JP5014922B2 - 熱媒体循環設備および熱媒体循環方法 - Google Patents

熱媒体循環設備および熱媒体循環方法 Download PDF

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Description

この発明は、水などを熱媒体として温熱や冷熱を所望の熱負荷に搬送、供給し、熱交換された熱媒体を熱源側に還流させる熱媒体循環設備および熱媒体循環方法に関する。
例えば、空気調和において、建物をいくつかの区域(以下、適宜「ゾーン」という)に分割し、それぞれのゾーンに熱媒体を供給して独立して空調する方式(ゾーン制御方式)が知られている。また、このような空調方式において、熱媒体を循環(流動)させるためのポンプの所要動力を低下させて消費電力の低減などを実現させる液体配管設備が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この液体配管設備は、複数のゾーンにそれぞれ対応した温度制御系が熱源装置に主配管を介して並列に接続されている。また、各温度制御系には、熱交換器と、ゾーンの温度状態に応じて熱源装置から熱交換器への熱媒体の供給量を可変制御する能力制御可能なポンプと、このポンプの上流側または下流側に接続され熱媒体の逆流を防止して流れの方向を一定に保つ逆流防止手段とを備えている。そして、熱源装置により所望の温度にした熱媒体を主配管を介して各温度制御系に送り、各温度制御系にて熱交換した後、熱源装置に熱媒体を還すものである。また、逆流防止手段は、各温度制御系のポンプが稼働しているときには開いて熱媒体の流れを許容し、ポンプが稼働停止したときには閉じて熱媒体の逆流を防止するようになっている。
特開平10−232000号公報
ところで、ショッピングモールのような大規模施設の屋上などに上記のような液体配管設備を設け、各温度制御系を水平方向に分散(横分散)させる場合、主配管などの配管の往復の敷設長さが1km以上におよぶ場合がある。一方、各温度制御系のポンプの吸込み側の圧力である吸込み圧(押込み圧)が負圧にならないように、圧力基準点である熱源装置の位置を設定する必要がある。しかしながら、凍結防止などのために熱源装置を熱源機械室などの限られた場所に設置しなければならない場合があり、このような場合、熱源装置から最遠端の温度制御系のポンプまでの距離が数百m(例えば、500m)におよぶ場合がある。このため、最遠端のポンプの吸込み圧が負圧になり、ポンプ本体や熱媒体の循環などに支障をきたすおそれがあった。
そこでこの発明は、熱源装置から最遠端の温度制御系のポンプまでの距離が長くてもポンプ本体や熱媒体の循環などに支障をきたさない熱媒体循環設備および熱媒体循環方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、複数のゾーンにそれぞれ対応した温度制御系が熱源装置に主配管を介して並列に接続され、前記各温度制御系に、熱交換器と、この熱交換器の負荷状態に応じて前記熱源装置から前記熱交換器への熱媒体の供給量を可変制御する個別ポンプと、を備え、前記熱源装置により温度調整された熱媒体を前記主配管を介して前記各温度制御系に送り、前記各温度制御系にて熱交換した後、前記熱媒体を前記熱源装置に還す熱媒体循環設備において、前記熱源装置の上流側で、前記各温度制御系の還管の下流側である管路に前記熱媒体の圧力を上げる昇圧手段としての加圧給水装置を備えるとともに、圧力基準点である前記熱源装置に近い前記温度制御系の上流側に、前記個別ポンプの吸込み側の圧力である吸込み圧が前記個別ポンプの許容圧力以内になるように吸込み圧を抑える減圧手段を備える、ことを特徴とする。
