JP7414451B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃焼後の排ガスをスロットル弁の下流の吸気管に還流させるEGR(Exhaust Gas Recirculation)システムを備えた内燃機関の制御装置に関する。
特許文献1に開示される筒内流入EGRガス流量推定装置は、吸気弁モデルを用いて筒内流入総ガス流量を演算する手段と、EGR弁モデルを用いてEGR弁通過ガス流量を演算する手段と、EGR弁を通過したEGRガスが吸気通路内に流入して内燃機関の吸気口に到達するまでの挙動を模擬したEGRガス拡散モデルを用いてEGR弁通過ガス流量の演算値に基づき仮の筒内流入EGRガス流量を演算する手段と、筒内流入総ガス流量の演算値から仮の筒内流入EGRガス流量の演算値を差し引いて筒内流入新気流量を求める手段と、新気流量の計測値を用いて筒内流入新気流量の演算値を補正する手段と、補正した筒内流入新気流量の演算値に基づいて吸気管圧力を演算する手段と、少なくとも前記吸気管圧力の演算値を用いて筒内流入EGRガス流量を演算する手段とを備える。
特開2012-092689号公報
ところで、EGRによって筒内に還流される排ガス流量は、排ガス還流配管の分岐、合流や配管長などの影響によって過渡状態で応答遅れが生じる。このため、係る応答遅れを考慮して筒内還流排ガス流量及び筒内流入新気流量を推定しないと、これら推定値に基づき求められる燃料噴射量に誤差が生じ、排気性状や燃焼が悪化するおそれがあった。
本発明は、従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、EGRシステムを備えた内燃機関において、過渡状態での排気性状や燃焼を改善できる、内燃機関の制御装置を提供することにある。
そのため、本発明に係る内燃機関の制御装置は、その一態様として、スロットル弁通過空気量と筒内流入新気流量の前回値と第1の圧力変化補正値とに基づき、スロットル弁の下流の吸気管における空気分圧を求める空気分圧演算部と、排ガス還流制御弁を介して前記吸気管に還流される排ガス還流量と筒内流入排ガス流量の前回値と第2の圧力変化補正値とに基づき、前記吸気管における還流排ガス分圧を求める還流排ガス分圧演算部と、前記空気分圧及び前記還流排ガス分圧に基づき吸気管圧力を求める吸気管圧力演算部と、前記吸気管圧力演算部から出力された前記吸気管圧力と前記スロットル弁の上流の圧力と前記スロットル弁の開度とに基づき前記スロットル弁通過空気量を求めるスロットル弁通過空気量演算部と、前記空気分圧に基づき前記筒内流入新気流量を求める筒内流入新気流量演算部と、前記筒内流入新気流量に基づき前記燃料噴射装置による燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算部と、前記第1の圧力変化補正値を前記第2の圧力変化補正値より大きい値に設定する圧力変化補正値演算部と、を有し、前記圧力変化補正値演算部は、前記第1の圧力変化補正値を前記筒内流入排ガス流量が多いときほど増加させ、かつ、前記第2の圧力変化補正値を前記筒内流入排ガス流量が多いときほど減少させる。
また、本発明に係る内燃機関の制御装置は、その一態様として、前記圧力変化補正値演算部は、前記内燃機関の運転状態に基づき圧力変化補正値の基本値を求め、前記還流排ガス分圧に基づき求められた前記筒内流入排ガス流量に基づき補正値を求め、前記基本値を前記補正値に応じて増加した値に基づき前記第1の圧力変化補正値を求め、前記基本値を前記補正値に応じて減少した値に基づき前記第2の圧力変化補正値を求める。
上記発明によると、EGRシステムを備えた内燃機関において、過渡状態での排気性状や燃焼を改善できる。
内燃機関のシステム概略図である。 燃料噴射量の算出手順を示す機能ブロック図である。 圧力勾配補正値の算出手順を示す機能ブロック図である。 加速状態の基本ゲインGBAと機関回転速度との相関を示す線図である。 減速状態の基本ゲインGBDと機関回転速度と吸気管圧との相関を示す線図である。 加速状態のゲイン補正値GHAと筒内流入排ガス流量との相関を示す線図である。 減速状態のゲイン補正値GHDと筒内流入排ガス流量との相関を示す線図である。 加速状態でのEGR分圧の応答遅れの特性を示すタイムチャートである。 減速状態でのEGR分圧の応答遅れの特性を示すタイムチャートである。 基本ゲインGBA、圧力勾配補正ゲインGAA、及び、圧力勾配補正ゲインGEAの特性を示すタイムチャートである。 圧力勾配補正値の算出手順を示す機能ブロック図である。 過渡判定閾値と吸気管圧力との相関を示す線図である。 圧力勾配補正の第1段階及び第2段階を示すタイムチャートである。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る制御装置を適用する内燃機関の一態様を示す図である。
なお、図1に示す内燃機関1は、自動車に動力源として搭載される機関である。
内燃機関1の吸気管2は、吸気ダクト2a、吸気コレクタ2b、吸気マニホールド2cで構成される。
吸気ダクト2aには、内燃機関1の吸入空気流量QAを検出するエアフローメータ3(流量センサ)、過給機4のコンプレッサ4a、電制スロットル装置5が設置される。
電制スロットル装置5は、スロットル弁5aと、スロットル弁5aの開度TVOを検出するスロットルセンサ5bと、スロットル弁5aを開閉するアクチュエータであるスロットルモータ5cを備える。
電制スロットル装置5は、内燃機関1の吸入空気流量を調整し、電制スロットル装置5を通過した空気は、吸気コレクタ2b、吸気マニホールド2c、更に吸気弁6を介して内燃機関1の燃焼室7に吸引される。
燃料噴射装置10は、燃焼室7内に燃料を直接噴射し、燃料噴射装置10が燃焼室7内に噴射した燃料は点火装置11による火花点火によって着火燃焼する。
そして、燃焼後の排ガスは、排気バルブ12、排気マニホールド13を介して排出される。
また、内燃機関1は、排ガス還流装置30、換言すれば、EGRシステムを備える。
排ガス還流装置30は、排ガス還流配管31(EGR配管)と排ガス還流制御弁32(EGR制御弁)とを備える。
排ガス還流配管31は、排気マニホールド13(排気管)と吸気コレクタ2b(吸気管)とを連通させ、スロットル弁5aの下流の吸気管2に燃焼後の排ガスを還流させるための還流通路を形成する。
排ガス還流制御弁32は、バルブ開度の変更によって排ガス還流配管31の開口面積を制御することで、排ガス還流配管31を介して吸気管2に還流される排ガス還流量を制御する。
排ガス還流制御弁32は、排ガス還流配管31の開口面積を可変とするバルブ本体32aと、バルブ本体32aを開閉するステップモータなどのアクチュエータ32bとを備える。
制御装置50は、MPU(Microprocessor Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53を含むマイクロコンピュータ54を主体とする電子制御装置である。
そして、制御装置50は、入力した情報に基づいて演算を行い、演算した結果を電制スロットル装置5、燃料噴射装置10、点火装置11、排ガス還流制御弁32などに出力して内燃機関1の運転を制御する、コントロール部としての機能をソフトウェアとして備える。
制御装置50は、内燃機関1の運転状態を検出する各種センサが出力する信号を取得する。
