JP7419860B2 - ガスシールド溶接方法及び溶接トーチ - Google Patents

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Description

本発明は、ガスシールド溶接方法及び溶接トーチに関するものである。
アーク溶接を行うにあたって、溶接部を大気から保護するシールドガスとしてアルゴン等の不活性ガスや、不活性ガスと炭酸ガスの混合ガスを用いるガスシールドアーク溶接装置が従来から広く使用されている。このガスシールドアーク溶接装置の溶接トーチは、例えば特許文献1に開示されているように、溶接トーチの先端側に円筒状のノズルと、ノズルの中空部分に収納されたコンタクトチップと、コンタクトチップの中心軸に設けられた孔(ワイヤ通路)に挿通されてノズルの開口から突出したワイヤ状の電極を備え、ノズルの開口部からシールドガスを流出させながら母材の溶接を行う。
特開2017-209701号公報 WO2013/157036
しかしながら、ワイヤ状の電極の先端から発生するアーク放電によってシールドガスの流れが乱されてしまい、シールド性が悪化して溶接不良が発生してしまうという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シールド性を容易に向上させることができるガスシールド溶接方法を提供することにある。
本発明のガスシールド溶接方法は、中空筒型のノズル内に設置されるとともに、前記ノズル開口部から突出する電極を用いて行うガスシールド溶接方法であって、トーチ本体と、前記トーチ本体に基端側が支持された円筒状のノズルと、前記トーチ本体に基端側が支持されるとともに前記ノズルの内部に当該ノズルの内壁から離間して配置されコンタクトチップと、前記ノズルと前記コンタクトチップとの間に前記ノズルの前記基端側から先端側の開口に向けてシールドガスが流れるガス通路とを備え、前記コンタクトチップは溶接材である電極を摺動可能に挿通させる電極通路を備えており、前記シールドガスの流れる方向に対して垂直な前記ガス通路の断面積は、前記ノズルの先端側に近づくにつれて小さくなっており、前記ノズル内を流れて前記ノズル開口部から吹き出すシールドガスにより、前記電極の先端から発生させる放電を大気と接触しないようにシールドし、前記ノズル内の前記シールドガスの流れを、前記電極の周辺の内側ガス流と、前記ノズルの内壁に沿って前記内側ガス流の回りを流れる外側ガス流との2つの流れとし、前記外側ガス流の流速が前記内側ガス流の流速よりも大きい。
上記の態様により、大気が電極の近傍に入り込むことを流速の大きい外側ガス流が防止して、シールド性を高く良好に保つことができる。また流速に違いがあることから外側ガス流の温度の方が内側ガス流の温度よりも低くなり、この温度差によってもシールド性を高く保つことができる。この態様により、ノズルの先端に近づくにつれてシールドガスの流速が大きくなり、少ないガス量でシールド性を高く保つことができる。
本発明の好ましい態様では、前記ガス通路は、前記ノズルと前記コンタクトチップとの間に配置され前記ノズルの先端側の開口まで延びている隔壁によってノズル側通路とコンタクトチップ側通路に分割されている。この態様により、シールドガスの流れがノズル側通路とコンタクトチップ側通路との2つに確実に分割されて、ノズル側通路を流れるシールドガスは溶接部分に大気が入り込むことを防ぐ役割を担い、コンタクトチップ側通路を流れるシールドガスは安定した放電を持続させる役割を担って、高いシールド性と高い溶接品質とを両立させることができる。
本発明の好ましい態様では、前記シールドガスの流れる方向に対して垂直な前記ノズル側通路の断面積は、前記ノズルの先端側に近づくにつれて小さくなっている。この態様により、ノズルの先端に近づくにつれてノズル側通路を流れるシールドガスの流速が大きくなり、少ないガス量でシールド性を高く保つことができる。
