以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る部品実装装置および部品実装方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
ここで、本実施の形態における「基板4」について説明する。「基板4」は、メイン基板と称される大きい基板上に、メイン基板と異なる大きさを有する1枚以上のサブ基板と称される小さい基板を実装して構成される。なお、基板4は、メイン基板B上に実装されたサブ基板SB1,…上に、さらに1枚以上のサブ基板SB1,…を実装されてもよい。なお、部品実装ライン上に搬送される「基板4」は、事前にメイン基板上に1枚以上のサブ基板が実装されていてもよい。また、いずれかの部品実装装置がサブ基板をメイン基板上に実装可能な機能を有する場合には、「基板4」は、メイン基板のみ、またはメイン基板上に一部のサブ基板が実装された状態で実装ラインに搬入されてもよい。
図1は、実施の形態に係る部品実装ラインL1を説明する図である。
通信ネットワークNLは、管理コンピュータCPと、部品実装ラインL1との間をデータ通信可能に接続する。なお、図1の例において通信ネットワークNLは、有線通信可能に接続される例を示すが、無線通信可能であってもよい。ここでいう無線通信は、例えば無線LAN(Local Area NetWork)、Bluetooth(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)などの無線通信規格に準じて提供される通信方式である。
管理コンピュータCPは、例えばPC(Personal Computer)、タブレット等であって、通信ネットワークNLを介して部品実装ラインL1(つまり、部品実装ラインL1を構成する各部品実装用装置のそれぞれ)との間で通信可能に接続される。また、管理コンピュータCPは、ユーザ操作を受け付け可能なユーザインターフェース(例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、タッチパッド、ポインティングデバイスなど)を備え、ユーザ操作に基づく入力を制御信号に変換する。
なお、ここでいう各部品実装用装置は、半田印刷装置M1、印刷検査装置M2、複数の部品実装装置M3~M6のそれぞれ、実装検査装置M7、およびリフロー装置M8である。
管理コンピュータCPは、部品実装ラインL1を構成する各部品実装用装置により実行される半田印刷工程と、印刷検査工程と、部品実装工程と、を含む生産工程を統括して制御する。例えば、管理コンピュータCPは、作業者により予め入力あるいは設定された生産工程に関する生産データと、生産工程を実行させる実行指令を生成して、これらの生産工程を実行する部品実装ラインに送信する。
なお、ここでいう生産データは、部品実装装置による部品実装工程の実行に用いられる各部品実装用装置の設定データ、生産される基板の生産データ、および基板に実装される各部品の生産データを含み、次の生産工程を実行する各部品実装用装置を制御するために必要なデータである。
部品実装ラインL1は、部品実装用装置としての半田印刷装置M1と、印刷検査装置M2と、複数の部品実装装置M3~M6のそれぞれと、実装検査装置M7と、リフロー装置M8と、を含んで構成される。部品実装ラインL1を構成するこれらの各部品実装装置は、通信ネットワークNLを介して管理コンピュータCPとの間でデータ通信可能に接続され、管理コンピュータCPから送信された生産工程の実行指令に基づく制御を実行する。
なお、実施の形態に係る部品実装ラインL1は、半田印刷装置M1と、印刷検査装置M2と、複数の部品実装装置M3~M6のそれぞれと、実装検査装置M7と、リフロー装置M8と、を含んで構成される例を示すが、少なくとも1つの部品実装装置を含んで構成されていればよい。
半田印刷装置M1は、管理コンピュータCPから送信された基板4の半田のデータ(例えば、半田の印刷パターンなど)に基づいて、部品実装ラインL1の上流側(図1に示す半田印刷装置M1の左側)から搬入された基板4にマスクを介して半田を印刷する半田印刷工程を実行する。半田印刷装置M1は、半田印刷後の基板4を印刷検査装置M2に搬出する。
印刷検査装置M2は、管理コンピュータCPから送信された基板4の半田のデータ(例えば、半田の印刷パターンなど)に基づいて、半田印刷装置M1から搬入された基板4に印刷された半田の状態を検査する印刷検査工程を実行する。印刷検査装置M2は、搬入された基板4を撮像するカメラを備え、カメラによって撮像された撮像画像を用いて半田の状態(つまり、半田の印刷不良の有無)を検査する。印刷検査装置M2は、印刷検査装置M2におけるメモリ(不図示)に基板4の半田の印刷検査結果を記録するとともに、検査に合格した基板4を部品実装装置M3に搬出する。
複数の部品実装装置M3~M6のそれぞれは、管理コンピュータCPから送信された実行指令に基づいて、印刷検査装置M2から搬入された基板4に1個以上の部品Dを実装する部品実装工程を実行する。部品実装ラインL1は、部品実装装置M3~M6が4台の構成に限定されず、例えば部品実装装置M3~M6が1~3台であっても5台以上であってもよい。
なお、複数の部品実装装置M3~M6のそれぞれのうちいずれかの部品実装装置が、メイン基板B上にサブ基板を実装する機能を有する部品実装装置がある場合には、この部品実装装置によりメイン基板上に1枚以上のサブ基板が実装されてもよい。このような部品実装装置は、部品実装装置に取り付けられた複数のサブ基板SB1,…のそれぞれを収納するストッカ(不図示)を備え、ストッカから取り出したサブ基板SB1,…をメイン基板上に実装する。
複数の部品実装装置M3~M6のそれぞれは、管理コンピュータCPから送信された基板4の生産データに基づいて、吸着ノズル11を制御する。なお、ここでいう基板4の生産データは、メイン基板Bの生産データと、メイン基板上に実装された1枚以上のサブ基板SB1,…の生産データとを含む。複数の部品実装装置M3~M6のそれぞれは、部品供給部5が備えるテープフィーダから部品Dを吸着ノズル11により吸着して取り出して、基板4上に実装する。複数の部品実装装置M3~M5のそれぞれは、連結された次の部品実装装置に部品実装後の基板4を搬出する。また、部品実装装置M6は、部品実装後の基板4を実装検査装置M7に搬出する。
