触覚システムのための方法および装置が提供される。実施形態が、ゲームデバイスのための触覚フィードバックをシミュレートするように構成されるリニアモータと、様々なゲーム環境で使用されるゲーム用銃器および他の周辺デバイスを有するシミュレーションシステムと、を含む。
実施形態が銃器のための反動をシミュレートすることに関連する。より具体的には、実施形態が、選択される従来の銃器の反動をシミュレートするための方法および装置を提供する。実施形態が、加えて、この方法および装置によってシミュレートされている銃器から弾丸が発射された場合に弾丸の経路をシミュレートするためのレーザを提供する。
軍人、警官および一般市民のための銃器訓練は、射撃術に加えて、ロールプレイングおよび意思決定にも及ぶようになってきている。このような訓練は、しばしば、ロールプレイヤと競争すること、および/または、被訓練者の前方にあるスクリーン上に投射される状況に反応することを含む。
セルフヒーリングスクリーン(self-healing screen)が存在するが、このような訓練で従来の銃器を使用することおよびこのようなシステムを使用することを可能にするには、従来の銃器を使用するのに適するロケーションが必要となる。また、このようなシステムは高価であり、信頼性が低い可能性もある。従来の銃器に対しての代替手段が開発されてきた。これらの代替手段には、ペイントボール、シミュレーションの弾薬、発射された弾丸が通過することになる経路を示すためのレーザの使用、が含まれる。
しかし、このような代替手段は、実際の銃弾を用いる実際の武器の発射の性質の実質的にすべてを再現するわけはなく、実際の銃器の使用をこの訓練が引き継ぐことができる範囲を制限してしまう。種々の実施形態で、再現されることになる従来の銃器の性質には、サイズ、重量、グリップ構成、トリガリーチ、トリガを引くときの重さ(trigger pull weight)、照準器の種類、正確さのレベル、再装填の方法、動作の方法、制御のロケーションおよび動作、ならびに/あるいは、反動、が含まれ得る。
実際的な反動は、再現することが困難であるような性質である。特定の銃器によって生じる反動に被訓練者を慣れさせることができないことが、様々な銃器訓練シミュレータを使用することにおける最も大きな欠点の1つである。反動は、射撃後に銃器の射手に再び照準を得ることを強いることに加えて、銃器によって発射された特定の弾丸のエネルギーに比例するレベルの不快感に順応することを射手に強いる。反動はセミオートマチックの発射のときよりもフルオートマチックの発射のときに制御することが大幅により困難であり、したがって、シミュレーション訓練により実際の銃器の使用を引き継ぐためには反動およびサイクル速度の両方を正確にシミュレートすることが重要となる。
実施形態が、特定のサイズおよび種類の弾丸を発射する特定の銃器の反動の力積パターンをエミュレートする反動を有する銃器訓練シミュレータを提供する。実施形態では、この方法および装置が、シミュレートされる特定の銃器から発射される弾丸の経路を投射するためのレーザビームプロジェクタを有することができる。
種々の実施形態で、この方法および装置が特定の銃器の追加の動作をさらにシミュレートすることができ、これらの動作には、照準を定めること、銃器制御手段の位置決め、および、銃器の動作の方法、が含まれる。シミュレートされ得る特定の銃器には、M4、AR-15またはM-16のライフルが含まれ、さらに、ピストルおよび重火器を含めた他の従来の銃器が含まれる。
実施形態では、方法および装置が、トリガ組立体と、ボルトと、リニアモータとの組み合わせによって制御され得る。実施形態では、方法および装置が、セミオートマチックの発射およびフルオートマチックの発射のモードをシミュレートすることが可能となり得る。種々の実施形態で、フルオートマチックの発射モードのシミュレーションのサイクル速度が従来の自動ライフルのサイクル速度と実質的に同じとなり得る。
実施形態が、シミュレートされる銃器から発射される実際の弾丸の経路を実質的に追跡するレーザを提供する。1つのレーザエミッタが銃器シミュレーションボディのバレル内に収容され得る。実施形態では、レーザエミッタが制御装置に動作可能に接続され、この制御装置がさらに反動に動作可能に接続され得る。スイッチの実施形態が、ボルトから前方に延在するスイッチングロッド(switching rod)によって作動させるような構造を有するローラスイッチであってよい。トリガが引かれることに反応してボルトが前方に移動すると、スイッチングロッドがスイッチのローラに係合され得、それによりスイッチを押し下げてレーザを作動させる。別の実施形態が、ボルトの前方への移動時に磁石を接触させることができるようなロケーションに設置される近接スイッチを使用することができる。好適なロケーションは、バレルと上側レシーバとの接合点に隣接するロケーションであってよい。ボルトに添着される磁石が、ボルトがその最も前方の位置にあるときに、近接スイッチの近傍まで移動させられるような構造を有することができ、それにより、近接スイッチがレーザを作動させる。
一実施形態が方法および装置を提供し、ここでは、使用者に与えられる反動のレベルが使用者によってプログラムされ得る。
一実施形態が、セミオートマチックおよびフルオートマチックの両方の動作を行うことができる方法および装置を提供する。
一実施形態が方法および装置を提供し、ここでは、フルオートマチックの発射の異なるサイクル速度が使用者によってプログラムされ得る。
一実施形態が、シミュレートされる銃器から発射された可能性がある弾丸の経路に実質的に沿ったレーザを投射するレーザ組立体を含む方法および装置を提供する。
一実施形態が、摺動質量体を制御し、制御装置に動作可能に結合されるリニアモータを使用して、従来の銃器の反動をシミュレートする方法および装置を提供する。
リニアモータがそのステータおよびロータを「回転させない」電気モータとみなされてよく、したがって、トルクを発生させる(つまり、回転を介する)代わりに、電気モータが長手方向の長さに沿って線形力を発生させる。従来のリニアモータの最も一般的な動作モードはローレンツタイプのアクチュエータであり、ここでは、加えられる力が電流および磁界に線形に比例する。
多くのデザインが、以下の2つの大きなカテゴリ、すなわち、低加速リニアモータおよび高加速リニアモータ、に分類されるリニアモータを提案している。低加速リニアモータは、磁気浮上列車、および、他の地上ベースの輸送用途に適する。高加速リニアモータは通常は大幅に短く、例えばレールガンなどのように、物体を非常に高速まで加速させるように設計される。高加速リニアモータは、通常、武器としての、または、宇宙船推進のためのマスドライバとしての、超高速衝突の研究に使用される。高加速モータは、通常、空隙の一方側にあるアクティブな三相巻線と、反対側にあるパッシブな導体板とを備える、ACリニア誘導モータ(LIM:linear induction motor)のデザインである。しかし、直流単極リニアモータのレールガン(direct current homopolar linear motor railgun)は別の高加速リニアモータのデザインであってよい。低加速・高速・高出力のモータは、通常、空隙の一方側にあるアクティブな巻線と、反対側にある交互の極の磁石のアレイとを備える、リニア同期モータ(LSM:linear synchronous motor)のデザインである。これらの磁石は永久磁石または通電される磁石であってよい。Transrapid ShanghaiのモータはLSMデザインである。
リニアモータは直接的な電磁的原理(direct electromagnetic principle)を採用する。電磁力が、カム、ギア、ベルト、または、他の機械的デバイスを使用することなく、直接的な線形移動を実現する。モータがスライダおよびステータの2つの部品を有する。スライダは、各端部にねじ切りされる取り付け用の孔を有する、ネオジム磁石で充填されるステンレス鋼のチューブを有する精密な組立体である。コイル、スライダのための軸受、位置センサ、および、マイクロプロセッサボードを含めた、ステータが、厳しい産業環境での使用のために設計され得る。
ソレノイドは非常に密な螺旋となるように巻かれるコイルである。ソレノイドという用語は、しばしば金属コアに巻き付けられる、長くて細いワイヤのループを意味し、電流の通過時に磁界を発生させる。ソレノイドという用語は、一定の大きさの空間(ここでは、何らかの実験が行われ得る)内に均一磁界を発生させるように設計されるコイルを意味する。工学では、ソレノイドという用語はまた、エネルギーを直線運動に変換する様々なトランスデューサデバイスを意味する。またこの用語は、空気圧バルブまたは液圧バルブを作動させる電気機械ソレノイドを含む一体化されるデバイスであるソレノイドバルブを意味するのにも、あるいは、電気スイッチを動作させるために電気機械ソレノイドを内部で使用する特定の種類のリレーであるソレノイドスイッチを意味するのにも使用される。例えば、電気機械ソレノイドは自動車のスタータソレノイドまたはリニアソレノイドであってよい。
電気機械ソレノイドが、移動可能な鋼スラグまたは鉄スラグ(電機子と称される)に巻かれる電磁誘導コイルを有する。コイルは、電機子を中心に入れ、中心から出すように移動させるのを可能にするように、整形され得、それによりコイルのインダクタンスを変化させ、結果として電磁石となる。電機子は何らかの機構(空気圧バルブを制御する機構など)に機械力を提供するのに使用され得る。非常に短い距離とは言えないような場合には通常は脆弱であるが、ソレノイドは制御装置回路によって直接に制御され得、したがって極めて少ない反応時間を有する。電機子に加えられる力は、電機子の位置の変化に関連するコイルのインダクタンスの変化と、コイルを流れる電流とに比例する(ファラデーの電磁誘導の法則を参照されたい)。電機子に加えられる力は、常に、コイルのインダクタンスを増加させる方向に電機子を移動させる。電機子は強磁性材料であってよい。
フリーリコイル((注意)とりあえず忘れないように併記する:自由後座)は、後方から支持されない銃器の反動エネルギーのための専門的な用語または業界用語である。フリーリコイルは、放出時に小型武器の射手に与えられる並進運動の運動エネルギー(Et)を意味し、ジュール(J)で表され、非SIの測定単位ではフィードポンドの力(ft-lbf)で表される。より一般的には、この用語は、大きいマウントまたは壁にしっかりとボルト留めされるかまたはそれらによって支えられる銃器ではなく、独立した銃器の反動を意味する。
フリーリコイルと反動を混同すべきではない。フリーリコイルは、小型武器から射手へ伝達される並進運動の運動エネルギーのための所与の名称である。反動は、日常の出来事で一般的に適用される運動量保存のための所与の名称である。
場合によっては反動エネルギーと称されるフリーリコイルは、銃器チャンバ(金属カートリッジの銃器)または銃尾(有煙火薬の銃器)内で保持される装薬からの推進力の副産物である。銃器内で装薬が爆発させられるときにフリーリコイルの物理事象が起こり、それにより装薬内で保持される化学エネルギーが熱力学的エネルギーに変換される。次いで、このエネルギーが、弾丸の基部、および、カートリッジの後部または銃尾に移動させられ得、それにより、発射体がバレルに沿って速度を上げながら銃口まで前方へ推進される間において、銃器が射手の中へと後方に推進される。銃器の後方へのエネルギーがフリーリコイルであり、弾丸の前方へのエネルギーが銃口エネルギーである。
フリーリコイルの概念は総反動エネルギーの許容性に由来するものである。銃器の正味の反動エネルギー(感じる反動としても知られる)を求めることは無駄な努力である。銃口ブレーキと、反動によるアクションまたはガスによるアクションと、水銀リコイル抑制管(mercury recoil suppression tube)と、反動を低減するバットパッドおよび/またはハンドグリップと、シューティングベストおよび/またはグローブと、を原因とする反動エネルギーの損失が計算され得る場合でも、ヒューマンファクタを計算することができない。
フリーリコイルは反動エネルギーの科学的測定値とみなされてよい。フリーリコイルに耐えるための安心できるレベルの射手の能力は個人的な認識である。この個人的な認識は、例えば、人が室温または外気温をどの程度快適に感じているかという人の個人的な認識と同様のものである可能性がある。
多くのファクタが、射手が自分の小型武器のフリーリコイルをどのように知覚することができるかを決定することができる。これらのファクタのうちのいくつかには、限定されないが、体重、体格、経験、射撃位置、反動抑制の知識、小型武器のフィット性および/または環境的ストレス、が含まれる。
フリーリコイルを計算するのにいくつかの異なる方法が使用され得る。2つの最も一般的な方法が運動量の短い形および長い形の方程式を介して示される。
両方の形が同じ値を算出することができる。短い形は1つの方程式を使用し、対して、長い形は2つの方程式を必要とする。長い形では、銃器/小型武器の速度が最初に決定され得る。小型武器の速度が既知である場合、並進運動の運動エネルギーの方程式を使用して小型武器のフリーリコイルが計算され得る。計算は以下のように実施され得る。
運動量の短い形:
Etgu=0.5×mgu×[[(mp×vp)×(mc×vc)]/1000]2/mmg
2
運動量の長い形:
Vgu=[(mp×vp)+(mc×vc)]/(1000×mgu)
および
Etgu=0.5×mgu×vgu
2
ここでは、
Etguがジュール(J)によって表される小型武器の並進運動の運動エネルギーである。
mguがキログラム(kg)で表される小型武器の重量である。
mpがグラム(g)で表される発射体の重量である。
mcがグラム(g)で表される装薬の重量である。
vguが毎秒メートル(m/s)で表される小型武器の速度である。
vpが毎秒メートル(m/s)で表される発射体の速度である。
vcが毎秒メートル(m/s)で表される装薬の速度である。
1000は方程式をキログラムに対応させて設定するための換算係数である。
種々の実施形態で、リニアモータが、N極およびS極を各々が有する複数の個別の磁石を有する摺動質量体/ロッドを有することができる。種々の実施形態で、複数の個別の磁石が、隣接する磁石の同極が同極の方を向くような形となるように、長手方向に位置合わせされ得る。種々の実施形態で、複数の個別の磁石が、隣接する磁石の異極が異極の方を向くような形となるように、長手方向に位置合わせされ得る。種々の実施形態で、摺動質量体/ロッド内の複数の個別の磁石が、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、19個、20個、25個、30個、35個、40個、45個および/または50個の磁石を有することができる。種々の実施形態で、磁石の数が、上で列記される数のうちの任意の2つ数の間の範囲内にあってよもよい。
リニアモータが、電流フローのタイミングおよび/または大きさに関して互いに独立して制御可能である複数の磁気コイルを有することができる。種々の実施形態で、複数の独立して制御可能である磁気コイルの各々が、電流フローのタイミングおよび/または大きさならびに/あるいは電流フローの方向に関して、独立して制御可能となり得る。
実施形態で、複数の独立して制御可能である磁気コイルの各々が、互いから離間されるが直列に電気接続される複数のサブコイルセクションを有することができ、それにより、電気的に直列に接続される離間されたサブコイルセクションが単一の独立して制御可能である磁気コイルを形成する。種々の実施形態で、複数のコイルのうちの第1の独立して制御可能である磁気コイルの少なくとも1つのサブコイルが、複数のコイルのうちの第2の独立して制御可能である磁気コイルの2つの離間されたサブコイルの間の中間で離間され得る。
リニアモータが、長手方向において互いに位置合わせされて密に離間された複数の独立して制御可能である磁気コイルを有することができ、ここでは、少なくとも2つの隣接する独立して制御可能である磁気コイルが互いに対して反対の方向の磁界を作るように通電され得る。実施形態で、リニアモータが長手方向に位置合わせされる複数の独立して制御可能である磁気コイルを有することができ、ここでは、隣接する独立して制御可能である磁気コイルが、互いに対して反対の方向の磁界を作るように同時に通電され得る。
種々の実施形態で、リニアモータが、磁石の摺動質量体に摺動可能に接続される、長手方向において互いに位置合わせされて密に離間され得る複数の独立して制御可能である磁気コイルを有することができ、摺動質量体が複数の長手方向に位置合わせされる隣接する磁石を有することができ、ここでは、リニアモータが、個別の独立して制御可能であるコイルを通る電流を変化させることにより、複数の独立して制御可能である磁気コイル内の特定のコイルに対しての複数の磁石内の特定の磁石の近接性に関連して、磁石の摺動質量体を移動させることができる。
種々の実施形態で、複数のコイル内の複数の個別に制御可能である磁気コイルが、少なくとも、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、19個、20個、25個、30個、35個、40個、45個および/または50個の独立して制御可能であるコイルを有することができる。実施形態では、独立して制御可能である磁気コイルの数が上で列記される数のうちの任意の2つ数の間の範囲内にあってもよい。
一実施形態では、複数の異なる制御可能な重りユニットを独立して制御する複数のリニアモータが提供され得る。
実施形態では、ハウジングファサード(housing facade)ユニットが提供され、これは、1つまたは複数のリニアモータおよび制御可能な重りユニットを受けて保持するための複数の異なる離間された位置的ロケーションを有する。種々の実施形態で、位置的ロケーションが使用者によって選択可能となり得る。
別の実施形態では、ハウジングファサードユニットが提供され得、これは、1つまたは複数のリニアモータおよび制御可能な重りユニットを受けて保持するための複数の異なる角度方向を有する。種々の実施形態で、角度方向が使用者によって選択可能となり得る。
別の実施形態では、1つまたは複数のリニアモータおよび制御可能な重りユニットを受けて保持するための異なる位置および/または角度方向を有する複数の異なるハウジングファサードユニットが提供され得る。種々の実施形態で、位置的ロケーションおよび/または角度方向が使用者によって選択可能となり得る。
一実施形態では、選択可能なセットのリニアモータおよび制御可能な重りユニットが提供され得、各々は、ハウジング内の異なる制御可能な重りの間隔および/または向きを含めた調整可能な形態を有する。
種々の実施形態では、リニアモータおよび制御可能な重りユニットのうちの1つまたは複数が複数の異なる重り挿入物を有することができる。
他の実施形態では、リニアモータおよび制御可能な重りユニットのうちの1つまたは複数が、制御可能な重りのための複数の異なる選択可能な機械的停止位置を有することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法および装置が、テニスラケット、野球のバット、魔法の杖、ホッケーのスティック、クリケットのバット、バドミントン、ビリヤードのキュー、ボクシングのグローブ、剣、ライトサーベル、弓矢、ゴルフクラブおよび釣り竿などの、1つまたは複数の選択可能なゲームデバイスの動作をシミュレートすることができる。
種々の実施形態では、本明細書で開示される方法および装置が、例えば、haloのプラズマ銃、折れたバット、野球のボールを打った後のバットの振動、武器、チャージ/装填などの、エミュレートされるシステムの1つまたは複数の二次的なタイプのアクションを触覚的にシミュレートすることができる。
一実施形態が、M-4A1、AR-15またはM-16のライフルまたは任意の他の種類のライフルをシミュレートすることができる銃器シミュレータボディ20を提供することができる。図1でボディ20がライフルとして示されるが、本明細書で説明される本開示の実施形態は種々の他の銃器ボディを有することもできる。例えば、本開示の実施形態が、ハンドガン、ライフル、ショットガン、および、M2や、Mark19や、携行式ロケット弾(RPG:Rocket Propelled Grenade)の発射装置や、迫撃砲や、マシンガンなどの、重火器、のためのシミュレーションシステムを有することができる。上記のリストは包括的ではなく、ゲーム、軍事および他の用途での銃器シミュレーションのための本明細書で説明される反動/衝撃システムを組み込む様々な異なる種類のボディが含まれてよい。
図1から4の例示の実施形態に示されるように、銃器シミュレータボディ20が上側レシーバ120および下側レシーバ140を有する。従来のM-16と同様に、上側レシーバ120がねじまたはピンにより下側レシーバ140に枢動可能に固定され得る。
下側レシーバ140が、ピストルグリップ160と、ピストルグリップ160の前方に配置されるトリガ170と、ピストルグリップ160の上方に配置されるセレクタ450とを有することができる。ショルダーストック220が下側レシーバ140に固定され得る。
バレル組立体300が上側レシーバ120の前方部分に設置され得る。バレル組立体300が、上側レシーバ120に直接に固定され得るバレル310を有することができる。上側ハンドガード330および下側ハンドガード340がバレル組立体300に固定され得る。フロントサイトブロック(front sight block)360がバレル310の周りに配置され得る。
図1は銃器訓練システム10の一実施形態の側面図である。図2はシミュレーションの銃器ボディ20の側面図である。図3は上側組立体/レシーバ120の斜視図である。図4はシミュレーションの銃器ボディ20の分解図である。
銃器訓練システム10が、摺動質量体600に動作可能に接続されるリニアモータ500を有するシミュレーションの銃器ボディ20と、接続ワイヤバス(connecting wire bus)54を介してリニアモータ500に動作可能に接続される制御装置50とを有することができる。
シミュレーションの銃器ボディ20が上側組立体120および下側組立体140を有することができる。上側組立体120が、上側ハンドガード330および下側ハンドガード340と共に、バレル組立体300、バレル310を有することができる。
下側組立体140が、ショルダーストック220と、緩衝管230と、ピストルグリップ160とを有することができる。ピストルグリップ160がトリガ170を有することができる。カートリッジ250が下側組立体140に着脱自在に接続可能となり得る。
リニアモータ500がコネクタ組立体700を介して上側組立体120に取り付けられ得る。コネクタ組立体700が、第1の端部710と、第2の端部720と、コネクタプレート721および722と、孔750を有するコネクタチューブ740とを有することができる。コネクタプレート721が固定具開口部730を有することができ、コネクタプレート722が固定具開口部732を有することができる。
図5はリニアモータ500および摺動質量体600の斜視図である。図6はリニアモータ500および摺動質量体600の分解側面図である。図7はリニアモータ500および摺動質量体600の組立図である。
