JP7419541B2 - 複合材料及び成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、不連続繊維とマトリクス樹脂とを含む複合材料、及びこれを用いた成形体の製造方法であって、強化繊維の束分布を目的の分布に調整することに関する。
近年、複合材料は、機械物性に優れており、自動車等の構造部材として注目されている。
特許文献1では、長さの異なる2種の強化繊維と、熱可塑性樹脂を用いた複合材料が記載されている。特許文献2では、小ピッチで成形時の賦形ムラ及び機械物性ムラを抑制することで、成形後の成形体の外観を向上させている。特許文献3では、不連続な細束状の炭素繊維を屈曲させないことで、機械物性と成形性を両立する成形体を提供している。特許文献4では、平均繊維長3~100mmの強化繊維と熱可塑性樹脂とを含み、平均繊維幅分散比(Ww/Wn)が1.00以上2.00以下であるランダムマットが記載されている。
日本国特開平10-323829号公報 国際公開第2016/152563号パンフレット 国際公開第2019/107247号パンフレット 国際公開第2014/021316号パンフレット
しかしながら特許文献1に記載の複合材料は、長さが2種類の強化繊維(例えば25mmと3mm)を用いるものの、繊維束幅が大きすぎる(例えば幅15mm)。繊維束の幅が大きすぎる強化繊維を用いた場合、繊維束のアスペクト比が小さすぎるために繊維束の強度が十分に発揮できないだけでなく、樹脂ポケットとよばれる樹脂の海が広すぎるため、樹脂を起点に破壊が起こる。また、特許文献1に記載の繊維束幅は全て同じ長さであるため、繊維束幅に分布が無く、繊維束の間に樹脂ポケットが生じやすい。
特許文献2に記載の複合材料では、目付ムラは改善しているものの、繊維の束幅についての均一化は未だに十分でなく、複合材料の賦形性を更に高めることが求められている。
特許文献3に記載の発明は、0.3-3.0mmの束幅区間で、束幅が固定長であるため、各々の束幅を均一に存在させる概念は無い。そのため、複合材料の搬送性(マトリクス樹脂が熱可塑性のマトリクス樹脂の場合は、加熱後の複合材料の搬送性)の向上が求められている。
特許文献4に記載のランダムマットは、平均繊維幅分散比(Ww/Wn)が1.00以上2.00以下であることが記載されているが、これは繊維分布が均一なピークを有することを意味し、どの場所をサンプリングしても、同じ分布である観点は無い。
そこで本発明の目的は、より高い機械物性と成形性を両立させ、更には成形時の賦形性を向上させた複合材料を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
1.強化繊維Aとマトリクス樹脂とを含む、複合材料であって、
強化繊維Aは繊維長が5mm以上の不連続繊維であり、
強化繊維Aは繊維幅0.3mm未満の強化繊維A1と、束幅0.3mm以上3.0mm以下の強化繊維束A2とを含み、
強化繊維束A2を、予め定めた複数の束幅ゾーンに区分し(束幅ゾーンの総数n≧3)、各束幅ゾーンにおける強化繊維束A2の体積割合をVfiA2としたとき、少なくとも最小の束幅ゾーン(i=1)、及び最大の束幅ゾーン(i=n)において、
VfiA2の変動係数CViA2が35%以下である複合材料。
ただし、VfiA2の変動係数CViA2は式(a)で算出したものである。
変動係数CViA2=100×VfiA2の標準偏差/VfiA2の平均値・・・式(a)
2.全ての束幅ゾーン(i=1,・・・,n)において、VfiA2の変動係数CViA2が35%以下である、前記1に記載の複合材料。
3.強化繊維A1の体積割合をVfA1としたとき、VfA1の変動係数CVA1が35%以下である、前記1又は2に記載の複合材料。
ただし、VfA1の変動係数CVA1は式(b)で算出したものである。
変動係数CVA1=100×VfA1の標準偏差/VfA1の平均値・・・式(b)
4.強化繊維Aは炭素繊維である、前記1乃至3のいずれか1項に記載の複合材料。
5.マトリクス樹脂は熱可塑性のマトリクス樹脂である、前記1乃至4のいずれか1項に記載の複合材料。
6.マトリクス樹脂が熱可塑性のマトリクス樹脂であって、複合材料の、予熱前の厚さに対する予熱後の厚さの比であるスプリングバック量が1.0超であり、その変動係数CVsが35%未満である、前記1乃至5のいずれか1項に記載の複合材料。
ただし、変動係数CVsは式(c)で算出したものである。
変動係数CVs=100×スプリングバック量の標準偏差/スプリングバック量の平均値・・・式(c)
7.繊維長が5mm未満の強化繊維Bを含む、前記1乃至6のいずれか1項に記載の複合材料。
8.前記1乃至7のいずれか1項に記載の複合材料をコールドプレスして、成形体を製造する、成形体の製造方法。
9.束幅ゾーンの総数nが9であって、各束幅ゾーンを以下とする、前記1乃至7のいずれか1項に記載の複合材料。
束幅ゾーン(i=1) 0.3mm≦束幅<0.6mm
束幅ゾーン(i=2) 0.6mm≦束幅<0.9mm
束幅ゾーン(i=3) 0.9mm≦束幅<1.2mm
束幅ゾーン(i=4) 1.2mm≦束幅<1.5mm
束幅ゾーン(i=5) 1.5mm≦束幅<1.8mm
束幅ゾーン(i=6) 1.8mm≦束幅<2.1mm
束幅ゾーン(i=7) 2.1mm≦束幅<2.4mm
束幅ゾーン(i=8) 2.4mm≦束幅<2.7mm
束幅ゾーン(i=9) 2.7mm≦束幅≦3.0mm
10.各束幅ゾーンにおける強化繊維束A2の体積割合をVfiA2としたとき、下記式(x)、(y)及び(z)を満たす、前記9に記載の複合材料。
式(x) 0≦Vf(i=1)A2<10%
式(y) i=2~9のうち、2つ以上の束幅ゾーンにおいて0<VfiA2
式(z) Vf(i=1)A2<Vf(i=2~9の少なくともいずれか1つ)A2
本発明のように設計された複合材料に含まれる強化繊維は、均一な束幅を持っているため、複合材料を加熱したときのドレープ性が安定する。
また、特に樹脂が熱可塑性のマトリクス樹脂を用いたとき、成形型へ複合材料を載置する際のプレ賦形性が安定化する。また、複合材料を加熱したときの加熱時間が短くできるため、成形体の分子量低下を抑制できる。
更に、複合材料を製造する際は、強化繊維へのマトリクス樹脂の含浸を均一化し、含浸時間を短くできる。
繊維束分布を均一化させた繊維束分布。(a)風量80L/minの箇所からサンプル採取。(b)風量120L/minの場所からサンプル採取。(c)風量160L/minの場所からサンプル採取。 繊維束分布が不均一な繊維束分布。(a)風量80L/minの箇所からサンプル採取。(b)風量120L/minの場所からサンプル採取。(c)風量160L/minの場所からサンプル採取。 (a)(b)(c)(d)複合材料を加熱して、ドレープ性を評価したときの模式図。 下受けローラーに押し付けて分繊する模式図。 シェア刃方式で強化繊維束を分繊させる模式図。 ギャング方式で強化繊維束を分繊させる模式図。 スリット装置を描いた模式図。 ブレードを抜き差しして、強化繊維束をスリットさせた模式図。 加熱して自重で垂れ下がった複合材料を描いた模式図。 成形と同時に孔を設けた成形体を製造する様子を描いた模式図。 成形と同時に孔を二つ設けた成形体を製造する様子を描いた模式図。 繊維束分布を部分的に欠落させた繊維束分布。(a)実施例5で得られた複合材料の分析結果。(b)実施例6で得られた複合材料の分析結果。
[強化繊維]
本発明に用いる強化繊維に特に限定は無いが、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、及び玄武岩繊維からなる群より選ばれる1つ以上の強化繊維であることが好ましい。
[炭素繊維]
本発明の強化繊維は、炭素繊維であることが好ましい。炭素繊維としては、一般的にポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、石油・石炭ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、リグニン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維、などが知られているが、本発明においてはこれらのいずれの炭素繊維であっても好適に用いることができる。なかでも、本発明においては引張強度に優れる点でポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維を用いることが好ましい。
[炭素繊維の繊維直径]
本発明に用いられる炭素繊維の単糸(一般的に、単糸はフィラメントと呼ぶ場合がある)の繊維直径は、炭素繊維の種類に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。平均繊維直径は、通常、3μm~50μmの範囲内であることが好ましく、4μm~12μmの範囲内であることがより好ましく、5μm~8μmの範囲内であることがさらに好ましい。炭素繊維が繊維束状である場合は、繊維束の径ではなく、繊維束を構成する炭素繊維(単糸)の直径を指す。炭素繊維の平均繊維直径は、例えば、JIS R-7607:2000に記載された方法によって測定することができる。
[サイジング剤]
本発明に用いられる強化繊維は、表面にサイジング剤が付着しているものであってもよい。サイジング剤が付着している強化繊維を用いる場合、当該サイジング剤の種類は、強化繊維及びマトリクス樹脂の種類に応じて適宜選択することができるものであり、特に限定されるものではない。
[強化繊維A]
[強化繊維Aの重量平均繊維長]
強化繊維Aは繊維長が5mm以上の不連続繊維である。本発明に用いられる強化繊維Aの重量平均繊維長に特に限定は無いが、重量平均繊維長は5mm以上100mm以下であれば好ましい。強化繊維Aの重量平均繊維長は、5mm以上80mm以下であることがより好ましく、10mm以上60mm以下であることがさらに好ましい。強化繊維Aの重量平均繊維長が100mm以下の場合、複合材料の流動性が向上し、プレス成形する際に、所望の成形体形状を得やすい。一方、重量平均繊維長が5mm以上の場合、複合材料の機械強度が向上しやすい。