実装検査装置M7は、管理コンピュータCPから送信された基板4の生産データに基づいて、部品実装装置M6から搬入された基板4に実装されたサブ基板SB1,…および部品Dの状態(例えば、サブ基板SB1,…および部品Dの実装位置に関する不良の有無など)を検査する実装検査工程を実行する。実装検査装置M7は、搬入された基板4を撮像する基板認識カメラ20を備え、基板認識カメラ20によって撮像された撮像画像を用いて、実装されたサブ基板SB1,…または部品Dの状態を検査する。実装検査装置M7は、実装検査装置M7におけるメモリ(不図示)に基板4の実装検査結果を記録するとともに、実装検査に合格した基板4をリフロー装置M8に搬出する。
リフロー装置M8は、管理コンピュータCPから送信された基板4のリフローデータ(例えば、基板4を搬送するコンベアの搬送速度、加熱温度など)に基づいて、実装検査装置M7から搬入された基板4の電極部分と実装された1個以上の部品Dとを接合するリフロー工程を実行する。リフロー装置M8は、装置内に搬入された基板4をベルトコンベアで搬送しながら加熱し、基板4上の半田を硬化させ、基板4の電極部分と実装された1個以上の部品とを接合する。リフロー装置M8は、部品実装ラインL1の下流側(図1に示すリフロー装置M8の右側)にリフロー後の基板4を搬出する。
次に、図2および図3を参照して、部品実装装置M3~M6の構成について説明する。なお、複数の部品実装装置M3~M6のそれぞれは、同様の構成を有し、ここでは部品実装装置M3について説明する。図2は、実施の形態に係る部品実装装置M3を上から見た図である。また、図3は、部品実装装置M3の部品実装機構13および基板搬送機構3を方向Wから見た図である。
なお、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、基板4を搬送する一対の基板搬送機構3の両側方に一対の部品供給部5のそれぞれを備えるが、片側のみに備えてもよい。さらに、実施の形態に係る部品実装装置M3は、1つの基板を搬送可能なシングルレーンの構成を有する例を示すが、2つの基板のそれぞれを同時に搬送可能なデュアルレーンの構成を有してもよい。なお、他の部品実装装置M4~M6も同様に、シングルレーンであってもよいしデュアルレーンであってもよい。
さらに、図2および図3に示す実施の形態に係る部品実装装置M3は、基板4に実装される基板実装用の部品Dを供給する方法として、部品Dが収納されたキャリヤテープを使用する例について説明する。しかし、部品Dを供給する方法は、キャリヤテープに限定されず、例えば部品が収納されたパレットを使用してもよいし、キャリヤテープとパレットとを併用してもよい。なお、部品実装装置M3は、キャリヤテープを使用する場合には、部品供給部5にテープフィーダを含む構成となり、パレットを使用する場合には、部品供給部5にトレイフィーダを含む構成となる。
部品実装装置M3は、基台2と、基板搬送機構3と、一対の部品供給部5のそれぞれと、Y軸ビーム7と、X軸ビーム8と、実装ヘッド9と、1つ以上のテープフィーダ6と、部品実装機構13と、部品認識カメラ19と、基板認識カメラ20と、高さセンサ21と、を含んで構成される。図2に示す部品実装装置M3は、連接された印刷検査装置M2から基板4が搬入され、搬入された基板4を基台2上の所定の基板搬送位置まで搬送した状態を示す。
基台2は、基台2の中央位置に基板4を搬送するための基板搬送機構3が設けられる。基板搬送機構3は、連接された印刷検査装置M2(部品実装装置M4~M6の場合は、連接された部品実装装置)から搬入された基板4を、基台2上の所定の基板搬送位置まで搬送し、保持する。また、基板搬送機構3は、連接された次の部品実装装置M4(部品実装装置M6の場合は、連接された実装検査装置M7)に部品実装後の基板4をX方向に搬出する。
基板搬送機構3は、一対の板状部材14と、搬送コンベア15と、押え板16と、シリンダ17と、下受け部材18と、を含んで構成される。
基板搬送機構3は、X方向に延伸する一対の板状部材14のそれぞれの内側に、一対の搬送コンベア15のそれぞれが配設される。搬送コンベア15は、モータ(不図示)で駆動される搬送ベルトによって、基板4の両端を下方から支持してX方向に搬送する。
一対の押え板16のそれぞれは、一対の板状部材14それぞれの上端に、搬送コンベア15のそれぞれの上方に張り出して配置される。一対の押え板16のそれぞれの下面は、基板搬送機構3上に搬送された基板4を押さえて部品Dの実装時における基板4の位置ずれを抑制する。また、押え板16の下面と搬送コンベア15の上面との距離は、搬送コンベア15によって搬送される基板4の厚さより大きい。
シリンダ17は、基板搬送位置に搬送された基板4の下方に配置され、下受け部材18をK方向に昇降させる。シリンダ17は、基板4が基板搬送位置に搬送されると下受け部材18を上昇させて、搬送コンベア15上から基板4を持ち上げる。持ち上げられた基板4は、基板4の両縁部を押え板16の下面で-Z方向上から押さえ込まれ、部品実装位置に位置決めされて、保持される。すなわち、基板搬送機構3は、基板4を作業位置に位置決め保持する基板保持機能をさらに有する。シリンダ17は、サブ基板SB1,…あるいは部品Dの実装工程が完了した基板4を次の部品実装装置または実装検査装置M7に搬送する時、基板4の下面と干渉しない位置まで下受け部材18を下降させる。
複数の部品供給部5のそれぞれは、基板搬送機構3の両側方に備えられ、基板4に実装される複数の部品が収納されたキャリヤテープを挿入可能な複数のテープフィーダのそれぞれを備える。具体的に、部品供給部5は、基板搬送機構3に対してY方向に備えられ、複数のテープフィーダ6のそれぞれを備える。部品供給部5は、基板搬送機構3に対して-Y方向に備えられ、複数のテープフィーダ6のそれぞれを備える。なお、実施の形態に係る部品実装装置M3において、テープフィーダは、1つのキャリヤテープを挿入可能なシングルフィーダの例を示すが、2つのキャリヤテープを挿入可能なダブルフィーダであってもよい。つまり、部品実装装置M3は、シングルフィーダとダブルフィーダとを任意に装着可能な部品供給部により構成されてよい。また、部品実装装置M3は、基板搬送機構3のいずれか一方にのみ部品供給部を備える構成であってよい。
