JP7426074B2 - ビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーおよびフッ化物イオン検出用剤 - Google Patents

ビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーおよびフッ化物イオン検出用剤 Download PDF

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Description

本発明は、ビスマスを含むπ共役ポリマーおよびこのポリマーを含有するフッ化物イオン検出用剤に関する。
π共役ポリマーはその主鎖上をπ電子が非局在化していることから、従来のポリマーにない導電性や発光性などの特異的な性質を示す。π共役ポリマーの電子・光特性はポリマーの主鎖骨格の電子的性質に依存する。そのため、機能材料としてのπ共役ポリマーを合成するには、主鎖骨格の分子設計が重要である。
近年、周期表にある様々なヘテロ元素を複合したπ共役ポリマーが注目されている。このようなヘテロ元素の特徴を活かした分子設計を行うことで、新しい骨格を持つπ共役ポリマーを合成できれば、新たな電子・光特性が発現すると考えられる。例えば、π共役系を持つ分子にホウ素、リンまたはヒ素などのヘテロ元素を導入すると、ヘテロ元素のσ軌道とπ共役系との軌道間の相互作用(σ-π共役)などによって、共役長の拡張や蛍光発光効率の向上などの電子的効果が得られる。モノアリールボランと芳香族ジインとのハイドロボレーション重合により合成された、ホウ素を含有するπ共役ポリマーは、電子受容性の高いアリールボラン部位を有することで、ホウ素の空のp軌道を介してπ共役長が拡大した構造を有する。このポリマーは、剛直な構造を持つため、耐熱性および耐酸化性に優れるほか、強い青色蛍光性(λem=438nm)を有する。また、可視領域に吸収帯を持つため、黄色に呈色しており、フッ化物イオンに触れると、黄色から無色に呈色変化するとともに、蛍光をターンオフする性質を有する(特許文献1および非特許文献1)。
また、分子内に配置する化学種としてビスマスに着目したポリマーとして、ビスマスを含有するπ共役系ポリマーの報告例もある。ビスマスは、第15族第6周期に位置する最も重いヘテロ元素で、また、通常0、3、5価の酸化状態をとることから、特徴的な反応性を持つことが期待される。さらに有機ビスマス化合物は同族のアミンやホスフィンとは異なりルイス酸性を示すので、共役系ポリマーにこれまでにない光・電子特性を発現させるような化学構造を導入できると考えられる。しかしながら、一般に周期表の高周期のヘテロ元素を含有する化合物は、通常、ヘテロ元素-炭素間の結合が弱いため不安定で取り扱いが難しく、ビスマスを含有するπ共役系ポリマーもまたビスマス-炭素間結合が開裂しやすく、大気下で不安定である。
非特許文献2には、[(チオアシル)チオ]ビスマス(RCSS)xBiR1 3-x(R、R1=4-トリル基;x=1~3)、(アシルチオ)ビスマス(RCOS)BiR1 3-x(R、R1=4-トリル基;x=1~3)および(アシルセレノ)ビスマス(RCOSe)xBiR1 3-x(R、R1=4-トリル基;x=1~3)が開示されている。これらのうち、[(チオアシル)チオ]ビスマスは熱、酸素および水に安定であることが開示されている。
大気中で安定な有機系ビスマス化合物として、分子内にビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を含む化合物も報告されている(非特許文献3)。前記ビスマス-ジチオカルボキシレート錯体は、ビスマス原子が、フェニル基の炭素原子と、ジチオカルボキシレート基の4個の硫黄原子とで囲まれ、頂点方向にフェニル基を持つ歪んだ四角錐型の構造である。
特開平11-255902号公報
M. Miyata and Y. Chujo, Polymer.J, 2002, 34, 967 M. Kimura, A. Iwata, M. Itoh, K.Yamada, T. Kimura, N. Sugiura, M. Ishida and S. Kato, Helvetica Chimica Acta, 2006,89, 747 K. R. Chaudhari, N. Yadav, A.Wadawale, V. K. Jain and R. Bohra, Inorg. Chim. Acta, 2010, 363, 375
有機系ビスマス化合物は、橙色から赤茶色を呈し、また、安定であるためポリマーの主鎖骨格として用いることで、高い安定性が期待できる。また、ビスマスのルイス酸性に基づくフッ化物イオンなどの分子認識への応用も期待できる。そこで、本発明では、ビスマスを含有するπ共役系ポリマーにおけるビルディングブロックとして、ビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造に着目し、該ビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を主鎖中に導入したポリマーを合成することで、共役長を拡張するとともに、新しい電子構造や、発光特性などの特異な光物性を持つπ電子系ポリマーを開発することを目的とする。
本発明は以下の事項からなる。
