JP7409909B2 - 水素ステーションとその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水素ステーションとその運転方法に関し、詳しくは、ブースター型圧縮機を用いた水素ステーションとその運転方法に関する。
近年、ガソリン車に代わる環境負荷の小さい自動車として、水素を燃料とする燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)が注目されている。燃料電池自動車は、含酸素の空気と燃料ガスである水素ガスとを燃料電池に供給し、これによって発電した電力を利用して電動機を駆動することにより走行するので、ガソリン車のように二酸化炭素(CO)、NOX、SOX等の排出がなく水を排出するだけであり、環境にやさしい自動車とされている。
燃料電池自動車の水素タンクへの水素ガス(以下、単に水素という。)の供給は、ガソリン自動車へのガソリンの供給をガソリンスタンドで行うのと同様に、水素を充填する水素ステーションにおいて行われる。この水素ステーションには、水素供給源として水素製造装置を備え、その装置で製造した水素を供給するオンサイト型水素ステーションと、外部で製造した水素を高圧でカードルに充填し、水素ステーションに運搬したカードルや水素トレーラを水素供給源として使用するオフサイト型水素ステーションがある。
水素供給源と燃料電池車との差圧により水素供給を行う水素ステーションでは、水素製造装置で製造した水素であっても、カードルから取出した水素であっても、圧縮機で82MPa程度まで昇圧して蓄圧器に貯蔵した後、差圧方式により燃料電池車に供給する。水素ステーション用の圧縮機としては、例えば、レシプロ型圧縮機、ダイヤフラム型圧縮機、ブースター型圧縮機が知られている。
一般的に、レシプロ型圧縮機及びダイヤフラム型圧縮機は圧縮率が高く、低圧の水素(例えば0.6~0.7MPa)を水素ステーションに必要な高圧(例えば82MPa)に圧縮することが可能である。このため、水素ステーションの圧縮機としてレシプロ型圧縮機又はダイヤフラム型圧縮機を使用した場合には、カードルに充填された水素を略使い切ることができる。その一方、レシプロ型圧縮機及びダイヤフラム型圧縮機は高価であるとともに構造が複雑であり、それにより維持コストも嵩むため、水素ステーションの建設コスト及び運用コストの上昇を招くことになる。
これに対して、ブースター式圧縮機は圧縮率が低く、水素ステーションに必要な高圧(例えば、82MPa)に圧縮するために最低限求められる吸入圧力が高いため、カードル内の水素圧が3MPa程度に低下すると水素を水素ステーションに必要な高圧に昇圧するのに無理が生じる場合がある。その一方で、ブースター式圧縮機は比較的に安価で、構造が簡単であり、維持コストも少なくて済むため、水素ステーションの建設コスト及び運用コストを抑制することができる。
燃料電池自動車の普及率が低く、水素ステーションの利用頻度がさほど高くない場合は、水素ステーションの建設コスト及び運用コストを抑制する必要があることから、圧縮機としてブースター型圧縮機の採用が望まれる。しかしながら、前述の様に、ブースター型圧縮機は圧縮率が低いため、まだカードル内にある程度の水素が残存しているにも係わらずカードルの交換が必要となり、水素の利用効率が低い。
カードルに充填された水素を略使い切り、水素の利用効率を高めようとすると、複数のブースター型圧縮機を多段に設ける必要があるが、ブースター型圧縮機の設置台数の増加により水素ステーションの建設コストの上昇を招くことになる。
小型で圧縮率が低い圧縮機を使用した水素ステーション用のガス充填装置として、例えば、特許文献1には、ガス供給源から供給された水素を昇圧する圧縮機と、圧縮機が昇圧した水素を充填する蓄圧器と、蓄圧器の前段に圧縮機で昇圧した水素を貯留する貯留部とを設け、ガス供給源から供給された水素を圧縮機で所定圧力(例えば、45MPa)に昇圧して貯留部に貯留した後、ガス供給源から供給された水素を圧縮機で所定圧力(例えば、45MPa)に昇圧して蓄圧器に充填し、その後、貯留部に貯留した水素を圧縮機で再度昇圧して蓄圧器に目標圧力(例えば、90MPa)に達するまで圧縮充填するガス充填装置及びガス充填方法が開示されている。
