JP7417153B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、発光装置に関する。
発光ダイオード(Light emitting diode、以下、「LED」と称する。)のような発光素子を用いる発光装置として、青色に発光する発光素子と、発光素子からの光に励起されて黄色発光する蛍光体を用いて白色系の混色光を発光する発光装置が知られている。このような発光装置は、一般照明、車載照明、ディスプレイ、液晶用バックライト等の幅広い分野で使用されている。
ところで、昆虫の多くは、発光装置を利用した照明器具から発せられる光に誘引される。昆虫が光に誘引されるのは、昆虫の正の走光性によるものであり、昆虫の種によって異なる分光感度に起因した行動である。一般に昆虫は、約400nm付近の波長を境に、約300nmから約400nmの波長領域と、約400nmから約600nmの波長領域に2つの分光感度を有する。
昆虫を誘引する効果(以下、本明細書において「誘虫効果」と称する場合がある。)を防止する防虫光源として、昆虫の分光感度波長をカットした光を発する光源がある。例えば、約450nm以下の波長の光をカットした黄色の単色光を発する光源、又は、約600nm以下の波長の光をカットした赤色の単色光を発する光源が挙げられる。このような単色光を発する光源は、昆虫の種類によって、昆虫を引き寄せる誘虫効果の低減(以下、本明細書において「低誘虫効果」と称する場合もある。)に一定の効果があることが知られている。単色光を発する光源は、農業における夜間点灯の用途には有効である。しかしながら、工業における作業現場や日常生活などの人間の視環境において、黄色の単色光や赤色の単色光を発する光源は快適とは感じられない場合がある。
LEDを用いた発光装置は、従来の蛍光灯とは異なり、紫外線を発しないように設計することが可能である。そのため、蛍光灯と比較して昆虫を引き寄せる効果が低いことが知られている。しかしながら、LEDを用いた発光装置から発せられる光には、昆虫が分光感度を有する青色の波長領域の光も含まれており、LEDを用いた発光装置の低誘虫効果をさらに大きくすることが求められている。そのために、LEDチップ(発光素子)と、LEDチップからの光により励起されて発光する蛍光体と、所定の波長光の透過を阻止するために光学多層膜(Distributed Bragg Reflector)とを用いて、昆虫の分光感度の波長領域におけるエネルギー強度を制御した発光装置が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照。)。
特開2013-26046号公報 特開2013-127928号公報
光学多層膜によって特定の波長領域の光の透過率を下げる場合、光学多層膜に対して垂直に透過する光の分光分布のみ、理論的に光学多層膜によって特定の波長領域の光の透過率が下がることとなる。光学多層膜は、屈折率が異なる層の界面で光を干渉させるため、入射角度依存性を有する。例えば、入射角度を有するように光学多層膜に入射した光、すなわち、光学多層膜に対して斜めの光の分光分布は、光学多層膜による効果が少なく、低誘虫効果が十分に得られない場合がある。また、特許文献1及び2に開示された発光装置は、光学多層膜を用いていない場合であっても、発光装置の分光分布において、380nmから470nmの範囲に第一のピーク波長と、500nmから700nmの範囲に第二のピーク波長を有するものの、470nmから500nmの範囲に第一のピーク波長及び第二のピーク波長よりも相対エネルギー強度が低い波長域がある。この波長域の発光成分が不足しているため、特許文献1及び2に開示された発光装置は、人間の視環境における演色性が十分ではない虞がある。
そこで、本発明の一態様は、低誘虫効果を大きくするとともに、人間の視環境において十分な演色性を有する発光装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を包含する。
本発明の第一の態様は、430nm以上470nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、前記発光素子からの光により励起されて発光する蛍光体を含む蛍光部材と、を備え、前記発光素子の光と前記蛍光体の光による混色光のJIS Z8725に準拠して測定される相関色温度が1500K以上11000K以下の範囲であり、前記混色光のCIE1931色度図上の黒体放射軌跡からの偏差であり、JIS Z8725に準拠して測定される色偏差duvが、1500K以上11000K以下の相関色温度において、0を超えて0.02以下の範囲であり、前記混色光の分光分布とヒトの標準分光視感効率の各相対強度の積をヒトの可視領域の波長範囲で積分した値を積分値aとし、前記混色光の分光分布と昆虫の分光視感効率の各相対強度の積を昆虫が正の走光性を示す波長範囲で積分した値を積分値bとし、前記積分値aに対する前記積分値bの比(b/a)により定義される誘虫性指数Iが、前記色偏差duvが0であるときの誘虫性指数Iの50%以上99%以下である、発光装置である。
本発明によれば、より大きい低誘虫効果を有し、人間の視環境において十分な演色性を有する発光装置を提供することができる。
図1は、発光装置の一例を示す概略断面図である。 図2は、CIE1931色度図の一部を示し、CIE1931色度図上の黒体(Black body)放射軌跡(duv0)と、各相関色温度における黒体放射軌跡からの色偏差duv-0.02、duv-0.01、duv0.01、duv0.02の軌跡を示す図である。 図3は、相関色温度が2700K付近の実施例1及び2の発光装置の分光分布と、相関色温度が2700K付近の比較例1から3の発光装置の分光分布と、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)とを示す図である。 図4は、相関色温度が2700K付近の実施例3から6の発光装置の分光分布と、相関色温度が2700K付近の比較例4の発光装置の分光分布と、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)とを示す図である。 図5は、相関色温度2700K付近の実施例1の発光装置の分光分布と、相関色温度2700K付近の比較例5及び6の発光装置の分光分布と、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)とを示す図である。 図6は、相関色温度が2000K付近の実施例7の発光装置の分光分布と、相関色温度が2000K付近の比較例7の発光装置の分光分布と、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)とを示す図である。 図7は、相関色温度が3000K付近の実施例8及び9の発光装置の分光分布と、相関色温度が3000K付近の比較例8の発光装置の分光分布と、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)とを示す図である。 図8は、相関色温度が4000K付近の実施例10及び11の発光装置の分光分布と、相関色温度が4000K付近の比較例9の発光装置の分光分布と、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)とを示す図である。 図9は、相関色温度が5000K付近の実施例12及び13の発光装置の分光分布と、相関色温度が5000K付近の比較例10の発光装置の分光分布と、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)とを示す図である。 図10は、相関色温度が6500K付近の実施例14及び15の発光装置の分光分布と、相関色温度が6500K付近の比較例11から13の発光装置の分光分布と、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)とを示す図である。 図11は、相関色温度が8300K付近の実施例16及び17の発光装置の分光分布と、相関色温度が8300K付近の比較例14の発光装置の分光分布と、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)とを示す図である。 図12は、相関色温度が10000K付近の実施例18及び19の発光装置の分光分布と、相関色温度が10000K付近の比較例15の発光装置の分光分布と、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)とを示す図である。
