WO2023013386A1 - シールド治具及びガスシールドアーク溶接装置 - Google Patents

シールド治具及びガスシールドアーク溶接装置 Download PDF

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Abstract

シールド治具は、溶接トーチの周囲を覆うとともに、溶接トーチとの間に径方向隙間を有して配置され、底部に第1開口を有する第1環状空間を画成する第1外殻部材と、第1外殻部材の内部に溶接トーチを取り囲んで配置され、第1環状空間にシールドガスを供給する第1ガス供給部材と、第1環状空間の第1ガス供給部材よりも下方に配置され、シールドガスを分散する分散部材とを備える。

Description

シールド治具及びガスシールドアーク溶接装置
 本発明は、シールド治具及びガスシールドアーク溶接装置に関する。
 溶接部にシールドガス(不活性ガス)を供給して、溶接部を空気から遮蔽して酸化を防止するガスシールドアーク溶接が知られている。このようなガスシールドアーク溶接に用いる溶接トーチが、例えば特許文献1に記載されている。
 特許文献1の溶接トーチは、溶接トーチに設けるシールドガス通路と、溶接ビードの断面形状を制御する制御ガス通路とを、各々独立した通路とし、溶接アーク部を中心として溶接進行方向に対し前後対称の位置に、上記したそれぞれの通路を縦1列に配列した構成となっている。これによれば、狭開先の溶接において、前方シールドガス流路と後方シールドガス流路を設けてガスの流速をコントロールすることで、溶着ビードの断面形状と溶け込みを改善する、と特許文献1に記載されている。
日本国特開平1-48678号公報
 ところで、活性金属からなる母材又は溶加材(溶接ワイヤ)を用いてガスシールドアーク溶接する場合、活性金属は、大気との親和力が高温時に特に強くなり、空気中の酸素、窒素と反応して酸化物、窒化物を形成しやすくなる。そのため、溶接後の酸化物、窒化物の形成部分の硬化及び脆弱化が顕著となる。そこで、活性金属をガスシールドアーク溶接する場合、一般的には大気と活性金属との接触を避けるために、アフターシールド用の治具を用い、溶接トーチ付近の局部的なガスシールドを実施している。ところが、純チタン又はチタン合金等の溶加材を溶融させて積層造形する際には、アフターシールド用の治具を用いただけでは造形体への酸素及び窒素の侵入を規定値以下に抑えることは依然として困難となる。
 例えば、溶接の進行方向における前方には、空気、母材などの他の部材に付着した酸素、窒素が存在し、これらの巻き込みを防ぐことが困難である。また、現行のシールド治具は、シールドガスで覆われるシールド範囲が狭いため、積層造形の際に、溶接中の溶着ビードに隣接して高温になった周囲の溶着ビードのガスシールド性まで担保することは困難となる。さらに、溶接の進行方向によっては、ガスシールド性が不十分となり、マニピュレータによる積層造形に制限が生じる可能性がある。
 そこで本発明は、ガスシールドアーク溶接時において、常に安定して幅広い範囲のガスシールド性を担保できるシールド治具及びガスシールドアーク溶接装置を提供することを目的とする。
 本発明は下記の構成からなる。
(1) 金属製の溶加材を溶融及び凝固させて溶着ビードを形成するシールド溶接用の溶接トーチに取り付けられるシールド治具であって、
 前記溶接トーチの周囲を覆うとともに、前記溶接トーチとの間に径方向隙間を有して配置され、底部に第1開口を有する第1環状空間を画成する第1外殻部材と、
 前記第1外殻部材の内部に前記溶接トーチを取り囲んで配置され、前記第1環状空間にシールドガスを供給する第1ガス供給部材と、
 前記第1環状空間の前記第1ガス供給部材よりも下方に配置され、前記シールドガスを分散する分散部材と、
を備えるシールド治具。
(2) (1)に記載のシールド治具を備えたガスシールドアーク溶接装置。
 本発明によれば、ガスシールドアーク溶接時において、常に安定して広い範囲のガスシールド性を担保できる。
図1は、ガスシールドアーク溶接装置の概略構成図である。 図2は、溶接トーチの先端のシールドノズル、シールドノズルの外周に設けられる第1構成例のシールド治具の斜視図である。 図3は、シールドノズルの内部構造を示す概略断面図である。 図4は、第1構成例のシールド治具の内部構造を示す概略断面図である。 図5は、溶接中の溶接トーチと、第1構成例のシールド治具によるシールドガスの流れを模式的に示す説明図である。 図6Aは、シールド治具を用いて形成した溶着ビードを模式的に示す平面図である。 図6Bは、シールド治具を用いて形成した溶着ビードを模式的に示す側面図である。 図7は、図6に示す各試験例の溶着ビードにおける酸素の含有量と窒素の含有量との関係を示すグラフである。 図8は、第2構成例のシールド治具の内部構造を示す概略断面図である。 図9は、溶接中の溶接トーチと、第2構成例のシールド治具によるシールドガスの流れを模式的に示す説明図である。 図10は、第2構成例のシールド治具において、シールドガスの流れ方向を制御する整流部を設けた変形例のシールド治具の概略構成を示す斜視図である。 図11Aは、シールド治具から噴射されるシールドガスの様子を説明するための、シールド治具の底部における一部断面図である。 図11Bは、シールド治具から噴射されるシールドガスの様子を説明するための、形成されるガスカーテンの図11Aに示すXI-XI線断面図である。
