以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(一実施の形態)
アンライセンスバンド(例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、及び、5GHz帯といった周波数帯)では、無線LAN(Local Area Network)の通信に加えて、IoT(Internet of Things)端末及び/又はM2M(Machine to Machine)端末による通信が行われる。
例えば、IoT及び/又はM2Mでは、低消費電力で広いエリアでの通信が可能なLPWA(Low Power Wide Area)と呼ばれる無線通信技術の利用が検討されている。
LPWAには、複数の方式(規格)が存在する。例えば、LPWAの通信方式には、スペクトラム拡散方式を用いて通信を行う第1の通信方式と、スペクトラム拡散方式を用いずに通信を行う第2の通信方式とが含まれる。第1の通信方式には、例えば、「LoRa」と称される通信方式が含まれる。また、第2の通信方式には、例えば、「Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)」と称される通信方式が含まれる。
LPWAシステムの通信をサポートする端末(以下、「LPWA端末」と記載される場合がある)は、ユーザが所有する端末に限らず、様々な機器に搭載される。例えば、LPWA端末は、テレビ、エアコン、洗濯機、及び、冷蔵庫等の家電機器、ならびに、車両等の移動輸送機関にも搭載される。
アンライセンスバンドは、LPWAの他にも、例えば、Wi-fi(登録商標)やRFID(Radio Frequency IDentifier)等を含む様々なシステムが使用するため、トラヒックが急増し、干渉が増加する。
そのため、例えば、LPWAシステムにおいて、LPWA端末の通信に使用するチャネルを割り当てる場合には、同一システム内の干渉、及び、他のシステムからの干渉を考慮することが望まれる。
図1は、LPWAを含む無線システムの概要を示す図である。
図1には、グループ#1と、グループ#2と、グループ#3とが示される。各グループには、複数の装置が含まれる。
グループ#1と#2とは、どちらも、LPWAシステムである。ただし、グループ#1の各装置が属するネットワーク#1(NW#1)は、グループ#2の各装置が属するネットワーク#2(NW#2)と異なる。例えば、NW#1とNW#2とは、同一のLPWAシステムであり、互いに異なる事業者によって運用されるネットワークである。グループ#2のLPWAシステムは、グループ#1によって管理されないネットワーク(管理外ネットワーク)のLPWAシステムである。
グループ#1には、NW#1に属し、NW#1と有線接続又は無線接続する装置が含まれる。例えば、グループ#1は、LPWAシステムのゲートウェイ#1(GW#1)とGW#2と端末#1~#3とを含む。また、グループ#1は、NW#1を介して、GW等を集中制御する集中制御サーバ#1を含む。
グループ#2には、NW#2に属し、NW#2と有線接続又は無線接続する装置が含まれる。例えば、グループ#2は、LPWAシステムのGW#3と端末#4~#5とを含む。また、グループ#2は、NW#2を介して、GW等を集中制御する集中制御サーバ#2を含む。
なお、図1のグループ#1及びグループ#2における装置の数は一例であり、本開示はこれに限定されない。例えば、1つのグループに含まれるGWの数は、3以上であってもよい。また、1つのグループに含まれる端末の数は、1であってもよいし、4以上であってもよい。
また、各グループのNWには、他の装置が接続されてもよい。例えば、グループ#1には、GW#1及び/又はGW#2と端末#1~#3との無線通信を中継する中継局が含まれてよい。なお、グループ#2においても、同様の中継局が含まれてよい。
グループ#3は、グループ#1の無線システム(LPWAシステム)と異なる無線システムである。グループ#3の無線システムは、グループ#1によって管理されない管理外ネットワークの無線システムである。グループ#3の無線システムは、例えば、RFID及びWi-fi等である。グループ#3には、RFIDリーダ/ライタ及びRFIDタグと、Wi-fiを使用する端末等が含まれる。なお、グループ#3の無線システムには、LTE(Long Term Evolution)システム、及び、レーダシステム等が含まれてよい。さらにグループ#3には、無線システム以外の、例えば一般家電、照明設備、重機設備等の雑音源が含まれてよい。
なお、図1に示すネットワーク構成、及び/又は、装置の構成は一例であり、本開示はこれに限定されない。
なお、上述した、GWは、干渉を測定する干渉モニタリング装置の機能を有してもよい。以下の説明における「基地局」は、干渉モニタリング装置の機能を有するGWに対応する。
また、図1に示す各ネットワークには、図1に示す装置と別の装置が含まれてよい。その場合、当該別の装置が、図1に示す装置の一部又は全部の機能を有してもよい。例えば、グループ#1又はグループ#2に中継局が設けられる場合、当該中継局が、干渉モニタリング装置の機能を有してもよい。また、中継局は、GWの機能と干渉モニタリング機能とを有してもよい。あるいは、中継局は、干渉モニタリング装置の機能を有し、GWの機能を有さなくてもよい。
グループ#1~#3の各無線装置は、共通のシステム帯域(例えば、アンライセンスバンド)を使用する。そのため、グループ#1~#3に含まれる各無線装置は、他の無線装置からの干渉を受ける。以下、グループ#1に含まれる無線装置が受ける干渉を例に挙げて説明する。
例えば、グループ#1に含まれる第1の無線装置(例えば、端末#2)がグループ#1に含まれる第2の無線装置(例えば、GW#1)に対して送信する信号は、グループ#1に含まれる第3の無線装置(例えば、GW#2)においても受信(検出)される場合がある。この場合、第3の無線装置においては、当該信号に起因した干渉を生じさせる場合がある。以下では、NW#1に属する無線装置がNW#1に属する他の無線装置から受信する干渉信号は、「管理内信号」と記載されることがある。例えば、管理内信号は、LPWAシステムの通信をサポートし、NW#1に属する無線装置が、LPWAシステムの通信をサポートし、NW#1に属する別の無線装置から受ける干渉に該当する。
また、例えば、グループ#2及び/又はグループ#3に含まれる無線装置(例えば、端末#5及び/又はRFIDリーダ/ライタ)によって送信される信号は、グループ#1に含まれる無線装置(例えば、端末#1)において干渉を生じさせる。以下では、NW#1に属する無線装置が、NW#1に属さない無線装置から受ける干渉は、「管理外干渉」と記載されることがある。例えば、管理外干渉は、LPWAシステムの通信をサポートし、NW#1に属する無線装置が、NW#1に属さない無線装置から受ける干渉に該当する。あるいは、管理外干渉は、検出した信号(干渉)の中から、管理内信号を除いた干渉成分に該当する。
管理外干渉は、更に、干渉の要因に基づいて分類されてよい。
例えば、グループ#2に含まれる無線装置(例えば、端末#4)によって送信される信号は、グループ#1に含まれる無線装置(例えば、GW#1)において干渉を生じさせる。以下では、NW#1に属する無線装置がNW#2に属する無線装置から受ける干渉は、「管理外干渉」のうち、「電波干渉」と記載されることがある。例えば、「電波干渉」は、LPWAシステムの通信をサポートし、NW#1に属する無線装置が、LPWAシステムの通信をサポートし、NW#1と異なるNW#2に属する無線装置から受ける干渉に該当する。
