわち、金属架橋型抵抗変化素子は、オフ状態からオン状態への遷移過程(セット過程)と、オン状態からオフ状態への遷移過程(リセット過程)を、可逆的に行うことが可能である。
このような固体電解質層型の抵抗変化素子は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)等の半導体スイッチよりもサイズが小さく、オン抵抗が小さいという特徴がある。そのため、固体電解質層型の抵抗変化素子は、プログラマブルロジックデバイスのスイッチング素子への適用が有望である。
また、抵抗変化素子の導通状態(オンまたはオフ)は印加電圧をオフにしてもそのまま維持される。そのため、抵抗変化素子は、不揮発性のメモリ素子としての応用も考えられる。例えば、抵抗変化素子を有するメモリ素子としては、トランジスタ等の選択素子1個と抵抗変化素子1個とを含むメモリセルを基本単位とし、複数のメモリセルを縦方向と横方向にそれぞれ配列したものが挙げられる。このようにメモリセルを配列することによって、ワード線およびビット線で複数のメモリセルの中から任意のメモリセルを選択することが可能となる。そして、選択したメモリセルの抵抗変化素子の導通状態をセンスし、抵抗変化素子のオンまたはオフの状態から情報「1」または「0」のいずれの情報が格納されているかを読み取ることが可能な不揮発性メモリを実現できる。
上述した2端子型の不揮発性抵抗変化素子を半導体装置に搭載し、この不揮発性抵抗変化素子をプログラミングする場合、不揮発性抵抗変化素子1つにつき、1つの選択トランジスタ(アクセストランジスタ)を備えた構成が用いられる。この構成は、一般的に1T1Rと呼ばれている。1T1Rは、選択トランジスタの占める面積が大きいため、全体の面積が実効的に大きくなるという課題があった。そのため、選択トランジスタを非線形抵抗素子などの2端子の選択素子(セレクタ)に置き換えることによって、回路の実装面積を小さくすることが検討されている。この構成は、一般的に1S1Rと呼ばれている。例えば、特許文献1には、抵抗変化素子の上部に2端子の選択素子(セレクタ)を形成し、1S1Rを構成する技術が記載されている。また、特許文献2には、抵抗変化素子としてオボニックメモリスイッチ(OMS)を使用するとともに、2端子の選択素子(セレクタ)としてオボニック閾値スイッチ(OTS)を使用し、1S1Rを構成する例が記載されている。特許文献2に記載のオボニックメモリスイッチとオボニック閾値スイッチには、カルコゲナイド材料が用いられている。また、電極には、窒化物である窒化チタンアルミ(TiAlN)が用いられている。
日本特許第5380612号公報 日本特開2006-086526号公報
M.Tada,K.Okamoto,T.Sakamoto,M.Miyamura,N.Banno,and H.Hada,"Polymer Solid-Electrolyte Switch Embedded on CMOS for Nonvolatile Crossbar Switch" ,IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES,Vol.58,No.12,pp.4398-4406,(2011). K.Tanaka,"Structual phase transitions in chalcogenide glasses",PHYSICAL REVIEW B,VOLUME 39,NUMBER 2,pp.1270-1279,(1988).
プログラミング対象の抵抗変化素子を選択する素子として、トランジスタの代わりに、2端子の選択素子(セレクタ)を用いる場合、電気特性が十分ではないという課題があった。プログラミング時に、アレイ内のただ1つの抵抗変化素子を選択するために、2端子の選択素子(セレクタ)を動作させても、電気特性が十分でない場合、誤書き込みを発生し、これにより回路動作時に誤動作が生じてしまうことがある。特に、2端子の選択素子(セレクタ)としてオボニック閾値スイッチ(OTS)を使用する場合に、カルコゲナイド材料と電極間の電気接触が安定しないという課題があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、電気特性を改善した非線形抵抗素子、非線形抵抗素子を備えるスイッチング素子、非線形抵抗素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の第1態様に示す非線形抵抗素子では、金属窒化物からなる第1電極と、金属からなる第1中間層と、アモルファス・カルコゲナイド薄膜からなる非線形抵抗層と、金属からなる第2中間層と、金属窒化物からなる第2電極とを備え、前記第1電極、前記第1中間層、前記非線形抵抗層、前記第2中間層、および、前記第2電極が、この順に積層されている。
本発明の第2態様に示すスイッチング素子は、論理回路の信号経路中に設けられたスイッチング素子であって、2つの2端子型の非線形抵抗素子と、2つの2端子型の不揮発性抵抗変化素子と、を有し、前記2つの2端子型の不揮発性抵抗変化素子のそれぞれの一方の端子が互いに接続され、かつ、前記2つの2端子型の非線形抵抗素子のそれぞれの一方の電極と接続され、前記2つの2端子型の非線形抵抗素子は、本発明の第1態様に示す非線形抵抗素子である。
本発明の第3態様に示す非線形抵抗素子の製造方法では、金属窒化物からなる第1電極と、金属からなる第1中間層と、アモルファス・カルコゲナイド薄膜からなる非線形抵抗層と、金属からなる第2中間層と、金属窒化物からなる第2電極とを、この順に同一真空内で積層する。
本発明によれば、電気特性に優れた2端子の選択素子(セレクタ)の製造を可能にし、選択トランジスタを2端子の選択素子(セレクタ)で置き換えることにより、回路の実装面積を小さくすることができる。
第1の実施形態に係る非線形抵抗素子の構成例を示す断面図である。 第1の実施形態に係る非線形抵抗素子の電流-電圧特性(I-V特性)の一例を示す図である。 第1の実施形態の比較例に係る非線形抵抗素子の構成例を示す断面図である。 第2の実施形態の試料1、試料2および試料3の非線形抵抗素子の電気特性を示す図である。 第2の実施形態の試料1において、印加電界の平方根と、電流密度/印加電界の対数との関係を示す図である。 第3の実施形態に係る非線形抵抗素子であり、集積回路内に作り込まれた非線形抵抗素子を示す断面図である。 第4の実施形態に係るクロスバースイッチの構成の一例を示す等価回路図である。 第5の実施形態に係る半導体装置の素子構造を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態は、本発明の第1の例として、電気特性に優れた2端子の選択素子(セレクタ)に関するものである。図1を用いて、本実施形態の非線形抵抗素子の構成例を説明する。