本発明のビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーは、下記一般式(1)で表される構造を有する。
Figure 0007426074000001
一般式(1)中、Ar1は、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、Ar2は1または互いに連結した2以上のアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表し、Rは鎖中に1以上の酸素原子を含んでもよい、炭素原子数1~200の直鎖状または分岐状のアルキル基またはアルコキシ基を表し、mは0~30の整数を表し、nは1~1000の整数を表す。
本発明のビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーは、下記一般式(3)または(4)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 0007426074000002
一般式(3)または(4)中、Ar1は、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、Rは鎖中に1以上の酸素原子を含んでもよい、炭素原子数6~12の直鎖状または分岐状のアルキル基を表す。
本発明のフッ化物イオン検出用剤は、前記ビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーを含む。
本発明のビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーは、それ自体は蛍光性ではないが、1,4-ジオキサンのような極性溶媒に溶解させて、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)を添加すると、蛍光性を発現する。TBAFは極性溶媒中ではフッ化物イオンを遊離することから、本発明のビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーは、フッ化物イオンに対するターンオン型の蛍光応答を示すといえる。
前記ビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーは、その主鎖の繰り返し構造に相当するモデル化合物に比べて共役長が拡張されていることから、新たな電子・光特性が発現することが期待できる。
図1は、Bi錯体ポリマー(3)とそのモデル化合物の1HNMRスペクトルを示す。 図2は、Bi錯体ポリマー(3)にテトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)を添加する前と添加した後とのUV-vis吸収スペクトル(図2a)とPLスペクトル(図2b)を示す。 図3は、Bi錯体ポリマー(4)にTBAFを添加する前と添加した後とのUV-vis吸収スペクトル(図3a)とPLスペクトル(図3b)を示す。
以下、本発明について、詳細に説明する。
[ビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマー]
本発明のビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマー(以下単に「Bi錯体ポリマー」ともいう。)は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
Figure 0007426074000003
一般式(1)中、Ar1は、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、Ar2は1または互いに連結した2以上のアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表し、Rは鎖中に1以上の酸素原子を含んでもよい、炭素原子数1~200の直鎖状または分岐状のアルキル基またはアルコキシ基を表し、好ましくは6~12、より好ましくは8である。mは0~30の整数を表すが、2がより好ましく、nは1~1000の整数を表す。
また、本発明のBi錯体ポリマーは、主鎖の一部に脂肪族構造を含む、下記一般式(2)で表されるような共重合体も含む。
Figure 0007426074000004
一般式(2)中、R2は鎖中に1以上の酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子を含んでもよい、炭素原子数1~200の直鎖状または分岐状のアルキレン基またはオキシアルキレン基を示す。
Ar1は、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表す。
アリール基は、単環アリール基でも多環アリール基でもよく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基およびビフェニル基等が用いられる。これらのなかでも、合成の容易さや収率などの観点から、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基およびフルオレニル基等が好ましく、フェニル基がより好ましい。
