JP7421469B2 - 核酸の単離方法、核酸の単離キット、及び検査チップ - Google Patents

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Description

本発明は、核酸の単離方法、核酸の単離キット、及び検査チップに関する。
従来、ウイルスや細胞に含まれるRNAやDNAなどの核酸を単離する方法として、ウイルスや細胞から抽出された核酸をフィルタリングし、核酸とともにフィルターに付着した塩等の不純物を洗浄する方法が知られている。このような洗浄に用いられる洗浄液としては、通常、エタノールなどのアルコールが用いられている。
例えば、下記の特許文献1には、ピペットチップ中に垂直に収容された核酸を結合させる材料に核酸を結合させ、洗浄バッファーにより洗浄する方法が開示されている。特許文献1では、洗浄バッファーによる洗浄後、乾燥工程を経て、溶出剤により核酸が単離されている。特許文献1では、洗浄バッファーとしてエタノール等のアルコールが用いられている。
特表2018-524017号公報
しかしながら、特許文献1のように、アルコールを洗浄液に用いた場合、洗浄液の保管中にアルコールが揮発しやすいという問題がある。また、アルコールを洗浄液に用いた場合、特許文献1のように別途乾燥工程を設ける必要があることから、工程が煩雑になるという問題がある。もっとも、乾燥工程を設けない場合、後工程において検査や分析などに用いたときに、酵素反応などの反応が阻害される場合がある。
本発明の目的は、アルコールを用いる必要がなく、核酸を簡便に抽出することができる、核酸の単離方法、核酸の単離キット、及び検査チップを提供することにある。
本発明に係る核酸の単離方法の広い局面では、核酸を含む試料と抽出溶液とを混合し、前記抽出溶液中に前記核酸を分散する工程と、前記核酸を含む抽出溶液を、アニオン性吸着体に接触させる工程と、洗浄溶液を前記アニオン性吸着体に接触させる工程と、回収溶液を前記アニオン性吸着体に接触させる工程と、を備え、前記抽出溶液は、タンパク質変性剤を含み、前記洗浄溶液は、塩基性化合物を含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。
本発明に係る核酸の単離方法のある特定の局面では、前記抽出溶液は、価数が2価以上である金属カチオンをさらに含む。
本発明に係る核酸の単離方法の他の広い局面では、核酸を含む試料と抽出溶液とを混合し、前記抽出溶液中に前記核酸を分散する工程と、前記核酸を含む抽出溶液を、アニオン性吸着体に接触させる工程と、回収溶液を前記アニオン性吸着体に接触させる工程と、を備え、前記抽出溶液は、タンパク質変性剤と、塩基性化合物とを含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。
本発明に係る核酸の単離方法の他の特定の局面では、前記塩基性化合物の共役酸のpKaが4以上、6以下である。
本発明に係る核酸の単離方法のさらに他の特定の局面では、前記塩基性化合物が、アミノ基を有する。
本発明に係る核酸の単離方法のさらに他の特定の局面では、前記抽出溶液が、さらに両性イオン化合物を含む。
本発明に係る核酸の単離方法のさらに他の特定の局面では、前記アニオン性吸着体にアルコールを含む溶液を接触させる工程を含まない。
本発明に係る核酸の単離キットの広い局面では、抽出溶液と、洗浄溶液と、回収溶液と、アニオン性吸着体と、を含み、前記抽出溶液は、タンパク質変性剤を含み、前記洗浄溶液は、塩基性化合物を含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。
本発明に係る核酸の単離キットのある特定の局面では、前記抽出溶液は、価数が2価以上である金属カチオンをさらに含む。
本発明に係る核酸の単離キットの他の広い局面では、抽出溶液と、回収溶液と、アニオン性吸着体と、を含み、前記抽出溶液は、タンパク質変性剤と、塩基性化合物とを含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。
本発明に係る検査チップの広い局面では、核酸を含む抽出溶液を保持する抽出溶液保持部と、洗浄溶液を保持する洗浄溶液保持部と、回収溶液を保持する回収溶液保持部と、アニオン性吸着体を含む回収部と、核酸分析部と、を備え、前記抽出溶液は、タンパク質変性剤を含み、前記洗浄溶液は、塩基性化合物を含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。
本発明に係る検査チップのある特定の局面では、前記抽出溶液は、価数が2価以上である金属カチオンをさらに含む。
本発明に係る検査チップの他の広い局面では、核酸を含む抽出溶液を保持する抽出溶液保持部と、回収溶液を保持する回収溶液保持部と、アニオン性吸着体を含む回収部と、核酸分析部と、を備え、前記抽出溶液は、タンパク質変性剤と、塩基性化合物とを含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。
本発明によれば、アルコールを用いる必要がなく、核酸を簡便に抽出することができる核酸の単離方法、核酸の単離キット、及び検査チップを提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る核酸の回収方法で用いるチップを示す模式的平面図である。 図2は、図1のA-A線に沿う部分の模式的断面図である。 図3(a)は、本発明に係る核酸の単離方法において、核酸がアニオン性吸着体に吸着している状態を説明するための模式図であり、図3(b)は、核酸がアニオン性吸着体から単離される状態を説明するための模式図である。 図4は、本発明の第1の実施形態に係る検査チップにおける流路構造の一例を示す模式的平面図である。 図5は、図4のB-B線に沿う部分の模式的断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
