JP7422726B2 - 浮遊汚染種によって汚染された気体媒体を除染するための方法 - Google Patents

浮遊汚染種によって汚染された気体媒体を除染するための方法 Download PDF

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Description

本発明は、浮遊汚染種によって汚染された気体媒体を除染するための方法に関する。
気体媒体は空気である場合があり、その場合、本発明による方法は、雰囲気除染方法と称される。
浮遊汚染種又は汚染物質は、特に、固体粒子、液体粒子の形態、そうでなければ分子種の形態であってもよい。
より正確には、本発明による除染方法は、これらの浮遊汚染物質の捕獲、捕捉、引下げ及び固体表面への固定、並びに必要に応じてこの表面の除染を可能にする。
本発明による方法の出願は多数あり、多岐にわたり、活動の多数の工業及び家計部門に関する。
雰囲気中の、より一般的には気体媒体中の、浮遊微小粒子、ナノ粒子、粉塵若しくは繊維、例えばアスベスト繊維、又は実に毒性分子等の汚染物質の除去は、核施設の復旧及び解体作業現場、又はアスベスト除去作業現場等の多数の現場だけでなく、暖房器具、特に木材燃焼からの微小粒子が充満した空気の精製において生じる問題である。この問題はまた、事故後の状況の場合、特に、いわゆるNRBC(核、放射能、生物学的、化学)事象又は自然災害後、及び/又は雰囲気中に存在する浮遊毒性化学分子若しくは有害な生物学的微生物によって汚染された場所で生じうる。
これらの浮遊汚染物質の除去は、非常に複雑な加工操作を伴い、且つ特定の装備(作業着、呼吸保護具等)の着用、又は格納容器エアロック及び特定の換気装置の設置等の、特定のプロトコールの実装を必要とする。
更に、操作者の介入期間は、操作者が制限のある衣服を使用しなければならないため、短くなる。
最後に、これらの浮遊汚染物質の除去は、ほとんどの場合、進行中の作業現場の閉鎖を必要とする。
雰囲気中の浮遊汚染物質の存在に関連するリスクは、作業者又は一般公衆の健康に対する本質的なリスクだけでなく、安全性及び環境のリスクでもある。
浮遊汚染物質の除去は、コスト、安全性、保安性、期限、又は効率等に関してであるかどうかにかかわらず、この問題に直面する種々のプロジェクトに大きな影響を与える。
雰囲気、又はより一般的には気体媒体中の浮遊(ナノ)粒子、粉塵又は繊維、例えばアスベスト繊維、そうでなければ毒性分子等の汚染物質を除去するための方法は、使用される技術によって種々の種類に分類されうる。
第1の種類の方法は、空気濾過が実行される種類の方法である。
例として、文献米国特許出願公開第2006/0248866号明細書[1]は、濾過された空気を密閉空間に移動させるための、空気除染機器に関する。この機器は、入口及び出口を備えた空気濾過区画;空気濾過区画内に入口と出口の間に配設された、少なくとも第1の空気除染フィルターを含むエンクロージャー、並びに空気濾過区画と連通し、空気除染フィルターから空気を移動させるための空気移動用デバイス(「空気移動機」)を含む。
段落[0013]によると、空気除染機器は、HEPAフィルター、活性炭フィルター、生物剤フィルター、化学剤フィルター、及び放射性薬剤フィルターからなる群から選択される第1の空気除染フィルターを含みうる。
このデバイスは、乾燥状態下で動作する固定フィルターを使用して、液体を噴霧することなく汚染された空気を濾過するための従来のデバイスである。
この文献では、気体媒体に見出される汚染物質、汚濁物質を捕獲する、引き下げる、固定するために、特定の微小液滴の形態の液体、ましてやゲルはもちろん、特に真空引き可能な鉱物、無機ゲルを、空気等のこの気体媒体中に噴霧することは言及又は示唆されない。
濾過が実行されるこの種類の方法は、紫外線を放出するランプを組み込むことにより、光触媒方法と組み合わせることもできる。
例として、文献国際公開第2004/011041号[2]は、請求項1によると、空気入口、空気出口、及び空気が入口から出口に流れるための通路を画定するエンクロージャー;エンクロージャー内に通路に沿って配設された固定フィルターであって、前記フィルターが通路に沿って流れる空気を受容するための上流側と、空気をフィルターから通路へ流出させるための下流側を含む、固定フィルター;フィルターの上流側を直接照射するように配設された、少なくとも第1の固定UVランプ;並びにフィルター付近のオゾン発生器を含む、空気を除染するデバイスに関する。
このデバイスは、乾燥状態下で動作する固定フィルターを使用して、液体を噴霧することなく汚染された空気を濾過するための従来のデバイスであり、更にUVランプ及びオゾン発生器を使用する。
この文献では、気体媒体に見出される汚染物質、汚濁物質を捕獲する、引き下げる、固定するために、特定の微小液滴の形態の液体、ましてやゲルはもちろん、特に真空引き可能な鉱物ゲルを、空気等のこの気体媒体中に噴霧することは言及又は示唆されない。
しかし、濾過が実行されるこの種類の方法は、濾過に必要とされる空気の流れを創出可能にするための大規模な換気装置の設置を必要とする。
大規模な換気装置の存在は、一方では、ある特定の作業現場に設置することが困難になり、且つ他方では、空気循環が、浮遊しなかった汚染物質を再浮遊させる傾向があるため、不都合になりうる。最後に、汚染物質を収集するフィルターは、使用後、特に体積の点で無視できない廃棄物をもたらし、その管理は、例えば放射性汚染の場合に困難になりうる。
第2の種類の方法は、湿式方法のものである[3,4]。
この種類の方法の原理は、汚染された雰囲気内に、水のミスト又はしぶき、霧を創出することである。これにより、ミスト又はしぶきの液滴が浮遊汚染物質のエアロゾルを取り込み、落下する際にそれらを地面に引き下げる。
例として、文献欧州特許出願公開第1935515号明細書[3]は、施設を除染するためのシステムであって、施設(12)に永久的に載置された少なくとも1つのノズル(10)、施設の外側に位置する液体エアロゾル発生器(14)、及び外部の液体エアロゾル発生器(14)をノズル(10)につなぐための手段(16)を含む、システムについて記載している(この文献[3]の図1)。液体エアロゾル発生器(14)は、除染剤を含有するタンク、及び除染剤を、施設(12)のノズル(10)を介してタンクから排出するための「推進手段」を含む。除染剤は、好ましくは、乾燥ミストの形態で施設(12)内に噴霧される。
液体除染剤の乾燥ミストは、その目的、例えば、洗剤が使用される場合は部屋の表面を洗浄すること、消毒剤が使用される場合は、部屋の内部表面の有効な滅菌を実施すること、及び中和剤が使用される場合は消毒薬の中和を達成するのに十分な時間作用できる。
この文献では、噴霧される液体除染剤が、ゲルはもちろん、特に真空引き可能な鉱物ゲルの形態であることは言及又は示唆されない。
液体除染剤は、特に無機増粘剤を含有しないため、ゲルの形態であることはない。
更に、この文献では、追求される目的は、気体媒体に見出される汚染物質、汚濁物質を捕獲する、引き下げる、固定することではなく、部屋の表面を除染することである。
文献国際公開第2010/132949号[4]は、化学兵器剤、工業汚濁物質、殺虫剤、生理活性タンパク質、及び毒素からなる群から選択される汚染物質によって汚染された表面又は区域を除染するための方法について記載している。この方法は、汚染された表面又は区域、空間を、除染剤を含むエアロゾルと接触させ、それと並行して又は次いで、汚染された表面又は区域、空間を、除染剤の拮抗薬を含むエアロゾルと接触させる工程を含む。
この文献では、噴霧される液体除染剤が、ゲルはもちろん、特に真空引き可能な鉱物ゲルの形態であることは言及又は示唆されない。
第2の種類の方法が現在最も使用されている。このため、多数の工業企業が、この用途向けに種々の形状の種々の種類のスプレーガンを販売している。しかし、この種類の方法は、収集された汚染物質を含有する排出物を生成するものであり、これは加工が困難になる場合がある。
この場合、排出物を除染するための後加工操作が必ず実行されなければならない。更に、自然又は強制蒸発による水相の乾燥時には、壁に引き下げられた汚染物質は、空気に容易に再浮遊する可能性がある。これらの方法では、汚染物質は確かに取り込まれ捕獲されるが、その封じ込めは最適化されない。
特に解決が困難な問題は、核施設の下水設備及び解体作業現場において、雰囲気中の浮遊アスベスト繊維を除去することである。
実際に、アスベスト除去作業現場では、アスベスト繊維を取り込み、捕獲するためのミスト化、噴霧によって使用される水を使用する必要があるが、対照的に「核」作業現場では、汚染のリスクを低減させるため、且つ臨界管理を容易にするために、水の存在を回避することが好ましい。
したがって、上記を考慮して、先行技術の除染方法、特に、上記に挙げられた先行技術文献に記載される除染方法の欠点、欠陥、制限及び不利点を伴わない、浮遊汚染種によって汚染された空気等の気体媒体を除染するための方法に対するニーズが存在する。また、先行技術の方法の問題を解決することができる方法に対するニーズが存在する。
米国特許出願公開第2006/0248866号明細書 国際公開第2004/011041号 欧州特許出願公開第1935515号明細書 国際公開第2010/132949号 国際公開第2014/154817号
本発明の目標は、とりわけ上記で言及されたニーズを満たす、浮遊汚染種によって汚染された気体媒体を除染するための方法を提供することである。
この目標及び更に他の目標は、本発明に従って、浮遊汚染種によって汚染された所定の体積の気体媒体を除染するための方法であって、前記所定の体積の気体媒体が、固体基材の少なくとも1つの表面と接触し、前記方法が、以下の逐次工程:
a)前記所定の体積の気体媒体中に微小液滴を噴霧し、それにより無機増粘剤及び溶媒を含むコロイド溶液からなる無機ゲルのミストを形成する工程と、
b)浮遊汚染種を、前記無機ゲルの液滴によって捕獲し、取り込む工程と、
c)捕獲された浮遊汚染種を含有する無機ゲルの液滴が、固体基材の前記表面に堆積、沈降する工程と、
d)少なくとも、ゲルが乾燥し、捕獲された浮遊汚染種を含有する乾燥固体残留物を形成するのに十分な時間、ゲルを固体基材の表面に保持し、維持する工程と、
e)前記捕獲された浮遊汚染種を含有する乾燥固体残留物を回収する工程と