リニアモータ500が、複数520の別個に制御可能である通電コイル521、522、523、524、525、526、527、528、529、530などを有することができ、これらが質量体600内の複数の磁石640と電磁的に相互作用することができる。電流のタイミング、方向、および、複数の別個に制御可能である磁気コイル520内の特定の磁気コイルの磁気引力を制御することにより、シミュレートされる特定の銃器のための特定の経時的な力積曲線を近似する所望の経時的な運動量/力積曲線を得るために質量体600の移動、加速度、速度および位置が制御され得る。本開示で有利となり得る、リニアモータに供給される電力のための制御の一方法はパルス幅変調つまりPWM(Pulse-Width Modulation)である。PWMテクニックはメッセージをパルス信号にエンコードするのに使用され得る。したがってこれは変調タイプである。この変調テクニックは伝達のための情報をエンコードするのに使用され得るが、その主な使用は、リニアモータに供給される電力の制御を可能にすることである。負荷に送られる電圧(および電流)の平均値は供給源と負荷との間のスイッチを高速でオンおよびオフにすることにより制御され得る。オフの期間と比較してスイッチがオンである期間が長いほど、負荷に供給される合計の電力が増大する。PWMのスイッチング周波数は負荷(電力を使用するデバイス)に影響を与えるものよりも大幅に高く、したがって、負荷によって感知される得られる波形は可能な限り滑らかでなければならない、ということができる。通常、モータ駆動の場合は、スイッチングは数十Hzで行われる。例えば、一実施形態では、反動/衝撃の発生のために10kHzから30kHzの範囲で摺動質量体を制御するのにPWMが使用され得る。これは、電力消費を維持することにおいて、および、リニアモータの移動で繰り返し性を得ることにおいて、有利である可能性がある。デューティサイクルが一定のインターバルまたは時間の「期間」に対しての「オン」の時間の割合を表し、低デューティサイクルが低電力に対応する。その理由は、ほとんどの時間で電力がオフだからである。デューティサイクルはパーセントで表され得、100%が完全なオンである。本明細書で説明される特定のリニアモータの用途と共にPWMを使用することの主な利点の1つは、スイッチングデバイスでの電力損失が非常に少ないことである。スイッチがオフである場合、実質的に電流が存在しない。スイッチがオンであり、電力が負荷に移される場合、スイッチ間の電圧低下がほとんどない。したがって、電圧と電流との積である電力損失がいずれの場合もゼロに近くなる。スイッチのオフに対するオンの状態であるリニアモータのデューティサイクルを調整することにより、バッテリ/電源が限られ、貴重である場合の機能制限のない使用のときに特に、電力の節約が達成され得る。一実施形態では、リニアモータシステムが電源としてスーパーキャパシタ(換言すれば、電気二重層キャパシタ)のパックを使用することができ、デューティサイクル/PWMが、反動を発生させるためのデューティサイクルに基づいて電力消費を最適化するように、また、反動/衝撃を発生させるのに必要なPWMに基づいてリニアモータの分解能(resolution)(繰り返し可能な最小の線形移動)を最適化するように、選択され得る。
リニアモータ500が、リニアモータ500に摺動可能に接続される質量体600を有することができる。質量体600が、第1の端部610と、第2の端部620と、孔630とを有することができる。複数の磁石640が孔630の内部に含まれ得る。シミュレーションの銃器において反動力を制御するのにリニアモータ500は使用されてこなかった。
図8は、リニアモータ500および摺動質量体600のための支持体700の一実施形態の斜視図である。支持体700が第1の端部710および第2の端部720を有することができる。第1の端部上に、第1のコネクタフランジ721および第2のコネクタフランジ722があってよい。第1のコネクタフランジ721が複数のコネクタ開口部730を有することができる。第2のコネクタフランジ722が複数のコネクタ開口部732を有することができる。第2の端部720から、管状孔750を有する管状区間740が延びていてよい。リニアモータ500が、複数のコネクタ開口部540に接続される複数の開口部730および732を介して支持体700に設置され得る。支持体700に設置された後、リニアモータ500が、孔750の内部で孔750を基準として摺動質量体600を制御可能に移動させる(例えば、摺動させる、加速させる、など)ことができる。
一実施形態では、摺動質量体600からのフリーリコイルを増大させるのに機械的ストッパ800が採用され得る。機械的ストッパ800は、許容される移動距離660の端部で(つまり、リニアモータ500により可能となるよりもより迅速に摺動質量体600をゼロまで負方向に加速させるために)、シミュレーションの銃器ボディ20の内部で採用され得る。このように急激に停止させることにより、使用者5に対して発生する最大反動力を増大させることで、使用者5に対しての反動効果を強化することができる。リニアモータ500が電磁ステータと共に磁気的摺動質量体600を採用することから、これらの2つと、デバイスによって達成される対応する最大加速および最大減速との間に連関がある。このような制限のために、機械的ストッパ800が採用され得る。リニアモータ500は、通常、移動距離660の端部での停止のために、摺動質量体600を加速させるのに元々は使用されていた駆動磁界を反対方向に反転させることにより、摺動質量体600を制動する。この方法の代わりの方法では、下側組立体140の内部での摺動質量体の第2の端部620と機械的ストッパの第1の端部810との間の接触に制動を委ねる。これにより、リニアモータ500により可能となるよりも摺動質量体600の制動時間を大幅に短くすることが可能となり、このような高速の制動または減速により摺動質量体600からより大きい反作用の力を発生させることができ、したがって、摺動質量体600のこの時点でのおよびこの位置での、システム10によって得られるフリーリコイルの値が増大する。
種々の実施形態で、エミュレートの発射サイクル中、リニアモータ500が、機械的ストッパ800との衝突に向かって摺動質量体600が移動するときの摺動質量体600の全ストロークの最後の1パーセントまで摺動質量体600を継続して加速させるように摺動質量体600の移動を制御することができる。実施形態では、機械的ストッパ800との衝突に向かって摺動質量体600が移動するときの摺動質量体600の全ストロークの最後の2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント、10パーセント、15パーセント、20パーセント、25パーセント、30パーセント、35パーセントおよび/または40パーセントまで加速が強められ得る。いくつかの実施形態では、強められる加速の制御が、機械的ストッパ800との衝突に向かって摺動質量体600が移動するときの摺動質量体600の全ストロークの上記で挙げたパーセントのうちの任意の2つのパーセントの範囲までであってもよい。
エミュレートの発射サイクル中、リニアモータ500が、摺動質量体600が機械的ストッパ800と衝突する前の1ミリ秒まで摺動質量体600を継続して加速させるように摺動質量体600の移動を制御することができる。実施形態では、摺動質量体600が機械的ストッパ800と衝突する前の2ミリ秒、3ミリ秒、4ミリ秒、5ミリ秒、6ミリ秒、7ミリ秒、8ミリ秒、9ミリ秒、10ミリ秒、12ミリ秒、14ミリ秒、15ミリ秒、16ミリ秒、18ミリ秒および/または20ミリ秒まで、加速が強められ得る。種々の実施形態では、強められる加速の制御が、摺動質量体600が機械的ストッパ800と衝突する前の上記で挙げた期間のうちの任意の2つの範囲内までであってもよい。
シミュレーションの銃器ボディ20が、銃器訓練システム10の動作の種類を制御するための制御装置50に動作可能に接続されるセレクタスイッチ450を有することができる。例えば、セレクタスイッチ450が、(1)安全モード、(2)セミオートマチックの発射モード、(3)フルオートマチックの発射モード、および、(4)バーストファイアリング(burst firing)モード、などの、複数のシミュレーションモードを有することができる。
銃器訓練システム10を使用するために、使用者が、セレクタスイッチ450の位置を選択することができ、シミュレーションの銃器ボディ20を標的に向けることができ、トリガ170を引くことができる。トリガ170が引かれると、制御装置50が、シミュレーションの銃器ボディ20を保持する使用者に伝達され得る反動的な力を生じさせるようにリニアモータ500に摺動質量体600を運動力学的に制御させることができる。摺動質量体600を制御することにより生じる反動的な力は、シミュレートされる銃器から発射されるときのシミュレートされる特定の銃弾の場合と時間および大きさが実質的に同様となるように制御され得る。
実施形態では、シミュレートされる特定の銃器から発射される銃弾の特定のラウンドの時間対力のダイアグラムが特定され得、制御装置50が、摺動質量体の加速度対時間を制御することにより経時的に実質的に等しい力を作ることを目的として、摺動質量体600の移動を制御するためにリニアモータ500を制御するようにプログラムされ得る。力が加速度と質量との積に等しいことから、加速度対時間を制御することで、力対時間も制御される。
いくつかの実施形態では、複数のシミュレーションデータ点のセット(力対時間の値など)が生成され得る。一実施形態では、特定の種類の銃弾がシミュレートされる銃器内で試験され得、見掛けの反動力対時間のデータのセットが生成され得る。多くの時間帯において複数回の測定が行われ得る。実施形態では、複数の点でのこのようなエミュレートの力のダイアグラムに対して時間および振幅の両方において実質的に適合するような摺動質量体600の反力を生じさせるように、リニアモータのためのプログラムが作られ得る。実施形態では、少なくとも3点が適合され得る。
種々の実施形態で、少なくとも3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、60個、70個、80個、90個および/または100個のシミュレーションポイントデータのセットが実質的に適合され得る。実施形態では、シミュレーションポイントデータのセットの上で指定した数のうちの任意の2つの間の範囲が実質的に適合されてもよい。
一実施形態では、シミュレートされる特定のサイズおよび種類の銃弾を発射する特定の銃器に対して生じると推定される力対時間の曲線をエミュレートするのに、システム10が使用され得る。
反動は、銃器を発射する使用者に対して銃器が加える力とみなされてよい。このような反動力は、銃器から発射される弾丸の性質と併せて、銃器のサイズおよび構造に基づいて決定され得る。同じ銃器の使用者に加えられる反動は、銃器が第2の種類の銃弾との比較で第1の種類の銃弾を発射する場合に、異なる可能性がある。
実施形態では、リニアモータ500と摺動質量体600との組み合わせが、シミュレートされる特定の銃器の質量を近似する全質量を有してよい。一実施形態では、リニアモータ500と摺動質量体600との組み合わせを有するシミュレーションの銃器ボディ20が、シミュレートされる特定の銃器の質量を近似する全質量を有してよい。種々の実施形態で、リニアモータ500および/または摺動質量600の組み合わせ(ならびに/あるいは、リニアモータ500と摺動質量体600との組み合わせを有するシミュレーションの銃器ボディ20)が、シミュレートされる特定の銃器の質量の約65パーセント、70パーセント、75パーセント、80パーセント、85パーセント、90パーセント、95パーセントおよび/または100パーセントのいずれかでのある全質量を有してもよい。実施形態では、上で挙げたパーセントのうちの任意の2つの間の範囲が使用されてもよい。
実施形態では、実質的にバランスのとれたシミュレーションの銃器ボディ20が提供され得る。シミュレーションの銃器ボディ20の前方部分内にリニアモータ500を配置することにより、より良好な重量バランスさらにはシミュレーションの反作用の力のベクトルのためのより実際的な開始位置を実現することができる。摺動質量体600の移動をこのように位置決めすることにより、システム10が未使用状態にあってトリガ170が引かれていない場合の、バレル310の重量およびシミュレーションの銃器ボディ20の重心を使用者5にとってより実際的なものとすることができる。これは摺動質量体600の開始位置に起因する。一実施形態では、上側組立体120内で使用されるバレル310の材料が鋼ではない可能性があり、シミュレートされる実際の銃器のための上側組立体と比較して重量配分を変化させることにより上側組立体120が使用者5にとって非現実的に感じられる可能性がある。この問題を解決するために、反動シミュレーションサイクルの初期段階中、摺動質量体600の一部分がバレル310内部に載置され得る。摺動質量体のこの部分が、同様の補助するリニアモータ500のステータからの付加的な重量を用いてバレル310内のこの付加的な「欠けている」重量をシミュレートすることができる。使用者がシステム10を発射するとき、摺動質量体600がバレル310からシミュレーションの銃器ボディ20の後部に向かって移動し、ストックの始まる箇所でもあるストッパ800によって停止される。次いで、摺動質量体600がその初期位置に戻ることができ、それにより使用者5にとってのシームレスな効果が得られるようになり、銃が発射されていないときの銃の重量配分が正確に「感じ」られるようになる。さらに、シミュレーションの銃器ボディ20の重量配分は反動/衝撃効果の進行中に変換することを理由として、追加の後ろ向きの荷重が使用者5によって知覚され得、それによりリニアモータの知覚される反動/衝撃効果が改善される。これは、リニアモータのスライダが高い加速度で機械的ストッパに向かって移動することが理由であり、それによりシミュレータの後方端部に向かっての銃器のバランスが失われ、次いでリニアモータが機械的ストッパにぶつかり、シミュレーションの銃器の前部が図18から21に示されるように上昇する。シミュレーションの銃器が上昇すると、重心が変化することにより地面に向かう付加的な静荷重が使用者5の肩に加えられ得、それにより、機械的ストッパにぶつかるリニアモータおよび重量の新しい角度分布からの強化された反動効果を使用者5が知覚する。さらに、スライダがその元の位置に戻ることができ、それにより反動サイクルを完了し、これが使用者5に追加の力を加える。上で考察した図はライフルを示すが、同じ原理が本明細書で考察される種々の異なる銃器およびデバイスにも適用され得、主として、デバイス内でリニアモータを位置決めすること、摺動質量体の位置を制御すること、および/または、機械的ストッパを位置決めすることを行い、それにより特定のデバイスおよび使用者のための特定の触覚効果を最適化する。
異なる実施形態では、必要である場合にリニアモータ500のロケーションがストック220内などのハンドグリップ位置から、つまり、レシーバ内へと上方に、移動させられ得る。
図9は、シミュレーションの銃器ボディ20の一実施形態の側面図である。摺動質量体600の線形移動の大きさが矢印660によって概略的に示され得る。この図では、摺動質量体600の第2の端部620の実際の位置666が、移動の長さ660内での摺動質量体600の第2の端部620の過渡位置を示す「時間依存」の垂直線666’’’によって概略的に示される。矢印1320が、リニアモータ500による摺動質量体600の時間依存の加速によって生じ得る時間依存の反動力を概略的に表す。所望される場合に摺動質量体600の制御中に摺動質量体600の第1の端部610および第2の端部620が複数のコイル520の第1の端部530と第2の端部534との間のリニアモータ500の複数のコイル520に入るのを可能にするために、リニアモータ500の装着の前またはその後でクリップ650が摺動質量体600から取り外され得る。
図10は、図1に示されるシミュレーションの銃器システムの種々の動作の概略流れ図である。一実施形態では、制御装置50が、摺動質量体600の自由移動の長さ660内での摺動質量体600の運動力学的移動を制御するためにリニアモータ500を制御するようにプログラムされ得、それにより、摺動質量体が所望の反動的な力対時間の曲線を作り、ここでは、このような力対時間の曲線が、シミュレートされる特定の銃器内の発射される特定の弾丸の力対時間の曲線をシミュレートすることができる。リニアモータ500が、モータの論理制御装置504と共に、制御される摺動質量体600を有することができる。モータの論理制御装置504が制御装置50に動作可能に接続され得る。電源60(例えば、24ボルト)が、リニアモータの論理制御装置504および制御装置50の両方に接続され得る。リニアモータ500のステータの電流需要が大きいことを理由として、別個の電源60(例えば、72ボルト)がリニアモータ500に接続されてもよい。
一連の手順
図11から15は、シミュレートされる銃器ボディ20を基準とした4つの異なる位置にあるリニアモータ500の摺動質量体600を示す順番の側面図である。一実施形態では、システム10が、特定のライフル内で使用者5によって使用され得る異なる銃弾の種類に対する反動をシミュレートするようにプログラムされ得る。システム10のプログラミングは、システム10によってシミュレートされる特定の武器システムでの実際のラウンドの力対時間を測定することにより、および、シミュレートされる実際の銃器システムによって生じるエネルギーを決定するために「フリーリコイル」の公式を使用することにより、達成され得る。シミュレートされる実際の銃器システムの力対時間が既知となり、実際のシステムのフリーリコイルが既知となると、システム10が、等しいまたは同様の力対時間、および、使用者5に供給されるべき等しいまたは同様のフリーリコイルエネルギーに実質的に適合する反動的な力を摺動質量体600により生じさせるように、プログラムされ得る。この方法は、シミュレートされる実際の銃器から発射される実際の銃弾と同様の知覚される反動を使用者5に与えることができる。
このように、予め選択される時間間隔でまたは予め選択される摺動質量体600のポイントにおいて、ストローク距離、速度、加速度および/または減速度を変化させることにより、シミュレートされる銃器ボディ20から使用者5に与えられる反作用の反動力が制御され得る。この反作用の反動力は、
(1)シミュレートされる特定の銃器での特定の種類の銃弾の一発分の弾によって生じる反動力、
(2)シミュレートされる特定の銃器での異なる種類の銃弾の一発分の弾によって生じる反動力
を模倣またはシミュレートするように制御され得、ここでの異なる種類の銃弾ラウンドはより多くの/より少ない装薬を使用することができるか、または、より重い/より軽い弾丸を使用することができか、あるいは、それら両方の何らかの組み合わせを使用することができる。
これらの異なる種類の反動力は、単に、リニアモータ500により摺動質量体600の動的な移動を経時的に変化させることにより、シミュレートされ得る。例えば、反動期間中の特定の時点においてより大きい力が所望される場合、この特定の時点において、リニアモータが単に摺動質量体600の瞬間加速度を増大させ、それにより、そのような反動的な力を生じさせる。
図16は、摺動質量体の動力学を運動力学的に制御するリニアモータによる、力対時間(三角形のチェックマークで示される)と共に、第1のラウンドの銃弾の仮想の反動力対時間(正方形のチェックマークで示される)をプロットするグラフである。図16は順番の図11から15と比較され得る。ゼロ時間において、図11では摺動質量体600の第2の端部620が位置666で示されており、矢印1300の反対方向にちょうど加速し始めるところである(シミュレートされる銃器ボディ20に対しておよびボディ20を保持する使用者に対して、矢印1300の方向の反作用の力を与える)。リニアモータ500が、第2の端部620を位置666’(図12に示される)に到達させてストッパ800の第1の端部810に接触させるまで、摺動質量体600の第2の端部620を矢印1300の反対方向に加速させて移動させる。666’に到達する直前の摺動質量体600の加速度が矢印1300の方向に反作用の力を生じさせる(図16の16ミリ秒の時間で、負の反作用の力として示される)。しかし、第2の端部620と第1の端部810との間でのインパクトの直後、この衝突/接触により摺動質量体600が矢印1310の反対方向に加速され、それにより方向1310の反作用の力を生じさせる(図16の16ミリ秒と36ミリ秒との間で、正の反作用の力として示される)。第2の端部620と第1の端部810との間の衝突/接触の同じこの期間において、リニアモータ500が独立して摺動質量体を矢印1310の反対方向に加速させることができる(力ベクトルにより図12に示される反作用の力1310に追加する)。図16に示されるグラフ上の36ミリ秒の時間から66ミリ秒の時間までにおいて、制御装置50が、所望のシミュレーションの反動の反作用の力を生じさせることを目的としてリニアモータ500により摺動質量体600の加速度を制御するように、プログラムされ得る。
図13が位置666’’にある第2の端部620を示しており、ここでは、リニアモータが、図16の41ミリ秒で示される反作用の力を作るように摺動質量体600を加速させることができる。図14が位置666’’’にある第2の端部620を示しており、ここでは、リニアモータが、図16の56ミリ秒で示される反作用の力を作るように摺動質量体600を加速させることができる。図15が次の反動サイクルのために開始位置666にある第2の端部620を示す。ここでは、図14に示される位置666’’’から図15に示される位置666までの間で、リニアモータ500が摺動質量体を矢印1330の方向に加速させる必要がある可能性がある(最終的に、摺動質量体600を減速させて位置666で次の反動サイクルの準備のために停止させる)。しかし、シミュレーションの銃器ボディ20および使用者5に与えられる負の反作用の力の大きさを最小にするように、このような加速度の低下は最小となるように制御され得る。このような負の反作用の力は図16には示されておらず、比較的小さい可能性がある。このような形で、特定の銃器内で特定の種類の弾丸を発射する使用者の受けることになる反動力の大きさおよびそれらの大きさのタイミングが、リニアモータ500によって制御される摺動質量体600のプログラムされる運動力学により、シミュレートされ得る。
複数の発射サイクルをシミュレートするために、リニアモータ500が、所望の回数または所望の数のサイクルで摺動質量体600の運動力学的な移動の繰り返しの力対時間のパターン/ダイアグラムを作るために摺動質量体600の動的な移動を制御することができる。
図17は、摺動質量体の動力学を運動力学的に制御するリニアモータによる、力対時間(三角形のチェックマークで示される)と共に、第1のラウンドの銃弾の仮想の反動力対時間(正方形のチェックマークで示される)をプロットするグラフである。図17は、摺動質量体600の運動力学的な移動を制御するプログラムされたリニアモータ500によってシミュレートされる異なる力対時間の曲線を有する異なる弾丸を示す。加えて、曲線の全期間が66ミリ秒とは異なっていてよく、特定の弾丸を発射するシミュレートされる銃器の反動特性に応じて変化してよい。
摺動質量体600を用いて反作用の力を作るためのリニアモータ500の能力は、摺動質量体600の質量を入れ替えることによりさらに改善され得る。一実施形態では、摺動質量体600の異なる全長が使用され得る(より長い選択肢では、質量が大きくなる)。その質量の所与の加速度に対して質量が増大する場合、作られる反作用の力は、力が質量×加速度に等しいという公式によって得られる。種々の実施形態で、摺動質量体600は270mmの長さのスライダであってよく、または長さが350mmであってよく、このような任意選択の摺動質量体600、600’は、摺動質量体600の質量を修正するためにリニアモータ500と交換され得る。270mmの摺動質量体600が215グラムの質量を有し、350mmの摺動質量体600’が280グラムの質量を有する。この質量の変化により、加速によって生じる反作用の力が変化し、またフリーリコイルエネルギーも変化し、これが、特定のラウンドの銃弾によって得られる力対時間の曲線をより良好に近似するのに使用され得る。
加えて、摺動質量体600の長さが全体の加速度および移動の長さ660を変化させ、リニアモータ500が特定のラウンドの銃弾によって得られる力対時間の曲線を近似する必要がある。
短い摺動質量体600の場合、加速時間が長くなることからリニアモータ500がより高い速度を達成することができ、したがって、使用者に対してより高い値のフリーリコイルエネルギーを与えることができる。
異なる摺動質量体600、600’の最大反作用の力は以下のように算出され得る。
Etgu=0.5×mgu×Vgu
2