図1に示すように、本実施形態の非線形抵抗素子100は、第1電極101と、第1中間層102と、非線形抵抗層103と、第2中間層104と、第2電極105とが、この順に積層された構造をなしている。
第1中間層102は、例えば、Ti、V、Zr、Nb、Ta、HfまたはWのいずれか1種を主成分とする金属からなる。
第1電極101の材料としては、第1中間層102の材料の窒化物を用いることができる。
第2中間層104は、例えば、Ti、V、Zr、Nb、Ta、HfまたはWのいずれか1種を主成分とする金属からなる。
第2電極105は、第2中間層104の材料の窒化物を用いることができる。
非線形抵抗層103は、アモルファス・カルコゲナイド薄膜からなる。アモルファス・カルコゲナイド薄膜の材料としては、GeおよびSiの少なくとも1種と、Se、TeおよびSからなる群から選択される少なくとも1種とを含むアモルファス・カルコゲナイドを用いることができる。アモルファス・カルコゲナイド薄膜は、さらに、As、SbおよびNからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
以下、本実施形態の非線形抵抗素子の具体的な形成方法を示す。
第1電極101として、例えば、膜厚10nmのTiN膜を基板上に堆積する。
TiN膜の成膜方法としては、DCスパッタリング法を用いることができる。例えば、1×10-6Pa程度まで減圧されたスパッタリングチャンバー内部に、アルゴン(Ar)ガスと窒素(N)ガスを導入し、チタン(Ti)ターゲットに500W~2kWの直流(DC)電力を印加することにより、TiN膜を堆積する。
続いて、第1中間層102を形成する。
第1中間層102としては、例えば、膜厚2nmのTi膜を堆積する。
Ti膜の成膜方法としては、DCスパッタリング法を用いることができる。例えば、1×10-6Pa程度まで減圧されたスパッタリングチャンバー内部に、アルゴン(Ar)ガスのみを導入し、チタン(Ti)ターゲットに500W~2kWの直流(DC)電力を印加することにより、第1電極101上にTi膜を堆積する。
なお、第1電極101と第1中間層102は、ガスを切り替えるのみで、同一真空中において連続的に形成することができる。
次に、非線形抵抗層103を形成する。
非線形抵抗層103としては、例えば、膜厚50nmのGe-Se系のカルコゲナイドのアモルファス膜(アモルファス・カルコゲナイド薄膜)を堆積する。
アモルファス・カルコゲナイド薄膜の成膜方法としては、Geターゲットと例えば、Ge20Se80などの組成のGe-Se化合物ターゲットを用いた同時スパッタリング法を用いることができる。例えば、1×10-6Pa程度まで減圧されたスパッタリングチャンバー内部に、アルゴン(Ar)ガスを導入し、Geターゲットに10W~500WのDC電力またはRF電力を印加し、Ge-Se化合物ターゲットに100W~2kWのRF電力を印加する。Ge-Se化合物ターゲットの組成、あるいは、同時スパッタリングする際のGeターゲットとGe-Se化合物ターゲットに印加する電力を調整することにより、非線形抵抗層103の組成を調整することができる。また、同時スパッタリングする際に、アルゴン(Ar)ガスに加えて窒素(N)ガスを用いると、非線形抵抗層103に窒素を添加することができる。
本実施形態では、例えば、組成がGe47Se53であり、膜厚約50nmのアモルファス・カルコゲナイド薄膜を形成する。
次に、第2中間層104を形成する。
第2中間層104としては、例えば、膜厚2nmのTi膜を堆積する。
Ti膜の成膜方法としては、第1中間層102と同様に、DCスパッタリング法を用いることができる。
次に、第2電極105を形成する。
第2電極105としては、例えば、膜厚25nmのTiN膜を堆積する。
第2電極105の成膜方法としては、第1電極101と同様に、アルゴン(Ar)ガスと窒素(N)ガスを用いた、DCスパッタリング法を用いる。
第2中間層104と第2電極105は、ガスを切り替えるのみで、同一真空中において連続的に形成することができる。
上述の形成方法によって得られた積層体を素子化するためには、いわゆるフォトリソグラフィーとドライエッチングによる微細加工技術を用いることが好適である。
図2は、本実施形態の非線形抵抗素子の電流-電圧特性(I-V特性)の一例を示す図である。
この非線形抵抗素子は、強い非線形を示し、特に1.4V近傍に急激な電流の飛躍が見られる。また、この非線形抵抗素子は、0.25V印加時に流れる電流と、2V印加時に流れる電流の比から定義する非線形性NL(2V/0.25V)が約1×10である。本実施形態の非線形抵抗素子では、このような電気特性が安定的に得られた。
(第1の実施形態の比較例)
図3を用いて、第1の実施形態の比較例として、関連技術による2端子の非線形抵抗素子の一例を説明する。
図3に示すように、関連技術による非線形抵抗素子300は、第1電極301と、非線形抵抗層303と、第2電極305とが、この順に積層された構造をなしている。
第1電極301および第2電極305の材料としては、例えば、Ti、V、Zr、Nb、Ta、HfまたはWのいずれか1種を主成分とする金属の窒化物を用いることができる。
非線形抵抗層303は、アモルファス・カルコゲナイド薄膜からなる。アモルファス・カルコゲナイド薄膜の材料としては、GeおよびSiの少なくとも1種と、Se、TeおよびSからなる群から選択される少なくとも1種とを含むアモルファス・カルコゲナイドを用いることができる。アモルファス・カルコゲナイド薄膜は、さらに、As、SbおよびNからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
以下、関連技術による非線形抵抗素子の具体的な形成方法を示す。
第1電極301として、例えば、膜厚10nmのTiN膜を基板上に堆積する。
TiN膜の成膜方法としては、DCスパッタリング法を用いることができる。例えば、1×10-6Pa程度まで減圧されたスパッタリングチャンバー内部に、アルゴン(Ar)ガスと窒素(N)ガスを導入し、チタン(Ti)ターゲットに500W~2kWの直流(DC)電力を印加することにより、TiN膜を堆積する。
次に、非線形抵抗層303を形成する。
非線形抵抗層303としては、例えば、膜厚50nmのGe-Se系のカルコゲナイドのアモルファス膜(アモルファス・カルコゲナイド薄膜)を堆積する。
アモルファス・カルコゲナイド薄膜の成膜方法としては、Geターゲットと例えば、Ge20Se80などの組成のGe-Se化合物ターゲットを用いた同時スパッタリング法を用いることができる。例えば、1×10-6Pa程度まで減圧されたスパッタリングチャンバー内部に、アルゴン(Ar)ガスを導入し、Geターゲットに10W~500WのDC電力またはRF電力を印加し、Ge-Se化合物ターゲットに100W~2kWのRF電力を印加する。Ge-Se化合物ターゲットの組成、あるいは、同時スパッタリングする際のGeターゲットとGe-Se化合物ターゲットに印加する電力を調整することにより、非線形抵抗層303の組成を調整することができる。また、同時スパッタリングする際に、アルゴン(Ar)ガスに加えて窒素(N)ガスを用いると、非線形抵抗層303に窒素を添加することができる。
