JP2022168929A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸気路に吸入される大気に含まれる水蒸気量、及びEGRガス量を考慮して、燃焼室に吸入された吸入ガスに含まれる水蒸気量及びEGRガス量を合計した不活性ガス量を適切に制御することができる内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】燃焼室に吸入される目標不活性ガス量を算出し、目標不活性ガス量に基づいて、前記EGRバルブを制御し、燃焼室に吸入される実EGRガス量を算出し、燃焼室に吸入される大気に含まれる水蒸気量を検出し、目標不活性ガス量に対して、実EGRガス量及び水蒸気量を合計した合計不活性ガス量が不足している場合は、不足している不足不活性ガス量に基づいて、水インジェクタを駆動し、吸入空気に水を噴射させる内燃機関の制御装置。【選択図】図2
Description
本願は、内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関を好適に制御するためには、燃焼室に吸入される吸入空気量を高精度に算出し、吸入空気量に応じた燃料制御及び点火制御を行うことが重要である。内燃機関の燃焼室に吸入される空気量を計測する方法として、スロットルバルブの上流側の吸気路に設けられたエアフローセンサ(以下、AFSと称す)により空気流量を計測する方法(以下、AFS方式と称す)と、スロットルバルブの下流側の吸気路(インテークマニホールド)内の圧力を計測する圧力センサ(以下、吸気路内圧力センサ)を設け、吸気路内圧力センサにより計測される吸気路内圧力と内燃機関の回転速度により燃焼室に吸入される吸入空気量を推定する方法(以下、S/D方式と称す)の2種類が一般的である。また、これらのセンサを併置して運転状態に応じてそれぞれの方式を切換えるもの、又はAFS方式であっても吸気路内圧力を計測して用いているものもある。
燃料制御については、検出した燃焼室の吸入空気量に誤差があっても、空燃比センサによりフィードバック制御を行えば、概ね良好な制御性が得られる。しかし、点火制御については、回転速度と燃焼室の吸入空気量のみならず、他の要因、例えば、内燃機関の温度、ノック発生状況、燃料性状、EGR率(EGRガス量と吸入空気量の比、EGR:Exhaust Gas Recirculation)に応じて出力が最大となる点火進角(以下、MBT:Minimum Spark Advance for Best Torque)において制御する必要がある。MBTに影響のある前記要因の中でも、例えば、内燃機関の温度は、冷却水温度センサにより、ノック発生状況はノックセンサにより検出でき、燃料性状はノック発生状況に応じてレギュラーガソリンかハイオクガソリンかを判断することができる。
ところで、EGR率については、排気路と吸気路とを結ぶEGR通路にEGRバルブを設け、そのバルブ開度によりEGR量を制御する方法(以下、外部EGR)と、吸気バルブ及び排気バルブのバルブ開閉タイミングを可変化する可変バルブタイミング機構(以下、VVT:Variable Valve Timing)を設け、そのバルブ開閉タイミングにより吸気バルブと排気バルブが同時に開いている状態であるオーバーラップ期間を変えることで、排気が燃焼室内に残留することによるEGR量を制御する方法(以下、内部EGR)があり、また、これらを同時に用いる場合もある。近年では、更なる低燃費化、高出力化のために、外部EGR及び吸排気VVTを持つ内燃機関が一般的になっている。本出願で単にEGR、EGR率と表記した場合、外部EGR、外部EGR率を示す。
また、吸気に水を噴射する事により、燃焼室内での気化潜熱により燃焼室内の温度を低下させ、ノッキングの発生を抑制する技術もある。水の噴射位置は吸気ポートに噴射するものと、燃焼室内に直接噴射するものがあり、燃焼室内に直接噴射する方が、吸気ポート及びバルブ表面に付着する水分量を考慮する必要が無いため、より高精度な噴射量の制御が可能となるが、コストは高くなる。
燃焼室内に吸入される乾燥空気及び燃料が、燃焼に直接寄与し、EGR及び水蒸気は、燃焼には直接寄与しない。つまり、EGR及び水蒸気は燃焼に直接寄与しない不活性ガスであり、それらの成分は異なるものの、燃焼への影響は類似しており、不活性ガス量が増加すると、燃焼速度が遅くなりMBTの位置が変化する。
さらには、水蒸気は、吸気路に吸入される大気にも含まれており、大気中に含まれる水蒸気量は、天候、外気温度、季節等によって大きく変化する。計測される吸入空気量には、大気の水蒸気が含まれ、乾燥空気量に対して誤差が生じ、最適な燃料量及び点火時期に対して誤差が生じる。これらに対する技術として、特許文献1及び特許文献2が知られている。
大気湿度の影響を補正する方法として、特許文献1では、吸気路に湿度センサが設けられており、雨天時の湿度を基準とし、運転時の湿度が雨天時の湿度よりも低い場合には、その差分に基づいて吸入空気に水を噴射するように構成されている。この方法では、低湿度環境の運転時において、燃焼に寄与しない水蒸気が多く供給されることになり、特に低負荷運転において、内燃機関等の機差ばらつきによっては燃焼不良等の問題が発生する可能性がある。
また、EGRガス量と水噴射量の調整方法として、特許文献2では、加速での目標EGR率の過渡増加時に、アクチュエータの応答遅れ等により生じる目標EGR率に対する実EGR率の偏差に応じて水を噴射するように構成されている。この方法では、EGRが導入される中負荷の運転領域のみで水噴射が行われ、大気湿度による影響は、考慮されていない。また、特許文献2では噴射する水は超臨界水又は亜臨界水を前提としたものであり、それらの温度及び圧力を実現させるためには大幅なコストの増加が伴う。
そこで、本願は、吸気路に吸入される大気に含まれる水蒸気量、及びEGRガス量を考慮して、燃焼室に吸入された吸入ガスに含まれる水蒸気量及びEGRガス量を合計した不活性ガス量を適切に制御することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本願に係る内燃機関の制御装置は、排気路から吸気路に排気ガスを還流するEGR流路と、前記EGR流路を開閉するEGRバルブと、吸入空気に水を噴射する水インジェクタと、を備えた内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
燃焼室に吸入される目標不活性ガス量を算出する目標不活性ガス量算出部と、
前記目標不活性ガス量に基づいて、前記EGRバルブを制御するEGR制御部と、
前記燃焼室に吸入される実EGRガス量を算出する実EGR量算出部と、
前記燃焼室に吸入される大気に含まれる水蒸気量を検出する水蒸気量検出部と、
前記目標不活性ガス量に対して、前記実EGRガス量及び前記水蒸気量を合計した合計不活性ガス量が不足している場合は、不足している不足不活性ガス量に基づいて、前記水インジェクタを駆動し、吸入空気に水を噴射させる水噴射制御部と、を備えたものである。
燃焼室に吸入される目標不活性ガス量を算出する目標不活性ガス量算出部と、
前記目標不活性ガス量に基づいて、前記EGRバルブを制御するEGR制御部と、
前記燃焼室に吸入される実EGRガス量を算出する実EGR量算出部と、
前記燃焼室に吸入される大気に含まれる水蒸気量を検出する水蒸気量検出部と、