ここで、複数の部品供給部5のそれぞれは、テープフィーダを取り付け可能なスロット(不図示)を備える。複数のスロットのそれぞれには、スロット位置を特定可能なスロットアドレスが設定される。なお、複数の部品供給部5のそれぞれがトレイフィーダを備える場合にも同様に、各パレットを収納可能なスロットのそれぞれには、スロット位置を特定可能なスロットアドレスが設定される。
複数の部品供給部5のそれぞれは、キャリヤテープに収納された部品をピッチ送りして、実装ヘッド9によって部品が吸着されて取り出される部品吸着位置まで送る。なお、部品供給部5がトレイフィーダを備える場合には、マガジン内の複数のスロットのそれぞれに収納されたパレットを、マガジン内から基台2上の所定の部品実装位置まで搬送する。
また、複数の部品供給部5のそれぞれには、台車(不図示)が結合される。フィーダベースには、複数のテープフィーダのそれぞれがX方向に並んで挿入される。テープフィーダに挿入されたキャリヤテープは、テープフィーダに内蔵されるテープ送り機構(不図示)により一定間隔でピッチ送りされる。なお、図2に示す部品供給部5は、テープフィーダに基板への実装対象となる部品を収納したキャリヤテープを取り付け、吸着ノズル11による部品取り出し位置までこのキャリヤテープに収納された部品をピッチ送りする機能を有する例を示す。
複数のY軸ビーム7のそれぞれは、Y方向,-Y方向に移動自在なリニア駆動機構を備え、基台2の上面におけるX方向の一端側の端部に、Y方向に沿って配設される。また、複数のX軸ビーム8のそれぞれは、対応するY軸ビーム7にX方向に沿って結合され、X方向,-X方向に移動自在なリニア駆動機構を備える。
さらに、複数のX軸ビーム8のそれぞれは、実装ヘッド9および基板認識カメラ20を備える。実装ヘッド9の下端部には、部品Dを吸着して保持し、個別に昇降可能な吸着ノズル11が取り付けられる。
部品実装装置M3は、部品認識カメラ19による部品Dの認識結果と、基板認識カメラ20による基板認識結果とに基づいて、部品Dの実装位置を補正し、実装ヘッド9による部品Dの実装動作を実行する。
複数の部品認識カメラ19のそれぞれは、部品供給部5と基板搬送機構3との間、および部品供給部5と基板搬送機構3との間に備えられ、部品Dを保持した実装ヘッド9が部品認識カメラ19の上方(つまり撮像領域内)を通過するタイミングで部品Dを撮像する。複数の部品認識カメラ19のそれぞれは、撮像された撮像画像を、部品実装装置M3における制御部40に送信する。
制御部40は、撮像された撮像画像に基づいて、部品Dの保持姿勢あるいは部品Dに印字された文字・図形などを認識する。制御部40は、メモリ(不図示)に記憶された部品Dの生産データに基づいて、部品Dの保持姿勢あるいは部品Dに印字された文字・図形などを判定する。制御部40は、判定結果に基づいて、部品Dの異常を検知したり、実装ヘッド9の回転角度およびX方向またはY方向における駆動量を補正したりする。
複数の基板認識カメラ20のそれぞれは、X軸ビーム8の下面側に備えられる。複数の基板認識カメラ20のそれぞれは、取り付けられた実装ヘッド9と一体に移動し、部品供給部5と基板搬送機構3との間、および部品供給部5と基板搬送機構3との間に備えられ、基板搬送機構3に位置決めされた基板4の上方に移動する。複数の基板認識カメラ20のそれぞれは、部品実装装置M3における記憶部43に記憶された基板4の生産データに基づいて、メイン基板Bあるいはサブ基板SB1,…を撮像する。複数の基板認識カメラ20のそれぞれは、撮像された撮像画像を、部品実装装置M3における撮像処理部44に送信する。
撮像処理部44は、撮像された撮像画像に基づいて、基板4に設けられた複数の認識マークのそれぞれの位置を計測する。撮像処理部44は、計測された複数の認識マークのそれぞれの位置と基板の生産データに含まれる複数の認識マークのそれぞれの位置とのずれ量を算出して、制御部40に出力する。制御部40は、撮像処理部44によって算出された位置ずれ量に基づいて、基板4上に部品Dを実装する実装ヘッド9のX方向またはY方向における駆動量を補正する。
計測部の一例としての高さセンサ21は、例えばレーザ変位センサなどであって、レーザ光を下方(-Z方向)に向けて投射するレーザ光源と、レーザ光源が投射したレーザ光の反射光を受光する受光素子と、を含んで構成される。高さセンサ21は、実装ヘッド9の一側方に配設され、実装ヘッド9と一体的に移動する。高さセンサ21は、高さ計測部42B(図6参照)による制御指令に基づいて、レーザ光の投射・受光を行い、三角測量の原理で計測対象としてのメイン基板Bの上面4Aの高さ、および1枚以上のサブ基板SB1,…の上面4B,…の高さを導出する。
ここで、図4を参照して、高さセンサ21が計測する各高さ(距離)について説明する。図4は、高さセンサ21により計測される各高さの一例を示す図である。なお、図4に示すメイン基板B上に複数のサブ基板SB1,SB2…のそれぞれが実装された例を示すが、基板4は、例えばサブ基板SB1上に他のサブ基板が実装されてもよい。また、図4では、説明を簡単にするために基板4の一部分を部分的に示し、他のサブ基板、スルーホールおよび半田の図示を省略している。
図4に示すメイン基板Bは、サブ基板SB1を実装するためのスルーホールEM1および半田SO1と、サブ基板SB2を実装するためのスルーホールEM2および半田SO2と、を有する。