本比較例では、例えば、組成がGe47Se53であり、膜厚約50nmのアモルファス・カルコゲナイド薄膜を形成する。
次に、第2電極305を形成する。
第2電極305としては、例えば、膜厚25nmのTiN膜を堆積する。
第2電極305の成膜方法としては、第1電極301と同様に、アルゴン(Ar)ガスと窒素(N)ガスを用いた、DCスパッタリング法を用いる。
本比較例の非線形抵抗素子300では、一部の素子で、図2と同様な非線性の強い電気特性が得られたが、素子に流れる電流値(抵抗)には大きなばらつきがあり、安定しなかった。
本発明の第1の実施形態の非線形抵抗素子と比較例の非線形抵抗素子の性質を比較するために、JIS K 5600-5-6:1999(ISO 2409:1992)に準拠する方法で付着試験を行った。
はじめに、図3に示す関連技術による構造を有する、比較例の非線形抵抗素子の膜構造を300mmウェハ上に成膜した。
成膜直後と、350℃で30分間の熱処理を施した後に、非線形抵抗素子の付着試験を行った。
350℃で30分間の熱処理は、素子集積化のために必要な最低限の熱処理条件を模擬している。
付着試験の結果を表1に示す。
Figure 0007426119000001
表1中の数値は、剥がれが生じた格子のおおよその割合を示す。
比較例の非線形抵抗素子では、成膜直後には良好な付着性を示しているが、350℃で30分間の熱処理を施した後では、付着力が大きく低下していた。特に300mmウェハの中央部では、格子が剥がれ易くなっていることが分かる。剥がれが生じているのは、主に、第2電極305と非線形抵抗層303の間の界面であった。
同様に、図1に示す構造を有する、第1の実施形態の非線形抵抗素子の膜構造を300mmウェハ上に成膜した。
成膜直後と、350℃で30分間の熱処理を施した後に、非線形抵抗素子の付着試験を行った。
付着試験の結果を表1に示す。
本発明の第1の実施形態の非線形抵抗素子では、350℃で30分間の熱処理を施した後においても、付着力が維持され、ウェハ外周部でわずかな剥がれが生じているのみであった。
したがって、関連技術による非線形抵抗素子の膜構造では、素子集積化プロセス中の熱履歴のために、多層膜間での付着力が低下し、その結果、第2電極305と非線形抵抗層303の間の界面の接触抵抗が大きくなる。また、表1のように、熱処理後の付着力はウェハ面内で大きな分布をもっており、第2電極305と非線形抵抗層303の間の界面の接触抵抗は、ウェハ面内で大きな分布をもっている。その結果、関連技術による膜構造の非線形抵抗素子では、素子に流れる電流(抵抗)値には大きなばらつきがあり、安定した電気特性が得られないことが分かった。
本発明の第1の実施形態の非線形抵抗素子の膜構造では、350℃の熱処理後も、多層膜間で十分な付着力が維持され、第2電極105と第2中間層104の界面の接触抵抗、および、第2中間層104と非線形抵抗層103の界面の接触抵抗が安定する。その結果、均一性が高く、安定した電気特性をもつ非線形抵抗素子を得ることができた。
さらに、本発明の第1の実施形態の非線形抵抗素子では、金属電極とアモルファス・カルコゲナイド薄膜の界面には、ショットキーバリヤが生じる。例えば、Tiの仕事関数は4.33eVであり、窒化物であるTiNの仕事関数4.7eVより小さく、Tiはより電子供給源となりやすい。その結果、本発明の第1の実施形態の非線形抵抗素子は、ショットキーバリヤを抑制し、安定な電気コンタクトが得られる。その結果、本発明の第1の実施形態の非線形抵抗素子は、非線形抵抗素子をプログラミングする際の選択性、書き込みの均一性、安定性が向上する。
このように、本発明の第1の実施形態の非線形抵抗素子において、第1中間層102および第2中間層104の金属材料は、非線形抵抗層103との密着性の制御と、仕事関数の制御の観点から選択される。その結果、非線形抵抗層103と第1電極101および第2電極105との接触抵抗が安定し、均一性が高く、安定した電気特性をもつ非線形抵抗素子を得ることができる。
(第2の実施形態)
本実施形態は、本発明の第2の例として、第1の実施形態の非線形抵抗素子100を構成する非線形抵抗層103の組成および膜厚を変化させた2端子の選択素子(セレクタ)に関するものである。
本実施形態で作製した非線形抵抗層103の組成および膜厚を表2に示す。
Figure 0007426119000002
試料1は、非線形抵抗層103におけるGeの割合が45.3at%、Seの割合が54.7at%、膜厚が約50nmであった。試料2は、非線形抵抗層103におけるGeの割合が43.6at%、Seの割合が56.4at%、膜厚が約143nmであった。試料3は、非線形抵抗層103におけるGeの割合が57.3at%、Seの割合が42.7at%、膜厚が約39nmであった。
また、カルコゲナイド材料の組成から平均配位数を求めることができる。例えば、GeとSiの合計の組成割合をx、AsとSbとNの合計の組成割合をy、SとSeとTeの合計の組成割合をzとすると、平均配位数を、4x+3y+2zで表すことができる(ただし、x+y+z=1である。)。試料1、試料2および試料3の平均配位数も表2に示す。平均配位数は、本実施形態において説明したGe-Se系のみならず、As-Se系、Ge-Sb-Te系、Ge-Sb-Se系、Ge-As-Se系、Ge-As-Te系、あるいは、より複雑なGe-Sb-N-Se系、Ge-Si-As-Se系などにおいても同様に算出できる。
図4は、試料1、試料2および試料3の非線形抵抗素子の電気特性を示す図である。
表2から、試料1の平均配位数は2.93であり、図4から、約1.4Vに明快な電流ジャンプが見られた。試料1の非線形抵抗素子は、低バイアス時には高抵抗状態で、1.4V以上の高バイアス時には低抵抗状態となり、強い非線形性を示した。
表2から、試料2の平均配位数は2.87であり、図4から、約3.6Vに明快な電流ジャンプが見られた。試料2の非線形抵抗素子も強い非線形性を示した。
試料1と試料2の電流ジャンプが生じる電圧の差異は、膜厚が異なることに起因する。より膜厚の厚い試料2では、スイッチ電圧が試料1よりも高くなっている。試料1と試料2を比較すると、電流ジャンプが生じる電圧は、膜厚で調整可能であることが分かる。
表2から、試料3の平均配位数は3.15であり、電流ジャンプは見られなかった。試料3の非線形抵抗素子は、試料1および試料2の非線形抵抗素子とは異なり、低バイアス下でも低抵抗状態であり、非線形性が弱い電気特性を有していた。