また、例えば、グループ#3に含まれる無線装置(例えば、RFIDリーダ/ライタ)によって送信される信号は、グループ#1に含まれる無線装置(例えば、GW#1)において干渉を生じさせる。以下では、LPWAシステムの通信をサポートし、NW#1に属する無線装置が、LPWAシステムと異なる無線システムをサポートする無線装置から受ける干渉は、「管理外干渉」のうち、「環境雑音」と記載されることがある。
図1を例に挙げて示したように、LPWAシステムは、LPWAシステムと異なる無線システム、及び/又は、異なるネットワークに属する同じLPWAシステムと、共通のシステム帯域を使用する。そのため、チャネルにおける干渉を考慮することが望まれる。
例えば、端末は、送信試行時に、複数の候補チャネルからランダムにチャネルを選択し、キャリアセンスによって当該チャネルが空きチャネルであると判断した場合に、当該チャネルにおいて信号送信を実行するという方法が考えられる。しかしながら、この方法では、上述した管理外干渉の割合が相対的に高いチャネルが選択される可能性があるため、信号送信できる確率が低下してしまう。あるいは、この方法では、干渉の影響により受信誤り率が増加してしまう。
また、例えば、基地局側で各チャネルの受信電力を測定し、受信電力が相対的に低いチャネルを優先的に端末に割り当てる方法が考えられる。しかしながら、この方法では、測定した受信電力が管理外干渉と管理内信号とが混ざった信号の電力を示すため、チャネル割り当てを適切に行うことが困難である。
本開示の非限定的な実施例は、干渉を分類することによって得られる結果に基づいて、端末に対するチャネル割り当てを行うことによって、干渉を考慮した適切なチャネル割り当てを行うことができる制御装置、及び、制御方法の提供に資する。
<ネットワークの構成例>
図2は、本実施の形態に係るネットワーク(NW)の構成例を示すブロック図である。図2に示すネットワークには、基地局10(基地局10-1~10-L(Lは1以上の整数))、集中制御サーバ20、及び、端末#1~#M(Mは1以上の整数)が含まれる。図2に示すネットワークに含まれる各装置は、図1に示したグループ#1の装置に対応し、例えば、LPWAシステムの通信をサポートする。
基地局10は、端末(端末#1~#Mのいずれか)と無線接続し、端末に割り当てられたチャネルにおいて無線通信を行う。また、基地局10は、使用可能なチャネルのそれぞれにおいて干渉モニタリングを行い、干渉の分類結果を集中制御サーバ20へ出力する。
集中制御サーバ20は、基地局10と有線接続し、基地局10から、分類結果を取得する。また、集中制御サーバ20は、基地局10から、基地局10と無線接続する端末に関する情報を取得してもよい。集中制御サーバ20は、分類結果に基づいて、基地局10において端末に割り当てるチャネルを決定する。集中制御サーバ20は、端末に割り当てるチャネルの情報を含む割当情報を基地局10へ出力する。
端末#1~#Mは、それぞれ、基地局10(基地局10-1~10-Lのいずれか)とLPWAシステムの通信を行うLPWA端末である。
<基地局の構成例>
図3は、本実施の形態に係る基地局10の構成例を示すブロック図である。基地局10は、例えば、図1に示したNW#1に属するGW#1又はGW#2に対応する。
基地局10は、受信部101と、復調/復号部102と、干渉分類部103と、制御部104と、制御信号生成部105と、符号化/変調部106と、送信部107と、を備える。
受信部101は、端末が送信した信号を受信し、受信した信号に所定の受信処理を行う。例えば、所定の受信処理は、端末に割り当てたチャネルの周波数又は制御信号を送信するためのチャネルの周波数に基づいた、周波数変換処理(ダウンコンバート)を含む。端末に割り当てたチャネルの周波数の情報は、例えば、制御部104から取得されてよい。
また、受信部101は、干渉測定(干渉モニタリング)のために、システム帯域における使用可能な各チャネル(例えば、アンライセンスバンドに含まれる各チャネル)において、信号を受信(検出)する。そして、受信部101は、受信した信号に所定の受信処理を行う。所定の受信処理は、例えば、各チャネルの周波数に基づく周波数変換処理を含む。
受信部101は、所定の受信処理を行った受信信号を復調/復号部102と、干渉分類部103へ出力する。
復調/復号部102は、受信部101から取得した受信信号に対して、復調処理及び復号処理を行い、受信データを生成する。なお、受信データには、基地局10と同じNW(NW#1)に属する端末を識別する識別子が含まれてよい。
干渉分類部103は、例えば、各チャネルにおける干渉を分類する。例えば、干渉分類部103は、1つのチャネルにおける、所定時間の受信信号をモニタリングし、受信信号から、上述した、管理内信号、及び、管理外干渉を分類する。
例えば、干渉分類部103は、受信信号のプリアンブルを検出する。LPWAシステムをサポートする端末が送信する信号には、LPWAシステムのプリアンブルが付される。例えば、干渉分類部103は、LPWAシステムにおいて用いられるプリアンブルと受信信号との相関を計算する。LPWAシステムにおいて用いられるプリアンブルは、受信信号の送信元の端末が属するNWに関わらず共通であってよい。
干渉分類部103は、プリアンブルと受信信号との相関の結果に所定値以上のピークが生じなかった場合、受信信号の送信元は、LPWA端末でない、と判定する。この場合、干渉分類部103は、受信信号の送信元がLPWAシステムと異なる無線システムをサポートする無線装置であり、当該受信信号が、管理外干渉の一例である環境雑音に対応する、と判定する。
例えば、干渉分類部103は、プリアンブルと受信信号との相関の結果に所定値以上のピークが生じた場合、受信信号の送信元がLPWA端末である、と判定する。
ここで、LPWAシステムの通信に用いられるプリアンブルは、受信信号の送信元の端末が属するNWに関わらず共通であってよい。そのため、干渉分類部103は、受信信号の送信元がLPWA端末であると判定した場合、送信元の属するNWが、基地局10と同じNW(NW#1)か、基地局10と異なるNW(例えば、図1のNW#2)かを判定する。
例えば、干渉分類部103は、復調/復号部102から取得する受信信号の復号結果に基づいて、送信元の属するNWを判定する。例えば、干渉分類部103は、受信信号が正しく復号され、受信信号に識別子が含まれる場合、当該受信信号の送信元の属するNWが基地局10と同じNWである、と判定する。一方で、例えば、干渉分類部103は、受信信号が正しく復号されず、受信信号に識別子が含まれていない場合、当該受信信号の送信元の属するNWが基地局10と異なるNWである、と判定する。
干渉分類部103は、受信信号の送信元が、基地局10と同じNW#1に属するLPWA端末である場合、当該受信信号が管理内信号に対応する、と判定する。干渉分類部103は、受信信号の送信元が、基地局10と異なるNWに属するLPWA端末である場合、当該受信信号が管理外干渉の一例である電波干渉に対応する、と判定する。
なお、干渉分類部103における分類方法は、上述した、受信信号のプリアンブル検出結果及び受信信号の復号結果に基づく方法に限定されない。
例えば、干渉分類部103は、受信信号を、管理内信号と、管理内信号と異なる干渉(管理外干渉)とに分類してよい。この場合、干渉分類部103は、管理外干渉を電波干渉と環境雑音とに分類しなくてもよい。例えば、干渉分類部103は、受信信号の復号結果に基づいて、受信信号の中から管理内信号を分類し、受信信号から管理内信号を差し引くことによって、管理外干渉を検出してよい。
干渉分類部103は、分類した結果得られる干渉の干渉量から、各チャネルにおけるトラフィック量を表す指標を決定してよい。例えば、トラフィック量は、各チャネルにおけるパケット送出率であってよい。なお、干渉分類部103における指標の決定の例については後述する。