本発明の好ましい態様では、前記シールドガスの流れる方向に対して垂直な前記ノズル側通路の断面積は、前記ノズルの先端側に近づくにつれて小さくなっているとともに、前記ノズルの先端部分には前記ノズルの先端に近づくほど内径が拡大する内径拡大部が設けられている。すなわち、ノズル側通路の断面積は、ノズルの先端側に近づくにつれて小さくなっているのであるが、ノズルの先端ではノズル内径が大きくなってノズル側通路の断面積は逆に大きくなっている。この態様により、ノズル側通路の先端でのガスの吹き出し断面積が拡がってよりシールド性が向上する。
本発明の好ましい態様では、前記シールドガスの流れる方向に対して垂直な前記コンタクトチップ側通路の断面積は、前記ノズルの先端側に近づくにつれて大きくなっている。この態様により、ノズル側通路を流れるシールドガスは、コンタクトチップ側通路を流れるシールドガスよりも流速が大きくなり、シールド性を高く保つことができる。
本発明の好ましい態様では、前記隔壁は断熱性の材料により形成されている。断熱性の素材とは、例えば硝子繊維、炭素繊維、ロックウール、セラミックス等の無機物質や、硝子繊維や炭素繊維等と熱硬化性樹脂からなるFRPなどを挙げることができる。この態様により、ノズル側通路を流れるシールドガスが電極先端の放電により発生する熱を奪うことを防止でき、安定した溶接を行うことができる。
本発明の好ましい態様では、前記シールドガスとして活性ガスが含有されたガスが用いられる。この態様により、ノズル側通路を流れるシールドガスが電極先端近辺の放電部分への大気の入り込みを確実に抑制して、コンタクトチップ側通路を流れるシールドガスが安定した放電とそれによる安定した溶接に寄与し、溶接の良好な品質を確保することができる。
本発明の好ましい態様では、前記隔壁の先端部分には、前記内径拡大部に相対する部分に屈曲部が設けられ、前記ノズル側通路のうち前記屈曲部と前記内径拡大部とに挟まれている部分は、前記シールドガスの流れる方向に対する断面積が当該流れる方向に沿って略同じである。この態様により、外側ガス流のノズルの中心軸に近づく方向への広がりは小さくなり、実用的に十分なシールド性を有する。
本発明の別のガスシールド溶接方法は、中空筒型のノズル内に設置されるとともに、前記ノズル開口部から突出する電極を用いて行うガスシールド溶接方法であって、前記ノズル内を流れて前記ノズル開口部から吹き出すシールドガスにより、前記電極の先端から発生させる放電を大気と接触しないようにシールドし、前記ノズル内の前記シールドガスの流れを、前記電極の周辺の内側ガス流と、前記ノズルの内壁に沿って前記内側ガス流の回りを流れる外側ガス流との2つの流れとし、前記ノズル内壁と前記電極との間に隔壁を設けて、当該隔壁によって前記2つの流れを形成し、前記隔壁の先端は前記ノズル内壁の先端開口まで延びており、前記外側ガス流の流速が前記内側ガス流の流速よりも大きく、前記シールドガスには活性ガスが含有されている活性ガスとは、放電により被溶接材との化学反応が生じるガスのことで、例えば二酸化炭素を挙げることできる。この態様により2つの流れを確実に形成することができ、外側ガス流が電極先端近辺の放電部分への大気の入り込みを確実に抑制して内側ガス流が活性ガスによる安定したアーク放電とそれによる安定した溶接に寄与し、溶接の良好な品質を確保することができる。
本発明のガスシールド溶接方法は、ノズル内のシールドガスの流れを、電極の周辺の内側ガス流と、ノズルの内壁に沿って内側ガス流の回りを流れる外側ガス流との2つの流れにして、前者より後者のガス流の流速を大きくしているので、大気が電極の近傍に入り込むことを流速の大きい外側ガス流が防止して、シールド性を高く良好に保つことができる。
実施形態に係る溶接トーチの断面図である。 比較形態に係る溶接トーチの断面図である。 比較形態に係る溶接トーチを用いて溶接を行っている様子を表した模式的な断面図である。 実施形態2に係る溶接トーチの先端部分の模式的な断面図である。 実施形態3に係る溶接トーチの先端部分の模式的な断面図である。 実施形態4に係る溶接トーチの先端部分の模式的な断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
(実施形態1)
