JP7417319B2 - 薬剤散布用ドローン - Google Patents

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Description

本発明は、薬剤の散布を行なうドローンに関する。
機体の周囲に複数の回転翼を配置させて、各回転翼を同時にバランスよく回転させることによって飛行する無人飛行体(ドローンまたはマルチコプターなどという)がある。近年、商品の宅配サービスや、薬剤の散布など、様々な分野で、ドローンの研究、開発が進んでいる。
本技術分野の背景技術として、国際公開第2018/139622号(特許文献1)がある。この公報には、「ダウンウォッシュなどの気流の変化を考慮して、薬剤散布用のノズルの位置などを設定することにより、圃場外への薬剤飛散を最小化した薬剤撒布用ドローン」が記載されている。
国際公開第2018/139622号
ドローンを浮上させるために、各回転翼が回転すると、揚力が生成される。各回転翼から吹き下ろされる風をダウンウォッシュといい、この周囲では気流が変化する。特許文献1には、この気流の変化を考慮した薬剤散布用ドローンが記載されている。
そこで、本発明は、ダウンウォッシュなどの気流の変化を考慮して、より効果的に、ノズルから吐出される薬剤を地上の作物に対して吹き付けることができる薬剤散布用ドローンを提供する。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、薬剤の散布を行なうドローンであって、前記ドローンは、本体と、前記ドローンが飛行時の進行方向に対して前記本体の前方の左右両側及び後方の左右両側にそれぞれ配置され、前記本体を飛行させるための複数の回転翼と、薬剤散布を行うための複数の薬剤ノズルと、を備え、前記複数の薬剤ノズルは、前記本体の前方の左右両側に配置された前記回転翼の回動領域の下方に位置する回転翼下方ノズルと、前記本体の前方の左右両側に配置された前記回転翼の間に位置する回転翼間ノズルと、を含み、前記回転翼間ノズルは、前記ドローンの進行方向において、前記本体の後方の左右両側に配置された前記回転翼の回動領域の前方端よりも前方に配置される。
本発明によれば、回転翼下方ノズルと回転翼間ノズルとを組み合わせて用いることで、ダウンウォッシュなどの気流の変化を考慮して、ノズルから吐出される薬剤を地上の作物に対してより効果的に吹き付けることができる薬剤散布用ドローンを提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
ドローンの平面図の例である。(実施例1) ドローンの正面図の例である。(実施例1) ドローンの右側面図の例である。(実施例1) ドローンの背面図の例である。(実施例1) ドローンの斜視図の例である。(実施例1) ドローンの制御機能を表したブロック図の例である。(実施例1) ドローン管理システム700全体の接続構成図の例である。(実施例1) モバイル端末701に表示される圃場情報表示画面800の例である。(実施例1) モバイル端末701に表示されるドローン操作画面900の例である。(実施例1) モバイル端末701のハードウェア構成の例である。(実施例1) 管理サーバ702のハードウェア構成の例である。(実施例1) 管理端末703のハードウェア構成の例である。(実施例1) 圃場管理情報1300の例である。(実施例1) 機器管理情報1400の例である。(実施例1) ユーザ管理情報1500の例である。(実施例1) 薬剤管理情報1600の例である。(実施例1) エネルギー管理情報1700の例である。(実施例1) 飛行経路管理情報1800の例である。(実施例1) スケジュール管理情報1900の例である。(実施例1) ドローンの平面図の例である。(実施例2) ドローンの正面図の例である。(実施例2) ドローンの背面図の例である。(実施例2) ドローンの斜視図の例である。(実施例2) 回転翼と薬剤ノズルとの配置を概略的に示した例である。(実施例2) 図20のA-A線に沿う断面にて、周囲の気流の流れを概略的に示した例である。(実施例2) 図20のB-B線に沿う断面にて、周囲の気流の流れを概略的に示した例である。(実施例2) 図25に例示したダウンウォッシュに対して薬剤を吐出させる薬剤ノズルの配置を概略的に示した例である。(実施例2) 図27に例示した薬剤ノズルの配置において、左右両側の薬剤ノズルの位置を変更した例である。(実施例2) 図27に例示した薬剤ノズルの配置において、中央の薬剤ノズルの上下方向の位置を変更した例である。(実施例2) 図27に例示した薬剤ノズルのうち、中央の薬剤ノズルの薬剤吐出方向を概略的に示した例である。(実施例2) 前後に並ぶ回転翼から下方に現れるダウンウォッシュに対して薬剤を吐出させる場合を概略的に示した例である。(実施例2) 図27に例示した薬剤ノズルの配置において、薬剤ノズルの数を増やした例である。(実施例3) ドローンの背面図の例である。(実施例4) 図32のC-C線に沿う断面にて、周囲の気流の流れを概略的に示した例である。(実施例4) 図32のD-D線に沿う断面にて、周囲の気流の流れを概略的に示した例である。(実施例4) 図33に例示したダウンウォッシュに対して薬剤を吐出させる薬剤ノズルの配置を概略的に示した例である。(実施例4)
以下、実施例を図面を用いて説明する。
ドローンは、農機の例である。本明細書において、ドローンとは、動力手段(電力、原動機等)、操縦方式(無線であるか有線であるか、および、自律飛行型であるか手動操縦型であるか等)を問わず、複数の回転翼を有する飛行体全般を指すこととする。
図1は、ドローンの平面図の例である。
図2は、ドローンの正面図の例である。
図3は、ドローンの右側面図の例である。
図4は、ドローンの背面図の例である。
図5は、ドローンの斜視図の例である。
回転翼101-1a、101-1b、101-2a、101-2b、101-3a、101-3b、101-4a、101-4b(ローターとも呼ばれる)は、ドローン100を飛行させるための手段であり、飛行の安定性、機体サイズ、および、電力消費量のバランスを考慮し、8機(2段構成の回転翼が4セット)備えられている。各回転翼101は、ドローン100の本体110からのび出たアームにより本体110の四方に配置されている。すなわち、進行方向左後方に回転翼101-1a、101-1b、左前方に回転翼101-2a、101-2b、右後方に回転翼101-3a、101-3b、右前方に回転翼101-4a、101-4bがそれぞれ配置されている。なお、ドローン100は図1における紙面下向きを進行方向とする。回転翼101の回転軸から下方には、それぞれ棒状の足107-1,107-2,107-3,107-4が伸び出ている。
モーター102-1a、102-1b、102-2a、102-2b、102-3a、102-3b、102-4a、102-4bは、回転翼101-1a、101-1b、101-2a、101-2b、101-3a、101-3b、101-4a、101-4bを回転させる手段(典型的には電動機であるが発動機等であってもよい)であり、1つの回転翼に対して1機設けられている。モーター102は、推進器の例である。1セット内の上下の回転翼(例えば101-1aと101-1b)、および、それらに対応するモーター(例えば102-1aと102-1b)は、ドローンの飛行の安定性等のために軸が同一直線上にあり、かつ、互いに反対方向に回転する。
図2、および、図3に示されるように、ローターが異物と干渉しないよう設けられたプロペラガードを支えるための放射状の部材は水平ではなくやぐら状の構造である。衝突時に当該部材が回転翼の外側に座屈することを促し、ローターと干渉することを防ぐためである。
薬剤ノズル103-1、103-2、103-3、103-4は、薬剤を下方に向けて散布するための手段であり4機備えられている。なお、本明細書において、薬剤とは、農薬、除草剤、液肥、殺虫剤、種、水などの圃場に散布される液体、粉体又は微粒子である。
薬剤タンク104は散布される薬剤を保管するためのタンクであり、重量バランスの観点からドローン100の重心に近い位置でかつ重心より低い位置に設けられている。薬剤ホース105は、薬剤タンク104と各薬剤ノズル103-1、103-2、103-3、103-4とを接続する。薬剤ホースは硬質の素材から成り、当該薬剤ノズルを支持する役割を兼ねていてもよい。ポンプ106は、薬剤をノズルから吐出するための手段である。
図6は、ドローンの制御機能を表したブロック図の例である。
フライトコントローラー501は、ドローン全体の制御を司る構成要素であり、具体的にはCPU、メモリ、関連ソフトウェア等を含む組み込み型コンピュータであってよい。フライトコントローラー501は、モバイル端末701から受信した入力情報、および、後述の各種センサーから得た入力情報に基づき、ESC(Electronic Speed Control)等の制御手段を介して、モーター102-1a、102-1b、102-2a、102-2b、102-3a、102-3b、104-a、104-bの回転数を制御することで、ドローン100の飛行を制御する。モーター102-1a、102-1b、102-2a、102-2b、102-3a、102-3b、104-a、104-bの実際の回転数はフライトコントローラー501にフィードバックされ、正常な回転が行なわれているかを監視できる構成になっている。あるいは、回転翼101に光学センサー等を設けて回転翼101の回転がフライトコントローラー501にフィードバックされる構成でもよい。
フライトコントローラー501が使用するソフトウェアは、機能拡張・変更、問題修正等のために記憶媒体等を通じて、または、Wi-Fi通信やUSB等の通信手段を通じて書き換え可能になっている。この場合において、不正なソフトウェアによる書き換えが行なわれないように、暗号化、チェックサム、電子署名、ウィルスチェックソフト等による保護が行われている。また、フライトコントローラー501が制御に使用する計算処理の一部が、モバイル端末701上、または、管理サーバ702上や他の場所に存在する別のコンピュータによって実行されてもよい。フライトコントローラー501は重要性が高いため、その構成要素の一部または全部が二重化されていてもよい。
フライトコントローラー501は、Wi-Fi子機機能503を介して、さらに、基地局710を介してモバイル端末701とやり取りを行ない、必要な指令をモバイル端末701から受信すると共に、必要な情報をモバイル端末701に送信できる。この場合に、通信には暗号化を施し、傍受、成り済まし、機器の乗っ取り等の不正行為を防止するようにしてもよい。基地局710は、Wi-Fiによる通信機能に加えて、RTK-GPS基地局の機能も備えている。RTK基地局の信号とGPS測位衛星からの信号を組み合わせることで、フライトコントローラー501により、ドローン100の絶対位置を数センチメートル程度の精度で測定可能となる。フライトコントローラー501は重要性が高いため、二重化・多重化されていてもよく、また、特定のGPS衛星の障害に対応するため、冗長化されたそれぞれのフライトコントローラー501は別の衛星を使用するよう制御されていてもよい。なお、フライトコントローラー501、基地局710、モバイル端末701間の通信はWi-Fiではなく、LTE等のモバイルネットワークを用いる場合もある。
6軸ジャイロセンサー505はドローン機体の互いに直交する3方向の加速度を測定する。さらに、加速度の積分により速度を計算する。6軸ジャイロセンサー505は、上述の3方向におけるドローン機体の姿勢角の変化、すなわち角速度を測定する。地磁気センサー506は、地磁気の測定によりドローン機体の方向を測定する。気圧センサー507は、気圧を測定し、間接的にドローンの高度を測定することもできる。レーザーセンサー508は、レーザー光の反射を利用してドローン機体と地表との距離を測定するものであり、IR(赤外線)レーザーであってもよい。
