JP6695098B2 - 電動圧縮機 - Google Patents

電動圧縮機 Download PDF

Info

Publication number
JP6695098B2
JP6695098B2 JP2015085530A JP2015085530A JP6695098B2 JP 6695098 B2 JP6695098 B2 JP 6695098B2 JP 2015085530 A JP2015085530 A JP 2015085530A JP 2015085530 A JP2015085530 A JP 2015085530A JP 6695098 B2 JP6695098 B2 JP 6695098B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
electric compressor
cover
working fluid
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015085530A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016205186A (ja
Inventor
敬悟 渡邉
敬悟 渡邉
康弘 岸
康弘 岸
直洋 土屋
直洋 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Original Assignee
Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc filed Critical Hitachi Johnson Controls Air Conditioning Inc
Priority to JP2015085530A priority Critical patent/JP6695098B2/ja
Publication of JP2016205186A publication Critical patent/JP2016205186A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6695098B2 publication Critical patent/JP6695098B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Description

本発明は、冷凍冷蔵庫や空調機等の冷凍空調機器に用いられる電動圧縮機に関する。
密閉型の電動圧縮機は、コンパクトで構造が簡単なことから、冷凍冷蔵庫や空調機等の冷凍空調機器に多く用いられている。ここでは、密閉型の電動圧縮機が縦型のロータリ圧縮機として構成されている場合を想定して説明する。
電動圧縮機は、密閉容器の内部に、固定子と回転子とからなる電動機と、電動機によって駆動される圧縮機構部とを有している。圧縮機構部は、作動流体を圧縮して、密閉容器の外部に設けられた冷凍空調機器の冷凍サイクルに供給する機構である。
密閉容器の内部には、電動機の上側と下側とに、上側空間と下側空間とが設けられている。また、密閉容器の底部には、冷凍機油を貯留する油溜りが設けられている。冷凍機油は、圧縮機構部に供給されて、圧縮機構部の摺動面を潤滑するとともに、圧縮機構部の隙間をシールする。冷凍機油は、圧縮機構部に供給されることにより、その一部が作動流体の中に混入する。作動流体は、冷凍機油の微粒子(以下、単に「油」と称する)を含んだ状態で、圧縮機構部で圧縮されて、下側空間に噴出する。
下側空間に噴出した作動流体は、回転子の下端面に衝突する。その後、作動流体の流れは、回転子の回転運動の影響で、強い旋回流となる。作動流体に含まれている油の一部は、作動流体が下側空間で滞留している間に、自重で落下したり、又は、作動流体の旋回流に伴う遠心力で密閉容器の内壁や固定子の下側コイルエンド等に付着することにより油滴となり、密閉容器の内壁や固定子の壁面等を伝って、自重で落下したりする。その結果、油の一部は、作動流体から分離して、油溜りに戻る。ただし、このとき、作動流体の中には、油が残留している。特に、密閉容器の内部では、回転子の回転運動に起因して、作動流体の旋回流で作動流体が撹拌され、これによって、作動流体に含まれている油が微細化して、霧状の油が発生し易い。霧状の油は、単位体積あたりの重さが軽い。そのため、電動圧縮機は、作動流体の旋回流に伴う遠心力や油の自重を用いるだけでは、作動流体から霧状の油を完全に分離させることが困難である。その結果、作動流体の中に、油(特に、霧状の油)が残留する。作動流体は、その状態で、下側空間から上側空間に噴出する。
なお、霧状の油が発生する現象は、作動流体が回転子の端面の近傍を通過することにより発生する。そのため、霧状の油が発生する現象は、縦型や横型等の型の違いや、ロータリ圧縮機やスクロール圧縮機等の圧縮方式の違いにかかわらず、密閉型の電動圧縮機の全般で発生する。
上側空間に噴出した作動流体は、密閉容器の上部に設けられた吐出パイプに向かう。その際に、作動流体は、回転子の上端面の近傍を通過する。このとき、作動流体の一部の流れは、回転子の回転運動の影響で、旋回流となる。作動流体に含まれている油の一部は、作動流体が上側空間で滞留している間に、自重で落下したり、又は、作動流体の旋回流に伴う遠心力で密閉容器の内壁や固定子の上側コイルエンド等に付着することにより油滴となり、密閉容器の内壁や固定子の壁面等を伝って、自重で落下したりする。その結果、油の一部は、作動流体から分離して、油溜りに戻る。ただし、このとき、作動流体の中には、まだ、油が残留している。作動流体は、その状態で、吐出パイプを介して密閉容器から冷凍サイクルに吐出される。
冷凍サイクルに吐出される冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器の外部に流出する冷凍機油の量)が多い場合に、油溜りに貯留されている冷凍機油の油面が低下する。これにより、圧縮機構部に供給する冷凍機油の量が不足して、圧縮機構部の潤滑が不十分になったり、圧縮機構部の隙間のシールが不十分になったりする。そのため、電動圧縮機の作動効率が低下する。
また、冷凍サイクルに吐出された冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器の外部に流出する冷凍機油の量)が多い場合に、冷凍機油が熱交換器の伝熱管の内壁に付着することによって、作動流体と伝熱管内の壁面との間の熱伝達率が低下する。そのため、冷凍サイクルの作動効率が低下する。
そこで、電動圧縮機の中には、作動流体の主たる流れ場を回転子の端面から隔離した構成になっているものがある(例えば、特許文献1の図1、図4、図5参照)。例えば、特許文献1の図1に記載された電動圧縮機は、固定子の下端面に遮蔽部材を配置した構成になっている。また、特許文献1の図4に記載された電動圧縮機は、主軸受の突出部の先端付近に遮蔽部材を配置した構成になっている。また、特許文献1の図5に記載された電動圧縮機は、密閉容器の内壁に遮蔽部材を固定した構成になっている。
特許文献1に記載された従来の電動圧縮機は、作動流体の主たる流れ場を回転子の端面から隔離することによって、回転子の回転運動に起因して、作動流体の旋回流で作動流体が撹拌されることや、回転子の端面に設けられたバランサ等の凹凸の回動で作動流体が撹拌されることを抑制している。このような従来の電動圧縮機は、作動流体が撹拌されることを抑制して、霧状の油の発生を抑制している。
特開2006−336463号公報(図1、図4、図5)
しかしながら、特許文献1に記載された従来の電動圧縮機は、密閉容器の外部に流出する冷凍機油の量を低減することができるが、より効果的にその低減を実現することが望まれている、という課題があった。
特許文献1に記載された従来の電動圧縮機は、バランサ等の凹凸による旋回流で作動流体が撹拌されることを抑制することができる。しかしながら、特許文献1に記載された従来の電動圧縮機は、圧縮機構部で圧縮されて電動機の下側空間に噴出された作動流体の強い噴流によって、作動流体が撹拌されることを抑制することができない。そのため、従来の電動圧縮機は、作動流体の強い噴流によって、霧状の油が発生する可能性がある。