実施形態1に係る溶接トーチを図1に示す。また、比較形態にかかる溶接トーチを図2に示す。
本実施形態の溶接トーチ1は、トーチ本体2と、基端部がトーチ本体2に支持された円筒状のノズル3と、基端部がトーチ本体2に支持されノズル3の内部にノズル3の内壁35から離間して配置された棒状体のコンタクトチップ4を備えている。そして、ノズル3の内壁35とコンタクトチップ4の外周面との間にトーチ本体2側から供給されるシールドガスをノズル3の先端の開口部から流出させることができるガス通路30が形成されている。シールドガスは不図示のガス供給装置からトーチ本体2の本体ガス流路41を通って流量が調節されて供給される。溶接トーチ本体2は、ロボットアームに装着可能に構成されていてもよく、作業者が手に持って溶接可能なように構成されていてもよい。
ノズル3は円筒状であり、その基端側がトーチ本体2に例えば螺合により着脱可能なように形成されている。ノズル3の先端部分は開口している。また、基端側から先端側に向かう途中37からノズル3は内径、外径ともに先端に向かうにつれて径が小さくなって先窄まりとなっている。さらには、ノズル3の先端部に、先端に近づくほど内径が拡大する内径拡大部36が設けられている。なお、ノズル3は基端から先端まで一定の内径・外径で形成されていてもよい。
コンタクトチップ4は円柱形の棒状体であり、その基端側がトーチ本体2に例えば螺合により着脱可能なように形成されている。コンタクトチップ4の内部には、溶接材であるワイヤ形状の電極7を挿通させ摺動可能に支持する電極通路6が設けられている。溶接時には、不図示の電極送給装置から送られる電極7がトーチ本体側から電極通路6に挿通されてコンタクトチップ4の先端から突出するとともに、不図示の電源から供給される電流がコンタクトチップ4を介して電極通路6に支持された電極7に供給される。すなわち、コンタクトチップ4は、アーク溶接で電極7の位置決めをする役割とともに電極7と接触して溶接電流を流す役割を備えている。
次に、ノズル3の内壁35とコンタクトチップ4の外周面との間に形成されるガス通路30について説明する。このガス通路30は、ノズル側通路10とコンタクトチップ側通路20の2つから構成されている。ノズル側通路10は、隔壁5とノズル内壁35との間に形成されている。隔壁5は、ノズル3とコンタクトチップ4との間に配置されていてノズル3の先端開口まで延びており、断熱性の部材、例えばセラミックスにより形成されている。コンタクトチップ側通路20は、隔壁5とコンタクトチップ4の外周面との間に形成されている。即ち、隔壁5が、ノズル3とコンタクトチップ4との間に存在する空間(ガス通路30)を2つに分割している。
トーチ本体2側から供給されるシールドガスが、本体ガス流路41を通って、第1ガス孔42及び第2ガス孔(オリフィス)51を通過してガス通路30に流れ込む。第2ガス孔51は隔壁5に形成されていて、第2ガス孔51を通過したシールドガスがノズル側通路10を流れる。この流れが外側ガス流である。そして、ノズル3内径はノズル3の途中37から先窄まりになっているので、ガス通路30の断面積(シールドガスが流れる方向、即ち基端側から先端側に向かう方向に対して垂直な断面積)はこの途中37からノズル3先端に近づくにつれて小さくなっている。これにより、ノズル3の先端に近づくにつれて外側ガス流の流速が大きくなっていく。従って、ガス量が少なくても高いシールド性や安定したアーク放電のために必要なガス流速を確保することができる。なお、シールド性は、シミュレーションにより求めた酸素濃度分布によって評価することができる。
一方、図2に示す比較形態に係る溶接トーチ200は、隔壁5aがノズル3の開口部まで延びておらず、コンタクトチップ4の基端部分よりもさらにトーチ本体2側に隔壁5aの先端が存在している。このため、比較形態に係るガス通路31はノズル3内の大部分の空間で1つの通路として形成されている。このため、シールドガスは大気をシールドする部分とアーク放電する部分とが混合してしまい、シールド性と放電安定性とを両立するようにシールドガスの流れを制御することが非常に困難になっている。なお、本実施形態に係る溶接トーチ1と比較形態に係る溶接トーチ200との違いは、隔壁の形状の違いのみである。比較形態に係る隔壁5aはシールドガスの流れを層流にするために設置されているものである。