内燃機関1は、各種センサとして、前述のエアフローメータ3、スロットルセンサ5bの他、吸気コレクタ2b内の圧力である吸気管圧力PBを検出する吸気管圧力センサ17、内燃機関1の回転に応じたパルス信号POSを出力する回転センサ18、吸気温度TAを検出する吸気温度センサ19、内燃機関1の冷却水温度TWを検出する水温センサ20、内燃機関1の排ガスの酸素濃度に基づき空燃比A/Fを検出する空燃比センサ21などを備える。
制御装置50は、燃料噴射装置10の開弁駆動する噴射パルス信号、換言すれば、燃料噴射制御信号を出力し、前記噴射パルス信号のパルス幅である燃料噴射パルス幅の設定によって燃料噴射装置10による燃料噴射量を制御する。
そして、制御装置50は、燃料噴射パルス幅を算出する処理において、燃焼室7に流入する新気の流量である筒内流入新気流量を推定し、推定した筒内流入新気流量に基づき燃料噴射パルス幅、つまり、燃料噴射装置10による燃料噴射量を算出する。
図2は、制御装置50における燃料噴射パルス幅(燃料噴射量)の算出手順の一態様を示す機能ブロック図である。
吸入空気量検出部101は、エアフローメータ3が出力する吸入空気流量QAに関する信号を取得し、吸入空気流量QAのデータに変換する。
圧力推定部102は、コンプレッサ4aと電制スロットル装置5との間の吸気管2における圧力であるコンプレッサ-スロットル間圧力PBCを推定する処理部である。
圧力推定部102は、吸入空気量検出部101から取得した吸入空気流量QAのデータ、コンプレッサ-スロットル間圧力PBCの前回値PBC-1、及び、後述するスロットル弁通過空気量演算部103が推定したスロットル弁通過空気量QAFの前回値QAF-1に基づき、コンプレッサ-スロットル間圧力PBCを求める。
つまり、圧力推定部102は、エアフローメータ3を通過した新気流量と、スロットル弁通過空気量QAFとの流量差からコンプレッサ4aと電制スロットル装置5との間の圧力変化を推定する。
スロットル弁通過空気量演算部103は、圧力推定部102が推定したコンプレッサ-スロットル間圧力PBC、スロットル弁5aの開口面積に相当するスロットル弁5aの開度TVO、及び、後述する吸気管圧力演算部110が推定したスロットル弁5a下流の吸気管2内の圧力である吸気管圧力PBEに基づき、スロットル弁通過空気量QAFを求める。
ここで、スロットル弁通過空気量演算部103は、コンプレッサ-スロットル間圧力PBCと吸気管圧力PBEとに基づき、スロットル弁5aを逆流する空気流量を考慮して、スロットル弁5aから下流の吸気管2に流入する空気量を推定する。
空気分圧演算部104は、スロットル弁5aと吸気弁6との間の吸気管2における空気分圧PPAを推定する処理部である。
空気分圧演算部104は、スロットル弁通過空気量演算部103が推定したスロットル弁通過空気量QAF、空気分圧PPAの圧力勾配を補正する第1の圧力勾配補正値PGCA、後述する筒内流入新気流量演算部105が推定した筒内流入新気流量QACの前回値QAC-1、空気分圧PPAの前回値PPA-1に基づき、空気分圧PPAを求める。
空気分圧演算部104は、例えば、以下の数式(1)にしたがって空気分圧PPA(空気分圧推定値)を更新する。
PPA=PPA-1+PGCA*(QAF-QAC-1)…(1)
つまり、空気分圧演算部104は、スロットル弁通過空気量QAFと筒内流入新気流量QACの前回値QAC-1との差分に第1の圧力勾配補正値PGCAを乗算して、空気分圧PPAの変化分を演算し、係る圧力変化分を空気分圧PPAの前回値PPA-1に加算して空気分圧PPAを求める。
筒内流入新気流量演算部105は、吸気弁6を介して燃焼室7内に流入する新気の流量である筒内流入新気流量QACを推定する処理部である。
筒内流入新気流量演算部105は、空気分圧演算部104が推定した空気分圧PPA、内燃機関1の充填効率η、機関回転速度NEに基づき、筒内流入新気流量QACを求める。
なお、制御装置50は、機関回転速度NEを回転センサ18が出力するパルス信号POSに基づき求め、充填効率ηを、例えば、機関回転速度NE及び吸気管圧力センサ17が検出した吸気管圧力PBに基づき求める。
基本燃料噴射量演算部106は、筒内流入新気流量演算部105が求めた筒内流入新気流量QACに基づき、目標空燃比の混合気を形成するための基本燃料噴射量に相当する基本燃料噴射パルス幅TPを演算する。
制御装置50は、基本燃料噴射パルス幅TPに、冷却水温度TWや空燃比A/Fの検出値による補正などを加えて最終的な燃料噴射パルス幅TIを演算し、所定の噴射タイミングで燃料噴射パルス幅TIの燃料噴射パルス信号を燃料噴射装置10に出力する。
排ガス還流量演算部107は、排ガス還流制御弁32を介して吸気管2に還流される排ガス還流量QEGRを演算する処理部である。
排ガス還流量演算部107は、排ガス還流制御弁32の開度、吸気管圧力センサ17が検出した吸気管圧力PB、排気圧演算値に基づき、排ガス還流量QEGRを演算する。
制御装置50は、排ガス還流制御弁32の開度を、例えば、排ガス還流制御弁32を開閉するステップモータのステップ数から求め、また、排気圧演算値を、例えば、機関負荷、機関回転速度、大気圧などから求める。なお、制御装置50は、機関負荷を、例えば、筒内流入新気流量QAC、排気量、空気密度、機関回転速度などに基づき求める。
ここで、排ガス還流量演算部107は、吸気管圧力PBと排気圧演算値との差圧と、排ガス還流制御弁32の開度(開口面積)から排ガス還流量QEGRを演算する。
EGR分圧演算部108は、スロットル弁5aと吸気弁6との間の吸気管2における還流排ガスの分圧であるEGR分圧PPEを推定する処理部である。
EGR分圧演算部108は、排ガス還流量演算部107が推定した排ガス還流量QEGR、EGR分圧PPEの圧力勾配を補正する第2の圧力勾配補正値PGCE、後述する筒内流入排ガス流量演算部109が推定した筒内流入排ガス流量QECの前回値QEC-1、EGR分圧PPEの前回値PPE-1に基づき、EGR分圧PPEを演算する。
EGR分圧演算部108は、例えば、以下の数式(2)にしたがってEGR分圧PPE(EGR分圧推定値)を更新する。
PPE=PPE-1+PGCE*(QEGR-QEC-1)…(2)
つまり、EGR分圧演算部108は、排ガス還流量QEGRと筒内流入排ガス流量QECの前回値QEC-1との差分に第2の圧力勾配補正値PGCEを乗算して、EGR分圧PPEの変化分を演算し、係る圧力変化分をEGR分圧PPEの前回値PPE-1に加算してEGR分圧PPEを求める。
筒内流入排ガス流量演算部109は、吸気管2から吸気弁6を介して燃焼室7内に流入する還流排ガスの流量である筒内流入排ガス流量QECを推定する処理部である。
筒内流入排ガス流量演算部109は、EGR分圧演算部108が推定したEGR分圧PPE、内燃機関1の充填効率η、機関回転速度NEに基づき、筒内流入排ガス流量QECを求める。
吸気管圧力演算部110は、スロットル弁5aと吸気弁6との間の吸気管2内の圧力である吸気管圧力PBEを推定する処理部である。
吸気管圧力演算部110は、空気分圧演算部104が推定した空気分圧PPA、及び、EGR分圧演算部108が推定したEGR分圧PPEに基づき、吸気管圧力PBEを演算する。
吸気管圧力演算部110が求めた吸気管圧力PBEのデータは、スロットル弁通過空気量演算部103に出力され、スロットル弁通過空気量演算部103におけるスロットル弁通過空気量QAFの演算に用いられる。
