JP7423858B2 - 空気調和機 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、可燃性冷媒を使用した空気調和機に関する。
近年、空気調和機に使用される冷媒には、地球温暖化の観点から低GWP(地球温暖化係数)化が求められている。例えば、オゾン層破壊物質を規制するモントリオール議定書の改正が2016年に採択され、HFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒の段階的な使用規制が2019年から開始された。これに対応するため、多くの新規低GWP冷媒が冷媒メーカ各社より提案されているが、低GWP冷媒の中には燃焼性を有するものも存在する。燃焼性を有する冷媒を使用する場合、冷媒漏洩時の安全性確保が必須となる。そのため、日本冷凍空調工業会では、業務用の空調機や冷凍機システムなどに対して、微燃性冷媒漏洩時の安全性確保のための規格・ガイドラインを作成している。これらの規格等では、例えば冷媒漏洩検出器と警報機、機械換気装置や冷媒回路の遮断装置を使用する安全対策が示されている。
これに則した従来の安全対策として、例えば冷媒漏洩検出装置が冷媒の漏洩を検出すると、冷媒の分岐装置内の主管や枝管に設けた遮断弁を閉じて安全性を確保する技術が挙げられる。あるいは、天井埋込形の室内機の外表面に冷媒の漏洩検出器を設置し、漏洩検出時には冷媒回路を遮断するとともに、警報を発して安全性を確保する技術が挙げられる。
しかしながら、これらの技術では、例えば複数の室内機を備えた空気調和機において、あるいは複数系統の室内機が同一空間に設置された状況で冷媒漏洩が生じた場合、漏洩が生じた室内機を特定できない。一方で、このような場合であっても漏洩が生じた室内機以外の室内機は運転を継続させることが望ましい。特に冷凍機システムにおいては、例えば食品の適切な保温管理などの観点から可能な限り運転を継続させることが求められる。
特許第5813107号公報 特許第4639451号公報
本発明は、これを踏まえてなされたものであり、その目的は、冷媒の漏洩を抑制して環境負荷を軽減可能であるととともに、冷媒が可燃性を有する場合であっても該冷媒を適正に使用可能な空気調和機を提供することにある。また、複数の室内機の中から冷媒の漏洩が生じた室内機を特定することで、特定した室内機に特化して修理やメンテナンスすることによる対応作業の効率化を図るとともに、漏洩が生じていない室内機の運転を継続させることで、快適性や食品保温性の向上が可能な空気調和機を提供することにある。
実施形態によれば、空気調和機は、室外機と、室内機と、冷媒遮断部と、気密状態検出部と、報知部と、制御部を備える。前記室外機は、吸い込んだ冷媒を圧縮して吐出する圧縮機を有する。前記室内機は、前記室外機と接続された配管により形成される冷媒回路で冷媒が前記室外機との間で循環され、少なくとも一台備えられる。前記冷媒遮断部は、前記室内機に流入する前記冷媒および前記室内機から流出する前記冷媒の流れを遮断もしくは遮断解除する。前記気密状態検出部は、前記室内機における前記配管の気密状態を検出する。前記報知部は、前記気密状態検出部の検出結果を報知する。前記制御部は、前記室外機、前記室内機、前記冷媒遮断部、前記気密状態検出部、および前記報知部の動作をそれぞれ制御する。そして、前記制御部は、前記室内機に流入および流出する前記冷媒の流れを遮断させるか否かの冷媒遮断条件を判定し、前記冷媒遮断条件が成立する場合、前記冷媒遮断部に遮断させ、前記冷媒の流れが遮断された前記室内機において前記気密状態検出部が検出した前記配管の気密状態の検出結果を前記報知部に報知させる。前記室内機は、所望のサーモオフ温度でサーモオフされる。前記制御部は、前記冷媒遮断条件として、前記室内機がサーモオフされているか否かの判定条件である第1の冷媒遮断条件を判定する。
第1の実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示す図である。 第1の実施形態に係る空気調和機における冷媒漏洩抑制処理を示す制御フロー図である。 第2の実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示す図である。 第2の実施形態に係る空気調和機における冷媒漏洩抑制処理を示す制御フロー図である。 第3の実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示す図である。 第3の実施形態に係る空気調和機における冷媒漏洩抑制処理を示す制御フロー図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る空気調和機11の構成を概略的に示す図である。空気調和機11は、冷却運転および加熱運転のいずれか一方もしくは双方の運転が可能であり、例えばビル用のマルチエアコン、別置式の冷凍機とショーケースやクーリングユニットからなる冷凍機システムなど、各種の設備や装置である。その目的や用途は特に限定されないが、空気調和機11は、例えば食品などの冷蔵、冷凍に使用されるショーケースを室内機として複数備えた冷凍サイクル装置(冷凍空調機器)として以下説明する。
図1に示すように、空気調和機11は、室外機2と、室内機3と、報知部4と、制御部5とを備えている。図1には、一台の室外機2と二台の室内機3a,3bとを備えた空気調和機11の構成例を示す。ただし、室内機3の台数は、一台であってもよいし、三台以上であっても構わない。