干渉分類部103は、干渉モニタリングを行い、干渉を分類した結果を示す通知情報を制御部104へ出力する。通知情報は、例えば、分類した干渉の干渉量を示してもよいし、干渉量から決定される指標を示してもよい。
なお、干渉量の表し方は、特に限定されない。例えば、干渉量は、受信信号電力(干渉電力と称されてもよい)の平均値、最小値、又は、最大値によって表されてもよい。あるいは、干渉量は、受信信号電力と受信信号を受信する時間区間(モニタリング区間と称されてもよい)との関係を用いて表されてよい。例えば、干渉量は、受信信号電力が所定値以上の値を有する時間区間等によって表されてもよいし、受信信号電力が所定値以上の値を有する時間区間が所定長以上か否か等によって表されてもよい。また、管理内信号、及び、管理外干渉の干渉量の表し方は、互いに異なってもよいし、共通であってもよい。
制御部104は、NW#1の集中制御サーバ20(図1及び図2参照)から、端末に割り当てられたチャネルに関する割当情報を取得する。
制御部104は、割当情報を制御信号生成部105へ出力する。
また、制御部104は、端末とのデータ通信に関する制御を行う。例えば、復調/復号部102から取得した受信データを、図示しない外部のネットワーク、又は、NW#1内の他の装置へ出力してもよい。また、制御部104は、外部のネットワーク、又は、NW#1内の他の装置から取得した、端末宛の送信データを、符号化/変調部106へ出力する。
制御信号生成部105は、制御部104から取得した情報に基づいて、端末宛の制御信号を生成する。制御信号生成部105は、制御信号を符号化/変調部106へ出力する。
符号化/変調部106は、制御部104から取得した送信データに対して、符号化処理及び変調処理を行い、送信信号を生成する。また、符号化/変調部106は、制御信号生成部105から取得した制御信号に対して、符号化処理及び変調処理を行い、送信制御信号を生成する。符号化/変調部106は、送信信号及び/又は送信制御信号を送信部107へ出力する。
送信部107は、送信信号に対して、所定の送信処理を行う。例えば、所定の送信処理は、端末に割り当てたチャネルの周波数に基づいた、周波数変換処理(アップコンバート)を含む。端末に割り当てたチャネルの周波数に関する割当情報は、例えば、制御部104から取得されてよい。
また、送信部107は、送信制御信号に対して、所定の送信処理を行う。例えば、所定の送信処理は、端末に送信制御信号を送信するためのチャネルの周波数に基づいた、周波数変換処理(アップコンバート)を含む。端末に送信制御信号を送信するためのチャネルとは、例えば、予め決められたチャネルであってもよいし、端末との通信に現時点で用いられているチャネルであってもよい。
<集中制御サーバの構成例>
図4は、本実施の形態に係る集中制御サーバ20の構成例を示すブロック図である。集中制御サーバ20は、例えば、図1に示したNW#1に属する。例えば、集中制御サーバ20は、上述した基地局10と有線接続する。あるいは、集中制御サーバ20は、インターネット等のネットワークと有線接続し、当該ネットワークを介して基地局10と接続してもよい。
集中制御サーバ20は、受信部201、制御部202、及び、送信部203を備える。
受信部201は、例えば、基地局10からの情報を受信する。例えば、基地局10から受信する情報は、通知情報を含む種々の情報であってよい。また、基地局10から受信する情報は、基地局10のチャネル割り当てに関する情報を含んでもよい。チャネル割り当てに関する情報は、例えば、基地局10と無線接続中の端末及び/又は基地局10と無線接続を要求する端末に関する情報を含む。端末に関する情報は、端末数及び/又は端末それぞれのDuty比の情報を含んでもよい。
制御部202は、基地局10から受信した情報に基づいて、基地局10におけるチャネル割り当てを行う。例えば、制御部202は、通知情報に基づいて、基地局10が使用するチャネルのそれぞれに割り当てる端末の数を決定する。あるいは、制御部202は、決定した端末の数に基づいて、チャネルのそれぞれに割り当てる端末を決定してもよい。
なお、制御部202におけるチャネル割り当ての一例については後述する。
送信部203は、基地局10に対して、制御部202におけるチャネル割り当て結果を示す割当情報を送信する。
なお、上述では、図3に示す構成が1つの基地局10に含まれ、図4に示す構成が1つの集中制御サーバ20に含まれる例を説明した。本開示はこれに限定されない。例えば、基地局10が、集中制御サーバ20の構成の少なくとも一部を有してもよいし、集中制御サーバ20が、基地局10の構成の少なくとも一部を有してもよい。例えば、図2に示すネットワークにおいて、基地局10のいずれか少なくとも1つが、集中制御サーバ20の構成を有してもよい。
例えば、図3に示す基地局10の構成が、LPWAシステムの通信機能を有する第1の装置と、電波干渉モニタリング装置の機能(例えば、干渉分類部103)を有する第2の装置とに分けられてよい。
また、この場合、例えば、第2の装置は、第1の装置における受信信号の復号結果を取得してもよいし、第2の装置によって生成される通知情報を、第1の装置へ出力してもよい。また、例えば、第2の装置は、受信部101を有する代わりに、第1の装置の受信部101が受信した受信信号を、取得する形態であってもよい。
また、第2の装置の機能ブロックは、中継局に含まれてもよい。あるいは、第2の装置は、中継局と接続し、動作してもよい。
<チャネル割り当ての第1の例>
次に、集中制御サーバ20の制御部202における、チャネル割り当ての第1の例を説明する。
なお、以下の説明において、「管理内端末」は、集中制御サーバ20及び基地局10と同じネットワークに属する端末を指す。別言すると、「管理内端末」は、集中制御サーバ20が属するネットワークの管理下にある端末を指す。また、以下の説明において、「管理外端末」は、集中制御サーバ20が属するネットワークの管理下では無い端末及び/又は無線装置を指す。なお、「管理外端末」は、無線システムの装置に限定されず、雑音を発生させる源となる機器を含んでもよい。
基地局10の干渉分類部103は、各チャネルの干渉をモニタリングし、検出した干渉に含まれる管理外干渉と管理内信号とを分類する。
干渉分類部103は、管理内信号から管理内端末の平均Duty比を算出する。例えば、干渉分類部103は、割り当てる端末の数と管理内信号が検出される時間区間の長さとに基づいて、平均Duty比を算出してよい。
干渉分類部103は、管理外干渉の干渉量からチャネル使用率ri
uを算出する。なお、チャネル使用率ri
uにおけるiは、チャネルのインデックスを示し、uは、riが管理外干渉のチャネル使用率であることを示す。例えば、チャネル数がNCH(NCHは、1以上の整数)の場合、iは、0からNCH-1までの整数のいずれか1つの値をとる。なお、以下では、管理外干渉の干渉量から決定したチャネル使用率は、「管理外干渉のチャネル使用率」と記載される場合がある。
例えば、モニタリング対象の時間区間と、管理外干渉の電力が閾値以上の時間区間との比率が、管理外干渉のチャネル使用率と決定されてよい。
図5は、本実施の形態における干渉の分類結果の第1の例を示す図である。図5の横軸は、周波数(チャネル)を示し、縦軸はチャネル使用率を示す。図5には、チャネルf0~チャネルf4の4つのチャネルそれぞれにおける管理外干渉のチャネル使用率が示される。
干渉分類部103は、管理外干渉のチャネル使用率r
i
uからパケット送出率λ
i
uを算出する。以下では、管理外干渉のチャネル使用率から換算されたパケット送出率は、「管理外干渉のパケット送出率」と記載される場合がある。また、管理外干渉のパケット送出率は、管理外干渉の干渉量に基づいて決定される管理外トラフィック量の一例に相当する。例えば、ランダムアクセスのパケット送信に対する送信衝突率がポアソン分布に従う場合、チャネル使用率r