ソナー509は、超音波等の音波の反射を利用してドローン機体と地表との距離を測定する。これらのセンサー類は、ドローンのコスト目標や性能要件に応じて取捨選択してよい。また、機体の傾きを測定するためのジャイロセンサー(角速度センサー)、風力を測定するための風力センサーなどが追加されていてもよい。また、これらのセンサー類は、二重化または多重化されていてもよい。同一目的複数のセンサーが存在する場合には、フライトコントローラー501はそのうちの一つのみを使用し、それが障害を起こした際には、代替のセンサーに切り替えて使用するようにしてもよい。あるいは、複数のセンサーを同時に使用し、それぞれの測定結果が一致しない場合には障害が発生したと見なすようにしてもよい。
流量センサー510は薬剤の流量を測定するものであり、薬剤タンク104から薬剤ノズル103に至る経路の複数の場所に設けられている。液切れセンサー511は薬剤の量が所定の量以下になったことを検知するセンサーである。マルチスペクトルカメラ512は圃場720を撮影し、画像分析のためのデータを取得する手段である。障害物検知カメラ513は障害物を検知するためのカメラであり、画像特性とレンズの向きがマルチスペクトルカメラ512とは異なるため、マルチスペクトルカメラ512とは別の機器である。
スイッチ514はドローン100の使用者が様々な設定を行なうための手段である。障害物接触センサー515はドローン100、特に、そのローターやプロペラガード部分が電線、建築物、人体、立木、鳥、または、他のドローン等の侵入者に接触したことを検知するためのセンサーである。なお、障害物接触センサー515は、6軸ジャイロセンサー505で代用してもよい。カバーセンサー516は、ドローン100の操作パネルや内部保守用のカバーが開放状態であることを検知するセンサーである。
薬剤注入口センサー517は薬剤タンク104の注入口が開放状態であることを検知するセンサーである。これらのセンサー類はドローンのコスト目標や性能要件に応じて取捨選択されてもよく、二重化・多重化してもよい。また、ドローン100外部の基地局710、モバイル端末701、または、その他の場所にセンサーを設けて、読み取った情報をドローン100に送信してもよい。例えば、基地局710に風力センサーを設け、風力・風向に関する情報をWi-Fi通信経由でドローン100に送信するようにしてもよい。
フライトコントローラー501はポンプ106に対して制御信号を送信し、薬剤吐出量の調整や薬剤吐出の停止を行なう。ポンプ106の現時点の状況(例えば、回転数等)は、フライトコントローラー501にフィードバックされる構成となっている。
LED107は、ドローンの操作者に対して、ドローンの状態を知らせるための表示手段である。LEDに替えて、または、それに加えて液晶ディスプレイ等の表示手段を使用してもよい。ブザー518は、音声信号によりドローンの状態(特にエラー状態)を知らせるための出力手段である。Wi-Fi子機機能519はモバイル端末701とは別に、例えば、ソフトウェアの転送などのために外部のコンピュータ等と通信するためのオプショナルな構成要素である。Wi-Fi子機機能に替えて、または、それに加えて、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、NFC等の他の無線通信手段、または、USB接続などの有線通信手段を使用してもよい。また、フライトコントローラー501、モバイル端末701、基地局710の各機器間の通信は、Wi-Fi子機機能に替えて、3G、4G、およびLTE等の移動通信システムにより相互に通信可能であってもよい。
スピーカー520は、録音した人声や合成音声等により、ドローンの状態(特にエラー状態)を知らせる出力手段である。天候状態によっては飛行中のドローン100の視覚的表示が見にくいことがあるため、そのような場合には音声による状況伝達が有効である。警告灯521はドローンの状態(特にエラー状態)を知らせるストロボライト等の表示手段である。これらの入出力手段は、ドローンのコスト目標や性能要件に応じて取捨選択してよく、二重化・多重化してもよい。
図7は、ドローン管理システム700全体の接続構成図の例である。
ドローン管理システム700は、ドローン100、モバイル端末701、管理端末703及び基地局710を備え、それぞれがネットワークを介して管理サーバ702に接続されている。なお、ネットワークは有線、無線を問わず、それぞれの端末はネットワークを介して情報を送受信することができる。
ドローン100及びモバイル端末701は圃場720において基地局710を介して通信を行うことが可能であり、ドローン100が薬剤の散布フライトを行う。
ネットワークは1つの通信規格により通信するネットワークでもよいし、複数の通信規格網が組み合わされたネットワークであってもよい。例えば、ドローン100とモバイル端末701はそれぞれ基地局710が提供するWi-Fiによりネットワーク接続されてもよいし、ドローン100とモバイル端末701はそれぞれLTE等の携帯通信網によりネットワーク接続されてもよい。また、ドローン100が基地局710により提供されるWi-Fiにより接続され、基地局710とモバイル端末701は携帯通信網により接続される構成としてもよい。
モバイル端末701は使用者の操作によりドローン100に指令を送信し、また、ドローン100から受信した情報(例えば、位置、薬剤量、電池残量、カメラ映像等)を表示する。例えばタブレット端末やスマートフォン等の携帯情報機器によって実現される。ドローン100は管理サーバ702からの指示により自律飛行を行なうが、モバイル端末701により、離陸や帰還などの基本操作時、および、緊急時にはマニュアル操作を行うことができる。モバイル端末701は、基地局710と接続されており、基地局710を介して、若しくは直接管理端末703と通信を行うことができる。
管理サーバ702は、例えばクラウド上に配置されたサーバであり、圃場管理情報1300に基づいてドローン100の散布飛行ルートを算出し、ドローン100の自立飛行を制御する。また、ドローン100に搭載されたカメラや各種センサーから取得された情報を収集し、圃場や作物の状態等、様々な分析を行うことができる。
管理端末703は、管理サーバ702を操作する端末であり、管理サーバ702の各種設定を行う。また、ドローン100やモバイル端末701を制御することも可能である。
基地局710は、圃場720に設置され、Wi-Fi通信の親機機能等を提供する装置であり、RTK-GPS基地局としても機能し、ドローン100の正確な位置を提供できるようになっている(Wi-Fi通信の親機機能とRTK-GPS基地局が独立した装置であってもよい)。また、基地局710は、3G、4G、およびLTE等の携帯通信網を用いて、管理サーバ702と通信可能である。
ドローン管理システム700のそれぞれの端末や管理サーバ702は、例えば、スマートフォン、タブレット、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)などの携帯端末(モバイル端末)でもよいし、メガネ型や腕時計型、着衣型などのウェアラブル端末でもよい。また、据置型または携帯型のコンピュータや、クラウドやネットワーク上に配置されるサーバでもよい。また、機能としてはVR(仮想現実:Virtual Reality)端末、AR端末、MR(複合現実:Mixed Reality)端末でもよい。あるいは、これらの複数の端末の組合せであってもよい。例えば、1台のスマートフォンと1台のウェアラブル端末との組合せが論理的に一つの端末として機能し得る。またこれら以外の情報処理端末であってもよい。
ドローン管理システム700のそれぞれの端末や管理サーバ702は、それぞれオペレーティングシステムやアプリケーション、プログラムなどを実行するプロセッサ(制御部)と、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置と、ICカードやハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、ネットワークカードや無線通信モジュール、モバイル通信モジュール等の通信制御部と、タッチパネルやキーボード、マウス、音声入力、カメラ部の撮像による動き検知による入力などの入力装置と、モニタやディスプレイ等の出力装置とを備える。なお、出力装置は、外部のモニタやディスプレイ、プリンタ、機器などに、出力するための情報を送信する装置や端子であってもよい。
主記憶装置には、各種プログラムやアプリケーションなど(モジュール)が記憶されており、これらのプログラムやアプリケーションをプロセッサが実行することで全体システムの各機能要素が実現される。なお、これらの各モジュールは集積化する等によりハードウェアで実装してもよい。また、各モジュールはそれぞれ独立したプログラムやアプリケーションでもよいが、1つの統合プログラムやアプリケーションの中の一部のサブプログラムや関数などの形で実装されていてもよい。
本明細書では、各モジュールが、処理を行う主体(主語)として記載をしているが、実際には各種プログラムやアプリケーションなど(モジュール)を処理するプロセッサが処理を実行する。
補助記憶装置には、各種データベース(DB)が記憶されている。「データベース」とは、プロセッサまたは外部のコンピュータからの任意のデータ操作(例えば、抽出、追加、削除、上書きなど)に対応できるようにデータ集合を記憶する機能要素(記憶部)である。データベースの実装方法は限定されず、例えばデータベース管理システムでもよいし、表計算ソフトウェアでもよいし、XML、JSONなどのテキストファイルでもよい。
モバイル端末701を情報処理装置と呼ぶこともあるし、管理サーバ702を情報処理装置と呼ぶこともある。
図8は、モバイル端末701に表示される圃場情報表示画面800の例である。
モバイル端末701の画面表示モジュール1011は、モバイル端末701に記憶された地図情報1200及び圃場管理情報1300を取得し、圃場情報表示画面800を生成して、画面等の出力装置1005に出力する。
なお、画面表示モジュール1011は、管理サーバ702に記憶された地図情報1200や1200及び圃場管理情報1300をネットワーク経由で取得して、圃場情報表示画面800を生成する構成であってもよい。
圃場情報表示画面800の背面には地図801が表示されており、その中で圃場の情報が圃場管理情報1300に記憶されている圃場802、803、804に、情報が登録されていることを示すアンカー805が表示されている。
圃場とは、ドローン100による薬剤散布の対象となる田圃や畑等である。実際には、圃場の地形は複雑であり、事前に地形図が入手できない場合、あるいは、地形図と現場の状況が食い違っている場合がある。通常、圃場は家屋、病院、学校、他作物圃場、道路、鉄道等と隣接している。また、圃場内に、建築物や電線等の侵入者が存在する場合もある。圃場は、薬剤散布の対象エリアの1つの例である。
画面表示モジュール1011は、画面のタップなどにより入力装置1004を介してユーザから圃場802の選択を受け付けると、圃場802に対応する情報を、圃場管理情報1300から取得し、圃場情報表示領域810に表示する。また画面表示モジュール1011は、選択された圃場802の周囲を明るい色の太線に変更するなど、圃場802が選択されていることを示すハイライト表示を行う。
圃場情報表示領域810には、圃場名811、住所812、面積813、作付作物名814等、圃場管理情報1300から取得される情報が表示される。
散布情報表示領域820には、薬剤の散布に関連する情報が表示される。作付作物名814や散布時期などによって散布される薬剤は変わり、近い時期に散布すべき薬剤情報を薬剤管理情報1600から取得して表示する。
散布情報表示領域820には、管理サーバ702の散布関連情報管理モジュール1114が取得または算出した薬剤の散布に関連する情報、例えば圃場の散布フライトに必要な薬剤名、散布量、希釈量、エネルギー量などを表示する。
状態830には、選択された圃場802に対する現在の状態として、例えば、「測量済」、「飛行経路あり」などの情報が表示される。
最新飛行日時840には、最新の散布フライト日時の情報が表示される。
飛行ステータス表示欄850には、ドローンの散布飛行の現在のステータスが表示される。