粉末が存在しないことを理由として、つまり、装薬の速度がないことを理由として、これらに対応する値(vcおよびmc)がゼロとなり、標準的な運動エネルギーの公式K=(0.5×m×v2)が得られる。Etguで達成される最大値は両方のスライダで以下のようになる。
図18から21は、銃器シミュレーションボディ20を繰り返し発射する個人5を順を追って示す概略図であり、繰り返しの射撃において反動により正確さの低下が増している。これらの図は、個人5に正確さを求めて訓練させるために電子的な反動を用いるセミオートのバーストファイアリングモードを介するシミュレーションの訓練の実施を概略的に示す。
一実施形態が、特定の種類の弾丸を発射するM4A1のライフルをシミュレートする、リニアモータ500を備える銃器シミュレーションボディ20を使用する(しかし、他の種類の銃器および弾丸も異なる実施形態で想定される)。一実施形態では、セレクタスイッチ450が、(1)セミオートマチック、(2)爆発および(3)フルオートマチック、の3つの動作モードを有することができる。図18から21では、爆発モードを選択した後の使用者の発射が概略的に示される。(2)の爆発モードでは、一連の3回のシミュレーションの弾丸発射がシステム10によって実施され得る。
使用者5が、この特定の銃器のためにいずれの種類のシミュレーションが所望されるかを、セレクタスイッチ450を使用して選択する。図18に概略的に示されるように、使用者5が、シミュレーションの銃器ボディ20を標的領域1400に向けることができる。次いで、使用者5がトリガスイッチ172に接続されたトリガ170を引いて、制御装置50に信号を送信することができる。制御装置50がリニアモータ500を制御することができ、さらにリニアモータ500が摺動質量体600を制御することができる。また、制御装置50がレーザエミッタ1200を制御することができる。照準が、レーザエミッタ、磁気追跡、光学追跡、3Dレーザ追跡などを介して、システムに送られ得る。
多くの種類の追跡システムが使用され得/本開示に組み込まれ得る。例えば、室内、建物内、または世界中の、物体または人の位置および向きを決定するために、位置決めテクノロジを組み込む位置決めシステムが使用され得る。飛行時間システムは、送信機と受信機との間でのパルス信号の伝播の時間を測定することにより距離を決定する。少なくとも3つのロケーションの距離が既知である場合、三辺測量を使用して第4の位置が決定され得る。他の実施形態では、レーザ測距の追跡装置(laser ranging tracker)などの光学追跡装置が使用されてもよい。しかし、これらのシステムでは見通し線の問題がしばしば生じ、それらの性能が周囲光および赤外線の悪影響を受ける可能性がある。一方で、これらのシステムは金属の存在による歪み効果の被害を受けず、光の速度により、高い更新速度を有することができる。他の実施形態では、超音波追跡装置が使用されてもよい。しかし、これらのシステムは、移動する距離におけるエネルギー損失を理由として範囲がより限定される。また、これらのシステムは超音波の環境雑音に敏感である可能性があり、低い更新速度を有する。しかし、その主な利点は、見通し線を必要としないことである。全地球的航法衛星システムなどの電波を使用するシステムは周囲光の被害を受けないが、やはり見通し線を必要とする。他の実施形態では、空間走査システムが使用されてもよい。これらのシステムは、通常、(光)ビーコンおよびセンサを使用することができる。2つのカテゴリが区別され得、(1)インサイドアウトシステムでは、ビーコンが環境内の固定位置に配置され、センサが物体上にあり、(2)アウトサイドインシステムでは、ビーコンが標的上にあり、センサが環境内の固定位置にある。センサをビーコンに向けることにより、それらの間の角度が測定され得る。三角測量を用いて、物体の位置が決定され得る。他の実施形態では、慣性感知システムが使用されてもよく、それらの利点のうちの1つの利点は、外部基準を必要としないことである。代わりに、これらのシステムは、ジャイロスコープを用いて回転を測定するか、または、加速度計を用いて既知の開始位置および向きを基準とした位置を測定することができる。これらのシステムは絶対位置ではなく相対位置を測定することから、誤差が累積してドリフトの影響を受ける可能性がある。システムを定期的に再較正することで精度を向上させることができる。他の実施形態では、機械的連結システムが使用されてもよい。これらのシステムは基準と標的との間にある機械的連結部を使用することができる。2つの種類の連結部が通常使用され得る。1つは、各々が回転することができる機械的部品の組立体であり、使用者に複数の回転能力を提供する。連結部の向きが、インクリメンタルエンコーダまたは電位差計を用いて測定される種々の連結角度から算出され得る。他の種類の機械的連結部はコイル状に巻かれるワイヤであってよい。ばねシステムが、距離を正確に測定することを目的としてワイヤに確実に張力を加えることができる。機械的連結部の追跡装置によって感知される自由度は、追跡装置の機械的構造の構成によって決定される。ほとんどの場合は6自由度が実現されるが、接合部の運動力学および各リンクの長さを理由として、通常、可能となるモーション範囲は限定される。また、基準から標的までの距離が増大すると構造の重量および変形が増大する可能性があり、可動範囲を制限する可能性がある。
他の実施形態では、位相差システムが使用されてもよい。これらのシステムは、基準エミッタからの入射信号の位相を基準として、移動する標的上のエミッタからの入射信号の位相のずれを測定する。これを用いて、受信機を基準としたエミッタの相対運動が計算され得る。慣性感知システムと同様に、位相差システムは誤差が累積してドリフトの影響を受ける可能性がある。しかし、位相が継続的に測定され得ることを理由として、高いデータ速度を有することができる。他の実施形態では、直接的な磁界検出システム(direct field sensing system)が使用されてもよい。これらのシステムは向きまたは位置を得るために既知の磁界を使用し、単純なコンパスが、二方向におけるその向きを知るために地球磁場を使用する。傾斜計が、残りの第3の方向におけるその向きを決定するために地球の重力場を使用することができる。しかし、位置決めのために使用される磁界は自然界に由来するものである必要はない。互いに垂直に配置される3つの電磁石のシステムが空間的基準を規定することができる。受信機上で、3つのセンサが、磁気結合の結果として、受信される磁界の磁束の成分を測定する。これらの測定の基づき、システムがエミッタの基準を基準とした受信機の位置および向きを決定することができる。本明細書で説明される各システムはその良い点および悪い点を有することを理由として、ほとんどのシステムが2つ以上のテクノロジを使用することができる。慣性システムのような、相対位置の変化に基づくシステムは、絶対位置の測定により、システムに対しての定期的な較正を必要とする可能性がある。
2つ以上のテクノロジを組み合わせるシステムはハイブリッド位置決めシステムと呼ばれ、本明細書で説明される本開示の種々の実施形態と共に使用され得る。一実施形態では、磁気追跡が銃器周囲ボディ20と共に使用され得、そのモーションプロフィールを実質的に追跡することができる。実施形態では、周囲ボディ20の光学追跡が、使用者5によって遮られ得ないような、ボディ20上の重要なポイントに光学マーカを配置することにより達成され得、予めプログラムされるカメラ(光学追跡装置)によりゲームおよびシミュレーションの訓練のためのボディ20の向きを成功裏に追跡するのを可能にし得る。実施形態では、直接的な磁界検出が、角度方向の変化を測るためにボディ20上に配置されるジャイロスコープセンサ(または、他の慣性センサ)を通して、および、ボディ20上での磁気追跡により、ボディ20を追跡するのに使用され得る。両方のセンサが、ボディ20の追跡のための達成可能な分解能を向上させる。一実施形態では、直接的な磁界検出(磁気追跡および慣性追跡)が、ドリフトを回避することを目的として絶対的な位置決めの基準を用いて直接的な磁界検出の追跡装置を較正するために光学追跡を使用することにより、3D空間内でのボディ20の位置の分解能を向上させるように銃器周囲ボディ20を追跡するのに、光学追跡と共に使用され得る。例示の実施形態では、ボディ20が、本開示による触覚効果を提供する任意の種類のシミュレーションのボディであってよく、これには、ゲームデバイス/周辺装置または銃器が含まれる。
制御装置50が、所定の反動的な力対時間に従って反動的な力を作るような予めプログラムされる横方向の運動力学的な移動を摺動質量体600により行うようにリニアモータ500を制御することができ、それにより、特定の銃のための特定の弾丸を実際にシミュレートするように個人が経験することになる反動力をシミュレートする。制御装置50がさらに、赤外線レーザシステム1200に接続され得、これは、トリガ170を引く使用者5に合わせてもよい。レーザ1200が、シミュレーションの銃器ボディ20から弾丸が移動することになる場所を標的スクリーン(領域1400または1410)上でシミュレートすることができる。レーザ1200が光学照準または磁気照準(追跡/位置決め)に置き換えられる場合、ファサードボディ20の正確な追跡のために、3D空間内での銃器周辺装置のロケーションの座標がゲームプレイのシミュレーションへと送られ得る。これにより、使用者5がトリガ170を引くことが可能となり得、弾丸軌道の正確な計算が実施され得るようになり、実時間の追跡およびゲームプレイのためのシミュレーションに挿入され得るようになる。
3つのシミュレーションの爆発ラウンドのうちの第1のラウンドである図19では、レーザ1200がレーザ線1220を放つことができ、標的領域1400内に命中箇所1221を有する可能性がある。3つのシミュレーションの爆発ラウンドのうちの第2のラウンドである図20では、レーザ1200がレーザ線1230を放つことができ、標的領域1400内に命中箇所1231(しかし、非標的領域1410に近い)を有する可能性がある。3つのシミュレーションの爆発ラウンドのうちの第3のラウンドである図21では、レーザ1200がレーザ線1240を放つことができ、非標的領域1410内に命中箇所1241を有する可能性がある。矢印1350が、使用者5の照準を低下させるような、ボディ20に加えられるシミュレーションの反動を概略的に表す。システム10を繰り返し使用することにより、使用者5がシミュレーションの反動に慣れることができ、自分の照準を調整することができる。
実際の訓練の実施では、投射システムが、使用者5のための「標的空間」および「非標的」空間をシミュレートすることができる。使用者5がスクリーン1400を外して発射する場合、これは「非標的」空間1410とカウントされ得る。これらの標的1400は移動していても静止していてもよく、サイズおよび形状は非常に多様であってよい。しかし、投射システムが標的空間および非標的空間内での弾丸の衝突(例えば、1221、1231)の総数をカウントすることができ、それらを合計することができる。これにより、使用者5の正確さを決定するのに以下の公式を使用することが可能となる:
正確さ=[[合計-(非標的空間)]/合計]×100%
例えば、使用者が合計10発を発射し、4発が標的空間1400で、6発が非標的空間1410である場合、公式が
正確さ=[[10-6]/10]×100%
を示す。
このシミュレーションは使用者に40%の正確さを与えることになる。実際の反動効果が作られ得、使用者の狙っている標的空間1400から使用者の照準を外すことから、システム10は、実際の銃弾を発射することを必要とすることなく、実際の銃器システムを発射することにおいての正確さを上げるように使用者5を訓練させるのを補助することができる。一実施形態では、本明細書で説明される投射システムが、コンピュータシステムおよび視覚表示システムで作られ得る。
バレル310の内部にレーザエミッタ1220が位置してよい。レーザエミッタ1200の組立体が、回路基板と、バッテリボックスと、スイッチと、レーザエミッタとを有することができる。レーザエミッタ1200が好適にはバレル310内に収容され得、バレル310の長手方向の中心線と実質的に平行かつ同軸となるようにレーザビームを放射するように方向づけられ得る。
追跡システムまたは本明細書で説明されるそれらの組み合わせを使用する、本開示の例示の実施形態によると、使用者および/または装置がゲームおよび/またはシミュレーションのために実時間で追跡され得る。例えば、シミュレーションの中に送られ得る使用者のロコモーションの追跡が、ジョイスティックを通してあるいはボディ20の磁気追跡または光学追跡を通して銃器周囲ボディ20を制御することにより、達成され得る。銃器ボディ20のみに追跡を適用することによる間接的な形の代わりに、磁気追跡または光学追跡により直接に使用者5が追跡されてもよい。したがって、追加のロコモーションを加えることにより(レーザ1200を介する静止の2Dの照準以外)、ゲームプレイおよび訓練シミュレーションにおいて、より没入的でありまたより包括的なレベルの現実性が得られる。上記の実施例では銃器周囲ボディ20を考察したが、本明細書で説明されるゲームデバイスを含めた他のデバイスも追跡され得る。
さらに、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:head-mounted display)、および、オプティカルヘッドマウントディスプレイとも呼ばれる投射ベースのディスプレイ(小型化されて使用者の頭部に取り付けられるような従来のスクリーンディスプレイ/投射システム)を使用する仮想現実のシナリオも、さらに正確で良好なシミュレーションおよびゲームプレイの環境を作ることにおいて、需要が増している。このような新しいディスプレイシステムには、頭部に着用されるかまたはヘルメットの一部としてのディスプレイデバイスであるヘッドマウントディスプレイ(または、例えば航空用途ではヘルメットマウントディスプレイ)が含まれてよく、これは、片目(単眼HMD)または両目(双眼HMD)の前方に小型ディスプレイの光学部品を有することができる。オプティカルヘッドマウントディスプレイ(OHMD)が使用されてもよく、これは、投射画像を反射する能力を有しさらには使用者がこれを通して見るのを可能にするウェアラブルディスプレイである。一般的なHMDは、ヘルメット、眼鏡(データグラスとしても知られる)またはバイザー内に埋め込まれるレンズおよび半透明ミラーを備える1つまたは2つの小型ディスプレイを有することができる。このディスプレイユニットは小型化され得、CRT、LCD、Liquid crystal on silicon(LCos)、または、OLEDを有することができる。いくつかの供給業者は、全体の解像度および視界を向上させるために複数のマイクロディスプレイを採用している可能性がある。HMDは、コンピュータ生成画像(CGI:computer generated image)しか表示することができないか、現実世界からの実際のイメージを示すことができるか、あるいは、その両方の組み合わせであるか、ということにおいて違いがある。ほとんどのMHDは、場合によってはバーチャルイメージと称されるコンピュータ生成画像のみを表示する。いくつかのHMDは現実世界の景色にCGIを重ね合わせることを可能とし得る。これは場合によっては拡張現実または複合現実と称されてもよい。現実世界の景色とCGIを組み合わせることは、部分的に反射ミラーを通してCGIを投射して現実世界を直接に見ることにより、行われ得る。この方法はしばしばオプティカルシースルーと呼ばれる。また、現実世界の景色とCGIとを組み合わせることは、カメラから映像を受け入れてそれをCGIと電子的に混合することにより、電子的にも行われ得る。この方法はしばしばビデオシースルーと呼ばれる。
オプティカルヘッドマウントディスプレイは、部分的に銀めっきされたミラーで作られる光ミキサを使用することができる。これは、人工画像を反射するさらには現実の画像をレンズと交差させて使用者がそれを通して見るようにする能力を有する。シースルーHMDには様々なテクニックが存在する。これらのテクニックの大部分は、2つの主要な系統、すなわち、「湾曲ミラー」ベースおよび「導波管」ベースに集約され得る。湾曲ミラーテクニックは、Vuzixのスター1200という製品で使用されており、また、Laster Technologiesによっても使用されている。場合によっては、種々の導波管テクニックが存在する。これらのテクニックには、限定しないが、回折光学、ホログラフィック光学、偏光光学、および、反射光学が含まれる。
主要なHMDの用途には、軍事、行政機関(消防(fire)、警察など)、および、民間用/商用(医学、ビデオゲーム、スポーツなど)が含まれる。
耐久性を高めたHMDが最新のヘリコプタおよび戦闘機のコックピットに一体化されることが増えてきており、通常は、パイロットの飛行ヘルメットに完全に一体化され、これは、保護バイザー、暗視デバイス、および、他の記号使用のディスプレイを含むことができる。
エンジニアおよび科学者が、CAD図面の立体視を実現するためにHMDを使用する。これらのシステムは複雑なシステムの保守管理にも使用され得る。その理由は、これらが、システムダイアグラムおよび画像などのコンピュータグラフィックと科学者の自然視とを組み合わせることにより事実上の「x線ビジョン」を技術者に与えることができるからである。手術にも用途があり、ここでは、X線写真データ(CATスキャンおよびMRIイメージング)の組み合わせが手術の外科医の自然視と組み合わされ得、また麻酔でも用途があり、ここでは、患者の生命徴候が常に麻酔専門医の視界に入るようにすることができる。研究大学が、しばしば、視覚、平衡感覚、認識力および神経科学に関連する研究を行うのにHMDを使用する。
低コストのHMDデバイスが、3Dのゲーム用途および娯楽用途で使用され得る。初期に市販されたHMDのうちの1つがForte VFX-1であり、これは1994年にConsumer Electronics Show(CES)で発表された。VFX-1は、立体ディスプレイ、3軸ヘッドトラッキング(3-axis head-tracking)、および、ステレオヘッドホンを有する。この分野の別のパイオニアはSony Corporationであり、Sony Corporationは1997年にGlasstronをリリースした。これは、使用者が周囲を見るのを可能にする位置センサを任意選択のアクセサリとして有しており、頭部が移動するときに視点が移動するものであり、それによりより深い没入感を提供する。
このテクノロジの1つの用途はMechWarrior(登録商標)2というゲームであった。これは、Sony GlasstronまたはVirtual I/O Inc.のiGlassesの使用者が、視覚として使用者自身の目を使用し、使用者の飛行機自体のコックピットを通して戦場を見るという形で、飛行機のコックピットの内部からの新しい視点を採用するのを可能にする。現在、多くのブランドのビデオグラスがビデオおよびDSLRカメラに接続され得、それにより新時代のモニタとして適用可能となっている。周囲光を遮断するという眼鏡の能力の結果として、映画製作者および写真家はそのライブ画像の表示をより明瞭に見ることができる。
Oculus Rift(登録商標)は、仮想現実のシミュレーションおよびビデオゲームのための、Palmer Luckeyによって作られてOculus VR,Inc.によって開発されている次世代の仮想現実(VR:virtual reality)ヘッドマウントディスプレイである。Xbox One(登録商標)およびPS4(登録商標)のようなゲームコンソールと共に使用するためのVRヘッドセットも計画されている。
HMDの重要な用途は、実生活で模するには過度に高価または危険である可能性がある状況に被訓練者を仮想的に配置するのを可能にするような訓練およびシミュレーションである。HMDを用いる訓練は広範囲の用途に及び、これには、限定しないが、運転、溶接および吹付塗装、フライトシミュレータおよび車両シミュレータ、砲撤去(dismounted)軍事訓練、ならびに、医療手技訓練、が含まれる。
本開示の実施形態は上記のシステムと共に使用され得る。実施形態では、HMDが、リニアモータ反動/衝撃システムを有する、周囲ボディ20を組み込むシミュレーションシステム内で使用され得、銃の発射をエミュレートするために反動を生じさせながら、3Dで位置追跡されるボディ20を用いて、使用者5が3D仮想空間の内部のシミュレーションの標的に発射するのを可能にする。一実施形態では、HMDが、リニアモータ反動/衝撃システムを有する、3Dで位置追跡される周囲ゲームボディを組み込むゲームシステム内で使用され得、仮想空間との相互作用によりリニアモータ500を介して触覚アウトプットを生じさせることにより使用者5が仮想空間と相互作用するのを可能にする。実施形態では、仮想空間が、HMDまたは他の視覚システムに視覚情報を送信するようにコンピュータシステムによって制御および生成され得る。別の実施形態では、仮想空間が、本明細書で説明される追跡方法から位置決めデータを取得することができ、この位置決めデータをコンピュータに送信することができ、次いでコンピュータが仮想空間を更新することができ、仮想空間の視覚情報をHMDまたは他の視覚システムに送信することができる。別の実施形態では、本明細書で説明されるシミュレーションシステムがコンピュータシステムを有することができる。別の実施形態では、本明細書で説明されるシミュレーションシステムが、バーチャルシミュレーションを実行するコンピュータシステムと、視覚ディスプレイと、追跡システムと、摺動質量体を有するリニアモータと、リニアモータの摺動質量体の移動を制御する制御装置と、を有することができる。別の実施形態では、本明細書で説明されるゲームシステムがコンピュータシステムであってよい。
例示の実施形態では、低サイクル速度のフルオートマチックの発射の一般的なサイクル速度が毎分約600ラウンドである。高サイクル速度のフルオートマチックの発射の一般的なサイクル速度が毎分約900ラウンドであり、これは、M-4A1、AR-15および/またはM-16のライフルのサイクル速度を近似的にシミュレートする。
したがって、銃器訓練シミュレータが、射手の訓練にこの銃器訓練シミュレータが使用されることが意図される銃器の、反動、サイクル速度、形態、制御、および、動作モードをシミュレートする。この訓練シミュレータはさらに、実際の銃弾の代わりにレーザを使用することにより、安全に、また、設備コストを低減して、スクリーン上に投射される意思決定訓練のシナリオを行う機会を提供することができ、ここでは一方で、従来の銃器の十分な数の特性を再現し、その結果、この訓練を従来の銃器に効果的に引き継ぐことができるようになる。
追加の実施形態では、空気力学を使用して反動を提供するように設計される構造を含めた既存の構造に組み込まれ得るシステムが提供される。図1のシミュレーション10を参照すると、制御装置50が、本明細書で説明されるような有線通信タイプのまたは無線通信タイプの形態内で、既存のシステムのインフラストラクチャさらにはリニアモータ500に取り付けられ得る。実施形態が、制御装置50の構成要素がシミュレータ10のボディ20内に位置してもよいような形態を有する。既存のインフラストラクチャが、使用者5のためのゲーム内の/シミュレーション内の統計データを記録することができるシミュレーションコンピュータ/ゲームコンピュータに接続され得る。特定の装置/用途によっては、既存のインフラストラクチャが通信手段/電源コンセントを有することができ(例えば、床の上/壁/天井から吊り下げる、など)、ここには、シミュレーションコンピュータ/ゲームコンピュータとの通信のために空気圧システムが予めプラグ接続されている。いくつかの実施形態では、制御装置50が、シミュレーションコンピュータ/ゲームコンピュータとの通信のためにこれらのレセプタクルにプラグ接続され得る。有線/無線あるいはハイブリッドの形態でシミュレーションコンピュータ/ゲームコンピュータが制御装置50に接続されると、シミュレーションコンピュータ/ゲームコンピュータが使用者5の評価のためにシステム10を記録することができる。例えば、コンピュータは、訓練の実施において使用者5が何ラウンドを行ったか、加速度計に基づいてまたはトリガからのそれに見合うセンサデータに基づいて使用者5がトリガを適切に強く引いたかどうか、ならびに/あるいは、使用者5がゲーム内の/シミュレーション内の標的に当てたかどうか、を決定することができる。図51は、左側に使用者5からのデータ収集を示すダイアグラムであり、ダイアグラムの右側(ゲーム/シミュレーションからのモータのフィードバック)は、追加のシナリオ/ゲームプレイでのリニアモータ500からのより没入的なフィードバックのために開放されている。