図1に示すように、室外機2と室内機3は、配管6で相互に接続されている。配管6は、室外機2と室内機3との間で冷媒を循環させる冷媒回路を構成しており、気相冷媒を流すガス管61と、液相冷媒を流す液管62とを含む。図1に示す構成例では、室外機2に接続されたガス管61は、分岐管63で二つに分岐されている。分岐された一方のガス管61aは室内機3aに接続され、他方のガス管61bは室内機3bに接続されている。同様に、室外機2に接続された液管62は、分岐管64で二つに分岐されている。分岐された一方の液管62aは室内機3aに接続され、他方の液管62bは室内機3bに接続されている。
空気調和機11は、冷却運転もしくは加熱運転のいずれかで運転可能とされている。例えば、冷却運転では、液冷媒が室外機2から室内機3に液管62,62a,62bを通って流入し、室内機3で気相に変化する。気相に変化したガス冷媒は、室内機3から室外機2にガス管61a,61b,61を通って戻される。これに対し、加熱運転では、ガス冷媒が室外機2から室内機3にガス管61,61a,61bを通って流入し、室内機3で液相に変化する。液相に変化した液冷媒は、室内機3から室外機2に液管62a,62b,62を通って戻される。
室外機2は、主たる要素として圧縮機21と四方弁22、および図示しない室外熱交換器、室外ファン、膨張弁、アキュムレータ、レシーバタンクなどを備えている。室外ファン以外の各要素は、室外機2の内部においてガス管61と液管62との間に配管20で接続されている。配管20は、室内機3との間の冷媒回路の一部である。圧縮機21は、吐出口から高温・高圧の気相冷媒を吐出し、吸込口から低温・低圧の気相冷媒を吸い込む。四方弁22は、圧縮機21から吐出された冷媒を室内機3に導くとともに、室内機3で熱交換された冷媒を圧縮機21に導く。
室内機3は、主たる要素として室内熱交換器および室内ファン(いずれも図示省略)を備えている。室内熱交換器は、室内機3の内部においてガス管61と液管62との間に配管30で接続されている。配管30は、室外機2との間の冷媒回路の一部である。図1に示す構成例では、室内機3aの内部において、配管30aがガス管61aと液管62aとの間を接続し、室内機3bの内部において、配管30bがガス管61bと液管62bとの間を接続している。
また、室内機3は、上記主たる要素に加えて、冷媒遮断部31および気密状態検出部32をさらに備えている。
冷媒遮断部31は、室内機3に流入する冷媒および室内機3から流出する冷媒の流れを遮断する。冷媒遮断部31は、ガス冷媒遮断部311と液冷媒遮断部312を有する。例えば、ガス冷媒遮断部311は逆止弁であり、液冷媒遮断部312は電磁弁である。図1に示す構成例では、室内機3aには、配管30aとガス管61aとの接続口にガス冷媒遮断部311aが配置され、配管30aと液管62aとの接続口に液冷媒遮断部312aが配置されている。室内機3bには、配管30bとガス管61bとの接続口にガス冷媒遮断部311bが配置され、配管30bと液管62bとの接続口に液冷媒遮断部312bが配置されている。ただし、ガス冷媒遮断部311a,311bと液冷媒遮断部312a,312bの配置はこれに限定されない。例えば、これらは、室内機3a,3bの内部に配置されていてもよい。
気密状態検出部32は、室内機3における配管30の気密状態を検出する。例えば、気密状態検出部32は、配管30内に検出素子が配置されて配管30におけるガス冷媒の圧力を検出する圧力センサである。気密状態検出部32である圧力センサは、検出した圧力の値を制御部5に付与する。
報知部4は、気密状態検出部32の検出結果を報知する。例えば、報知部4は、気密状態検出部32によって配管30内が気密状態でないことが検出された際、その検出結果、つまり配管30からガス冷媒が漏洩している(異常状態である)ことを報知する。また、報知部4は、気密状態検出部32によって配管30内が気密状態であることが検出された際、その検出結果、つまり配管30からガス冷媒が漏洩していない(正常状態である)ことを報知する。報知部4としては、表示灯、モニタ、パネル、スピーカ、あるいはこれらの組み合わせなどを適用可能である。例えば、異常状態である場合、報知部4は、表示灯の赤色点灯(点滅)、警告音の鳴動、警告メッセージの再生や表示、レーザー照射などを行うことで、ユーザや作業者など(以下、ユーザ等という)に対してガス冷媒の漏洩の周知徹底や注意喚起を図る。一方、正常状態である場合、報知部4は、警告灯の青色点灯、確認メッセージの表示など、最小限の報知に止めればよい。なお、報知部4は、正常状態である場合には何ら報知しなくともよい。
図1に示す構成例では、報知部4は、室内機3に設けられた報知部33と、室外機2および室内機3とは別個に設けられた報知部40とを含む。報知部4の所在は、ユーザ等に対してガス冷媒の漏洩の周知徹底や注意喚起を適切に図ることができればどこでも構わない。例えば、報知部33は室内機3の本体やリモコンなどに備えられ、報知部40は空気調和機11の集中管理室などに備えられていればよい。
制御部5は、室外機2、室内機3、および報知部4の動作を制御する。制御部5は、CPU、メモリ、記憶装置(不揮発メモリ)、入出力回路、タイマなどを含み、所定の演算処理を実行する。例えば、制御部5は、各種データを入出力回路により読み込み、記憶装置からメモリに読み出したプログラムを用いてCPUで演算処理し、処理結果に基づいて室外機2、室内機3、および報知部4、具体的にはこれら構成部材の動作制御を行う。その際、制御部5は、室外機2、室内機3、および報知部4のそれぞれの構成部材との間で制御信号やデータ信号を有線もしくは無線を介して送受信する。図1に示す例では、制御部5は、室外機2、室内機3、および報知部4とは独立して備えられているが、例えば室外機2、室内機3、および報知部4がそれぞれ制御部を備えていてもよい。この場合、室外機2、室内機3、および報知部4の各制御部相互間で制御信号やデータ信号を有線もしくは無線を介して送受信すればよい。また、空気調和機11は、室外機2、室内機3、報知部4の各制御部を上位で制御する主制御部を備えていてもよい。