[核酸の単離方法]
本発明は、核酸の単離方法に関する。以下、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
(第1の実施形態に係る核酸の単離方法)
本発明の第1の実施形態に係る核酸の単離方法は、核酸を含む試料と抽出溶液とを混合し、抽出溶液中に核酸を分散する工程と、核酸を含む抽出溶液を、アニオン性吸着体に接触させる工程と、洗浄溶液をアニオン性吸着体に接触させる工程と、回収溶液をアニオン性吸着体に接触させる工程と、を備える。上記抽出溶液は、タンパク質変性剤を含む。上記洗浄溶液は、塩基性化合物を含み、かつpHが塩基性化合物の共役酸のpKa以下である。上記回収溶液は、pHが塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。以下、それぞれの工程について説明する。
(抽出工程)
本発明の第1の実施形態に係る核酸の単離方法は、核酸を含む試料と抽出溶液とを混合し、抽出溶液中に核酸を分散する工程を備える。以下、本工程を「抽出工程」として説明する。
上記核酸を含む試料としては、例えば、DNAやRNAなどの核酸を含む生体試料が挙げられる。このような生体試料としては、例えば、ウイルス、細胞、血液、組織液、糞便等が挙げられる。また、上記核酸を含む試料としては、例えば、土壌、海水、河川水等、環境中の核酸を含む試料であってもよく、特に限定されない。
上記抽出溶液は、タンパク質変性剤を含む。タンパク質変性剤は、タンパクと相互作用することで、タンパクの高次構造を崩し、核酸を抽出溶液中に溶解させる役割を有するものである。タンパク質変性剤としては、例えば、界面活性剤、還元剤、グアニジン誘導体、チオ尿素、尿素、もしくはこれらの塩等を用いることができる。界面活性剤としては、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ポリオキエチレンソルビタンモノラウレート(Tween20)等を用いることができる。還元剤としては、例えば、2-メルカプトエタノール、ジチオトレイトール(DTT)等を用いることができる。また、上記塩としては、例えば、グアニジン塩酸塩等の塩を用いることができる。これらのタンパク質変性剤は、1種類を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
抽出溶液中におけるタンパク質変性剤の濃度は、特に限定されないが、好ましくは2mol/L以上、より好ましくは4mol/L以上、さらに好ましくは8mol/L以上、好ましくは10mol/L以下である。タンパク変性剤の濃度を上記範囲内とすることにより、核酸をより一層確実に抽出することができる。なお、タンパク質変性剤を2種以上有する場合は、合計の濃度が上記範囲内であることが好ましい。
抽出溶液は、タンパク質変性剤として両性イオン化合物を含むことが好ましい。
抽出溶液に上記タンパク質変性剤として非イオン性界面活性剤等を用いた場合、核酸の回収率を高められるものの、後工程における検査や分析において、PCR等の反応が阻害される場合がある。よって、非イオン性界面活性剤の添加量を減らしたり、別途洗浄工程を設けたりする必要があり、短時間で核酸を抽出することが難しい場合がある。一方で、非イオン性界面活性剤のようなタンパク質変性剤を用いない場合、核酸の回収率を十分に高められないという問題がある。
上記抽出溶液が両性イオン化合物を含む場合、核酸を含む試料に両性イオン化合物を接触させると、試料中に含まれるヒストンなどのタンパク質におけるカチオン性官能基と、両性イオン化合物のアニオン性官能基とが相互作用する。それによって、タンパク質と核酸との結合を切断し、核酸を効率よく抽出することができる。そのため、後工程において核酸をより一層効率よく回収することができる。
また、両性イオン化合物は、同時にカチオン性官能基を有するため、核酸の電荷的結合点を付与することもできる。具体的には、両性イオン化合物のアニオン性官能基は核酸の塩基とも結合を形成することから、両性イオン化合物のカチオン性官能基により、核酸が電気的に中性となることを抑制することができる。電気的に中性になると、核酸同士での凝集が進み、PCR等の反応効率が低減するが、両性イオン化合物により核酸が電気的に中性となることを抑制することで、短時間での分析が求められるPCR等の分析において、より一層分析精度を高めることができる。
上記両性イオン化合物は、界面活性を有さないことが好ましい。本明細書において、界面活性を有さないとは、グリフィン法により得られるHLB値が0~6ないし13~20であるということである。この場合、後工程における検査や分析において、PCR等の反応の阻害をより一層抑制することができ、より一層短時間で核酸を抽出することができる。
このような両性イオン化合物は、特に限定されないが、アミノ酸又はアミノ酸誘導体、ヌクレオチド、及び上記モノマーに由来する繰り返し構造単位を有するポリマーを用いることができる。なかでも、両性イオン化合物としては、アミノ酸又はアミノ酸誘導体であることが好ましい。この場合、核酸をより一層短時間でかつ効率よく回収することができる。
アミノ酸又はアミノ酸誘導体としては、特に限定されないが、例えば、グリシン等の天然アミノ酸、アセチルシステイン、D-アミノ酸、ジアミン、ωアミノ酸、βアミノ酸、γアミノ酸、アミノフォスフォン酸、及び上記モノマーに由来する繰り返し構造単位を有するポリマーを用いることができる。
また、このような両性イオン化合物のうち、市販されているものとしては、例えば、LIPIDURE(日油社製)、PNA(コスモ・バイオ社製)等が挙げられる。
両性イオン化合物は、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