高さセンサ21は、基板搬送機構3によって基板搬送位置(部品実装位置)に搬送され、位置決めされて保持された状態の基板4の上面(上面4A,…)までの距離MHあるいは距離SH1,SH2,…を計測する。ここで、図4に示す距離MHは、高さセンサ21の基準位置H0とメイン基板Bの上面4Aとの間の距離であり、メイン基板Bの上面4Aの高さを示す。距離SH1は、高さセンサ21の基準位置H0とサブ基板SB1の上面4Bとの間の距離であり、サブ基板SB1の上面4Bの高さを示す。距離SH2は、高さセンサ21の基準位置H0とサブ基板SB2の上面4Cとの間の距離であり、サブ基板SB2の上面4Cの高さを示す。なお、高さセンサ21は、レーザの投光位置あるいは受光位置と各基板の上面4A,…との間の距離を計測してもよいし、実装ヘッド9に装着される吸着ノズル11の長さが一定の場合には、吸着ノズル11の先端と各基板の上面4A,…との間の距離を計測してもよい。
高さセンサ21は、基板4の生産データに含まれるメイン基板Bおよび各サブ基板SB1,…ごとに作業者により予め設定された複数の計測点(計測位置)のそれぞれの高さを計測する。メイン基板Bに設定された計測点の数は、9つである。また、複数のサブ基板SB1,…のそれぞれに設定された計測点の数は、作業者により1点以上かつ4点以下の数が任意に設定される。なお、複数のサブ基板SB1,…のそれぞれは、サブ基板ごとに1点以上かつ4点以下の数および計測位置が任意に設定されてよい。
高さセンサ21は、実装ヘッド9と一体的に各計測点の上方に移動して、レーザ光を投射して、メイン基板の上面4Aの高さ、および各サブ基板SB1,…の上面4B,…の高さを計測する。
次に、図5を参照して、実施の形態に係る部品実装装置M3の制御部40の機能について説明する。図5は、部品実装装置M3の制御部40の機能的構成を例示するブロック図である。なお、図5の説明において、部品実装装置M3~M6のそれぞれは、同一の制御部40の機能的構成を有し、ここでは部品実装装置M3について説明する。
部品実装装置M3の制御部40は、例えばCPU(Central Processing unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成され、記憶部43と協働して、各種の処理および制御を行う。具体的には、制御部40は、記憶部43に保持されたプログラムおよびデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、各部の機能を実現する。ここでいう各部は、例えば機構駆動部41、計測処理部42、および撮像処理部44などである。制御部40は、これら各部により、メイン基板Bおよび各サブ基板SB1,…のそれぞれに設定された各計測点の高さを計測する機能、計測された各計測点の高さに基づいて、メイン基板Bの反りデータおよび各サブ基板SB1,…のそれぞれの高さデータあるいは傾きデータを生成する機能、生成された各種データに基づいて、部品Dの実装高さを補正して実装する機能などを実行する。
制御部40は、部品実装装置M3に基板4が基板搬送位置まで搬入されると、操作部30から送信されたメイン基板B上に実装済みの各サブ基板の計測点の数および各計測位置の情報を取得する。
ここで、操作部30について説明する。操作部30は、部品実装装置M3に備えられ、作業者による操作を受け付けるユーザインターフェース(UI:User Interface)であり、例えばタッチパネル等を用いてモニタ(不図示)と一体に構成される。操作部30は、作業者により入力されたメイン基板B上に実装済みの各サブ基板の計測点の数および各計測位置の情報を制御部40に送信する。
また、制御部40は、管理コンピュータCPから送信された基板4の生産データを参照する。制御部40は、メイン基板Bの計測点の数および計測位置の情報を取得し、機構駆動部41に出力する。なお、実施の形態に係る部品実装装置M3において、制御部40は、メイン基板B上に実装済みの各サブ基板の計測点の数および各計測位置を操作部30から取得する例を示すが、管理コンピュータCPから各サブ基板の生産データに含まれる各サブ基板の計測点の数および各計測位置の情報を取得してもよい。制御部40は、取得されたメイン基板Bの計測点の数および各計測位置の情報、およびメイン基板B上に実装済みの各サブ基板の計測点の数および各計測位置の情報を機構駆動部41および記憶部43に出力する。
部品実装部の一例としての機構駆動部41は、制御部40から出力されたメイン基板Bの計測点の数および計測位置と、メイン基板B上に実装済み、あるいは部品実装装置M3により実装される各サブ基板の計測点の数および各計測位置の情報に基づいて、メイン基板およびサブ基板ごとの各計測位置に実装ヘッド9を移動させるための駆動制御を実行する。具体的に、機構駆動部41は、現在のY軸ビーム7およびX軸ビーム8の位置からメイン基板Bおよび各サブ基板SB1,…ごとに個別に設定された各計測位置を撮像可能な位置までのY軸ビーム7の駆動量およびX軸ビーム8の駆動量を含む駆動制御指令(信号)を生成し、部品実装機構13に送信する。なお、ここでいう部品実装機構13は、基板4に部品Dを実装するための機構であって、Y軸ビーム7と、X軸ビーム8と、実装ヘッド9とを含んで構成される。
機構駆動部41は、記憶部43に記憶されたメイン基板B上に実装される部品ごとの実装位置および実装高さを含む実装データ43Aと、メイン基板Bの反りデータ43Cとに基づいて、メイン基板B上に実装される部品ごとの実装高さの情報を補正する。
また、機構駆動部41は、記憶部43に記憶された実装済みの各サブ基板上に実装される部品ごとの実装位置および実装高さを含む実装データ43Aと、実装済みの各サブ基板の高さデータ43Dあるいは傾きデータ43Eとに基づいて、各サブ基板上に実装される部品ごとの実装高さの情報を補正する。なお、計測点の数の設定が1点であるサブ基板は、傾きデータ43Eが生成されない。よって、機構駆動部41は、複数のサブ基板のそれぞれのうち計測点の数の設定が1点であるサブ基板がある場合には、このサブ基板上に実装される部品ごとの実装位置を示す実装データ43Aと、各サブ基板の高さデータ43Dとに基づいて、各サブ基板上に実装される部品ごとの実装高さの情報を補正する。