以下、本発明に係る発光装置を一実施形態に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は、以下の発光装置に限定されない。なお、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。
本発明の一実施形態に係る発光装置は、430nm以上470nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、その発光素子からの光により励起されて発光する蛍光体を含む蛍光部材を備え、前記発光素子の光と前記蛍光体の光による混色光のJIS Z8725に準拠して測定される相関色温度(correlated color temperature、以下「Tcp」と記載する場合がある。)が1500K以上11000K以下の範囲である発光装置であり、前記混色光のCIE(国際照明委員会:Commission Internationale de l’Eclairage)1931色度図上の黒体放射軌跡からの偏差であり、JIS Z8725に準拠して測定される色偏差duvが、1500K以上11000K以下の相関色温度において、0を超えて0.02以下の範囲であり、前記混色光の分光分布とヒトの標準分光視感効率の各相対強度の積をヒトの可視領域の波長範囲で積分した値を積分値aとし、前記混色光の分光分布と昆虫の分光視感効率の各相対強度の積を昆虫が正の走光性を示す波長範囲で積分した値を積分値bとし、前記積分値aに対する前記積分値bの比率(b/a)により定義される誘虫性指数Iが、前記色偏差duvが0であるときの誘虫性指数Iの50%以上99%以下である。
本発明の一実施態様の発光装置の一例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施態様の発光装置100を示す概略断面図である。
発光装置100は、図1に示されるように、430nm以上470nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子10と、発光素子からの光により励起されて発光する蛍光体70を含む蛍光部材50を備える。
発光装置100は、例えば、成形体40と、発光素子10と、蛍光部材50とを備える。成形体40は、第一のリード20及び第二のリード30と、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含む樹脂部42とが一体的に成形されてなるものである。成形体40は底面と側面を持つ凹部を形成しており、凹部の底面に発光素子10が載置されている。発光素子10は一対の正負の電極を有しており、その一対の正負の電極はそれぞれ第一のリード20及び第二のリード30とそれぞれワイヤ60を介して電気的に接続されている。発光素子10は蛍光部材50により被覆されている。蛍光部材50は、例えば、発光素子10からの光を波長変換する蛍光体70と封止材料を含む。蛍光体70は、発光素子からの光により励起されて特定の波長範囲に少なくとも一つの発光ピーク波長を有し、発光ピーク波長の波長範囲の異なる2種以上の蛍光体が含まれていてもよい。蛍光体70は、前記発光素子からの光により励起されて530nm以上580nm以下の範囲に少なくとも一つの発光ピーク波長を有する第一蛍光体71を含むことが好ましい。また、蛍光体70は、前記発光素子からの光により励起されて600nm以上670nm以下の範囲に少なくとも一つの発光ピーク波長を有する第二蛍光体72をさらに含むことが好ましい。発光素子10の正負一対の電極に接続された第一のリード20及び第二のリード30は、発光装置100を構成するパッケージの外方に向けて、第一のリード20及び第二のリード30の一部が露出されている。これらの第一のリード20及び第二のリード30を介して、外部から電力の供給を受けて発光装置100を発光させることができる。
発光素子10は、励起光源として用いられる。本発明の一実施形態において、発光素子10は、430nm以上470nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する。発光素子10は、昆虫の分光視感効率曲線において短波長側約300nmから約400nmの波長範囲内に発光ピーク波長を有していないため、約300nmから約400nmの波長範囲内の光に引き寄せられる種類の昆虫を引き寄せ難く、前記発光素子を用いた発光装置は、低誘虫効果を有する。発光素子10の発光スペクトルの半値幅は、例えば30nm以下でもよく、25nm以下でもよく、20nm以下でもよい。半値幅は、発光スペクトルにおける最大の発光ピークの半値全幅(Full Width at half Maximum:FWHM)をいい、各発光スペクトルにおける最大の発光ピークの最大値の50%の値を示す発光ピークの波長幅をいう。発光素子10は、例えば、窒化物系半導体(InAlGa1-X-YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた半導体発光素子であることが好ましい。発光素子として、半導体発光素子を用いることによって、高効率で入力に対するリニアリティが高く機械的衝撃にも強い安定した発光装置を得ることができる。430nm未満の範囲に発光ピーク波長を有する発光素子は、昆虫の分光視感効率曲線と重なる光の強度が高くなるため、昆虫を引き寄せる効果(誘虫効果)が高くなる。470nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する発光素子は、発光素子から目的とする相関色温度を有する光を発するために、蛍光部材に含まれる蛍光体の量が少なくなる。そのため、発光素子から発せられる青色光が蛍光体によって十分に波長変換されずに発光装置を通過して抜け出てしまうことで、誘虫効果がかえって高くなる場合がある。また、470nmを超える範囲に発光ピーク波長を有する発光素子を用いた発光装置は、発光素子から発せられる青色光が蛍光体によって十分に波長変換されずに抜け出てしまうことで、演色性が低下する場合がある。
本発明の一実施形態に係る発光装置は、発光装置から発せられる混色光の相関色温度が1500K以上11000K以下の範囲の黒体放射軌跡からの偏差である色偏差duvが0を超えて0.02以下の範囲であり、より好ましくはduvが0.01以上0.02以下である。発光装置から発せられる混色光の黒体放射軌跡からの偏差であり、JIS Z8725に準拠して測定される色偏差duvが0を超えて0.02の範囲であると、CIE1931色度図上において、緑色成分から黄色成分乃至橙色成分が多くなる傾向があり、逆に青色成分と赤色成分が少なくなる傾向がある。一方、発光装置から発せられる混色光の色偏差duvが0以下であり、色偏差duvのマイナスの数値が大きくなるに従い、青色成分及び/又は赤色成分が多くなる傾向がある。本発明の一実施形態に係る発光装置は、発光装置から発せられる混色光の色偏差duvが0を超えて0.02以下の範囲であり、昆虫の分光視感効率曲線と重なる約300nmから400nmの短波長側の青色成分の光が少なくなり、昆虫の分光視感効率曲線と重なる約400nmから600nmの長波長側の赤色成分の光が少なくなるため、低誘虫効果を有する。
図2は、CIE1931色度図の一部を示し、CIE1931色度図上の黒体(Black body)放射軌跡(duv0)と、各相関色温度における黒体放射軌跡からの色偏差duv-0.02、duv-0.01、duv0.01、duv0.02の各軌跡を示す図である。図2において、黒体放射軌跡(duv0)に交差する直線は、各相関色温度(Tcpが2700K、3000K、4000K、5000K、6500K)における等色温度線である。発光装置から発せられる混色光の相関色温度が1500K以上11000K以下の範囲の黒体放射軌跡からの偏差であり、JIS Z8725に準拠して測定される色偏差duvが0より小さい数値であると、混色光に含まれる青色成分及び/又は赤色成分が多くなる傾向があり、昆虫を引き寄せやすく、誘虫効果が高くなる。発光装置から発せられる混色光の色偏差がduvが0の場合は、黒体放射軌跡からの偏差がなく、所定の相関色温度における黒体放射軌跡に近似する。発光装置から発せられる混色光の相関色温度が1500K以上11000K以下の範囲の前記色偏差duvが0.02を超えると、混色光中の緑色から黄色成分乃至橙色成分が多くなりすぎて、白色光のバランスが崩れ、演色性が低くなる場合がある。