図3は、制御装置50における第1の圧力勾配補正値PGCA及び第2の圧力勾配補正値PGCEの算出手順、つまり、圧力勾配補正値演算部200の一態様を示す機能ブロック図である。
第1の圧力勾配補正値PGCAは、図2の空気分圧演算部104が空気分圧PPAの圧力勾配の補正に用いる補正項であって、空気分圧PPAの過渡応答の特性設定値である。
また、第2の圧力勾配補正値PGCEは、図2のEGR分圧演算部108がEGR分圧PPEの圧力勾配の補正に用いる補正項であって、EGR分圧PPEの過渡応答の特性設定値である。
加減速検出部151は、内燃機関1が定常状態、加速状態、減速状態のいずれの状態であるかを、例えば、吸気管圧力センサ17が検出する吸気管圧力PBの単位時間当たりの変化量の絶対値、及び、変化方向に基づき検出し、検出結果に関する信号を出力する。
加減速検出部151は、例えば、吸気管圧力PBの単位時間当たりの変化量ΔPBの絶対値が閾値以下であるとき、内燃機関1が定常状態であると判定し、変化量ΔPBの絶対値が前記閾値を超えるとき、内燃機関1が過渡状態であると判定する。
そして、加減速検出部151は、前記変化量ΔPBの絶対値が前記閾値を超え、かつ、吸気管圧力PBが増大方向(換言すれば、負圧から正圧に向かう方向)に変化しているとき、内燃機関1が加速状態であると判定する。
また、加減速検出部151は、前記変化量ΔPBの絶対値が前記閾値を超え、かつ、吸気管圧力PBが減少方向(換言すれば、正圧から負圧に向かう方向)に変化しているとき、内燃機関1が減速状態であると判定する。
なお、加減速検出部151は、スロットル開度や機関回転速度などから定常/過渡の判定を行うことができる。
また、加減速検出部151は、定常/過渡の他に始動後のファーストアイドル状態を判定し、後述するゲインの選択処理において、定常、過渡、始動後のファーストアイドル状態の別に応じてゲイン選択を行うシステムとすることができる。
基本ゲイン演算部152は、吸気管2内の推定圧力値(圧力演算値)の過渡応答を補正するための補正項(圧力勾配補正値)の基本値である基本ゲインGBA,GBDを、内燃機関1の運転状態(負荷及び/又は回転速度)に基づき求める。
後述するように、基本ゲインGBAは内燃機関1の加速状態で推定圧力値の増大変化を補正するための補正項で、基本ゲインGBDは内燃機関1の減速状態で推定圧力値の減少変化を補正するための補正項である。
また、基本ゲインGBA,GBDは、排ガス還流装置30による排ガスの還流が停止されているときに、空気分圧演算部104が基本ゲインGBA,GBDに基づき求める空気分圧PPAの演算値が、吸気管圧力センサ17が検出する吸気管圧力PBに近似するように適合されている。
なお、排ガス還流の停止状態とは、排ガス還流制御弁32が最小開度若しくは全閉に制御されていて、排ガス還流量が最小量若しくは零のときである。
基本ゲイン演算部152は、内燃機関1が加速状態であるときに推定圧力値の立ち上がり応答を補正するための基本ゲインGBA(GBA>0)を、機関回転速度NEに基づき求める。
図4は、加速状態で用いる基本ゲインGBAと機関回転速度NEとの相関の一態様を示す図である。
機関回転速度NEが高いほどガス流速が速くなるため、吸気管2内の圧力の立ち上がり応答は、機関回転速度NEが高いほど速くなる。
このため、基本ゲイン演算部152は、機関回転速度NEが高いほど基本ゲインGBAをより大きな値に設定し、基本ゲインGBAに基づく補正によって加速状態での推定圧力値の立ち上がり応答を速める。
一方、基本ゲイン演算部152は、内燃機関1が減速状態であるときに推定圧力値の減少応答を補正するための基本ゲインGBD(GBD>0)を、機関回転速度NE、及び、吸気管圧力センサ17が検出する吸気管圧力PB(換言すれば、機関負荷)に基づき求める。
図5は、減速状態で用いる基本ゲインGBDと、機関回転速度NE及び吸気管圧力PBとの相関の一態様を示す図である。
基本ゲイン演算部152は、機関回転速度NEが高くガス流速が速くなるほど、基本ゲインGBDをより大きな値に設定し、基本ゲインGBDに基づく補正によって減速状態での推定圧力値の減少応答を速める。
また、基本ゲイン演算部152は、吸気管圧力PBが高く吸気管2内の気体が筒内へ流入し易くなるほど、基本ゲインGBDをより大きな値に設定し、基本ゲインGBDに基づく補正によって減速状態での推定圧力値の減少応答を速める。
ゲイン補正値演算部153は、筒内流入排ガス流量演算部109が求めた筒内流入排ガス流量QEC、つまり、EGR分圧PPEに基づき求められた筒内流入排ガス流量QECに基づき、基本ゲインGBA,GBDを補正するための補正値であるゲイン補正値GHA,GHDを求める。
制御装置50は、基本ゲインGBA,GBDをゲイン補正値GHA,GHDに基づき補正することで、排ガス還流の実施状態での実際の空気分圧の応答特性に適合する圧力勾配補正ゲインGAA,GAD及び実際のEGR分圧の応答特性に適合する圧力勾配補正ゲインGEA,GEDを求める。
これにより、過渡状態での還流排ガスの遅れに応じて空気分圧PPA及びEGR分圧PPEを高精度に推定でき、排ガス還流が行われる内燃機関1の過渡状態での吸気管圧力PBE、スロットル弁通過空気量QAF、更には、筒内流入新気流量QACの推定精度が向上する。
このため、過渡状態における内燃機関1の空燃比制御精度が改善されて、過渡状態における排気性状や燃焼性が向上する。
なお、過渡状態での還流排ガスの遅れは、排ガス還流配管31の分岐、合流や配管長などの影響によって生じる。
図6は、基本ゲインGBAの補正に用いるゲイン補正値GHAと、筒内流入排ガス流量QECとの相関の一態様を示す。
ゲイン補正値演算部153は、内燃機関1の加速状態に適合する基本ゲインGBAを補正するためのゲイン補正値GHAを、筒内流入排ガス流量QECが零であるとき、換言すれば、排ガス還流の停止状態であるときに零とし、筒内流入排ガス流量QECが多いほど絶対値としてより大きな値に設定する。
なお、図6及び後述する図7においては、排ガス還流の過渡応答が基本ゲインGBA,GBDに相当する過渡応答よりも遅れることを、ゲイン補正値GHA,GHDをマイナスの値にして表している。
但し、ゲイン補正値演算部153は、ゲイン補正値GHA,GHDを、筒内流入排ガス流量QECが多いほど絶対値の大きなプラスの値として求めることができる。
そして、ゲイン補正値演算部153は、ゲイン補正値GHA,GHDを、筒内流入排ガス流量QECが多いほど絶対値の大きな値に設定することで、第1の圧力勾配補正値PGCA及び第2の圧力勾配補正値PGCEとの偏差は、筒内流入排ガス流量QECが多いほど大きくする。
図7は、基本ゲインGBDの補正に用いるゲイン補正値GHDと、筒内流入排ガス流量QECとの相関の一態様を示す。
ゲイン補正値演算部153は、内燃機関1の減速状態に適合する基本ゲインGBDを補正するためのゲイン補正値GHDを、筒内流入排ガス流量QECが零であるとき(換言すれば、排ガス還流の停止状態であるとき)に零とし、筒内流入排ガス流量QECが多いほど絶対値としてより大きな値に設定する。
ゲイン補正値演算部153は、筒内流入排ガス流量QECが多いときほど過渡状態における排ガス還流の遅れが大きくなるため、筒内流入排ガス流量QECが多いときほど(換言すれば、排ガス還流の応答遅れが大きいほど)、ゲイン補正値GHA,GHDを絶対値としてより大きな値に設定する。
