JP7425516B1 - コンクリート擁壁及びコンクリート擁壁の施工方法 - Google Patents

コンクリート擁壁及びコンクリート擁壁の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フェンスなどが設置されるコンクリート擁壁であっても、土砂の土圧や強風によって擁壁が滑動しまうことを極力防止することを目的とする。【解決手段】 天面2Cにフェンス4等の支柱8が挿入される支柱用穴9が形成され、鉛直方向に延在するとともに、前面2Aと背面2Bの厚さが一定の矩形状をなすたて壁2と、このたて壁2の背面2Bの下端から水平方向に延在する底版3とを、コンクリートにてL型に一体成形し、たて壁2の背面2Bにて底版3上の土砂の土圧を受ける態様のL型コンクリート擁壁1の施工と、たて壁2の前面2Aにて土砂の土圧を受けると共に、所定の根入れ深さDFを有する態様の逆L型コンクリート擁壁1の施工と、のいずれの態様であっても使用することが可能であって、前記たて壁2の前面2A及び背面2Bの両側のコンクリート内に、正面視で全面に配置された前面側鉄筋10A及び背面側鉄筋10Bを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、水平方向に延在する底版と、この底版から垂直方向に延在するたて壁とで構成するコンクリート擁壁であって、特にこのたて壁にフェンス等を設置することができるコンクリート擁壁に関する。
従来から自己の所有する敷地と道路との境界や、隣接する他人の土地との境界を区画するためなどに、コンクリートブロックが用いられている。特に、高低差のある土地の場合、側面の土が崩れるのを防ぐために、たて壁と底版によって構成されたコンクリート製のL型擁壁が用いられている。そして、特許文献1にはこのような底版とたて壁に相当する平面部、垂直部を有するコンクリート製のL型擁壁が開示されている。
特開平6-200567号公報 特開2019-100109号公報
この特許文献1に記載のL型擁壁は、平面部、垂直部に補強材が設けられておらずコンクリートで成型するのみであった。ところで、このようなコンクリート製品については、応力(外力)が加わる面に近い位置に補強材(鉄筋)が埋設されることが一般的である。
例えば、L型擁壁の垂直部内側(平面部上側)に土砂を堆積する場合は、その垂直部においては厚さの半分の位置から内側に偏位した位置に格子状鉄筋を埋設してある。一方、L型擁壁の垂直部外側に土砂を堆積する場合は、土砂側に偏位した位置に鉄筋を埋設したそれを使用する。すなわち、住宅建設予定地の地形的な条件などに対応して鉄筋埋設位置が異なる2種類のL型擁壁を準備し、これらを適切に選択配置して宅地などを造成することとしている。
しかし、垂直部において厚さの半分の位置から内側に偏位した位置に格子状鉄筋を埋設してあるL型擁壁しか準備できなかった場合、垂直部の外面に堆積土砂等が接触する条件で、L型擁壁を施工すると、鉄筋の偏位関係から土圧による曲げ耐力に抵抗できずに、垂直部の下部において堆積土砂等に接触する面から堆積土砂等に接触していない面に向かってひび割れが発生し、時間の経過とともに鉄筋が腐食して垂直部が堆積土砂等によって押し倒されることになり問題となっていた。
この問題を解決するため、特許文献2では、金属製補強材(鉄筋)の埋設位置および90度で直交する平面部および垂直部の長さに着目し、平面部および垂直部にそれぞれ金属製補強材を埋設し、かつそれぞれの側面視して短辺の中央(厚みの半分の位置)に位置するようこれらの金属製補強材を配置することにより、1種類のL型コンクリート擁壁を2態様(平面部を埋設した態様、埋設しない態様)に設置して使用することができるL型擁壁用コンクリート製品が開示されている。
しかしながら、この特許文献2では、平面部の上面は所定深さの堆積土砂等で埋もれ、露出面は上記垂直部の堆積土砂等に接触しない面のみとする施工と、平面部の上面に堆積土砂等が接することなく、垂直部の一面のみに堆積土砂等が接する施工と、のいずれの態様であっても使用することが可能であるが、平面部の上面に堆積土砂等が接することなく、垂直部の一面のみに堆積土砂等が接する場合、平面部には何らの押さえもないため、L型擁壁が堆積土砂の土圧に押されて平面部方向に滑動してしまう恐れがある。
特に、L型擁壁の垂直部に風の影響を受けやすい目隠しフェンスなどを設置する場合、堆積土砂の土圧に加えて強風の影響も受けるため、L型擁壁が滑動して堆積土砂が崩れてしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、フェンスなどが設置されるコンクリート擁壁であっても、土砂の土圧や強風によって擁壁が滑動しまうことを極力防止することを目的とする。