機構駆動部41は、補正後の部品ごとの実装高さの情報に基づいて、メイン基板Bあるいは各サブ基板SB1,…上に各部品を実装させるための駆動制御指令を生成して、部品実装機構13に送信する。機構駆動部41は、一対の部品供給部5のそれぞれに部品Dの供給を開始させる制御指令(つまり、一対の部品供給部5のそれぞれが備えるテープ送り機構(不図示)を駆動させるための制御指令)を生成して、送信する。
計測処理部42は、高さセンサ21から送信されたメイン基板B上の各計測位置の高さ情報、およびメイン基板B上に実装済みの各サブ基板上の各計測位置の高さ情報を、メイン基板Bおよびサブ基板SB1,…ごとに個別に取得する。計測処理部42は、取得されたメイン基板Bまたは各サブ基板SB1,…上の各計測位置の高さ情報に基づくメイン基板Bの反りデータと、各サブ基板上の各計測位置の高さ情報に基づく高さデータあるいは傾きデータとを生成して、記憶部43に出力する。計測処理部42は、反り計測部42Aと、高さ計測部42Bと、傾き計測部42Cと、を含んで構成される。
反りデータ生成部の一例としての反り計測部42Aは、高さセンサ21から送信されたメイン基板B上の各計測位置の高さ情報に基づいて、メイン基板Bの上面4Aの反り(所謂基板反り)の状態を示す反りデータを生成する。反り計測部42Aは、生成された反りデータを記憶部43に出力して、記憶させる。
高さデータ生成部の一例としての高さ計測部42Bは、高さセンサ21から送信されたメイン基板B上に実装済みの各サブ基板上の各計測位置の高さ情報に基づいて、サブ基板ごとの上面の高さを示す高さデータを生成する。高さ計測部42Bは、生成されたサブ基板ごとの高さデータを記憶部43に出力して、記憶させる。
傾きデータ生成部の一例としての傾き計測部42Cは、高さセンサ21から送信されたメイン基板B上に実装済みの各サブ基板上の3点以上の計測位置の高さ情報に基づいて、サブ基板ごとの上面の傾きを示す傾きデータを生成する。傾き計測部42Cは、生成されたサブ基板ごとの傾きデータを記憶部43に出力して、記憶させる。
記憶部43は、例えば制御部40の各処理を実行する際に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、制御部40の動作を規定したプログラムおよびデータを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、制御部40により生成あるいは取得されたデータもしくは情報が一時的に保存される。ROMには、制御部40の動作を規定するプログラムが書き込まれている。記憶部43は、実装データ43A、計測点位置データ43B、反りデータ43C、高さデータ43D、および傾きデータ43Eを記憶する。
実装データ43Aは、部品実装装置M3が備える一対の部品供給部5に取り付けられた複数のキャリヤテープのそれぞれに収納され、メイン基板Bおよびメイン基板B上に実装済みの各サブ基板に実装される複数の部品のそれぞれの部品配置に関するデータである。実装データ43Aは、部品供給部のそれぞれを識別可能な識別情報と、部品供給部が備えるスロットの情報と、配置されるキャリヤテープ(部品)の情報と、部品ごとの実装位置情報と、を含む。なお、実装データ43Aは、部品実装装置M3によって実行される部品実装工程においてサブ基板の実装が行われる場合には、サブ基板ごとの実装位置の情報を含んでよい。また、部品ごとの実装位置情報は、部品ごとの実装高さの情報を含む。
計測点位置データ43Bは、メイン基板Bおよびサブ基板SB1,…ごとの計測点の数および計測位置に関するデータである。
反りデータ43Cは、反り計測部42Aから出力された反りデータを、部品実装装置M3に搬送されたメイン基板Bごとに記憶する。
高さデータ43Dは、高さ計測部42Bから出力されたサブ基板ごとの高さデータを、部品実装装置M3に搬送されたメイン基板Bの識別情報と関連付けて記憶する。
傾きデータ43Eは、傾き計測部42Cから出力されたサブ基板ごとの傾きデータを、部品実装装置M3に搬送されたメイン基板Bの識別情報と関連付けて記憶する。
撮像処理部44は、部品認識カメラ19により撮像された撮像画像を画像処理し、実装する部品の異常の有無、部品の保持姿勢などを検出する。また、撮像処理部44は、基板認識カメラ20により撮像された撮像画像を画像処理し、基板4の異常の有無、基板4(メイン基板B)上に付与された基板認識マークなど検出する。
図6を参照して、各サブ基板に設定された計測点の数が4点である場合の基板4に設定される計測点について説明する。図6は、サブ基板SB1~SB12上の計測点(4点)の配置例を示す図である。図6に示す基板4は、メイン基板Bと、メイン基板B上に実装された12枚のサブ基板SB1,SB2,SB3,SB4,SB5,SB6,SB7,SB8,SB9,SB10,SB11,SB12と、により構成される。なお、図6に示す基板4を構成するサブ基板の数およびサブ基板ごとに設定された4点の計測位置は、一例であってこれに限定されないことは言うまでもない。
メイン基板Bには、9点の計測点BM1,BM2,BM3,BM4,BM5,BM6,BM7,BM8,BM9のそれぞれが設定される。9つの計測点BM1~BM9のそれぞれは、互いに略均等な間隔で配置される。なお、図6に示す9点の計測点BM1~BM9のそれぞれは配置される位置(つまり、計測位置)は、一例であってこれに限定されない。また、9点の計測点BM1~BM9のそれぞれは、メイン基板B上で互いに略均等な間隔で配置されることが望ましいが、メイン基板B上に配置される各サブ基板および各部品の配置に応じて、作業者により任意に配置されてよい。
複数のサブ基板SB1~SB12のそれぞれは、4点の計測点のそれぞれが設定される。4点の計測点のそれぞれの位置は、任意の四角形状(例えば、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形、任意の四角形などの形状)を描くように配置され、一直線上に並ばないように配置される。