コンパス861は、地図801が表示している方位を示す。
圃場全体表示ボタン862が選択されると、画面表示モジュール1011は、選択された圃場が画面いっぱいになるように表示の縮尺を変更する。
現在地移動ボタン863が選択されると、画面表示モジュール1011は、モバイル端末701のGPSにより取得された現在地が画面の中心になるように表示を変更する。
スケジュール表示ボタン870が選択されると、画面表示モジュール1011は、当日の薬剤散布スケジュールを表示する。
図9は、モバイル端末701に表示されるドローン操作画面900の例である。
ドローンバッテリー表示901にはドローンの現在のバッテリー残量が表示される。
ドローン位置902には、ドローン100の現在の位置情報が表示される。
散布フライト進捗情報912には、現在の散布フライトの進捗情報が表示される。例えば散布フライトの飛行ルートの進捗状況や、散布薬剤の残量、バッテリー残量等が表示される。
飛行ステータス表示欄921には、ドローン100の散布飛行の現在のステータスが表示される。
メッセージ表示欄922には、ドローン100との通信内容や飛行状態等を示すメッセージが表示される。
高度変更ボタン923、924は、ドローン100の飛行高度を変更するためのボタンである。マイナスを押すと高度が下がり、プラスを押すと高度が上がる。
緊急停止ボタン925は、飛行しているドローン100を緊急停止等するボタンであり、その場でホバリングを行う一時停止の他、飛行開始地点に戻るオプションや、その場でモーターを緊急停止するオプション等も表示可能である。
ドローン操作画面900の例では、薬剤散布の対象となる圃場930が地図上に表示されており、圃場930上の散布フライトの飛行経路931が表示されている。ドローン100は、モバイル端末701または管理サーバ702に記憶された飛行経路管理情報1800に従い、指定された飛行座標を順に飛行する。
高度変更ボタン923、924や緊急停止ボタン925等、ドローン100への操作を必要とする操作を受け付けると、ドローン操作モジュール1012が、これらの操作に対応するコマンド等の情報をドローン100に送信し、ドローン100を操作することができる。
次の散布スケジュール表示ボタン940は、現在実行されている散布フライトの次の散布フライトのスケジュールを表示するためのボタンである。このボタンが押されると、スケジュール管理情報1900から取得された次の散布フライトに関する情報が表示される。
図10は、モバイル端末701のハードウェア構成の例である。
モバイル端末701は、例えばタブレットやスマートフォン、ヘッドマウントディスプレイ等の端末である。
主記憶装置1001には、画面表示モジュール1011、ドローン操作モジュール1012、スケジュール管理モジュール1013等のプログラムやアプリケーションが記憶されており、これらのプログラムやアプリケーションをプロセッサ1003が実行することでモバイル端末701の各機能要素が実現される。
画面表示モジュール1011は、圃場情報表示画面800や、ドローン操作画面900を表示パネルなどの出力装置1005に表示する。
ドローン操作モジュール1012は、ユーザによる高度変更ボタン923、924や、緊急停止ボタン925等の操作を受け付けた場合に、これらの操作に対応するコマンド等の情報をドローン100に送信し、ドローンのフライトを操作する。
スケジュール管理モジュール1013は、複数の圃場に連続して散布フライトを行う場合に、それぞれの散布フライトのスケジュールを管理する。
補助記憶装置1002は、地図情報1200、圃場管理情報1300、機器管理情報1400、ユーザ管理情報1500、薬剤管理情報1600、エネルギー管理情報1700、飛行経路管理情報1800、スケジュール管理情報1900等の各種情報を記憶する。
図11は、管理サーバ702のハードウェア構成の例である。
管理サーバ702は、例えばクラウド上に配置されたサーバで構成される。
主記憶装置1101には、画面出力モジュール1111、飛行管理モジュール1112、ユーザ・機器管理モジュール1113、散布関連情報管理モジュール1114、飛行経路管理モジュール1115、スケジュール管理モジュール1116が記憶されており、これらのプログラムやアプリケーションをプロセッサ1103が実行することで管理サーバ702の各機能要素が実現される。
画面出力モジュール1111は、圃場情報表示画面800や、ドローン操作画面900を表示するための情報を抽出・生成し、モバイル端末701に送信する。画面情報そのものを生成し、モバイル端末701等で表示することとしてもよい。
飛行管理モジュール1112は、圃場管理情報1300や飛行経路管理情報1800等の情報に基づいて、ドローン100の散布フライトを管理する。
ユーザ・機器管理モジュール1113は、ドローン100を使用するユーザに関する情報をユーザ管理情報1500に登録し、管理する。
散布関連情報管理モジュール1114は、散布フライトに必要な薬剤散布量や薬剤量、希釈量、希釈に要する水の量、バッテリー数などのエネルギー量を管理する。
飛行経路管理モジュール1115は、圃場管理情報1300に基づいて、ドローン100の散布フライトの飛行経路を算出する。
スケジュール管理モジュール1116は、複数の圃場や、複数日にまたがる散布フライトのスケジュールを生成し、管理する。生成された薬剤散布スケジュールは、スケジュール管理情報1900に記憶される。
補助記憶装置1102は、地図情報1200、圃場管理情報1300、機器管理情報1400、ユーザ管理情報1500、薬剤管理情報1600、エネルギー管理情報1700、飛行経路管理情報1800、スケジュール管理情報1900等の各種情報を記憶する。
なお、モバイル端末701と管理サーバ702で同じ情報が記憶されているが、これはそれぞれの情報が同期されてもよいし、単にどちらかの情報をコピーしても構わない。また一部または全ての情報を管理サーバ702上に記憶しておき、モバイル端末701からは必要に応じて管理サーバ702から情報をダウンロードする構成であっても構わない。
図12は、管理端末703のハードウェア構成の例である。
管理端末703は、例えばデスクトップPC、ノートPCやタブレット等の端末である。
主記憶装置1201には、ドローン設定モジュール1211や管理サーバ設定モジュール1212等のプログラムやアプリケーションが記憶されており、これらのプログラムやアプリケーションをプロセッサ1203が実行することで管理端末703の各機能要素が実現される。
ドローン設定モジュール1211は、ドローン100の散布フライト設定や初期設定などの各種操作や設定を行う。
管理サーバ設定モジュール1212は、管理サーバ702の初期設定などの各種設定を行う。
補助記憶装置1202は、ドローン設定情報1221や管理サーバ設定情報1222等の各種情報を記憶する。
図13は、圃場管理情報1300の例である。
圃場管理情報1300は、薬剤散布を行う対象である圃場に関する各種情報を記憶しており、圃場ID、圃場名、圃場位置、圃場周囲座標、圃場面積、作付作物等の情報を記憶する。圃場管理情報1300を単に圃場情報と呼ぶこともある。
圃場IDは、圃場を一意に特定する識別情報である。
圃場位置1311は、圃場の位置座標を示し、例えば圃場の中心の緯度・経度の情報を有する。
圃場周囲座標1312は、圃場の周囲の座標を示し、例えば4角形の圃場であれば角の4点の位置座標である。サンプル値のGC007は、位置座標が連続してカンマ区切りなどで記憶された情報へのリンクを示す。
圃場面積1313は、圃場IDに対応する圃場の総面積である。
作付作物1314は、圃場に作付けされている作物等を特定する情報を記憶する。
図14は、機器管理情報1400の例である。
機器管理情報1400は、ドローン100を管理するための情報を記憶しており、機器ID、機器名、型番、仕様、ユーザ、エネルギー、飛行可能時間などの情報を記憶する。
機器IDは、ドローン100を一意に特定する識別情報である。
ユーザは、現在そのドローン100を使用しているユーザの情報であり、ユーザ管理情報1500のユーザIDを記憶する。
エネルギー1411は、ドローン100に搭載可能なエネルギーに関する情報であり、エネルギー管理情報1700のエネルギーIDを記憶する。
飛行可能時間1412は、ドローン100に搭載できるエネルギーによる飛行可能時間を示す。例えばバッテリー2個1セットで15分飛行可能であること等の情報が記憶されている。
図15は、ユーザ管理情報1500の例である。
ユーザ管理情報1500は、ドローン100を操作するユーザの情報を記憶しており、ユーザID、ユーザ表示ID、名前、メールアドレス、生年月日、性別等の情報を記憶する。
ユーザIDは、ユーザを一意に特定する識別情報である。
ユーザ表示IDは、モバイル端末701等に表示されるユーザの情報であり、例えば、ユーザが登録したニックネーム等である。
図16は、薬剤管理情報1600の例である。
薬剤管理情報1600は、散布する薬剤の情報を記憶しており、薬剤ID、薬剤名、品番、仕様、希釈率、散布量等を記憶する。
薬剤IDは、薬剤を一意に特定する識別情報である。
薬剤名1602は、例えば農薬、除草剤、液肥、殺虫剤、種などの圃場に散布される液体、粉体又は微粒子の商品等の名前を示す。
仕様1603は、薬剤の使用方法や希釈方法、対象作物、散布方法などの情報が記憶されており、仕様1603に記載された内容に従って、薬剤の希釈や散布処理を実行する。
希釈率1604は、薬剤を希釈する割合が記憶されており、例えば薬剤対水の割合や、希釈に用いる薬剤と水の量等が記憶される。
散布量1605は、希釈された希釈後薬剤(散布薬剤)の散布量を記憶する。例えば1haあたり10Lの散布薬剤を散布することが示されている。
図17は、エネルギー管理情報1700の例である。
エネルギー管理情報1700は、ドローン100のフライトに必要な例えばバッテリーなどのエネルギーに関する情報を記憶しており、エネルギーID、エネルギー名、型番、種類、仕様等の情報を記憶する。
エネルギーIDは、エネルギーを一意に特定する識別情報である。
種類は、エネルギーの種類を示し、例えば電池(バッテリー)やガソリン、ジェット燃料等が記憶される。
図18は、飛行経路管理情報1800の例である。
飛行経路管理情報1800は、ドローン100のフライトの経路を示す情報を記憶しており、経路ID、対象ID、経路座標、経路合計距離などを記憶する。
経路IDは、飛行経路を一意に特定する識別情報である。
対象IDは、飛行経路を算出した対象である圃場や、圃場と圃場の間の移動経路等を特定する情報である。例えばfarm003は対象が圃場でることを示し、route002は対象が圃場外の移動経路であることを示す。
経路座標1811は、フライトの経路座標を示す情報へのリンクであり、フライトの経路座標は、例えば連続する複数の位置座標の組み合わせで表現される。位置座標としては、緯度と経度の組み合わせや、緯度と経度と高度の組み合わせ等が考えられる。
経路合計距離1812は、フライトの開始からスケジュールまでの飛行経路全体を飛んだ場合の経路の合計距離を示す。
図19は、スケジュール管理情報1900の例である。
スケジュール管理情報1900は、複数の圃場を散布フライトする場合のスケジュールを規定する情報であり、スケジュールID、スケジュール名、日時、開始場所、スケジュール等の情報を記憶する。
スケジュール1901は、散布フライトを行う圃場や、圃場間の移動経路などを特定する情報を記憶する。例えばサンプル値の例だと、farm006、farm005で特定される圃場2つを飛行した後に、route001で示される移動経路を飛行した後、farm003で特定される圃場を飛行し、other001で指定されるその他のイベント(例えば昼食時間など)を経過した後、farm002で特定される圃場を飛行するスケジュールである。
散布関連情報1902は、図32のスケジュール管理情報出力処理フロー3200により算出され、出力された全スケジュール総合の薬剤散布量、希釈量、エネルギー量等を記憶する。なお、図22の散布関連情報出力処理フロー2200により算出され、出力された各圃場の薬剤散布量、希釈量、エネルギー量等を記憶してもよい。