i
uに対するパケット送出率λ
i
uは、次の式(1)によって換算される。
パケット送出率に換算されることによって、各チャネルにおけるトラフィック量を加算によって表すことができる。
なお、管理外干渉のパケット送出率λi
uは、管理外端末のDuty比の和に相当する。例えば、管理外端末のDuty比が互いに同一の場合、或るチャネルにおけるパケット送出率は、或るチャネルを使用中の管理外端末の数とDuty比との積に該当する。
ただし、管理外端末は基地局10の管理下では無いため、基地局10は、或るチャネルを使用中の管理外端末の数及びDuty比を把握できない。しかしながら、管理外干渉のチャネル使用率に基づいて、パケット送出率の推定が可能である。
次に、集中制御サーバ20の制御部202は、基地局10から取得する通知情報に含まれる管理外干渉のパケット送出率に基づいて、管理内端末のパケット送出率の配分を決定する。例えば、制御部202は、式(2)及び式(3)を用いて、各チャネルにおける管理内端末のパケット送出率λ
i
mを決定する。なお、管理内端末のパケット送出率は、管理内端末に配分する管理内トラフィック量の一例に相当する。
ここで、NCHは、チャネルの総数を示す。例えば、図5の例では、NCHは4である。また、αは、式(2)及び式(3)を満たすための値である。ここで、式(3)におけるλtotal
mは、割り当てる全ての管理内端末それぞれのパケット送出率の総和である。例えば、λtotal
mは、管理内信号から換算されてよい。例えば、λtotal
mは、管理内端末の数と管理内端末のDuty比とから決定されてよい。例えば、λtotal
mは、割り当て決定前の管理内信号のチャネル使用率から換算した、管理内端末のパケット送出率の和であってよい。
図6は、本実施の形態におけるパケット送出率の配分結果の第1の例を示す図である。図6の横軸は、周波数(チャネル)を示し、縦軸はパケット送出率を示す。図6に示すように、管理外干渉のパケット送出率λi
uと、管理内端末のパケット送出率λi
mとの和は、各チャネルにおいて、一定の値αを示す。図6に示すように、パケット送出率λi
mの配分が決定されることによって、各チャネルにおけるトラフィックは同等となり、周波数利用効率を向上できる。なお、図6で示したパケット送出率の配分を決定する手順は、管理外干渉のパケット送出率λi
uによって形成される容器に対し水を注ぐ様相でパケット送出率λi
mを決定していることから、「注水定理」と呼んでもよい。
なお、図6では、パケット送出率λi
uと、パケット送出率λi
mとの和が、各チャネルにおいて一定の値αである例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、パケット送出率λi
uと、パケット送出率λi
mとの和が、各チャネルにおいて所定の範囲に収まるように、パケット送出率の配分が決定されてよい。
なお、図6では、各チャネルにパケット送出率λi
mが配分される例を示すが、本開示はこれに限定されない。例えば、管理外干渉のパケット送出率λi
uと、パケット送出率λi
mとの大きさに応じて、パケット送出率λi
mが配分されないチャネルが存在してもよい。
図7は、本実施の形態におけるパケット送出率の配分結果の第2の例を示す図である。図7の横軸は、周波数(チャネル)を示し、縦軸はパケット送出率を示す。図7の例では、チャネルf0における管理外干渉のパケット送出率λi
uが大きく、配分が必要なパケット送出率λi
mが相対的に小さいため、チャネルf0にパケット送出率λi
mが配分されない。なお、図7では、パケット送出率λi
uと、パケット送出率λi
mとの和が、チャネルf0を除く各チャネルにおいてにおいて一定の値αである例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、パケット送出率λi
uと、パケット送出率λi
mとの和が、各チャネルにおいて所定の範囲に収まるように、パケット送出率の配分が決定されてよい。この場合、所定の範囲を規定する上限以上のパケット送出率λi
uを有するチャネルは、パケット送出率λi
mが配分されなくてよい。
図6の例では、チャネルf0~f3が端末に割り当てるチャネルに相当し、図7の例では、チャネルf1~f3が、端末に割り当てるチャネルに相当する。
次に、制御部202は、パケット送出率λ
i
mから、式(4)を用いて、インデックスiに対応するチャネルに割り当てる管理内端末の数n
i
mを決定する。ここで、dは、管理内端末のDuty比を表す。
例えば、式(4)を用いて決定したni
mが整数では無い場合、制御部202は、小数点以下の切り上げ、切り捨て、又は、四捨五入等によって整数に換算してもよい。また、制御部202は、式(4)を用いて決定したni
mと基地局10において割り当てる管理内端末の総数とに基づいて、各チャネルの管理内端末の数を決定してもよい。例えば、各チャネルの管理内端末の数の総和が基地局10において割り当てる管理内端末の数に一致するという条件と、式(4)を用いて決定したni
mと各チャネルの管理内端末の数との差が所定値以下であるという条件とが満たされるように、各チャネルの管理内端末の数を決定してもよい。
なお、管理内端末のDuty比が同一である場合、式(4)によって、管理内端末の数が決定されるが、本開示はこれに限定されない。Duty比は、管理内端末毎に異なってもよい。例えば、Duty比は、干渉モニタリングの分類結果から推定されてよい。あるいは、予め固定された値がDuty比に設定されてもよい。
制御部202は、決定した管理内端末の数に基づいて、各チャネルに管理内端末を割り当てる。割り当て方法については、特に限定されない。例えば、ランダムに割り当ててよいし、管理内端末それぞれの受信レベルに基づいて、割り当てられてよい。
なお、上述では、管理外干渉のチャネル使用率を用いる例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、管理外干渉のチャネル使用率の代わりに、管理外干渉のチャネル未使用率が用いられてもよい。
また、上述では、管理外干渉のチャネル使用率からパケット送出率を換算する例を示したが、本開示はこれに限定されない。例えば、パケット送出率の代わりに、パケット到達率、又は、パケット衝突率が用いられてもよい。パケット到達率、又は、パケット衝突率を換算する方法は、特に限定されないが、例えば、上述したパケット送出率と同様に、ポアソン分布に基づいて換算する方法であってよい。例えば、パケット到達率が用いられる場合も、パケット送出率が用いられる場合と同様に、管理外干渉のパケット到達率に対して注水定理が適用され、管理内端末のパケット到達率の配分が決定されてよい。そして、管理内端末のパケット到達率から、各チャネルに割り当てられる管理内端末の数が決定されてもよい。
なお、上述した例では、管理外干渉のパケット送出率に対して注水定理を適用したが本開示はこれに限定されない。例えば、管理外干渉のパケット送出率を、管理外端末の数に換算し、換算した管理外端末の数に対して注水定理が適用されてもよい。この場合、注水定理の結果、管理内端末の数が得られてよい。
ただし、管理外端末の数に換算する場合、管理外端末の数が整数では無い値に換算される可能性がある。このような場合、整数では無い値に対して注水定理を適用してもよいし、小数点以下の切り上げ、切り捨て、四捨五入等によって整数に近似した後で、整数に近似した管理外干渉の端末数に対して注水定理を適用してもよい。