試料1および試料2と、試料3とでは、組成が異なっている。その結果、組成から算出される平均配位数も異なっている。非特許文献2には、カルコゲナイドガラスのバルク材料に関して平均配位数とバンドギャップなどの物性の関連性について記載されている。非特許文献2によれば、バルクのカルコゲナイドガラスでは、平均配位数が2.4から2.67に大きくなるに従い、バンドギャップが大きくなる。平均配位数が2.67でバンドギャップは極大となり、さらに平均配位数が大きくなるとバンドギャップは急激に低下する。
試料1の高抵抗状態の電気特性について解析すると、図5に示すように、印加電界の平方根(E1/2)と、電流密度/印加電界(J/E)の対数との関係がほぼ線形であった。したがって、試料1の非線形抵抗素子の高抵抗状態では、プール=フレンケル型の伝導が起きていると考えられる。プール=フレンケル型の伝導では、バンドギャップの大きさと、電荷トラップの深さおよび密度とが、電気特性に重要な影響を与える。第2の実施形態の結果から導かれることは、平均配位数が3.15では、プール=フレンケル型の伝導を示す高抵抗状態となるためには、十分なバンドギャップが確保されず、必要な非線形性が得られないということである。非線形性を得るためには、平均配位数を3以下とし、十分なバンドギャップを確保し、プール=フレンケル型の伝導による高抵抗状態を出現させる必要がある。平均配位数が3以下となる組成は、例えば、Ge(+Si)-Se系では、GeとSiを合わせた組成比が50at%以下である。この時の組成は、例えば、Ge50Se50、または、Ge25Si25Se50などである。さらにバンドギャップを大きくする場合には、平均配位数を下げればよく、SiあるいはGeの組成比を下げればよい。
また、Ge22As20Se58のカルコゲナイドガラス材とSiあるいはGeの同時スパッタ法などで組成を調整する場合には、GeとSiを合わせた組成比が43at%以下の時に平均配位数が3以下となる。この時の組成は、例えば、Ge42at%、As15at%、Se43at%、あるいは、Ge16at%、Si26at%、As15at%、Se43at%などである。さらにバンドギャップを大きくする場合には、平均配位数を下げればよく、SiあるいはGeの組成比を下げればよいことは明らかである。
カルコゲナイドガラス材からなるスパッタターゲットは、一般的な焼結体からなるターゲットに比べて、ターゲットの組成の均一性に優れている。その結果、組成の均一性に優れたアモルファス・カルコゲナイド薄膜を得ることができるため、製造した素子のばらつきが小さく、かつ歩留まりを高く維持することができる利点を有する。
As40Se60のカルコゲナイドガラス材とSiあるいはGeの同時スパッタ法などで組成を調整する場合には、GeとSiを合わせた組成比が37.5at%以下の時に平均配位数が3以下となる。この時の組成は、例えば、Ge37.5at%、As25at%、Se37.5at%、または、Si37.5at%、As25at%、Se37.5at%、あるいは、Ge17.5at%、Si20at%、As25at%、Se37.5at%などである。GeとSiを合わせた組成比が37.5at%であれば、SiとGeの割合を変えても平均配位数は同じである。さらにバンドギャップを大きくする場合には、平均配位数を下げればよく、SiあるいはGeの組成比を下げればよい。
Sb40Se60のカルコゲナイドガラス材とSiあるいはGeの同時スパッタ法などで組成を調整する場合には、GeとSiを合わせた組成比が37.5at%以下の時に平均配位数が3以下となる。この時の組成は、例えば、Ge37.5at%、Sb25at%、Se37.5at%、または、Si37.5at%、Sb25at%、Se37.5at%、あるいは、Ge17.5at%、Si20at%、Sb25at%、Se37.5at%などである。GeとSiを合わせた組成比が37.5at%であれば、SiとGeの割合を変えても平均配位数は同じである。さらにバンドギャップを大きくする場合には、平均配位数を下げればよく、SiあるいはGeの組成比を下げればよい。
GeAsSeのカルコゲナイドガラス材とSiあるいはGeの同時スパッタ法などで組成を調整する場合には、GeとSiを合わせた組成比が37.5at%以下の時に平均配位数が3以下となる。この時の組成は、例えば、Ge37.5at%、As25at%、Se37.5at%、あるいは、Ge12.5at%、Si25at%、As25at%、Se37.5at%などである。SiとGeを合わせた組成比が37.5at%であれば、SiとGeの割合を変えても平均配位数は同じである。さらにバンドギャップを大きくする場合には、平均配位数を下げればよく、SiあるいはGeの組成比を下げればよい。
また、本実施形態の非線形抵抗素子の膜構造は、上述のプール=フレンケル型の伝導を安定化する点でも効果がある。プール=フレンケル型の伝導では、電荷トラップの深さと密度は、バンドギャップと同様に電気特性を決定づける重要な因子である。
さて、図3に示す関連技術による構造を成膜する場合、非線形抵抗層303であるアモルファス・カルコゲナイド薄膜の直上に金属の窒化物からなる第2電極305を成膜する際に、窒素ガスを混合したプラズマを用いる。この窒素を混合したプラズマは、非線形抵抗層303であるアモルファス・カルコゲナイド薄膜の表面を叩き、アモルファス・カルコゲナイド薄膜中に窒素をドーピングする。また、第1電極301を成膜する際にも、窒素ガスを混合したプラズマを用いるが、成膜終了後にプラズマを止めた後も雰囲気中に窒素ガスが残留しているため、第1電極301の表面には窒素分子が吸着する。この吸着した窒素分子は、次に成膜する非線形抵抗層303であるアモルファス・カルコゲナイド薄膜に取り込まれ、第2電極305の成膜時と同様に、非線形抵抗層303であるアモルファス・カルコゲナイド膜中へ窒素をドーピングする要因となる。こうしたプラズマのイオンボンバ-ドメントや吸着分子による窒素ドーピングは制御が困難である。
しかし、非線形抵抗層303であるアモルファス・カルコゲナイド薄膜にドーピングされた窒素は、局所的に平均配位数を変化させるとともに、Ge、Siなどと結合する。Ge-N、あるいは、Si-Nなどの結合は電荷トラップサイトとなり、プール=フレンケル型の伝導に影響する。その結果、関連技術による構造の非線形抵抗素子では、意図しない窒素ドーピングの影響で、素子特性がばらつきやすい。
本実施形態の非線形抵抗素子の膜構造は、非線形抵抗層103であるアモルファス・カルコゲナイド薄膜の直下に、純金属である第1中間層102が配置されている。また、非線形抵抗層103であるアモルファス・カルコゲナイド薄膜の直上には、純金属である第2中間層104が配置されている。したがって、第1中間層102および第2中間層104の成膜時に窒素を用いない。その結果、意図しない窒素ドープを抑制でき、非線形抵抗素子の電気特性が安定し、均一性が向上する。