前記目標不活性ガス量に対して、前記実EGRガス量及び前記水蒸気量を合計した合計不活性ガス量が不足している場合は、不足している不足不活性ガス量に基づいて、前記水インジェクタを駆動し、吸入空気に水を噴射させる水噴射制御部と、を備えたものである。
本願に係る内燃機関の制御装置によれば、EGRガスの導入により、目標不活性ガス量を達成できなかった場合に、水インジェクタにより噴射水を供給し、目標不活性ガス量を達成することができる。この際、実EGRガス量、及び燃焼室に吸入される大気に含まれる水蒸気量が考慮されているので、不足不活性ガス量を精度よく算出でき、不活性ガス量の制御精度を向上できる。よって、不活性ガス量により燃焼状態を精度よく制御できる。例えば、EGRバルブ制御の応答遅れ、及びEGRバルブから燃焼室までの吸気路による搬送遅れ等により、目標EGRガス量に対して実EGRガス量に応答遅れが生じ、不足不活性ガス量が生じた場合に、水噴射により不足分を精度よく補うことができる。或いは、吸気路内圧力が高く、吸気路にEGRガスを十分に還流できず、不足不活性ガス量が生じた場合に、水噴射により不足分を精度よく補うことできる。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る内燃機関の制御装置50(以下、単に制御装置50と称す)について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る内燃機関1及び制御装置50の概略構成図であり、図2は、本実施の形態に係る制御装置50のブロック図である。内燃機関1及び制御装置50は、車両に搭載され、内燃機関1は、車両(車輪)の駆動力源となる。
実施の形態1に係る内燃機関の制御装置50(以下、単に制御装置50と称す)について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る内燃機関1及び制御装置50の概略構成図であり、図2は、本実施の形態に係る制御装置50のブロック図である。内燃機関1及び制御装置50は、車両に搭載され、内燃機関1は、車両(車輪)の駆動力源となる。
1-1.内燃機関1の構成
まず、内燃機関1の構成について説明する。内燃機関1は、空気と燃料の混合気を燃焼する燃焼室25を有している。内燃機関1は、燃焼室25に空気を供給する吸気路23と、燃焼室25で燃焼した排気ガスを排出する排気路17とを備えている。内燃機関1は、吸気路23を開閉するスロットルバルブ6を備えている。スロットルバルブ6は、制御装置50により制御される電気モータにより開閉駆動される電子制御式スロットルバルブとされている。スロットルバルブ6には、スロットルバルブ6の開度に応じた電気信号を出力するスロットル開度センサ7が設けられている。
まず、内燃機関1の構成について説明する。内燃機関1は、空気と燃料の混合気を燃焼する燃焼室25を有している。内燃機関1は、燃焼室25に空気を供給する吸気路23と、燃焼室25で燃焼した排気ガスを排出する排気路17とを備えている。内燃機関1は、吸気路23を開閉するスロットルバルブ6を備えている。スロットルバルブ6は、制御装置50により制御される電気モータにより開閉駆動される電子制御式スロットルバルブとされている。スロットルバルブ6には、スロットルバルブ6の開度に応じた電気信号を出力するスロットル開度センサ7が設けられている。
吸気路23の最上流部には、吸気路23に吸入された空気を浄化するエアクリーナ24が設けられている。スロットルバルブ6の上流側の吸気路23には、吸気路23に吸入される空気である吸入空気の流量に応じた電気信号を出力するエアフローセンサ3(以下、AFS3と称す)と、吸気路23に吸入される大気の温度である大気温度Taに応じた電気信号を出力する大気温度センサ4と、吸気路23に吸入される大気の湿度である大気湿度Haに応じた電気信号を出力する大気湿度センサ5と、が設けられている。スロットルバルブ6の上流側の吸気路23内の圧力は、大気圧力と等しいとみなすことができる。吸気路23の外部(例えば、制御装置50の内部)には、大気圧力Paに応じた電気信号を出力する大気圧力センサ2が設けられている。
なお、大気温度センサ4及び大気湿度センサ5は、AFS3と一体化されてもよいし、別体化されてもよい。或いは、大気温度センサ4及び大気湿度センサ5は、大気圧力センサ2と同様に、吸気路23の外部に設けられてもよいし、大気圧力センサ2は、大気温度センサ4及び大気湿度センサ5と同じ個所に設けられてもよい。
スロットルバルブ6の下流側の吸気路23の部分は、吸気マニホールド12とされている。内燃機関1は、排気路17から吸気路23(本例では、吸気マニホールド12)に排気ガスを還流するEGR流路21と、EGR流路21を開閉するEGRバルブ22と、を備えている。EGRバルブ22は、制御装置50により制御される電動モータ等の電動アクチュエータより開閉駆動される電子制御式EGRバルブとされている。EGRバルブ22には、EGRバルブ22の開度に応じた電気信号を出力するEGR開度センサ27が設けられている。吸気マニホールド12に還流された排気ガス(以下、還流排気ガスと称す)と、吸気マニホールド12に吸入された吸入空気は、吸気マニホールド12内で混合され、均一化される。なお、EGRは、Exhaust Gas Recirculationの頭文字である。
吸気路23には、吸気路23(本例では、吸気マニホールド12)内のガス圧力である吸気路内圧力Pbに応じた電気信号を出力する吸気路内圧力センサ8と、吸気路23(本例では、吸気マニホールド12)内のガス温度である吸気路内温度Tbに応じた電気信号を出力する吸気路内温度センサ9と、が設けられている。なお、吸気路内圧力センサ8及び吸気路内温度センサ9は、一体化されてもよいし、別体化されてもよい。
燃焼室25に直接燃料を噴射する燃料インジェクタ13が設けられている。なお、燃料インジェクタ13は、吸気マニホールド12の下流側の部分に燃料を噴射するように設けられてもよい。また、吸入空気に水を噴射する水インジェクタ28が設けられている。本実施の形態では、水インジェクタ28は、燃焼室25内に直接水を噴射するように設けられている。水インジェクタ28は、吸気マニホールド12の下流側の部分に水を噴射するように設けられてもよい。水インジェクタ28には、水を貯蔵したタンク内の水を、加圧ポンプにより加圧した水が供給される。
燃焼室25の頂部には、空気と燃料の混合気に点火する点火プラグと、点火プラグに点火エネルギーを供給する点火コイル16と、が設けられている。また、燃焼室25の頂部には、吸気路23から燃焼室25内に吸入される吸入空気量を調節する吸気バルブ14と、燃焼室内から排気路17に排出される排気ガス量を調節する排気バルブ15と、が設けられている。吸気バルブ14には、そのバルブ開閉タイミングを可変にする吸気可変バルブタイミング機構が設けられている。排気バルブ15には、そのバルブ開閉タイミングを可変にする排気可変バルブタイミング機構が設けられている。可変バルブタイミング機構14、15は、電動アクチュエータを有している。内燃機関1のクランク軸には、その回転角に応じた電気信号を出力するクランク角センサ20が設けられている。なお、可変バルブタイミング機構は、吸気及び排気の一方にのみ設けられてもよく、双方に設けられなくてもよい。
排気路17には、排気ガス中の空気と燃料との比率である空燃比AF(Air/Fuel)に応じた電気信号を出力する空燃比センサ18が設けられている。また、排気路17には、排気ガスを浄化する触媒19が設けられている。
