以下、図面を参照して、本発明の1又は複数の実施形態が説明される。しかし、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。
各図において、同一符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その構成について、既に説明している内容については、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
実施形態に係る被監視者監視支援システムは、監視すべき監視対象である被監視者(言い換えれば、見守るべき見守り対象である見守り対象者)を複数の装置を用いて監視するシステムであり、端末装置と、前記端末装置と通信可能に接続され、被監視者に関わる所定のイベント(事象)を検知して前記イベントを前記端末装置へ通知する被監視者監視支援装置と、を備える。前記被監視者監視支援装置は、1個の装置で一体に構成されて良いが、本明細書では、被監視者監視支援装置は、センサ装置と、前記センサ装置および前記端末装置それぞれと通信可能に接続される管理サーバ装置とを備えることで、2種類の各装置で別体に構成される。前記センサ装置は、被監視者に関わる前記所定のイベントを検知して前記管理サーバ装置へ通知(報知、送信)する。前記管理サーバ装置は、前記センサ装置から前記通知を受けると、前記通知を受けた前記イベントを管理するとともに前記イベントを前記センサ装置に対応付けられた所定の端末装置へ再通知(再報知、再送信)する。前記端末装置は、1種類の装置であって良いが、本明細書では、前記端末装置は、固定端末装置と携帯端末装置との2種類の装置である。これら固定端末装置と携帯端末装置との主な相違は、固定端末装置が固定的に運用され、携帯端末装置が例えば看護師や介護士等の監視者(ユーザ)に携行されて運用される点である。これら固定端末装置と携帯端末装置とは、略同様であるので、以下では、携帯端末装置を主に説明する。携帯端末装置は、監視者が携行する端末装置の例である。
図1は、実施形態に係る被監視者監視支援システムMSの構成を説明する説明図である。被監視者監視支援システムMSは、より具体的には、例えば、1または複数のセンサ装置SU(SU-1~SU-4)と、管理サーバ装置SVと、固定端末装置SPと、1または複数の携帯端末装置TA(TA-1、TA-2)と、構内交換機(PBX、Private Branch eXchange)CXとを備え、これらは、有線や無線で、LAN(Local Area Network)等の網(ネットワーク、通信回線)NWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWには、通信信号を中継する例えばリピーター、ブリッジおよびルーター等の中継機が備えられても良い。図1に示す例では、これら複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SP、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2および構内交換機CXは、L2スイッチの集線装置(ハブ、HUB)LSおよびアクセスポイントAPを含む有線および無線の混在したLAN(例えばIEEE802.11規格に従ったLAN等)NWによって互いに通信可能に接続されている。より詳しくは、複数のセンサ装置SU-1~SU-4、管理サーバ装置SV、固定端末装置SPおよび構内交換機CXは、集線装置LSに接続され、複数の携帯端末装置TA-1、TA-2は、アクセスポイントAPを介して集線装置LSに接続されている。そして、ネットワークNWは、TCP(Transimission Control Protocol)およびIP(Internet Protocol)等のインターネットプロトコル群が用いられることによっていわゆるイントラネットを構成する。構内交換機CXは、公衆電話網PNによって電話TLと接続されている。
被監視者監視支援システムMSは、被監視者Obに応じて適宜な場所に配設される。被監視者Obは、例えば、病気や怪我等によって看護を必要とする者や、身体能力の低下等によって介護を必要とする者や、一人暮らしの独居者等である。特に、早期発見と早期対処とを可能にする観点から、被監視者Obは、例えば異常状態等の所定の不都合なイベントがその者に生じた場合にその発見を必要としている者であることが好ましい。このため、被監視者監視支援システムMSは、被監視者Obの種類に応じて、病院、老人福祉施設および住戸等の建物に好適に配設される。図1に示す例では、被監視者監視支援システムMSは、複数の被監視者Obが入居する複数の居室RMや、ナースステーション等の複数の部屋を備える介護施設の建物に配設されている。
センサ装置SUは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAと通信する通信機能等を備え、被監視者Obに関わる所定のイベントを検知してこの検知した前記イベントを管理サーバ装置SVへ通知し、端末装置SP、TAとの間で音声通話を行い、そして、動画を含む画像を生成して端末装置SP、TAへ動画を配信する装置である。前記所定のイベントは、好ましくは、対処が必要なイベントを含む。
図1には、一例として、4個のセンサ装置SU-1~SU-4が示されており、センサ装置SU-1は、被監視者Obの一人であるAさんOb-1の居室RM-1に配設され、センサ装置SU-2は、被監視者Obの一人であるBさんOb-2の居室RM-2に配設され、センサ装置SU-3は、被監視者Obの一人であるCさんOb-3の居室RM-3に配設され、そして、センサ装置SU-4は、被監視者Obの一人であるDさんOb-4の居室RM-4に配設されている。
管理サーバ装置SVは、ネットワークNWを介して他の装置SU、SP、TAと通信する通信機能等を備え、センサ装置SUから、被監視者Obに関わる所定のイベントの通知を受信すると被監視者Obに対する監視に関する情報(監視情報)を管理する装置である。管理サーバ装置SVは、センサ装置SUから前記イベントの通知として第1イベント通知通信信号を受信すると、前記第1イベント通知通信信号に収容された各情報に基づいて、被監視者Obに対する監視に関する前記監視情報を記憶(記録)し、そして、被監視者Obに対する監視に関する前記監視情報を収容した通信信号(第2イベント通知通信信号)を、前記センサ装置SUに予め対応付けられた所定の端末装置SP、TAに送信する。このために、管理サーバ装置SVは、センサ装置SUから送信された第1イベント通知通信信号等の通知先(再通知先、再報知先、送信先)を示す、送信元であるセンサIDと通知先(再通知先)である端末IDとの対応関係(通知先対応関係)、および、その通信アドレスを記憶する。端末ID(端末装置識別子)は、端末装置SP、TAを特定し識別するための識別子である。そして、管理サーバ装置SVは、クライアント(本実施形態では固定端末装置SPおよび携帯端末装置TA等)の要求に応じたデータを前記クライアントに提供する。このような管理サーバ装置SVは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
固定端末装置SPは、被監視者監視支援システムMSのユーザインターフェース(UI)として機能する装置である。この機能を達成するために、固定端末装置SPは、ネットワークNWを介して他の装置SU、SV、TAと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、および、所定の指示およびデータを入力する入力機能等を備え、管理サーバ装置SVおよび携帯端末装置TAに与える所定の指示およびデータが入力されたり、センサ装置SUで得られた監視情報を表示したりする。このような固定端末装置SPは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
携帯端末装置TA(監視者NSが携行する端末装置)は、監視者NSが携帯している。携帯端末装置TAは、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、SUと通信する通信機能、所定の情報を表示する表示機能、所定の指示やデータを入力する入力機能、および、音声通話を行う通話機能等を備え、管理サーバ装置SVおよびセンサ装置SUに与える所定の指示およびデータを入力したり、管理サーバ装置SVからの通知によってセンサ装置SUで得られた監視情報(動画を含む)を表示したり、センサ装置SUとの間で音声通話によってナースコールの応答や声かけしたり等をするための機器である。
センサ装置SUは、居室RMの天井に取り付けられている。センサ装置SUは、上述した機能(例えば、被監視者Obの動画を撮像する機能、端末装置SP、TAとの間で音声通話をする機能)に加えて、被監視者Obについて、所定のイベントが発生したか否かを監視する機能を有する。この機能の観点からセンサ装置SUについて詳しく説明する。