(第3の実施形態)
上述のような非線形抵抗素子を集積回路内に作り込む場合には、一般的な集積回路プロセスとの整合性を確保する必要がある。一般的に遷移金属の窒化物は、金属単体に比べて、酸化や、腐食性ガス、およびそれらのプラズマに耐性があり、かつ、リソグラフィーや、ドライエッチングの工程との整合性が高い。したがって、非線形抵抗素子を集積回路内に作り込む場合には、集積回路プロセスと整合させるために、素子の上面、また、下面を金属窒化物で覆っておくことが好適である。
図6は、集積回路内に作り込まれた非線形抵抗素子を示す断面図である。
図6に示すように、非線形抵抗素子600は、第1電極601と、第1中間層602と、非線形抵抗層603と、第2中間層604と、第2電極605と、第1絶縁膜606と、第2絶縁膜607と、Cu電極608と、基板609と、を有する。
基板609上にCu電極608が形成され、Cu電極608が第1絶縁膜606と第2絶縁膜607で埋め込まれている。第2絶縁膜607には開口部が設けられ、開口部を覆うように第1電極601としてTiN膜が形成されている。TiN膜によりCu電極608が覆われているため、第1中間層602、非線形抵抗層603、第2中間層604、第2電極605などを成膜中に、Cu電極608が酸化、あるいは、腐食されることを防ぐことができる。さらに、第1電極601の上には、第1中間層602として、例えば、Ti膜が形成され、さらに第1中間層602の上には、非線形抵抗層603としてアモルファス・カルコゲナイド薄膜が形成されている。また、非線形抵抗層603の上には、第2中間層604として、例えば、Ti膜が形成されている。さらに、第2中間層604の上には、第2電極605としてTiN膜が形成されている。
非線形抵抗素子600は、さらに絶縁膜(不図示)で埋め込まれ、その絶縁膜には、第2電極605に至るスルーホール(不図示)が形成される。スルーホール形成時のエッチングストッパー、および、電気コンタクト材料として、TiNに代表される金属窒化物は、プロセス整合性、ならびに、電気特性の観点でも優れている。なお、第1電極601および第2電極605を構成する窒化物材料は、それぞれ、第1中間層602および第2中間層604を構成する電極材料の金属窒化物とすると、成膜装置の構成、および、効率的な製造工程を構成する上で好適である。
第1中間層602および第2中間層604は、例えば、Ti、V、Zr、Nb、Ta、HfまたはWのいずれか1種を主成分とする金属からなる。
第1電極601および第2電極605は、例えば、Ti、V、Zr、Nb、Ta、HfまたはWのいずれか1種を主成分とする金属の窒化物からなる。
第1電極601は第1中間層602の材料の窒化物からなり、第2電極605は第2中間層604の材料の窒化物からなることが好ましい。
非線形抵抗層603は、アモルファス・カルコゲナイド薄膜からなる。アモルファス・カルコゲナイド薄膜の材料としては、GeおよびSiの少なくとも1種と、Se、TeおよびSからなる群から選択される少なくとも1種とを含むアモルファス・カルコゲナイドを用いることができる。アモルファス・カルコゲナイド薄膜は、さらに、As、SbおよびNからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
非線形抵抗層603の平均配位数は、3.0以下になるように組成を調整する。
(第4の実施形態)
本実施形態は、本発明の第3の例として、第1の実施形態で説明した非線形抵抗素子と不揮発性の抵抗変化素子を含むスイッチング素子を有するクロスバースイッチに関するものである。
不揮発性の抵抗変化素子は、活性電極と、不活性電極と、前記活性電極および前記不活性電極に挟まれた抵抗変化膜とで構成された2端子型の素子である。詳細は、日本再表2016-203751号公報などに開示されている。
本実施形態のクロスバースイッチの構成を説明する。
図7は、本実施形態のクロスバースイッチの構成の一例を示す等価回路図である。
図7に示すように、本実施形態のクロスバースイッチ700は、アレイ状に設けられた複数のスイッチング素子730を有する。スイッチング素子730は、論理回路の信号経路中に設けられたスイッチング素子に相当する。
スイッチング素子730は、不揮発性抵抗変化素子731、732と、非線形抵抗素子721、722とを有する。
不揮発性抵抗変化素子731、732は、それぞれの不活性電極同士が接続されている。不揮発性抵抗変化素子731の活性電極は、第1配線741に接続されている。
不揮発性抵抗変化素子732の活性電極は、第2配線742に接続されている。
非線形抵抗素子721の2つの電極のうち、一方の電極が不揮発性抵抗変化素子731の不活性電極に接続され、他方の電極が第3配線743に接続されている。
非線形抵抗素子722の2つの電極のうち、一方の電極が不揮発性抵抗変化素子732の不活性電極に接続され、他方の電極が第4配線744に接続されている。
図7に示す例では、第1配線741と第3配線743が平行に配置され、第2配線742と第4配線744が平行に配置されている。第1配線741および第3配線743は、他の2つの配線(第2配線742および第4配線744)と直交している。
次に、図7に示すスイッチング素子730のプログラミングの方法を説明する。
不揮発性抵抗変化素子731をON状態(低抵抗状態)へ遷移させる場合、第3配線743を接地(グラウンドに接続)し、第1配線741に閾値電圧(セット電圧)以上の正電圧を印加する。
一方、不揮発性抵抗変化素子731をON状態からOFF状態(高抵抗状態)へ遷移させる場合、第1配線741を接地(グラウンドに接続)し、第3配線743に閾値電圧(リセット電圧)以上の正電圧を印加する。
また、不揮発性抵抗変化素子732をON状態へ遷移させる場合、第4配線744を接地(グラウンドに接続)し、第2配線742に閾値電圧(セット電圧)以上の正電圧を印加する。
一方、不揮発性抵抗変化素子732をON状態からOFF状態へ遷移させる場合、第2配線742を接地(グラウンドに接続)し、第4配線744に閾値電圧(リセット電圧)以上の正電圧を印加する。
このようにして、不揮発性抵抗変化素子731のプログラミングは非線形抵抗素子721を介して行い、不揮発性抵抗変化素子732のプログラミングは非線形抵抗素子722を介して行うことができる。
上述したように、本発明の第1の実施形態の非線形抵抗素子は優れた非線形性を有している。そのため、プログラミング対象の不揮発性抵抗変化素子を選択するための2端子の選択素子として第1の実施形態の非線形抵抗素子を用いることで、スイッチング素子の誤書き込みおよび誤動作を防止することが可能となる。その結果、選択トランジスタを用いない不揮発スイッチング素子を実現でき、集積度と高信頼性に優れたクロスバースイッチを提供することができる。これにより、優れたFPGAを製造できる。