また、端末の数に換算した後で注水定理を適用する場合、得られる管理内端末の数が、整数では無い値になる可能性がある。このような場合、切り上げ、切り捨て、四捨五入等によって整数に近似した管理外端末の数に基づいて、チャネル割り当てを行ってもよい。
なお、上述したチャネル使用率、チャネル未使用率、パケット送出率、パケット到達率、パケット衝突率、及び、端末の数は、チャネルのトラフィック量を表す指標の例であるが、本開示では、チャネルのトラフィック量を表す別の指標が用いられてもよい。なお、チャネルのトラフィック量は、チャネルの使用量、チャネルの使用頻度等に置き換えられてよい。
なお、αには、上限値が設定されてもよい。例えば、式(2)及び式(3)を満たすためのαが、上限値αlimit以上となる場合、制御部202は、α<αlimitを満たすように管理内端末のパケット送出率の配分を決定する。この場合、i=0~NCH-1のそれぞれのni
mの総和が割り当てる管理内端末の総数よりも少なくなり、チャネルに割り当てられない管理内端末が存在する可能性がある。この場合、チャネルに割り当てられない管理内端末は、送信を休止するため、Duty比が減少する。
αに上限値が設けられることによって、各チャネルのチャネル使用率の増加を抑制でき、送信衝突確率を低減できる。
<チャネル割り当ての第1の例における処理フロー>
次に、上述した第1の例における処理フローを説明する。図8は、本実施の形態におけるチャネル割り当ての第1の例を示すフローチャートである。
基地局10は、各チャネルの干渉を検出し、検出結果から管理外干渉と管理内信号とを分類する(S101)。
基地局10は、管理内信号から平均Duty比を算出する(S102)。
基地局10は、各チャネルの管理外干渉の干渉量から、チャネル毎のチャネル使用率を算出する(S103)。
基地局10は、各チャネルのチャネル使用率からパケット送出率を算出する(S104)。
集中制御サーバ20は、管理外干渉のパケット送出率に対して注水定理を適用し、管理内端末のパケット送出率の配分を決定する(S105)。
集中制御サーバ20は、各チャネルの管理内端末のパケット送出率の割り当てと、平均Duty比とから、各チャネルに割り当てる端末の数を決定する(S106)。
集中制御サーバ20は、各チャネルに割り当てる管理内端末を決定する(S107)。そして、フローは終了する。
なお、図8には、基地局10における処理と、集中制御サーバ20における処理とが含まれるが、基地局10における処理の少なくも一部が集中制御サーバ20において実行されてもよいし、集中制御サーバ20における処理の少なくとも一部が基地局10において実行されてもよい。
以上説明したチャネル割り当ての第1の例では、集中制御サーバ20(制御装置の一例)の制御部202は、管理外干渉の干渉量に基づいて決定された複数のチャネルそれぞれの管理外干渉のパケット送出率(管理外トラフィック量の一例)と、管理内端末に配分するパケット送出率(管理内トラフィック量の一例)との和に基づいて、チャネル毎の管理内端末に配分するパケット送出率を決定し、決定した管理内端末に配分するパケット送出率に基づいて、チャネルに割り当てる管理内端末の数を決定する。一例として、制御部202は、パケット送出率に対して注水定理を適用して、管理内端末に配分するパケット送出率の配分を決定する。この例では、管理外トラフィック量と管理内トラフィック量との和が特定のチャネルに偏ることが無いため、干渉を考慮した適切なチャネル割り当てを行うことができる。また、トラフィック量が特定のチャネルに偏らないため、ネットワーク全体の(システム帯域全体の)送信衝突確率を低減でき、周波数利用効率を向上できる。
また、上述したチャネル割り当ての第1の例では、集中制御サーバ20は、基地局10における干渉モニタリングの分類結果を示す通知情報を随時取得できるため、LPWAシステムの運用中にチャネル割り当ての更新ができる。
<チャネル割り当ての第2の例>
上述した、チャネル割り当ての第1の例は、1つの基地局10における各チャネルの干渉を干渉モニタリングの分類結果から、当該基地局10におけるチャネル割り当てを行う。本開示はこれに限定されず、例えば、複数の基地局10における各チャネルの干渉を干渉モニタリングの分類結果から、複数の基地局10におけるチャネル割り当てを行ってもよい。以下では、2つの基地局10における各チャネルの干渉を干渉モニタリングの分類結果から、複数の基地局10におけるチャネル割り当てを行う例を説明する。
図9は、チャネル割り当ての第2の例におけるパケット送出率の配分結果の一例を示す図である。図9には、2つの基地局10(基地局10-1及び基地局10-2)におけるモニタリング結果の例と、2つのモニタリング結果から得られるパケット送出率の配分の例が示される。2つの基地局10(基地局10-1及び基地局10-2)におけるモニタリング結果の例の横軸は、周波数(チャネル)を示し、縦軸はチャネル使用率を示す。なお、チャネル使用率rk_i
u及びパケット送出率λk_i
uにおいて、iはチャネルのインデックスを示し、kは基地局10を識別するインデックスを示し、uはrk_i及びλk_iがそれぞれ管理外干渉のチャネル使用率及びパケット送出率であることを示す。例えば、図9の例では、iは、0~3までの整数であり、kは、1又は2である。
例えば、2つの基地局10の干渉分類部103は、それぞれ、電波モニタリングによって検出した干渉を、管理外干渉と管理内信号とに分類する。そして、2つの基地局10の干渉分類部103は、管理外干渉の干渉量からチャネル使用率を算出する。そして、干渉分類部103は、チャネル使用率からパケット送出率を算出する。なお、干渉分類部103におけるパケット送出率の算出方法については、上述したチャネル割り当ての第1の例と同様であるので、説明を省略する。
集中制御サーバ20の制御部202は、2つの基地局10の干渉分類部103において換算されたパケット送出率に対して注水定理を適用し、各チャネルにおいて管理内端末のパケット送出率λk_i
mを決定する。ここで、制御部202は、注水定理を適用する場合に、複数の基地局における互いに同一のチャネルを、異なるチャネルであるものとみなして扱う。例えば、図9に示すように、制御部202は、基地局10-1のチャネルf0と基地局10-2のチャネルf0とが異なるチャネルであるものとみなして扱い、注水定理を用いて、パケット送出率λk_i
mを決定する。なお、注水定理の適用方法については、上述したチャネル割り当ての第1の例と同様であるので、説明を省略する。
そして、制御部202は、パケット送出率λk_i
mからインデックスiに対応するチャネルに割り当てる管理内端末の数を決定する。そして、制御部202は、決定した管理内端末の数に基づいて、各チャネルに管理内端末を割り当てる。なお、第2の例では、2つの基地局10のそれぞれについてのチャネル割り当てが実行される。
<チャネル割り当ての第2の例における処理フロー>
次に、上述した第2の例における処理フローを説明する。図10は、本実施の形態におけるチャネル割り当ての第2の例を示すフローチャートである。なお、図10において、図8と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を適宜省略する。
図10に示すフローでは、図8にて示したS101~S104の処理が、複数の基地局10のそれぞれにおいて実行される。
そして、集中制御サーバ20は、複数の基地局10から結果を集約する(S201)。例えば、集中制御サーバ20は、複数の基地局から通知情報を取得することによって、結果を集約する。
そして、集中制御サーバ20は、注水定理を適用し、複数の基地局10のそれぞれにおける各チャネルの管理内端末のパケット送出率の配分を決定する(S202)。
集中制御サーバ20は、各チャネルの管理内端末のパケット送出率の割り当てと、平均Duty比とから、複数の基地局10のそれぞれにおける各チャネルに割り当てる端末の数を決定する(S203)。