また特許文献2には、水素製造装置と、水素製造装置によって製造された水素を昇圧する低圧圧縮機と、低圧圧縮機により昇圧された水素を貯留する低圧蓄圧器および可変蓄圧器と、低圧蓄圧器に貯留された水素を昇圧する高圧圧縮機と、高圧圧縮機により昇圧された水素を貯留する高圧蓄圧器を備え、低圧圧縮機が水素製造装置で製造された水素(0.7MPa)を33MPa~40MPaに昇圧して低圧蓄圧器および可変蓄圧器に貯留し、高圧圧縮機が低圧蓄圧器に貯留された33MPa~40MPaの水素を82MPaに昇圧する高圧水素製造システムが開示されている。
特許第5886820号公報 特許第5378624号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたガス充填装置及びガス充填方法では、燃料電池自動車へ水素の補給を行うに先立って、ガス供給源から供給された水素を圧縮機で昇圧して貯留部に貯留する開始前貯留運転、ガス供給源から供給された水素を圧縮機で昇圧して蓄圧部に圧縮充填する第1圧縮充填運転、貯留部に貯留した水素を圧縮機で昇圧して蓄圧器が所定の圧力に達するまで圧縮充填する第2圧縮充填運転を行う必要があるため、燃料電池自動車に水素を補給するための準備時間が長くなるとともに、水素を補給する燃料電池自動車が想定を超えて到来した場合には蓄圧容器への水素の補充が間に合わなくなり、待ち時間が大幅に長くなるおそれがある。
また、特許文献2に開示された高圧水素製造システムでは、低圧圧縮機と高圧圧縮機の2台の圧縮機を使用しているため、個々の圧縮機は低コストであっても、圧縮機全体としてはコストが上昇し、水素ステーションの建設コストの抑制効果は低い。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、水素供給源から供給される水素の利用効率を高めるとともに蓄圧器の復圧を効率良く行うことができ、動作安定性に優れ、建設コスト及び運用コストを抑制することができる水素ステーションとその運転方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、水素供給源と、水素供給源から供給される水素を減圧するレギュレータと、レギュレータから供給される水素を昇圧する圧縮機と、圧縮機により昇圧された第1の圧力の水素を蓄圧する蓄圧器ユニットと、圧縮機により昇圧された第1の圧力よりも低い第2の圧力の水素を蓄圧する荷卸用蓄圧器とを有し、水素供給源から前記レギュレータを介して供給される水素の圧力が第1の吸入圧である場合には圧縮機で第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧し、水素供給源からレギュレータを介して供給される水素の圧力が第1の吸入圧を下回った場合には圧縮機で第2の圧力に昇圧して荷卸用蓄圧器に蓄圧するように制御する制御部を備えた水素ステーションである。
請求項2に係る発明は、荷卸用蓄圧器から供給される水素をレギュレータで減圧した後、圧縮機で昇圧して第1の圧力の水素を蓄圧器ユニットに蓄圧することができるようになっている水素ステーションである。
請求項3に係る発明は、制御部は、水素供給源からレギュレータを介して供給される水素の圧力が第2の吸入圧を下回った場合には、その水素供給源からの水素の供給を停止するとともに、荷卸用蓄圧器に蓄圧した水素を圧縮機で第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧するように制御する水素ステーションである。
請求項4に係る発明は、圧縮機は、昇圧する設定出力圧の切替えが可能である水素ステーションである。
請求項5に係る発明は、第1の吸入圧は、圧縮機が水素を第1の圧力に昇圧することができる最低吸入圧である水素ステーションである。
請求項6に係る発明は、第2の吸入圧は、圧縮機が水素を第2の圧力に昇圧することができる最低吸入圧である水素ステーションである。
請求項7に係る発明は、レギュレータは、水素供給源から供給される水素の圧力が第1の吸入圧以上の場合には第1の吸入圧に減圧し、第1の供給圧を下回った場合にはそのままの圧力で圧縮機に供給する水素ステーションである。
請求項8に係る発明は、レギュレータは、水素供給源から供給される水素を第1の吸入圧に減圧する第1のレギュレータと、水素供給源から供給される水素を第2の吸入圧に減圧する第2のレギュレータとを並列に設けて構成され、圧縮機に供給する水素の圧力が切替え可能である水素ステーションである。