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
 本発明に係るシールド治具は、ここではガスシールドアーク溶接により積層造形物を造形する場合を例に説明するが、本発明はこれに限らない。
 図1は、ガスシールドアーク溶接装置の概略構成図である。
 積層造形物の製造装置であるガスシールドアーク溶接装置100は、溶接ロボット11と、ロボット駆動部13と、溶加材供給部15と、シールドガス供給部17と、溶接電源部19と、制御部21と、を備える。
 溶接ロボット11は、多関節ロボットであり、先端軸に溶接トーチ23が支持される。溶接トーチ23の位置及び姿勢は、ロボットアームの自由度の範囲で3次元的に任意に設定可能となっている。溶接トーチ23は、溶加材供給部15から連続供給される溶加材Mを溶接トーチ先端から突出した状態に保持する。
 シールドガス供給部17は、不活性ガスを溶接部に供給する。MIG溶接ではアルゴン、ヘリウム(又はこれらの混合ガス)、あるいは、これに酸素、炭酸ガスのような活性ガスを少量添加したガスをシールドガスとして用いる。一方、MAG溶接では炭酸ガス、アルゴンと炭酸ガスの混合ガスをシールドガスとし、TIG溶接ではアルゴンガスを用いる。さらに、レーザ溶接では、窒素、アルゴン、ヘリウム等をシールドガスとする。
 溶接トーチ23は、金属製の溶加材Mを溶融及び凝固させて溶着ビードを形成するシールド溶接用の溶接トーチである。具体的に溶接トーチ23は、シールドガス供給部17から供給されるシールドガスを受けるシールドノズル25を有し(図2~図5参照)、シールドノズル25からシールドガスが溶接部に供給される。アーク溶接法としては、被覆アーク溶接又は炭酸ガスアーク溶接等の消耗電極式、TIG溶接又はプラズマアーク溶接等の非消耗電極式のいずれであってもよく、作製する積層造形物に応じて適宜選定される。
 溶加材Mを溶融させる熱源としては、上記したアークに限らない。例えば、アークとレーザとを併用した加熱方式、プラズマを用いる加熱方式、電子ビーム又はレーザを用いる加熱方式等、他の方式による熱源を採用してもよい。電子ビーム又はレーザにより加熱する場合、加熱量をさらに細かく制御でき、溶着ビードの状態をより適正に維持して、積層造形物の更なる品質向上に寄与できる。
 溶加材は、純チタン又はチタン合金により構成された、例えば、チタン及びチタン合金溶接用の溶接ワイヤが用いられる(例えば、JIS Z 3331参照)。溶加材が純チタン又はチタン合金であれば、溶接母材がチタン系材料の場合でも適切な溶接を行うことができる。なお、溶加材は上記材料に限らず、他の材料であってもよい。
 溶接トーチ23の外周には、シールド治具31が取り付けられている。シールド治具31は、シールドガス供給部17からシールドガスが供給され、溶接部に向けてシールドガスを噴射する。シールド治具31の詳細は後述する。
 ロボット駆動部13は、制御部21からの指示を受けて、溶接ロボット11の各部を駆動し、必要に応じて溶接電源の出力を制御する。
 制御部21は、CPU、メモリ、ストレージ等を備えるコンピュータ装置により構成され、予め用意された駆動プログラム、又は所望の条件で作成した駆動プログラムを実行して、溶接ロボット11等の各部を駆動する。これにより、駆動プログラムに応じて溶接トーチ23が移動して、ベースプレート29上に複数層の溶着ビードBを積層することで、多層構造の積層造形物が造形される。
<第1構成例>
 図2は、溶接トーチ23の先端のシールドノズル25、シールドノズル25の外周に設けられる第1構成例のシールド治具31の斜視図である。
 上述したように、シールドガス供給部17は、溶接トーチ23及びシールド治具31の双方にシールドガスを供給する。溶接トーチ23のシールドノズル25は、ノズル先端部で溶加材Mを突出させるとともに、シールドガス供給部17から供給されたシールドガスG0を下方の溶接部に向けて噴射する。
 図3は、シールドノズル25の内部構造を示す概略断面図である。
 ここで示すシールドノズル25は消耗電極式である。シールドノズル25の内部には、コンタクトチップ27が配置され、溶融電流が給電される溶加材Mがコンタクトチップ27に保持される。溶接トーチ23は、溶加材Mを保持しつつ、シールドガス雰囲気で溶加材Mの先端からアークを発生する。溶加材Mは、図1に示す溶接ロボット11の一部に取り付けた不図示の繰り出し機構により溶接トーチ23に送給される。溶接トーチ23が移動しつつ、連続送給される溶加材Mを溶融及び凝固させることで、ベースプレート29上に溶加材Mの溶融凝固体である溶着ビードBが形成される。このとき、溶接トーチ23からは、シールドガス供給部17から供給されたシールドガスG0が、シールドノズル25の内部に画成された内部空間S0を通過して噴射され、溶加材Mの周囲をガスシールドする。
