JP7417942B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本開示は、圧縮した冷媒ガスから潤滑油を分離して冷媒ガスを吐出する圧縮機に関する。
特許文献1は、密閉容器内部の油分離機により密閉容器外部に吐出される冷凍機油量を抑制した圧縮機を開示する。この圧縮機は、冷媒を圧縮する圧縮要素と、圧縮要素の上方に設けられ、回転子及び固定子を有し、圧縮要素を駆動する電動要素と、電動要素の上部に設けられた油分離機と、圧縮要素、電動要素及び油分離機を収納した密閉容器と、を備え、電動要素の上部に設けられた油分離機は電動要素の回転子と固定子との間に形成され、上方向に冷媒が通過する空隙の上部を覆うように配置されている。
特開2012-215159号公報
本開示は、圧縮機外に吐出される直前の電動機部上部に滞留するオイルの量を低減することで、オイルが圧縮機外へ吐出して圧縮機内部のオイル量が減少するのを抑制した圧縮機を提供する。
本開示における圧縮機は、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部と電動機部とオイル溜まりを密閉容器内に備え、前記圧縮機構部によって前記密閉容器内を上方の容器内空間と下方の容器内空間に分割し、前記上方の容器空間には前記電動機部を配置するとともに前記密閉容器の外部に前記冷媒ガスを吐出する吐出管を設け、前記下方の容器内空間に前記オイル溜まりを配置した圧縮機であって、前記圧縮機構部から吐出される前記冷媒ガスからオイルを分離するオイル分離機構を前記電動機部の下部に設け、前記オイル分離機構は前記冷媒ガスを旋回させる円筒状空間と、前記圧縮機構部から吐出空間に吐出される前記冷媒ガスを前記円筒状空間に流入させる流入部と、前記円筒状空間から前記電動機部を配置した前記上方の容器内空間に前記オイル分離後の前記冷媒ガスを送出する送出口と、分離した前記オイルを前記円筒状空間から前記下方の容器内空間に排出する排出口と、を有し、前記流入部の幅は、前記円筒状空間の半径以下とし、前記流入部は、前記円筒状空間に対し接線方向に開口し、前記吐出空間に吐出される前記冷媒ガスは、前記流入部を通って、前記円筒状空間の偏心した側面位置から前記円筒状空間へ流れ込み、前記円筒状空間で旋回する間に前記オイルが分離される構成としてある。
本開示における圧縮機は、圧縮機構部から吐出される冷媒ガスが電動機部の隙間を通過する前の段階から、冷媒ガス中に含まれるオイルを分離するオイル分離機構を備えることで、冷媒ガスの流れに乗って電動機部の上部までオイルが運ばれるのを抑制することができる。そのため、電動機部の上部に到達して外部に吐出するオイルを低減できるとともに、電動機部隙間の冷媒ガスの流れに逆らって降下しなければならないオイルが十分に降下できずに電動機部の上部に滞留して、摺動部の潤滑を良好にするために必要なオイル溜まりのオイル量が減少するのを抑制することができる。
実施の形態1における圧縮機の縦断面図 実施の形態1における圧縮機構部の拡大断面図 実施の形態1における圧縮工程を示す圧縮室平面図 実施の形態1におけるオイル分離機構平面図 実施の形態1における電動機部の平面図
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、電動機部の上部空間を広く確保することで冷媒ガスよりも比重の大きいオイルを前記上部空間で分離して、吐出される冷媒ガス中のオイルを抑制する技術があった。これにより、吐出管からオイルが吐出されて、冷凍サイクル中の熱交換器における熱交換を阻害することが軽減される。
また、特許文献1に開示されているように、電動機部の回転子上端に、電動機部の隙間を通って流れてきた冷媒ガスが衝突する衝突板を設けて、電動機部の上部空間で冷媒ガスとその中に含まれるオイルを分離し、オイルが外部に吐出されるのを抑制する技術があった。
