JP7423922B2 - 異常検知装置、異常検知システム及び制御プログラム - Google Patents

異常検知装置、異常検知システム及び制御プログラム Download PDF

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Description

本発明はダイヤフラムポンプの異常を検知するための、異常検知装置、異常検知システム及び制御プログラムに関する。
流体を移送するためのポンプとして、ダイヤフラムポンプが知られている。ダイヤフラムポンプでは、ポンプ室の容積をダイヤフラムにより変動させることにより、被制御流体の吸入と吐出を行う。中でも、駆動源に圧縮空気(エア)を用いたエア駆動型のダイヤフラムポンプは動力用の電源が不要であり、様々な分野で広く用いられている。
エア駆動型のダイヤフラムポンプでは、ダイヤフラムにより隔てられたポンプ室とエア室が左右対称に、一対に設けられる。左右のダイヤフラムはセンタロッドで連結されて連動して動作し、左右のポンプ室での容積の拡大と縮小の動きが逆方向になる。切換え弁の作用により左右のエア室に互い違いに交互にエアの導入と排出がなされて、ダイヤフラムの変形が制御され、ダイヤフラムポンプの被制御流体の移送の動作が行われる。
特開2014-88849号公報
左右のエア室は、センタロッドを収納する連結管で連結されつつ、センタロッドを周方向に囲むパッキンにより分離されている。センタロッドは、パッキンに対して摺動しながら、ダイヤフラムの変形を伴う左右への運動を繰り返すため、パッキンが経時的に劣化することは避けられない。
パッキンが劣化すると、左右のエア室の分離が不十分となり、圧力が加えられる側のエア室からエアが反対側のエア室に漏れ出る内部リークが発生する。すると、ダイヤフラムポンプの性能が低下し、更には動作不良を引き起こしてしまう。そのため、エア駆動型のダイヤフラムポンプにおいて、内部リークを早期に検出できる技術の実現が期待される。
本発明の一態様は、エア駆動型のダイヤフラムポンプにおける内部リークの発生を監視し、内部リークが発生した場合に検出ができる異常検知装置を実現することを目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するために、以下の構成を採用する。
本発明の一側面に係る異常検知装置は、エア駆動型のダイヤフラムポンプへの供給エア流量を計測する供給エア計測部からの、前記供給エア流量を示す供給エア流量信号を受信する受信部と、異常検知演算部と、を備え、前記異常検知演算部は、前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記供給エア流量に基づいて、前記ダイヤフラムポンプの2つのエア室の間のリークを検知する構成を備える。
上記構成によれば、エア駆動型のダイヤフラムポンプにおける内部リークの発生を監視し、誤検知が少なく、リーク異常の検知ができる異常検知装置を実現できる。
上記一側面に係る異常検知装置において、前記異常検知演算部は、前記ダイヤフラムポンプの設置条件下での前記供給エア流量の分布から算出された、前記供給エア流量毎の、当該供給エア流量が異常値である蓋然性を示すスコアに基づいて、前記リークの有無を判断する構成を備えていてもよい。
上記構成によれば、ダイヤフラムポンプの型式や設置条件、あるいは流量センサである供給エア計測部の型式に依存することが少なく、柔軟にシステム構築が可能となる。
上記一側面に係る異常検知装置において、特徴量演算部を更に備え、前記特徴量演算部は、前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記供給エア流量の区分時間内の統計量を演算し、前記異常検知演算部は、前記統計量から前記リークを検知する構成を備えていてもよい。
上記構成によれば、ダイヤフラムポンプの動作に伴う供給エア流量の脈動に影響されにくい、供給エア流量の監視が可能となる。
上記一側面に係る異常検知装置において、前記統計量は、前記区分時間内の最大値、平均値、最小値のいずれかである構成を備えていてもよい。
上記構成によれば、精度良くリーク異常の有無を判断することができる。
上記一側面に係る異常検知装置において、前記異常検知演算部は、前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記供給エア流量に基づいて、前記ダイヤフラムポンプでの供給エアの外部へのリークを更に検知する構成を備えていてもよい。
上記構成によれば、ダイヤフラムポンプの内部リークのみならず、外部リークも含めてリーク異常の検知を行うことが可能となる。
上記一側面に係る異常検知装置において、前記受信部は、前記ダイヤフラムポンプからの排出エア流量を計測する排出エア計測部からの、前記排出エア流量を示す排出エア流量信号を更に受信し、前記異常検知演算部は、前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記排出エア流量の大きさに基づいて、前記2つのエア室の間のリークと、前記供給エアの外部へのリークとを判別して検知する構成を備えていてもよい。
上記構成によれば、ダイヤフラムポンプの内部リーク異常と外部リーク異常とを判別して検知を行うことが可能となる。
本発明の一側面に係る異常検知システムは、エア駆動型のダイヤフラムポンプへの供給エア流量を計測する供給エア計測部と、受信部と異常検知演算部とが設けられた異常検知装置と、を備え、前記受信部は、前記供給エア計測部から前記供給エア流量を示す供給エア流量信号を受信し、前記異常検知演算部は、前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記供給エア流量の大きさに基づいて、前記ダイヤフラムポンプの2つのエア室の間のリークを検知する構成を備える。