以上のような構成を備えた空気調和機11の運転時において、制御部5が行う室外機2と室内機3の動作制御、具体的には冷媒の漏洩有無の確認と、漏洩が生じた際の室外機2および室内機3に対する動作制御(以下、冷媒漏洩抑制処理という)について、制御部5の制御フローに従って説明する。図2には、冷媒漏洩抑制処理時における制御部5の制御フローを示す。
冷媒漏洩抑制処理にあたって、空気調和機11は、運転を開始する(S101)。具体的には、制御部5が室外機2および室内機3の動作をそれぞれ開始させる。これにより、例えば、室外機2において圧縮機21や室外ファンなどが適宜起動され、室内機3において室内ファンや気密状態検出部32などが適宜起動される。空気調和機11が運転されていることは、冷媒漏洩抑制処理の前提条件である。空気調和機11が運転開始されることをトリガーとして、制御部5は、冷媒漏洩抑制処理を実行可能となる。したがって、空気調和機11が運転されていない場合、冷媒漏洩抑制処理は実行されない。
空気調和機11が運転された状態で、制御部5は、冷媒遮断条件の成否を判定する(S102)。冷媒遮断条件は、室内機3に流入出する冷媒を遮断させるか否かの判定条件である。制御部5は、室内機3ごとに、図1に示す構成例では二台の室内機3a,3bごとに、冷媒遮断条件の成否を判定する。本実施形態では一例として、室内機3がサーモオフされているか否かを冷媒遮断条件としている。制御部5は、室内機3がサーモオフされている場合、冷媒遮断条件が成立すると判定し、室内機3がサーモオフされていない場合、冷媒遮断条件が成立しないと判定する。以下、このような室内機3のサーモオフに応じた冷媒遮断条件を第1の冷媒遮断条件という。ここでは、二台の室内機3a,3bごとに、サーモオフされているか否かに応じて第1の冷媒遮断条件の成否が判定される。例えば、室内機3は、冷凍ショーケースの庫内などの空調対象空間の温度がサーモオフ温度以下になると一旦運転を停止する。サーモオフ温度は、例えばユーザ等によって設定された温度、もしくは該設定温度に所定の補正値を増減させた温度である。
なお、冷媒遮断条件は、室内機3のサーモオフに応じた条件(第1の冷媒遮断条件)には限定されない。例えば、室内機3の運転開始後、所定時間が経過したか否か、換言すれば、室内機3が所定時間に亘って継続して運転されているか否かを冷媒遮断条件(以下、第2の冷媒遮断条件という)としてもよい。第2の冷媒遮断条件の判定にあたって、制御部5は、室内機3の運転開始後の運転継続時間を所定時間(以下、規定時間という)と比較する。運転継続時間は、例えば室内機3の運転開始と同期して始動された制御部5のタイマで計測され、第2の冷媒遮断条件を判定するたびに初期値(例えばゼロ)にクリアされる。規定時間は、冷媒を遮断させるまでに室内機3が継続して運転される時間(閾値)であり、室外機2の操作パネル、室内機3のリモコン、空気調和機11の集中管理室の操作卓などからユーザ等によって設定される。規定時間は、例えば制御部5のメモリに保持され、第2の冷媒遮断条件の判定時にパラメータとして使用される。
これら第1の冷媒遮断条件および第2の冷媒遮断条件は、択一的に冷媒遮断条件として適用されてもよいし、複数の冷媒遮断条件として双方が適用されてもよい。例えば、第1の冷媒遮断条件が成立しない場合に第2の冷媒遮断条件が判定されてもよい。この場合、サーモオフされていない室内機3であっても、規定時間に亘って運転が継続されていれば、冷媒を遮断可能となる。逆に、第2の冷媒遮断条件が成立しない場合に第1の冷媒遮断条件が判定されてもよい。この場合、規定時間に亘って運転が継続されていない室内機3であっても、サーモオフされていれば、冷媒を遮断可能となる。
冷媒遮断条件が成立する場合、制御部5は室内機3に流入出する冷媒を遮断させる(S103)。例えば、S102にて冷媒遮断条件として第1の冷媒遮断条件が成立する場合、制御部5は、サーモオフされている室内機3の冷媒遮断部31を動作させて、サーモオフされている室内機3に流入出する冷媒を遮断する。なお、以下の説明では、冷媒遮断条件が成立する室内機3を適宜、対象室内機3という。図1に示す構成例において室内機3aがサーモオフされ、室内機3bがサーモオフされていない場合、制御部5は、対象室内機3が室内機3aであると判断し、冷媒遮断部31aを動作させて室内機3aに流入出する冷媒を遮断する。これに対し、室内機3bは対象室内機3ではないため、冷媒遮断部31bは動作せず、室内機3bに流入出する冷媒は遮断されない。また、室内機3a,3bがいずれもサーモオフされていれば、制御部5は、双方が対象室内機3であると判断して双方の冷媒遮断部31を動作させて室内機3a,3bに流入出する冷媒を遮断することとなる。一方、いずれもサーモオフされていなければ対象室内機3は存在せず、冷媒遮断部31も動作しない。