ヘテロアリール基は、単環ヘテロアリール基でも多環ヘテロアリール基でもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、ピロリジル基、ピペリジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、ピペラジル基、トリアジニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、モルホリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、フラニル基、インドリル基、キノリル基、イソキノリル基、ベンゾイミダゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基、プリニル基、プテリジル基、ベンゾフラニル基、クマリル基、およびベンゾチオフェニル基等が用いられる。これらのなかでも、合成の容易さや収率などの観点から、チエニル基およびピロリル基等の単環ヘテロアリール基が好ましい。
アリール基またはヘテロアリール基は、その炭素原子上に、水素原子以外の原子または置換基を有していてもよい。前記置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、炭素原子数1~6のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)、炭素原子数1~6のハロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基等)、炭素原子数1~6のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、炭素原子数1~6のトリアルキルシリル基(例えば、t-ブチルジメチルシリル基等)、アシル基(R(C=O)-;Rは炭素原子数1~6のアルキル基)(例えば、アセチル基、プロピオニル基等)、アルコキシカルボニル基(RO(C=O)-;Rは炭素原子数1~6のアルキル基)(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アミノ基、およびジアルキルアミノ基(RR’N-;RまたはR’は炭素原子数1~6のアルキル基)等が挙げられる。これらの置換基の数は0~3個が好ましい。
Ar2は1または互いに連結した2以上のアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表す。つまり、1のアリーレン基またはヘテロアリーレン基であるか、2以上のアリーレン基またはヘテロアリーレン基が、単結合、-O-、-S-、-NH-もしくは-CH2-等のアルキレン基等により連結していてもよい。あるいは、アリーレン基またはヘテロアリーレン基に隣接して上記の-O-、-S-、-NH-もしくは-CH2-等のアルキレン基等を有していてもよい。
アリーレン基は、単環アリーレン基でも多環アリーレン基でもよい。例えば、下記のものが挙げられる。*は結合手の位置を表す。
Figure 0007426074000005
Figure 0007426074000006
Figure 0007426074000007
Figure 0007426074000008
Figure 0007426074000009
Figure 0007426074000010
Figure 0007426074000011
Figure 0007426074000012
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Figure 0007426074000015
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Figure 0007426074000022
Figure 0007426074000023
Figure 0007426074000024
Figure 0007426074000025
Figure 0007426074000026
Figure 0007426074000027
ヘテロアリーレン基は、単環ヘテロアリーレン基でも多環ヘテロアリーレン基でもよく、例えば、下記のものが挙げられる。
Figure 0007426074000028
Figure 0007426074000029
Figure 0007426074000030
Figure 0007426074000031
Figure 0007426074000032
Figure 0007426074000033
Figure 0007426074000034
Figure 0007426074000035
Figure 0007426074000036
Figure 0007426074000037
また、本発明のビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーは、主鎖の一部に脂肪族構造を含む、一般式(2)で表されるような共重合体も含む。
Figure 0007426074000038
一般式(2)中、R2は鎖中に1以上の酸素原子、窒素原子もしくは硫黄原子を含んでもよい、炭素原子数1~200の直鎖状または分岐状のアルキレン基またはオキシアルキレン基を示す。