を含む、方法によって達成される。
有利には、気体媒体は空気である。気体媒体は、雰囲気、周囲空気であってもよい。
有利には、気体媒体の体積は、前記表面を形成する床、天井及び壁(「murs」)等の壁(「parois」)によって画定される密閉体積であり、微小液滴のミストは密閉体積全体を充填し、且つ捕獲され、取り込まれた浮遊汚染種を含有する無機ゲルの微小液滴は、壁の少なくとも1つ、好ましくはすべての壁に堆積、沈降する。
一般に、微小液滴は、10~1000μm、好ましくは20~200μmの直径等の、その最大寸法によって規定されるサイズを有する。
一般に、ミストは高密度ミストである。
当業者であれば、いわゆる高密度ミストが何であるか容易に理解するであろう。
「ゲル」という用語は、当業者には完全に明白であり、広く受け入れられる意味を有する。
しかし、一般的には、ゲルは、0.1Pa.s以上の粘度を有するとみなすことができる。
本発明によって使用されるゲルは、無機鉱物増粘剤を含むという点で、無機鉱物ゲルと記載される。
一般に、ゲルは、増粘剤として、この無機鉱物増粘剤のみを含有し、有機増粘剤は含有しない。
本発明による方法で使用されるゲルは、いわゆる「真空引き可能なゲル」、「吸引可能なゲル」であると一般に定義されうる。
「真空引き可能なゲル」、「吸引可能なゲル」という用語は、この技術分野で共通に使用される用語であり、以下で想起される広く受け入れられる意味を有する。
真空引き可能なゲルは、真空引き可能でないゲルと本質的に異なる。
真空引き可能なゲルは、従来的に、特に表面を除染するために使用される。
これに関して、核除染の文脈では、乾燥廃棄物の粉状の性質に関連する問題を回避し、且つゲルを使用する方法の効力を増大させることができるゲル化配合物が、文献[5]及び[6]の主題であることに留意されたい。
これらの文献は、それゆえ、いわゆる「真空引き可能なゲル」である無機コロイドゲル、すなわち、噴霧され、次いで真空引き可能な、保管可能な薄片の形態で放射性汚染を捕捉し閉じ込めた状態で、乾燥と同時に破砕するように特別に配合されるゲルについて記載している。
文献[5]は、無機増粘剤、一般的にはシリカ又はアルミナ、例えば、ソーダ若しくはカリ等の無機酸又は塩基である活性処理剤、及び必要に応じて、Ce(IV)、Co(III)又はAg(II)等の強酸性媒体中の標準酸化還元電位Eが1.4Vより大きい酸化剤を含むコロイド溶液からなるゲルについて記載している。
文献[6]は、有機増粘剤、一般的にはシリカ又はアルミナ、界面活性剤、無機酸又は塩基、必要に応じて、Ce(IV)、Co(III)又はAg(II)等の強酸性媒体中の標準酸化還元電位Eが1.4Vより大きい酸化剤を含むコロイド溶液からなるゲルについて記載している。
したがって、これらの真空引き可能な無機コロイドゲルは、一般的に、シリカ又はアルミナ等の無機鉱物増粘剤、1種又は複数の活性除染剤、並びに必要に応じて、界面活性剤及び他の有機添加剤を含む。
その組成に使用される様々な構成要素のために、これらの真空引き可能なゲルは、汚染された表面へのその噴霧、次いで流れ落ちのない、垂直でさえあるこの表面への接着を可能にするレオロジーを有する。
結果として、これにより、基剤の機械的特性が変化することなく、汚染物質と活性除染剤との間の長時間の接触が可能になる。
それらの噴霧に続き、ゲルは乾燥し、破砕し、基材に接着する「薄片」と呼ばれる乾燥残留物を生成し、これらは後にブラッシング又は真空引きによって除去され、直接包装される。
したがって、これらの真空引き可能なゲルを使用する除染方法は、液体廃棄物を全く発生せず、且つ乾燥固体残留物を少ししか発生しない乾式表面除染方法である。実際に、これらの乾燥固体残留物は、平均して最初に噴霧されたゲルのわずか4分の1の質量である。更に、これらの方法は、噴霧に続いて乾燥残留物を真空引きすることによる、その容易な使用法に起因して、且つゲルが乾燥する間に操作者の存在が必要とされないという点で、操作者の放射性汚染への曝露時間を制限する。
ゲルのミスト、しぶき、霧と称されるものを形成する、微小液滴の形態のこれらの真空引き可能な、吸引可能な無機鉱物ゲルの、特に浮遊汚染種によって汚染された気体媒体を除染するための、且つ固体基材を除染するためではない使用は、先行技術、特に上記で挙げられた文献[5]及び[6]では記載又は示唆されていない。
本発明による方法は、代表の先行技術、特に上記で挙げられた文献で記載又は示唆されていない、特定の一連の特定の工程を含む。
本発明による方法は、上記で言及されたニーズ及び要件のすべてを満たし、上記で言及された文献に記載されるもの等の、先行技術による気体媒体を除染するための方法の欠点、欠陥、制限及び不利点を有さない。
特に、本発明による方法は、矛盾する要件を満たす必要があるためにこれまで解決不可能であるように思われた、核施設の下水設備及び解体作業現場における、雰囲気中の浮遊アスベスト繊維を除去する問題に対する良好な解決策を提供することができる。
本発明の方法は、今日まで固体基材を除染するためのみに使用され、気体媒体を除染するためには使用されなかった真空引き可能なゲルの物理化学特性が、真空引き可能なゲルを極めて特殊な微小液滴の形態で噴霧されるのに好適にするという驚くべき観察に基づく。
上記に記載された固体表面を除染するための方法では、ゲルの均質な、粘着性のジェットが固体表面に噴霧される。
本発明による方法では、ミストを形成する個別の分離した微小液滴が噴霧され、これらの液滴は、固体表面に噴霧されず、所定の体積の気体媒体中に噴霧される。
上記で記載された固体表面を除染するための方法では、ゲルは、強力な高圧ジェットにより、処理される表面から遠くない、例えば30cm~1mの距離で噴霧されなければならない。ゲルを噴霧するためのデバイスの先端であるスプレーノズルと、固体表面との間のゲルのジェットの移動時間、「飛行時間」は短く、例えば1~数ミリ秒、例えば10ミリ秒である。この飛行時間の延長は追求されない。
本発明による所定の体積の気体媒体を除染するための方法では、固体表面は処理されず、所与の体積の気体媒体が処理される。
したがって、対照的に、本発明による方法では、一般に、噴霧され発生した微小液滴に、浮遊汚染物質を取り込むのに十分長い、前記所定の体積の気体媒体中の飛行時間を与えることが追求される。
本発明による方法では、ゲルを噴霧するためのデバイスの先端であるスプレーノズルからのゲルの液滴の、前記所定の体積の気体媒体中の移動時間、「飛行時間」は、表面汚染方法におけるゲルジェットの「飛行時間」と比較して長いとみなすことができる。
本発明による方法では、前記所定の体積の気体媒体中のゲルの飛行時間は、例えば100ミリ秒~1又は数秒、例えば2、5若しくは9秒、又は更には最大およそ10若しくは数十秒、例えば10、20、30、40、50、60、70、80、90若しくは100秒であってもよい。
好ましくは、前記所定の体積の気体媒体中のゲルの飛行時間は、1~100秒、より好ましくは2~50秒、更に良好には3~40秒、また更に良好には4~30秒、特に5~20秒、特に6~10秒であってもよい。
そのような飛行時間の好ましい例は、1~10秒、例えば2、3、4又は5秒~10秒の飛行時間である。
そのような飛行時間は、以下の手段のうちの1つ又は複数をとることによって得ることができる:
- 噴霧デバイスのスプレーノズルを、固体基材の前記少なくとも1つの表面から遠く(特に数メートル、例えば、2~5、10又は20メートルの距離に)、より一般的には、噴霧され、形成される液滴が接着しやすい任意の固体表面から遠く(特に数メートル、例えば、2~5、10又は20メートルの距離に)に配置してもよい。
理想は、ゲルのミストを、大きな体積(特に1m~数mの体積、例えば1~2、5、10又は20mの体積)の気体媒体内で、内部に形成することからなる。
体積の充填は、噴霧機器に依存することが留意されるべきである。
ゲルの液滴を形成するために噴霧デバイスのノズルに送られるゲル及び空気等の気体の圧力は、液滴が、汚染物質を取り込み、捕獲するのに十分長い、空気等の気体媒体の体積中の飛行時間を有することを可能にするために、投射、噴霧速度を(噴霧が実行される気体媒体の体積に対して)低減させることを目的として設定されてもよい。
有利には、ゲル及びガスの圧力は、それぞれ独立に、1~10バール、好ましくは1~7バール、より好ましくは1~5バール、更に良好には1~3バールであってもよい。例えば、圧力は、5~10バールであってもよい。
本発明による方法を実行するために使用される噴霧デバイス及びその動作パラメーターは、上記で言及された長い飛行時間を得るように適合される。
本発明によると、驚くべきことに、これまで固体表面を除染するためのみに使用されてきた無機ゲル、特に真空引き可能な吸引可能なゲルは、その顕著なレオ流動化(rheofluidifying)特性のために、極めて特殊な微小液滴の形態で噴霧可能であることが観察された。
驚くべきことに、これらの微小液滴は、これらが、一方では表面汚染操作に従来的に使用される噴霧(表面に非常に迅速に到達するジェットの形態の)時よりも長い時間にわたって雰囲気等の気体媒体中に浮遊し続けること、且つ他方では、除染される体積全体を充填できることを可能にする実質的な飛行時間を有する。
したがって、この長い飛行時間のために、ゲルの液滴は、気体媒体中の浮遊汚染種と接触可能になる。
このため、本明細書で使用される噴霧デバイス及び方法は、一般に、汚染される気体媒体の体積中に存在する汚染種のすべてがゲルの液滴によって取り込まれ、捕獲されるように十分高密度の液滴のミスト又はしぶき、霧を形成するように適合される。
したがって、本発明によるミスト又はしぶき、霧、特に高密度のミスト又はしぶき、霧の形態の無機ゲルの噴霧は、気体媒体を除染するため、特に、雰囲気の除染のための多数の顕著な利点を有し、とりわけ、
- 存在する浮遊汚染種(粒子、粉塵、アスベスト繊維、毒性分子等)がゲルの液滴によって取り込まれ、捕獲される。
- 汚染種を含有する液滴は、除染される体積の固体表面、例えば壁(「parois」)(床、壁(「murs」)及び天井等)に堆積、沈降し、且つそこに接着して、このようにして捕獲され、取り込まれた汚染種を固定する。
