JP2016183248A - シート材料、一体化成形品および一体化成形品の製造方法 - Google Patents

シート材料、一体化成形品および一体化成形品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】そこで本発明の課題は、不連続炭素繊維と熱可塑性樹脂からなるシート材料、前記シート材料を組み合わせて一体化した一体化成形品、および前記一体化成形品の製造方法に関し、かかる従来技術の問題点を解消し、特に、予熱工程における取扱い性、および一体化成形した際に接合強度に優れるシート材料を提供すること。
【解決手段】不連続炭素繊維基材に熱可塑性樹脂が含浸されてなるシート材料であり、前記シート材料の炭素繊維の数平均繊維長が10mm以上50mm未満であり、前記シート材料の炭素繊維は単糸および繊維束からなり、炭素繊維全体に対し、前記単糸および単糸数50未満の繊維束の重量割合が60wt%以上85wt%未満であり、単糸数50以上300未満の繊維束の重量割合が37wt%未満5wt%以上であり、単糸数300以上の繊維束の重量割合が3wt%以上10wt%未満であることを特徴とする、シート材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、不連続炭素繊維と熱可塑性樹脂からなるシート材料、前記シート材料を組み合わせて一体化した一体化成形品、および前記一体化成形品の製造方法に関するものであり、特に、予熱工程における取扱い性、および一体化成形した際に接合強度に優れるシート材料に関するものである。
近年、金属材料にて製造されていた自動車、電気・電子機器、家電製品などの各種部品・部材に代表される産業用部品が、強化繊維と熱可塑性樹脂からなる熱可塑性FRP材料に代替されている。その中でも、強化繊維に軽量で力学特性に優れた炭素繊維を用いた熱可塑性CFRPは、比強度、比剛性に優れ、軽量化効果が大きいために、市場から注目されている。
しかし、部材の要求特性に合わせて、複数の小型部材を準備し、マトリックス樹脂の溶融温度以上に予備加熱して可塑化状態にし、雌雄一対からなる金型間に供給して、加圧冷却をして所望の形状に成形する、一体化成形方法は広く知られているものの、厚みやVfなどの材料処方の異なる部材を組み合わせた場合、部材毎に加熱効率が異なるために、予熱工程でマトリックス樹脂の未溶融や熱分解を起こしやすく、得られた一体化成形品の接合強度の低下や、表面品位の低下などの問題があった。
特許文献1には、不連続炭素繊維と熱可塑性樹脂からなる成形体であり、炭素繊維のチョップドストランドを部分的に開繊させ、炭素繊維束と炭素繊維単糸が混在した成形品が開示されている。
この技術によれば、規定の繊維数以上の炭素繊維単糸を有する繊維束の重量割合が多いために、炭素繊維の体積含有率を高め、引張強度を向上させることが可能であった。しかし、本技術を用いた一体化成形品の成形において、炭素繊維が密に配置され比熱が高いため短時間で成形材料を予熱できる一方で、あらかじめ予熱した複数の部材を金型に配置する工程で温度低下が大きく、得られた成形品の接合強度に劣るという問題があった。
そこで特許文献2には、不連続強化繊維がランダムに配向した熱可塑性FRP部材を高い接合強度を持って接合一体化した、成形体およびその製造方法が開示されている。
かかる技術によれば、接合部材の接合部断面を傾斜構造に加工することで、高い接合強度を実現するが、断面加工費用が発生する上に、予熱した部材を金型上に精度よく配置する必要がある。さらに、予熱工程における材料の耐熱性の向上にはならず、市場の要求に対し、根本的な解決にはなっていない。
特許5627803号公報 特開2014−177117号公報
そこで本発明の課題は、不連続炭素繊維と熱可塑性樹脂からなるシート材料、前記シート材料を組み合わせて一体化した一体化成形品、および前記一体化成形品の製造方法に関し、かかる従来技術の問題点を解消し、特に、予熱工程における取扱い性、および一体化成形した際に接合強度に優れるシート材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は次のいずれかの構成を採用する。
(1)不連続炭素繊維基材に熱可塑性樹脂が含浸されてなるシート材料であり、前記シート材料の炭素繊維の数平均繊維長が10mm以上50mm未満であり、前記シート材料の炭素繊維は単糸および繊維束からなり、炭素繊維全体に対し、前記単糸および単糸数50未満の繊維束の重量割合が60wt%以上85wt%未満であり、単糸数50以上300未満の繊維束の重量割合が37wt%未満5wt%以上であり、単糸数300以上の繊維束の重量割合が3wt%以上10wt%未満であることを特徴とする、シート材料。
(2)前記シート材料の炭素繊維は単糸および繊維束からなり、炭素繊維全体に対し、前記単糸および単糸数50未満の繊維束の重量割合が70wt%以上85wt%未満であり、単糸数50以上300未満の繊維束の重量割合が27wt%未満10wt%以上であり、単糸数300以上の繊維束の重量割合が3wt%以上5wt%未満であることを特徴とする、(1)に記載のシート材料。
(3)前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリアミドまたはポリフェニレンスルフィドである、(1)または(2)に記載のシート材料。