本発明の一実施形態に係る発光装置は、発光装置から発せられる混色光の分光分布とヒトの標準分光視感効率の各相対強度の積をヒトの可視領域の波長範囲で積分した値を積分値aとし、前記混色光の分光分布と昆虫の分光視感効率の各相対強度の積を昆虫が正の走光性を示す波長範囲で積分した値を積分値bとし、前記積分値aに対する前記積分値bの比率(b/a)により定義される誘虫性指数Iが、前記色偏差duvが0であるときの誘虫性指数Iの50%以上99%以下である。色偏差duvが0である発光装置の誘虫性指数Iが100%に対して、本発明の一実施形態に係る発光装置は、誘虫性指数Iが50%以上99%以下と小さく、昆虫を引き寄せ難く、低誘虫効果を有する。色偏差duvが0である発光装置の誘虫性指数Iに対して、本発明の一実施形態に係る発光装置の誘虫性指数Iが99%を超えると、色偏差duvが0である発光装置と誘虫効果がほぼ同じとなり、低誘虫効果がなくなる。色偏差duvが0である発光装置の誘虫性指数Iに対して、本発明の一実施形態に係る発光装置の誘虫性指数Iが50%未満であると、低誘虫効果は大きくなるが、発光装置から発せられる混色光の色バランスが崩れて演色性が低下する。色偏差duvが0である発光装置の誘虫性指数Iに対する前記発光装置の誘虫性指数Iの比率(%)は、前記誘虫性指数Iを誘虫性指数Iで除した値の100の積で表される(I/I×100(%))。本明細書において、。色偏差duvが0である発光装置の誘虫性指数Iが100%に対する前記発光装置の誘虫性指数Iを、相対誘虫性指数(I/I)(%)と記載する場合もある。
ヒトの可視領域の波長範囲は、380nm以上780nm以下である。昆虫が正の走光性を示す波長範囲は、昆虫の種類によって異なり、250nm以上580nm以下の波長範囲(Bickford)と、250nm以上615nm以下の波長範囲(Bertholf)の2つの波長範囲が知られている。発光装置から発せられる混色光の分光分布とヒトの標準分光視感効率の各相対強度の積をヒトの可視領域の波長範囲で積分した値である積分値aは、下記式(a-1)で表すことができる。
Figure 0007417153000001
前記式(a-1)中、aは積分値であり、P(λ)は発光装置から発せられる混色光の波長に対する分光分布強度であり、V(λ)はヒトの波長に対する標準分光視感効率である。
発光装置から発せられる混色光の分光分布と昆虫の分光視感効率の各相対強度の積を昆虫が正の走光性を示す波長範囲で積分した値である積分値bは、昆虫の種によって正の走光性を示す波長範囲が異なるため、下記式(b-1)又は下記式(b-2)で表すことができる。
Figure 0007417153000002
Figure 0007417153000003
前記式(b-1)又は前記式(b-2)中、bは積分値であり、P(λ)は発光装置から発せられる混色光の波長に対する分光分布強度であり、S(λ)は昆虫の波長に対する分光視感効率である。
本発明の一実施形態に係る発光装置から発せられる混色光の誘虫性指数は、下記式(1)又は(2)により算出される。
Figure 0007417153000004
Figure 0007417153000005
前記式(1)又は(2)中、Iは発光装置から発せられる混色光の誘虫性指数であり、P(λ)は発光装置から発せられる混色光の波長に対する分光分布強度であり、S(λ)は昆虫の波長に対する分光視感効率であり、V(λ)はヒトの波長に対する標準分光視感効率である。
色偏差duvが0であるときの発光装置の誘虫性指数Iは、色偏差duvが0である発光装置から発せられる混色光の波長に対する分光分布とヒトの標準分光視感効率の各相対強度の積をヒトの可視領域の波長範囲で積分した値を積分値aとし、前記混色光の分光分布と昆虫の分光視感効率の各相対強度の積を昆虫が正の走光性を示す波長範囲で積分した値を積分値bとし、前記積分値aに対する前記積分値bの比率(b/a)である。具体的には、前記式(a-1)、(b-1)、(b-2)、(1)及び(2)において、色偏差duvが0である発光装置から発せられる混色光の波長に対する分光分布強度P(λ)から算出することができる。具体的には、色偏差duvが0であるときの発光装置の誘虫性指数Iは、下記式(3)又は(4)により算出される。
Figure 0007417153000006
Figure 0007417153000007
前記式(3)又は(4)中、Iは色偏差duvが0である発光装置から発せられる混色光の誘虫性指数であり、P(λ)は色偏差duvが0である発光装置から発せられる混色光の波長に対する分光分布強度であり、S(λ)は昆虫の波長に対する分光視感効率であり、V(λ)はヒトの波長に対する標準分光視感効率である。
本発明の一実施形態に係る発光装置は、その平均演色評価数Raが60以上であることが好ましい。前記発光装置の平均演色評価数Raは、より好ましくは61以上、さらに好ましくは62以上である。前記発光装置の平均演色評価数Raは、JIS Z8726に準拠して測定することができる。発光装置の平均演色評価数Raの値が100に近づくほど、基準光源に近似した演色性となる。昆虫を引き寄せる誘虫効果を低くするために昆虫の分光視感効率と重なる波長範囲の色成分の光を抑制すると、白色光の色バランスが崩れて平均演色評価数Raの数値は下がる傾向がある。標準光源に近い平均演色評価数Raを得ようとすると、昆虫の分光視感効率曲線と重なる波長範囲の色成分の光を十分に抑制することができず、発光装置の昆虫を引き寄せる効果(誘虫効果)を小さくすることができない。CIEの1986年に公表された指針によれば、蛍光ランプが具備すべき平均演色評価数は、一般作業を行う工場では60以上80未満とされている。低誘虫効果を有し、人間の視環境において十分な演色性を有するためには、発光装置の平均演色評価数Raは、80未満であってもよく、78以下であってもよい。
本発明の一実施形態に係る発光装置の蛍光部材に含まれる蛍光体は、第一蛍光体を含むことが好ましい。第一蛍光体は、前記発光素子からの光により励起されて530nm以上580nm以下の範囲に少なくとも一つの発光ピーク波長を有する。前記第一蛍光体は、(1a)Ceで賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体、(1b)Ceで賦活される希土類シリコンナイトライド系蛍光体、(1c)Ceで賦活されるスカンジウム塩蛍光体、(1d)Ceで賦活されるスカンジウムケイ酸塩蛍光体、(1e)Euで賦活されるアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、及び(1f)Ca、Mg及びClを組成に含み、Euで賦活されるケイ酸塩蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体を含むことが好ましい。
前記(1a)Ceで賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体は、下記式(I)で表される組成を含む蛍光体が挙げられる。
(Lu,Y,Gd,Tb)(Al,Ga)12:Ce (I)
前記(1a)Ceで賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体は、例えば、YAl12:Ce、(Y0.8Gd0.2Al12:Ce、Y(Al0.8Ga0.212:Ce、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce、TbAl12:Ce、及びLuAl12:Ceで表される組成を含む蛍光体も挙げられる。本明細書において、蛍光体の組成を表す式中、カンマ(,)で区切られて記載されている複数の元素は、これら複数の元素のうち少なくとも一種の元素を組成中に含むことを意味する。組成式中のカンマ(,)で区切られて記載されている複数の元素は、組成中にカンマで区切られた複数の元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含み、前記複数の元素から二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。また、本明細書において、蛍光体の組成を表す式中、コロン(:)の前は母体結晶を表し、コロン(:)の後は賦活元素を表す。
前記(1b)Ceで賦活される希土類シリコンナイトライド系蛍光体は、下記式(II)で表される組成を含む蛍光体が挙げられる。
(La,Cd,Y)(Al,Si)11:Ce (II)
前記(1c)Ceで賦活されるスカンジウム酸塩蛍光体は、下記式(III)で表される組成を含む蛍光体が挙げられる。
CaSc:Ce (III)