より具体的には、制御部5は、対象室内機3の冷媒遮断部31、つまりガス冷媒遮断部311と液冷媒遮断部312を動作させ、対象室内機3におけるガス冷媒と液冷媒の流入出を遮断させる。ガス冷媒と液冷媒の流入出が遮断されると、対象室内機3においては空調運転が一時停止する。例えば、空気調和機11が冷却運転されている場合、対象室内機3において、液冷媒遮断部312である電磁弁が閉じる。これにより、対象室内機3への液冷媒の流入が遮断される。一方、ガス冷媒遮断部311である逆止弁は、対象室内機3への液冷媒の流入が遮断されることで、対象室内機3からのガス冷媒の流出を遮断するとともに、対象室内機3への該ガス冷媒の流入(逆流)を止める。ここでは、制御部5は、電磁弁(液冷媒遮断部312)の動作を制御することで、逆止弁(ガス冷媒遮断部311)の動作を間接的に制御する。
また例えば、冷媒遮断条件として第2の冷媒遮断条件が成立する場合(S102のYes)、制御部5は、規定時間に亘って運転が継続されている室内機(対象室内機)3に流入出する冷媒を遮断させる(S103)。図1に示す構成例において室内機3aが規定時間に亘って運転され、室内機3bが規定時間に亘って運転されていない場合、制御部5は、対象室内機3が室内機3aであると判断し、冷媒遮断部31aを動作させて室内機3aに流入出する冷媒を遮断する。これに対し、室内機3bは対象室内機3ではないため、冷媒遮断部31bは動作せず、室内機3bに流入出する冷媒は遮断されない。室内機3a,3bがいずれも規定時間に亘って運転されていれば、制御部5は双方が対象室内機3であると判断して双方の冷媒遮断部31を動作させて室内機3a,3bに流入出する冷媒を遮断する。一方、いずれも規定時間に亘って運転されていなければ対象室内機3は存在せず、冷媒遮断部31も動作しない。
次に、対象室内機3に流入出する冷媒を遮断させると、制御部5は、気密条件を判定する(S104)。気密条件は、対象室内機3において配管30が気密状態であるか否かの判定条件である。気密条件の判定にあたって、制御部5は、対象室内機3における配管30の気密状態の検出結果を気密状態検出部32から取得する。本実施形態において、制御部5は、配管30におけるガス冷媒の圧力値を気密状態検出部32である圧力センサから取得する。次いで、制御部5は、取得したガス冷媒の圧力値を所定の閾値(以下、第1の閾値という)と比較する。例えば、圧力値が第1の閾値を超えている場合、制御部5は気密条件が成立すると判定する。一方、圧力値が第1の閾値以下である場合、制御部5は気密条件が成立しないと判定する。第1の閾値は、配管30においてガス冷媒が漏洩することなく気密状態に保たれた状態の圧力値(適正値)であり、室内機3の性能などに応じて予め設定されている。ただし、第1の閾値は、ある程度の数値幅を有する圧力範囲であってもよい。第1の閾値は、例えば制御部5の記憶装置に保持され、気密条件の判定時にメモリに読み出されてパラメータとして使用される。
気密条件が成立する場合(S104のYes)、気密状態検出部32によって配管30内が気密状態であることが検出されており、制御部5は、配管30からガス冷媒が漏洩していない状態(正常状態)に相当すると判断して、正常状態であることを報知部4に報知させる(S105)。これにより、例えば表示灯の青色点灯、確認メッセージの表示などがなされる。なお、正常状態であれば、ユーザ等に対して報知がなされなくても特段の問題は生じないため、この場合の報知は省略可能である。
これに対し、気密条件が成立しない場合(S104のNo)、気密状態検出部32によって配管30内が気密状態でないことが検出されており、制御部5は、配管30からガス冷媒が漏洩している状態(異常状態)に相当すると判断して、異常状態であることを報知部4に報知させる(S106)。これにより、例えば表示灯の赤色点灯(点滅)、警告音の鳴動、警告メッセージの再生や表示、レーザー照射などがなされる。
なお、制御部5は、正常状態あるいは異常状態がユーザ等に周知されるまで、報知部4に所定の報知を継続させればよい。ただし、周知後にユーザ等が手動で報知部4による報知を停止可能であってもよい。
報知部4によって所定の報知がなされると、制御部5は、空気調和機11の運転停止条件を判定する(S107)。また、S102において冷媒遮断条件が成立しない場合も、制御部5は、空気調和機11の運転停止条件を判定する(S107)。
運転停止条件は、空気調和機11を運転停止させるか否かの判定条件であり、例えば、制御部5が空気調和機11の運転停止を示す信号を受信したか否かなどに応じて判定される。運転停止を示す信号は、例えば室外機2や室内機3の設定部(図示省略)からユーザ等が運転停止を選択することで発信される。設定部は、例えば操作用のパネル、スイッチ、ボタン、表示用のディスプレイなどで構成されている。
運転停止条件が成立しない場合(S107のNo)、制御部5は、冷媒遮断条件を再び判定し(S102)、判定結果に応じて以降の処理(S103~S106)を選択的に繰り返す。
これに対し、運転停止条件が成立する場合(S107のYes)、制御部5は、空気調和機11の運転を停止する(S108)。
すなわち、空気調和機11が運転されている間、一連の冷媒漏洩抑制処理が繰り返される。そして、空気調和機11が運転停止されると、一連の冷媒漏洩抑制処理も終了する。
このような冷媒漏洩抑制処理によれば、冷媒遮断条件が成立する場合、例えば室内機3がサーモオフされている場合や規定時間に亘って運転が継続されている場合、当該室内機(対象室内機)3における冷媒の流入出を遮断した後に、室内機3が気密状態であるか否かを判定する。これにより、室内機3における冷媒の漏洩有無を周期的に適宜確認し、冷媒漏洩有無を特定できる。したがって、冷媒の漏洩を未然に抑止でき、環境負荷の軽減を図ることができる。加えて、室内機3において冷媒が漏洩している場合、その旨を直ちに報知部4によって報知できる。その結果、室内機3において冷媒が漏洩していることをユーザ等に迅速に周知させることができる。また、冷媒の漏洩を未然に抑止した上で、例えば修理メンテナンス業者などを直ちに手配可能となる。これにより、冷媒漏洩に対する修理メンテナンス作業の効率化を図ることができる。