 また、図2に示すシールド治具31には第1ガス供給管33が接続される。第1ガス供給管33の先端は、シールド治具31の上面を貫通して治具内部に挿入され、環状の第1中空パイプ35に接続されている。第1中空パイプ35は、治具内部の第1環状空間S1の上方に配置され、その全周にわたって均等間隔で、複数の噴射口35aが形成されている。第1ガス供給管33から供給されたシールドガスG1は、第1中空パイプ35の噴射口35aから上方に向けて噴射されて、その後、第1環状空間S1の下方に向かうようになる。
 図4は、第1構成例のシールド治具31の内部構造を示す概略断面図である。
 シールド治具31は、溶接トーチ23の先端に設けられたシールドノズル25の外周に設けられる。シールド治具31は、第1外殻部材32Aと、第1ガス供給部材38Aと、分散部材41とを備える。
 第1外殻部材32Aは、溶接トーチ23の周囲を覆うとともに、溶接トーチ23の外周面の外側に径方向隙間を有して配置され、底部に第1開口37Aを有する第1環状空間S1を画成する。第1外殻部材32Aは、外周面が略円筒状に形成された板金部材により構成される。第1外殻部材32Aの上面の中央には孔が設けられ、シールドノズル25がこの孔を貫通し、第1外殻部材32Aとシールドノズル25とが、溶接、ねじ止め、クランプ機構等の適宜な方法により固定されている。第1外殻部材32Aの材料、構造等は特に限定されない。
 第1ガス供給部材38Aは、第1ガス供給管33と、第1中空パイプ35とを含んで構成される。第1ガス供給管33は、第1外殻部材32Aの上面を貫通する直線状の中空パイプにより構成される。第1中空パイプ35は、第1環状空間S1に配置された環状の中空パイプより構成され、シールドガスを供給する複数の噴射口35aを上面に有する。つまり、第1ガス供給部材38Aは、第1環状空間S1において、少なくとも溶接トーチ23の外周面を取り囲むように配置され、シールドガスを供給する複数の噴射口35aが噴射方向を上方にして設けられている。第1ガス供給管33を通過したシールドガスは、第1中空パイプ35に供給され、第1中空パイプ35の噴射口35aから第1中空パイプ35の上方に全周にわたって均一に噴射される。その後、噴射されたシールドガスは、第1環状空間S1の下方に流れ、保持部材42に支持された分散部材41を通過した後、第1環状空間S1の底面に形成された第1開口37Aに到達する。
 分散部材41は、第1環状空間S1において、第1ガス供給部材38Aよりも下方に配置され、第1ガス供給部材38Aから供給されたシールドガスを、第1環状空間S1で分散させる役割を果たす。分散部材41の中央には孔が設けられ、シールドノズル25がこの孔を貫通する。分散部材41の外周は、第1外殻部材32Aの内周面に接する円形状を有する。分散部材41は、例えば、ガラスウール、スチールウールのような繊維状の部材により構成され、シールドガスを、第1環状空間S1の内部で分散させる。この分散部材41の材料は、上記以外の材料であってもよく、特に限定されない。
 保持部材42は、その中央に孔が設けられ、シールドノズル25がこの孔を貫通する。保持部材42の外周は、第1外殻部材32Aの内周面に接する円形状を有する。保持部材42は、例えば、シールドガスが通過可能なステンレス製の網状の部材等により構成可能であるが、保持部材42の材料、形状等は特に限定されない。また、保持部材42は、例えば網目のサイズを0.1mm~1.0mm、好ましくは0.3mm~0.7mmとして、ガスの整流機能を持たせてもよい。その場合、保持部材43は分散部材としても機能する。
 保持部材42の外周は、溶接等により第1外殻部材32Aの内周面に固定されており、分散部材41が保持部材42の上面に載置又は貼り付けられている。よって、保持部材42は、分散部材41を安定的に第1環状空間S1に保持できる。
 また、図示はしないが、保持部材42にシールドガスの遮蔽部材(断熱テープ等)を設けることによりシールドガスの流路を制限し、シールドガスの放出面積、流量等を容易に調整することが可能である。なお、保持部材42は、分散部材41の外周を第1外殻部材32Aの内周面に直接接合してもよく、その場合、保持部材42を省略できる。
 上記構成のシールド治具31は、溶接トーチ23を取り囲む第1中空パイプ35がシールドガスを噴射し、さらに分散部材41が、第1環状空間S1を流れるシールドガスを分散させる。よって、このシールド治具31によれば、アフターシールド治具のような一般的な溶接で使われる治具に比べて、溶接部の全周を広範囲に且つ均等にガスシールドできる。
 また、第1外殻部材32Aの底部は、溶接トーチ23の軸方向に沿って第1外殻部材32Aの半径距離が漸減する窄み部45が形成されているが、窄み部45の存在しないストレート形状の円筒体で構成されていてもよい。