この発明によれば、加圧給水装置によって圧力基準点である熱源装置の上流側の管路に熱媒体の圧力を上げることで、すべての温度制御系の個別ポンプの吸込み圧を負圧にならないように昇圧することができる。さらに、減圧手段によって熱源装置に近い温度制御系の個別ポンプの吸込み圧を許容圧力以内に抑える(減圧する)ことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の熱媒体循環設備において、前記加圧給水装置は、膨張タンクと給水ポンプとを備え、当該給水ポンプによって膨張タンクから吸い上げた水を加圧して前記熱源装置の上流側に戻すことで前記熱源装置の圧力を上げる、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の熱媒体循環設備において、前記熱源装置の下流側の前記主配管に往ヘッダを配設し、この往ヘッダを介して前記熱源装置から前記各温度制御系に前記熱媒体を送り、前記熱源装置と前記加圧給水装置との間の前記主配管に還ヘッダを配設し、この還ヘッダを介して前記各温度制御系から前記熱源装置に前記熱媒体を還し、前記加圧給水装置は前記還ヘッダにおける前記熱媒体の圧力を上げることで、前記熱源装置の上流側の管路における前記熱媒体の圧力を上げることを特徴とする。
この発明によれば、往ヘッダと還ヘッダとによって、熱源装置側つまり一次側と、各温度制御系側つまり二次側とに分けられる。
請求項1に記載の発明によれば、複数のゾーンにそれぞれ対応した温度制御系が熱源装置に主配管を介して並列に接続されている熱媒体循環設備において、すべての温度制御系の個別ポンプの吸込み圧が負圧にならないようにすることができるため、熱源装置から最遠端の温度制御系の個別ポンプまでの距離が長くても、ポンプ本体や熱媒体の循環などに支障をきたすことを防止できる。また、加圧給水装置によって例えば熱源装置に近い温度制御系の個別ポンプの吸込み圧が過大になったとしても、減圧手段によってその吸込み圧が個別ポンプの許容圧力以内に抑えられる。このため、個別ポンプへの障害が防止され、個別ポンプの性能、さらには熱媒体の循環を維持することができる。
請求項2に記載の発明によれば、加圧給水装置によって熱源装置の上流側における水の圧力が上昇し、これにより、圧力基準点としての熱源装置における水の圧力が上がるため、加圧給水装置による水の加圧量が、すべての温度制御系の個別ポンプの吸込み側の圧力である吸込み圧が負圧にならないように設定でき、つまり、熱源装置から最遠端の温度制御系の個別ポンプの吸込み圧が負圧にならないように設定できる。
請求項3に記載の発明によれば、往ヘッダと還ヘッダとによって、一次側と二次側とに分けられ、しかも昇圧手段によって還ヘッダにおける熱媒体の圧力を上げるため、一次側の構成に影響されない。すなわち、どのような構成の一次側に対しても、往ヘッダと還ヘッダとを介して二次側つまり温度制御系と接続することができる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る熱媒体循環設備1を示す概略構成ブロック図であり、熱媒体循環設備1をゾーン制御方式の空調システムに適用する場合を例にして説明する。この空調システムは、ショッピングモールなどの大規模施設をいくつかの区域(ゾーン)に分割し、それぞれのゾーンを個別に(独立して)空調するものである。すなわち、この実施の形態では、大規模施設を平面上で東ゾーン、西ゾーンなどとゾーンZからゾーンZまでn分割し、各ゾーンZ〜Zを個別に空調するとともに、それぞれのゾーンZ〜Zの各階層を空調するものである。このような空調システムを構築するために、熱媒体循環設備1が大規模施設の屋上に設置されている。
この熱媒体循環設備1は、各ゾーンZ〜Zにそれぞれ対応した温度制御系2〜2が、主配管4を介して熱源装置3に並列に接続され、温度制御系2〜2は水平方向に分散(横分散)されている。また、各温度制御系2〜2には、各階層(各テナント)に対応してファンコイルユニット(熱交換器)5と、各ファンコイルユニット5に熱源装置3からの水(温水、冷水を含む熱媒体)を供給する個別ポンプ6と、個別ポンプ6の上流側に配設された逆止弁7とを備えている。