前記(1d)Ceで賦活されるスカンジウムケイ酸塩蛍光体は、下記式(IV)で表される組成を含む蛍光体が挙げられる。
CaScSi12:Ce (IV)
前記(1e)Euで賦活されるアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体は、下記式(V)で表される組成を含む蛍光体が挙げられる。
(Sr,Ca,Ba)Al1425:Eu (V)
前記(1e)Euで賦活されるアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体は、SrAl:R、SrAl1425:R、CaAl:R、BaMgAl1627:R、BaMgAl1612:R、及びBaMgAl1017:R(Rは、Eu、Mn、EuとMn、のいずれか1種以上である。)で表される組成を含む蛍光体も挙げられる。
前記(1f)Ca、Mg及びClを組成に含み、Euで賦活されるケイ酸塩蛍光体は、下記式(VI)で表される組成を含む蛍光体が挙げられる。
(Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu (VI)
本発明の一実施形態に係る発光装置の蛍光部材に含まれる蛍光体は、さらに第二蛍光体を含むことが好ましい。第二蛍光体は、前記発光素子からの光により励起されて600nm以上670nm以下の範囲に少なくとも一つの発光ピーク波長を有する。前記第二蛍光体は、(2a)Sr及びCaから選ばれる少なくとも一種の元素とAlを組成に含み、Euで賦活されるシリコンナイトライド系蛍光体、(2b)Euで賦活されるアルカリ土類金属シリコンナイトライド系蛍光体、(2c)K、Li、Na、Rb、Cs及びNH からなる群から選ばれる少なくとも一種と、第4族元素及び第14族元素からなる群から選択される少なくとも一種の元素を組成に含み、Mnで賦活されるフッ化物蛍光体、及び(2d)Mnで賦活されるフルオロジャーマネート蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体を含むことが好ましい。
前記(2a)Sr及びCaから選ばれる少なくとも一種の元素とAlを組成に含み、Euで賦活されるシリコンナイトライド系蛍光体は、下記式(i)で表される組成を含む蛍光体が挙げられる。
(Ca1-s-tSrEuAlSi (i)
(式(I)中、s、t、u、v、w及びxは、それぞれ0≦s≦1.0、0<t<1.0、0<s+t<1.0、0.8≦x≦1.0、0.8≦u≦1.2、0.8≦v≦1.2、1.9≦u+v≦2.1、2.5≦w≦3.5を満たす数である。)式(i)で表される組成を含む蛍光体を、CaAlSiN:Eu蛍光体又は(Sr,Ca)AlSiN:Eu蛍光体と表す場合もある。前記式(i)中、変数tは、前記式(i)で表される組成における賦活元素Euのモル比である。変数tは、好ましくは0.0001≦t≦0.2、より好ましくは0.001≦t≦0.1、さらに好ましくは0.0002≦t≦0.05である。前記式(i)中、変数sは、前記式(i)で表される組成におけるSrのモル比である。変数sは、好ましくは0≦s≦0.98、より好ましくは0≦s≦0.95、さらに好ましくは0≦s≦0.9である。
前記(2b)Euで賦活されるアルカリ土類金属シリコンナイトライド系蛍光体は、下記式(ii)で表される組成を含む蛍光体が挙げられる。
(Ca1-p-q-rSrBaEuSi(ii)
式(ii)中、p、q及びrは、0≦p≦1.0、0≦q≦1.0、0<r<1.0及びp+q+r≦1.0を満たす数である。
前記(2c)K、Li、Na、Rb、Cs及びNH からなる群から選ばれる少なくとも一種と、第4族元素及び第14族元素からなる群から選択される少なくとも一種の元素を組成に含み、Mnで賦活されるフッ化物蛍光体は、下記式(iii)で表される組成を含む蛍光体が挙げられる。
[M 1-gMn4+ ] (iii)
式(iii)中、Aは、K、Li、Na、Rb、Cs及びNH からなる群から選択される少なくとも1種であり、Mは、第4族元素及び第14族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、gは0<g<0.2を満たす数である。
前記(2d)Mnで賦活されるフルオロジャーマネート蛍光体は、下記式(iv)で表される組成を含む蛍光体が挙げられる。
(i-j)MgO・(j/2)Sc・kMgF・mCaF・(1-n)GeO・(n/2)M :zMn4+ (iv)
式(iv)中、MはAl、Ga及Inからなる群から選択される少なくとも1種であり、i、j、k、m、n及びzはそれぞれ、2≦i≦4、0≦j<0.5、0<k<1.5、0≦m<1.5、0<n<0.5、及び0<z<0.05を満たす数である。
本発明の一実施形態に係る発光装置の蛍光部材に含まれる蛍光体は、前記第一蛍光体と前記第二蛍光体を含むことが好ましく、前記第一蛍光体が、(1a)Ceで賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体を含み、前記第二蛍光体が、(2a)Sr及びCeから選ばれる少なくとも一種の元素とAlを組成に含み、Euで賦活されるシリコンナイトライド系蛍光体を含むことが好ましい。前記蛍光体が、前記希土類アルミン酸塩蛍光体を含む第一蛍光体と、前記シリコンナイトライド系蛍光体を含む第二蛍光体を含むことによって、本発明の一実施形態に係る発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線と重なる波長範囲の色成分の強度を抑制して、ヒトの標準分光視感効率と重なる波長範囲の色成分の強度を高くした分光分布が得られように、発光装置から発せられる混色光を調製することができる。前記第一蛍光体が前記希土類アルミン酸塩蛍光体を含み、前記第二蛍光体が前記シリコンナイトライド系蛍光体を含むことによって、前記色偏差duvが0を超えて0.02の範囲であり、色偏差duvが0であるときの誘虫性指数Iが100%に対して、誘虫性指数Iが50%以上99%以下となる混色光を発する発光装置を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る発光装置の蛍光部材に含まれる蛍光体が、(1a)Ceで賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体を含む第一蛍光体と、(2a)Sr及びCeから選ばれる少なくとも一種の元素とAlを組成に含み、Euで賦活されるシリコンナイトライド系蛍光体を含む第二蛍光体を含む場合、第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)は、0.005以上0.27以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.01以上0.25以下の範囲であり、さらに好ましくは0.01以上0.20以下の範囲であり、よりさらに好ましくは0.01以上0.18以下の範囲であり、特に好ましくは0.01以上0.15以下の範囲である。前記蛍光体が前記希土類アルミン酸塩蛍光体を含む第一蛍光体と、前記シリコンナイトライド系蛍光体を含む第二蛍光体を含む場合、前記第一蛍光体と前記第二蛍光体の質量比が前記範囲内であると、発光素子の発光ピーク波長や目的とする混色光の相関色温度によっても異なるが、前記誘虫性指数Iに対する誘虫性指数Iが50%以上99%以下であり、低誘虫効果が大きく、人間の視環境において十分な演色性を有する混色光を発する発光装置を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る発光装置に用いられる蛍光部材は、蛍光体70及び封止材料を含むものであることが好ましい。封止材料は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂から選ばれる樹脂を用いることができる。製造のし易さを考慮すると、封止材料として用いられる樹脂は、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。蛍光部材は、赤色蛍光体及び封止材料の他に、フィラー、光安定剤、着色剤等のその他の成分を含んでいてもよい。フィラーとしては、例えばシリカ、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等を挙げることができる。蛍光部材中の、蛍光体及び封止材料以外のその他の成分の含有量は、目的とする発光装置の大きさ、目的とする混色光の相関色温度、混色光の色偏差duv、混色光の色調によって異なり、目的とする相関色温度、色偏差duv、色調に基づいて、好適範囲に設定することができる。例えば、蛍光部材中の蛍光体及び封止材料以外のその他の成分の含有量は、封止材料100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下とすることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