したがって、従来の電動圧縮機は、依然として、冷凍サイクルに吐出された冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器の外部に流出する冷凍機油の量)が多い場合もあった。そのため、従来の電動圧縮機は、冷凍機油が熱交換器の伝熱管の内壁に付着することによって、作動流体と伝熱管内の壁面との間の熱伝達率が低下する可能性があった。これにより、冷凍サイクルの作動効率が低下する可能性があった。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、密閉容器の外部に流出する冷凍機油の量を低減する電動圧縮機を提供することを主な目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、電動圧縮機であって、固定子と、上下方向に回転軸が配置された回転子と、を含んでなる電動機と、前記電動機により回転駆動される圧縮機構部と、前記電動機及び前記圧縮機構部を内部に収容する密閉容器と、前記密閉容器の内部において前記電動機よりも上側の位置に設けられた上側空間と、前記密閉容器の内部において前記電動機よりも下側の位置に設けられた下側空間と、前記固定子の下端部の近傍に配置されたカバーと、を有し、前記カバーは、前記固定子の下端部に対向する対向部を備え、前記対向部は、前記回転子の回転軸を中心にして略円形状に形成され、前記回転子の外径よりも大きい孔を備え、前記下側空間において、前記孔の全体よりも下側の位置には、前記密閉容器の外部から内部に流入する作動流体の吐出口が設けられており、前記カバーは、前記固定子の巻線の軸方向の一端を前記固定子のコア側に押さえ付けている構成とする。
その他の手段は、後記する。
この電動圧縮機は、作動流体の軸方向の流れ(噴流)をカバーによって抑制するとともに、孔を介して対向部よりも固定子の一端の近傍に流動した作動流体を固定子の一端から離間する方向に流動させる。これにより、この電動圧縮機は、作動流体の軸方向の流れ(噴流)で、油が拡散して、作動流体に含まれている油が霧状化することを抑制することができる。そのため、この電動圧縮機は、密閉容器の外部に流出する冷凍機油の量を低減することができる。
本発明によれば、密閉容器の外部に流出する冷凍機油の量を低減することができる。
実施形態1に係る電動圧縮機の全体の構成を示す縦断面図である。 実施形態1に係る電動圧縮機の主要部分の構成を示す断面図である。 実施形態1に係る電動圧縮機の主要部分の構成を示す断面図である。 実施形態1で用いるカバーの構成を示す斜視図である。 実施形態2に係る電動圧縮機の主要部分の構成を示す断面図である。 実施形態2に係る電動圧縮機の主要部分の説明図である。 実施形態3に係る電動圧縮機の主要部分の構成を示す断面図である。 実施形態4に係る電動圧縮機の主要部分の構成を示す断面図である。 実施形態5に係る電動圧縮機の主要部分の構成を示す断面図である。 実施形態6に係る電動圧縮機の主要部分の構成を示す断面図である。 実施形態6で用いるカバーの構成を示す斜視図である。 実施形態7に係る電動圧縮機の主要部分の構成を示す断面図である。 実施形態7で用いるカバーの構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
なお、本発明は、特許文献1に記載された従来の電動圧縮機の以下の課題をも解決することができる。
(1)冷凍機油は、できるだけ下側空間に滞留させて、下側空間で作動流体から分離させることによって、油溜りに戻されることが好ましい。しかしながら、特許文献1の図1や図4に記載された従来の電動圧縮機は、圧縮機構部で圧縮されて下側空間に噴出された作動流体の強い噴流によって、作動流体が撹拌されることを抑制することができない。
そのため、特許文献1の図1や図4に記載された従来の電動圧縮機では、油が作動流体からあまり分離されずに、比較的多くの油を含む作動流体が下側空間から上側空間に噴出する可能性があった。その結果、比較的多くの冷凍機油が下側空間から上側空間に流出する可能性があった。
(2)また、特許文献1の図1や図4に記載された従来の電動圧縮機では、固定子の下側コイルエンドに付着した微細な油は、圧縮機構部で圧縮されて下側空間に噴出された作動流体の強い噴流の流れ場に晒されることにより、固定子の下側コイルエンドから剥離する可能性があった。これにより、霧状の油が発生する可能性があった。
(3)また、特許文献1の図5に記載された従来の電動圧縮機は、圧縮機構部で圧縮されて下側空間に噴出された作動流体の強い噴流と固定子の下側コイルエンドとを隔離することができる。しかしながら、特許文献1の図5に記載された従来の電動圧縮機では、回転子の下端面と固定子の下側コイルエンドとを隔離することができない。また、特許文献1の図5に記載された従来の電動圧縮機では、回転子の下端面と遮蔽部材とにより構成する小空間で強い旋回流が生じる。そのため、固定子の下側コイルエンドに付着した微細な油は、強い旋回流の流れ場に晒されることにより、固定子の下側コイルエンドから剥離する可能性があった。これにより、霧状の油が発生する可能性があった。
(4)また、特許文献1の図5に記載された従来の電動圧縮機では、密閉容器の内部の圧縮機構部の吐出口と固定子の下側コイルエンドとの間の広範囲に、遮蔽部材を配置する。そのため、圧縮機構部で圧縮されて下側空間に噴出された作動流体が、遮蔽部材に当たる。これにより、作動流体の流れが、淀んだり、又は、阻害されたりする可能性があった。その結果、圧力損失が増加する可能性があった。
(5)また、特許文献1の図1や図5に記載された従来の電動圧縮機は、遮蔽部材を配置した後に、回転子を配置することが困難な構成になっている。そのため、特許文献1の図1や図5に記載された従来の電動圧縮機は、製造時に、コストや、手間、時間が増加する可能性があった。
本発明は、以上の課題をも解決することができる。
[実施形態1]
<電動圧縮機の構成>
以下、図1〜図4を参照して、本実施形態1に係る電動圧縮機1の構成につき説明する。ここでは、電動圧縮機1が単一シリンダの縦型ロータリ圧縮機である場合を想定して説明する。
図1は、電動圧縮機1の全体の構成を示す縦断面図である。図2及び図3は、それぞれ、電動圧縮機1の主要部分の構成を示す断面図である。図2は、後記するカバー71を取り付ける前の電動圧縮機1の構成を示している。図3は、後記するカバー71を取り付けた後の電動圧縮機1の構成を示している。図4は、カバー71の構成を示す斜視図である。図2(a)及び図3(a)は、電動圧縮機1の縦断面の構成を示している。図2(b)及び図3(b)は、図2(a)又は図3(a)に示す線A−Aに沿って電動圧縮機1を切断して得られる切断面の構成を示している(他の図面も同様)。各図は、本実施形態1に係る電動圧縮機1の説明に必要な部位のみを簡易化して示している。
図1に示すように、本実施形態1に係る電動圧縮機1は、密閉容器4と、アキュムレータ5とを有している。
密閉容器4は、電動機2と圧縮機構部3とを収容する容器である。
アキュムレータ5は、作動流体として機能する冷媒ガスを加圧状態で蓄えておく容器である。
密閉容器4は、筒体41、蓋体42、及び、底体43により構成されている。筒体41は、鋼板で構成された、上下が開口した円筒状の筺体である。密閉容器4は、蓋体42が筒体41の上部部分に嵌合され、底体43が筒体41の下部部分に嵌合され、各嵌合部が溶接されることによって、その内部が密閉された構成になっている。
電動機2は、圧縮機構部3を駆動させる駆動源である。電動機2は、密閉容器4に焼嵌等で固定された固定子21と、圧縮機構部3のクランク軸31を嵌着した回転子22とを備えている。固定子21は、上端面から突出した上側コイルエンドと下端面から突出した下側コイルエンドとを備えている。
固定子21の各ティースとティースとの間には、隙間26(図2(b)参照)が設けられている。また、固定子21の外周側には、電動機2の下側に設けられた空間(以下、「下側空間」と称する)46と電動機2の上側に設けられた空間(以下、「上側空間」と称する)47とを連通させるための複数の外周溝27(図2(b)参照)が設けられている。隙間26及び外周溝27は、作動流体の流路として機能する。
固定子21のコアの内径は、回転子のコアの外径(直径)よりも、数mm程度大きい値に設定されている。したがって、固定子21と回転子22との間には、数mm程度の図示せぬ隙間が設けられている。
また、回転子22のコアには、下側空間46と上側空間47との連通面積を拡大するための図示せぬ貫通孔が設けられている。