なお、散布関連情報は、薬剤散布フライトに必要な薬剤散布量、希釈量、エネルギー量等を含む情報である。
スケジュールの規定方法は一例であって、その他のスケジュール管理方法であっても構わない。
図20乃至図23を参照すると、図1乃至図5に例示した実施例1の変更実施形態が例示されている。
図20乃至図23に例示した実施例2では、図1乃至図5に例示した実施例1と対比して、上記薬剤ノズル103-1、103-2、103-3及び103-4を除く構成は同一であるため、他の構成要素については同一の参照番号で示し、記載の重複を避けるため、詳細な説明は割愛する。
図20は、実施例2に係るドローンの平面図の例である。
図21は、実施例2に係るドローンの正面図の例である。
図22は、実施例2に係るドローンの背面図の例である。
図23は、実施例2に係るドローンの斜視図の例である。
図20乃至図23に示すように、ドローン100の本体110の4隅には、上下2段の二重反転する回転翼の組がそれぞれ配置されており、このためドローン100の本体110には、計8つの回転翼101-1a乃至101-4a及び101-1b乃至101-4bが配置されている(以下、単に回転翼101と記載する)が設けられている。
即ち、複数の回転翼101が、本体110の前方左右と後方左右の4か所に少なくとも配置される。ドローン100の中には、前進と後進(バック)を可能にするものがあり、その場合、機体の前方/後方という概念が無いものがある。本明細書では、「前方」が、通常の散布時のドローン100の進行方向に該当し、「後方」が、ドローン100の飛行時の進行方向に対して180度反対の方向に該当する。
好適には、ドローン100の本体110の進行方向前方の左右両側と進行方向後方の左右両側との4隅に、それぞれ回転翼101が配置されている。ドローン100を浮上させるために、各回転翼101が回転すると、揚力が生成される。各回転翼101から吹き下ろされる風をダウンウォッシュという。ドローン100の前進時には、前方から後方に向って本体110に風が流れ、その周囲では上昇気流が生じるなど、ドローン100の周囲では気流が変化する。
1段構成の回転翼の場合と比較して、2段構成の回転翼101の場合には、ドローン100を浮上させる揚力がより強まる。この結果、各回転翼101から下方に向う気流の流れはより強まる。ドローン100を用いて薬剤散布を行う場合、薬剤の周囲への飛散を回避して、薬剤を効率的に地上の作物に届けるために、この特徴的な気流の変化を考慮する必要がある。
図24は、回転翼と薬剤ノズルとの配置を概略的に示した例である。
図24を参照すると、各回転翼101は、同一の半径を有するのが好ましく、例えば、同一の半径Rを有する。前方左右両側に位置する回転翼101は、互いに中心軸O1、O2の間で、中心間距離Lで離間している。前方左右両側に位置する回転翼101は、左右方向の隣り合う回転翼101が互いに衝突しないように、それぞれの間にスペース(以下、回転翼間距離という)Sを設けている。ドローン100の浮上時には、各回転翼101の半径Rに対応する回動領域内で、ダウンウォッシュが生じる。回転翼間距離Sの領域は、各回転翼101のつくりだすダウンウォッシュの外側の領域に該当する。
一例を挙げると、回転翼101の直径が70センチメートル、回転翼101の回転速度が毎分2,000回転、ドローン100の本体110の機体重量が20キログラムの場合には、ダウンウォッシュの風速は毎秒10メートル以上となり得る。半径R、中心間距離L、回転翼間距離Sの各大きさは、実施形態に従って適宜選択される。
図1乃至図5に例示した実施例1では、前方の左右両側の回転翼101(即ち、左前方の回転翼101-2a及び101-2b並びに右前方の回転翼101-4a及び101-4b)の回動領域内に、それぞれ2つの薬剤ノズル(即ち、103-1及び103-2の組と、103-3及び103-4の組)を配置している。この場合、各薬剤ノズル103-1、103-2、103-3及び103-4から吐出される薬剤は、各回転翼101の回動領域内のダウンウォッシュに沿って下降する。
前方左右両側の回転翼101の間の領域(図24の回転翼間距離Sを参照)では、各回転翼101のダウンウォッシュの領域外となるため、薬剤がその領域に比較的届きにくくなっており、ダウンウォッシュの下方の薬剤散布量が密な領域と比較して、回転翼101の間の領域(ドローン100の中央領域)では薬剤散布量が疎となる可能性がある。この回転翼間距離Sの大きさが、半径Rや中心間距離Lなどとの関係で相対的に小さい場合、本体110の幅方向で比較的均一な薬剤の噴霧が得られ、薬剤が疎となる割合が抑えられる。一方、この回転翼間距離Sの大きさが比較的大きい場合、ドローン100の中央領域での薬剤が疎となる割合が無視できなくなる。
即ち、進行方向前方の左右両側の回転翼101が、互いに所定の範囲内の値で、ドローンの幅方向(左右方向)で離間している(符号S参照)。この回転翼間距離Sが所定より小さい場合、回転翼間領域の散布ムラの問題が生じず、その領域内で追加のノズルを設ける効果が出ない(実施例1参照)。一方、回転翼間距離Sが所定より大きい場合、回転翼間領域に生じる上昇気流が大きくなり、その領域内で散布した薬剤が十分に地上に到達することが困難になる。
図25を参照すると、ドローン100の前方左右両側に位置する回転翼101(即ち、回転翼101-2a及び101-2b並びに101-4a及び101-4b)の中心付近における、図20のA-A線に沿った断面での気流の流れを模式的に示している。同図では、本体110の相対位置を参考に重ねて示している。
図26を参照すると、ドローン100の本体110中央付近における、図20のB-B線に沿った断面での気流の流れを模式的に示している。
図25及び図26において、各矢印は、気流の流れを概略的に例示している。図25及び図26において、濃い灰色は、比較的強い気流の領域を例示し、薄い灰色は、比較的弱い気流の領域を例示し、白色(背景色)は、最も弱い気流の領域を例示している。
図25及び図26は、本発明の技術思想を説明するために作成されたものであり、気流の流れを厳密に表したものではないことを理解されたい。
図25に例示されているように、各回転翼101の真上では、回転翼101に向って下向きの風の流れが生じている。これは、回転翼101の回転に伴い、気流が流れ込むことに対応している。各回転翼101の真下では、最も強い勢いで下向きの風の流れが生じている(濃い灰色と薄い灰色の領域を参照)。濃い灰色と薄い灰色の領域は、ダウンウォッシュに含まれる。各回転翼101の左右の外側では、下方から上方に巻き上がる気流が生じている(符号a1及びa2参照)。
ダウンウォッシュは、各回転翼101の回転軸の周りで勢いが強まるため、断面視では、略ドーナッツ形状を有する。また、ダウンウォッシュは、下方に向ってすそ広がりになるため、正面視では、略円筒形状または略円錐形状を有する。ダウンウォッシュは強い勢いを有するため、その周囲に風の膜または風のカーテンを作ることができる。ダウンウォッシュは防護壁として機能し、ダウンウォッシュの内側に吹き付けられた薬剤が周囲に飛散することを防ぎながら、薬剤を地上の作物まで下降させることができる。
図24に例示したように、各回転翼101の間に回転翼間距離Sが生じる場合がある。この場合、図25に例示されているように、回転翼間距離Sの領域は、ダウンウォッシュの領域の外側にあるため、下方に向う気流の流れは弱まる(図25の中央参照)。左右両側の各回転翼101の間では、上部では、一部下方から上方に巻き上がる気流が生じ(符号a3参照)、下部では、上方から下向きの風の流れが生じている(符号a4参照)。この特徴的な風の流れは、本出願人によるドローン100の流体解析に基づいて確認された。
従って、薬剤吐出時には、出来るだけ、強い勢いで下方に向うダウンウォッシュの気流(図25の濃い灰色と薄い灰色の領域を参照)に薬剤を乗せて下降させるのが好ましい。この際、符号a1及びa2に示した周囲の上昇気流に薬剤が乗せられて、周囲に薬剤が飛散することを回避するのが好ましい。また、各回転翼101の間の回転翼間距離Sでは、符号a3に示した上昇気流に薬剤が乗せられるのを回避して、符号a4に示した下方に向う気流に薬剤を乗せて下降させるのが好ましい。さらに、ドローン100の前進移動時には、前方から後方に向う風の流れ(風圧)を考慮するとともに、ドローン100のホバリング時にはその風圧がなくなることを考慮する。
図26はドローン100の本体110中央付近における、図20のB-B線に沿った断面での気流の流れを模式的に示している。
図26に例示されているように、前後の各回転翼101の間の領域では、ダウンウォッシュの領域の外側にあるため、下方に向う気流の流れは弱まる。図25に例示した最も濃い灰色の領域(最も流れの速い領域)は、図26では確認することができない。この場合も、各回転翼101の左右の外側では、下方から上方に巻き上がる気流が生じている(符号b1、b2参照)。また、左右両側の各回転翼101の間では、上部では、一部下方から上方に巻き上がる気流が生じ(符号b3参照)、下部では、上方から下向きの風の流れが生じている(符号b4参照)。
従って、ダウンウォッシュが生じる外側の領域では、上昇気流が発生する領域(符号a1、a2、b1、b2参照)に薬剤が散布されると、薬剤が地上の作物に届く前に舞い上がり、圃場外に浮遊して出てしまう虞がある。
また、ダウンウォッシュが生じる内側の領域であっても、上昇気流が発生する領域(符号a3、b3参照)に薬剤が散布されると、薬剤が地上の作物に届く前に舞い上がり、圃場外に浮遊して出てしまう虞がある。
本実施例では、ドローン100の周囲に生じる特徴的な気流の流れを考慮して(図25、図26)、左右の回転翼の間の領域の散布ムラを抑制しつつ、薬剤が圃場外に浮遊するドリフトを抑制できるようにする。
図27は、図20乃至図24に詳述したドローン100を用いて、薬剤の散布を行う構成を簡略化して示している。
この構成は、ドローン本体110の中央に配置された薬剤タンク104と、ドローン本体110の前方の幅方向に複数のノズル開口203-1、203-2、203-3を列状に配置して形成されたノズル列と、薬剤タンク104からノズル列に薬剤を供給するための薬剤ホース105と、を含む。薬剤タンク104から出る薬剤は、ポンプ106(図21などを参照)によって、薬剤ホース105を通って各ノズル開口203-1、203-2、203-3まで加圧供給されてもよい。各ノズル開口203-1、203-2、203-3から吐出される薬剤は、霧状に噴霧されてもよい。
図1乃至図5に例示した実施例1では、薬剤散布を行う薬剤ノズルは、ドローン100の本体110の進行方向前方の左右両側の回転翼の回動領域の下方にそれぞれ配置された回転翼下方ノズル(即ち、103-1乃至103-4)のみを含む。
これに対して、図20乃至図24に例示した実施例2では、薬剤ノズルは、ドローン100の本体110の進行方向前方の左右両側の回転翼の回動領域の下方にそれぞれ配置された回転翼下方ノズル(即ち、203-1及び203-2)と、進行方向前方の左右両側の回転翼の回動領域の間に配置された回転翼間ノズル(即ち、203-3)と、を含む。
この際、進行方向前方の左右両側の回転翼101が、互いに所定の範囲内の値で、ドローン100の幅方向で離間している(図24の符号S参照)。例えば、回転翼間距離Sとしては20cm以上70cm以下が想定される。回転翼間距離Sが狭すぎると、左右両側の回転翼101から生じるダウンウォッシュが中央で合わさり、薬剤が地上の作物に密に散布されるため、回転翼間ノズル203-3を設ける必要性は高くない。一方回転翼間距離Sが35cm以上の場合には、ダウンウォッシュ間に下降気流が疎の部分ができ、薬剤散布が疎になる部分が増えてくるため、回転翼間ノズル203-3を設ける意義が高くなる。
