JP7422225B2 - 高透磁率フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

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Description

本発明は、高透磁率フェライト系ステンレス鋼に係り、より詳細には、各種電子機器内の素子に対する電磁波を遮蔽できる高透磁率フェライト系ステンレス鋼に関する。
各種電子機器内には様々な用途の素子が使用されており、このような素子は、周囲環境の電磁波干渉によって誤作動が発生したり、または精密制御が困難になったりする場合がある。電磁波干渉による電子機器の誤作動を防止するためには、磁場を遮蔽できる素材で重要素子を取り囲まなければならない。
磁場を遮蔽できる様々な素材が開発されてきた。しかし、近年では、様々な環境において電磁波の干渉にもかかわらず、各種電子機器が誤作動なしによく駆動するために磁場を遮蔽できるとともに、耐食性に優れた素材に対する要求が高まっている。
磁気的性質を持つとともに、耐食性に優れた代表的な素材としてフェライト系ステンレス鋼が挙げられるが、従来のフェライト系ステンレス鋼は、磁場を遮蔽するには透磁率が不足するという問題点がある。
本発明の目的は、各種電子機器内の素子に対する電磁波を遮蔽できる高透磁率フェライト系ステンレス鋼を提供する。
上述の目的を達成するための手段として、本発明の高透磁率フェライト系ステンレス鋼は、重量%で、C:0.0005~0.02%、N:0.005~0.02%、Si:0.2~2.0%、Cr:10.0~25.0%、Nb:0.05~0.5%、残りはFe及びその他の不可避な不純物からなり、Nb/(C+N)の値が5~20を満たし、<001>//RD集合組織の面積分率が5%以上であることを特徴とする。
本発明の各高透磁率フェライト系ステンレス鋼において、Nb/(C+N)の値が5~15を満たすことができる。
本発明の各高透磁率フェライト系ステンレス鋼において、結晶粒の平均粒径が50~200μmであってもよい。
本発明の各高透磁率フェライト系ステンレス鋼において、50Hz、10000A/mの磁場印加時に透磁率が1200以上であってもよい。
本発明の各高透磁率フェライト系ステンレス鋼において、降伏強度が280MPa以上であってもよい。
本発明によれば、フェライト系ステンレス鋼を対象として、耐食性に優れており、高透磁率を有するフェライト系ステンレス鋼を提供することができる。
本発明によれば、鋼の合金成分及び工程制御を通じて結晶粒の平均粒径及び集合組織を制御することにより、高透磁率を有するフェライト系ステンレス鋼を提供しうる。
比較例2による最終冷延焼鈍材の集合組織方位分布(Orientation Distribution Function、ODF)ODFを示す図である。 発明例8による最終冷延焼鈍材の集合組織方位分布(Orientation Distribution Function、ODF)ODFを示す図である。
本発明の一例による高透磁率フェライト系ステンレス鋼は、重量%で、C:0.0005~0.02%、N:0.005~0.02%、Si:0.2~2.0%、Cr:10.0~25.0%、Nb:0.05~0.5%、残りはFe及びその他の不可避な不純物からなり、Nb/(C+N)の値が5~20を満たし、<001>//RD集合組織の面積分率が5%以上である。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な他の形態に変形されてもよく、本発明の技術思想が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野において平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。
本出願で使用される用語は、単に特定の例示を説明するために使用されるものである。したがって、例えば、単数の表現は、文脈上明らかに単数でなければならないものでない限り、複数の表現を含む。また、本出願で使用される「含む」または「備える」などの用語は、明細書上に記載された特徴、段階、機能、構成要素またはそれらを組み合わせたものが存在することを明確に指称するために使用されるものであり、他の特徴や段階、機能、構成要素またはこれらを組み合わせたものの存在を予備的に排除するために使用されるものではないことに留意しなければならない。
一方、特に定義がない限り、本明細書で使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者により一般に理解されるものと同じ意味を有するものとみなすべきである。したがって、本明細書で明確に定義しない限り、特定の用語が過度に理想的または形式的な意味で解釈されてはならない。例えば、本明細書において単数の表現は、文脈上明らかに例外がない限り、複数の表現を含む。