図22が、リニアモータ500および摺動質量体600の別の実施形態の斜視図である。リニアモータ500が、ホール効果センサであってよいセンサ550および552を有することができる。図23が、例示の複数の磁石640が取り外された状態の、摺動質量体600の斜視図である。図24が、例示の磁石640が取り外された状態の、摺動質量体600の拡大斜視図である。図23および24では、複数の磁石640(例えば、磁石642、644、646など)がネオジムを含むことができる。加えて、対の磁石640の間にスペーサがあってよい(例えば、磁石642と644との間にスペーサ643があり、磁石644と646との間にスペーサ645がある)。好適な実施形態では、スペーサが鉄(強磁性鉄など)を含むことができる。実施形態では、複数の磁石640が、同極が同極の方を向くような形となるように(つまり、N極に対してN極、S極に対してS極)、位置合わせされ得る。図23および24に示されるように、左側から見ていくと、第1の磁石640の左側の極がN極であり、第1の磁石640の右側の極がS極である。中央では、第2の磁石640の左側の極がS極であり、第2の磁石640の右側の極がN極である。最後に最も右側の部分に位置する第3の磁石640では、第3の磁石640の左側の極がN極であり、第3の磁石640の右側の極がS極である。例示の実施形態では、同磁極が同磁極の方を向くこのパターンがスライダ600全体を通して繰り返される。このようにして、スライダ/駆動される質量体600内に含まれる複数の磁石640が互いの方を向く同極を有することができ、それにより反発力を生じさせる。好適な実施形態では、摺動質量体600の外側シェルが長手方向において複数の磁石640およびスペーサを一体にしっかりと保持する。実施形態では、外側シェルはステンレス鋼であってよく、ステンレス鋼は、リニアモータ500の複数のコイル520と摺動質量体600の複数の磁石640との間の磁力に実質的に干渉しない非磁性材料であってよい。一実施形態では、摺動質量体600が磁性材料の組み合わせを使用することができ、例えば、ネオジム磁石およびセラミック磁石を使用することができ、その結果、既知のセットの移動の場合において、磁石の構成が、既知のセットの移動のために必要である加速プロフィールを実質的に維持しながら製造コストを低減することができる。例えば、初期移動で摺動質量体600の高い加速度が必要となる場合、スライダ600が、移動前にリニアモータ500のコイル内に最も高価で最も強力な磁石を着座させるように、選択され得る。これにより、摺動質量体600を高い速度へと加速させるのに効率的である高エネルギーをリニアモータシステムに入力することが可能となり、また、より低い速度でネオジム磁石をコイルの中心に戻すのにセラミック磁石を使用することができ、次の反動/衝撃効果の移動のための準備が整う。
図22が、リニアモータ500および摺動質量体600を備えるリニアモータシステムを示す。図60が4つの磁石を有する摺動質量体600を示す。示されるように、2つのネオジム磁石が中央にあり、2つのセラミック磁石が各端部上にある。2つのネオジム磁石が各々の移動時にステータ内部から移動を開始する。これにより、リニアモータシステムのストロークの初期パート中に最も強力な磁石が摺動質量体600を迅速に加速させることが可能となり得る。セラミック磁石に到達しても、リニアモータ500が依然として摺動質量体600を制御することができ、ネオジム磁石がステータの中央にあるその初期の開始位置にスライダを戻すことができる。これにより、低コストのセラミック磁石を使用しながら、より高コストなネオジム磁石を節約することが可能となり、反動/衝撃効果および触覚フィードバックのための移動(haptic feedback movement)のための実質的に同じ機能でリニアモータ500が動作することが可能となる。
一実施形態では、摺動質量体600が異なる種類の磁石の異なる長さの磁石を有することができる。
実施形態では、摺動質量体600が、可能な限り最も効率的な単一の反動/衝撃効果または触覚フィードバック効果を生じさせるように線形経路内に配置された同じ長さのネオジム磁石およびセラミック磁石を有することができる。
別の実施形態では、摺動質量体600が、可能な限り最も効率的な単一の反動/衝撃効果または触覚フィードバック効果を生じさせるように線形経路内に配置された異なる長さのネオジム磁石およびセラミック磁石を有することができる。
実施形態では、リニアモータ500が、コイルにより両方の磁石の種類にとって可能な限り最も効率的なエネルギー伝達を与えるように、修正され得る。
実施形態では、リニアモータ500が、コイルにより1つの磁石の種類にとって可能な限り最も効率的なエネルギー伝達を与えるように、修正され得る。
一実施形態では、摺動質量体600が、効率的な反動/衝撃効果または触覚フィードバック効果を生じさせるために複数の形態(長さおよび順序が変化する)で複数の磁性材料(ネオジム、セラミックなど)を有することができる。
図25から29が、複数のコイル520により複数の磁石640が駆動されるときの、リニアモータ500および摺動質量体600の動作を概略的に示す。図25は、リニアモータ500内の複数のコイル520の動作を示す概略図である。図26および27は、2つの異なる通電状態でのリニアモータ500内のコイル520の動作を示す概略図である。
図25では、リニアモータ500のステータ内のコイル521、523および525が直列に接続され、フェーズ1として示され得る(直列に一体に接続される場合、フェーズ1のこれらのコイルは、単一の独立して制御可能である磁気コイルのサブコイルとみなされてよい)。コイル522および524がやはり直列に接続され得、フェーズ2として示され得る(直列に一体に接続される場合、フェーズ2のこれらのコイルは単一の独立して制御可能である磁気コイルのサブコイルとみなされてよい)。リニアモータ500の複数の独立して制御可能である磁気コイル520が、設計に応じて、同じ方向または異なる方向に巻かれ得る。フェーズ1および2内の各々の独立して制御可能であるコイルが、通電されるときに、それ自体の磁界を発生させることができる。これにより、フェーズの極性の設定およびコイルの巻かれ方に応じて、複数のコイル520内のフェーズ1および2の独立して制御可能である磁気コイルが互いに反発することが可能となるか、または、フェーズ1および2のコイルが互いに引き付け合うことが可能となる。このような極性が交互となっている状態が図26および27に示される。図26では、フェーズ1およびフェーズ2が同じ極性を有し、その結果、これらの2つのフェーズ内のコイルが互いに引き付け合う。図27では、フェーズ1およびフェーズ2が反対の極性を有し、その結果、これらの2つのフェーズのコイルが互いに反発する。リニアモータ500の複数の独立して制御可能である磁気コイル520のフェーズの極性を変えることにより、摺動質量体600が複数のコイル520を通って所望される通りに制御可能に移動させられ得、それにより、時間依存の、制御される、力(力積)、加速度、速度、位置、および/または、運動量を有することができる、所望の反作用の力を生じさせる。
図28および29は、異なる通電状態でのリニアモータ500内の複数のコイル250を摺動質量体600の複数の磁石640が通る移動を示す概略図である。
図28が、リニアモータ500の複数のコイル520を通る、複数の磁石640を備える摺動質量体600の初期移動を概略的に示す。図28では、摺動質量体600の第1の磁石642がリニアモータ500の複数のコイル520に入る。次いで、複数のコイル520が通電され得、ここでは、フェーズ2が示されるような極性を有し、フェーズ1は通電されない(つまり、オフ)。これにより磁石642(および、摺動質量体600)が複数のコイルの中のより深くまで引かれるようになる(右側を向く矢印によって概略的に示される)。図29に概略的に示されるように、第1の磁石642がコイル522の中へと半分だけ移動すると、フェーズ1が通電され得(つまり、オンになる)、それにより磁石642に引力が生じ、コイル521の中央へと第2の磁石644が速度を上げ、同時に、磁石642が反発する。複数の磁石640が複数のコイル520との定常状態に到達すると、つまり、コイル521および522のN極がそれぞれ磁石644および642のN極に位置合わせされ、コイル522のN極が磁石644のS極に位置合わせされ、コイル521のS極が磁石642のN極に位置合わせされると、摺動質量体600の移動が最終的に停止する。したがって、磁力が平衡状態となり、移動が止まり、ここでは、フェーズ1および2がこの極性で通電されたままである。したがって、コイルのオン/オフを切り換えることにより、および、コイルの極性を交互にすることにより、スライダ(ネオジム磁石で充填される)がステータ(多くのコイルで作られる)を通るように押され得るかまたは引かれ得る。また、より大きい加速断面を有するように、図25から29に描かれるコイルの数が増やされてもよい。
一実施形態では、リニアモータ500内に2つ以上のフェーズが存在してよい。
別の実施形態では、リニアモータ500内の2つのフェーズが2つ以上のコイル520を使用することができる。
摺動質量体600の速度、加速度および線形距離は、90度位相のずれたホール効果センサ550および552の関数として測定され得る。位相のずれたホール効果センサ550および552は、各々が、磁界の増大または減少に応答して線形電圧を発生させることができる。図22が、リニアモータ500およびセンサ550、552内の機械的アライメントを示す。磁界強度(センサを通る磁束)対電圧(センサから出る)の関数としてセンサ550および552が与える応答が図30に描かれており、これは磁束密度対電圧出力を示すダイアグラムである。
図31および32は、リニアモータを通って移動するスライダのためのセンサ550および552の電圧レスポンス対時間の例示のダイアグラムである。摺動質量体600がリニアモータ500の複数のコイル520を通って移動させられるとき、90度位相のずれたセンサ550および552が図31(センサ550のsine(x))および図32(センサ552のcosine(x))に示されるサイン関数またはコサイン関数に当てはまる電圧レスポンス対時間を提供する。これらの得られる波は、摺動質量体600内部の複数の磁石640に対して生じる磁束がそれらの磁極のところで最も強力であることを理由として、センサ550および552によって生じる。したがって、2つの磁石のN極が接近すると波が正となり、それらの磁極の真上にくるとピークとなる。同じ方向で継続して見ると、S極が接近すると波が負となり、それらの磁極の真上にくるとピークとなる。したがって、一方のセンサ550がSin(x)の関数を与え、もう一方のセンサ552がCos(x)の関数を与える。示されるように、これらの関数は位相が90度ずれている。より正確なフィードバックのために、および、リニアモータ500の複数のコイル520を通る摺動質量体600のより良好な制御のために、ならびに、摺動質量体を確実に継続して正確に追跡するための方法として、2つのセンサ550および552が使用され得る。
さらなる説明のために、正弦波を生じさせるセンサ550が図31にプロットされており、摺動質量体600の速度、加速度および変位を追跡するのにこのグラフがいかにして使用され得るかを関連させて、これをさらに説明する。図32はセンサ552から生じる余弦波を示す。図33は、センサ550によって生じる波形の種々の成分を示す例示の波形のダイアグラムである。波長(λ)が、リニアモータ500の複数のコイル520を通る摺動質量体600の速度に関連する。波長が短くなると、周波数がf=1/λによって計算され得、波長が短くなると、周波数が増大する。
図34および35は、2つの異なる一定線速度でリニアモータ500を通って移動する摺動質量体600の、センサ550の電圧レスポンス対時間の例示のダイアグラムである。例えば、図34では、摺動質量体600が毎秒1メートルで複数のコイル520を通って移動してこの波を生じさせていると言うことができる。図35は摺動質量体600の速度を毎秒2メートルまで上げることにより生じ得る。示されるように、波の周波数の増大が、リニアモータ500の複数のコイル520を通って摺動質量体600が移動する速度に相当する。さらに、図34から図35への波形の変化が摺動質量体600の加速度に関連する。図34および35は、各々が、摺動質量体600の一定速度を個別に示しており(しかし、図35の一定速度は図34の一定速度の2倍である)、したがって、これらの2つの図の各々で加速度は存在しない。しかし、摺動質量体600のスライダが図35に示される線速度である毎秒2メートルに接近すると、周波数が図35の値まで増大し、この経時的な周波数の変化が、駆動される質量体600の加速度を算出するのに使用され得る。最後に、摺動質量体内の複数の磁石640の長さが既知であることにより、および、センサ550を通過する波長の数をカウントすることにより、駆動される質量体600の移動距離が計算され得る。各波長は、摺動質量体600のボディ内部の永久磁石の全長に対応してよい。加えて、スライダ600を定常状態(移動しない状態)で維持するのに両方のセンサ550、552からの波形が使用され得る。例えば、センサ550、552の出力を調べることにより、正弦波および余弦波が比較され得る。その理由は、これらは90度位相がずれており、したがって、1つの測定値ではなく2つの測定値の精度に基づき、ドリフトしないような(複合的エラー(compound error)のないような)、制御装置50からの定常状態の駆動信号が維持されるからである。このようにして、センサ550、552の電圧対磁束のグラフから、速度、加速度および距離が計算され得る。
全体の反動の力積のエミュレート
一実施形態では、リニアモータ500および摺動質量体600が、特定の形態の銃弾を発射する特定の銃器の全体の反動の力積をエミュレートするのに使用され得る。
「実際の反動力」とは、その力が使用者に伝達される発射後の任意の時点における、特定の種類の銃弾を発射する特定の種類の銃器によって生じる力である。このような実際の反動力は、銃器内での銃弾の初期の発射から、その発射後の任意の実際の反動力の終わりまでの、特定の期間においてプロットされ得る。
対して、「生じる反動力」とは、摺動質量体600の移動を制御するリニアモータ500によって生じる反作用の力である。このような生じる反動力は、シミュレータシステム10のシミュレーションの銃器ボディ20を保持する使用者5に伝達され得る。
実際の反動の力積は力対時間のダイアグラムの下の面積であり、ここでは、特定の種類の銃弾を発射する特定の種類の銃器によって力が生じる。生じる反動の力積は、摺動質量体600の移動(例えば、加速度、速度および距離)を経時的に制御するリニアモータ500によって生じる反作用の力の力対時間のダイアグラム1600の下の面積である。
図16が、生じる反動力対時間1600と共に、実際の反動力対時間のダイアグラム1500の予測の例である。実際の反動力対時間のダイアグラム1500の下の面積が実際の反動の力積である。生じる反動力対時間のダイアグラム1600の下の面積が生じる反動の力積である。生じる反動の力積に基づく面積は正(ゼロより上)であっても負(ゼロより下)であってもよい。好適な実施形態では、全体の力積を計算する場合、負の面積は正の面積から引かれてよい。他の実施形態では、全体の力積を計算するのに負の面積が無視されてもよい。
示されるように、経時的な実際の反動対リニアモータ500および摺動質量体600によって生じる経時的な反力の、力対時間のダイアグラム1500、1600は互いに密に推移しており、したがって、力積および反作用の力積がほぼ等しい。しかし、別の実施形態では、計算される両方の力積(ダイアグラムの下の面積)が発射サイクルの終わりにおいて互いに接近することを条件として、経時的な実際の反動のダイアグラム1500対リニアモータ500および摺動質量体によって生じる経時的な反力1600は有意に異なっていてもよい。
図36は、力対時間の3つのプロット、すなわち、(1)実際の力1500の力対時間(0.223Remingtonの弾丸/一発分を発射する、約3.4kg(7.5ポンド)の総重量を有するM16/AR-15タイプのライフルのための第1のプロット)、(2)機械的ストッパとの組み合わせのリニアモータおよび摺動質量体から生じる反作用の力1600の力対時間、ならびに、(3)機械的ストッパを使用しないリニアモータおよび摺動質量体から生じる反作用の力1600’の力対時間、を含む単一のダイアグラムを示す。正の値の力が使用者5を後方に押す力を示す。時間によって示されるように、約90ミリ秒の発射サイクルが使用される。
ダイアグラム1600は、摺動質量体600が機械的ストッパ800に衝突するときのスパイク1610を有し、同じような全体の力積を得るためには、各プロット1500、1600の下の面積がほぼ同じでなければならない。ダイアグラム1600では、時間1700が摺動質量体600と機械的ストッパ800との間の最初の接触を示す。別の実施形態では、摺動質量体600と機械的ストッパ800との間の衝突の期間が短いことを理由として(約5ミリ秒未満)、最初の接触1700の時間も、ピークの反作用の力1620の時間を使用して計算され得る。
図36は、生じる反動力1600のピーク1620と比較される実際の反動力1500のピーク1520と、これらのピークの間の差1630とを示している。種々の実施形態で、生じる反動力内にスパイク1610を発生させるのに機械的ストッパ800が使用され得、このスパイク1620は実際の反動力1500のピーク1520と比較される場合の差1630を有する。
種々の実施形態で、ピーク1620は、差1630を最小にし得るようなものであってよい。実施形態では、エミュレートの発射シークエンス(firing sequence)中、差1630がピーク1620の50パーセント未満である。種々の他の実施形態で、差1630が、わずか、ピーク1620の45、40、35、30、25、20、15、10、5、4、3、2および/または1パーセント未満である。実施形態では、差1630がピーク1620の上記で挙げたパーセントのうちの任意の2つのパーセントの間の範囲内にあってもよい。
種々の実施形態で、時間1700での摺動質量体600と機械的ストッパ800との最初の接触の前の特定のシミュレーションの発射シークエンス中の、摺動質量体600を制御するリニアモータ500による平均の生じる反動力が、時間1700の時間で割られる時間1700の最初のインパクトまでの力積を計算することにより、計算され得る。実施形態では、生じる反作用の力のピーク1620が、時間1700での摺動質量体600と機械的ストッパ800との最初の接触の前の特定のシミュレーションの発射シークエンス中の、摺動質量体600を制御するリニアモータ500による平均の生じる反動力より少なくとも50パーセント大きい。種々の実施形態で、ピークの生じる反作用の力1620が、時間1700での摺動質量体600と機械的ストッパ800との最初の接触の前の特定のシミュレーションの発射シークエンス中の、摺動質量体600を制御するリニアモータ500による平均の生じる反動力より、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、175、200、225、250、275、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1500および/または2000パーセント、大きい。実施形態では、このような比較のために、上記で挙げたパーセントのうちの任意の2つのパーセントの間の範囲が使用されてもよい。
特定のシミュレーションの発射シークエンスの全体の間における、摺動質量体600を制御するリニアモータ500による平均の生じる反動力が、発射シークエンスの全体の間における力積を計算してその発射シークエンスの全体の時間で割ることにより、計算され得る。種々の実施形態で、生じる反作用の力のピーク1620が、特定のシミュレーションの発射シークエンスの全体の間における(つまり、時間1700での摺動質量体600と機械的ストッパ800との最初の接触の前およびその後の両方)、摺動質量体600を制御するリニアモータ500による平均の生じる反動力より少なくとも50%大きくてよい。実施形態では、ピークの生じる反作用の力が、特定のシミュレーションの発射シークエンスの全体の間における、摺動質量体600を制御するリニアモータ500による平均の生じる反動力より、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、175、200、225、250、275、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1500および/または2000パーセント、大きい。種々の実施形態で、このような比較のために、上記で挙げたパーセントのうちの任意の2つのパーセントの間の範囲が使用されてもよい。
時間1700での摺動質量体600と機械的ストッパ800との最初の接触の後の特定のシミュレーションの発射シークエンス中の、摺動質量体600を制御するリニアモータ500による平均の生じる反動力が、時間1700の後の時間で割られる時間1700の最初のインパクトの後の力積を計算することにより、計算され得る。実施形態では、生じる反作用の力のピーク1620が、時間1700での摺動質量体600と機械的ストッパ800との最初の接触の後の特定のシミュレーションの発射シークエンス中の、摺動質量体600を制御するリニアモータ500による平均の生じる反動力より少なくとも50パーセント大きい。種々の実施形態で、ピークの生じる反作用の力が、時間1700での摺動質量体600と機械的ストッパ800との最初の接触の後の特定のシミュレーションの発射シークエンス中の、摺動質量体600を制御するリニアモータ500による平均の生じる反動力より、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、175、200、225、250、275、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1500および/または2000パーセント、大きい。実施形態では、このような比較のために、上記で挙げたパーセントのうちの任意の2つのパーセントの間の範囲が使用されてもよい。
図37は、機械的ストッパを使用する(1602)および機械的ストッパを使用しない(1602’)方法および装置により生じる摺動質量体のシミュレーションの加速度と比較する、実際の銃器の反動加速度1502のためにプロットされた加速度対時間の例示のダイアグラムである。力が質量×加速度に等しいという公式を使用して、この加速度ダイアグラムからの力が計算され得る。
図38は、機械的ストッパを使用(1606)するおよび機械的ストッパを使用しない(1606’)方法および装置により生じる摺動質量体のシミュレーションの速度と比較する、実際の銃器の反動速度1506のためにプロットされた速度対時間の例示のダイアグラムである。
一実施形態では、ストッパ800が、摺動質量体600と機械的ストッパ800との間の衝突の時点において反作用の力を急激に増大させることにより、摺動質量体600を制御するリニアモータ500から生じる反動力のダイアグラムを修正するのに採用され得る。機械的ストッパ800は、許容される移動長さ660の端部で、(つまり、リニアモータ500により可能となるよりもより迅速に摺動質量体600をゼロまで負方向に加速させるために)、シミュレーションの銃器ボディ20内部で採用され得る。このように迅速に停止させることにより、使用者5に対する反動効果が改善され、生じる反作用の力が増大する。一実施形態では、機械的ストッパ800に衝突する摺動質量体600により生じる反作用の力が、エミュレートの発射シークエンス中に摺動質量体600を加速させるリニアモータ500により生じるいかなる力よりも大きくてよい。
