JP7413825B2 - 発電設備の冷却装置 - Google Patents

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本発明は、水車発電機等の発電設備の発熱部分を冷却するための冷却装置に関し、特に、発電設備の摺動部分に供給する潤滑油中に冷却配管を配設して潤滑油を冷却する冷却装置に関する。
例えば、水車発電機においては、回転部とこれを支える軸受との間の円滑な摺動を確保するために、軸受周囲に軸受油槽を設け、この軸受油槽に貯留されている潤滑油を軸受に常時供給するようにしている。このような回転部と軸受との間には摩擦熱が発生するため、長時間の連続運転においては、軸受油槽の潤滑油の温度が上昇し、潤滑に必要な十分な粘度が得られなくなる虞がある。そこで、潤滑油を冷却するために、従来においては、軸受油槽の潤滑油中に冷却配管を配設し、この冷却配管に冷却水を通流させて潤滑油を冷却するようにしている。そして、冷却配管を通流させた冷却水は、格別な障害が発生しない限り、そのまま河川に放水するようにしている。
しかしながら、長年の使用により、軸受油槽内の冷却配管の肉厚が薄くなると、配管表面にピンホールが発生する可能性がある。このようなピンホールが冷却配管に形成されると、軸受油槽中の潤滑油がピンホールを介して冷却配管内の冷却水に流入し、そのまま河川へ流出されて環境汚染を招くことが懸念される。
そこで、冷却配管にピンホールの発生が認められた場合には、水車発電機を停止し、分解修理してピンホールを無くした上で運転を再開させる必要があるため、運転再開までに多くの時間を要し、また予想外のコストが発生する不都合がある。
このような不都合を回避するために、軸受油槽に冷却配管を配設しない自冷式軸受を採用することも考えられるが、自冷式軸受を採用する場合には軸受油槽を大型化する必要があるため、物理的に不可能な場合が殆どであり、また、自冷式軸受に改修可能な場合でも、主要部品の設計変更や新たな製作が必要となり、多大な費用負担を強いられる不都合がある。
そこで、従来においては、特許文献1に示されるように、冷媒循環サイクル(閉鎖循環冷却系統)を用いて冷却配管に液体冷媒を循環させ、冷却配管に供給する冷媒の経路を水圧鉄管や放水路から独立させてこれらに連通させないようにした冷却装置が提案されている。
特開2015-180151号公報
しかしながら、上述した冷媒循環サイクル(閉鎖循環冷却系統)を用いた冷却装置においては、ピンホールが発生して潤滑油が冷媒中に流入したとしても、潤滑油を構外へ流出させることはないが、冷媒として液体冷媒(水)が用いられ、この液体冷媒をポンプで循環させているので、ピンホールが発生して冷媒循環サイクル(閉鎖循環冷却系統)内の液体冷媒が潤滑油中に漏れ出すと、潤滑油を貯留している油槽の油面が上昇し、異常検知用のセンサが動作して発電機が停止する不都合がある。また、ポンプが停止すると、油槽内の潤滑油がサイクル管路内の冷媒に逆流し、潤滑油を必要以上に減少させる不都合がある。
さらに、液体冷媒(水)が潤滑油中に漏れ出すと、その液体冷媒によって潤滑油が劣化する不都合が懸念されると共に、潤滑油に液体冷媒が混在すると潤滑機能を低下させる不都合も懸念される。
したがって、ピンホールが形成されていると認められた場合には、そのまま運転を継続させることができず、発電設備を止めて冷却配管を修理し、また、潤滑油が冷媒の流出に起因して劣化していると認められた場合には、潤滑油の全交換が必要となる。
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、仮にピンホールが発生した場合でも、軽微であれば運転を継続させても環境や設備に支障が生じることがなく、また運転停止や予想外のコストの発生を抑えることが可能な発電設備の冷却装置を提供することを主たる課題としている。
上記課題を達成するために、本発明に係る発電設備の冷却装置は、発電設備の摺動箇所を潤滑する潤滑油を冷却するために潤滑油中に配設された冷却配管に冷媒を循環させる冷媒循環サイクルを備えた発電設備の冷却装置であって、