なお、筒内流入排ガス流量QECが零である排ガス還流の停止状態では、ゲイン補正値GHA,GHDが零に設定されるため、実質的に基本ゲインGBA,GBDは補正されず、基本ゲインGBA,GBDに基づき空気分圧PPAが求められることになる。
図8及び図9は、排ガス還流の応答遅れの特性を説明するためタイムチャートである。
ここで、図8は内燃機関1の加速状態における排ガス還流の応答特性を示し、図9は内燃機関1の減速状態における排ガス還流の応答特性を示す。
EGR分圧PPEは、内燃機関1の過渡状態への移行からむだ時間が経過してから変化し始め、その後は2次の伝達関数で近似される特性で徐々に増減変化し、空気分圧PPAの過渡応答によりも遅れる。
ここで、EGR分圧PPEの過渡応答におけるむだ時間は、排ガスが排気マニホールド13から排ガス還流配管31を介してスロットル弁5aの下流の吸気管2に到達するまでのトラベルタイム(輸送時間)などによって生じる。
また、2次遅れは、排ガス還流配管31と吸気管、排気管との配管径の差、排気管からの還流排ガスの分流、還流排ガスと空気との合流などによって生じる。
第1圧力勾配補正ゲイン演算部154は、基本ゲインGBA,GBD及びゲイン補正値GHA,GHDの情報を取得し、これらに基づき、空気分圧PPAの圧力勾配を補正するための圧力勾配補正ゲインGAA,GADを求める処理部である。
第1圧力勾配補正ゲイン演算部154は、内燃機関1が加速状態であるとき、基本ゲインGBAにゲイン補正値GHAの絶対値を加算した結果、換言すれば、基本ゲインGBAをゲイン補正値GHAに応じて増加した値を、圧力勾配補正ゲインGAAに設定する。
また、第1圧力勾配補正ゲイン演算部154は、内燃機関1が減速状態であるとき、基本ゲインGBDにゲイン補正値GHDの絶対値を加算した結果、換言すれば、基本ゲインGBDをゲイン補正値GHDに応じて増加した値を、圧力勾配補正ゲインGADに設定する。
一方、第2圧力勾配補正ゲイン演算部155は、基本ゲインGBA,GBD及びゲイン補正値GHA,GHDの情報を取得し、これらに基づき、EGR分圧PPEの圧力勾配を補正するための圧力勾配補正ゲインGEA,GEDを求める処理部である。
第2圧力勾配補正ゲイン演算部155は、内燃機関1が加速状態であるとき、基本ゲインGBAからゲイン補正値GHAの絶対値を減算した結果、換言すれば、基本ゲインGBAをゲイン補正値GHAに応じて減少した値を、圧力勾配補正ゲインGEAに設定する。
また、第2圧力勾配補正ゲイン演算部155は、内燃機関1が減速状態であるとき、基本ゲインGBDからゲイン補正値GHDの絶対値を減算した結果、換言すれば、基本ゲインGBDをゲイン補正値GHDに応じて減少した値を、圧力勾配補正ゲインGEDに設定する。
このように、制御装置50は、内燃機関1の過渡状態において、空気分圧PPAの過渡応答を補正するための圧力勾配補正ゲインGAA,GAD、及び、EGR分圧PPEの過渡応答を補正するための圧力勾配補正ゲインGEA,GEDを、基準とする基本ゲインGBA,GBDを排ガス還流の応答遅れに応じて補正して個別に設定する。
図10は、内燃機関1の加速状態における、基本ゲインGBA、圧力勾配補正ゲインGAA、圧力勾配補正ゲインGEAの相関、更に、空気分圧PPA及びEGR分圧PPEの過渡応答補正(圧力勾配補正)の特性を説明するためのタイムチャートである。
基本ゲインGBA(GBD)は、前述のように排ガス還流の停止状態(筒内流入排ガス流量QECが零の状態)に適合する値であり、排ガス還流が停止されている内燃機関1の加速状態において、空気分圧PPAの圧力勾配を基本ゲインGBAで補正することで、空気分圧PPAを実際値(センサ検出値)に近似させることができる。
一方、排ガス還流が実施される内燃機関1の加速状態において、排ガス還流の過渡応答に遅れが生じる分だけ、空気分圧の立ち上がり応答は排ガス還流の停止状態よりも速くなり、排ガス還流の過渡応答の遅れは、筒内流入排ガス流量QECが多いときほど大きくなる。
そこで、制御装置50は、筒内流入排ガス流量QECが多く排ガス還流の過渡応答の遅れが大きいときほどゲイン補正値GHA(GHD)をより大きな値に設定し、このゲイン補正値GHAで基本ゲインGBAを増大補正した結果を、加速状態で空気分圧PPAの圧力勾配を補正するための圧力勾配補正ゲインGAAに設定する。
そして、圧力勾配補正ゲインGAAが大きくなるほど、第1の圧力勾配補正値PGCAがより大きな値に設定され、空気分圧PPAの過渡応答を、排ガス還流の応答遅れに見合った実際の過渡応答に近似させる。
一方、排ガス還流の過渡応答は、基本ゲインGBAでの過渡応答よりも遅れるから、ゲイン補正値GHAで基本ゲインGBAを減少補正した結果を、加速状態でEGR分圧PPEの圧力勾配を補正するための圧力勾配補正ゲインGEAに設定する。
したがって、圧力勾配補正値演算部200は、筒内流入排ガス流量QECが多いときほど、第2の圧力勾配補正値PGCEを減少させ、相対的に第1の圧力勾配補正値PGCAを増加させることになる。
つまり、基本ゲインGBA、空気分圧PPA算出用の圧力勾配補正ゲインGAA、及び、EGR分圧PPE算出用の圧力勾配補正ゲインGEAは、GEA<GBA<GAAの関係を満たす。
そして、基本ゲインGBAと圧力勾配補正ゲインGAAとの差、及び、基本ゲインGBAと圧力勾配補正ゲインGEAとの差は、筒内流入排ガス流量QECが多いほど、換言すれば、排ガス還流の遅れが大きいときほど、より大きく設定される。
なお、内燃機関1の減速状態における、基本ゲインGBD、空気分圧PPA算出用の圧力勾配補正ゲインGAD、EGR分圧PPE算出用の圧力勾配補正ゲインGEDの特性も、同様である。
上記のように、排ガス還流の遅れ分だけ空気分圧PPAの応答を速めることが制御装置50における基本的な制御仕様である。
しかし、空気分圧PPA、EGR分圧PPEは絶対量が異なるため、単に基本ゲインGBA,GBDを筒内流入排ガス流量QECに応じたゲイン補正値GHA,GHDで増減させて、空気分圧PPA及びEGR分圧PPEの過渡応答の補正に用いる構成では、最終的に求まる吸気管圧力(総ガス流量)に誤差が生じるおそれがある。
そこで、ゲイン補正値演算部153は、筒内流入排ガス流量QECに応じたゲイン補正値GHA,GHDの算出処理を基本としつつ、基本ゲインGBA,GBDの情報などを取得し、取得した基本ゲインGBA,GBDの情報に応じてゲイン補正値GHA,GHDを変更することで、吸気管圧力(総ガス流量)の誤差を抑制することができる。
また、ゲイン補正値演算部153は、ゲイン補正値GHA,GHDの算出処理において、ゲイン補正値GHA,GHDに、排ガス還流の応答におけるむだ時間を考慮した補正項を含めることができる。
図3のゲイン選択部156は、内燃機関1が定常状態であるか過渡状態(加速状態又は減速状態)であるかに応じて、定常状態用の圧力勾配補正ゲインと過渡状態用の圧力勾配補正ゲインとのいずれか一方を選択して出力する処理部である。
ゲイン選択部156は、第1ゲイン選択部156Aと、第2ゲイン選択部156Bとを有する。
第1ゲイン選択部156Aは、定常状態用ゲインGAS(GAS=1.0)と、第1圧力勾配補正ゲイン演算部154が算出した圧力勾配補正ゲインGAA又は圧力勾配補正ゲインGADを取得し、更に、加減速検出部151が出力する内燃機関1の運転状態判定信号を取得する。