しかしながら、上記いずれの場合も電動機部の上部空間でオイルを分離するため、冷媒ガスが圧縮機外に吐出する直前の電動機部の上部空間に存するオイル量が多く、しかも、電動機部の隙間を圧縮機構部側から吐出管側へと流れる冷媒ガスが多量であり、その流れが強い場合、電動機部の上部空間で分離されたオイルがその流れに逆らって圧縮機構部の下方にあるオイル溜まりまで戻ることは容易ではない。このことが要因となり、電動機部の上部空間に存するオイルがそのまま吐出管から外部に吐出されて、戻り経路を失ったオイルが電動機部の上部空間に滞留してオイル溜まりのオイル量が減少すると言う課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで本開示は、圧縮機構部にて圧縮された冷媒ガスに含まれるオイルを電動機部の上部に到達する前に分離して、電動機部上部に滞留するオイル量を低減し、オイルが吐出管から吐出して圧縮機内部のオイル量が減少するのを抑制した圧縮機を提供する。
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1~図5を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
[1-1-1.圧縮機の構成]
図1において、圧縮機は、電動機部2と圧縮機構部3をクランク軸31で連結して密閉容器1内に収容し、底部にオイル溜まり6と、上部に吐出管5を設けている。圧縮機構部3は密閉容器1内を圧縮機構部3より上方の容器内空間81と下方の容器内空間82とに区分けしており、電動機部2は上方の容器内空間81に設けられ、オイル溜まり6は下方の容器内空間82に設けられている。そして、圧縮機構部3はアキュームレータ40を介して吸入管4と接続されている。
[1-1-2.圧縮機構部の構成]
図2および図3において、圧縮機構部3は、シリンダ30と上記シリンダ30の図では上下両端面を閉塞する端板35で形成された吸入室49(図3参照)および圧縮室39と、シリンダ30内に端板35でもある上軸受35aおよび下軸受35bに支持されたクランク軸31の偏心部31aに嵌合されたピストン32と、このピストン32の外周に偏心回転に追従して往復運動しシリンダ30内を吸入室49と圧縮室39とに仕切るベーン33(図3参照)を備えている。
クランク軸31には軸線部に油穴41が設けられるとともに、上軸受35a、下軸受35bに対する壁部には、それぞれ油穴41に連通した給油穴42、43が設けられている。また、クランク軸31の偏心部31aに対する壁部には油穴41に連通した給油穴44が設けられ、外周部には油溝45が形成されている。
一方、シリンダ30には、吸入室49に向けてガスを吸入する吸入ポート46が開通され、上軸受35aには、吸入室49から転じて形成される圧縮室39からガスを吐出する吐出ポート38が開通されている。吐出ポート38は上軸受35aを貫通する平面視円形の孔として形成されており、吐出ポート38の上面には所定の大きさ以上の圧力を受けた場合に解放される吐出弁36とその弁の最大変位を規制するバルブストップ36bが設けられている。上軸受35aとマフラーカバー37により区切られた吐出空間52は、吐出ポート38を介して圧縮室39と連通し、流入部62によりオイル分離機構60と連通する。
[1-1-3.オイル分離機構の構成]
図2および図4において、オイル分離機構60は、冷媒ガスを旋回させる円筒状空間61と、圧縮機構部3から吐出された冷媒ガスを円筒状空間61に流入させる流入部62と、分離したオイルを円筒状空間61から容器内空間のオイル溜まり6に排出する排出口63と、円筒状空間61から電動機部2より下方の容器内空間82にオイル分離した冷媒ガスを送出する送出口64から構成されている。
円筒状空間61と、流入部62と、排出口63は、シリンダ30の両端面を閉塞する端板35の内、垂直最上位に位置する端板である上軸受35aに設けられている。上軸受35aにはマフラーカバー37が被せられ、マフラーカバー37には送出口64が設けられている。マフラーカバー37と上軸受35aを組み合せることでオイル分離機構60が構成される。
流入部62は、円筒状空間61に連通し、好ましくは流入部62の開口を円筒状空間61の上端内周面に形成する。そして、流入部62は、圧縮室39から吐出される冷媒ガスを吐出空間52内から円筒状空間61に流入させる。流入部62は、円筒状空間61に対し、接線方向に開口している。