実施形態では、エミュレートの発射シークエンス中、摺動質量体600を加速させるリニアモータ500により生じる最大反作用の力が、機械的ストッパ800と衝突する摺動質量体600により生じる反作用の力のわずか50%である。種々の実施形態で、摺動質量体600を加速させるリニアモータ500による生じる最大反作用の力が、機械的ストッパ800と衝突する摺動質量体600により生じる反作用の力の、わずか、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99および/または100パーセントである。他の実施形態では、摺動質量体600を加速させるリニアモータ500により生じる最大反作用の力が、摺動質量体600を制御するリニアモータ500による生じる最大反作用の力の、上記に挙げたパーセントのうちの任意の2つのパーセントの間の範囲内にあってもよい。
種々の実施形態で、実際の反動の力積、および/または、摺動質量体600を制御するリニアモータ500により生じる反動の力積は、互いに対して、約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95および/または100パーセントの範囲にある。種々の実施形態で、上記に挙げたパーセントのうちの任意の2つのパーセントの間の範囲が使用されてもよい。
種々の実施形態で、摺動質量体600を制御するリニアモータ500によるエミュレートの発射サイクルの総時間が約200ミリ秒未満であってよい。実施形態では、エミュレートの発射サイクルの最大時間が、約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90,95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190および/または200ミリ秒未満であってよい。実施形態では、最大時間が、上記で挙げた時間のうちの任意の2つの時間の間であってもよい。
銃器の力対時間のプロットのエミュレート
一実施形態では、実際の銃弾を用いて実際の銃器が試験され得、経時的な実際の反動力がプロットされ得る。この実施形態では、リニアモータ500および磁気質量体/シャフト600の移動(例えば、加速度、速度および位置)が、試験から得られた実際の力対時間のダイアグラムをエミュレートするようにプログラムされ得る。別の実施形態では、エミュレートの力対時間が、プロットの1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45および/または50パーセントの範囲内にあってよい。実施形態では、変動が、上記で挙げた値のうちの任意の2つの値の間の範囲内にあってもよい。使用者が、反動力に関して、非常に短時間のインターバルで経時的な力の変化を知覚することが困難であるが、銃器内の反動力の全体の力積は効果的に感じることができる、と考えられることを理由として、全体の力積(力対時間のダイアグラムの下の面積の全体または合計)が比較的短時間のシークエンスに対してエミュレートされ得る。
リニアモータの磁界の強度の変化
一実施形態では、磁界を発生させる特定のコイルを磁気質量体/シャフト600内の磁石が通過するおよび/またはそれに接触するときにリニアモータ500の複数のコイル520により発生させる磁界の強度が、初期値から増大させられ得る。別の実施形態では、磁界の強度が、初期値の1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45および/または50パーセントで変化させられ得る。実施形態では、変動が、上記で挙げたパーセントのうちの任意の2つのパーセントの間の範囲内にあってもよい。
摺動質量体の動的特性を直接に/間接的に測定するための、および、センサ入力に基づいて摺動質量体の動的特性をリニアモータにより制御するための、センサの使用
一実施形態では、磁気質量体/シャフト600の加速度対時間、速度対時間および/または位置対時間が直接におよび/または間接的に測定され得(センサ550および/または552などにより)、リニアモータ500が、摺動質量体600の所定の値の加速度対時間、速度対時間および/または位置対時間を達成するように、複数のコイル520によって発生させる磁界の強度を変化させることができる/設定することができる。別の実施形態では、所定の値のエミュレートの加速度対時間、速度対時間および/または位置対時間が、実際の銃器の試験から得られる力対時間のダイアグラムをエミュレートすること(または、力積をエミュレートすること)に基づいてよい。実施形態では、エミュレートのダイアグラムが、プロットの1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45および/または50パーセントの範囲内にあってよい。別の実施形態では、変動が、上記で挙げた値のうちの任意の2つの値の間の範囲内にあってもよい。
シミュレートされる銃器のための異なるバリエーションでプログラムするための選択肢
種々の実施形態で、システム10の使用者が、システム10によってその反動がシミュレートされることになる銃器の種類の変化に関する、システム10を使用することにおける以下の選択肢のうちの1つまたは複数を提供され得る。
(a)特定の種類の銃弾を用いてシミュレートされる実際の種類の銃器内の銃弾の異なるサイズ/口径/種類
(b)特定の種類の銃弾を用いてシミュレートされる実際の種類の銃器に対するマズルサプレッサの追加/取り外し
(c)特定の種類の銃弾を用いてシミュレートされる実際の種類の銃器のためのボルトばねの異なるサイズ/種類
上記の選択肢の各々で、システム10が、選択される選択肢を用いない場合の銃器の種類のためのシミュレーションとは異なるがそのような選択肢を有する銃器の反動を近似する反動力対時間のダイアグラムを生成するように(または、力積を生じさせるように)リニアモータ500に摺動質量体600を制御させることができる。
異なる種類の銃器を良好にシミュレートすることの選択肢を使用者に提供するための、異なる銃器モデルのアタッチメントを用いての同じコアシミュレーションシステムの使用
本開示の実施形態は、本明細書で説明される同じコアシミュレーション(core simulation)システムを有するが異なる銃器をシミュレートするために異なる銃器アタッチメントを有する方法および装置を提供する。ここでは、同じ制御装置50および取り付けられるリニアモータ500を使用するが、異なる銃器アタッチメントを有する(例えば、AR-15のライフルユニットアタッチメントおよびGlockのピストルユニットアタッチメント)。リニアモータ500を変更することなく、リニアモータ500に摺動可能に接続される磁気摺動質量体/シャフト600も変更され得る。
種々の実施形態で、シミュレータ10が、複数の異なる種類の銃器からの反動パターンをシミュレートするための複数の異なるボディアタッチメント20、20’、20’’などを有することができ、これらの複数のボディアタッチメントの各々が交換可能にリニタモータ500に動作可能に接続され得る。実施形態では、複数のボディアタッチメント20、20’、20’’などの各々が、その特定のボディアタッチメントが示すことになる、特定の種類の銃器のための反動パターンをシミュレートすることを目的として摺動質量体600の運動力学的移動をシミュレートする複数の所定のセットの反動のうちの1つを選択することにおいて、制御装置50に情報を与える一意的識別子を有することができる。リニアモータに動作可能に接続され得る特定のボディアタッチメント20、20’、20’’などの一意的識別子に基づいて、制御装置50が、摺動質量体600のための一連の所定の移動を作るために、および、特定の接続されるボディアタッチメントが示すことになる、特定の種類の銃器のための反動をエミュレートするために、摺動質量体600を制御することにおいて、リニアモータ500を制御するために複数の所定のセットの運動力学的移動のうちの1つを選択することができる。実施形態では、個別の識別子がマイクロコントローラであってよく、ボディアタッチメント20がリニアモータ500に接続されるときに、このマイクロコントローラがマイクロコントローラ50(図10に示される)と通信し、その反動をシミュレートされることになる特定の種類の銃器を特定する。一実施形態では、複数の交換可能な異なる種類のボディアタッチメント20、20’、20’’などが、複数の異なる種類のライフルを含む。実施形態では、複数の交換可能な異なる種類のボディアタッチメント20、20’、20’’などが、複数の異なる種類のショットガンを含む。一実施形態では、複数の交換可能な異なる種類のボディアタッチメント20、20’、20’’などが、少なくとも1つのライフルボディタイプ、および、少なくとも1つのショットガンボディタイプ、ならびに/あるいは、少なくとも1つのピストルボディタイプを含む。実施形態では、複数の交換可能な異なる種類のボディアタッチメント20、20’、20’’などが、複数の異なる種類のライフル、ならびに、異なる種類のショットガンおよび/またはピストルを含む。
種々の実施形態で、方法および装置10の構成要素のうちの1つまたは複数の構成要素のために無線/通信が実現され得、これは、ボディアタッチメント20および/またはリニアモータ500が制御装置50に配線で接続されないが、これらの構成要素が、互いの間で無線通信するように、さらには、リニアモータ500および/または制御装置50ならびに/あるいは他の構成要素に電力供給するのに使用される1つまたは複数のバッテリ電源と無線通信するように、セットアップされる場合などに行われる。一実施形態では、リニアモータのためのバッテリ電源がボディ20内に含まれ得る(バッテリが、ボディ20内に挿入される挿弾子をシミュレートする場合、など)。
ハンドガン(Handgun)
実施形態で、リニアモータシステム500を使用してシミュレーションのハンドガンをチャージまたは「コッキング」するための方法および装置が提供され得、ここでは、リニアモータ500がスライダ900のコッキングの経路内にある。
一実施形態では、機械的掛け金680およびばね950を有する、リニアモータ500を備えるハンドガン10が提供され得る。実施形態では、ばね950が、シミュレートされるハンドガンのスライダ900をチャージまたは「コッキング」するのに必要な力をエミュレートするばね定数を有する。他の実施形態では、ばね950が、シミュレートされるハンドガンのスライダ900をチャージまたは「コッキング」するのに必要な仕事エネルギーと実質的に等しい量の位置エネルギーを保存するばね定数を有する。
実施形態では、シミュレートされるハンドガンのスライダ900をチャージまたは「コッキング」するのに必要な力のばね定数をエミュレートするリニアモータ500を備えるハンドガン10が提供され得る。これは、リニアモータを単純なばねとして取り扱うことにより達成され得る。図61が、その元のロケーション(x)に戻ろうとするばねにより使用者に与えられる力Frestoreを示しており、これはフックの法則(F=-kx)によって説明され得る。xの変化つまり(Δx)が、使用者を引っ張るばねの力を決定し、通常、距離xが増加すると、材料変形に達するまでFrestoreが増大する。
ばねをチャージすることのリニアモータによるこのエミュレートは、単一のばね定数kを用いてモータのスライダの線形位置に跨ってその抵抗力を変化させるという形で、実際のハンドガンで使用される従来のばねに従ってよい。つまり、モータが、武器のスライダ900をチャージまたは「コッキング」することに付随する通常のハンドガンのプラットフォームの線形移動時に受ける他の機械的抵抗をエミュレートすることを目的として複数のばね定数k1..2..3…をエミュレートすることができる。例えば、モータのスライダが位置Δxまで移動させられると、スライダの位置の変化に抵抗するためにモータで利用可能となる力を変化させることにより使用者にばね定数k1を適用することができる。次いで、モータスライダが位置2(Δx)まで移動させられると、使用者にばね定数k2を適用することができ、線形位置に跨ってFrestoreを変化させる。したがって、従来の武器のばねの力が線形位置に跨ってエミュレートされ得、ここでは、他の機械的な力も考慮に入れられる。
図39は、ハンドガンをシミュレートするシミュレーションの銃器10の別の実施形態の側面図である。図40は、図39に示される側の反対側から見た、シミュレーションのハンドガンシステム10の側面図である。図41は、シミュレーションのハンドガンシステム10の分解図である。
シミュレーションのハンドガンのサイズが小さいほど、方法および装置の要素を組み込むための空間を小さくすることができ、これらの要素には、限定しないが、リニアモータ500、摺動ロッド/質量体600、および、制御手段が含まれる。容積領域978が、リニアモータ500および電源60のための制御回路を有することができる(図1の実施形態に示される制御装置50の代わり)。例えば、図41を参照されたい。種々の実施形態で、容積領域978に加えて(または、その代わりに)、容積領域970および/または974が制御回路を収容するのに使用され得る。この形態はシミュレーションの銃器ボディ20内に制御システム全体を収容するのを可能にすることができ、それによりシミュレータにコンパクトであるという特性を与える。
制御回路が、リニアモータ500、チャージングスライダ900、および/または、トリガ170に動作可能に接続され得る。制御回路は、反動を生じさせるようリニアモータ500を動作させるためにスライダ900をチャージ(コッキング)することまたはトリガ170を引くことなどの使用者の要求アクションに、あるいは、シミュレートされる武器に特有の何らかの他の要求に、応答することができる。制御回路はまた、電流制御ループまたは位置感知ホール効果センサなどの、摺動ロッド/質量体600のためのリニアモータ500上のセンサからの入射信号を監視することができる。種々の実施形態で、センサが摺動ロッド/質量体600の過渡的な長手方向位置を示すことができ、制御回路が、シミュレートされる発射する銃器の特定の反動をエミュレートするために所定の波形に摺動ロッド/質量体600を動的に従わせるようにリニアモータ500を動作可能に制御することができる。種々の実施形態で、制御装置が、受信するセンサデータに基づいて、リニアモータ500のための摺動ロッド/質量体600の動的な移動を訂正することができる。実施形態では、制御装置が、使用者5によって入力されるパラメータに基づいてプログラムされ得る。
容積領域970および974が、バッテリ60からの要求電圧まで電圧を上げるのに使用され得(DC-DCコンバータ)、また、摺動ロッド/質量体600のモーション制御のためにリニアモータ500に電力波形を入れるのに使用され得る。容積領域970および974を、ハンドガンシステム10の頂部の、リニアモータ500の周りで維持することにより、スライダ900の移動からの対流が(これが、チャージによるものである場合でも、または、摺動ロッド/質量体600を移動させるリニアモータ500によって誘発される移動によるものである場合でも)、反動作用およびこの反動作用を支持するリニアモータ500の電子機器からの廃熱除去を補助するのに利用され得る。種々の実施形態で、反動シミュレーションのためにリニアモータ500で適切な駆動電力が利用可能となるように、さらには、使用者により各トリガが引かれるかまたはシミュレーションの武器がチャージされた後でリニアモータ500から廃熱を除去する適切な空間および適切な熱伝達の材料/手法が利用可能となるように、容積領域のすべての位置は特有のものとなる。加えて、シミュレーションのハンドガンをチャージまたは「コッキング」するときに摺動質量体600がハンドガンスライダ900と完全に同時に移動する場合、使用者5によるチャージまたは「コッキング」から入力されるエネルギーが、リニアモータを介して電流を発生させるのに使用され得、この電流が、貯蔵のために、本明細書で説明されるシミュレーションのマガジンのスーパーキャパシタへと戻る。さらに、本明細書で説明されるシステムは、ハイブリッド自動車またはハイブリッド機関車で使用されるような回生制動に例えられてもよい。このデバイスは、ワイヤのコイルと、コイル内で電流を発生させるようにコイルを通過する磁石とを有することができ、電流が、バッテリ、コンデンサなどの、任意の従来の電気貯蔵デバイス内で保存され得る。
図62が計器を示しており、ここには、コンデンサまたは他の電力貯蔵デバイスが結合され得る。能動システムの場合、エネルギーを適切に保存するために、コイルが駆動電子機器に結合されたりそこから切り離されたりする必要がある。これは、従来のスイッチ、および、トランジスタ(MOSFET)のような切り換え構成要素を用いて行われ得る。駆動電子機器は、初期設定では、反動効果および触覚効果を発生させるためにコイルに結合されてよい。さらに、使用者5が反動を発生させるようにはリニアモータを使用していないが、シミュレーションの銃器または周辺装置のチャージ(装填)または「コッキング」のプロセスでは使用している間、駆動電子機器はコイルから切り離され、スイッチ、または、使用者5のアクションを感知するセンサを介して、電力貯蔵デバイスに結合され、それによりシミュレーションのデバイスを装填する準備を整える。例えば、使用者5はシミュレーションの銃器のスライダ900を掴んで、リニアモータのコイルを電力貯蔵デバイスに結合するスイッチまたはセンサを押し下げ、シミュレーションの武器をチャージまたは装填し、リニアモータのコイルを通るようにリニアモータ500の磁石を移動させることにより電気を発生させる。この電気は直接に電力貯蔵デバイス内で保存されるか、または、電力貯蔵デバイス内で適切に保存されるようにパラメータ(電圧)を修正するために追加の電子機器に流されてもよい。次いで、使用者5がスライダ900から手を放してよく、スイッチまたはセンサがリニアモータのコイルを駆動電子機器に再び結合することができる。
制御ループの実装形態の場合、リニアモータ500が、比例・積分・微分(PID:proportional-integral-derivative)、線形二次レギュレータ(LQR:linear-quadratic regulator)、線形象限ガウシアン(LQG:linear-quadratic-Gaussian)、または、他の任意の適切な制御ループ手法を介して、リニアモータの制御装置から制御され得る。一実施形態では、リニアモータ500がPID制御装置を介して制御され得、実質的に、反動/衝撃効果を生じさせるようにプログラムされたPIDの実装形態を有する。別の実施形態では、リニアモータ500がLQR制御装置を介して制御され得、実質的に、反動/衝撃効果を生じさせるようにプログラムされたLQRの実装形態を有する。他の実施形態では、リニアモータ500がLQG制御装置を介して制御され得、実質的に、反動/衝撃効果を生じさせるようにプログラムされたLQGの実装形態を有する。
実施形態で、リニアモータ500の移動が、反動/衝撃効果を生じさせるために、PID制御装置を使用してより効率的となり得る。一実施形態では、リニアモータ500の移動が、反動/衝撃効果を生じさせるために、LQR制御装置を使用してより効率的となり得る。リニアモータ500の移動が、反動/衝撃効果を生じさせるために、LQG制御装置を使用してより効率的となり得る。
リニアモータ500が、反動/衝撃効果を生じさせるために、および、上で考察したように使用者5の入力から行われる回生チャージ(regenerative charging)のために、PID制御装置を使用してより効率的となり得る。別の実施形態では、リニアモータ500が、反動/衝撃効果を生じさせるために、および、上で考察したように使用者5の入力から行われる回生チャージのために、LQR制御装置を使用してより効率的となり得る。別の実施形態では、リニアモータ500が、反動/衝撃効果を生じさせるために、および、上で考察したように使用者5の入力から行われる回生チャージのために、LQG制御装置を使用してより効率的となり得る。
概して、ハンドガンシステム10が、ハンドガンボディ20と、摺動ロッドまたは質量体600を動作可能に制御するリニアモータ500であって、シミュレーションの銃器ボディ20に取り付けられる、リニアモータ500と、リニアモータ500に動作可能に接続される制御装置50と、制御装置50に電力供給する電源60とを有することができる。この実施形態では、ハンドガンシステム10が、第1の端部910および第2の端部920を有するコッキングスライダ900を有することができる。
図42は、ハンドガンシステム10の上側レシーバ120の側面図である。図43が、シミュレーションサイクルの開始前の、スライダ900のコッキングする準備が整った、上側レシーバ120の内部構成要素を示す。
上側レシーバ120が、スライダ900と、リニアモータ500と、摺動質量体600と、ばね950とを有することができる。他の実施形態と同様に、リニアモータ500が摺動質量体600に動作可能に接続され、ハンドガンの発射からの反動をシミュレートすることを目的として摺動質量体600から所定の運動力学的出力を得るように摺動質量体600の運動力学的移動を動的に制御する。
スライダ900がリニアモータ500に摺動可能に接続され得る。摺動質量体600がばね950を介してスライダ900に弾性的に接続され得る。スライダ900が第1の端部910および第2の端部920を有することができる。摺動質量体/ロッド600が第1の端部610および第2の端部620を有することができる。ばね950が第1の端部954および第2の端部958を有することができる。
図44が、シミュレーションのハンドガンをコッキングするために後方に引かれる(矢印904の方向)スライダ900を概略的に示す。図45が、シミュレーションのハンドガンのための発射前のシミュレーション位置に戻るスライダ900を概略的に示す。発射サイクル前、留め金680が、長手方向の中心線508に沿った摺動質量体/ロッド600の長手方向の移動に抵抗するが、これは、留め金680が第2の端部に接触することによるものである。
シミュレーションのハンドガンのチャージ動作中、使用者5がシミュレーションのハンドガンのスライダ900を後方に引くと、トリガピンまたは掛け金680がリニアモータの摺動ロッド/質量体600の長手方向後方への移動に抵抗する。スライダ900を後方に引くとき、リニアモータの摺動ロッド/質量体600の長手方向後方への移動を阻止するトリガピンまたは掛け金680が、シミュレーションのハンドガンのチャージ動作中にリニアモータの摺動ロッド/質量体600の後方への移動に抵抗するための、リニアモータ500への電力供給のいかなる必要性も排除する。摺動質量体/ロッド600が長手方向において定位置で保持される状態で、ハンドガンのコッキングをシミュレートするためにスライダ900が後方に引かれ得る(矢印904により概略的に示される)。矢印904の方向へのスライダ900の移動により、スライダ900のショルダ914がリニアモータ500の第1の端部501などのストッパに接触するようになるまで、摺動質量体/ロッド600の第2の端部620およびスライダの第2の端部920の両方に取り付けられたばね950を拡張させることができる。使用者5がスライダ900を解放することができ、拡張したばね950がスライダ900を矢印906の方向の前方に移動させるようになる。
シミュレーションのハンドガンのチャージ動作中、使用者5がシミュレーションのハンドガンのスライダ900を解放すると、ばね950が、スライダ900を図45に示される位置に戻すまでスライダ900を前方に引くことができる。このコッキングの手順の間、留め金680が、摺動質量体/ロッド600が長手方向において矢印904の方向に移動するのを防止する。リニアモータ500の摺動質量体/ロッド600およびシミュレーションのハンドガンのスライダ900の両方に接続されるばね950は、実際のハンドガンをチャージ/コッキングしている使用者5がハンドガンのスライダを引くことによりハンドガンをチャージするときに感じるような抵抗の大きさをシミュレートするようなばね定数を有することができる。