前記冷媒を気体冷媒とし、前記冷媒循環サイクルを、前記冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された冷媒を放熱する放熱装置と、前記放熱装置を通過した冷媒を減圧膨張させる膨張装置と、前記膨張装置で減圧膨張された冷媒を供給する前記冷却配管とを少なくともこの順で配管接続したヒートポンプサイクルで構成したことを特徴としている。
したがって、冷媒循環サイクルを冷媒に気体冷媒を用いたヒートポンプサイクルとしたので、冷媒を所望の圧力に加圧することが可能となり、冷媒圧力を適切に調節することで、軸受油槽の潤滑油中に配設される冷却配管にピンホールが発生した場合においても、潤滑油が冷却配管内に浸入することがなくなる。また、圧縮機を停止させても、冷媒の加圧された状態は維持されるので、ピンホールを介して潤滑油が逆流する不都合もない。
さらに、冷媒として気体冷媒を用いているので、冷媒循環サイクル内の冷媒がピンホールを介して潤滑油中に漏れ出した場合でも、漏れ出した冷媒は潤滑油を通り抜けて油面から大気へ放出されるので、潤滑油面を上昇させて異常検知される不都合はなく、また、潤滑油を劣化させたり、潤滑油中に混在して潤滑性能を低下させたりする不都合もなくなる。
以上の構成は、特に、発電設備として発電機の下方に水車を設け、これら発電機と水車とが主軸に回転可能に支持された水車発電機である場合には、潤滑油中に配設される前記冷却配管を、前記発電機の上部に設けられた上部軸受の潤滑油中に配設される第1冷却配管と、前記発電機の下部に設けられた下部軸受の潤滑油中に配設される第2冷却配管と、前記水車の上部に設けられた水車軸受の潤滑油中に配設される第3冷却配管と、によって構成するとよい。
ここで、前記第1冷却配管、前記第2冷却配管、及び前記第3冷却配管は、前記圧縮機および前記放熱装置に対して並列的に接続された並設通路上に設けられ、前記並設通路のそれぞれには、冷媒流量を調節する流量調整弁を設けるとよい。
このような構成においては、水車発電機の上部軸受、下部軸受、及び水車軸受のそれぞれに供給する潤滑油を冷却するための冷却配管(第1冷却配管、第2冷却配管、第3冷却配管)に供給する冷媒量を、並設通路の管径を調節することによって大まかに調節することができ、また、それぞれの並設通路に設けられた流量調整弁によって各冷却配管に供給する冷媒量を微調整することが可能となり、それぞれの軸受に応じて必要となる冷却能力が得られるように調整することが可能となる。
また、前記膨張装置は、前記冷媒循環サイクルの前記圧縮機の下流側で各並設通路に冷媒を分流させる部位より上流側に配設するようにしても、それぞれの前記並設通路上に配設するようにしてもよい。
前者の構成によれば、冷却配管に供給される冷媒の圧力(又は、温度)は、共通の膨張装置により一括管理されるが、後者の構成によれば、冷却配管毎に調節可能となる。
ここで、気体冷媒を充填するための冷媒充填弁は、冷媒循環サイクルの前記膨張装置の下流側に設けるようにするとよい。
このように冷媒充填弁を膨張装置の下流側とすることで、膨張装置の下流側の低圧ラインにおいて冷媒を充填することが可能となるので、充填がしやすくなり、また、安全に作業を行うことが可能となる。
さらに、前記発電機として、回転軸に固定された回転子と、この回転子の周囲に設けられた固定子と、この固定子の周囲に設けられ、前記回転子及び前記固定子を循環する空気を冷却する空気冷却器とを備える場合には、膨張装置で減圧膨張された冷媒を空気冷却器にも循環するようにしてもよい。
空気冷却器は、潤滑油中に設けられるわけではないので、液冷媒(水)を供給しても前述したような不都合は生じない。このため、空気冷却器には液冷媒を供給するようにしてもよいが、ヒートポンプサイクルとは別に空気冷却器に液冷媒を供給する経路が個別に必要となるので、構造が複雑になる不都合がある。そこで、空気冷却器にもヒートポンプサイクルの気体冷媒を循環させる構成とすることで、構造の簡素化を図ることが可能となる。
