(実施形態)
(概要)
図1~図14を参照して、本実施形態のスイッチ装置1について説明する。以下の説明では、特に断りのない限り、スイッチ装置1の上下、左右、前後の方向を、図1に図示されている上下、左右、前後の矢印を用いて規定して説明する。これらの矢印は、単に説明を補助する目的で記載しているに過ぎず、実体を伴わない。また、上記の方向の規定は、本実施形態のスイッチ装置1の使用形態を限定する趣旨ではない。
本実施形態のスイッチ装置1は、操作対象の負荷の動作状態を切り替えるためのシーソー式(タンブラー式又はロッカー式とも言う)の操作用のスイッチ装置である。スイッチ装置1は、例えば、屋内の壁面に取り付けられて、屋内に設置された照明器具(負荷)の点灯及び消灯を切り替えるためのスイッチ装置として適用可能である。
図1及び図2に示すように、スイッチ装置1は、開閉接点を含む回路部品が収容された器体2を有する。器体2の前面22jには、シーソー式の操作ハンドル3が設けられている。操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rには、両側一対の透光領域31L,31Rが設けられている。各透光領域31L,31Rは、操作ハンドル3の前面部を裏側から表側に光が透過することで発光する領域である。このため、透光領域が発光しないときは、操作ハンドル3において透光領域とそれ以外の領域とは外観上見分けがつきにくい。このため、操作ハンドル3の意匠性を損なうことなく操作ハンドル3を発光させることができる。
また、器体2の後面21bには、外部からの配線が挿入される複数(例えば4つ)の配線孔22kが設けられている。外部からの配線が配線孔22kに挿入されることで、配線が器体2内の回路部品と電気的に接続される。
このスイッチ装置1は、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの何れか一方が押下されると他方が持ち上がる、シーソー動作を行う。操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rが交互に押下されることで、器体2内の開閉接点の開閉が交互に行われる。その際、このスイッチ装置1では、一対の透光領域31L,31Rのうち、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの持ち上がった方に設けられた透光領域のみが発光する。
(詳細説明)
図5~図13に示すように、スイッチ装置1は、上述の器体2及び操作ハンドル3の他に、接点装置4(接点回路)、光源ユニット5、反転ハンドル6、反転ばね7、変換ばね8、導光部材9、一対の遮光部10L,10R(図8A参照)、及びプリズム11を備えている。
器体2は、スイッチ装置1の構成要素(操作ハンドル3、接点装置4、光源ユニット5、反転ハンドル6、反転ばね7、変換ばね8、導光部材9、及びプリズム11)を収納する外郭である。器体2は、前面が開口した直方体形の箱状の合成樹脂製のボディ21と、開口部22cを有する矩形枠状に形成され、ボディ21の前面側に結合される合成樹脂製のカバー22とを有する。
ボディ21は、複数(例えば4つ)の組立突起21aを有する(図6参照)。複数の組立突起21aは、ボディ21の短手方向(上下方向)における両外側面において、ボディ21の長手方向に離間して設けられている。カバー22の後端縁からは、組立舌片22aが後方に延びている(図7参照)。組立舌片22aに設けた組立孔22bと組立突起21aとが互いに嵌め合わされることによって、ボディ21とカバー22とが互いに結合される(図1参照)。
カバー22の開口部22cは、図7に示すように、第1開口部22dと第2開口部22eとを有する。第1開口部22dは、反転ハンドル6が配置される開口部であり、例えば矩形状である。第1開口部22dは、カバー22の長手方向の中央から、カバー22の長手方向の一方側(例えば右側)にずれた位置に設けられている。第2開口部22cは、プリズム11が配置される開口部であり、第1開口部22dよりも小さい矩形状の開口部である。第2開口部22cは、第1開口部22dの左側(すなわち第1開口部22dがずれた方向の側とは反対側)に設けられている。第1開口部22dと第2開口部22cは、互いに連結して1つの開口部22cを構成している。
カバー22は、一対の軸受突片22fと、一対の軸受凹部22hと、一対の嵌合凹部22iとを有する。
一対の軸受突片22fは、カバー22の前面22jにおいて、短手方向(上下方向)の両側縁部であって長手方向(左右方向)の中央から前方に突出している。一対の軸受突片22fの各々の対向面には、操作ハンドル3の後述の一対の軸突起32が挿入される軸受孔22gが形成されている。すなわち、一対の軸受孔22gは、カバー22における長手方向の中央に配置されており、上下方向に貫通している。一対の軸受孔22gはそれぞれ、前部が三角形状で後部が矩形状の略五角形状の孔である。
一対の軸受凹部22hは、反転ハンドル6の後述の一対の軸突起32が挿入される部分である。一対の軸受凹部22hは、カバー22の第1開口部22dにおける短手方向の両側の内側面において、その内側面の長手方向の中央に、凹状に設けられている。一対の軸受凹部22hはそれぞれ、上下方向からの正面視で、例えば略三角形状の凹部である。
一対の嵌合凹部22iは、プリズム11の後述の一対の嵌合突起16が嵌り合う部分である。一対の嵌合凹部22iは、第2開口部22eにおける短手方向の両側の内側面に凹状に設けられている。一対の嵌合凹部22iはそれぞれ、上下方向からの正面視で、例えば矩形状の凹部である。
ボディ21には、接点装置4及び光源ユニット5が収納されている(図6参照)。
接点装置4は、操作対象の負荷の動作状態(作動及び停止)を切り替えるための開閉接点、及び、外部からの配線と接続するための外部接続端子とを備えている。接点装置4は、図6に示すように、端子板41~43、支持板44、開閉子45、及び鎖錠ばね46を備えている。
端子板41~43はそれぞれ、外部の配線と電気的に接続する部分である。端子板41,42は、ボディ21の長手方向(左右方向)の一端部(例えば左端部)に収納されている。端子板43は、ボディ21の長手方向の他端部(例えば右端部)に収納されている。端子板41,42には、固定接点41a,42bが設けられている。固定接点41a,42bの間に開閉子45が配置されている。端子板41,42にはそれぞれ、1個ずつの鎖錠ばね46が収納され、端子板43には、2個の鎖錠ばね46が収納されている。
支持板44は、ボディ21の底面の中央に配置されており、端子板43と電気的に接続されている。開閉子45は、ボディ21の長手方向の中央に収納されている。開閉子45の下端は、支持板44に当接している。開閉子45は、その下端を支点として支持板44上を揺動可能である。
開閉子45は、例えば板状である。開閉子45の前端部には、反転ハンドル6の後述の筒部62の周縁が嵌る溝45cが設けられている。開閉子45は、両側の主面にそれぞれ、可動接点45a,45b(図3参照)を有する。可動接点45aと固定接点41aとで1つの開閉接点が構成され、可動接点45bと固定接点41bとで1つの開閉接点が構成されている。開閉子45が揺動することで、2つの開閉接点の閉状態及び開状態が交互に切り替わる。この2つの開閉接点が上記の開閉接点を構成する。
本実施形態では、後述のように、操作ハンドル3がシーソー動作すると反転ハンドル6がシーソー動作し、反転ハンドル6がシーソー動作すると開閉子45が揺動して、上記の2つの開閉接点が閉状態と開状態とに切り替わる。従って、接点装置4は、操作者の操作に応じて開状態と閉状態とが切り替わる。
なお、このような、共通の開閉子45によって2つの開閉接点が交互に切り替わるスイッチ装置は、3路スイッチと呼ばれる。この3路スイッチは、例えば階段の上階及び下階にそれぞれ設けられ、階段を照らす共通の照明器具の点灯及び消灯を切り替えるスイッチ装置として利用可能である。なお、本実施形態では、スイッチ装置1は、3路スイッチであるが、3路スイッチに限定されない。
ボディ21の後壁において、4つの鎖錠ばね46の各々に対応する部位には、電線挿入孔22k(図2参照)が設けられている。電線挿入孔22kを通してボディ21の内部に電線が挿入されることで、電線の先端部が、鎖錠ばね46と端子板41,42,43との間に挟持される。これにより、電線の先端部が端子板41~43と電気的に接続する。これら端子板41~43が上記の外部接続端子を構成する。