好ましくは、ドローン100の本体110の幅方向に薬剤供給用の共通のホース(パイプまたは管でもよい)105を取り付けて、このホース上に3つのノズル203-1、203-2、203-3を配置する。例えば、各ノズル開口は、本体の幅方向に同一直線上に並置される。各ノズル開口を結ぶ流路の数を減らすことで、部品点数を削減して、軽量化や、製造の容易化などを図る。ただし、薬剤タンク104から各ノズル開口をそれぞれ異なるパイプで結ぶことは可能である。
薬剤ホース105は、必ずしも本体110の幅方向に直線状に延在しなくてもよい。その延在方向を一部変更させて、3つの薬剤ノズル203-1、203-2、203-3の前後方向や上下方向の位置を相違させることは可能である。
図27を参照すると、図25に例示した気流の流れに基づいて、図24に例示したノズル列の各ノズル開口から吐出される薬剤の流れを例示している。
前方左側の回転翼下方ノズル203-1は、本体110の前方左側に配置された回転翼101-2a及び101-2bの回動領域の下方に配置される。ダウンウォッシュを効果的に利用するため、これら上下2段の回転翼101の回動領域の前端と後端の間であって、かつ右端と左端の間の領域内に、ノズル203-1が配置されている。ノズル203-1から薬剤が吐出されると、回転翼101下方のダウンウォッシュ内の気流に乗って噴霧が下降する。
図27に例示した構成では、ノズル203-1は、回転翼101の回転軸の真下から左側(外側)に寄せられており、外側に吐き出される薬剤は、符号j1に示すように、外側のダウンウォッシュに乗って下降する。また、内側に吐き出される薬剤は、符号j2に示すように、内側のダウンウォッシュに乗って下降することができる。ノズル203-1から吐出される薬剤の幅方向の大きさを符号I1で概略的に示している。
同様に、前方右側の回転翼下方ノズル203-2は、本体110の前方右側に配置された回転翼101-4a及び101-4bの回動領域の下方に配置される。ダウンウォッシュを効果的に利用するため、これら上下2段の回転翼101の回動領域の前端と後端の間であって、かつ右端と左端の間の領域内に、ノズル203-2が配置されている。ノズル103-2から薬剤が吐出されると、回転翼101下方のダウンウォッシュ内の気流に乗って噴霧が下降する。
図27に例示した構成では、ノズル203-2は、回転翼101の回転軸の真下から右側(外側)に寄せられており、外側に吐き出される薬剤は、符号j3に示すように、外側のダウンウォッシュに乗って下降する。また、内側に吐き出される薬剤は、符号j4に示すように、内側のダウンウォッシュに乗って下降することができる。ノズル203-2から吐出される薬剤の幅方向の大きさを符号I2で概略的に示している。
上述のように、前方左右両側の回転翼101の間の回転翼間距離S(図24参照)の大きさによっては、回転翼101下方のノズル203-1及び203-2だけでは、本体110の幅方向で均一な薬剤の噴霧を確保できないことが起こり得る(符号I1とI2を参照)。符号I1とI2の間に隙間が生じているため、ドローン100の幅方向で薬剤の噴霧にムラが生じて、特に中央部で薬剤が疎になり易いことが起こり得る。
図27に例示した構成では、前方中央の回転翼間ノズル203-3が、前方左右両側の回転翼101の間に配置される。このノズル203-3は、前方左右両側の回転翼101の各回動領域の外側に位置している。これは、図24を参照すると、前方左右の回転翼101が、本体110の幅方向で互いに離間して配置されていて、回転翼間距離Sの大きさが比較的に大きい場合に相当する。ただし、この回転翼間距離Sの大きさは、必要以上に大き過ぎないものとする。
図27を参照すると、好ましくは、ノズル203-3から出る薬剤は、その左右両側のダウンウォッシュに対して、横方向外側に吹き付けられる(符号j5、j6参照)。ダウンウォッシュに対して外側から吹き付けられた薬剤は、ダウンウォッシュの風のカーテンに乗って下降する。つまり、ダウンウォッシュの外側の境界では、下方に向う気流の流れが強いため、その気流の流れを利用して、薬剤を下降させる(図25の灰色の領域を参照)。ノズル203-3から吐出される薬剤の幅方向の大きさを符号I3で概略的に示している。
回転翼間ノズル203-3は、ドローン100の進行方向において、本体110の後方の左右両側に配置された回転翼101の回動領域の前方端(図24の符号111参照)よりも前方に配置される。このため、回転翼間ノズル203-3は、少なくとも進行方向後方の回転翼101によるダウンウォッシュを利用できる(図31の符号m3、m4参照)。
好ましくは、回転翼間ノズル203-3は、ドローン100の進行方向前方の左右両側の回転翼101の回動領域の後端よりも前方に配置される(図24の符号Z参照)。また、回転翼間ノズル203-3は、ドローン100の進行方向前方の左右両側の回転翼101の回動領域の前端よりも後方に配置される。このため、回転翼間ノズル203-3は、進行方向前方及び後方の回転翼101によるダウンウォッシュを利用できる(図31の符号m1、m2、m3、m4参照)。
従って、回転翼間ノズル203-3は、前方及び/又は後方の左右の回転翼101が生成するダウンウォッシュに外側から薬剤を吹き付けることにより、地上の作物に対してムラなく薬剤を散布できる。
さらに、ドローン100の前進時には、前方から後方に向う気流が生じるため、この風圧が防護壁として作用する(図29の紙面垂直方向)。このため、前方回転翼の間の領域では、ダウンウォッシュの影響が小さいが、散布動作を行う前進時には前方から風を受けるため、回転翼間ノズル203-3付近では上昇気流が穏やかとなり、薬剤が吹き上げられることを抑制できる。
よって、3つの薬剤ノズル203-1、203-2、203-3から吐出される薬剤が本体110の幅方向で略均一化されて、薬剤が過度に疎となる領域が生じることが防がれる(図27の符号I1、I2、I3参照)。
好ましくは、隣り合う薬剤ノズルから吐出される薬剤の幅方向の広がりI1乃至I3は、互いに一部重なり合うことで、薬剤が過度に疎となる部分が生じることを防ぐ。この互いに一部重なり合う部分は、薬剤が過度に密になるのを防ぐように適当に定められる。
ただし、これら3つの薬剤ノズル203-1、203-2、203-3の本体110の幅方向の配置は、実施形態に従って定められ、図示した構成に限定されない。
図24を参照すると、好ましくは、回転翼間ノズル203-3は、進行方向前方の左右両側の回転翼101の回動領域の後端から、回転翼101の半径の1/2の位置(符号R/2参照)よりも進行方向前方に配置される(符号Z参照)。上記ノズルの位置が、前方回転翼の間の領域であれば、散布動作を行う前進時には前方から風を受けるため、ノズル付近では上昇気流が生じないようにする。
この際、回転翼間ノズル203-3は、進行方向前方の左右両側の回転翼101の回動領域の後端から、回転翼101の半径の大きさの位置(符号R参照)よりも進行方向後方に配置されてもよい(符号Z参照)。
上述のように、回転翼101は、上下2重に配置されており、回転翼間ノズル203-3の上下方向の位置が、2段構成の回転翼101の下側の回転翼から下側に所定距離離間して配置される(図27の符号Y参照)。ここで、所定距離Yは、25cm以上であることが望ましい。ドローン100の前進時には、本体110の前方下部には、本体110の中央側に向う気流が生じるが(図25の符号a3参照、図26の符号b3参照)、その気流に薬剤が流されることを防止して、薬剤が上昇気流に乗って浮遊することを防止できる。また、その上昇気流の下側には下方に向う気流が生じるが(図25の符号a4参照、図26の符号b4参照)、その気流に薬剤を乗せて、効果的に薬剤を地上の作物に届けられるようにする。
回転翼下方ノズル203-1、203-2の位置と、回転翼間ノズル203-3の位置とは、図27に例示した位置に限定されない。例えば、図28に例示するように、回転翼下方ノズル203-1、203-2をそれぞれ回転翼101の回転軸の真下付近に配置するとともに、これらの中間に、回転翼間ノズル203-3を配置することは可能である。この場合、各回転翼下方ノズル203-1、203-2から出る薬剤を回転翼の回転軸の周りに等しく分散できる。回転翼間ノズル203-3から吐出される薬剤との重なり合いは、回転翼間距離Sなどを考慮して適宜定められる。
また、図29に示すように、回転翼下方ノズル203-1、203-2の本体110の上下方向の位置(符号Y参照)に対して、回転翼間ノズル203-3の本体110の上下方向の位置(符号Y’参照)をより下方にしてもよい。この場合、図25の符号a3及び図26の符号b3に例示した上昇気流を回避して、図25の符号a4及び図26の符号b4に例示した下向きの風を利用して薬剤を下降させることができる。回転翼間ノズル203-3から吐出される薬剤の幅方向の広がり(符号I’参照)は、回転翼間距離Sなどを考慮して適宜定められる。
さらに、図29に示すように、回転翼下方ノズル203-1、203-2の薬剤吐出方向をドローン中央側に傾ける構成にすることもできる。このようにすることで、ダウンウォッシュの中心に向かって薬剤を吐出し、均等に薬剤を散布することが可能となる。
さらに、ドローン100の飛行速度が変化すると、その間の中央部に発生する上昇気流が発生する位置が変化する。そのため、ドローン100の飛行速度が低下してノズル203-3付近の上昇気流が強くなった場合、ノズル203-3の吐出速度を上げてもよい。これによって、ドローン100の前方中央に上昇気流が流れ込んでも、ノズル203-3から吐出される薬剤が周囲に飛散しないように下降させることができる。
または、ドローン100の飛行速度が低下してノズル203-3付近の上昇気流が強くなった場合、ノズル203-3の吐出粒径を大きくしてもよい。吐出粒径が大きい方が薬剤が上昇気流に乗って巻き上げられにくいためである。
上記3つのノズル203-1、203-2、203-3は、それぞれ同一のノズルを有することができる。これらノズルは、それぞれ同一のノズル開口またはノズル形状を有することができる。上述のように、各ノズルの配置を工夫することで、幅方向にムラのない薬剤の吐出を図る(図27参照)。この場合、部品を共有化することで、ドローン100の製造、保守の効率化などが図られる。
ただし、ドローン100の本体110の前方の左右両側と中央とでは、気流の流れが相違するため(図25、図26参照)、周囲の気流の流れを最適に利用すべく、それぞれのノズル開口の形状などを相違させることは可能である。
例えば、図24で例示したように、前方左右両側の回転翼101の中心間距離L、半径Rなどに応じて、前方中央の回転翼間距離Sの大きさが生じる。その大きさに基づいて、最終的に幅方向に噴霧される薬剤の量が略均一になるように、回転翼間ノズル203-3から吐出される薬剤の量と、回転翼下方ノズル203-1、203-2から吐出される薬剤の量とを相違させてもよい。
例えば、回転翼下方ノズル203-1、203-2から吐出される薬剤の量と比べて、回転翼間ノズル203-3から吐出される薬剤の量を比較的小さくしてもよい。この場合、回転翼間ノズル203-3を追加した場合であっても、本体110の前方中央で薬剤が過度に密になることを防ぐことができる。回転翼間ノズル203-3から吐出される薬剤の量は、回転翼間距離Sなどを考慮して適宜定められる。
特に、図28に例示するように、回転翼下方ノズル203-1、203-2をそれぞれ回転翼101の回転軸の真下付近に配置するとともに、これらの中間に、回転翼間ノズル203-3を配置する場合、隣り合うノズルから吐出される薬剤が過度に重なり合うことを回避できる。
また、回転翼下方ノズル203-1、203-2のノズル開口の面積(大きさ)と比べて、回転翼間ノズル203-3のノズル開口の面積を比較的小さくしてもよい。また、回転翼下方ノズル203-1、203-2のノズル開口の形状と比べて、回転翼間ノズル203-3のノズル開口の形状を比較的相違させてもよい。この場合、各ノズル開口の大きさや形状を変えることによって、特別な制御を用いることなく、本体110の幅方向での薬剤の吐出量や吐出粒径を調整することができる。例えば、ノズル開口の大きさを小さくすることで、吐出される薬剤の速度を上げることができる。また、ノズル開口の形状を変えることで、吐出される薬剤の方向を定めることができる。例えば、前後方向に対して、左右方向により薬剤が吐出されるようにノズル開口の形状を定めてもよい。