(4)前記シート材料の炭素繊維の体積割合が10vol%以上50vol%以下である、(1)〜(3)のいずれかに記載のシート材料。
(5)前記シート材料の23℃での厚みが0.1〜10mmである、(1)〜(4)のいずれかに記載のシート材料。
(6)前記シート材料の23℃での厚み(ta)と熱可塑性樹脂の溶融温度以上、熱分解温度以下での厚み(tb)の比tb/taが4以上12以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載のシート材料。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載のシート材料を、複数枚積層したシート材料。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載のシート材料である、第1のシート材料(i)と第2のシート材料(ii)が、それらの一部が溶融を介して互いに接合されることにより得られる、一体化成形品であって、第1のシート材料(i)の23℃での厚み(ti)と第2のシート材料(ii)の23℃での厚み(tii)の差(ti−tii)の絶対値が0.1mm以上6mm未満である、一体化成形品。
(9)以下の工程(A)〜(D)を順に経ることにより、(8)に記載の一体化成形品を得る、一体化成形品の製造方法。
工程(A):第1のシート材料(i)と第2のシート材料(ii)を、同時にヒーター炉内に搬送し、シート材料に含浸された熱可塑性樹脂をその融点以上に加熱し、溶融させる工程。
工程(B):第1のシート材料(i)と第2のシート材料(ii)を金型内に搬送、配置する工程。
工程(C):第1のシート材料(i)と第2のシート材料(ii)を金型内で加圧冷却して成形品となす工程。
工程(D):金型から一体化成形品を取り出す工程。
本発明のシート材料は、予熱工程における取扱い性に優れる。さらには、前記シート材料を組み合わせて接合することによって、接合強度と表面品位に優れる一体化成形品を得ることができる。
図1は、本発明で用いられるカーディング装置の一例である。 図2は、本発明のシート材料を予熱した際の、炭素および該単糸に付着した熱可塑性樹脂の一例を示す斜視図である。 図3は、本発明のシート材料を予熱した際の、単糸数50〜300の繊維束および該繊維束に付着した熱可塑性樹脂の一例を示す斜視図である。 図4は、本発明のシート材料を予熱した際の、単糸数300以上の繊維束と該繊維束に付着した熱可塑性樹脂の一例を示す斜視図である。 図5は、本発明における一体化成形品の一例を示す斜視図である。 図6は、本発明の実施例および比較例にて用いる引張試験片を示す斜視図である。 図7は、実施例および比較例に用いた成形用金型の下金型(凹金型)の簡略図である。 図8は、実施例および比較例に用いた成形用金型の上金型(凸金型)の簡略図である。
本発明のシート材料は、不連続炭素繊維基材に熱可塑性樹脂が含浸されてなるシート材料であり、前記シート材料の炭素繊維の数平均繊維長が10mm以上50mm未満であり、前記シート材料の炭素繊維は単糸および繊維束からなり、炭素繊維全体に対し、前記単糸および単糸数50未満の繊維束の重量割合が60wt%以上85wt%未満であり、単糸数50以上300未満の繊維束の重量割合が37wt%未満5wt%以上であり、単糸数300以上の繊維束の重量割合が3wt%以上10wt%未満であることを特徴とする。
以下に本発明のシート材料の構成要素について説明する。
本発明の不連続炭素繊維基材は、不連続炭素繊維の単糸と繊維束が面状に分散した形態であり、抄紙マット、カーディングマット、エアレイドマット、などが例示できる。かかる不連続炭素繊維基材の形態とすることで、成形加工性の指標となる形状への賦形性に優れることから、複雑形状の成形が容易となる。
カーディングマットの製造プロセスは一般的なものを用いることが出来る。例えば、図1に示すように、カーディング装置1は、シリンダーロール2と、その外周面に近接して上流側に設けられたテイクインロール3と、テイクインロール3とは反対側の下流側においてシリンダーロール2の外周面に近接して設けられたドッファーロール4と、テイクインロール3とドッファーロール4との間においてシリンダーロール2の外周面に近接して設けられた複数のワーカーロール5と、ワーカーロール5に近接して設けられたストリッパーロール6と、テイクインロール3と近接して設けられたフィードロール7及びベルトコンベアー8とから主として構成されている。
ベルトコンベアー8に一定長さに切断された炭素繊維束9が供給され、炭素繊維束9はフィードロールの外周面、次いでテイクインロール3の外周面を介してシリンダーロール2の外周面上に導入される。この段階までで炭素繊維束は解され、綿状の炭素繊維束の集合体となっている。シリンダーロール2の外周面上に導入された綿状の炭素繊維束の集合体は一部、ワーカーロール5の外周面上に巻き付くが、この綿状の炭素繊維束はストリッパーロール6によって剥ぎ取られ再びシリンダーロール2の外周面上に戻される。フィードロール7、テイクイロール3、シリンダーロール2、ワーカーロール5、ストリッパーロール6のそれぞれのロールの外周面上には多数の針、突起が立った状態で存在しており、上記工程で炭素繊維束が針の作用により所定の単糸数からなる炭素繊維束まで開繊され、ある程度配向される。かかる過程を経て所定の炭素繊維束まで開繊され、炭素繊維不織布シートの1形態であるシート状のウエブ10としてドッファーロール4の外周面上に移動する。