光源ユニット5は、図6に示すように、回路基板52と、2つの光源51a(第1光源)及び光源51b(第2光源)とを備えている。
2つの光源51a,51bは、一対の透光領域31L,31Rから出射される光を出射する光源である。2つの光源51a,51bは、互いに異なる光色(例えば赤色光及び白色光)の光を出射する。光源51aは、位置表示機能用の光源であり、例えば白色光を出射する。光源51bは、パイロット機能用の光源であり、例えば赤色光を出射する。2つの光源51a,51bは、例えばLED(Light Emitting Diode)である。2つの光源51a,51bは、回路基板52の前面において、ボディ21の長手方向(左右方向)に並んだ状態で設けられている。2つの光源51a,51bは、操作ハンドル3の後側に配置されている。
光源51aは、接点装置4における閉状態の開閉接点間の通電及び非通電に関わらず(すなわち操作対象の負荷の作動及び停止に関わらず)、常時点灯される。光源51bは、接点装置4における閉状態の開閉接点間の通電及び非通電に応じて(すなわち操作対象の負荷の作動及び停止に応じて)、点灯及び消灯が切り替えられる。具体的には、光源51bは、閉状態の開閉接点間が通電状態のときは(すなわち負荷が作動中のときは)、消灯され、閉状態の開閉接点間が非通電状態のときは(すなわち負荷が停止中のときは)、点灯される。
光源ユニット5は、ボディ21内の長手方向(左右方向)の一端部(例えば左端部)において、端子板41,42の上側に収納されている。すなわち、2つの光源51a,51bは、ボディ21内の長手方向の一端部(左端部)側に収納され、かつ、ボディ21の長手方向に並んでいる。
反転ハンドル6は、図9に示すように、操作ハンドル3の動作状態に応じて、接点装置4の開閉接点を開閉するハンドルである。反転ハンドル6は、反転ハンドル本体61と、筒部62とを有する。
反転ハンドル本体61は、底部61aと、2つの側壁部61bと、複数(例えば4つ)の嵌合突起61cと、一対の軸突起61dとを有する。底部61aは、矩形板状である。2つの側壁部61bはそれぞれ、矩形板状である。2つの側壁部61bは、底部61aの上下両縁部から前方に突出している。4つの嵌合突起61cは、変換ばね8を固定するための突起である。4つの嵌合突起61cはそれぞれ、例えば円柱状である。4つの嵌合突起61cは、2つの側壁部61bの各々に2つずつ設けられている。各側壁部61bに設けられた2つの嵌合突起61cは、側壁部61bの前面の長手方向(左右方向)に並んで配置されている。一対の軸突起61dは、カバー22の一対の軸受凹部22hに揺動可能に支持される部分である。一対の軸突起61dはそれぞれ、例えば、前端が頂角となる三角柱状である。一対の軸突起61dは、一対の側壁部61bの各々の外側面から突出するように設けられている。
筒部62は、反転ばね7を収容する部分である。筒部62は、反転ハンドル本体61の後面(すなわち底部61aの後面)から後方に突出するように設けられている。筒部62の後側周縁は、開閉子45の前端部の溝45c(図6参照)に引っ掛かる。この状態で、筒部62と開閉子45との間には、コイルばねからなる反転ばね7が保持される。
反転ハンドル6は、カバー22の第1開口部22d内に配置される(図4参照)。この状態で、反転ハンドル6の一対の軸突起61dは、カバー22の一対の軸受凹部22hに挿入される。これにより、反転ハンドル6は、一対の軸突起61dの前端を支点としてカバー22に対して揺動可能になる。すなわち、反転ハンドル6は、一対の軸突起61dの前端を通る回転軸(第2回転軸)L2を中心に揺動可能(すなわちシーソー動作可能)になる。反転ハンドル6の揺動によって、反転ばね7から開閉子45に作用するばね力の向きが反転し、何れか一方の可動接点45a,45bが、当該可動接点45a,45bに対応する固定接点41a,42bに接触する。つまり、開閉子45と電気的に繋がる端子板43は、2個の端子板41,42の何れか一方に択一的に接続される。
操作ハンドル3は、操作者の操作を受け付ける部分であり、操作者の操作に応じてシーソー動作(動作)する。操作ハンドル3は、例えば樹脂(PC/ABSアロイ、又はポリカーボネート)で一体的に形成されている。操作ハンドル3は、後面が開口した底浅の箱状である。操作ハンドル3は、図8A及び図8Bに示すように、操作ハンドル本体31と、一対の軸突起32と、4つの接触部33と、固定突起34と、一対の凹部35L,35Rとを有する。
操作ハンドル本体31は、主壁部31aと、周壁部31bとを有する。主壁部31aは、矩形の板状である。主壁部31aは、中心線L3(図5参照)に沿って略V字状に曲がっている。これにより、主壁部31aにおける中心線L3の両側の部分は、前方に突出するように傾斜している。なお、中心線L3は、主壁部31aの長手方向(左右方向)の中心において、主壁部31aの短手方向(上下方向)に延びている。周壁部31bは、主壁部31aの外周縁全体から主壁部31aの後方に立ち上がっている。周壁部31bは、上壁部31c、下壁部31d、左壁部31e及び右壁部31fが環状に一体に繋がって構成されている。上壁部31c及び下壁部31dは、主壁部31aの略V字状の曲がりに応じて略V字状に曲がっている。
主壁部31aの外表面は、操作ハンドル3の前面部を構成する。本実施形態では、主壁部31aの外表面(すなわち前面部)は、操作ハンドル3の外表面の主面を構成する。左壁部31e及び右壁部31fの各々の外表面は、操作ハンドル3の左右両側の側面部を構成し、上壁部31c及び下壁部31dの各々の外表面は、操作ハンドル3の上下両側の側面部を構成する。操作ハンドル3の左右両側の側面部は、前面部と交差する側面部である。操作ハンドル3の上下両側の側面部は、前面部と左右の側面部との両方に交差する側面部である。
一対の凹部35L,35Rは、一対の透光領域31L,31Rを形成するための薄肉部36L,36Rを形成する。操作ハンドル本体31において、薄肉部36L,36R以外の部分は厚肉部37である。薄肉部36L,36Rは、光源51a,51bの光を透過する厚さを有する部分である。厚肉部37は、光源51a,51bの光を遮光する厚さを有する部分である。操作ハンドル3の材質が樹脂(例えばPC/ABSアロイ又はポリカーボネート)である場合は、薄肉部36L,36Rの厚さd1は、例えば0.1mm以上且つ0.7mm以下(望ましくは0.2mm以上且つ0.4mm以下)である。また、厚肉部37の厚さd2は、例えば0.7mm以上且つ3.0mm以下(望ましくは1.2mm以上且つ1.8mm以下)である。このように、操作ハンドル本体31(従って操作ハンドル3)は、厚肉部37と薄肉部36L,36Rとを有し、薄肉部36L,36Rにおいて光源51a,51bの光を透光することで、操作ハンドル3の透光領域31L,31Rを発光させる。
本実施形態では、薄肉部36L,36Rと厚肉部37は、同じ材質で一体的に形成されている。また、操作ハンドル3の材質は、樹脂(例えばPCABS又はポリカーボネート)であるが、基本的には光を遮光し、ある程度薄く形成すると光を透過する材質であれば、どのような材質であってもよい。
一対の凹部35L,35Rは、操作ハンドル本体31の主壁部31aの裏面の所定領域に設けられている。本実施形態では、一対の凹部35L,35Rは、操作ハンドル本体31の操作部3L,3Rの裏面(例えば左右方向外側の縁部の付近)に設けられている。操作ハンドル本体31の操作部3L,3Rとは、操作ハンドル本体31を中心線L2で2分した左右両側の部分である。各凹部35L,35Rは、主壁部31aの裏面において上下方向に線状に伸びている。なお、操作ハンドル本体31の操作部3L,3Rは、操作ハンドル3の操作部3L,3Rを構成する。
このように、主壁部31aの裏面に凹部35L,35R(薄肉部36L,36R)が設けられることで、主壁部31aの外表面に透光領域31L,31Rが形成される。凹部35L,35Rが主壁部31aの裏面に設けられることで、主壁部31aの外表面において、薄肉部36L,36Rの外表面と厚肉部37の外表面とが平坦となるように繋がる。これにより、外観上、薄肉部36L,36Rと厚肉部37とがより一層見分けが付かなくなる。なお、本実施形態では、透光領域31L,31Rが主壁部31aの外表面に形成されるため、凹部35L,35Rは主壁部31aの裏面に設けられる。ただし、透光領域31L,31Rが周壁部31bの外表面に形成される場合は、凹部35L,35Rは周壁部31bの裏面に設けられる。