請求項9に係る発明は、圧縮機は、油圧ブースター型圧縮機である水素ステーションである。
請求項10に係る発明は、水素供給源からレギュレータを介して圧縮機に供給される水素の圧力が第1の吸入圧である間は、供給された水素を第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧する工程と、水素供給源からレギュレータを介して圧縮機に供給される水素の圧力が第1の吸入圧を下回った場合には、供給された水素を第1の圧力よりも低い第2の圧力に昇圧して荷卸用蓄圧器に蓄圧する工程と、水素供給源からレギュレータを介して圧縮機に供給される水素の圧力が第2の吸入圧を下回った場合には、水素供給源からの水素の供給を停止するとともに、荷卸用蓄圧器に蓄圧した水素を圧縮機で第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧する工程と、を備えたことを特徴とする水素ステーションの運転方法である。
請求項11に係る発明は、第1の吸入圧は、圧縮機が水素を第1の圧力に昇圧することができる最低吸入圧であり、第2の吸入圧は、圧縮機が水素を第2の圧力に昇圧することができる最低吸入圧である水素ステーションの運転方法である。
請求項12に係る発明は、圧縮機は、油圧ブースター型圧縮機である水素ステーションの運転方法である。
請求項1に係る発明によると、水素ステーションは、水素供給源からレギュレータを介して供給される水素の圧力が第1の吸入圧である場合には圧縮機で第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧し、水素供給源からレギュレータを介して供給される水素の圧力が第1の吸入圧を下回った場合には圧縮機で第2の圧力に昇圧して荷卸用蓄圧器に蓄圧するように切替えるので、圧縮率が低い圧縮機であっても水素供給源に充填された水素を多く取出すことができる。
また、一台の圧縮機で蓄圧器ユニットと荷卸用蓄圧器への蓄圧を行うことができるので、装置全体の設置スペースを小さくしつつ、無駄なく水素を使うことができる。
請求項2に係る発明によると、荷卸用蓄圧器の水素をレギュレータで減圧してから圧縮機で昇圧し、第1の圧力の水素を蓄圧器ユニットに蓄圧できるので、荷卸用蓄圧器に供給した低い圧力の水素を、燃料電池自動車に供給可能な圧力に高めることができる。
請求項3に係る発明によると、水素供給源からレギュレータを介して供給される水素の圧力が第2の吸入圧を下回った場合には、荷卸用蓄圧器に蓄圧した水素を圧縮機で第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧するので、荷卸用蓄圧器に蓄圧した水素が燃料電池自動車へ供給可能となり、水素供給源から取り出した水素のほとんどを無駄にすることがなく、水素の利用効率を高めることができる。
また、水素供給源から供給される水素を第2の圧力に昇圧して荷卸用蓄圧器に蓄圧しておき、所要時にこの蓄圧した水素を油圧ブースター型圧縮機で第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧することができるため、水素供給源の交換が必要となった場合に、水素供給源の交換を待つことなく、直ちに荷卸用蓄圧器に蓄圧した水素を昇圧して蓄圧器ユニットに供給することにより、蓄圧器ユニットの復圧を効率良く行うことができる。
請求項4に係る発明によると、圧縮機は昇圧する設定出力圧の切替えが可能であるため、水素供給源からレギュレータを介して第1の吸入圧で供給される水素を蓄圧器ユニットに蓄圧するための第1の圧力への昇圧と、水素供給源からレギュレータを介して第2の吸入圧で供給される水素を荷卸用蓄圧器に蓄圧するための第2の圧力への昇圧と、荷卸用蓄圧器に蓄圧した水素を蓄圧器ユニットに蓄圧するための第1の圧力への昇圧とを1台の圧縮機の設定出力圧を切替えるだけで行うことができるので、複数の圧縮機を備える必要がなく、水素ステーションの設置スペース、建設コスト及び運用コストを抑制することができる。
請求項5に係る発明によると、第1の吸入圧は、圧縮機が水素を第1の圧力に昇圧することができる最低吸入圧であるため、水素供給源から供給される水素の圧力が第1の吸入圧を下回るまでの間は、複数台の圧縮機を多段に設ける必要がなく、1台の圧縮機により水素供給源から供給される水素を第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧することができるので、水素ステーションの設置スペース、建設コスト及び運用コストを抑制することができる。