以上述べたように、本発明に係る発電設備の冷却装置によれば、冷媒循環サイクル(閉鎖循環冷却系統)をヒートポンプサイクルとし、冷媒として気体冷媒を用いているので、潤滑油中の冷却配管にピンホールが発生した場合でも、軽微であれば運転を継続させても環境や設備に支障が生じることはなく、修理に伴う予想外のコストの発生を抑えることが可能となる。
すなわち、軸受油槽の潤滑油中に配設される冷却配管にピンホールが発生した場合においても、冷媒は気体冷媒を用いて所望の圧力に調節可能であるので、潤滑油が冷却配管に浸入する不都合を回避することが可能となる。
また、冷媒を気体冷媒としているので、冷媒循環サイクル内の冷媒がピンホールを介して潤滑油中に漏れ出した場合でも、潤滑油に混ざり合うことなく大気中に放出されるだけであるので、潤滑油を劣化させたり、潤滑油に冷媒が混在して潤滑性能を低下させたりする等の不都合を回避することが可能となる。
図1は、発電設備が水車発電機である場合の冷却装置を示す全体構成図であり、冷媒循環サイクルの膨張装置を並設通路の分岐部より上流側に配置した例を示す。 図2は、本発明に係る水車発電機の各軸受と軸受油槽に収容された冷却配管の構成例を示す断面図である。 図3は、制御部による充填冷媒の減少を通知する動作例を示すフローチャートである。 図4は、発電設備が水車発電機である場合の冷却装置を示す全体構成図であり、冷媒循環サイクルの膨張装置を各並設通路上に配置した例を示す。 図5は、発電設備が水車発電機である場合の冷却装置を示す全体構成図であり、発電機の空気冷却器にも膨張装置で減圧膨張された冷媒を供給する例を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1において、発電設備として水力発電設備の例が示されている。
水力発電設備1は、水車2と、送水管としての水圧鉄管3と、水圧鉄管3に設けられ、水車2に導く水を開閉する入口弁4と、水車直下に設けられた吸出し管5と、水車2の上方に配置された発電機10と、水車2から発電機10にかけて設けられた水車発電機主軸6と、この水車発電機主軸6を支持する各種軸受(上部軸受20、下部軸受30、水車軸受40)と、発電機10に設けられた空気冷却器15と、冷媒循環サイクル50と、を有して構成されている。
水圧鉄管3は、貯水池から落差を利用して水車2に水を導く送水管であり、水車2に接続されて貯水池からの水を前記入口弁4を介して供給するようになっている。水車2は、水圧鉄管3を介して流入される流水が通過するときの反動で回転するようになっている。そして、水車2を通過した水は、吸出し管5を介して放水路に放流される。
発電機10は、水車発電機主軸6に接続された回転子11と、この回転子11の周囲に設けられた固定子12と、回転子11に設けられて回転子11と一体をなして回転する冷却ファン13と、固定子の周囲に設けられた空気冷却器15とを有して構成されている。回転子11の回転により、固定子12のコイルに起電力を発生させると共に、冷却ファン13を回転させて発電機周囲の空気を回転子11、固定子12、及び空気冷却器15を通過させて循環させるようにしている。
発電機10の回転子11と水車2は、水車発電機主軸6により同軸上に固定されている。
水車発電機主軸6は、図2にも示されるように、発電機10の上方において該発電機10や水車2を吊下げるように支持するスラスト軸受としての上部軸受20と、発電機10の下方において支持するラジアル軸受としての下部軸受30と、下部軸受30より下方であって水車2の上方に設けられたラジアル軸受としての水車軸受40とにより回転自在に支持されている。
上部軸受20、下部軸受30、及び水車軸受40は、それぞれに対応する軸受油槽(上部軸受油槽21、下部軸受油槽31、水車軸受油槽41)が周囲に設けられている。それぞれの軸受油槽21,31,41には潤滑油が貯留されており、この潤滑油が上部軸受20、下部軸受30、及び水車軸受40に常時供給されるようになっている。