具体的に、サブ基板SB1上には、4点の計測点SM11,SM12,SM13,SM14のそれぞれが設定される。サブ基板SB2上には、4点の計測点SM21,SM22,SM23,SM24のそれぞれが設定される。サブ基板SB3上には、4点の計測点SM31,SM32,SM33,SM34のそれぞれが設定される。サブ基板SB4上には、4点の計測点SM41,SM42,SM43,SM44のそれぞれが設定される。サブ基板SB5上には、4点の計測点SM51,SM52,SM53,SM54のそれぞれが設定される。サブ基板SB6上には、4点の計測点SM61,SM62,SM63,SM64のそれぞれが設定される。サブ基板SB7上には、4点の計測点SM71,SM72,SM73,SM74のそれぞれが設定される。サブ基板SB8上には、4点の計測点SM81,SM82,SM83,SM84のそれぞれが設定される。サブ基板SB9上には、4点の計測点SM91,SM92,SM93,SM94のそれぞれが設定される。サブ基板SB10上には、4点の計測点SM101,SM102,SM103,SM104のそれぞれが設定される。サブ基板SB11上には、4点の計測点SM111,SM112,SM113,SM114のそれぞれが設定される。サブ基板SB12上には、4点の計測点SM121,SM122,SM123,SM124のそれぞれが設定される。
1枚あたりのサブ基板の計測点が4点である場合、図6に示す基板4(メイン基板Bおよび12枚のサブ基板SB1~SB12)上のすべての計測点の数は、57点となる。例えば、計測点1点当たりの計測時間が0.3秒である場合、基板4上の全ての計測点の計測に要する計測時間は、17.1秒となる。このように、各サブ基板上に設定される計測点の数を9点から4点にした場合、部品実装装置M3~M6は、測定点数を117点から57点に減少させ、計測時間を35秒から略17秒まで短縮できる。
図7を参照して、各サブ基板に設定された計測点の数が3点である場合の基板4に設定される計測点について説明する。図7は、サブ基板SB1~SB12上の計測点(3点)の配置例を示す図である。図7に示す基板4は、メイン基板Bと、メイン基板B上に実装された12枚のサブ基板SB1,SB2,SB3,SB4,SB5,SB6,SB7,SB8,SB9,SB10,SB11,SB12と、により構成される。なお、図7に示す基板4を構成するサブ基板の数およびサブ基板ごとに設定された3点の計測位置は、一例であってこれに限定されないことは言うまでもない。
図7に示す複数のサブ基板SB1~SB12のそれぞれは、3点の計測点のそれぞれが設定される。3点の計測点のそれぞれの位置は、任意の三角形状(例えば、正三角形、二等辺三角形、直角三角形、任意の三角形などの形状)を描くように配置される、一直線上に並ばないように配置される。
具体的に、サブ基板SB1上には、3点の計測点SM15,SM16,SM17のそれぞれが設定される。サブ基板SB2上には、3点の計測点SM25,SM26,SM27のそれぞれが設定される。サブ基板SB3上には、3点の計測点SM35,SM36,SM37のそれぞれが設定される。サブ基板SB4上には、3点の計測点SM45,SM46,SM47のそれぞれが設定される。サブ基板SB5上には、3点の計測点SM55,SM56,SM57のそれぞれが設定される。サブ基板SB6上には、3点の計測点SM65,SM66,SM67のそれぞれが設定される。サブ基板SB7上には、3点の計測点SM75,SM76,SM77のそれぞれが設定される。サブ基板SB8上には、3点の計測点SM85,SM86,SM87のそれぞれが設定される。サブ基板SB9上には、3点の計測点SM95,SM96,SM97のそれぞれが設定される。サブ基板SB10上には、3点の計測点SM105,SM106,SM107のそれぞれが設定される。サブ基板SB11上には、3点の計測点SM115,SM116,SM117のそれぞれが設定される。サブ基板SB12上には、3点の計測点SM125,SM126,SM127のそれぞれが設定される。
1枚あたりのサブ基板の計測点が3点である場合、図7に示す基板4(メイン基板Bおよび12枚のサブ基板SB1~SB12)上のすべての計測点の数は、45点となる。例えば、計測点1点当たりの計測時間が0.3秒である場合、基板4上の全ての計測点の計測に要する計測時間は、13.5秒となる。このように、各サブ基板上に設定される計測点の数を9点から3点にした場合、部品実装装置M3~M6は、測定点数を117点から45点に減少させ、計測時間を35秒から13.5秒まで短縮できる。
図8を参照して、各サブ基板に設定された計測点の数が1点である場合の基板4に設定される計測点について説明する。図8は、サブ基板SB1~SB12上の計測点(1点)の配置例を示す図である。図8に示す基板4は、メイン基板Bと、メイン基板B上に実装された12枚のサブ基板SB1,SB2,SB3,SB4,SB5,SB6,SB7,SB8,SB9,SB10,SB11,SB12と、により構成される。なお、図8に示す基板4を構成するサブ基板の数およびサブ基板ごとに設定された1点の計測位置は、一例であってこれに限定されないことは言うまでもない。
図8に示す複数のサブ基板SB1~SB12のそれぞれは、1点の計測点が設定される。1点の計測点は、任意の位置に配置される。
具体的に、サブ基板SB1上には、1点の計測点SM18が設定される。サブ基板SB2上には、1点の計測点SM28が設定される。サブ基板SB3上には、1点の計測点SM38が設定される。サブ基板SB4上には、1点の計測点SM48が設定される。サブ基板SB5上には、1点の計測点SM58が設定される。サブ基板SB6上には、1点の計測点SM68が設定される。サブ基板SB7上には、1点の計測点SM78が設定される。サブ基板SB8上には、1点の計測点SM88が設定される。サブ基板SB9上には、1点の計測点SM98が設定される。サブ基板SB10上には、1点の計測点SM108が設定される。サブ基板SB11上には、1点の計測点SM118が設定される。サブ基板SB12上には、1点の計測点SM128が設定される。
1枚あたりのサブ基板の計測点の数が4点である場合、図8に示す基板4(メイン基板Bおよび12枚のサブ基板SB1~SB12)上のすべての計測点の数は、21点となる。例えば、計測点1点当たりの計測時間が0.3秒である場合、基板4上の全ての計測点の計測に要する計測時間は、6.3秒となる。このように、各サブ基板上に設定される計測点の数を9点から1点にした場合、部品実装装置M3~M6は、測定点数を117点から21点に減少させ、計測時間を35秒から6.3秒まで短縮できる。