そして、第1ゲイン選択部156Aは、内燃機関1が定常状態であるとき、定常状態用ゲインGASを選択し、定常状態用ゲインGASの信号を、空気分圧PPAの演算に用いる圧力勾配補正ゲインの信号として出力する。
また、第1ゲイン選択部156Aは、内燃機関1が加速状態であるとき、第1圧力勾配補正ゲイン演算部154が算出した圧力勾配補正ゲインGAAを選択し、圧力勾配補正ゲインGAAの信号を、空気分圧PPAの演算に用いる圧力勾配補正ゲインの信号として出力する。
更に、第1ゲイン選択部156Aは、内燃機関1が減速状態であるとき、第1圧力勾配補正ゲイン演算部154が算出した圧力勾配補正ゲインGADを選択し、圧力勾配補正ゲインGADの信号を、空気分圧PPAの演算に用いる圧力勾配補正ゲインの信号として出力する。
第2ゲイン選択部156Bは、定常状態用ゲインGES(GES=1.0)と、第2圧力勾配補正ゲイン演算部155が算出した圧力勾配補正ゲインGEA又は圧力勾配補正ゲインGEDを取得し、更に、加減速検出部151が出力する内燃機関1の運転状態判定信号を取得する。
そして、第2ゲイン選択部156Bは、内燃機関1が定常状態であるとき、定常状態用ゲインGESを選択し、定常状態用ゲインGESの信号を、EGR分圧PPEの演算に用いる圧力勾配補正ゲインの信号として出力する。
また、第2ゲイン選択部156Bは、内燃機関1が加速状態であるとき、第2圧力勾配補正ゲイン演算部155が算出した圧力勾配補正ゲインGEAを選択し、圧力勾配補正ゲインGEAの信号を、EGR分圧PPEの演算に用いる圧力勾配補正ゲインの信号として出力する。
更に、第2ゲイン選択部156Bは、内燃機関1が減速状態であるとき、第2圧力勾配補正ゲイン演算部155が算出した圧力勾配補正ゲインGEDを選択し、圧力勾配補正ゲインGEDの信号を、EGR分圧PPEの演算に用いる圧力勾配補正ゲインの信号として出力する。
第1圧力勾配補正値演算部157は、第1ゲイン選択部156Aが出力する圧力勾配補正ゲインの信号を取得し、スロットル弁通過空気量QAFと筒内流入新気流量QACの前回値QAC-1との差分を、空気分圧PPAの変化分に変換するための第1の圧力勾配補正値PGCAを求める。
第1圧力勾配補正値演算部157は、第1ゲイン選択部156Aが出力する圧力勾配補正ゲインの信号の他、スロットル弁5aと吸気弁6との間の吸気管2の容積、吸気温度TAなどに基づき、第1の圧力勾配補正値PGCAを求める。
そして、第1圧力勾配補正値演算部157は、第1ゲイン選択部156Aが出力する圧力勾配補正ゲインが大きいほど、第1の圧力勾配補正値PGCAをより大きな値に設定し、空気分圧PPAの過渡応答を速める。
第2圧力勾配補正値演算部158は、第2ゲイン選択部156Bが出力する圧力勾配補正ゲインの信号を取得し、排ガス還流量QEGRと筒内流入排ガス流量QECの前回値QEC-1との差分を、EGR分圧PPEの変化分に変換するための第2の圧力勾配補正値PGCEを求める。
第2圧力勾配補正値演算部158は、第2ゲイン選択部156Bが出力する圧力勾配補正ゲインの信号の他、スロットル弁5aと吸気弁6との間の吸気管2の容積、還流排ガスの温度などに基づき、第2の圧力勾配補正値PGCEを求める。
そして、第2圧力勾配補正値演算部158は、第2ゲイン選択部156Bが出力する圧力勾配補正ゲインが大きいほど、第2の圧力勾配補正値PGCEをより大きな値に設定し、EGR分圧PPEの過渡応答を速める。
前述の空気分圧演算部104は、第1圧力勾配補正値演算部157が求めた第1の圧力勾配補正値PGCAに用い、前述の数式(1)にしたがって空気分圧PPAを算出する。
また、前述のEGR分圧演算部108は、第2圧力勾配補正値演算部158が求めた第2の圧力勾配補正値PGCEを用い、前述の数式(2)にしたがってEGR分圧PPEを算出する。
上記の制御装置50によると、排ガス還流の停止状態においては、空気分圧PPAの過渡応答を吸気管圧力センサ17による検出値の変化に合わせるように適合された基本ゲインGBA,GBDに基づき、空気分圧PPAの過渡応答を補正する。
これにより、制御装置50は、排ガス還流の停止状態での内燃機関1の過渡状態において、空気分圧PPAを精度良く推定し、空気分圧PPAに基づき筒内流入新気流量QACを精度良く求めることができる。
したがって、制御装置50は、排ガス還流の停止状態での内燃機関1の過渡状態において、高い精度で空燃比を制御でき、内燃機関1の燃焼性及び排ガス性状を良好に維持できる。
また、排ガス還流は、排ガス還流配管31の分岐、合流や配管長などの影響によって、内燃機関1の過渡状態で遅れを生じ、係る排ガス還流の応答遅れは、排ガス還流量が多いときほど大きくなる。
そして、排ガス還流が行われる場合、空気分圧PPAの応答は、排ガス還流の応答が遅れる分だけ排ガス還流の停止状態よりも速まる。
そこで、制御装置50は、排ガス還流の停止状態に適合された基本ゲインGBA,GBDを、筒内流入排ガス流量QECが多く排ガス還流量の応答遅れが大きいときほど増大させ、係る増大補正後のゲインで空気分圧PPAの過渡応答を補正する。
これにより、制御装置50は、排ガス還流の実施中における内燃機関1の過渡状態で、空気分圧PPAを精度良く求めることができる。
更に、排ガス還流が実施されるとき、制御装置50は、排ガス還流の停止状態に適合された基本ゲインGBA,GBDを、排ガス還流量が多く排ガス還流の応答遅れが大きいときほど減少させ、係る減少補正後のゲインでEGR分圧PPEの過渡応答を補正する。
これにより、制御装置50は、排ガス還流の実施中における内燃機関1の過渡状態で、排ガス還流の停止状態での実際の過渡応答を基準として、EGR分圧PPEの過渡変化を精度良く求めることができる。
したがって、排ガス還流の実施中における内燃機関1の過渡状態で、制御装置50は、空気分圧PPA及びEGR分圧PPEから吸気管圧力PBEを精度良く求めることができる。
更に、制御装置50は、吸気管圧力PBEに基づきスロットル弁通過空気量QAFを求め、求めたスロットル弁通過空気量QAFに基づき筒内流入新気流量QACを求めることで、実際の筒内流入新気流量に見合った燃料噴射量を精度良く設定できる。
ところで、基本ゲインGBA,GBDは、前述したように、排ガス還流の停止状態での空気分圧PPAが吸気管圧力センサ17による検出値に合致するように適合される。
しかし、例えば内燃機関1の加速状態においては、空気がスロットル弁5a下流の吸気管2に充填されてから吸気管圧力センサ17の出力が変化するため、吸気管圧力センサ17の出力の変化には、スロットル弁5a下流の吸気管2の容積に応じた遅れが生じ、加速直後の空気充填の完了前は、吸気管圧力センサ17の出力値と真値とにずれが生じる。
同様に、内燃機関1の減速状態においては、スロットル弁5a下流の吸気管2に充填されていた空気が筒内に流出する遅れによって、吸気管圧力センサ17の出力の変化に遅れが生じる。
このため、基本ゲインGBA,GBDを基準とする圧力勾配の補正では、過渡運転の開始直後における吸気管圧力センサ17の応答遅れの間で、空気分圧PPA及びEGR分圧PPEの推定誤差を生じるおそれがある。
上記の推定誤差の発生を抑制するため、制御装置50を、基本ゲインGBA,GBD及びゲイン補正値GHA,GHDを、第1段階と第2段階とに分けて適用する構成とすることができる。
つまり、制御装置50は、過渡初期であって吸気管圧力センサ17の検出出力が応答遅れを生じる間の第1段階において、吸気管圧力センサ17による検出値よりも推定値の応答を速めて真値に近づけるように適合された圧力勾配補正ゲインを適用する。