表面除染工程は、必要に応じて、十分な量のゲルが噴霧される場合に実行されてもよいことが留意されうる。この場合、液滴は、一般にミリメートルの厚さのゲルの層がその上に形成され、表面除染作用が発揮されるまで、除染される体積の壁(壁(「murs」)、床、天井)等の固体基材の表面に蓄積する。
- ゲルが乾燥し、汚染種を捕捉してその再浮遊を防止する非粉状固体廃棄物を生成する。
- 汚染種(浮遊していた、且つ必要に応じて固体基材の表面上及び表面下にあった)を含有する廃棄物は、例えば、ブラッシング又は真空引き、吸引によって最終的に用意に回収することができ、したがって後続の加工を要する液体廃棄物を発生しない。
浮遊汚染種は、固体粒子、液体粒子の形態、又は分子種の形態であってもよい。
汚染種は、化学、生物学的、核又は放射性汚染種であってもよい。
本発明による方法によって除去されてもよい汚染種は、特に、その形態、形状及び/又はサイズのために、放射性及び/又は化学毒性及び/又は毒性である汚染種であってもよい。
その形態、形状及び/又はサイズのために毒性である汚染種は、マイクロ粒子又はナノ粒子等の固体粒子の形態、例えば、マイクロファイバー若しくはナノファイバー等の繊維の形態、ナノチューブの形態、又はナノ結晶等の結晶の形態の汚染種でありうる。
これらの繊維は、ガラスウール又はいわゆるロックウール等のウールを形成してもよい。
毒性汚染種は、特に、粉塵の形態であってもよい。
例えば、穀類又は木材粉塵、小麦粉等の一部の化学的に非毒性の化合物の粉塵は、特に、この粉塵の形態であるという事実のみに起因して毒性である。
汚染種は、金属、半金属又はイオン形態の金属及び半金属から、好ましくは、いわゆる「重金属」並びに金属、半金属、又はイオン形態の毒性金属及び半金属;有機金属化合物、金属塩、金属酸化物、金属炭化物等のこれらの金属及び半金属の化合物;セラミックス;木材;穀物;小麦粉;並びに、例えばガラスウールの形態のガラスから選択されてもよい。
本発明によると、いわゆる「重金属」という用語は、従来的にこの用語によって指定されるすべての元素、及び金属微量元素、又はMTEという用語によって指定される元素を示す。
いわゆる「重金属」並びに毒性金属及び半金属は、特に、アンチモン、ヒ素、カドミウム、クロム、銅、鉛、水銀、ニッケル、セレン、テルル、タリウム及びスズである。
汚染種は、特に、アスベスト、特に、放射性雰囲気に見出されるアスベストであってもよい。
核、放射性汚染種は、イオン、分子又は粒子状形態であるかにかかわらず、放射性核種を含有する任意の化学化合物であってもよい。
本発明による方法によって除去、排除されてもよい核、放射性種は、例えば、特に固体沈殿物の形態の金属酸化物及び水酸化物から選択されてもよい。
有利には、コロイド溶液は、以下の成分:
- 界面活性剤、
- 活性除染剤、
- 気体汚染種、特に、毒性又は爆発性気体汚染種、例えば水素を捕捉するための捕捉剤(「ゲッター」)、
- 汚染種抽出剤、
- 汚染種固定剤、
- 着色剤
から選択される1種又は複数の成分を更に含む。
好ましくは、コロイド溶液は、
- ゲルの質量に対して1質量%~30質量%、好ましくは1質量%~25質量%、より好ましくは5質量%~25質量%、更に良好には8質量%~20質量%の、少なくとも1種の無機増粘剤、
- 必要に応じて、ゲルの質量に対して0.1質量%~2質量%の少なくとも1種の界面活性剤、
- 必要に応じて、0.1~10mol/L(ゲル)、好ましくは0.5~10mol/L(ゲル)、より好ましくは1~10mol/L(ゲル)、更に良好には3~6mol/L(ゲル)の少なくとも1種の活性除染剤、
- 必要に応じて、気体汚染種、特に、毒性又は爆発性気体汚染種、例えば水素を捕獲する、取り込む、捕捉するための、ゲルの質量に対して0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の捕捉剤(「ゲッター」)、
- 必要に応じて、ゲルの質量に対して0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の汚染種抽出剤、
- 必要に応じて、ゲルの質量に対して0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の汚染種固定剤、
- 必要に応じて、ゲルの質量に対して0.01質量%~10質量%、好ましくは0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の着色剤、
- 及び残りの溶媒
を含み、好ましくはこれらからなる。
ゲルのすべての成分、構成要素の質量パーセンテージの合計は、明確に100質量%である。
「残りの溶媒」という用語は、溶媒が常にコロイド溶液中に存在し、且つ溶媒の量が、溶媒以外のコロイド溶液のある量の成分に添加されるときに(これらの成分が上記で挙げられた、若しくは他で挙げられた必須若しくは必要に応じた成分であるか、又は挙げられていない更なる必要に応じた追加成分であるかにかかわらず)、コロイド溶液のすべての成分の総量が100質量%になるような量であることを示す。
ゲルは、必ずしも上記に挙げられた必要に応じた成分のうちの1種又は複数を含有する必要はないことが留意されるべきである。実際に、溶媒及び増粘剤のみを含むゲルは、汚染種を捕捉する、捕獲する、取り込むことによって本発明による方法を首尾よく実行することができ、且つ上記に列挙された効果及び利点を得ることを可能にする。
言い換えると、コロイド溶液は:
- ゲルの質量に対して1質量%~30質量%、好ましくは1質量%~25質量%、より好ましくは5質量%~25質量%、更に良好には8質量%~20質量%の、少なくとも1種の無機増粘剤;並びに以下の割合の、以下の成分から選択される1種又は複数の成分:
- ゲルの質量に対して0.1質量%~2質量%の少なくとも1種の界面活性剤、
- 0.1~10mol/L(ゲル)、好ましくは0.5~10mol/L(ゲル)、より好ましくは1~10mol/L(ゲル)、更に良好には3~6mol/L(ゲル)の少なくとも1種の活性除染剤、
- 気体汚染種、特に、毒性又は爆発性気体汚染種、例えば水素を捕捉するための、ゲルの質量に対して0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の捕捉剤(「ゲッター」)、
- ゲルの質量に対して0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の汚染種抽出剤、
- ゲルの質量に対して0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の汚染種固定剤、
- ゲルの質量に対して0.01質量%~10質量%、好ましくは0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の着色剤、
- 及び残りの溶媒
を含み、好ましくはこれらからなる。
言い換えると、そうでなければ好ましくは、コロイド溶液は、
- ゲルの質量に対して1質量%~30質量%、好ましくは1質量%~25質量%、より好ましくは5質量%~25質量%、更に良好には8質量%~20質量%の、少なくとも1種の無機増粘剤、
- 及び残りの溶媒
を含み、好ましくはこれらからなる。
本発明による方法に使用されるゲル中の界面活性剤の存在は、ゲルのレオロジー特性に好都合且つ顕著な効果を有する。この界面活性剤は、特に、微小液滴の形態のその噴霧、霧状化、霧化に続くゲルの粘度の回復を促進し、及びゲルが垂直な表面及び天井に堆積する際の拡散又は流れ落ちのリスクを防止する。
ゲル中の少なくとも1種の活性除染剤の存在は、浮遊汚染種、並びに必要に応じて、固体基材の表面上及び表面下の汚染種を排除、破壊、不活性化、殺滅、抽出することを可能にする。
ゲル中の少なくとも1種の汚染種抽出剤の存在は、気体媒体に存在する汚染種、及び必要に応じて表面上の汚染種の取込み、捕獲及び固定を容易にすることを可能にする。
有機樹脂等のゲル中の少なくとも1種の汚染種固定剤の存在は、最終的な乾燥固体残留物の潜在的な浸出が発生した場合に、汚染種の放出を防止することを可能にする。
ゲル中の少なくとも1種の着色剤の存在は、それが堆積する表面にかかわらず、方法の終了時に最終的な乾燥固体残留物をより良好に可視化、特定し、それによりこの残留物の回収を容易にすることを可能にする。
本発明によって使用されるゲルはコロイド溶液であり、これは、本発明によるゲルが、素粒子、一次粒子が一般に2~200nmのサイズである増粘剤の無機鉱物固体粒子を含有することを意味する。
一般に、無機増粘剤のみを使用し、有機増粘剤を含まないことに起因して、本発明によって使用されるゲルの有機物の含有量は、一般に4質量%未満、好ましくは2質量%未満であり、これは本発明によって使用されるゲルの利点である。
これらの無機鉱物固体粒子は増粘剤として作用し、溶液、例えば水溶液のゲル化を可能にする。
有利には、無機増粘剤は、アルミナ等の金属酸化物、シリカ等の半金属酸化物、金属水酸化物、半金属水酸化物、金属オキシ水酸化物、半金属オキシ水酸化物、アルミノケイ酸塩、スメクタイト等のクレイ、及びこれらの混合物から選択されてもよい。
特に、無機増粘剤は、アルミナ(Al)及びシリカ(SiO)から選択されてもよい。
無機増粘剤は、単一のシリカ若しくはアルミナのみを含んでもよく、又はそれらの混合物、すなわち、2種以上の異なるシリカの混合物(SiO/SiO混合物)、2種以上の異なるアルミナの混合物(Al/Al混合物)、又は実に、1種又は複数のシリカと1種又は複数のアルミナの混合物(SiO/Al混合物)を含んでもよい。
有利には、無機増粘剤は、熱分解法シリカ、沈降シリカ、親水性シリカ、疎水性シリカ、酸性シリカ、Rhodia社から市販のTixosil(登録商標)73シリカ等の塩基性シリカ、及びこれらの混合物から選択されてもよい。
酸性シリカの中でも、特に、CABOT(登録商標)社から市販の熱分解法又はヒュームドシリカ「Cab-O-Sil」(登録商標)M5、H5又はEH5シリカ、及びEVONIK INDUSTRIES(登録商標)社から商品名AEROSIL(登録商標)で市販の熱分解法シリカに言及することができる。
これらの熱分解法シリカの中でも、最低限の鉱物装填量で最大の増粘特性をもたらす、380m/gの比表面積を有するAEROSIL(登録商標)380シリカが好ましい。