個別ポンプ6は、キャンド式(ポンプとモータを一体化したシールレス)でインバータ制御機能が付いたポンプであり、後述するようにして、各ファンコイルユニット5の負荷状態に応じて回転数を制御し、熱源装置3からファンコイルユニット5への水の供給量を可変制御できるようになっている。このような個別ポンプ6の下流側に、枝配管8を介して複数のファンコイルユニット5が並列に接続され、個別ポンプ6の下流側で各ファンコイルユニット5の上流側に圧力計61が配設されている。
ファンコイルユニット5は、各テナントなどに対応して配設され、取入空気の温度を検出する温度センサ(図示せず)を機内の還気取入路に備えている。さらに、下流側の枝配管8には制御弁(二方弁)51が配設され、温度センサによる検出温度に基づいて、つまり各テナントなどの室内温度に基づいて制御弁51を開閉制御するようになっている。このようして各ファンコイルユニット5に供給される水の量が制御され、その総和が各温度制御系2〜2に対する水の供給量となる。そして、この供給量の変動を個別ポンプ6の吐出圧の変動として圧力計61で検出し、この吐出圧に基づいて(吐出圧が一定になるように)個別ポンプ6の回転数を制御する。これにより、各ゾーンZ〜Zの各テナントなどの温度に基づいてファンコイルユニット5への水の供給量が調整され、各テナントなどが所定の温度に空調されるものである。
さらに、圧力計61の下流側で各ファンコイルユニット5の上流側から、各ファンコイルユニット5の下流側に水をバイパスするバイパス管9が配設され、このバイパス管9にバイパス弁(二方弁)91が配設されている。そして、各温度制御系2〜2で必要とされる水量(要求水量)が少なく、個別ポンプ6の機能上最低必要な吐出量以下の場合にはバイパス弁91が開き、個別ポンプ6からの余剰水がバイパス管9を介して熱源装置3側に還されるようになっている。
逆止弁7は、水の逆流を防止して流れの方向を一定に保つ弁であり、個別ポンプ6が稼働しているときには開いて水の流れを許容し、個別ポンプ6が稼働停止したときには閉じて水の逆流を防止するようになっている。ここで、逆止弁7を個別ポンプ6の下流側で各ファンコイルユニット5の上流側に配設してもよく、また、個別ポンプ6と逆止弁7とを各ファンコイルユニット5の下流側に配設してもよい。なお、図示のように、各温度制御系2〜2において、複数のファンコイルユニット5に対して1台の個別ポンプ6と逆止弁7が配設されている。
また、各ゾーンZ〜Zに対して主配管4を介して外調機系が並列に配設されている。各外調機系は、ポンプ52と逆止弁53と外調機54とをそれぞれ1:1:1で備え、各ゾーンZ〜Zの給気温度に基づいてポンプ52の回転数が制御され、外調機54で処理された外気が各ゾーンZ〜Zに供給されるようになっている。ここでは、制御弁を使用していないため外調機系の圧力損失が少なく、外調機54に対応したポンプ52の運転によって対応し、その流量に見合って逆止弁53が開放するものである。
熱源装置3は、熱媒体である水に熱を与える機能、あるいは水から熱を奪う機能を有する装置であり、熱源装置3から流出される水の温度を所定の温度に制御する温調機能を備えている。このような熱源装置3として、例えば、冷凍機と冷却塔などから構成される冷熱源装置や、ボイラと熱交換器などから構成される温熱源装置あるいはヒートポンプなどが挙げられる。また、この熱源装置3は、凍結防止などのために所定位置に設けられた熱源機械室に設置されており、熱源装置3から最遠端の温度制御系2の個別ポンプ6までの距離Lmaxが数百m(例えば、500m)におよんでいる。
熱源装置3の上流側の主配管4には、メカニカルシール式の一次ポンプ11が配設され、この一次ポンプ11によって水が熱源装置3に送られるようになっている。さらに、熱源装置3の下流側の主配管4には、往ヘッダ12が配設され、この往ヘッダ12を介して熱源装置3から各温度制御系2〜2に水が送られる(供給される)ようになっている。また、熱源装置3の上流側である一次ポンプ11の上流側の主配管4には、還ヘッダ13が配設され、この還ヘッダ13を介して各温度制御系2〜2からの水が熱源装置3に還されるようになっている。そして、このような往ヘッダ12と還ヘッダ13とを境にして、熱源装置3と一次ポンプ11とによって本設備1の一次側が構成され、各温度制御系2〜2と後述する加圧給水装置(昇圧手段)15とによって本設備1の二次側が構成されている。