図2は、センサ装置SUの構成を示すブロック図である。センサ装置SUは、センサ側制御処理部(SU制御処理部)10と、センサ側通信インターフェース部(SU通信IF部)11と、撮像部12と、記憶部13と、検知部14と、を備える。
SU制御処理部10は、センサ装置SUの各部(SU通信IF部11、撮像部12、記憶部13、検知部14)を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するための装置である。
SU制御処理部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、および、HDD(Hard Disk Drive)等のハードウェア、並びに、SU制御処理部10の機能を実行するためのプログラムおよびデータ等によって実現される。SU制御処理部10の機能の一部又は全部は、CPU(ハードウェアプロセッサの一例)による処理に替えて、又は、これと共に、DSP(Digital Signal Processor)による処理によって実現されてもよい。又、SU制御処理部10の機能の一部又は全部は、ソフトウェアによる処理に替えて、又は、これと共に、専用のハードウェア回路による処理によって実現されてもよい。以上説明したことは、検知部14、図3を用いて後で説明するSV制御処理部30、記録部32、担当監視者特定部34、入室判断部35、対応判断部36、図7を用いて後で説明するTA制御処理部40、読取部45、図14を用いて後で説明する終了判断部37、図18を用いて後で説明する担当者情報生成部38についても同様のことが言える。
SU通信IF部11は、SU制御処理部10に接続され、SU制御処理部10の制御に従って通信を行うための通信回路である。SU通信IF部11は、SU制御処理部10から入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、この被監視者監視支援システムMSのネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号を、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAへ送信する。SU通信IF部11は、ネットワークNWを介して他の装置SV、SP、TAから通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータをSU制御処理部10が処理可能な形式のデータに変換してSU制御処理部10へ出力する。SU通信IF部11は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
撮像部12は、撮像対象を撮像し、撮像対象の画像を生成する装置である。画像には、静止画および動画が含まれる。撮像部12は、被監視者Obが所在を予定している空間(所在空間、図1に示す例では配設場所の居室RM)を監視可能に配置され、所在空間を撮像対象としてその上方から撮像し、撮像対象を俯瞰した画像を生成する。好ましくは、被監視者Ob全体を撮像できる蓋然性が高いことから、撮像部12は、被監視者Obが横臥する寝具(例えばベッド等)における、被監視者Obの頭部が位置すると予定されている予め設定された頭部予定位置(通常、枕の配設位置)の直上から撮像対象を撮像できるように配設される。センサ装置SUは、この撮像部12によって、被監視者Obを、被監視者Obの上方から撮像した画像、好ましくは前記頭部予定位置の直上から撮像した画像を取得する。
このような撮像部12は、可視光の画像を生成する装置(可視カメラ)であって良いが、比較的暗がりでも被監視者Obを監視できるように、実施形態では、赤外線の画像を生成する装置である。このような撮像部12は、例えば、実施形態では、撮像対象における赤外の光学像を所定の結像面上に結像する結像光学系、前記結像面に受光面を一致させて配置され、前記撮像対象における赤外の光学像を電気的な信号に変換するイメージセンサ、および、イメージセンサの出力を画像処理することで前記撮像対象における赤外の画像を表すデータである画像データを生成する画像処理部等を備えるデジタル赤外線カメラである。撮像部12の前記結像光学系は、実施形態では、その配設された居室RM全体を撮像できる画角を持つ広角な光学系(いわゆる広角レンズ(魚眼レンズを含む))であることが好ましい。
記憶部13は、撮像部12が撮像した居室RM内の動画等を記憶する。記憶部13は、例えば、HDD、フラッシュメモリ等によって実現される。
検知部14は、被監視者Obに所定のイベントが発生したか否かを検知する。より具体的には、所定のイベントは、例えば、被監視者Obが起きた起床、被監視者Obが寝床から離れた離床、被監視者Obが寝床から落ちた転落、および、被監視者Obが倒れた転倒の4つのイベントである。そして、検知部14は、例えば、撮像部12で撮像した画像に基づいて被監視者Obの頭部を検出し、この検出した被監視者Obの頭部における大きさの時間変化に基づいて被監視者Obの起床、離床、転倒および転落を検知する。
より詳しくは、居室RMの寝床の所在領域、寝床の所在領域内における横臥姿勢の頭部の大きさと座位姿勢の頭部の大きさとを識別するための第1閾値Th1、寝床の所在領域を除く居室RM内における立位姿勢の頭部の大きさであるか否かを識別するための第2閾値Th2、および、寝床の所在領域を除く居室RM内における横臥姿勢の頭部の大きさであるか否かを識別するための第3閾値Th3が、予め検知部14に記憶される。そして、検知部14は、撮像部12で撮影した画像から例えば背景差分法やフレーム差分法によって被監視者Obの人物の領域として動体領域を抽出し、この抽出した動体領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、また例えば予め用意された頭部のモデルを用いたパターンマッチングによって、また例えば頭部検出用に学習したニューラルネットワークによって、被監視者Obの頭部領域を抽出し、この抽出した頭部の位置および大きさから起床、離床、転倒および転落を検知する。
例えば、検知部14は、この抽出した頭部の位置が寝床の所在領域内であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第1閾値Th1を用いることによって横臥姿勢の大きさから座位姿勢の大きさへ時間変化した場合には、起床と判定し、前記起床を検知する。例えば、検知部14は、この抽出した頭部の位置が寝床の所在領域内から寝床の所在領域外へ時間変化した場合であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第2閾値Th2を用いることによって或る大きさから立位姿勢の大きさへ時間変化した場合には、離床と判定し、前記離床を検知する。例えば、検知部14は、この抽出した頭部の位置が寝床の所在領域内から寝床の所在領域外へ時間変化した場合であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第3閾値Th3を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへ時間変化した場合には、転落と判定し、前記転落を検知する。例えば、検知部14は、この抽出した頭部の位置が寝床の所在領域を除く居室RM内であって、前記抽出した頭部の大きさが前記第3閾値Th3を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへ時間変化した場合には、転倒と判定し、前記転倒を検知する。なお、横臥姿勢は、横たわっている姿勢に限らず、仰向き姿勢、うつ伏せ姿勢を含む。
SU制御処理部10は、管理サーバ装置SVを宛先として、SU通信IF部11に対して、各種通知を送信させる命令をする。SU通信IF部11は、この命令に従って、管理サーバ装置SVに各種通知を送信する。例えば、SU制御処理部10は、検知部14が被監視者Obに所定のイベントが発生したことを検知したとき、SU通信IF部11に対して、イベント発生通知NF0を送信させる命令をする。SU通信IF部11は、この命令に従って、管理サーバ装置SVにイベント発生通知NF0を送信する。イベント発生通知NF0は、発生したイベントの種類と、イベントが発生した居室RMの居室番号と、を含む。また、SU制御処理部10は、管理サーバ装置SVからのリクエストに応じて、SU通信IF部11に対して、撮像部12が撮影した画像IMを送信させる命令をする。SU通信IF部11は、この命令に従って、管理サーバ装置SVに画像IMを送信する。