本発明においては繊維長が互いに異なる強化繊維Aを併用してもよい。換言すると、本発明に用いられる強化繊維は、重量平均繊維長に単一のピークを有するものであってもよく、あるいは複数のピークを有するものであってもよい。
強化繊維Aの平均繊維長は、例えば、複合材料から無作為に抽出した100本の繊維の繊維長を、ノギス等を用いて1mm単位まで測定し、下記式(1)に基づいて求めることができる。平均繊維長の測定は、重量平均繊維長(Lw)で測定する。
個々の強化繊維の繊維長をLi、測定本数をjとすると、数平均繊維長(Ln)と重量平均繊維長(Lw)とは、以下の式(1)、(2)により求められる。
Ln=ΣLi/j・・・式(1)
Lw=(ΣLi)/(ΣLi)・・・式(2)
なお、繊維長が一定長の場合は数平均繊維長と重量平均繊維長は同じ値になる。
複合材料からの強化繊維の抽出は、例えば、複合材料に対し、500℃×1時間程度の加熱処理を施し、炉内にて樹脂を除去することによって行うことができる。
[複合材料に含まれる強化繊維の体積割合]
1.全体
本発明において、下記式(3)で定義される、複合材料に含まれる強化繊維体積割合(以下、本明細書において「Vftotal」と呼ぶことがある)に特に限定は無いが、強化繊維体積割合(Vftotal)は、10~60Vol%であることが好ましく、20~50Vol%であることがより好ましく、25~45Vol%であればさらに好ましい。
強化繊維体積割合(Vftotal)=100×強化繊維体積/(強化繊維体積+マトリクス樹脂体積)・・・式(3)
複合材料における強化繊維体積割合(Vftotal)が10Vol%以上の場合、所望の機械特性が得られやすい。一方で、複合材料における強化繊維体積割合(Vftotal)が60Vol%を超えない場合、プレス成形等に使用する際の流動性が良好で、所望の成形体形状を得られやすい。
複合材料(又は成形体)に含まれる全体の強化繊維体積割合(Vftotal)は、強化繊維である、強化繊維A(強化繊維A1、強化繊維束A2、強化繊維束A3)や、強化繊維Bなどの体積割合の合計値であり、複合材料に含まれる強化繊維全量の体積割合である。
2.それぞれの体積割合
複合材料に含まれる強化繊維A1、強化繊維束A2(各束幅ゾーンを合計した強化繊維A2全体)、強化繊維束A3の体積割合は、それぞれ式(3-1)、式(3-2)、式(3-3)で定義される。分母の強化繊維体積とは、複合材料に含まれる全ての強化繊維の体積を意味する。
式(3-1):
強化繊維体積割合(VfA1
=100×強化繊維A1の体積/(強化繊維体積+マトリクス樹脂体積)
式(3-2):
強化繊維体積割合(VfA2(全体)
=100×強化繊維束A2の体積/(強化繊維体積+マトリクス樹脂体積)
式(3-3):
強化繊維体積割合(VfA3
=100×強化繊維束A3の体積/(強化繊維体積+マトリクス樹脂体積)
[束幅ゾーン(i=k)における強化繊維束A2の体積割合]
束幅ゾーン(i=k)における強化繊維束A2の体積割合(Vf(i=k)A2)は、
式(3-4)により求められる。
式(3-4):
強化繊維体積割合(Vf(i=k)A2)=100×束幅ゾーン(i=k)における強化繊維束A2の体積/(強化繊維体積+マトリクス樹脂体積)
また、実測する際には重量を測定することが一般的であるため、強化繊維の密度(ρcf)を用いれば、下記式(3-5)でも、強化繊維束A2の体積割合(Vf(i=k)A2)は求められる。
式(3-5):
Vf(i=k)A2=強化繊維体積割合(Vftotal)×(束幅ゾーン(i=k)における強化繊維束A2の重量合計/ρcf)×100/(全強化繊維の重量/ρcf
[強化繊維A1]
強化繊維Aは束幅0.3mm未満の強化繊維A1を含む。
強化繊維A1は、繊維幅0.3mm未満であるため、アスペクト比が大きい強化繊維である。強化繊維A1を含むと機械物性が向上し、複合材料を溶融したときに、複合材料が延びやすいため、成形型に予備賦形しやすくなるので、少量含んでいることが好ましい。
[強化繊維A1の割合]
強化繊維A1の繊維体積割合(VfA1)は、0Vol%超50Vol%以下であれば好ましく、好ましくは1Vol%以上30Vol%以下であり、より好ましくは1Vol%以上20Vol%であり、更に好ましくは1Vol%以上15Vol%である。
[VfA1の変動係数CVA1
ここで、強化繊維A1の体積割合をVfA1としたとき、VfA1の変動係数CVA1が35%以下であることが好ましい。
VfA1の変動係数CVA1とは式(b)で算出したものである。
変動係数CVA1=100×VfA1の標準偏差/VfA1の平均値・・・式(b)
このとき、複合材料を100mm×100mmピッチで区分けして10サンプルを採取し、各々のVfA1を計測し、変動係数を算出することが好ましい。
複合材料を測定する際、100mm×100mmピッチで測定すると好ましいが、複合材料や成形体によっては大きさが小さく、100mm×100mmピッチでサンプリングしようとしても、一つの複合材料や成形体から1サンプルしか採取できない場合がある。この場合は、複合材料や成形体を10個準備し、これら10個の成形体から1サンプルずつ採取し、10サンプル(10個)の変動係数を算出すれば良い。また、複合材料や成形体の寸法が1000mm×100mmの面状体の場合、10サンプル(10ヶ所)に区分けして測定した変動係数で定義される。
VfA1の変動係数CVA1を35%以下とすれば、複合材料を加熱したときの垂れが、例えば図3の(a)に描いたような均一な直線になる。したがって、VfA1の変動係数CVA1を35%以下とすれば、賦形形状が安定し、生産効率が向上する。一方、VfA1の変動係数CVA1が35%を超えてくると、図3(b)(c)(d)に描いたように、複合材料を加熱した時の垂れは不均一になる。ドレープ性の評価方法については後述する。
好ましいVfA1の変動係数CVA1は30%以下であり、より好ましくは25%以下であり、更に好ましくは20%以下であり、より一層好ましくは15%以下である。
[強化繊維束A2]
本発明の強化繊維Aは、束幅0.3mm以上3.0mm以下の強化繊維束A2を含む。繊維の束幅が0.3mm未満のものや、3.0mm超の強化繊維Aは、本発明において強化繊維束A2ではない強化繊維Aである。
[強化繊維束A2の束幅ゾーン]
強化繊維束A2は、予め定めた複数の束幅ゾーンに区分し(束幅ゾーンの総数n≧3)、各束幅ゾーンにおける強化繊維束A2の体積割合をVfiA2としたとき、少なくとも最小の束幅ゾーン(i=1)、及び最大の束幅ゾーン(i=n)において、VfiA2の変動係数CViA2が35%以下である。
束幅ゾーンとは、束幅0.3mm以上3.0mm以下を、少なくとも総数nが3以上となるように、繊維幅ごとに分けたときの区域をいう。
予め定めた複数の束幅ゾーンとは、例えば図1の(a)に描かれている横軸の各々のゾーンをいう。図1の(a)では、束幅0.3mm以上3.0mm以下の炭素繊維束A2を9つのゾーンに分け、i=1は束幅0.3mm以上0.6mm未満のゾーンとし、i=9は束幅2.7mm以上3.0mm以下のゾーンとしている。
本発明に係る複合材料においては、上記束幅ゾーンの総数nが3以上18以下の範囲にあることが好ましい。すなわち、束幅ゾーンの総数nが3の場合には、束幅0.3mm以上3mm以下までを0.9mm毎の3個の束幅ゾーンに区分し、束幅ゾーンの総数nが18の場合には、束幅0.3mm以上3mm以下までを0.15mm毎の18個の束幅ゾーンに区分する。
束幅ゾーンの総数nがこの範囲内にあれば、上述の各束幅ゾーンにおいて、強化繊維束A2に対する体積割合の分布曲線が明確に判断できる。
上記束幅ゾーンの総数nとしては、3以上であればよいが、とくに束幅ゾーンの総数nが9であると、9個の束幅ゾーンに区分することができ、各束幅ゾーンの範囲が明確になるとともに、全体の勾配も明瞭に判定しやすくなり、本発明の実施が容易化される。
束幅ゾーンの総数nが9の場合は、各束幅ゾーンは以下となる。
束幅ゾーン(i=1) 0.3mm≦束幅<0.6mm
束幅ゾーン(i=2) 0.6mm≦束幅<0.9mm
束幅ゾーン(i=3) 0.9mm≦束幅<1.2mm
束幅ゾーン(i=4) 1.2mm≦束幅<1.5mm
束幅ゾーン(i=5) 1.5mm≦束幅<1.8mm
束幅ゾーン(i=6) 1.8mm≦束幅<2.1mm
束幅ゾーン(i=7) 2.1mm≦束幅<2.4mm
束幅ゾーン(i=8) 2.4mm≦束幅<2.7mm
束幅ゾーン(i=9) 2.7mm≦束幅≦3.0mm
最小の束幅ゾーン(i=1)とは、区分けした束幅ゾーンのうち、束幅が最小となるゾーンであり、例えば図1の(a)でいう0.3mm以上0.6mm未満の束幅ゾーンである。
反対に、最大の束幅ゾーン(i=n)とは、区分けした束幅ゾーンのうち、束幅が最大となるゾーンであり、例えば図1の(a)でいう2.7mm以上3.0mm以下の束幅ゾーンである(i=9)。
[各束幅ゾーンにおけるVfiA2の変動係数CViA2
各束幅ゾーンにおける強化繊維束A2の体積割合VfiA2の変動係数CViA2は式(a)で算出したものである。
変動係数CViA2=100×VfiA2の標準偏差/VfiA2の平均値 ・・・式(a)
このとき、複合材料を100mm×100mmピッチで区分けして各々のVfiA2を計測すれば好ましく、例えば、複合材料の寸法が1000mm×100mmの面状体の場合、10サンプル(10ヶ所)に区分けして測定した変動係数で定義される。複合材料を測定する際、100mm×100mmピッチで測定すると好ましいが、複合材料や成形体によっては大きさが小さく、100mm×100mmピッチでサンプリングしようとしても、一つの複合材料や成形体から1サンプルしか採取できない場合がある。この場合は、複合材料や成形体を10個準備し、これら10個の成形体から1サンプルずつ採取し、10サンプル(10個)の変動係数を算出すれば良い。
本発明では、少なくとも最小の束幅ゾーン(i=1)、及び最大の束幅ゾーン(i=n)において、VfiA2の変動係数CViA2が35%以下である。
一般的に、繊維束を拡幅する際には、目的の束幅(例えば均一な束幅)に広げるために、流体を通したり、張力を制御したりする。従来は拡幅後、ロータリーカッターを用いて強化繊維をカットする際に、強化繊維がカッターやローラーに挟まる(付着して取れない)課題があった。この挟まった強化繊維を引き剥がすために、気流を用いた場合、TD方向や、時間の経過で気流は一定ではなくなり、特に最小の束幅ゾーン(i=1)、及び最大の束幅ゾーン(i=n)の変動係数CV1A2の値が大きくなってしまう。