送出口64は、円筒状空間61の上端側である上方の容器内空間側に形成し、円筒状空間61から上方の容器内空間81へオイルを分離した冷媒ガスと残ったオイルの一部とを送出する。
排出口63は、円筒状空間61の下端側である下方の容器内空間側に形成し、円筒状空間61から下方の容器内空間82へ分離したオイルを排出する。
ここで、送出口64の開口部の断面積Aは、円筒状空間61の断面積Cよりも小さく、排出口63の開口部の断面積Bよりも大きくしておくのが好ましい。送出口64の開口部の断面積Aが、円筒状空間61の断面積Cと同じ場合には、冷媒ガスの旋回流が排出口63の方向に導かれることなく、送出口64から吹き出してしまう。また、排出口63の開口部の断面積Bが円筒状空間61の断面積Cと同じ場合には、冷媒ガスの旋回流が排出口63から吹き出してしまう。
また、送出口64の開口部の断面積Aを、排出口63の開口部の断面積Bよりも大きくすることで、送出口64における流路抵抗が減る。これにより、冷媒ガスは排出口63よりも送出口64に流れやすくなる。一例として、A/Bは9程度に設定するのが望ましい。また、オイル分離機構60は吐出空間52に対して複数設けることもできる。
[1-1-4.電動機部の構成]
図1において、電動機部2は、外側に配置された固定子22と、内側に配置された回転子24で構成されており、回転子24は圧縮機構部3のクランク軸31と連結され、回転子24の自転に伴ってクランク軸31を回転させる。
固定子22は、図5に示すように、固定子コア22aのティース22a-1に電線を巻き付けてコイル22bを形成しており、密閉容器1の内側に焼嵌められて固定されている。コイル22bは、各ティースに対して集中的に巻き回されており、固定子22は集中巻固定子である。
回転子24は、回転子コア24aの内部に磁石24bを配置し、クランク軸31に焼嵌めて固定されている。回転子24の外周部と固定子22のティース22a-1先端の間には、回転子24と固定子22が接触しないように僅かな隙間であるエアギャップが設けられている。
ここで上記電動機部2は圧縮機構部3から中間の容器内空間83に吐出された冷媒ガスを電動機部の上方の容器内空間81に導く外側冷媒通路25及び内側冷媒通路26、回転子冷媒通路27を備えている。
外側冷媒通路25は、固定子22の外周部に備えられた一つもしくは複数の切欠き部と密閉容器1との間に設けられた空間である。
内側冷媒通路26は、固定子22と回転子24の間に設けられたエアギャップと、隣り合うティース22a-1に巻き付けられたコイル22b間の隙間を合わせた空間である。
回転子冷媒通路27は、回転子の内部を貫通して設けた通路である。
[1-2.動作]
以上のように構成された圧縮機について、その動作を以下説明する。
[1-2-1.冷媒ガスの圧縮動作]
吸入管4から吸い込んだ冷媒ガスは、アキュームレータ40を介して吸入ポート46から圧縮機構部3へと導かれる。
アキュームレータ40は、圧縮機構部3での過度な液圧縮を防止するため、吸入管4から流入する冷媒中に液成分が混在した場合に、その中から冷媒ガスを優先的に吸入ポート46に導く。アキュームレータ40は、円筒状のケースの上部に吸入管4、下部に冷媒ガス導出管が接続されている。冷媒ガス導出管の一端は吸入ポート46に接続され、他端はケースの内部空間の上部まで延出している。
圧縮機構部3においては、ピストン32がクランク軸31の偏心部31aに嵌合し、クランク軸31によって偏心回転する。ベーン33は、偏心回転するピストン32の外周面との接触を維持するために、ピストン32の偏心回転に対してピストン32に向かって往復運動する。これにより、シリンダ30内には容積を拡大していく吸入室49と吸入ポート46から区画されて容積を縮小していく圧縮室39が形成される。つまり、吸入室49の容積拡大に伴って、冷媒ガスは吸入管4から吸い込まれ、圧縮室39での容積縮小に伴って圧縮された冷媒ガスが吐出ポート38から吐出空間52へと吐出される。吐出空間52の冷媒ガスは、オイル分離機構60を通って送出口64から電動機部下部の容器内空間81へと送り出され、電動機部のいずれかの冷媒通路25、26、27を通って、吐出管5から圧縮機外部へと排出される。
なお、圧縮室39、吸入室49を除く密閉容器1の内部空間は、圧縮されて高温高圧状態となった冷媒ガスが滞在する空間となっており、オイル溜まり6のオイルも高圧状態となる。