1-2.制御装置50の構成
次に、制御装置50について説明する。制御装置50は、内燃機関1を制御する制御装置である。図2に示すように、制御装置50は、運転状態検出部51、水蒸気量検出部52、乾燥吸気量算出部53、目標不活性ガス量算出部54、EGR制御部55、実EGRガス量算出部56、水噴射制御部57、実不活性ガス量算出部58、及び点火制御部59等の制御部を備えている。制御装置50の各制御部51~59等は、制御装置50が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置50は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90にバス等の信号線を介して接続された記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、および演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93等を備えている。
次に、制御装置50について説明する。制御装置50は、内燃機関1を制御する制御装置である。図2に示すように、制御装置50は、運転状態検出部51、水蒸気量検出部52、乾燥吸気量算出部53、目標不活性ガス量算出部54、EGR制御部55、実EGRガス量算出部56、水噴射制御部57、実不活性ガス量算出部58、及び点火制御部59等の制御部を備えている。制御装置50の各制御部51~59等は、制御装置50が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置50は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90にバス等の信号線を介して接続された記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、および演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93等を備えている。
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、および各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。
記憶装置91として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の揮発性及び不揮発性の記憶装置が備えられている。入力回路92は、各種のセンサ及びスイッチが接続され、これらセンサ及びスイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。
そして、制御装置50が備える各制御部51~59等の各機能は、演算処理装置90が、ROM、EEPROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、および出力回路93等の制御装置50の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各制御部51から56等が用いる変換係数Kev、Kve、目標不活性ガス量QINt、圧力比上限値、各マップデータ等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM、EEPROM等の記憶装置91に記憶されている。
本実施の形態では、入力回路92には、大気圧力センサ2、AFS3、大気温度センサ4、大気湿度センサ5、スロットル開度センサ7、吸気路内圧力センサ8、吸気路内温度センサ9、空燃比センサ18、クランク角センサ20、アクセルポジションセンサ26、及びEGR開度センサ27等が接続されている。出力回路93には、スロットルバルブ6(電気モータ)、燃料インジェクタ13、水インジェクタ28、吸気可変バルブタイミング機構14、排気可変バルブタイミング機構15、点火コイル16、及びEGRバルブ22(電動アクチュエータ)等が接続されている。なお、制御装置50には、図示していない各種のセンサ、スイッチ、及びアクチュエータ等が接続されている。
制御装置50は、基本的な制御として、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、燃料噴射量、点火時期等を算出し、燃料インジェクタ13及び点火コイル16等を駆動制御する。制御装置50は、アクセルポジションセンサ26の出力信号等に基づいて、運転者が要求している内燃機関1の出力トルクを算出し、当該要求出力トルクを実現する吸入空気量となるように、スロットルバルブ6等を制御する。具体的には、制御装置50は、目標スロットル開度を算出し、スロットル開度センサ7の出力信号に基づき検出したスロットル開度が、目標スロットル開度に近づくように、スロットルバルブ6の電気モータを駆動制御する。また、制御装置50は、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、吸気バルブの目標開閉タイミング及び排気バルブの目標開閉タイミングを算出し、各目標開閉タイミングに基づいて、吸気及び排気可変バルブタイミング機構14、15を駆動制御する。
<運転状態検出部51>
運転状態検出部51は、内燃機関1及び車両の運転状態を検出する。運転状態検出部51は、各種のセンサの出力信号等に基づいて各種の運転状態を検出する。
運転状態検出部51は、内燃機関1及び車両の運転状態を検出する。運転状態検出部51は、各種のセンサの出力信号等に基づいて各種の運転状態を検出する。
例えば、運転状態検出部51は、クランク角センサ20の出力信号に基づいて内燃機関1のクランク角度θ及び回転速度Neを検出し、スロットル開度センサ7の出力信号に基づいてスロットル開度を検出し、EGR開度センサ27の出力信号に基づいてEGRバルブ22の開度Oeを検出する。運転状態検出部51は、空燃比センサ18の出力信号に基づいて排気ガスの空燃比AFを検出し、アクセルポジションセンサ26の出力信号に基づいてアクセル開度を検出する。
運転状態検出部51は、燃焼室25に吸入される吸入空気量QWAcを検出する。本実施の形態では、運転状態検出部51は、AFS3の出力信号に基づいて、スロットルバルブ6を通過する吸気路吸入空気流量Qwaを検出する。ここで、吸気路吸入空気流量Qwa及び吸入空気量QWAcは、乾燥空気と水蒸気を含んだ湿り空気の空気流量及び空気量である。
運転状態検出部51は、吸気路吸入空気流量Qwa[g/s]を、1行程間積分して、1行程間に吸気路23に吸入される吸気路吸入空気量QWA[g/stroke]を算出し、吸気路吸入空気量QWAに対して吸気マニホールド12の遅れを模擬した1次遅れフィルタ処理を行って、1行程間に燃焼室25に吸入される吸入空気量QWAc[g/stroke]を算出する。なお、運転状態検出部51は、AFS3の出力信号を用いずに、公知の方法を用い、圧力センサの情報等に基づいて、吸入空気量QWAcを算出してもよい。
運転状態検出部51は、吸気路23に吸入される大気温度Taを検出し、大気湿度Haを検出し、大気圧力Paを検出する。本実施の形態では、それぞれの検出に、大気温度センサ4、大気湿度センサ5、及び大気圧力センサ2の出力信号が用いられる。なお、運転状態検出部51は、大気温度Ta、大気湿度Ha、及び大気圧力Paを、エアコンディショナ装置等の外部の装置から、通信を介して取得するように構成されてもよい。