例えば、図2では強化繊維束を拡幅後、ロータリーカッターを用いて強化繊維をカットする際に、強化繊維がカッターやローラーに挟まらないよう、挟まった強化繊維を引き剥がすために、気流を用いたときの、束幅0.3mm~3.0mmの区間での繊維束分布を描いている。図2の(a)(b)(c)は、それぞれ風量80L/min、120L/min、160L/minでの場所からサンプル採取した。図2に示されているように、何の制御もしていない場合は束分布が不均一となる(言い換えると、特定の束幅ゾーンでの変動係数が大きい)。
なお、束分布が一つのピークを示したり、束分布がブロードをであったりしても良く、束分布の形状に特に限定は無い。しかしながら、ここでいう均一とは、その分布形状が、どの場所をサンプリングしても均一であることを意味する。
上記本発明に係る複合材料は、全ての束幅ゾーン(i=1,・・・,n)において、VfiA2の変動係数CViA2が35%以下であることが好ましい。強化繊維束A2を、全ての束幅ゾーンにおいて均一にすれば、成形時のドレープ性をさらに向上させることが可能になる。
好ましくは、全ての束幅ゾーン(i=1,・・・,n)において、VfiA2の変動係数CViA2が30%以下であり、より好ましくは25%以下である。
[強化繊維束A2の平均束幅WA2
本発明において、強化繊維束A2の平均束幅WA2に特に限定はないが、好ましくは、1.0mm以上2.5mm以下である。平均束幅WA2は、束幅0.3mm以上3.0mm以下にあるものの平均値である。
平均束幅WA2の下限値は、1.8mm以上がより好ましい。
平均束幅WA2の上限値は、2.5mm未満がより好ましく、2.3mm未満が更に好ましく、2.1mm以下がより一層好ましい。
また、平均束幅WA2が2.5mm未満であると、炭素繊維束のアスペクト比が大きくなり、複合材料内にて炭素繊維束の高強度が十分に発揮できる。
一方、平均束幅WA2の下限は、1.0mm以上がより好ましい。1.0mm以上であれば、強化繊維の集合体が過度に緻密化されることなく、含浸性が向上する。
[束幅ゾーンの好ましい分布形状]
強化繊維束A2を、束幅ゾーンに区分し(i=1~9)、各束幅ゾーンにおける強化繊維束A2の体積割合をVfiA2としたとき、下記式(x)、(y)及び(z)を満たす複合材料であることが好ましい。
式(x) 0≦Vf(i=1)A2<10%
式(y) i=2~9のうち、2つ以上の束幅ゾーンにおいて0<VfiA2
式(z) Vf(i=1)A2<Vf(i=2~9の少なくともいずれか1つ)A2
ただし、束幅ゾーンは以下である。
束幅ゾーン(i=1) 0.3mm≦束幅<0.6mm
束幅ゾーン(i=2) 0.6mm≦束幅<0.9mm
束幅ゾーン(i=3) 0.9mm≦束幅<1.2mm
束幅ゾーン(i=4) 1.2mm≦束幅<1.5mm
束幅ゾーン(i=5) 1.5mm≦束幅<1.8mm
束幅ゾーン(i=6) 1.8mm≦束幅<2.1mm
束幅ゾーン(i=7) 2.1mm≦束幅<2.4mm
束幅ゾーン(i=8) 2.4mm≦束幅<2.7mm
束幅ゾーン(i=9) 2.7mm≦束幅≦3.0mm
式(x)はより好ましくは、0≦Vf(i=1)A2<5%である。
式(y)はより好ましくは、i=2~9のうち、3つ以上の束幅ゾーンにおいて0<VfiA2であり、更に好ましくは4つ以上の束幅ゾーンにおいて0<VfiA2であり、より一層好ましくは5つ以上の束幅ゾーンにおいて0<VfiA2である。
式(z)に加えて、下記の式(z2)、式(z3)、式(z4)、式(z5)、式(z6)及び式(z7)の少なくとも一つを満たすとより好ましい。下記式(z2)及び下記式(z3)を満たすと更に好ましく、下記式(z4)及び下記式(z5)を満たすとより一層好ましく、下記式(z6)及び下記式(z7)を満たすと最も好ましい。
式(z2) Vf(i=1)A2+Vf(i=2)A2<Vf(i=3)A2+Vf(i=4)A2+Vf(i=5)A2+Vf(i=6)A2+Vf(i=7)A2
式(z3) Vf(i=8)A2+Vf(i=9)A2<Vf(i=3)A2+Vf(i=4)A2+Vf(i=5)A2+Vf(i=6)A2+Vf(i=7)A2
式(z4) 5×(Vf(i=1)A2+Vf(i=2)A2)<Vf(i=3)A2+Vf(i=4)A2+Vf(i=5)A2+Vf(i=6)A2+Vf(i=7)A2
式(z5) 5×(Vf(i=8)A2+Vf(i=9)A2)<Vf(i=3)A2+Vf(i=4)A2+Vf(i=5)A2+Vf(i=6)A2+Vf(i=7)A2
式(z6) 10×(Vf(i=1)A2+Vf(i=2)A2)<Vf(i=3)A2+Vf(i=4)A2+Vf(i=5)A2+Vf(i=6)A2+Vf(i=7)A2
式(z7) 10×(Vf(i=8)A2+Vf(i=9)A2)<Vf(i=3)A2+Vf(i=4)A2+Vf(i=5)A2+Vf(i=6)A2+Vf(i=7)A2
[束幅ゾーンの好ましい分布形状:効果]
上記式(x)、式(y)及び式(z)を満たすことによる効果を次に述べる。
(効果1)
上記式(x)、式(y)及び式(z)を満たした場合、i=1の区間で強化繊維束A2が他の区間(i=2~9)よりも少ないことを意味する(言い換えると、繊維束分布がi=1のゾーンで欠損している)。このため、複合材料を成形する際、予備加熱した後のドレープ性が安定する。良好なドレープ性とは、複合材料を加熱したときに適度な柔軟性と持ち運びの容易性を両立させている状態をいう。
束幅が大きくなると、複合材料は柔らかくなり柔軟性は向上するが、持ち運び性は低下する。反対に、束幅が小さくなると、複合材料は固くなり柔軟性は低下するが、持ち運び性は向上する。
上記式(x)、式(y)及び式(z)を満たした複合材料の場合、i=1の束幅ゾーンに存在する繊維束が他に比べて少なく、繊維束幅の分布が広がっていないため(繊維束の一部が欠損しているため)、束幅を均一化させやすい。この結果、束幅の大きさが一定となり、ドレープ性が安定する。
このようにドレープ性が安定した場合、樹脂が熱可塑性のマトリクス樹脂を用いたとき、成形型へ複合材料を載置する際のプレ賦形性が安定化する。
(効果2)
複合材料を製造する際の束分布評価が容易になる。複合材料を連続生産する場合、全ての複合材料の束分布を測定するのは困難であるが、上記式(x)、式(y)及び式(z)を満たした場合には、強化繊維を堆積させたときの嵩高さを測定することで、ここから束分布を容易に予測できる。複合材料を作成するための材料である強化繊維束を堆積させた強化繊維マットの嵩高さは、繊維束の本数に依存する。言い換えると、強化繊維マットの嵩高さを安定させるには、繊維束の本数を安定させると良い。
上記式(x)、式(y)及び式(z)を満たし、i=1の区間で強化繊維束A2が他の区間(i=2~9)よりも少なければ、束幅分布が狭くなり、繊維束の本数を安定化できる。
連続生産したときの嵩高さを計測し、これが経時で変化した場合、束分布のムラが発生したことを意味し、束分布のムラの評価が容易になる(逐一、束分布を測定せずとも、嵩高さを計測すれば良い)。この点に着目すると、本発明は以下の複合材料の原料である強化繊維堆積物の製造方法であるともいえる。
(好ましい強化繊維堆積物の製造方法)
強化繊維束A2を、束幅ゾーンに区分し(i=1~9)、各束幅ゾーンにおける強化繊維束A2の体積割合をVfiA2としたとき、下記式(x)、(y)及び(z)を満たす強化繊維堆積物の製造方法。
式(x) 0≦Vf(i=1)A2<10%
式(y) i=2~9のうち、2つ以上の束幅ゾーンにおいて0<VfiA2
式(z) Vf(i=1)A2<Vf(i=2~9の少なくともいずれか1つ)A2
[強化繊維束A2の平均厚みTA2
本発明において、強化繊維束A2の平均厚みTA2は100μm未満が好ましく、より好ましくは80μm未満、更に好ましくは70μm未満、より一層好ましくは60μm未満である。強化繊維束A2の平均厚みTA2が100μm未満であると、強化繊維束へのマトリクス樹脂の含浸に必要な時間が短くなるため、効率的に含浸が進行する。
強化繊維束A2の平均厚みTA2の下限は20μm以上が好ましい。強化繊維束A2の平均厚みTA2が20μm以上であれば、強化繊維束A2の剛直性が十分に確保できる。
強化繊維束A2の平均厚みTA2の下限は30μm以上がより好ましく、40μm以上が更に好ましい。
[強化繊維束A2の割合]
強化繊維束A2の繊維体積割合(VfA2(全体))は、10Vol%以上90Vol%以下であれば好ましく、より好ましくは15Vol%以上70Vol%であり、更に好ましくは15%Vol%以上50Vol%であり、特に好ましくは15Vol%以上30Vol%である。
[強化繊維束A3]
強化繊維束A2と強化繊維A1以外の強化繊維Aとして、束幅3.0mm超の強化繊維束A3が含まれていても良い。強化繊維束A3の繊維体積割合(VfA3)は15Vol%以下であることが好ましい。強化繊維束A3は強化繊維Aに対して、10Vol%以下で混入していても問題は少ないものの、5Vol%以下であればより好ましく、3Vol%以下であれば更に好ましい。
なお、国際公開第2017/159264号パンフレットに記載のような、強化繊維束を全く分繊していない、結合束集合体が存在すると、その周囲には樹脂ポケットが増加することによる複合材料(成形体)の破壊の起点になるし、未含浸部が表面に浮き出た場合には外観が極めて悪化する。なお、熱硬化性のマトリクスを用いた場合には含浸が容易であるが、熱可塑性のマトリクス樹脂を用いた場合に、本課題は顕著となる。
更に、国際公開第2017/159264号パンフレットや、国際公開2019/194090号パンフレットに記載の発明では、強化繊維束の分繊時に、未分繊処理区間が存在しており、未分繊処理区間(未分繊部分)に起因する結合束集合体と呼ばれる巨大な繊維束が含まれている。このため、結合束集合体そのものが欠陥の原因となる。また、熱可塑性のマトリクスを用いた場合、含浸工程において、複合材料内で強化繊維や熱可塑性のマトリクス樹脂が過度に面内方向へ移動し、複合材料の強化繊維体積割合や繊維配向の均一性にムラを生じてしまう。