管理サーバ装置SVの構成について説明する。図3は、管理サーバ装置SVの構成を示すブロック図である。管理サーバ装置SVは、管理サーバ側制御処理部(SV制御処理部)30と、管理サーバ側通信インターフェース部(SV通信IF部)31と、記録部32と、担当者情報記憶部33と、担当監視者特定部34と、入室判断部35と、対応判断部36と、を備える。
SV制御処理部30は、管理サーバ装置SVの各部(SV通信IF部31、記録部32、担当者情報記憶部33、担当監視者特定部34、入室判断部35、対応判断部36)を、当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するための装置である。
SV通信IF部31は、SV制御処理部30に接続され、SV制御処理部30の制御に従って通信を行うための通信回路である。SV通信IF部31は、SV制御処理部30から入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、この被監視者監視支援システムMSのネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号を、ネットワークNWを介して他の装置SU、SP、TAへ送信する。SV通信IF部31は、ネットワークNWを介して他の装置SU、SP、TAから通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータをSV制御処理部30が処理可能な形式のデータに変換してSV制御処理部30へ出力する。SV通信IF部31は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
SV通信IF部31は、イベント発生通知受信部、第1通知送信部および画像受信部の機能を有する。イベント発生通知受信部は、センサ装置SUから送信されてきたイベント発生通知NF0を受信する。第1通知送信部は、所定の携帯端末装置TAに第1通知NF1を送信する。第1通知NF1については後で説明する。画像受信部は、センサ装置SUから送信されてきた画像IMを受信する。
記録部32は、現在、居室RMに入室している監視者NSのIDを、入室記録テーブル321に記録する。図4は、入室記録テーブル321の一例である入室記録テーブル321-1を説明する説明図である。図1および図4を参照して、入室記録テーブル321-1は、2つの欄3211,3212を備える。欄3211は、居室番号の欄であり、各居室RMの番号が予め記録されている。居室番号1は、居室RM-1を示しており、居室番号2は、居室RM-2を示しており、居室番号3は、居室RM-3を示しており、居室番号4は、居室RM-4を示している。
欄3212は、携帯端末装置IDの欄である。欄3212には、ある居室RMに、現在、入室している監視者NSがいる場合、その監視者NSの携帯端末装置TAのIDがその居室RMの居室番号と対応付けて記録され、ある居室RMに、現在、入室している監視者NSがいない場合、その居室RMに監視者NSが入室していないことを示す記号(ここでは「NULL」)がその居室RMの居室番号と対応付けて記録される。例えば、現在、居室RM-2に監視者NS-1が入室している場合、監視者NS-1の携帯端末装置TAのID(「ID_TA-1」)が、居室番号2と対応付けて記録され、現在、現在、居室RM-1に監視者NSが入室していない場合、「NULL」が居室番号1と対応付けて記録される。
図3を参照して、記録部32は、各居室RMにおいて、被監視者Obに発生したイベントを、イベント記録テーブル322に時系列に記録する。図5は、イベント記録テーブル322の一例であるイベント記録テーブル322-1を説明する説明図である。図1および図5を参照して、イベント記録テーブル322-1は、欄3221~欄3225を備える。欄3221は、イベント通知時刻の欄であり、センサ装置SUから管理サーバ装置SVに所定のイベントの発生が通知(イベント発生通知NF0)されたとき、その通知時刻が記録される。
欄3222は、イベント種類の欄であり、通知されたイベントの種類が記録される。欄3223は、居室番号の欄であり、通知されたイベントが発生した居室RMの番号が記録される。
欄3224、欄3225は、それぞれ、居室入室時刻の欄、居室RMに駆け付けた監視者NSが携帯する携帯端末装置TAのIDの欄であり、監視者NSが、発生したイベントに対応するために、イベントが発生した居室RMに入室した時刻、その監視者NSの携帯端末装置TAのIDが記録される。後で説明するように、記録部32は、監視者NSが入室する際に、読取部45(図7)を用いて居室番号を読み取った時刻を、居室入室時刻として記録する。
図3を参照して、担当者情報記憶部33は、担当者情報331を記憶する。担当者情報331は、複数の被監視者Obのそれぞれについて、複数の監視者NSの中から割り当てられた担当監視者を示す情報である。図6は、担当者情報331の一例を説明する説明図である。図1および図6を参照して、担当者情報331は、欄3311~欄3314を備える。
欄3311は、居室番号の欄であり、各居室RMの番号が示される。欄3312は、被監視者Obの氏名の欄であり、居室番号が示す居室RMに入居している被監視者Obの氏名が示される。欄3313は、担当監視者の氏名の欄であり、被監視者Obを担当する監視者の氏名が示される。欄3314は、担当監視者が携帯する携帯端末装置TAのIDの欄である。
センサ装置SUと居室番号とは1対1で対応しているので、図4の欄3211、図5の欄3223、図6の欄3311は、居室番号の替わりに、センサ装置SUのIDとしてもよい。
図3を参照して、担当監視者特定部34は、SV通信IF部31(イベント発生通知受信部)がイベント発生通知NF0を受信したとき、担当者情報331を参照して、第1監視者を特定する。第1監視者は、所定のイベントが発生した被監視者Obの担当監視者である。
入室判断部35は、SV通信IF部31(イベント発生通知受信部)がイベント発生通知NF0を受信したとき、第1監視者が複数の居室RMのいずれかに入室しているか否かを、入室記録テーブル321(入出記録部の記録)を基にして判断する。
対応判断部36は、第1監視者が別の被監視者Obに対応中が否かを判断する。この判断の手法の詳細は、後で説明する。SV制御処理部30は、対応判断部36が、第1監視者が別の被監視者Obに対応中と判断したとき、第1監視者以外の監視者NSの携帯端末装置TAおよび固定端末装置SPを宛先として、SV通信IF部31に対して、第1通知NF1を送信する命令をする。第1通知NF1とは、所定のイベントが発生し、かつ、第1監視者が別の被監視者Obに対応中であることを示す通知である。この通知は、発生したイベントの種類と、イベントが発生した居室RMの番号と、を含む。SV通信IF部31は、その命令に従って、第1監視者以外の監視者Obの携帯端末装置TAに第1通知NF1を送信する。
携帯端末装置TAの構成について説明する。図7は、携帯端末装置TAの構成を示すブロック図である。携帯端末装置TAは、携帯端末側制御処理部(TA制御処理部)40と、携帯端末側通信インターフェース部(TA通信IF部)41と、携帯端末側入力部(TA入力部)42と、携帯端末側出力部(TA出力部)43と、読取部45と、を備える。
TA制御処理部40は、携帯端末装置TAの各部(TA通信IF部41、TA入力部42、TA出力部43、読取部45)を当該各部の機能に応じてそれぞれ制御するための装置である。
TA通信IF部41は、TA制御処理部40に接続され、TA制御処理部40の制御に従って通信を行うための通信回路である。TA通信IF部41は、TA制御処理部40から入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、この被監視者監視支援システムMSのネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号を、ネットワークNWを介して他の装置SU、SV、SPへ送信する。TA通信IF部41は、ネットワークNWを介して他の装置SU、SV、SPから通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータをTA制御処理部40が処理可能な形式のデータに変換してTA制御処理部40へ出力する。SP通信IF部21は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
TA入力部42は、各種入力をする装置である。各種入力は、コマンド(命令)、データ等を携帯端末装置TAの外部から入力することである。タッチパネル、ハードキー等によって、TA入力部42は実現される。
TA出力部43は、各種出力をする装置である。各種出力は、例えば、各居室RM内を撮像した画像(動画、静止画)の出力、介護記録の出力、イベント未発生の出力、イベント発生の出力である。表示装置(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等)によって、TA出力部43は実現される。