一対の軸突起32は、カバー22の一対の軸受孔22gに支持される部分である。一対の軸突起32は、操作ハンドル本体31の上下両側の内側面(すなわち上壁部31c及び下壁部31dの各々の内側面)から突出するように設けられている。一対の軸突起32は、操作ハンドル本体31の上下両側の内側面の後縁の中央に設けられている。一対の軸突起32はそれぞれ、前端が頂点となる略三角形状である。
一対の軸突起32がカバー22の一対の軸受孔22gに挿入された状態では、操作ハンドル3が、軸突起32の前端を支点としてカバー22に対して揺動可能(すなわちシーソー動作可能)になる。すなわち、操作ハンドル3は、一対の軸突起32の前端を通る回転軸L1(第1回転軸)を中心に揺動可能(すなわちシーソー動作可能)になる。なお、回転軸L1,L2は、上下方向に延びており、互いに平行であるが、互いに一致しない回転軸である。操作ハンドル3がカバー22に揺動可能に支持された状態では、操作ハンドル3は、カバー22の開口部22c全体を覆うように、カバー22の前面の中央に配置される(図1参照)。この状態では、操作ハンドル3は、反転ハンドル6の前側に配置される。
4つの接触部33は、変換ばね88が接触する部分である。4つの接触部33は、操作ハンドル本体31の裏面(すなわち主壁部31aの裏面)から後方に突出するように設けられている。なお、操作ハンドル本体31の裏面は、反転ハンドル6との対向面である。4つの接触部33は、操作ハンドル本体31の長手方向(左右方向)に沿って延びている。各接触部33における突出方向の先端部(以後単に「接触部33の先端部」とも記載する。)が変換ばね88と接触する。4つの接触部33は、例えば、操作ハンドル本体31の裏面の4つの角部の近傍に設けられている。4つの接触部33は、上側の左右2つの接触部33a,33bが一対の接触部を構成し、下側2つの左右2つの接触部33a,33bが一対の接触部を構成している。
4つの接触部33のうち、左側の接触部33a(第1接触部)と右側の接触部33b(第2接触部)とは、互いに異なる起伏形状である。左側の接触部33a及び右側の接触部33bは、操作ハンドル3の回転軸L1の左右両側に設けられている。起伏形状とは、接触部33を側面から見たときの接触部33の先端部(すなわち変換ばね88側の端部)の形状である。本実施形態では、左側の接触部33aの先端部は、例えば、接触部33aの長手方向に沿って略直線状に傾斜(起伏)しており、左側ほど操作ハンドル本体31の裏面から離れている。右側の接触部33bの先端部は、例えば、接触部33bの長手方向に沿って湾曲状(例えば略放物線状)に傾斜(起伏)しており、右側ほど操作ハンドル本体31の裏面に接近している。
固定突起34は、導光部材9が固定される部分である。固定突起34は、操作ハンドル本体31の裏面の中央から突出するように設けられている。
一対の遮光部10L,10R(透光制御機構)は、操作ハンドル3の動作状態に応じて、プリズム11から一対の透光領域31L,31Rへと出射された光を遮光する部分である。一対の遮光部10L,10Rは、一対の透光領域31L,31Rに対応し、プリズム11から対応する透光領域31L,31Rへ出射された光を遮光する。一対の遮光部10L,10Rは、操作ハンドル本体31の裏面から突出するように設けられている。一対の遮光部10L,10Rは、操作ハンドル本体31の裏面における長手方向(左右方向)において、中央を挟んだ両側に配置されている。一対の遮光部10L,10Rは、操作ハンドル本体31の裏面において短手方向(上下方向)に沿って延びている。
変換ばね8は、操作ハンドル3の動作を反転ハンドル6に伝達する部品である。変換ばね8は、操作ハンドル3と反転ハンドル6との間に配置されており、例えば、反転ハンドル6に固定され、操作ハンドル3に弾性的に接触する(図3参照)。
変換ばね8は、図10に示すように、一対のばね体81と、一対の連結片82とを有する。一対のばね体81はそれぞれ、左右方向に延びており、上下に並んで配置されている。一対のばね体81の左端同士は、一方の連結片82で連結され、一対のばね体81の右端同士は、他方の連結片82で連結されている。一対のばね体81は、互いに鏡像対称(すなわち上下対称)に形成されている。一対のばね体81は、反転ハンドル6の2つの側壁部61bに一対一に対応すると共に、操作ハンドル3の上下二対の接触部33と一対一に対応する。
一対のばね体81はそれぞれ、基板部81a、固定片81bと、位置決め片81cと、一対の弾性片81d,81e(第1弾性片及び第2弾性片)とを有する。すなわち、変換ばね8は、一対の基板部81aと、一対の固定片81bと、一対の位置決め片81cと、二対の弾性片81dとを有する。
基板部81aは、左右方向に延びた平板状である。固定片81bは、基板部81aにおける横幅方向(上下方向)の一端(例えば他方のばね体81と対向する一端)から幅方向外側に向かって突出している。固定片81bは、厚さ方向(前後方向)に貫通した貫通孔8fを有する。貫通孔8fには、反転ハンドル6における対応する側壁部61bの一対の嵌合突起61cの一方が嵌り合う。位置決め片81cは、反転ハンドル6における対応する側壁部61bの側面(例えば外側面)に接触する部分である。位置決め片81cは、基板部81aにおける横幅方向の一端(例えば他方のばね体81と対向する一端)から後方に突出している。本実施形態では、位置決め片81cは、固定片81bの左右両側から後方から突出し、その2つの突出した部分が左右方向に延びて互いに連結している。
一対の弾性片81d,81eは、操作ハンドル3における対応する一対の接触部33a,33bと接触する部分である。一対の弾性片81d,81eは、基板部81aの長手方向(左右方向)の両端から長手方向(左右方向)に延びると共に、前方に突出するように例えば逆V字状に曲がっている。一対のばね体81の左側の弾性片81dの左端同士は、一方の連結片82で連結され、一対のばね体81の右側の弾性片81eの右端同士は、他方の連結片82で連結されている。一対の連結片82は、上下に延びた帯状である。
変換ばね8が反転ハンドル6に固定された状態では(図3参照)、一対の位置決め片81cが反転ハンドル6の2つの側壁部61bの外側面に接触する。また、一対の固定片81bの貫通孔81fが、2つの側壁部61bの各々の一対の嵌合突起61cのうちの一方(例えば左側)の嵌合突起に嵌り合う。上記の接触及び嵌り合いによって、反転ハンドル6に対する変換ばね8の上下左右方向の相対位置が固定される。また、一対の弾性片81d、81eは、反転ハンドル6の回転軸L2の左右両側に位置している。
なお、本実施形態では、反転ハンドル6は、操作ハンドル3に対して右側に少し偏って配置される。このため、変換ばね8は、その偏りを相殺するために、左右2つの嵌合突起61cのうち左側の嵌合突起61cに嵌り合う。これにより、変換ばね8は、反転ハンドル6に対して左側に少し偏って固定される。
また、変換ばね8が反転ハンドル6に固定された状態では、4つの弾性片81d,81eが操作ハンドル3の4つの接触部33a,33bに弾性的に接触する(図3参照)。より詳細には、上側のばね体81の左右一対の弾性片81d,81eが、操作ハンドル3の上側の左右一対の接触部33a,33bに弾性的に接触する。そして、下側のばね体81の左右一対の弾性片81d,81eが、操作ハンドル3の下側の左右一対の接触部33a,33bに弾性的に接触する。
導光部材9は、プリズム11から出射された光を一対の透光領域31L,31Rまで導光する部材である。導光部材9は、操作ハンドル3の裏面に固定される(図4参照)。導光部材9は、図11に示すように、一対のプリズム91L,91Rと、一対の連結部92と、固定片93とを有する。導光部材9は、透光性を有する樹脂部材(例えばポリカーボネート樹脂又はアクリル樹脂)によって一体的に形成されている。
一対のプリズム91L,91Rはそれぞれ、プリズム11から出射された光を一対の透光領域31L,31Rまで導光する部分である。一対のプリズム91L,91Rは、一対の透光領域31L,31R(従って一対の凹部35L,35R)と一対一に対応する。一対のプリズム91L,91Rはそれぞれ、嵌合部91a(端部)と、プリズム本体91b(導光部本体)とを有する。