[1-2-2.給油動作]
クランク軸31は、オイル溜まり6から油穴41を通じてオイルを汲み取り、クランク軸31内部から給油穴42、43、44を通じて上軸受35a、下軸受35b、吸入室49、圧縮室39へと供給する。
吸入室49、圧縮室39に供給されたオイルはシリンダ30とピストン32との間の摺動部を湿潤する。ここで上記シリンダ30の高さはピストン32が内部で摺動できるように、ピストン32の高さよりやや大きめに設定されており、ピストン32の端面と端板35との間に隙間がある。そのため、この隙間を介して高圧状態のオイルが圧力の低い吸入室49、圧縮室39へと供給される。
一方、吸入室49および圧縮室39へと供給されたオイルは、圧縮された冷媒ガスと共に吐出ポート38を通って吐出空間52へと吐出され、その後、オイル分離機構60を通過する際にオイルの大部分は排出口63から排出されてオイル溜まり6へと戻る。一方、排出口63から排出されずに送出口64から出たオイルや、上軸受35aとクランク軸31の潤滑油として上軸受35aの上端から排出されたオイルは、密閉容器1や電動機部2の表面に付着して自重により落下し、上軸受35aのオイル戻し通路35a-1を通ってオイル溜まり6へと戻る。
[1-2-3.オイル分離動作]
図2および図4に基づいて、オイル分離機構60におけるオイル分離動作について説明する。
圧縮室39で圧縮された冷媒ガスは吐出空間52内に吐出され、吐出空間52内においてその冷媒ガスと冷媒ガス中に含まれるオイルは、流入部62を通って、円筒状空間61の偏心した側面位置から円筒状空間61内へ流れ込み、流入部62を通過する際の運動量が旋回運動へと変換される。円筒状空間61の内部では比重の異なるオイルと冷媒ガスが旋回する間に分離され、オイルの大部分は円筒状空間61の下部に設けた排出口63から排出されて、オイル溜まり6へと戻される。一方、冷媒ガスについては、円筒状空間61の上部に設けた送出口64から電動機部2の下部空間に吐き出される。送出口64から吐き出された電動機部下部空間の冷媒ガスは前述したように電動機部2のいずれかの冷媒通路25、26、27を通って、電動機部2の上部空間に到達し、吐出管5から圧縮機外部へと排出される。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、圧縮機は、吐出管5を有する密閉容器1内に、圧縮機構部3と、電動機部2と、オイル分離機構60と、上方の容器内空間81と、下方の容器内空間82と、オイル溜まり6と、を備える。密閉容器1内は、圧縮機構部3によって上方の容器内空間81と下方の容器内空間82に分割される。電動機部2と吐出管5は上方の容器内空間81に配置され、オイル溜まり6が下方の容器内空間82に配置されている。
圧縮機構部3は、シリンダ30とこのシリンダ30の両端面を閉塞する端板35で形成された吸入室49および圧縮室39と、シリンダ30内に端板35でもある上軸受35aおよび下軸受35bに支持されたクランク軸31の偏心部31aに嵌合されたピストン32と、このピストン32の外周に偏心回転に追従して往復運動しシリンダ30内を吸入室49と圧縮室39とに仕切るベーン33を備えている。
クランク軸31には軸線部に油穴41が設けられるとともに、上軸受35a、下軸受35bに対する壁部には、それぞれ油穴41に連通した給油穴42、43が設けられている。また、クランク軸31の偏心部31aに対する壁部には油穴41に連通した給油穴44が設けられ、外周部には油溝45が形成されている。
一方、シリンダ30には、吸入室49に向けてガスを吸入する吸入ポート46が開通され、上軸受35aには、吸入室49から転じて形成される圧縮室39からガスを吐出する吐出ポート38が開通されている。吐出ポート38は上軸受35aを貫通する平面視円形の孔として形成されており、吐出ポート38の上面には所定の大きさ以上の圧力を受けた場合に解放される吐出弁36とその弁の最大変位を規制するバルブストップ36bが設けられている。上軸受35aとマフラーカバー37により区切られた吐出空間52は、吐出ポート38を介して圧縮室39と連通し、流入部62によりオイル分離機構60と連通する。