また、往ヘッダ12と還ヘッダ13とは、連通管14を介して連通されている。つまり、この実施の形態では連通管方式が採用され、往ヘッダ12と還ヘッダ13との間で水が行き来できるようになっている。ここで、図2に示すような吐出し圧一定方式や、図3に示すような差圧一定方式などを採用してもよい。すなわち、吐出し圧一定方式では、連通管14に制御弁21を配設し、往ヘッダ12内の水圧を測定する圧力計22と制御弁21とを通信可能に接続する。そして、往ヘッダ12からの水の吐出し圧が一定になるように、圧力計22からの圧力測定値に基づいて制御弁21の開閉を制御し、往ヘッダ12から還ヘッダ13への水の流量を調整、制御するものである。
差圧一定方式では、連通管14に制御弁31を配設し、往ヘッダ12と還ヘッダ13との差圧を測定する差圧計32と制御弁31とを通信可能に接続する。そして、往ヘッダ12と還ヘッダ13との差圧が一定(例えば、ゼロ)になるように、差圧計32からの差圧測定値に基づいて制御弁31を制御し、往ヘッダ12と還ヘッダ13間(連通管14)に流れる水の流量、方向を調整、制御するものである。また、往ヘッダ12内の水圧を測定する圧力計33と一次ポンプ11とが通信可能に接続され、圧力計33からの圧力測定値に基づいて一次ポンプ11の回転数が制御されるようになっている。ここで、吐出し圧一定方式および差圧一定方式における一次ポンプ11は、インバータ制御機能が付いたポンプとなっている。
さらに、還ヘッダ13の上流側の主配管4には、加圧配管18を介して加圧給水装置15が接続されている。この加圧給水装置15は、密閉式の膨張タンク16と給水ポンプ17とを備え、給水ポンプ17によって膨張タンク16から吸い上げた水を加圧して還ヘッダ13側に、具体的には熱源装置3に水を戻す主配管4の還ヘッダ13近傍上液に供給するものである。つまり、加圧給水装置15によって還ヘッダ13における水の圧力が上昇し、これにより、圧力基準点としての熱源装置3における水の圧力が上がるようになっている。ここで、加圧給水装置15による水の加圧量は、すべての温度制御系2〜2の個別ポンプ6の吸込み側の圧力である吸込み圧が負圧にならないように設定されている。つまり、熱源装置3から最遠端の温度制御系2の個別ポンプ6の吸込み圧が負圧にならないように設定されている。
このようにして熱源装置3における水の圧力が上げられていることから、熱源装置3に最も近い温度制御系2には、減圧弁(減圧手段)10が配設されている。すなわち、個別ポンプ6の適正なポンプ性能を発揮するためには、個別ポンプ6の吸込み圧が許容圧力以内である必要がある。これに対し、熱源装置3に最も近い温度制御系2では、加圧給水装置15によって個別ポンプ6の吸込み圧が過大に昇圧される。そこで、熱源装置3に最も近い温度制御系2の個別ポンプ6の吸込み圧を許容圧力以内に抑える(減圧する)ために、減圧弁10を配設するものである。具体的には、個別ポンプ6の上流側で逆止弁7の下流側の主配管4に、減圧弁10が接続されている。なお、この実施の形態では、熱源装置3に最も近い温度制御系2にのみ減圧弁10を配設しているが、その他の温度制御系2〜2n−1の個別ポンプ6の吸込み圧が過大になる場合には、その温度制御系2〜2n−1にも減圧弁10を配設することは勿論である。
次に、このような構成の熱媒体循環設備1の動作、作用および熱媒体循環設備1による熱媒体循環方法について説明する。