一般式(1)及び(2)中、RはAr2に結合する基であり、Bi錯体ポリマーの側鎖に該当する。Rは鎖中に1以上の酸素原子を含んでもよい、炭素原子数1~200の直鎖状または分岐状のアルキル基またはアルコキシ基である。Rを導入することで、極性または無極性溶媒へのBi錯体ポリマーの溶解性を調節することができる。
炭素原子数1~200の直鎖状または分岐状のアルキル基またはアルコキシ基には、例えば、ヘキシル基、イソヘキシル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、1-エチル-1-メチルプロピル基、1-エチル-2-メチルプロピル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、1-メチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メチルヘキシル基、1-エチルペンチル基、2-エチルペンチル基、3-エチルペンチル基、1-プロピルブチル基、1,1-ジメチルペンチル基、1,2-ジメチルペンチル基、1,3-ジメチルペンチル基、1,4-ジメチルペンチル基、1-エチル-1-メチルブチル基、1-エチル-2-メチルブチル基、1-エチル-3-メチルブチル基、2-エチル-1-メチルブチル基、2-エチル-1-メチルブチル基、2-エチル-2-メチルブチル基、2-エチル-3-メチルブチル基、1,1-ジエチルプロピル基、オクチル基、イソオクチル基、1-メチルヘプチル基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、1-エチルヘキシル基、2-エチルヘキシル基、3-エチルヘキシル基、4-エチルヘキシル基、1-プロピルヘプチル基、2-プロピルヘプチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基およびドデシル基、ならびに前記アルキル基が酸素原子に結合した構造等が挙げられる。前記アルキル基またはアルコキシ基は、炭素原子数6~8の直鎖状または分岐状アルキル基またはアルコキシ基が好ましく、Bi錯体ポリマーの結晶秩序と溶媒への親和性との両立の点で2-エチルヘキシル基および2-エチルヘキシルオキシ基がより好ましい。
前記アルキル基またはアルコキシ基は、極性溶媒への溶解性を向上させるのに、その鎖中に1以上の酸素原子を含んでいてもよく、例えば、オキシエチレン鎖(-OCH2CH2-)n(n=1~100、好ましくは2~10、より好ましくは3~5)を含む基であってもよい。
mはAr2に結合するRの数を表す。具体的には、mは0~30の整数である。ポリマー主鎖に適度な柔軟性を付与し、ポリマー合成過程の中間および最終生成物の反応溶媒への溶解性を保つには、mは1~4が好ましく、より好ましくは2である。
本発明のBi錯体ポリマーは、下記一般式(3)または(4)で表される構造(以下「Bi錯体ポリマー(3)」または「Bi錯体ポリマー(4)」ともいう。)を有することがより好ましい。Ar1は前記のとおりであり、Rは鎖中に1以上の酸素原子を含んでもよい、炭素原子数6~12の直鎖状または分岐状のアルキル基である。Bi錯体ポリマー(3)またはBi錯体ポリマー(4)のうち、Rが2-エチルヘキシル基である場合が特に好ましい。
Figure 0007426074000039
本発明のBi錯体ポリマーは、ビスマス-ジチオカルボキシレート構造と、アリーレン基またはヘテロアリーレン基とを主鎖に含み、共役系を形成している。
本発明のBi錯体ポリマーは、一般式(1)中のRに該当する長鎖を側鎖に有するため、溶媒可溶性を有している。共役系ポリマーは剛直な構造を有し、重合度が高くなるにつれて有機溶媒に難溶性となる。したがって、長鎖を側鎖に導入することで、有機溶媒に対する溶解性を改善することができる。具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノール、メタノール、イソプロパノール、1,4-ジオキサン、クロロホルムおよびジクロロメタン等の極性の高い有機溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエンおよびジエチルエーテル等の極性の低い有機溶媒ならびにその他の水混合溶媒などへの溶解性を向上させることができる。
また、長鎖を側鎖に導入することで、ポリマー鎖パッキングを抑えて、移動度を向上させる効果もある。
Bi錯体ポリマーは比較的分子量が大きく、DMFを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定したときの標準ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は1,000~500,000、好ましくは5,000~10,000程度であり、分子量分布(Mw/Mn)は1.2~10、好ましくは1.5~3程度である。
ここで、Bi錯体ポリマー(3)のモデル化合物を示す。下記構造式を有する化合物は、ビスマス-ビス(ジチオカルボキシレート)構造を1つだけ有し、前記Bi錯体ポリマー(3)(Ar1はフェニル基)の繰り返し単位に相当する。
Figure 0007426074000040