本実施の形態では、大気湿度センサ5には、相対湿度を検出するタイプのものが用いられており、例えば、感湿材料の電気抵抗値により検出する電気抵抗式のもの、センサ素子の静電容量により検出する静電容量式のもの等とされる。そのため、運転状態検出部51は、大気湿度Haとして相対湿度を検出する。ここで、相対湿度とは、空気の温度により決まる飽和水蒸気圧に対するその空気の水蒸気分圧の比率を示すものであり、空気中の水蒸気分圧が同じであっても、温度により、相対湿度は変化する。
運転状態検出部51は、吸気路内圧力Pbを検出し、吸気路内温度Tbを検出する。本実施の形態では、それぞれの検出に、吸気路内圧力センサ8、及び吸気路内温度センサ9の出力信号が用いられる。
運転状態検出部51は、排気路17内のガス圧力である排気路内圧力Pexを検出し、排気路17内のガス温度である排気路内温度Texを検出する。本実施の形態では、運転状態検出部51は、回転速度、吸入空気量、EGR率、大気圧力Pa、空燃比、及び点火時期などの特定の運転状態に基づいて、排気路内圧力Pex及び排気路内温度Texを算出する。この算出の際、特定の運転状態と排気路内圧力Pexとの関係が予めされた排気路内圧力特性データ、及び特定の運転状態と排気路内温度Texとの関係が予めされた排気温度特性データが用いられる。各特性データには、マップデータ、多項式等の数式が用いられる。或いは、排気路17に温度センサ及び圧力センサが設けられ、各センサの出力信号が用いられてもよい。
<水蒸気量検出部52>
水蒸気量検出部52は、燃焼室25に吸入される大気に含まれる水蒸気量QVcを検出する。本実施の形態では、水蒸気量検出部52は、運転状態検出部51により検出された吸入空気量QWAc、大気温度Ta、大気湿度Ha、及び大気圧力Paに基づいて、水蒸気量QVcを検出する。以下で詳細に説明する。
水蒸気量検出部52は、燃焼室25に吸入される大気に含まれる水蒸気量QVcを検出する。本実施の形態では、水蒸気量検出部52は、運転状態検出部51により検出された吸入空気量QWAc、大気温度Ta、大気湿度Ha、及び大気圧力Paに基づいて、水蒸気量QVcを検出する。以下で詳細に説明する。
上述したように、大気湿度Haは相対湿度であり、飽和水蒸気圧Psに対する水蒸気分圧Pvの比率を示している。よって、水蒸気量検出部52は、次式を用い、式(1)により算出した飽和水蒸気圧Ps[hPa]及び大気湿度Ha[%RH]に基づいて、水蒸気分圧Pv[hPa]を算出する。
ドルトンの法則より、物質量の比は、圧力の比と等しくなるため、大気中における水蒸気の物質量の比、つまり水蒸気のモル分率χvは、次式により示される。なお、水蒸気のモル分率χvは、大気に対する水蒸気の体積比と考える事もできる。
一般的に、検出した吸入空気量QWAcを目標空燃比で除算して、燃料噴射量が算出される。しかし、検出した吸入空気量QWAcには水蒸気量が含まれるため、正確な空気量を得るためには、吸入空気量QWAcから水蒸気量を減算する必要がある。そのためには、湿り空気に含まれる水蒸気の質量比が必要となる。湿り空気における水蒸気の割合を一般的には比湿qという。比湿qは、湿り空気の密度ρw、乾燥空気の密度ρd、水蒸気の密度ρvを用い、次式で表される。
一般に知られる理想気体の状態方程式より、気体の密度ρは、気体の圧力P、気体の温度T、気体のガス定数Rを用い、式(5)で表され、気体のガス定数Rは、一般ガス定数R0、気体の分子量Mを用い、式(6)で表される。
式(9)は、式(7)及び式(8)を、式(4)に代入し、水蒸気の分子量Mvに18.015、乾燥空気の分子量Mdに28.966を代入したものである。水蒸気量検出部52は、式(9)を用い、大気圧力Pa、及び式(2)により算出した水蒸気分圧Pvに基づいて、比湿qを算出する。
AFS3が熱式の場合、吸入空気の湿度により、湿り空気量の検出誤差が生じる可能性もあり、その誤差についても湿度情報を用いて補正を行う必要がある。しかし、その補正方法は本願の範囲には含まれないため、湿度によるAFS3の検出誤差は生じない、もしくは、誤差が補正された湿り空気量がAFS3から出力されるものとする。AFS3は熱式検出を例としているため、湿り空気の質量流量[g/s]が検出されるものとする。
AFS3により検出される湿り空気流量Qwaに対する水蒸気分の流量Qvの割合は、比湿qで示される。よって、水蒸気量検出部52は、式(10)に示すように、湿り空気の吸入空気量QWAc[g/stroke]に、式(9)により算出した比湿qを乗算して、燃焼室25に吸入される水蒸気量QVc[g/stroke]を算出する。
また、乾燥吸気量算出部53は、乾燥吸入空気量QDAcを、標準大気状態(例えば、一気圧、25℃)の空気密度ρ0とシリンダ容積Vcとを乗算した値で除算して、乾燥充填効率Ecdaを算出する。乾燥充填効率Ecdaは、シリンダ容積Vcを満たす標準大気状態の空気質量(ρ0×Vc)に対する乾燥吸入空気量QDAcの比率である。
<目標不活性ガス量算出部54>
目標不活性ガス量算出部54は、燃焼室に吸入される目標不活性ガス量QINtを算出する。目標不活性ガス量算出部54は、回転速度Ne、吸入空気量情報等の運転状態に基づいて、目標不活性ガス量QINtを算出する。例えば、運転状態と目標不活性ガス量QINtとの関係が予め設定された目標ガス量設定マップデータを参照して算出される。吸入空気量情報として、乾燥吸入空気量QDAc、又は乾燥吸入空気量QDAcに基づいて算出された乾燥充填効率Ecdaが用いられる。これにより、燃焼する乾燥吸入空気量QDAcと、燃焼に影響する目標不活性ガス量QINtとの比を精度よく制御することができ、燃焼状態の制御精度を向上させることができる。なお、湿り空気の吸入空気量QWAcが用いられてもよい。
目標不活性ガス量算出部54は、燃焼室に吸入される目標不活性ガス量QINtを算出する。目標不活性ガス量算出部54は、回転速度Ne、吸入空気量情報等の運転状態に基づいて、目標不活性ガス量QINtを算出する。例えば、運転状態と目標不活性ガス量QINtとの関係が予め設定された目標ガス量設定マップデータを参照して算出される。吸入空気量情報として、乾燥吸入空気量QDAc、又は乾燥吸入空気量QDAcに基づいて算出された乾燥充填効率Ecdaが用いられる。これにより、燃焼する乾燥吸入空気量QDAcと、燃焼に影響する目標不活性ガス量QINtとの比を精度よく制御することができ、燃焼状態の制御精度を向上させることができる。なお、湿り空気の吸入空気量QWAcが用いられてもよい。
一般に中負荷域にて導入される不活性ガスはEGRに代表され、ポンピングロス低減等による燃費向上等の効果が知られている。また高負荷域にて導入される不活性ガスは水に代表され、点火時期のノック限界拡大の効果、又は燃料冷却を水の潜熱に担わせてA/Fリッチ化を抑制する効果等が知られている。それら各種効果を考慮した最適な不活性ガス量がマップデータに設定され、目標不活性ガス量QINtとして算出される。
<EGRガスと水蒸気との相関性>
しかし、EGRガスと水蒸気とでは、物質が異なるため、単位質量当たりの燃焼に与える影響度合いが異なる。そこで、EGRガスと水蒸気とを共通の指標で管理する必要がある。本実施の形態では、目標不活性ガス量算出部54は、不活性ガス量をEGRガス相当量に換算した目標不活性ガス量QINtを算出する。すなわち、目標不活性ガス量算出部54は、目標不活性ガス量QINtとして目標EGRガス量を算出する。なお、目標不活性ガス量算出部54は、不活性ガス量を水蒸気相当量に換算した目標不活性ガス量QINtを算出してもよい。