本発明の請求項1にかかるコンクリート擁壁は、天面にフェンス等の支柱が挿入される支柱用穴が形成され、鉛直方向に延在するとともに、前面と背面の厚さが一定の矩形状をなすたて壁と、該たて壁の背面の下端から水平方向に延在する底版とを、コンクリートにてL型に一体成形し、前記たて壁の前面側表面と前記支柱用穴との間の板厚、及び背面側表面と前記支柱用穴との間の板厚を、たて壁の板厚の1/3~1/10とするとともに、支柱用穴を囲うようにコンクリート内に支柱穴鉄筋を配置し、前記支柱用穴の底部と連通するとともに、たて壁側面に開口する排水孔を形成し、たて壁の背面にて底版上の土砂の土圧を受ける態様の施工と、たて壁の前面にて土砂の土圧を受けると共に、所定の根入れ深さを有する態様の施工と、のいずれの態様であっても使用することが可能であって、前記たて壁の前面及び背面の両側のコンクリート内に正面視で全面に配置され、上下方向に延在する主筋と、この主筋を拘束する帯筋とよりなる鉄筋を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項2にかかるコンクリート擁壁は、請求項1において、フェンス等の支柱が横断面角形状または丸形状のいずれの形状であっても挿入可能な角丸長方形状の支柱用穴を備えたことを特徴とする。
本発明の請求項3にかかるコンクリート擁壁の施工方法は、天面にフェンス等の支柱が挿入される支柱用穴が形成され、鉛直方向に延在するとともに、前面と背面の厚さが一定の矩形状をなすたて壁と、該たて壁の背面の下端から水平方向に延在する底版とを、コンクリートにてL型に一体成形し、前記たて壁の前面側表面と前記支柱用穴との間の板厚、及び背面側表面と前記支柱用穴との間の板厚を、たて壁の板厚の1/3~1/10とするとともに、支柱用穴を囲うようにコンクリート内に支柱穴鉄筋を配置し、前記支柱用穴の底部と連通するとともに、たて壁側面に開口する排水孔を形成し、たて壁の背面にて底版上の土砂の土圧を受ける態様の施工と、たて壁の前面にて土砂の土圧を受けると共に、所定の根入れ深さを有する態様の施工と、のいずれの態様であっても使用することが可能であって、前記たて壁の前面及び背面の両側のコンクリート内に、正面視で全面に配置され、上下方向に延在する主筋と、この主筋を拘束する帯筋とよりなる鉄筋を備え、前記たて壁の前面にて土砂の土圧を受ける態様の施工の場合、前記底版の延在方向の長さBに対する根入れ深さDFの比率DF/Bを0.43以上としたことを特徴とする。
本発明の請求項4にかかるコンクリート擁壁の施工方法は、天面にフェンスの支柱が挿入される支柱用穴が形成され、鉛直方向に延在するとともに、前面と背面の厚さが一定の矩形状をなすたて壁と、該たて壁の背面の下端から水平方向に延在する底版とを、コンクリートにてL型に一体成形し、前記たて壁上に、たて壁とほぼ同じ幅であって、且つ所定高さFHの目隠しフェンスを設置し、前記たて壁の前面側表面と前記支柱用穴との間の板厚、及び背面側表面と前記支柱用穴との間の板厚を、たて壁の板厚の1/3~1/10とするとともに、支柱用穴を囲うようにコンクリート内に支柱穴鉄筋を配置し、前記支柱用穴の底部と連通するとともに、たて壁側面に開口する排水孔を形成し、たて壁の背面にて底版上の土砂の土圧を受ける態様の施工と、たて壁の前面にて土砂の土圧を受けると共に、所定の根入れ深さを有する態様の施工と、のいずれの態様であっても使用することが可能であって、前記たて壁の前面及び背面の両側のコンクリート内に正面視で全面に配置され、上下方向に延在する主筋と、この主筋を拘束する帯筋とよりなる鉄筋を備え、前記たて壁の前面にて土砂の土圧を受ける態様の施工の場合、たて壁の高さHとフェンス高さFHとを加算した寸法に対する根入れ深さDFの比率DF/(FH+H)を0.13以上としたことを特徴とする。
本発明の請求項5にかかるコンクリート擁壁の施工方法は、天面にフェンスの支柱が挿入される支柱用穴が形成され、鉛直方向に延在するとともに、前面と背面の厚さが一定の矩形状をなすたて壁と、該たて壁の背面の下端から水平方向に延在する底版とを、コンクリートにてL型に一体成形し、前記たて壁上に、たて壁とほぼ同じ幅であって、且つ所定高さFHの目隠しフェンスを設置し、前記たて壁の前面側表面と前記支柱用穴との間の板厚、及び背面側表面と前記支柱用穴との間の板厚を、たて壁の板厚の1/3~1/10とするとともに、支柱用穴を囲うようにコンクリート内に支柱穴鉄筋を配置し、前記支柱用穴の底部と連通するとともに、たて壁側面に開口する排水孔を形成し、たて壁の背面にて底版上の土砂の土圧を受ける態様の施工と、たて壁の前面にて土砂の土圧を受けると共に、所定の根入れ深さを有する態様の施工と、のいずれの態様であっても使用することが可能であって、前記たて壁の前面及び背面の両側のコンクリート内に、正面視で全面に配置され、上下方向に延在する主筋と、この主筋を拘束する帯筋とよりなる鉄筋を備え、前記フェンスの高さFHに対する支柱の埋め込み深さDの比率D/FHを0.17以上としたことを特徴とする。