上記構成によれば、エア駆動型のダイヤフラムポンプにおける内部リークの発生を監視し、誤検知が少なく、リーク異常の検知ができる異常検知システムを実現できる。
上記一側面に係る異常検知システムにおいて、前記ダイヤフラムポンプからの排出エア流量を計測する排出エア計測部を更に備え、前記受信部は、前記排出エア計測部から前記排出エア流量を示す排出エア流量信号を更に受信し、前記異常検知演算部は、前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記供給エア流量と前記排出エア流量とに基づいて、前記リークと、ダイヤフラムポンプにおける供給エアの外部へのリークとを判別して検知する構成を備えていてもよい。
上記構成によれば、ダイヤフラムポンプの内部リーク異常と外部リーク異常とを判別して検知を行うことが可能となる。
本発明の一側面に係る制御プログラムは、上記一側面に係る異常検知装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、前記受信部及び前記異常検知演算部としてコンピュータを機能させるための構成を備える。
上記構成によれば、エア駆動型のダイヤフラムポンプにおける内部リークの発生を監視し、誤検知が少なく、リーク異常の検知ができる異常検知装置を実現できる。
本発明の一側面に係る異常検知装置によれば、エア駆動型のダイヤフラムポンプにおける内部リークの発生を監視し、内部リークが発生した場合に検出ができる異常検知装置を実現することができる。
本発明の一側面に係る異常検知システムによれば、エア駆動型のダイヤフラムポンプにおける内部リークの発生を監視し、内部リークが発生した場合に検出ができる異常検知システムを実現することができる。
本発明の実施形態1に係る異常検知装置が適用された、ダイヤフラムポンプを含んだ全体の構成を示す図である。 本発明の実施形態1に係る異常検知装置を示すブロック図である。 本発明の実施形態1における供給エア流量信号の例を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態1に係る異常検知装置が実行する特徴量算出処理を示すフローチャートである。 リーク量が異なる各状態における供給エア流量信号の測定結果を示すグラフである。 リーク量が異なる各状態における供給エア圧力信号の測定結果を示すグラフである。 リーク量が異なる各状態における被制御流体流量信号の測定結果を示すグラフである。 リーク量が異なる各状態における供給エア流量信号の標準偏差の結果を示すグラフである。 異なる供給エア圧力の場合に対して、内部リークの場合と外部リークの場合について、リーク量が異なる各状態における供給エア流量信号の測定結果の各グラフを示す図である。 本発明の実施形態1における機械学習処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施形態1における機械学習処理を説明するための概念図である。 本発明の実施形態1に係る異常検知装置が実行する監視処理を示すフローチャートである。 リーク量が異なる各状態における供給エア流量信号の測定結果のグラフを、内部リークの場合と外部リークの場合とで対比して示す図である。 リーク量が異なる各状態における供給エア流量信号の測定結果のグラフを、内部リークの場合と外部リークの場合とで対比して示す図である。 リーク量が異なる各状態における供給エア流量信号の測定結果のグラフを、内部リークの場合と外部リークの場合とで対比して示す図である。 本発明の実施形態2に係る異常検知装置が実行するリーク判別処理を示すフローチャートである。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一側面に係る実施形態(以下、「本実施形態」とも表記する)が説明される。
§1 適用例
まず、本発明が適用される場面の一例が説明される。本実施形態に係る異常検知装置は、エア駆動型のダイヤフラムポンプに対して適用される。
本実施形態に係る異常検知装置は、エア駆動型のダイヤフラムポンプへの供給エア流量を計測する供給エア計測部からの、前記供給エア流量を示す供給エア流量信号を受信する受信部と、異常検知演算部とを備える。
前記異常検知演算部は、前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記供給エア流量に基づいて、前記ダイヤフラムポンプの2つのエア室の間のリーク(内部リーク)を検知する構成を備えている。
本実施形態に係る異常検知装置は、上記構成を備えることにより、エア駆動型のダイヤフラムポンプにおける内部リークを正確に検知することが可能となる。
よって、当該ダイヤフラムポンプを用いた工程の管理者は、本実施形態に係る異常検知装置の利用により、ダイヤフラムポンプの動作不良による工程の不具合、不良、損害の発生を抑制することができるようになる。
§2 構成例
以下に、図1~図12を参照しつつ、本発明が適用される場面のより具体的な例が説明される。
(全体の構成)
図1は、実施形態1に係る異常検知装置100と、異常検知装置100により監視されるダイヤフラムポンプ200とを含めた全体の構成を示す図である。ダイヤフラムポンプ200は、外部からの圧縮空気(エア)の供給を受けて動作する、エア駆動型のダイヤフラムポンプである。
ダイヤフラムポンプ200には、エアを導入するためのエア供給ライン310と、エアを排出するためのエア排出ライン320が接続されている。エア供給ライン310には、供給エアの流量を測定するための供給エア計測部311と、供給エアの圧力を測定するための圧力計測部312が設置されている。エア排出ライン320には排出エアの流量を測定するための排出エア計測部321が設置されている。
供給エア計測部311は、異常検知装置100に対し供給エアの流量を示す供給エア流量信号Ssを出力する。排出エア計測部321は、異常検知装置100に対し排出エアの流量を示す排出エア流量信号Seを出力する。
