JP7418100B2 - 光学素子及び光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、反射防止機能を有しつつ表面検知が可能なレンズ及びその製造方法に関するものである。
レンズ等の光学素子は、その表面のキズ等による凹凸や、ヒケや歪み等によって使用に適さないことがある。このような使用に適さない光学素子を見つけるために、外観検査が必要となっている。接触式の外観検査は簡単に高精度な測定が可能だが、レンズ表面にキズや異物付着を生じさせる可能性があり非接触式の外観検査が好ましい。
引用文献1は、微細凹凸構造を光学面に有して、優れた反射防止性能を有する光学素子を提案している。
特開2016-4098号公報
しかしながら、引用文献1に記載された光学面に微細構造(微細凹凸構造)を有する光学素子は、非接触式で外観検査をしようとして光を入射させると反射光が減少してしまうのでレンズの光学面内における表面の検知が難しく外観検査が難しい。
特に、微細構造を表面に有する光学素子を射出成形で製造する場合、微細構造の形成と光学素子の成形を同時に行うので、微細構造を作成する前に光学素子の外願検査を行うことができないので光学面を外観検査することが難しい。
本発明は、微細構造を有する光学面を有するとともに、周囲を前記微細構造で囲まれた微細構造を有しない領域を有しており、この微細構造を有しない領域を用いて外観検査を行える優れた反射防止性能を有する光学素子を提供することを目的としている。
本発明の光学素子は、光学面に微細凹凸構造を有し、前記微細凹凸構造が形成された領域内に、当該微細凹凸構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域を有し、
前記反射率を異ならせた領域は、0.20μm以上10000μm以下であることを特徴とする。
本発明の光学素子の製造方法は、光学面に微細凹凸構造と周囲を前記微細凹凸構造で囲まれた微細凹凸構造を有しない領域を有する光学素子の製造方法であって、少なくとも一方の表面に前記微細凹凸構造と前記微細凹凸構造を有しない領域との反転形状を有する成形駒を準備する工程と、前記成形駒の間に、樹脂を注入する樹脂注入工程と、前記樹脂を冷却した後に離型する離型工程と、を有し前記微細凹凸構造を有しなり領域は、0.20μm以上50000μm以下であることを特徴とする。
本発明の光学素子は、微細凹凸構造を有する光学面を有するとともに、周囲を前記微細凹凸構造で囲まれた微細凹凸構造を有しない領域を有しており、この微細凹凸構造を有しない領域を用いて外観検査を行うことができ、優れた反射防止性能を有する。
本実施形態のトーリックレンズの斜視図の概略図である。 本実施形態のトーリックレンズの断面図の概略図である。 本実施形態のレンズ表面の測定方法を示す模式図である。 本実施形態の複写機についての概略図である。 本実施形態の光学系で用いるトーリックレンズの模式図を示し、(a)は上方から見たレンズ表面の模式図であり、(b)は断面図である。 本実施形態の光学素子で、光学面の反射率を顕微分光光度計で測定した結果である。 本実施形態の光学素子の製造方法で用いる射出成形駒の製造方法を示す図である。 本実施形態の光学素子の製造方法を示す図である。 本実施形態のレーザー光学系の概略図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いながら詳細に説明する。
(光学素子)
本実施形態の光学素子は、表面に微細凹凸構造を有して反射防止性能を有することを特徴とする。
本実施形態の光学素子は、ミラー、レンズ、プリズム等に用いることができる。レンズとしては、図1に示すようなトーリックレンズに用いることができる。以下に、トーリックレンズを用いて本実施形態について説明する。
図1で、トーリックレンズ1は、光学面2と非光学面(補強部)3を有している。トーリックレンズ1は、射出成形で製造した射出成形体の場合、ゲート跡4を有している。
図2(a)は、図1のトーリックレンズ1のAA´での断面図を示す概略図である。図2(b)は、図1(a)のは破線部の拡大図である。図2(b)で、トーリックレンズの光学面2には微細凹凸構造5が形成されているが、微細凹凸構造5が形成された領域内に、微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6を有している。所定領域6は、微細構造が形成されていないことが好ましい。また、所定領域は、微細構造5を形成した領域よりも反射率が高いことが好ましい。尚、本実施形態における光学面とは、各光学要素において連続な曲面(曲率半径が一定の球面又は同一の定義式で定義される非球面)から成る部分を示しており、使用状態において結像に寄与する有効光線が通過する領域(有効面)に対応する。
トーリックレンズ1は、単一な部材で構成されていることが好ましい。トーリックレンズ1は、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸アクリル樹脂(PMMA)、シクロオレフィンポリマー樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂でできていることが好ましい。これらの中で、吸水性が少ないシクロオレフィンポリマー樹脂を用いることがより好ましい。ここで、主成分とは、質量割合で51%以上、好ましくは90%以上含有していることをいう。