また、本明細書において「約」、「実質的に」などは言及した意味に固有の製造及び物質許容誤差が提示されるとき、その数値でまたはその数値に近い意味で使用され、本発明の理解を助けるため、正確かつ絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に用いることを防止するために使用される。
また、本明細書において「<001>//RD集合組織」とは、鋼圧延方向(Rolling Direction)の結晶方位が<001>軸に平行な方位を有する集合組織を意味する。
本発明の一例による磁気的性質に優れたフェライト系ステンレス鋼は、重量%で、C:0.0005~0.02%、N:0.005~0.02%、Si:0.2~2.0%、Cr:10.0~25.0%、Nb:0.05~0.5%、残りはFe及びその他の不可避な不純物からなる。
以下、前記合金組成について限定した理由について具体的に説明する。下記成分組成は、特に記載がない限り、全て重量%を意味する。
炭素(C):0.0005~0.02重量%
炭素(C)は、鋼中に不可避に含まれる不純物元素であるので、なるべくその含量を下げることが好ましい。しかし、炭素の含量が0.0005重量%未満であれば、炭素の過度な低減により精錬コストが増加することがあるので、本発明において炭素の含量は、0.0005重量%以上で管理できる。しかし、炭素の含量が過剰であると、不純物が増加して延伸率が低下し、加工硬化指数n値が低下し、延性-脆性遷移温度(DBTT)が増加して衝撃特性が低下するので、本発明では、炭素の含量の上限を0.02重量%に制限する。加工性及び機械的特性を考慮して、炭素の含量の上限は、好ましくは、0.01重量%に制限されてもよい。
窒素(N):0.005~0.02重量%
窒素(N)の含量が0.005重量%未満であれば、TiN晶出量が減少してスラブの等軸晶率が低くなるので、本発明において窒素は、0.005重量%以上で添加されてもよい。しかし、窒素の含量が過剰であると、素材の不純物が増加して延伸率が低下し、延性-脆性遷移温度(DBTT)が増加して衝撃特性が低下するので、本発明では、窒素含量の上限を0.02重量%に制限する。加工性及び機械的特性を考慮して、窒素含量の上限は、好ましくは、0.015重量%に制限されてもよい。
シリコン(Si):0.2~2.0重量%
シリコン(Si)は、添加時に鋼の強度を増加させる元素である。目的とする強度を確保するため、本発明において、シリコンは、0.2重量%以上で添加されてもよい。しかし、シリコンの含量が過剰であると、延伸率が低下し、加工硬化指数n値が低下し、Si系介在物が増加して加工性が低下するので、本発明では、シリコン含量の上限を2.0重量%に制限する。加工性を考慮して、シリコン含量の上限は、好ましくは、1.0重量%に制限されてもよい。
クロム(Cr):10.0~25.0重量%
クロム(Cr)は、ステンレス鋼の耐食性を確保するために最も重要に添加される元素である。本発明では、耐食性を確保するため、クロムは、10.0重量%以上で添加されてもよい。耐食性を確保するため、好ましくは、クロムは、15.0重量%以上で添加されてもよい。しかし、クロムの含量が過剰であると、延伸率が低下し、熱延スティッキング(sticking)欠陥が発生するので、本発明では、クロムの含量の上限を25.0重量%に制限する。加工性及び機械的特性を考慮して、クロムの含量の上限は、好ましくは、20.0重量%に制限されてもよい。
ニオブ(Nb):0.05~0.5重量%
ニオブ(Nb)は、添加時に固溶して鋼の強度を増加させ、耐食性を低下させる炭素(C)と窒素(N)と優先的に結合して安定したNb系析出物を形成して耐食性を向上させる元素である。また、ニオブは、添加時にNb系析出物を形成して結晶粒が過度に粗大化することを防止し、磁化容易方位を有する<001>//RD集合組織の成長を促進し、<001>//RD集合組織の面積分率を増加させる。その結果、ニオブは、添加時に磁気的性質を向上させる効果がある。本発明では、強度増加、耐食性向上及び磁気的性質向上の目的で、ニオブは、0.05重量%以上で添加されてもよい。
しかし、ニオブの含量が過剰であると、炭素、窒素と結合して形成されたNb系析出物が過剰に形成され、結晶粒の平均粒径が十分に大きくならない。結晶粒の粒径が十分に大きくならない場合、結晶粒界による磁化が抑制され、目的とする透磁率を確保できない。また、ニオブの含量が過剰であると、炭素、窒素と結合しない鋼中のNb固溶量が過剰となり、磁化に有利な<<001>//RD集合組織の面積分率を十分に確保できない。これを考慮して、本発明では、ニオブ含量の上限を0.5重量%に制限する。高透磁率を確保するための目的で、ニオブ含量の上限は、好ましくは、0.25重量%に制限されてもよい。
本発明の残りの成分は、鉄(Fe)である。ただし、通常の製造過程では、原料または周囲環境から意図しない不純物が不可避に混入することがあるため、これを排除することはできない。前記不純物は、通常の製造過程の技術者であれば誰でも知ることができるので、そのすべての内容を特に本明細書で言及しない。