[繊維束の測定]
強化繊維束は、後述するように「繊維束」の認識は、ピンセットで取り出すことが可能なものである。そして、ピンセットでつまんだ位置にかかわらず、一まとめの束の状態としてくっついている繊維束は、取り出したときに一まとめの束として取り出されるため、繊維束は明確に定義可能である。分析用の繊維試料を採取するために強化繊維の集合体を観察すると、繊維試料をその長手側面の方向からだけでなく、様々な方向および角度から見ることにより、強化繊維の集合体において、複数の繊維が一まとめになっている箇所がどこか、また、繊維がどのように堆積しているかを確認し、一まとめとして機能する繊維束がどれかを客観的かつ一義的に判別することができる。例えば繊維が重なり合っていた場合、交差部分で、構成単位である繊維の違う方向を向いているもの同士が絡み合っていないなら2つの繊維束であると判別できる。
なお、個々の強化繊維束についての幅と厚みは、互いに直交する3つの直線(x軸、y軸、及びz軸とする)を考えた場合に、個々の強化繊維束の長手方向をx軸方向とし、それに直交するy軸方向の長さの最大値ymaxとz軸方向の長さの最大値zmaxとのうち長い方を幅とし、短い方を厚みとする。ymaxとzmaxとが等しい場合はymaxを幅とし、zmaxを厚みとすることができる。
そして、上記の方法で求めた個々の強化繊維束の幅の平均値を強化繊維束の平均束幅とする。
[強化繊維B]
本発明における複合材料は、繊維長5mm未満の強化繊維Bを含んでいても良い。強化繊維Bは炭素繊維束であっても良いし、単糸状(モノフィラメント状)であっても良い。
[強化繊維Bの重量平均繊維長]
強化繊維Bの重量平均繊維長Lに特に限定はないが、下限は0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましく、0.2mm以上が更に好ましい。強化繊維Bの重量平均繊維長Lが0.05mm以上であると、機械強度が担保されやすい。
強化繊維Bの重量平均繊維長Lの上限は複合材料を成形後の成形体の厚さ未満であれば好ましい。具体的には5mm未満がより好ましく、3mm未満が更に好ましく、2mm未満がより一層好ましい。なお、強化繊維Bの重量平均繊維長Lは、上述したように、式(1)、(2)により求められる。
[樹脂]
本発明に用いられるマトリクス樹脂は、熱硬化性であっても、熱可塑性であっても良い。熱可塑性のマトリクス樹脂であると好ましい。
なお、本明細書において、熱可塑性のマトリクス樹脂(又は熱硬化性のマトリクス樹脂)とは、複合材料に含まれた熱可塑性樹脂(又は熱硬化性樹脂)を意味する。
一方、熱可塑性樹脂(又は熱硬化性樹脂)とは、強化繊維へ含浸させる前の、一般的な熱可塑性樹脂(又は熱硬化性樹脂)を意味する。
1.熱可塑性のマトリクス樹脂
樹脂が熱可塑性のマトリクス樹脂の場合、その種類は特に限定されるものではなく、所望の軟化点又は融点を有するものを適宜選択して用いることができる。上記熱可塑性のマトリクス樹脂としては、通常、軟化点が180℃~350℃の範囲内のものが用いられるが、これに限定されるものではない。
2.熱硬化性のマトリクス樹脂
樹脂が熱硬化性のマトリクス樹脂の場合、複合材料は強化繊維を用いたシートモールディングコンパウンド(SMCと呼ぶ場合がある)であることが好ましい。シートモールディングコンパウンドはその成形性の高さから、複雑形状であっても、容易に成形することができる。シートモールディングコンパウンドは、流動性や賦形性が連続繊維に比べて高く、容易にリブやボスの作成ができる。
[その他の剤]
本発明で用いる複合材料中には、本発明の目的を損なわない範囲で、有機繊維または無機繊維の各種繊維状または非繊維状のフィラー、難燃剤、耐UV剤、安定剤、離型剤、顔料、軟化剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を含んでいてもよい。
[複合材料の製造方法(例1)]
本発明における複合材料は、樹脂と強化繊維とを含む複合組成物からシート状に作成されることが好ましい。
「シート状」とは、複合材料の大きさを示す3つの寸法(例えば、長さ、幅、厚みである。)の内、最も小さい寸法を厚みとし、最も大きい寸法を長さとした場合、この長さが厚みに対して、10倍以上あるような、平面状の形状のものを意味する。
本発明において、複合組成物とは、強化繊維に樹脂が含浸される前の状態を指す。なお、複合組成物中の炭素繊維にはサイジング剤(又はバインダー)が付与されている場合があり、これらはマトリクス樹脂ではなく、複合組成物において、強化繊維に予め付与されていても良い。
複合組成物の製造方法は、樹脂と強化繊維との形態に応じて種々の方法を用いることができる。なお、複合組成物の製造方法は以下で説明する方法に限定されない。
[複合材料の製造方法 例1:強化繊維束の形態固定剤の使用]
本発明における複合材料を製造する際、強化繊維(特に強化繊維A)を目的の束幅にコントロールして、束幅の分布を制御するために、強化繊維束形態固定剤(単に形態固定剤と呼ぶ場合がある)を用いても良い。
1.製造工程
強化繊維束の形態固定剤を使用する場合、
工程1.クリールから巻き出した(連続した)強化繊維束を拡幅し、
工程2.拡幅した強化繊維束に形態固定剤を付与して固定強化繊維束とし、
工程3.固定強化繊維束を分繊し、
工程4.好ましくは分繊した固定強化繊維束を隙間なく並べた状態で固定長にカットし、
工程5.分繊された固定強化繊維束に樹脂を含浸させて、
複合材料を作成することができる。
本明細書においては、固定強化繊維束を複合材料とは呼ばない。本明細書における複合材料とは、固定強化繊維束に、形態固定剤とは別に熱可塑性(又は熱硬化性)のマトリックス樹脂を含浸させたものである。
なお、拡幅とは強化繊維束の幅を広げる(強化繊維束厚みが薄くなる)ことを意味している。
2.強化繊維束の形態固定剤
2.1 形態固定剤の種類
形態固定剤を付与する工程は、製造工程中であれば特に限定されるものではないが、好ましくは強化繊維束を拡幅処理した後に付与することが好ましく、付与は塗布であるとより好ましい。
形態固定剤の種類は、強化繊維束を固定できるものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは、常温で固体のもの、より好ましくは樹脂、さらに好ましくは熱可塑性樹脂である。熱可塑性のマトリックス樹脂を使用する場合、これと相溶する形態固定剤が最も好ましい。形態固定剤は1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。
形態固定剤として熱可塑性樹脂を使用する場合は、固定強化繊維束を製造する環境に応じて所望の軟化点を有するものを適宜選択して用いることができる。軟化点の範囲に限定はないが、好ましい軟化点の下限値としては、60℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上である。形態固定剤の軟化点を60℃以上とすることで、形態固定剤は夏季の高温時の使用環境においても、室温で固体であり取扱性に優れるため好ましい。一方、上限値としては、250℃以下、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは150℃以下、より一層好ましくは125℃以下である。形態固定剤の軟化点を250℃以下とすることで、簡単な加熱装置で十分加熱することができ、冷却して固化するのが容易であるため強化繊維束を固定化するまでの時間が早くなり好ましい。
2.2 形態固定剤に加える可塑剤
形態固定剤に可塑剤を加えても良い。形態固定剤に用いる熱可塑性樹脂の見掛けのTgを下げることで、強化繊維束に含浸させやすくある。
2.3 形態固定剤の塗布方法
2.3.1 段階的塗布
前述した形態固定剤を付与する工程では、一段階で形態固定剤を付与しても良いし、強化繊維の上面と下面から、形態固定剤を二段階に分けて付与しても良い。二段階塗布の場合において、一段階目は溶融塗布(ホットメルト塗布)、二段階目は溶媒に分散させた形態固定剤を塗布させることが好ましい。複合材料を製造するプロセスを簡便化する観点から強化繊維束への浸透率が高い形態固定剤を一段階で付与することがより好ましい。
2.3.2 静電塗布との比較
形態固定剤を使用する場合、静電塗布を利用しても良い。ただし、静電塗布を利用する場合は粉体の形態固定剤を使用する必要があり、粒形などの使用条件によっては静電気が溜まり、粉塵爆発の可能性がある。安全性の担保の観点からは、溶液又は溶融塗布が好ましい。
2.3.3 スプレー方式での塗布
強化繊維束へ形態固定剤を付与するとき、形態固定剤を溶媒に分散させ、スプレーガンから吐出して、強化繊維束に付着させても良い。スプレーガンから溶媒に分散させた形態固定剤を吐出する時は、吹き付ける強化繊維束の拡幅幅に加えて、1mm以上2mm以下の範囲で繊維束幅よりも広めに吹き付けるのが好ましい。付着させる時の溶媒に分散させる形態固定剤の濃度は、溶媒に対して5wt%以下が好ましく、3wt%以下がより好ましい。また、その際に使用するスプレーの吐出圧力は形態固定剤の飛散具合を考慮し、1MPa以下が好ましく、0.5MPa以下がより好ましく、0.3MPa以下が更に好ましい。
3.分繊装置
上述の固定強化繊維束を分繊する、分繊装置に特に限定は無いが、以下の分繊装置が用いられる。
3.1 ローラーへの押し付け分繊(図4)
図4に、ローラーへ強化繊維束(401)を押し付けて刃(402)で分繊する模式図を示す。焼き入れなどの熱処理を行った高硬度の下受けローラー(403、ゴムローラー)に押し付けて分繊する。この場合、ゴムロールに傷がついて、強化繊維束が挟み込まれないように調整する必要がある。
3.2 シェア刃方式(図5)
図5に、シェア刃方式で強化繊維束を分繊させる模式図を示す。図5では、逃げ角がついた鋭角な刃先(504)を上回転刃(501)に備え、下回転刃(502)の先端(505)の側面に押し付けて刃組して切断する。この場合、高精度のクリアランス管理が経時で必要となる。
3.3 ギャング方式(図6)