微細凹凸構造5は、円錐、円柱、円柱穴、角柱、角柱穴、ラインアンドスペース等を用いることができる。微細凹凸構造5のピッチは、100nm以上900nm以下であることが好ましく、300nm以上500nm以下であることがより好ましい。
微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6は、0.20μm以上10000μm以下が好ましく、0.32μm以上6400μm以下がより好ましい。0.20μm未満だと微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6での表面検知が難しい。10000μmを超えると、トーリックレンズ1(光学素子)の反射率が高くなる。一般に肉眼で認識できる大きさは30μm~50μm以上である。トーリックレンズ1の微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6は、反射光の境界にフォーカシングすることが容易になりレンズ表面を識別しやすくなるので、長方形であることが好ましい。また、所定領域6の大きさが使用する波長以下であれば、反射率への影響を抑制することができるため、波長以下とすることが好ましい。
微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6は、光学面2に0.01mmμm以上0.5mm以下の間隔で複数有していることが好ましい。
複数有することで、光学顕微鏡や光学変位計で上記の反射光を順次観察・測定すればレンズ形状の包絡面を得られる。図3は、レンズ表面の測定方法を示す模式図である。図3で、トーリックレンズ1の光学面2に微細凹凸構造5が形成されており、一定間隔で微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6が設けられている。所定領域6の面積の合計は、光学面2全体の0.18%より大きく33%より小さいことが好ましい。図3で、トーリックレンズ1の上方に光学顕微鏡や変位センサーといった光学的測定器11を設ける。光源(不図示)から光12をレンズ有効面に照射すると、微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6に照射された光が反射光13として光学的測定器11に受光される。測定方法は光学的測定器11を軌道14に沿って移動させ微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6と光学的測定器11の距離を測定すれば良い。又は、微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6と光学的測定器11の距離が常に等しくなるよう軌道16に沿って移動させ軌道15の移動量を測定しても良い。そして、微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6の位置情報からレンズ有効面の形状を示す包絡面16を得る。
なお、微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6の形成位置および数等については、対象となる光学面の形状およびその精度に応じて、適宜設定すればよい。
(電子写真装置)
本実施形態の電子写真装置は、上記のトーリックレンズ等の光学素子を用いたレーザー光学系を有する複写機および複合機に用いることができる。図4は、複写機の概略図である。複写機41は、画像読み取り部42と画像形成部43を有する。画像形成部43は、レーザー光学系44を有している。上記のトーリックレンズは、レーザー光学系44のF-θレンズに用いることができる。
本実施形態の電子写真装置は、レーザー光学系に44に上記のトーリックレンズ1を有しているので、ゴースト等が少なく高品質化を実現することができる。
電子写真装置では、使用するレーザー光の波長が狭い範囲に限定されるので、電子写真装置の光学系に使用する波長とレンズ表面検知に使用する波長を異なる領域にすることが可能である。
図9は、本実施形態のレーザー光学系44の概略図である。図9で、光学系は、光学手段91を有し、独自に光変調できる発光部を複数有するマルチビーム光源(マルチビーム半導体レーザー)より成っている。光学系は、コリメーターレンズ92を有し、光源手投91から出射された複数の光束(光ビーム)を略平行光束に変換している。開口絞り93は、通過光束(光量)を制限している。シリンドリカルレンズ94は、主走査方向Aと垂直方向の副走査方向にのみ所定の屈折力を有しており、開口絞り93を通過した複数の光束を副走査断面内で偏向素子95の偏向面95aにほぼ線像として結像させている。偏向素子95は、例えばポリゴンミラー(回転多面鏡)より成る光偏向器であり、モータ等の駆動手投(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。
トーリックレンズ1は、主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有し、感光ドラム96上に等速走査させる。
本実施形態のトーリックレンズ1は、光学面の主操作方向Aに、微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6が所定間隔で形成されていることが好ましい。