しかし、EGRガスと水蒸気とでは、物質が異なるため、単位質量当たりの燃焼に与える影響度合いが異なる。そこで、EGRガスと水蒸気とを共通の指標で管理する必要がある。本実施の形態では、目標不活性ガス量算出部54は、不活性ガス量をEGRガス相当量に換算した目標不活性ガス量QINtを算出する。すなわち、目標不活性ガス量算出部54は、目標不活性ガス量QINtとして目標EGRガス量を算出する。なお、目標不活性ガス量算出部54は、不活性ガス量を水蒸気相当量に換算した目標不活性ガス量QINtを算出してもよい。
以下で詳細に説明する。不活性ガス量は、例えばEGRではEGR率Regrにより示されることがある。EGR率Regrは、一般的に吸入空気量に対するEGR流路から循環された排気ガス量の比とされており、CO2濃度を用いた式(12)にて示されている。なお、式(12)において、CO2_inは、吸入ガスのCO2濃度[vol%]を示し、CO2_exは、排気路から循環される外気ガスのCO2濃度[vol%]を示し、CO2_aは、大気中のCO2濃度[vol%]を示す。一般的に大気中のCO2濃度は、0.038[vol%]程度である。
ガソリンの平均分子式をC7H14、空気の組成を「酸素(O2):窒素(N2)=21:79」と仮定し、ガソリンと空気が理論空燃比で完全燃焼した場合の燃焼反応式は、式(14)により表され、燃焼により生成される二酸化炭素(CO2)の量と水分(H2O)の量が等しい事が示されている。
図4は、所定の乾燥吸入空気量及び燃料噴射量の運転条件において、点火時期SAをMBT(Minimum advance for the Best Torque)の前後に変化させた場合の内燃機関の出力特性と、同じ乾燥吸入空気量及び燃料噴射量の運転条件において、外部EGRの導入量又は水噴射量を変化させた場合の点火時期SAの変化に対する内燃機関の出力特性を示したものである。EGR率を増加させた場合も、水噴射量を増加させた場合も、MBTは進角側に変化する傾向を示し、点火時期SAの変化に対する内燃機関の出力特性は、同様の傾向で変化することが確認された。図4に示すように、EGR率=約15%の内燃機関の出力特性と、水噴射パルス幅=3msの内燃機関の出力特性は、ほぼ同じ特性になっている。
これは、ともに不活性ガスであるEGRガス量と水蒸気量との間に、点火時期SAの変化に対する内燃機関の出力特性について、相関性がある事を示している。その相関性は回転速度及び充填効率等の運転状態により影響を受ける。そのため、水蒸気量からEGRガス相当量への換算係数Kve、及びEGRガス量から水蒸気相当量への換算係数Kevは、回転速度及び充填効率等の運転状態ごとに予め設定されている。例えば、各換算係数と運転状態との関係が予め設定されたマップデータ又は数式が用いられる。
<EGR制御部55>
EGR制御部55は、目標不活性ガス量QINtに基づいて、EGRバルブを制御する。
EGR制御部55は、目標不活性ガス量QINtに基づいて、EGRバルブを制御する。
本実施の形態では、EGR制御部55は、目標不活性ガス量QINtから水蒸気量QVcを除外した水除外目標不活性ガス量QINDAtを演算し、水除外目標不活性ガス量QINDAtに基づいてEGRバルブを制御する。
目標不活性ガス量QINtから水蒸気量QVcを除外することにより、EGRガス及び水蒸気を合計した目標不活性ガス量QINtが達成されるように、EGRガス量を制御することができる。よって、目標不活性ガス量QINtの制御精度を向上させることができる。
本実施の形態では、上述したように、不活性ガス量をEGRガス相当量に換算した目標不活性ガス量QINtが算出される。EGR制御部55は、水蒸気量QVcをEGRガス相当量に換算した水蒸気換算量QVINcを算出する。例えば、次式に示すように、EGR制御部55は、水蒸気量QVcに、水蒸気量をEGRガス相当量に換算する換算係数Kveを乗算して、水蒸気換算量QVINcを算出する。上述したように、換算係数Kveは、換算前後のガス量に対応する、点火時期SAの変化に対する内燃機関の出力特性が同等になるように、運転状態ごとに設定されている。
EGR制御部55は、EGRガス量が、水除外目標不活性ガス量QINDAtに一致するようにEGRバルブを制御する。
本実施の形態では、EGRガス量の制御精度を向上させるため、EGRバルブ22近傍の流れを絞り弁前後の流れと考えた、圧縮性流体における流体力学の理論式であるオリフィスの流量算出式が用いられ、吸気路内圧力Pb、排気路内圧力Pex、及び排気路内温度Texも考慮される。すなわち、EGR制御部55は、水除外目標不活性ガス量QINDAt、吸気路内圧力Pb、排気路内圧力Pex、及び排気路内温度Texに基づいて、EGRバルブの目標開度を算出し、目標開度に基づいて、EGRバルブを制御する。
具体的には、EGR制御部55は、次式に示すように、水除外目標不活性ガス量QINDAt[g/stroke]を1行程の周期Tst[s/stroke]で除算して、EGRバルブを通過する目標EGRガス流量Qegrt[g/s]を算出する。
EGR制御部55は、式(18)を用い、排気路内温度Texに基づいて、排気ガスの音速αexを算出し、式(19)を用い、排気路内温度Tex及び排気路内圧力Pexに基づいて、排気ガスの密度ρexを算出する。ここで、Rは、排気ガスのガス定数であり、予め設定された値が用いられる。κは、排気ガスの比熱比であり、予め設定された値が用いられる。また、EGR制御部55は、式(20)を用い、排気路内圧力Pexに対する吸気路内圧力Pbの圧力比Pb/Pexに基づいて、無次元流量定数σexを算出する。ここで、Rp0は、臨界圧力比であり、空気の場合は、約0.528になり、排気ガスに合わせて予め設定された値が用いられる。図5に示すように、圧力比Pb/Pexが、臨界圧力比Rp0以下の場合は、無次元流量定数σexは一定値σex0になり、圧力比Pb/Pexが、臨界圧力比Rp0より大きい場合は、圧力比Pb/Pexが増加するに従って、無次元流量定数σexは減少し、圧力比Pb/Pex=1で、無次元流量定数σex=0になる。なお、演算負荷の低減のために、式(18)から式(20)をマップデータ化したものが用いられてもよい。
そして、EGR制御部55は、次式に示すように、目標EGRガス流量Qegrtを、排気ガスの音速αex、排気ガスの密度ρex、及び無次元流量定数σexで除算して、EGRバルブの目標開口面積Segrtを算出する。
EGR制御部55は、EGRバルブの目標開口面積Segrtを、変換マップデータ又は数式を用いて、EGRバルブの目標開度に変換する。EGR制御部55は、実開度Oeが目標開度に近づくように、EGRバルブの電動アクチュエータを駆動制御する。
<吸気路内圧力Pbが高い場合の、開度増加の制限>
また、圧力比Pb/Pexが1に近くなると、無次元流量定数σexが0に近くなり、圧力脈動により、目標開口面積Segrtが大きく変動し、また、目標開口面積Segrtを増加させても、EGRガス流量を増加させることができない。
また、圧力比Pb/Pexが1に近くなると、無次元流量定数σexが0に近くなり、圧力脈動により、目標開口面積Segrtが大きく変動し、また、目標開口面積Segrtを増加させても、EGRガス流量を増加させることができない。