上記抽出溶液が両性イオン化合物を含む場合、上記抽出溶液中に含まれる両性イオン化合物の濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは1.0mol/L以上、好ましくは10.0mol/L以下、より好ましくは8.0mol/L以下である。核酸抽出溶液中に含まれる両性イオン化合物の濃度が上記範囲内にある場合、核酸をより一層短時間でかつ効率よく回収することができる。
上記抽出溶液は、価数が2価以上の金属カチオンを含むことが好ましい。2価以上の金属カチオンとしては、例えば、カルシウムイオン、マグネシウムイオン等が挙げられる。上記抽出溶液が2価以上の金属カチオンを含む場合、核酸の回収率をより一層高めることができる。
上記抽出溶液が2価以上の金属カチオンを含む場合、核酸を含む試料を抽出溶液に添加した際に、負の電荷を帯びた核酸に金属カチオンがイオン結合する。このような金属カチオンがイオン結合した核酸が抽出された後の抽出溶液をアニオン性吸着体と接触させると、図3(a)に示すように金属カチオンがアニオン性吸着体とイオン結合する。それによって、金属カチオンを介して核酸をアニオン性吸着体に吸着させることができる。
上記抽出溶液は、さらに共沈剤を含んでもよい。共沈剤としては、例えば、tRNA、ポリアデニン、アクリルアミド系ポリマー、グリコーゲン等が挙げられる。上記抽出溶液がさらに共沈剤を含む場合、より一層効率的に核酸をアニオン性吸着体に吸着させることができる。
また、上記金属カチオンは、あらかじめ抽出溶液に添加していても核酸の抽出を阻害しない。したがって、核酸の抽出に煩雑な工程を必要としない。
上記抽出溶液が2価以上の金属カチオンを含む場合、上記抽出溶液中に含まれる2価以上の金属カチオンの濃度は、特に限定されないが、好ましくは0.5mol/L以上、より好ましくは1.0mol/L以上、好ましくは6.0mol/L以下、より好ましくは5.0mol/L以下である。上記抽出溶液中に含まれる2価以上の金属カチオンの濃度が上記範囲内にある場合、核酸をより一層短時間でかつ効率よく回収することができる。
上記抽出溶液は、上述した成分以外に、pH調整剤、安定化剤等の他の成分をさらに含んでいてもよい。
(吸着工程)
次に、本発明の第1の実施形態に係る核酸の単離方法は、核酸を含む抽出溶液を、アニオン性吸着体に接触させる工程を備える。以下、本工程を「吸着工程」として説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る核酸の単離方法で用いるチップを示す模式的平面図である。また、図2は、図1のA-A線に沿う部分の模式的断面図である。なお、以下の説明において、チップ1を含むマイクロ流体デバイスを用いて核酸の単離を行っているが、他の容器を用いて核酸の単離を行ってもよく、特に限定されない。
図1及び図2に示すように、チップ1は、流体が送液される流路2を有する。流路2の途中には、回収部3が設けられている。従って、流路2は、回収部3より上流側に設けられた上流側流路2aと、回収部3より下流側に設けられた下流側流路2bとを有する。なお、チップ1は、板状の基板5と、カバー部材6とを有する。カバー部材6は、基板5の主面5a上において、基板5の凹部5bの開口を閉成するように設けられている。それによって、上流側流路2a、回収部3、及び下流側流路2bが形成されている。基板5を構成する材料は、特に限定されず、例えば、合成樹脂、ゴム、金属などを用いることができる。また、カバー部材6は、例えば、樹脂フィルムなどの可撓性を有する材料により構成することができる。
アニオン性吸着体;
回収部3には、核酸を担持させ、回収するためのアニオン性吸着体4が配置されている。アニオン性吸着体4は、核酸を担持させるための担持体である。
アニオン性吸着体4の形態は、特に限定されないが、例えば、膜、フィルター、プレート、繊維状、チューブ、粒子、多孔質等の形態で用いることができる。アニオン性吸着体4の形状は、繊維、粒子、又は多孔質体であることが好ましい。
アニオン性吸着体4としては、特に限定されないが、例えば、ケイ素化合物類、リン酸塩鉱物類、ケイ酸塩鉱物類、又はアルミノケイ酸塩鉱物類等により構成することができる。ケイ素化合物類としては、例えば、シリカ、ガラス等が挙げられる。リン酸塩鉱物類としては、ヒドロキシアパタイト等が挙げられる。ケイ酸塩鉱物類としては、タルク、モンモリロナイト等が挙げられる。アルミノケイ酸塩鉱物類としては、ゼオライト等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
アニオン性吸着体4としては、シリカ繊維やガラス繊維であることが好ましく、シリカ繊維であることがより好ましい。本実施形態では、アニオン性吸着体4としてシリカ繊維を用いている。もっとも、アニオン性吸着体4は、シリカ粒子であってもよく、シリカの多孔質体であってもよい。
上記吸着工程では、上記抽出工程において得られた核酸を含む抽出溶液を、上流側流路2aから回収部3に送液し、アニオン性吸着体4に接触させる。上記吸着工程により、上記抽出溶液に含まれる核酸がアニオン性吸着体4に吸着される。
(洗浄工程)
次に、本発明の第1の実施形態に係る核酸の単離方法は、洗浄溶液をアニオン性吸着体に接触させる工程を備える。また、上記洗浄溶液は、塩基性化合物を含み、かつpHが塩基性化合物の共役酸のpKa以下である。以下、本工程を「洗浄工程」として説明する。
本発明の第1の実施形態に係る核酸の単離方法において、上記洗浄工程は、洗浄溶液を上流側流路2aから回収部3に送液し、アニオン性吸着体4に接触させる工程である。上記洗浄工程により、上記洗浄溶液に含まれる塩基性化合物を介して、核酸とアニオン性吸着体4との間に架橋構造が形成される。また、上記洗浄工程により、アニオン性吸着体4に吸着されている夾雑物を洗い流すことができる。
塩基性化合物;