例えば、よく使用される780nmの半導体レーザーを光学系に用いた場合、780±数nmの範囲の光だけを出力する。780nmの半導体レーザーを用いる光学系のトーリックレンズ1の反射防止機能であれば、780±数nmの範囲の反射率が低いことが求められる。トーリックレンズ1の光学面2に780nmの波長に適した微細凹凸構造5を形成し、周期が780nmより小さい微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6を形成する。
光学面2をこのようにすることで、レーザー光は殆ど反射されず透過し、微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6で可視光の反射が生じる。
図5に、光学系で用いるトーリックレンズ1の模式図を示す。図5(a)は、トーリックレンズ1を上方から見たレンズ表面の模式図で、図5(b)は断面図である。トーリックレンズ1の光学面2に780nmの波長に最適化した微細凹凸構造5を形成し、微細凹凸構造5が形成された領域の内部に周期400nm、高さ200nmの微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6を設ける。
図6は、この微細凹凸構造5を設けた光学面2の反射率を顕微分光光度計で測定した結果である。測定スポットは30μm×30μmの正方形である。図6で、曲線aは微細凹凸構造5が形成されている領域の反射率であり、レーザー波長の780nm付近で反射率がほぼ0%になっている。図6で、曲線bは微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6の反射率である。微細凹凸構造を有していない領域6の反射率は、780nm付近で約0.04%になっており、630nm付近の波長では約1.65%の反射率となっている。可視光領域である630nmで1%以上の反射率があれば光学顕微鏡等で十分に観察できる。
レーザープリンタのトーリックレンズ1では、光学系に使用する波長780nmにおいて反射率が1%になるまで微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6があっても問題ない。反射率は、微細凹凸構造5の割合と微細凹凸構造を有しない領域の割合とで決まる。図6で最も反射率の高い波長630nm付近で、反射率約1.65%となる。微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6の割合が1/3で、反射率約0.45の%となる。微細凹凸構造5の割合が2/3の場合でも全体の反射率は約0.85%になる。したがって、光学面2に対する微細凹凸構造5が形成されている領域の割合は、67%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、95%以上が更に好ましい。光学面2に対する微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6の合計面積は、前記光学面の33%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、5%以下が更に好ましい。
また、一般的な光学レンズの外観検査では、200倍の光学顕微鏡が使用され、検査に用いられる領域は約φ1mmである。φ1mm内に40か所の微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6があれば、レンズ表面の包絡面が得られるので、0.01mm以上0.2mm以下のピッチで微細凹凸形状を有しない領域6を有することが好ましい。
(光学素子の製造方法)
次に、本実施形態の光学素子の製造方法を説明する。
本実施形態の光学素子は、光学面に微細凹凸構造5と、周囲を微細凹凸構造5で囲まれた微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6を有しており、射出成形で製造することができる。少なくとも一方の表面に凹凸構造を有する射出成形駒を準備する。
射出成形駒は、図7に示す下記の方法により作製することができる。まず、射出成形の鏡面駒面に微細凹凸構造の反転形状5aと、周囲を微細凹凸構造で囲まれた微細凹凸構造を有しない領域の反転形状6aを形成する。
図7(a)に示すように、微細凹凸構造を形成する鏡面駒は、スタバックス材からなる基材51上に、NiPからなるめっき膜52を成長させた後、表面を平滑化する。
めっき膜52の表面を洗浄した後、図7(b)に示すように、スパッタにて表面にSiO膜53を一様な膜厚100nm以上300nm以下で成膜する。スパッタではSiターゲットを用いArガスとOガスの割合を微調整して成膜する。
後工程のドライエッチングでSiO膜のエッチング深さを膜組成のエッチング選択比で制御する為に、SiO膜53において、めっき膜52と近い側にはSiリッチな膜を形成する。また、メッキ膜52と遠い側には微細凹凸構造5の深さに相当する厚み以上のSiO膜を形成する。
図7(c)に示すように、SiO膜面にはスピンコートでフォトレジスト54の膜厚が一様になるように塗布する。
プリベーク等の乾燥処理を経て、図7(d)に示すように、電子ビーム描画にて、細凹凸構造の反転形状5aと、周囲を微細凹凸構造5で囲まれた微細凹凸構造を有しない領域の反転形状6aを鏡面駒曲面に描画する。