読取部45は、各居室RMに配置されたバーコード60を読み取る。バーコード60は、居室RMの居室番号を示している。居室RM-1に配置されたバーコード60は、居室番号1を示しており、居室RM-2に配置されたバーコード60は、居室番号2を示しており、居室RM-3に配置されたバーコード60は、居室番号3を示しており、居室RM-4に配置されたバーコード60は、居室番号4を示している。バーコード60は、例えば、居室RMの出入口のドア、居室RMの外側の壁、または、居室RMの内側の壁に貼り付けられている。
読取部45は、可視カメラを備え、バーコードリーダーの機能を有する。読取部45は、この可視カメラが撮像したバーコード60の画像に対して、所定の画像処理をし、バーコード60が示す居室番号を読み取る。
TA制御処理部40は、管理サーバ装置SV、固定端末装置SPを宛先として、TA通信IF部41に対して、各種通知を送信させる命令をする。TA通信IF部41は、この命令に従って、各種通知を送信する。例えば、読取部が、バーコード60が示す居室番号を読み取ったとき、TA制御処理部40は、管理サーバ装置SVを宛先として、TA通信IF部41に、この居室番号の通知(居室番号通知NF5)を送信させる命令をする。居室番号通知NF5には、読取部45が居室番号を読み取った時刻が含まれる。TA通信IF部41は、この命令に従って、管理サーバ装置SVに居室番号通知NF5を送信する。
図3に示す記録部32は、居室番号通知NF5と、これを送信した携帯端末装置TAのIDとに基づいて、入室記録テーブル321に記録をする。これについて詳しく説明する。図8は、記録部32の動作を説明するフローチャートである。
図1に示す被監視者Ob-2の転倒に対応するために、監視者NS-1が居室RM-2に駆け付けたとする。図3、図7および図8を参照して、携帯端末装置TA-1において、読取部45は、居室RM-2の居室番号2を読み取ったか否かを判断する(ステップS201)。居室番号2は、居室RM-2にあるバーコード60で示される。読取部45が、バーコード60を読み取ることにより、居室RM-2の居室番号2を読み取る。読取部45が、居室RM-2の居室番号2を読み取っていないと判断したとき(ステップS201でNo)、ステップS201の処理を繰り返す。
読取部45が、居室RM-2の居室番号2を読み取ったと判断したとき(ステップS201でYes)、携帯端末装置TA-1において、TA通信IF部41は、管理サーバ装置SVを宛先として、居室番号通知NF5を送信する(ステップS202)。
SV制御処理部30は、SV通信IF部31が居室番号通知NF5を受信したか否かを判断する(ステップS101)。SV制御処理部30は、SV通信IF部31が居室番号通知NF5を受信していないと判断したとき(ステップS101でNo)、ステップS101の処理を繰り返す。
SV制御処理部30は、SV通信IF部31が居室番号通知NF5を受信したと判断したとき(ステップS101でYes)、記録部32は、居室番号通知NF5を送信した携帯端末装置TA-1を携帯する監視者NS-1が、居室番号通知NF5が示す居室番号2で示される居室RM-2に、現在、入室していると見なし、入室記録テーブル321への記録を実行する(ステップS102)。詳しく説明すると、図9は、入室記録テーブル321-1への記録の遷移を具体的に説明する説明図である。図9に示す欄3211,3212は、図4に示す欄3211,3212と同じである。
管理サーバ装置SVに居室番号通知NF5が送信される前は、居室RM-2に監視者NSがいないので、入室記録テーブル321-1において、居室番号2に対応する携帯端末装置TAのIDの欄3212には、携帯端末装置TA-1のIDが記録されていない(図9の(a))。管理サーバ装置SVが居室番号通知NF5を受信したので(ステップS101でYes)、記録部32は、居室番号通知NF5を示す居室番号2と、この通知を送信した携帯端末装置TA-1のID(「ID_TA-1」)とを参照して、入室記録テーブル321-1において、居室番号2に対応する携帯端末装置IDの欄3212に、「ID_TA-1」を記録する(図9の(b))。
図3、図4および図8を参照して、監視者NS-1が、居室RM-1を退室する際に、携帯端末装置TA-1の読取部45によって、居室RM-2の居室番号2が、再度読み取られる。詳しく説明すると、読取部45は、居室RM-2の居室番号2を読み取ったか否かを判断する(ステップS203)。上述したように、居室番号2は、居室RM-2にあるバーコード60で示される。読取部45が、バーコード60を読み取ることにより、居室RM-2の居室番号2を読み取る。読取部45が、居室RM-2の居室番号2を読み取っていないと判断したとき(ステップS203でNo)、ステップS203の処理を繰り返す。
読取部45が、居室RM-2の居室番号2を読み取ったと判断したとき(ステップS203でYes)、携帯端末装置TA-1において、TA通信IF部41は、管理サーバ装置SVを宛先として、居室番号通知NF5を送信する(ステップS204)。
SV制御処理部30は、SV通信IF部31が居室番号通知NF5を受信したか否かを判断する(ステップS103)。SV制御処理部30は、SV通信IF部31が居室番号通知NF5を受信していないと判断したとき(ステップS103でNo)、ステップS103の処理を繰り返す。
SV制御処理部30は、SV通信IF部31が居室番号通知NF5を受信したと判断したとき(ステップS103でYes)、記録部32は、入室記録テーブル321への記録を実行する(ステップS104)。詳しく説明すると、図9を参照して、管理サーバ装置SVに居室番号通知NF5が送信される前は、居室RM-2に監視者NS-1がいるので、入室記録テーブル321-1において、居室番号2に対応する携帯端末装置IDの欄3212には、携帯端末装置TA-1のIDが記録されている(図9の(b))。管理サーバ装置SVが居室番号通知NF5を受信したので(ステップS103でYes)、記録部32は、居室番号通知NF5を示す居室番号2と、この通知を送信した携帯端末装置TA-1のID(「ID_TA-1」)とを参照して、入室記録テーブル321-1において、居室番号2に対応する携帯端末装置IDの欄3212に、「NULL」を記録する(図9の(c))。以上が記録部32の動作の説明である。
実施形態に係る被監視者監視システムMSの動作について説明する。図10は、この動作を説明するフローチャートである。図1、図2および図10を参照して、センサ装置SUに備えられる検知部14は、被監視者Obに所定のイベントが発生したことを検知したか否かを判断する(ステップS311)。例えば、被監視者Ob-1の場合、センサ装置SU-1に備えられる検知部14がこの判断をする。センサ装置SUに備えられる検知部14は、被監視者Obに所定のイベントが発生したことを検知していないとき(ステップS311でNo)、ステップS311の処理を繰り返す。
センサ装置SUに備えられる検知部14が、被監視者Obに所定のイベントが発生したことを検知したとき(ステップS311でYes)、センサ装置SUに備えられるSU通信IF部11は、管理サーバ装置SVを宛先として、イベント発生通知NF0を送信する(ステップS312)。
以下は、被監視者Ob-1に「離床」が発生したことが検知された例で説明する。センサ装置SU-1に備えられるSU通信IF部11に、イベント発生通知NF0を送信する(ステップS312)。この通知は、発生したイベントの種類(「離床」)と、このイベントが発生した居室番号(「1」)と、を含む。
SV制御処理部30は、SV通信IF部31がセンサ装置SU-1からのイベント発生通知NF0を受信したか否かを判断する(ステップS111)。SV制御処理部30は、SV通信IF部31がセンサ装置SU-1からのイベント発生通知NF0を受信していないと判断したとき(ステップS111でNo)、ステップS111の処理を繰り返す。
SV制御処理部30は、SV通信IF部31がセンサ装置SU-1からのイベント発生通知NF0を受信したと判断したとき(ステップS111でYes)、このイベント発生通知NF0に基づいて、イベント記録テーブル322に、イベントに関連する情報を記録する(ステップS112)。詳しく説明する。図5を参照して、イベント発生通知NF0は、イベントの種類(「離床」)と、居室番号(「1」)と、を含む。センサ装置SU-1が管理サーバ装置SVにイベント発生通知NF0を送信した時刻(イベント通知時刻)が6時28分50秒とする。