発光装置100は、発光ピーク波長が450nmである窒化物半導体を発光素子10として用いた。
蛍光部材50を構成する封止材料としてシリコーン樹脂を用いた。第一蛍光体71は、前記発光素子10からの光により励起されて533nmに発光ピーク波長を有し、YAl12:Ceで表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を用いた。第二蛍光体72は、前記発光素子10からの光により励起されて610nmに発光ピーク波長を有し、(Sr,Ca)AlSiN:Euで表される組成を有するシリコンナイトライド系蛍光体を用いた。発光素子10からの光と、第一蛍光体71及び第二蛍光体72を含む蛍光体70の光による混色光の相関色温度が2700K付近、JIS Z8725に準拠して測定される色偏差duvが0.01になるように第一蛍光体71及び第二蛍光体72を配合した。各実施例及び比較例において、CIE1931色度図上の黒体放射軌跡からの偏差であるduvは、JIS Z8725に準拠して測定される値である。実施例1から2及び比較例1から3の第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)を表1に示す。第一蛍光体71及び第二蛍光体72を含む蛍光体70をシリコン―ン樹脂に添加し、混合分散した後、脱泡して蛍光部材を構成する蛍光部材用組成物を得た。この蛍光部材用組成物を成形体40の凹部の発光素子10上に注入して、前記凹部に充填し、さらに150℃で3時間加熱し、蛍光部材用組成物を硬化させ、蛍光部材50を形成し、図1に示されるような発光装置100を製造した。
実施例2
混色光の色偏差duvが0.02になるように第一蛍光体71及び第二蛍光体72を配合したこと以外は実施例1と同様にして、発光装置を製造した。
比較例1
混色光の色偏差duvが0.00になるように第一蛍光体71及び第二蛍光体72を配合したこと以外は実施例1と同様にして、発光装置を製造した。
比較例2
混色光の色偏差duvが-0.01になるように第一蛍光体71及び第二蛍光体72を配合したこと以外は実施例1と同様にして、発光装置を製造した。
比較例3
混色光の色偏差duvが-0.02になるように第一蛍光体71及び第二蛍光体72を配合したこと以外は実施例1と同様にして、発光装置を製造した。
実施例3
発光ピーク波長が450nmである窒化物半導体を発光素子10として用いた。第一蛍光体71は、前記発光素子10からの光により励起されて555nmに発光ピーク波長を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を用いた。第二蛍光体72は、前記発光素子10からの光により励起されて610nmに発光ピーク波長を有し、(Sr,Ca)AlSiN:Euで表される組成を有するシリコンナイトライド系蛍光体を用いた。前記第一蛍光体及び前記第二蛍光体を用い、第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置を製造した。実施例3から6並びに比較例1及び4の第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)を表2に示す。
実施例4
第二蛍光体72として、前記発光素子10からの光により励起されて615nmに発光ピーク波長を有するシリコンナイトライド系蛍光体を用い、第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)を変えたこと以外は、実施例3と同様にして、発光装置を製造した。
実施例5
第二蛍光体72として、前記発光素子10からの光により励起されて620nmに発光ピーク波長を有するシリコンナイトライド系蛍光体を用い、第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)を変えたこと以外は、実施例3と同様にして、発光装置を製造した。
実施例6
第二蛍光体72として、前記発光素子10からの光により励起されて625nmに発光ピーク波長を有するシリコンナイトライド系蛍光体を用い、第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)を変えたこと以外は、実施例3と同様にして、発光装置を製造した。
比較例4
第一蛍光体71として、前記発光素子10からの光により励起されて523nmに発光ピーク波長を有し、(Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Euで表される組成を有するケイ酸塩蛍光体を用い、第二蛍光体72として、前記発光素子10からの光により励起されて620nmに発光ピーク波長を有するシリコンナイトライド系蛍光体を用い、第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)を変えたこと以外は、実施例3と同様にして、発光装置を製造した。
比較例5
発光装置100は、発光ピーク波長が420nmである窒化物半導体を発光素子10として用い、第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置を製造した。実施例1とともに、比較例1、5及び6の第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)を表3に示す。
比較例6
発光装置100は、発光ピーク波長が490nmである窒化物半導体を発光素子10として用い、第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)を変えたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置を製造した。
実施例7及び比較例7
混色光の相関色温度が2000K付近であり、実施例7は色偏差duvが0.01になり、比較例7は色偏差duvが0.00になるように、第一蛍光体71及び第二蛍光体72を配合したこと以外は実施例1と同様にして、発光装置を製造した。実施例7から15及び比較例7から13の第一蛍光体に対する第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)を表4に示す。
実施例8から9及び比較例8
混色光の相関色温度が3000K付近であり、実施例8は色偏差duvが0.01になり、実施例9は色偏差duvが0.02になり、比較例8は色偏差duvが0.00になるように、第一蛍光体71及び第二蛍光体72を配合したこと以外は実施例1と同様にして、発光装置を製造した。
実施例10から11及び比較例9
混色光の相関色温度が4000K付近であり、実施例10は色偏差duvが0.01になり、実施例11は色偏差duvが0.02になり、比較例9は色偏差duvが0.00になるように、第一蛍光体71及び第二蛍光体72を配合したこと以外は実施例1と同様にして、発光装置を製造した。
実施例12から13及び比較例10
混色光の相関色温度が5000K付近であり、実施例12は色偏差duvが0.01になり、実施例13は色偏差duvが0.02になり、比較例10は色偏差duvが0.00になるように、第一蛍光体71及び第二蛍光体72を配合したこと以外は実施例1と同様にして、発光装置を製造した。
実施例14から15及び比較例11から13
混色光の相関色温度が6500K付近であり、実施例14は色偏差duvが0.01になり、実施例15は色偏差duvが0.02になり、比較例11は色偏差duvが0.00になり、比較例12は色偏差duvが-0.01になり、比較例13は色偏差duvが-0.02になるように、第一蛍光体71及び第二蛍光体72を配合したこと以外は実施例1と同様にして、発光装置を製造した。
実施例16から17及び比較例14