図6に、ギャング方式で強化繊維束を分繊させる模式図を示す。図6では、回転丸刃である上回転刃(601)に備えた上刃(604)と、下回転刃に備えた下刃(605)とを、微小な隙間ができるようにして先端を重ね合わせた構成で刃を組み合わせ、重なる部分に強化繊維束を挟み込んで、上刃と下刃の重なる部分のせん断力で分繊する。シェア刃方式と同様に、高精度のクリアランス管理が経時で必要となる。
3.4 抜き差し方式(図7・図8)
図7に分繊装置を描く。強化繊維束(701)を、刃付き分繊装置(703)に挿入し、分繊された強化繊維束(702)を得る。このとき、図8のように、ブレード(801)を抜き差しすることで、強化繊維束を刃の中で再配置させにくくすると好ましい。言い換えると、刃の中に強化繊維束を通し続けると、スリットにズレが生じるが、ブレード(801)で抜き差しすることで、スリットにズレが生じたときに、スリット幅を矯正しやすくなる。
ブレード(801)と回転刃(803)の回転速度は固定しておくことが好ましい。一方、強化繊維の速度1.0に対して、ブレード(801)の回転速度は1.1超えが好ましい。より具体的にはブレード(801)と回転刃(803)の回転の周速をV(m/min)、強化繊維束の搬送速度をW(m/min)としたとき、1.0≦V/Wが好ましく、1.0≦V/W≦1.5がより好ましく、1.1≦V/W≦1.3が更に好ましく、1.1≦V/W≦1.2がより一層好ましい。
この点、国際公開2019/194090号パンフレットに記載の発明では、0.02≦V/W≦0.5とされており、これでは未分繊の繊維束が発生してしまう。このような未分繊の繊維束が発生すると、成形体の欠陥の原因となる。
4.形態固定剤を用いたときの繊維束分布
図1では強化繊維束を拡幅後、形態固定剤で固定して固定強化繊維束を作成した後、ロータリーカッターを用いて強化繊維をカットする際に、強化繊維がカッターやローラーに挟まらないよう、挟まった強化繊維を引き剥がすために、気流を用いたときの、束幅0.3mm~3.0mmの区間での繊維束分布を描いている。図1の(a)(b)(c)は、それぞれ風量80L/min、120L/min、160L/minでの場所からサンプル採取した。図2に比べて、固定強化繊維束を用いた図1では、束分布が均一となる(言い換えると、特定の束幅ゾーンでの変動係数が相対的に小さい)。
[複合材料の製造方法(例2)]
予め熱可塑性のマトリクス樹脂を、拡幅した炭素繊維束に含浸させた後にカットして複合材料としても良い。
例えば、複数本の炭素繊維ストランドを並列に並べ、公知の拡幅装置(例えば、空気流を用いた拡幅、金属もしくはセラミックなどで製作した複数本のバーを通過させる拡幅、超音波を用いた拡幅など)を用いてストランドを目的の厚みにして、炭素繊維を引き揃え、目的量の熱可塑性のマトリクス樹脂と一体化したもの(以下、UDプリプレグ)を作成する。その後、該UDプリプレグを、ギャング式のスリッターに通過させてスリットする。
このとき、繊維幅0.3mm未満の強化繊維A1と、束幅0.3mm以上3.0mm以下の強化繊維束A2とを含むようにスリッターを設計する。更に、強化繊維束A2が、複数の束幅ゾーン(束幅ゾーンの総数n≧3)で、それぞれ繊維束が存在するようにスリッターにスリット区域を設ける。
スリット後、一定の長さにカットして、チョップドストランド・プリプレグを作成する。得られたチョップドストランド・プリプレグは、繊維配向がランダムになるように均一に堆積・積層すると良い。この積層されたチョップドストランド・プリプレグを加熱・加圧し、チョップドストランド・プリプレグ内に存在する熱可塑性のマトリクス樹脂が溶融し、他の複数のチョップドストランド・プリプレグと一体化することで本発明の複合材料が得られる。また、熱可塑性樹脂の付与方法は、特に限定されるものではない。例えば、直接溶融した熱可塑性樹脂を強化繊維のストランドに含浸する方法、フィルム状の熱可塑性樹脂を溶融して強化繊維のストランドに含浸させる方法、粉体状の熱可塑性樹脂を溶融して強化繊維のストランドに含浸させる方法などがある。また、熱可塑性樹脂を含浸した強化繊維の裁断の方法は特に限定されないが、ペレタイザー、ギロチン方式、コダック方式等のカッターが利用できる。チョップドストランド・プリプレグを、ランダムに均一に堆積・積層させる方法としては、例えば、連続的に生産する場合は、裁断して得られたプリプレグを直接高い位置から自然落下させ、スチールベルト等のベルトコンベアー上に堆積させる方法や、落下経路にエアーを吹き込むか、若しくは、邪魔板を取り付ける方法などが考えられる。バッチ式の製造の場合は、裁断したプリプレグを容器に蓄積しておき、この容器の下面に搬送装置を取り付け、シート製造のための金型等へ分散させる方法などが挙げられる。
[その他の設備]
適切な幅に強化繊維を拡幅できるようフィードバックをかけるために、拡幅モニタリング装置を設けても良い。強化繊維の目付を測定する場合は、レーザー変位計やX線を用いることもできる。強化繊維から発生した毛羽を除去するため、毛羽吸引装置などを用いても良い。
[複合材料と成形体の関係]
本発明において、複合材料とは成形体を作成するための材料であり、複合材料は、好ましくはプレス成形(圧縮成形とも呼ぶ)されて成形体となる。したがって、本発明における複合材料は平板形状が好ましいが、成形体は賦形されており、3次元形状に形あるものである。
熱可塑性のマトリクス樹脂を用いてコールドプレスした場合、成形前後で強化繊維の形態はほぼ維持されるため、成形体に含まれる強化繊維の形態を分析すれば、複合材料の強化繊維の形態がどのようなものであったか分かる。
[成形体]
本発明における複合材料は、プレス成形して成形体を製造するためのものであることが好ましい。樹脂が熱可塑性のマトリクス樹脂である場合、プレス成形としては、コールドプレス成形が好ましい。
[プレス成形]
複合材料を用いて成形体を製造するにあたっての好ましい成形方法としては、プレス成形が利用され、ホットプレス成形やコールドプレス成形などの成形方法を利用できる。
マトリクス樹脂が熱可塑性のマトリクス樹脂である場合、とりわけコールドプレスを用いたプレス成形が好ましい。コールドプレス法は、例えば、第1の所定温度に加熱した複合材料を第2の所定温度に設定された成形型内に投入した後、加圧・冷却を行う。
具体的には、複合材料を構成する熱可塑性のマトリクス樹脂が結晶性である場合、第1の所定温度は融点以上であり、第2の所定温度は融点未満である。熱可塑性のマトリクス樹脂が非晶性である場合、第1の所定温度はガラス転移温度以上であり、第2の所定温度はガラス転移温度未満である。すなわち、コールドプレス法は、少なくとも以下の工程A2)~A1)を含んでいる。
工程A2)複合材料を、熱可塑性のマトリクス樹脂が結晶性の場合は融点以上分解温度以下、非晶性の場合はガラス転移温度以上分解温度以下に加温する工程。
工程A1)上記工程A2)で加温された複合材料を、熱可塑性のマトリクス樹脂が結晶性の場合は融点未満、非晶性の場合はガラス転移温度未満に温度調節された成形型に配置し、加圧する工程。
これらの工程を行うことで、複合材料の成形を完結させることができる。
上記の各工程は、上記の順番で行う必要があるが、各工程間に他の工程を含んでもよい。他の工程とは、例えば、工程A1)の前に、工程A1)で利用される成形型と別の賦形型を利用して、成形型のキャビティの形状に予め賦形する賦形工程等がある。また、工程A1)は、複合材料に圧力を加えて所望形状の成形体を得る工程であるが、このときの成形圧力については特に限定はしないが、成形型キャビティ投影面積に対して20MPa未満が好ましく、10MPa以下であるとより好ましい。
また、当然のことであるが、プレス成形時に種々の工程を上記の工程間に入れてもよく、例えば真空にしながらプレス成形する真空プレス成形を用いてもよい。
[スプリングバック]
1.スプリングバックの説明
マトリクス樹脂が熱可塑性のマトリクス樹脂である場合、複合材料を用いてコールドプレス成形するためには、複合材料を所定の温度に予熱・加熱して軟化・溶融する必要があり、繊維長が5mm以上の不連続繊維である強化繊維を含む(とりわけ強化繊維が堆積したマット状態のものを含む場合)複合材料は予熱時に熱可塑性のマトリクス樹脂が可塑状態になると強化繊維のスプリングバックにより膨張し嵩密度が変化する。予熱時に嵩密度が変化すると、複合材料がポーラスとなり表面積が増大するとともに複合材料内部まで空気が流入し熱可塑性のマトリクス樹脂の熱分解が促進される。ここで、スプリングバック量とは、予熱後の複合材料の板厚を、予熱前の複合材料の板厚で割った値である。
強化繊維Aに対して、強化繊維A1の割合が多くなったり、繊維長が長くなったりするとスプリングバック量は大きくなる傾向にある。
2.スプリングバックの制御
マトリクス樹脂が熱可塑性のマトリクス樹脂であって、複合材料の、予熱前の厚さに対する予熱後の厚さの比であるスプリングバック量が1.0超であり、その変動係数CVsが35%未満であることが好ましい。
ただし、変動係数CVsは式(c)で算出したものである。
変動係数CVs=100×スプリングバック量の標準偏差/スプリングバック量の平均値・・・式(c)
ここで、複合材料を100mm×100mmピッチで区分けして各々のCVsを計測し、変動係数CVsを求めることが好ましく、例えば、複合材料の寸法が1000mm×100mmの面状体の場合、10サンプル(10ヶ所)に区分けして測定した変動係数で定義される。
複合材料を測定する際、100mm×100mmピッチで測定すると好ましいが、複合材料や成形体によっては大きさが小さく、100mm×100mmピッチでサンプリングしようとしても、一つの複合材料や成形体から1サンプルしか採取できない場合がある。この場合は、複合材料や成形体を10個準備し、これら10個の成形体から1サンプルずつ採取し、10サンプル(10個)の変動係数を算出すれば良い。また、複合材料や成形体の寸法が1000mm×100mmの面状体の場合、10サンプル(10ヶ所)に区分けして測定した変動係数で定義される。
変動係数CVsが35%未満であれば、複合材料をコールドプレスして成形体を製造する際、製造の安定性が向上する。特に、深絞り形状、ハット形状、コールゲート形状、円筒形状などの成形をする場合に有利である。
3.好ましいスプリングバック量
好ましいプリングバック量は1.0超14.0未満であり、より好ましくは1.0超7.0以下であり、更に好ましくは1.0超5.0以下であり、より一層好ましくは1.0超3.0以下である。