記録部32は、最新のイベントに関する情報が記録される部分(実施形態では、イベント記録テーブル322-1の一番上の行)において、欄3221に「06:28:50」を記録し、欄3222に「離床」を記録し、欄3223に「1」を記録する。このイベントに対して、居室RM-1に駆け付けて、居室RM-1に入室した監視者NSが、まだいないので、記録部32は、欄3224を空欄のままとし、欄3225に「NULL」を記録する。
図3および図10を参照して、担当監視者特定部34は、図6に示す担当者情報331を参照して、第1監視者を特定する(ステップS113)。居室番号1の居室RM-1に入居しているMr.A(被監視者Ob-1)の担当監視者は、Ms.NA(監視者NS-1)である。従って、Ms.NA(監視者NS-1)が第1監視者となる。
このように、センサ装置SUと管理サーバ装置SVとで構成される被監視者監視支援装置が、複数の被監視者Obのいずれかに所定のイベントが発生したと判断したとき(ステップS311でYes)、担当監視者特定部34は、所定のイベントが発生した被監視者Obの担当監視者である第1監視者を担当者情報331を用いて特定する。
入室判断部35は、入室記録テーブル321を参照して、第1監視者(Ms.NA)が、いずれかの居室RMに入室中か否かを判断する(ステップS114)。例えば、図4に示す入室記録テーブル321-1の場合、入室判断部35は、第1監視者(Ms.NA)が居室RM-2に入室中と判断する。
このように、センサ装置SUと管理サーバ装置SVとで構成される被監視者監視支援装置が、複数の被監視者Obのいずれかに所定のイベントが発生したと判断したとき(ステップS311でYes)、入室判断部35は、第1監視者(Ms.NA)が複数の居室RMのいずれかに入室しているか否かを、入室記録テーブル321を基にして判断する。
入室判断部35が、第1監視者(Ms.NA)が、いずれの居室RMにも入室中でないと判断したとき(ステップS114でNo)、SV制御処理部30は、全携帯端末装置TAを宛先として、SV通信IF部31に対して、イベント通知NF6を送信する命令をする。イベント通知NF6は、ステップS111で受信されたイベント発生通知NF0に含まれるイベントの種類(「離床」)、および、このイベントが発生した居室RMの居室番号(「1」)を含む。SV通信IF部31は、その命令に従って、全携帯端末装置TAにイベント通知NF6を送信する(ステップS115)。これにより、図7に示す各監視者NSが携帯する携帯端末装置TAのTA出力部43は、イベントの種類(「離床」)、および、このイベントが発生した居室RMの居室番号(「1」)を含む情報を出力する。
入室判断部35が、第1監視者(Ms.NA)が、いずれかの居室RMに入室中であると判断したとき(ステップS114でYes)、対応判断部36は、第1監視者(Ms.NA)が、別の被監視者Obに対応中か否かを判断する(ステップS116)。図11は、この判断を説明するフローチャートである。第1監視者(Ms.NA)が居室RM-2に入室中なので、別の被監視者Obは、被監視者Ob-2である。
第1監視者(Ms.NA)は、所定のイベントの発生に対応するために、居室RM-2に入室したり、何か別の用事で居室RM-2に入室したりする。対応判断部36は、前者の場合、第1監視者(Ms.NA)が被監視者Ob-2に対応中と判断し、後者の場合、対応中でないと判断する。
対応判断部36は、第1監視者(Ms.NA)が居室RM-2に入室中に、センサ装置SU-2に備えられる撮像部12が撮影した画像IM-1を基にして、対応中か否かを判断する。そこで、SV制御処理部30は、SV通信IF部31に対して、リクエスト通知NF7を送信する命令をする。リクエスト通知NF7は、画像IM-1をリクエストする通知である。画像IM-1は、第1監視者(Ms.NA)が居室RM-2に入室中の画像を含む。例えば、ステップS312(図10)でセンサ装置SU-1に備えられるSU通信IF部11がイベント発生通知NF0を送信した以降に(言い換えれば、センサ装置SUと管理サーバ装置SVとで構成される被監視者監視支援装置が、所定のイベントが発生した判断をした以降に)、センサ装置SU-2に備えられる撮像部12が撮影した画像が、画像IM-1となる。
図2、図3および図11を参照して、SV通信IF部31は、センサ装置SU-2にリクエスト通知NF7を送信する(ステップS121)。センサ装置SU-2に備えられるSU制御処理部10は、SU通信IF部11がリクエスト通知NF7を受信したか否かを判断する(ステップS321)。SU制御処理部10は、SU通信IF部11がリクエスト通知NF7を受信していないと判断したとき(ステップS321でNo)、ステップS321の処理を繰り返す。
センサ装置SU-2に備えられるSU制御処理部10は、SU通信IF部11がリクエスト通知NF7を受信したと判断したとき(ステップS321でYes)、SU通信IF部11に対して、画像IM-1を送信する命令をする。SU通信IF部11は、この命令に従って、画像IM-1をサーバ装置SVに送信する(ステップS322)。
SV制御処理部30は、SV通信IF部31が、画像IM-1を受信したか否かを判断する(ステップS122)。SV制御処理部30は、SV通信IF部31が、画像IM-1を受信していないと判断したとき(ステップS122でNo)、ステップS122の処理を繰り返す。
SV制御処理部30が、SV通信IF部31が、画像IM-1を受信したと判断したとき(ステップS122でYes)、対応判断部36は、画像IM-1に二人の人物が写されているか否かを判断する(ステップS123)。
対応判断部36は、画像IM-1に二人の人物が写されていると判断したとき(ステップS123でYes)、一方の人物を第1監視者(Ms.NA)と推定し、他方の人物を被監視者Ob-2と推定し、二人の距離が所定値以下か否かを判断する(ステップS124でYes)。二人の距離が所定値以下のとき、第1監視者(Ms.NA)が被監視者Ob-2に対応していると推定することができる。所定値は、例えば、2mである。例えば、対応判断部36は、画素数と二人の距離との関係を示すテーブルを記憶しており、一方の人物の重心と他方の人物の重心との間の画素数を計測し、計測した画素数とそのテーブルとを用いて、二人の距離を算出する。二人の距離は、公知の画像処理で算出してもよい。
対応判断部36は、二人の距離が所定値以下と判断したとき(ステップS124でYes)、第1監視者(Ms.NA)は被監視者Ob-2(別の被監視者Ob)に対応中と判断する(ステップS125)。対応判断部36は、二人の距離が所定値を超えていると判断したとき(ステップS124でNo)、第1監視者(Ms.NA)は被監視者Ob-1(別の被監視者Ob)に対応中でないと判断する(ステップS126)。
対応判断部36は、画像IM-1に二人の人物が写されておらず、一人の人物が写されていると判断したとき(ステップS123でNo)、一人の人物が歩行しているか否かを判断する(ステップS127)。第1監視者(Ms.NA)は居室RM-2に入室中なので、画像Im-1には二人の人物が写されている。しかし、被監視者Ob-2が第1監視者(Ms.NA)に支えられて歩行している場合、一人の人物が歩行しているように画像認識される。そこで、対応判断部36は、一人の人物が歩行していると判断したとき(ステップS127でYes)、被監視者Ob-1が第1監視者(Ms.NA)に支えられて歩行していると推定し、第1監視者(Ms.NA)が被監視者Ob-1(別の被監視者Ob)に対応中と判断する(ステップS125)。
これに対して、対応判断部36は、一人の人物が歩行していないと判断したとき(ステップS127でNo)、第1監視者(Ms.NA)は被監視者Ob-1(別の被監視者Ob)に対応中でないと判断する(ステップS126)。
図10の説明に戻る。図3、図7および図10を参照して、対応判断部36が、第1監視者(Ms.NA)が被監視者Ob-1に対応中でないと判断したとき(ステップS116でNo)、管理サーバ装置SVは、ステップS115の処理をする。
対応判断部36が、第1監視者(Ms.NA)が被監視者Ob-1に対応中と判断したとき(ステップS116でYes)、SV制御処理部30は、第1監視者(Ms.NA)以外の監視者NSの携帯端末装置TAを宛先として、SV通信IF部31に対して、第1通知NF1を送信する命令をする。第1通知NF1は、所定のイベントが発生し、かつ、第1監視者が別の被監視者Obに対応中であることを示す通知である。ここでは、第1通知NF1は、被監視者Ob-2が転倒し、かつ、担当監視者(Ms.NA)が被監視者Ob-2に対応中であることを示す通知である。SV通信IF部31は、第1監視者(Ms.NA)以外の監視者NSの携帯端末装置TAを宛先として、第1通知NF1を送信する(ステップS117)。これにより、第1監視者(Ms.NA)以外の監視者NSが携帯する携帯端末装置TAのTA出力部43は、図12に示す所定画像を出力する。