まず、熱源装置3と一次ポンプ11を稼動するとともに、各温度制御系2〜2における各ファンコイルユニット5と個別ポンプ6とを稼動する。また、加圧給水装置15は常時スタンバイ状態であり、還ヘッダ13の圧力が所定の値になると起動する。そして、各ゾーンZ〜Zの温度制御の程度に応じて、熱源装置3によって水が所定の温度に温度調整される。次に、温度調整された水は、主配管4を通って往ヘッダ12を経由し、各温度制御系2〜2の個別ポンプ6によって各ファンコイルユニット5に送られる。続いて、各ファンコイルユニット5で熱交換された水は、主配管4を通って還ヘッダ13側に送られる。と同時に、加圧給水装置15によって加圧された水が還ヘッダ13側に供給され、還ヘッダ13における水の圧力が上昇する。
そして、還ヘッダ13における水が、加圧された状態で一次ポンプ11によって熱源装置3に還され、再び熱源装置3において温度調整されて各温度制御系2〜2側に送られる。これにより、各温度制御系2〜2の個別ポンプ6の吸込み圧が昇圧され、さらに上記のようにして、熱源装置3に最も近い温度制御系2の個別ポンプ6の吸込み圧が許容圧力以内に減圧される。つまり、すべての温度制御系2〜2の個別ポンプ6の吸込み圧が、負圧にならず、かつ許容圧力以内となる。このようにして水の循環および熱交換が繰り返されるものである。ここで、加圧給水装置15は、一度還ヘッダ13を加圧すると水が抜けない限り起動せず、個別ポンプ6はキャンド式のため水漏れが生ぜず、一次ポンプ11はメカニカルシール式のため水漏れしてもその量が微量である。
以上のように、この熱媒体循環設備1および熱媒体循環方法によれば、加圧給水装置15によってすべての温度制御系2〜2の個別ポンプ6の吸込み圧が負圧にならない。このため、熱源装置3から最遠端の温度制御系2の個別ポンプ6までの距離Lmaxが数百mにおよぶ場合であっても、個別ポンプ6や水の循環などに支障をきたすことを防止できる。しかも、熱源装置3に最も近い温度制御系2の個別ポンプ6の吸込み圧が加圧給水装置15によって過大になったとしても、減圧弁10によって吸込み圧が個別ポンプ6の許容圧力以内に抑えられる。このため、個別ポンプ6への障害が防止され、個別ポンプ6の性能、さらには水の循環を維持することができる。
また、往ヘッダ12と還ヘッダ13とを境にして、熱媒体循環設備1が一次側と二次側とに分けられ、しかも加圧給水装置15が二次側に配設されているため、一次側の構成に影響されない。すなわち、上記以外の構成の一次側に対しても、往ヘッダ12と還ヘッダ13とを介して二次側と接続し、本熱媒体循環設備1を構成することができる。
(実施の形態2)
図4は、この実施の形態に係る熱媒体循環設備の一次側およびその周辺を示す概略構成ブロック図であり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付して説明する。
この実施の形態では、熱源装置として熱交換器41が配設され、この熱交換器41を境にして一次側と二次側とが構成されている。すなわち、一次側は、熱源装置42と一次ポンプ43から構成され、一次側配管44を介して熱交換器41に接続されている。そして、熱源装置42によって所定の温度に温度調整された水が、一次ポンプ43によって、熱交換器41と熱源装置42とを循環するようになっている。ここで、熱源装置42は、蓄熱槽であってもよい。また、二次側の構成は実施の形態1と同等であり、熱交換器41の上流側の主配管4に、加圧給水装置15が接続されている。そして、この加圧給水装置15によって加圧水を熱交換器41に送り(供給し)、圧力基準点としての熱交換器41における水の圧力を上げるものである。
このように熱交換器41を境にして一次側と二次側とに分けられる場合であっても、加圧給水装置15によって圧力基準点(熱交換器41)の水圧を上げることができる。この結果、すべての温度制御系2〜2の個別ポンプ6の吸込み圧が負圧になることを防ぎ、個別ポンプ6や水の循環などに支障をきたすことを防止できる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態2において、実施の形態1と同様に、往ヘッダ12と還ヘッダ13とを備えるようにしてもよい。また、水の循環量や必要な加圧量に応じて、上記の加圧給水装置15以外の昇圧手段を用いてもよい。例えば、タンクを備えずに水を加圧するタイプの加圧装置を用いたり、水道管から水を補給したりしてもよい。また、膨張タンク16の水面に硬質膜を設け、この硬質膜を空気圧で押圧するようにしてもよい。さらに、空調システム以外のシステムに、この熱媒体循環設備1を適用できることは勿論である。