オイル分離機構60は、電動機部2の下方に配され、冷媒ガスとそこに含まれるオイルを旋回させる円筒状空間61と、圧縮機構部3から吐出される冷媒ガスを円筒状空間61に流入させる流入部62と、円筒状空間61から上方の容器内空間81にオイルを分離した冷媒ガスを送出する送出口64と、分離したオイルを円筒状空間61から下方の容器内空間82に排出する排出口63と、を備えている。
これにより、吸入室49と圧縮室39に供給されたオイルは、圧縮ガスとともに吐出ポート38から吐出空間52へと吐出されるが、流入部62からオイル分離機構60へ入る際に冷媒ガスとともに加速されて、円筒状空間61の中で旋回運動に変わり、比重の大きいオイルが振り分けられて排出口63からオイル溜まり6へと戻る。一方、比重の小さい冷媒ガスは優先的に送出口64から電動機部2の下部空間に送り出される。
そのため、圧縮室39から吐出ポート38を通って吐出空間52に吐出された冷媒ガスに比べ、送出口64から電動機部2の下部空間に排出される冷媒ガス中のオイルが少なくなる。つまり、送出口64から排出され、電動機部2の各冷媒通路25、26、27を通って電動機部2の上部空間に到達するオイル量が少なくなる。これによって、吐出管5からのオイル流出を抑制することができる。また、電動機部2の上端に滞留するオイル量も少なくなり、その分オイル溜まり6のオイル量が減少するのを抑制することができる。
また、本実施の形態の圧縮機は、吐出管5が、電動機部2を基準に圧縮機構部3と反対側に配置され、送出口64の投影面が電動機構成部材である固定子22もしくは回転子24に重なる位置に設けられているので、送出口64から吐出された冷媒ガスは、電動機構成部材に衝突した後に減速し、電動機部2の隙間を通って吐出管5まで到達する。
そのため、衝突時にオイルが壁面で振り落とされたり、減速して自重の影響を受け易くなったりして、オイル溜まり6へと戻りやすくなる。
さらに、本実施の形態の圧縮機においては、電動機部2は、外側に固定子22、内側に回転子24を備え、固定子22と密閉容器1との間に外側冷媒通路25、固定子22と回転子24で囲まれる領域に内側冷媒通路26、回転子24の内部に回転子冷媒通路27を設け、送出口64の垂直投影面の少なくとも一部は内側冷媒通路26もしくは回転子冷媒通路27に重なる位置に設けている。
これにより、電動機部2の冷媒通路の内、内側冷媒通路26もしくは回転子冷媒通路27を積極的に冷媒ガスが通過するようになり、相対的に外側冷媒通路25の流速が低下して、オイル戻り通路として機能するようになる。したがって、電動機部2の上部に到達し滞留しているオイルは外側冷媒通路25の冷媒ガスの流れに逆らってオイル溜まり6へと戻りやすくなり、吐出管5から排出されるオイル量を更に効果的に低減できるとともに、オイル溜まり6に戻るオイル量が増加してオイル溜まり6のオイル量が減少するのを抑制することができる。
すなわち、冷媒ガスと共に電動機部2の通路を通って吐出管5側まで流されたオイルが吐出管5から排出されないようにするためには、外側冷媒通路25、内側冷媒通路26、回転子冷媒通路27のいずれかを通って圧縮機構部3側へオイルを戻って来させる必要がある。そのためには、電動機部2のいずれかの冷媒通路において、圧縮機構部3側から吐出管5側への冷媒ガスの流速を下げておく方が望ましく、さらに、下方の容器内空間82への移動を鑑みると、下方の容器内空間82への開口面積を大きく構成し易い箇所に近く、送出口64からの冷媒ガスの流れに押し戻され難い外側冷媒通路25をオイルの戻り通路とすることが好ましい。そして、このような構成とすることによって、より多くのオイルが吐出管5側から下方の容器内空間82にあるオイル溜まり6に戻り易くなる。
そのため、電動機部2の吐出管5側に残存するオイルが減り、結果として、吐出管5から排出されるオイルの量が低減されることになる。そして、オイル溜まり6のオイル量が減少するのを抑制することができる。
また、本実施の形態の圧縮機では、オイル溜まり6を排出口63の直下に配置して、排出口63から排出されたオイルが直ちにオイル溜まり6に戻されるようにしている。