図12は、第1監視者(Ms.NA)以外の監視者NSが携帯する携帯端末装置TAにおいて、タッチパネルTPに表示された所定画像を説明する説明図である。タッチパネルTPは、TA入力部42およびTA出力部43の機能を有する。タッチパネルTPは、居室RM-1内の静止画、居室番号、および、被監視者Ob-1の名前等を含む所定画像を表示する。所定画像は、通知事項431を含む。通知事項431は、「担当監視者が別の監視者に対応中です」を示す文字を含む。これにより、担当監視者以外の監視者NSが、「担当監視者がその対応をすると思い込み、通知を無視する」ことを防止できる。TA通信IF部41が、ステップS117(図10)で送信された第1通知NF1を受信したとき、TA出力部43は報知音を出力する。TA通信IF部41が、ステップS115で送信されたイベント通知NF6を受信したとき、TA出力部43は報知音を出力する。第1通知NF1の受信とイベント通知NF6の受信とで区別できるようにするために、TA出力部43は、報知音を異ならせてもよい。
実施形態の主の効果を説明する。図3および図10を参照して、対応判断部36が、第1監視者が別の被監視者Obに対応中と判断したとき(ステップS116でYes)、SV通信IF部31(第1通知送信部)は、第1監視者以外の監視者NSの携帯端末装置TAに、所定のイベントが発生し、かつ、第1監視者が別の被監視者Obに対応中であることを示す第1通知NF1を送信する(ステップS117、図12)。従って、実施形態によれば、所定のイベントが発生した被監視者Obに担当監視者が対応できなくても、他の監視者NSが迅速にその被監視者Obに対応することができる。被監視者Obに所定のイベントが発生したとき、担当監視者がその対応をする状態が恒常化している場合に、特に、有効である。
第1監視者の携帯端末装置TAには、第1通知NF1が送信されない(ステップS117)。これにより、第1監視者が別の被監視者Obに対応中に、自分が担当する被監視者Obに発生したイベントに対応すべきか否かの迷いが生じることを防止でき、別の被監視者Obの対応に集中することができる。
実施形態の第1変形例を説明する。実施形態と第1変形例とで相違する内容について説明し、共通する内容については説明を省略する。第1変形例は、実施形態を前提とする。上述したように、第1監視者の携帯端末装置TAには、第1通知NF1が送信されない。第1変形例において、第1監視者の携帯端末装置TAには、第1通知NF1の替わりに、第3通知NF3、第4通知NF4が送信される。第3通知NF3は、第1監視者以外の監視者NAが、第1監視者が担当する被監視者Obに対応する意志を示した通知である。第4通知NF4は、第1監視者が担当する被監視者Obに監視者NAのいずれも対応する意志を示していない通知である。
図13は、第1変形例の携帯端末装置TAの構成を示すブロック図である。TA制御処理部40は、管理サーバ装置SVからの第1通知NF1に対して、第1監視者以外の監視者NSが、携帯端末装置TAのTA入力部42を操作して、第1通知NF1に対応する意志を入力したとする。この携帯端末装置TAのTA制御処理部40は、TA通信IF部41に対して、管理サーバ装置SVに第2通知NF2を送信する命令をする。第2通知NF2は、所定のイベントが発生した被監視者Obに対応する意志の通知である。TA通信IF部41は、第2通知NF2を管理サーバ装置SVに送信する。
図14は、第1変形例の管理サーバ装置SVの構成を示すブロック図である。SV通信IF部31は、第2通知受信部および第3通知送信部の機能を有する。SV通信IF部31(第2通知受信部)が第2通知NF2を受信したとき、SV制御処理部30は、SV通信IF部31に対して、第1監視者の携帯端末装置TAに第3通知NF3を送信する命令をする。第3通知NF3は、所定のイベントが発生した被監視者Obに対応する意志を示す監視者NAがいる通知である。SV通信IF部31(第3通知送信部)は、第1監視者の携帯端末装置TAに第3通知NF3を送信する。
管理サーバ装置SVは、終了判断部37を備える。終了判断部37は、SV通信IF部31(第2通知受信部)が第2通知NF2を受信していない状態下、第1監視者が別の被監視者Obへの対応が終了したか否かを判断する。例えば、図8のステップS204の居室番号通知NF5は、第1監視者が別の被監視者Obの居室RMから退室したことを示す通知である。SV通信IF部31がこの居室番号通知NF5を受信したとき(図8のステップS103でYes)、終了判断部37は、第1監視者が別の被監視者Obへの対応が終了したと判断する。
SV制御処理部30は、対応判断部36がその対応の終了を判断したとき、SV通信IF部31に対して、第1監視者の携帯端末装置TAに第4通知NF4を送信する命令をする。第4通知NF4は、第1監視者が担当する被監視者Obに所定のイベントが発生したことを示す通知である。SV通信IF部31は、第4通知送信部の機能を有する。SV通信IF部31は、第1監視者の携帯端末装置TAに第4通知NF4を送信する。
第2通知NF2、第3通知NF3および第4通知NF4に関する処理について説明する。図15は、この処理を説明するフローチャートである。第1監視者がMs.NA(監視者NS-1)とし、別の被監視者Obが被監視者Ob-2とし、所定のイベントが発生した被監視者Obを被監視者Ob-1とする。図13、図14および図15を参照して、SV制御処理部30は、SV通信IF部31が第1監視者(Ms.NA)以外の監視者NSの携帯端末装置TAが送信した第2通知NF2を受信したか否かを判断する(ステップS131)。SV制御処理部30は、SV通信IF部31が第2通知NF2を受信したと判断したとき(ステップS131でYes)、SV制御処理部30は、SV通信IF部31に対して、第3通知NF3を送信する命令をする。SV通信IF部31は、この命令に従って、第1監視者(Ms.NA)の携帯端末装置TAに第3通知NF3を送信する(ステップS132)。
第1監視者(Ms.NA)の携帯端末装置TA-1において、TA制御処理部40は、TA通信IF部41が第3通知NF3を受信したか否かを判断する(ステップS231)。TA制御処理部40は、TA通信IF部41が第3通知NF3を受信したと判断したとき(ステップS231でYes)、TA出力部43は、図16に示す所定画像を出力する(ステップS232)。図16は、第1監視者(Ms.NA)が携帯する携帯端末装置TA-1において、第3通知NF3に応じてタッチパネルTPに表示された所定画像を説明する説明図である。所定画像は、通知事項432を含む。通知事項432は、「1号室Mr.Aが離床しました。Ms.NBが対応中です」を示す文字を含む。これにより、第1監視者(Ms.NA)は、担当する被監視者Ob-1に所定のイベントが発生し、他の監視者NS(Ms.NB)がこれに対応したことについて、後から知ることができる。
所定画像は、ソフトキー421,422を含む。第1監視者がソフトキー421を操作すると、TA制御処理部40は、TA通信IF部41に対して、第1監視者が通知事項432を見たことを示す通知を、管理サーバ装置SVに送信する命令をする。TA通信IF部41は、この命令に従って、この通知を管理サーバ装置SVに送信する。これにより、管理サーバ装置SVは、第1監視者が通知事項432を見たことを確認することができる。
ソフトキー422は、対応する意志を示した監視者NS(ここでは、Ms.NB)の携帯端末装置TAの電話番号と紐付いたキーである。第1監視者がソフトキー422を操作すると、TA制御処理部40は、対応する意志を示した監視者NSの携帯端末装置TAに電話をかける。これにより、第1監視者は、何か必要な事項があれば、対応する意志を示した監視者NSに知らせることができる。
図13、図14および図15を参照して、SV制御処理部30は、SV通信IF部31が第2通知NF2を受信していないと判断したとき(ステップS131でNo)、対応判断部36は、第1監視者(Ms.NA)が被監視者Ob-2(別の被監視者Ob)への対応が終了しているか否かを判断する(ステップS133)。対応判断部36が、この対応が終了していないと判断したとき(ステップS133でNo)、SV制御処理部30は、ステップS131の処理をする。
対応判断部36は、第1監視者(Ms.NA)が被監視者Ob-2(別の被監視者Ob)への対応が終了していると判断したとき(ステップS133でYes)、SV制御処理部30は、SV通信IF部31に対して、第4通知NF4を送信する命令をする。SV通信IF部31は、この命令に従って、第1監視者(Ms.NA)の携帯端末装置TA-1に第4通知NF4を送信する(ステップS134)。
第1監視者(Ms.NA)の携帯端末装置TA-1において、TA制御処理部40は、TA通信IF部41が第4通知NF4を受信したか否かを判断する(ステップS233)。TA制御処理部40は、TA通信IF部41が第4通知NF4を受信していないと判断したとき(ステップS233でNo)、ステップS231の処理をする。