トリガ170を引くことにより、トリガピンまたは掛け金の機構680がリニアモータの摺動ロッド/質量体600を解放し、リニアモータ500に電力供給することができる。電力供給されたリニアモータ500がシミュレーションサイクルに入ることができ、ここでは、実際のハンドガンの使用者が実際のハンドガンを発射するときに感じることになる反動力をシミュレートするために、摺動ロッド/質量体600の線形の動的な移動がリニアモータ500によって制御される。図46が、スライダ900のショルダ914が機械的ストッパに衝突するようになるまで(この事例では、ショルダ914がリニアモータ500の第1の端部501に接触するようになるまで)、ハンドガンの反動をエミュレートするために摺動質量体/ロッド600を後方(矢印992により概略的に示される)に移動させるリニアモータ500を概略的に示す。このシミュレーションサイクルは、トリガ170が矢印990の方向に引かれることにより、開始され得、それにより、シミュレーションサイクルに入るようにリニアモータ500を制御するために制御装置60を起動させることと、留め金680を矢印991の方向に移動させて摺動質量体/ロッド600を解放させることと、の両方が行われる。本出願の他の実施形態で説明されるようなものなどの、他の形態の機械的ストッパも想定され得、これは例えば、第1の端部501ではなく、シミュレーションのハンドガン上のストッパショルダに接触する第1の端部610などである。矢印992の方向への移動中、摺動質量体/ロッド600の第2の端部620がばね950の第1の端部954を押すことにより、ばね950が完全に圧縮され、また、ばね950の第2の端部958がスライダ900の第2の端部920を押すことができる。したがって、摺動質量体600の矢印992の方向への初期のストローク中、リニアモータ500により制御可能に運動力学的に移動させられる有効質量/実際の質量が、ばね950およびスライダ900と共に、摺動質量体/ロッド600の組み合わせの質量となる。他の実施形態で説明されるように、機械的ストッパに衝突することにより、反動をシミュレートすることにおいて使用者に伝達される衝撃エネルギーを増大させることができ、また、リニアモータ500を、図45に示されるシミュレーションのハンドガンの発射前のシミュレーションの位置まで摺動質量体/ロッド600を戻すためのモードにすることができる。矢印994は、スライダ900が機械的ストッパに衝突した後の時点で、図45に示されるシミュレーションのハンドガンの発射前のシミュレーションの位置に摺動質量体/ロッド600が到達するまで、リニアモータ500により摺動質量体/ロッド600が前方方向(矢印994により概略的に示される)に制御可能に移動させられることを概略的に示している。この逆方向のストローク中(矢印994の方向)、摺動質量体/ロッド600の第2の端部620がばね950の第1の端部954を引くことができ、ばね950がそのばね定数に基づいてある程度延伸した状態となり、ばね950の第2の端部958がスライダ900の第2の端部920を引くことになる。したがって、摺動質量体600の矢印994の方向のリターンストローク中、リニアモータ500により制御可能に運動力学的に移動させられる有効質量/実際の質量が、ばね950およびスライダ900と共に、摺動質量体/ロッド600の組み合わせの質量となり得る(スライダ900の質量と比較してばね950のばね定数が比較的大きいと仮定する)。
リニアモータ500の運動力学的な制御が、ハンドガンのための種々の仮想の反動力対時間をエミュレートするために、リニアモータ500が移動させることになる質量体を運動力学的に制御する(例えば、加速度、速度および/または位置)ようにプログラムされ得、その力対時間のダイアグラムは、複数のシミュレーションポイントデータのセットに実質的に適合することを含むライフルのダイアグラムとは有意に異なってよい。
図47が、マガジンを模している取り外し可能な電源60を備えるシミュレーションのハンドガンシステム10を示す。図48が電源60の側面図を示す。電源60が第1の端部61および第2の端部62を有することができ、電気接点64、65を備える。一実施形態では、電源を備えるシミュレーションの挿弾子60が、シミュレートされる銃のマガジンと同じ外観および雰囲気を有することができる(電力接点以外)。接点64、65は従来どおり利用可能である任意の接点であってよく、武器のシミュレータボディの内部に収容される電子機器に繰り返し可能に確実に接続されるようにするためにばね荷重式であってよい。
一実施形態では、リニアモータ500は、反動シミュレーションサイクルの間において電力を切断されてもよいが、各シミュレーションサイクルの開始前に摺動質量体/ロッド600の定位置であるシミュレーション位置を維持することができる。リニアモータ500の電力を切断することにより全体の電力消費が低減される。その理由は、シミュレーションサイクルの間においては、リニアモータ500が摺動ロッド/質量体600の定位置またはシミュレーション前の位置を維持するために電力を消費することがないからである。また、シミュレーションサイクル間においてリニアモータ500の電力を遮断することにより、方法および装置に対しての電源60の充電を促進することができる。
無線電力の方法
例えば、ゲームコントローラ、ショックスティック、ハンドガンベースのシミュレータなどのより小さいシミュレーションデバイスでは空間が制約されることから、本開示の実施形態が、リチウム-イオンの化学反応(chemistry)などの従来のバッテリに対しての代替手段を有することができる。これらの代替手段は、武器訓練プログラムで使用される場合であってもまたはゲーム周辺装置で使用される場合であっても、本明細書で考察されるシミュレータの全範囲に適用され得る。
本開示の一般消費者向け用途または軍事用途のいずれでも、電源デバイス/電力利用可能性が重要である。本開示の実施形態は、本明細書で説明されるリニアモータシステムおよび/または制御装置を駆動する電源を有することができる。一実施形態が、シミュレータのためのバッテリパックの手法としてスーパーキャパシタ(ウルトラコンデンサ)を有することができる。
図63が、図47および48に関して本明細書で説明されているものを短くしたシミュレーションのハンドガンマガジンを示す。電力供給のためにエミュレートのハンドガンマガジンをシミュレーションの武器に接続するのに使用される電極が図示されないが、これらの電極は、一般に、図48と同じ場所に位置してよいかまたはマガジンの両側に位置してもよい。マガジンが、リニアモータシステムに電力供給するための実現性のある電圧源および電流源を作るために、直列にまたは並列に電気接続されるかあるいは直列のおよび並列の複数の形態となるように電気接続される多数のスーパーキャパシタを収容することができる。上記のシミュレーションのハンドガンマガジンは、それらのクリップまたはマガジンの適切なシミュレーションのために異なる種類の武器シミュレータと結合するような他のサイズおよび形状の形態をとることもでき、やはりこれらも、本明細書で説明される形態の多数のスーパーキャパシタを含むことができる。
図64が図63と同じシミュレーションのハンドガンマガジンを示しており、ここでは、外側ハウジングが透明にされており、スーパーキャパシタが可視となっている。簡潔さのために平衡回路およびワイヤが省かれているが、これらは示される利用可能な空間内に含まれるとみなされるべきである。これらの回路が、充電端子に取り付けられるときのコンデンサの充電を調整し、適切な動作のためにコンデンサ間の電圧を平衡させる。複数の他のファクタと併せて使用されることを理由として、この用途でスーパーキャパシタを使用することは重要である。本明細書で説明される各反動サイクルの後でリニアモータ500のための制御装置システムがモータを停止し、それにより、最小数の無線構成要素および論理構成要素にのみ電力供給するようにしながら大幅な電力削減を可能にする。また、電力の削減に伴い、各シミュレーションのマガジンで可能となる射撃回数が考慮され得る。上記のマガジンでは、30回の反動サイクルのための、および、10時間またはそれ以上で無線構成要素または論理構成要素を動作させるための、十分な電力が利用可能である。これを考慮する場合、充電時間が重要なファクタとなる。しかし、コンデンサベースのテクノロジの場合の充電時間は、リチウム-イオン・バッテリのテクノロジよりも桁違いに高速である。これはコンデンサの性質に関連する。したがって、スーパーキャパシタを使用する通常のシミュレーションのマガジンの場合、秒単位での充電時間が実現され得、対して、バッテリの充電に何分もまたは何時間もかかることが回避され、機能制限のない全体のシステムの正確なシミュレーションが達成される。
図65は、武器プラットフォームのためのチャージ/装填機構の等角図である。本開示の実施形態が、武器プラットフォームのためのチャージ/装填機構をエミュレートするための方法を提供する。本開示の実施形態によると、武器シミュレーションで採用されるリニアモータが、通常、67Nから700Nの力を加えることができる。チャージングスプリングをエミュレートするために、チャージングハンドルがリニアモータスライダに機械的に接続され得、使用後にリニアモータスライダから離され得る。チャージングハンドルの使用中、スイッチまたはセンサが、その最大の力の定数またはスライダの移動の変化に抵抗するために加えられ得る最大の力を低減するために、リニアモータへの電力を低減するようにリニアモータ制御装置に命令を出す。図66を参照されたい。示されるように、モータが線形経路に沿って位置を維持する(発射しない場合)。使用者5が、モータへの電力を低減するようにモータ制御装置に信号を送るために、チャージングハンドルを掴むことができる(ボタンまたはセンサを介して信号を送る)。使用者5がハンドルを引くことができ、モータが力Fにより位置の変化に抵抗することができるが、リニアモータ制御装置からの利用可能な電力の低下を理由として、これができなくてもよい(つまり、モータの位置の時間的ずれ(position lag))。図67および68を参照されたい。モータの出力の低下が通常のコッキング機構内でのばねをエミュレートすることができ、使用者5がハンドルを解放することによりチャージサイクルを完了することができる。出力が低下することを受けて、モータがその初期位置に戻ることができる(依然としてばねをエミュレートする)。初期の線形的開始位置に到達して使用者がチャージングハンドルのボタン/センサを起動しなくなると、モータが全出力に戻ることができ、反動をエミュレートする準備が整った状態となり得る。
図61に示されるように、リニアモータが単純なばねとして取り扱われ得る。Frestoreはその元のロケーション(x)に戻ろうとするばねにより使用者に与えられる力であり、これはフックの法則(F=-kx)によって説明され得る。xの変化つまり(Δx)が、使用者を引っ張るばねの力を決定し、通常、距離xが増加すると、材料変形に達するまでFrestoreが増大する。
リニアモータによるチャージングスプリングのこのエミュレートは、単一のばね定数kを用いてモータのスライダの線形位置に跨ってその抵抗力を変化させるという形で、エミュレートされる重火器シミュレータで使用される従来のばねに従ってよい。つまり、モータが、チャージングハンドルに付随する通常の重火器プラットフォームの線形移動時に受ける他の機械的抵抗をエミュレートすることを目的として複数のばね定数k1..2..3…をエミュレートすることができる。例えば、モータのスライダが位置Δxまで移動させられると、スライダの位置の変化に抵抗するためにモータで利用可能となる力を変化させることにより使用者にばね定数k1を適用することができる。次いで、モータが位置2(Δx)まで移動させられると、使用者にばね定数k2を適用することができ、線形位置に跨ってFrestoreを変化させる。したがって、従来の重火器のばねが線形位置に跨ってエミュレートされ得、ここでは、他の機械的な力も考慮に入れられる。
ばね定数k1..2..3…の値は、Δxを介して力測定ツールを用いて従来のばねの力の定数を試験することにより、または、ばねの製造業者の仕様書により、得られ得る。
本明細書で説明される本開示の実施形態は、ハンドガン、ライフル、ショットガンなどでの、さらには、本明細書で説明される重火器の例での、チャージングハンドル/チャージ機構に適用され得る。
図51が、システム10の方法および装置の一実施形態を概略的に示す。システム10は「ゲーム」の一部であってよいかまたは「ゲーム」を含むものであってよい。ゲームが、Unityの開発環境/プラットフォームまたはUnreal Engine(登録商標)の開発環境/プラットフォーム、あるいは、同様の開発環境を利用することができる。Unityの開発プラットフォームは、マルチプラットフォームの3Dゲームおよび2Dゲームならびにインタラクティブ体験を作るための柔軟性のある強力な開発エンジンである。Unityの開発プラットフォーム、および、Unreal Engine(登録商標)のプラットフォームなどの他のプラットフォームは、没入的なシミュレーション環境およびゲーム環境を作るのに、幅広い産業で使用されている。例示の実施形態では、Unityプラグイン/ゲーム、Dynamic Link Library(DLL)、および/または、他のプラグイン/ゲームが、図51に描かれる「ゲーム」のブロックと、リニアモータ500のブロックとの間の、直列バス、CANバス、および/または、他の通信バス/プロトコルを通して、制御装置50を介してリニアモータ500にインターフェース接続され得る。これは、ダイアグラムの「ゲーム」部分を、本明細書で説明されるように使用者5からの信号を解釈し、それらの信号をプラグイン内に供給し、その結果、ゲーム条件/シミュレーション条件によって指定される形で、リニアモータ500が任意に移動させられ得るように、考慮している。ゲーム環境と使用者5との間のこの相互作用の実施例が図82を参照して説明され得る。示されるように、使用者5が椅子であるゲーム周辺装置/シミュレーション周辺装置を介して着座し、さらに、使用者5が、ショックスティックが取り付けられたVR周辺装置を保持する。通信インターフェースが、VR周辺装置(リニアモータ500を含む)とシミュレーション/ゲーム環境または図51の「ゲーム」ブロックとの間に確立され得る。VR周辺装置が本明細書で説明されるように位置追跡装置を介して自由空間内でのその位置を報告することができることから、図51の「ゲーム」部分が自由空間内でのVR周辺装置のロケーションを捕捉することができる。図82に示されるように使用者5がVR周辺装置を保持する間、図51の「ゲーム部分」が、この形態を、通常のハンドガンまたはライフルとしてVR周辺装置がセットアップされているものと、解釈することができる。したがって、図51の「ゲーム」部分が、トリガが押し下げられるときに通常の発射シークエンスをエミュレートするように、プラグインを介してリニアモータ500に指示を出すことができる。また、使用者5が図82に示される位置に対して垂直となるようにVR周囲ボディを保持する場合、図51の「ゲーム」部分が、この位置の変化を、VR周辺装置がチェーンソーであるとみなされるべきでる、という意味で解釈することができる。したがって、図51の「ゲーム」部分が、通常のチェーンソーの効果をエミュレートするように、プラグインを介してリニアモータ500に指示を出すことができ、ここでは、リニアモータ500が一定の前後の動きでスライダ600を移動させ、VR周辺装置のトリガの押し下げ時にこのモーションの振動数を上げる。
一実施形態では、ゲーム環境またはシミュレーション環境からリニアモータ500を制御するのにプラグインが使用され得る。
一実施形態では、プラグインが、特定のモータの移動の開発を単純化するためのグラフィカルユーザインターフェースを有することができる。
実施形態では、グラフィカルユーザインターフェースが、リニアモータ500のための、移動対時間、加速度対時間、速度対時間、および/または、組み合わせのグラフを示すことができる。
別の実施形態では、グラフィカルユーザインターフェースが本明細書で説明されるグラフを示すことができ、リニアモータ500のための任意の移動をプログラムするためにそのグラフを開発者が任意に操作するのを可能にすることができる。
別の実施形態では、プラグインが、通常のリニアモータの効果を異なる事象に容易に割り当てるのを可能にするためのドロップダウンメニューを有することができる。
追加の実施形態では、プラグインからの実質的にすべての機能および通信プロトコルを再び作ってより大きい各プログラムに一体化するのを必要とすることなく、開発時間を短縮するのを促進するために、プラグインが、より大きいプログラム(ゲーム/シミュレーション)によって呼び出され得る。
実施形態では、プラグインが、無線インターフェースを通して、本明細書で説明される図51の「ゲーム」部分および「リニアモータ」部分と通信することができる。
一実施形態では、プラグインがリニアモータ500から温度データおよび電力使用データを受信することができる。
別の実施形態では、プラグインが、本明細書で説明されるように、失敗することのないように(スライダ600が一定の距離を越えて(out of distance)進むこと、電力を過剰に使用すること、など)、モータ500のための最大の移動を計算するのに、温度データおよび電力使用データを使用することができる。
杖の実施形態
図49から51が、ゲーム用品である杖2000の中にリニアモータ500を組み込むための一実施形態を示す。図49が、リニアモータ500が取り外された状態の、シミュレーションの魔法の杖2000の一実施形態を示す。図50が、ゲームの杖2000を備える使用者5を示す。
杖2000が、第1の端部2010と、第2の端部2020とを有することができ、また、重心2060を有する長手方向の中心線2050を有することができる。長手方向の中心線508を有するリニアモータ500が摺動質量体/ロッド600を有することができ、杖2000の内部に組み込まれ得る。杖2000の中にリニアモータ500を組み込むことは、中心線508が中心線2050と一致してそれにより摺動質量体/ロッド600が中心線2050に沿って摺動移動するようになるものであってよい。他の実施形態では、中心線508が、平行な状態となるようにまたは非平行な状態となるように、中心線2050から任意の角度で離間されてもよい。離間されかつ平行である場合、摺動質量体/ロッド600の摺動移動が中心線2050と平行であってよいが、それには沿わなくてよい。離間されかつ非平行である場合、摺動質量体/ロッド600の摺動移動が中心線2050に平行ではなくてよく、それに沿わなくてもよい。
種々の実施形態で、ゲームプレイ中、重心2060が杖2000の全長の少なくとも25パーセントのところに再配置され得る。実施形態では、重心2060が、杖2000の全長の少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85および90パーセントのところに再配置され得る。種々の実施形態で、重心2060が、杖2000の全長の上記で挙げたパーセントのうちの任意の2つのパーセントの間の範囲に沿って再配置され得る。
一実施形態では、リニアモータ500および摺動質量体/ロッド600が、仮想現実のゲームの没入感などの、特にはゲームユーザにとっての、ゲームの没入感のレベルを上げることができる。例えば、摺動質量体/ロッド600の制御される移動によって作られる、使用者に与えられる所定のリニアモータ500の効果を分析するのに、インゲームプレイ(in-game play)が使用され得る。
一実施形態では、これらの効果は、ゲームの目標が成功裏に達成されるのに近づいているかどうか(使用者が正確に呪文をかけているかまたは不正確に呪文をかけているか、など)と共に、使用者への通信の形態であってよい。例えば、ゲームプレイ中の使用者が、正確にゲームの呪文をかけるために杖2000を移動させることを試みることができる。このゲームの呪文は、所定のセットの一時的な/時間依存のモーションを介して杖が移動させられるのを必要とする場合がある。一実施形態では、使用者が第1のセットの所定の一時的なモーションを成功裏に実施すると、リニアモータ500が、第1のセットのモーションを介して摺動質量体/ロッド600を移動させることができ、それにより第1のセットの触覚的感覚(呪文が正確に実施されたことを使用者に示すための振動または一般的な動きなど)を使用者に送ることができる。実施形態では、使用者が第2のセットの所定の一時的なモーションを成功裏に実施すると、リニアモータ500が、第2のセットのモーションを介して摺動質量体/ロッド600を移動させることができ、それにより第2のセットの触覚的感覚(継続して呪文が正確に実施されたことを使用者に示すためのより強い振動またはより大きい一般的な動きなど)を使用者に送ることができる。その後、呪文が完了することで、大きい衝撃または振動などの第3のセットの触覚的感覚が与えられる。
実施形態では、使用者が第1のセットの所定の一時的なモーションを実施するのに失敗した場合、リニアモータ500が、修正された第1のセットのモーションを介して摺動質量体/ロッド600を移動させることができ、それにより修正された第1のセットの触覚的感覚(呪文が不正確に実施されたことを使用者に示すための弱い振動/完全な停止または弱い一般的な動き、あるいは、呪文が不正確にかけられたことを使用者に示すための完全な停止、など)を使用者に送ることができる。
実施形態では、本明細書で説明される方法および装置が、ゲームプレイ中に使用者のための触覚効果を生じさせるための以下のステップを含むことができる。
1)使用者が杖2000を移動させることにより呪文をかけるのを開始し、杖2000には加速度計およびジャイロスコープが挿入されている。
2)加速度計およびジャイロスコープが、杖2000の移動に関するそれらの収集された情報をゲーム10に送る。
3)ゲーム10が、予めプログラムされたデータから、リニアモータ500がどのように応答すべきかを解釈し、リニアモータ500を移動させるようにする。
4)使用者が、杖2000のボディまたはファサード内でリニアモータ500によって誘発される、振動、衝撃、および、重心2060の変化を受ける。
テニスラケット
図52が、複数のリニアモータ500および500’を備えるシミュレーションのテニスラケット3000の一実施形態を示す。図53が、ラケット部分が取り外された状態の、複数のリニアモータ500および500’を備えるシミュレーションのテニスラケット3000を示す。図54が、テニスラケットに衝突するテニスボールを概略的に示す。
ラケット3000が、ハンドグリップ3005と、第1の端部3010と、第2の端部3020とを有することができ、また、定位置である重心3060を有する長手方向の中心線3050を有することができる。
長手方向の中心線508を有するリニアモータ500が摺動質量体/ロッド600を有することができ、ラケット3000の内部に組み込まれ得る。長手方向の中心線508’を有するリニアモータ500’が摺動質量体/ロッド600’を有することができ、ラケット300の内部に組み込まれ得る。ラケット3000の中にリニアモータ500および500’を組み込むことは、中心線508および58’が中心線3050と一致してそれにより摺動質量体/ロッド600および600’が中心線3050に沿って摺動移動するようになるものであってよい。他の実施形態では、中心線508および/または508’が、平行な状態となるようにまたは非平行な状態となるように、中心線3050から任意の角度で離間されてもよい。離間されかつ平行である場合、摺動質量体/ロッド600および600’の摺動移動が中心線3050と平行であってよいが、それには沿わなくてよい。離間されかつ非平行である場合、摺動質量体/ロッド600および600’の摺動移動が中心線3050に平行ではなくてよく、それに沿わなくてもよい。