 ここで、溶接トーチ23(シールドノズル25)の外周径dと、第1外殻部材32Aの外周径dとは、d>dの関係を有する。また、第1環状空間S1の開口である第1開口37Aから噴射されるシールドガスの流速をVout、第1環状空間S1に供給するシールドガスの元栓流速をVinとしたときに、第1開口37Aからのシールドガスの流速Voutは、式(1)で求められる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 すなわち、シールド治具31は、第1環状空間S1の下方から噴射されるシールドガスの流速Voutが113.17mm/秒以上になるように、シールドガスの元栓速度Vin、溶接トーチ23の外周径d、第1外殻部材32Aの外周径dが設定されている。ここで、シールドガスの元栓速度Vinとは、シールドガス供給部17によるガス供給圧力に応じたガス速度に相当する。
 このように、第1環状空間S1から噴射されるシールドガスの流速Voutが113.17mm/秒以上に設定されることにより、溶接進行方向の前方においても必要十分な量のシールドガスを流すことが可能となり、溶接部への、空気、各種部材に付着した酸素、窒素等の巻き込みを効果的に抑制できる。また、第1外殻部材32Aの外周径dが所定の大きさ以上に設定されるため、溶接中の溶着ビードから近い距離にあり、高温になり得る溶着ビードを、シールドガス雰囲気下に収めることが可能となる。よって、確実なガスシールド性を確保できる。さらに、第1外殻部材32Aの大きさ(半径距離)を確保することにより、溶接方向に起因するガスシールド性の変動を抑制でき、溶接ロボットによる造形の自由度を向上できる。
 すなわち、このシールド治具31によれば、使用するシールドガスの流量に応じて、第1外殻部材32Aの内周径、外周径を適切に設定することで、高いガスシールド効果を得ることができる。
 シールドガスの噴出口である第1開口37Aは、第1環状空間S1の断面と同様に環状形状を有するため、第1開口37Aから噴射されたシールドガスG1は、円筒状のカーテンを形成する。第1開口37Aは、周方向に連続する環状形状を有するが、これに限らず、多数の開口が周方向に配列された構成にしてもよく、第1開口37Aの形状は特に限定されない。
 図5は、溶接中の溶接トーチ23と、第1構成例のシールド治具31によるシールドガスの流れを模式的に示す説明図である。
 溶接トーチ23が移動して、ベースプレート29上に複数層の溶着ビードBを積層することで、多層構造の積層造形物Wが造形される。その際、溶接トーチ23の先端のシールドノズル25からは、シールドガスG0が噴射される。また、シールド治具31は、第1環状空間S1に供給されたシールドガスG1を、第1開口37Aの全周からベースプレート29に向けて環状に噴射する。
 第1開口37Aから噴射されたシールドガスG1は、円筒状のガスカーテンを形成することになる。シールドガスG1は、形成したそのガスカーテンの内部に溶接トーチ23から噴射されたシールドガスG0を閉じ込めるとともに、外部からの空気Airの流入を遮断する作用を奏する。これにより、溶接中の溶着ビードBが、外部の空気、他の部材に付着した酸素、窒素などから効果的に隔離され、積層造形物Wへの不純物の侵入を抑制できる。
 また、第1外殻部材32Aの底部の窄み部45によって、シールド治具31からのシールドガスG2の噴射方向が、溶接トーチ23の側に近づく。その結果、溶接トーチ23からのシールドガスG0が溶接部に当たる位置と、シールド治具31からのシールドガスG1が溶接部に当たる位置とが近づき、シールドガスの滞留効果を高めることが期待できる。
 図6Aは、シールド治具を用いて形成した溶着ビードを模式的に示す平面図である。図6Bは、シールド治具を用いて形成した溶着ビードを模式的に示す側面図である。
 本試験例においては、外周径dがφ100mm(試験例1)と、φ150mm(試験例2)との2種類のシールド治具を用意して、下記条件の下、ベースプレート29上に3列×3層の溶着ビードBを形成した。
  溶加材:チタンワイヤ(大同特殊鋼社製)
  溶接速度:20cpm
  溶加材送給速度:6.2mpm
  シールドガス:アルゴンガス
  溶接トーチへのシールドガス供給量:20L/min
  シールド治具へのシールドガス供給量:50L/min
  シールド治具の軸長:50mm
  溶接トーチの外周径:φ25mm
  第1中空パイプの環状径:φ80mm
  保持部材:見開き0.5mmの網目サイズを有するステンレス製網
 溶着ビードBの形成順は、図6Bに番号で示した。溶着ビードBの形成は、試験例1,2のそれぞれで2体、合計4体のサンプルを作製することで実施した。