そこで、EGR制御部55は、圧力比Pb/Pexが、予め設定された圧力比上限値よりも大きい場合は、EGRバルブの開度の増加を制限する。例えば、圧力比上限値は、0.95に設定される。例えば、EGR制御部55は、圧力比Pb/Pexを、圧力比上限値で上限制限する。上限制限前の圧力比Pb/Pexが、圧力比上限値よりも大きい場合は、上限制限後の圧力比Pb/Pexは、圧力比上限値に設定される。そして、上限制限された圧力比Pb/Pexに基づいて、式(20)の無次元流量定数σexの算出処理が行われる。
上限制限前の圧力比Pb/Pexが、圧力比上限値よりも大きい場合は、無次元流量定数σexは、圧力比上限値に対応する、0よりも大きい所定値になり、目標開口面積Segrtは、無次元流量定数σexの所定値に対応する所定値になり、開度の増加が制限される。開度の上限制限が行われている場合は、公知のEGRバルブの開度の学習制御が停止されてもよい。
EGRバルブの開度の上限制限が行われることにより、水除外目標不活性ガス量QINDAtに対して実EGRガス量QEGRcが不足しても、後述するように、不足分は、水噴射による水蒸気により補われるので、精度よく目標不活性ガス量QINtを達成することができると共に、EGRバルブの開度が不必要に大きくなったり、変動したりすることを防止できる。
<実EGRガス量算出部56>
実EGRガス量算出部56は、燃焼室に吸入される実EGRガス量QEGRcを算出する。実EGRガス量算出部56は、EGRバルブの開度Oe、及び吸気路内圧力Pbに基づいて、実EGRガス量QEGRcを算出する。
実EGRガス量算出部56は、燃焼室に吸入される実EGRガス量QEGRcを算出する。実EGRガス量算出部56は、EGRバルブの開度Oe、及び吸気路内圧力Pbに基づいて、実EGRガス量QEGRcを算出する。
本実施の形態では、実EGRガス量の算出精度を向上させるため、EGRバルブのオリフィスの流量算出式が用いられ、排気路内圧力Pex及び排気路内温度Texも考慮される。すなわち、実EGRガス量算出部56は、EGRバルブの開度Oe及び吸気路内圧力Pbに加えて、排気路内圧力Pex、及び排気路内温度Texに基づいて、実EGRガス量QEGRcを算出する。
実EGRガス量算出部56は、EGR開度センサ27により検出された実開度Oeを、変換マップデータ又は数式を用いて、EGRバルブの実開口面積Segrrに変換する。そして、実EGRガス量算出部56は、次式に示すように、実開口面積Segrrに、排気ガスの音速αex、排気ガスの密度ρex、及び無次元流量定数σexを乗算して、実EGRガス流量Qegrrを算出する。
実EGRガス量算出部56は、実EGRガス流量Qegrr[g/s]を、1行程間積分して、1行程間に吸気路23に還流される還流EGRガス量QEGR[g/stroke]を算出し、還流EGRガス量QEGRに対して吸気マニホールド12の遅れを模擬した1次遅れフィルタ処理を行って、1行程間に燃焼室25に吸入される実EGRガス量QEGRc[g/stroke]を算出する。
<水噴射制御部57>
水噴射制御部57は、目標不活性ガス量QINtに対して、実EGRガス量QEGRc及び水蒸気量QVcを合計した合計不活性ガス量QINsumが不足している場合は、不足している不足不活性ガス量QINlackに基づいて、水インジェクタを駆動し、吸入空気に水を噴射させる。
水噴射制御部57は、目標不活性ガス量QINtに対して、実EGRガス量QEGRc及び水蒸気量QVcを合計した合計不活性ガス量QINsumが不足している場合は、不足している不足不活性ガス量QINlackに基づいて、水インジェクタを駆動し、吸入空気に水を噴射させる。
この構成によれば、EGRガスの導入により、目標不活性ガス量QINtを達成できなかった場合に、水インジェクタにより噴射水を供給し、目標不活性ガス量QINtを達成することができる。この際、実EGRガス量QEGRc及び水蒸気量QVcが考慮されているので、不足不活性ガス量を精度よく算出でき、不活性ガス量の制御精度を向上できる。よって、不活性ガス量により燃焼状態を精度よく制御できる。例えば、EGRバルブ制御の応答遅れ、及びEGRバルブから燃焼室までの吸気路による搬送遅れ等により、目標EGRガス量に対して実EGRガス量に応答遅れが生じ、不足不活性ガス量が生じた場合に、水噴射により不足分を精度よく補うことができる。或いは、吸気路内圧力Pbが高く、吸気路にEGRガスを十分に還流できず、不足不活性ガス量が生じた場合に、水噴射により不足分を精度よく補うことできる。
本実施の形態では、水噴射制御部57は、次式に示すように、実EGRガス量QEGRcと、水蒸気量QVcをEGRガス相当量に換算した水蒸気換算量QVINcとを合計して、合計不活性ガス量QINsumを算出する。水蒸気換算量QVINcの算出は、上記の式(15)と同様に算出される。水噴射制御部57は、目標不活性ガス量QINtから合計不活性ガス量QINsumを減算して、不足不活性ガス量QINlackを算出する。水噴射制御部57は、不足不活性ガス量QINlackに、EGRガス量を水蒸気相当量に換算する換算係数Kevを乗算して、不足水蒸気量QVlackを算出する。上述したように、換算係数Kve、Kevは、換算前後のガス量に対応する、点火時期SAの変化に対する内燃機関の出力特性が同等になるように、運転状態ごとに設定されている。
水噴射制御部57は、不足水蒸気量QVlackに基づいて、噴射水量を算出し、噴射水量に基づいて、水インジェクタのオン期間を算出する。例えば、不足水蒸気量QVlackが、噴射水量に設定される。噴射水の蒸発率、壁面への付着率が考慮されてもよい。そして、水噴射制御部57は、吸気行程から圧縮行程の所定のタイミングで、水インジェクタをオン期間だけオン駆動し、不足水蒸気量QVlackの水を燃焼室に供給させる。
<実不活性ガス量算出部58>
実不活性ガス量算出部58は、実EGRガス量QEGRc、水蒸気量QVc、及び水インジェクタの噴射水による噴射水蒸気量QVinjを合計して、実不活性ガス量QINrを算出する。噴射水蒸気量QVinjは、噴射水量に基づいて算出される。例えば、噴射水量又は不足水蒸気量QVlackが、噴射水蒸気量QVinjに設定される。噴射水の蒸発率、壁面への付着率が考慮されてもよい。
実不活性ガス量算出部58は、実EGRガス量QEGRc、水蒸気量QVc、及び水インジェクタの噴射水による噴射水蒸気量QVinjを合計して、実不活性ガス量QINrを算出する。噴射水蒸気量QVinjは、噴射水量に基づいて算出される。例えば、噴射水量又は不足水蒸気量QVlackが、噴射水蒸気量QVinjに設定される。噴射水の蒸発率、壁面への付着率が考慮されてもよい。
本実施の形態では、実不活性ガス量算出部58は、次式に示すように、実EGRガス量QEGRcと、水蒸気量QVc及び噴射水蒸気量QVinjをEGRガス相当量に換算した水蒸気換算量及び噴射水蒸気換算量とを合計して、実不活性ガス量を算出する。水蒸気量からEGRガス相当量に換算するために、水蒸気量QVc及び噴射水蒸気量QVinjに上述した換算係数Kveが乗算される。
<点火制御部59>
点火制御部59は、実不活性ガス量QINrに基づいて、点火時期SAを設定する。点火制御部59は、点火時期SA(点火角度)及びクランク角度に基づいて、点火コイル16への通電制御を行う。例えば、点火制御部59は、実不活性ガス量QINrに基づいてMBTの点火時期SAを設定する。なお、設定された点火時期SAに対して、ノック制御等の各種の補正制御が行われる。