射出成形では40MPa以上の高圧で微細凹凸構造間に溶融樹脂を充填する為、成形離型後に樹脂は応力緩和により膨潤する。微細凹凸構造パターンのサイズは最終的に成形品で得ようとするサイズの孔径よりも応力緩和を考慮した分の形状補正をしておく必要がある。
描画工程で用いるフォトレジストの厚みは鏡面駒面に形成する微細凹凸構造と関係し、具体的には高さを120nmとするとドライエッチングでの選択比から90nm以上の厚さが必要となる。
尚、フォトレジストに関しては描画装置等の仕様に応じてバーク、タークの処理により、界面反射の低減を適時行う。
描画後の鏡面駒を現像液に浸漬することで、描画パターンを形成した後、ポストベーク処理を行うことでSiO膜上にドライエッチングで形成する微細凹凸構造体を高さ方向に縮小した類似パターンが形成される。フォトレジストをマスクにしてCHFガスを用いたドライエッチングでSiO膜の厚さ分の120nmをエッチングして、鏡面駒面に反射防止する波長以下の微細凹凸構造体を一様に形成する。ドライエッチング後に酸素ガスによるアッシング処理を施すことで、フォトレジストの残渣を除去し微細凹凸構造が形成されたSiO膜53aを有する射出成形用鏡面駒が製作される。
光学素子2の両面に微細凹凸構造5を形成する場合には、反対側の成形駒面にも同様に微細凹凸構造を一様に形成する。
次に、図8(a)に示すように、鏡面駒面に形成した微細凹凸構造パターンを有する駒61a,61bを射出成形装置の固定側と可動側の型62a,62bにそれぞれ組み込み、射出成形にて反射防止機能をもたらす微細凹凸構造を有する光学素子を形成する。
図8(b)に示すように、一組の駒の間に未硬化の樹脂63を注入する樹脂注入工程を経て成形する。射出成形の樹脂には吸水性が少ないシクロオレフィンポリマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸アクリル樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。中でも、吸水性が少ないシクロオレフィン樹脂を用いることが好ましい。シクロオレフィン樹脂を用いる場合は、溶融樹脂温度は250℃以上290°以下が好ましく、金型温度は125℃以上140℃以下が好ましく、保圧は20MPa以上90MPa以下で成形することが好ましい。
図8(c)に示すように、成形樹脂温度がガラス転移温度以下の温度まで冷却した後、エジェクターピンを用いて成形品が傾かないように離型する。そして、光学面に微細凹凸構造5と、周囲を微細凹凸構造5で囲まれた微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6を有する光学素子63aを作製する。
下記の実施例、比較例で下記の方法で、作製した光学素子を評価した。
(反射率の測定)
顕微分光装置(USPM-RUII、オリンパス社製)を用いて反射率を測定した。測定条件は、対物レンズ倍率が10倍、測定波長が380nm~780nmである。また、得られた反射分光特性において、反射率の極小値をRminとした。
(実施例1)
実施例1は、光学面に微細凹凸構造5と、微細凹凸構造5が形成された領域内に、微細凹凸構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6と、を有する光学レンズを作製した。
射出成型用の成形型はSTAVAX材を機械加工でレンズの反転形状に加工した後、成形面に無電解Niメッキ層を20μm形成した。微細凹凸構造の反転形状の作製は、まず電子ビームを用いたフォトリソ法で成形面にドット形状のレジストパターンと、ドット形状のレジストパターンの内側に幅100nmで長さ500nmの微細凹凸形状を有しない領域6を0.1mm間隔で作った。ドット形状は、光学レンズの光学面2に300nmの円錐状突起が、250nmのピッチで作成される形状とした。これをフロロカーボン系のガスを用いたリアクティブイオンエッチング法でドライエッチングし円錐状突起を形成した。加工後の成形型表面には離型剤としてオプツールHD-2100(製品名、ダイキン工業社製)を塗布した。
上記の型を用いて、シクロオレフィン(日本ゼオン社製)を使用して射出成型により製作した。成型条件は樹脂温度を250℃、成形型温度を135℃、成形型の保圧は110MPa、タクトは130秒とした。この条件でスプルから8個の成形型に樹脂を注入する8個取りで射出成型を行った。
成形後のレンズは、レンズ外形は24.5mm、有効面の外形は20mmであった。光学レンズ有効面の反射率を測定した結果、レンズ有効面全域において400nm~760nmの波長域で反射率0.4%以下であった。所定領域6の反射率は、波長780nmで4%であった。
また、図3に示した光学測定システムでレンズ有効面を観察したところ、200倍の視野でレンズ有効面全域において微細凹凸構造を有しない領域6を検知・フォーカシングでき、レンズ形状の包絡面が得られた。
(比較例1)
比較例1は、微細凹凸構造を有しない領域を幅100nm×長さ100nmの正方形とする以外は実施例1と同様にして光学レンズを作製した。
成形後、レンズの光学面の反射率を測定した結果、光学面全域において400nm~760nmの波長域で反射率0.3%以下であった。所定領域6の反射率は、波長780nmで4%であった。