比較形態に係る溶接トーチ200を用いて溶接する様子を図3に模式的に示す。2枚の金属板300を溶接する際に、電極7の周囲をシールドガス流92が包み込むように流れる。例えば、MAG溶接であると、活性ガスである二酸化炭素が含まれたガスがシールドガスとして使用され、この活性ガスは電極7近辺でアーク94に引き込まれて電離するとともに流速が数十倍に加速されて溶接部分に向かって流れる。一方、ノズル3の内壁周辺を流れるシールドガス流92はノズル3の開口部から吹き出したあと、電極7から遠ざかる方向へ流れて酸素を含む大気が溶接部分に流れ込まないようにシールドする。しかしながら、アーク94は高温で流速が大きいので、ノズル3の内壁周辺を流れるシールドガス流92はその影響を受けやすく、シールド性を高く保持しにくい。特に被溶接部材の面に対して電極7を垂直ではなく、傾けて溶接を行う場合に、シールド性を保持しにくくなる。
それに対して本実施形態においては、ノズル3の先端までガス通路30がノズル側通路10とコンタクトチップ側通路20とに分かれているので、大気をシールドするためのシールドガスの流れと、アーク放電に関わるシールドガスの流れとが別々の流れになり、シールド性と放電安定性とを両立するようにシールドガスの流れを制御することが可能となっている。シールドガスの供給温度を大気と同じ温度に設定してシミュレーションを行ったところ、図1のA点での温度は周辺の大気温とほぼ同じであったが、B点の温度はアーク放電の影響を受けて140度ほど周辺の大気温よりも高くなっていた。隔壁5を断熱性の部材で形成しているので、外側ガス流にアーク放電の熱が伝わらないようになり、このような温度差が生じる要因の一つになっている。このようにシールドを担う外側ガス流は温度が低いのでガス密度が高く、これによるシールド性の向上も観測された。
また、本実施形態においてはノズル側通路10は、基端側から先端側に近づくにつれて、シールドガスが流れる方向に対して垂直な断面積が小さくなっているが、ノズル3の先端部に内径拡大部36が設けられているので、この部分では断面積が先端側に近づくにつれて大きくなっている。ノズル側通路10は、内径拡大部36においてノズル3の内壁の径が拡大しており、その径の広がり度合いに比べて隔壁5の径の広がり度合いは小さいので、ノズル3の開口部においてノズル3の中心軸に近い側では中心軸に平行にシールドガスが吹き出し(内側ガス流)、ノズルの内壁面側では外方に拡がるようにシールドガスが吹き出す(外側ガス流)構成となっている。このため、ノズル側通路10の先端での吹き出し断面積が拡がってシールド性がより向上する。なお、本実施形態ではノズル形状を先窄まりにしてノズル側通路10断面積を基端側から先端側に近づくにつれて小さくしているが、隔壁5を基端側から先端側に近づくにつれてノズル3に近づけることにより断面積を小さくしてもかまわない。
一方、コンタクトチップ側通路20は、隔壁5が先端側に近づくにつれて外方にやや拡がっていっている(径が大きくなっている)ので、先端側に近づくにつれて通路断面積が大きくなっている。したがって、アーク溶接に用いられるノズル3内の内側ガス流はプラズマ気流の影響を受けやすい低速となっていて、安定した溶接を行えるようになっている。
本実施形態にかかる溶接トーチ1は、比較形態に係る溶接トーチ200に比べて、ノズル3開口部にまで延びている隔壁5によってシールドガスの流れを内側ガス流と外側ガス流との2つに明確に分けることができ、外側ガス流は流速を大きくしてシールド性を高くし、内側ガス流は外側ガス流に比べて流速を小さくしてアークを安定にすることができ、高品質の溶接を行うことができる。ノズル3の内径や内壁形状と隔壁5の径や形状とを適宜設定することによって、このような流速の異なる2つのガス流を簡単に形成することができる。
(実施形態2)