ここで、冷媒として、例えばR410AやR407Cに比べて地球温暖化係数(GWP)が低いR32を適用した場合、R32は微燃性を有する。本実施形態によれば、冷媒の漏洩を適切に抑止可能であるため、このような燃焼性を有する冷媒であっても適正に使用できる。
なお、上述した本実施形態では、冷媒の漏洩を未然に抑止するべく、室内機3において配管30が気密状態であるか否かによって冷媒の漏洩有無を判定したが、その判定手段はこれに限定されない。以下、冷媒の漏洩有無を別の判定手段で判定する実施形態を第2の実施形態として説明する。なお、第2の実施形態における空気調和機の基本的な構成は、図1に示す第1の実施形態の空気調和機11と同様である。したがって、以下では、空気調和機11とは異なる構成について詳述する。空気調和機11と同一もしくは類似の構成については、図面上で同一符号を付して説明を省略もしくは簡略化する。
(第2の実施形態)
図3は、本実施形態に係る空気調和機12の構成を概略的に示す図である。図3に示すように、空気調和機12は、室外機2と、室内機3と、報知部4と、制御部5とを備えている。報知部4および制御部5の構成は、第1の実施形態に係る空気調和機11(図1)と同一である。
室外機2は、圧縮機21と四方弁22、および図示しない室外熱交換器、室外ファン、膨張弁、アキュムレータ、レシーバタンクなどの主たる要素に加えて、冷媒量検出部23をさらに備えている。
冷媒量検出部23は、室外機2と室内機3との間、つまり冷媒回路で循環される冷媒の量が適切か否かを判定する。例えば、冷媒量検出部23は、冷媒回路、具体的には室外機2の配管20内に検出素子が配置されて配管20における冷媒の圧力や温度を検出するセンサである。あるいは、冷媒量検出部23は、室外機2のレシーバタンク内に配置されて該レシーバタンクに貯留された液相冷媒の液面位置を検出する貯留計である。冷媒量検出部23である圧力センサ、温度センサ、貯留計などは、検出した値を制御部5に付与する。
室内機3は、室内熱交換器および室内ファン(いずれも図示省略)などの主たる要素に加えて、冷媒遮断部31、気密状態検出部32、報知部33、さらに冷媒漏洩検出部34を備えている。
冷媒漏洩検出部34は、室内機3における配管30からの冷媒の漏洩を検出する。例えば、冷媒漏洩検出部34は、配管30の近傍に検出素子が配置されて配管30から漏れ出したガス冷媒に反応する半導体式や赤外線式のガスセンサである。配管30から漏れ出したガス冷媒に反応した場合、冷媒漏洩検出部34は、その旨を示す信号(以下、反応信号という)を制御部5に出力する。一方、配管30から漏れ出したガス冷媒に反応しなかった場合、冷媒漏洩検出部34は、反応信号を制御部5に出力しない。あるいはこの場合、冷媒漏洩検出部34は、当該反応をしなかった旨を示す信号(以下、未反応信号という)を制御部5に出力してもよい。すなわち、冷媒漏洩検出部34は、室内機3における配管30からの冷媒の漏洩を直接的に検出する。
図4には、本実施形態における冷媒漏洩抑制処理時における制御部5の制御フローを示す。なお、図4に示す本実施形態の冷媒漏洩抑制処理の制御フローは、第1の実施形態の制御フロー(図2)の一部を本実施形態に特有の制御に付加、変更するものである。したがって、上述した第1の実施形態と同等の制御については同一のステップ番号を付して説明を省略し、以下では本実施形態に特有の制御について詳述する。
空気調和機12が運転を開始すると(S101)、制御部5は、冷媒漏洩条件を判定する(S201)。冷媒漏洩条件は、室内機3において配管30から冷媒が漏洩しているか否かの判定条件である。冷媒漏洩条件の判定にあたって、制御部5は、室内機3における配管30からの冷媒漏洩有無の検出結果を冷媒漏洩検出部34から取得する。本実施形態において、制御部5は、配管30から漏れ出したガス冷媒への反応有無を冷媒漏洩検出部34であるガスセンサから取得する。制御部5は、例えば反応信号を冷媒漏洩検出部34から受信した場合、冷媒漏洩条件が成立すると判定する。一方、制御部5は、反応信号を冷媒漏洩検出部34から受信しない場合、あるいは未反応信号を冷媒漏洩検出部34から受信した場合、冷媒漏洩条件が成立しないと判定する。ここでは、制御部5は、二台の室内機3a,3bごとに冷媒漏洩条件の成否を判定する。
冷媒漏洩条件が成立しない場合(S201のNo)、制御部5は、空気調和機1の運転停止条件を判定する(S107)。
一方、冷媒漏洩条件が成立する場合(S201のYes)、制御部5は、冷媒遮断条件を判定する(S102)。ここでの冷媒遮断条件(以下、第3の冷媒遮断条件という)は、冷媒漏洩条件が成立している状態での判定条件であるため、対象室内機3において冷媒漏洩条件が成立する場合、制御部5は第3の冷媒遮断条件も成立すると判定する。一方、対象室内機3において冷媒漏洩条件が成立しない場合、制御部5は第3の冷媒遮断条件も成立しないと判定する。そして、第3の冷媒遮断条件の判定結果に応じて、制御部5は、以降の処理(S103~S106)を選択的に行う。