本発明のシート材料を構成する炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系、リグニン系、ピッチ系の炭素繊維や、黒鉛繊維を用いることが好ましい。なかでも、PAN系の炭素繊維を用いることがより好ましい。また、これらの繊維に表面処理が施されているものであってもよい。表面処理としては、サイジング剤による処理、結束剤による処理、添加剤の付着処理などがある。
本発明のシート材料を構成する炭素繊維の数平均繊維長が10mm以上50mm未満であることが重要である。数平均繊維長が10mm未満では、炭素繊維同士の交絡が少ないために、不連続炭素繊維基材の強度が低く、プリフォームの積層工程ないし搬送・成形工程において取扱い性に劣る場合がある。さらに、数平均繊維長が50mm以上の場合は、シート材料が予熱工程で大きく膨張し取扱い性が損なわれるおそれがある。
本発明のシート材料を構成する炭素繊維は単糸および繊維束からなり、該シート材料の予熱工程において、単糸および単糸数50未満の繊維束は、シート材料の膨張に寄与し、断熱効果を高め、予熱工程での温度上昇を阻害したり、予熱後の搬送工程での温度低下を防いだりすることができる。一方で、膨張後の熱可塑性樹脂は、図2に示すように単糸または繊維束表面を覆うように付着しており、表面積が広いために空気との接触機会が多く、酸化劣化しやすく、予熱特性を低下させる場合がある。
単糸数50以上300未満の繊維束は、図3に示すように、内部に含浸した熱可塑性樹脂を含み、これらの熱可塑性樹脂は、空気との接触機会が少なく、酸化劣化しにくく、予熱特性を向上させることができる。また、繊維束表面に付着した熱可塑性樹脂は、比較的表面積が小さく、酸化劣化が緩やかである。
単糸数300以上の繊維束は、図4に示すように、内部に含浸した樹脂をより多く含んでおり、これらの樹脂は、空気との接触機会が少なく、酸化劣化しにくく、予熱特性を向上させることができる。
本発明のシート材料を構成する炭素繊維は単糸および繊維束からなり、炭素繊維全体に対し、前記単糸および単糸数50未満の繊維束の重量割合が60wt%以上85wt%未満であることが重要である。60wt%未満の場合、束状の炭素繊維が多数存在し、炭素繊維同士の交絡点が少なく、不連続繊維基材の強度が低く、取扱い性に劣るおそれがある。また、シート基材を予熱した後の搬送工程において温度低下が大きく、得られた一体化成形品の接合強度に劣る恐れがある。また、85wt%以上の場合、シート材料の予熱工程において、厚み膨張が大きくなり取扱い性が損なわれるおそれがある。好ましくは、単糸および単糸数50未満の繊維束の重量割合が70wt%以上85wt%未満であり、この範囲を満たすことで、シート材料の力学特性に優れ、予熱工程、搬送工程で厚み膨張が小さく取扱い性がよい。
本発明のシート材料を構成する炭素繊維束のうち、単糸数50以上300未満の繊維束の重量割合が、炭素繊維全体に対し、37wt%未満5wt%以上であることが重要である。37wt%以上の場合、束状の炭素繊維が多数存在し、シート材料中の炭素繊維とマトリックス樹脂界面の面積が減少することにより、力学特性および接合強度が低下するおそれがある。また、5wt%未満の場合、シート材料の予熱特性が低下する恐れがある。好ましくは、単糸数50以上300未満の繊維束の重量割合が27wt%未満10wt%以上であり、シート材料の力学特性と予熱特性により優れる。
本発明のシート材料を構成する炭素繊維束のうち、単糸数300以上の繊維束の重量割合が、炭素繊維全体に対し、3wt%以上10wt%未満であることが重要である。3wt%未満の場合、シート材料の予熱特性が低下する恐れがある。10wt%以上の場合、束状の炭素繊維が多数存在し、シート材料中の炭素繊維とマトリックス樹脂界面の面積が減少することにより、力学特性および接合強度が低下するおそれがある。好ましくは、単糸数300以上の繊維束の重量割合が3wt%以上5wt%未満であり、シート材料の接合強度と予熱特性により優れる。
本発明のシート材料を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂等のポリオレフィン系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂等や、これらの共重合樹脂や変性樹脂、またアロイ等が挙げられる。中でも、得られる成形品の軽量性の観点からはポリプロピレン系樹脂が好ましく、機械特性の観点からはポリアミド系樹脂が好ましい。耐熱性の観点からはポリフェニレンスルフィド樹脂が好ましく用いられる。
本発明のシート材料は、炭素繊維の体積含有率(Vf)が10〜50%であることが好ましく、さらに好ましくは20〜40%である。この範囲内に調節することで、ボイドが少なく、接合強度に優れたシートが得られる。また、繊維の強度利用率に優れ、シート材料は価格見合いの軽量化効果にも優れる。
本発明のシート材料は、23℃での厚み(ta)が、0.1mm〜10mmであることが好ましい。0.1mm以上とすることで、成形時の厚み制御が容易で、汎用の成形装置で安価に製造することができる。また、10mm以下とすることで、予熱工程での膨張が制限され、取扱い性に優れる。