異常検知装置100、供給エア計測部311と排出エア計測部321とは、実施形態1に係る異常検知システム10を構成する。なお排出エア計測部321及び排出エア流量信号Seは、実施形態1に係る異常検知システム10あるいは異常検知装置100においては必須ではなく、無くともよい。
ダイヤフラムポンプ200が輸送する被制御流体を取り込むための吸入ライン410が、ダイヤフラムポンプ200に接続されている。また、被制御流体を吐出するための吐出ライン420が、ダイヤフラムポンプ200に接続されている。吐出ライン420には、被制御流体の流量を測定するための、被制御流体計測部421が設置されている。
(ダイヤフラムポンプの構成)
エア駆動型のダイヤフラムポンプ200には、第1ダイヤフラム211により隔てられた第1ポンプ室210及び第1エア室212と、第2ダイヤフラム221により隔てられた第2ポンプ室220及び第2エア室222とが、左右対称に、一対に設けられている。
第1ダイヤフラム211と第2ダイヤフラム221とは、それぞれ中央部分がセンタロッド231で連結されている。第1エア室212と第2エア室222とは、内部にセンタロッド231を収納した連結管230で接続されつつ、センタロッド231を周方向に囲むパッキン232により分離されている。
ダイヤフラムポンプ200へのエアの供給がなされると、切換え弁240を通じて、第1エア室212及び第2エア室222が、それぞれ交互にエア供給ライン310とエア排出ライン320とに接続されることとなる。
吸入ライン410はダイヤフラムポンプ200内で分岐され、第1ポンプ室210と第2ポンプ室220とにそれぞれ逆止弁201を通じて接続されている。吐出ライン420はダイヤフラムポンプ200内で分岐され、第1ポンプ室210と第2ポンプ室220とにそれぞれ逆止弁201を通じて接続されている。
以上のような構成のダイヤフラムポンプは公知の技術である。ダイヤフラムポンプ200にエアが供給されると、切換え弁240の作用により第1エア室212と第2エア室222とにおいて、互い違いにエアの供給と排出が繰り返され、ダイヤフラムポンプ200が動作する。その際、センタロッド231で連結されている第1ダイヤフラム211と第2ダイヤフラム221とは連動して変形する。センタロッド231はパッキンに対して摺動しつつ、軸方向の往復運動を繰り返す。
こうして、第1ポンプ室210と第2ポンプ室220とのそれぞれにおいて容積の拡大と縮小とが繰り返される。これに伴って、それぞれのポンプ室において被制御流体の吸入と吐出が繰り返され、ダイヤフラムポンプ200による被制御流体の輸送が行われる。
(異常検知装置の構成)
図2は、実施形態1に係る異常検知装置100の構成を示すブロック図である。異常検知装置100は、受信部101、記録部102、通信部103、異常検知演算部110を備える。
受信部101は、供給エア計測部311が出力する供給エア流量信号Ssを受信する通信インターフェースである。受信部101は、更に、排出エア計測部321が出力する排出エア流量信号Seを受信するものであってもよい。
記録部102は、種々の情報を記録するメモリである。実施形態1において少なくとも記録部102は供給エア流量信号Ssを記録する。異常検知装置100が排出エア流量信号Seをも受信する場合には、排出エア流量信号Seをも記録する構成であってもよい。
通信部103は、外部のコンピュータや制御機器との通信を行う通信インターフェースである。実施形態1において、通信部103には、第1コンピュータ501と、第2コンピュータ502が適宜のネットワークを介して接続されている。第1コンピュータ501は、異常検知装置100を制御して、異常検知装置100にリーク異常の判定基準を設定するためのコンピュータである。第2コンピュータ502は、リーク異常の発生を表示するためのコンピュータである。
異常検知演算部110は、受信部101が受信し、あるいは受信部101が受信して記録部102に記録された供給エア流量信号Ssに基づいて、ダイヤフラムポンプの異常検知を実行する。異常検知演算部110には、前処理部111、特徴量演算部112、異常判定部113、判定基準管理部114の各機能ブロックが設けられている。これら各機能ブロックが実行する動作については後述される。
具体的に異常検知装置100としては、生産現場におけるFA(Factory Automation)において各種機器の制御やデータの収集を実行するプログラマブルロジックコントローラ(Programmable Logic Controller:PLC)であり得る。その場合、プログラマブルロジックコントローラは、異常検知装置100の機能を実装する。
§3 動作例
実施形態1に係る異常検知装置100の動作が説明されるにあたり、まず、異常検知装置100が、ダイヤフラムポンプ200の内部リークを検知する原理について示される。
(供給エア流量信号)
図3は、供給エア計測部311が出力する、供給エア流量を示す供給エア流量信号Ssを表したタイムチャート3Aを示す。供給エア流量信号Ssは、供給エア流量に対応する値(センサ出力)である。本明細書において以下では、煩雑さを避けるため、異常検知装置100で取り扱う、供給エア流量を示す供給エア流量信号Ssを、単に供給エア流量と記載する。また、排出エア流量についても同様である。
タイムチャート3Aにおいて、縦軸は任意単位である。タイムチャート3Aにおいて、エアのリークが無い状態L0、リーク量がL1からL4に向けて大きくなる、リークがある状態L1~L4の各状態における供給エア流量の波形が示されている。図3においてリークのある各状態L1~L4のリークは内部リークである。