実施形態2に係る溶接トーチ102を図4に示す。本実施形態の溶接トーチ102は、実施形態1に係る溶接トーチ1とは、ノズル302の先端部分の形状のみが異なっているので、この異なっている部分のみを以下に説明を行う。
本実施形態の溶接トーチ102は、ノズル302の先端部分に内径拡大部が設けられていない。そして、ノズル302の先端部分の内壁はノズル開口に至るまで内径が漸減しており、隔壁502は実施形態1と同様に隔壁502はノズル開口に至るまで径が漸減(ノズル内壁よりも減少割合は小さい)している。そのため、実施形態1に比べて、ノズル開口から吹き出す外側ガス流の流速は大きいが、外側ガス流のノズル302の中心軸から離れる方向への広がりは小さくなる。これにより、シールド性は実施形態1よりは低くなるが、実用的には十分なシールド性を有している。それ以外の実施形態1の効果と同じ効果を実施形態2に係る溶接トーチ102は奏する。
(実施形態3)
実施形態3に係る溶接トーチ104を図5に示す。本実施形態の溶接トーチ104は、実施形態1に係る溶接トーチ1とは、隔壁504の先端部分の形状のみが異なっているので、この異なっている部分のみを以下に説明を行う。
本実施形態の溶接トーチ104は、実施形態1と同様にノズル304の先端部分に内径拡大部336が設けられており、隔壁504はその先端部分に外方屈曲部514が設けられている。外方屈曲部514は内径拡大部336に相対する部分に設けられていて、ノズル側通路のうち外方屈曲部514と内径拡大部336とに挟まれている部分は外側ガス流の流れ方向に対して通路幅がほぼ同じになるように設定されている。一方、外方屈曲部514はそれよりも上の部分と同じ厚みであって、そのため内側ガス流はノズル開口において実施形態1よりも外側に拡がっている。このような形状により、本実施形態では実施形態1に比べて、ノズル開口から吹き出す外側ガス流の流速は大きいが、外側ガス流のノズル304の中心軸に近づく方向への広がりは小さくなる。これにより、シールド性は実施形態1よりは低くなるが、実用的には十分なシールド性を有している。それ以外の実施形態1の効果と同じ効果を実施形態3に係る溶接トーチ104は奏する。
(実施形態4)
実施形態4に係る溶接トーチ106を図6に示す。本実施形態の溶接トーチ106は、実施形態1に係る溶接トーチ1とは、隔壁506の先端部分の形状のみが異なっているので、この異なっている部分のみを以下に説明を行う。
本実施形態の溶接トーチ106は、実施形態1と同様にノズル306の先端部分に内径拡大部336が設けられており、隔壁506はその先端部分に外面側屈曲部516が設けられている。外面側屈曲部516は内径拡大部336に相対する部分に設けられていて、ノズル側通路のうちそれら2つに挟まれている部分は外側ガス流の流れ方向に対して通路幅が同じになるように設定されている。一方、外面側屈曲部516の内面側はそれよりも上の部分と中心軸に対して同じ傾きを有している。そのため内側ガス流は実施形態1と同じ流れとなっている。このような形状により、本実施形態では実施形態1に比べて、ノズル開口から吹き出す外側ガス流の流速は大きいが、外側ガス流のノズル306の中心軸に近づく方向への広がりは小さくなる。これにより、シールド性は実施形態1よりは低くなるが、実用的には十分なシールド性を有している。それ以外の実施形態1の効果と同じ効果を実施形態3に係る溶接トーチ106は奏する。
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本願発明の例示であって、本願発明はこれらの例に限定されず、これらの例に周知技術や慣用技術、公知技術を組み合わせたり、一部置き換えたりしてもよい。また当業者であれば容易に思いつく改変発明も本願発明に含まれる。
上記の実施形態の溶接トーチ及びガスシールド溶接方法によってシールド性と溶接品質の両方が向上するが、さらに公知の手段を用いてシールドガスを層流にする(シールド性は向上するが内側ガス流ではアークが不安定になりやすい)ことや、ガス温を低くする(シールド性は向上するが内側ガス流ではアークが不安定になりやすい)ことを行ってもかまわない。