摺動質量体/ロッド600および600’の移動により、ハンドグリップのロケーション3005を基準として新しいロケーション3060’へとラケット3000の重心3060が移動することが可能となる。ハンドグリップのロケーション3005を基準として重心3060を移動させることにより、このラケットで、使用者用の異なるラケットをシミュレートすることが可能となる。種々の実施形態で、重心3060が長手方向軸3050上に位置してよい。他の実施形態では、重心3060が長手方向軸からずれて位置してもよい。実施形態では、重心3060がゲームプレイ中に位置変更され得る。ゲームプレイ中、重心3060がテニスラケット3000の全長の少なくとも25パーセントのところに再配置され得る。実施形態では、重心3060が、テニスラケット3000の全長の少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85および90パーセントのところに再配置され得る。重心3060が、テニスラケット3000の全長の上記で挙げたパーセントのうちの任意の2つのパーセントの間の範囲に沿って再配置されてもよい。
シミュレーションの物品を基準として離間したおよび/または非平行の/傾斜したロケーションに複数のリニアモータ(例えば、500および500’)を有することにより、シミュレーションの事象および種類の数を増加させることが可能となる。例えば、シミュレーションの物品のハウジング内で傾斜および離間された状態では、それぞれリニアモータ500および500’によりそれぞれ制御される複数の摺動質量体/ロッド600および600’の運動力学的移動が、力、角度、力積、振動、回転、トルク、さらには、他の種類の動的な移動をシミュレートすることができる。
図53では、中心線508が中心線3050に対して角度3200をなし、中心線508’が中心線3050に対して角度3200’をなし、中心線508が中心線508’に対して角度3300をなす。摺動質量体600および600’の独立した運動力学的制御と併せて、摺動質量体600および600’の異なる摺動角度および/または異なる摺動位置により、現実世界からの多くの異なる考えられる運動力学的活動を制御下でエミュレートすることが可能となる。
ベクトルタイプのシステム(すなわち、非スカラタイプ)の場合、デカルト座標が使用されると考えられる(しかし、極座標系が使用されてもよい)。
図54が現実世界のスポーツゲームをエミュレートするのに使用され得る実施形態を説明しており、ここでは、テニスボールがテニスラケットによって打ち返される。この図は、ハンドグリップのロケーション3005が座標系の原点であると仮定する。テニスラケット3000とテニスボールとの間のインパクトの点3080(デカルト座標のDx3081、Dy3082、Dz3083)で、テニスボールが、テニスラケット3000を基準とした速度ベクトル(デカルトの速度成分Vx、Vy、およびVzを有する)を有することができる。この相対速度ベクトルは、テニスボールおよびテニスラケット3000の両方の計算された速度ベクトルを考慮に入れることができる。一実施形態では、テニスラケット3000の速度がゼロであると仮定されてもよい。他の実施形態では、ラケット3000の速度が、ラケット3000のゲーム用品内のゲームセンサに基づいて計算され得る。
テニスボール(速度ベクトルと、質量bを有する)と、全体質量trおよび重心(ロケーション3060)を有するテニスラケット3000上のインパクトの点3080との間の仮想のインパクトに起因するハンドグリップ3005上の相対的な力(トルク、力、および、力積)が、運動、力およびエネルギーの標準的なニュートンの法則を使用して計算され得る。ハンドグリップのロケーション3005上のこの第1のインパクト(例えば、使用者が感じるはずであるもの)からのこれらの計算される相対的な力(トルク、力および力積)のうちの1つまたは複数の相対的な力が、摺動質量体/ロッド600および600’を制御するおよび/または独立して移動させるリニアモータ500および500’によってエミュレートされ得る。
種々の実施形態で、仮想の網3110がさらにモデル化され得、テニスボールとテニスラケット3000との間の仮想のインパクトに起因するハンドグリップ3005上の相対的な力(トルク、力および力積)の計算に使用され得る。この場合、網3100の弾性が、ガットの張り具合、網のサイズ、および、網の中心3160に対しての網上のインパクトの点3080の相対的なロケーションと共に、示され得る。
種々の実施形態で、ハンドグリップの点3005でエミュレートされる相対的なトルクが、摺動質量体/ロッド600および600’を制御するおよび/または独立して移動させるリニアモータ500および500’によって作られ得る。実施形態では、ハンドグリップの点3005でエミュレートされる相対的な力が、摺動質量体/ロッド600および600’を制御するおよび/または独立して移動させるリニアモータ500および500’によってエミュレートされ得る。他の実施形態では、ハンドグリップの点3005でエミュレートされる相対的な力積が、摺動質量体/ロッド600および600’を制御するおよび/または独立して移動させるリニアモータ500および500’によってエミュレートされ得る。
同様に、インパクトの第2の点3080’でのテニスボール(第2の速度ベクトルを有する)とテニスラケット3000との間の第2の仮想のインパクトに起因するハンドグリップ3005上の相対的な力(トルク、力および力積)が、運動および力の標準的な法則を使用して計算され得る。ハンドグリップのロケーション3005上のこの第2のインパクト(例えば、使用者が感じるはずであるもの)からのこれらの計算される相対的な力(トルク、力および力積)のうちの1つまたは複数の相対的な力が、摺動質量体/ロッド600および600’を制御するおよび/または独立して移動させるリニアモータ500および500’によってエミュレートされ得る。
同様に、インパクト(偶然に第1のインパクト3080と同じロケーションである)の第3の点3080’’でのテニスボール(第1および第2の速度ベクトルとは異なる第3の速度ベクトルを有する)とテニスラケット3000との間の第3の仮想のインパクトに起因するハンドグリップ3005上の相対的な力(トルク、力および力積)が、運動および力の標準的な法則を使用して計算され得る。ハンドグリップのロケーション3005上のこの第3のインパクト(例えば、使用者が感じるはずであるもの)からのこれらの計算される相対的な力(トルク、力および力積)のうちの1つまたは複数の相対的な力が、摺動質量体/ロッド600および600’を制御するおよび/または独立して移動させるリニアモータ500および500’によってエミュレートされ得る。
種々の実施形態で、テニスボールとラケット3000との間のインパクトによって生じるハンドグリップ3005上の相対的な力(トルク、力および力積)が、リニアモータ500および/または500’によってエミュレートされ得る。
実施形態では、この方法および装置が、テニスラケット3000から離れた後のインパクト後のテニスボールの速度ベクトルを実際に計算する。
1つまたは複数のリニアモータ500、500’、500’’などを使用する種々の選択肢を以下に記載する。
(1)一実施形態では、複数の異なる制御可能な重りユニット600、600’、600’’を独立して制御する複数のリニアモータ500、500’、500’’が提供され得る。
(2)実施形態では、ハウジングファサードユニットが提供され得、1つまたは複数のリニアモータ500、500’、500’’および制御可能な重りユニット600、600’、600’’を受けて保持するための複数の異なる離間された位置的ロケーションをハウジングファサードユニット内に有する。種々の実施形態で、位置的ロケーションが使用者によって選択可能となり得る。
(3)別の実施形態では、ハウジングファサードユニットが提供され得、これが、1つまたは複数のリニアモータ500、500’、500’’および制御可能な重りユニット600、600’、600’’を受けて保持するための複数の異なる角度方向を有する。種々の実施形態で、角度方向が使用者によって選択可能となり得る。
(4)一実施形態では、1つまたは複数のリニアモータ500、500’、500’’および制御可能な重りユニット600、600’、600’’を受けて保持するための異なる位置および/または角度方向を有する複数の異なるハウジングファサードユニットが提供され得る。種々の実施形態で、位置的ロケーションおよび/または角度方向が使用者によって選択可能となり得る。
(5)実施形態で、選択可能なセットのリニアモータ500、500’、500’’および制御可能な重りユニット600、600’、600’’が提供され得、各々が、ハウジング内の異なる制御可能な重り600、600’、600’’の間隔および/または向きを有する調整可能な形態を有する。
(6)種々の実施形態で、リニアモータ500、500’、500’’および制御可能な重りユニット600、600’、600’’のうちの1つまたは複数が、複数の異なる重り挿入物を有することができる。
(7)実施形態で、リニアモータ500、500’、500’’および制御可能な重りユニット600、600’、600’’のうちの1つまたは複数が、制御可能な重りのための複数の異なる選択可能な機械的停止位置を有することができる。
(8)種々の実施形態で、本明細書で説明される方法および装置が、テニスラケット、野球のバット、魔法の杖、ホッケーのスティック、クリケットのバット、バドミントン、ビリヤードのキュー、ボクシングのグローブ、剣、ライトサーベル、弓矢、ゴルフクラブおよび釣り竿などの、1つまたは複数の選択可能なゲームデバイスの動作をシミュレートすることができる。
(9)実施形態で、本明細書で説明される方法および装置が、例えば、haloのプラズマ銃、折れたバット、野球のボールを打った後のバットの振動、または、チャージ/装填などの、エミュレートされるシステムの1つまたは複数の二次的なアクションを触覚的にシミュレートすることができる。
種々の実施形態で、本明細書で説明される銃器シミュレーションシステムを有するリニアモータシステムが、仮想現実のゲームの周辺装置内で使用され得る。
例えば、図69が、リニアモータ500を有するシミュレーションの銃器の実施形態を示す。この実施形態は、シミュレーションの銃器のボディ上のセットのマーカを用いて、光学追跡を介しておよび/または他の追跡システムを用いて、仮想現実のゲームに導入される。
図70が、リニアモータ500と、摺動質量体600とが露出されており、さらに機械的ストッパ800を備える、図69に示されるシミュレーションの銃器の実施形態の透視図(transparent view)を示す(図83を参照のこと)。示されるように、機械的ストッパ800がシミュレーションの銃器ボディの後部に向けて可視となっており、これは、ポリプロピレンおよびゴムバンパから作られる多構成要素のストッパである。ポリプロピレンまたは他の利用可能なプラスチックが、摺動質量体600を損傷させることなくスライダが迅速にエネルギーを与えるのを可能にする。ポリプロピレン部片の後方のゴムバンパが、さらに、エンドユーザのための経時的なエネルギーの伝達を調整するのを可能にし、加えて、シミュレーションの銃器のボディにエネルギーを安全に伝達するのを可能にする。多構成要素の機械的ストッパ800を使用するこのエネルギー伝達の方法は本明細書のすべての機械的ストッパに適用される。
図71および72が、追加の仮想現実のゲームの周辺装置の側面図を示す。この周辺装置は、上の実施形態で示されて説明されているのと同じ種類の多構成要素の機械的ストッパ800を利用する。このゲーム周辺装置は、シミュレーションの銃器のゲームプレイ内でのチャージ(再装填)をシミュレートするための追加のチャージングハンドルを有する。これもやはり、仮想現実のゲームに導入されるが、このシミュレーションの周囲ボディは、各図の頂部に示される追跡装置のためのマウントを用いての磁気追跡(位置決め)を使用することによって追跡され得る。
これらのゲーム周辺装置はシミュレーションの銃器の形態をとる必要はなく、これらは、同じ基部構成要素、すなわち、リニアモータ500、摺動質量体600、機械的ストッパ800、電源および制御装置(これらはボディ内に埋め込まれ得る)、トリガなどを伴っていてよく、他のボディをエミュレートすることができる。これらの他のボディは、野球のバット、魔法の杖、テニスラケット、クリケットのバット、ビリヤードのキュー、ボクシングのグローブ、従来のゲームパッド、両手コントローラ、釣り竿およびリール、ライトサーベル、剣、ヌンチャク、ゴルフクラブ、チェーンソー、斧、ナイフ、警棒、椅子、などであってよい。これらの実施形態では、本明細書の種々の実施形態で説明されるシミュレーションの銃器でエミュレートされるのと実質的に同じ衝撃または反動力がエミュレートされ得る。
例えば、訓練およびシミュレーションで使用されるためにリニアモータ反動システムが実装されている一般的な椅子を考察する。椅子が、力フィードバック(衝撃およびランブル音(rumble))を介するより深い没入感を得るように従来のゲームおよびシミュレーションと共に使用され得る。これはさらに、仮想現実の環境内で力フィードバックを介してより深い没入感を得るのにも使用され得、ここでは、HMDを備える使用者5が椅子に座っている状態のシミュレーションと、着席位置を含む環境とがエミュレートされ得る。これが、シミュレーションのヘリコプタのコックピット内の、トラック内の、または、操作者が座るための「椅子」を従来どおり含むような任意の他の乗り物内の、いずれの椅子であろうとも、各々が使用者5のためにエミュレートされ得る。
図73および74が、使用者5のために、反動、衝撃、振動、力フィードバックなどを生じさせるためのリニアモータ500のための2つの位置を示すのに使用される一般的な椅子を示す。通常の椅子では、使用者5が椅子の背もたれおよび椅子の座部に接することになり、これらが使用者5の重量を支持する。本明細書で説明されるようにリニアモータを変化させることにより、通常であればゲームプレイ中または訓練シミュレーション中に使用者5が得ることができないような力フィードバックおよび反動効果を使用者5が経験することができる。
図75が、椅子の背もたれおよび座部の両方に接続される2つのリニアモータを示す。これらの2つのリニアモータまたはそれ以上のリニアモータ(描かれない)が、訓練シミュレーションまたはゲームプレイで使用者5によって知覚されるものに関連するような場合に、使用者5の仮想現実体験のための反動および力フィードバックに関連する効果を生じさせるように協働させることができる。
実施形態では、リニアモータシステム全体が椅子内に含まれ得るかまたは椅子に取り付けられ得る。このシステムが、本明細書で説明されるような、リニアモータ500と、摺動質量体600と、機械的ストッパ800と、リニアモータ制御装置と、リニアモータ電源とを有することができる。
実施形態では、リニアモータシステムが本明細書で説明されるようなショックスティックの形態で取り付けられ得る。
図76が、使用者5に対して異なる効果(力ベクトル)を生じさせるために異なる向きで取り付けられたリニアモータの実施形態を示す。
実施形態では、複数のリニアモータが椅子の座部および背もたれに取り付けられ得る。
実施形態では、リニアモータが、リニアモータのモーションを制御するために特定の予め設定される周波数を変換するシミュレーションまたはゲームからの音を介して駆動され得る。
他の実施形態では、リニアモータが、本明細書で説明される機構および流れ図を介してシミュレーションまたはゲームから直接に駆動され得る。
実施形態では、リニアモータが椅子の脚に取り付けられ得る。
アタッチメントとしてのリニアモータシステム
銃器シミュレータボディ20の着脱自在の部分と共にリニアモータシステムを使用することの種々の利点が、シミュレーション訓練のために実際の武器システムの代わりのドロップ(drop)として着脱自在のセクションを使用する場合でも、明らかとなる可能性がある。例えば、図2および3を参照すると、図2は銃器の完全な組立体であり、図3が図2の上側組立体である。図3では、モータが上側組立体120内に収容され、それによりモータが下側組立体140と結合することが可能となる。リニアモータシステムを含めた、上側組立体120が、シミュレーション訓練のために実際の銃器の代わりのドロップとして使用され得る。上側組立体120が、上で示されて説明されたように、ターゲットペイントのためのレーザ組立体と、実際の武器をエミュレートするための必要な特徴部分のセットとを有する。上側組立体120が、反動の発生のために、および、エミュレートされる実際の武器によって生じる二次的な反作用の力の効果のために、リニアモータ500のモーションを誘導するための制御装置および電力ユニットをさらに有することができる。
上記の発想をさらに採用するために、リニアモータシステムが、着脱自在の訓練部品またはキット内のドロップとして使用されるために、通常のバットストックハウジング内に位置してもよい。
図77および78が、リニアモータシステムを含む修正された銃床を示す。銃床が機械的ストッパを有し、モータを駆動するのに必要である制御装置および電力ユニットをさらに有することができる。銃床は多くの異なるサイズおよび形状を有し、リニアモータおよび機械的ストッパのロケーションおよび配置がこれらの空間制約を受け入れるように変更され得る。さらに、銃床内での制御装置ユニットおよび電力ユニットのロケーションが空間制約を反映するように変更され得る。最後に、キット内のドロップとして銃床が武器シミュレータ20または実際の銃器のいずれかのボディに取り付けられるところの最も前方の位置が、さらに、ボディ20からの、または、通常の銃床を取り付ける実際の銃器からの、取り付け位置の要求条件に従うように変化することができる。
銃床の取り付け部分の参照のために、図79でねじ切りされた緩衝管230が可視である。したがって、上の2つの図の取り付け位置は、シミュレーション訓練のためのキット内のドロップとしての、ボディ20の位置または実際の銃器内での従来の位置に取り付けられるように修正され得る。
本明細書で説明される銃床の実施形態が、バッテリパック、コンデンサパックまたはスーパーキャパシタパックなどの、本明細書で言及する電源デバイスによって電力供給され得る。本明細書で説明される銃床の実施形態が、本明細書で説明されるリニアモータ制御装置によって制御され得る。
ショックスティック
図80が、摺動質量体600、ならびに、摺動質量体600の左側および右側にある2つの多部品の機械的ストッパと併せて、中空シリンダ(ショックスティック)内部に収容されるリニアモータ500を示す。多部品(多構成要素)の機械的ストッパ800は本明細書で説明されている。図80に示されるように、リニアモータ500がショックスティックの左側にずらされる。使用者5が図81に示されるようにショックスティックを保持することができる。このずれは、使用者5がショックスティックを効果的に保持することができるように、重心の影響の主要因となるものである。ショックスティックが本明細書に含まれるすべての効果を生じさせることができ、これには、反動、衝撃、振動、過渡振動、力フィードバック、および、本明細書で説明される他の触覚効果が含まれる。
実施形態では、機械的ストッパ800が実質的に同じであってよい。
一実施形態では、リニアモータが各々の別個の機械的ストッパに同じ力対時間を適用しても、機械的ストッパ800が、異なる力対時間のグラフを作るように異なる材料を使用してよい。
実施形態では、ショックスティックが、野球のバット、魔法の杖、テニスラケット、クリケットのバット、ビリヤードのキュー、ボクシングのグローブ、従来のゲームパッド、両手コントローラ、釣り竿およびリール、ライトサーベル、剣、ヌンチャク、ゴルフクラブ、チェーンソー、斧、ナイフ、警棒、椅子、などのような異なる周辺装置をエミュレートする異なるハウジングの中に挿入され得る。
一実施形態では、ショックスティックが、ゲームプレイのための別のショックスティックと共に使用され得る。
別の実施形態では、ショックスティックが、2つ以上の追加のショックスティックおよび2つ以上の周囲ボディと共に使用され得る。
他の実施形態では、ショックスティックが、本明細書で説明されるように、単独でまたは別個のハウジング内で使用され得る仮想現実の周辺装置であってよい。
一実施形態では、ショックスティックのリニアモータ500が、重心の調整のためにその線形経路に沿って上方または下方に移動させられ得る。
他の実施形態では、ショックスティックが、本明細書で説明される追跡を介して位置データを訓練シミュレーションまたはゲームに伝送することができる。
種々の実施形態で、ショックスティックは、機能制限がなくてよく、リニアモータシステム、すなわち、リニアモータ500、摺動質量体600、機械的ストッパ800、リニアモータ制御装置、および電源を有することができる。
一実施形態では、ショックスティックは、機能制限がなくてよく、無線通信デバイスを有することができる。
他の実施形態では、ショックスティックが、本明細書で説明される同じ機構を介する使用者5の動きを通してその電源を再充電することができる。
一実施形態では、ショックスティックの実施形態が、振動、力フィードバック、反動または衝撃を生じさせるために、スマートフォンまたは携帯電話のハウジング内に嵌合されるのに十分な小ささとなり得る。
他の実施形態では、ショックスティック(スマートフォンまたは携帯電話のハウジング内に嵌合されるのに十分な小ささである)が、本明細書で説明される同じ機構を介する使用者5の動きを通してスマートフォンまたは携帯電話を再充電するのに使用され得る。
一実施形態では、ショックスティックの摺動質量体600が複数の異なる種類の磁石(ネオジム、セラミックなど)で構成され得る。
実施形態では、ショックスティックの摺動質量体600が複数の異なる種類の磁石(ネオジム、セラミックなど)で構成され得、磁石がスライダ内で繰り返しのパターン(つまり、ネオジム、セラミック、ネオジム、セラミック、など)を形成する。
一実施形態で、ショックスティックの摺動質量体600が複数の異なる種類の磁石(ネジオム、セラミックなど)で構成され得、磁石がスライダ内に不規則なパターン(つまり、セラミック、ネオジム、ネオジム、セラミックなど)を形成する。
別の実施形態では、ショックスティックが、その関連する電源および通信設備を別個のエンクロージャ上またはその内部に配置することができるように構成されるコネクタプレートを有することができる。例えば、このエンクロージャが、ショックスティックが挿入され得、または取り外され得る椅子または他のボディを取り囲むことができる。
図82が、取り外し可能なケーブルハーネスを介して椅子に接続され得る本明細書で説明されるショックスティックを有することができるVR周辺装置を保持する使用者5を示す。示されるように、椅子が、ショックスティックおよびゲームまたはシミュレーションを実行するゲームコンソール/コンピュータへの電力供給およびそれらとの通信に必要なすべての電子機器を有することができる。
実施形態では、本明細書で説明されるショックスティックがVR周辺装置から取り外され得、図82に示されるケーブルハーネスから脱着されて椅子に挿入され得る。
一実施形態では、本明細書で説明されるショックスティックがVR周辺装置から取り外され得、ケーブルハーネスの取り外しを必要とすることなく椅子に挿入され得る。