圧縮機構部3は、電動機2の回転子22の回転運動に伴って作動流体を圧縮して、圧縮した作動流体を冷凍空調機器の冷凍サイクルに供給する機構である。圧縮機構部3は、主クランク軸31、主軸受32、シリンダ33、副軸受34、ローラ35、及び、ベーン36を備えている。
クランク軸31は、シリンダ33の内部でベーン36を駆動させる部材である。クランク軸31は、下端側に、偏心部31aを備えている。クランク軸31は、偏心部31aの上側が主軸受32に嵌入され、偏心部31aの下側が副軸受34に嵌入されることによって、密閉容器4の内部で回転自在に支持されている。
クランク軸31の偏心部31aは、ローラ35の内部に回転自在に嵌入されている。ローラ35は、その外周がベーン36に当接するように、ベーン36の内部に回転自在に嵌入されている。ベーン36は、シリンダ33の内部で摺動するように、シリンダ33の内部に嵌入されている。
シリンダ33の内部には、作動流体を吸入するための吸入室(図示せず)と、作動流体を圧縮するための圧縮室44とが形成されている。圧縮室44は、シリンダ33の内壁面と、ローラ35の外壁面と、ベーン36の側面と、主軸受32の内壁面と、副軸受34の内壁面とによって形成されている。
シリンダ33は、ボルトによって、主軸受32に締結されている。主軸受32は、シリンダ33の上端面を閉塞するとともに、クランク軸31を保持している。主軸受32には、掘り込み部が設けられている。その掘り込み部の内部には、吐出口45が設けられている。吐出口45は、シリンダ33から下側空間46に作動流体を吐き出すための開口部である。
主軸受32は、吐出口45を選択的に開放又は閉鎖する吐出弁61と、吐出弁61の開度を決定するリテーナ62とを備えている。吐出弁61は、下側空間46の内部のガス圧力Pd1と圧縮室44の内部のガス圧力Pd2とがPd2≧Pd1の関係になったときに、吐出口45を開放する。これにより、吐出弁61は、圧縮室44の内部の高圧ガス(作動流体)を下側空間46の内部に噴出させる。また、吐出弁61は、それ以外のときに、吐出口45を閉鎖する。これにより、吐出弁61は、下側空間46の内部の高圧ガス(作動流体)が圧縮室44の内部に逆流することを防止する。吐出弁61及びリテーナ62は、カップマフラー63によって覆われている。カップマフラー63は、サイレンサーとして機能する。カップマフラー63には、吐出口45を通過した作動流体を下側空間46に吐き出すための吐出口63a(図2(a)参照)が設けられている。
副軸受34は、ボルトによって、シリンダ33に締結されている。副軸受34は、シリンダ33の下端面を閉塞するとともに、クランク軸31を保持している。圧縮機構部3は、主軸受32が溶接等で筒体41に固定されることによって、密閉容器4の内部に固定されている。
密閉容器4の上部には、密閉容器4から冷凍サイクルに作動流体を吐出する吐出パイプ37が設けられている。また、密閉容器4の側面には、アキュムレータ5と、アキュムレータ5を介して冷凍サイクルから圧縮機構部3に作動流体を導くサクションパイプ56とが設けられている。また、密閉容器4の底部を構成する底体43の上面には、冷凍機油を貯留する油溜り43aが設けられている。冷凍機油は、圧縮機構部3に供給されて、圧縮機構部3の摺動面を潤滑するとともに、圧縮機構部3の隙間をシールする。
密閉容器4の内部の固定子21の下方には、カバー71が設けられている。カバー71は、固定子21のティースに向う作動流体の流れを抑制することによって、油が霧状化することを抑制する。その原理については、後記の「電動圧縮機の主な特徴」の章で説明する。
図4に示すように、カバー71は、固定子21の下端に対向する底面部73を備えている。「固定子21の下端」は、特許請求の範囲に記載された「固定子の一端」に相当する。また、「底面部73」は、特許請求の範囲に記載された「対向部」に相当する。底面部73には、底面部73よりも上方(すなわち、固定子21の一端の近傍)に流動した作動流体を下方(すなわち、固定子21の一端から離間する方向)に流動させる(図3(a)に示す矢印fl3参照)ための流動用孔72が形成されている。
流動用孔72は、回転子22の回転軸を中心にして略円形状に形成されている。流動用孔72の内径は、回転子22の外径(直径)よりも大きい値に設定されている。
カバー71は、底面部73から固定子21の下部側に突出するように、流動用孔72の縁に沿って形成された内壁面部74を備えている。
また、カバー71は、底面部73から固定子21の下部側に突出するように、底面部73の外周の縁に沿って形成された外壁面部75を備えている。
本実施形態1では、外壁面部75の高さは、内壁面部74の高さよりも高い値に設定されている。
カバー71は、圧縮機構部3の吐出口45と固定子21の下側コイルエンドとの間、及び、固定子21の下側コイルエンドと回転子22の下端面との間を分離可能な位置に配置されている。また、カバー71は、製造時のコストや、手間、時間等の生産性の観点から、比較的小型な構成になっている。
<電動圧縮機の動作>
以下、主に、図1及び図3を参照して、電動圧縮機1の動作につき説明する。なお、図1及び図3に示す矢印は、作動流体の流動経路を示している。
電動圧縮機1は、運転の過程で、固定子21に通電されることによって、回転子22を回転させる。すると、ローラ35がクランク軸31の偏心部31aによって偏心回転運動を行い、これに伴って、ベーン36がシリンダ33の内部で摺動する。これにより、シリンダ33の吸入室(図示せず)と圧縮室44との容積が変化する。
このとき、作動流体は、サクションパイプ56を介してアキュムレータ5から吸入室(図示せず)に吸入され、圧縮室44で圧縮される。このとき、油溜り43aから圧縮機構部3に供給された油が、作動流体に混入する。圧縮された作動流体は、油を含んだ状態で、主軸受32に設けられた吐出口45を経て下側空間46に噴出する。このときの作動流体の流れは、吐出口45から下側空間46に向かう、略垂直の強い噴流fl1(図2(a)及び図3(a)参照)となる。このとき、カバー71が、作動流体の噴流fl1の固定子21の下部に向かう流れを抑制する。これにより、電動圧縮機1は、作動流体に含まれている油が霧状化することを抑制することができる。
下側空間46に噴出した作動流体は、回転子22の下端面に衝突する。その後、作動流体の流れは、回転子22の回転運動の影響で、強い旋回流fl2(図2(a)及び図3(a)参照)となる。作動流体に含まれている油の一部は、作動流体が下側空間46で滞留している間に、自重で落下したり、又は、作動流体の旋回流fl2に伴う遠心力で密閉容器4の内壁や固定子21の下側コイルエンド等に付着することにより油滴となり、密閉容器4の内壁や固定子21の壁面等を伝って、自重で落下したりする。その結果、油の一部は、作動流体から分離して、油溜り43aに戻る。
このとき、作動流体の中には、油が残留している。しかしながら、油は、カバー71によって霧状化することが抑制されるため、作動流体から効率よく分離される。その結果、作動流体に含まれている油の量は、従来の電動圧縮機よりも少ない。作動流体は、その状態で、固定子21と密閉容器4との間に設けられた外周溝27(図2(b)参照)、固定子21の各ティースとティースとの間に設けられた隙間26(図2(b)参照)、固定子21と回転子22との間に設けられた図示せぬ隙間、及び、回転子22のコアに設けられた図示せぬ貫通孔の中を通って、下側空間46から上側空間47に噴出する。
上側空間47に噴出した作動流体は、密閉容器4の上部に設けられた吐出パイプ37に向かう。その際に、作動流体は、回転子22の上端面の近傍を通過する。このとき、作動流体の一部の流れは、回転子22の回転運動の影響で、旋回流となる。作動流体に含まれている油の一部は、作動流体が上側空間47で滞留している間に、自重で落下したり、又は、作動流体の旋回流に伴う遠心力で密閉容器4の内壁や固定子21の上側コイルエンド等に付着することにより油滴となり、密閉容器4の内壁や固定子21の壁面等を伝って、自重で落下したりする。その結果、油の一部は、作動流体から分離して、油溜り43aに戻る。
このとき、作動流体の中には、油が残留している可能性があるが、その量は従来の電動圧縮機よりも少ない。作動流体は、その状態で、吐出パイプ37を介して密閉容器4から冷凍サイクルに吐出される。
<電動圧縮機の主な特徴>
本実施形態1に係る電動圧縮機1は、以下のような特徴を有している。