図3にはまた、ダイヤフラムポンプ200のオン/オフすなわち、ダイヤフラムポンプ200へのエアの供給をオン/オフさせるためのポンプ制御信号がタイムチャート3Bとして示されている。図示されるように、ダイヤフラムポンプ200がオンとされると、供給エアが流れ始めて供給エア流量が立ち上がり、オフとされると供給エア流量が低下して流れなくなる。ダイヤフラムポンプ200がオンとされている際の、供給エア流量の脈動は、第1ダイヤフラム211、第2ダイヤフラム221の往復運動に伴うものである。
(特徴量算出処理)
ポンプ制御信号がオンの期間中、図3にグラフ3Cとして示される、所定の長さの区分時間を表すフレームの情報が、異常検知装置100により生成される。図3の例においては、各時刻毎に、フレーム情報として、順次フレームF1からF10が与えられている。異常検知装置100では、フレーム情報を参照してフレーム毎に供給エア流量を代表する値としての特徴量が前処理において算出され、フレーム毎に異常か否かの判断が出力される。
図4は、前処理としてこのような特徴量を算出する特徴量算出処理を示すフローチャートである。異常検知装置100は特徴量算出処理として、以下のステップS11からステップS14の処理を実行する。
ステップS11:受信部101は、供給エア計測部から、時系列の供給エア流量信号Ssを取得し、記録部102に信号データとして保存する。
ステップS12:続いて前処理部111は、記録部102から、上記信号データを読み出す。前処理部111はポンプ制御信号が少なくともオンの際の上記信号データに、フレーム情報を付加して特徴量演算部112に出力する。
ステップS13:続いて特徴量演算部112は、上記信号データをフレーム毎に区切り、特徴量を演算する。ここで特徴量は、供給エア流量信号Ssのフレーム内の統計量であり、最大値、最小値、平均値のいずれかであり得る。
ステップS14:続いて特徴量演算部112は、各フレーム毎の特徴量を出力する。
(検知原理、各種検出量との比較)
図5は、ダイヤフラムポンプ200におけるリークの状態が変化したときの、供給エア流量(特徴量)を示す図である。各リークの状態L0~L4は図3に示されたものと同じである。図5においてリークのある各状態L1~L4のリークは内部リークである。
図5には、各リークの状態L0~L4における供給エア流量(特徴量)の多数回の測定結果が示されている。ここで特徴量としては、フレーム内最大値が採用された。また、図5には、気温が10℃、25℃、40℃の各条件における実験結果が同時に示されている。
図5から明らかなように、リーク量の増加に伴って、供給エア流量(特徴量)が増加しており、また各リークの状態L0~L4は、供給エア流量(特徴量)によって明確に識別されることが判明した。更に、各リークの状態L0~L4において、気温の影響は小さいことが判明した。
図6は、ダイヤフラムポンプ200におけるリークの状態が変化したときの、供給エア圧力(特徴量)を示す図である。各リークの状態L0~L4は図3に示されたものと同じである。図6においてリークのある各状態L1~L4のリークは内部リークである。図6には、各リークの状態L0~L4において、多数回の供給エア圧力(特徴量)の測定結果が図示されている。
図6に示される供給エア圧力(特徴量)は、圧力計測部312で測定された圧力を、図4のフローチャートの特徴量算出処理と同様の処理によって算出された値である。ここで特徴量としては、図5の場合と同様にフレーム内最大値が採用された。また、図6には、気温が10℃、25℃、40℃の各条件における実験結果が同時に示されている。
図6を図5と比較すれば明らかなように、検出量として供給エア圧力を用いた場合には、供給エア流量を用いる場合よりも、各リークの状態L0~L4における特徴量のばらつきが大きいことが判明した。また、検出量として供給エア圧力を用いた場合には、供給エア流量を用いる場合よりも、検出結果に気温の影響を受けやすいことも判明した。
図7は、ダイヤフラムポンプ200におけるリークの状態が変化したときの、被制御流体の流量(特徴量)を示す図である。各リークの状態L0~L4は図3に示されたものと同じである。図7においてリークのある各状態L1~L4のリークは内部リークである。図7には、各リークの状態L0~L4において、多数回の被制御流体の流量(特徴量)の測定結果が図示されている。
図7に示される被制御流体の流量(特徴量)は、被制御流体計測部421で測定された被制御流体の流量を、図4のフローチャートの特徴量算出処理と同様の処理によって算出された値である。ここで特徴量としては、図5の場合と同様にフレーム内最大値が採用された。また、図7には、気温が10℃、25℃、40℃の各条件における実験結果が同時に示されている。
図7を図5と比較すれば明らかなように、検出量として被制御流体の流量を用いた場合には、リークによる被制御流体の流量の変化量が小さいため、供給エア流量を用いる場合よりも、各リークの状態L0~L4における特徴量のばらつきが大きいことが判明した。また、検出量として被制御流体の流量を用いた場合には、供給エア流量を用いる場合よりも、検出結果に気温の影響を大きく受けやすいことも判明した。
以上のように、ダイヤフラムポンプ200の内部リークの大きさに応じて、供給エア流量(特徴量)が明確に変わり、内部リークの有無の識別のための検出量として用いるのに適していることが分かった。また、内部リークの有無の識別のための検出量として、供給エア圧力や、被制御流体流量よりもばらつかず、更に気温による影響をはるかに受けにくいことが判明した。
(特徴量の検討)
上述のように、異常検知装置100では、供給エア流量信号Ssに対し、フレームに区切って特徴量を抽出する特徴的な前処理を実行する。図3に示されるように、ダイヤフラムポンプ200の供給エア流量は、第1ダイヤフラム211、第2ダイヤフラム221の往復運動に連動して脈動する特徴的な波形を示す。そのため、脈動の周期よりも長い所定のフレーム(区分時間)に区切り、フレーム毎に1つの統計量を抽出する処理を施すことで、図5に示すような内部リークに応じた明確な信号を得ることができるのである。