集中制御サーバ20は、各チャネルに割り当てる管理内端末を決定する(S204)。そして、フローは終了する。
なお、図10には、基地局10における処理と、集中制御サーバ20における処理とが含まれるが、基地局10における処理の少なくも一部が集中制御サーバ20において実行されてもよいし、集中制御サーバ20における処理の少なくとも一部が基地局10において実行されてもよい。
以上説明したチャネル割り当ての第2の例では、制御部202は、複数の基地局10における干渉モニタリングの分類結果から得られる基地局10それぞれの管理外干渉のパケット送出率と、管理内端末に配分するパケット送出率(管理内トラフィック量の一例)との和に基づいて、複数の基地局10それぞれにおけるチャネル毎の管理内端末に配分するパケット送出率を決定する。そして、制御部202は、管理内端末に配分するパケット送出率に基づいて、複数の基地局10それぞれにおけるチャネルに割り当てる管理内端末の数を決定する。この例では、管理外干渉のトラフィック量と管理内端末のトラフィック量との和が特定の基地局10の特定のチャネルに偏ることが無く、各基地局10の各チャネルにおいて一定範囲に収めるため、干渉を考慮した適切なチャネル割り当てを、複数の基地局10に対して行うことができる。また、トラフィックが特定の基地局10の特定のチャネルに偏らないため、ネットワーク全体の(システム帯域全体の)送信衝突確率を低減でき、周波数利用効率を向上できる。
<チャネル割り当ての第3の例>
上述した、チャネル割り当ての第1の例及び第2の例は、各チャネルにおける干渉から、管理内信号と管理外干渉とを分類し、管理外干渉に基づいて、チャネル割り当てを実行する例を説明した。第3の例では、管理外干渉を、優先度に基づいて分類し、優先度の高い干渉に基づいて、チャネル割り当てを実行する例を説明する。
なお、以下では、管理外干渉のうち、相対的に優先度の低い干渉は「低優先度干渉」と記載され、相対的に優先度の高い干渉は「高優先度干渉」と記載される。
低優先度干渉と高優先度干渉との分類については、特に限定されない。基地局10を含むNW#1に含まれる無線装置(例えば、端末)の信号送信が、NW#1に含まれない無線装置の信号送信よりも優先される場合、NW#1に含まれない無線装置が送信する信号による干渉は、低優先度干渉に相当してよい。NW#1に含まれない無線装置の信号送信が、NW#1に含まれる無線装置の信号送信よりも優先される場合、NW#1に含まれない無線装置が送信する信号による干渉は、高優先度干渉に相当してよい。
例えば、LPWAシステムにおける低優先度干渉は、LPWAシステムが使用する帯域と隣り合う帯域を使用する無線システムであって、LPWAシステムと異なる無線システムからの帯域外漏洩を含む。あるいは、LPWAシステムにおける低優先度干渉は、LPWAシステムが使用するチャネルと隣り合うチャネルを使用する無線システムであって、LPWAシステムと異なる無線システムからの帯域外漏洩を含んでもよい。また、LPWAシステムにおける低優先度干渉は、機器ノイズを含んでよい。例えば、LPWAシステムにおける低優先度干渉は、図1にて例示した環境雑音の中で、LPWAシステムよりも優先度が低い無線システムによる環境雑音を含んでよい。
LPWAシステムにおける高優先度干渉は、例えば、管理外干渉の中で、上述したLPWAシステムにおける低優先度干渉を除いた干渉であってよい。例えば、高優先度干渉は、図1にて例示した電波干渉を含んでよい。あるいは、高優先度干渉は、また、高優先度干渉は、チャネルf0における高優先度干渉は、同じチャネルf0を使用する無線システムであって、LPWAシステムと異なる無線システムからの干渉を含む。
基地局10の干渉分類部103は、検出した干渉を、管理内信号と管理外干渉とに分類し、管理外干渉を、高優先度干渉と低優先度干渉とに分類する。
なお、干渉分類部103における高優先度干渉と低優先度干渉との分類方法は、特に限定されない。例えば、干渉分類部103は、管理外干渉に相当する受信信号を周波数領域に変換し、当該受信信号の周波数スペクトルが、どの無線システム(LPWAシステムと異なる無線システム)に対応するかを判定してよい。そして、干渉分類部103は、判定した無線システムが、LPWAシステムよりも優先されるか否かを判定することによって、高優先度干渉と低優先度干渉とを分類してよい。なお、他の無線システムの周波数スペクトルおよび他の無線システムの優先度に関する情報は、予め、干渉分類部103において記憶されてよい。
図11は、本実施の形態における干渉の分類結果の第2の例を示す図である。図11の横軸は、周波数(チャネル)を示し、縦軸はチャネル使用率を示す。図11は、4つのチャネルそれぞれにおける管理外干渉が、高優先度干渉(図11の「H」)と低優先度干渉(図11の「L」)とに分類された例を示す。
干渉分類部103は、高優先度干渉の干渉量からチャネル使用率を算出し、算出したチャネル使用率からパケット送出率λi
Hを算出する。なお、チャネル使用率の算出及びパケット送出率の算出方法については、対象とする干渉が管理外干渉から高優先度干渉に置き換えられた点を除いて第1の例と同様であるので、説明は省略する。
集中制御サーバ20の制御部202は、高優先度干渉の干渉量から得られたパケット送出率λi
Hに対して注水定理を適用し、各チャネルにおいて管理内端末のパケット送出率λi
mを決定する。なお、注水定理の適用方法については、対象とするパケット送出率が管理外干渉から高優先度干渉に置き換えられた点を除いて第1の例と同様であるので、説明を省略する。
図12は、本実施の形態におけるパケット送出率の配分結果の第3の例を示す図である。図12の横軸は、周波数(チャネル)を示し、縦軸はパケット送出率を示す。図12に示すように、高優先度干渉のパケット送出λi
Hと、パケット送出率λi
mとの和は、各チャネルにおいて、一定の値αを示す。図12に示すようにパケット送出率λi
mの配分を決定することによって、各チャネルにおけるトラフィックは同等となり、周波数利用効率を向上できる。
<チャネル割り当ての第3の例における処理フロー>
次に、上述した第3の例における処理フローを説明する。図13は、本実施の形態におけるチャネル割り当ての第3の例を示すフローチャートである。なお、図13において、図8と同様の処理については、同一の符番を付し、説明を省略する場合がある。
基地局10は、各チャネルの干渉を検出し、検出結果から管理外干渉と管理内信号とを分類する(S101)。
基地局10は、管理外干渉を高優先度干渉と低優先度干渉とに分類する(S301)。
基地局10は、管理内信号から平均Duty比を算出する(S102)。
基地局10は、各チャネルの高優先度干渉の干渉量から、チャネル毎の高優先度干渉のチャネル使用率を算出する(S302)。
基地局10は、各チャネルの高優先度干渉のチャネル使用率から高優先度干渉のパケット送出率を算出する(S303)。
集中制御サーバ20は、高優先度干渉のパケット送出率に対して注水定理を適用し、各チャネルの管理内端末のパケット送出率の配分を決定する(S304)。
集中制御サーバ20は、各チャネルの管理内端末のパケット送出率の割り当てと、平均Duty比とから、各チャネルに割り当てる端末の数を決定する(S106)。
集中制御サーバ20は、各チャネルに割り当てる管理内端末を決定する(S107)。そして、フローは終了する。
なお、図13には、基地局10における処理と、集中制御サーバ20における処理とが含まれるが、基地局10における処理の少なくも一部が集中制御サーバ20において実行されてもよいし、集中制御サーバ20における処理の少なくとも一部が基地局10において実行されてもよい。