本発明のシート材料は、23℃での厚み(ta)と、熱可塑性樹脂の溶融温度以上熱分解温度以下での厚み(tb)の比tb/taが4以上12以下であることが好ましい。この範囲内に調節することで、予熱工程においてシート材料の膨張が小さく、予熱効率に優れる。この厚みの比tb/taが4未満の場合は、23℃での厚み(ta)に対して熱可塑性樹脂の溶融温度以上熱分解温度以下での厚み(tb)が小さくなる場合であり、より具体的には、単糸数50本以上300本未満の繊維束や、単糸数300本以上の繊維束の割合が増える状態が例示される。このようなシート材料では、加熱時に十分な膨張が無く、断熱効果が低いために、予熱後の搬送工程での温度低下が大きく、成形品の力学特性の低下や流動性の低下が起こる場合がある。一方、この厚みの比tb/taが12を超える場合には、予熱工程でシート材料が膨張し過ぎる場合であり、具体的には、単糸および単糸数50未満の繊維束の繊維束の割合が増える状態が例示される。このようなシート材料では、予熱効率が低いために熱可塑性樹脂を溶融温度以上に加熱するのに長時間を要し、生産性の低下や、樹脂焼けによる表面品位の低下および力学特性の低下が起こる場合がある。より好ましくは、tb/taが5以上10以下であり、成形品の力学特性と予熱特性により優れる。
本発明のシート材料は、不連続炭素繊維基材に熱可塑性樹脂を含浸・一体化させることで得られる。不連続炭素繊維基材に熱可塑性樹脂を含浸させる方法としては、特に制限は無く、所望の方法から選択できる。例えば、不連続炭素繊維基材と熱可塑性樹脂フィルムを複数枚ずつ用意し、交互積層した積層体を加熱して、熱可塑性樹脂を溶融させた後、加圧し、熱可塑性樹脂を炭素繊維マットに含浸・一体化させる方法が例示される。積層体を加熱・加圧する方法としては、特に制限は無いが、例えば、金型プレスやオートクレーブ中で高温高圧をかける方法が挙げられる。また、ダブルベルトプレスまたはカレンダーロールなどの装置を用い、シート材料を構成する要素を所望の温度および圧力にかけられる圧着帯域に送り込む方法も挙げられる。このようにして、連続的または半連続的な工程を操作して、シート材料を製造することができる。
積層体の積層構成としては、特に制限は無く、力学特性、耐衝撃性、賦形性、または意匠性等の観点から、所望の積層構成を選択できる。例えば、薄層の炭素繊維マットと薄層の熱可塑性樹脂を複数枚ずつ用意し、交互積層することで、加熱・加圧工程で熱可塑性樹脂が十分に含浸し、力学特性の優れたシート材料を得ることができる。また、熱可塑性樹脂を最外層に配置した積層体を成形することで、表面外観に優れるシート材料を得ることができる。得られるシート材料の反りの観点からは、厚み方向に対して対称となるように積層する方法が好ましく例示できる。
本発明のシート材料は、複数のシート材料を積層して用いることができる。積層構成としては特に制限は無く、得られる成形品の力学特性、賦形性、または意匠性等の観点から、所望の積層構成を選択できる。
本発明のシート材料を成形して、成形品を得ることができる。
成形品の成形方法については特に制限は無いが、スタンピングプレス成形が例示される。プレス成形の種類は成形品の形状に応じ選択が可能である。ここで、プレス成形とは、加工機械および型、工具その他成形用の治具や副資材等を用いて、プリフォームまたはシート材料の積層体に曲げ、せん断、圧縮等の変形を与えて成形品を得る方法である。成形形態としては、絞り、深絞り、フランジ、コールゲート、エッジカーリング、型打ちなどが例示される。また、プレス成形の方法としては、設備や成形工程でのエネルギー使用量、使用する成形用の治具や副資材等の簡略化、成形圧力、温度の自由度の観点から、金属製の型を用いて成形をおこなう金型プレス法を用いることがより好ましい。
金型プレス法としては、プリフォームまたはシート材料を型内に予め配置しておき、型締とともに加圧、加熱をおこない、次いで型締をおこなったまま、金型の冷却により該プリフォームまたはシート材料の冷却をおこない成形品を得るヒートアンドクール法や、予め該プリフォームまたはシート材料を、マトリックス樹脂の溶融温度以上に、遠赤外線ヒーター、加熱板、高温オーブン、誘電加熱などに例示される加熱装置で加熱し、熱可塑性樹脂を溶融、軟化させた状態で、前記成形型の下面となる型の上に配置し、次いで型を閉じて型締を行い、その後加圧冷却する方法であるスタンピング法を採用することができる。
本発明の成形品には、その用途に応じて、更に充填材、導電性付与材、難燃剤、顔料、染料、滑剤、離型剤、相溶化剤、分散剤、結晶核剤、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、紫外線吸収剤、流動性改質剤、発泡剤、抗菌剤、制振剤、防臭剤、摺動性改質剤、帯電防止剤等を添加しても良い。
本発明の一体化成形品は、前記シート材料からなる第1のシート材料(i)と第2のシート材料(ii)を加熱しマトリックス樹脂を溶融させ、一部を互いに接合させることで、得られる。設備投資により装置幅拡大することなく、大型の成形品を得ることができ、費用効果が大きい。
本発明の一体化成形品は、前記第1のシート材料(i)の23℃での厚み(ti)と、前記第2のシート材料(ii)の23℃での厚み(tii)の厚み差(ti−tii)の絶対値が0.1mm以上6mm未満であることが重要である。厚み差の絶対値が6mm以上では、2つのシート材料を予熱する際に、内部まで十分に予熱することが難しく、接合強度が低下する場合がある。また、一体化成形品に反りが出て、寸法安定性に劣ることがある。0.1mm未満では、一体化成形品全体がほぼ均一の厚みを有するため、高い力学特性を有する部材の補強効果に劣る場合がある。