フレームの長さは、上記脈動の周期に応じて適宜に選定すればよいが、例示として脈動の2~4周期分程度とすることが好ましい。時間としては、例えば0.5~2秒程度とすることが好ましい。
図5に示された実験結果においては、フレーム毎の統計量である特徴量として、フレーム中の供給エア流量の最大値が選択された。しかし、本発明者らの検討によれば、最小値を用いても、平均値を用いても、ほぼ同様の結果が得られることが判明した。しかし、平均値を算出する場合には異常検知装置100での演算量が増大するため、最大値または最小値を選択することが好ましかった。
また最大値と最小値との差異についても詳細に比較した。ポンプ制御信号がオンになった直近のフレームにおいては、供給エア流量の立ち上がりが遅いことがあるため、最小値を選択すると、特徴量がオン状態が続いている場合の通常の範囲を逸脱しやすくなった。そのため最大値を選択することが最も好ましかった。しかし、ポンプ制御信号がオンになった直近のフレーム以外においては、特に最大値を選択しても、最小値を選択しても、検知の精度に違いは無かった。
また、特徴量演算部112が算出し得る統計量としては、他にも標準偏差値が考えられる。そこで、特徴量として標準偏差値を選択した場合について、更に検討を行った。
図8は、供給エア流量信号Ssからの特徴量の抽出を、特徴量として標準偏差を選択して行った、図5に示された実験結果のプロットである。図8を図5と比較すれば明らかなように、特徴量として標準偏差を用いた場合には、最大値を用いる場合よりも、各リークの状態における特徴量のばらつきが大きいことが判明した。
以上の結果に示されたように、フレーム毎の統計量としての特徴量としては、最大値、最小値、平均値を採用すると検知の精度が良好であった。特に最大値、最小値を選択すると、特徴量演算部112での演算量が削減され、好ましかった。
(外部リークの検出)
上述のように、エア駆動型のダイヤフラムポンプ200における独特の異常モードであり、しかも運転を継続するといずれかの時点で必ず発生する異常である内部リークの検知を主眼において、本発明者らは種々の検討を行った。その結果、供給エア流量に着目し、上記フレーム毎の特徴量を抽出する処理を行えば、内部リークの検知が精度よくできることを見出した。
そこで次に、本検知手法によって、内部リークに限らず、ダイヤフラムポンプ200における供給エアの外部リークについても検知が行えるのではないかとの考えに基づいて、実験を行った。上述のように内部リークとは、センタロッドのパッキンの劣化等による2つのエア室間でのエアのリークである。ダイヤフラムポンプ200における外部リークとは、ダイヤフラムポンプ200に供給されたエアが、ダイヤフラムポンプ200におけるいずれかの箇所で、本来閉塞されている部分(配管やエア室等)から外部(外気)に向けて漏れ出る状態をいう。
図9は、ダイヤフラムポンプ200におけるリークの状態を変化させて、供給エア流量(特徴量)を多数測定した結果を、内部リークの場合と外部リークの場合とで比較した図である。各リークの状態L0~L4は図3に示されたものと同じである。ここで特徴量としては、フレーム内最大値が採用された。
図9の各グラフは箱ヒゲ図であり、リークが内部リークである場合(上段のグラフ9A、9C、9E)と、外部リークである場合(下段のグラフ9B、9D、9F)を対比して示している。各グラフにおいて、気温が10℃、25℃、40℃の各条件における実験結果が同時に示されている。
また、図9には、エアの供給圧力Pが、200kPa(グラフ9A、9B)、300kPa(グラフ9C、9D)、400kPa(グラフ9E、9F)である各場合についての結果が同時に示されている。
図9に示される様に、各供給圧力において、リークが内部リークであっても外部リークであっても、リークの有無により供給エア流量(特徴量)が区別可能に変化し、リーク異常の検知が可能であることが判明した。つまり、供給エア流量を監視することで、ダイヤフラムポンプにおける内部リークと外部リークとが合わせて検知できることが明らかになった。
なお、外部リークとして検出できるリークは、その検出原理からして、ダイヤフラムポンプ200装置内における外気との間のリークに限られない。ダイヤフラムポンプ200近傍のエア供給ライン310や、エア排出ライン320(ただし、供給エア計測部311下流から、排出エア計測部321上流間)においてリークがある場合であっても、同様に外部リークとして異常を検出し得る。
(機械学習処理)
図5等に示された様に、供給エア流量を監視すれば、リークが無い場合とリークが発生した場合とで、明確にその大きさが異なり、ダイヤフラムポンプ200におけるリーク異常の発生が検知できることが明らかである。このように、異常検知装置100は、供給エア流量の大きさ自体に基づいて、リーク異常を検出するものである。
しかし、ダイヤフラムポンプ200が使用される外部条件は様々である。例えばエアの供給圧力Pは、ダイヤフラムポンプ200が設置された工場の仕様等によって異なる。図9に示されるように、供給されるエアの圧力Pが異なれば、正常状態にある供給エア流量の大きさは変わってしまう。また、ダイヤフラムポンプのサイズや型式は様々であり、ダイヤフラムポンプ毎に、正常状態における供給エア流量の大きさは変わる。
従って、上述の原理に基づいてダイヤフラムポンプ200でのエアのリーク異常を検知するには、ダイヤフラムポンプ200が実際に使用されている現場において、使用条件に応じてリーク異常の判定基準を定める必要がある。そこで、本実施形態に係る異常検知装置100では、現場における多数の実測データに基づいた機械学習処理によって、判定基準が定められる。
図10は、このような機械学習処理を示すフローチャートである。機械学習処理を実施する際に、管理者は正常状態にあるダイヤフラムポンプ200を運転する。第1コンピュータ501は以下のステップS21からステップS26で示される機械学習処理のフローを、異常検知装置100と通信を行い異常検知装置に実行させる。第1コンピュータ501は、機械学習を実行し、またプログラマブルロジックコントローラ(PLC)であり得る異常検知装置100と通信を行い、異常検知装置100に特定の判定モデルを設定させる専用のプログラムを備えたコンピュータである。