本発明による高透磁率フェライト系ステンレス鋼は、高透磁率及び優れた耐食性を有する。高透磁率及び優れた耐食性を確保するため、ニオブと炭素、窒素と結合して形成されるNb系析出物の量を制御することが核心である。そこで、本発明の発明者は、Nb含量と(C+N)含量の比で表されるNb/(C+N)パラメータを考案し、当該パラメータ数値に応じてNb系析出物の量を制御する。ここで、各Nb、C、Nは、当該合金元素の重量%を意味する。
本発明の一例によれば、Nb/(C+N)の値は、5~20であってもよい。Nb/(C+N)の値が5未満の場合、ニオブが耐食性を低下させる炭素、窒素を十分に除去できず、耐食性が低下する。また、Nb系析出物が十分に形成されず、結晶粒が過度に粗大となって降伏強度が低下し、<001>//RD集合組織の面積分率を十分に確保できず、透磁率が低下する。
一方、Nb/(C+N)の値が20を超える場合には炭素、窒素と結合しない鋼中のNb固溶量が過剰で磁化に有利な<001>//RD集合組織の面積分率を十分に確保できず、結晶粒の平均粒径が十分に大きくならないので、目的とする透磁率を確保できないという問題がある。また、高透磁率及び優れた耐食性を確保するため、Nb/(C+N)の値は、好ましくは、5~15であってもよい。より好ましくは、8~15であってもよい。
<001>//RD集合組織は、鋼圧延方向(Rolling Direction)の結晶方位が<001>軸に平行な方位を有する集合組織である。本発明は、磁化に有利な<<001>//RD集合組織の面積分率を一定レベル以上に制御して磁気的性質を向上させ、高透磁率を有するフェライト系ステンレス鋼を提供する。
本発明の一例による高透磁率フェライト系ステンレス鋼は、<001>//RD集合組織の面積分率が5%以上であってもよい。<001>//RD集合組織の面積分率が5%未満の場合、本発明が目的とする50Hz、10000A/m磁場印加時の透磁率が1200以上の高透磁率特性を確保できない。
本発明による高透磁率フェライト系ステンレス鋼は、結晶粒の平均粒径が50~200μmであってもよい。結晶粒の平均粒径が50μm未満であれば、結晶粒界による磁化が抑制されて目的とする透磁率を確保できず、結晶粒の平均粒径が200μmを超えると、降伏強度が低くなるという問題がある。
結晶粒の平均粒径は、合金組成またはスラブの再加熱温度、冷間圧延時の圧下率、焼鈍熱処理時の温度、昇温速度、時間などの工程条件によって制御されてもよいが、これは結晶粒平均粒径の制御方法に対する理解を助けるための例示を列挙したものであり、本発明の技術思想を限定するためのものではないことに留意する必要がある。本発明において結晶粒の平均粒径は、合金組成または工程制御を通じて多様に行われてもよい。
以上、本発明で限定する合金組成、<001>//RD集合組織の面積分率、結晶粒の平均粒径範囲を満たす高透磁率フェライト系ステンレス鋼は、耐食性に優れており、高透磁率を有し、高い降伏強度を有する。
本発明の一例による高透磁率フェライト系ステンレス鋼は、50Hz、10000A/m磁場印加時の透磁率が1200以上であってもよい。
本発明の一例による高透磁率フェライト系ステンレス鋼は、降伏強度が280MPa以上であってもよい。
以下、実施例を通じて本発明をより具体的に説明する。ただし、下記の実施例は、本発明を例示してより詳細に説明するためのものであり、本発明の権利範囲を限定するためのものではないことに留意する必要がある。本発明の権利範囲は、特許請求の範囲に記載された事項とこれから合理的に類推される事項によって決定されるものであるからである。
[実施例]
下記表1に記載の化学組成を有する鋼をスラブで鋳造し、鋳造したスラブを1,100~1,300℃で再加熱した。再加熱されたスラブを熱間圧延し、冷間圧延及び焼鈍して最終冷延製品として製造した。
表1のNb/(C+N)の値は、Nb、C、N各該当合金元素の含量(重量%)数値を代入して導き出した。
Figure 0007422225000001
表2には、各実施例の鋼種、結晶粒平均粒径(μm)、<001>//RD集合組織の面積分率(%)、透磁率、降伏強度(MPa)値をそれぞれ示した。
表2において結晶粒平均粒径、<001>//RD集合組織の面積分率(%)は、後方散乱電子回折パターン分析器(Electron Back Scatter Diffraction、EBSD)で測定した。透磁率は、50Hz、10000A/m磁場を印加する条件で、0.5mm厚の鋼種を対象として測定した。降伏強度は、常温で圧延方向の垂直にJIS13B規格の試片を引張り、0.2%off-set降伏強度を測定した。
Figure 0007422225000002
以下、表1、表2及び添付図面を参照し、各発明例及び比較例を比較評価する。