本発明は、以下の工程を(A)〜(D)を順に経ることにより、前記一体化成形品を得る、一体化成形品の製造方法である。
工程(A)は、前記第1のシート材料(i)と前記第2のシート材料(ii)を同時にヒーター炉内に搬入し、マトリックス樹脂を、その融点以上に加熱し、溶融させる工程である。一般的に複数の材料を予熱する際は、Vfや厚みに応じた材料毎に予熱時間を設定し、ヒーター炉内に投入するタイミングをずらして投入するが、工程(A)では、2つのシート材料を、ヒーター炉内への同時投入を必須とすることで、工程管理を易化することができる。さらに、シート材料投入・搬出時のヒーター炉扉の開閉回数を減少し、炉内温度を安定して高温に保つことができるため、効率よくシート材料を予熱できる。
ヒーター炉については特に制限は無いが、遠赤外線ヒーターが加熱状態のコントロールの容易さから好ましく用いることができる。
工程(B)は、マトリックス樹脂の可塑化温度まで加熱せしめた、前記第1のシート材料(i)と前記第2のシート材料(ii)を、ヒーター炉から取出し、開放された成形型の下型へ配置する工程である。搬送に際しては、作業場の安全面や、成形型へのシート材料の配置精度を考慮して、適宜、人手やロボットが選択される。
工程(C)は、成形型を型締めすることにより、2つのシート材料を加圧冷却し、一体化成形品を得る工程である。加圧冷却する工程には、プレス成形が用いられ、その種類は得られる一体化成形品に応じ選択が可能である。
工程(D)は、冷却後、成形型を解放し、成形型から一体化成形品を取り出す工程である。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明する。
<使用した材料>
[炭素繊維(CF)]
CF−1:炭素繊維
ポリアクリロニトリルを主成分とする重合体から紡糸、焼成処理を行い、総フィラメント数12000本の連続炭素繊維を得た。さらに該連続炭素繊維を電解表面処理し、120℃の加熱空気中で乾燥して炭素繊維(CF−1)を得た。この炭素繊維(CF−1)の特性は次に示す通りであった。
密度:1.8g/cm
単糸径:7μm
引張強度:4.9GPa
引張弾性率:230GPa
繊度:800g/1000m
フィラメント数:12000本
[ポリアミド短繊維]
PA−1:ポリアミド短繊維
ポリアミド樹脂(東レ(株)製、“アミラン”(登録商標)CM1001)を溶融紡糸して、次に示す特性を有するポリアミド短繊維(PA−1)を得た。
短繊維繊度:1.7dtex
カット長:51mm
捲縮数:12山/25mm
捲縮率:15%
[ポリプロピレン短繊維]
PP−1:ポリプロピレン短繊維
未変性ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製、“プライムポリプロ”(登録商標)J707G)を溶融紡糸して、次に示す特性を有するポリプロピレン短繊維(PP−1)を得た。
短繊維繊度:1.7dtex
カット長:51mm
捲縮数:12山/25mm
捲縮率:15%
[炭素繊維マット1(CFM−1)]
炭素繊維(CF−1)を10Hzで振動する振動棒にて幅25mmになるまで拡幅した後、円盤状の分割刃を用いて0.5mm間隔にスリットした上で、繊維長15mmにカットすることでチョップドストランド1を得た。
拡幅した炭素繊維(CF−1)をスリットすることなく、繊維長15mmにカットしたこと以外は、チョップドストランド1と同様にしてチョップドストランド2を得た。
チョップドストランド1、チョップドストランド2およびポリアミド短繊維(PA−1)を質量比で40:40:20の割合で混合した混合物をカーディング装置に投入し、目付125g/cm2のシート状の炭素繊維マット1を得た。
[炭素繊維マット2(CFM−2)]
チョップドストランド1、チョップドストランド2およびポリアミド短繊維(PA−1)を質量比で28:52:20の割合で混合したこと以外は、炭素繊維マット1と同様にして炭素繊維マット2を得た。
[炭素繊維マット3(CFM−3)]
チョップドストランド1、チョップドストランド2およびポリアミド短繊維(PA−1)を質量比で52:28:20の割合で混合したこと以外は、炭素繊維マット1と同様にして炭素繊維マット3を得た。
[炭素繊維マット4(CFM−4)]
ポリアミド短繊維(PA−1)の代わりに、ポリプロピレン短繊維(PP−1)を用いたこと以外、炭素繊維マット1と同様にして炭素繊維マット4を得た。
[炭素繊維マット5(CFM−5)]
拡幅した炭素繊維(CF−1)を5mm間隔にスリットしたこと以外、チョップドストランド1と同様にして、チョップドストランド7を得た。
チョップドストランド1、チョップドストランド7およびポリアミド短繊維(PA−1)を質量比で52:28:20の割合で混合した混合物をカーディング装置に投入し、目付125g/cm2のシート状の炭素繊維マット6を得た。
[炭素繊維マット6(CFM−6)]
チョップドストランド2およびポリアミド短繊維(PA−1)を質量比で80:20の割合で混合したこと以外、炭素繊維マット7と同様にして炭素繊維マット7を得た。
[炭素繊維マット7(CFM−7)]