ステップS21:異常検知装置100が特徴量算出処理(図4)を実行する。
ステップS22:続いて異常検知装置100は、特徴量演算部112からの出力である特徴量を特徴量データとして記録部102に記録する。
ステップS23:続いて判定基準管理部114は、特徴量データのデータ数が所要数に達したか否かを判断する。所要数に達したと判断される場合(S23でYES)、ステップS24に進み、それ以外の場合、ステップS21に進む。
ステップS24:第1コンピュータ501は特徴量データについて、供給エア流量(特徴量)を変数とする発生頻度分布を得る。これは正常に動作する状態のダイヤフラムポンプ200に関して取得された供給エア流量(特徴量)のデータに基づいて算出された発生頻度分布である。このような発生頻度分布の例を図11にグラフ11Aとして示す。
ステップS25:続いて第1コンピュータ501は、上記の正常状態での発生頻度分布から、各供給エア流量(特徴量)について、AIスコアを算出する。つまり、供給エア流量(特徴量)についての関数である、AIスコアの算出式を決定する。ここでAIスコアは、供給エア流量が異常値(外れ値)であることの蓋然性を示す値(スコア)である。
図11には、正常状態での発生頻度分布(グラフ11A)がAIスコア(グラフ11B)に変換される概念が示されている。図11に概念的に示されるように、発生頻度の高い特徴量の値については、異常値である蓋然性が低いとして、低いAIスコアとなる。発生頻度の低い特徴量の値については、異常値である蓋然性が高いとして、高いAIスコアとなる。
このように正常状態において取得した発生頻度分布から、異常値である蓋然性を示すスコアを算出する手法は公知の外れ値検知のアルゴリズムを用いることができる。具体例としては、アイソレーションフォレスト(Isolation Forest)やLOF(Local Outlier Factor)といった手法を用いることができる。
更に、第1コンピュータ501は、異常の判定基準となるAIスコアの閾値を決定する。閾値は、予め定められた規定値であってもよいし、ユーザにより選択される値であってもよい。図11に示されるように、閾値とは、AIスコアが閾値を超える場合に異常と判定し、AIスコアが閾値以下である場合に正常と判定するような、異常の判定基準を定める値である。
ステップS26:続いて第1コンピュータ501は、決定したAIスコアの算出式と閾値を、異常検知装置100に転送する。ここで、AIスコアの算出式は、供給エア流量(特徴量)の関数であるので、供給エア流量(特徴量)毎のAIスコアのデータのテーブルとして表現されてもよい。判定基準管理部114は、転送されたAIスコアの算出式と閾値を記録部102に記録し、管理する。
(監視処理)
本実施形態に係る異常検知装置100は、上記機械学習処理により、ダイヤフラムポンプ200が使用されている現場で取得したデータにより算定された判定基準に従って、ダイヤフラムポンプ200の監視を実行する。
図12は、異常検知装置100が実行する監視処理を示すフローチャートである。異常検知装置100は、監視を実行している期間中、図12に示されるステップS31からステップS35のフローを繰り返し実行する。フローの繰り返しは、フレームと等しい期間毎に実行されるものであってもよい。
ステップS31:異常検知装置100は、特徴量算出処理(図4)を実行する。
ステップS32:異常判定部113は、特徴量演算部112の出力した供給エア流量(特徴量)を取得する。異常判定部113は、判定基準管理部114の管理するAIスコアの算出式に従って、当該供給エア流量(特徴量)のAIスコアを演算する。
ステップS33:異常判定部113は、演算したAIスコアが、判定基準管理部114の管理する閾値を超えているか否かにより、異常であるか正常であるかを判断する。超えていると判断される場合にはリーク異常であるとし(S33でYES)、ステップS34に進む。それ以外の場合には正常であるとし(S33でNO)、ステップS35に進む。
ステップS34:異常判定部113は通信部103を通じて、第2コンピュータ502にダイヤフラムポンプ200のリーク異常を通知する。第2コンピュータは適宜、当該リーク異常の報知を行う。
ステップS35:記録部102は、異常判定の結果を記録する。
§4 効果
実施形態1に係る異常検知装置100あるいは異常検知システム10によれば、ダイヤフラムポンプへの供給エア流量に基づいて、リーク異常の発生が検知される。従って、本発明者らにより実験的に明らかにされたように、誤検知が少なくリーク異常の発生を検出することができる。また、ダイヤフラムポンプにおける独特のリークモードである、内部リーク異常を検知することが可能である。更に、外部リーク異常をも合わせて検知することができる。
実施形態1に係る異常検知装置100あるいは異常検知システム10によれば、ダイヤフラムポンプへの供給エア流量により検知を行うため、ダイヤフラムポンプ内部に新たに検知のためのセンサ等を設ける必要は無い。ダイヤフラムポンプ自体の改造を要することがないため、既存のダイヤフラムポンプ設備に対しても容易に適用が可能である。
また、機械学習によって、供給エア流量信号Ssに基づいたリーク異常の判定基準の設定は、ダイヤフラムポンプが実際に使用されている現場において、例えば工場からのエアの供給圧力などの使用条件に応じて定めることができる。よって、ダイヤフラムポンプの型式や使用条件、あるいは流量センサである供給エア計測部の型式に依存することが少なく、柔軟にシステム構築が可能となる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2が、以下に説明される。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明は繰り返さえられない。