それぞれの軸受油槽21,31,41には、水車発電機主軸6の回転による各軸受(上部軸受20、下部軸受30、水車軸受40)との間の摩擦熱によって潤滑油の温度が上昇するのを抑制するための冷却配管(第1冷却配管22、第2冷却配管32、第3冷却配管42)が配設されている。これら冷却配管22,32,42は、軸受油槽21,31,41の全周に亘って潤滑油中に浸された状態で設けられ、例えば、多数の管路を上下方向及び径方向に並設して構成されている。
発電機10に設けられる空気冷却器15は、発電機10の固定子12の周囲に間隔を空けて複数設けられ、冷却ファン13の回転により回転子11および固定子12を通過させて循環させる空気を冷却するようにしている。
冷媒循環サイクル50は、冷媒として気体冷媒を用いたヒートポンプサイクルであり、上部軸受油槽21に配設された第1冷却配管22、下部軸受油槽31に配設された第2冷却配管32、水車軸受油槽41に配設された第3冷却配管42に冷媒を循環させることで各軸受油槽の潤滑油を冷却するようにしている。ここで、気体冷媒としては、フロン等の人工冷媒であってもよいが、人体や環境への影響が少ない冷媒(例えば、二酸化炭素等)を用いるとよい。
冷媒循環サイクル50は、冷媒を圧縮する圧縮機51と、圧縮された冷媒を水圧鉄管3を流れる水と熱交換して放熱させる放熱装置52と、放熱装置52で放熱された冷媒を減圧膨張させる膨張装置53と、この膨張装置53で減圧膨張された冷媒を各軸受油槽21,31,41に貯留された潤滑油と熱交換させる前記冷却配管22,32,42と、を少なくともこの順で配管接続して構成されている。
圧縮機51は、気体冷媒を圧縮させる一般的な圧縮機であればよく、圧縮機51の吐出口は放熱装置52の流入部に接続されている。
放熱装置52は、水圧鉄管3の表面に沿うように配管を接触固定させたもので、その形態については各種構成を採用することが可能であり、例えば特開2015-180151号に示された構成を採用するとよい。そして、放熱装置52の流出部は、膨張装置53の流入部に接続され、放熱装置52で冷却された低温高圧の冷媒を膨張装置53に供給するようにしている。
膨張装置53は、固定絞りのものであっても可変絞りのものであってもよく、冷却配管22,32,42に供給される冷媒が所定の圧力になるように開度が調整されている。この例では、既存の冷却配管を流用するため、冷媒圧力(P)を冷却配管の耐久性等を考慮して1.5[kgf/cm2](0.147[MPa])以下となるように設定し、また、冷却配管22,32,42にピンホールが形成されても、軸受油槽の潤滑油が冷却配管内に流入しないように1.0[kgf/cm2](0.098[MPa])以上となるように設定されている(1.0[kgf/cm2]≦P≦1.5[kgf/cm2])(0.098[MPa]≦P≦0.147[MPa])。
膨張装置53の流出側は、往路用主管100が接続され、この往路用主管100の途中に冷媒を充填するための冷媒充填弁55が配置されている。
往路用主管100の冷媒充填弁55の下流側は、分岐部Aによって上流側分岐管101aと上流側分岐管102aとに分岐し、上流側分岐管101aは上部軸受油槽12に収容された冷却配管22に接続され、上流側分岐管102aは、下部軸受油槽31に収容された冷却配管32に接続されている。また、往路用主管100の冷媒充填弁55の下流側は、分岐部Bによって上流側分岐管103aが分岐され、この上流側分岐管103aは、水車軸受油槽41に収容された冷却配管42に接続されている。
そして、第1の冷却配管22の出口側は下流側分岐管101bに接続され、第2の冷却配管32の出口側は下流側分岐管102bに接続され、第3の冷却配管42の出口側は下流側分岐管103bに接続され、これら下流側分岐管101b,102b,103bは合流部C,Dにて合流されて復路用主管104を介して圧縮機51の吸入口に接続されている。