(第5の実施形態)
第4の実施形態で述べた非線形抵抗素子と不揮発性の抵抗変化素子を含むスイッチング素子を具現化するための素子構造について説明する。
図8は、半導体装置の素子構造を示す断面図である。
図8に示す半導体装置800は、スイッチング素子822a、822bを有する。
スイッチング素子822aは、不揮発性抵抗変化素子の活性電極(第1配線805a)と、不揮発性抵抗変化素子の抵抗変化膜809と、第1電極810と、非線形抵抗層811と、第2電極812とを有する。
第1電極810は、不揮発性抵抗変化素子の不活性電極と、非線形抵抗素子の第1電極(図1に示す第1電極101に相当)と、非線形抵抗素子の第1中間層(図1に示す第1中間層102に相当)とを、兼ね備えた多層膜である。
また、第2電極812は、非線形抵抗素子の第2中間層(図1に示す第2中間層104に相当)と、非線形抵抗素子の第2電極(図1に示す第2電極105に相当)とを、兼ね備えた多層膜である。
活性電極(第1配線805a)と、抵抗変化膜809と、第1電極810とから、不揮発性抵抗変化素子が形成され、第1電極810と、非線形抵抗層811と、第2電極812とから、非線形抵抗素子が形成されている。さらに、図8に示す積層体840は、抵抗変化膜809、第1電極810、非線形抵抗層811および第2電極812に相当する。
スイッチング素子822bは、スイッチング素子822aと同様に、活性電極(第1配線805b)と、抵抗変化膜809と、第1電極810と、非線形抵抗層811と、第2電極812とを有する。
スイッチング素子822a、822bは、抵抗変化膜809、第1電極810および非線形抵抗層811を共用している構成である。また、スイッチング素子822a、822bのそれぞれに制御電極の役目を果たす第2電極812が設けられている。スイッチング素子822aの第2電極812は、バリアメタル820a、プラグ819aを介して、第2配線818aと接続されている。スイッチング素子822bの第2電極812は、バリアメタル820b、プラグ819bを介して第2配線818bと接続されている。
図8に示すように、多層配線構造は、半導体基板(不図示)上に、層間絶縁膜802、バリア絶縁膜803、層間絶縁膜804、絶縁性バリア膜807、保護絶縁膜814、層間絶縁膜817、ハードマスク膜816、およびバリア絶縁膜821の順に積層した絶縁積層体を有する。多層配線構造は、第1配線805a、805bと、第2配線818a、818bを有する。第1配線805a、805bは、層間絶縁膜804およびバリア絶縁膜803に形成された配線溝にバリアメタル806a、806bを介して、埋め込まれている。第2配線818a、818bおよびプラグ819a、819bは、層間絶縁膜817およびハードマスク膜816に形成された配線溝に埋め込まれている。第2配線818aとプラグ819aとが一体となっており、第2配線818aおよびプラグ819aの側面および底面がバリアメタル820aによって覆われている。
絶縁性バリア膜807に形成された開口部にスイッチング素子822a、822bそれぞれの不揮発性抵抗変化素子の活性電極となる第1配線805a、805bの上面の一部が露出している。絶縁性バリア膜807の開口部の壁面および絶縁性バリア膜807上に、抵抗変化膜809、第1電極810、非線形抵抗層811および第2電極812が順に積層されている。スイッチング素子822a、822bは、非線形抵抗素子付き相補型抵抗変化素子である。
第2電極812を所望の形状に加工した後に、保護絶縁膜814が形成される。図8に示した素子構造では、抵抗変化膜809、第1電極810、非線形抵抗層811、第2電極812からなる積層体840の側面が保護絶縁膜814で覆われている。第1配線805a、805bが不揮発性抵抗変化素子の活性電極の役目を兼ねることで、製造工程数を簡略化し、かつ、電極抵抗を下げることができる。通常のCuダマシン配線プロセスに対する追加工程として、少なくとも2枚のマスクセットを作製するだけで、不揮発性抵抗変化素子を搭載することができ、素子の低抵抗化と低コスト化を同時に達成することができる。
スイッチング素子822a、822bに用いられる抵抗変化型不揮発素子は、本実施形態では、イオン伝導体中における金属イオン移動と電気化学反応とを利用している。不揮発性抵抗変化素子は、電圧の印加、あるいは電流を流すことでオン/オフの制御を行う。不揮発性抵抗変化素子は、例えば、抵抗変化膜809中への第1配線805a、805bに係る金属の電界拡散を利用してオン/オフの制御を行う。
図8に示す各膜の構成について説明する。
図8に示さない半導体基板は、半導体素子が形成された基板である。半導体基板には、例えば、シリコン基板、単結晶基板、SOI(Silicon on Insulator)基板、TFT(Thin Film Transistor)基板、液晶製造用基板等の基板を用いることができる。
層間絶縁膜802は、半導体基板上に形成された絶縁膜である。層間絶縁膜802には、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸化膜よりも比誘電率の低い低誘電率膜(例えば、SiOCH膜)等を用いることができる。層間絶縁膜802は、複数の絶縁膜を積層したものであってもよい。
層間絶縁膜804には、層間絶縁膜802と同種の膜を用いることが可能である。
バリア絶縁膜803は、層間絶縁膜802および層間絶縁膜804の間に設けられた、バリア性を有する絶縁膜である。バリア絶縁膜803は、第1配線805a、805bを配線溝に形成する際にエッチングストップ層としての役割を有する。バリア絶縁膜803としては、例えば、SiN膜、SiC膜、SiCN膜等を用いることができる。
絶縁性バリア膜807は、層間絶縁膜804上に形成された絶縁膜である。絶縁性バリア膜807には、例えば、シリコン酸化膜、シリコン酸化膜よりも比誘電率の低い低誘電率膜(例えば、SiOCH膜)等を用いることができる。絶縁性バリア膜807は、複数の絶縁膜を積層したものであってもよい。
層間絶縁膜804およびバリア絶縁膜803には、第1配線805a、805bを埋め込むための配線溝が形成されており、当該配線溝にバリアメタル806a、806bを介して第1配線805a、805bが埋め込まれている。