モデル化合物とBi錯体ポリマー(3)について、それぞれの1,4-ジオキサン溶液の紫外可視(UV-vis)吸収スペクトルの吸収ピークの開始点λonsetを確認すると、モデル化合物ではλonsetが439nmであるのに対して、Bi錯体ポリマー(3)ではλonsetが554nmであり、吸収帯が長波長側にシフト(レッドシフト)していることがわかる。つまり、Bi錯体ポリマー(3)では、モデル化合物に比べて、π共役長が拡張している。
モデル化合物、Bi錯体ポリマー(3)およびBi錯体ポリマー(4)をそれぞれ1,4-ジオキサンに溶解させた溶液のUV-vis吸収スペクトルの吸収極大波長λmaxを比較すると、モデル化合物ではλmax 384nmであり、Bi錯体ポリマー(3)ではλmax 420nmであり、Bi錯体ポリマー(4)ではλmax 414nmであることから、Bi錯体ポリマー(3)およびBi錯体ポリマー(4)は、モデル化合物に比べて、同程度のπ共役系拡張による吸収波長の長波長化が認められる。
なお、モデル化合物、Bi錯体ポリマー(3)およびBi錯体ポリマー(4)とも、可視領域に吸収帯を持ち、大気中で安定な橙色固体である。
Bi錯体ポリマー(3)およびそのモデル化合物では、蛍光量子収率φが0.001未満であり、発光効率は非常に低い。
Bi錯体ポリマー(4)も、1,4-ジオキサンに溶解させた50μM溶液の蛍光分析では、蛍光量子収率φは0.001未満となる。UV-vis分光分析では、1,4-ジオキサン溶液は、415~420nmに吸収極大λmaxを検出するものの、蛍光分析では420nmでは発光を検出しないことからも、Bi錯体ポリマーは蛍光を発光しないことがわかる(図3)。
前記Bi錯体ポリマー(4)の50μM 1,4-ジオキサン溶液に、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)を添加すると、溶液が橙色から無色透明に変化する。UV-vis分光分析を行うと、TBAF添加前に415~420nmに検出された吸収極大波長λmaxが消失し、325nm付近にややブロード化したピークが検出され、吸収帯が短波長側にシフト(ブルーシフト)していることがわかる。これらは目視で確認することができる。
前記Bi錯体ポリマー(4)およびTBAFを1,4-ジオキサンに溶解させた50μM溶液について蛍光分析を行うと、図3に示すように、蛍光波長(λem)355nmにピークが検出され、蛍光量子収率φは0.20となる。Bi錯体ポリマー(4)のみを有機溶媒に溶解させた溶液は、蛍光を発光しないが、TBAFを添加することで蛍光を発光する。TBAFは1,4-ジオキサンのような極性溶媒中ではフッ化物イオンを遊離することから、本発明のBi錯体ポリマーは、フッ化物イオンに対するターンオン型の蛍光応答を示すといえる。よって、本発明は、前記ビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーを含むフッ化物イオン検出用剤を提供するものである。
本発明のBi錯体ポリマーは、公知の方法で合成することができるが、例えば、グリニャール試薬に二硫化炭素を作用させてジチオカルボキシレート(-C(=S)S-)を合成し、さらにここにアリールジハロビスマスを添加し重合することにより、合成することができる。ここに、Bi錯体ポリマー(3)の合成例を示す。
Figure 0007426074000041
2,5-ビス(ブロモマグネシオ)-1,4-ビス(2-エチルヘキシロキシ)ベンゼンのTHF溶液に2当量の二硫化炭素を加え、室温で1時間撹拌する。ここに、別途合成したジクロロフェニルビスムチンのジエチルエーテル分散液を加え、室温で24時間撹拌する。反応後、クエンチおよび精製することにより、橙色固体のポリマー(Mn(Mw/Mn):3600(1.36))を収率45.7%で得る。
本発明のBi錯体ポリマーは、ビスマス-ジチオカルボキシレート骨格として、ビスマス原子がジチオカルボキシレート基の4個の硫黄原子とで囲まれ、頂点方向にアリール基またはヘテロアリール基を持つ歪んだ四角錐型の構造を有しており、種々の特性を有する。前記Bi錯体ポリマーを1,4-ジオキサン、THFまたはトルエン等の有機溶媒に溶解させ、該Bi錯体ポリマー溶液に、例えば、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化水素酸(HF)、フッ化水素アンモニウム(NH4HF2)およびフッ化水素ナトリウム(NaHF2)から遊離したフッ化物イオンを接触させると、呈色が変化するとともに、蛍光を発光する。つまり、フッ化物イオンを接触させると、非発光のBi錯体ポリマーが蛍光を発する、いわゆるターンオン型の蛍光スイッチングが起こる。このような蛍光のスイッチング現象は、一般式(2)中のAr2がフルオレニレン基である場合、つまり、Bi錯体ポリマー(4)を使用した場合でかつ、1,4-ジオキサンのような極性の高い溶媒を用いた場合に特に顕著である。よって、極性溶媒と親和性の高いBi錯体ポリマーであれば、溶解させずに固体のまま、廃水や廃液などの水溶液中に投入することにより、水中の遊離フッ化物イオンを検出することができる。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
(i)Bi錯体ポリマー(3)の合成