上流側分岐管101aと下流側分岐管101bによって第1冷却配管22が配置された並設通路101が構成され、上流側分岐管102aと下流側分岐管102bによって第2冷却配管32が配置された並設通路102が構成され、上流側分岐管103aと下流側分岐管103bによって第3冷却配管42が配置された並設通路103が構成され、これら並設通路101,102,103は、圧縮機51および放熱装置52、さらにこの例では、膨張装置53及び冷媒充填弁55に対して並列的に接続されている。
したがって、圧縮機51で圧縮された高温高圧の冷媒は、放熱装置52で冷却されて低温高圧の冷媒となり、膨張装置53で減圧膨張されて低温低圧の冷媒となり、各冷却配管22,32,42で各軸受油槽の潤滑油と熱交換して吸熱することで高温低圧の冷媒となり、圧縮機51に戻されることになる。
なお、空気冷却器15は、その配管表面にピンホールが形成された場合でも、油中に放出されるわけではないので、従来と同様、例えば、吸出し管5の出口(放水路)から取水ポンプ56などで取水した水を供給し、空気冷却器15を通過した空気と熱交換した水を吸出し管5の出口(放水路)へ放水するようにしている。
以上の冷媒循環サイクル50において、圧縮機51の吐出口または圧縮機51と放熱装置52との間の配管には、高温高圧冷媒の圧力を検出する圧力センサP1が設けられ、放熱装置52と膨張装置53との間の配管には、低温高圧冷媒の圧力を検出する圧力センサP2が設けられ、膨張装置53の下流側の往路用主管100には、低温低圧冷媒の圧力を検出する圧力センサP3が設けられ、圧縮機51の吸入口または各冷却配管の下流側となる復路用主管104には、高温低圧冷媒の圧力を検出する圧力センサP4が設けられている。
また、上部軸受油槽21には、上部軸受20の温度、又は、上部軸受油槽21の潤滑油の温度を検出する温度センサT1が設けられ、下部軸受油槽31には、下部軸受30の温度、又は、下部軸受油槽31の潤滑油の温度を検出する温度センサT2が設けられ、水車軸受油槽41には、水車軸受40の温度、又は、水車軸受油槽41の潤滑油の温度を検出する温度センサT3が設けられている。
これら圧力センサ(P1~P4)と温度センサ(T1~T3)は、制御部60に接続され、各センサで検知された圧力データ及び温度データは、制御部60に取り込まれ、適宜処理されて冷媒を補充するための目安や、膨張装置53の開度調節を行うための目安等に利用される。
以上の構成において、潤滑油を冷却するために各軸受油槽21,31,41に収容された冷却配管22,32,42が長年の使用により肉薄となり、配管表面にピンホールが発生した場合を想定すると、冷却配管22,32,42を循環する冷媒は、気体冷媒であり、膨張装置53により減圧されているとはいえ、大気圧以上に加圧された状態となっており、圧縮機51を停止させても加圧された状態は維持されるので、ピンホールから冷媒が潤滑油中に漏れ出すことはあっても、冷却配管内に潤滑油が侵入することは無い。このため、圧縮機51が液圧縮したり、油量減少によって潤滑性能が低下したりする不都合は生じない。
また、ピンホールを介して冷媒が軸受油槽中の潤滑油に流出しても、冷媒は気体冷媒を用いているので、油中に留まることなく油面から大気中に放出されるだけであり、潤滑油を劣化させたり潤滑油中に混在して潤滑性能を低下させたりする不都合はない。このため、ピンホールが形成された場合に直ちに冷媒循環サイクルを停止させなければならない事態は生じない。
冷媒漏れによりサイクル内の冷媒量が減少する可能性はあるが、サイクル各所の冷媒圧力や軸受等の温度の変化をみることで、サイクル内の冷媒量の減少を把握することが可能であり、潤滑油の冷却能力に支障がない程度であれば冷却装置を敢えて停止させる必要はなく、したがって、修理に伴う予想外のコストの発生を抑えることが可能となる。