なお、回転翼間ノズル203-3のノズル開口から吐出される薬剤の速度を、回転翼下方ノズル203-1、203-2のノズル開口から吐出される薬剤の速度よりも高めてもよい。この場合、本体110の前方中央で、強い勢いでダウンウォッシュに外側から薬剤を吹き付けることで、薬剤が付近の気流によって吹き上げられることを防ぐことができる(図25の符号a3、図26の符号b3参照)。
また、回転翼間ノズル203-3のノズル開口から吐出される薬剤の吐出粒径を、回転翼下方ノズル203-1、203-2のノズル開口から吐出される薬剤の吐出粒径よりも大きくしてもよい。これによって、ドローン100の中央に上昇気流が発生する場合であっても、回転翼間ノズル203-3から吐出される薬剤を周囲に飛散しにくい状態で下降させることができる。
また、回転翼下方ノズル203-1、203-2は、断面が略円形状に広がるダウンウォッシュに対応して円形状のノズル開口部を有するのに対して、回転翼間ノズル203-3は、左右両側のダウンウォッシュに対して外側から薬剤をより集中して吹き付けられるように、ノズル開口に工夫を施していてもよい。
例えば、回転翼間ノズル203-3は、そのノズル開口から吐出される薬剤の吐出量が、本体110の前後方向と比べて本体110の左右方向でより大きくしてもよい。この場合、回転翼間ノズル203-3から出る薬剤の大部分を左右両側のダウンウォッシュに乗せて下降させて、本体110の中央前方で薬剤が周囲に飛散されることを防止することができる。
例えば、図30を参照すると、図24に示した薬剤ノズル203-3について、その薬剤の吐出方向を特に左右両側に偏向して吹き付ける例が概略的に示している(符号p1、p2で示す領域参照)。換言すると、この薬剤は、薬剤ノズル203-3のノズル開口から円周状に吐出されるのではなく、左右の所定角度に限定して吐出される(符号q1、q2で示す角度参照)。このことは、薬剤ノズル203-3のノズル開口の形状に工夫を施すことで可能にしてもよい。このように、回転翼下方ノズル203-1、203-2から吐出される薬剤の本体110の左右方向の噴射角度に対して、回転翼間ノズル203-3から吐出される薬剤の本体110の左右方向の噴射角度の方がより大きくしてもよい。
または、例えば、回転翼間203-3ノズルは、ノズル開口の前方に、薬剤の吐出される方向を偏向するデフレクタを備えていてもよい。デフレクタは、ノズル開口から吐出される薬剤が衝突し、その流れを偏向して、左右両側に吐出方向を偏向する偏向面として、ノズル開口に対向して配置されてもよい。この場合、吐出される薬剤の大部分を左右のダウンウォッシュに導くことができる(図30参照)。
この際、図25、図26に例示したように、本体110の中央の上部側では、一部上昇気流(符号a3、b3参照)があるため、ノズル203-3から吐出される薬剤の方向をデフレクタなどによって左右に偏向させるとともに、下方向に偏向させて、上記上昇気流を回避させてもよい。
図31を参照すると、ドローン100の本体110を横方向から見た場合の、本体110の右側面図とともに、その長手方向に沿った気流の流れを模式的に示している。通常、ドローン100の上昇・下降は、各回転翼101の回転速度(回転数)の増減によって行い、前進・後進・旋回などは、各回転翼101の回転数に差をつけ、機体を傾ける。図31では、略水平状のドローン100の周囲の気流の流れを示しているが、この構成は、ドローン100が前傾状に前進移動するときにも同様に当てはまる。
図31を参照すると、ドローン100が前進移動するとき、本体110の前方に生じる風圧などの影響を受けるため、各回転翼101から下方に生じるダウンウォッシュは、それぞれ、後方に向けて斜め下方に延びるように現れる。
各ノズル203-1、203-2、203-3の位置は、前方左右の回転翼101-1、101-2の中心軸の真下から後方寄りに配置されていてもよい(図24参照)。通常、回転翼101は回転軸の真下では気流の流れは弱まるため、ダウンウォッシュは、略ドーナッツ形状に生じる。このため、各ノズルから出た薬剤は、一部は前方の回転翼101のダウンウォッシュに沿って下降し(図31の符号m1参照)、一部は斜め後方に飛散して、後方の回転翼101のダウンウォッシュに吹き付けられて、下降する(図31の符号m2参照)。
従って、ドローン100が前進移動するときの周囲の気流の流れを利用して、本体110の前方に配置されたノズル103から出る薬剤を、本体110の前方及び下方に形成されるダウンウォッシュに乗せて吹き付けることができる(図31の符号m1及びm2参照)。なお、各ノズル203-1、203-2、203-3の位置は、前方左右の回転翼101-1、101-2の中心軸の真下から前方寄りに配置することは可能である。
このように、ドローンが前進移動する時には、図31に示した円筒状の気流の速度の速い領域は進行方向の後ろに向けて傾く。薬剤ノズルをこの傾いた円筒状の領域内部であって、かつ、進行方向から見て適当な位置に置くことは可能である。こうすることで、薬剤は下方向に向かうダウンウォッシュの第一の気流(符号m1参照)に乗って下方向に向けて効率的に、望ましくない飛散を最小化しつつ、散布される。一部の薬剤は後方に流れるが(符号n1参照)、再び下方向に向かう第二の気流(符号m2参照)に乗って下方向に向けて効率的に散布される。前方からの風圧のため、第二の気流(符号m2参照)に含まれる薬剤の一部は、後方に流される(符号n2参照)。この場合、ドローン100の後方の左右両側の各回転翼によってつくりだされる第三の気流に乗せられる(符号m3参照)。以下同様に、第三の気流の一部は、第四の気流(符号m4参照)に流れて(符号n3参照)、薬剤の好ましくない周囲への飛散を最小限に抑えながら、ドローン100の直下に薬剤を散布することが可能となる。
少なくとも、回転翼間ノズル203-3は、ドローンの進行方向において、本体110の後方に配置された回転翼(101-1a、101-1b、101-3a、101-3b)の回動領域の前方端よりも前方に配置されることで、本体110の後方に配置される各回転翼101の下方に生じるダウンウォッシュを利用して、薬剤を下降させることができる。
好ましくは、回転翼間ノズル203-3は、本体110の後方に配置された回転翼(101-2a、101-2b、101-4a、101-4b)の回動領域の進行方向に対する後端よりも前方に配置されることで、本体110の前方及び後方に配置される各回転翼101の下方に生じるダウンウォッシュを利用して、薬剤を下降させることができる。
特に好ましくは、回転翼間ノズル203-3は、前方回転翼101の回動領域の進行方向に対する後端から、回転翼101の半径の1/2の位置よりも進行方向前方に配置される。
上述のように、略円筒形状または略円錐形状の領域に薬剤ノズル203-1、203-2、203-3を置いて薬剤を散布することにより、この領域がいわば保護壁となって、その外部への好ましくない薬剤飛散を抑えることができる。特に、上下2段構成の回転翼のドローンを使用することで、ダウンウォッシュの勢いを高めることで、気流(m1乃至m4参照)の乱れを削減し、風速を維持できる。このため、圃場の作物の株元にも薬剤を効果的に散布できるという副次的効果も得られる。
なお、本願に係るドローン100の回転翼101が作る気流を積極的に利用するためには、作物に到達する気流が秒速7メートル程度となるような低空(典型的には圃場の作物上部から約75センチメートル)を飛行させてもよい。
回転翼間ノズル203-3は、左右のダウンウォッシュの外側の回転翼間距離S内に設けられるため、ドローン100が停止またはホバリングするとき、前方から流れる風の風圧がなくなって、回転翼間距離S内に周囲の上昇気流が巻き込まれることが起こり得る。この場合、回転翼間ノズル203-3のノズル開口から吐出される薬剤は、周囲に飛散しやすくなる。そこで、ドローン100の運転状態に応じて、薬剤の吐出状態を制御してもよい。
例えば、ドローン100の前進速度に応じて、回転翼間ノズル203-3と回転翼下方ノズル203-1、203-2の双方での薬剤の吐出を停止させてもよい。すべての薬剤ノズルを閉鎖させることで、一部の薬剤ノズルから吐出される薬剤によって、吹き付けられる薬剤にムラが生じることを回避してもよい。例えば、薬剤タンク104からノズル列に薬剤を供給するための薬剤ホース105に向う流路を閉鎖またはバイパスさせてもよい(図24など参照)。
または、ドローン100のホバリング時間に応じて、回転翼間ノズル203-3のみを閉鎖させてもよい。例えば、予め短時間ドローンがホバリングすることがわかっている場合などでは、必要な量の薬剤の吐出を継続させながら、上昇気流によって一部の薬剤が周囲に飛散することを防止してもよい。例えば、薬剤ホース105を流れる流路のうち、回転翼間ノズル203-3に向う流路のみを閉鎖またはバイパスさせてもよい。
上記制御は、様々なトリガ条件に基づいて開始されてもよい。例えば、回転翼間ノズル203-3は、ドローン100の速度が所定値を下回ると散布を停止する。
例えば、フライトコントローラー501は、モバイル端末701から受信した入力情報などに基づき、モーター102-1a、102-1b、102-2a、102-2b、102-3a、102-3b、104-a、104-bの回転数を制御することで、ドローン100の飛行を制御する(図6参照)。
この際、6軸ジャイロセンサー505は、ドローン機体の互いに直交する3方向の加速度を測定する。さらに、加速度の積分により速度を計算する。この数値に基づいて、フライトコントローラー501は、ドローンの速度が所定値を下回るか否かの判定を行うことができる。
フライトコントローラー501は、ドローンの速度が所定値を下回ると判定した場合、回転翼下方ノズル203-1、203-2と回転翼間ノズル203-3の双方または一方による薬剤の散布を停止させてもよい。例えば、フライトコントローラー501は、ポンプ106に対して制御信号を送信し、薬剤吐出量の調整や薬剤吐出の停止を行ってもよい。
この際、薬剤注入口センサー517から得られる数値に基づいて、フライトコントローラー501は、上記ノズルの開放状態の判定を行うことができる。フライトコントローラー501は、ポンプ106に対して制御信号を送信することによって、回転翼下方ノズル203-1、203-2と回転翼間ノズル203-3の双方に薬剤を供給する状態と、これら双方に薬剤を供給しない状態とを切替可能にしてもよい。
または、例えば、薬剤タンク104からノズル列に薬剤を供給する経路の途中に、流路を切替可能とした弁機構などの切替機構を備えてもよい。この場合、フライトコントローラー501は、この切替機構に対して制御信号を送信することによって、回転翼下方ノズル203-1、203-2だけに薬剤を供給する状態(回転翼間ノズル103-3への薬剤供給を停止する状態)と、回転翼下方ノズル203-1、203-2と回転翼間ノズル203-3の双方に薬剤を供給する状態とを切替可能にしてもよい。
または、ドローン100が停止若しくはホバリングするとき、またはドローン100が所定値よりも低速で移動するとき、回転翼間ノズル103-3のノズル開口からの薬剤の吐出を選択的に停止させてもよい。例えば所定値としては12km/hが想定される。
例えば、回転翼間ノズル103-3は、ノズル開口を有する本体と、ノズル開口を閉止する弁体と、ノズル開口を閉止した状態で弁体を付勢するばね部材と、ばね部材の付勢を解除してノズル開口を開放した状態まで弁体を移動させる切替部材と、を有していてもよい。切替部材を適宜操作して(例えば、電磁的に操作する)、ノズル開口に対する弁体の位置を移動させて、回転翼間ノズル103-3の薬剤の吐出をオンとオフの二位置で切替えてもよい。
上記操作を手動で行う場合には、ドローン100と基地局710を介して通信を行うことが可能なモバイル端末701によって行ってもよい。ドローン100から受信した情報(例えば、位置、速度、薬剤量等)に基づいて、使用者の操作によりモバイル端末701からドローン100に指令を送信してもよい(図7参照)。