以上説明したチャネル割り当ての第3の例では、管理外干渉を高優先度干渉と低優先度干渉とに分類し、高優先度干渉の干渉量から得られるパケット送出率に対して注水定理を適用して、管理内端末のパケット送出率の配分を決定する。この例では、高優先度干渉に起因するトラフィック量と管理内端末のトラフィック量との和が特定のチャネルに偏ることが無いため、干渉を考慮した適切なチャネル割り当てを行うことができる。また、トラフィックが特定のチャネルに偏らないため、ネットワーク全体の(システム帯域全体の)送信衝突確率を低減でき、周波数利用効率を向上できる。
また、チャネル割り当ての第3の例では、高い優先度を有するシステムに対する与干渉を抑制でき、低い優先度を有するシステムとの共存を図ることにより、周波数利用効率の向上を実現できる。
<チャネル割り当ての第4の例>
上述した各例において、各チャネルに割り当てる端末の割り当て方法(例えば、どのチャネルにどの端末を割り当てるか)については限定されない。
例えば、「LoRa」と称される通信方式(以下、LoRa方式)と「Wi-SUN」と称される通信方式(以下、Wi-SUN方式)とを含む異なる種類の無線システムでは、各端末のDuty比、及び/又は、占有チャネル幅が、互いに異なる場合がある。
例えば、LoRa方式では、1チャネルが使用され、Wi-SUN方式よりも大きいDuty比での通信が行われる。Wi-SUN方式は、2チャネルが使用され、LoRa方式よりも小さいDuty比での通信が行われる。
チャネルの割り当てにおいては、各端末のDuty比、及び、占有チャネル幅等の様々な条件が考慮されてよい。また、チャネル割り当てにおいては、各端末において動作するシステムのアプリケーション等に応じて各端末が要求する通信頻度、及び/又は、各端末の通信品質が考慮されてよい。
以下、第4の例では、チャネル割り当てにおいて、どの端末をどのチャネルに割り当てるかを決定する方法の一例について説明する。なお、以下では、基地局10がチャネル割り当てを実行する例を説明するが、本開示はこれに限定されず、例えば、集中制御サーバ20が、チャネル割り当てを実行してもよい。或いは、基地局10が、以下に説明する手順の一部を実行し、集中制御サーバ20が、残りの一部を実行してもよい。また、以下に説明する端末は、基地局10の「管理内端末」に相当してよい。
チャネル割り当てには、端末の割り当て順序を決定する手順1(端末のソート)と、手順1にて決定した割り当て順序の順に、割り当て可能なチャネルを端末に割り当てる手順2とが含まれてよい。ここで、割り当て可能なチャネルとは、上述した例において、管理内端末に配分する管理内トラフィック量(例えば、パケット送出率λi
m)が存在するチャネルである。図6の例では、チャネルf0~f3が端末に割り当て可能なチャネルに相当し、図7の例では、チャネルf1~f3が、端末に割り当て可能なチャネルに相当する。ここで、チャネルf0~f3は、それぞれ、チャネル番号#0~#3に対応するチャネルであってよい。
<手順1:端末のソート>
手順1では、割り当てを行う端末(割り当て対象の端末)の割り当て順序をソートする(並び替える)。割り当て対象の端末は、例えば、基地局10と無線接続する端末の少なくとも一部であってよい。
例えば、ソートは、割り当て対象の端末の順序(割り当て順序)を決定すること、と捉えてもよい。また、割り当て順序を決定することは、割り当ての優先度を決定すること、と捉えてよい。
端末の割り当て順序の決定方法(ソート方法)は、特に限定されない。例えば、割り当て順序は、ランダムであってもよいし、あるいは、所定のパラメータの値に基づいて決定されてもよい。例えば、以下の5つの例が挙げられる。なお、所定のパラメータは、「割り当て優先度」と称されてよい。
例1:ランダム順
例2:通信品質(例えば、受信品質)順
例3:「前回通信成功からの経過時間÷所要通信間隔」の値の順
例4:「通信成功時間間隔の平均値÷所要通信間隔」の値の順
例5:「通信成功時間間隔の最大値÷所要通信間隔」の値の順
なお、手順1の各例については、後述する。
手順1によって決定された端末の割り当て順序に基づいて、以下の手順2では、端末に割り当てるチャネルを決定する。
<手順2:端末へのチャネルの割り当て>
手順1によって決定した割り当て順序の高い端末から順に、割り当て可能なチャネル(候補チャネル)が割り当てられる。割り当て対象の端末にどの候補チャネルを割り当てるか、については、特に限定されない。例えば、以下の4つの方法が挙げられる。割り当て対象の端末に割り当て可能なチャネル(候補チャネル)とは、例えば、割り当て対象の端末のDuty比、及び/又は、占有チャネル幅が確保できるチャネルに対応してよい。例えば、各チャネルに配分される管理内端末のパケット送出率λi
mの中で、割り当て対象の端末が要求するパケット送出率よりも多いパケット送出率が配分されたチャネルが、割り当て対象の端末に割り当て可能なチャネル(候補チャネル)に対応してよい。別言すると、端末毎に割り当て可能なチャネルが異なってもよい。
(FF(First-Fit))
割り当て対象の端末に割り当て可能なチャネルの中で、最も若い(最も小さい)チャネル番号のチャネルから順に割り当てる。例えば、図6におけるチャネルf1~f3が割り当て対象の端末に割り当て可能な場合、チャネルf1が、当該割り当て対象の端末に割り当てられる。例えば、チャネルf0が、端末aに割り当て可能ではなく、端末の割り当て順序において端末aよりも後の端末bに割り当て可能な場合、チャネルf0は、端末bに割り当てられてよい。
(BF(Best-Fit))
割り当て対象の端末に割り当て可能なチャネルの中で、最も空きが少ないチャネルから順に割り当てる。例えば、図6におけるチャネルf1~f3が割り当て対象の端末に割り当て可能な場合、チャネルf2が割り当てられる。
(WF(Worst-Fit))
割り当て対象の端末に割り当て可能なチャネルの中で、最も空きが多いチャネルから順に割り当てる。例えば、図6におけるチャネルf1~f3が割り当て対象の端末に割り当て可能な場合、チャネルf3が割り当てられる。
(NF(Next-Fit))
最も若いチャネル番号のチャネルから順に割り当てる。例えば、図6では、チャネルf0から順に割り当てられる。例えば、チャネルf0が端末aに割り当て可能ではなく、チャネルf1が端末aに割り当てられた場合、チャネルf0が端末の割り当て順序において端末aよりも後の端末bに割り当て可能な場合であっても、チャネルf0は、端末bに割り当てられない。
なお、手順2における方法は、上記の4つに限られない。例えば、手順2における方法は、管理内端末に配分する各チャネルの管理内トラフィック量を空き箱と見立てて、管理内端末のトラフィック量(例えば、チャネル幅とDuty比の大きさとの積)を荷物と見立てた場合の空き箱に荷物を詰める方法に対応する。別言すると、手順2における方法は、組み合わせ最適化問題の一種である「ビンパッキング問題」の解法に対応してよい。
手順2における方法は、上記の4つに限られず、例えば、貪欲法、局所探索法、遺伝的アルゴリズム、粒子群最適化、列生成法といった、他のビンパッキング問題に対する解法が適用されてもよい。
次に手順1の各例を説明する。
(例1:ランダム順)
例えば、端末の割り当て順序が、ランダムに決定される場合、手順2において各端末がチャネルに均等に割り当てられる。そのため、割り当て順序がランダムに決定されることは、送信機会の観点で、端末間での公平性が確保できる。
(例2:受信品質順)
例えば、端末の割り当て順序が、受信品質の悪い順(例えば、SINRが小さい順)に決定される場合、通信品質の悪い、すなわち、受信成功確率が低い端末に対して、より多くの送信機会(例えば、チャネルの割り当て)が与えられる。そのため、通信品質に基づいて割り当て順序を決定することは、受信成功率の観点で、端末間の公平性が確保できる。