第1配線805a、805bは、層間絶縁膜804およびバリア絶縁膜803に形成された配線溝にバリアメタル806a、806bを介して埋め込まれた配線である。第1配線805a、805bは、スイッチング素子822a、822bの不揮発性抵抗変化素子の活性電極を兼ね、抵抗変化膜809と接触している。なお、第1配線805a、805bと抵抗変化膜809との間には、電極層などが挿入されていてもよい。電極層が形成される場合は、電極層と抵抗変化膜809は連続工程にて堆積され、連続工程にて加工される。また、抵抗変化膜809の下部がコンタクトプラグを介して下層配線に接続されることはない。第1配線805a、805bには、抵抗変化膜809において拡散、イオン電導が可能な金属が用いられ、例えば、Cu等を用いることができる。第1配線805a、805bは、AlやMnと合金化されていてもよい。
バリアメタル806a、806bは、第1配線805a、805bに係る金属が層間絶縁膜802や下層へ拡散することを防止するために、第1配線805a、805bの側面および底面を被覆する、バリア性を有する導電性膜である。例えば、第1配線805a、805bがCuを主成分とする金属元素からなる場合には、バリアメタル806a、806bには、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、炭窒化タングステン(WCN)のような高融点金属やその窒化物等、またはそれらの積層膜を用いることができる。
絶縁性バリア膜807は、第1配線805a、805bを含む層間絶縁膜804上に形成される。絶縁性バリア膜807は、第1配線805a、805bに係る金属(例えば、Cu)の酸化を防いだり、層間絶縁膜804中への第1配線805a、805bに係る金属の拡散を防いだり、第2電極812、非線形抵抗層811、第1電極810および抵抗変化膜809の加工時にエッチングストップ層としての役割を果たしたりする。絶縁性バリア膜807には、例えば、SiC膜、SiCN膜、SiN膜、およびそれらの積層構造等を用いることができる。絶縁性バリア膜807は、保護絶縁膜814およびハードマスク膜816と同一材料であることが好ましい。
絶縁性バリア膜807は、第1配線805a、805b上にて開口部を有する。絶縁性バリア膜807の開口部においては、第1配線805a、805bと抵抗変化膜809が接している。絶縁性バリア膜807の開口部は、第1配線805a、805bの領域内に形成されている。このようにすることで、凹凸の小さい第1配線805a、805bの表面上に不揮発性抵抗変化素子を形成することができるようになる。絶縁性バリア膜807の開口部の壁面は、第1配線805a、805bから離れるにしたがって広くなるテーパ面となっている。絶縁性バリア膜807の開口部のテーパ面は、第1配線805a、805bの上面に対し85°以下に設定されている。このようにすることで、第1配線805a、805bと抵抗変化膜809の接続部の外周(絶縁性バリア膜807の開口部の外周部付近)における電界集中が緩和され、絶縁耐性を向上させることができる。
抵抗変化膜809は、抵抗が変化する膜である。抵抗変化膜809には、第1配線805a、805b(不揮発性抵抗変化素子の下部電極(活性電極))に係る金属の作用(拡散、イオン伝導など)により抵抗が変化する材料を用いることができる。該不揮発性抵抗変化素子の抵抗変化を金属イオンの析出によって行う場合には、抵抗変化膜809としてイオン伝導可能な膜が用いられる。例えば、Taを含む酸化物絶縁膜であるTa、TaSiO等を用いることができる。また、抵抗変化膜809は、下からTa、TaSiOの順に積層した積層構造とすることができる。このような積層構造とすることで、抵抗変化膜809を固体電解質として用いた場合には、低抵抗時(オン時)にイオン伝導層内部に形成される金属イオン(例えば、銅イオン)よる架橋を、Ta層で分断することで、オフ時に金属イオンを容易に回収することができるようになり、スイッチング特性を向上させることができる。抵抗変化膜809は、第1配線805a、805b、絶縁性バリア膜807の開口部のテーパ面、および絶縁性バリア膜807上に形成されている。第1配線805a、805bと抵抗変化膜809の接続部にある抵抗変化膜809の外周部分は、少なくとも絶縁性バリア膜807の開口部のテーパ面上に沿って設けられている。
多層構造の第1電極810のうち、抵抗変化膜809と直接接している下側の層には、第1配線805a、805bに係る金属よりもイオン化し難く、抵抗変化膜809において拡散、イオン電導し難い金属が用いられることが好ましい。例えば、Pt、Ru等を用いることができる。また、Pt、Ru等の金属材料を主成分としたRuTa、RuTiなどを用いてもよい。第1電極810は下側の面で抵抗変化膜809と直接接しており、上側の面で非線形抵抗層811に接している。第1電極810のうち、非線形抵抗層811と接している上層(図1に示す第1中間層102に相当)には、仕事関数の制御、および、密着性の制御のために、例えば、Ti、V、Zr、Nb、Ta、Hf、Wなどが用いられる。また、第1電極810内部での相互拡散を防ぐために、第1電極810の中間の層には金属窒化物を挿入することが好適である。第1電極810の中間の層(図1に示す第1電極101に相当)としては、例えば、Ti、V、Zr、Nb、Ta、Hf、Wなどの窒化物が好適である。
非線形抵抗層811(図1に示す非線形抵抗層103に相当)には、アモルファスのカルコゲナイド材料を用いる。例えば、GeおよびSiの少なくとも1種と、Se、TeおよびSからなる群から選択される少なくとも1種とを含むアモルファス・カルコゲナイドを用いることができる。さらに、非線形抵抗層811は、As、SbおよびNからなる群から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。非線形抵抗層811には、Ge-Se系、As-Se系、Ge-Sb-Te系、Ge-Sb-Se系、Ge-As-Se系、Ge-As-Te系、Ge-Sb-N-Se系、あるいは、Ge-Si-As-Se系などのアモルファスのカルコゲナイド材料が適しており、十分な非線形を得るためには、平均配位数が3.0以下となるように組成を調整する。
第2電極812は、多層構造である。第2電極812は、下側の面で非線形抵抗層811に接している。第2電極812のうち、非線形抵抗層811と接している下層(図1に示す第2中間層104に相当)には、仕事関数の制御、および、密着性の制御のために、例えば、Ti、V、Zr、Nb、Ta、Hf、Wなどが用いられる。第2電極812は、上側の面でバリアメタル820a、820bに接している。第2電極812のうち、バリアメタル820a、820bと接している上層(図1に示す第2電極105に相当)には、窒化物等を用いることができる。例えば、Ti、V、Zr、Nb、Ta、Hf、Wなどの窒化物が好適である。第2電極812の上層は、プラグ819a、819bを形成するためのビアホールの加工を施す際にエッチングストッパーとして機能する。