[成形時の優位性]
本発明を用いれば、1枚の複合材料を観察したときのスプリングバックが安定するだけでなく、大量の複合材料をそれぞれ比較して観察してもスプリングバックが安定する。このため、成形時にロボットハンドを用いる場合、複雑形状の成形型に複合材料を予備賦形して配置する際、安定してロボットハンドは複合材料を把持できるし、把持を解除するのも容易である。
[ホールインモールドの安定性向上]
孔h1を設けた成形体を、コールドプレスによって製造する場合、雌雄一対の成形型の少なくともいずれか一方に、成形体に孔h1を形成するための孔形成部材を有し、厚みtの複合材料に孔h0をあけた後に、前記孔形成部材に対応するように複合材料を成形型に配置し、プレスする(例えば図10)。
成形体の所望の位置に孔h1を形成するための孔成形部材は、雌雄一対の成形型の少なくともいずれか一方(すなわち上型又は下型)に設けられていれば良く、例えば図10(b)のような下型の突起(1002)が例示できる。なお、孔成形部材は、ピンを成形型に配置することで設けられ、コアピンと呼ばれる場合もある。図10に成形体を製造するための成形型の例をその断面概略図で示すが、成形型はプレス装置(図示せず)に取り付けられた雌雄一対(1003、1004)の上型下型で構成されており、通常その一方、場合によってはその両方が成形型の開閉方向に移動可能(図では、雄金型は固定され、雌金型が移動可能となっている)となっている。
これらの成形型は製品形状に応じたキャビティ面を有しており、図10においては、所定の位置に開口を形成せしめるための孔成形部材として、成形型内を成形型の開閉方向に進退可能であって、目的とする成形体の孔h1と同じ断面形状の孔成形部材が、目的とする成形体の孔h1の位置に対応して設けられている。孔成形部材を設ける成形型は雌雄いずれの成形型であってもよいが、予熱して軟化状態にある複合材料の供給を容易にするためには、複合材料を配置する側の成形型に設けるのが好ましい。また、場合によっては型締時に孔成形部材の先端面が相対して接するように、雌雄両方の成形型に設けてもよい。
以下、図10に示す成形型を用いた場合の成形体の製造方法を説明する。雌雄両成形型(1003、1004)を開放状態とし、複合材料(1001)を雄成形型(1003)のキャビティ面に載置する。成形型に設けられた孔形成部材(1002)に対応する位置には、該孔形成部材(1002)の投影面積よりも大きい投影面積を有する孔h0が複合材料に設けられており(図10)、複合材料(1001)はこの孔h0内に孔形成部材(1002)を挿入して成形型下型に載置される(図3の(b))。
孔形成部材に対応するように孔h0を有する複合材料を成形型に配置するとは、具体的には孔形成部材を複合材料の孔h0に通して配置することである。
下型1003のキャビティ面上に、孔h0に孔成形部材1002を挿入した複合材料を配置したのち、上型1004の降下を開始する。上型の降下にしたがって下型に設けた孔成形部材の先端面と上型の成形面が接触し、更に降下を続けると、孔形成部材は、上型(図10でいう1004)に予め設けておいた、孔形成部材の収納部(図示せず)に収まり、複合材料(1001)は流動して孔h1を有する成形体は製造される。
成形完了後、雌雄両金型を開放して成形体を取り出すことにより、孔h1有する成形体が得られる。
図11に、孔が2つある場合の成形体の製造を例示する。
ロボットハンドを用いてホールインモールドを行う場合、毎回同じ位置をロボットハンドが把時できるように、複合材料に開けた孔h0の座標や、複合材料の端部の座標を基準にする。
このとき、複合材料のスプリングバックの程度にバラツキが少ないと基準となる座標(例えば孔h0)にズレが生じにくい。この結果、ロボットハンドによる複合材料の把持を正確に行うことができ、成形型に設置する位置を安定化できる。
[複合材料100mm×100mmピッチでの測定]
本発明の複合材料を測定する際、100mm×100mmピッチで測定すると好ましいが、複合材料や成形体によっては大きさが小さく、100mm×100mmピッチでサンプリングしようとしても、一つの成形体から1サンプルしか採取できない場合がある。この場合は、成形体を10個準備し、これら10個の成形体から1サンプルずつ採取し、10サンプル(10個)の変動係数を算出すれば良い。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.以下の実施例で用いた原料は以下の通りである。
1.1 PAN系炭素繊維
(1)帝人株式会社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40-48K(平均繊維径7μm、繊度3200tex、密度1.77g/cm
(2)帝人株式会社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40-24K(EP)(平均繊維径7μm、繊度1600tex、密度1.78g/cm
1.2 樹脂
・ポリアミド6(ユニチカ株式会社製A1030、PA6と略する場合がある)。強化繊維に含浸させた後は、熱可塑性のマトリクス樹脂となる。
・ポリアミド6フィルム(ユニチカ株式会社製、「エンブレムON-25」、融点220℃)
1.3 形態固定剤
・形態固定剤1:PA6と可塑剤の樹脂組成物
ポリアミド6(ユニチカ株式会社製A1030)100質量部に対して、p-ヒドロキシ安息香酸2-へキシルデシルエステル(花王株式会社製のエキセパールHD-PB)50質量部の割合で混合させて準備した。
・形態固定剤2:共重合ポリアミド
エムスケミー・ジャパン社製 Griltex2A(樹脂40%、水60%)、マイクロサスペンジョンを水で2倍希釈したものを準備した。希釈した形態固定剤2の樹脂成分(固形分)は20%である。
溶融範囲120~130℃。
・形態固定剤3:ダイセル・エボニック社製の共重合ナイロン“VESTAMELT”(登録商標)Hylink、熱可塑性樹脂、融点126℃
・形態固定剤4:
エムスケミー・ジャパン社製 Griltex2A(樹脂40%、水60%)、マイクロサスペンジョンを水で4倍希釈したものを準備した。希釈した形態固定剤4の樹脂成分(固形分)は10%である。
2.本実施例における各値は、以下の方法に従って求めた。
(1)強化繊維の測定
(1.1) サンプル作成
複合材料から100mm×100mmのサンプルを10枚切り出し、サンプルを500℃に加熱した電気炉(ヤマト科学株式会社製FP410)の中で窒素雰囲気下で、1時間加熱してマトリクス樹脂等の有機物を焼き飛ばした。
(1.2)複合材料に含まれる強化繊維体積割合(Vftotal
焼き飛ばし前後のサンプルの重量を秤量することによって強化繊維と熱可塑性のマトリクス樹脂の重量を算出した。次に、各成分の比重を用いて、強化繊維と熱可塑性のマトリクス樹脂の体積割合を、10枚のサンプルそれぞれについて算出した。
強化繊維体積割合(Vftotal)=100×強化繊維体積/(強化繊維体積+熱可塑性のマトリクス樹脂体積) ・・・ 式(3)
(1.3)繊維束の測定個数
100mm×100mmのサンプル1枚(焼き飛ばし後)に含まれる強化繊維から、0.5g採取し、繊維長が5mm以上の強化繊維Aをピンセットでランダムに合計1200個抽出した。
強化繊維の測定個数については、許容誤差ε3%、信頼度μ(α)95%、母比率ρ=0.5(50%)で、以下の式(4)から導き出されるn値から求められる。
n=N/[(ε/μ(α))×{(N-1)/ρ(1-ρ)}+1] 式(4)
n:必要サンプル数
μ(α):信頼度95%のとき1.96
N:母集団の大きさ
ε:許容誤差
ρ:母比率
ここで、強化繊維体積(Vftotal)=35%の複合材料を100mm×100mm×厚み2mmに切り出して焼き飛ばして得たサンプルの場合、母集団の大きさNは、(100mm×100mm×厚み2mm×Vftotal35%)÷((Diμm/2)×π×繊維長×繊維束に含まれる単糸の繊維数)で求められる。繊維径Diを7μm、繊維長を20mm、繊維束に含まれる単糸数の設計を1000本とすると、N≒9100本となる。
このNの値を上記式(4)に代入して計算すると、必要サンプル数nは約960本となる。本実施例においては、信頼度を高めるため、100mm×100mmのサンプル1枚について、やや多めの1200本抽出して測定することとした。
(2)繊維体積割合の測定
(2.1)強化繊維A1、強化繊維束A2、強化繊維束A3
(1.3)で取り出した強化繊維A(1200個)から、強化繊維A1(繊維幅0.3mm未満)と、強化繊維束A2(束幅0.3mm以上3.0mm以下)、A3(束幅3.0mm超)とに区分し、1/1000mgまで測定が可能な天秤を用いて、強化繊維A1、強化繊維束A2、強化繊維束A3の重量を測定した。測定した重量をもとに、強化繊維A1、強化繊維束A2、強化繊維束A3の体積割合は、強化繊維の密度(ρcf)を用いて式(3-1)、式(3-2)、式(3-3)により求めた。
式(3-1):
強化繊維体積割合(VfA1
=100×強化繊維A1の体積/(強化繊維体積+マトリクス樹脂体積)
=Vftotal×((強化繊維A1の重量)/ρcf)/((全強化繊維の重量)/ρcf
式(3-2):
強化繊維体積割合(VfA2(全体)
=100×強化繊維束A2の体積/(強化繊維体積+マトリクス樹脂体積)
=Vftotal×((強化繊維束A2の重量)/ρcf)/((全強化繊維の重量)/ρcf
式(3-3):
強化繊維体積割合(VfA3
=100×強化繊維束A3の体積/(強化繊維体積+マトリクス樹脂体積)
=Vftotal×((強化繊維束A3の重量)/ρcf)/((全強化繊維の重量)/ρcf
(2.2)強化繊維束A2の各束幅ゾーンの繊維
強化繊維束A2は、更に下記の束幅ゾーン(i=1~9のゾーン)に区分し、1/1000mgまで測定が可能な天秤を用いて、各束幅ゾーンの重量を測定した。
束幅ゾーン(i=1) 0.3mm≦束幅<0.6mm
束幅ゾーン(i=2) 0.6mm≦束幅<0.9mm
束幅ゾーン(i=3) 0.9mm≦束幅<1.2mm
束幅ゾーン(i=4) 1.2mm≦束幅<1.5mm
束幅ゾーン(i=5) 1.5mm≦束幅<1.8mm
束幅ゾーン(i=6) 1.8mm≦束幅<2.1mm