作業者は、定期巡視時に、冷媒循環サイクルの高温高圧側、低温高圧側、低温低圧側、高温低圧側のそれぞれの冷媒圧力を測定して経過監視すると共に、各軸受等の温度を測定して経過監視することで、サイクル内の冷媒圧力の低下傾向が認められ、また、軸受温度の上昇傾向が認められた場合に、冷媒が減少していると考えられるため、冷媒充填弁55を介して冷媒を補充する。
この際、冷媒充填弁は、膨張装置53の下流側の低圧経路上に設けられているので、充填作業がし易く、また、安全に充填することが可能となる。
なお、上述した冷却システムにおいて、ある程度自動化することも可能である。例えば、制御部60において、例えば、図3に示されるように、圧力センサP1~P4から取り込んだ圧力データ、及び、温度センサT1~T3から取り込んだ温度データに基づき(ステップ210)、サイクル各所の冷媒圧力が減少傾向にあるか、また、各軸受又は軸受油槽の潤滑油の温度が上昇傾向にあるかを判定し(ステップ220,230)、サイクル各所の圧力が減少傾向にあり、且つ、各軸受又は軸受油槽の潤滑油の温度が上昇傾向にあると判定された場合には、サイクル内の冷媒が補充を必要とする程度に減少していると判定し、通知するとよい(制御モニターに警告表示したり、アラーム音を発生させたりするとよい:ステップ240)。
なお、各冷却配管への冷媒量の調整は、予め並設通路(分岐管)の管径を調節することで決められており、特に発熱量が多い上部軸受20(スラスト軸受)に対応する冷却配管22に供給する冷媒を多くするよう、並設通路101の管径を他の並設通路102.103より大きくするように設定されているが、各並設通路に流量調整弁101c,102c,103cを設け(図中、破線で示す)、この流量調整弁101c,102c,103cによって各冷却配管22,32,42に流れる冷媒の流量を微調整するようにしてもよい。
また、冷却配管22,32,42に供給する冷媒の圧力調節は、水車発電機1に冷媒循環サイクル50を組み付ける際に予め調整されるが、膨張装置53の下流側の冷媒圧力をモニタリングし(前記P3をモニタリングし)、所定の圧力範囲(1.0[kgf/cm2]≦P≦1.5[kgf/cm2])(0.098[MPa]≦P≦0.147[MPa])となるように膨張装置53の開度を自動調節することも可能である。
以上の構成においては、膨張装置53を往路用主管100に設け、膨張装置53で減圧した冷媒を各並設通路101,102,103に供給するものであったが、このような構成においては、各並設通路に供給される冷媒の圧力および温度はどの並設通路でも同じとなるので、各軸受で発生する熱量のばらつきは冷却配管22,32,42に供給する冷媒量の調節で対応することになる。すなわち、並設通路(分岐管)の管径を予め調節するか、各並設通路に流量調整弁101c,102c,103cを設けて各並設通路の流量調整を行うことになる。このため、各冷却配管に供給する冷媒の圧力や温度を個別に調整することができない分、制御範囲が限られるものであった。
そこで、図4に示されるように、並設通路毎に膨張装置53a,53b,53cを設け、並設通路毎に減圧量を調節することで冷却能力を調節するようにしてもよい。このような構成においては、並設通路毎の冷却能力をそれぞれの膨張装置53a,53b,53cによって調節することが可能となるので、図1で示される構成よりもきめ細かな温度制御が可能になると共に制御範囲を広げることが可能となる。
なお、冷媒充填弁55は、いずれかの並設通路上の膨張装置より下流側に設けるとよい(図においては、並設通路103の膨張装置53cより下流側に設けられている)。
また、上述の構成においては、発電機10の空気冷却器15による空気の冷却を空気冷却器15に水を通流させて冷却するようにしたが、ヒートポンプサイクルを用いる本構成においては、図5に示されるように,冷媒循環サイクル50に空気冷却器15を配置した並設通路105を設け、気体冷媒を空気冷却器15に設けるようにしてもよい。すなわち、往路用主管路100に分岐部Eを介して上流側分岐管105aを接続し、この上流側分岐管105aを空気冷却器15の流入部に接続し、空気冷却器15の流出部に下流側分岐管105bを接続し、この下流側分岐管105bを合流部Fを介して復路用主管104に合流させ、上流側分岐管105aに設けられた膨張装置53dによって減圧膨張された気体冷媒を空気冷却器15にも供給するようにしてもよい。