上記洗浄溶液は、塩基性化合物を含み、かつpHが上記塩基性化合物の共役酸のpKa以下である。従って、上記洗浄溶液中において、上記塩基性化合物は一部が正に帯電したカチオンとして存在している。この場合、図3(a)に示すように、アニオン性吸着体4と核酸(通常、負に帯電している)との間に上記カチオンが架橋構造を形成することで、核酸を強固にアニオン性吸着体4に吸着させることができる。さらに、塩基性化合物がカチオンとして洗浄溶液中に溶解していることにより、核酸と均一に架橋構造を形成でき、核酸の回収率を高めやすくなる。
なお、本明細書において塩基性化合物とは、ブレンステッド・ローリーの定義に基づき、プロトン(H)を受け取る化合物又はそのイオンをいう。また、塩基性化合物の共役酸のpKaは、塩基性化合物が多段階電離をする場合は、1段階電離のときの共役酸の酸解離定数pKa1を意味する。
上記塩基性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよく、これらを組み合わせてもよい。マイクロ流体デバイスで用いる場合は、増粘効果の低いモノマーであることが好ましい。なお、モノマーの重量平均分子量は700以下であることが好ましい。オリゴマーの重量平均分子量は、1万未満であることが好ましい。ポリマーの重量平均分子量は、1万以上であることが好ましい。
上記塩基性化合物は、共役酸のpKaが好ましくは4以上であり、より好ましくは4.5以上であり、好ましくは6以下であり、より好ましくは5.5以下である。共役酸のpKaが上記範囲内である場合、核酸をより効率的に抽出することができる。
なお、上記塩基性化合物は、1価の塩基であっても、2価以上の塩基であってもよいが、2価以上の塩基であることが好ましい。この場合、核酸をより強固に吸着させることができる。
上記塩基性化合物は、アミノ基を有することが好ましい。上記塩基性化合物がアミノ基を有するモノマーである場合、このようなモノマーとしては、例えば、ポリアミン系モノマー、ラジカル反応性アミンモノマー、重縮合性アミンモノマー、アミノ糖類、又はピリジン類等が挙げられる。これらのモノマーは、1種を単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
ポリアミン系モノマーとしては、例えば、メラミン、ピペラジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、メトキシアミン、ジメチルヒドロキシアミン、トリスジメチルアミノエチルアミン、ジエチレントリアミン、メチルアミノアセトニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、ニトロウレア、アミノエチルモルフォリン、ヘキサメチレンテトラアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルヒドロキシアミン、イソキノリン、ヒスチジン、ベンゾイミダゾール、ビグアニド、スペルミン、スペルミジン、プトレッシン等が挙げられる。
ラジカル反応性アミンモノマーとしては、例えば、アリルアミン、アクリルアミン等が挙げられる。
重縮合性アミンモノマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
アミノ糖類としては、例えば、アカルボース、N-アセチルノイラミン酸、ホスホリボシルアミン、グルコサミン等が挙げられる。
ピリジン類としては、例えば、ピリジン、ニコチン酸、コチン酸アミド、イソニアジド、ニコチン、ブルシン、ビタミンB6等が挙げられる。
上記塩基性化合物がアミノ基を有するポリマーである場合、このようなポリマーとしては、例えば、長鎖ポリアミン(LCPAs)類、アミノ糖系多糖類、ピリジン系ポリマー、上記モノマーに由来する繰り返し構造単位を有するポリマー等が挙げられる。これらのポリマーは、1種を単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
長鎖ポリアミン(LCPAs)類としては、例えば、シラフィンやsilacidin等が挙げられる。
アミノ糖系多糖類としては、例えば、キトサン等が挙げられる。
ピリジン系ポリマーとしては、ポリピリジン、ポリアルキルピリジニウム(polyalkylpyridinium)等が挙げられる。
オリゴマーとしては、例えば、上記モノマーに由来する繰り返し構造単位を有するオリゴマーを用いることができる。
なかでも、核酸をより一層確実にアニオン性吸着体4に担持させる観点から、上記塩基性化合物としては、メラミン、ピペラジン、又は1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)が好ましく、メラミンがより好ましい。メラミンの水溶液中におけるpKaは、5.0~5.1である。そのため、pHが7の水溶液中では、下記式(1)に示すように、非電離状態となる。また、pHが4の水溶液中では、下記式(2)~(4)に示すように、一部又は全部が電離し、1価~3価のカチオンとなる。従って、メラミンは、pKaが4以上、6以下の化合物として好適に用いることができる。
Figure 0007421469000001
Figure 0007421469000002
Figure 0007421469000003
Figure 0007421469000004
上記洗浄溶液のpHは、上記pKa以下である限りにおいて、特に限定されない。もっとも、上記塩基性化合物を介してアニオン性吸着体4により一層確実に担持させる観点からは、上記pKaと上記洗浄溶液のpHとの差が、好ましくは1以上、より好ましくは2以上である。上記pKaと上記洗浄溶液のpHとの差の上限値は、特に限定されないが、例えば、5とすることができる。
上記洗浄溶液中における塩基性化合物の濃度は、特に限定されないが、好ましくは10mmol/L以上、好ましくは1mol/L以下、より好ましくは500mmol/L以下である。塩基性化合物の濃度が、上記範囲内にある場合、核酸を塩基性化合物を介してアニオン性吸着体4により一層確実に担持させることができる。