本発明にかかるコンクリート擁壁は、天面にフェンス等の支柱が挿入される支柱用穴が形成され、鉛直方向に延在するとともに、前面と背面の厚さが一定の矩形状をなすたて壁と、このたて壁の背面の下端から水平方向に延在する底版とを、コンクリートにてL型に一体成形し、
前記たて壁の前面側表面と前記支柱用穴との間の板厚、及び背面側表面と前記支柱用穴との間の板厚を、たて壁の板厚の1/3~1/10とするとともに、支柱用穴を囲うようにコンクリート内に支柱穴鉄筋を配置し、前記支柱用穴の底部と連通するとともに、たて壁側面に開口する排水孔を形成し、
たて壁の背面にて底版上の土砂の土圧を受ける態様の施工と、たて壁の前面にて土砂の土圧を受けると共に、所定の根入れ深さを有する態様の施工と、のいずれの態様であっても使用することが可能であって、前記たて壁の前面及び背面の両側のコンクリート内に正面視で全面に配置され、上下方向に延在する主筋と、この主筋を拘束する帯筋とよりなる鉄筋を備えているため、
たて壁の背面側であって底版上の土砂は、たて壁背面側の鉄筋にて土圧を受け、たて壁の前面側の土砂は、たて壁正面側の鉄筋にて土圧を受けるものである。即ち、L型コンクリート擁壁、逆L型コンクリート擁壁いずれの態様の施工であっても、土砂の土圧によるたて壁の損傷を極力防止できる。
また、たて壁の前面にて土砂の土圧を受ける態様の施工の場合、所定深さの根入れを行うことにより、風の影響を受けやすいフェンス等を設置したコンクリート擁壁であっても、土砂の土圧や強風によってコンクリート擁壁が滑動しまうことを極力防止することができる。
また、本発明のコンクリート擁壁では、前記支柱用穴の底部と連通するとともに、たて壁側面に開口する排水孔を形成している。このため、コンクリート擁壁を屋外で保管する場合でも、支柱用穴に流れ込んだ雨水を排水孔で排水することができ、冬場などに溜まった雨水が氷結して支柱用穴を破損してしまうことを防止できる。
更に、本発明のコンクリート擁壁では、前記たて壁の前面側表面と前記支柱用穴との間の板厚、及び背面側表面と前記支柱用穴との間の板厚を、たて壁の板厚の1/3~1/10としている。このため、フェンスが強風を受けて支柱に負荷がかかっても支柱用穴周辺にひび割れ、欠け等の破損が発生してしまうことを極力防止できる。
本発明の請求項2にかかるコンクリート擁壁では、フェンス等の支柱が横断面角形状または丸形状のいずれの形状であっても挿入可能な角丸長方形状の支柱用穴を備えたているため、支柱用穴の開け直しなどを不要とし、フェンス設置作業の作業性向上を図ることができる。
本発明の請求項3にかかるコンクリート擁壁の施工方法は、前記たて壁の前面にて土砂の土圧を受ける態様の施工の場合、前記底版の延在方向の長さBに対する根入れ深さDFの比率DF/Bを0.43以上とすることで、土砂の土圧や強風によるコンクリート擁壁の滑動を極力防止できる。
本発明の請求項4にかかるコンクリート擁壁の施工方法は、たて壁上に、たて壁とほぼ同じ幅であって、且つ所定高さFHの目隠しフェンスを設置し、前記たて壁の前面にて土砂の土圧を受ける態様の施工の場合であっても、たて壁の高さHとフェンス高さFHとを加算した寸法に対する根入れ深さDFの比率DF/(FH+H)を0.13以上とすることで、土砂の土圧や強風によるコンクリート擁壁の滑動を極力防止できる。
本発明の請求項5にかかるコンクリート擁壁の施工方法は、たて壁上に、たて壁とほぼ同じ幅であって、且つ所定高さFHの目隠しフェンスを設置しても、前記たて壁の支柱用穴を囲うようにコンクリート内に鉄筋を備えているため、フェンスが強風を受けても支柱用穴周辺にひび割れ、欠け等の破損が発生してしまうことを極力防止できる。
また、前記フェンスの高さFHに対する支柱の埋め込み深さDの比率D/FHを0.17以上とすることで、強風により支柱が抜けてフェンスが脱落してしまうことを極力防止できる。