または、ドローン操作モジュール1012は、ユーザによる緊急停止ボタン925(図9参照)等の操作を受け付けた場合に、これらの操作に対応するコマンド等の情報をドローン100に送信して、飛行しているドローン100を緊急停止等したり、その場でホバリングを行う一時停止を行う場合がある。その操作と自動的に連動して、フライトコントローラー501は、ポンプ106または上記切替機構に対して制御信号を送信して、薬剤吐出量の調整や薬剤吐出の停止を行ってもよい。ドローン100が停止またはホバリングするとき、前方から流れる風の風圧がなくなって、周囲の上昇気流が巻き込まれることが起こり得る場合であっても、回転翼間ノズル203-3のノズル開口から吐出される薬剤は、周囲に飛散することを最小限に抑えるようにしてもよい。
上記トリガ条件は、ドローン100の進行速度に限定されず、ドローン100の飛行経路に基づいて行うことも可能である。
例えば、ドローン100による薬剤散布の対象となる田圃や畑等である圃場が、家屋、病院、学校、他作物圃場、道路、鉄道等と隣接している場合であって、ドローン100が圃場の境界に近づくとき、一時的にノズル開口から吐出される薬剤の量を低下またはゼロにしてもよい。この場合、ドローン100から出る薬剤の一部が周囲の気流によって飛散されて、圃場と隣接する家屋等に届くおそれを最小限に抑えることができる。
例えば、図8は、モバイル端末701に表示される圃場情報表示画面800には、地図801が表示される。また、ドローン操作画面900の例(図9参照)では、薬剤散布の対象となる圃場930が地図上に表示される。それらの地図に基づいて、ドローン100が圃場の境界に近づくことが予測されるとき、自動または手動により、回転翼間ノズル203-3及び回転翼下方ノズル203-1、203-2の双方での薬剤の吐出を停止してもよく、または、回転翼間ノズル203-3での薬剤の吐出を停止してもよい。
または、散布フライト進捗情報912に表示される散布フライトの飛行ルートの進捗状況などに基づいて、ドローン100が圃場の境界に近づくことが予測されるとき、自動または手動により、回転翼間ノズル203-3及び回転翼下方ノズル203-1、203-2の双方での薬剤の吐出を停止してもよく、または、回転翼間ノズル203-3での薬剤の吐出を停止してもよい。
図32を参照すると、図20乃至図31に例示した実施例2の変更実施形態が例示されている。
図32に例示した実施例3では、図20乃至図31に例示した実施例2と対比して、上記薬剤ノズル203-1、203-2及び203-3を除く構成は同一であるため、他の構成要素については同一の参照番号で示し、記載の重複を避けるため、詳細な説明は割愛する。
図1乃至図5に例示した実施例1では、薬剤散布を行う薬剤ノズルは、ドローン100の本体110の進行方向前方の左右両側の回転翼の回動領域の下方にそれぞれ配置された回転翼下方ノズル(即ち、103-1乃至103-4)のみを含む。
これに対して、図32に例示した実施例3では、図27に例示した実施例2と同様に、薬剤ノズルは、ドローン100の本体110の進行方向前方の左右両側の回転翼の回動領域の下方にそれぞれ配置された回転翼下方ノズル(即ち、303-1乃至303-4)と、進行方向前方の左右両側の回転翼の回動領域の間に配置された回転翼間ノズル(即ち、303-5)と、を含む。
この際、進行方向前方の左右両側の回転翼101が、互いに所定の範囲内の値で、ドローン100の幅方向で離間している(図24の符号S参照)。
図32を参照すると、特に薬剤ノズルの数を3個から5個に増やした場合が例示されている。
この場合も同様に、ドローン100の本体110の前後左右及び後方左右の4隅には、2段構成の回転翼101が計8つ配置されている。
左前方には、回転翼101-2a、101-2bが上下2段で配置されており、この回動領域の下方には、本体110の幅方向に離間した2つの回転翼下方ノズル303-1、303-2が配置されている。
右前方には、回転翼101-4a、101-4bが上下2段で配置されており、この回動領域の下方には、本体110の幅方向に離間した2つの回転翼下方ノズル303-3、303-4が配置されている。
前方中央には、前方左右両側の回転翼101の間に、回転翼間ノズル303-5が配置されている。
図24で例示したように、前方左右両側の回転翼101の中心間距離L、半径Rなどに応じて、前方中央の回転翼間距離Sの大きさが生じる。その大きさに基づいて、最終的に幅方向に噴霧される薬剤の量が略均一になるように、回転翼下方ノズル303-1、303-2、303-3、303-4の配置と、それらから吐出される薬剤の量と、回転翼間ノズル303-5の配置と、それから吐出される薬剤の量とを考慮する。
好ましくは、左前方側では、一方の回転翼下方ノズル303-1を回転翼の中心軸から幅方向外側に寄せて、他方の回転翼下方ノズル303-2を回転翼の中心軸から幅方向内側に寄せる。各薬剤ノズル303-1、303-2は、それぞれ、薬剤が対応する外側と内側のダウンウォッシュに効果的に乗せられるように位置決められる。
同様に、右前方側では、一方の回転翼下方ノズル303-3を回転翼の中心軸から幅方向外側に寄せて、他方の回転翼下方ノズル303-4を回転翼の中心軸から幅方向内側に寄せる。各薬剤ノズル303-3、303-4は、それぞれ、薬剤が対応する外側と内側のダウンウォッシュに効果的に乗せられるように位置決められる。
本体110の中央には回転翼間ノズル303-5を配置するが、ノズルの位置(前後方向、左右方向、上下方向)、ノズルの吐出角度、ノズル開口の形状およびその大きさなどは、最終的に幅方向に噴霧される薬剤の量が略均一になるように選択されてもよい。
少なくとも、回転翼間ノズル303-5は、ドローン100の進行方向において、本体110の後方に配置された回転翼101の回動領域の前方端よりも前方に配置される。
従って、この実施形態では、ダウンウォッシュは、回転翼101の回転軸を中心として略ドーナッツ状に形成されることに着目して、ノズルを効果的に配置することができる。
他には、本体110の左右両側での回転翼下方ノズルの数を1つとし(実施例2参照)、本体110の中央側での回転翼間ノズルの数を2つとすることも可能である。
また、本体110の左右両側での回転翼下方ノズルの数を2つとし(実施例3参照)、本体110の中央側での回転翼間ノズルの数を2つとすることも可能である。
さらに、上記回転翼下方ノズル及び/または回転翼間ノズルの数を2つ以上とすることも可能である。
図33乃至図36を参照すると、上記実施例1乃至3の変更実施形態が例示されている。
図33乃至図36に例示した実施例4では、図1乃至図19に例示した実施例1の上記薬剤ノズル103-1、103-2、103-3及び103-4と、図20乃至図31に例示した実施例2の上記回転翼101とについて変更を加えており、これらを除く構成は同一であるため、他の構成要素については同一の参照番号で示し、記載の重複を避けるため、詳細な説明は割愛する。
図33は、ドローンの背面図の例である。
ドローンの平面図や正面図などについては、図1乃至図5に例示した実施例1と、図20乃至図23に例示した実施例2と同様に構成可能なため、記載の重複を避けるため、さらなる図は割愛する。
実施例4では、ドローン100の本体110の4隅に、それぞれ1段の回転翼401-1、401-2、401-3、401-4を配置しており、従って、ドローン100の本体110に、計4つの回転翼を設けている。
各回転翼401-1、401-2、401-3、401-4は、ドローン100を飛行させるための手段であり、飛行の安定性、機体サイズ、および、電力消費量のバランスを考慮して備えられている。各回転翼401は、ドローン100の本体110からのび出たアームにより本体110の四方に配置されている。すなわち、進行方向左後方に回転翼401-1、左前方に回転翼401-2、右後方に回転翼401-3、右前方に回転翼401-4がそれぞれ配置されている(以下、回転翼を単に401と記載する)。
実施例4の構成では、ドローン100の本体110の4隅に、それぞれ上下2段の二重反転する回転翼101を設ける実施例1、2(図1乃至図5、図20乃至図23参照)と比べて、各回転翼401で生成される揚力がより弱まる。このため、各回転翼401から吹き下ろされる風、つまりダウンウォッシュの勢いがより弱まる。従って、各ノズルからダウンウォッシュに吹き付けられる薬剤は、下降する勢いが弱められている。一方、ダウンウォッシュに吹き付けられる薬剤は、より周囲に分散しやすい。
図34を参照すると、ドローン100の前方左右両側に位置する回転翼401(即ち、回転翼401-2及び401-4)の中央付近における、図33のC-C線に沿った断面での気流の流れを模式的に示している。同図では、本体110の相対位置を参考に重ねて示している。
図35を参照すると、ドローン100の本体110の中央付近における、図33のD-D線に沿った断面での気流の流れを模式的に示している。
図34及び図35において、各矢印は、気流の流れを概略的に例示している。図34及び図35において、濃い灰色は、比較的強い気流の領域を例示し、薄い灰色は、比較的弱い気流の領域を例示し、白色(背景色)は、最も弱い気流の領域を例示している。
図34及び図35は、本発明の技術思想を説明するために作成されたものであり、気流の流れを厳密に表したものではないことを理解されたい。また、図34及び図35に示した灰色の濃淡と、図25及び図26に示した灰色の濃淡とは、気流の勢いを厳密に対応して表したものではないことを理解されたい。
図34に例示されているように、各回転翼401の真上では、回転翼401に向って下向きの風の流れが生じている。これは、回転翼101の回転に伴い、気流が流れ込むことに対応している。各回転翼401の真下では、最も強い勢いで下向きの風の流れが生じている(濃い灰色と薄い灰色の領域を参照)。濃い灰色と薄い灰色の領域は、ダウンウォッシュに含まれる。各回転翼401の左右の外側では、下方から上方に巻き上がる気流が生じている(符号c1及びc2参照)。
ダウンウォッシュは、各回転翼401の回転軸の周りで勢いが強まるため、断面視では、略ドーナッツ形状を有する。また、ダウンウォッシュは、下方に向ってすそ広がりになるため、正面視では、略円筒形状または略円錐形状を有する。ダウンウォッシュは強い勢いを有するため、その周囲に風の膜または風のカーテンを作ることができる。ダウンウォッシュは防護壁として機能し、内側に吹き付けられた薬剤が周囲に飛散することを防ぎながら、薬剤を地上の作物まで下降させることができる。
図24に例示したように、各回転翼101の間に回転翼間距離Sが生じる場合がある。この場合、図34に例示されているように、回転翼間距離Sの領域は、ダウンウォッシュの領域の外側にあるため、下方に向う気流の流れは弱まる(図34の中央参照)。左右両側の各回転翼401の間では、上部では、一部下方から上方に巻き上がる気流が生じ(符号c3参照)、下部では、上方から下向きの風の流れが生じている(符号c4参照)。この特徴的な風の流れは、本出願人によるドローン100の流体解析に基づいて確認された。
従って、薬剤吐出時には、出来るだけ、強い勢いで下方に向うダウンウォッシュの気流(図34の濃い灰色と薄い灰色の領域を参照)に薬剤を乗せて下降するのが好ましい。この際、符号c1及びc2に示した周囲の上昇気流に薬剤が乗せられて、周囲に薬剤が飛散することを回避するのが好ましい。また、各回転翼401の間の回転翼間距離Sでは、符号c3に示した上昇気流に薬剤が乗せられるのを回避して、符号c4に示した下方に向う気流に薬剤を乗せて下降するのが好ましい。さらに、ドローン100の前進移動時には、前方から後方に向う風の流れ(風圧)を考慮する。
図35に例示されているように、前後の各回転翼401の間の領域では、ダウンウォッシュの領域の外側にあるため、下方に向う気流の流れは弱まる。一部では比較的勢いが強まる部分があるものの(符号f1、f2参照)、図34に例示した最も濃い灰色の領域(最も流れの速い領域)は、図35では確認することができない。この場合も、各回転翼401の左右の外側では、下方から上方に巻き上がる気流が生じている(符号e1、e2参照)。また、左右両側の各回転翼401の間では、上部では、一部下方から上方に巻き上がる気流が生じ(符号e3参照)、下部では、上方から下向きの風の流れが生じている(符号e4参照)。