なお、本発明においては、アニオン性吸着体4の形状が、繊維又は多孔質体の場合は、上記化合物が、モノマーであることが好ましい。この場合、アニオン性吸着体4と上記化合物との接触をより一層効率良く行うこができる。
また、アニオン性吸着体4の形状が、粒子である場合は、アミン系化合物が、ポリマーであることが好ましい。この場合、アニオン性吸着体4とアミン系化合物との接触をより一層効率良く行うことができる。
(回収工程)
次に、本発明の第1の実施形態に係る核酸の単離方法は、回収溶液をアニオン性吸着体に接触させる工程を備える。以下、本工程を「回収工程」として説明する。
本発明の第1の実施形態に係る核酸の単離方法において、上記回収工程は、回収溶液を上流側流路2aから回収部3に送液し、アニオン性吸着体4に接触させる工程である。このとき、回収溶液のpHは上記塩基性化合物のpKaよりも大きいため、回収溶液中において、上記塩基性化合物の大部分は非電離状態となる。そのため、回収溶液を回収部3に送液すると、図3(b)に示すように、負に帯電した核酸及び塩基性化合物間と、アニオン性吸着体4及び塩基性化合物間におけるイオン結合が崩壊する。従って、回収溶液を回収部3に送液すると、核酸をアニオン性吸着体4から単離させ、回収口7から核酸を回収することができる。なお、回収溶液のpHと上記pKaとの差は、好ましくは1以上、より好ましくは2以上である。回収溶液のpHと上記pKaとの差の上限値は、特に限定されないが、例えば、3とすることができる。
このように、本実施形態における核酸の単離方法では、抽出溶液と、塩基性化合物を含み、かつpHが塩基性化合物の共役酸のpKa以下である洗浄溶液とを用いて、核酸をアニオン性吸着体4に強固に吸着させることができる。また、pHが塩基性化合物の共役酸のpKa以上である回収溶液を用いて、核酸をアニオン性吸着体4から単離させ、回収することができる。従って、本実施形態の核酸の単離方法では、アルコールを用いずとも、抽出溶液、洗浄溶液、及び回収溶液により容易に核酸を回収することができる。
また、回収溶液のpHは、塩基性化合物の共役酸のpKa以上であればよく、例えば、中性であってもよい。そのため、中性の回収溶液により核酸を単離させ、回収することができるので、後工程の検査や分析において酵素反応等の反応が阻害されることを抑制することもできる。
(その他の工程)
なお、本発明の第1の実施形態に係る核酸の単離方法は、上述した工程以外の工程を任意で含んでいてもよい。例えば、上記吸着工程の後に、乾燥工程等のその他の工程を含んでいてもよい。
(第2の実施形態に係る核酸の単離方法)
本発明の第2の実施形態に係る核酸の単離方法は、核酸を含む試料と抽出溶液とを混合し、抽出溶液中に核酸を分散する工程と、核酸を含む抽出溶液を、アニオン性吸着体に接触させる工程と、回収溶液をアニオン性吸着体に接触させる工程と、を備える。抽出溶液は、タンパク質変性剤と、塩基性化合物とを含み、かつpHが塩基性化合物の共役酸のpKa以下である。回収溶液は、pHが塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。
第2の実施形態に係る核酸の単離方法では、抽出溶液が塩基性化合物を含み、かつpHが塩基性化合物の共役酸のpKa以下である点において、第1の実施形態に係る核酸の単離方法と相違する。
上記の点を除き、第2の実施形態に係る核酸の単離方法としては、第1の実施形態に係る核酸の単離方法と同様の工程を採用することができる。なお、第2の実施形態に係る核酸の単離方法においては、洗浄工程を必ずしも設ける必要はない。第2の実施形態に係る核酸の単離方法において洗浄工程を設けない場合、より簡便、迅速に核酸を単離することができる。一方、本発明の第2の実施形態に係る核酸の単離方法において洗浄工程を設ける場合、より夾雑物の少ない核酸を単離することができる。なお、第2の実施形態に係る核酸の単離方法において、洗浄溶液としては、pHが上記塩基性化合物のpKa以下である溶液であればよい。この場合、核酸をアニオン性吸着体に吸着させたまま、夾雑物等を洗い流すことができる。
本発明の第2の実施形態に係る核酸の単離方法によれば、アルコールを用いずとも、抽出溶液及び回収溶液により容易に核酸を回収することができる。
[核酸の単離キット]
本発明は、核酸の単離キットにも関する。
(第1の実施形態に係る核酸の単離キット)
本発明の第1の実施形態に係る核酸の単離キットは、抽出溶液と、洗浄溶液と、回収溶液と、アニオン性吸着体と、を含む。また、抽出溶液は、タンパク質変性剤を含む。洗浄溶液は、塩基性化合物を含み、かつpHが塩基性化合物の共役酸のpKa以下である。回収溶液は、pHが塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。第1の実施形態に係る核酸の単離キットであれば、上述の第1の実施形態に係る核酸の単離方法を用いることにより、アルコールを用いずとも、抽出溶液、洗浄溶液及び回収溶液により容易に核酸を単離することができる。
第1の実施形態に係る核酸の単離キットにおいて、上記抽出溶液、洗浄溶液、回収溶液、及びアニオン性吸着体としては、上述の第1の実施形態に係る核酸の単離方法において説明したものと同様のものを用いることができる。
(第2の実施形態に係る核酸の単離キット)
また、本発明の第2の実施形態に係る核酸の単離キットは、抽出溶液と、回収溶液と、アニオン性吸着体と、を含む。また、抽出溶液は、タンパク質変性剤と、塩基性化合物とを含み、かつpHが塩基性化合物の共役酸のpKa以下である。回収溶液は、pHが塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。第2の実施形態に係る核酸の単離キットであれば、上述の第2の実施形態に係る核酸の単離方法を用いることにより、アルコールを用いずとも、抽出溶液及び回収溶液により容易に核酸を回収することができる。