図1は本発明のL型コンクリート擁壁の斜視図である。 図2は目隠しフェンスの正面図である。 図3は本発明のL型コンクリート擁壁の正面図である。 図4は本発明のL型コンクリート擁壁の側面図である。 図5は本発明のL型コンクリート擁壁の平面図である。 図6は本発明の角丸長方形の支柱用穴の正面図である。 図7は本発明の角丸長方形の支柱用穴の平面図である。 図8はたて壁の前面背面に鉄筋を配置したL型コンクリート擁壁の縦断側面図である。 図9は支柱用穴部分を含むL型コンクリート擁壁の縦断側面図である。 図10はたて壁の鉄筋の配置状態を示すL型コンクリート擁壁の縦断正面図である。 図11は底版の鉄筋配置状態を示すL型コンクリート擁壁の片側断面図である。 図12は鉄筋で囲われた角丸長方形の支柱用穴の正面図である。 図13は鉄筋で囲われた角丸長方形の支柱用穴の平面図である。 図14はL型擁壁同士を接続する接続金物の正面図である。 図15は通常のL型擁壁として設置した状態を示す側面図である。 図16は逆L型擁壁として設置した状態を示す側面図である。 図17は鉄筋で囲われた長い角丸長方形の支柱用穴の平面図である。 図18はコーナー用L型コンクリート擁壁の切断箇所を示す拡大平面図である。 図19はコーナー用L型コンクリート擁壁同士を接合した状態のコーナー部分の拡大平面図である。 図20は端部を切断したL型コンクリート擁壁端部同士を接合した状態を示すコーナー用L型コンクリート擁壁の斜視図である。 図21は支柱用穴周辺の板厚を示す平面図である。
図1に示す1は本発明のL型コンクリート擁壁であり、高低差のある土地で、側面の土が崩れるのを防ぐために設置される壁状の構造物のうち、特に側面視でL型をなすものである。即ち、鉛直方向に延在するたて壁2と、このたて壁2の下端から水平方向に延在する底版3とを、プレキャスト工法によりコンクリートにてL字状に一体成形したものである。
また、道路に沿って設置されるL型コンクリート擁壁1には、自動車、自転車、あるいは歩行者用のガードフェンス等を、戸建て住宅やマンション等の隣地との境界に設置されるL型コンクリート擁壁1には、図2に示すような目隠しフェンス4が設置されるものである。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を詳述する。
図1、図3乃至図5に示す如く、本発明のL型コンクリート擁壁1はたて壁2及び底版3とよりなり、たて壁2は矩形の平板状をなしており、上下にわたってほぼ均一な板厚、即ち上側板厚T1と下側板厚T2とがほぼ同じ厚みとなっている。また、底版3はたて壁2に接続している部分から先端に向けて下方傾斜状に形成されており、底版3とたて壁2の接続部分にはたて壁2の補強としてのハンチ5が形成されている。
たて壁2は底版3が延在しない側が前面2A、延在する側が背面2Bであって、左右2箇所に前面2Aと背面2Bとを貫通する水抜孔6が穿設されている。この水抜孔6は円錐台状をなしており、前面側2Aの直径の方が背面2B側の直径より大きく形成されている。尚、7はL型コンクリート擁壁1をクレーン等で施工する際に用いる吊り金具を取り付けるための施工用アンカーである。
また、たて壁2の天面2Cにはフェンス4等の支柱8が挿入される支柱用穴9が形成されており、この支柱用孔9は図6に示す如く、上面開口から穴底面に向けて徐々に小さいくなるよう下方傾斜状に形成され、図7に示す如く、平面視で角丸長方形状、即ち、二本の平行な直線と、相対向する2本の凹状曲線とよりなる形状に形成されている。これにより、支柱8の横断面形状が丸形状であっても角形状であっても挿入できるものである。
更に、図8乃至図11に示す如く、L型コンクリート擁壁1のたて壁2には、たて壁2の前面2A側及び背面2B側のコンクリート内に、正面視でほぼ全面にわたって前面側鉄筋10A、背面側鉄筋10Bが配置されている。この各鉄筋10A、10Bは上下方向に延在する主筋と、この主筋を拘束する帯筋とによりなるもので、前面2A、背面2B表面から所定間隔離して配置されている。尚、本実施例1のL型コンクリート擁壁1は、直接土に接する壁であるため最低40mm以上離されている。
前述したたて壁2の下端から延在する底版3もたて壁2同様、上面3A側及び下面3B側のコンクリート内に、平面視でほぼ全面にわたって上面側鉄筋11A、下面側鉄筋11Bが配置されている。この鉄筋11A、11Bも主筋と帯筋とよりなるもので、上面3A、下面3B表面から所定間隔離して配置されている。ここで、底版3の上面3Aは先端に向けて下降傾斜状になっているため、この上面側鉄筋11Aも上面3Aの傾斜に合わせて配置されているものである。
前記たて壁2の天面2Cの支柱用穴9の周囲のコンクリート内にも、穴9を囲うように支柱穴鉄筋12が設けられており、この支柱穴鉄筋12により、フェンス4に強風が吹き付けて支柱8に大きな力が加わっても支柱用穴9が破損してしまうことを極力防止できるものである。
また、この支柱用穴9の底部には、徐々に拡大する円錐台状の排水孔13が接続されており、前記たて壁2の側面2Dに開口している。ここで、工場でプレキャスト工法により製造されたL型コンクリート擁壁1はその大きさのため屋外で保管するものである。このため、支柱用穴9に雨水が流れ込んでしまい、特に冬場など支柱用穴9に雨水がたまると水が氷結して支柱用穴9を破損してしまう恐れがある。これを防止するため、L型コンクリート擁壁1保管時に支柱用穴9に流れ込んだ雨水を排水孔13にて排水するものである。