(1)電動圧縮機1は、電動機2の固定子21の下部の近傍に配置されたカバー71を有している。「固定子21の下部」は、特許請求の範囲に記載された「固定子21の軸方向の一端」に相当する。カバー71は、固定子21のティースに向う作動流体の流れを抑制する部材である。「固定子21のティースに向う作動流体の流れ」とは、特許請求の範囲に記載された「固定子の一端側に向う作動流体の軸方向の流れ」に相当する。
カバー71は、固定子21のティースに向う作動流体の流れを抑制することによって、油が霧状化することを抑制する。その原理は、以下の通りである。ここでは、図2(a)に示すカバー71が取り付けられていない構成を比較例とし、その比較例と、カバー71が取り付けられている本実施形態1に係る電動圧縮機1の構成(図3(a)参照)とを比較して、原理を説明する。
電動圧縮機1は、作動流体のみが、固定子21と密閉容器4との間に設けられた外周溝27(図2(b)参照)、固定子21の各ティースとティースとの間に設けられた隙間26(図2(b)参照)、固定子21と回転子22との間に設けられた図示せぬ隙間、及び、回転子22のコアに設けられた図示せぬ貫通孔の中を通って、下側空間46から上側空間47に到達する、ことを理想とする。
しかしながら、カバー71が取り付けられていない比較例(図2(a)参照)は、下側空間46で、吐出口45から下側空間46に向かう強い噴流fl1が発生するとともに、回転子22の下端面に設けられたバランサ等の凹凸による軸中心から外側に向かう強い旋回流fl2が発生する。そのため、比較例は、下側空間46で、作動流体が撹拌されてしまい、その結果、油を落下させ難くする。また、比較例は、密閉容器4の内壁に付着した油や固定子21の下側コイルエンドに付着した微細な油が強い噴流fl1や強い旋回流fl2の流れ場されることによって、霧状の油を発生させる。なお、密閉容器4の内壁や固定子21の下側コイルエンドに付着する油は、圧縮室44から吐き出される作動流体や上側空間47から下側空間46に流れてくる作動流体に起因している。霧状の油は、特に、巻線の外径が比較的小さい場合に、固定子21の下側コイルエンドに付着した微細な油がいっそう細粒化するため、発生し易くなる。霧状の油は、このような原理で発生する。
霧状の油は、単位体積あたりの重さが軽い。そのため、比較例は、作動流体の旋回流に伴う遠心力や油の自重を用いるだけでは、作動流体から霧状の油を完全に分離させることが困難である。その結果、比較例は、下側空間46で、油を作動流体からあまり分離させることができずに、油を作動流体の中に残留させてしまう。
作動流体の中に残留した油は、強い噴流fl1や強い旋回流fl2によって、主に、固定子21の各ティースとティースとの間に設けられた隙間26(図2(b)参照)を通って、上側空間47に到達する。
上側空間47に到達した油は、回転子22の上端面に設けられたバランサ等の凹凸による旋回流及び下側空間46から上側空間47に向かう流れによってさらに撹拌される。上側空間47には、積極的な油分離機構が無い。
そのため、比較例は、油分離を行うために、上側空間47として比較的広い空間を確保して、回転子22から吐出パイプ37までの距離を大きく設定し、上側空間47での油の滞留時間を長期化させることによって、油を自重で落下させて、油を下側空間46に戻す必要がある。しかしながら、これにより、比較例は、装置を大型化させてしまうという弊害を生じさせる。
また、比較例は、たとえ、このように構成されていても、以下のような理由で、油を下側空間46に戻すことが困難である。
すなわち、上側空間47では、回転子22の回転動作に伴って、回転子22の上端面に設けられたバランサ等の凹凸が回動することによって、作動流体の旋回流が発生する。また、作動流体は、下側空間46から上側空間47に流れ込む。そのため、比較例は、作動流体の旋回流や下側空間46から上側空間47に向かう作動流体の流れによって、作動流体が撹拌され、これに伴って、油が撹拌される。その結果、上側空間47では、油が落下し難くなったり、油が微細化して、霧状の油が発生したりする。したがって、比較例は、油を下側空間46に戻すことが困難である。
これに対して、本実施形態1に係る電動圧縮機1は、固定子21の下方に、固定子21のティースに向う作動流体の流れを抑制するカバー71を有している。そのため、電動圧縮機1は、固定子21の各ティースとティースとの間に設けられた隙間26(図2(b)参照)に油が流入することを抑制するとともに、固定子21の下側コイルエンドに付着した油が剥離して、霧状の油が発生することを抑制することができる。
また、電動圧縮機1は、吐出口45から噴出した油を、カバー71の底面部73で遮蔽して、底面部73に付着させることにより、油を油滴にして、自重で下側空間46に落下させて、油を下側空間46に戻すことができる。
また、電動圧縮機1は、下側空間46で滞留する油を、カバー71の底面部73に沿って固定子21の外周側に流動させることができる。そのため、電動圧縮機1は、下側空間46での油の滞留時間を長期化させることができ、その結果、効率よく、油を自重で落下させて、油を下側空間46に戻すことができる。
このような電動圧縮機1は、下側空間46で、高効率に、作動流体から油を分離させることができる。そのため、電動圧縮機1は、下側空間46から上側空間47に流動する作動流体に含まれている油の量を低減することができ、その結果、冷凍サイクルに吐出される冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器の外部に流出する冷凍機油の量)を低減することができる。
(2)本実施形態1では、カバー71は、内壁面部74と外壁面部75とを備えている。内壁面部74と外壁面部75とは、以下の効果を得ることができる。
まず、内壁面部74の効果につき説明する。
圧縮機構部3の吐出口45は、回転子22の下端面の下方付近に設けられている。そのため、作動流体は、回転子22の下端面付近に吐出された後、回転子22の下端面に設けられたバランサ等の凹凸による強い旋回流の影響を受ける。その結果、油は、固定子21の外周側に流れる。このとき、カバー71の内壁面部74は、外周側に流れた油が、固定子21の各ティースとティースとの間に設けられた隙間26(図2(b)参照)に流入することを抑制する。そのため、カバー71は、隙間26(図2(b)参照)に流入する油の流入量を低減することができる。
なお、内壁面部74の高さは、図示例よりも高くすることができる。例えば、内壁面部74の高さは、取り付け用の孔(図示せず)を除き、固定子21の内壁側を完全に遮蔽する程度に、高くすることができる。
この場合に、電動圧縮機1は、より効果的に、固定子21の各ティースとティースとの間に設けられた隙間26(図2(b)参照)に流入する油の流入量を大幅に低減させることができる。また、電動圧縮機1は、隙間26(図2(b)参照)に流入する油の流入量を大幅に低減させることにより、隙間26での作動流体の流れを、上側空間47に向かう流れから下側空間46に向かう流れに積極的に変更することができる。そのため、電動圧縮機1は、高効率に、上側空間47に滞留する油を下側空間46に戻すことができる。これによっても、電動圧縮機1は、冷凍サイクルに吐出される冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器の外部に流出する冷凍機油の量)を低減することができる。
次に、外壁面部75の効果につき説明する。
外壁面部75は、外周溝27(図2(b)参照)に流入する作動流体の流れを整流することができる。これにより、電動圧縮機1は、圧力損失を低減することができる。そのため、電動圧縮機1は、冷凍サイクルへの作動流体の供給性能を向上させることができる。
(3)カバー71は、固定子21の巻線の下側端部25a(図3(a)参照)を押さえ付ける巻線押さえとして機能させることができる。これにより、電動圧縮機1は、固定子21の巻線の下側端部25aを押さえ付けるための専用の部材を用いなくてもよくなる。そのため、電動圧縮機1は、部品点数を削減することができる。
(4)流動用孔72は、回転子22の回転軸を中心にして略円形状に形成されている。流動用孔72の内径は、回転子22の外径(直径)よりも大きい値に設定されている。そのため、電動圧縮機1は、固定子21とカバー71とを密閉容器4に取り付けた後に、カバー71の流動用孔72を介して回転子22を固定子21の内側に容易に配置させることができる。このような電動圧縮機1は、製造をし易くすることができる。