炭素繊維(CF−1)をカートリッジカッターで6mmにカットし、チョップドファイバーを得た。水と界面活性剤(ナカライテスク(株)製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(商品名))からなる濃度0.1重量%の分散媒を60リットル作製し、かかる分散媒を抄造装置に投入した。抄造装置は、回転翼付き攪拌機を備えた上部の抄造槽(容量50リットル)と、下部の貯水槽(容量10リットル)からなり、抄造槽と貯水槽の間には多孔支持体を設けてある。まず、所望の目付となるように、質量を調整したチョップドファイバーを分散媒中に投入した。次に、攪拌機で、分散液を3分間攪拌し、炭素繊維が分散したスラリーを得た。そして、貯水層からスラリーを吸引し、多孔支持体を介して脱水し、バインダー(B−1)を付与して、不連続炭素繊維からなる炭素繊維マットとした。前記炭素繊維マットを熱風乾燥機にて150℃、2時間の条件下で乾燥させ、目付け100g/mの不連続炭素繊維からなる炭素繊維マット8を得た。
[炭素繊維マット8(CFM−8)]
拡幅した炭素繊維(CF−1)を0.25mm間隔にスリットしたこと以外、チョップドストランド1と同様にして、チョップドストランド8を得た。
チョップドストランド1、チョップドストランド8およびポリアミド短繊維(PA−1)を質量比で16:64:20の割合で混合した混合物を、コンベア上に堆積させ目付125g/mの炭素繊維マット9を得た。
[炭素繊維マット9(CFM−9)]
チョップドストランド7およびポリアミド短繊維(PA−1)を質量比で80:20の割合で混合した混合物を、コンベア上に堆積させ目付125g/mの炭素繊維マット10を得た。
[炭素繊維マット10(CFM−10)]
拡幅した炭素繊維(CF−1)を1mm間隔にスリットしたこと以外、チョップドストランド1と同様にして、チョップドストランド9を得た。
チョップドストランド1、チョップドストランド9およびポリアミド短繊維(PA−1)を質量比で40:40:20の割合で混合したこと以外は、炭素繊維マット1と同様にして炭素繊維マット11を得た。
[熱可塑性樹脂フィルム1(TPF−1)]
ポリアミド樹脂(東レ(株)製、“アミラン”(登録商標)CM1001)を、定量、ステンレス製の板上に配置し、その上からもう一枚のステンレス製板を重ね、板間には所望の厚みのスペーサーを入れた。プレス温度は250℃とし、圧力を1MPaとして5分間保持し、熱可塑性樹脂フィルム1を得た。
[熱可塑性樹脂フィルム2(TPF−2)]
未変性ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー(株)製、“プライムポリプロ”(登録商標)J707G)90質量%と、酸変性ポリプロピレン樹脂(三井化学(株)製、“アドマー”(登録商標)QB510)10質量%とからなるマスターバッチを用いたこと以外、熱可塑性樹脂フィルム1と同様にして熱可塑性樹脂フィルム2を作製した。
<金型>
(金型1)平板用金型
図5の一体化成形品を得るための、対向する一対の金型であり、下記に示す寸法を有する金型を用意した。図7、図8の概略図に示す下金型(凸金型)、上金型(凹金型)の寸法は下記のとおりである。
・W1:300mm、W2:296mm、W3:148mm、H1:14mm、H2:12mm、H3:10mm
(金型2)一体化成形品用金型
図5の一体化成形品を得るための、対向する一対の金型であり、下記に示す寸法を有する金型を用意した。図7、図8の概略図に示す下金型(凸金型)、上金型(凹金型)の寸法は下記のとおりである。
・W1:300mm、W2:296mm、W3:148mm、H1:17mm、H2:12mm、H3:10mm
<評価・測定方法>
(1)シート材料に含まれる不連続炭素繊維の体積割合(V
シート材料の質量W0を測定したのち、該CFRTPシート状物を空気中500℃で30分間加熱して熱可塑性樹脂成分を焼き飛ばし、残った不連続強化繊維の質量W1を測定し、次式により算出した。
Vf=(W1/ρf)/{W1/ρf+(W0−W1)/ρr}×100(単位:体積%)
・ρf:強化繊維の密度(g/cm
・ρr:熱可塑性樹脂の密度(g/cm
(2)シート材料に含まれる不連続炭素繊維の数平均繊維長(L
シート材料の一部を切り出し、バインダーおよびマトリックスを溶解させる溶媒によりバインダーおよびマトリックスを十分溶解させた後、ろ過などの公知の操作により不連続炭素繊維と分離した。バインダーおよびマトリックスを溶解させる溶媒がない場合は、シート材料の一部を切り出し、500℃の温度で30分間加熱し、バインダーおよびマトリックスを焼飛ばして不連続炭素繊維を分離した。分離した不連続炭素繊維を、無作為に400本抽出し、光学顕微鏡にてその長さを1μm単位まで測定し、繊維長Lとした。次式により数平均繊維長(L)、およびCV値を求めた。
=ΣL/400
・L:測定した繊維長(i=1,2,3,・・・400)(単位:mm)
(3)単糸数毎の繊維束の重量割合
シート材料から100mm×100mmの試料を切り出し、500℃の温度で30分間加熱し、熱可塑性樹脂フィルム成分を焼き飛ばして不連続炭素繊維を分離した。次に、分離した炭素繊維から、炭素繊維束(A)を取出し、1/100mgまで測定可能な天秤を用いて測定した、炭素繊維束の重量mと、1/100mmまで測定可能なノギスを用いて測定した繊維長Lから、繊維束1本に含まれる単糸数xを算出した。さらに、分離した炭素繊維に含まれる全ての繊維素束について単糸数xを算出し、単糸数毎の繊維束の重量割合Mを次式により求めた。
=m/(L×F)
=M/(M+M+M)×100
・m:測定した重量(i=1,2,3,・・・)(単位:mg)
・L:測定した繊維長(i=1,2,3,・・・)(単位:mm)