一方、図2に示す如く、本実施例1で用いられるフェンス4は、目隠しフェンスと呼ばれ、幅広の板状のものを重ねて隙間が小さくなるようにしたパネル15と支柱8とよりなるもので、外からの視線をさえぎることを目的としたフェンスである。また、フェンス幅FWは2000mmで、フェンス高さFHは1800mmであるが、これに限定されることなく、フェンス高さFHが600mm~2000mm程度のものであっても良い。
このように、目隠しフェンスは、フェンス高さFHが高く、更にパネル15の板間の隙間が小さいため風の影響を受けやすいものであるが、前述した如く、支柱用穴9を囲うように支柱穴鉄筋12が設けられているため、フェンス4に強風、例えば風速∨30~38m/sのような風が吹き付け、支柱8に大きな力が加わっても支柱用穴9が破損してしまうことを極力防止できるものである。
尚、設置されるフェンス4は目隠しフェンスのほか、高さ600mm~1500mm程度で網目状のメッシュフェンスや木目調、縦格子、横格子等の他のフェンスを用いても良いし、道路沿いであれば自動車用のガードレール、自転車、あるいは歩行者用のガードフェンス等であっても良い。
以上のようなL型コンクリート擁壁1を施工する場合、クレーン等で設置場所にL型コンクリート擁壁1を設置する。そして、複数台並設する場合には、L型コンクリート擁壁1同士の側面2D同士を対向させ、図14に示す板状接続金具16を両L型コンクリート擁壁1間に配置し、ボルト等の固定具17で固定する。
自宅側の土地が高く、周辺の土地が低い場合の例にあげると、通常のL型コンクリート擁壁1は図15に示す如く底版3が位置する側の土地が自宅側であって、自宅側の土地が高い場所などに採用されるものである。しかし本発明の本発明のL型コンクリート擁壁1では、図16に示すような自宅側の土地が低い場合でも逆L型コンクリート擁壁1として用いることができるものである。
即ち、L型コンクリート擁壁1はたて壁2に前面側鉄筋10Aと 背面側鉄筋10Bを備えているため、前面2A側、背面2B側いずれの土圧も受けることができるため、L型コンクリート擁壁としても、逆L型コンクリート擁壁としても用いることができるものである。
但し、この逆L型コンクリート擁壁1として使用する場合には、必要に応じて底版3上に土を盛って根入れを行うものである。以下、この根入れ深さDFと、フェンス4、L型コンクリート擁壁1の寸法との関係を説明する。
尚、図中HはL型コンクリート擁壁1のたて壁2の高さ、
Bは底版の延在方向の長さ(たて壁前面2Aから底版3先端までの長さ)、
WはL型コンクリート擁壁1の幅(本実施例では2000mm程度としている。)、
DFはL型コンクリート擁壁1の根入れ深さ、
FHはフェンス4の高さ、
FWはフェンス4の幅(本実施例では2000mm程度としている。)、
Dはフェンス支柱8の埋め込み深さ(本実施例ではほぼ支柱用穴9の深さと同じ)
を表している。
先ず、図15に示す通常のL型コンクリート擁壁1として使用する場合、即ち、たて壁2の背面2Bにて底版3上の土砂の土圧を受ける態様の施工の場合、根入れは不要である。
次に、図16に示す、逆L型コンクリート擁壁1として使用する場合、即ち、たて壁2の前面2Aにて土砂の土圧を受ける場合、底版3上に所定の根入れ深さDFの土砂を盛る必要があり、この根入れ深さDFは以下の表1、表2の一例に示す寸法比率とすることが望ましい。
Figure 0007425516000002
即ち、この表1に示すようにフェンス4の高さFHが1800mmで、風速36m/sの強風に耐えるためには、底版長さB(mm)に対する根入れ深さDF(mm)の比率DF/Bを0.51~0.74の範囲とすることで対応できるものである。また、フェンス高さFH(mm)+L型擁壁高さH(mm)に対する根入れ深さDF(mm)の比率DF/(FH+H)を0.17~0.22の範囲とすることで対応できるものである。
Figure 0007425516000003
また、この表2に示すようにフェンス4の高さFHが1800mmで、風速30m/sの強風に耐えるためには、底版長さB(mm)に対する根入れ深さDF(mm)の比率DF/Bを0.43~0.62の範囲とすることで対応できるものである。また、フェンス高さFH(mm)+L型擁壁高さH(mm)に対する根入れ深さDF(mm)の比率DF/(FH+H)を0.13~0.22の範囲とすることで対応できるものである。