そして、制御装置50は、吸気管圧力センサ17の検出出力の応答遅れが解消した後の第2段階において、推定値を吸気管圧力センサ17による検出値に合致させるように適合された圧力勾配補正ゲインを適用する。
以下では、基本ゲインGBA,GBD及びゲイン補正値GHA,GHDを、第1段階と第2段階とに分けて適用するよう構成した制御装置50を詳細に説明する。
図11は、基本ゲインGBA,GBD及びゲイン補正値GHA,GHDを第1段階と第2段階とに分けて適用する構成とした制御装置50における、圧力勾配補正値演算部200による第1の圧力勾配補正値PGCA及び第2の圧力勾配補正値PGCEの算出手順の一態様を示す機能ブロック図である。
図11において、開度変化演算部201は、スロットルセンサ5bが検出するスロットル開度TVOの現在値と一定時間前にスロットルセンサ5bが検出したスロットル開度TVOとの差分ΔTVOを求める。
また、圧力変化演算部202は、吸気管圧力センサ17が検出する吸気管圧力PBの現在値と、吸気管圧力PBの前回値と現在値に加重平均フィルタを掛けた値との差分ΔPBを求める。
加減速検出部203は、開度変化演算部201が求めた差分ΔTVO、及び、圧力変化演算部202が求めた差分ΔPBに関する信号を取得する。
そして、加減速検出部203は、差分ΔTVOと加速判定用閾値THOA1とを比較して内燃機関1が加速状態であるか否かを判断し、差分ΔTVOと減速判定用閾値THOD1とを比較して内燃機関1が減速状態であるか否かを判断する。
また、加減速検出部203は、差分ΔPBと加速判定用閾値THPA1とを比較して内燃機関1が加速状態であるか否かを判断し、差分ΔPBと減速判定用閾値THPD1とを比較して内燃機関1が減速状態であるか否かを判断する。
ここで、加減速検出部203は、加速状態、減速状態の判定に用いる過渡判定閾値(THOA1,THOD1,THPA1,THPD1)を、吸気管圧力センサ17が検出する吸気管圧力PBなどの内燃機関1の負荷を代表する状態量に応じてそれぞれ個別に設定し、高負荷時ほど絶対値として大きな値に設定する(図12参照)。
そして、加減速検出部203は、差分ΔTVO又は差分ΔPBに基づき加速状態又は減速状態を判定すると、係る加減速判定の初回から所定時間ΔTが経過するまでの間を、圧力勾配補正の第1段階(第1期間)に定める。
上記の所定時間ΔTは、吸気管圧力センサ17の応答遅れや排ガス還流の過渡応答におけるむだ時間などを考慮した時間であり、加減速検出部203は、所定時間ΔTを、吸気管圧力センサ17が検出する吸気管圧力PBなどの内燃機関1の負荷を代表する状態量に応じて可変に設定することができる。
加減速検出部203は、加減速判定の初回から所定時間ΔTが経過すると、加減速判定に用いる閾値を、前述の閾値THOA1,THOD1,THPA1,THPD1から、第2段階での過渡判定に用いる閾値THOA2,THOD2,THPA2,THPD2に切り替えて、差分ΔTVO,ΔPBに基づく加減速判定を行う。
ここで、加減速検出部203は、差分ΔTVOと閾値THOA2,THOD2との比較、又は、差分ΔPBと閾値THPA2,THPD2との比較によって加減速状態を判定すると、第1段階(第1期間)から第2段階(第2期間)への移行を判断する。
そして、加減速検出部203は、差分ΔTVO,ΔPBと閾値THOA2,THOD2,THPA2,THPD2との比較に基づく加減速判定が不成立となるまで第2段階の継続を判断し、加減速判定の不成立になったとき、換言すれば、加減速判定が途絶えて定常判定したときに、第2段階の終了判定を行う。
なお、加減速検出部203は、閾値THOA2,THOD2,THPA2,THPD2を第1段階が終了してから一定時間だけ有効とし、加減速判定を行う。
また、加減速検出部203は、第2段階の判定に用いる閾値THOA2,THOD2,THPA2,THPD2を、第1段階の判定に用いる閾値THOA1,THOD1,THPA1,THPD1と同様に、吸気管圧力センサ17が検出する吸気管圧力PBなどの内燃機関1の負荷を代表する状態量に応じてそれぞれ個別に設定し、高負荷時ほど絶対値として大きな値に設定する(図12参照)。
ここで、加減速検出部203は、第1段階の判定に用いる閾値THOA1,THOD1,THPA1,THPD1を、第2段階の判定に用いる閾値THOA2,THOD2,THPA2,THPD2よりも絶対値として大きな値に設定する。
これは、第1段階が過渡初期であって、単位時間当たりの圧力変化がその後の第2段階よりも大きいためである。
以上のようにして、加減速検出部203は、内燃機関1が加速状態又は減速状態であることを示す信号と、第1段階又は第2段階のいずれに該当するかを示す信号を出力する。
図13は、内燃機関1の加速状態、減速状態それぞれにおける第1段階、第2段階を例示するタイムチャートである。
前述したように、内燃機関1の加速状態においては、スロットル弁5a下流の吸気管2へ空気充填が完了するまでの間で、吸気管圧力センサ17の出力値が真値に対して位相遅れを生じる。
また、内燃機関1の減速状態においては、スロットル弁5a下流の吸気管2に充填されていた空気が筒内に流入するまでの間で、吸気管圧力センサ17の出力値が真値に対して位相遅れを生じる。
そこで、制御装置50は、吸気管圧力センサ17の出力値が真値に対して位相遅れを生じる状態を第1段階として検知するとともに、前記位相遅れが解消した後の過渡状態を第2段階として検知する。
そして、制御装置50は、第1段階と第2段階とで適用する基本ゲインGBA,GBD及びゲイン補正値GHA,GHDを個別に設定することで、吸気管圧力の推定誤差の発生を抑制する。
図11において、第1段階基本ゲイン演算部204は、加減速検出部203による加減速の判定結果を示す信号、機関回転速度NEに関する信号、及び、吸気管圧力センサ17が検出した吸気管圧力PBに関する信号を取得する。
そして、第1段階基本ゲイン演算部204は、前述した基本ゲイン演算部152と同様にして、吸気管2内の推定圧力値の過渡応答を補正するための補正項(圧力勾配補正値)の第1段階基本値である基本ゲインGBA1,GBD1を演算する。
ここで、第1段階基本ゲイン演算部204における基本ゲインGBA1,GBD1の演算特性は、吸気管圧力センサ17の出力値が真値に対して位相遅れを生じる第1段階で、係る位相遅れを考慮して推定値を真値に近似させるように適合される。
また、第2段階基本ゲイン演算部205は、第1段階基本ゲイン演算部204と同様に、加減速検出部203による加減速の判定結果を示す信号、機関回転速度NEに関する信号、及び、吸気管圧力センサ17が検出した吸気管圧力PBに関する信号を取得して、第2段階基本値である基本ゲインGBA2,GBD2を演算する。
ここで、第2段階基本ゲイン演算部205における基本ゲインGBA2,GBD2の演算特性は、吸気管圧力センサ17の出力値の真値に対する位相遅れが解消する第2段階において、吸気管2内の推定圧力値を吸気管圧力センサ17の出力値に近似させるように適合される。
したがって、第1段階基本ゲイン演算部204が算出する基本ゲインGBA1,GBD1は、第2段階基本ゲイン演算部205が算出する基本ゲインGBA2,GBD2よりも大きく、吸気管圧力センサ17の出力値が真値に対して位相遅れが生じる第1段階において、第2段階よりも圧力勾配補正を大きくして、吸気管2内の推定圧力値を真値に近似させる。