発光ピーク波長が450nmである窒化物半導体を発光素子10として用いた。第一蛍光体71は、前記発光素子10からの光により励起されて522nmに発光ピーク波長を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を用いた。第二蛍光体72は、前記発光素子10からの光により励起されて610nmに発光ピーク波長を有し、(Sr,Ca)AlSiN:Euで表される組成を有するシリコンナイトライド系蛍光体を用いた。混色光の相関色温度が8300K付近であり、実施例16は色偏差duvが0.01になり、実施例17は色偏差duvが0.02になり、比較例14は色偏差duvが0.00になるように、前記第一蛍光体及び前記第二蛍光体を配合したこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置を製造した。
実施例18から19及び比較例15
混色光の相関色温度が10000K付近であり、実施例18は色偏差duvが0.01になり、実施例19は色偏差duvが0.02になり、比較例15は色偏差duvが0.00になるように、前記第一蛍光体及び前記第二蛍光体を配合したこと以外は、実施例16と同様にして、発光装置を製造した。
発光スペクトル(分光分布)、相対発光強度(555nm)(%)
各実施例及び各比較例の発光装置から発せられる混色光の発光スペクトル(分光分布)を分光蛍光光度計(製品名:F-4500、日立ハイテクノロジーズ株式会社製)用いて測定した。得られた結果を図3から図12に示す。明所視においてヒトが最も明るく感じる555nmの波長の発光強度を測定し、色偏差がduvが0である目標とする各相関温度を有する比較例の発光装置の555nmにおける発光強度を100%として、目標とする各相関色温度を有する他の実施例及び比較例の発光装置の555nmにおける発光強度を、各実施例及び比較例の相対発光強度(555nm)(%))とした。各実施例及び比較例の発光装置は、発光素子の順方向電圧(Vf)は2.88(V)であった。結果を表1から表4に示す。また、各実施例及び各比較例の発光装置の発光スペクトル(分光分布)を図3から図12に示す。図3から図12は、各実施例及び各比較例の発光装置の発光スペクトル(分光分布)とともに、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)も記載した。
相対誘虫性指数(I/I)(%)
得られた各実施例及び比較例の発光装置から発せられる混色光の発光スペクトル(分光分布)から誘虫性指数Iを下記式(1)により算出した。
Figure 0007417153000008
前記式(1)中、Iは各実施例及び比較例の発光装置から発せられる混色光の誘虫性指数であり、P(λ)は発光装置から発せられる混色光の波長に対する分光分布強度であり、S(λ)は昆虫の波長に対する分光視感効率であり、V(λ)はヒトの波長に対する標準分光視感効率である。
色偏差duvが0であるときの発光装置の誘虫性指数Iを、下記式(3)により算出した。
Figure 0007417153000009
前記式(3)中、Iは色偏差duvが0である発光装置から発せられる混色光の誘虫性指数であり、P(λ)は前記発光装置から発せられる混色光の波長に対する分光分布強度であり、S(λ)は昆虫の波長に対する分光視感効率であり、V(λ)はヒトの波長に対する標準分光視感効率である。
目標とする各相関色温度を有する色偏差duvが0である発光装置から発せられる光の誘虫性指数Iに対する目標とする各相関色温度を有する実施例及び比較例の発光装置から発せられる光の誘虫性指数Iの比率(I/I×100(%))を相対誘虫性指数(I/I)(%)として表した。結果を表1から表4に示す。
色度(x、y)、相関色温度、平均演色評価数Ra
各実施例及び比較例の発光装置について、マルチチャンネル分光器と積分球を組み合わせた光計測システムで、発光色の色度座標(色度x、y)、JIS Z8725に準拠して相関色温度(Tcp;K)、JIS Z8726に準拠して平均演色評価数Raを測定した。結果を表1から表4に示す。
Figure 0007417153000010
表1に示すように、相関色温度が2700K付近であり、色偏差duvが0を超えて0.02の範囲である実施例1及び2の発光装置は、相関色温度が2700K付近であり、色偏差duvが0である比較例1の発光装置に比べて、相対誘虫性指数(I/I)が低く、低誘虫効果が大きかった。また、実施例1及び2の発光装置は、平均演色評価数Raが60以上であり、人間が一般作業を行う視環境における十分な演色性を維持していた。実施例1及び2の発光装置は、明所視においてヒトが最も明るく感じる555nmにおける相対発光強度が、色偏差duvが0以下である比較例1から3の発光装置に比べて高くなった。一方、色偏差duvが0以下の比較例1から3の発光装置は、相対誘虫性指数(I/I)が100%以上であり、実施例1及び2の発光装置と比べて低誘虫効果が小さかった。また、555nmにおける相対発光強度も低下した。
図3に示すように、実施例1及び2の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる430nm以上470nm以下の波長範囲における発光強度が、色偏差duvが0以下である比較例1から3の発光装置の発光強度に比べて低くなっており、低誘虫効果が大きいことが確認できた。また、図3に示すように、実施例1及び2の発光装置は、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)と重なる500nm以上600nm以下の波長範囲における発光強度が、色偏差duvが0以下である比較例1から3の発光装置の発光強度よりも高くなっており、人間が明るさを感じる波長範囲の発光強度が高くなった。
Figure 0007417153000011
表2に示すように、相関色温度が2700K付近であり、色偏差duvが0.01である実施例3から6の発光装置は、いずれも比較例1の発光装置に比べて、相対誘虫性指数(I/I)が低く、低誘虫効果が大きかった。また、実施例3から6の発光装置は、平均演色評価数Raが60以上であり、人間が一般作業を行う視環境における十分な演色性を維持していた。実施例3から6の発光装置は、明所視においてヒトが最も明るく感じる555nmにおける相対発光強度も、比較例1の発光装置に比べて高くなった。一方、相関色温度が2700K付近であり、色偏差duvが0.01である比較例4の発光装置は、555nmにおける相対発光強度が低下した。
図4に示すように、実施例3から6の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる430nm以上500nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例4の発光装置の発光強度に比べて低くなっており、低誘虫効果が大きいことが確認できた。また、図4に示すように、実施例3から6の発光装置は、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)と重なる530nm以上600nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例4の発光装置の発光強度よりも高くなっており、人間が明るさを感じる波長範囲の発光強度が高くなった。
Figure 0007417153000012
表3に示すように、比較例5の発光装置は、発光ピーク波長が比較例1よりも短波長側にシフトした発光素子10を用いている。比較例6の発光装置は、発光ピーク波長が比較例1よりも長波長側にシフトした発光素子10を用いている。比較例5及び6の発光装置は、相対誘虫性指数(I/I)が比較例1の発光装置より高く、低誘虫効果が小さくなった。また、比較例5及び6の発光装置は、明所視においてヒトが最も明るく感じる555nmにおける相対発光強度も、比較例1の発光装置に比べて低くなった。
図5に示すように、比較例5の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる400nm以上450nm以下の波長範囲の発光強度が高くなっており、低誘虫効果を有していない。。図5に示すように、比較例6の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる470nm以上550nm以下の波長範囲の発光強度が高くなっており、低誘虫効果が小さくなった。
Figure 0007417153000013