次に、図9を参照して、実施の形態に係る部品実装装置M3の部品実装高さの補正手順について説明する。図9は、実施の形態に係る部品実装装置M3の動作手順例を示すフローチャートである。なお、図9の説明において、部品実装装置M3~M6のそれぞれは、部品ごとの部品実装高さを補正して、補正後の部品実装高さに基づいて実装する例を示すが、メイン基板Bまたは各サブ基板SB1,…上に他のサブ基板が実装される場合も同様の手順によりサブ基板の実装位置の補正および実装を実行する。また、図9では部品実装装置M3により実行される部品実装高さの補正手順について説明するが、他の部品実装装置M4~M6で実行される補正手順も同様の補正手順であるため、ここでは説明を省略する。
部品実装装置M3は、基板搬送機構3により、部品実装ラインL1の上流側(つまり、印刷検査装置M2)から搬出された基板4を基板搬送位置まで搬送する(St10)。
部品実装装置M3は、搬送された基板4、つまりメイン基板B、およびステップSt1の時点でメイン基板B上に実装されたサブ基板ごとに個別に設定された計測点の数および各計測点の計測位置の情報を記憶部43から取得する(St11)。
部品実装装置M3は、取得されたメイン基板Bの9点の計測点ごとの計測位置の情報に基づいて、実装ヘッド9と一体的に構成された高さセンサ21を移動させて、メイン基板B上に設定された各計測点の高さ(図4に示す高さセンサ21の基準位置H0とメイン基板Bの上面4Aとの間の距離)を計測する(St12)。
部品実装装置M3は、計測された9点の計測点のそれぞれの高さの情報に基づいて、メイン基板Bの上面4Aの反りデータを生成する(St13)。
部品実装装置M3は、計測するサブ基板の枚数k(k:1以上の整数)をk=1に初期化する(St14)。
部品実装装置M3は、取得されたk枚目のサブ基板に設定された計測点の数および計測点ごとの計測位置の情報に基づいて、実装ヘッド9と一体的に構成された高さセンサ21を移動させて、第k枚目のサブ基板上に設定された各計測点の高さ(例えば、図4に示すサブ基板SB1の場合、高さセンサ21の基準位置H0とサブ基板SB1の上面4Bとの間の距離)を計測する(St15)。
部品実装装置M3は、計測された計測点のそれぞれの高さの情報に基づいて、k枚目のサブ基板の上面の高さデータを生成する(St16)。
ここで、部品実装装置M3は、k枚目のサブ基板に設定された計測点の数が3点以上であると判定した場合、計測された計測点のそれぞれの高さの情報に基づいて、第kのサブ基板の上面の傾きデータを生成する(St17)。
部品実装装置M3は、基板4の生産データに基づいて、ステップSt1の時点でメイン基板B上に実装されたサブ基板の枚数n(n:1以上の整数)と、現在計測点の計測が完了したサブ基板の枚数kとが一致しているか否かを判定する(St18)。
部品実装装置M3は、ステップSt18の処理でメイン基板B上に実装されたサブ基板の枚数nと、現在計測点の計測が完了したサブ基板の枚数kとが一致していると判定した場合(St18,YES)、反りデータに基づいて、メイン基板B上に実装される部品ごとの実装高さを補正する。また、部品実装装置M3は、反りデータ、高さデータ、および傾きデータに基づいて、各サブ基板に実装される部品ごとの実装高さを補正する。なお、計測点の数が1点のサブ基板に実装される各部品は、反りデータおよび高さデータに基づいて、実装高さが補正される。部品実装装置M3は、補正後の各部品の実装高さの情報に基づいて、メイン基板Bおよび各サブ基板上に複数の部品のそれぞれを実装する(St19)。
部品実装装置M3は、ステップSt18の処理でメイン基板B上に実装されたサブ基板の枚数nと、現在計測点の計測が完了したサブ基板の枚数kとが一致していないと判定した場合(St18,NO)、計測するサブ基板の枚数kをインクリメントし(St20)、ステップSt15の処理に戻る。
以上により、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6は、サブ基板の上面の高さを計測時に計測点の数を減らすことができる。これにより、部品実装装置M3~M6は、メイン基板B上に実装されるサブ基板の枚数が増加しても、各サブ基板の上面の高さの総計測点の数および計測時間に要する時間の増加をより抑制でき、1枚の基板4の生産効率を向上できる。
また、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6は、メイン基板Bの上面4Aの反りデータに基づいて、メイン基板B上に実装される部品ごとの部品実装高さをより適切に補正できるとともに、サブ基板SB1,…のそれぞれの上面4A,…の高さデータに基づいて、各サブ基板SB1,…上に実装される部品ごとの部品実装高さをより適切に補正できる。さらに、部品実装装置M3~M6は、サブ基板SB1,…のそれぞれに設定された計測点の数が3点以上である場合には、反りデータ、高さデータおよび傾きデータに基づいて、部品ごとの部品実装高さをより適正に補正できるため、計測点の数を減らしつつ、計測点の数が1点の場合よりも部品実装高さをより適正に補正できる。
以上により、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、メイン基板Bと、メイン基板B上に実装され、異なる大きさを有する1枚以上のサブ基板SB1,…とに部品を実装する。メイン基板Bにメイン基板B上に実装される部品(第1の部品の一例)を実装し、サブ基板SB1,…に各サブ基板SB1,…上に実装される部品(第2の部品の一例)を実装する機構駆動部41と、メイン基板B上の複数の計測点のそれぞれの高さとサブ基板SB1,…上のそれぞれの4点の計測点の高さとを計測する高さセンサ21と、高さセンサ21により計測されたメイン基板B上の複数の計測点のそれぞれの高さに基づいて、メイン基板Bの反りデータを生成する反り計測部42Aと、計測されたサブ基板SB1,…のそれぞれ上の4点以下の計測点の高さに基づいて、サブ基板SB1,…ごとの上面の高さデータを生成する高さ計測部42Bと、を備える。機構駆動部41は、生成された反りデータに基づいて、メイン基板Bにメイン基板B上に実装される部品を実装するとともに、高さデータに基づいて、サブ基板SB1,…ごとに各サブ基板SB1,…上に実装される部品を実装する。