使用されるシリカはまた、例えば、ケイ酸ナトリウム溶液と酸を混合することによる湿式法によって得られる、いわゆる沈降シリカであってもよい。好ましい沈降シリカは、EVONIK INDUSTRIES(登録商標)社から名称SIPERNAT(登録商標)22 LS及びFK 310で、そうでなければRHODIA(登録商標)社から名称TIXOSIL(登録商標)331で市販されており、後者は、平均比表面積が170~200m/gである沈降シリカである。
有利には、無機増粘剤は、沈降シリカと熱分解法シリカの混合物からなる。
アルミナは、仮焼アルミナ、粉砕仮焼アルミナ及びこれらの混合物から選択されてもよい。
有利には、無機増粘剤は、一般にゲルの総質量に対して5質量%~30質量%である、1種又は複数のアルミナからなってもよい。
この場合、アルミナは、好ましくは、20℃~50℃の温度及び20%~60%の相対湿度での、平均30分~5時間のゲルの乾燥を確実にするために、ゲルの総質量に対して8質量%~17質量%の濃度である。
有利には、アルミナは、熱分解法アルミナ、好ましくは微細粒熱分解法アルミナから選択されてもよい。
例として、熱分解法微細アルミナである、EVONIK INDUSTRIES(登録商標)社から商品名「Aeroxide Alu C」で販売される製品に言及することができる。
鉱物増粘剤の性質は、特に、1種又は複数のアルミナからなる場合、本発明によって使用されるゲルの乾燥、及び得られる残留物の粒径に予想外に影響を及ぼす。
実際に、乾燥ゲルは、制御されたサイズの粒子、より詳細にはミリメートル規模の固体薄片の形態であり、そのサイズは、特に上記で挙げられた組成のために、特に増粘剤が1種又は複数のアルミナからなる場合、一般に1~10mm、好ましくは2~5mmの範囲である。
粒径は、一般に、前記粒子の最大寸法に対応することに留意されたい。
言い換えると、例えば、シリカ又はアルミナの種類の本発明によって使用されるゲルの鉱物固体粒子は、その増粘剤の役割とは別に、薄片の形態の乾燥廃棄物を得るためのゲルの破砕を確実にするため、ゲルの乾燥中の基本的な役割も果たす。
本発明によって使用されるゲルは、活性除染剤を含有してもよい。
この活性除染剤は、汚染種の性質にかかわらず:この汚染種が化学種、生物学的種又は核種、放射性種であるかにかかわらず、この汚染種を除去するために好適な任意の活性除染剤であってもよく、言い換えると、この除染剤は、任意の「NRBC」(核、生物学的、放射能、化学)除染剤であってもよく、又はこの汚染種は、有機若しくは鉱物の液体若しくは固体である。
本発明によって使用されるゲルは、生物学的又は化学又は核、放射性活性除染剤を含有してもよい。
活性除染剤はまた、表面上、及び必要に応じて表面下、基材の深部に見出される汚染種を除去するための脱脂、剥離剤であってもよい。
一部の活性除染剤は、複数の除染機能を同時に満たすことができる。
殺生物剤とも記載される場合がある生物学的除染剤という用語は、生物学的種、特に毒性生物学的種と接触されるとき、それを不活性化又は破壊することができる任意の薬剤を示す。
生物学的種という用語は、細菌、真菌、酵母、ウイルス、毒素、胞子、特にバチルス・アントラシス(Bacillus anthracis)胞子、プリオン及び原虫等の任意の種類の微生物を示す。
本発明によって使用されるゲルによって除去、排除、破壊、不活性化される生物学的種は本質的に、例えば、バチルス・アントラシス胞子等の病原性胞子、例えば、ボツリヌス毒素又はリシン等の毒素、エルシニア・ペスティス(Yersinia pestis)菌等の細菌、及びワクシニアウイルス又は出血熱ウイルス、例えばエポラ種のもの等のウイルス等の生体毒性種である。
化学除染剤という用語は、化学種、特に毒性化学種と接触されるとき、それを破壊又は不活性化することができる任意の薬剤を示す。
本発明による方法で使用されるゲルによって除去、排除される化学種は、特に、毒素、特に神経毒ガス又は糜爛ガス等の毒性化学種である。
これらの毒性ガスは、特に有機リン化合物であり、これらの中でもサリン又はGB剤、VX剤、タブン又はGA剤、ソマン、シクロサリン、ジイソプロピルフルオロホスホネート(DFP)、アミトン又はVG剤、パラチオンに言及することができる。更なる毒性ガスは、マスタードガス又はH剤若しくはHD剤、ルイサイト又はL剤、T剤である。
活性除染剤、例えば活性生物学的又は化学除染剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びこれらの混合物等の塩基;硝酸、リン酸、塩酸、硫酸、シュウ酸水素ナトリウム等のシュウ酸水素、及びこれらの混合物等の酸;過酸化物、過マンガン酸塩、過硫酸塩、オゾン、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩類、セリウムIV塩及びこれらの混合物等の酸化剤;ヘキサデシルピリジニウム(セチルピリジニウム)クロリド等のヘキサデシルピリジニウム(セチルピリジニウム)塩等の第四級アンモニウム塩;還元剤;並びにこれらの混合物から選択されてもよい。
例えば、活性除染剤は、ゲルに生物学的及び/又は化学除染、除濁特性を与える漂白剤(bleach)(「漂白剤(Eau de Javel)」)等の消毒剤であってもよい。
一部の活性除染剤は、上記で定義されるカテゴリーの複数内で分類されてもよい。
したがって、硝酸は酸であるが、酸化剤でもある。
殺生物剤等の活性除染剤は、ゲルの乾燥時間と適合する、生物学的、特に生体毒性種の除染潜在能力、力、例えば、阻害潜在能力を保証するために、且つ例えば、20℃~50℃の温度及び20%~60%の相対湿度での、平均30分~5時間のゲルの乾燥を確実にするために、一般に、0.1~10mol/L(ゲル)、好ましくは0.5~10mol/L(ゲル)、より好ましくは1~10mol/L、更に良好には3~6mol/L(ゲル)の濃度で使用される。
乾燥時間に対して最も不都合な温度及び湿度条件下を含めて完全な効力を達成するために、ゲルの配合は、様々な活性剤濃度を許容する。実際に、除染剤、より詳細には酸性又は塩基性除染剤の濃度を増加させると、ゲルの乾燥時間が延長され、したがって方法の効力が相当に増大することが留意されうる。
活性除染剤は、酸又は酸の混合物であってもよい。これらの酸は、一般に、塩酸、硝酸、硫酸及びリン酸等の鉱酸から選択される。
除染剤、特に、特に好まれる生物学的除染剤は硝酸である。
実際に、全く驚くべきことに、硝酸は、生物学的種、特に生体毒性種を破壊、不活性化したことが見出された。
特に、驚くべきことに、硝酸は、特に耐性種であるバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)胞子等の胞子を破壊、不活性化したことが実証された。
1種又は複数の酸は、一般に、20℃~50℃の温度及び20%~60%の相対湿度での、平均30分~5時間のゲルの乾燥を確実にするために、好ましくは0.5~10mol/L、より好ましくは1~10mol/L、更に良好には3~6mol/Lの濃度で存在する。
この種類の酸性ゲルでは、無機増粘剤は、好ましくは、シリカ又はシリカの混合物である。
そうでなければ、活性除染剤、例えば、生物学的活性除染剤は、塩基、好ましくは、好ましくはソーダ、カリ及びこれらの混合物から選択される鉱物塩基であってもよい。
そのような塩基性ゲル配合物の場合、本発明によるゲルは、除染作用の他に、基材の表面上の汚染種を除去、排除することも可能にする脱脂作用を有する。
既に上記で言及されたように、ゲルの乾燥時間に対して最も不都合な気候条件下を含めて完全な効力を達成するために、本発明によるゲルは、塩基性除染剤の広範な濃度範囲を有してもよい。
実際に、一般的に殺生物剤として作用するNaOH又はKOH等の塩基性除染剤の濃度を増加させると、バチルス・チューリンゲンシス胞子について実証されるように、生物学的種の阻害率を相当に増加させることができる。
塩基は、有利には、20℃~50℃の温度及び20%~60%の相対湿度での、平均30分~5時間のゲルの乾燥を確実にするために、10mol/L未満、好ましくは0.5~7mol/L、より好ましくは1~5mol/L、更に良好には3~6mol/Lの濃度で存在する。
この種類のアルカリ性、塩基性ゲルでは、無機増粘剤は、好ましくはアルミナ又はアルミナの混合物である。
除染剤は、特に、生物学的除染剤である場合、好ましくは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。
例えば、胞子阻害動力学及び温度によるゲルの乾燥時間を考慮すると、活性除染剤は、特に殺生物剤である場合、好ましくは1~5mol/Lの濃度の水酸化ナトリウムである。
ゲルはまた、必要に応じて、好ましくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー等のブロック、配列コポリマー、及びエトキシ化脂肪酸;及びこれらの混合物等の非イオン性界面活性剤のファミリーから選択される界面活性剤又は界面活性剤の混合物を含有してもよい。
この種類のゲルでは、界面活性剤は、好ましくはBASF(登録商標)社から商品名PLURONIC(登録商標)で市販されるブロックコポリマーである。
Pluronics(登録商標)は、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの配列コポリマーである。
これらの界面活性剤は、ゲルのレオロジー特性、特に製品のチキソトロピー性及び回復時間に影響を及ぼし、流れ落ちの発生を防止する。
更に、界面活性剤は、乾燥廃棄物の接着を制御し、廃棄物が確実に非粉状であるように乾燥残留物の薄片のサイズを制御することを可能にする。
有利には、捕捉剤(ゲッター)は、活性表面部位を含有する、比表面積が非常に大きい固体、例えば、多孔質炭素、例えば活性炭素; ケージ材料粒子、例えば、ゼオライト及びMOF粒子;並びに捕捉される汚染種、より詳細には水素と反応することができる鉱物酸化物粒子、例えば、酸化マンガン(MnO、Mn、Mn)及び貴金属酸化物、例えばAgO又はRuOから選択される。
有利には、汚染種固定剤は、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の有機樹脂から選択される。