Figure 0007426074000042
試験管にトリフェニルビスムチン(0.167mmol,73.4mg)、塩化ビスマス(III)(0.333mmol,0.106mg)およびジエチルエーテル(5mL)を入れ、窒素雰囲気下、8時間撹拌することで、ジクロロフェニルビスムチンの分散液を調製した。
25mLのナスフラスコを窒素で置換して、これに2,5-ビス(ブロモマグネシオ)-1,4-ビス(2-エチルヘキシロキシ)ベンゼンのTHF溶液(1.0M,0.5mL,0.500mmol)と二硫化炭素(1.10mmol,83.7mg)を加え、室温で1時間撹拌した。ここに、ジクロロフェニルビスムチンのジエチルエーテル分散液を全て加え、室温で24時間撹拌した。反応後、飽和水酸化アンモニウム水溶液(100mL)を加え、有機層を回収し、硫酸ナトリウムを用いて脱水し、その後、溶媒を減圧留去した。残留固体を少量のTHFに溶かし、これをヘキサンに再沈殿する方法で精製を行い、橙色固体の目的物を収率45.7%、収量180mgで得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3,δ); 8.90-8.79 (2H, ortho-positions of Bi-Ph), 7.82-7.71 (2H, meta-positions of Bi-Ph), 7.46-7.36(1H, para-position of Bi-Ph), 7.19-7.12 (2H, aromatic), 3.97-3.82 (4H, -O-CH 2-),1.80-7.46 (30H, -OCH2CH(CH 2CH 3)CH 2CH 2CH 2CH 3).
Bi錯体ポリマー(3)とそのモデル化合物の1HNMRスペクトルを測定し、モデル化合物の特性シグナルとの比較により、Bi錯体ポリマー(3)の構造を決定した。図1に1HNMRスペクトルを示す。
GPC測定(溶離液:DMF、温度:40℃)の結果、標準ポリスチレン換算による数平均分子量Mnは3,600、分子量分布Mw/Mnは1.36であった。
キニーネ硫酸塩 0.50M 硫酸水溶液を標準として、蛍光分光光度計を用いて355nmの光で励起したときの蛍光量子収率φは0.001未満であり、Bi錯体ポリマー(3)は蛍光性を示さないことがわかった。なお、この相対蛍光量子収率の算出方法は後述する。
(ii)光・電子特性の評価
Bi錯体ポリマー(3)の50μM 1,4-ジオキサン溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)を1,4-ジオキサン溶液に溶解させた500μM溶液(10当量のTBAFに相当)を添加したところ、溶液の色が橙色から無色透明に変化した。一週間ほどで蛍光を発現し、その後、常温で10日間蛍光性を示した。呈色の変化および蛍光性は目視で確認することができた。
Bi錯体ポリマー(3)にTBAFを添加する前と添加した後とで紫外可視分光光度計で測定したUV-vis吸収スペクトルと、蛍光分光光度計で測定したPLスペクトルを比較した。
UV-vis吸収スペクトルから、TBAFを添加すると、440nmに検出された吸収極大波長λmaxが消失し、350nm付近にショルダーピークが検出され、吸収帯が短波長側にシフト(ブルーシフト)していた。目視でも蛍光発光を確認することができた。
PLスペクトルでは、TBAFを添加する前のBi錯体ポリマー(3)ではピークが検出されないが、TBAFを添加すると、蛍光波長(λem)336nmにピークが検出された。前記の相対蛍光量子収率φは0.004であった。
UV-vis吸収スペクトルとPLスペクトルを図2に示す。
1,4-ジオキサン溶液中でBi錯体ポリマー(3)にTBAFが接触すると、蛍光が観察される理由として、ビスマス-ジチオカルボキシレート骨格の部分的な分解が考えられる。
[実施例2]
(i)Bi錯体ポリマー(4)の合成
Figure 0007426074000043
試験管にトリフェニルビスムチン(0.267mmol,117mg)、塩化ビスマス(III)(0.533mmol,0.169mg)およびジエチルエーテル(5mL)を入れ、窒素雰囲気下、8時間撹拌することで、ジクロロフェニルビスムチンの分散液を調製した。
25mLのナスフラスコを窒素で置換して、これに2,7-ビス(ブロモマグネシオ)-9,9-ビス(2-エチルヘキシロキシ)フルオレンのTHF溶液(1.0M,0.8mL,0.800mmol)と二硫化炭素(2.00mmol,152mg)を加え、室温で1時間撹拌した。ここに、ジクロロフェニルビスムチンのジエチルエーテル分散液を全て加え、室温で24時間撹拌した。反応後、飽和水酸化アンモニウム水溶液(100mL)を加え、有機層を回収し、硫酸ナトリウムを用いて脱水し、その後、溶媒を減圧留去した。残留固体を少量のTHFに溶かし、これをヘキサンに再沈殿する方法で精製を行い、橙色固体の目的物を収率61.3%、収量418mgで得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3,δ); 8.90-8.83 (2H), 8.41-8.26 (3H),7.81-7.55 (4H), 7.45-7.31 (2H), 2.15-1.93 (4H), 1.00-0.38 (30H).
