JP7417022B2 - 予混合装置およびこれを備えた燃焼装置 - Google Patents
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Description
ここで、「予混合」とは、予混合燃焼(Premixing combustion)を行なうことを目的として、空気と燃料ガスとを予め混合させ、可燃混合ガスを生成する処理である。
同図に示す予混合装置Aeは、ベンチュリ状の気体流通路40を内部に形成している管状部材4eと、この管状部材4eに取り付けられた縦横2つのブレード部9A,9Bと、を備えている。気体流通路40の下流側(図9(a)の右側)には、不図示のファンの吸気側が接続され、気体流通路40には空気が流入する。気体流通路40は、その上流域の流路面積が徐々に減少する一方、下流域には、流路面積が徐々に増大する部分が繋げられたベンチュリ状である。縦横2つのブレード部9A,9Bは、同図(b)に示すように、側面視十字状に繋がった状態に設けられており、これらの気体流れ方向下流側の後端部には、燃料ガス流出口60が設けられている。ブレード部9A,9Bは、内部空洞状であり、管状部材4eの周囲からブレード部9A,9B内に燃料ガスが供給される。
この予混合装置Aeにおいては、気体流通路40に空気が流れ、燃料ガス流出口60の付近に負圧が発生することにより、燃料ガス流出口60から気体流通路40に燃料ガスが流出し、空気と混合される。気体流通路40は、ベンチュリ状であるため、空気の流速を速くし、前記負圧を発生させ得る。
ここで、前記した予混合装置Aeは、気体流通路40における空気流量が多量である場合には、燃料ガス流出用の負圧を適切に発生させ、燃料ガスと空気とを一定の割合以上に混合させることは可能であるものの、空気流量が少量とされた場合には、前記した負圧が十分な状態には発生せず、燃料ガス流出口60から燃料ガスを適当量だけ流出させて空気と混合させることは難しいものとなる。したがって、このようなことをできる限り改善し、高いターンダウン比が得られるようにすることが望まれる。
路が内部に形成されている管状部材と、前記気体流通路内に位置してy方向に延び、かつ気体流れ方向下流寄り部分に燃料ガス流出口が設けられているブレード部と、を備えており、前記気体流通路に流入した空気が前記ブレード部の周囲を通過するときに発生する負圧の作用により、前記燃料ガス流出口から前記気体流通路に燃料ガスが流出し、前記空気と混合することが可能とされている、予混合装置であって、前記ブレード部として、z方向に間隔を隔てるようにして略平行に並んだ第1および第2のブレード部を備え、かつこれら第1および第2のブレード部と前記気体流通路の内壁面との相互間には、前記空気の一部が流通する一対の端寄り空気流路が形成されており、前記第1および第2のブレード部のそれぞれは、これらの前端部および後端部よりも前記内壁面寄りに膨出する膨出部を有しており、この膨出部により、前記一対の端寄り空気流路のそれぞれの一部が絞られていることを特徴としている。
すなわち、空気が流通する気体流通路がベンチュリ状とされていることに加え、第1および第2のブレード部のそれぞれと気体流通路の内壁面との相互間に形成された一対の端寄り空気流路は、その一部が絞られているため、このことによっても空気の流速を速めることができる。このように空気の流速を速めれば、気体流通路内における静圧を低くし、燃料ガス流出口から燃料ガスを流出させるように作用する負圧を強くすることが可能となる。その結果、空気流量が少ない場合であっても、燃料ガス流出を適切に行なわせることが可能となり、ターンダウン比を高めることができる。
第1および第2のブレード部は、気体流通路内に位置してy方向に延びているものの、これらはいわゆる薄肉状とし、空気流に対して大きな抵抗にならない構成とすることが可能である。したがって、圧力損失も小さくすることが可能である。
なお、図9に示した従来技術と同一または類似の要素には、同一の符号を適宜付してい
る。
図に示すx,y方向は、ともに水平方向であって、互いに交差する方向である。z方向は、上下高さ方向である。
ただし、本実施形態とは異なり、小径部40bの幅(x方向の幅)をゼロまたはそれに近い寸法とすることもできる(上流側テーパ状領域40aの後端に、下流側テーパ状領域40cの前端を直接繋げることにより、これら2つの領域40a,40cの境界部を小径部40bとした構成とすることもできる)。
好ましくは、第1および第2のブレード部6A,6Bの両端部と、気体流通路40の内壁面41との接続箇所には、形状の急変を抑制するための丸み付け部69が設けられている。この丸み付け部69は、空気流が乱流になることを抑制する効果をもたらせる。
具体的には、このハウジング部材5は、管状部材4の外周の前部および後部に設けられている段部42a,42bに外嵌し、シール用リング49によって気密シールが図られた状態で管状部材4を囲んでいる。ハウジング部材5には、燃料ガス供給口50が設けられており、この燃料ガス供給口50に供給された燃料ガスは、管状部材4とハウジング部材5との相互間に形成された燃料ガス供給路51に供給される。一方、図5および図6に示すように、管状部材4には、第1および第2のブレード部6A,6Bの内部に連通する開
口部43が形成されている。前記した燃料ガス供給路51に供給された燃料ガスは、その開口部43を通過して第1および第2のブレード部6A,6B内に流入し、その後に燃料ガス流出口60から流出するようになっている。
好ましくは、ハウジング部材5には、ボルト挿通用孔52を備えたフランジ部53が具備されている。このような構成によれば、フランジ部53を利用して、予混合装置Aを所望の部位に簡易かつ適切に接続可能である。