有利には、汚染種抽出剤は、ゼオライト、クレイ、アパタイト等のリン酸塩、チタン酸ナトリウム等のチタン酸塩、並びにフェロシアン化物及びフェリシアン化物等の無機吸着剤から選択される。
このゼオライト又はクレイ等の必要に応じた抽出剤は、汚染種が放射性核種である場合に使用されてもよいが、この必要に応じた抽出剤はまた、例えば、有害金属又は重金属等の金属等の、放射性核種以外の汚染種の場合にも使用することができる。
有利には、着色剤は、色素、好ましくは有機色素及び顔料、好ましくは鉱物色素から選択される。
有利には、顔料は鉱物顔料である。これに関して、文献国際公開第2014/154817号[7]が参照されてもよい。
本発明によって使用されるゲルに組み込まれる鉱物顔料に関して制限はない。
一般に、鉱物顔料は、ゲル中で安定な鉱物顔料から選択される。
安定な顔料という用語は、一般に、ゲルを最低6ヶ月の期間保管したとき、顔料が経時的にその色の安定な変化を示さないことを示す。
一般に、ゲルに付与される色であるこの顔料の色に関して限定はない。この顔料は、黒、赤、青、緑、黄、橙、紫、褐色等、且つ更には白色であってもよい。
したがって、ゲルは一般に、その中に含有される顔料の色と同一の色である。しかし、ゲルがその中に含有される顔料の色と異なる色であることも可能であるが、これは追求されない。
顔料は、特に白色であるとき、一般に無機増粘剤とは異なる。
有利には、鉱物顔料は、乾燥後のゲルに、ゲルが堆積する表面の色と異なる色を与えるように選択される。
有利には、鉱物顔料は微細化顔料であり、鉱物顔料の平均粒径は、0.05~5μm、好ましくは0.1~1μmであってもよい。
顔料が微細化されるという事実は、顔料が、一般的にアルミナ凝集物等の無機増粘剤のものと同じマイクロメートル規模のサイズである場合のように、顔料がゲルのレオロジー及び噴霧能力(噴霧可能性)を改変するのを防止するのに有用である。
有利には、鉱物顔料は、金属及び/又は半金属酸化物、金属及び/又は半金属水酸化物、金属及び/又は半金属オキシ水酸化物、金属フェロシアン化物及びフェリシアン化物、金属アルミン酸塩並びにこれらの混合物から選択される。
好ましくは、鉱物顔料は、好ましくは微細化された酸化鉄、及びその混合物から選択される。
酸化鉄は様々な色である場合があり、例えば、黄、赤、紫、橙、褐色又は黒である場合がある。
実際に、酸化鉄顔料は、良好な被覆力を有し、酸及び塩基に対する耐性が高いことが認識されている。
除染ゲルへの組込みに関して、酸化鉄は、安定性及び着色力の点で最良の性能を有する。したがって、その特性を改変することなくゲルを強力に着色するために、0.1質量%、又は更には0.01質量%の酸化鉄の含有量が十分である。
既に上記で言及されたように、酸化鉄顔料が好ましくは微細化されるという事実は、顔料がマイクロメートル規模のサイズ、すなわち、一般的にアルミナ凝集物等の無機増粘剤のものであるサイズである場合のように、顔料がゲルのレオロジー及び噴霧能力(噴霧可能性)を改変するのを防止するのに有用である。
微細化酸化鉄は、Rockwood(登録商標)社から商品名Ferroxide(登録商標)で入手可能である。
とりわけ、平均粒径が0.1μmの微細化赤色酸化鉄であるFerroxide(登録商標)212M、及び平均粒径が0.5μmの微細化赤色酸化鉄であるFerroxide(登録商標)228Mに言及することができる。
酸化鉄に加え、且つ/又はその代わりに、ゲルのpHに応じて、他の着色金属又は半金属酸化物又は水酸化物が本発明によるゲルに組み込まれてもよく、特に、橙色の酸化バナジウム(V)、黒色の酸化マンガン(MnO)、青又は緑色の酸化コバルト、及び希土類酸化物に言及することができる。しかし、上記で明記された理由から、酸化鉄が好ましい。
オキシ水酸化物の中でも、高度に着色される、針鉄鉱、すなわちオキシ水酸化鉄FeOOHに言及することができる。
金属フェロシアン化物の例として、プルシアンブルー、すなわちフェロシアン化第二鉄に言及することができ、アルミン酸塩の例として、コバルトブルー、すなわちアルミン酸コバルトに言及することができる。
本発明によって使用されるゲルの溶媒は、一般に、水、有機溶媒及びこれらの混合物から選択される。
好ましい溶媒は水であり、したがってこの場合、溶媒は水からなり、100%水を含む。
固体基材、例えば、密閉体積の壁の表面が、前記表面上及び必要に応じて前記表面下、基材の深部に位置する、表面汚染種と称される少なくとも1種の汚染種によって汚染される場合、ゲルは、上記で記載された除染剤を含有し、且つ工程d)の間、ゲルは、少なくともゲルが表面汚染種を破壊及び/又は不活性化及び/又は吸収し、且つゲルが乾燥して、前記表面汚染種、及びゲルによって取り込まれ、捕獲された浮遊汚染種を含有する乾燥固体残留物を形成するのに十分な時間、表面に保持される。
この実施形態では、本発明による方法は、第1の段階で気体媒体の除染、例えば雰囲気の除染を実行し、次に第2の段階で、固体基材の表面の除染を実行するのを可能にする。
表面汚染種は、固体の塊状若しくは粒子状形態であってもよく、基材材料の表面層に含有されてもよく、例えば、基材の表面上の脂の膜である膜の形態であってもよく、若しくは膜に含有されてもよく、例えば、基材の表面上の塗料層である層の形態であってもよく、若しくは層に含有されてもよく、又は単純に基材の表面に堆積してもよい。
汚染の性質に応じて、ゲルの作用様式は異なる:汚染を含有する支持材の腐食、汚染膜、例えば脂、又は塗膜、例えば塗料の可溶化、そうでなければ、病原性種(炭疽菌)の場合は、化学若しくは生物学的汚染物質のその場での不活性化。
既に上記で言及されたように、塩基性ゲル配合物(除染剤が塩基である)の場合、本発明によるゲルは、除染作用の他に脱脂作用を有する。
除染剤が酸又は塩基であるとき、ゲルは、ゲルが堆積するこの表面を数ミクロンにわたって腐食させることによって基材の表面の除染を実行してもよい。
放射性種の場合、汚染の破壊又は不活性化の問題ではなく、放射性の堆積物の溶解、又は汚染を有する支持材の腐食による単なる汚染の除去、排除の問題であることが留意されるべきである。したがって、実際には、核汚染の乾燥ゲル薄片への移動が生じる。
非多孔質表面の場合、汚染、例えば「不活性化された」生物学的汚染は、乾燥ゲルの薄片によって回収されることが留意されるべきである。
それに対し、セメントマトリックス等の多孔質材料の場合のような深部の汚染の場合、乾燥ゲルは、表面の汚染残留物しか含有しない。
しかし、本発明による方法の効力は、非多孔質及び/又は非鉱物表面の存在下でも同等に良好である。
有利には、固体基材は、ステンレス鋼、塗装鋼、アルミニウム及び鉛等の金属及び金属合金;ポリ塩化ビニル又はPVC、ポリプロピレン又はPP、ポリエチレン又はPE、特に高密度ポリエチレン又はHDPE、ポリメチルメタクリレート又はPMMA、ポリフッ化ビニリデン又はPVDF、ポリカーボネート又はPC等のプラスチック又はゴム等のポリマー;ガラス;セメント及びセメント材料;モルタル及びコンクリート;しっくい;レンガ;天然又は人工石;セラミックスから選択される少なくとも1種の固体材料から作製される。
表面汚染種は、浮遊汚染種に関して既に上記で列挙された化学、生物学的、核又は放射性種、特に、既に上記で列挙された毒性生物学的種から選択されてもよい。
有利には、これにより、除染される表面のゲルの堆積量が、基材の表面上、及び必要に応じて表面下の前記除染を実行するのに十分であることが保証される。
有利には、ゲルの堆積量は、表面1mあたりゲル100g~2000g、好ましくは表面1mあたりゲル500~1500g、より好ましくは表面1mあたりゲル600~1000gであってもよく、これは、一般に0.5mm~2mmの表面のゲルの堆積厚さに相当する。
有利には、工程d)の間、乾燥は、1℃~50℃、好ましくは15℃~25℃の温度、及び20%~80%、好ましくは20%~70%の相対湿度で実行される。
有利には、ゲルは、2~72時間、好ましくは2~48時間、より好ましくは3~24時間の時間にわたって表面に保持される。
有利には、乾燥固体残留物は、粒子、例えば、1~10mm、好ましくは2~5mmのサイズの薄片の形態である。
有利には、乾燥固体残留物は、ブラッシング及び/又は真空引き、吸引によって固体表面から除去される。
表面の除染が実行されるとき、本発明による方法は、方法に使用される除染ゲルに固有の公知の有利な特性、例えば、
- 壁への接着性、
- ゲルの乾燥段階の終了時に最大の除染効力が得られる、
一般に、乾燥時間は、不活性化に要求される時間以上であることが保証される。
- 非常に広範な材料の処理、
- 処理後の材料の機械的又は物理的変更の省略、
- 種々の気候条件下での方法の使用、
- 廃棄物容量の低減、
- 乾燥廃棄物の回収の容易さ
をすべて有する。
本発明の更なる特色及び利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことでより明確になり、この説明は例示としてなされるものであり、限定ではない。
ゲルの微小液滴を噴霧するための、本発明による方法に使用されるデバイスの縦断面概略図である。 実施例1で調製される「Gel-1」と称されるゲルのせん断速度(1/S)の関数としての粘度(Pa.s単位)の変動(実施例2を参照されたい)を示すグラフである。 実施例1で調製される「Gel-1」と称されるゲルの時間(秒単位)の関数としての粘度(Pa.s単位)の変動(実施例2を参照されたい)を示すグラフである。 実施例1で調製される「Gel-1」と称されるゲルの変形(Pa単位)の関数としてのせん断応力(Pa単位)の変動(実施例2を参照されたい)を示すグラフである。 走査電子顕微鏡(SEM)で撮影された、実施例1で調製される「Gel-1」と称されるゲルの噴霧及び乾燥後に得られる、乾燥したゲルの液滴の写真である。ノズルから噴霧される液滴は、ミストが噴霧された体積の角に堆積する接着性の炭素のパッチ上で回収される(実施例3を参照されたい)。 実施例1で調製される「Gel-1」と称されるゲルのミストによる、4.5mの密閉体積の充填(実施例4を参照されたい)を示す写真である。
本発明による方法に使用されるゲルは、室温で容易に調製できる。
例えば、本発明によるゲルは、好ましくは、無機増粘剤、例えばアルミナ及び/又はシリカを、水、好ましくは脱イオン水等の溶媒に、又は溶媒と、既に上記に列挙された成分、すなわち、界面活性剤;活性除染剤;捕捉剤(「ゲッター」);汚染物質固定剤;着色剤から選択される1種又は複数の成分との混合物に徐々に添加することによって調製できる。