また、流動用孔72は、底面部73よりも上方に流動した作動流体を下方に流動させることができる(図3(a)に示す矢印fl3参照)。
このような電動圧縮機1は、密閉容器4の内部での霧状の油の発生を抑制することができる。また、電動圧縮機1は、作動流体からの油の分離を促進して、高効率に、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油を低減することができる。また、電動圧縮機1は、冷凍サイクルの熱交換効率を向上させたり、圧力損失を低減させたり、密閉容器4の内部での必要量の冷凍機油を保持したりすることができる。その結果、電動圧縮機1は、性能及び信頼性を向上させることができる。
以上の通り、本実施形態1に係る電動圧縮機1によれば、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量を低減することができる。
[実施形態2]
以下、図5及び図6を参照して、本実施形態2に係る電動圧縮機1Aの構成につき説明する。図5は、電動圧縮機1Aの主要部分の構成を示す断面図である。図6は、電動圧縮機1Aの主要部分の説明図である。図6(a)は、図5に示す領域Bを拡大して示している。図6(b)は、本実施形態2に用いるカバー71Aの内壁面部74aとその周囲との関係を示している。
図5及び図6に示すように、本実施形態2に係る電動圧縮機1Aは、実施形態1に係る電動圧縮機1(図3参照)と比較すると、カバー71の代わりに、カバー71Aを用いる点で相違している。
カバー71Aは、内壁面部74aの上端が切欠された形状になっている部材である。
電動圧縮機1Aは、以下のような構成になっている。
図6(a)に示すように、固定子21は、巻線が巻かれていない補助部21bを有している。補助部21bは、流動用孔72に臨む内壁を備えている。カバー71Aの内壁面部74aと補助部21bとの間には、開口部21cが形成されている。
開口部21cの開口量は、実施形態1に係る電動圧縮機1の内壁面部74と補助部21bとの間の開口部よりも、小さな値に設定されている。開口部21cの開口量は、運用に応じて、内壁面部74aの高さの異なるカバー71Aを用いることにより、調整することができる。
図6(b)は、カバー71Aの内壁面部74aと補助部21bの内壁とを、軸中心から360度の範囲を平面視し、展開した構成を示している。図6(b)に示すように、開口部21cの面積S21cは、カバー71Aの内壁面部74aの面積S74aと補助部21bの内壁の面積S21bとの合計面積の20%以下になっている。すなわち、開口部21cの面積S21cとカバー71Aの内壁面部74aの面積S74aと補助部21bの内壁の面積S21bとは、「S21c≦(S74a+S21b)×20/100」という関係になっている。
電動圧縮機1Aは、カバー71Aを用いるため、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、固定子21の内周側から固定子21の各ティースとティースとの間に設けられた隙間26(図2(b)参照)に流動する作動流体の流出量を大幅に低減することができる。したがって、電動圧縮機1Aは、下側空間46から上側空間47に到達する油の量を低減することができる。その結果、電動圧縮機1Aは、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、高効率に、冷凍サイクルに吐出される冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量)を低減することができる。
また、電動圧縮機1Aは、カバー71Aの取り付け時の図示せぬ巻線補助部材との間のクリアランスを確保することができる。そのため、電動圧縮機1Aは、生産性を向上させることができる。
なお、カバー71Aの底面部73には、上面から下面に貫通する1乃至複数の底面部孔77(図5(b)参照)が形成されている。電動圧縮機1Aは、底面部孔77を介して、底面部73よりも上方に存在する油を下側空間46に戻すことができる。そのため、電動圧縮機1Aは、設計次第で、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、高効率に、冷凍サイクルに吐出される冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量)を低減することができる。
以上の通り、本実施形態2に係る電動圧縮機1Aによれば、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、高効率に、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量を低減することができる。
しかも、電動圧縮機1Bによれば、生産性を向上させることができる。
[実施形態3]
以下、図7を参照して、本実施形態3に係る電動圧縮機1Bの構成につき説明する。図7は、電動圧縮機1Bの主要部分の構成を示す断面図である。
図7に示すように、本実施形態3に係る電動圧縮機1Bは、実施形態1に係る電動圧縮機1(図3(b)参照)と比較すると、カバー71の代わりに、カバー71Bを用いる点で相違している。
カバー71Bは、上面から下面に貫通する1乃至複数の底面部孔78が底面部73に形成された部材である。底面部孔78の直径は、実施形態2の底面部孔77の直径よりも小さな値に設定されている。そして、底面部孔78の面積の合計面積は、カバー71Bの底面部73の面積の20%以下の値に設定されている。
電動圧縮機1Bは、カバー71Bを用いるため、実施形態1に係る電動圧縮機1と同様に、固定子21の内周側から固定子21の各ティースとティースとの間に設けられた隙間26への油の流入量を低減することができる。したがって、電動圧縮機1Bは、下側空間46から上側空間47に到達する油の量を低減することができる。その結果、電動圧縮機1Bは、冷凍サイクルに吐出される冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量)を低減することができる。
また、電動圧縮機1Bは、実施形態2に係る電動圧縮機1Aと同様に、底面部孔78を介して、底面部73よりも上方に存在する油を下側空間46に戻すことができる。そのため、電動圧縮機1Bは、設計次第で、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、高効率に、冷凍サイクルに吐出される冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量)を低減することができる。
以上の通り、本実施形態3に係る電動圧縮機1Bによれば、実施形態1に係る電動圧縮機1と同様に、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量を低減することができる。
しかも、電動圧縮機1Bによれば、設計次第で、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、高効率に、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量を低減することができる。
[実施形態4]
以下、図8を参照して、本実施形態4に係る電動圧縮機1Cの構成につき説明する。図8は、電動圧縮機1Cの主要部分の構成を示す断面図である。
図8に示すように、本実施形態4に係る電動圧縮機1Cは、実施形態1に係る電動圧縮機1(図3(a)参照)と比較すると、カバー71に加え、カバー81を有している点で相違している。
カバー81は、固定子21の上方に配置された部材である。カバー81は、カバー71(図4参照)と同様の構成になっている。
電動圧縮機1Cは、カバー71に加え、カバー81を有するため、回転子22の回転運動の影響で、上部空間47で、作動流体が撹拌されて、その結果、油が撹拌したり、微細化したりすることを抑制することができる。そのため、電動圧縮機1Cは、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、高効率に、冷凍サイクルに吐出される冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量)を低減することができる。