GPC測定(溶離液:DMF、温度:40℃)の結果、標準ポリスチレン換算による数平均分子量Mnは2,700、分子量分布Mw/Mnは1.4であった。
励起光355nmにおいて、キニーネ硫酸塩 0.50M 硫酸水溶液を標準とする蛍光量子収率φは0.001未満であり、Bi錯体ポリマー(4)は発光性を示さないことがわかった。
(ii)光・電子特性の評価
サンプル瓶にBi錯体ポリマー(4)の1,4-ジオキサン溶液(500μM、1.0mL)にTBAFの1,4-ジオキサン溶液(5000μM、1.0mL)入れて混ぜ合わせ、さらに8mLの1,4-ジオキサン溶液を加えて希釈した。これを10分間放置すると、橙色から無色透明に変化し、速やかに蛍光性を示すことが目視できた。
Bi錯体ポリマー(4)にTBAFを添加する前と添加した後の混合液とでUV-vis吸収スペクトルとPLスペクトルを比較した。
UV-vis吸収スペクトルから、TBAFを添加すると、415nmに検出された吸収極大波長λmaxが消失し、325nm付近にややブロード化したピークが検出され、吸収帯がブルーシフトしていた。目視でも蛍光発光を確認することができた。
PLスペクトルでは、TBAFを添加する前のBi錯体ポリマー(4)ではピークが検出されないが、TBAFを添加した混合溶液をその最大吸収波長(355nm)で励起させると400nm付近に発光極大が観測できた。この混合溶液の相対蛍光量子収率は10-5M硫酸キニーネ硫酸(0.5M)水溶液を標準として以下の式から算出し、φは0.20であった。
Figure 0007426074000044
UV-vis吸収スペクトルとPLスペクトルを図3に示す。
1,4-ジオキサン溶液中でBi錯体ポリマー(4)にTBAFが接触すると、蛍光が観察される理由として、ビスマス-ジチオカルボキシレート骨格の部分的な分解が考えられる。
本発明のビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーは、1,4-ジオキサン中でテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)から遊離したフッ化物イオン接触すると、橙色から無色透明に変化し、蛍光を発光するので、ターンオン型のフッ化物イオンセンサーとしての応用が期待される。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマー。
    Figure 0007426074000045
    (一般式(1)中、Ar1は、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、Ar2は1または互いに連結した2以上のアリーレン基またはヘテロアリーレン基を表し、Rは鎖中に1以上の酸素原子を含んでもよい、炭素原子数1~200の直鎖状または分岐状のアルキル基またはアルコキシ基を表し、mは0~30の整数を表し、nは1~1000の整数を表す。)
  2. 下記一般式(3)または(4)で表される構造を有する、請求項1に記載のビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマー。
    Figure 0007426074000046
    (一般式(3)および(4)中、Ar1は、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいヘテロアリール基を表し、Rは鎖中に1以上の酸素原子を含んでもよい、炭素原子数6~12の直鎖状または分岐状のアルキル基を表し、nは1~1000の整数を表す。)
  3. 請求項1または2に記載のビスマス-ジチオカルボキシレート錯体構造を有するポリマーを含むフッ化物イオン検出用剤。
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KIMURA, Mitsutoshi et al.,Synthesis, Structures, and Some Reactions of [(Thioacyl)thio]- and (Acylseleno)antimony and -bismuth Derivatives,HELVETICA CHIMICA ACTA,2006年04月19日,Volume 89,747-783

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