 図7は、図6A、図6Bに示す各試験例の溶着ビードBにおける酸素含有量と窒素含有量との関係を示すグラフである。いずれの試験例においても、酸素及び窒素の侵入が低く抑えられており、特に試験例2では、試験例1の場合よりも酸素含有量、及び窒素含有量が低くなっている。これは、シールド治具へのシールドガスの供給量を一定とした場合、外周径d1が小さいほどシールド治具から噴射されるガス流速が速くなり、ガスシールド性が向上して、アーク熱による空気の巻き込みを抑制できたためと考えられる。
 第1開口37Aから噴射されるシールドガスの流速は、試験例1では48.05mm/秒であり、試験例2では113.17mm/秒であった。試験例2の流速以上であれば、より確実に不純物の侵入が抑えられ、良好な溶接が行える。
<第2構成例>
 図8は、第2構成例のシールド治具31Aの内部構造を示す概略断面図である。
 本構成のシールド治具31Aは、第1構成例のシールド治具31の構成に加え、第2外殻部材32Bと、第2ガス供給部材38Bとを備える。
 第2外殻部材32Bは、第1外殻部材32Aの外周面の外側に径方向隙間を有して配置され、第1外殻部材32Aとの間に第2環状空間S2を画成する。第2環状空間S2の上部は蓋部39で塞がれており、第2環状空間S2の底部は第2開口37Bを有する。第2外殻部材32Bは、外周面が円筒状を呈し、溶接トーチ23(シールドノズル25)の外周径をd、第1外殻部材32Aの外周径をd、第2外殻部材32Bの内周径をdとしたとき、d>d>dが成立する。
 第2外殻部材32Bは、略円筒状に形成された板金部材により構成される。第2外殻部材32Bの上面の中央には孔が設けられ、この孔に第1外殻部材32Aが固定されている。第2外殻部材32Bの材料、構造等は特に限定されない。
 第2ガス供給部材38Bは、第2ガス供給管34と、第2中空パイプ36とを含んで構成される。第2ガス供給管34は、第2外殻部材32Bの上面を貫通する直線状の中空パイプにより構成される。第2中空パイプ36は、第2環状空間S2に配置された環状の中空パイプより構成され、シールドガスを供給する複数の噴射口36aを上面に有する。つまり、第2ガス供給部材38Bは、第2環状空間S2において、少なくとも第1外殻部材32Aの外周面を取り囲むように配置され、複数の噴射口36aがシールドガスの噴射方向を上方にして設けられている。第2ガス供給管34を通過したシールドガスは、第2中空パイプ36に供給され、第2中空パイプ36の噴射口36aから第2中空パイプ36の上方に全周にわたって均一に噴射される。その後、噴射されたシールドガスは、第2環状空間S2の下方に流れ、第2環状空間S2の底面に形成された第2開口37Bに到達する。
 図9は、溶接中の溶接トーチ23と、第2構成例のシールド治具31Aによるシールドガスの流れを模式的に示す説明図である。
 溶接トーチ23が移動して、ベースプレート29上に複数層の溶着ビードBを積層することで、多層構造の積層造形物Wが造形される。この際、溶接トーチ23の先端のシールドノズル25は、溶加材MとともにシールドガスG0を噴射する。また、シールド治具31Aは、第1環状空間S1に供給されたシールドガスG1及び第2環状空間S2に供給されたシールドガスG2を、第1開口37A及び第2開口37Bの全周から溶接トーチ23の先端側に向けて環状に噴射する。
 第1開口37Aから噴射されたシールドガスG1は、円筒状のガスカーテンを形成することになる。シールドガスG1は、形成したガスカーテンの内部に溶接トーチ23から噴射されたシールドガスG0を閉じ込めるとともに、外部からの空気Airの流入を遮断する作用を奏する。これにより、溶接中の溶着ビードBが、外部の空気、他の部材に付着した酸素、窒素等から効果的に隔離され、積層造形物Wへの不純物の侵入を抑制できる。
 また、第2開口37Bから噴射されたシールドガスG2も円筒状のガスカーテンを形成することになる。シールドガスG2は、形成したガスカーテンの内部に溶接トーチ23から噴射されたシールドガスG0と、第1開口37Aから噴射されたシールドガスG1を閉じ込めるとともに、外部からの空気Airの流入を遮断する作用を奏する。この場合、底部の開口面積の違いにより、シールドガスG2の噴射速度はシールドガスG1の噴射速度より速く噴射される。これにより、外側のシールドガスG2は、内側のシールドガスG1を抱え込み、2重のガスカーテンが形成される。よって、シールドガスG1,G2の相乗効果によって、外部から積層造形物Wへの不純物の侵入をさらに抑制できる。
 また、第2外殻部材32Bの底部に、溶接トーチ23の軸方向に沿って第2外殻部材32Bの半径距離が漸減する窄み部45が形成されている。この窄み部45の形成に伴って、第1外殻部材32Aの底部にも、これと対応する窄み部46が形成されている。窄み部45と窄み部46との間の径方向隙間は周方向に沿って一定であり、底部以外の径方向隙間の大きさ(d-d)/2と略等しく設定されている。これにより、シールドガスG0とシールドガスG1とシールドガスG2との互いに衝突する地点が、溶接トーチ23の側に近づくことになり、シールドガスの滞留効果をより高めることが期待できる。なお、シールド治具31Aは、窄み部45,46の存在しないストレート形状の円筒体で構成されていてもよい。