したがって、対象室内機3において冷媒漏洩条件が成立する場合、制御部5は、対象室内機3のサーモオフの有無や運転継続時間に関わらず、直ちに対象室内機3に流入出する冷媒を遮断させる(S103)。なお、S104において気密条件が成立する場合、正常状態であることの報知部4への報知(S105)は省略可能である。この場合、冷媒漏洩条件および冷媒遮断条件がいずれも成立し、対象室内機3に流入出する冷媒が遮断されている。この状態において気密条件が成立すれば、対象室内機3の配管30内は気密状態となっており、該対象室内機3は配管30からガス冷媒が漏洩していない状態(正常状態)に相当する。
このため、制御部5は、冷媒量適正条件を判定する(S202)。冷媒量適正条件は、室外機2と対象室内機3を含む室内機3との間で循環される冷媒の量が適切か否かの判定条件である。冷媒量適正条件の判定にあたって、制御部5は、室外機2と室内機3との間で循環される冷媒量の検出結果を冷媒量検出部23から取得する。本実施形態では、室外機2の配管20における冷媒の圧力や温度の値を冷媒量検出部23である圧力センサや温度センサから取得する。あるいは、レシーバタンク内に配置されて該レシーバタンクに貯留された液相冷媒の液面位置を冷媒量検出部23である貯留計から取得する。次いで、制御部5は、例えば取得した冷媒の圧力値や温度値、あるいは液面位置を所定の閾値(以下、第2の閾値という)と比較する。第2の閾値は、冷媒回路において冷媒が不足することなく適正量に保たれた状態の圧力値や温度値、あるいは液面位置であり、室外機2の性能などに応じて予め設定されている。第2の閾値は、例えば制御部5の記憶装置に保持され、気密条件の判定時にメモリに読み出されてパラメータとして使用される。第2の閾値との比較により、冷媒の圧力値や温度値、あるいは液面位置が適正範囲内であれば、制御部5は、冷媒量適正条件が成立すると判定する。一方、冷媒の圧力値や温度値、あるいは液面位置が適正範囲外であれば、制御部5は、冷媒量適正条件が成立しないと判定する。
冷媒量適正条件が成立する場合(S202のYes)、制御部5は、対象室内機3に流入出する冷媒の遮断を解除する(S203)。この場合、制御部5は、室外機2と対象室内機3を含む室内機3との間で循環される冷媒の量が適切と判断し、対象室内機3に流入出する冷媒の遮断を解除し、対象室内機3への冷媒の流入出を再開させる。これにより、対象室内機3において一時停止されていた空調運転が再開される。ここでは、制御部5は、すべての対象室内機3に流入出する冷媒の遮断を順次解除する。例えば、二台の室内機3a,3bがいずれも対象室内機3である場合、制御部5は、これらの対象室内機3における冷媒の遮断を順次解除し、空調運転を再開させる。
対象室内機3に流入出する冷媒の遮断を解除すると、制御部5は、空気調和機12の運転停止条件を判定する(S107)。また、S202において冷媒量適正条件が成立しない場合も、制御部5は、空気調和機12の運転停止条件を判定する(S107)。
運転停止条件が成立しない場合、制御部5は、冷媒漏洩条件を再び判定し(S201)、判定結果に応じて以降の処理(S102~S106,S202,S203)を選択的に繰り返す。
これに対し、運転停止条件が成立する場合、制御部5は、空気調和機12の運転を停止する(S108)。
すなわち、空気調和機12が運転されている間、一連の冷媒漏洩抑制処理が繰り返される。そして、空気調和機12が運転停止されると、一連の冷媒漏洩抑制処理も終了する。
このような冷媒漏洩抑制処理を行う本実施形態によれば、上述した第1の実施形態による作用効果に加えて、次のような作用効果を奏する。すなわち、冷媒漏洩条件および気密条件を二段階で判定することで、室内機(対象室内機)3における冷媒の漏洩有無の確認および特定の判定精度を高められる。また、気密条件の成立によって冷媒の流入出が遮断されて空調運転が一時停止された室内機3であっても、冷媒量適正条件が成立する場合、当該室内機3の空調運転を順次再開させることができる。したがって、冷媒の漏洩が生じた室内機3以外の室内機3の運転を継続させることが可能となり、空気調和機12における空調対象空間の快適性や食品保温性の向上を図ることが可能となる。
なお、上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、冷媒遮断条件が成立する場合、対象室内機3の冷媒遮断部31(ガス冷媒遮断部311および液冷媒遮断部312)を動作させ、対象室内機3におけるガス冷媒と液冷媒の流入出を遮断させている。その際、空気調和機においてポンプダウン運転を行ってもよい。以下、かかるポンプダウン運転を行う実施形態を第3の実施形態として説明する。なお、第3の実施形態における空気調和機の基本的な構成は、図1に示す第1の実施形態の空気調和機11および図3に示す第2の実施形態の空気調和機12と同様である。したがって、以下では、空気調和機11,12とは異なる構成について詳述する。空気調和機11,12と同一もしくは類似の構成については、図面上で同一符号を付して説明を省略もしくは簡略化する。
(第3の実施形態)
図5は、本実施形態に係る空気調和機13の構成を概略的に示す図である。図5に示すように、空気調和機12は、室外機2と、室内機3と、報知部4と、制御部5とを備えている。報知部4および制御部5の構成は、第1の実施形態に係る空気調和機11(図1)および第2の実施形態に係る空気調和機12(図3)と同一である。
室外機2は、圧縮機21と四方弁22、および図示しない室外熱交換器、室外ファン、膨張弁、アキュムレータ、レシーバタンクなどの主たる要素に加えて、冷媒量検出部23を備えるとともに、冷媒吸込圧検出部24をさらに備えている。