なお、カバー81は、固定子21の巻線の上側端部25bを押さえ付ける巻線押さえとして機能させることができる。これにより、電動圧縮機1Cは、固定子21の巻線の上側端部25bを押さえ付けるための専用の部材を用いなくてもよくなる。そのため、電動圧縮機1Cは、部品点数を削減することができる。
以上の通り、本実施形態4に係る電動圧縮機1Cによれば、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、高効率に、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量を低減することができる。
[実施形態5]
以下、図9を参照して、本実施形態5に係る電動圧縮機1Dの構成につき説明する。図9は、電動圧縮機1Dの主要部分の構成を示す断面図である。
図9に示すように、本実施形態5に係る電動圧縮機1Dは、実施形態1に係る電動圧縮機1(図3参照)と比較すると、カバー71の代わりに、カバー71Dを用いる点で相違している。
カバー71Dは、実施形態1のカバー71と比較して、底面部73の外周と密閉容器4の内壁との間の隙間76が大きくなっている点で相違している。そして、隙間76の面積が、各外周溝27の合計面積よりも大きな値になっている。
電動圧縮機1Dは、実施形態1に係る電動圧縮機1と同様に、カバー71Dによって、固定子21の内周側から固定子21の各ティースとティースとの間に設けられた隙間26(図2(b)参照)に流動する作動流体の流出量を低減することができる。したがって、電動圧縮機1Dは、下側空間46から上側空間47に到達する油の量を低減することができる。その結果、電動圧縮機1Dは、冷凍サイクルに吐出される冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量)を低減することができる。
しかも、電動圧縮機1Dは、隙間76の面積が各外周溝27の合計面積よりも大きな値になっているカバー71Dを用いるため、固定子21と密閉容器4との間に設けられた外周溝27を通る作動流体の流れを阻害しない。したがって、電動圧縮機1Dは、圧力損失を低減することができる。そのため、電動圧縮機1Dは、冷凍サイクルへの作動流体の供給性能を向上させることができる。
以上の通り、本実施形態5に係る電動圧縮機1Dによれば、実施形態1に係る電動圧縮機1と同様に、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量を低減することができる。
しかも、電動圧縮機1Dによれば、実施形態1に係る電動圧縮機1によりも、圧力損失を低減することができる。
[実施形態6]
以下、図10及び図11を参照して、本実施形態6に係る電動圧縮機1Eの構成につき説明する。図10は、電動圧縮機1Eの主要部分の構成を示す断面図である。図11は、本実施形態6で用いるカバー71Eの構成を示す斜視図である。
図10及び図11に示すように、本実施形態6に係る電動圧縮機1Eは、実施形態1に係る電動圧縮機1(図3参照)と比較すると、カバー71の代わりに、カバー71Eを用いる点で相違している。
カバー71Eは、実施形態1のカバー71と比較すると、外壁面部75が削除された構成になっている点で相違している。
電動圧縮機1Eは、外壁面部75が削除されたカバー71Eを用いるため、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、密閉容器4の上側から下側に戻る油を、固定子21の外周側に落とすことができ、密閉容器4の下側に戻った油が回転し22による旋回流及び圧縮機構部3からの吐出に伴う噴流によって再撹拌されることを抑制することができる。さらには、電動圧縮機1Eは、実施形態1のカバー71よりも低コストでカバー71Eを製造することができるため、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、低コストで、冷凍サイクルへの油の吐出量を低減することができる。
なお、電動圧縮機1Eの回転子22には、内側と外側とに設けられた複数の開口部66,67(図10(a)参照)が形成されている。電動圧縮機1Eは、開口部66,67を介して、上側空間47から下側空間46に油を戻す。以下、開口部66を「内側開口部66」と称し、開口部67を「外側開口部67」と称する。外側開口部67の内径は、作動流体が円滑に流動できるように、内側開口部66の内径よりも大きな値に設定されている。
以上の通り、本実施形態6に係る電動圧縮機1Eによれば、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、密閉容器4の上側から下側に戻る油を、固定子21の外周側に落とすことができ、密閉容器4の下側に戻った油が回転し22による旋回流及び圧縮機構部3からの吐出に伴う噴流によって再撹拌されることを抑制することができ、実施形態1に係る電動圧縮機1よりも、低コストで、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量を低減することができる。
[実施形態7]
以下、図12及び図13を参照して、本実施形態7に係る電動圧縮機1Fの構成につき説明する。図12は、電動圧縮機1Fの主要部分の構成を示す断面図である。図13は、本実施形態7で用いるカバー71Fの構成を示す斜視図である。
図12及び図13に示すように、本実施形態7に係る電動圧縮機1Fは、実施形態1に係る電動圧縮機1(図3参照)と比較すると、カバー71の代わりに、カバー71Fを用いる点で相違している。
カバー71Fは、外周側の高さが内周側の高さよりも低くなるように、底面部73fが傾斜した構成になっている部材である。
電動圧縮機1Fは、実施形態1に係る電動圧縮機1と同様に、カバー71Fによって、固定子21の内周側から固定子21の各ティースとティースとの間に設けられた隙間26(図2(b)参照)に流動する作動流体の流出量を低減することができる。したがって、電動圧縮機1Fは、下側空間46から上側空間47に到達する油の量を低減することができる。その結果、電動圧縮機1Fは、冷凍サイクルに吐出される冷凍機油の吐出量(すなわち、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量)を低減することができる。
しかも、電動圧縮機1Fは、底面部73fが傾斜した構成になっているカバー71Fを用いるため、カバー71Fに付着することにより油滴となった油や、上側空間47から下側空間46に戻る油の落下位置を調整することができる。
また、電動圧縮機1Fは、カバー71Fの底面部73fに沿って固定子21の外周側に流れる油の方向を調整することができる。
以上の通り、本実施形態7に係る電動圧縮機1Fによれば、実施形態1に係る電動圧縮機1と同様に、密閉容器4の外部に流出する冷凍機油の量を低減することができる。
しかも、電動圧縮機1Fによれば、実施形態1に係る電動圧縮機1に比べて、油の落下位置を調整することができるとともに、カバー71Fの底面部73fに沿って固定子21の外周側に流れる油の方向を調整することができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、例えば、前記した実施形態では、密閉型の縦型ロータリ圧縮機を例にして説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されることなく、その他、例えば、非密閉型ロータリ圧縮機やスクロール圧縮機等にも適用可能である。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F 電動圧縮機
2 電動機
3 圧縮機構部
4 密閉容器
5 アキュムレータ
21 固定子
21b 補助部
21c 開口部
22 回転子
25a 巻線の下側端部
25b 巻線の上側端部
26 隙間
27 外周溝
31 クランク軸
31a 偏心部
32 主軸受
33 シリンダ
34 副軸受
35 ローラ
36 ベーン
37 吐出パイプ
41 筒体
42 蓋体
43 底体
43a 油溜まり
44 圧縮室
45 吐出口
46 下側空間
47 上側空間
56 サクションパイプ
61 吐出弁
62 リテーナ
63 カップマフラー
63a 吐出孔
66 内側開口部
67 外側開口部
71 カバー
72 流動用孔
73,73f 底面部(対向部)
74,74a,74e 内壁面部
75 外壁面部
76 隙間
77,78 底面部孔(対向部孔)
81 上カバー