表4に示すように、相関色温度が2000K付近、3000K付近、4000K付近、5000K付近、6500K付近、8300K付近、10000K付近であり、色偏差duvが0を超えて0.02の範囲である実施例7から19の発光装置は、相関色温度が前記各温度であり、色偏差duvが0以下である比較例7から15の発光装置に比べて、相対誘虫性指数(I/I)が低く、低誘虫効果が大きかった。また、実施例7から19の発光装置は、いずれも平均演色評価数Raが60以上であり、人間が一般作業を行う視環境における十分な演色性を維持していた。実施例7の発光装置は、明所視においてヒトが最も明るく感じる555nmにおける相対発光強度が、比較例7の発光装置とほぼ変わらなかった。実施例8から19の発光装置は、明所視においてヒトが最も明るく感じる555nmにおける相対発光強度も、各相関色温度の比較例8から15の発光装置に比べて高くなった。
図6に示すように、相関色温度が2000K付近であり、色偏差duvが0.01である実施例7の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる430nm以上470nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例7の発光装置の発光強度に比べて低くなっており、低誘虫効果が大きいことが確認できた。図6に示すように、比較例7の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる430nm以上470nm以下の波長範囲に発光ピーク波長を有し、低誘虫効果が小さかった。
図7に示すように、相関色温度が3000K付近であり、色偏差duvが0を超えて0.02の範囲である実施例8及び9の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる430nm以上470nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例8の発光装置の発光強度に比べて低くなっており、低誘虫効果が大きいことが確認できた。また、図7に示すように、実施例8及び9の発光装置は、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)と重なる500nm以上600nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例8の発光装置の発光強度よりも高くなっており、人間が明るさを感じる波長範囲の発光強度が高くなった。
図8に示すように、相関色温度が4000K付近であり、色偏差duvが0を超えて0.02の範囲である実施例10及び11の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる430nm以上470nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例9の発光装置の発光強度に比べて低くなっており、低誘虫効果が大きいことが確認できた。また、図8に示すように、実施例10及び11の発光装置は、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)と重なる500nm以上600nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例9の発光装置の発光強度よりも高くなっており、人間が明るさを感じる波長範囲の発光強度が高くなった。
図9に示すように、相関色温度が5000K付近であり、色偏差duvが0を超えて0.02の範囲である実施例12及び13の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる430nm以上470nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例10の発光装置の発光強度に比べて低くなっており、低誘虫効果が大きいことが確認できた。また、図9に示すように、実施例12及び13の発光装置は、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)と重なる500nm以上600nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例10の発光装置の発光強度よりも高くなっており、人間が明るさを感じる波長範囲の発光強度が高くなった。
図10に示すように、相関色温度が6500K付近であり、色偏差duvが0を超えて0.02の範囲である実施例14及び15の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる430nm以上470nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例11から13の発光装置の発光強度に比べてやや低くなっており、低誘虫効果を有していた。また、図10に示すように、実施例14及び15の発光装置は、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)と重なる500nm以上600nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例11から13の発光装置の発光強度よりも高くなっており、人間が明るさを感じる波長範囲の発光強度が高くなった。
図11に示すように、相関色温度が8300K付近であり、色偏差duvが0を超えて0.02の範囲である実施例16及び17の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる430nm以上470nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例14の発光装置の発光強度に比べてやや低くなっており、低誘虫効果を有していた。また、図11に示すように、実施例16及び17の発光装置は、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)と重なる500nm以上600nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例14の発光装置の発光強度よりも高くなっており、人間が明るさを感じる波長範囲の発光強度が高くなった。
図12に示すように、相関色温度が10000K付近であり、色偏差duvが0を超えて0.02の範囲である実施例18及び19の発光装置は、昆虫の分光視感効率曲線(Bickford)と重なる430nm以上470nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例15の発光装置の発光強度に比べてやや低くなっており、低誘虫効果を有していた。また、図12に示すように、実施例18及び19の発光装置は、ヒトの標準分光視感効率曲線(明所視)と重なる500nm以上600nm以下の波長範囲における発光強度が、比較例15の発光装置の発光強度よりも高くなっており、人間が明るさを感じる波長範囲の発光強度が高くなった。
本発明の一実施形態の発光装置は、低誘虫効果が求められる街路灯、港湾やトンネルなどの屋外に設置する照明器具、及びオフィス、一般家庭、商業施設、工場などの屋内に設置する照明器具として利用することができる。
10:発光素子、40:成形体、50:蛍光部材、71:第一蛍光体、72:第二蛍光体、100:発光装置。

Claims (11)

  1. 430nm以上470nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、前記発光素子からの光により励起されて発光する、第一蛍光体及び第二蛍光体を含有する蛍光体を含む蛍光部材と、を備え、前記発光素子の光と前記蛍光体の光による混色光のJIS Z8725に準拠して測定される相関色温度が1500K以上11000K以下の範囲であり、
    均演色評価数Raが60以上80以下であり、
    前記混色光のCIE1931色度図上の黒体放射軌跡からの偏差であり、JIS Z8725に準拠して測定される色偏差duvが、1500K以上11000K以下の相関色温度において、0.01以上0.02以下の範囲であり、
    下記式(3)により算出される誘虫性指数Iの100%に対して、下記式(1)により算出される誘虫性指数Iが50%以上99%以下であるか、又は、下記式(4)により算出される誘虫性指数Iの100%に対して、下記式(2)より算出される誘虫性指数Iが50%以上99%以下である、発光装置。
    Figure 0007417153000014
    Figure 0007417153000015
    (前記式(1)又は(2)中、Iは発光装置から発せられる混色光の誘虫性指数であり、P(λ)は発光装置から発せられる目標とする相関色温度の混色光の波長に対する分光分布強度であり、S(λ)は昆虫の波長に対する分光視感効率であり、V(λ)はヒトの波長に対する標準分光視感効率である。)