冷媒吸込圧検出部24は、圧縮機21に吸い込まれる冷媒の吸込圧を検出する。例えば、冷媒吸込圧検出部24は、室外機2においてアキュムレータの出口と圧縮機21の吸込口とを繋ぐ配管内に検出素子が配置され、該配管におけるガス冷媒の圧力を検出する圧力センサである。冷媒吸込圧検出部24である圧力センサは、検出した圧力値を制御部5に付与する。
室内機3は、室内熱交換器および室内ファン(いずれも図示省略)などの主たる要素に加えて、冷媒遮断部31、気密状態検出部32、報知部33、冷媒漏洩検出部34を備えている。室内機3の構成については、第2の実施形態に係る空気調和機12(図3)と同一である。
図6には、本実施形態における冷媒漏洩抑制処理時における制御部5の制御フローを示す。なお、図6に示す本実施形態の冷媒漏洩抑制処理の制御フローは、第2の実施形態の制御フロー(図4)の一部を本実施形態に特有の制御に付加、変更するものである。したがって、上述した第1の実施形態および第2の実施形態と同等の制御については同一のステップ番号を付して説明を省略し、以下では本実施形態に特有の制御について詳述する。
空気調和機13が運転を開始すると(S101)、制御部5は、冷媒漏洩条件を判定し(S201)、冷媒漏洩条件が成立する場合、冷媒遮断条件を判定する(S102)。ここでの冷媒遮断条件(以下、第4の冷媒遮断条件という)は、後述する空気調和機13においてポンプダウン運転を行うための判定条件である。したがって、いずれかの室内機3において冷媒漏洩条件が成立する場合、制御部5は第4の冷媒遮断条件も成立すると判定する。一方、いずれの室内機3においても冷媒漏洩条件が成立しない場合、制御部5は第4の冷媒遮断条件が成立しないと判定する。
冷媒遮断条件が成立する場合(S102のYes)、制御部5は、ポンプダウン運転を行う(S301)。この場合、制御部5は、各室内機3の冷媒遮断部31、つまりガス冷媒遮断部311と液冷媒遮断部312を動作させ、これら室内機3におけるガス冷媒と液冷媒の流入出を遮断させる。例えば、空気調和機13が冷却運転されている場合、各室内機3において、液冷媒遮断部312である電磁弁が閉じる。これにより、各室内機3への液冷媒の流入が遮断される。制御部5は、この状態で圧縮機21の運転を継続させ、室内機3側の冷媒を室外機2側へ吸い込ませる。その際、ガス冷媒遮断部311である逆止弁は、各室内機3への液冷媒の流入が遮断されることで、各室内機3からのガス冷媒の流出を遮断するとともに、各室内機3への該ガス冷媒の流入(逆流)を止める。これにより、制御部5は、冷媒回路の冷媒を室外機2に封じ込める。
ポンプダウン運転を行うと、制御部5は、ポンプダウン運転停止条件を判定する(S302)。ポンプダウン運転停止条件は、空気調和機13においてポンプダウン運転を停止させるか否かの判定条件である。ポンプダウン運転停止条件の判定にあたって、制御部5は、圧縮機21に吸い込まれる冷媒の吸込圧の検出結果を冷媒吸込圧検出部24から取得する。次いで、制御部5は、取得した冷媒の吸込圧の値を所定の閾値(以下、第3の閾値という)と比較する。第3の閾値は、冷媒回路の冷媒が室外機2に封じ込められた状態の圧力値もしくは圧力範囲であり、圧縮機21の性能などに応じて予め設定されている。第3の閾値は、例えば制御部5の記憶装置に保持され、ポンプダウン運転停止条件の判定時にメモリに読み出されてパラメータとして使用される。第3の閾値との比較により、例えば冷媒の吸込圧が第3の閾値の範囲内であれば、制御部5は、ポンプダウン運転停止条件が成立すると判定する。一方、冷媒の吸込圧が第3の閾値の範囲外であれば、制御部5は、ポンプダウン運転停止条件が成立しないと判定する。
なお、ポンプダウン運転停止条件は、このような吸込圧に応じた条件には限定されない。例えば、ポンプダウン運転の開始後、所定時間が経過したか否かをポンプダウン運転停止条件としてもよい。この場合、制御部5は、ポンプダウン運転の継続時間を所定時間と比較する。ポンプダウン運転の継続時間は、ポンプダウン運転停止条件を判定するたびに初期値(例えばゼロ)にクリアされる。所定時間は、冷媒回路の冷媒が室外機2に封じ込められた状態となるまでに要する圧縮機21の運転継続時間(以下、第4の閾値という)であり、圧縮機21の性能などに応じて予め設定されている。第4の閾値は、例えば制御部5の記憶装置に保持され、ポンプダウン運転停止条件の判定時にメモリに読み出されてパラメータとして使用される。
ポンプダウン運転停止条件が成立すると、制御部5は、各室内機3に流入出する冷媒の遮断を解除する(S303)。ここでは、制御部5は、ポンプダウン運転停止条件が成立するまで、換言すれば各室内機3に流入出する冷媒の遮断を解除可能となるまでかかる条件の判定を繰り返す。
各室内機3に流入出する冷媒の遮断を解除すると、制御部5は、気密条件を判定し(S104)、判定結果に応じて以降の処理(S105~S106,S202,S203)を運転停止条件が成立するまで繰り返す(S108)。
すなわち、空気調和機13が運転されている間、一連の冷媒漏洩抑制処理が繰り返される。そして、空気調和機13が運転停止されると、一連の冷媒漏洩抑制処理も終了する。