請求項6に係る発明によると、第2の吸入圧は、圧縮機が水素を第2の圧力に昇圧することができる最低吸入圧であるため、水素供給源から供給される水素の圧力が第1の吸入圧を下回った場合には、水素供給源から供給される水素の圧力が第2に吸入圧に低下するまでの間は第2の圧力に昇圧して荷卸用蓄圧器に水素を蓄圧することができるので、水素供給源から水素を効率良く取出し、水素の利用効率を高めることができる。
請求項7に係る発明によると、レギュレータは、水素供給源から供給される水素の圧力が第1の吸入圧以上である場合には第1の吸入圧に減圧し、第1の供給圧を下回った場合にはそのままの圧力で圧縮機に供給するため、水素供給源から供給される水素の圧力が第1の吸入圧以上である間は、圧力を第1の吸入圧に減圧し、圧縮機に安定した圧力の水素を供給することができるので、圧縮機を安定動作させて第1の圧力に昇圧した水素を蓄圧器ユニットに蓄圧することができる。
請求項8に係る発明によると、レギュレータは、水素供給源から供給される水素を第1の吸入圧に減圧する第1のレギュレータと、水素供給源から供給される水素を第2の吸入圧に減圧する第2のレギュレータとを並列に設けて構成され、圧縮機に供給する水素の圧力を切替え可能であるため、水素を蓄圧器ユニットに蓄圧するために第1の圧力に昇圧する場合であっても、荷卸用蓄圧器に蓄圧するために第2の圧力に昇圧する場合であっても減圧するレギュレータを切替えるだけで圧縮機に安定した圧力の水素を供給し、圧縮機を安定して動作させて水素を昇圧することができる。
請求項9に係る発明によると、圧縮機は油圧ブースター型圧縮機であるため、レシプロ型圧縮機やダイヤフラム型圧縮機に比べ取得価格が安価で、また維持コストも少なくて済むので、水素ステーションの建設コスト及び運用コストを抑制することができる。
請求項10に係る発明によると、水素供給源からレギュレータを介して圧縮機に供給される水素の圧力が第1の吸入圧である間は、供給された水素を第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧する工程と、水素供給源からレギュレータを介して圧縮機に供給される水素の圧力が第1の吸入圧を下回った場合には、供給された水素を第1の圧力よりも低い第2の圧力に昇圧して荷卸用蓄圧器に蓄圧する工程と、水素供給源からレギュレータを介して圧縮機に供給される水素の圧力が第2の吸入圧を下回った場合には、水素供給源からの水素の供給を停止するとともに、荷卸用蓄圧器に蓄圧した水素を圧縮機で第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧する工程と、を備えているため、圧縮率が低い圧縮機であっても水素供給源から供給される水素を効率よく使って蓄圧器ユニットに所要圧の水素を蓄圧することができ、また、水素供給源から供給される水素の利用効率を高めることができる。
また、水素供給源から供給される水素を第2の圧力に昇圧して荷卸用蓄圧器に蓄圧する工程と、荷卸用蓄圧器に蓄圧した水素を第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧する工程とを備えているため、水素供給源からレギュレータを介して圧縮機に供給される水素の圧力が第2の吸入圧を下回って水素供給源からの水素の供給を停止した場合でも、直ぐに荷卸用蓄圧器に蓄圧した水素を昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧し、蓄圧器の復圧を効率良く行うことができる。
請求項11に係る発明によると、第1の吸入圧は、圧縮機が水素を第1の圧力に昇圧することができる最低吸入圧であり、第2の吸入圧は、圧縮機が水素を第2の圧力に昇圧することができる最低吸入圧であるため、第1の吸入圧に圧力を設定した水素を圧縮機に供給することにより、圧縮機を安定動作させて蓄圧器ユニットに所要圧の水素を蓄圧することができる。
また、圧縮機に供給される水素の圧力が第1の吸入圧を下回った後に第2の吸入圧に低下するまでの間、水素供給源から供給される水素を荷卸用蓄圧器に蓄圧することにより、水素供給源から供給される水素を略使い切って荷卸用蓄圧器に所要圧の水素を蓄圧することができるため、水素供給源から供給される水素の利用効率を高めることができる。