この混合物は、機械的撹拌、例えば、3枚羽根インペラーを備えた機械的撹拌機を用いて生成できる。回転速度は、例えば200rpmであり、撹拌時間は、例えば3~5分間である。
無機増粘剤の溶媒又は溶媒と上記に挙げられた成分との混合物への添加は、増粘剤を前記混合物に単純に注ぐことによって実行できる。無機増粘剤を添加するとき、溶媒を含有する混合物、この又はこれらの無機増粘剤、及び必要に応じた上記に挙げられた成分は、一般に機械的撹拌下に保持される。
この撹拌は、例えば、3枚羽根インペラーを備えた機械的撹拌機を用いて実行できる。
撹拌速度は、一般に、溶液の粘度が増加するとともに徐々に増加し、最終的には、飛散が生じることなくすべての無機増粘剤が添加されるときである、例えば400~600rpmの撹拌速度に達する。
無機(鉱物)増粘剤の添加の終了後、完全に均質なゲルを得るために、撹拌は、例えば2~5分間維持される。
次に、調製されたゲルは、使用前に少なくとも1時間静置される。
本発明による方法に使用されるゲルを調製するための更なるプロトコールは、上記で言及されたものとは異なる順序でのゲルの成分の添加に使用できることは明白である。
一般に、本発明によるゲルは、上記で定義された微小液滴の形態で噴霧、霧状化、霧化されうるように、1000s-1のせん断で200mPa.s未満の粘度を有さなければならない。
粘度回復時間は一般に1秒以下でなければならず、低せん断粘度は、壁に流れないように10Pa.sより大きくなければならない。
上記で記載されたように調製されるゲルは、次に、微小液滴の形態で気体媒体中に噴霧、霧状化される。
これらの微小液滴は、一般に、除染される気体媒体の全体積を充填するミスト又はしぶき、霧を形成する。
したがって、気体媒体が、床、天井及び壁(「murs」)等の壁(「parois」)によって画定される密閉体積内に位置する場合では、液滴ミストは全密閉体積を充填する。
このミスト又はこのしぶき、霧は、一般に、気体媒体の体積中の浮遊汚染種のすべてがゲルの液滴によって取り込まれ、捕獲されるのに十分に高密度である。
ゲルは、しぶき、霧又はミスト、好ましくは除染される気体媒体の体積中の浮遊汚染種のすべてを取り込む、捕獲するのに十分に高密度のしぶき、霧又はミストを形成する微小液滴の形態のゲルを噴霧するために好適な任意のデバイスによって噴霧されてもよい。
更に、既に上記で説明されたように、本発明による方法を実行するのに使用される噴霧デバイス及びその動作パラメーターは、上記で言及された長い飛行時間を得るように適合される。
図1は、そのような噴霧デバイスの例である。
このデバイスは、ゲル(2)を含有するタンク又はケーシング(1)、流体圧P流体(すなわち、タンク又はケーシング(1)に印加される圧力)を設定するための流体調節器(3)及び空気圧P空気を設定するための空気調節器(4)、スプレーノズル(6)を備えたスプレーガン(5)、及びアクチュエーター(7)を含む。このデバイスは、パイプ(9)を介して運搬される圧縮空気(例えば、5~10バールの圧力)(8)のみによって動作し、電力供給又は他の動力源は要求されない。ケーシング又はタンク(1)は最初に、ゲル(2)によって全体が充填される。次に、ケーシング又はタンク(1)は、流体調節器(3)を使用して加圧され(1~7バール)、ゲルがパイプ(10)を介してスプレーガン(5)及びスプレーノズル(6)に到達することが可能になる。
ゲルのミスト(11)は、スプレーノズル(6)に、例えば1~10バール、好ましくは1~7バール、より好ましくは1~5バール、更に良好には1~3バールの圧力の流体圧、及び例えば1~10バール、好ましくは1~7バール、より好ましくは1~5バール、更に良好には1~3バールの圧力の空気圧を印加することによって創出される。
ミスト、しぶき、霧を形成するゲルの液滴又は霧状化されたゲルは、浮遊汚染種を含有する所定の体積の気体媒体中に噴霧される。
汚染種は、固体又は液体エアロゾルの形態、すなわち、気体媒体中の一連の浮遊固体又は液体微小粒子の形態であってもよいと言うことができる。
言い換えると、汚染種は、気体媒体中の粒子状浮遊物(ナノ粒子、粉塵、繊維、例えばアスベスト繊維の)の形態であってもよい。
汚染種はまた、気体媒体内の分子種、例えば化学又は生物学的分子種の浮遊物の形態であってもよい。
気体媒体の体積は、固体基材の少なくとも1つの表面と接触し、この表面は、例えば床の表面でありうる。
体積は、開口体積、例えば、床の表面等の単一の表面のみによって区切られた外部体積でありうる。
そうでなければ、体積は、床、天井及び壁(「murs」)等の壁(「parois」)によって画定された密閉体積であってもよい。この場合、液滴のミストは密閉体積全体を充填し、且つ捕獲された浮遊汚染種を含有する無機ゲルの液滴は、これらの壁の少なくとも1つ、好ましくはすべての壁に堆積、沈降する。
アルミニウム等の軽金属の合金を可能な限り別にして、塩基性又は酸性ゲルが使用される場合、基材の表面を構成する材料に関して限定はない。実際に、本発明によって使用されるゲルは、損傷を生じることなく、脆弱性でさえあるあらゆる種類の材料を処理することを可能にする。
したがって、この固体基材材料は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム及び鉛等の金属及び合金;PVC、PP、PE、特にHDPE、PMMA、PVDF、PCに言及することができるプラスチック又はゴム等のポリマー;ガラス;セメント及びセメント材料;モルタル及びコンクリート;しっくい;レンガ;天然又は人工石;セラミックスから選択されてもよい。
いずれの場合にせよ、材料にかかわらず、本発明によって表面の除染が実行される場合、ゲルによる除染の効力は完全である。
基材の表面は、塗装されてもよく、又は塗装されなくてもよい。
本発明によって表面の除染が実行される場合、本発明によって使用されるゲルによる処理の効力は、概して完全である。
更に、除染される表面であってもよい基材の表面の形状、幾何学的配置及びサイズに関して限定はなく、本発明による方法は、大きなサイズ、複雑な形状の、例えば、中空、角、端、くぼみを有する表面の処理を可能にする。
本発明による方法は、本発明によって表面の除染が実行される場合、床等の水平表面だけでなく、壁(「murs」)等の垂直表面、又は天井等の傾斜若しくは張出表面の有効な処理を確実にする。
既存の除染方法、例えば、溶液等の液体を使用する生物学的除染方法と比べ、ゲルを使用する本発明による除染方法は、本発明によって表面の除染が実行される場合、持ち運び可能でない又は外部に載置された、表面積が大きな材料の処理に特に有利である。実際に、本発明による方法は、ゲルを使用することにより、化学溶液の環境への散乱及び汚染種の分散を防止することによって、その場での除染を可能にする。
本発明によって使用されるゲルの十分に短い粘度回復時間は、噴霧されるゲルが、すべての表面、例えば壁に接着することを可能にする。
表面のゲルの堆積量は、一般に100~2000g/m、好ましくは500~1500g/m、より好ましくは600~1000g/mである。
単位表面積あたりのゲルの堆積量、及び結果的に、ゲルの堆積厚さは、乾燥速度に影響を及ぼす。
したがって、処理される表面に0.5mm~2mmの厚さのゲルの膜、層が堆積する場合、ゲルと材料との間の有効な接触時間は、ゲルに含有される活性物質が、可能性のある表面汚染と相互作用する期間である、その乾燥時間と同等である。
更に、驚くべきことに、ゲルの堆積量は、上記で言及された範囲内にあるとき、特に、ゲルの最低堆積厚さ、例えば、500g/m以上のゲルの堆積量では500μm以上に相当する500g/m以上、特に、500~1500g/mの範囲内であるとき、ゲルの乾燥後に、例えば1~10mm、好ましくは2~5mmのサイズの、ミリメートル規模の真空引き可能な、吸引可能な薄片の形態のゲルの破砕を達成可能にしたことが実証された。
500μmのゲルの堆積厚さは、ゲルの液滴が十分な長さの時間にわたって、又は十分な量で噴霧される場合に容易に実現可能である。
ゲルの堆積量、及びしたがってゲルの堆積厚さ、好ましくは500g/m、すなわち500μm以上は、ゲルの乾燥後に形成される乾燥残留物のサイズに影響を及ぼす基本的パラメーターであり、このため、ミリメートル規模のサイズの、且つ粉状残留物ではない乾燥残留物が形成されることが保証され、そのような残留物は、機械的方法、好ましくは真空引きによって容易に除去される。
しかし、一般にゲルの総質量の0.1%~2%の、低濃度の必要に応じた界面活性剤のために、ゲルの乾燥は向上され、乾燥残留物のサイズの単分散、及び乾燥残留物の支持体から脱着される能力の増大による均質な破砕現象がもたらされることも留意されるべきである。
ゲルはその後、その乾燥に必要とされる時間全体にわたり処理される表面に保持される。この乾燥工程の間、ゲルに含有される溶媒、すなわち、一般にゲルに含有される水は、乾燥固体残留物が得られるまで、蒸発させられる。
乾燥時間は、上記で与えられたその構成要素の濃度範囲内のゲルの組成だけでなく、既に明記されたように、単位表面積あたりのゲルの堆積量、すなわち、ゲルの堆積厚さにも依存する。
乾燥時間はまた、気候条件、すなわち、固体表面が位置する雰囲気の温度及び相対湿度に依存する。
本発明による方法は、極めて広範な気候条件、すなわち、1℃~50℃の温度T及び20%~80%の相対湿度RHで使用可能である。
したがって、本発明によるゲルの乾燥時間は、一般に、1℃~50℃の温度T及び20%~80%の相対湿度RHで1時間~24時間である。
本発明によって使用されるゲルの配合物は、特に、「Pluronics(登録商標)」等の界面活性剤の場合、一般に、基材材料を汚濁する、生じうる表面汚染種を不活性化する及び/又は吸収する、且つ/又は基材材料の表面腐食反応を十分に達成するために必要であり、要求される接触時間(殺生物剤等の除染剤と、生じうる表面汚染種、例えば、生物学的種、特に除去、排除される生体毒性種との間の)と実質的に同等の乾燥時間を確保することが留意されるべきである。
言い換えると、ゲルの配合物は、汚染、例えば、表面の生物学的汚染の阻害動力学と適合する、表面汚染種、例えば生物学的種の不活性化時間に他ならない乾燥時間を確保する。