Claims (6)

  1. 固定子と、上下方向に回転軸が配置された回転子と、を含んでなる電動機と、
    前記電動機により回転駆動される圧縮機構部と、
    前記電動機及び前記圧縮機構部を内部に収容する密閉容器と、
    前記密閉容器の内部において前記電動機よりも上側の位置に設けられた上側空間と、
    前記密閉容器の内部において前記電動機よりも下側の位置に設けられた下側空間と、
    前記固定子の下端部の近傍に配置されたカバーと、を有し、
    前記カバーは、前記固定子の下端部に対向する対向部を備え、
    前記対向部は、前記回転子の回転軸を中心にして略円形状に形成され、前記回転子の外径よりも大きい孔を備え、
    前記下側空間において、前記孔の全体よりも下側の位置には、前記密閉容器の外部から内部に流入する作動流体の吐出口が設けられており、
    前記カバーは、前記固定子の巻線の軸方向の一端を前記固定子のコア側に押さえ付けている
    ことを特徴とする電動圧縮機。
  2. 固定子と回転子とを含んでなる電動機と、
    前記電動機により回転駆動される圧縮機構部と、
    前記電動機及び前記圧縮機構部を内部に収容する密閉容器と、
    前記固定子の軸方向の一端の近傍に配置されたカバーと、を有し、
    前記カバーは、前記固定子の一端に対向する対向部を備え、
    前記対向部は、前記回転子の回転軸を中心にして略円形状に形成され、前記回転子の外径よりも大きい孔を備え、
    前記カバーは、前記対向部から前記固定子の一端側に突出するように、前記孔の縁に沿って形成された内壁面部をさらに備え、
    前記固定子は、巻線が巻かれていない補助部を有し、
    前記補助部は、前記孔に臨む内壁を備え、
    前記内壁面部と前記補助部との間には、開口部が形成され、
    前記開口部の面積は、前記内壁面部と前記補助部の前記内壁との合計面積の20%以下である
    ことを特徴とする電動圧縮機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の電動圧縮機において、
    さらに、前記固定子の上端部の近傍に配置された他のカバーを有する
    ことを特徴とする電動圧縮機。
  4. 請求項に記載の電動圧縮機において、
    前記他のカバーは、前記固定子の巻線の軸方向の他端を前記固定子のコア側に押さえ付けている
    ことを特徴とする電動圧縮機。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の電動圧縮機において、
    前記カバーの前記対向部の外周部分と前記密閉容器の内壁との間には、隙間が形成されているとともに、
    前記固定子のコアと前記密閉容器の内壁との間には、作動流体の流路として機能する複数の外周溝が形成され、
    前記隙間の面積は、前記複数の外周溝の合計面積よりも広い
    ことを特徴とする電動圧縮機。
  6. 固定子と回転子とを含んでなる電動機と、
    前記電動機により回転駆動される圧縮機構部と、
    前記電動機及び前記圧縮機構部を内部に収容する密閉容器と、
    前記固定子の軸方向の一端の近傍に配置されたカバーと、を有し、
    前記カバーは、前記固定子の一端に対向する対向部を備え、
    前記対向部は、前記回転子の回転軸を中心にして略円形状に形成され、前記回転子の外径よりも大きい孔を備え、
    前記対向部は、外周側の高さが内周側の高さよりも低くなるように傾斜して形成されている
    ことを特徴とする電動圧縮機。
JP2015085530A 2015-04-20 2015-04-20 電動圧縮機 Active JP6695098B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015085530A JP6695098B2 (ja) 2015-04-20 2015-04-20 電動圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015085530A JP6695098B2 (ja) 2015-04-20 2015-04-20 電動圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016205186A JP2016205186A (ja) 2016-12-08
JP6695098B2 true JP6695098B2 (ja) 2020-05-20