実施形態2に係る異常検知装置では、排出エア流量信号Seの監視も合わせて実行し、それを用いて内部リークと外部リークの判別を行う。
(判別の原理)
実施形態2に係る異常検知装置100の動作について説明するにあたり、まず、異常検知装置100が、ダイヤフラムポンプ200の内部リークと外部リークとを判別して検知する原理について記述される。
図13は、エア供給圧力Pが200kPaである場合において、リークが無い状態L0、リーク量がL1からL4にかけて大きくなる、リークがある状態L1~L4の各状態における、供給エア流量信号Ssによる供給エア流量(特徴量)と、排出エア流量信号Seによる排出エア流量(特徴量)との関係を示す。図13における上段のグラフ13Aは、内部リークの場合の結果であり、下段のグラフ13Bは外部リークの場合の結果である。
供給エア流量(特徴量)について、内部リーク、外部リークいずれの場合であっても、リーク無しの状態L0時の流量(図13において点線の四角枠内参照)は、リークありの状態L1~L4時の流量と異なり、リーク異常の発生を検知できることは、実施形態1において図9を用いて説明された通りである。
排出エア流量(特徴量)についても同様の測定を行った。するとグラフ13Aに示されるように、内部リークの場合には、排出エア流量(特徴量)は、リークの状態L0~L4に応じて、供給エア流量(特徴量)と同様の挙動を示した。しかし、外部リークの場合にリークありの状態L1~L4時の排出エア流量(特徴量)は、リーク無しの状態L0時と変わらない結果となった(図13において点線の四角枠内参照)。
よって、排出エア流量についても、図10のフローチャートに示された機械学習処理による判定基準を設定すれば、内部リークについては、供給エア流量による検知の場合と同様に、リーク異常の発生を検知できることとなる。一方、外部リークについては、リーク異常の発生の有無に係わらず、正常と判断されることとなる。
図14、図15は、それぞれエア供給圧力Pが300kPa、400kPaである場合の、図13と同様の実験結果を示す図である。いずれの場合においても、図13と同様の結果が示されている。よって、上記結果は、エア供給圧力Pに係わらず成立する。
(判別動作)
実施形態2に係る異常検知装置100では、ダイヤフラムポンプ200が実際に使用されている現場において、図10のフローチャートに示される機械学習処理に従って、供給エア流量、排出エア流量それぞれについて、リーク異常を検知する判定基準が予め定められる。
図16は、実施形態2に係る異常検知装置100の監視時の動作であるリーク判別処理を示すフローチャートである。実施形態2に係る異常検知装置100は、監視時において、以下のステップS41からステップS48のフローを繰り返し実行する。
ステップS41:異常検知装置100は、供給エア流量について、リーク異常判定を実行する。
ステップS42:続いて、供給エア流量に基づいたリーク異常判定の結果について、異常判定部113が異常と判断した場合、ステップS44に進み、それ以外の場合、ステップS43に進む。
ステップS43:異常判定部113は、ダイヤフラムポンプ200の状態が正常、すなわち内部リーク異常も外部リーク異常も発生していないと判断する。次にステップS48に進む。
ステップS44:異常検知装置100は、排出エア流量について、リーク異常判定を実行する。
ステップS45:続いて、排出エア流量に基づいたリーク異常判定の結果について、異常判定部113が異常と判断した場合、ステップS47に進み、それ以外の場合、ステップS46に進む。
ステップS46:異常判定部113は、ダイヤフラムポンプ200の状態が外部リーク異常であると判断する。なおここで、異常判定部113が通信部103を通じて、第2コンピュータ502にダイヤフラムポンプ200の外部リーク異常を通知するように構成されていてもよい。次にステップS48に進む。
ステップS47:異常判定部113は、ダイヤフラムポンプ200の状態が内部リーク異常であると判断する。なおここで、異常判定部113が通信部103を通じて、第2コンピュータ502にダイヤフラムポンプ200の内部リーク異常を通知するように構成されていてもよい。次にステップS48に進む。
ステップS48:記録部102は、ダイヤフラムポンプ200の状態についての判断結果を記録する。
(効果)
実施形態2に係る異常検知装置100あるいは異常検知システム10によれば、ダイヤフラムポンプへの供給エア流量に基づいて、リーク異常の発生が検知される。従って、本発明者らにより実験的に明らかにされたように、リーク異常の有無が精度よく、誤検知の発生が抑制されて、検出することができる。
またダイヤフラムポンプからの排出エア流量を併せて監視することで、ダイヤフラムポンプにおける独特のリークモードである、内部リーク異常を外部リーク異常と判別して検知することが可能である。従って管理者は、内部リーク異常が検知されれば、センタロッドのパッキンの交換のメンテナンス作業を実施するというように、異常に対する対応の判断をより的確に行うことができるようになる。
実施形態2に係る異常検知装置100あるいは異常検知システム10によれば、ダイヤフラムポンプへの供給エア流量及び排出エア流量により異常の検知を行うため、ダイヤフラムポンプ内部に新たに検知のためのセンサ等を設ける必要は無い。ダイヤフラムポンプ自体の改造を要することなく、既存のダイヤフラムポンプ設備に対しても容易に適用が可能である。
また、機械学習によって、リーク異常の判定基準の設定は、ダイヤフラムポンプが実際に使用されている現場において、使用条件に応じて定めることができる。よって、ダイヤフラムポンプの型式や使用条件、あるいは流量センサである供給エア計測部や排出エア計測部の型式に係わらず、柔軟にシステム構築が可能である。