束幅ゾーン(i=7) 2.1mm≦束幅<2.4mm
束幅ゾーン(i=8) 2.4mm≦束幅<2.7mm
束幅ゾーン(i=9) 2.7mm≦束幅≦3.0mm
測定した重量をもとに、束幅ゾーン(i=k)における強化繊維束A2の体積割合(Vf(i=k)A2)は、強化繊維の密度(ρcf)を用いて式(3-5)により求めた。
式(3-5):
Vf(i=k)A2=強化繊維体積割合(Vftotal)×(束幅ゾーン(i=k)における強化繊維束A2の重量合計/ρcf)×100/(全強化繊維の重量/ρcf
(3)変動係数CVA1、変動係数CViA2、変動係数CVA3
(2)の作業について、(1.1)で得られた10枚のサンプルで繰り返し、強化繊維A1、各々の束幅ゾーンにおける強化繊維束A2、強化繊維束A3の体積割合VfA1、VfiA2、VfA3を求めた。その後、10枚のサンプル間での平均値と標準偏差から、変動係数CVA1、変動係数CViA2、変動係数CVA3を算出した。
(4)繊維長
(4.1)スキャン画像の利用
(1.3)で取り出した強化繊維A(1200個)から、0.5g採取し、強化繊維A1と、強化繊維束A2、強化繊維束A3とに区分し、強化繊維A1については繊維長も測定した。
強化繊維束A2、強化繊維束A3は、繊維束が重ならないように透明なA4サイズのフィルム上に並べ、透明フィルムを被せてラミネートして繊維束を固定した。
透明フィルムでラミネートされた繊維束を、フルカラー、JPEG形式、300×300dpiでスキャンし、パソコンに保存した。この作業を繰り返し、強化繊維A(1200個)に含まれる、強化繊維束A2と強化繊維束A3のスキャン画像を得た。得られたスキャン画像を、ニレコ社製画像解析装置Luzex APにて、繊維長と繊維束幅を測定した。この方法で測定することで、測定者間の誤差を無くした。
(4.2)複合材料中に含まれる強化繊維Aの重量平均繊維長
測定した強化繊維Aの繊維長から次式により重量平均繊維長Lを、算出した。
重量平均繊維長L=(ΣLi)/(ΣLi)・・・式(2)
(5)ドレープ性評価
複合材料から100mm×100mmのサンプルを切り出し、サンプルの面積100mm×50mmのみが別途準備した200mm×200mmの金網の上に乗るようにしてIRオーブンに設置し、複合材料のマトリクス熱可塑性樹脂の融点プラス60℃までサンプルを加熱した。加熱後オーブンよりゆっくりと取り出し、金網を定盤の端部に設置、金網に乗っていないサンプル部分が定盤からはみ出るようにして、加熱した複合材料サンプルの自重ではみ出した部分が垂れ下がるようにした。また、金網に乗せた側の複合材料サンプルの上に錘を乗せてサンプルが定盤から落ちないように固定した。その後、複合材料サンプルが固化する温度まで冷却、サンプルを金網から取り外し、サンプルを金網に置いていた面を基準面とし、自重で垂れ曲がった部分の角度(R、図3(a)を参照)を分度器で計測した。
計測箇所は、加熱後の複合材料サンプル端部から25mmピッチで、図3のY軸方向に5点測定し、変動係数を式(d)で算出したものである。
変動係数Ra=100×Rの標準偏差/Rの平均値・・・式 (d)
Perfefct:変動係数Raが3%以下
Excellent:変動係数Raが3%超5%以下
Good:変動係数Raが5%超10%以下
Bad:変動係数Raが10%超
(6)含浸ムラの評価(引張強度の測定)
ウォータージェットを用いて後述する成形体(幅200mm×250mm)からダンベル試験片を切り出た。試験片は、後述する20mごとに切り出した合計10枚から、それぞれ切出した。JIS K 7164(2005)を参考として、インストロン社製の5982R4407万能試験機を用いて、引張試験を行った。試験片の形状はA形試験片とした。チャック間距離は115mm、試験速度は5mm/minとした。各々の測定値より平均値と変動係数を次式より算出した。
引張強度の変動係数=100×引張強度の標準偏差/引張強度の平均値 ・・・式(5)
(7)加熱した複合材料の搬送性
複合材料から100mm×1500mmのサンプルを切り出した。この時、サンプル長手方向1500mmを元の複合材料長さL(before)とする。これをIRオーブンにて、複合材料に含まれる熱可塑性のマトリクス樹脂の融点プラス60℃までサンプルを加熱した(熱可塑性のマトリクス樹脂がPA6の場合は280℃)。加熱後、複合材料の長手方向の端部から25mmの位置を両端で把時し、加熱した複合材料が自重で垂れ下がるようにした。図9の902は、加熱して自重で垂れ下がった複合材料を示す。その後、複合材料が冷却固化するのを待ち、冷却後の複合材料の長手方向の距離L(after)を測定し、加熱前後での複合材料の伸長割合を算出した。
伸長割合=100×L(after)/L(before)
Excellent: 伸長割合が100%以上110%未満
Good:伸長割合が110%以上200%以下
Bad: 複合材料が切れて測定できない。
(8)嵩高さ測定の評価
固定炭素繊維束を、図4に示すスリット装置を用いてスリットして分繊し、その後、ロータリーカッターを用いて20mm定長カット処理して、ロータリーカッター直下に設置した、下部に吸引機構を有する一方向へ連続的に動く通気性支持体上に予め作製した熱可塑性樹脂集合体上に散布・定着させ、炭素繊維集合体(幅200mm×長さ10m)を得た。レーザー厚み計(キーエンス インラインプロファイル測定器 LJ-X8900)にて塗布した炭素繊維集合体の厚みを、MD方向(Machine Direction)へ1mごとに10回測定し(合計長さが10m)、経時的な厚み変化を調べた。
次に厚さを測定した場所の炭素繊維集合体それぞれから10g採取し、500℃に加熱した電気炉(ヤマト科学株式会社製FP410)の中で窒素雰囲気下で、1時間加熱してマトリクス樹脂等の有機物を焼き飛ばした。焼き飛ばされたサンプルについて、炭素繊維全体に対する炭素繊維A1の体積割合を測定した。
得られた嵩高さの値を散布図のx軸、得られた炭素繊維A1の体積割合を散布図のy軸とした場合の決定係数Rを算出した。なお、決定係数とは、回帰分析によって求められた目的変数の予測値が、実際の目的変数の値とどのくらい一致しているかを表している指標である。
Excellent: R=0.9以上
Good: R=0.6以上0.9未満
Bad: R=0.6未満
[実施例1]
熱可塑性樹脂として、ユニチカ株式会社製のナイロン6樹脂A1030(PA6と呼ぶ場合がある)を供給機を用いて、供給機下に設置した、一方向へ連続的に動く通気性支持体へ、散布・定着させて、熱可塑性樹脂の集合体を準備した。
強化繊維として、帝人株式会社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40-48Kを用い、炭素繊維束の厚みを100μmとなるように炭素繊維束を40mm幅に気流で拡幅した。
これに形態固定剤1をホットアプリケータ―(株式会社サンツール)を用いて、炭素繊維に対して3wt%となるように炭素繊維の上面から溶融付着させた。
これを室温まで冷却させた後、形態固定剤2をキスタッチロール(回転速度:5rpm)を用いて炭素繊維に対して、形態固定剤2の固形分が0.5wt%となるように炭素繊維の下面から塗布した。乾燥した後、炭素繊維束を観察すると、拡幅状態が固定・維持された固定炭素繊維束が得られていた。
この固定炭素繊維束を、図4に示すスリット装置(ゴムロールに押し付けて切断)を用いてスリットして分繊した。その後、ロータリーカッターを用いて20mm定長カット処理して、ロータリーカッター直下に設置した、下部に吸引機構を有する一方向へ連続的に動く通気性支持体上に予め作製した熱可塑性樹脂集合体上に散布・定着させ、炭素繊維集合体を得た。炭素繊維体積割合は、複合材料に対して35%となるように、かつ複合材料の平均厚みは2.0mmとなるように、炭素繊維の供給量を設定した。
ロータリーカッターを用いて20mmに定長カットする際、空気の気流に生じる負圧によってロールから炭素繊維を引き離した。複合組成物は幅200mmで1000m作成しており(複合材料の製造速度2m/min)、このときの空気の気流は一定ではなく、時間の経過とともに乱れていた。
作製した炭素繊維集合体と熱可塑性樹脂集合体からなる複合組成物を、連続含浸装置にて加熱し、熱可塑性樹脂を炭素繊維に含浸させて冷却した。
作成した最初の200mのサンプルから、20mごとに1枚ずつ合計10枚の複合材料をサンプリングして評価した。次の200mのサンプルから、20mごとに1枚ずつ合計10枚の複合材料(幅200mm×250mm)をコールドプレスして成形体を作成し、引張試験に用いた。残りの複合材料から、ドレープ性測定のためのサンプル、加熱した複合材料の搬送性の試験サンプルを採取した。
評価結果を表1に示す。実施例1では、形態固定剤で炭素繊維束の拡幅を固定したため、VfiA2の変動係数CViA2は、表1に示すように小さくなった。
[実施例2~3]
形態固定剤1、及び形態固定剤2の付着量を、表1に記載のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして複合材料を作成した。結果を表1に示す。
[実施例4]
炭素繊維を帝人株式会社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40-24Kを用いて、拡幅幅を20mmとしたこと以外は、実施例2と同様にして複合材料を作成した。結果を表1に示す。
[実施例5]
形態固定剤1は使用せずに、形態固定剤2の代わりに形態固定剤4を、キスタッチロール(回転速度:40rpm)を用いて、炭素繊維に対して0.5wt%(固形分)となるように炭素繊維の下面から塗布したこと以外は、実施例1と同様に複合材料を作成した。作成した炭素繊維束を観察すると、下面から塗布した形態固定剤4は炭素繊維束の上面にまで浸透していた。
[実施例6]
キスタッチロールの回転数を120rpmとすることで、形態固定剤4の付着量を炭素繊維に対して1wt%(固形分)となるように炭素繊維の下面から塗布したこと以外は、実施例5と同様に複合材料を作成した。作成した炭素繊維束を観察すると、下面から塗布した形態固定剤4は炭素繊維束の上面にまで浸透していた。これは、後述する比較例2とは異なり、炭素繊維束の全体へ形態固定剤4が浸透していることを意味する。