 また、溶接トーチ23の外周径をd、第1外殻部材32Aの外周径をd、第2外殻部材32Bの内周径をdとしたときに、d-d>d-dが成立するように、溶接トーチ23に対し、第1外殻部材32Aと第2外殻部材32Bの相対的なサイズが設計されている。これにより、第1環状空間S1の径方向の幅が、第2環状空間S2の径方向の幅より大きくなり、シールドガスの量を節約できる。
 すなわち、本構成ではシールドガスの供給源が単一のシールドガス供給部17であり(図2)、シールドガス供給部17が、溶接トーチ23と、第1ガス供給部材38Aと、第2ガス供給部材38Bとのそれぞれにシールドガスを供給している。溶接トーチ23からのシールドガスG0の供給を安定的にするため、シールドガス供給部17はシールドガスの供給を規定の一定量に制御される。そのため、溶接トーチ23におけるシールドガスの供給圧は一定に制御される。このとき、シールド治具31Aは、溶接トーチ23のガス供給圧と同じガス供給圧を受けてシールドガスG1、シールドガスG2を噴射するため、第2環状空間S2の断面積が小さいほど、シールドガスG2の流速が速くなる。よって、内周側と外周側とで異なる流速のガスカーテンを容易に生成でき、ガスシールド性を向上できる。また、流速の速い外周側のガスカーテンを流速の遅い内周側のガスカーテンより薄くするため、ガスの消費量が抑えられる。
 さらに、第1環状空間S1内に存在した空気の排除を完了した後、シールドガスG1の供給を停止し、第2環状空間S2にだけシールドガスの供給を行ってもよい。その場合、十分なガスシールド効果を維持しつつ、シールドガス消費量を節約できる。
<変形例>
 図10は、第2構成例のシールド治具31Aにおいて、シールドガスG2の流れ方向を制御する整流部47を設けた変形例のシールド治具31Bの概略構成を示す斜視図である。図10においては、第2外殻部材32Bにおける第2ガス供給部材38Bの下側部分のみを示している。
 変形例のシールド治具31Bは、第2外殻部材32Bの内側の第2環状空間S2に整流部47を設けている。その他の構成は、前述したシールド治具31Aと同じである。
 整流部47は、第2環状空間S2に設けられ、シールドガスG2の流れをらせん状にする。整流部47は、例えば、第1外殻部材32Aの外面と第2外殻部材32Bの内面の間に、板金のフィン49を配置することにより形成できる。
 フィン49は、周方向に沿って等間隔に配置され、複数列のらせん状のガス流路51を画成する。各ガス流路51を流れるシールドガスG2は、フィン49によって流れ方向が規制されて、第2開口37Bかららせん状の気流となって噴射される。これにより、周方向に回転運動する円環状のガスカーテンが形成される。
 整流部47は、フィン49により構成されるが、これに限らない。例えば、第1外殻部材32Aの外周面又は第2外殻部材32Bの内周面に、ライフリングのようならせん状の孔又は溝を形成してもよい。また、整流部47は、シールドガスを噴射する複数の噴射ノズルを、周方向に噴射方向を傾けた状態で第2環状空間S2の底部に配置した構成にしてもよい。
 図11Aは、シールド治具31Bから噴射されるシールドガスG2の様子を説明するための、シールド治具31Bの底部における一部断面図である。図11Bは、シールド治具31Bから噴射されるシールドガスG2の様子を説明するための、形成されるガスカーテンの図11Aに示すXI-XI線断面図である。
 図11Aに示すように、第2環状空間S2の第2開口37Bから噴射されるシールドガスG2は、前述した整流部47によってらせん状の流れとなったガスカーテンCTを形成し、図8Bに示すように、断面が連続した円環状となる。
 このらせん状の流れを有するガスカーテンCTによれば、シールドガスに回転動作が加わるため、溶接部への空気の流入をより確実に防止でき、溶接部のガスシールド効果を更に向上できる。また、シールドガスが回転しながら噴出するため、シールドガスの配管内における残存空気の巻き込みを防止できる。さらに、この場合にも第1環状空間S1内に存在した空気の排除を完了した後、シールドガスG1の供給を停止し、第2環状空間S2にだけシールドガスの供給を行うことで、シールドガス消費量を節約できる。
 なお、溶接時に発生するヒュームは、別途、ガスカーテン内に吸引経路を設けて吸引してもよい。
 以上説明したシールド治具31,31A,31Bによれば、溶接トーチ23を中心とする円筒形状を有するため、溶接トーチ23を中心とする環状のガスカーテンが形成される。このため、溶接トーチ23の任意の移動方向に対するガスシールド効果が得られ、溶接トーチ23の軌道に制約を及ぼすことがなくなる。例えば、溶接トーチ23の進行方向に応じて設けられるビフォアーシールド、アフターシールドに比べて、溶接トーチ23の移動方向の制約を抑制できるため、施工自由度の高い溶接が可能となる。