発明例1~3は、本発明が限定する合金成分範囲、結晶粒の平均粒径範囲、<001>//RD集合組織の面積分率を満たした結果、50Hz、10000A/m磁場印加時に透磁率が1200以上、降伏強度が280MPa以上を満たすことができた。
比較例1、2は、Nb含量が本発明で限定するNb含量の上限である0.5重量%を超えた。その結果、Nb系析出物が過剰に形成され、結晶粒の平均粒径が50μm未満であった。特に、比較例2は、Nb含量が過剰であるだけでなく、Nb/(C+N)の値が本発明で限定するNb/(C+N)値の上限である20を超えた。比較例2は、(C+N)含量に対してNb固溶量が過剰であるので、磁化に有利な<001>//RD集合組織の面積分率が1.1%で十分に確保できなかった。比較例1は、結晶粒の平均粒径範囲、比較例2は、結晶粒の平均粒径範囲、<001>//RD集合組織の面積分率が本発明で限定する範囲に達せず、本発明で目的とする透磁率を確保できなかった。
比較例3は、Si含量が本発明で限定するSi含量の下限である0.2重量%に達しなかった。その結果、本発明において目的とする降伏強度を確保できなかった。比較例4は、Si含量が本発明で限定するSi含量の上限である2.0重量%を超えた。比較例4は、Si含量が過剰であるので、加工性が低下した結果、冷間圧延時に破断した。
比較例5は、Nb含量が本発明で限定するNb含量の下限である0.05重量%に達せず、Nb/(C+N)の値が本発明で限定するNb/(C+N)値の下限である5に達しなかった。その結果、Nb系析出物が十分に形成されず、結晶粒が過度に粗大になり降伏強度が低下し、<001>//RD集合組織の面積分率を十分に確保できず、透磁率が低下した。
比較例6は、発明例1、2と同様の鋼種であるF鋼種を使用したにもかかわらず、結晶粒の平均粒径が本発明で限定する平均粒径の下限である50μmに達しなかった。その結果、結晶粒界による磁化が抑制され、本発明において目的とする透磁率を確保できなかった。
比較例7は、発明例3と同様の鋼種であるG鋼種を使用したにもかかわらず、結晶粒の平均粒径が本発明で限定する平均粒径の下限である50μmに達しなかった。その結果、結晶粒界による磁化が抑制され、本発明において目的とする透磁率を確保できなかった。
比較例8は、発明例3と同様の鋼種であるG鋼種を使用したにもかかわらず、結晶粒界の平均粒径が本発明で限定する平均粒径の上限である200μmを超えた。その結果、本発明において目的とする降伏強度を確保できなかった。
以下、添付図面を参照し、各実施例を評価する。
図1は、比較例2、発明例8による最終冷延焼鈍材の集合組織方位分布(Orientation Distribution Function,ODF)を示す図である。図1aは、比較例2によるODFであり、図1bは、発明例8によるODFである。各図1a、図1bにおいて点線で図示された円は、<001>//RD集合組織を示す。図1aと図1bを比較すると、発明例8の<001>//RD集合組織の面積分率が比較例2に比べて確実に高いことを可視的に確認できる。
上述した実施例結果から、本発明が限定する合金成分内でNb/(C+N)値が5~20を満たすように制御し、<001>//RD集合組織の面積分率が5%以上となるように制御し、結晶粒の平均粒径が50~200μmとなるように制御した結果、50Hz、10000A/m磁場印加時に透磁率が1200以上、降伏強度が280MPa以上の高透磁率フェライト系ステンレス鋼を確保できることが分かる。
以上、本発明の例示的な実施例を説明したが、本発明はこれに限定されず、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、以下に記載する請求の範囲の概念と範囲から逸脱しない範囲内で、様々な変更及び変形が可能であることが理解できるだろう。
本発明によるフェライト系ステンレス鋼は、各種電子機器内の素子に対する電磁波を遮蔽できる素材として適用されてもよい。

Claims (4)

  1. 重量%で、C:0.0005~0.02%、N:0.005~0.02%、Si:0.2~2.0%、Cr:10.0~25.0%、Nb:0.05~0.5%、残りはFe及びその他の不可避な不純物からなり、
    Nb/(C+N)の値が5~20を満たし、
    <001>//RD集合組織の面積分率が5%以上であり、
    結晶粒の平均粒径が50~200μmであることを特徴とする高透磁率フェライト系ステンレス鋼
  2. Nb/(C+N)の値が5~15を満たすことを特徴とする請求項1に記載の高透磁率フェライト系ステンレス鋼
  3. 50Hz、10000A/m磁場印加時、透磁率が1200以上であることを特徴とする請求項1に記載の高透磁率フェライト系ステンレス鋼
  4. 降伏強度が280MPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の高透磁率フェライト系ステンレス鋼
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