図34では、符号d1、d3によって、左右の各回転翼401下方での最も勢いのある領域を濃い灰色で示すとともに、その周囲では、符号d2、d4によって、左右の各回転翼401下方での比較的勢いのある領域を薄い灰色で示している。
図34に例示した実施例4では、図25に例示した実施例2の場合と比べて、各回転翼401から下方に吹き降ろされる気流の勢いが半減しているため、ダウンウォッシュの速度はより小さくなり、垂直方向に現れるダウンウォッシュの長さもより短くなっている。
また、図25に例示した実施例2では、回転翼101下方のダウンウォッシュは勢いが強いため、回転軸の周りでダウンウォッシュは略垂直方向に延びる円筒形状の風のカーテンをつくっていた。これに対して、図34に例示した実施例4では、回転翼401下方のダウンウォッシュは勢いが比較的弱いため、よりすそ広がりの形状となって、幅方向に気流が流れ易くなっている。
このため、図34に例示した実施例4では、図25に例示した実施例2の場合と比べて、各ダウンウォッシュ内で吐出される薬剤は、下方に引き下ろされる指向性はより弱まり、比較的より周囲に(幅方向に)拡散し易くなっている。
従って、ダウンウォッシュが生じる外側の領域では、上昇気流が発生する領域(符号c1、c2、e1、e2参照)に薬剤が散布されると、薬剤が地上の作物に届く前に舞い上がり、圃場外に浮遊して出てしまう虞がある。
また、ダウンウォッシュが生じる内側の領域であっても、上昇気流が発生する領域(符号c3、e3参照)に薬剤が散布されると、薬剤が地上の作物に届く前に舞い上がり、圃場外に浮遊して出てしまう虞がある。
本発明では、ドローン100の周囲に生じる特徴的な気流の流れを考慮して(図34、図35)、左右の回転翼の間の領域の散布ムラを抑制しつつ、薬剤が圃場外に浮遊するドリフトを抑制できるようにする。
図1乃至図5に例示した実施例1では、薬剤散布を行う薬剤ノズルは、ドローン100の本体110の進行方向前方の左右両側の回転翼の回動領域の下方にそれぞれ配置された回転翼下方ノズル(即ち、103-1乃至103-4)のみを含む。
これに対して、図36に例示した実施例4では、図27に例示した実施例2と同様に、薬剤ノズルは、ドローン100の本体110の進行方向前方の左右両側の回転翼の回動領域の下方にそれぞれ配置された回転翼下方ノズル(即ち、403-1及び403-2)と、進行方向前方の左右両側の回転翼の回動領域の間に配置された回転翼間ノズル(即ち、403-3)と、を含む。
この際、進行方向前方の左右両側の回転翼401が、互いに所定の範囲内の値で、ドローン100の幅方向で離間している(図24の符号S参照)。
実施例4では、回転翼下方ノズル403-1、403-2から吐出される薬剤は、比較的周囲に拡散し易いという性質を有するため、図24を参照して例示したように、各回転翼400の間の回転翼間距離Sが存在していても、本体110の幅方向で薬剤の疎となる部分の出現が比較的抑えられる。
ただし、この場合であっても、回転翼間ノズル403-3を追加して、回転翼間距離S内で薬剤を吐出して、左右のダウンウォッシュが形成する風のカーテンに乗せて下降させることで、本体110の幅方向で薬剤をより均一に噴霧することができる。
図36を参照すると、薬剤ノズル403-1から吐出される薬剤は、符号k1、k2に示すように、ダウンウォッシュに沿って下降する。そのときの薬剤の幅方向の広がりは、符号I4で例示されている。
同様に、薬剤ノズル403-2から吐出される薬剤は、符号k3、k4に示すように、ダウンウォッシュに沿って下降する。そのときの薬剤の幅方向の広がりは、符号I5で例示されている。
さらに、薬剤ノズル403-3から吐出される薬剤は、符号k5、k6に示すように、ダウンウォッシュに沿って下降する。そのときの薬剤の幅方向の広がりは、符号I6で例示されている。
隣り合う薬剤ノズルから吐出される薬剤の幅方向の広がりI4乃至I6は、互いに一部重なり合うことで、薬剤が過度に疎となる部分が生じることを防ぐ。この互いに一部重なり合う部分は、薬剤が過度に密になるのを防ぐように適当に定められる。
実施例4の場合、回転翼下方ノズル403-1、403-2に対して回転翼間ノズル403-3を追加する場合、少なくとも、回転翼間ノズル403-3は、ドローン100の進行方向において、本体110の後方に配置された回転翼101の回動領域の前方端よりも前方に配置される。
この場合、実施例2の図27に例示したように、左右両側の回転翼下方ノズル403-1、403-2を、回転翼401の回転軸から外側に寄せていてもよい。
または、実施例4の場合、ダウンウォッシュの勢いが比較的弱く、その中で薬剤が分散し易い点に着目して、実施例2の図28に例示したように、左右両側の回転翼下方ノズル403-1、403-2を、回転翼401の回転軸の真下に配置してもよい。
または、実施例4の場合、薬剤をより一層均一化して下降することを目的として、実施例3の図31に例示したように、左右両側の回転翼下方ノズル403-1、403-2の数を増やして、それぞれ、回転翼401の回転軸の左右両側に一対の組として配置してもよい。
以上、本発明では、実施例1に例示したように(図24のSが比較的小さい場合)、回転翼下方ノズルを用いることで、ダウンウォッシュなどの気流の変化を考慮して、ノズルから吐出される薬剤を地上の作物に対してより効果的に吹き付けることができる薬剤散布用ドローンを提供する。
また、実施例2乃至4に例示したように(図24のSが所定の範囲内の大きさを有する場合)、回転翼下方ノズルと回転翼間ノズルとを組み合わせて用いることで、ダウンウォッシュなどの気流の変化を考慮して、ノズルから吐出される薬剤を地上の作物に対してより効果的に吹き付けることができる薬剤散布用ドローンを提供する。
実施例1乃至3では、ドローン100の本体110の前後左右の4隅に、それぞれ上下2段の回転翼(計8つ)101を配置した構成を例示した。
また、実施例4では、ドローン100の本体110の前後左右の4隅に、それぞれ1段の回転翼(計4つ)401を配置した構成を例示した。
ただし、本発明は、ドローン100の本体110を飛行させるための複数の回転翼を配置するが、それらの回転翼の数と配置は、上記実施例1乃至4に限定されないことを理解されたい。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
なお、上述の実施例は少なくとも特許請求の範囲に記載の構成を開示している。
100…無人飛行体(ドローンまたはマルチコプター)
101…回転翼
101-2a、101-2b…左前方の回転翼
101-4a、101-4b…右前方の回転翼
103-1、103-2、103-3、103-4…回転翼下方ノズル(薬剤ノズル)
104…薬剤タンク
105…薬剤ホース(薬剤管)
110…本体
203-1、203-2…回転翼下方ノズル(薬剤ノズル)
203-3…回転翼間ノズル(薬剤ノズル)
303-1、303-2、303-3、303-4…回転翼下方ノズル(薬剤ノズル)
303-5…回転翼間ノズル(薬剤ノズル)
401…回転翼
401-2…左前方の回転翼
401-4…右前方の回転翼
403-1、403-2…回転翼下方ノズル(薬剤ノズル)
403-3…回転翼間ノズル(薬剤ノズル)

Claims (17)

  1. 薬剤の散布を行なうドローンであって、前記ドローンは、
    本体と、
    前記ドローンが飛行時の進行方向に対して前記本体の前方の左右両側及び後方の左右両側にそれぞれ配置され、前記本体を飛行させるための複数の回転翼と、
    薬剤散布を行うための複数の薬剤ノズルと、を備え、
    前記複数の薬剤ノズルは、薬剤を吐出する開口であって、
    前記本体の前方の左右両側に配置された前記回転翼の回動領域の下方に位置する回転翼下方ノズルと、
    前記本体の前方の左右両側に配置された前記回転翼の間に位置する回転翼間ノズルと、を含み、
    前記回転翼間ノズルは、前記ドローンの進行方向において、前記本体の後方の左右両側に配置された前記回転翼の回動領域の前方端よりも前方で、かつ前記本体の前方の左右両側に配置された前記回転翼の回転軸よりも後方に配置される、
    ドローン。
  2. 前記回転翼間ノズルは、前記本体の前後方向において、前記本体の前方の左右両側に配置された前記回転翼の回動領域の後端よりも、前記回転翼の半径の1/2の大きさより前方に配置される、請求項1に記載のドローン。
  3. 前記回転翼間ノズルは、前記ドローンの速度が所定の速度を下回る場合に薬剤散布を停止する、請求項1または2に記載のドローン。
  4. 前記所定の速度は時速12kmである、請求項3に記載のドローン。
  5. 前記本体の前方の左右両側に配置された前記回転翼は、前記本体の左右方向において、所定の距離の範囲内で互いに離間する、請求項1から4のいずれか1項に記載のドローン。
  6. 前記所定の距離の範囲は、20cm以上70cm以下である、請求項5に記載のドローン。
  7. 複数の前記回転翼は、それぞれ上下2段の回転翼の組からなり、前記回転翼間ノズルの前記本体の上下方向の位置が、前記回転翼の組の下側の回転翼から所定の値以上で下側に配置される、請求項1から6のいずれか1項に記載のドローン。
  8. 前記所定の値は25cmである、請求項7に記載のドローン。
  9. 前記回転翼間ノズルは、そのノズル開口から吐出される薬剤の吐出量が、前記本体の前後方向と比べて前記本体の左右方向でより大きい、請求項1から8のいずれか1項に記載のドローン。
  10. 前記回転翼下方ノズルから吐出される薬剤の前記本体の左右方向の噴射角度に対して、前記回転翼間ノズルから吐出される薬剤の前記本体の左右方向の噴射角度の方がより大きい、請求項1から9のいずれか1項に記載のドローン。
  11. 前記回転翼下方ノズルと前記回転翼間ノズルとは、共通の薬剤管によって接続される、請求項1から10のいずれか1項に記載のドローン。
  12. 前記回転翼下方ノズルの前記本体の上下方向の位置に対して、前記回転翼間ノズルの前記本体の上下方向の位置はより下方にある、請求項1から11のいずれか1項に記載のドローン。
  13. 前記回転翼下方ノズルから吐出される薬剤の速度に対して、前記回転翼間ノズルから吐出される薬剤の速度の方がより速い、請求項1から12のいずれか1項に記載のドローン。
  14. 前記回転翼下方ノズルから吐出される薬剤の粒径に対して、前記回転翼間ノズルから吐出される薬剤の粒径の方が大きい、請求項1から13のいずれか1項に記載のドローン。
  15. 前記回転翼下方ノズルは、
    前記本体の前方の左側に配置された前記回転翼の回動領域のうち、前記回転翼の回転軸から左側の位置と、
    前記本体の前方の右側に配置された前記回転翼の回動領域のうち、前記回転翼の回転軸から右側の位置と、
    に配置される、請求項1から14のいずれか1項に記載のドローン。
  16. 前記回転翼下方ノズルは、
    前記本体の前方の左側に配置された前記回転翼の回動領域のうち、前記回転翼の回転軸の下側の位置と、
    前記本体の前方の右側に配置された前記回転翼の回動領域のうち、前記回転翼の回転軸の下側の位置と、
    に配置される、請求項1から14のいずれか1項に記載のドローン。
  17. 前記回転翼下方ノズルは、
    前記本体の前方の左側に配置された前記回転翼の回動領域のうち、前記回転翼の回転軸から左側の位置と、
    前記本体の前方の左側に配置された前記回転翼の回動領域のうち、前記回転翼の回転軸から右側の位置と、
    前記本体の前方の右側に配置された前記回転翼の回動領域のうち、前記回転翼の回転軸から左側の位置と、
    前記本体の前方の右側に配置された前記回転翼の回動領域のうち、前記回転翼の回転軸から右側の位置と、
    に配置される、請求項1から14のいずれか1項に記載のドローン。
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