第2の実施形態に係る核酸の単離キットにおいて、上記抽出溶液、回収溶液、及びアニオン性吸着体としては、上述の第2の実施形態に係る核酸の単離方法において説明したものと同様のものを用いることができる。また、第2の実施形態に係る核酸の単離キットは、洗浄溶液をさらに含んでいてもよい。洗浄溶液としては、第2の実施形態に係る核酸の単離方法において説明したものと同様のものを用いることができる。
第1の実施形態及び第2の実施形態に係る核酸の単離キットにおいて、抽出溶液、洗浄溶液、及び回収溶液は、第1の容器、第2の容器、及び第3の容器にそれぞれ収納されていることが好ましい。また、上記アニオン性吸着体は、上部と下部が開口しているカラムの内部に保持されていることが好ましい。さらに、上記第1の容器、第2の容器、第3の容器、及びカラムは、これらを箱に収納した状態で提供されることが好ましい。また、上記箱には当該核酸の単離キットの使用方法等を説明する添付文書がさらに収納されていることが好ましい。
[検査チップ]
本発明は、検査チップにも関する。
(第1の実施形態に係る検査チップ)
本発明の第1の実施形態に係る検査チップは、核酸を含む抽出溶液を保持する抽出溶液保持部と、洗浄溶液を保持する洗浄溶液保持部と、回収溶液を保持する回収溶液保持部と、アニオン性吸着体を含む回収部と、核酸分析部と、を備える。また、抽出溶液は、タンパク質変性剤を含む。洗浄溶液は、塩基性化合物を含み、かつpHが塩基性化合物の共役酸のpKa以下である。回収溶液は、pHが塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。
第1の実施形態に係る検査チップにおいて、上記抽出溶液、洗浄溶液、回収溶液、及びアニオン性吸着体としては、上述の第1の実施形態に係る核酸の単離方法において説明したものと同様のものを用いることができる。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る検査チップにおける流路構造の一例を示す模式図である。また、図5は、図4のB-B線に沿う部分の正面断面図である。
図4及び図5において、検査チップ11は、基板12と、封止シート13とを備える。基板12は、特に限定されないが、本実施形態では、矩形板状の形状を有する。基板12は、封止シート13側の面である第1の面12aと、第1の面12aに対向している第2の面12bとを有する。検査チップ11において、第1の面12a側に設けられた複数の溝部が封止シート13によって封止されることにより、第1~第5の流路24A~24E、及び回収部28が形成されている。また、回収部28には、アニオン性吸着体14が設けられている。
基板12を構成する材料としては、例えば合成樹脂等の適宜の材料からなる。封止シート13を構成する材料としては、例えば樹脂フィルム等が挙げられる。
第1~第3の流路24A~24Cは、上流端がマイクロポンプ23A~23Cに接続されており、下流端が回収部28に接続されている。第1の流路24Aの途中には抽出液保持部25が設けられている。第2の流路24Bの途中には洗浄液保持部26が設けられている。また、第3の流路24Cの途中には、回収液保持部27が設けられている。
マイクロポンプ23A~23Cとしては、特に限定されないが、例えば光ガス発生テープ等が挙げられる。光ガス発生テープとは、光照射により気体を発生することができるテープである。
第4の流路24Dは、上流端が回収部28に接続されており、下流端が廃液部29に接続されている。また、第4の流路24Dの途中には、弁部21Aが、第4の流路24Dを開閉可能とするように設けられている。
第5の流路24Eは、上流端が回収部28に接続されており、下流端が核酸分析部22に接続されている。また、第5の流路24Eの途中には、弁部21Bが第5の流路24Eを開閉可能とするように設けられている。
核酸分析部;
回収溶液によって核酸が単離された後、核酸分析部22において核酸の分析が行われる。核酸分析部22において行われる核酸の分析方法としては、特に限定されないが、例えば、PCR(Polymerase Chain Reaction)等が挙げられる。核酸の単離と分析とを迅速に行うため、核酸の分析に用いられる試薬が核酸分析部22にあらかじめ設けられていることが好ましい。このような核酸の分析に用いられる試薬としては、例えばPCR用のプライマーやポリメラーゼ等が挙げられる。
次に、第1の実施形態に係る検査チップを用いた核酸の単離方法の一例について説明する。
まず、検査チップ11の系外において、上述した抽出溶液と核酸を含む試料とを混合し、核酸を含む抽出溶液を得る(抽出工程)。次に、核酸を含む抽出溶液を、抽出溶液保持部25に注入口(図示せず)から注入する。次に、マイクロポンプ23Aを駆動し、抽出溶液保持部25に注入された抽出溶液を回収部28のアニオン性吸着体14に接触させた後、廃液部29に送液する(吸着工程)。なお、このとき弁部21Aは開放されており、弁部21Bは閉止されている。次に、マイクロポンプ23Bを駆動し、洗浄溶液保持部26に保持されている洗浄溶液を回収部28のアニオン性吸着体14に接触させた後、廃液部29に送液する(洗浄工程)。次に、弁部21Aを閉止し、弁部21Bを開放する。次に、マイクロポンプ23Cを駆動し、回収溶液保持部27に保持されている回収溶液をアニオン性吸着体14に接触させることにより、核酸を単離し、核酸を含む回収溶液を核酸分析部22に送液する(回収工程)。
第1の実施形態に係る検査チップであれば、上記第1の実施形態に係る核酸の単離方法を用いることにより、アルコールを用いずとも、抽出溶液、洗浄溶液及び回収溶液により容易に核酸を単離、分析することができる。
なお、第1の実施形態に係る検査チップの構造、及びこれを用いた核酸の単離方法は一例であり、本発明の目的を達成できる範囲内において適宜変更できる。
(第2の実施形態に係る検査チップ)
本発明の第2の実施形態に係る検査チップは、核酸を含む抽出溶液を保持する抽出溶液保持部と、回収溶液を保持する回収溶液保持部と、アニオン性吸着体を含む回収部と、核酸分析部と、を備える。抽出溶液は、タンパク質変性剤と、塩基性化合物とを含み、かつpHが塩基性化合物の共役酸のpKa以下である。また、回収溶液は、pHが塩基性化合物の共役酸のpKa以上である。