嵌合部91aは、対応する凹部35L,35Rに嵌り合う部分である。嵌合部91aは、基板部911と、突部912とを有する。基板部911は、例えば平板状であり、対応する凹部35L,35Rの周囲領域に接触する部分である。突部912は、対応する凹部35L,35Rに嵌り合う部分である。突部912は、基板部911の外側主面(前面)から突出するように基板部911の外側主面に設けられている。
プリズム本体91bは、上下方向の幅が相対的に狭い幅狭端面91cと、上下方向の幅が相対的に広い幅広端面91dとを有する。プリズム本体91bは、幅狭端面91cから幅広端面91dに向かって漸次広くなっている。プリズム本体91bは、幅狭端面91cから幅広端面91dに向かう途中で前方に湾曲している。すなわち、プリズム本体91bは、幅狭端面91cから幅広端面91dに向かう途中で前方に湾曲する湾曲部91hを有する。プリズム本体91の幅狭端面91c側の部分は、略左右方向に延びており、プリズム本体91の幅広端面91d側の部分は、略前後方向に延びている。幅広端面91dは、前側を向いており、幅狭端面91cは、左右方向の内側を向いている。幅広端面91dは、嵌合部91aの裏面に連結されている。
このプリズム91L,91Rでは、プリズム本体91bの幅狭端面91cが入射面95となり、嵌合部91aの表面が出射面96となる。入射面95は、外部の光をプリズム91L,91R内に取り入れるための面であり、出射面96は、プリズム91L,91R内を伝搬する光を外部に出射する面である。このプリズム91L,91Rでは、プリズム本体91bの内部において入射面95側から伝搬する光C1は、湾曲部91hの凸曲面の内面で反射して出射面96側に導光される。
以下、左側のプリズム91Lの入射面95及び出射面96をそれぞれ、入射面95L及び出射面96Lと記載する場合がある。右側のプリズム91Rの入射面95及び出射面96をそれぞれ、入射面95R及び出射面96Rと記載する場合がある。
嵌合部91aにおける上下方向の両端部は、プリズム本体91bの横幅方向(上下方向)の両側から両側に突出している。各プリズム91L,91Rの嵌合部91aの上端部同士は、一方の連結部92を介して互いに連結され、各プリズム91L,91Rの嵌合部91aの下端部同士は、他方の連結部92を介して互いに連結されている。この状態で、一対のプリズム91L,91Rの入射面95L,95Rは、一対のプリズム91L,91Rの対向方向(左右方向)の内側を向いている。そして、一対のプリズム91L,91Rの出射面96L,96Rは、一対のプリズム91L,91Rの前側を向いている。各プリズム91L,91Rはそれぞれ、入射面95が出射面96よりも後方に位置している。
固定片93は、略棒状であり、一対の連結部92の各々の中央部を跨るように設けられている。固定片93は、嵌合孔93aを有する。嵌合孔93aは、操作ハンドル3の固定突起34が嵌り合う孔である。
導光部材9は、操作ハンドル3の内部に収納されるように、操作ハンドル3の裏面に固定される。この固定状態では、図4に示すように、一対の嵌合部91aは、一対の凹部35L,35Rに嵌り合う。また、固定片93は、操作ハンドル3の裏面に接触し、操作ハンドル3の固定突起34が固定片93の嵌合孔93aに嵌り合う。これにより、導光部材9は、操作ハンドル3の裏面に固定される。また、この固定状態では、一対のプリズム91L,91Rの各々の入射面95L,95Rは、操作ハンドル3の裏面の中央において、操作ハンドル3の長手方向(左右方向)に互いに間隔を空けて対向して配置される。そして、一対のプリズム91L,91Rの各々の入射面95L,95Rは、一対の遮光部10L,10Rの先端に隣接(後側)して配置される。導光部材9は、操作ハンドル3に固定されることで、操作ハンドル3と一体的に動作する。
プリズム11は、光源51a,51bからの光をそれぞれ2つに分岐し、分岐した光をそれぞれ一対の透光領域31L,31Rに向けて出射する部材である。プリズム11は、操作ハンドル3のシーソー動作に応じて、光源51a,51bからの光を両側のプリズム91L,91Rの一方に選択的に導光する。プリズム11は、図12に示すように、プリズム本体12と、2つの分岐路13,14とを有する。また、プリズム11は、2つの入射面11a及び入射面11bと、2つの出射面11L,11Rとを有する。
プリズム本体12は、光源51a,51bからの光を入射し、入射した光を2つの分岐路13,14まで導光する。プリズム本体12は、第1導光部121と第2導光部122とを有する。2つの入射面11a,11bは、第1導光部121の一端面に形成されている。入射面11bは、入射面11aの右側(第2導光部122が延びる側の隣)に配置されている。第1導光部121は、入射面11a,11bの光軸L4,L5に対して斜め方向(例えば右斜め前方向)に延びている。入射面11a,11bの光軸L4,L5はそれぞれ、互いに同じ方向であって、例えば前後方向に延びている。第2導光部122は、第1導光部121の一端部(例えば右端部)から、入射面11a,11bの光軸L4,L5に直交(左右方向)する方向に延びている。2つの分岐路13,14は、第2導光部122の一端部(すなわち第1導光部121側とは反対側の端部、例えば右端部)から、入射面11a,11bの側(後側)とは反対側(前側)に突出している。なお、本実施形態では、入射面11a,11bの光軸L4,L5は、入射面11a,11bに光を入射させる光源(本実施形態では光源51a,51b)の光軸と一致する。以後、光軸L4,L5を光源51a,51bの光軸とも記載する。
第1導光部121は、左側面121a(第1反射面)と右側面121b(第2反射面)とを有する。左側面121a及び右側面121bは、入射面11a,11bが設けられた上記の一端面の両側に隣接する側面である。左側面121aは、入射面11a,11bの光軸L4,L5に対して右側に45度傾斜し、光軸L4,L5の方向において上記の一端面と重なっている。右側面121bは、左側面121aに平行な面であり、光軸L4,L5の方向において上記の一端面と重ならない。
第2導光部122は、右側面122a(第3反射面)を有する。右側面122aは、第2導光部122における第1導光部121と繋がる側とは反対側の側面である。右側面122aは、第1導光部121の左側面121aに平行な面であり、入射面11a,11bの光軸L4,L5に対して右側に45度傾斜している。右側面122aは、光軸L4,L5に直交する左右方向(第2導光部122が延びる方向)において、第1導光部121aの左側面121aと重なっている。右側面122aは、光軸L4、L5の方向において、2つの分岐路13,14の基端(第2導光部122との連結面)と対向するように配置されている。
2つの分岐路13,14は、プリズム本体12と一体に形成され、プリズム本体12を伝搬する光を2つに分岐し、それぞれ分岐した光を出射面11L,11Rから外部に出射する。2つの分岐路13,14は、第2導光部122の一端部(右端部)から、入射面1
1a,11bの側(後側)とは反対側(前側)に突出している。2つの分岐路13,14は、第2導光部122が延びる方向(左右方向)に並んで配置され、互いの対向方向(左右方向)の外側に傾斜している。2つの分岐路13,14は、一対の透光領域31L,31Rに一対一に対応する。
2つの出射面11L,11Rは、2つの分岐路13,14の各々の一端面によって形成されている。各出射面11L,11Rは、例えば平面である。2つの出射面11L,11Rの法線は、互いにほぼ反対方向を向いている。2つの出射面11L,11Rの法線は、大凡、対応する透光領域31L,31Rの方向を向いている。2つの分岐路13,14は、対向側面13a,14aを有する。対向側面13a,14aは、2つの分岐路13,14における互いに対向する側面である。分岐路13,14の対向側面13a,14aは、その分岐路に設けられた出射面11L,11Rに対向しており、入射面11a,11bの光軸L4,L5に対して傾斜している。この傾斜は、出射面11L,11Rから出射された光が、大凡、対応する透光領域31L,31Rの方向に出射される角度に傾斜している。