請求項12に係る発明によると、圧縮機は油圧ブースター型圧縮機であるため、レシプロ型圧縮機やダイヤフラム型圧縮機に比べて維持コストも少なくて済むので、水素ステーションの運用コストを抑制することができる。
本発明のオフサイト型水素ステーションの全体構成を概略的に示す図である。 図1のオフサイト型水素ステーションの一実施形態のブロック図である。 図2に示すオフサイト型水素ステーションの運転方法を説明するフローチャートである。 図1のオフサイト型水素ステーションの他の実施形態のブロック図である。
以下に、本発明における水素ステーションの例として、オフサイト型水素ステーションの一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明における水素ステーションの全体構成を概略的に示している。図1において、オフサイト型水素ステーション1は、水素供給源2と、圧縮機ユニット3と、蓄圧器ユニット4と、ディスペンサー5と、制御部6により構成されており、燃料電池自動車7に燃料である水素を供給する。
水素供給源2は、工業プラント等で大規模に製造された水素を高圧で充填したカードル11であり、このカードルには、約20MPaの圧力で水素が充填されている。
カードルから供給される水素は、そのままでは燃料電池自動車7に供給するには供給圧が低すぎるため昇圧する必要があり、圧縮機ユニット3で第1の圧力(以下、高圧という。)に昇圧して蓄圧器ユニット4に蓄圧する。本実施例では、高圧の圧力は、水素ステーションで蓄圧器に水素を蓄圧する圧力として多く用いられる82MPaとしている。
圧縮機ユニット3は、水素供給源2のカードル11から供給される水素を一定圧力に減圧するレギュレータ12と、レギュレータ12を介して供給される水素を昇圧する油圧ブースター型圧縮機13と、油圧ブースター型圧縮機13で第2の圧力(以下、中圧という。)に昇圧した水素を蓄圧する荷卸用蓄圧器14から構成されている。本実施例では、中圧の圧力は、後述する理由により40MPaとしている。
荷卸用蓄圧器14は、中圧(40MPa)に昇圧した水素を蓄圧するとともに、蓄圧した水素をレギュレータ12の1次側に供給可能に設けられているため、荷卸用蓄圧器14に中圧で蓄圧した水素を油圧ブースター型圧縮機13で高圧(82MPa)に昇圧して蓄圧器ユニット4に蓄圧することができる。
蓄圧器ユニット4は、圧縮機ユニット3で高圧(82MPa)に昇圧した水素を蓄圧する機能を有し、長尺タンク形状の蓄圧器15を複数本備え、蓄圧器15に蓄圧した高圧(82MPa)の水素を差圧充填方式により燃料電池自動車に供給する。
ディスペンサー5は、蓄圧器ユニット4から供給される水素を図示しない流量制御弁により流量制御しながら、充填用ノズルを介して燃料電池自動車7に供給する。また、ディスペンサー5内には、図示しないプレクーラー(熱交換器)が配置され、蓄圧器ユニット4から供給される水素を例えば-40℃に冷却する。
制御部6は、カードル11からの水素の供給と停止、油圧ブースター型圧縮機13の出力圧設定の切替、荷卸用蓄圧器14への水素の蓄圧と荷卸用蓄圧器14からの水素の取出し、油圧ブースター型圧縮機13で高圧(82MPa)に昇圧した水素を蓄圧する蓄圧器15と燃料電池自動車に水素を供給する蓄圧器15の切替等を制御して、オフサイト型水素ステーションの運転を実行する。
次いで、図2に示すブロック図により、図1に示したオフサイト型水素ステーション1をさらに詳細に説明する。なお、図2において図1と共通する部分については、図1と同じ名称と符号を使用する。
水素供給源2は、前述のとおり、約20MPaの圧力で水素が充填されたカードル11を備えている。本図では、水素供給源2であるカードル11は3本のシリンダ11a、11b、11cを備えているが、水素供給源2であるカードル11を構成するシリンダの本数はこの本数に限られるものではなく、水素ステーションの水素供給能力に応じて適宜決定する必要がある。
図2において、シリンダ11a、11b、11cは、図示しない着脱自在の接続口を介してそれぞれ水素取出配管21a、21b、21cが接続されており、充填されている水素を使い切ったカードルを新しいカードルに適宜交換することができる。また、これらの水素取出配管21a、21b、21cは、合流点23で合流して水素供給配管24を形成し、この水素供給配管24には、制御部6により操作される開閉バルブ22が設けられている。