第2電極812は、バリアメタル820a、820bを介してプラグ819a、819bと電気的に接続されている。第2電極812とプラグ819a、819b(厳密にはバリアメタル820a、820b)とが接する領域の円の直径R2(またはその領域の面積)は、第1配線805a、805bと抵抗変化膜809とが接する領域の円の直径R1(またはその領域の面積)よりも小さくなるように設定されている。このように設定することで、第2電極812とプラグ819a、819bとの接続部となる、層間絶縁膜817に形成された下穴へのめっき(例えば、銅めっき)の埋め込み不良が抑制され、ボイドの発生を抑制することができるようになる。
保護絶縁膜814と絶縁性バリア膜807とは、同一材料であることが好ましい。すなわち、スイッチング素子822a、822bの周囲を全て同一材料で囲むことで材料の界面が一体化され、外部からの水分などの浸入を防ぐとともに、スイッチング素子822a、822b自身からの酸素の脱離を防ぐことができるようになる。
保護絶縁膜814は、スイッチング素子822a、822bにダメージを与えることなく、さらに抵抗変化膜809からの酸素の脱離を防ぐ機能を有する絶縁膜である。保護絶縁膜814には、例えば、SiN膜、SiCN膜等を用いることができる。保護絶縁膜814は、ハードマスク膜816および絶縁性バリア膜807と同一材料であることが好ましい。これらの膜が同一材料である場合には、保護絶縁膜814と絶縁性バリア膜807およびハードマスク膜816とが一体化して、界面の密着性が向上し、スイッチング素子822a、822bをより保護することができるようになる。
層間絶縁膜817は、保護絶縁膜814上に形成された絶縁膜である。層間絶縁膜817には、例えば、シリコン酸化膜(SiO)、SiOC膜、シリコン酸化膜よりも比誘電率の低い低誘電率膜(例えば、SiOCH膜)などを用いることができる。層間絶縁膜817は、複数の絶縁膜を積層したものであってもよい。層間絶縁膜817には、プラグ819a、819bを埋め込むための下穴と、第2配線818a、818bを埋め込むための配線溝が形成されている。これら下穴と配線溝にバリアメタル820a、820bを介してプラグ819a、819bおよび第2配線818a、818bが埋め込まれている。
第2配線818a、818bは、層間絶縁膜817に形成された配線溝にバリアメタル820a、820bを介して埋め込まれた配線である。第2配線818aはプラグ819aと一体になっている。プラグ819aは、層間絶縁膜817およびハードマスク膜816に形成された下穴に、バリアメタル820aを介して埋め込まれている。プラグ819aは、バリアメタル820aを介してスイッチング素子822aと電気的に接続されている。第2配線818aおよびプラグ819aには、例えば、Cuを用いることができる。第2配線818bおよびプラグ819bは、第2配線818aおよびプラグ819aと同様な構成である。
バリアメタル820a、820bは、第2配線818a、818b(プラグ819a、819bを含む)に係る金属が層間絶縁膜817や下層へ拡散することを防止するために、第2配線818a、818bおよびプラグ819a、819bの側面および底面を被覆する、バリア性を有する導電性膜である。バリアメタル820a、820bには、例えば、第2配線818a、818bおよびプラグ819a、819bがCuを主成分とする金属元素からなる場合には、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、窒化チタン(TiN)、炭窒化タングステン(WCN)のような高融点金属やその窒化物等、またはそれらの積層膜を用いることができる。
バリア絶縁膜821は、第2配線818a、818bを含むハードマスク膜816上に形成され、第2配線818a、818bに係る金属(例えば、Cu)の酸化を防ぎ、上層への第2配線818a、818bに係る金属の拡散を防ぐ役割を有する絶縁膜である。バリア絶縁膜821には、例えば、SiC膜、SiCN膜、SiN膜、およびそれらの積層構造等を用いることができる。
以上の素子構造により、選択トランジスタを用いない不揮発スイッチング素子実現でき、集積度と高信頼性に優れたクロスバースイッチを提供することができる。これにより、優れたFPGAを製造できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述の例は、本発明の技術的思想に基づき種々に変形が可能である。
この出願は、2019年3月26日に出願された日本出願特願2019-059336号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、例えば、半導体装置に利用可能である。本発明によれば、電気特性に優れた2端子の選択素子(セレクタ)の製造が可能であり、回路の実装面積を小さくすることができる。
100 非線形抵抗素子
101 第1電極
102 第1中間層
103 非線形抵抗層
104 第2中間層
105 第2電極
300 非線形抵抗素子
301 第1電極
303 非線形抵抗層
305 第2電極
600 非線形抵抗素子
601 第1電極
602 第1中間層
603 非線形抵抗層
604 第2中間層
605 第2電極
606 第1絶縁膜
607 第2絶縁膜
608 Cu電極
609 基板
700 クロスバースイッチ
721、722 非線形抵抗素子
730 スイッチング素子
731、732 不揮発性抵抗変化素子
741 第1配線
742 第2配線
743 第3配線
744 第4配線
800 半導体装置
802 層間絶縁膜
803 バリア絶縁膜
804 層間絶縁膜
805a、805b 第1配線
806a、806b バリアメタル
807 絶縁性バリア膜
809 抵抗変化膜
810 第1電極
811 非線形抵抗層
812 第2電極
814 保護絶縁膜
816 ハードマスク膜
817 層間絶縁膜
818a、818b 第2配線
819a、819b プラグ
820a、820b バリアメタル
822a、822b スイッチング素子
840 積層体

Claims (3)

  1. 金属窒化物からなる第1電極と、
    金属からなる第1中間層と、
    アモルファス・カルコゲナイド薄膜からなる非線形抵抗層と、
    金属からなる第2中間層と、
    金属窒化物からなる第2電極とを、この順に同一真空内で積層する非線形抵抗素子の製造方法であって、
    前記アモルファス・カルコゲナイド薄膜からなる非線形抵抗層は、カルコゲナイドガラス材をターゲットとしてスパッタ成膜する非線形抵抗素子の製造方法。
  2. 前記カルコゲナイドガラス材ターゲットは、Ge、As、Seを含む請求項に記載の非線形抵抗素子の製造方法。
  3. 前記カルコゲナイドガラス材ターゲットの組成が、Ge22As20Se58である請求項に記載の非線形抵抗素子の製造方法。
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