[比較例1]
形態固定剤を用いずに複合材料を作成したこと以外は、実施例1と同様に複合材料を作成した。結果を表2に示す。
実施例1と同様に、炭素繊維をカットする際、空気の気流は一定ではなく、時間の経過とともに乱れていた。比較例1では、形態固定剤を用いなかったために、VfiA2の変動係数CViA2は、表2に示すように大きくなった。
[比較例2]
形態固定剤1を用いず、形態固定剤2のみ使用したこと以外は、実施例2と同様にして複合材料を作成した。結果を表2に示す。なお、キスタッチロールの回転数は20rpmとしたため、炭素繊維に対する形態固定剤2の重量割合wt%は実施例6と同じであるものの、炭素繊維束の下面に形態固定剤2は偏在していた。
[比較例3]
形態固定剤1、2を使用せずに、形態固定剤3を静電塗布によって、炭素繊維に対して2wt%付着させたこと以外は、実施例1と同様に複合材料を作成した。結果を表2に示す。
[比較例4]
帝人株式会社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40-24Kを200℃の加熱バーに複数本通過させることによって、炭素繊維のストランド厚みをマイクロメーター測定値70μmまで拡幅処理したものを紙管に巻き取り、炭素繊維を拡幅したストランドを得た。得られた炭素繊維を拡幅したストランド複数本を一方向に並列させて引き揃え、炭素繊維体積割合(Vftotal)を35%になるようにナイロン6樹脂フィルム(ユニチカ株式会社製、「エンブレムON-25」、融点220℃)の使用量を調整し、加熱プレス処理を行い一方向性シート状物を得た。
その後、得られた一方向性シート状物を繊維束幅目標幅2mmにスリットした。すなわち繊維束幅は2mmの固定長(一定長)を目標設計とした。その後、ギロチン方式の裁断機を用いて、繊維長を定寸長さ20mmに裁断して、チョップドストランド・プリプレグ作成し、これをスチールベルトのベルトコンベアー上に繊維配向がランダム且つ所定の目付になるように落下・堆積させ、複合材料前駆体を得た。
チョップドストランドに含まれる炭素繊維は、設計上は(目標値は)炭素繊維長20mm、炭素繊維束幅2mm、炭素繊維束厚みは70μmとなる。得られた複合材料前駆体を350mm角の平板用金型内に所定枚数積層し、260℃に加熱したプレス装置にて、2.0MPaにて20分間加熱し、平均厚み2.0mmの複合材料を得た。この複合材料は、プレスしており、成形体でもある。この作業を21回繰り返し、21枚の複合材料サンプルを得た。最初の10枚は焼き飛ばして繊維束の分析に用いた。次の10枚は引張試験に用い、最後の1枚はドレープ性測定のためのサンプルとした。また、加熱した複合材料の搬送性の試験サンプルを準備するため、100mm×1500mmの複合材料も、別途平板用金型内を準備して作成した。結果を表2に示す。
[嵩高さ測定の評価]
実施例1、実施例5、実施例6、比較例1、比較例4については、嵩高さ測定の評価と、強化繊維A2の各束幅ゾーンのVf(i=1~9)A2の値との関係を示す。実施例1に比べて、実施例5、6ではVf(i=5)A2とVf(i=6)A2の束幅ゾーンにおいて、他の束幅ゾーンよりもVfが高いため、繊維束がこのゾーンに集中している。この結果、嵩高さ測定の評価(決定係数)が、実施例1よりも実施例5、6の方が高くなっている。
Figure 0007419541000001
Figure 0007419541000002
Figure 0007419541000003
本発明の複合材料及びこれを成形して得られた成形体は、各種構成部材、例えば自動車の構造部材、また各種電気製品、機械のフレームや筐体等、衝撃吸収が望まれるあらゆる部位に用いられる。特に好ましくは、自動車部品として利用できる。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2020年8月4日出願の日本特許出願(特願2020-132326)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
401、503、603、804:強化繊維束
402:刃
403:下受けローラー(ゴムローラー)
501、601:上回転刃
502、602:下回転刃
504:刃先
505:下回転刃の先端
604:上回転刃に備えた上刃
605:下回転刃に備えた下刃
701:未分繊の強化繊維束
702:分繊された強化繊維束
703、802:回転スリッター
704:ライン方向
801:回転ブレード(点線の回転ブレード支持台によって回転させられる)
803:回転スリッターの回転方向
901:加熱前の複合材料
902:加熱して自重で垂れ下がった複合材料
1001 孔h0を設けた複合材料
1002 孔形成部材
1003 成形型の下型
1004 成形型の上型
1005 複合材料の孔h0の内壁面W0と、孔形成部材との距離
1006 成形体
1101 孔h0と、孔h0-1とを設けた複合材料
h0 複合材料に設けた孔
h0-1 複合材料に設けた、孔h0とは別の、第2の孔

Claims (13)

  1. 強化繊維Aとマトリクス樹脂とを含む、複合材料であって、
    強化繊維Aは繊維長が5mm以上の不連続繊維であり、
    強化繊維Aは繊維幅0.3mm未満の強化繊維A1と、束幅0.3mm以上3.0mm以下の強化繊維束A2とを含み、
    強化繊維束A2を、予め定めた以下の9つの束幅ゾーンに区分し
    束幅ゾーン(i=1) 0.3mm≦束幅<0.6mm
    束幅ゾーン(i=2) 0.6mm≦束幅<0.9mm
    束幅ゾーン(i=3) 0.9mm≦束幅<1.2mm
    束幅ゾーン(i=4) 1.2mm≦束幅<1.5mm
    束幅ゾーン(i=5) 1.5mm≦束幅<1.8mm
    束幅ゾーン(i=6) 1.8mm≦束幅<2.1mm
    束幅ゾーン(i=7) 2.1mm≦束幅<2.4mm
    束幅ゾーン(i=8) 2.4mm≦束幅<2.7mm
    束幅ゾーン(i=9) 2.7mm≦束幅≦3.0mm
    各束幅ゾーンにおける強化繊維束A2の体積割合をVfiA2 (iは1~9)としたとき、
    少なくとも最小の束幅ゾーン(i=1)、及び最大の束幅ゾーン(i=)において、強化繊維束A2が存在し、VfiA2の変動係数CViA2が35%以下である複合材料。
    ただし、VfiA2の変動係数CViA2は式(a)で算出したものである。
    変動係数CViA2=100×VfiA2の標準偏差/VfiA2の平均値・・・式(a)
  2. 全ての束幅ゾーン(i=1,・・・,)において、VfiA2の変動係数CViA2が35%以下である、請求項1に記載の複合材料。
  3. 強化繊維A1の体積割合をVfA1としたとき、VfA1の変動係数CVA1が35%以下である、請求項1又は2に記載の複合材料。
    ただし、VfA1の変動係数CVA1は式(b)で算出したものである。
    変動係数CVA1=100×VfA1の標準偏差/VfA1の平均値・・・式(b)
  4. 強化繊維Aは炭素繊維である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複合材料。
  5. マトリクス樹脂は熱可塑性のマトリクス樹脂である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合材料。
  6. マトリクス樹脂が熱可塑性のマトリクス樹脂であって、
    複合材料の、予熱前の厚さに対する予熱後の厚さの比であるスプリングバック量が1.0超であり、その変動係数CVsが35%未満である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複合材料。
    ただし、変動係数CVsは式(c)で算出したものである。
    変動係数CVs=100×スプリングバック量の標準偏差/スプリングバック量の平均値・・・式(c)
  7. 繊維長が5mm未満の強化繊維Bを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の複合材料。
  8. 各束幅ゾーンにおける強化繊維束A2の体積割合をVfiA2としたとき、下記式(x)、(y)及び(z)を満たす、請求項に記載の複合材料。
    式(x) 0≦Vf(i=1)A2<10%
    式(y) i=2~9のうち、2つ以上の束幅ゾーンにおいて0<VfiA2
    式(z) Vf(i=1)A2<Vf(i=2~9の少なくともいずれか1つ)A2
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の複合材料をコールドプレスして、成形体を製造する、成形体の製造方法。
  10. 請求項1~8のいずれか一項に記載の複合材料の製造方法であって、
    強化繊維束に形態固定剤を付与してカットする、又は予め熱可塑性のマトリクス樹脂を、拡幅した強化繊維束に含浸させた後にカットすることにより、前記強化繊維Aを得る工程を含む、
    複合材料の製造方法。
  11. 請求項1~8のいずれか一項に記載の複合材料の製造方法であって、以下の工程1~5を含む、複合材料の製造方法:
    工程1.クリールから巻き出した連続した強化繊維束を拡幅し、
    工程2.拡幅した強化繊維束に形態固定剤を付与して固定強化繊維束とし、
    工程3.固定強化繊維束を分繊し、
    工程4.分繊した固定強化繊維束を隙間なく並べた状態で固定長にカットし、
    工程5.分繊された固定強化繊維束に樹脂を含浸させる。
  12. 請求項1~8のいずれか一項に記載の複合材料の製造方法であって、
    拡幅した強化繊維束に熱可塑性のマトリクス樹脂を含浸させ、
    前記マトリクス樹脂が含浸された強化繊維束をスリッターに通過させてスリットすることにより、前記強化繊維A1および前記強化繊維束A2を生成する、
    複合材料の製造方法。
  13. 請求項10~12のいずれか一項に記載の複合材料の製造方法で製造された複合材料をコールドプレスして、成形体を製造する、成形体の製造方法。
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