これにより、排出口63から排出されたオイルが圧縮機構部3の部品壁面に付着したり、窪みに溜まったりして、冷媒ガス雰囲気中に留まるのを防止することができる。
そのため、排出口63から排出されたオイルが再度、冷媒ガスと共に吹き上げられるのを抑制し、冷媒ガス中のオイル割合を低下させることができるため、吐出管5からのオイル流出量も低減し易くなり、効果的である。
また、本実施の形態の圧縮機では、電動機部2は、ティース22a-1にコイル22bが集中的に巻き回される集中巻電動機としているので、コイルエンド22b-1を小さく構成でき、広い空間を十分に活かして、高い分離能力を発揮できるオイル分離機構60を設けることができる。
そのため、送出口64から吐出された冷媒ガス中のオイル割合を効率よく低下させることができ、吐出管からのオイル流出量も低減し易くなる。
又、本実施の形態の圧縮機では、圧縮機構部3は、少なくとも1つのシリンダ30と、シリンダ内に設けられたクランク軸31の偏心部31aに嵌合されたピストン32と、ピストン32の偏心運動に伴いシリンダ内を吸入室49と圧縮室39に仕切るベーン33と、シリンダ30の両端面を閉塞する二つの端板35を有し、オイル分離機構60の少なくとも一部は、端板35の中でも、垂直最上位に位置する端板に構成している。
これにより、オイル分離機構60を圧縮機構部3に対して高所位置に配置することになり、オイル分離機構60の排出口63がオイル溜まり6の中に浸漬するのを抑制できる。
そのため、排出口63からオイル溜まり6中のオイルが侵入してくるのを抑制し、送出口64から吐出された冷媒ガス中のオイル割合を低下させることができ、結果として、吐出管からのオイル流出量も低減し易くなる。
又、本実施の形態の圧縮機において、流入部62の幅は、円筒状空間61の半径以下としておくのが好ましく、このようにすることにより、円筒状空間61に対して局所的に流速の高い場所と低い場所を発生させることができる。
そのため、円筒状空間61の中で冷媒ガス中のオイル分離が促進され、送出口64から吐出された冷媒ガス中のオイル割合が低下するため、結果として、吐出管5からのオイル流出量も低減し易くなる。
さらにまた、本実施の形態のように、オイル分離機構60は、吐出された冷媒の流れに沿って並列に複数設けてもよい。
これにより、吐出冷媒から分散してオイル分離を行うことが可能となり、大流量に対応したオイル分離機構60を構成する空間がない圧縮機においても、狭い流路で冷媒ガスの圧損が発生するようなことなく、分散して複数のオイル分離機構60を設けることができる。
そのため、圧縮機毎に適切なオイル分離機構60を選択でき、冷媒ガス中のオイル分離を十分に行うことができて、吐出管からのオイル流出量も低減し易くなる。
また、本実施の形態のオイル分離機構60は、円筒状空間61の直径に対する高さの比を、1から7の間にしているので、高いオイル分離効果を発揮することができる。
すなわち、円筒状空間61の中では、比重の大きいオイルが円筒状空間61の底部に、比重の小さい冷媒ガスが上部に集まり易く、円筒状空間61の直径に対する高さの比が小さい場合、分離した冷媒ガスとオイルが混ざりあって、分離効果を十分に発揮できない。逆に円筒状空間61の直径に対する高さの比が大き過ぎても、分離効果の更なる向上は期待できない。このことから、高さの比を1から7の間とすることで、狭いスペースにおいても高いオイル分離効果を発揮することができる。
これにより、冷媒ガス中のオイル分離を十分に行い、吐出管5からのオイル流出量も低減し易くなる。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、圧縮された冷媒ガスがオイルと共に圧縮機内部に排出される圧縮機に適用可能である。具体的には、冷暖房空調装置や冷蔵庫等の冷凍装置、あるいはヒートポンプ式の給湯装置等において冷媒ガスを圧縮するための圧縮機に、本開示は適用可能である。
1 密閉容器
2 電動機部
3 圧縮機構部
4 吸入管
5 吐出管
6 オイル溜まり
22 固定子
22a 固定子コア
22a-1 ティース
22b コイル
22b-1 コイルエンド
24 回転子
24a 回転子コア
24b 磁石
25 外側冷媒通路
26 内側冷媒通路
27 回転子冷媒通路
30 シリンダ