すなわち、同図において、第1および第2のブレード部6A,6Bのそれぞれは、気体流れ方向上流側の前寄り領域に、一対の前側傾斜面61を有し、かつその後側に一対の後側傾斜面62を有している。一対の前側傾斜面61は、気体流れ方向下流側ほどブレード厚みが増加するように後広がり状に傾斜しており、その夾角αは、鋭角である。これに対し、一対の後側傾斜面62は、気体流れ方向下流側ほどブレード厚みが減少するように後狭まり状に傾斜しており、水平方向(x方向)に対する傾斜角β2は、各前側傾斜面61の傾斜角β1(β1=α/2)よりも小さい。第1および第2のブレード部6A,6Bの前端面63は、一対の前側傾斜面61の互いに接近している前側部分どうしを滑らかに繋ぐ曲面とされている。第1および第2のブレード部6A,6Bの後端面64は、一対の後側傾斜面62の後端部どうしを滑らかに繋ぐ曲面とされている。
また、一対の端寄り空気流路40Bにも、膨出部65が対面している。このことにより、一対の端寄り空気流路40Bのそれぞれは、膨出部65が対面している領域が、その上流域および下流域よりも小面積の領域として部分的に絞られた構成となっている。
0が設けられている。この構成は、後述するように、第1および第2のブレード部6A,6Bの気体流れ方向下流側に空気の渦流が発生する場合に、燃料ガス流出が悪影響を受け難くする効果をもたらせる。燃料ガス流出口60は、気体流れ方向下流側を向いて開口しており、燃料ガス流出口60からの燃料ガス流出による圧力損失ができる限り生じないようにされている。
図8に示すデータによれば、流路面積A1,A2の比率を、1:1に設定した場合が、吸引負圧を最も低圧にすることができることが理解される。これは、前記比率が、1:1の場合には、中央寄り空気流路40Aおよび各端寄り空気流路40Bのそれぞれに対して空気が大きく偏った量で流れないようにし、中央寄り空気流路40Aおよび各端寄り空気流路40Bの各所におけるベンチュリ効果が効率よく得られることによると推測される。
これを備えた燃焼装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
B 燃焼装置
1 ファン
4 管状部材
40 気体流通路
40a 上流側テーパ状領域(気体流通路の)
40b 小径部(気体流通路の)
40c 下流側テーパ状領域(気体流通路の)
40A 中央寄り空気流路
40B 端寄り空気流路
41 内壁面
5 ハウジング部材
6A,6B 第1および第2のブレード部
60 燃料ガス流出口
61 前側傾斜面
62 後側傾斜面
65 膨出部
66 凹状部
Claims (7)
- 互いに交差するx,y,z方向のうち、x方向が軸長方向とされ、かつ外部から空気が流入可能なベンチュリ状の気体流通路が内部に形成されている管状部材と、
前記気体流通路内に位置してy方向に延び、かつ気体流れ方向下流寄り部分に燃料ガス流出口が設けられているブレード部と、
を備えており、
前記気体流通路に流入した空気が前記ブレード部の周囲を通過するときに発生する負圧の作用により、前記燃料ガス流出口から前記気体流通路に燃料ガスが流出し、前記空気と混合することが可能とされている、予混合装置であって、
前記ブレード部として、z方向に間隔を隔てるようにして略平行に並んだ第1および第2のブレード部を備え、かつこれら第1および第2のブレード部と前記気体流通路の内壁面との相互間には、前記空気の一部が流通する一対の端寄り空気流路が形成されており、
前記第1および第2のブレード部のそれぞれは、これらの前端部および後端部よりも前記内壁面寄りに膨出する膨出部を有しており、この膨出部により、前記一対の端寄り空気流路のそれぞれの一部が絞られていることを特徴とする、予混合装置。 - 請求項1に記載の予混合装置であって、
前記ベンチュリ状の気体流通路は、開口部を含み、かつ後部側ほど内径が漸次減少する上流側テーパ状領域と、この上流側テーパ状領域の後側に繋がり、かつ内径が最小とされている小径部と、この小径部の後側に繋がり、かつ後部側ほど内径が漸次拡大する下流側テーパ状領域と、を含んでおり、
前記一対の膨出部は、前記小径部に位置している、予混合装置。 - 請求項1または2に記載の予混合装置であって、
前記第1および第2のブレード部のそれぞれは、
気体流れ方向上流側の前寄り領域に設けられ、かつ気体流れ方向下流側ほどブレード厚みが増加するように後広がり状に傾斜し、夾角が鋭角である一対の前側傾斜面と、
前記一対の前側傾斜面の後側に設けられ、かつ気体流れ方向下流側ほどブレード厚みが減少するように後狭まり状に傾斜し、その傾斜角が前記一対の前側傾斜面の傾斜角よりも小さい一対の後側傾斜面と、
を備えており、
前記一対の前側傾斜面と前記一対の後側傾斜面との境界部分は、ブレード厚みの最大箇所であり、かつ前記膨出部に相当する、予混合装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の予混合装置であって、
前記第1および第2のブレード部の相互間には、前記空気の他の一部が流通する中央寄り空気流路が形成されており、
前記第1および第2のブレード部は、これらの前端部および後端部よりも前記中央寄り空気流路の中央寄りに膨出する一対の追加の膨出部を有しており、これら一対の追加の膨出部により、前記中央寄り空気流路の一部が絞られている、予混合装置。 - 請求項4に記載の予混合装置であって、
前記一対の端寄り空気流路のそれぞれの前記膨出部によって絞れた箇所の流路面積と、前記中央寄り空気流路の前記一対の追加の膨出部によって絞られた箇所の流路面積とは、略同一に揃えられている、予混合装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の予混合装置であって、
前記第1および第2のブレード部のそれぞれの後端部には、気体流れ方向上流側に向けて部分的に窪んだ凹状部が設けられ、
この凹状部に、前記燃料ガス流出口が設けられている、予混合装置。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の予混合装置を備えていることを特徴とする、燃焼装置。
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