・F:繊度(単位:g/1000m)
・M:単糸数毎の繊維束の重量総和(i=1,50,300)(単位:mg)
・M:単糸数xが1以上50未満の炭素繊維束の重量総和(単位:mg)
・M50:単糸数xが50以上300未満の炭素繊維の重量総和(単位:mg)
・M300:単糸数xが300以上12000未満の炭素繊維の重量総和(単位:mg)
(4)シート材料の厚み測定
シート材料の23℃雰囲気下の厚み(ta)をマイクロメータにて測定した。また、加熱後のシート材料を取出し、23℃、無荷重にて十分に冷却した後、厚み(tb)をマイクロメータにて測定し、厚みの比(tb/ta)を算出した。
(5)接合部の引張強度
ASTM D3039の規格に準拠し、図5に示す一体化成形品の接合部の引張強度を評価した。
実施例または比較例により得られた一体化成形品から、それぞれ、図6に示す、スパン間150±1mm、幅25±0.2mmの引張試験片を切り出し、試験片を作製した。測定した破断荷重を、それぞれの試験片のA−A’断面の面積で除した値を引張強度とし、測定数n=5の平均値を比較した。
試験機として“インストロン”(登録商標)万能試験機5565型(インストロン社製)を用い、引張試験治具を用いて引張強度を測定した。試験片の水分率0.1質量%以下、雰囲気温度23℃、および湿度50質量%の条件下において、試験を行った。
(6)表面外観の評価
一体化成形品の外観を目視により観察し、以下の基準で判定し、いずれの評価においてもA、Bは可とし、Cは不可とした。
A:表面に光沢があり、優れた一体化成形品の表面外観である。
B:実用上問題はないものの、一体化成形品の一部にかすれ状の後が見られる。
C:樹脂の穴あき、焼けまたは全体的にかすれがあり、劣る。
(実施例1)
厚み4mm、炭素繊維の体積含有率30%になるように、炭素繊維マット1(CFM−1)と熱可塑性樹脂シート1(TPF−1)を重ね合わせたプリフォームを、平板用金型にセットして、プレス温度260℃、圧力5MPa、5分間プレス機でプレス成形し、プレス機でプレスした状態のまま、25℃の室温になるまで自然冷却してシート材料1を得た。
厚み2mmになるように、炭素繊維マット1(CFM−1)と熱可塑性樹脂シート1(TPF−1)を重ね合わせた以外は、該シート材料1と同様にしてシート材料2を得た。
該シート材料1および該シート材料2を、それぞれ寸法300×200×4mmに加工し、遠赤外線ヒーターを具備したオーブン中に、同時に配置し、該シート材料2の熱可塑性樹脂分が十分に溶融するまで予熱した。このとき予熱時間は360秒であった。ついで、該シート材料1を150℃に昇温した金型1の第1底面に沿わせ、該シート材料2を第2底面に沿わせ、かつ、該2つのシート材料が、50mm重ね合わせるように配置した。その後、直ちに20mm/秒の速度で上型を下降させ、10MPaで50秒間加圧、冷却し、その後成形型を開いて、余肉部分を除去するとともに一体化成形品を得た(図5)。なお、プレス機の位置制御により、一体化成形品の最厚部の厚みを4mmに調整した。評価条件および結果は表1にまとめて示す。
(実施例2)
厚み6mmになるように炭素繊維マット1(CFM−1)と熱可塑性樹脂シート1(TPF−1)を重ね合わせ、該シート材料1と同様にしてシート材料3を得た。
該シート材料3および該シート材料2を、金型2を用いて成形した以外、実施例1と同様にして、一体化成形品を得て、評価に供した。なお、プレス機の位置制御により、一体化成形品の最厚部の厚みを6mmに調整した。評価条件および特性を表1にまとめて示す。
(実施例3)
炭素繊維マット1(CFM−1)の代わりに炭素繊維マット2(CFM−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして一体化成形品を得て、評価に供した。評価条件および特性を表1にまとめて示す。
(実施例4)
炭素繊維マット1(CFM−1)の代わりに炭素繊維マット3(CFM−3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして一体化成形品を得て、評価に供した。評価条件および特性を表1にまとめて示す。
(実施例5)
炭素繊維マット1(CFM−1)と熱可塑性樹脂シート1(TPF−1)の代わりに、炭素繊維マット4(CFM−4)と熱可塑性樹脂シート2(TPF−2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして一体化成形品を得て、評価に供した。評価条件および特性を表1にまとめて示す。
(比較例1)
炭素繊維マット1(CFM−1)の代わりに炭素繊維マット5(CFM−5)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして一体化成形品を得て、評価に供した。評価条件および特性を表2にまとめて示す。
(比較例2)
炭素繊維マット1(CFM−1)の代わりに炭素繊維マット6(CFM−6)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして一体化成形品を得て、評価に供した。評価条件および特性を表2にまとめて示す。
(比較例3)
炭素繊維マット1(CFM−1)の代わりに炭素繊維マット7(CFM−7)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして一体化成形品を得て、評価に供した。評価条件および特性を表2にまとめて示す。