 このように、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせること、及び明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
 以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 金属製の溶加材を溶融及び凝固させて溶着ビードを形成するシールド溶接用の溶接トーチに取り付けられるシールド治具であって、
 前記溶接トーチの周囲を覆うとともに、前記溶接トーチとの間に径方向隙間を有して配置され、底部に第1開口を有する第1環状空間を画成する第1外殻部材と、
 前記第1外殻部材の内部に前記溶接トーチを取り囲んで配置され、前記第1環状空間にシールドガスを供給する第1ガス供給部材と、
 前記第1環状空間の前記第1ガス供給部材よりも下方に配置され、前記シールドガスを分散する分散部材と、
を備えるシールド治具。
 このシールド治具によれば、溶接部の全周を広範囲にガスシールドできる。
(2) 前記第1開口から噴射される前記シールドガスの流速をVout、前記第1環状空間に供給する前記シールドガスの元栓流速をVin、前記溶接トーチの外周径をd、前記第1外殻部材の外周径をdとしたときに、前記シールドガスの流速Voutについて式(2)が成立する、(1)に記載のシールド治具。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 このシールド治具によれば、溶接部への不純物の巻き込みを効果的に抑制できる。
(3) 前記第1環状空間において、前記第1外殻部材の内周面に取り付けられ、前記分散部材を保持する保持部材をさらに備える、(1)又は(2)に記載のシールド治具。
 このシールド治具によれば、分散部材を第1環状空間に安定して保持できる。
(4) 前記保持部材には、前記シールドガスの通過を制限する遮蔽部材が設けられている、(3)に記載のシールド治具。
 このシールド治具によれば、保持部材に遮蔽部材を設けることで、シールドガスの流量、保持部材からの噴射させる位置を自在に調整できる。
(5) 前記第1外殻部材の外周面の外側に径方向隙間を有して配置され、前記第1外殻部材との間に、上部に蓋部を有し底部に第2開口を有する第2環状空間を画成する第2外殻部材と、
 前記第2環状空間に前記シールドガスを供給する第2ガス供給部材と、
をさらに備える、(1)~(4)のいずれか1つに記載のシールド治具。
 このシールド治具によれば、溶接部への不純物の侵入を抑制する効果をより高めることができる。
(6) 前記溶接トーチの外周径をd、前記第1外殻部材の外周径をd、前記第2外殻部材の内周径をd2としたときに、
 d-d>d-d
が成立する、(5)に記載のシールド治具。
 このシールド治具によれば、第1外殻部材の外周と溶接トーチの外周との径方向長さの差が、環状空間の径方向の幅より大きいため、溶接トーチから第1環状空間の径方向の幅より離れた位置にもシールドガスを噴射できる。これにより、溶接トーチを中心とする空間にシールドガスを滞留させることができる。
(7) d>d-d
が成立する、(6)に記載のシールド治具。
 このシールド治具によれば、環状空間の径方向の幅が溶接トーチの外周径より小さくなることで、環状空間からシールドガスが噴射する流速を高められ、ガスシールド効果を向上できる。
(8)前記第2環状空間に前記シールドガスの流れ方向をらせん状にする整流部が設けられている、(5)~(7)のいずれか1つに記載のシールド治具。
 このシールド治具によれば、溶接部への空気の流入をより確実に防止でき、溶接部のガスシールド効果を更に向上できる。また、シールドガスが回転しながら噴出するため、シールドガスの配管内における残存空気の巻き込みを防止できる。
(9) 少なくとも前記第2外殻部材の底部に、前記溶接トーチの軸方向に沿って前記第2外殻部材の半径距離が漸減する窄み部が形成されている、(5)~(8)のいずれか1つに記載のシールド治具。
 このシールド治具によれば、溶接トーチから噴射されるシールドガスと、第2環状空間から噴射されるシールドガスが、互いに衝突する地点が、溶接トーチの側に近づくことになり、シールドガスの滞留効果を高めることが期待できる。
(10) 前記溶加材は純チタン又はチタン合金である、(1)~(9)のいずれか1つに記載のシールド治具。
 このシールド治具によれば、酸素及び窒素の侵入の影響を受けやすい溶接母材であっても、高品位な溶接を行うことができる。
(11) (1)~(10)のいずれか1つに記載のシールド治具を備えたガスシールドアーク溶接装置。
 このガスシールドアーク溶接装置によれば、高いガスシールド性が得られ、安定したガスシールドアーク溶接が可能となる。
 なお、本出願は、2021年8月6日出願の日本特許出願(特願2021-129974)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
 11 溶接ロボット
 13 ロボット駆動部
 15 溶加材供給部