そうでなければ、ゲルの配合物は、材料の汚染された表面層を必要に応じて除去することを可能にする腐食反応に要求される時間に他ならない乾燥時間を確保する。
放射性表面汚染種の場合、汚染は、放射性の堆積物を溶解することにより、又は汚染を有する支持材を腐食することにより除去、排除される。したがって、実際には、核汚染の乾燥ゲル薄片への移動が生じる。
一般に50m/g~300m/g、好ましくは100m/gである、一般に使用される鉱物装填物の比表面積及び本発明によるゲルの吸収能は、表面の汚染の捕捉を可能にする。
適用可能な場合、汚染種、例えば生物学的汚染種は、ゲル化の段階で不活性化される。ゲルの乾燥後、汚染、例えば不活性化された生物学的汚染は、以下に記載される乾燥ゲル残留物の回収の際に除去される。
ゲルの乾燥の終了時、ゲルは均質に破砕され、例えば1~10mmのサイズの、好ましくは2~5mmの非粉状形態の、一般に固体薄片の形態であるミリメートル規模の固体乾燥残留物をもたらす。乾燥残留物は、浮遊汚染種及び不活性化された表面汚染種を含有してもよい。
乾燥の終了時に得られる薄片等の乾燥残留物は、基材材料の表面(2)に対する接着性が乏しい。このため、ゲルの乾燥後に得られる乾燥残留物は、単なるブラッシング及び/又は真空引きによって容易に回収されうる。しかし、乾燥残留物は、ガスジェット、例えば圧縮空気ジェットによって除去することもできる。
したがって、液体によるすすぎは一般に必要とされず、本発明による方法は、二次排出物を発生しない。
しかし、好ましくはないが、所望の場合、液体ジェットを用いて乾燥残留物を除去することができる。
したがって、本発明による方法は、第1に、溶液を用いたスクラビングによる除染方法と比べて化学試薬を大幅に節約する。次に、直接真空引き可能な乾燥残留物の形態の廃棄物が得られるため、一部分から微量の化学剤を除去するのに一般的に必要とされる、水又は液体によるすすぎ操作が一般に回避される。これにより、明らかに、生成される排出物の量が減少するだけでなく、廃棄物処理プロセス及び排出に関して実質的な簡素化がもたらされる。
本発明による方法の終了時に、固体廃棄物は、そのまま包装されるのに好適な、直接梱包可能な薄片の形態で回収され、これにより、既に上記で記述されたように、生成される排出物の量が大幅に減少するだけでなく、廃棄物処理プロセス及び排出に関して実質的な簡素化がもたらされる。
更に、核の分野では、廃棄物を包装する前に薄片を再加工する必要がないことは顕著な利点である;これにより、液体排出物処理プラント(「LETP」)操作の制約に起因して、これまで除染液では規制されてきた高性能の活性薬剤の使用が可能になる。
したがって、ゲルは、セリウムIIIの電解によって容易に再生されうるセリウムIV等の、強力な酸化剤を含有してもよい。
例として、処理される表面積1mあたり1000グラムのゲルが堆積するこの場合では、生成される乾燥廃棄物の質量は、1mあたり200グラム未満である。
ここで、本発明を、限定ではなく例示として与えられる以下の実施例を参照して説明する。
(実施例1)
この実施例では、特に実施例2、3及び4で使用される、本発明による方法で使用されるゲルの配合を説明する。
「Gel-1」と称されるこのゲルは、成分が以下の通りである:
- 20質量%のアルミナ、
- 80質量%の脱イオン水。
アルミナは、比表面積が100m/g(BET)の熱分解法アルミナである、EVONIK INDUSTRIES(登録商標)社から市販のAeroxide(登録商標)Alu Cアルミナである。
このゲルは、以下のプロトコールに従って調製される。
最初に、脱イオン水を好適な容器内で秤量する。
次に、20質量%の割合のアルミナを、3枚羽根インペラーを備えた機械的撹拌機を使用して、200rpmの速度で3~5分間撹拌しながら脱イオン水に徐々に添加する。
アルミナが添加されるにつれ、撹拌される媒体の粘度が増加する。
したがって、撹拌機の回転速度もまた、撹拌される媒体の粘度が増加するにつれ徐々に増加し、飛散が生じないように確認しながらすべてのアルミナが添加されたとき約400~600rpmに達する。
こうして調製される「Gel-1」と称されるゲルは、最終的に、5分間撹拌しながら保持され、その使用前に少なくとも1時間静置される。
(実施例2)
この実施例では、「Gel-1」と称されるゲルが、本発明による方法でのその使用に必要とされるレオロジー特性を有することが示される。
このため、実施例1で調製される「Gel-1」と称されるゲルのレオロジー試験を実行し、この方法が以下に適合されることを示す:
- 微小液滴の形態での噴霧による使用、
- 取り込まれ、捕獲された粒子の、除染される部屋の壁(床、天井及び壁)への固定。
ゲルが噴霧方法に使用可能であるためには、ゲルは、レオ流動化流体、チキソトロピー性流体の特性を有さなければならない。
ゲルが、捕獲され、取り込まれた粒子を壁に固定可能にするために、ゲルは、非常に短い粘度回復時間(1秒未満)及び閾値応力(典型的には10~15Pa超)を有さなければならない。
「ベーン」幾何学的配置のTA Instruments(登録商標)社のDHR1レオメーターを使用して種々のレオロジー測定を行い、この実施例で提示する。
最初に、せん断速度の関数としてのゲルの粘度を測定した。
20s-1のせん断速度で1分間の事前せん断後、1分間静置し(せん断なし)、合計300秒間の時間にわたって0.01s-1~1000s-1の範囲で上昇する連続せん断速度勾配を適用する。ディケードあたり10点の粘度測定を実行する。
図2は、せん断速度0.01~1000s-1でのせん断速度(s-1)の関数としての、「Gel-1」と称されるゲルの粘度(Pa.s)の変動を示す。レオ流動化流体の挙動の特徴である、せん断速度に伴う粘度の線形の降下(対数目盛)が観察される。
したがって、「Gel-1」と称されるゲルは、低せん断速度、すなわち静止状態で高い粘度、及び強力にせん断されたとき非常に低い粘度を有し、噴霧が可能である。
次いで、ゲルを1000s-1で30秒間強力にせん断し、0.01s-1のせん断速度を同じく30秒間直接適用する。図3は、時間の関数としてのゲルの粘度の変動を示す。ゲルが、高せん断後に非常に迅速にその粘度を回復することが観察され、粘度回復時間は1秒のオーダーである。これは、噴霧された液滴が、ノズル出口でほぼ瞬時にその粘度を回復することを意味する。
最後に、「Gel-1」と称されるゲルに低せん断速度(0.01s-1)を一定に適用し、静止状態から変形させ、その流量閾値を決定する。
図4は、「Gel-1」と称されるゲルの変形の関数としてのせん断応力値を示す。まず、応力は、変形の関数として有意に増加し、材料は固体状態にある(弾性変形)。次に、挙動の変化を観察すると、応力は流量閾値に到達し、材料は液体状態に変化する(定常流)。閾値応力は、「Gel-1」の流量閾値の応力、すなわち30Paに相当する。そのような閾値応力値は、「Gel-1」が壁、特に垂直な壁に接着し、その後この壁に数ミリメートルの厚さ、例えば0~少なくとも2mmの厚さで留まることを可能にする。
したがって、これにより、雰囲気内で予め取り込まれた汚染物質の固定が可能になる。
結論として、この実施例は、「Gel-1」が実際に、浮遊汚染物質によって汚染された雰囲気を除染し、次いで取り込まれ、捕獲された汚染物質を除染される部屋の壁(床、天井及び壁)に固定するための、微小液滴の形態でのその噴霧に必要とされるレオロジー特性をすべて有することを示す。
(実施例3)
この実施例では、微小液滴の形態の、実施例1に記載される「Gel-1」と称されるゲルの噴霧を説明する、言い換えると、「Gel-1」と称されるゲルの微小液滴からなるミストの創出を説明する。
この実施例で使用されるデバイスである研究室噴霧システムは、図1に示され、且つ既に上記で記載されたものと同様である。
このデバイスは、技術的な新規性を有さないが、通常とは異なって使用される独特な研究室機器である。
既に上記で記載されたように、微小液滴からなるゲルのミストは、システムのスプレーノズルの位置に流体圧及び空気圧を印加することによって創出される。
画定された体積、すなわちドラフトチャンバー下で噴霧を実行する。
噴霧されると、ノズルからの液滴は、ミストが噴霧された体積の角に堆積した、接着性の炭素のパッチ上で回収される。
これにより、乾燥後、発生した液滴の単一サイズが観察可能になる。
図5は、このようにして発生した乾燥液滴のSEM顕微鏡画像である。
図5では、その直径によって規定されるサイズが40μmのオーダーである乾燥液滴が得られることが観察される。
印加された圧力値は、液滴のサイズに非常にわずかにしか影響を及ぼさないように思われることが留意されるべきである。
(実施例4)
本発明による方法を例示するこの実施例では、大きな密閉体積、すなわち4.5mの密閉体積が、実施例1で調製される「Gel-1」と称されるゲルのミストによって充填され、次いでこの体積を画定する壁上で、このゲルによって非粉状の固体廃棄物が形成される。この固体廃棄物は、真空引き(廃棄物は真空引き可能、吸引可能である)によって回収することができる。
ミストを創出するためにこの実施例で使用される噴霧システムは、実施例3で使用されたものと同じであり、図1に示され、且つ既に上記で記載されたシステムと同様である。
次いで、4.5mの平行六面体のボックスの壁の内部に画定された密閉体積内でゲルのミストを形成することが可能であった(図6を参照されたい)。
こうして、水滴から構成されるミストと同じようにして、このようにして発生したゲルのミストは、第1の段階で大きな体積中の浮遊汚染物質のエアロゾルを取り込み、次いで引き下げる。
第2の段階で、汚染物質のエアロゾルを捕捉する液滴は、実施例2に記載されたゲルのレオロジー特性のために密閉体積の壁に堆積し、凝集する。このようにして、噴霧時間及び速度に応じて、密閉体積の壁にほぼ実質的なゲルの層が形成される。次いで、ゲルは従来の真空引き可能な吸引可能なゲルと同様に乾燥し、取り込まれた汚染物質のエアロゾルを捕捉するミリメートル規模のサイズの固体廃棄物へと破砕され、これによりその再浮遊が防止される。
ゲルの液滴の凝集によって形成されるゲルの層が厚いほど、固体廃棄物のサイズは大きくなる。
(参考)
[1] US-A1-2006/0248866.