入射面11aは、第1光源51aからの光を入射する。入射面11bは、第2光源51bからの光を入射する。2つの入射面11a,11bは、第2導光部122が延びる方向(左右方向)に並んでいる。2つの入射面11a,11bは、例えば半凸レンズ状であるが、平面レンズ状であってもよい。2つの入射面11a,11bは、光軸L4,L5方向に互いにずれて配置されているが、互いにずれていなくてもよい。
プリズム本体12は、スリット15を有する。スリット15は、プリズム本体12内を伝搬する光を反射する反射面を構成する。スリット15は、薄い平板状の貫通孔であり、プリズム本体12を厚さ方向(上下方向)に貫通している。スリット15は、第1導光部121と第2導光部122との連結部分に設けられている。換言すれば、スリット15は、光軸L3,L4方向において2つの側面121a,121bの間に配置され、かつ、光軸L3,L4に直交する左右方向において2つの側面121a,122aの間に配置されている。スリット15は、各側面121a,121b,122aに平行であって、入射面11a,11bの光軸L4,L5に対して右側に45度傾斜している。
プリズム11は、一対の嵌合突起16を更に有する。一対の嵌合突起16は、プリズム11(より詳細には例えば第2導光部122)の上下方向の両側の主面から突出するように設けられている。一対の嵌合突起16がプリズム11の一対の嵌合凹部22iに嵌り合う。これにより。プリズム11は、器体2(より詳細にはカバー22の第2開口部22e)に固定される。
この固定状態では、図4に示すように、プリズム11の2つの分岐路13,14は、カバー22の略中央からカバー22の前側に突出する。なお、プリズム11の第2導光部122の右側部分は、反転ハンドル6の2つの側壁部61bの間に配置される。また、プリズム11のプリズム本体12は、カバー22の略中央からカバー22の左斜め後方に延びている。より詳細には、プリズム11の第2導光部122は、カバー22の前面に沿って配置され、プリズム11の第1導光部121がカバー22の左斜め後方向に延びている。そして、プリズム11の2つの入射面11a,11bはそれぞれ、光源ユニット5の2つの光源51a,51bの前側に配置される。
図13を参照して、プリズム11内での光の伝搬の仕方を説明する。
このプリズム11では、第1光源51aから前方向に出射された光C1は、入射面11aを透過して左側面121aで反射して右方向に伝搬する。そして、その光C1は、右側面121bで反射して前方向に伝搬する。このとき、その前方向に伝搬した光C1のうちの左側の光C1aは、スリット15で反射されずに前方向に伝搬して左側面121aで反射する。そして、その光C1aは、左側面121aとスリット15との間で反射を繰り返しながら前方向に伝搬し、スリット15よりも前側まで伝搬すると、左側面121aでの反射で右方向に伝搬して右側面122aの中央位置P1の前寄りの領域R1に入射する。そして、その光C1aは、右側面122aで前方向に反射されて右側の分岐路14内に伝搬する。そして、その光C1aは、右側の分岐路14内を反射しながら伝搬して、出射面11Rから右側の透光領域31Rに向かって出射される。
他方、上記の光C1のうちの右側の光C1bは、スリット15で反射されて右方向に伝搬して、右側面122aの中央位置の後寄りの領域R2に入射する。すなわち、光C1bは、領域R1と異なる領域R2に入射する。そして、その光C1bは、右側面122aで前方向に反射されて左側の分岐路13内に伝搬する。そして、その光C1bは、左側の分岐路13内を反射しながら伝搬して、出射面11Lから左側の透光領域31Lに向かって出射される。なお、右側面122aの中央位置P1は、2つの分岐路13,14の境界点P2から光軸L3,L4に平行に引いた線L6と交わる位置である。
このように、第1光源51aからの光C1は、プリズム11内を伝搬することで、プリズム11内でほぼ均等に2つに分岐されて2つの出射面11L,11Rから出射される。
また、図14に示すように、このプリズム11では、第2光源51bから前方向に出射された光C2のうちの左側の光C2aは、入射面11bを透過して左側面121aで反射して右方向に伝搬する。そして、その光C2aは、右側面122aの後側領域R3に入射して、右側面122aで前方向に反射されて左側の分岐路13内に伝搬する。なお、光C2aは、領域R1,R2と異なる領域R3に入射する。そして、その光C2aは、左側の分岐路13内を反射しながら伝搬して、出射面11Lから左側の透光領域31Lに向かって出射される。
他方、第2光源51bからの上記の光C2のうちの右側の光C2bは、前方向に伝搬して左側面121aで反射される。その光C2bは、左側面121aとスリット15との間で反射を繰り返しながら前方向に伝搬し、スリット15よりも前側まで伝搬すると、左側面121aでの反射で右方向に伝搬して右側面122aの前側領域R4に入射する。すなわち、光C2bは、領域R1~R3と異なる領域R4に入射する。そして、その光C2bは、右側面122aで前方向に反射されて右側の分岐路14内に伝搬する。そして、その光C2bは、右側の分岐路14内を反射しながら伝搬して、出射面11Rから右側の透光領域31Rに向かって出射される。
このように、第2光源51bからの光C2は、プリズム11内を伝搬することで、プリズム11内でほぼ均等に2つに分岐されて2つの出射面11L,11Rから出射される。
なお、光源51a,51bからの光C1,C2を同時にプリズム11に入射させた場合は、図13の光C1の伝搬と図14の光C2の伝搬とを重ね合わせた状態となる。そして、2つの光源51a,51bからの光C1,C2がそれぞれ、2つに略均等に分岐されて2つの出射面11L,11Rから出射される。つまり、1つのプリズム11によって、互いに左右方向にずれて配置された2つの光源51a,51bからの光C1,C2をそれぞれ、2つに略均等に分岐して2つの出射面11L,11Rから出射できる。この場合、光C1a,C1b,C2a,C2bは、互いに異なる領域R1~R4に入射して、分岐路13,14に反射される。
このプリズム11では、プリズム本体12の内面のうち、光が反射する面(右側面121b,122a、左側面121a、及びスリット15)は、入射面11a,11bの光軸L4,L5に対して互いに同じ側(例えば右側)に45度傾斜している。
このスイッチ装置1では、光源51a,51bが、ボディ21において左右方向(長手方向)の中心から左側にずれて配置される。しかし、プリズム11を用いることで、光源51a,51bからの光を2つに略均等に分岐させて2つの出射面11L,11Rから出射させることができる。
次に図3を参照して、スイッチ装置1の動作(操作ハンドル3及び反転ハンドル6の動作)を説明する。
操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの何れか一方(例えば左側の操作部3L)が押下(操作)されると、操作ハンドル3が回転軸L1(図8A参照)を中心に回転して、他方(例えば右側の操作部3R)がカバー22の前面22jから前方に持ち上がる。この状態で、変換ばね8は、操作ハンドル3のこの操作状態を維持するように、操作ハンドル3を弾性的に支持する。
このとき、操作ハンドル3の一方を押下したときの操作力が、変換ばね8を介して反転ハンドル6に伝達される。このとき、変換ばね8の4つの弾性片81e,81dは、操作ハンドル3の対応する接触部33に弾性的に接触する。この接触状態で、4つの弾性片81e,81dは、操作ハンドル3の動作に応じて、対応する接触部33上を接触部33の長手方向に沿って滑りながら、上記の操作力を受け止めて反転ハンドル6に伝達する。これにより、上記の操作力が、操作ハンドル3から反転ハンドル6に円滑に伝達される。すなわち、反転ハンドル6が、操作ハンドル3の動作に応じて回転軸L2(図9参照)を中心に円滑に回転する。この場合は、反転ハンドル6の左右両側の操作部3L,3Rのうちの右側の操作部(すなわち操作ハンドル3の押下側の操作部と同じ側の部分)が、変換ばね8によって押下されて、回転軸L2を中心に回転する。この回転によって、接点装置4の開閉接点が切り替わる。