圧縮機ユニット3では、水素供給配管24に上流側から順番にレギュレータ12、圧力計26、油圧ブースター型圧縮機13が設けられており、油圧ブースター型圧縮機13の2次側において、分岐点27から水素供給配管24から荷卸用配管28が分岐し、この荷卸用配管28の先端には荷卸用蓄圧器14が接続させている。また、荷卸用配管28には、上流側から制御部6により操作される開閉バルブ29、30及び制御部6に荷卸用蓄圧器14の圧力を計測して伝達する圧力計31が設けられている。
荷卸用配管28の開閉バルブ29、30の中間に設けた分岐点33からは水素還流配管34が分岐し、水素供給配管24のレギュレータ12の1次側に設けた合流点36で水素供給配管24に合流している。また、荷卸用配管28には、制御部6により操作される開閉バルブ37が設けられている。
このように、圧縮機ユニット3に荷卸用蓄圧器14を配置したことにより、油圧ブースター型圧縮機13で中圧(40MPa)に昇圧した水素を荷卸用蓄圧器14に蓄圧した後、水素還流配管34を経由して水素を油圧ブースター型圧縮機13に供給して再度昇圧することができる。
レギュレータ12は、水素供給源2であるカードル11から供給される水素を一定圧に減圧して油圧ブースター型圧縮機13に供給し、油圧ブースター型圧縮機13での水素の昇圧を安定して実施可能にしている。本実施例では、水素を3.5MPaに減圧して、油圧ブースター型圧縮機13に供給している。
レギュレータ12で水素を一定圧に減圧して油圧ブースター型圧縮機13に供給することにより、油圧ブースター型圧縮機13を安定して動作させることができる。レギュレータを設けない場合には、カードル内の水素の供給に伴って油圧ブースター型圧縮機の吸入圧(油圧ブースター型圧縮機への供給圧)が常に変化することになるため、一定に出力圧を得るために油圧ブースター型圧縮機の動作も常に変化し、油圧ブースター型圧縮機に故障等が発生する原因となる。このため、油圧ブースター型圧縮機の前段にレギュレータを設け、圧縮機の吸入圧を一定にすることが有利である。
油圧ブースター型圧縮機13は、水素供給源2からレギュレータ12を介して供給される水素を高圧(82MPa)に昇圧して蓄圧ユニット4に供給する。前述したように、油圧ブースター型圧縮機は、レシプロ型圧縮機及びダイヤフラム型圧縮機に比べると、取得コスト及び維持コストに優れる一方、圧縮率が低いという特性がある。このため、水素ステーションで必要とされる82MPaまで昇圧する場合には、油圧ブースター型圧縮機の吸入圧が比較的に高くなる。
本実施例で使用した油圧ブースター型圧縮機では、設定出力圧を高圧(82MPa)とした場合に、この設定出力圧まで水素を昇圧するために必要な最低吸入圧は3.5MPaであることから、この3.5MPaを第1の吸入圧に設定している。ここで、「最低吸入圧」とは、それを下回ると必ず設定出力まで昇圧できないという圧力であることまでは意味せず、それを下回った場合には圧縮機に負担がかかり高温となるなど、実用上好ましくない現象が生じ始める吸入圧のことであり、例えば当業者間で慣例的に最低吸入圧として適用される値であってよい。これは後述の第2の吸入圧についても同様である。
水素を供給しているカードル11の水素圧が3.5MPaを下回ると、レギュレータ12を介して油圧ブースター型圧縮機13に供給される水素の圧力も3.5MPaを下回ることになり、油圧ブースター型圧縮機13で水素を高圧(82MPa)まで昇圧することが好ましくないため、水素の供給源を新しいカードルに切替える必要がある。しかしながら、水素圧が第1の吸入圧(3.5MPa)よりも低下して油圧ブースター型圧縮機13への水素供給を停止したカードルであっても、その内部には3.5MPa程度の水素が残留しているので、そのままカードルを交換するとカードル内に残留している水素を使わないことになり、無視できない損失となる。