1,102,104,106 溶接トーチ
2 トーチ本体
3,302,304,306 ノズル
4 コンタクトチップ
5,502,504,506 隔壁
6 電極通路
7 電極
10 ノズル側通路
20 コンタクトチップ側通路
30 ガス通路
36,336 内径拡大部

Claims (9)

  1. 中空筒型のノズル内に設置されるとともに、前記ノズル開口部から突出する電極を用いて行うガスシールド溶接方法であって、
    トーチ本体と、前記トーチ本体に基端側が支持された円筒状のノズルと、前記トーチ本体に基端側が支持されるとともに前記ノズルの内部に当該ノズルの内壁から離間して配置されコンタクトチップと、前記ノズルと前記コンタクトチップとの間に前記ノズルの前記基端側から先端側の開口に向けてシールドガスが流れるガス通路とを備え、
    前記コンタクトチップは溶接材である電極を摺動可能に挿通させる電極通路を備えており、
    前記シールドガスの流れる方向に対して垂直な前記ガス通路の断面積は、前記ノズルの先端側に近づくにつれて小さくなっており、
    前記ノズル内を流れて前記ノズル開口部から吹き出すシールドガスにより、前記電極の先端から発生させる放電を大気と接触しないようにシールドし、
    前記ノズル内の前記シールドガスの流れを、前記電極の周辺の内側ガス流と、前記ノズルの内壁に沿って前記内側ガス流の回りを流れる外側ガス流との2つの流れとし、
    前記外側ガス流の流速が前記内側ガス流の流速よりも大きい、ガスシールド溶接方法。
  2. 前記ガス通路は、前記ノズルと前記コンタクトチップとの間に配置され前記ノズルの先端側の開口まで延びている隔壁によってノズル側通路とコンタクトチップ側通路に分割されている、請求項1に記載のガスシールド溶接方法。
  3. 前記シールドガスの流れる方向に対して垂直な前記ノズル側通路の断面積は、前記ノズルの先端側に近づくにつれて小さくなっている、請求項2に記載のガスシールド溶接方法。
  4. 前記シールドガスの流れる方向に対して垂直な前記ノズル側通路の断面積は、前記ノズルの先端側に近づくにつれて小さくなっているとともに、前記ノズルの先端部分には前記ノズルの先端に近づくほど内径が拡大する内径拡大部が設けられている、請求項2に記載のガスシールド溶接方法。
  5. 前記シールドガスの流れる方向に対して垂直な前記コンタクトチップ側通路の断面積は、前記ノズルの先端側に近づくにつれて大きくなっている、請求項2から4のいずれか一つに記載のガスシールド溶接方法。
  6. 前記隔壁は断熱性の材料により形成されている、請求項2から5のいずれか一つに記載のガスシールド溶接方法。
  7. 前記シールドガスとして活性ガスが含有されたガスが用いられる、請求項2から6のいずれか一つに記載のガスシールド溶接方法。
  8. 前記隔壁の先端部分には、前記内径拡大部に相対する部分に屈曲部が設けられ、
    前記ノズル側通路のうち前記屈曲部と前記内径拡大部とに挟まれている部分は、前記シールドガスの流れる方向に対する断面積が当該流れる方向に沿って略同じである、請求項4に記載のガスシールド溶接方法。
  9. 中空筒型のノズル内に設置されるとともに、前記ノズル開口部から突出する電極を用いて行うガスシールド溶接方法であって、
    前記ノズル内を流れて前記ノズル開口部から吹き出すシールドガスにより、前記電極の先端から発生させる放電を大気と接触しないようにシールドし、
    前記ノズル内の前記シールドガスの流れを、前記電極の周辺の内側ガス流と、前記ノズルの内壁に沿って前記内側ガス流の回りを流れる外側ガス流との2つの流れとし、
    前記ノズル内壁と前記電極との間に隔壁を設けて、当該隔壁によって前記2つの流れを形成し、
    前記隔壁の先端は前記ノズル内壁の先端開口まで延びており、
    前記外側ガス流の流速が前記内側ガス流の流速よりも大きく、
    前記シールドガスには活性ガスが含有されている、ガスシールド溶接方法。
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