これにより、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、メイン基板Bの上面4Aの反りデータに基づいて、メイン基板Bに実装される部品の実装高さを補正して実装できるとともに、サブ基板SB1,…のそれぞれの上面4Aの高さデータとに基づいて、部品ごとの部品実装高さをより適切に補正できる。さらに、部品実装装置M3~M6は、サブ基板SB1,…のそれぞれに設定された計測点の数が4点以下であるため、計測点の数を低減して計測時間を短縮しつつ、各サブ基板SB1,…上に実装される部品の部品実装高さをより適正に補正できる。
また、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、各サブ基板SB1,…上の3点以上の計測点の高さに基づいて、各サブ基板SB1,…の上面4B,…の傾きデータを生成する傾き計測部42Cを備える。機構駆動部41は、高さデータおよび傾きデータに基づいて、各サブ基板SB1,…上に部品を実装する。これにより、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、各サブ基板SB1,…のそれぞれの上面4B,…の高さだけでなく、各サブ基板SB1,…のそれぞれの上面4B,…の傾きデータを生成できる。したがって、部品実装装置M3~M6のそれぞれは、高さデータおみに基づいて部品実装高さの補正をするよりも、各サブ基板SB1,…上に実装される部品の部品実装高さをより適正に補正できる。
また、実施の形態に係る高さセンサ21により計測される計測点は、各サブ基板SB1,…上の3点であり、これら3点の計測点を結ぶ線が三角形を形成するように配置される。これにより、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、一直線上に配置されない3点の計測点の高さに基づいて、各サブ基板SB1,…の上面4B,…の高さデータおよび傾きデータを生成できる。
また、実施の形態に係る高さセンサ21により計測される計測点は、各サブ基板SB1,…上の4点であり、これら4点の計測点を結ぶ線が四角形を形成するように配置される。これにより、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、一直線上に配置されない4点の計測点の高さに基づいて、各サブ基板SB1,…の上面4B,…の高さデータおよび傾きデータを生成できる。
また、実施の形態に係る高さセンサ21により計測される計測点は、各サブ基板SB1,…上の1点である。これにより、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、各サブ基板SB1,…の上面4B,…の高さを計測する計測時間を大幅に短縮できるとともに、計測された高さデータに基づいて、各サブ基板SB1,…上に実装される部品の部品実装高さをより適正に補正できる。
また、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、メイン基板B上に実装される部品の実装高さと各サブ基板SB1,…上に実装される部品の実装高さとを記憶する記憶部43を備える。実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれにおける機構駆動部41は、メイン基板Bの上面4Aの反りデータに基づいて、メイン基板Bに実装される部品の実装高さを補正して実装させるとともに、各サブ基板SB1,…のそれぞれの上面4Aの高さデータとに基づいて、部品ごとの部品実装高さをより適切に補正させる。これにより、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、計測点の数を低減して計測時間を短縮しつつ、各サブ基板SB1,…上に実装される部品の部品実装高さをより適正に補正できる。
また、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、メイン基板B上に実装される部品の実装高さと各サブ基板SB1,…上に実装される部品の実装高さとを記憶する記憶部43を備える。実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれにおける機構駆動部41は、メイン基板Bの上面4Aの反りデータに基づいて、メイン基板Bに実装される部品の実装高さを補正して実装させるとともに、各サブ基板SB1,…のそれぞれの上面4Aの高さデータあるいは傾きデータとに基づいて、部品ごとの部品実装高さをより適切に補正させる。これにより、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、計測点の数を低減して計測時間を短縮しつつ、各サブ基板SB1,…上に実装される部品の部品実装高さをより適正に補正できる。
また、実施の形態に係る各サブ基板SB1,…のそれぞれは、矩形状であり、最大一辺長が50mmである。これにより、部品実装装置M3~M6のそれぞれは、各サブ基板SB1,…のそれぞれが十分に小さく、つまり、各サブ基板SB1,…のそれぞれの上面4B,…の反りも十分に小さくなる。したがって、実施の形態に係る部品実装装置M3~M6のそれぞれは、少なくとも1点の高さを計測することにより各サブ基板SB1,…上に実装される部品の部品実装高さをより適正に補正できる。なお、上述する各サブ基板SB1,…のそれぞれの形状および最大一辺長は、一例であってこれに限定されないことは言うまでもない。各サブ基板SB1,…のそれぞれは、メイン基板Bより小さければよい。
以上、添付図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。