第2の実施形態に係る検査チップにおいて、上記抽出溶液、回収溶液、及びアニオン性吸着体としては、上述の第2の実施形態に係る核酸の単離方法において説明したものと同様のものを用いることができる。
また、第2の実施形態に係る検査チップは、洗浄溶液を保持する洗浄溶液保持部をさらに含んでいてもよい。洗浄溶液としては、上述の第2の実施形態に係る核酸の単離方法において説明したものと同様のものを用いることができる。
第2の実施形態に係る検査チップとしては、第1の実施形態に係る検査チップと同様の構造の検査チップを用いることができる。なお、第2の実施形態に係る検査チップにおいては、洗浄溶液保持部を必ずしも設ける必要はない。第2の実施形態に係る検査チップにおいて、洗浄溶液保持部を設けない場合、より簡便、迅速に核酸を単離することができる。一方、第2の実施形態に係る検査チップにおいて、洗浄溶液保持部を設ける場合、より夾雑物の少ない核酸を単離することができる。
第2の実施形態に係る検査チップを用いた核酸の単離方法としては、第1の実施形態に係る検査チップを用いた核酸の単離方法と同様の方法を採用することができる。なお、第2の実施形態に係る検査チップを用いた核酸の単離方法としては、洗浄工程を必ずしも設ける必要はない。第2の実施形態に係る検査チップにおいて、洗浄工程を設けない場合、より簡便、迅速に核酸を単離することができる。一方、第2の実施形態に係る検査チップにおいて、洗浄工程を設ける場合、より夾雑物の少ない核酸を単離することができる。
第2の実施形態に係る検査チップであれば、上述の第2の実施形態に係る核酸の単離方法を用いることにより、アルコールを用いずとも、抽出溶液、洗浄溶液及び回収溶液により容易に核酸を単離、分析することができる。
なお、第2の実施形態に係る検査チップの構造、及びこれを用いた核酸の単離方法は一例であり、本発明の目的を達成できる範囲内において適宜変更できる。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、以下のようにして図1及び図2に示すチップ1を作製した。
基板5を構成する材料として、シクロオレフィンポリマーを用い、これを射出成形することにより、凹部5bを有する基板5を作製した。また、カバー部材6には、封止テープを用い、封止テープで基板5の凹部5bを閉成することによりチップ1を作製した。なお、回収部3には、アニオン性吸着体4としてシリカ繊維(GEヘルスケア社製「GF/D」、2mmφ、厚み0.8mm)を配置した。なお、流路2の幅は、0.8mmとし、深さは0.5mmとした。
このようなチップ1を用いて、以下のようにしてRNA回収率を測定した。
RNAの単離;
まず、チップ1の系外において、ウイルス(ATCC社製のFluA H1N1;5000コピー)を表1に示す組成の抽出溶液500μLに添加し、核酸(RNA)を抽出溶液中に分散させた抽出溶液を得た。なお、表1に示す共沈剤(ポリアデニン)は、抽出溶液500μLあたり3μg添加した。次に、上記のRNAを含む抽出溶液150μLを回収部3に送液し、RNAをシリカ繊維に吸着させた。RNAを含む抽出溶液の送液後に、表1に示す洗浄溶液200μLを回収部3に送液し、シリカ繊維を洗浄した。
次に、回収溶液としてTris-HCl Buffer(50mM、pH8.5)30μLを回収部3に送液することにより、回収部3に担持されたRNAを単離させ、回収した。
(RNA回収率の算出)
次に、核酸を回収した回収溶液のうち2μLを取り出し、TaqPath qPCR and RT-qPCR Master Mixes(Thermofisher社製)を用いて、PCR反応溶液を調整した。なお、PCR用のプライマーとしては、バイオサーチテクノロジー社製のPDM 2009 H1N1検出用プライマー(InfA,Universal Influenza a Primer)を用いた。
また、スタンダードとして、同じウイルスをQIAGEN社製、QIAamp Viral RNA Mini Kitを用いて抽出・精製した溶液を2μL入れたPCR反応溶液(核酸濃度は100,000・50,000・5,000・500copies/μLの4水準)も調整した。
次に、回収溶液から調整したPCR反応溶液及びスタンダードPCR反応溶液をサーマルサイクラー「LightCycler(Roche社)」を用いて増幅した。増幅は95℃-20秒にて加熱した後、95℃-3秒、60℃-5秒のサイクルを45回行った。
増幅後、LightCyclerがスタンダードから自動計算する事により得られる核酸量から、以下の計算式によりRNA回収率(核酸回収率)を算出した。
核酸回収率(%)={(LightCyclerが算出した核酸量×回収液量/2)×100}/5,000
(実施例2~7)
抽出溶液、洗浄溶液中に含まれる化合物の種類及び添加量を下記の表1のように変更したこと、さらに実施例6においては洗浄工程を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にしてRNA回収率を求めた。結果を下記の表1に示す。なお、実施例2のDABCOの共役酸のpKaは4.2であり、実施例3のピペラジンの共役酸のpKaは5.7である。また、表1では、mol/LをMで表している。
(比較例1)
比較例1では、洗浄溶液としてエタノール200μLを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてRNA回収率を求めた。
(比較例2)
比較例2では、RNAを含む抽出溶液の送液後に、洗浄溶液を送液しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてRNA回収率を求めた。
結果を下記の表1に示す。
Figure 0007421469000005