31 クランク軸
31a 偏心部
32 ピストン
33 ベーン
35 端板
35a 上軸受
35a-1 オイル戻し通路
35b 下軸受
36 吐出弁
36b バルブストップ
37 マフラーカバー
38 吐出ポート
39 圧縮室
40 アキュームレータ
41 油穴
42 給油穴
43 給油穴
44 給油穴
45 油溝
46 吸入ポート
49 吸入室
52 吐出空間
60 オイル分離機構
61 円筒状空間
62 流入部
63 排出口
64 送出口
81 上方の容器内空間
82 下方の容器内空間

Claims (8)

  1. 冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部と電動機部とオイル溜まりを密閉容器内に備え、前記圧縮機構部によって前記密閉容器内を上方の容器内空間と下方の容器内空間に分割し、前記上方の容器空間には前記電動機部を配置するとともに前記密閉容器の外部に前記冷媒ガスを吐出する吐出管を設け、前記下方の容器内空間に前記オイル溜まりを配置した圧縮機であって、
    前記圧縮機構部から吐出される前記冷媒ガスからオイルを分離するオイル分離機構を前記電動機部の下部に設け、
    前記オイル分離機構は、前記冷媒ガスを旋回させる円筒状空間と、前記圧縮機構部から吐出空間に吐出される前記冷媒ガスを前記円筒状空間に流入させる流入部と、前記円筒状空間から前記電動機部を配置した前記上方の容器内空間に前記オイル分離後の前記冷媒ガスを送出する送出口と、分離した前記オイルを前記円筒状空間から前記下方の容器内空間に排出する排出口と、を有し、
    前記流入部の幅は、前記円筒状空間の半径以下とし、前記流入部は、前記円筒状空間に対し接線方向に開口し、
    前記吐出空間に吐出される前記冷媒ガスは、前記流入部を通って、前記円筒状空間の偏心した側面位置から前記円筒状空間へ流れ込み、前記円筒状空間で旋回する間に前記オイルが分離される圧縮機。
  2. 前記吐出管は、前記電動機部を基準に前記圧縮機構部とは反対側に配置され、
    前記オイル分離機構の前記送出口の垂直投影面の少なくとも一部は前記電動機部の構成部材に重なる、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記電動機部は、外側に固定子、内側に回転子で構成されており、
    前記固定子と前記密閉容器との間に外側冷媒通路、
    前記固定子と前記回転子で囲まれる領域に内側冷媒通路、
    前記回転子の内部に回転子冷媒通路を有し、
    前記オイル分離機構の前記送出口の前記垂直投影面の少なくとも一部は前記内側冷媒通路もしくは前記回転子冷媒通路に重なる、
    請求項2に記載の圧縮機。
  4. 前記オイル溜まりは前記オイル分離機構の前記排出口の直下に配置され、前記排出口から排出された前記オイルは直ちに前記オイル溜まりに戻される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機。
  5. 前記電動機部は、ティースにコイルが集中的に巻き回される集中巻電動機である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  6. 前記圧縮機構部は、少なくとも1つのシリンダと、前記シリンダ内に設けられたクランク軸の偏心部に嵌合されたピストンと、前記ピストンの偏心運動に伴い前記シリンダ内を吸入室と圧縮室に仕切るベーンと、前記シリンダの両端面を閉塞する二つの端板を有し、前記オイル分離機構の少なくとも一部は、前記端板の内、垂直最上位に位置する前記端板に構成された、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の圧縮機。
  7. 前記オイル分離機構は、吐出された冷媒の流れに沿って並列に複数設けた、
    請求項1からのいずれか1項に記載の圧縮機。
  8. 前記オイル分離機構の前記円筒状空間の直径に対する高さの比は、1から7の間にした、
    請求項1からのいずれか1項に記載の圧縮機。
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