その一方で、油圧ブースター型圧縮機は設定出力圧を変更すれば最小吸入圧も変わるため、例えカードル11の水素圧が第1の吸入圧(3.5MPa)を下回った場合であっても、設定出力圧を高圧(82MPa)より低く設定すれば、カードル11から供給される水素を昇圧することができる。そこで、本発明においては、油圧ブースター型圧縮機13に供給される水素の圧力が第1の吸入圧(3.5MPa)を下回ったことを圧力計26により計測した場合には、制御部6が油圧ブースター型圧縮機13の出力設定を中圧(40MPa)に切替えて昇圧するとともに、荷卸用配管28を経由して中圧(40MPa)に昇圧した水素を荷卸用蓄圧器14に蓄圧できるように構成している。なお、この中圧の出力設定圧である40MPaはこの圧力値に限られるわけでなく、水素ステーションの構成及び規模、油圧ブースター型圧縮機の性能に合わせて適宜設定することができる。
本実施例では、油圧ブースター型圧縮機13が水素を中圧(40MPa)に昇圧するために必要な最低吸入圧は0.9MPaであるため、この0.9MPaを第2の吸入圧に設定し、カードルから供給される水素の圧力が第2の吸入圧に低下するまでの間は、カードル11から供給される水素は油圧ブースター型圧縮機13で中圧(40MPa)に昇圧され、荷卸用蓄圧器14に蓄圧される。
本発明のオフサイト型水素ステーションでは、カードル11内の水素圧が0.9MPaに低下するまでの間はカードル11に充填した水素を取り出すことができるので、カードル11に充填された水素の利用効率を高めることができる。カードル11内の水素圧が第2の吸入圧を下回ると、荷卸用蓄圧器14に中圧(40MPa)で蓄圧することができなくなるので、それ以降の昇圧を停止してカードル11の交換を行う。
また、圧縮機ユニット3では、荷卸用蓄圧器14に蓄圧した水素を、水素還流配管34を経由して合流点36から水素供給配管24に合流させ、レギュレータ12で第1の吸入圧に減圧した後、油圧ブースター型圧縮機13で高圧(82MPa)に再度昇圧して蓄圧器ユニット4に蓄圧するように構成されている。このため、圧縮率が低い油圧ブースター型圧縮機であっても使用する圧縮機の数は1台で済み、複数台を多段に設ける必要がないので、水素ステーションの設置スペース、建設コスト及び運用コストを抑制することができる。
このように圧縮機ユニット3を構成したことにより、カードル11から油圧ブースター型圧縮機13に供給される水素の圧力が第1の吸入圧を下回った際には、カードルを交換する前に荷卸用蓄圧器14に水素を中圧(40MPa)で蓄圧しておき、例えば、水素ステーションに到来する燃料電池自動車の数が想定を上回り、早急に蓄圧器ユニット4の水素充填能力を回復する必要がある場合などには、カードルの交換を行うことなく、荷卸用蓄圧器14に中圧で蓄圧された水素を油圧ブースター型圧縮機13で高圧(82MPa)に昇圧して蓄圧器ユニット4に蓄圧することができるので、蓄圧器の復圧を効率良く行うことができる。
蓄圧器ユニット4は、差圧充填方式で燃料電池自動車に供給するための水素を貯留する機能を有し、通常、蓄圧器15として低圧用、中圧用、高圧用の3種のバンク(蓄圧器)を備え、これらのバンクに高圧(82MPa)に昇圧した水素を貯留しておき、水素を取出すバンクを順次切替えて燃料電池自動車へ水素の供給を行っている。
このため、圧縮機ユニット3からの水素供給配管24は、蓄圧器ユニット4内の分岐点41で低圧用蓄圧配管42、中圧用蓄圧配管43、高圧用蓄圧配管44に分岐し、低圧用蓄圧配管42には低圧用バンク15a、中圧用蓄圧配管43には中圧用バンク15b、高圧用蓄圧配管44には高圧用バンク15cが取付けられている。
低圧用蓄圧配管42の低圧用バンク15aの上流側には制御部6により操作される開閉バルブ51aと、制御部6に低圧バンク46の充填圧力を計測して伝達する圧力計52aが設けられ、低圧用バンク15aの下流側には制御部6により操作される開閉バルブ53aが設けられており、制御部6により開閉バルブ51aと53aを操作することによって低圧用バンク15aへの水素の蓄圧と取出しが行えるように構成されている。
また、図2に示すように、中圧用バンク15bを取付けた中圧用蓄圧配管43と高圧用バンク15cを取付けた高圧用蓄圧配管44にも、低圧用蓄圧配管42の場合と同様に、バンクの上流側には制御部6により操作される開閉バルブ51b、51c、制御部6にバンクの充填圧力を計測して伝達する圧力計52b、52cが設けられるとともに、バンクの下流側には制御部6により操作される開閉バルブ53b、53cが設けられ、中圧用バンク15bと高圧用バンク15cへの水素の蓄圧と取出しが行えるように構成されている。