また、このスイッチ装置1では、反転ハンドル6の回転軸L2が操作ハンドル3の回転軸L1に対して右方向にずれている。このため、操作ハンドル3の左側の操作部3Lを押下したときと、操作ハンドル3の右側の操作部3Rを押下したときとで、反転ハンドル6が、操作ハンドル3の動作に応じて動作するタイミングが異なり得る。具体的には、この場合(回転軸L2が回転軸L1に対して右方向にずれている場合)では、操作ハンドル3の左側の操作部3Lを押下したときの方が、操作ハンドル3の右側の操作部3Rを押下したときとよりも、上記のタイミングは遅くなる。
これに対し、このスイッチ装置1では、操作ハンドル3の4つの接触部33のうち、左側の接触部33aと右側の接触部33bとで、それらの起伏形状を互いに異ならせている。具体的には、右側の接触部33bの起伏形状を曲線状として操作力が伝達し難くし、左側の接触部33aの起伏形状を直線状として操作力を伝達し易くしている。これにより、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのどちらを押下しても、同じタイミングで反転ハンドル6が動作する。この結果、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのどちらを押下しても操作感覚が同じになる。
このように、このスイッチ装置1では、操作ハンドル3及び反転ハンドル6は別々の回転軸L1,L2を中心に動作可能であり、変換ばね8によって操作ハンドル3の動作を反転ハンドル6に伝達する。このため、変換ばね8と各ハンドル3,6との接触の仕方を調整することで、各ハンドル3,6の各々の動作(例えば回転角度及び回転速度)を独立して調整できる。また、操作ハンドル3の回転角に対して反転ハンドル6の回転角を小さくすることで、反転ハンドル6の器体2内でのスペースを小さくでき、各構成要素の配置レイアウトの自由度を向上できる。
次に図4を参照して、スイッチ装置1の一対の遮光部10L,10R及び一対のプリズム91L,91Rの動作を説明する。
このスイッチ装置1では、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの何れか一方(例えば左側の操作部3L)が押下されると、他方(例えば右側の操作部3R)がカバー22の前面22jから前方に持ち上がる。この操作ハンドル3の動作に応じて、操作ハンドル3に設けられた一対の遮光部10L,10R及び一対のプリズム91L,91Rは、プリズム11(より詳細には2つの出射面11L,11R)に対して相対的に変位する。
より詳細には、一対の遮光部10L,10Rのうち、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの持ち上がった方(右側の操作部3R)に設けられた遮光部10Rは、プリズム11の対応する出射面11Rの正面を遮らない位置(例えば出射面11Rよりも前方側にずれた位置)に変位する。これにより、プリズム11の対応する出射面11Rからの出射光は、遮光部10Rに遮光されず、対応するプリズム91Rの入射面95Rに入射する。他方、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの押下された方(例えば左側の操作部3L)に設けられた遮光部10Lは、プリズム11の対応する出射面11Lの正面を遮る位置(例えば出射面11Lの正面位置)に変位する。これにより、プリズム11の対応する出射面11Lからの出射光は、遮光部10Lに遮光されて、対応するプリズム91Lの入射面95Lに入射されない。
また、一対のプリズム91L,91Rのうち、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの持ち上がった方(例えば右側の操作部3R)に設けられたプリズム91Rは、プリズム11の対応する出射面11Rの正面位置(すなわち出射面11Rからの出射光を入射面95Rから入射可能な位置)に変位する。これにより、プリズム11の出射面11Rからの出射光は、プリズム91Rの入射面95Rに入射して出射面96Rから出射され、操作ハンドル3の薄肉部36Rを透過して前方に出射される。すなわち、プリズム11の出射面11Rからの出射光C1は、操作ハンドル3の透光領域31Rから出射される(図15参照)。他方、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの押下された方(例えば左側の操作部3L)に設けられたプリズム91Lは、プリズム11の対応する出射面11Lの正面から例えば後方に外れた位置(すなわち出射面11Lからの出射光を入射面95Lから入射できない位置)に変位する。これにより、プリズム11の出射面11Lからの出射光は、プリズム91Lの入射面95Lに入射せず、操作ハンドル3の操作部3Lの透光領域31Lから出射されない。このように、透光領域31Lから光が出射されないときは、操作ハンドル3の操作部3Lにおいて、外見上、透光領域31Lとその周囲領域とは見分けがつきにくく、透光領域31Lがどこに在るか分かりにくくなる(図15参照)。
この結果、一対の透光領域31L,31Rのうち、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの持ち上がった方(例えば右側の操作部3R)の透光領域31Rからは、光源51a,51bからの光が出射される。そして、押下された方(例えば左側の操作部3L)の透光領域31Lからは、光源51a,51bからの光は出射されず、透光領域31Lが外見上分かりにくくなる。
次に図4を参照して、スイッチ装置1の点灯動作(位置表示機能及びパイロット機能)を説明する。
このスイッチ装置1では、光源51a(例えば白色光源)は、常時点灯される。これにより、光源51aからの光(例えば白色光)は、常時、プリズム11の入射面11aを入射してプリズム11の2つの出射面11L,11Rから出射される。この結果、光源51aからの光は、一対の透光領域31L,31Rのうち、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの持ち上がった方の透光領域のみから出射される。すなわち、操作ハンドル3が操作されて、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうち何れか一方が持ち上がると、その持ち上がった方の透光領域31L,31Rは、常に例えば白色光で発光する。これにより、その発光によって、暗闇でも操作ハンドル3の位置を容易に視認させることが可能である(位置表示機能)。
他方、このスイッチ装置1では、光源51b(例えば赤色光源)は、操作対象の負荷の作動及び停止に応じて点灯及び消灯が切り替えられる。例えば、光源51bは、操作対象の負荷が作動中の場合は、消灯され、操作対象の負荷が停止中の場合は、点灯される。
これにより、操作対象の負荷が作動中の場合は、光源51bは消灯されるため、操作ハンドル3が操作されて、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの一方が持ち上がっても、その持ち上がった方の透光領域31L,31Rからは、光源51bからの光は出射されない。すなわち、その持ち上がった方の透光領域31L,31Rは、発光しない。他方、操作対象の負荷が停止中の場合は、光源51bは点灯されるため、操作ハンドル3が操作されて、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの一方が持ち上がると、その持ち上がった方の透光領域31L,31Rからは、光源51bからの光(例えば赤色光)が出射される。すなわち、その持ち上がった方の透光領域31L,31Rが赤色光で発光する。これにより、その発光によって、暗闇でも、操作ハンドル3における操作対象の負荷を作動させるための部位を容易に視認させることが可能である(パイロット機能)。なお、本実施形態では、パイロット機能と位置表示機能が一緒に実施されているため、この場合は、パイロット機能による赤色光と位置表示機能による白色光とが透光領域31L,31Rから出射される。
(主要な効果)
以上、本実施形態に係るスイッチ装置1は、操作ハンドル3と、接点回路4と、光源51a,51bと、を備える。操作ハンドル3は、操作者の操作によって動作可能である。接点回路4は、操作ハンドル3の動作に応じて開状態と閉状態とに切り替わる。光源51a,51bは、操作ハンドル3の後側に配置される。操作ハンドル3は、厚肉部37と、薄肉部36L,36Rとを有する。厚肉部37は、光源51a,51bからの光を遮光する。薄肉部36L,36Rは、厚肉部37よりも薄く、光源51a,51bからの光を透過する。