点火制御部59は、実不活性ガス量QINrに基づいて、点火時期SAを設定する。点火制御部59は、点火時期SA(点火角度)及びクランク角度に基づいて、点火コイル16への通電制御を行う。例えば、点火制御部59は、実不活性ガス量QINrに基づいてMBTの点火時期SAを設定する。なお、設定された点火時期SAに対して、ノック制御等の各種の補正制御が行われる。
図4に示したように、同じ新気量及び燃料噴射量の運転条件においても、燃焼室内の不活性ガス量が変化すると、MBTが変化する。実EGRガス量QEGRc、水蒸気量QVc、及び噴射水蒸気量QVinjを合計した実不活性ガス量QINrに基づいて、点火時期SAが設定されるので、精度よく、MBTを基準にした点火制御を行うことができ、燃焼状態の制御精度を向上させることができる。また、点火時期SAの変化に対する内燃機関の出力特性が同等になるように、各水蒸気量がEGRガス相当量に換算されて、実不活性ガス量QINrが算出されているので、物質の異なるEGRガスと水蒸気とが任意の混合比で混合されても、MBTを基準にした制御精度を高めることができる。
本実施の形態では、点火制御部59は、不活性ガス量がゼロである場合の第1点火時期SA1と、不活性ガス量が目標不活性ガス量QINtである場合の第2点火時期SA2と、を算出し、第1点火時期SA1と第2点火時期SA2との間を実不活性ガス量QINrに基づいて補間して、点火時期SAを設定する。例えば、次式に示すように、線形補間が行われる。
点火制御部59は、回転速度及び乾燥充填効率Ecda等の運転状態と第1点火時期SA1との関係が予め設定された第1点火時期設定マップデータを参照し、現在の運転状態に対応する第1点火時期SA1算出する。また、点火制御部59は、回転速度及び乾燥充填効率Ecda等の運転状態と第2点火時期SA2との関係が予め設定された第2点火時期設定マップデータを参照し、現在の運転状態に対応する第2点火時期SA2算出する。
<フローチャート>
本実施の形態に係る制御装置50の概略的な処理の手順(内燃機関1の制御方法)について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。図7のフローチャートの処理は、演算処理装置90が記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行することにより、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
本実施の形態に係る制御装置50の概略的な処理の手順(内燃機関1の制御方法)について、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。図7のフローチャートの処理は、演算処理装置90が記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行することにより、所定の演算周期毎に繰り返し実行される。
ステップS01で、上述したように、運転状態検出部51は、回転速度Ne、クランク角度θ、吸入空気量QWAc、大気温度Ta、大気湿度Ha、大気圧力Pa、吸気路内圧力Pb、吸気路内温度Tb、排気路内圧力Pex、及び排気路内温度Tex等の各種の内燃機関1の運転状態を検出する運転状態検出処理を実行する。
ステップS02で、上述したように、水蒸気量検出部52は、燃焼室25に吸入される大気に含まれる水蒸気量QVcを検出する水蒸気量検出処理を実行する。本実施の形態では、水蒸気量検出部52は、吸入空気量QWAc、大気温度Ta、大気湿度Ha、及び大気圧力Paに基づいて、水蒸気量QVcを検出する。
ステップS03で、上述したように、乾燥吸気量算出部53は、吸入空気量QWAcから水蒸気量QVcを減算して、燃焼室25に吸入される乾燥吸入空気量QDAcを算出する乾燥吸気量算出処理を実行する。
ステップS04で、上述したように、目標不活性ガス量算出部54は、燃焼室に吸入される目標不活性ガス量QINtを算出する目標不活性ガス量算出処理を実行する。本実施の形態では、目標不活性ガス量算出部54は、不活性ガス量をEGRガス相当量に換算した目標不活性ガス量QINtを算出する。目標不活性ガス量算出部54は、回転速度Ne、乾燥吸入空気量QDAc又は乾燥充填効率Ecda等の運転状態に基づいて、目標不活性ガス量QINtを算出する。
ステップS05で、上述したように、EGR制御部55は、目標不活性ガス量QINtに基づいて、EGRバルブを制御するEGR制御処理を実行する。本実施の形態では、EGR制御部55は、目標不活性ガス量QINtから水蒸気量QVcを除外した水除外目標不活性ガス量QINDAtを演算し、水除外目標不活性ガス量QINDAtに基づいてEGRバルブを制御する。また、EGR制御部55は、排気路内圧力Pexに対する吸気路内圧力Pbの圧力比Pb/Pexが、予め設定された圧力比上限値よりも大きい場合は、EGRバルブの開度の増加を制限する。
ステップS06で、上述したように、実EGRガス量算出部56は、燃焼室に吸入される実EGRガス量QEGRcを算出する実EGRガス量算出処理を実行する。本実施の形態では、実EGRガス量算出部56は、EGRバルブの開度Oe、吸気路内圧力Pb、排気路内圧力Pex、及び排気路内温度Texに基づいて、実EGRガス量QEGRcを算出する。
ステップS07で、上述したように、水噴射制御部57は、目標不活性ガス量QINtに対して、実EGRガス量QEGRc及び水蒸気量QVcを合計した合計不活性ガス量QINsumが不足している場合は、不足している不足不活性ガス量QINlackに基づいて、水インジェクタを駆動し、吸入空気に水を噴射させる水噴射制御処理を実行する。本実施の形態では、水噴射制御部57は、実EGRガス量QEGRcと、水蒸気量QVcをEGRガス相当量に換算した水蒸気換算量QVINcとを合計して、合計不活性ガス量QINsumを算出する。
ステップS08で、上述したように、実不活性ガス量算出部58は、実EGRガス量QEGRc、水蒸気量QVc、及び水インジェクタの噴射水による噴射水蒸気量QVinjを合計して、実不活性ガス量QINrを算出する実不活性ガス量算出処理を実行する。本実施の形態では、実不活性ガス量算出部58は、実EGRガス量QEGRcと、水蒸気量QVc及び噴射水蒸気量QVinjをEGRガス相当量に換算した水蒸気換算量及び噴射水蒸気換算量とを合計して、実不活性ガス量QINrを算出する。
ステップS09で、上述したように、点火制御部59は、実不活性ガス量QINrに基づいて、点火時期SAを設定する点火制御処理を実行する。本実施の形態では、点火制御部59は、不活性ガス量がゼロである場合の第1点火時期SA1と、不活性ガス量が目標不活性ガス量QINtである場合の第2点火時期SA2と、を算出し、第1点火時期SA1と第2点火時期SA2との間を実不活性ガス量QINrに基づいて補間して、点火時期SAを設定する。
<転用例>
(1)上記の実施の形態1においては、内燃機関1は、ガソリンエンジンとされている場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、内燃機関1は、ディーゼルエンジン、HCCI燃焼(Homogeneous-Charge Compression Ignition Combustion)を行う内燃機関等の各種の内燃機関とされてもよい。