(例3:「前回通信成功からの経過時間÷所要通信間隔」の値の順)
「所要通信間隔」とは、例えば、端末において動作する機能、あるいは、設定される機能(例えば、アプリケーション)によって要求される通信間隔であってよい。例えば、少なくとも、5分に1回の通信(データ等の送受信)が実行されるアプリケーションが動作する端末では、「所要通信間隔」は、5分に設定される。また、「前回通信成功からの経過時間」とは、例えば、直近の通信成功(例えば、データ等の送信又は受信の成功)の時点から経過した時間であってよい。なお、「所要通信間隔」は、端末毎に固定であってもよいし、1つの端末において変動してもよい。
次に、「前回通信成功からの経過時間÷所要通信間隔」の値と、値に対する割り当て順序の例について、図14、図15を参照して説明する。
図14は、本実施の形態における端末の割り当て順序の決定の例を示す図である。
図14には、システム1に属する端末1~4と、システム2に属する端末5~8が示される。システム1は、例えば、所要通信間隔が5分のアプリケーションを使用するシステムである。システム2は、例えば、所要通信間隔が10分のアプリケーションを使用するシステムである。
また、図14には、端末1~8のそれぞれの、「前回通信成功からの経過時間」と、「前回通信成功からの経過時間」を「所要通信間隔」で除算した結果を示す「割り当て優先度」と、割り当て優先度の大きい方から順位付けた、「優先度順」とが示される。
図14に示す例では、端末1~8の中で、端末3が最初の割り当て対象の端末となり、以降、優先度順に従って、チャネルが端末に割り当てられる。
図15は、本実施の形態における端末の割り当て順序の決定の処理を示すフローチャートである。図15に示すフローは、基地局10において実行される。
基地局10は、端末のそれぞれの「前回通信成功からの経過時間」を計時する(S401)。
基地局10は、チャネル割り当てを行う場合において、「割り当て優先度」を算出する(S402)。
基地局10は、割り当て優先度に基づいて、割り当て順序(優先度順)を決定する(S403)。そして、図15のフローは、終了する。
例3の「前回通信成功からの経過時間÷所要通信間隔」の値(図14の「割り当て優先度」)に基づいて、端末の割り当て順序が決定されることによって、通信の頻度に関連した所要通信間隔の観点で、端末間の公正性を確保できる。例3の方法によると、通信品質が悪く、前回通信成功からの経過時間が長く、所要通信間隔と比較して長い間通信が成功していない端末に、チャネルを優先的に割り当てることができる。
なお、例3における「割り当て優先度」に基づいて、端末にチャネルを割り当てるか否かが判断されてもよい。例えば、基地局10は、「割り当て優先度」が閾値以上の端末にチャネルを割り当てる、と判断し、「割り当て優先度」が閾値未満の端末にチャネルを割り当てない、と判断してもよい。
(例4:「通信成功時間間隔の平均値÷所要通信間隔」の値の順)
「通信成功時間間隔」とは、或る機会において通信が成功したタイミングと、その次の機会において通信が成功したタイミングとの間隔に対応してよい。例4は、例3における「前回通信成功からの経過時間」が「通信成功時間間隔の平均値」に置き換わった例である。
例えば、基地局10は、各端末の通信成功時間間隔を計測し、各端末の通信成功時間間隔の平均値を決定する。そして、上述した例3と同様に、基地局10は、「通信成功時間間隔の平均値」を「所要通信間隔」で除算した結果を示す「割り当て優先度」に基づいて、割り当て優先度の大きい方から順位付けた割り当て順序(優先度順)を決定してよい。
例4の「通信成功時間間隔の平均値÷所要通信間隔」の値に基づいて、端末の割り当て順序が決定されることによって、通信の頻度に関連した所要通信間隔の観点で、端末間の公正性を確保できる。例4の方法によると、通信品質が悪く、通信成功時間間隔が平均的に長く、所要通信間隔と比較して長い間通信が成功していない端末に、チャネルを優先的に割り当てることができる。
(例5:「通信成功時間間隔の最大値÷所要通信間隔」の値の順)
例5は、例3における「前回通信成功からの経過時間」が「通信成功時間間隔の最大値」に置き換わった例である。
例えば、基地局10は、各端末の通信成功時間間隔を計測し、各端末の通信成功時間間隔の最大値を決定する。そして、上述した例3と同様に、基地局10は、「通信成功時間間隔の最大値」を「所要通信間隔」で除算した結果を示す「割り当て優先度」に基づいて、割り当て優先度の大きい方から順位付けた割り当て順序(優先度順)を決定してよい。
例5の「通信成功時間間隔の最大値÷所要通信間隔」の値に基づいて、端末の割り当て順序が決定されることによって、通信の頻度に関連した所要通信間隔の観点で、端末間の公正性を確保できる。例5の方法によると、通信品質が悪く、通信成功時間間隔の最大値が長く、所要通信間隔と比較して長い間通信が成功していない端末に、チャネルを優先的に割り当てることができる。
なお、手順1の例1~例5は、適宜、組み合わせて用いられてもよい。例えば、例3において、同一の「前回通信成功からの経過時間÷所要通信間隔」の値(図14の「割り当て優先度」)を有する複数の端末の割り当て順序が、例3と異なる他の例に基づいて決定されてもよい。あるいは、複数のパラメータに基づいて、端末の割り当て順序が決定されてもよい。
以上説明したチャネル割り当ての第4の例では、所定の条件に基づいて端末の割り当て順序を決定し、決定した順序に従ってチャネルを割り当てるため、周波数利用効率を向上させ、端末毎の条件に応じた適切なチャネル割り当てを実行できる。例えば、端末毎の条件とは、端末の通信品質に関する条件、及び/又は、端末に要求される通信頻度に関する条件が含まれてよい。
なお、上述した実施の形態、及び、各例では、LPWAシステムにおける干渉の分類及び分類した干渉に関する情報の通知方法について説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、LPWAシステムと異なる無線システムにおいて、干渉モニタリングを行う場合にも、本開示は適用されてよい。
また、上述した実施の形態における割り当ての各例は、組み合わせて用いられてもよい。例えば、上述した第2の例と第3の例とが組み合わせて用いられてもよい。この組み合わせでは、例えば、集中制御サーバ20は、複数の基地局10における各チャネルの干渉の干渉モニタリングの分類結果から、管理外干渉の中で、優先度の高い干渉に基づいて、複数の基地局10におけるチャネル割り当てを実行してもよい。また、上述した実施の形態における割り当ての各例は、動的に切替えて用いられてもよい。
なお、上記実施の形態における「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
また、上記実施の形態における「チャネル」という表記は、「周波数」、「周波数チャネル」、「帯域」、「バンド」、「キャリア」、「サブキャリア」、又は、「(周波数)リソース」といった他の表記に置換されてもよい。
また、上記実施の形態における「算出」という用語は、「決定」、「推定」、「導出」といった他の用語に置換されてもよい。
また、上記実施の形態における「分類」という用語は、「分離」、「抽出」といった他の用語に置換されてもよい。
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部又は全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
以上、本開示の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。