(比較例4)
炭素繊維マット1(CFM−1)の代わりに炭素繊維マット8(CFM−8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして一体化成形品を得て、評価に供した。評価条件および特性を表2にまとめて示す。
(比較例5)
炭素繊維マット1(CFM−1)の代わりに炭素繊維マット9(CFM−9)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして一体化成形品を得て、評価に供した。評価条件および特性を表2にまとめて示す。
(比較例6)
炭素繊維マット1(CFM−1)の代わりに炭素繊維マット10(CFM−10)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして一体化成形品を得て、評価に供した。評価条件および特性を表2にまとめて示す。
以上のように、実施例1〜5においては、表面外観および接合強度に優れる一体化成形品を得ることができ、良好な結果が得られた。本発明のシート材料を構成する炭素繊維の体積割合、数平均繊維長および単糸数毎の繊維束の重量分布が規定の範囲を満足するよう調整することにより成し得たものである。
一方、比較例1〜6については接合強度に劣り、さらに、比較例1,3,6は接合強度も劣る結果となった。
本発明のシート材料を用いて成形した一体化成形品は優れた接合強度と表面外観を有することから、種々の用途に展開できる。その中でも自動車・航空機用部品・電気・電子製品部品、に好適に用いることができる。
1 カーディング装置
2 シリンダーロール
3 テイクインロール
4 ドッファーロール
5 ワーカーロール
6 ストリッパーロール
7 フィードロール
8 ベルトコンベアー
9 不連続な炭素繊維
10 シート状のウエブ
11 単糸
12 単糸または繊維束に付着した熱可塑性樹脂
13 単糸数50以上300未満の繊維束
14 繊維素国含浸した熱可塑性樹脂
15 単糸数300以上の繊維束
16 一体化成形品用下金型
17 一体化成形品用下金型の第1底面
18 一体化成形品用下金型の第2底面

Claims (9)

  1. 不連続炭素繊維基材に熱可塑性樹脂が含浸されてなるシート材料であり、前記シート材料の炭素繊維の数平均繊維長が10mm以上50mm未満であり、前記シート材料の炭素繊維は単糸および繊維束からなり、炭素繊維全体に対し、前記単糸および単糸数50未満の繊維束の重量割合が60wt%以上85wt%未満であり、単糸数50以上300未満の繊維束の重量割合が37wt%未満5wt%以上であり、単糸数300以上の繊維束の重量割合が3wt%以上10wt%未満であることを特徴とする、シート材料。
  2. 前記シート材料の炭素繊維は単糸および繊維束からなり、炭素繊維全体に対し、前記単糸および単糸数50未満の繊維束の重量割合が70wt%以上85wt%未満であり、単糸数50以上300未満の繊維束の重量割合が27wt%未満10wt%以上であり、単糸数300以上の繊維束の重量割合が3wt%以上5wt%未満であることを特徴とする、請求項1に記載のシート材料。
  3. 前記熱可塑性樹脂が、ポリプロピレン、ポリアミドまたはポリフェニレンスルフィドである、請求項1または2に記載のシート材料。
  4. 前記シート材料の炭素繊維の体積割合が10vol%以上50vol%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のシート材料。
  5. 前記シート材料の23℃での厚み(ta)が0.1〜10mmである、請求項1〜4のいずれかに記載のシート材料。
  6. 前記シート材料の23℃での厚み(ta)と熱可塑性樹脂の溶融温度以上、熱分解温度以下での厚み(tb)の比tb/taが4以上12以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のシート材料。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のシート材料を、複数枚積層したシート材料。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のシート材料である、第1のシート材料(i)と第2のシート材料(ii)が、それらの一部が溶融を介して互いに接合されることにより得られる、一体化成形品であって、第1のシート材料(i)の23℃での厚み(ti)と第2のシート材料(ii)の23℃での厚み(tii)の差(ti−tii)の絶対値が0.1mm以上6mm未満である、一体化成形品。
  9. 以下の工程(A)〜(D)を順に経ることにより、請求項8に記載の一体化成形品を得る、一体化成形品の製造方法。
    工程(A):第1のシート材料(i)と第2のシート材料(ii)を、同時にヒーター炉内に搬送し、シート材料に含浸された熱可塑性樹脂をその融点以上に加熱し、溶融させる工程。
    工程(B):第1のシート材料(i)と第2のシート材料(ii)を金型内に搬送、配置する工程。
    工程(C):第1のシート材料(i)と第2のシート材料(ii)を金型内で加圧冷却して成形品となす工程。
    工程(D):金型から一体化成形品を取り出す工程。
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