[2] WO-A3-2004/011041.
[3] EP-A2-1935515.
[4] WO-A1-2010/132949.
[5] FAURE S., FOURNEL B., FUENTES P., LALLOT Y., "Method for treating a surface with a treatment gel, and treatment gel", FR-A1-2 827 530.
[6] FAURE S., FUENTES P., LALLOT Y., "Vacuumable gel for decontaminating surfaces and use", FR-A1-2 891 470 & WO-A2-2007/039598.
[7] WO-A1-2014/154817.
1 タンク又はケーシング
2 ゲル
3 流体調節器
4 空気調節器
5 スプレーガン
6 スプレーノズル
7 アクチュエーター
8 圧縮空気
9 パイプ
10 パイプ
11 ミスト

Claims (30)

  1. 浮遊汚染種によって汚染された所定の体積の気体媒体を除染するための方法であって、前記所定の体積の気体媒体が、固体基材の少なくとも1つの表面と接触し、前記方法が、以下の逐次工程:
    a)前記所定の体積の気体媒体中に微小液滴を噴霧し、それにより無機増粘剤及び溶媒を含むコロイド溶液からなる無機ゲルのミストを形成する工程であって、溶媒が、水及び水と有機溶媒との混合物から選択される、工程と、
    b)浮遊汚染種を、前記無機ゲルの液滴によって捕獲し、取り込む工程と、
    c)捕獲された浮遊汚染種を含有する無機ゲルの液滴が、固体基材の前記表面に堆積、沈降する工程と、
    d)少なくとも、ゲルが乾燥し、捕獲された浮遊汚染種を含有する乾燥固体残留物を形成するのに十分な時間、ゲルを固体基材の表面に保持する工程と、
    e)前記捕獲された浮遊汚染種を含有する乾燥固体残留物を回収する工程と
    を含む、方法。
  2. 気体媒体が空気である、請求項1に記載の方法。
  3. 気体媒体の体積が、前記表面を形成する床、天井及び壁等の壁によって画定される密閉体積であり、微小液滴のミストが密閉体積全体を充填し、且つ捕獲された浮遊汚染種を含有する無機ゲルの微小液滴が、壁の少なくとも1つ、好ましくはすべての壁に堆積、沈降する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 微小液滴が、10~1000μm、好ましくは20~200μmの、直径等のその最大寸法によって規定されるサイズを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記浮遊汚染種が、固体粒子、液体粒子の形態、又は分子種の形態である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 汚染種が、化学、生物学的、核又は放射性汚染種から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 汚染種が、その形態、形状及び/又はサイズのために、放射性及び/又は化学毒性及び/又は毒性である汚染種である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. その形態、形状及び/又はサイズのために毒性である汚染種が、マイクロ粒子又はナノ粒子等の固体粒子の形態、例えば、マイクロファイバー若しくはナノファイバー等の繊維の形態、ナノチューブの形態、又はナノ結晶等の結晶の形態の汚染種である、請求項7に記載の方法。
  9. 汚染種が、金属、半金属、又はイオン形態の金属及び半金属から、好ましくは、いわゆる「重金属」並びに金属、半金属、又はイオン形態の毒性金属及び半金属;有機金属化合物、金属塩、金属酸化物、金属炭化物等のこれらの金属及び半金属の化合物;セラミックス;木材;穀物;小麦粉;並びにガラス、例えばガラスウールの形態のガラスから選択される、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 汚染種がアスベストである、請求項9に記載の方法。
  11. コロイド溶液が、以下の成分:
    - 界面活性剤、
    - 活性除染剤、
    - 気体汚染種、特に、毒性又は爆発性気体汚染種、例えば水素を捕捉するための捕捉剤(「ゲッター」)、
    - 汚染種抽出剤、
    - 汚染種固定剤、
    - 着色剤
    から選択される1種又は複数の成分を更に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. コロイド溶液が、
    - ゲルの質量に対して1質量%~30質量%、好ましくは1質量%~25質量%、より好ましくは5質量%~25質量%、更に良好には8質量%~20質量%の、少なくとも1種の無機増粘剤;並びに以下の割合の、以下の成分から選択される1種又は複数の成分:
    - ゲルの質量に対して0.1質量%~2質量%の少なくとも1種の界面活性剤、
    - 0.1~10mol/L(ゲル)、好ましくは0.5~10mol/L(ゲル)、より好ましくは1~10mol/L(ゲル)、更に良好には3~6mol/L(ゲル)の少なくとも1種の活性除染剤、
    - 気体汚染種、特に、毒性又は爆発性気体汚染種、例えば水素を捕捉するための、ゲルの質量に対して0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の捕捉剤(「ゲッター」)、
    - ゲルの質量に対して0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の汚染種抽出剤、
    - ゲルの質量に対して0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の汚染種固定剤、
    - ゲルの質量に対して0.01質量%~10質量%、好ましくは0.1質量%~5質量%の少なくとも1種の着色剤、
    - 及び残りの溶媒
    を含み、好ましくはこれらからなる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. コロイド溶液が、
    - ゲルの質量に対して1質量%~30質量%、好ましくは1質量%~25質量%、より好ましくは5質量%~25質量%、更に良好には8質量%~20質量%の、少なくとも1種の無機増粘剤、
    - 及び残りの溶媒
    を含み、好ましくはこれらからなる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  14. 無機増粘剤が、アルミナ等の金属酸化物、シリカ等の半金属酸化物、金属水酸化物、半金属水酸化物、金属オキシ水酸化物、半金属オキシ水酸化物、アルミノケイ酸塩、スメクタイト等のクレイ、及びこれらの混合物から選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 無機増粘剤が1種又は複数のアルミナからなる、請求項14に記載の方法。
  16. アルミナが、ゲルの総質量に対して5質量%~30質量%、好ましくは8質量%~17質量%である、請求項15に記載の方法。
  17. アルミナが、熱分解法アルミナ、好ましくは微細粒熱分解法アルミナから選択される、請求項15又は16に記載の方法。
  18. 活性除染剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びこれらの混合物等の塩基;硝酸、リン酸、塩酸、硫酸、シュウ酸水素ナトリウム等のシュウ酸水素、及びこれらの混合物等の酸;過酸化物、過マンガン酸塩、過硫酸塩、オゾン、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩、セリウムIV塩及びこれらの混合物等の酸化剤;ヘキサデシルピリジニウム(セチルピリジニウム)クロリド等のヘキサデシルピリジニウム(セチルピリジニウム)塩等の第四級アンモニウム塩;還元剤;並びにこれらの混合物から選択される、請求項11から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 界面活性剤が、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロックコポリマー等のブロック、配列コポリマー、及びエトキシ化脂肪酸;並びにこれらの混合物等の非イオン性界面活性剤から選択される、請求項11から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 捕捉剤(ゲッター)が、活性表面部位を含有する、比表面積が非常に大きい固体、例えば、多孔質炭素、例えば活性炭素; ケージ材料粒子、例えば、ゼオライト及びMOF粒子;並びに捕捉される汚染種、より詳細には水素と反応することができる鉱物酸化物粒子、例えば、酸化マンガン(MnO、Mn、Mn)及び貴金属酸化物、例えばAgO又はRuOから選択される、請求項11から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 汚染種抽出剤が、ゼオライト、クレイ、アパタイト等のリン酸塩、チタン酸ナトリウム等のチタン酸塩、並びにフェロシアン化物及びフェリシアン化物等の無機吸着剤から選択される、請求項11から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 汚染種固定剤が、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂等の有機樹脂から選択される、請求項11から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 着色剤が、金属及び/又は半金属酸化物、金属及び/又は半金属水酸化物、金属及び/又は半金属オキシ水酸化物、金属フェロシアン化物及びフェリシアン化物、金属アルミン酸塩並びにこれらの混合物等の、好ましくは微細化された有機色素及び鉱物顔料から選択される、請求項11から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 固体基材の表面が、前記表面上及び必要に応じて前記表面下、基材の深部に位置する、表面汚染種と称される少なくとも1種の汚染種によって汚染され、ゲルが除染剤を含有し、且つ工程d)の間、ゲルが、少なくともゲルが表面汚染種を破壊及び/又は不活性化及び/又は吸収し、且つゲルが乾燥して、前記表面汚染種、及びゲルによって取り込まれ、捕獲された浮遊汚染種を含有する乾燥固体残留物を形成するのに十分な時間、表面に保持され、維持される、請求項11から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 固体基材が、ステンレス鋼、塗装鋼、アルミニウム及び鉛等の金属及び金属合金;ポリ塩化ビニル又はPVC、ポリプロピレン又はPP、ポリエチレン又はPE、特に高密度ポリエチレン又はHDPE、ポリメチルメタクリレート又はPMMA、ポリフッ化ビニリデン又はPVDF、ポリカーボネート又はPC等のプラスチック又はゴム等のポリマー;ガラス;セメント及びセメント材料;モルタル及びコンクリート;しっくい;レンガ;天然又は人工石;セラミックスから選択される少なくとも1種の固体材料から作製される、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. ゲルの堆積量が、表面1mあたりゲル100g~2000g、好ましくは表面1mあたりゲル500g~1500g、より好ましくは表面1mあたりゲル600g~1000gである、請求項1から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 工程d)の間、乾燥が、1℃~50℃、好ましくは15℃~25℃の温度、及び20%~80%、好ましくは20%~70%の相対湿度で実行される、請求項1から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. ゲルが、2~72時間、好ましくは2~48時間、より好ましくは3~24時間の時間にわたって表面に保持され、維持される、請求項1から27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 乾燥固体残留物が、1~10mm、好ましくは2~5mmのサイズの粒子、例えば、薄片の形態である、請求項1から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 乾燥固体残留物が、ブラッシング及び/又は真空引き、吸引によって固体表面から除去される、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
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