    Figure 0007417153000016
    Figure 0007417153000017
    (前記式(3)又は(4)中、Iは色偏差duvが0である発光装置から発せられる混色光の誘虫性指数であり、P(λ)は色偏差duvが0である発光装置から発せられる前記目標とする相関色温度の混色光の波長に対する分光分布強度であり、S(λ)は昆虫の波長に対する分光視感効率であり、V(λ)はヒトの波長に対する標準分光視感効率である。)
  2. 前記平均演色評価数Raが80未満である、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第一蛍光体が、前記発光素子からの光により励起されて530nm以上580nm以下の範囲に少なくとも一つの発光ピーク波長を有する、請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記第一蛍光体が、(1a)Ceで賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体、(1b)Ceで賦活される希土類シリコンナイトライド系蛍光体、(1c)Ceで賦活されるスカンジウム塩蛍光体、(1d)Ceで賦活されるスカンジウムケイ酸塩蛍光体、(1e)Euで賦活されるアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、及び(1f)Ca、Mg及びClを組成に含み、Euで賦活されるケイ酸塩蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記第一蛍光体が、下記式(I)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体、下記式(II)で表される組成を有する希土類シリコンナイトライド系蛍光体、下記式(III)で表される組成を有するスカンジウム塩蛍光体、下記式(IV)で表される組成を有するスカンジウムケイ酸塩蛍光体、下記式(V)で表される組成を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、及び下記式(VI)で表される組成を有するケイ酸塩蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
    (Lu,Y,Gd,Tb)(Al,Ga)12:Ce (I)
    (La,Cd,Y)(Al,Si)11:Ce (II)
    CaSc:Ce (III)
    CaScSi12:Ce (IV)
    (Sr,Ca,Ba)Al1425:Eu (V)
    (Ca,Sr,Ba)MgSi16(F,Cl,Br):Eu (VI)
  6. 前記第二蛍光体が、前記発光素子からの光により励起されて600nm以上670nm以下の範囲に少なくとも一つの発光ピーク波長を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記第二蛍光体が、(2a)Sr及びCaから選ばれる少なくとも一種の元素とAlを組成に含み、Euで賦活されるシリコンナイトライド系蛍光体、(2b)Euで賦活されるアルカリ土類金属シリコンナイトライド系蛍光体、(2c)K、Li、Na、Rb、Cs及びNH からなる群から選択される少なくとも一種と、第4族元素及び第14族元素からなる群から選択される少なくとも一種の元素を組成に含み、Mnで賦活されるフッ化物蛍光体、及び(2d)Mnで賦活されるフルオロジャーマネート蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記第二蛍光体が、下記式(i)で表される組成を有するシリコンナイトライド系蛍光体、
    下記式(ii)で表される組成を有するアルカリ土類金属シリコンナイトライド系蛍光体、下記式(iii)で表される組成を有するフッ化物蛍光体、及び下記式(iv)で表される組成を有するフルオロジャーマネート蛍光体からなる群から選択される少なくとも一種の蛍光体を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の発光装置。
    (Ca1-s-tSrEuAlSi (i)
    (式(i)中、s、t、u、v、w及びxは、それぞれ0≦s≦1.0、0<t<1.0、0<s+t<1.0、0.8≦x≦1.0、0.8≦u≦1.2、0.8≦v≦1.2、1.9≦u+v≦2.1、2.5≦w≦3.5を満たす数である。)
    (Ca1-p-q-rSrBaEuSi(ii)
    (式(ii)中、p、q及びrは、0≦p≦1.0、0≦q≦1.0、0<r<1.0及びp+q+r≦1.0を満たす数である。)
    [M 1-gMn4+ ] (iii)
    (式(iii)中、Aは、K、Li、Na、Rb、Cs及びNH からなる群から選択される少なくとも1種であり、Mは、第4族元素及び第14族元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、gは0<g<0.2を満たす数である。)
    (i-j)MgO・(j/2)Sc・kMgF・mCaF・(1-n)GeO・(n/2)M :zMn4+ (iv)
    (式(iv)中、MはAl、Ga及Inからなる群から選択される少なくとも1種であり、i、j、k、m、n及びzはそれぞれ、2≦i≦4、0≦j<0.5、0<k<1.5、0≦m<1.5、0<n<0.5、及び0<z<0.05を満たす数である。)
  9. 前記第一蛍光体に対する前記第二蛍光体の質量比率(第二蛍光体/第一蛍光体)が、0.005以上0.27以下の範囲内である、請求項1から8のいずれか1項に記載の発光装置。
  10. 前記第一蛍光体が、(Lu,Y,Gd,Tb)(Al,Ga)12:Ceで表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を含み、前記第二蛍光体が、(Sr,Ca)AlSiN:Euで表される組成を有するシリコンナイトライド系蛍光体を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の発光装置。
  11. 430nm以上470nm以下の範囲内に発光ピーク波長を有する発光素子と、
    前記発光素子からの光により励起されて発光する、第一蛍光体及び第二蛍光体を含む蛍光体と、樹脂と、を含む蛍光部材用組成物と、を準備することと、
    前記蛍光部材用組成物を硬化させることによって、前記発光素子上に蛍光部材を形成することを含み、
    前記発光装置は、平均演色評価数Raが60以上80以下であり、前記発光素子の光と前記蛍光体の光による混色光のJIS Z8725に準拠して測定される相関色温度が1500K以上11000K以下の範囲であり、
    前記混色光のCIE1931色度図上の黒体放射軌跡からの偏差であり、JIS Z8725に準拠して測定される色偏差duvが、1500K以上11000K以下の相関色温度において、0.01以上0.02以下の範囲であり、
    下記式(3)により算出される誘虫性指数Iの100%に対して、下記式(1)により算出される誘虫性指数Iが50%以上99%以下であるか、又は、下記式(4)により算出される誘虫性指数Iの100%に対して、下記式(2)より算出される誘虫性指数Iが50%以上99%以下である、発光装置の製造方法。
    Figure 0007417153000018
    Figure 0007417153000019
    (前記式(1)又は(2)中、Iは発光装置から発せられる混色光の誘虫性指数であり、P(λ)は発光装置から発せられる目標とする相関色温度の混色光の波長に対する分光分布強度であり、S(λ)は昆虫の波長に対する分光視感効率であり、V(λ)はヒトの波長に対する標準分光視感効率である。)
    Figure 0007417153000020
    Figure 0007417153000021
    (前記式(3)又は(4)中、Iは色偏差duvが0である発光装置から発せられる混色光の誘虫性指数であり、P(λ)は色偏差duvが0である発光装置から発せられる前記目標とする相関色温度の混色光の波長に対する分光分布強度であり、S(λ)は昆虫の波長に対する分光視感効率であり、V(λ)はヒトの波長に対する標準分光視感効率である。)
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