 17 シールドガス供給部
 19 溶接電源部
 21 制御部
 23 溶接トーチ
 25 シールドノズル
 27 コンタクトチップ
 29 ベースプレート
 31,31A,31B シールド治具
 32A 第1外殻部材
 32B 第2外殻部材
 33 第1ガス供給管
 34 第2ガス供給管
 35 第1中空パイプ
 36 第2中空パイプ
 37A 第1開口
 37B 第2開口
 38A 第1ガス供給部材
 38B 第2ガス供給部材
 41 分散部材
 42 保持部材
 45 窄み部
 47 整流部
 49 フィン
 51 ガス流路
100 ガスシールドアーク溶接装置
 B 溶着ビード
 G0,G1,G2 シールドガス
 M 溶加材
 S0 内部空間
 S1 第1環状空間
 S2 第2環状空間
 W 積層造形物

Claims (19)

  1.  金属製の溶加材を溶融及び凝固させて溶着ビードを形成するシールド溶接用の溶接トーチに取り付けられるシールド治具であって、
     前記溶接トーチの周囲を覆うとともに、前記溶接トーチとの間に径方向隙間を有して配置され、底部に第1開口を有する第1環状空間を画成する第1外殻部材と、
     前記第1外殻部材の内部に前記溶接トーチを取り囲んで配置され、前記第1環状空間にシールドガスを供給する第1ガス供給部材と、
     前記第1環状空間の前記第1ガス供給部材よりも下方に配置され、前記シールドガスを分散する分散部材と、
    を備えるシールド治具。
  2.  前記第1開口から噴射される前記シールドガスの流速をVout、前記第1環状空間に供給する前記シールドガスの元栓流速をVin、前記溶接トーチの外周径をd、前記第1外殻部材の外周径をdとしたときに、前記シールドガスの流速Voutについて式(1)が成立する、請求項1に記載のシールド治具。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
  3.  前記第1環状空間において、前記第1外殻部材の内周面に取り付けられ、前記分散部材を保持する保持部材をさらに備える、請求項1に記載のシールド治具。
  4.  前記第1環状空間において、前記第1外殻部材の内周面に取り付けられ、前記分散部材を保持する保持部材をさらに備える、請求項2に記載のシールド治具。
  5.  前記保持部材には、前記シールドガスの通過を制限する遮蔽部材が設けられている、請求項3に記載のシールド治具。
  6.  前記保持部材には、前記シールドガスの通過を制限する遮蔽部材が設けられている、請求項4に記載のシールド治具。
  7.  前記第1外殻部材の外周面の外側に径方向隙間を有して配置され、前記第1外殻部材との間に、上部に蓋部を有し底部に第2開口を有する第2環状空間を画成する第2外殻部材と、
     前記第2環状空間に前記シールドガスを供給する第2ガス供給部材と、
    をさらに備える、請求項1~6のいずれか1項に記載のシールド治具。
  8.  前記溶接トーチの外周径をd、前記第1外殻部材の外周径をd、前記第2外殻部材の内周径をd2としたときに、
     d-d>d-d
    が成立する、請求項7に記載のシールド治具。
  9.  d>d-d
    が成立する、請求項8に記載のシールド治具。
  10.  前記第2環状空間に前記シールドガスの流れ方向をらせん状にする整流部が設けられている、請求項7に記載のシールド治具。
  11.  前記第2環状空間に前記シールドガスの流れ方向をらせん状にする整流部が設けられている、請求項8に記載のシールド治具。
  12.  前記第2環状空間に前記シールドガスの流れ方向をらせん状にする整流部が設けられている、請求項9に記載のシールド治具。
  13.  前記第2環状空間に前記シールドガスの流れ方向をらせん状にする整流部が設けられている、請求項10に記載のシールド治具。
  14.  少なくとも前記第2外殻部材の底部に、前記溶接トーチの軸方向に沿って前記第2外殻部材の半径距離が漸減する窄み部が形成されている、請求項7に記載のシールド治具。
  15.  少なくとも前記第2外殻部材の底部に、前記溶接トーチの軸方向に沿って前記第2外殻部材の半径距離が漸減する窄み部が形成されている、請求項8に記載のシールド治具。
  16.  少なくとも前記第2外殻部材の底部に、前記溶接トーチの軸方向に沿って前記第2外殻部材の半径距離が漸減する窄み部が形成されている、請求項9に記載のシールド治具。
  17.  少なくとも前記第2外殻部材の底部に、前記溶接トーチの軸方向に沿って前記第2外殻部材の半径距離が漸減する窄み部が形成されている、請求項10に記載のシールド治具。
  18.  前記溶加材は純チタン又はチタン合金である、請求項1~6のいずれか1項に記載のシールド治具。
  19.  請求項1~6のいずれか1項に記載のシールド治具を備えたガスシールドアーク溶接装置。
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