また、第1段階ゲイン補正値演算部206は、ゲイン補正値演算部153と同様に、筒内流入排ガス流量演算部109が求めた筒内流入排ガス流量QECの演算値に基づき、第1段階補正値としてのゲイン補正値GHA1,GHD1を求める。
ここで、第1段階ゲイン補正値演算部206は、第1段階基本ゲイン演算部204が求めた基本ゲインGBA1,GBD1の情報を取得し、取得した基本ゲインGBA1,GBD1の情報に応じてゲイン補正値GHA1,GHD1を変更することで、吸気管圧力(総ガス流量)の誤差を抑制する。
第2段階ゲイン補正値演算部207は、ゲイン補正値演算部153と同様に、筒内流入排ガス流量演算部109が求めた筒内流入排ガス流量QECの演算値に基づき、第2段階補正値としてのゲイン補正値GHA2,GHD2を求める。
ここで、第2段階ゲイン補正値演算部207は、第2段階基本ゲイン演算部205が求めた基本ゲインGBA2,GBD2の情報を取得し、取得した基本ゲインGBA2,GBD2の情報に応じてゲイン補正値GHA2,GHD2を変更することで、吸気管圧力(総ガス流量)の誤差を抑制する。
第1段階空気分圧補正ゲイン演算部208は、内燃機関1が加速状態であるとき、第1段階基本ゲイン演算部204が算出した基本ゲインGBA1を第1段階ゲイン補正値演算部206が算出したゲイン補正値GHA1で増大補正した結果を圧力勾配補正ゲインGAA1に設定する。
また、第1段階空気分圧補正ゲイン演算部208は、内燃機関1が減速状態であるとき、第1段階基本ゲイン演算部204が算出した基本ゲインGBD1を第1段階ゲイン補正値演算部206が算出したゲイン補正値GHD1で増大補正した結果を、圧力勾配補正ゲインGAD1に設定する。
第1段階EGR分圧補正ゲイン演算部209は、内燃機関1が加速状態であるとき、第1段階基本ゲイン演算部204が算出した基本ゲインGBA1を第1段階ゲイン補正値演算部206が算出したゲイン補正値GHA1で減少補正した結果を、圧力勾配補正ゲインGEA1に設定する。
また、第1段階EGR分圧補正ゲイン演算部209は、内燃機関1が減速状態であるとき、第1段階基本ゲイン演算部204が算出した基本ゲインGBD1を第1段階ゲイン補正値演算部206が算出したゲイン補正値GHD1で減少補正した結果を圧力勾配補正ゲインGED1に設定する。
第2段階空気分圧補正ゲイン演算部210は、内燃機関1が加速状態であるとき、第2段階基本ゲイン演算部205が算出した基本ゲインGBA2を第2段階ゲイン補正値演算部207が算出したゲイン補正値GHA2で増大補正した結果を圧力勾配補正ゲインGAA2に設定する。
また、第2段階空気分圧補正ゲイン演算部210は、内燃機関1が減速状態であるとき、第2段階基本ゲイン演算部205が算出した基本ゲインGBD2を第1段階ゲイン補正値演算部206が算出したゲイン補正値GHD2で増大補正した結果を、圧力勾配補正ゲインGAD2に設定する。
第2段階EGR分圧補正ゲイン演算部211は、内燃機関1が加速状態であるとき、第2段階基本ゲイン演算部205が算出した基本ゲインGBA2を第2段階ゲイン補正値演算部207が算出したゲイン補正値GHA2で減少補正した結果を、圧力勾配補正ゲインGEA2に設定する。
また、第2段階EGR分圧補正ゲイン演算部211は、内燃機関1が減速状態であるとき、第2段階基本ゲイン演算部205が算出した基本ゲインGBD2を第2段階ゲイン補正値演算部207が算出したゲイン補正値GHD2で減少補正した結果を、圧力勾配補正ゲインGED2に設定する。
ゲイン選択部212は、空気分圧PPAの演算に用いるゲインを選択する第1ゲイン選択部212Aと、EGR分圧PPEの演算に用いるゲインを選択する第2ゲイン選択部212Bとを有する。
第1ゲイン選択部212Aは、加減速検出部203が圧力勾配補正の第1段階を判定しているときは、第1段階空気分圧補正ゲイン演算部208が算出した圧力勾配補正ゲインGAA1又は圧力勾配補正ゲインGAD1を選択する。
また、第1ゲイン選択部212Aは、加減速検出部203が圧力勾配補正の第2段階を判定しているときは、第2段階空気分圧補正ゲイン演算部210が算出した圧力勾配補正ゲインGAA2又は圧力勾配補正ゲインGAD2を選択する。
そして、第1ゲイン選択部212Aは、選択した値を最終的な圧力勾配補正ゲインGAA又は圧力勾配補正ゲインGADとして出力する。
第2ゲイン選択部212Bは、加減速検出部203が圧力勾配補正の第1段階を判定しているときは、第1段階EGR分圧補正ゲイン演算部209が算出した圧力勾配補正ゲインGEA1又は圧力勾配補正ゲインGED1を選択する。
また、第2ゲイン選択部212Bは、加減速検出部203が圧力勾配補正の第2段階を判定しているときは、第2段階EGR分圧補正ゲイン演算部211が算出した圧力勾配補正ゲインGEA2又は圧力勾配補正ゲインGED2を選択する。
そして、第2ゲイン選択部212Bは、選択した値を最終的な圧力勾配補正ゲインGEA又は圧力勾配補正ゲインGEDとして出力する。
なお、図11のゲイン選択部212において、定常状態用ゲインGAS(GAS=1.0)、GES(GES=1.0)を選択して出力する構成の図示を省略したが、ゲイン選択部212は、ゲイン選択部156と同様に、内燃機関1の定常状態では定常状態用ゲインGASを選択して出力する機能を有する。
第1ゲイン選択部212Aは、圧力勾配補正ゲインGAA又は圧力勾配補正ゲインGADに関する信号を、図3に示した第1圧力勾配補正値演算部157に出力し、第1圧力勾配補正値演算部157は、第1ゲイン選択部212Aから取得した圧力勾配補正ゲインGAA又は圧力勾配補正ゲインGADに基づき、空気分圧PPAを求めるのに用いる第1の圧力勾配補正値PGCAを求める。
また、第2ゲイン選択部212Bは、圧力勾配補正ゲインGEA又は圧力勾配補正ゲインGEDに関する信号を、図3に示した第2圧力勾配補正値演算部158に出力し、第2圧力勾配補正値演算部158は、第2ゲイン選択部212Bから取得した圧力勾配補正ゲインGEA又は圧力勾配補正ゲインGEDに基づき、EGR分圧PPEを求めるのに用いる第2の圧力勾配補正値PGCEを求める。
以上のように、制御装置50は、第1の圧力勾配補正値PGCA,第2の圧力勾配補正値PGCEの演算に用いる基本ゲインGBA,GBD及びゲイン補正値GHA,GHDを第1段階と第2段階とに分けて設定することで、過渡初期において吸気管圧力センサ17の検出値が真値に対して位相遅れを生じる場合であっても、空気分圧PPA及びEGR分圧PPEの推定精度が低下することを抑止できる。
上記実施形態で説明した各技術的思想は、矛盾が生じない限りにおいて、適宜組み合わせて使用することができる。
また、好ましい実施形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の変形態様を採り得ることは自明である。
例えば、上記実施形態では、加速状態及び減速状態の双方で、図2及び図3に示した制御機能によって燃料噴射装置10による燃料噴射量を制御するが、図2及び図3に示した制御機能による噴射量制御を加速状態と減速状態とのいずれか一方で実施する構成とすることができる。
また、図1に示した内燃機関1は過給機4を備えるが、本願発明に係る燃料噴射制御は、過給機4を備えない自然吸気機関に適用でき、過給機4を備えない自然吸気機関の場合、スロットル弁通過空気量演算部103は、大気圧と吸気管圧力PBEとの差に基づきスロットル弁通過空気量を求めることができる。