この構成によれば、光源51a,51bの光が薄肉部36L,36Rを透過することで、操作ハンドル3の外表面の一部(薄肉部36L,36R)が発光する。操作ハンドル3の非発光時は、薄肉部36L,36Rと厚肉部37とを外見上見分けることができなくなるため、外観上、操作ハンドル3の外表面において発光部分(薄肉部36L,36R)の場所が分からなくなる。これにより、意匠性を損なうことなく発光機能を操作ハンドル3に持たせることができる。
(変形例)
次に、上記の実施形態の変形例を説明する。下記の変形例は、組み合わせて実施されてもよい。
(変形例1)
上記の実施形態では、透光領域31L,31Rは、操作ハンドル3の前面部に設けられるが、操作ハンドル3の左右方向両側の側面部に設けられてもよいし、操作ハンドル3の上下方向両側の側面部に設けられてもよい。また、透光領域31L,31Rは、操作ハンドル3の前面部の左右両側に設けられるが、左右両側の何れか一方だけに設けられてもよい。
(変形例2)
上記の実施形態では、凹部35L,35Rは、操作ハンドル3の裏面に設けられるが、操作ハンドルの外表面に設けられてよい。
(変形例3)
上記の実施形態では、プリズム91L,91Rの出射側の端部(すなわち嵌合部91a)が操作ハンドル3の凹部35L,35Rに嵌め合わされる。ただし、プリズム91L,91Rの端部を、凹部35L,35Rに嵌め合わせずに凹部35L,35Rの付近に配置させてもよい。これによっても、プリズム91L,91Rの端部から出射された光を薄肉部36L,36Rまで導光できる。
(変形例4)
上記の実施形態では、透光領域31L,31R(従って薄肉部36L,36R)はそれぞれ、平面視で1本の線状である。ただし、図16に示すように、透光領域31L,31R(従って薄肉部36L,36R)はそれぞれ、複数の線状であってもよいし(図16の左側の操作部3L参照)、1つ又は複数の円状であってもよい(図16の右側の操作部3R参照)。なお、図16の例では、左右の操作部3L,3Rにおいて、異なる形状の透光領域31L,31Rが形成されるが、同じ形状の透光領域31L,31Rが形成されてもよい。例えば、左右の操作部3L,3Rにおいて、同じ複数の線状の透光領域31L,31Rが形成されてもよいし、同じ1つ又は複数の円状の透光領域31L,31Rが形成されてもよい。
(変形例5)
上記の実施形態において、薄肉部36L,36Rの外表面にシボ加工を施してもよい。なお、シボ加工とは、例えば、表面に複数(多数)の微小凹凸を付ける加工である。これにより、薄肉部36L,36Rから出射される光を、眩しさを抑制した目に優しい光にできる。薄肉部36L,36Rの裏面には、シボ加工を施さないことが望ましい。薄肉部36L,36Rの裏面にシボ加工を行わないことで、薄肉部36L,36Rの裏面での光の減衰を抑制できる。
なお、本変形例において、薄肉部36L,36Rの裏面にシボ加工を施す場合は、薄肉部36L,36Rの裏面でのシボ加工の微小凹凸の大きさ(表面粗さ)は、薄肉部36L,36Rの外表面でのシボ加工の微小凹凸の大きさ(微小粗さ)よりも小さいことが望ましい。なお、薄肉部36L,36Rの外表面にシボ加工を施す際は、操作ハンドル3の外表面の全体にシボ加工を施してもよいし、操作ハンドル3の外表面のうち薄肉部36L,36Rに重なる部分だけにシボ加工を施してもよい。
(変形例6)
上記の実施形態において、図17に示すように、操作ハンドル3の裏面において、少なくとも薄肉部36L,36Rを覆うように透光性部材200を設けてもよい。透光性部材200は、透光性を有する部材(例えばPCABSアロイ又はポリカーボネート等の樹脂)である。図17の例では、透光性部材200によって、薄肉部36L,36Rと、薄肉部36L,36Rの周囲の厚肉部37が覆われている。また、2つの薄肉部36L,36Rは、別々の透光性部材200で覆われているが、1つの透光性部材でまとめて覆われてもよい。この透光性部材200によって、操作ハンドル3の薄肉部36L,36Rを補強することができる。本変形例では、プリズム91L,91Rの出射側の端部(嵌合部)は、操作ハンドル3の凹部35L,35Rに嵌め合わすことができないため、透光性部材200を介して凹部35L,35Rの後側に配置される。本変形例において、透光性部材200の裏面に凹部を設け、プリズム91L,91Rの端部の嵌合部91aを上記の凹部に嵌め合わせてもよい。
(変形例7)
上記の実施形態において、図18に示すように、操作ハンドル3の裏面に、それぞれ微小な幅を有する複数の凹部35Lと、それぞれ微小な幅を有する複数の凹部35Rとを設けてもよい。この場合の凹部35L,35Rは、例えば、平面視で細線状の凹部であってもよいし、平面視で微小な円状の凹部であってもよい。なお、上記の「微小」とは、凹部35L,35Rが微小な円状のときは、平面視の面積が例えば1mm2(平方ミリメートル)以下であり、凹部35L,35Rが細線状のときは、線幅が例えば1mm以下である。
(変形例8)
上記の実施形態において、図19に示すように、操作ハンドル3に、凹部35Lの代わりに、それぞれ微小な幅を有する複数の貫通孔38Lを設けてもよい。同様に、凹部35Rの代わりに、それぞれ微小な幅を有する複数の貫通孔38Rを設けてもよい。この場合の貫通孔38L,38Rは、例えば、平面視で細線状の貫通孔であってもよいし、平面視で微小な円状の貫通孔であってもよい。なお、上記の「微小」とは、貫通孔38L,38Rが平面視で微小な円状のときは、平面視の面積が例えば1mm2(平方ミリメートル)以下であり、貫通孔38L,38Rが平面視で細線状のときは、平面視の線幅が例えば1mm以下である。
(変形例9)
上記の実施形態では、操作ハンドル3は、1つの材質で一体的に形成されるが、図20に示すように、2つの材質を重ね合わせて形成されてもよい。図20の例では、操作ハンドル3は、基板部250と、遮光層251とを有する。基板部250は、透光性を有する部材であり、上記の実施形態の操作ハンドル3において、凹部35L,35Rを無くした構造と同じ構造である。遮光層521は、光を遮光する層であり、遮光性を有する部材(樹脂、ゴム又は金属)で形成される。遮光層251は、操作ハンドルの裏面に貼り付ける遮光性シールであってもよい。遮光層251は、基板部250の裏面に形成されている。遮光層251は、基板部250の裏面において、光を遮光する部分(厚肉部37に対応する部分)に設けられ、光を透過させる部分(薄肉部36L,36Rに対応する部分)には設けられていない。遮光層251は、基板部210の接触部33(図8参照)、固定突起34及び遮光部10L,10Rの各々の表面全体も覆っている。
本変形例では、操作ハンドル3の厚肉部37は、操作ハンドル3の厚さ方向において基板部250と遮光層251とが重なった部分で構成される。また、操作ハンドル3の薄肉部36L,36Rは、操作ハンドル3の厚さ方向において、板部250と遮光層251のうちの基板部250のみの部分で構成される。本変形例では、操作ハンドル3において、厚肉部37は、遮光層251によって光が遮光され、薄肉部36L,36Rは、遮光層251が無いため、光を透過する。
本変形例によれば、操作ハンドル3の裏面において遮光層251の無い部分を作ることで、簡単に薄肉部36L,36Rを形成できる。このため、薄肉部36L,36Rを容易に色々な形状に形成できる。また、薄肉部36L,36Rを操作ハンドル3の色々な箇所に容易に形成できる。
なお、遮光層251は、操作ハンドル3の裏面ではなくて操作ハンドル3の外表面に形成されてもよい。
なお、本変形例では、薄肉部36L,36Rは遮光層251を含まない構成であるが、薄肉部36L,36Rは遮光層251を含む構成であってもよい。この場合は、遮光層251は、ある程度の厚さ以上の厚さでは光を遮光するが、ある程度の厚さ未満の薄さでは光を透過する材質(例えばPCABSアロイ又はポリカーボネート)で形成される。すなわちこの場合は、遮光層251において、薄肉部36L,36Rを構成する部分の厚さは、光を透過するように薄く形成されており、厚肉部37を構成する部分の厚さよりも薄くなる。また、この場合は、薄肉部36L,36Rは、基板部250と薄い遮光層251とが重なる部分で構成され、厚肉部37は、基板部250と厚い遮光層251とが重なる部分で構成される。