このような冷媒漏洩抑制処理を行う本実施形態によれば、上述した第1の実施形態および第2の実施形態による作用効果に加えて、次のような作用効果を奏する。すなわち、いずれかの室内機3において冷媒漏洩条件が成立する場合(S201)、ポンプダウン運転を行うことで(S301)、冷媒回路における冷媒を室外機2に封じ込め、冷媒の漏洩を最小限に抑制できる。その後、本実施形態では第2の実施形態と同様に気密条件を判定している。したがって、気密条件の成立によって冷媒の流入出が遮断されて空調運転が一時停止された室内機3であっても、冷媒量適正条件が成立する場合、当該室内機3の空調運転を順次再開させることができる。その結果、冷媒の漏洩が生じた室内機3以外の室内機3の運転を継続させることが可能となり、空気調和機13における空調対象空間の快適性や食品保温性の向上を図ることが可能となる。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、かかる実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
2…室外機、3,3a,3b…室内機、4,33,40…報知部、5…制御部、6,20,30,30a,30b…配管、11,12,13…空気調和機、21…圧縮機、22…四方弁、23…冷媒量検出部、24…冷媒吸込圧検出部、31…冷媒遮断部、32…気密状態検出部、34…冷媒漏洩検出部、61,61a,61b…ガス管、62,62a,62b…液管、63,64…分岐管、311,311a,311b…ガス冷媒遮断部、312,312a,312b…液冷媒遮断部。

Claims (5)

  1. 吸い込んだ冷媒を圧縮して吐出する圧縮機を有する室外機と、
    前記室外機と接続された配管により形成される冷媒回路で冷媒が前記室外機との間で循環される少なくとも一台の室内機と、
    前記室内機に流入する前記冷媒および前記室内機から流出する前記冷媒の流れを遮断もしくは遮断解除する冷媒遮断部と、
    前記室内機における前記配管の気密状態を検出する気密状態検出部と、
    前記気密状態検出部の検出結果を報知する報知部と、
    前記室外機、前記室内機、前記冷媒遮断部、前記気密状態検出部、および前記報知部の動作をそれぞれ制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記室内機に流入および流出する前記冷媒の流れを遮断させるか否かの冷媒遮断条件を判定し、前記冷媒遮断条件が成立する場合、前記冷媒遮断部に遮断させ、前記冷媒の流れが遮断された前記室内機において前記気密状態検出部が検出した前記配管の気密状態の検出結果を前記報知部に報知させ
    前記室内機は、所望のサーモオフ温度でサーモオフされ、
    前記制御部は、前記冷媒遮断条件として、前記室内機がサーモオフされているか否かの判定条件である第1の冷媒遮断条件を判定す
    空気調和機。
  2. 前記制御部は、前記冷媒遮断条件として、前記室内機が所定時間に亘って継続して運転されているか否かの判定条件である第2の冷媒遮断条件を判定し、前記第2の冷媒遮断条件が成立する場合、前記室内機に流入および流出する前記冷媒の流れを前記所定時間間隔で前記冷媒遮断部に遮断させる
    請求項1に記載の空気調和機。
  3. 吸い込んだ冷媒を圧縮して吐出する圧縮機を有する室外機と、
    前記室外機と接続された配管により形成される冷媒回路で冷媒が前記室外機との間で循環される少なくとも一台の室内機と、
    前記室内機に流入する前記冷媒および前記室内機から流出する前記冷媒の流れを遮断もしくは遮断解除する冷媒遮断部と、
    前記室内機における前記配管の気密状態を検出する気密状態検出部と、
    前記気密状態検出部の検出結果を報知する報知部と、
    前記室外機、前記室内機、前記冷媒遮断部、前記気密状態検出部、および前記報知部の動作をそれぞれ制御する制御部と、
    前記室内機における前記配管からの前記冷媒の漏洩を検出する冷媒漏洩検出部と、
    前記圧縮機に吸い込まれる前記冷媒の吸込圧を検出する冷媒吸込圧検出部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記室内機に流入および流出する前記冷媒の流れを遮断させるか否かの冷媒遮断条件を判定し、前記冷媒遮断条件が成立する場合、前記冷媒遮断部に遮断させ、前記冷媒の流れが遮断された前記室内機において前記気密状態検出部が検出した前記配管の気密状態の検出結果を前記報知部に報知させ、
    前記冷媒遮断条件として、前記冷媒漏洩検出部が前記冷媒の漏洩を検出したか否かの判定条件である第3の冷媒遮断条件を判定し、
    前記制御部は、前記第3の冷媒遮断条件が成立し、前記冷媒吸込圧検出部が検出した前記冷媒の吸込圧が所定範囲内である場合、前記室内機に流入および流出する前記冷媒の流れを前記冷媒遮断部に所定時間に亘って遮断させ、前記所定時間の経過後に前記室内機に流入および流出する前記冷媒の流れの遮断を前記冷媒遮断部に解除させ、前記冷媒の流れの遮断が解除された前記室内機における前記配管の気密状態を前記気密状態検出部に検出させる
    空気調和機。
  4. 前記制御部は、前記冷媒の流れが遮断された前記室内機において前記気密状態検出部が気密状態であることを検出した場合、気密状態である前記室内機に流入および流出する前記冷媒の流れの遮断を前記冷媒遮断部に解除させる
    請求項1からのいずれか一項に記載の空気調和機。
  5. 前記室外機と前記室内機との間で循環される前記冷媒の量が適切か否かを検出する冷媒量検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記冷媒量検出部が前記冷媒の量が適切であることを検出したことを条件に、気密状態の前記室内機に流入および流出する前記冷媒の流れの遮断を前記冷媒遮断部に解除させる
    請求項に記載の空気調和機。
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