〔ソフトウェアによる実現例〕
異常検知装置100の機能ブロック(特に、異常検知演算部110)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、異常検知装置100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。
上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを更に備えていてもよい。
また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10 異常検知システム
100 異常検知装置
101 受信部
102 記録部
103 通信部
110 異常検知演算部
111 前処理部
112 特徴量演算部
113 異常判定部
114 判定基準管理部
200 ダイヤフラムポンプ
201 逆止弁
210 第1ポンプ室
211 第1ダイヤフラム
212 第1エア室
220 第2ポンプ室
221 第2ダイヤフラム
222 第2エア室
230 連結管
231 センタロッド
232 パッキン
240 切換え弁
310 エア供給ライン
311 供給エア計測部
312 圧力計測部
320 エア排出ライン
321 排出エア計測部
410 吸入ライン
420 吐出ライン
421 被制御流体計測部
501 第1コンピュータ
502 第2コンピュータ
Ss 供給エア流量信号
Se 排出エア流量信号

Claims (9)

  1. ダイヤフラムにより隔てられたポンプ室とエア室とを有する構造体が一対に設けられ、2つの前記ダイヤフラムを連結するロッドと、前記ロッドを収納しつつ2つの前記エア室を連結する連結管であって、前記ロッドを囲むパッキンを有することにより前記ロッドを可動としつつ2つの前記エア室を分離するように構成された連結管とが更に設けられたエア駆動型のダイヤフラムポンプへの供給エア流量を計測する供給エア計測部からの、前記供給エア流量を示す供給エア流量信号を受信する受信部と、
    異常検知演算部と、を備え、
    前記異常検知演算部は、
    前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記供給エア流量に基づいて、前記ダイヤフラムポンプの2つのエア室の間のリークを検知する、異常検知装置。
  2. 前記異常検知演算部は、
    前記ダイヤフラムポンプの設置条件下での前記供給エア流量の分布から算出された、前記供給エア流量毎の、当該供給エア流量が異常値である蓋然性を示すスコアに基づいて、前記リークの有無を判断する、請求項1に記載の異常検知装置。
  3. 特徴量演算部を更に備え、
    前記特徴量演算部は、
    前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記供給エア流量の区分時間内の統計量を演算し、
    前記異常検知演算部は、
    前記統計量から前記リークを検知する、請求項1または2に記載の異常検知装置。
  4. 前記統計量は、前記区分時間内の最大値、平均値、最小値のいずれかである、請求項3に記載の異常検知装置。
  5. 前記異常検知演算部は、
    前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記供給エア流量に基づいて、前記ダイヤフラムポンプでの供給エアの外部へのリークを更に検知する、請求項1から4のいずれか1項に記載の異常検知装置。
  6. 前記受信部は、
    前記ダイヤフラムポンプからの排出エア流量を計測する排出エア計測部からの、前記排出エア流量を示す排出エア流量信号を更に受信し、
    前記異常検知演算部は、
    前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記排出エア流量の大きさに基づいて、前記2つのエア室の間のリークと、前記供給エアの外部へのリークとを判別して検知する、請求項5に記載の異常検知装置。
  7. ダイヤフラムにより隔てられたポンプ室とエア室とを有する構造体が一対に設けられ、2つの前記ダイヤフラムを連結するロッドと、前記ロッドを収納しつつ2つの前記エア室を連結する連結管であって、前記ロッドを囲むパッキンを有することにより前記ロッドを可動としつつ2つの前記エア室を分離するように構成された連結管とが更に設けられたエア駆動型のダイヤフラムポンプへの供給エア流量を計測する供給エア計測部と、
    受信部と異常検知演算部とが設けられた異常検知装置と、を備え、
    前記受信部は、
    前記供給エア計測部から前記供給エア流量を示す供給エア流量信号を受信し、
    前記異常検知演算部は、
    前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記供給エア流量に基づいて、前記ダイヤフラムポンプの2つのエア室の間のリークを検知する、異常検知システム。
  8. 前記ダイヤフラムポンプからの排出エア流量を計測する排出エア計測部を更に備え、
    前記受信部は、
    前記排出エア計測部から前記排出エア流量を示す排出エア流量信号を更に受信し、
    前記異常検知演算部は、
    前記ダイヤフラムポンプの動作時における前記供給エア流量と前記排出エア流量とに基づいて、前記リークと、ダイヤフラムポンプにおける供給エアの外部へのリークとを判別して検知する、請求項7に記載の異常検知システム。
  9. 請求項1から6のいずれか1項に記載の異常検知装置としてコンピュータを機能させるための制御プログラムであって、
    前記受信部及び前記異常検知演算部としてコンピュータを機能させるための制御プログラム。
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