TA制御処理部40は、TA通信IF部41が第4通知NF4を受信したと判断したとき(ステップS233でYes)、TA出力部43は、図17に示す所定画像を出力する(ステップS234)。図17は、第1監視者(Ms.NA)が携帯する携帯端末装置TA-1において、第4通知NF4に応じてタッチパネルTPに表示された所定画像を説明する説明図である。タッチパネルTPは、居室RM-1内の静止画、居室番号、および、被監視者Ob-1の名前等を含む所定画像を表示する。所定画像は、通知事項433を含む。通知事項433は、「至急対応して下さい」を示す文字を含む。これにより、被監視者Ob-2(別の被監視者Ob)への対応が終了した第1監視者(Ms.NA)は、担当する被監視者Ob-1に対応する必要があることを知ることができる。
TA通信IF部41が、ステップS134(図15)で送信された第4通知NF4を受信したとき、TA出力部43は報知音を出力する。第4通知NF4の受信とイベント通知NF6(図10のステップS115)の受信とで区別できるようにするために、TA出力部43は、報知音を異ならせてもよい。
実施形態の第2変形例を説明する。実施形態と第2変形例とで相違する内容について説明し、共通する内容については説明を省略する。実施形態において、担当者情報331(図6)は、被監視者監視支援システムMSのユーザによって作成される。第2変形例において、担当者情報331は、担当者情報生成部38によって作成される。
図18は、第2変形例の管理サーバ装置SVの構成を示すブロック図である。管理サーバ装置SVは、担当者情報生成部38を備える。担当者情報生成部38は、被監視者Obに所定のイベントが発生したときに対応した監視者NSの履歴を用いて、担当者情報331を生成する。この履歴の例として、イベント記録テーブル322がある。イベント記録テーブル322(例えば、図5に示すイベント記録テーブル322-1)は、欄3225を備える。この欄には、所定のイベントが発生した被監視者Obに対応するために、この被監視者Obの居室RMに駆け付けた監視者NSが携帯する携帯端末装置TAのIDが記録される。
担当者情報生成部38は、欄3225の記録(履歴)を基にして、居室番号と駆け付け回数との関係を示すテーブルを生成する。図19は、この関係を示すテーブルの一例である。担当者情報生成部38は、欄3225に記録された携帯端末装置TAのIDについて、同じIDの数をカウントし、これを対応回数とする。
担当者情報生成部38は、複数の被監視者Obのそれぞれについて、対応回数が一番多い監視者NSを決定し、決定した監視者NSを担当監視者とする担当者情報331を生成する。図19に示すテーブルの場合、被監視者Ob-1の担当監視者は、監視者NS-1と決定され、被監視者Ob-2の担当監視者は、監視者NS-1と決定され、被監視者Ob-3の担当監視者は、監視者NS-2と決定され、被監視者Ob-4の担当監視者は、監視者NS-2と決定される。
担当者情報生成部38は、生成した担当者情報331を担当者情報記憶部33に記憶させる。第2変形例では、複数の監視者NSが担当する被監視者Obの数に違いが生じることがある。この場合、複数の監視者Obの管理者が、複数の監視者NSが担当する被監視者Obを調整し、担当者情報生成部38は、調整後の担当者情報331を担当者情報記憶部33に記憶させてもよい。
担当者情報生成部38は、図14に示す第1変形例の管理サーバ装置SVに備えることもできる。この場合も、第2変形例と同様に、担当者情報記憶部33に記憶させる担当者情報331が担当者情報生成部38によって生成される。
実施形態の第3変形例を説明する。実施形態と第3変形例とで相違する内容について説明し、共通する内容については説明を省略する。図10を参照して、実施形態において、入室判断部35が、第1監視者(Ms.NA)が別の被監視者Obの居室RMに入室していると判断し(ステップS114でYes)、対応判断部36は、この前提の下、別の被監視者Obの居室RMが写された画像IM-1を基にして、第1監視者(Ms.NA)が別の被監視者Obに対応中か否かを判断する(ステップS116)。第3変形例は、入室判断部35が、第1監視者(Ms.NA)が別の被監視者Obの居室RMに入室していると判断したとき(ステップS114でYes)、対応判断部36は、第1監視者(Ms.NA)が別の被監視者Obに対応中と判断する。第3変形例は、第1変形例、第2変形例にも適用することができる。
実施形態の第4変形例を説明する。実施形態と第4変形例とで相違する内容について説明し、共通する内容については説明を省略する。図1~図3を参照して第4変形例を説明する。撮像部12は、居室RM内の画像(動画)を撮影するので、センサ装置SUは、居室RM内の被監視者Obに所定のイベントが発生したか否かの判断に用いられる所定の情報(例えば、画像、動画)を取得する取得装置として機能する。実施形態において、センサ装置SUが所定のイベントが発生したか否かを判断する。これに対して、第4変形例において、管理サーバ装置SVが所定のイベントが発生したか否かを判断する。第4変形例において、検知部14は、センサ装置SUに備えられておらず、管理サーバ装置SVに備えられている。センサ装置SUは、撮像部12が撮影した居室RM内の画像(動画)を管理サーバ装置SVに送信する。管理サーバ装置SVは、センサ装置SUから送信されてきた画像(動画)を基にして、居室RM内の被監視者Obに所定のイベントが発生したか否かを判断する。第4変形例は、第1変形例~第3変形例にも適用することができる。
(実施形態の纏め)
本実施形態の第1局面に係る被監視者監視支援装置は、複数の監視者がそれぞれ携行する複数の端末装置と通信可能であり、複数の居室にそれぞれ居住する複数の被監視者について、所定のイベントが発生したか否かを監視する被監視者監視支援装置であって、複数の前記被監視者のそれぞれについて、複数の前記監視者の中から割り当てられた担当監視者を示す担当者情報を記憶する担当者情報記憶部と、前記被監視者監視支援装置が、複数の前記被監視者のいずれかに前記所定のイベントが発生したと判断したとき、前記所定のイベントが発生した前記被監視者の前記担当監視者である第1監視者を前記担当者情報を用いて特定する担当監視者特定部と、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中か否かを判断する対応判断部と、前記対応判断部が、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中と判断したとき、前記第1監視者以外の前記監視者の前記端末装置に、前記所定のイベントが発生し、かつ、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中であることを示す第1通知を送信する第1通知送信部と、を備える。
所定のイベントが発生した被監視者の担当監視者を第1監視者とする。対応判断部が、第1監視者が別の被監視者に対応中と判断したとき、第1通知送信部は、第1監視者以外の監視者の端末装置に、所定のイベントが発生し、かつ、第1監視者が別の被監視者に対応中であることを示す第1通知を送信する。従って、本実施形態の第1局面に係る被監視者監視支援装置によれば、所定のイベントが発生した被監視者に担当監視者が対応できなくても、他の監視者が迅速にその被監視者に対応することができる。被監視者に所定のイベントが発生したとき、担当監視者がその対応をする状態が恒常化している場合に、特に、有効である。
上記構成において、複数の前記居室のそれぞれについて、入室した前記監視者を記録する入室記録部と、前記被監視者監視支援装置が、複数の前記被監視者のいずれかに前記所定のイベントが発生したと判断したとき、前記第1監視者が複数の前記居室のいずれかに入室しているか否かを、前記入出記録部の記録を基にして判断する入室判断部と、をさらに備え、前記対応判断部は、前記入室判断部が前記居室に前記第1監視者が入室していると判断したとき、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中と判断する。
この構成によれば、第1監視者が複数の居室のいずれかに入室していれば、対応判断部は、第1監視者が別の被監視者に対応中と判断する。
上記構成において、複数の前記居室のそれぞれについて、入室した前記監視者を記録する入室記録部と、前記被監視者監視支援装置が、複数の前記被監視者のいずれかに前記所定のイベントが発生したと判断したとき、前記第1監視者が複数の前記居室のいずれかに入室しているか否かを、前記入出記録部の記録を基にして判断する入室判断部と、前記第1監視者が入室している前記居室内を撮影した画像を受信する画像受信部と、をさらに備え、前記対応判断部は、前記入室判断部が前記居室に前記第1監視者が入室していると判断したとき、前記所定のイベントが発生した判断後に撮影された前記画像を基にして、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中か否かを判断する。