このような構成においては、空気冷却器15に水を供給するための設備が不要となり、同じヒートポンプサイクルを用いて発電機10の冷却用空気も冷却することが可能となるため、発電設備の冷却装置を簡素化することが可能となる。
なお、以上の例では、水力発電設備の軸受を潤滑する潤滑油を冷却するために、潤滑油中に配設された冷却配管に気体冷媒を供給する場合について説明したが、潤滑油中に配設された冷却配管に冷媒を循環させる他の冷却装置においても、同様の構成を採用することが可能である。
1 水力発電設備
2 水車
6 水車発電機主軸
10 発電機
20 上部軸受
21 上部軸受油槽
22 第1の冷却配管
30 下部軸受
31 下部軸受油槽
32 第2の冷却配管
40 水車軸受
41 水車軸受油槽
42 第3の冷却配管
50 冷媒循環サイクル
51 圧縮機
52 放熱装置
53,53a,53b,53c,53d 膨張装置
55 冷媒充填弁
100 往路用主管
101,102,103,105 並設通路
104 復路用主管

Claims (6)

  1. 発電設備の摺動箇所を潤滑する潤滑油を冷却するために潤滑油中に配設された冷却配管に冷媒を循環させる冷媒循環サイクルを備えた発電設備の冷却装置であって、
    前記冷媒を気体冷媒とし、
    前記冷媒循環サイクルを、前記冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された冷媒を放熱する放熱装置と、前記放熱装置を通過した冷媒を減圧膨張させる膨張装置と、前記膨張装置で減圧膨張された冷媒を供給する前記冷却配管とを少なくともこの順で配管接続したヒートポンプサイクルで構成した
    ことを特徴とする発電設備の冷却装置。
  2. 前記発電設備は、発電機の下方に水車を設け、これら前記発電機と前記水車が主軸によって回転可能に支持された水車発電機であり、
    潤滑油中に配設される前記冷却配管は、
    前記発電機の上方において前記主軸を回転自在に支持する上部軸受に供給する潤滑油中に配設される第1冷却配管と、前記発電機の下方において前記主軸を回転自在に支持する下部軸受に供給する潤滑油中に配設される第2冷却配管と、前記下部軸受より下方であって前記水車の上方に設けられた水車軸受に供給する潤滑油中に配設される第3冷却配管と、を有することを特徴とする請求項1記載の発電設備の冷却装置。
  3. 前記第1冷却配管、前記第2冷却配管、及び前記第3冷却配管は、前記圧縮機および前記放熱装置に対して並列的に接続された並設通路上に設けられ、
    前記並設通路のそれぞれには、冷媒流量を調節する流量調整弁が設けられることを特徴とする請求項2記載の発電設備の冷却装置。
  4. 前記膨張装置は、前記冷媒循環サイクルの前記圧縮機より下流側で前記並設通路に冷媒を分流させる部位より上流側に配設されるか、それぞれの前記並設通路上に配設されることを特徴とする請求項3記載の発電設備の冷却装置。
  5. 前記冷媒循環サイクルの前記膨張装置の下流側に冷媒充填弁を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発電設備の冷却装置。
  6. 前記発電機は、回転軸に固定された回転子と、この回転子の周囲に設けられた固定子と、この固定子の周囲に設けられ、前記回転子及び前記固定子を循環する空気を冷却する空気冷却器とを備え、前記膨張装置で減圧膨張された冷媒は、前記空気冷却器にも循環されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の発電設備の冷却装置。
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