本発明によれば、アルコールを用いる必要がなく、核酸を簡便に抽出することができる核酸の単離方法、核酸の単離キット、及び検査チップを提供することができる。
1…チップ
2…流路
2a…上流側流路
2b…下流側流路
3…回収部
4…アニオン性吸着体
5…基板
5a…主面
5b…凹部
6…カバー部材
7…回収口
11…検査チップ
12…基板
12a,12b…第1,第2の面
13…封止シート
14…アニオン性吸着体
21A,21B…第1,第2の弁部
22…核酸分析部
23A~23C…マイクロポンプ
24A~24E…第1~第5の流路
25…抽出液保持部
26…洗浄液保持部
27…回収液保持部
28…回収部
29…廃液部

Claims (13)

  1. 核酸を含む試料と抽出溶液とを混合し、前記抽出溶液中に前記核酸を分散する工程と、
    前記核酸を含む抽出溶液を、アニオン性吸着体に接触させる工程と、
    洗浄溶液を前記アニオン性吸着体に接触させる工程と、
    回収溶液を前記アニオン性吸着体に接触させる工程と、
    を備え、
    前記抽出溶液は、タンパク質変性剤を含み、
    前記洗浄溶液は、塩基性化合物を含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、
    前記塩基性化合物が、メラミン、ピペラジン、及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である、核酸の単離方法。
  2. 前記抽出溶液は、価数が2価以上である金属カチオンをさらに含む、請求項1に記載の核酸の単離方法。
  3. 核酸を含む試料と抽出溶液とを混合し、前記抽出溶液中に前記核酸を分散する工程と、
    前記核酸を含む抽出溶液を、アニオン性吸着体に接触させる工程と、
    回収溶液を前記アニオン性吸着体に接触させる工程と、
    を備え、
    前記抽出溶液は、タンパク質変性剤と、塩基性化合物とを含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、
    前記塩基性化合物が、メラミン、ピペラジン、及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である、核酸の単離方法。
  4. 前記塩基性化合物の共役酸のpKaが4以上、6以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の核酸の単離方法。
  5. 前記塩基性化合物が、メラミンである、請求項1~4のいずれか1項に記載の核酸の単離方法。
  6. 前記抽出溶液が、さらに両性イオン化合物を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の核酸の単離方法。
  7. 前記アニオン性吸着体にアルコールを含む溶液を接触させる工程を含まない、請求項1~6のいずれか1項に記載の核酸の単離方法。
  8. 抽出溶液と、
    洗浄溶液と、
    回収溶液と、
    アニオン性吸着体と、
    を含み、
    前記抽出溶液は、タンパク質変性剤を含み、
    前記洗浄溶液は、塩基性化合物を含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、
    前記塩基性化合物が、メラミン、ピペラジン、及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である、核酸の単離キット。
  9. 前記抽出溶液は、価数が2価以上である金属カチオンをさらに含む、請求項8に記載の核酸の単離キット。
  10. 抽出溶液と、
    回収溶液と、
    アニオン性吸着体と、
    を含み、
    前記抽出溶液は、タンパク質変性剤と、塩基性化合物とを含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、
    前記塩基性化合物が、メラミン、ピペラジン、及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である、核酸の単離キット。
  11. 核酸を含む抽出溶液を保持する抽出溶液保持部と、
    洗浄溶液を保持する洗浄溶液保持部と、
    回収溶液を保持する回収溶液保持部と、
    アニオン性吸着体を含む回収部と、
    核酸分析部と、
    を備え、
    前記抽出溶液は、タンパク質変性剤を含み
    前記洗浄溶液は、塩基性化合物を含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、
    前記塩基性化合物が、メラミン、ピペラジン、及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である、検査チップ。
  12. 前記抽出溶液は、価数が2価以上である金属カチオンをさらに含む、請求項11に記載の検査チップ。
  13. 核酸を含む抽出溶液を保持する抽出溶液保持部と、
    回収溶液を保持する回収溶液保持部と、
    アニオン性吸着体を含む回収部と、
    核酸分析部と、
    を備え、
    前記抽出溶液は、タンパク質変性剤と、塩基性化合物とを含み、かつpHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以下であり、
    前記塩基性化合物が、メラミン、ピペラジン、及び1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンからなる群から選択される少なくとも1種を含有し、
    前記回収溶液は、pHが前記塩基性化合物の共役酸のpKa以上である、検査チップ。
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