また、熱媒体循環設備1の稼動手順として、まず各ファンコイルユニット5と個別ポンプ6とを稼動し、熱量が所定量を超えた時点で熱源装置3と一次ポンプ11を稼動するようにしてもよい。さらに、急激な締め切りやウォーターハンマ(圧力の急激な変動による水撃作用)を防止するために、起動時はファンコイルユニット5を起動した後に個別ポンプ6を起動し、停止時は個別ポンプ6を停止した後にファンコイルユニット5を停止するようにしてもよい。
以上のように、この発明に係る熱媒体循環設備および熱媒体循環方法は、熱源装置から個別ポンプまでの距離が長くても、ポンプ本体や熱媒体の循環などに支障をきたさない設備および方法として極めて有用である。
この発明の実施の形態1に係る熱媒体循環設備の概略構成ブロック図である。 図1における往ヘッダと還ヘッダの第2の連通方式を示す構成ブロック図である。 図1における往ヘッダと還ヘッダの第3の連通方式を示す構成ブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る熱媒体循環設備の一次側およびその周辺を示す概略構成ブロック図である。
符号の説明
1 熱媒体循環設備
〜2 温度制御系
3 熱源装置
4 主配管
5 ファンコイルユニット(熱交換器)
51 制御弁
6 個別ポンプ
61 圧力計
7 逆止弁
8 枝配管
9 バイパス管
91 バイパス弁
10 減圧弁(減圧手段)
11 一次ポンプ
12 往ヘッダ
13 還ヘッダ
15 加圧給水装置(昇圧手段)
16 膨張タンク
17 給水ポンプ
41 熱交換器(熱源装置)
〜Z ゾーン

Claims (3)

  1. 複数のゾーンにそれぞれ対応した温度制御系が、最遠端の前記温度制御系までの距離が長い位置に配設されている熱源装置に主配管を介して並列に接続され、
    前記各温度制御系に、熱交換器と、この熱交換器の負荷状態に応じて前記熱源装置から前記熱交換器への熱媒体の供給量を可変制御する個別ポンプと、を備え、
    前記熱源装置により温度調整された熱媒体を前記主配管を介して前記各温度制御系に送り、前記各温度制御系にて熱交換した後、前記熱媒体を前記熱源装置に還す熱媒体循環設備において、
    前記熱源装置の上流側で、前記各温度制御系の還管の下流側である管路に前記熱媒体の圧力を上げる昇圧手段としての加圧給水装置を備えるとともに、圧力基準点である前記熱源装置に近い前記温度制御系の上流側に、前記個別ポンプの吸込み側の圧力である吸込み圧が前記個別ポンプの許容圧力以内になるように吸込み圧を抑える減圧手段を備える、
    ことを特徴とする熱媒体循環設備。
  2. 前記加圧給水装置は、膨張タンクと給水ポンプとを備え、当該給水ポンプによって膨張タンクから吸い上げた水を加圧して前記熱源装置の上流側に戻すことで前記熱源装置の圧力を上げる、ことを特徴とする請求項1に記載の熱媒体循環設備。
  3. 前記熱源装置の下流側の前記主配管に往ヘッダを配設し、この往ヘッダを介して前記熱源装置から前記各温度制御系に前記熱媒体を送り、
    前記熱源装置と前記加圧給水装置との間の前記主配管に還ヘッダを配設し、この還ヘッダを介して前記各温度制御系から前記熱源装置に前記熱媒体を還し、
    前記加圧給水装置は前記還ヘッダにおける前記熱媒体の圧力を上げることで、前記熱源装置の上流側の管路における前記熱媒体の圧力を上げることを特徴とする請求項1に記載の熱媒体循環設備。
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