即ち、これら表1、表2を参照すると、底版長さB(mm)に対する根入れ深さDF(mm)の比率DF/Bを0.43以上とすることが望ましく、0.74以上とすることがより望ましい。しかし、0.74より大きい比率であると、L型コンクリート擁壁1の安定設置が可能となる反面、高低差が小さくなってしまう恐れがある。従って、比率DF/Bを0.43~0.74の範囲とすることが最も望ましいものである。
また、フェンス高さFH(mm)+L型擁壁高さH(mm)に対する根入れ深さDF(mm) の比率DF/(FH+H)を0.13以上とすることが望ましく、0.22以上とすることがより望ましい。しかし、0.22より大きい比率であると、L型コンクリート擁壁1の安定設置が可能となる反面、高低差が小さくなってしまう恐れがある。従って、比率DF/Bを0.13~0.22の範囲とすることが最も望ましいものである。
底版長さB(mm)に対する根入れ深さDF(mm)の比率DF/B、又はフェンス高さFH(mm)+L型擁壁高さH(mm)に対する根入れ深さDF(mm)の比率DF/(FH+H)を上述した範囲で施工することにより、目隠しフェンス4を備えるL型コンクリート擁壁1であっても、適正な高低差を保った上で、土砂の土圧や強風に影響されにくい安定した設置が可能となるものである。
このようにL型コンクリート擁壁1を設置した後、目隠しフェンス4の支柱8を支柱用穴9に挿入して隙間にモルタルを流し込んで固める。ここで、風の影響を受けるフェンスのフェンス高さFHと支柱埋め込み深さDとの関係について表3を参照して説明する。尚、本実施例のフェンス幅FWは約2000mmとする。
Figure 0007425516000004
この表3によると、フェンス高さFH(mm)に対する支柱埋め込み深さD(mm) の比率D/FHを0.17~0.42の範囲とすることで対応できるものである。即ち、この比率D/FHを0.17以上とすることが望ましく、0.42以上とすることがより望ましい。しかし、0.42より大きい比率であると、フェンス4の安定設置が可能となる反面、フェンス4の支柱8を長くしなければならなくなり、しかも支柱用穴9に流し込むモルタルの量も多く必要となってしまう。従って、フェンス高さFH(mm)に対する支柱埋め込み深さD(mm) の比率D/FHを0.17~0.42の範囲で施工することにより、資材を無駄にすることなく、強風に影響されにくい安定した目隠しフェンス4の設置が可能となるものである。
次いで、支柱用穴9を長くした角丸長方形状の実施例2について、図17乃至図20を参照して説明する。
図19、20に示す如く、L型コンクリート擁壁1を敷地のコーナー部に設置する場合は、図18に示す如く、突き合わされるL型コンクリート擁壁1の端部14を切断線で切除し、この端部14を切除したL型コンクリート擁壁1同士の切断面を向かい合わせて接続する。
ここで、図17に示す如く、支柱用穴9は長辺が短辺の2倍以上の長さを有する角丸長方形状であるため、例えば、コーナー部に配置されるL型コンクリート擁壁1で、コーナー部の角度に合わせて支柱用穴9を含む端部を切断しなければならない場合であっても、支柱用穴9は十分に余裕のある長さに形成されているため、切断後でも支柱8が挿入できるだけの穴9の大きさを確保できる。
例えば、コンクリート擁壁1同士で形成される角度が直角である場合、2つのコンクリート擁壁1の端部14を斜め45度に切断して、この45度に切断した面同士を突き合わせることにより直角にしている。この際、支柱用穴9の一部も切り取られてしまうことになるが、支柱用穴9は長辺が短辺の2倍以上の長さを有しているため、支柱用穴9の一部が切除されても支柱8を挿入できるだけの大きさの穴が残り、別途穴を開け直す必要はない。
次いで、たて壁2の上側板厚T1と、たて壁2表面と支柱用穴9との間の板厚tとの関係について、図21を参照して実施例3を説明する。
通常、前記たて壁2の上側板厚T1は180mm~300mm程度である。図21に示す前記たて壁2の前面2A、背面2B、側面2D側の表面と、前記支柱用穴9との間の板厚tが薄いと、強風によるフェンス支柱8への過剰な負荷により、支柱用穴9周辺にひび割れ、欠け等の破損が生じる恐れがある。
このため、前記たて壁2の前面2A、背面2B、側面2D側の表面と、前記支柱用穴9との間の板厚tを、たて壁2の上側板厚T1の1/3~1/10としている。これにより、板厚tは十分な厚み(例えば30mm)を確保することができることとなるため、フェンス4が強風を受けて支柱8に負荷がかかっても、支柱用穴9周辺にひび割れ、欠け等の破損が発生してしまうことを極力防止できるものである。
以上詳述した如く、本発明にかかるコンクリート擁壁1は、天面2Cにフェンス4等の支柱8が挿入される支柱用穴9が形成され、鉛直方向に延在するとともに、前面2Aと背面2Bの厚さが一定の矩形状をなすたて壁2と、このたて壁2の背面2Bの下端から水平方向に延在する底版3とを、コンクリートにてL型に一体成形し、