また、光学顕微鏡でレンズ有効面を観察したところ、200倍の視野でレンズ有効面全域において反射部分を検知できたがフォーカシングはできずレンズ表面の位置を確認する事はできなかった。
(実施例2)
実施例2では、レーザービームプリンター用のトーリックレンズを作製した。
一般に、レーザービームプリンターでは波長780nmの近赤外域の半導体レーザー光源が一般に用いられる。実施例2では、トーリックレンズ上の光学面に、φ300nmの円孔型で高さ200nm、ピッチ400nmの微細凹凸構造を形成した。また、微細凹凸構造の形成されている領域内に幅0.4μmで、長さ0.8μmの微細凹凸構造が形成されていない領域を形成した。
レンズの成形条件はトーリックレンズが長方形であるため、樹脂温度を250℃、成形型温度を135℃、成形型の保圧は125MPa、タクトは160秒とした。
これ以外は実施例1と同様にして、スプルから8個の成形型に樹脂を注入する8個取りで射出成型を行ってトーリックレンズを作製した。
実施例2のトーリックレンズは、微細凹凸形状を有しない領域6を検知・フォーカシングでき、レンズ形状の包絡面が得られた。また、反射率も0.01%と低かった。
(実施例3~6、比較例2~3)
微細構造を形成した領域と反射率を異ならせた所定領域6の形状および個数を変更する以外は実施例2と同様にしてトーリックレンズを作製した。
この結果を表1に示した。
Figure 0007418100000001
1 トーリックレンズ(光学素子)
2 光学面
3 非光学面
4 ゲート痕
5 微細凹凸構造
6 微細凹凸構造を有しない領域

Claims (11)

  1. 光学面に凹凸構造を有した光学素子であって、
    前記凹凸構造のピッチは、100nm以上900nm以下であり、
    前記光学面は、前記凹凸構造が形成された第1領域と、前記第1領域内に設けられた前記凹凸構造形成された前記第1領域より反射率が高い複数の第2領域を有し、
    前記複数の第2領域は、前記凹凸構造が形成された前記第1領域よりも平滑であり、
    前記複数の第2領域の幅は、前記凹凸構造のピッチより大きく、
    前記光学素子の非光学面は、前記光学面と一体に形成され、
    前記複数の第2領域の間隔は、0.01mm以上0.mm以下であることを特徴とする光学素子。
  2. 前記第2領域の大きさは、前記光学素子で使用する波長以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記凹凸構造は、円錐、円柱、円柱穴、角柱、角柱穴又はラインアンドスペースにより構成され、前記複数の第2領域の各々の面積は、0.20μm以上10000μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記複数の第2領域の合計面積は、前記光学面の33%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子。
  5. 前記光学素子は、ミラー、レンズまたはプリズムであり、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂で構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学素子。
  6. 前記光学素子は、トーリックレンズであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学素子。
  7. 前記トーリックレンズは、前記光学面の長手方向に、前記複数の第2領域が配置されていることを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
  8. 前記光学面は曲面であり、前記光学面に沿うように前記複数の第2領域が設けられており、前記複数の第2領域のピッチは0.01mm以上0.2mm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学素子。
  9. 光源手段と、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学素子と、
    を備え、前記光源手段から出射した光が前記光学素子に入射する光学系。
  10. 請求項9に記載の光学系と、
    感光ドラムと、
    を備え、前記光学素子から出射した光が前記感光ドラムに入射する電子写真装置。
  11. 光学面に凹凸構造を有し、前記凹凸構造のピッチは、100nm以上900nm以下であり、各々が前記凹凸構造が形成された第1領域内に、前記凹凸構造を形成した第1領域より反射率が高い複数の第2領域を有する光学素子の製造方法であって、
    前記複数の第2領域は、前記凹凸構造が形成された前記第1領域よりも平滑であり、
    前記複数の第2領域の幅は、前記凹凸構造のピッチより大きく、
    前記複数の第2領域のピッチは、0.01mm以上0.2mm以下であり、
    第1成形駒と前記凹凸構造の反転形状を有する第2成形駒を準備する工程と、
    前記第1成形駒と前記第2成形駒の間に、樹脂を注入する樹脂注入工程と、
    前記樹脂を冷却した後に離型する離型工程と、を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
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