また、本変形例において、遮光層251に微小な孔(例えば丸孔)を形成することで、平面視で微小な円状の薄肉部36L36Rを形成してもよい。なお、微小な孔は、丸孔以外に線状であってもよい。また、遮光層251は、基板部250の外表面に形成されてもよい。
(変形例10)
上記の実施形態では、プリズム11,91L,91Rによって、共通の光源51a,51bからの光を左右両側の凹部35L,35Rに分配する場合を例示した。ただし、図21に示すように、プリズム11,91L,91Rを省略して、凹部35L,35Rごとに光源51cを備えてもよい。この場合は、各光源51cは、例えば、対応する凹部35L,35Rの後側に配置される。また、操作ハンドル3の持ち上がった方の操作部(例えば3R)に対応する光源51cが発光し、押下された方の操作部(例えば3L)に対応する光源51cが消灯するように、各光源51cは制御されてもよい。
(変形例11)
上記の実施形態では、操作対象の負荷が作動中の場合は、光源51bは消灯され、操作対象の負荷が停止中の場合は、光源51bは点灯される。ただし、逆に、操作対象の負荷が作動中の場合は、光源51bは点灯され、操作対象の負荷が停止中の場合は、光源51bは消灯されてもよい。この場合は、操作対象の負荷が作動中の場合だけ、一対の透光領域31L,31Rのうち、操作ハンドル3の両側の操作部3L,3Rのうちの持ち上がった方の透光領域が発光する。
(変形例12)
上記の実施形態において、プリズム11は、カバー22(すなわち器体2)に固定される代わりに、操作ハンドル3に固定されてもよい。また、導光部材9(すなわち一対のプリズム91L,91R)は、操作ハンドル3に固定される代わりに、カバー22に固定されてもよい。一対の遮光部10L,10Rは、操作ハンドル3に固定される代わりに、カバー22に固定されてもよい。また、変換ばね8は、反転ハンドル6に固定されて操作ハンドル3と弾性的に接触する代わりに、操作ハンドル3に固定されて反転ハンドル6と弾性的に接触してもよい。
(変形例13)
上記の実施形態では、透光制御機構の一例として、一対の遮光部10L,10R及び導光部材9(一対のプリズム91L,91R)が例示される。なお、透光制御機構とは、操作ハンドル3の動作状態に応じて、一対の透光領域31L,31Rのうちの何れか一方の透光領域のみから、プリズム11によって導光された光を出射させる機構である。上記の実施形態において、一対の遮光部10L,10R及び導光部材9のうちの一方又は両方は省略されてもよい。
(変形例14)
上記の実施形態では、光源51bは、閉状態の開閉接点間の導通及び非導通に応じて、点灯及び消灯が切り替わるが、操作ハンドル3の動作状態(すなわち両側の操作部3L,3Rのうちのどちらが押下されているか)に応じて、点灯及び消灯が切り替わってもよい。
(その他の変形例)
上記の実施形態では、操作ハンドル3は、シーソースイッチであるが、ピアノスイッチであってもよいし、押しボタンスイッチであってもよい。
(まとめ)
第1の態様のスイッチ装置(1)は、操作ハンドル(3)と、接点回路(4)と、光源(51a,51b)と、を備える。操作ハンドル(3)は、操作者の操作によって動作可能である。接点回路(4)は、操作ハンドル(3)の動作に応じて開状態と閉状態とに切り替わる。光源(51a,51b)は、操作ハンドル(3)の後側に配置されている。操作ハンドル(3)は、厚肉部(37)と、薄肉部(36L,36R)とを有する。厚肉部(37)は、光源(51a,51b)からの光を遮光する。薄肉部(36L,36R)は、厚肉部(37)よりも薄く、光源(51a,51b)からの光を透過する。
この構成によれば、光源(51a,51b)の光が薄肉部(36L,36R)を透過することで、操作ハンドル(3)の外表面の一部(薄肉部(36L,36R))が発光する。操作ハンドル(3)の非発光時は、薄肉部(36L,36R)と厚肉部(37)を外見上見分けることが難しいため、操作ハンドル(3)の外表面において発光箇所が何処にあるかを分からなくできる。これにより、意匠性を損なうことなく発光機能を操作ハンドル(3)に持たせることができる。
第2の態様のスイッチ装置(1)では、第1の態様において、厚肉部(37)の外表面と薄肉部(36L,36R)の外表面は、平坦になるように繋がる。
この構成によれば、厚肉部(37)と薄肉部(36L,36R)を外観上見分けることを一層難しくできる。
第3の態様のスイッチ装置(1)では、第1又は第2の態様において、操作ハンドル(3)の裏面において、薄肉部(36L,36R)を構成するように凹部(35L,35R)が設けられている。
この構成によれば、操作ハンドル(3)の裏面の凹部(35L,35R)によって薄肉部(36L,36R)を形成できる。
第4の態様のスイッチ装置(1)は、第3の態様において、光源(51a,51b)からの光を薄肉部(36L,36R)まで導光する導光部材(91L,91R)を備える。導光部材(91L,91R)の端部(91a)は、凹部(35L,35R)に嵌り合う。
この構成によれば、導光部材(91L,91R)によって、光源(51a,51b)の光を光損失を抑えつつ薄肉部(36L,36R)まで導光できる。また、導光部材(91L,91R)の端部(91a)を、簡単な構造で薄肉部(36L,36R)に連結できる。
第5の態様のスイッチ装置(1)では、第1~第4の態様の何れか1つにおいて、薄肉部(36L,36R)において、裏面の表面粗さは外表面の表面粗さよりも小さい。
この構成によれば、薄肉部(36L,36R)の裏面の表面粗さによる光損失を抑えつつ、薄肉部(36L,36R)の外表面の表面粗さによって、効果的に、薄肉部(36L,36R)から出射される光を、散乱させて眩しさを押さえた目に優しい光にできる。
第6の態様のスイッチ装置(1)では、第5の態様において、薄肉部(36L,36R)の外表面には、シボ加工が施されている。
この構成によれば、薄肉部(36L,36R)の外表面のシボ加工によって、薄肉部(36L,36R)から出射される光を、散乱させて眩しさを押さえた目に優しい光にできる。
第7の態様のスイッチ装置(1)では、第5又は第6の態様において、薄肉部(36L,36R)の裏面には、シボ加工が施されていない。
この構成によれば、薄肉部(36L,36R)の裏面での光源(51a,51b)の光の減衰を抑制できる。
第8の態様のスイッチ装置(1)では、第1~第7の態様の何れか1つにおいて、操作ハンドル(3)の裏面において、少なくとも薄肉部(36L,36R)を覆うように、透光性を有する透光性部材(200)が設けられている。
この構成によれば、透光性部材(200)によって薄肉部(36L,36R)を補強できる。
第9の態様のスイッチ装置(1)では、第1~第8の態様の何れか1つにおいて、厚肉部(37)及び薄肉部(36L,36R)は、同じ材質で一体的に形成されている。
この構成によれば、厚肉部(37)と薄肉部(36L,36R)を、外観上さらに見分け難くできる。また、厚肉部(37)と薄肉部(36L,36R)とを1つの部品として形成でき、部品数を削減できる。
第10の態様のスイッチ装置(1)では、第1~第8の態様の何れか1つにおいて、操作ハンドル(3)は、基板部(250)と、遮光層(251)と、を有する。基板部(250)は、透光性を有する。遮光層(251)は、基板部(250)に形成されている。遮光層(251)は、厚肉部(37)に対応する部分に設けられ、薄肉部(36L,36R)に対応する部分には設けられていない。
この構成によれば、基板部(250)及び遮光層(251)で厚肉部(37)を構成でき、基板部(250)で薄肉部(36L,36R)を構成できる。このため、操作ハンドル(3)において遮光層(251)が無い部分を作ることで、薄肉部(36L,36R)を簡単に形成できる。
第11の態様のスイッチ装置(1)では、第1~第10の態様の何れか1つにおいて、薄肉部(36L,36R)は、操作ハンドル(3)の平面視で線状又は円状である。
この構成によれば、薄肉部(36L,36R)を直線状又は円状の形に形成できる。
第12の態様のスイッチ装置(1)では、第1~第11の態様の何れか1つにおいて、操作ハンドル(3)は、両側の操作部(3L,3R)のうちの一方が押下されると他方が持ち上がるシーソー動作を行う。
この構成によれば、シーソー動作式の操作ハンドル(3)に適用できる。