たて壁2の背面2Bにて底版3上の土砂の土圧を受ける態様のL型コンクリート擁壁1の施工と、たて壁2の前面2Aにて土砂の土圧を受けると共に、所定の根入れ深さDFを有する態様の逆L型コンクリート擁壁1の施工と、のいずれの態様であっても使用することが可能であって、前記たて壁2の前面2A及び背面2Bの両側のコンクリート内に、正面視で全面に配置された前面側鉄筋10A及び背面側鉄筋10Bを備えているため、
たて壁2の背面2B側であって底版3上の土砂は、たて壁背面2B側の背面側鉄筋10Bにて土圧を受け、たて壁2の前面2A側の土砂は、たて壁正面2A側の前面側鉄筋10Aにて土圧を受けるものである。即ち、L型コンクリート擁壁、逆L型コンクリート擁壁いずれの態様の施工であっても、土砂の土圧によるたて壁2の損傷を極力防止できる。
また、たて壁2の前面2Aにて土砂の土圧を受ける態様の施工の場合、所定深さの根入れDFを行うことにより、風の影響を受けやすいフェンス4等を設置したコンクリート擁壁1であっても、土砂の土圧や強風によってコンクリート擁壁1が滑動しまうことを極力防止することができる。
本発明にかかるコンクリート擁壁1では、フェンス4等の支柱8が横断面角形状または丸形状のいずれの形状であっても挿入可能な角丸長方形状の支柱用穴9を備えたているため、支柱用穴9の開け直しなどを不要とし、フェンス4の設置作業の作業性向上を図ることができる。
本発明にかかるコンクリート擁壁1では、前記支柱用穴9の底部と連通するとともに、たて壁側面2Dに開口する排水孔13を形成している。このため、コンクリート擁壁1を屋外で保管する場合でも、支柱用穴9に流れ込んだ雨水を排水孔13で排水することができ、冬場などに溜まった雨水が氷結して支柱用穴9を破損してしまうことを防止できる。
本発明にかかるコンクリート擁壁1では、前記たて壁2の前面2A側表面と前記支柱用穴9との間の板厚t、及び背面2B側表面と前記支柱用穴9との間の板厚t、更には側面2D側表面と前記支柱用穴9との間の板厚tを、たて壁の板厚T1の1/3~1/10としている。このため、フェンス4が強風を受けて支柱8に負荷がかかっても支柱用穴9周辺にひび割れ、欠け等の破損が発生してしまうことを極力防止できる。
本発明にかかるコンクリート擁壁1の施工方法は、前記たて壁2の前面2Aにて土砂の土圧を受ける態様の施工の場合、前記底版3の延在方向の長さBに対する根入れ深さDFの比率DF/Bを0.43以上とすることで、土砂の土圧や強風によるコンクリート擁壁1の滑動を極力防止できる。
本発明にかかるコンクリート擁壁1の施工方法は、前記たて壁2の前面2Aにて土砂の土圧を受ける態様の施工の場合、たて壁の高さHとフェンス高さFHとを加算した寸法に対する根入れ深さDFの比率DF/(FH+H)を0.13以上とすることで、土砂の土圧や強風によるコンクリート擁壁1の滑動を極力防止できる。
本発明にかかるコンクリート擁壁1の施工方法は、前記たて壁2の支柱用穴9を囲うようにコンクリート内に支柱穴鉄筋12を備えることで、強風により支柱用穴9周辺にひび割れ、欠け等の破損が発生してしまうことを極力防止できる。
また、前記フェンス4の高さFHに対する支柱8の埋め込み深さDの比率D/FHを0.17以上とすることで、強風により支柱8が抜けてフェンス4が脱落してしまうことを極力防止できる。
1 L型コンクリート擁壁
2 たて壁
2A 前面
2B 背面
2C 天面
2D 側面
3 底版
3A 上面
3B 下面
4 フェンス
5 ハンチ
6 水抜孔
7 施工用アンカー
8 支柱
9 支柱用穴
10A 前面側鉄筋
10B 背面側鉄筋
11A 上面側鉄筋
11B 下面側鉄筋
12 支柱穴鉄筋
13 排水孔
14 端部
15 パネル
16 板状接続金具
17 固定具
T1 上側板厚
T2 下側板厚
H たて壁の高さ
FH フェンスの高さ
DF 根入れ深さ
D 支柱の埋め込み深さ
B 底版の長さ
W コンクリート擁壁の幅
FW フェンス幅

Claims (5)

  1. 天面にフェンス等の支柱が挿入される支柱用穴が形成され、鉛直方向に延在するとともに、前面と背面の厚さが一定の矩形状をなすたて壁と、該たて壁の背面の下端から水平方向に延在する底版とを、コンクリートにてL型に一体成形し、
    前記たて壁の前面側表面と前記支柱用穴との間の板厚、及び背面側表面と前記支柱用穴との間の板厚を、たて壁の板厚の1/3~1/10とするとともに、支柱用穴を囲うようにコンクリート内に支柱穴鉄筋を配置し、
    前記支柱用穴の底部と連通するとともに、たて壁側面に開口する排水孔を形成し、