Family

ID=57487466

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015085530A Active JP6695098B2 (ja) 2015-04-20 2015-04-20 電動圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6695098B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6324391U (ja) * 1986-07-31 1988-02-17
JPS63120878A (ja) * 1986-11-07 1988-05-25 Hitachi Ltd 圧縮機
JPH03124991A (ja) * 1989-10-05 1991-05-28 Sanyo Electric Co Ltd 回転式圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016205186A (ja) 2016-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5039869B1 (ja) 圧縮機
JP2008088929A (ja) 密閉型圧縮機
JP2017053285A (ja) 圧縮機
JP3709103B2 (ja) 密閉型の縦置き圧縮機
JP6437294B2 (ja) スクロール圧縮機
JP6479206B2 (ja) ロータリ圧縮機
JP6695098B2 (ja) 電動圧縮機
JP4690516B2 (ja) スクロール型流体機械
WO2021124768A1 (ja) 圧縮機
JP6090169B2 (ja) 圧縮機
JPWO2020170886A1 (ja) 密閉型圧縮機
JP6635672B2 (ja) 容積型圧縮機
WO2012157224A1 (ja) 圧縮機
JP6019385B2 (ja) 圧縮機
JP2013164008A (ja) 圧縮機
JP5462982B1 (ja) 圧縮機
JP2005163637A (ja) スクロール圧縮機
JP6108276B2 (ja) 圧縮機
JP2014070622A (ja) 圧縮機
JP5360258B2 (ja) 圧縮機
JP2005171911A (ja) スクロール圧縮機
JP6120173B2 (ja) 圧縮機
JP6491951B2 (ja) 容積形圧縮機
JP6108275B2 (ja) 圧縮機
JP2006299837A (ja) 流体圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160407

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171011

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190403

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190903

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191031

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200121

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200324

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200421

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6695098

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150