第1監視者は、所定のイベントの発生に対応するために、別の被監視者の居室に入室したり、何か別の用事でその居室に入室したりする。対応判断部は、所定のイベントが発生した判断後に撮影された、第1監視者が入室している居室内を撮影した画像を基にして、前者と後者とを区別し、前者の場合、第1監視者が別の被監視者に対応中と判断し、後者の場合、対応中でないと判断する。
上記構成において、前記対応判断部は、前記画像に対して画像認識を実行し、前記画像に写る二人の人物の距離が予め定められた値以下と認識したとき、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中と判断する。
対応判断部は、画像に二人の人物が写されているとき、一方の人物を第1監視者と推定し、他方の人物を別の被監視者と推定し、二人の距離が所定値(例えば、2m)以下か否かを判断する。対応判断部は、二人の距離が所定値以下のとき、第1監視者が別の被監視者に対応中と判断する。
上記構成において、前記対応判断部は、前記画像に対して画像認識を実行し、前記画像に写る人物が一人であり、かつ、歩行していることを認識したとき、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中と判断する。
第1監視者は別の被監視者の居室に入室中なので、画像には二人の人物が写されている。しかし、別の被監視者が第1監視者に支えられて歩行している場合、対応判断部は、一人の人物が歩行していると認識する。そこで、対応判断部は、一人の人物が歩行していると認識したとき、第1監視者が別の被監視者に対応中と判断する。
上記構成において、前記第1監視者以外の前記監視者の前記端末装置から、前記所定のイベントが発生した前記被監視者に対応する意志を示す第2通知を受信する第2通知受信部と、前記第2通知受信部が前記第2通知を受信したとき、前記所定のイベントが発生した前記被監視者に対応する意志を示す前記監視者がいることを示す第3通知を、前記第1監視者の前記端末装置に送信する第3通知送信部と、をさらに備える。
これにより、第1監視者は、担当する被監視者に所定のイベントが発生し、他の監視者がこれに対応したことについて、後から知ることができる。
上記構成において、前記第2通知受信部が前記第2通知を受信していない状態下、前記第1監視者が別の前記被監視者への対応が終了したか否かを判断する終了判断部と、前記終了判断部が前記終了と判断したとき、前記第1監視者の前記端末装置に、前記所定のイベントが発生したことを示す第4通知を送信する第4通知送信部と、をさらに備える。
これにより、別の被監視者への対応が終了した第1監視者に、担当する被監視者に対応する必要があることを知らせることができる。
上記構成において、複数の前記被監視者のそれぞれについて、前記所定のイベントが発生したときに対応した前記監視者の履歴を記憶する記憶部と、前記履歴を基にして、複数の前記被監視者のそれぞれについて、対応回数が一番多い前記監視者を決定し、決定した前記監視者を前記担当監視者とする前記担当者情報を生成する担当者情報生成部と、をさらに備える。
この構成は、被監視者監視支援システムのユーザによって、担当者情報が作成されるのではなく、担当者情報生成部によって、担当者情報が生成される。この構成について、具体的に説明する。被監視者Ob-1に対応回数が一番多い監視者(例えば、監視者NS-1)が、被監視者Ob-1の担当監視者となり、被監視者Ob-2に対応回数が一番多い監視者(例えば、監視者NS-1)が、被監視者Ob-2の担当監視者となり、被監視者Ob-3に対応回数が一番多い監視者(例えば、監視者NS-2)が、被監視者Ob-3の担当監視者となり、被監視者Ob-4に対応回数が一番多い監視者(例えば、監視者NS-2)が、被監視者Ob-4の担当監視者となる。この構成によれば、監視現場の実情に従って、担当監視者を決定することができる。
本実施形態の第2局面に係る被監視者監視支援方法は、複数の監視者がそれぞれ携行する複数の端末装置と通信可能であり、複数の居室にそれぞれ居住する複数の被監視者について、所定のイベントが発生したか否かを監視する被監視者監視支援装置を用いる被監視者監視支援方法であって、前記被監視者監視支援装置が、複数の前記被監視者のいずれかに前記所定のイベントが発生したと判断したとき、複数の前記被監視者のそれぞれについて、複数の前記監視者の中から割り当てられた担当監視者を示す担当者情報を用いて、前記所定のイベントが発生した前記被監視者の前記担当監視者である第1監視者を特定する担当監視者特定ステップと、前記被監視者監視支援装置が、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中か否かを判断する対応判断ステップと、前記被監視者監視支援装置が、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中と判断したとき、前記第1監視者以外の前記監視者の前記端末装置に、前記所定のイベントが発生し、かつ、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中であることを示す第1通知を送信する第1通知送信ステップと、を備える。
本実施形態の第2局面に係る被監視者監視支援方法は、本実施形態の第1局面に係る被監視者監視支援装置を方法の観点から規定しており、本実施形態の第1局面に係る被監視者監視支援装置と同様の作用効果を有する。
本実施形態の第3局面に係る被監視者監視支援システムは、複数の監視者がそれぞれ携行する複数の端末装置と、複数の前記端末装置と通信可能であり、複数の居室にそれぞれ居住する複数の被監視者について、所定のイベントが発生したか否かを監視する被監視者監視支援装置と、を備える、被監視者監視支援システムであって、前記被監視者監視支援装置は、サーバ装置と、複数の前記居室にそれぞれ配置され、前記所定のイベントが発生したか否かの判断に用いられる所定の情報を取得する複数の取得装置と、を備え、前記サーバ装置が前記所定の情報を基にして前記所定のイベントが発生したか否かを判断し、又は、複数の前記取得装置のそれぞれが、前記所定の情報を基にして前記所定のイベントが発生したか否かを判断する。
本実施形態の第3局面に係る被監視者監視支援システムは、本実施形態の第1局面に係る被監視者監視支援装置をシステムの観点から規定しており、本実施形態の第1局面に係る被監視者監視支援装置と同様の作用効果を有する。
本実施形態の第4局面に係る被監視者監視支援サーバ装置は、複数の監視者がそれぞれ携行する複数の端末装置と、複数の被監視者がそれぞれ居住する複数の居室に配置され、複数の前記被監視者のそれぞれについて、所定のイベントが発生したか否かを監視し、前記所定のイベントが発生したとき、前記所定のイベントの発生を示すイベント発生通知を送信する複数のセンサ装置と、を備える被監視者監視支援システムに用いられる被監視者監視支援サーバ装置であって、複数の前記被監視者のそれぞれについて、複数の前記監視者の中から割り当てられた担当監視者を示す担当者情報を記憶する担当者情報記憶部と、前記イベント発生通知を受信するイベント発生通知受信部と、前記イベント発生通知受信部が前記イベント発生通知を受信したとき、前記所定のイベントが発生した前記被監視者の前記担当監視者である第1監視者を前記担当者情報を用いて特定する担当監視者特定部と、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中か否かを判断する対応判断部と、前記対応判断部が、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中と判断したとき、前記第1監視者以外の前記監視者の前記端末装置に、前記所定のイベントが発生し、かつ、前記第1監視者が別の前記被監視者に対応中であることを示す第1通知を送信する第1通知送信部と、を備える。
本実施形態の第4局面に係る被監視者監視支援サーバ装置は、本実施形態の第1局面に係る被監視者監視支援装置をサーバ装置の観点から規定しており、本実施形態の第1局面に係る被監視者監視支援装置と同様の作用効果を有する。
本発明の実施形態が詳細に図示され、かつ、説明されたが、それは単なる図例及び実例であって限定ではない。本発明の範囲は、添付されたクレームの文言によって解釈されるべきである。
2018年6月7日に提出された日本国特許出願特願2018-109687は、その全体の開示が、その全体において参照によりここに組み込まれる。