図81が図80に示されるショックスティックを保持する使用者5を示す。使用者5が本明細書で説明されるヘッドマウントディスプレイまたは他の仮想現実ディスプレイを着用することができる。ショックスティックの位置が、例えば本明細書で説明される追跡システムなどの、位置追跡システムおよび/または他の追跡システムを介して監視され得る。使用者5がHMDを着用することから、使用者5の仮想現実が変更される。使用者5がショックスティックを見るために視線を落とすとき、使用者5が例えばテニスラケットなどの上で言及した周辺装置のうちの1つを見ることができる。ショックスティック上のグリップ(ここで、使用者5がショックスティックを物理的に保持する)がテニスラケット上のグリップに実質的に類似して感じられることを条件として、使用者5は、テニスラケットを保持しているものと思い込まされ得る。リニアモータが本明細書で説明されるように運動力学的に移動する場合、訓練シミュレーションまたはインゲームプレイがさらに改善され得る。この体験は、広範囲の片手のおよび両手の周辺装置または物体に適用される。例えば、テニスラケットは片手の物体とみなされてよい。野球のバットは、両手が同時に使用されることから、両手の物体とみなされてよい。これらの物体は両方とも、ショックスティックとの使用者5の物理的接触点が「実際の感触を有し」、このような物理的なグリップによる感覚を成功裏に物理的に再現することを条件として、ショックスティックによって成功裏にエミュレートされ得る。
したがって、実施形態では、シミュレーションまたはインゲームプレイでエミュレートされる物体を適切にエミュレートするために、複数のグリップがショックスティックに適用され得る。
図83が、周囲ボディの中に挿入されたショックスティックを示す。周囲ボディが、有線の形態または無線の形態のいずれかで、ボディに電力供給すること、ボディと通信すること、ボディを制御すること、ならびに、ボディにおよびボディから信号を送信すること、において必要であるすべての要素を含むことができる。
他の実施形態では、ショックスティックが、そのハウジングの実施形態のための適切なグリップを含む多様なハウジングの中に挿入され得、ショックスティックを挿入するハウジングに適用され得る複数のグリップを有することができる。図83に示されるような左側にある前方グリップおよび右側にある後方グリップは、武器において見られ得る広範囲で利用可能なグリップの正確な感覚および配置をエミュレートするので、VR内でシミュレーションの武器/ゲームの銃の周辺装置を保持していると使用者5に思い込ませるように適合し得るグリップの例となる。
生成される定常波形および非定常波形
図55は、リニアモータ500と摺動質量体/ロッド600との組み合わせの斜視図である。種々の実施形態で、リニアモータ500が、所定の力、加速度、速度、摺動ロッド/質量体600の重心のロケーション、運動量および力積を与える/生じさせるために、摺動ロッド/質量体600の種々の異なる所定の定常周波数または共振周波数を作るための所定の制御される形で、摺動ロッド/質量体600を運動力学的に移動させるようにプログラムされ得る。実施形態では、定常周波数または共振周波数が以下の特性、すなわち、
(1)定常振幅、
(2)定常周期、および、
(3)定常周波数
を有することができる。
図56が、振幅5010などの変化する特性を有する定常波形または共振波形5000を示す。図57が、振幅6010および周期6030の異なる特性を有する種々の非定常波形6000を示す。
図58が、振幅5010、波長5020および周期5030の連続波形の特性を有する、様々な種類の定常波形または共振波形5000(正弦)、5000’(ステップまたは矩形)、5000’’(三角)および5000’’’(のこぎり)を示す。波長および周期は、波の速度、および波長が波の速度×波の周期という公式に基づく互いの関数である。周期は周波数の逆数に等しい。
種々の実施形態では、正弦波関数、のこぎり波関数、三角波関数、矩形波関数、および/または、ステップ波関数、を含む定常波周波数の群から、元のおよび/または異なる種類の定常周波数または共振周波数が選択され得る。種々の実施形態で、リニアモータ500が、そのようなタイプまたは種類の定常波形または共振波形の生成を切り換えることができる。実施形態で、摺動質量体/ロッド600を制御するリニアモータ500が、1セットの複数の考えられる所定の定常周波数または共振周波数からの異なる定常周波数または共振周波数の生成を切り換えるようにプログラムされ得、その選択が、異なるゲームの事象(例えば、ゲームの目標を達成する、または、ゲームの目標を失敗する)ならびに/あるいは使用者の異なる入力に基づく。
実施形態で、リニアモータ500が、同じタイプまたは種類の定常波形または共振波形であるが、(1)定常振幅、(2)定常周期、および/または、(3)定常周波数などの異なる波形特性を有する波形の生成を切り換えることができる。種々の実施形態で、個々に与えられる定常波形または共振波形において、リニアモータ500が、初期の所定の定常波形または共振波形の特性値から、第2の選択される所定の定常波形または共振波形の特性値へと、少なくとも5パーセントの値の変化といったように初期値からの最小の変化率で、与えられる波形の選択される特性(例えば、振幅、周期、周波数)を変化させることができる(例えば、定常振幅の値が、初期の所定の定常振幅または共振振幅の値の少なくとも5パーセントで変化する)。実施形態で、変化率は、定常波形または共振波形の特性の初期の所定の値から変化後の値まで、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95および/または99パーセントであってよい。他の実施形態では、選択される特性の変化率は、上で指定した最小の変化率のうちの任意の2つの間の範囲から選択されるような、パーセントの変化の範囲内にあってもよい(例えば、10パーセントの変化と45パーセントの変化との間)。
リニアモータ500が、リニアモータ500によって生じる力、加速度、速度、摺動ロッド/質量体600の重心のロケーション、運動量および力積、での定常共振周波数(standing resonant frequency)に重ね合わされるような、力、加速度、速度、摺動ロッド/質量体600の重心のロケーション、運動量および/または力積において、1つまたは複数の過渡振動を生じさせるようにプログラムされ得る。種々の実施形態で、重ね合わされる非定常周波数が以下の特性、すなわち、
(1)非定常振幅、
(2)非定常周期、
(3)非定常周波数、
(4)過渡的な重ね合わせの時間の長さ
(5)過渡的な重ね合わせの時間の長さの間の、過渡的な隙間の時間の長さ
を有することができる。
図59が、連続波形の特性を有するが可能性として変化する波形特性を有する重ね合わせの非定常波形6000を有する、様々な種類の定常波形または共振波形(正弦)、5000’(ステップまたは矩形)、5000’’(三角)および5000’’’(のこぎり)を示す。
リニアモータ500によって生じる正弦の共振波形または定常波形5000の場合、リニアモータが、波形6000、6100、6200、6300および6400などの種々の非定常波形を生じさせるようにもプログラムされ得る。実施形態では、各非定常波形6000、6100、6200、6300および6400の特性(例えば、振幅、周期、および、波長、さらには、非定常波形の間のタイムギャップ)が、生じる他の非定常波形と実質的に同じであってよい。種々の実施形態で、各非定常波形6000、6100、6200、6300および6400の特性(例えば、振幅、周期、および、波長、さらには、非定常波形の間のタイムギャップ)のうちの1つまたは複数の特性が、他の定常波形のその特性(例えば、振幅、周期、および、波長、さらには、非定常波形の間のタイムギャップ)と同じであってよい。例えば、振幅6010は、振幅6110、6210、6220および/または6310と同じであってよい。別の実施例として、周期6020が、周期6120、6220および/または6320と同じであってよい。別の実施例では、波長6030が、波長6130、6230および/または6330と同じであってよい。別の実施例では、タイムギャップ6040が、タイムギャップ6140、6240および/または6340と同じであってよい。定常波形または共振波形5000’、5000’’および5000’’’に重ね合わせるために、非定常波形の同様の実施例が提供され得る。
種々の実施形態で、各非定常波形6000、6100、6200、6300および6400の特性(例えば、振幅、周期、および、波長、さらには、非定常波形の間のタイムギャップ)のうちの1つまたは複数の特性が、生じる他の非定常波形のうちの1つまたは複数に対する同じそれぞれの特性(例えば、振幅、周期、および、波長、さらには、非定常波形の間のタイムギャップ)のうちの1つまたは複数のそれぞれの特性から変化してよい。例えば、振幅6010が、振幅6110、6210および/または6310と異なってよい。実施例として、周期6020が、周期6120、6220および/または6320と異なってよい。別の実施例では、波長6030が、波長6130、6230および/または6330と異なってよい。別の実施例では、タイムギャップ6040が、タイムギャップ6140、6240および/または6340と異なってよい。定常波形または共振波形5000’、5000’’および5000’’’に重ね合わせるために、非定常波形の同様の実施例が提供され得る。
種々の実施形態では、リニアモータ500が、同じタイプまたは種類の定常波形または共振波形であるが、(1)非定常振幅、(2)非定常周期、(3)非定常周波数、(4)過渡的な重ね合わせの時間の長さ、および/または、(5)過渡的な重ね合わせの時間の長さの間の、過渡的な隙間の時間の長さ、などの異なる波形特性を有する波形の生成を切り換えることができる。実施形態で、個々に与えられる非定常周波数において、リニアモータ500が、初期の所定の定常波形の特性値から、第2の選択される所定の定常波形の特性値へと、少なくとも5パーセントの値の変化といったように初期値からの最小の変化率で、与えられる非定常周波数の選択される特性(例えば、振幅、周期、周波数、重ね合わせの時間の長さ、異なる非定常周波数の波形の組み付けの間のタイムギャップの長さ)を変化させることができる(例えば、非定常振幅の値が、初期の所定の非定常振幅の値の少なくとも5パーセントで変化する)。実施形態で、変化率は、非定常波形の特性の初期の所定の値から変化後の値まで、少なくとも、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95および/または99パーセントであってよい。種々の実施形態では、選択される特性の変化率は、上で指定した最小の変化率のうちの任意の2つの間の範囲から選択されるような、パーセントの変化の範囲内にあってもよい(例えば、10パーセントの変化と45パーセントの変化との間)。
摺動質量体/ロッド600を制御するリニアモータ500が、1セットの複数の考えられる所定の非定常周波数から、異なる非定常周波数を生成するようにおよび/またはその生成を切り換えるようにプログラムされ得、その選択が、異なるゲームの事象(例えば、ゲームの目標を達成する、または、ゲームの目標を失敗する)ならびに/あるいは使用者の異なる入力に基づく。種々の実施形態で、このような生成および/または切り換えは、バーチャルのゲームプレイからの衝撃をエミュレートすることを意図されてよい。衝撃は、物質が受ける外力のための用語である(通常、加速度対時間として測定される)。機械的衝撃または物理的衝撃は、例えば、インパクト、落下、蹴り、地震または爆発により生じる急激な加速または減速である。本明細書で説明される反動は衝撃の形態である。衝撃は、そのピーク加速度、継続時間、および、衝撃パルスの形状(例えば、正弦波の半周期、三角、台形、など)によって特徴づけられ得る。衝撃の応答スペクトルは、機械的衝撃をさらに評価するための1つの方法である。
実施形態では、摺動質量体/ロッド600を制御するリニアモータ500によって生じる特定の重ね合わせの非定常周波数の振幅が経時的に変化させられ得る。種々の実施形態では、振幅が経時的に減少するか、経時的に増加するか、または、経時的に減少および増加する。
摺動質量体/ロッド600を制御するリニアモータ500によって生じる重ね合わせの非定常周波数の周波数が経時的に変化させられ得る。種々の実施形態では、周波数が経時的に減少するか、経時的に増加するか、または、経時的に減少および増加する。
種々の実施形態では、摺動質量体/ロッド600を制御するリニアモータ500によって生じる特定の重ね合わせの非定常周波数の上で指定した特性のうちの1つまたは複数の特性が、リニアモータ500によって生じる同じ定常共振周波数上の異なる重ね合わせの非定常周波数の間で、変化させられ得る。
たとえ銃器内であっても、機械的故障、不発、詰まり、および、詰まりを生じさせるようなまたは詰まりを生じさせる可能性があるような、発射すべき第2のラウンドの銃弾の供給の失敗、などの、種々の異常な動作状態をシミュレートするのにも、非定常波関数が使用され得る。
本開示の使用および動作の手法のさらなる考察に関しては、そのような手法は上記の説明から明らかとなるはずである。したがって、使用および動作の手法に関連するさらなる考察は提供されない。
種々の実装形態および利用形態を参照して実施形態を説明してきたが、これらの実施形態が例示的であること、および、本発明の範囲がこれらの実施形態のみに限定されないこと、が理解されよう。多くの変形形態、変更形態、追加および改善が可能である。また、本明細書で説明されるいかなるステップも任意の所望の順序で実行されてよく、任意の所望のステップが追加または削除され得る。
〔態様1〕
ボディと、
前記ボディに取り付けられたリニアモータであって、少なくとも2つの独立した磁気コイル、および、前記少なくとも2つの独立した磁気コイルのうちの少なくとも1つを電流が通過するときに前記少なくとも2つの独立した磁気コイルのうちの少なくとも1つと磁気的に相互作用する少なくとも1つの磁石を有する摺動質量体を有する、リニアモータと、
前記少なくとも2つの独立した磁気コイルのうちの少なくとも1つに向かう電流を制御することにより前記摺動質量体の移動を制御し、これにより、前記摺動質量体が、触覚効果をシミュレートする力を前記ボディ上に生じさせるようにする制御装置と、
を備えるシミュレーションシステム。
〔態様2〕
前記制御装置が、前記摺動質量体の移動を誘導するプログラムされた力積値を有する、態様1に記載のシミュレーションシステム。
〔態様3〕
前記触覚効果が、シミュレートされる銃器の反動力、ゲーム用銃器の効果、および、ゲーム周辺装置デバイスの効果、のうちの少なくとも1つである、態様1に記載のシミュレーションシステム。
〔態様4〕
前記触覚効果が、ライフル、ピストル、重火器、セミオートマチックの武器、および、オートマチックの武器、のうちの少なくとも1つのための銃器の反動力である、態様1に記載のシミュレーションシステム。
〔態様5〕
機械的ストッパをさらに備え、前記摺動質量体が、前記触覚効果をシミュレートするために前記機械的ストッパに接触するように駆動される、態様1に記載のシミュレーションシステム。
〔態様6〕
前記機械的ストッパが、前記摺動質量体の方向とは異なる方向に前記力の一部を伝達するように角度のつけられた表面を有する、態様5に記載のシミュレーションシステム。
〔態様7〕
前記ボディがハンドガンであり、前記リニアモータおよび前記摺動質量体が開始位置で静止するとき、それらの重心が前記ハンドガンの重心に実質的に位置合わせされる、態様1に記載のシミュレーションシステム。
〔態様8〕
前記ボディがライフルであり、前記リニアモータおよび前記摺動質量体が開始位置で静止するとき、それらの重心が前記ライフルの重心に実質的に位置合わせされる、態様1に記載のシミュレーションシステム。
〔態様9〕
前記リニアモータおよび前記制御装置のうちの少なくとも1つに電力を供給する電力ユニットをさらに備える、態様1に記載のシミュレーションシステム。
〔態様10〕
前記電力ユニットが、前記リニアモータに取り付けられた前記制御装置に給電する前に電圧を増大するように回路に給電するバッテリを有する、態様9に記載のシミュレーションシステム。
〔態様11〕
ボディと、
前記ボディに取り付けられ、摺動質量体を制御するリニアモータと、
前記摺動質量体の移動を制御し、これにより、前記摺動質量体が、触覚効果をシミュレートする力を前記ボディ上に生じさせるようにする、制御装置と、を備えるシミュレーションシステム。
〔態様12〕
前記制御装置が、前記摺動質量体の移動を誘導するプログラムされた力積値を有する、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様13〕
前記触覚効果が、シミュレートされる銃器の反動力、ゲーム用銃器の効果、および、ゲーム周辺装置デバイスの効果、のうちの少なくとも1つである、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様14〕
前記触覚効果が、ライフル、ピストル、重火器、セミオートマチックの武器、および、オートマチックの武器、のうちの少なくとも1つのための銃器の反動力である、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様15〕
前記ボディが、ハンドガン、ライフル、オートマチックの武器、セミオートマチックの武器、杖、ショックスティック、テニスラケット、ゴルフクラブ、バット、グローブ、椅子、クリケットのバット、ビリヤードのキュー、ボクシングのグローブ、ゲームパッド、ゲームコントローラ、両手コントローラ、釣り竿およびリール、ライトサーベル、剣、ヌンチャク、チェーンソー、斧、ナイフ、警棒、ヘイロー(halo)のプラズマ銃、ホッケーのスティック、レーザ銃、バドミントンのラケット、および、弓矢、のうちの少なくとも1つである、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様16〕
機械的ストッパをさらに備え、前記摺動質量体が、前記触覚効果をシミュレートするために前記機械的ストッパに接触するように駆動される、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様17〕
前記機械的ストッパが、前記摺動質量体の方向とは異なる方向に前記力の一部を伝達するように角度のつけられた表面を有する、態様16に記載のシミュレーションシステム。
〔態様18〕
前記力が、前記ボディを保持する人に向かう方向に、及び、前記ボディを保持する前記人に対して実質的に垂直な方向に、伝達される、態様17に記載のシミュレーションシステム。
〔態様19〕
前記機械的ストッパが、別の機械的ストッパと交換可能であるように前記ボディに解放可能に固定される、態様16に記載のシミュレーションシステム。
〔態様20〕
前記別の機械的ストッパが前記機械的ストッパとは異なる材料を含み、これにより、異なるシミュレーション効果が使用者によって感じられる、態様19に記載のシミュレーションシステム。
〔態様21〕
前記機械的ストッパが調整可能であり、これにより、前記摺動質量体の衝撃の角度が、使用者によって異なるシミュレーション効果が感じられるように変更される、態様16に記載のシミュレーションシステム。
〔態様22〕
前記機械的ストッパが、手動で調整可能である、および、自動で調整可能である、のうちの少なくとも一方である、態様21に記載のシミュレーションシステム。
〔態様23〕
前記ボディがハンドガンであり、前記リニアモータおよび前記摺動質量体が開始位置で静止するとき、それらの重心が前記ハンドガンの重心に実質的に位置合わせされる、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様24〕
前記ボディがライフルであり、前記リニアモータおよび前記摺動質量体が開始位置で静止するとき、それらの重心が前記ライフルの重心に実質的に位置合わせされる、態様1に記載のシミュレーションシステム。
〔態様25〕
前記ボディがM4のライフルボディである、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様26〕
前記ボディが重火器であり、前記リニアモータおよび前記摺動質量体が開始位置で静止するとき、それらの重心が前記重火器の重心に実質的に位置合わせされる、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様27〕
前記ボディがM2の重火器ボディである、態様26に記載のシミュレーションシステム。
〔態様28〕
前記リニアモータおよび前記制御装置のうちの少なくとも一方に電力を供給する電力ユニットをさらに備える、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様29〕
前記電力ユニットがバッテリを有する、態様28に記載のシミュレーションシステム。
〔態様30〕
前記電力ユニットおよび前記制御装置のうちの少なくとも一方が前記ボディの外部にあり、電源コードにより前記ボディにつながれる、態様28に記載のシミュレーションシステム。
〔態様31〕
前記電力ユニットおよび前記制御装置のうちの少なくとも一方がコードなしで前記ボディに直接に接続される、態様28に記載のシミュレーションシステム。
〔態様32〕
前記電力ユニットが、前記リニアモータに取り付けられた前記制御装置に給電する前に電圧を増大するように回路に給電するバッテリを有する、態様28に記載のシミュレーションシステム。
〔態様33〕
前記制御装置が、メインバッテリの取り外し時および取り出し時のうちの少なくとも一方において制御装置論理回路に電力を提供するエネルギー貯蔵デバイスを有する、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様34〕
前記電力ユニットがスーパーキャパシタを有する、態様28に記載のシミュレーションシステム。
〔態様35〕
前記電力ユニットが、バッテリおよびスーパーキャパシタのハイブリッドを有する、態様28に記載のシミュレーションシステム。
〔態様36〕
前記リニアモータが、タイミングと、電流フローの量および電流フローの方向のうちの少なくとも一方とに関して、各々が独立して制御可能な、複数の独立して制御可能である磁気コイルを有する、態様11に記載のシステム。
〔態様37〕
前記リニアモータが2つ以上の独立して制御可能である磁気コイルを有する、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様38〕
前記リニアモータが、長手方向において互いに位置合わせされて密に離間された複数の独立して制御可能である磁気コイルを有し、少なくとも2つの隣接する独立して制御可能である磁気コイルが互いに対して反対の方向の磁界を作るように通電される、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様39〕
前記リニアモータが、前記摺動質量体に磁気的に結合される、長手方向において互いに位置合わせされて密に離間された複数の独立して制御可能である磁気コイルを備え、前記摺動質量体が複数の長手方向において位置合わせされる隣接する磁石を有し、前記リニアモータが、個別の独立して制御可能であるコイルを通る電流を変化させることにより、前記複数の独立して制御可能である磁気コイルのうちの特定のコイルに対する前記複数の磁石のうちの特定の磁石の近接性に関連して、磁石の前記摺動質量体を移動させる、態様11に記載のシミュレーションシステム。
〔態様40〕
使用者と通信する視覚ディスプレイと、
ボディ、および、摺動質量体を有するリニアモータを有する周辺デバイスと、
前記使用者の移動および前記周辺デバイスの移動のうちの少なくとも一方を監視する追跡システムと
シミュレーションを実行して前記シミュレーションからの出力画像を前記視覚ディスプレイに提供し、前記追跡システムからの1組の位置データを使用して前記画像を更新するコンピュータシステムであって、前記位置データが前記使用者の移動および前記周辺デバイスの移動のうちの少なくとも一方に対応する、コンピュータシステムと
を備え、
前記コンピュータシステムが、前記シミュレーションと相互に関連する触覚効果をシミュレートする力を前記ボディ上に生じさせる前記摺動質量体を制御する制御システムと通信する、
シミュレーションシステム。
〔態様41〕
前記視覚ディスプレイが、前記使用者に取り付け可能であるヘッドマウントディスプレイである、態様40に記載のシミュレーションシステム。
〔態様42〕
前記視覚ディスプレイが、前記使用者の目に直接に画像を供給する投射ベースのシステムである、態様40に記載のシミュレーションシステム。