    たて壁の背面にて底版上の土砂の土圧を受ける態様の施工と、
    たて壁の前面にて土砂の土圧を受けると共に、所定の根入れ深さを有する態様の施工と、
    のいずれの態様であっても使用することが可能であって、
    前記たて壁の前面及び背面の両側のコンクリート内に正面視で全面に配置され、上下方向に延在する主筋と、この主筋を拘束する帯筋とよりなる鉄筋を備えたことを特徴とするコンクリート擁壁。
  2. フェンス等の支柱が横断面角形状または丸形状のいずれの形状であっても挿入可能な角丸長方形状の支柱用穴を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンクリート擁壁。
  3. 天面にフェンス等の支柱が挿入される支柱用穴が形成され、鉛直方向に延在するとともに、前面と背面の厚さが一定の矩形状をなすたて壁と、該たて壁の背面の下端から水平方向に延在する底版とを、コンクリートにてL型に一体成形し、
    前記たて壁の前面側表面と前記支柱用穴との間の板厚、及び背面側表面と前記支柱用穴との間の板厚を、たて壁の板厚の1/3~1/10とするとともに、支柱用穴を囲うようにコンクリート内に支柱穴鉄筋を配置し、
    前記支柱用穴の底部と連通するとともに、たて壁側面に開口する排水孔を形成し、
    たて壁の背面にて底版上の土砂の土圧を受ける態様の施工と、
    たて壁の前面にて土砂の土圧を受けると共に、所定の根入れ深さを有する態様の施工と、
    のいずれの態様であっても使用することが可能であって、
    前記たて壁の前面及び背面の両側のコンクリート内に、正面視で全面に配置され、上下方向に延在する主筋と、この主筋を拘束する帯筋とよりなる鉄筋を備え、
    前記たて壁の前面にて土砂の土圧を受ける態様の施工の場合、前記底版の延在方向の長さBに対する根入れ深さDFの比率DF/Bを0.43以上としたことを特徴とするコンクリート擁壁の施工方法。
  4. 天面にフェンスの支柱が挿入される支柱用穴が形成され、鉛直方向に延在するとともに、前面と背面の厚さが一定の矩形状をなすたて壁と、該たて壁の背面の下端から水平方向に延在する底版とを、コンクリートにてL型に一体成形し、
    前記たて壁上に、たて壁とほぼ同じ幅であって、且つ所定高さFHの目隠しフェンスを設置し、
    前記たて壁の前面側表面と前記支柱用穴との間の板厚、及び背面側表面と前記支柱用穴との間の板厚を、たて壁の板厚の1/3~1/10とするとともに、支柱用穴を囲うようにコンクリート内に支柱穴鉄筋を配置し、
    前記支柱用穴の底部と連通するとともに、たて壁側面に開口する排水孔を形成し、
    たて壁の背面にて底版上の土砂の土圧を受ける態様の施工と、
    たて壁の前面にて土砂の土圧を受けると共に、所定の根入れ深さを有する態様の施工と、
    のいずれの態様であっても使用することが可能であって、
    前記たて壁の前面及び背面の両側のコンクリート内に正面視で全面に配置され、上下方向に延在する主筋と、この主筋を拘束する帯筋とよりなる鉄筋を備え、
    前記たて壁の前面にて土砂の土圧を受ける態様の施工の場合、たて壁の高さHとフェンス高さFHとを加算した寸法に対する根入れ深さDFの比率DF/(FH+H)を0.13以上としたことを特徴とするコンクリート擁壁の施工方法。
  5. 天面にフェンスの支柱が挿入される支柱用穴が形成され、鉛直方向に延在するとともに、前面と背面の厚さが一定の矩形状をなすたて壁と、該たて壁の背面の下端から水平方向に延在する底版とを、コンクリートにてL型に一体成形し、
    前記たて壁上に、たて壁とほぼ同じ幅であって、且つ所定高さFHの目隠しフェンスを設置し、
    前記たて壁の前面側表面と前記支柱用穴との間の板厚、及び背面側表面と前記支柱用穴との間の板厚を、たて壁の板厚の1/3~1/10とするとともに、支柱用穴を囲うようにコンクリート内に支柱穴鉄筋を配置し、
    前記支柱用穴の底部と連通するとともに、たて壁側面に開口する排水孔を形成し、
    たて壁の背面にて底版上の土砂の土圧を受ける態様の施工と、
    たて壁の前面にて土砂の土圧を受けると共に、所定の根入れ深さを有する態様の施工と、
    のいずれの態様であっても使用することが可能であって、
    前記たて壁の前面及び背面の両側のコンクリート内に、正面視で全面に配置され、上下方向に延在する主筋と、この主筋を拘束する帯筋とよりなる鉄筋を備え、
    前記フェンスの高さFHに対する支柱の埋め込み深さDの比率D/FHを0.17以上としたことを特徴とするコンクリート擁壁の施工方法。
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