また、燃料噴射装置10が吸気ポート内に燃料を噴射する所謂ポート噴射式内燃機関とすることができる。
また、制御装置50は、排ガス還流の停止状態において、吸気管圧力センサ17による吸気管圧力PBの検出結果と、空気分圧演算部104による空気分圧PPAの推定結果とを比較して、基本ゲインGBA,GBDを学習することができる。
また、制御装置50は、吸気管圧力を変数とするマップの検索において、吸気管圧力センサ17による吸気管圧力の検出値を用いるが、各マップの適合が完了している場合は、マップ検索に吸気管圧力の推定値を用いることができる。
1…内燃機関、2…吸気管、2b…吸気コレクタ、5…電制スロットル装置、6…吸気弁、10…燃料噴射装置、13…排気マニホールド、30…排ガス還流装置、31…排ガス還流配管、32…排ガス還流制御弁、50…制御装置、101…吸入空気量検出部、102…圧力推定部、103…スロットル弁通過空気量演算部、104…空気分圧演算部、105…筒内流入新気流量演算部、106…基本燃料噴射量演算部、107…排ガス還流量演算部、108…EGR分圧演算部、109…筒内流入排ガス流量演算部、110…吸気管圧力演算部、200…圧力勾配補正値演算部

Claims (7)

  1. スロットル弁の下流の吸気管に燃焼後の排ガスを還流させる排ガス還流配管と、
    前記排ガス還流配管を介して前記吸気管に還流される排ガス還流量を制御する排ガス還流制御弁と、
    燃料噴射装置と、
    を備える内燃機関に適用され、前記燃料噴射装置による燃料噴射を制御する制御装置であって、
    前記スロットル弁を通過する空気量であるスロットル弁通過空気量と前記内燃機関の筒内に流入する新気流量である筒内流入新気流量の前回値と第1の圧力変化補正値とに基づき、前記吸気管における空気分圧を求める空気分圧演算部と、
    前記排ガス還流制御弁を介して前記吸気管に還流される排ガス還流量と前記内燃機関の筒内に流入する排ガス流量である筒内流入排ガス流量の前回値と第2の圧力変化補正値とに基づき、前記吸気管における還流排ガス分圧を求める還流排ガス分圧演算部と、
    前記空気分圧及び前記還流排ガス分圧に基づき吸気管圧力を求める吸気管圧力演算部と、
    前記吸気管圧力演算部から出力された前記吸気管圧力と、前記スロットル弁の上流の圧力と、前記スロットル弁の開度と、に基づき、前記スロットル弁通過空気量を求めるスロットル弁通過空気量演算部と、
    前記空気分圧に基づき前記筒内流入新気流量を求める筒内流入新気流量演算部と、
    前記筒内流入新気流量に基づき前記燃料噴射装置による燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算部と、
    前記第1の圧力変化補正値を前記第2の圧力変化補正値より大きい値に設定する圧力変化補正値演算部と、
    を有し、
    前記圧力変化補正値演算部は、
    前記第1の圧力変化補正値を前記筒内流入排ガス流量が多いときほど増加させ、かつ、前記第2の圧力変化補正値を前記筒内流入排ガス流量が多いときほど減少させる、
    内燃機関の制御装置。
  2. スロットル弁の下流の吸気管に燃焼後の排ガスを還流させる排ガス還流配管と、
    前記排ガス還流配管を介して前記吸気管に還流される排ガス還流量を制御する排ガス還流制御弁と、
    燃料噴射装置と、
    を備える内燃機関に適用され、前記燃料噴射装置による燃料噴射を制御する制御装置であって、
    前記スロットル弁を通過する空気量であるスロットル弁通過空気量と前記内燃機関の筒内に流入する新気流量である筒内流入新気流量の前回値と第1の圧力変化補正値とに基づき、前記吸気管における空気分圧を求める空気分圧演算部と、
    前記排ガス還流制御弁を介して前記吸気管に還流される排ガス還流量と前記内燃機関の筒内に流入する排ガス流量である筒内流入排ガス流量の前回値と第2の圧力変化補正値とに基づき、前記吸気管における還流排ガス分圧を求める還流排ガス分圧演算部と、
    前記空気分圧及び前記還流排ガス分圧に基づき吸気管圧力を求める吸気管圧力演算部と、
    前記吸気管圧力演算部から出力された前記吸気管圧力と、前記スロットル弁の上流の圧力と、前記スロットル弁の開度と、に基づき、前記スロットル弁通過空気量を求めるスロットル弁通過空気量演算部と、
    前記空気分圧に基づき前記筒内流入新気流量を求める筒内流入新気流量演算部と、
    前記筒内流入新気流量に基づき前記燃料噴射装置による燃料噴射量を演算する燃料噴射量演算部と、
    前記第1の圧力変化補正値を前記第2の圧力変化補正値より大きい値に設定する圧力変化補正値演算部と、
    を有し、
    前記圧力変化補正値演算部は、
    前記内燃機関の運転状態に基づき圧力変化補正値の基本値を求め、
    前記還流排ガス分圧に基づき求められた前記筒内流入排ガス流量に基づき補正値を求め、
    前記基本値を前記補正値に応じて増加した値に基づき前記第1の圧力変化補正値を求め、
    前記基本値を前記補正値に応じて減少した値に基づき前記第2の圧力変化補正値を求める、
    内燃機関の制御装置。
  3. 前記圧力変化補正値演算部は、
    前記内燃機関の回転速度が高いほど前記基本値を大きくし、
    前記筒内流入排ガス流量が多いほど前記補正値を大きくする、
    請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記圧力変化補正値演算部は、
    前記基本値及び前記補正値を、前記内燃機関の加速状態と減速状態とで個別に設定する、
    請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記圧力変化補正値演算部は、
    前記基本値として第1段階基本値及び第2段階基本値を求め、
    前記補正値として第1段階補正値及び第2段階補正値を求め、
    前記内燃機関の過渡状態において、前記第1の圧力変化補正値及び前記第2の圧力変化補正値を求めるのに用いる前記基本値及び前記補正値を、前記第1段階基本値及び前記第1段階補正値から前記第2段階基本値及び前記第2段階補正値に切り替える、
    請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記圧力変化補正値演算部は、
    前記内燃機関の過渡状態になってから所定時間が経過したときに、前記第1段階基本値及び前記第1段階補正値から前記第2段階基本値及び前記第2段階補正値に切り替える、
    請求項5記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記圧力変化補正値演算部は、
    前記内燃機関の過渡状態になってから前記所定時間が経過した後は、過渡状態の判定閾値を前記所定時間が経過する前よりも小さい値に変更し、
    変更後の前記判定閾値に基づき前記内燃機関の過渡状態が判定される状態で、前記第2段階基本値及び前記第2段階補正値に基づき、前記第1の圧力変化補正値及び前記第2の圧力変化補正値を求める、
    請求項6記載の内燃機関の制御装置。
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