(1)上記の実施の形態1においては、内燃機関1は、ガソリンエンジンとされている場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、内燃機関1は、ディーゼルエンジン、HCCI燃焼(Homogeneous-Charge Compression Ignition Combustion)を行う内燃機関等の各種の内燃機関とされてもよい。
(2)上記の実施の形態1においては、目標不活性ガス量算出部54は、不活性ガス量をEGRガス相当量に換算した目標不活性ガス量QINtを算出する場合を例として説明した。しかし、本願の実施の形態はこれに限定されない。すなわち、目標不活性ガス量算出部54は、不活性ガス量を水蒸気相当量に換算した目標不活性ガス量QINtを算出してもよい。そして、各演算値が、水蒸気相当量に換算された値であってもよい。
本願は、例示的な実施の形態が記載されているが、実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合が含まれるものとする。
1 内燃機関、28 水インジェクタ、50 内燃機関の制御装置、51 運転状態検出部、52 水蒸気量検出部、53 乾燥吸気量算出部、54 目標不活性ガス量算出部、55 EGR制御部、56 実EGRガス量算出部、57 水噴射制御部、58 実不活性ガス量算出部、59 点火制御部、Pa 大気圧力、Pb 吸気路内圧力、Pex 排気路内圧力、QEGRc 実EGRガス量、QINDAt 水除外目標不活性ガス量、QINlack 不足不活性ガス量、QINr 実不活性ガス量、QINsum 合計不活性ガス量、QINt 目標不活性ガス量、QVINc 水蒸気換算量、QVc 水蒸気量、QVinj 噴射水蒸気量、QVlack 不足水蒸気量、QWAc 吸入空気量、Qegrr 実EGRガス流量、Qegrt 目標EGRガス流量、SA 点火時期、SA1 第1点火時期、SA2 第2点火時期、Ta 大気温度、Tb 吸気路内温度、Tex 排気路内温度、q 比湿
Claims (11)
- 排気路から吸気路に排気ガスを還流するEGR流路と、前記EGR流路を開閉するEGRバルブと、吸入空気に水を噴射する水インジェクタと、を備えた内燃機関を制御する内燃機関の制御装置であって、
燃焼室に吸入される目標不活性ガス量を算出する目標不活性ガス量算出部と、
前記目標不活性ガス量に基づいて、前記EGRバルブを制御するEGR制御部と、
前記燃焼室に吸入される実EGRガス量を算出する実EGRガス量算出部と、
前記燃焼室に吸入される大気に含まれる水蒸気量を検出する水蒸気量検出部と、
前記目標不活性ガス量に対して、前記実EGRガス量及び前記水蒸気量を合計した合計不活性ガス量が不足している場合は、不足している不足不活性ガス量に基づいて、前記水インジェクタを駆動し、吸入空気に水を噴射させる水噴射制御部と、を備えた内燃機関の制御装置。 - 前記燃焼室に吸入される吸入空気量を検出し、前記吸気路に吸入される大気の温度を検出し、前記大気の湿度を検出し、大気圧力を検出し、前記吸気路内のガス圧力である吸気路内圧力を検出する運転状態検出部を備え、
前記水蒸気量検出部は、前記吸入空気量、前記大気の温度、前記大気の湿度、及び前記大気圧力に基づいて、前記水蒸気量を検出し、
前記実EGRガス量算出部は、前記EGRバルブの開度、及び前記吸気路内圧力に基づいて、前記実EGRガス量を算出し、
前記水噴射制御部は、前記実EGRガス量及び前記水蒸気量を合計して、前記合計不活性ガス量を算出する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記目標不活性ガス量算出部は、不活性ガス量をEGRガス相当量に換算した前記目標不活性ガス量を算出し、
前記水噴射制御部は、前記実EGRガス量と、前記水蒸気量をEGRガス相当量に換算した水蒸気換算量とを合計して、前記合計不活性ガス量を算出する請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記EGR制御部は、前記目標不活性ガス量から前記水蒸気量を除外した水除外目標不活性ガス量を演算し、前記水除外目標不活性ガス量に基づいて、前記EGRバルブを制御する請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記目標不活性ガス量算出部は、不活性ガス量をEGRガス相当量に換算した前記目標不活性ガス量を算出し、
前記EGR制御部は、前記目標不活性ガス量から、前記水蒸気量をEGRガス相当量に換算した水蒸気換算量を減算して、水除外目標不活性ガス量を演算し、EGRガス量が、前記水除外目標不活性ガス量に一致するように前記EGRバルブを制御する請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記吸気路内のガス圧力である吸気路内圧力を検出し、前記排気路内のガス圧力である排気路内圧力を検出し、前記排気路内のガス温度である排気路内温度を検出する運転状態検出部を備え、
前記EGR制御部は、前記水除外目標不活性ガス量、前記吸気路内圧力、前記排気路内圧力、及び前記排気路内温度に基づいて、前記EGRバルブの目標開度を算出し、目標開度に基づいて、前記EGRバルブを制御する請求項5に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記吸気路内のガス圧力である吸気路内圧力を検出し、前記排気路内のガス圧力である排気路内圧力を検出し、前記排気路内のガス温度である排気路内温度を検出する運転状態検出部を備え、
前記実EGRガス量算出部は、前記EGRバルブの開度、前記吸気路内圧力、及び前記排気路内圧力、及び前記排気路内温度に基づいて、前記実EGRガス量を算出する請求項1から6のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記吸気路内のガス圧力である吸気路内圧力を検出し、前記吸気路内のガス圧力である吸気路内圧力を検出し、前記排気路内のガス圧力である排気路内圧力を検出する運転状態検出部を備え、
前記EGR制御部は、前記目標不活性ガス量に対して前記実EGRガス量が不足しており、且つ、前記排気路内圧力に対する前記吸気路内圧力の圧力比が、予め設定された圧力比上限値よりも大きい場合は、前記EGRバルブの開度の増加を制限する請求項1から7のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記実EGRガス量、前記水蒸気量、及び前記水インジェクタの噴射水による噴射水蒸気量を合計して、実不活性ガス量を算出する実不活性ガス量算出部と、
前記実不活性ガス量に基づいて、点火時期を設定する点火制御部と、を備えた請求項1から8のいずれか一項に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記実不活性ガス量算出部は、前記実EGRガス量と、前記水蒸気量及び噴射水蒸気量をEGRガス相当量に換算した水蒸気換算量及び噴射水蒸気換算量とを合計して、前記実不活性ガス量を算出する請求項9に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記点火制御部は、不活性ガス量がゼロである場合の第1点火時期と、不活性ガス量が前記目標不活性ガス量である場合の第2点火時期と、を算出し、前記第1点火時期と前記第2点火時期との間を前記実不活性ガス量に基づいて補間して、前記点火時期を設定する請求項9又は10に記載の内燃機関の制御装置。
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