低圧用蓄圧配管42、中圧用蓄圧配管43及び高圧用蓄圧配管44は、開閉バルブ53a、53b、53cの後段に設けた合流点54で合流し、ディスペンサー5に燃料電池自動車に充填する水素を供給する水素充填配管55を形成している。
制御部6は、上述のとおり、圧力計26、31、52a、52b、52cが計測した圧力に基づいて開閉バルブ22、29、30、37、51a、51b、51cの開閉を操作し、カードル11からの水素の供給と停止、荷卸用蓄圧器14への水素の蓄圧と取出し、油圧ブースター型圧縮機13で昇圧した水素を蓄圧するバンクの切替え、水素を燃料電池自動車に供給するバンクの切替えを行う。
また、制御部6は、圧力計26が計測した油圧ブースター型圧縮機13の吸入圧に基づいて、圧力計の計測値が第1の吸入圧に維持されている間は油圧ブースター型圧縮機13の設定出力圧を高圧(82MPa)に設定するとともに、圧力計の計測値が第1の吸入圧を下回り第2の吸入圧に達するまでの間は油圧ブースター型圧縮機13の設定出力圧を中圧(40MPa)に設定する。
このように、本発明のオフサイト型水素ステーションでは、カードルからレギュレータを介して油圧ブースター型圧縮機に供給される水素の圧力に基づいて油圧ブースター型圧縮機の設定出力圧を切替えるようにし、レギュレータを介して供給される水素の圧力が油圧ブースター型圧縮機で高圧に昇圧することが好ましくない圧力に低下した場合には、油圧ブースター型圧縮機の設定出力圧を高圧用から中圧用に切替えて荷卸用蓄圧器に蓄圧するように構成されているので、カードルに充填された水素の利用効率を高めることができるとともに、早急に蓄圧器ユニットの水素充填能力を回復する必要がある場合などには、蓄圧器ユニットのバンクの復圧を効率良く行うことができる。
次に、本発明のオフサイト型水素ステーションの運転方法を図3のフローチャート及び図2のブロック図に基づいて説明する。
オフサイト型水素ステーションの運転にあたっては、先ず、ステップS101において、油圧ブースター型圧縮機の設定出力圧を高圧(82MPa)に設定する圧縮機の設定出力圧切替を行う。
次ぎに、ステップS102において、油圧ブースター型圧縮機を作動させて蓄圧器ユニットの蓄圧運転を行う。カードル11には水素が約20MPaの圧力で充填されているので、開閉バルブ22を開放状態とすることにより、水素はカードル11から水素供給配管24を介してレギュレータ12に供給され、レギュレータ12で第1の吸入圧である3.5MPaに減圧された後、油圧ブースター型圧縮機13により高圧(82MPa)に昇圧される。
このとき、高圧に昇圧された水素を蓄圧するバンク(蓄圧器)を選択し、例えば低圧用バンク15aに蓄圧する場合には、開閉バルブ51aを開放状態にするとともに、開閉バルブ51b、51c、53a、53b、53cを閉止状態とする。また、圧力計52aの計測値が82MPaに達した段階で低圧用バンク15aに水素の充填が完了したと判断して開閉バルブ51aを閉止状態にするとともに、水素を蓄圧する次のバンク、例えば中圧用バンク15bに切替える。
このように蓄圧器ユニット4のバンク15a、15b、15cに高圧(82MPa)に昇圧した水素を蓄圧するに従い、カードル11内の水素圧力は順次低下し、最終的には第1の吸入圧である3.5MPaを下回ることになる。油圧ブースター型圧縮機13の吸入圧がこの第1の吸入圧を下回ると、水素を高圧に昇圧することができなくなる。
このため、ステップS103では、圧力計26が計測する油圧ブースター型圧縮機13の吸入圧が第1の吸入圧を下回ったか否かを継続的にモニターし、吸入圧が第1の吸入圧を下回った段階でステップS104に移行する。
ステップS104では、蓄圧器ユニット4の全ての開閉バルブを閉止状態とした後、油圧ブースター型圧縮機13の運転を停止して設定出力圧を高圧(82MPa)から中圧(40MPa)に切替える圧縮機の設定出力圧の切替を行う。圧縮機の設定出力圧を中圧(40MPa)に切替えることにより、カードル11内の水素圧力が3.5MPaを下回っても中圧(40MPa)への昇圧は可能となる。
ステップS104で油圧ブースター型圧縮機13の設定出力圧を中圧に切替えた後、ステップS105の荷卸用蓄圧器の蓄圧運転に移行する。ステップS105では、開閉バルブ29、30を開放状態として後、油圧ブースター型圧縮機13の運転を再開し、荷卸用蓄圧器14に中圧(40MPa)に昇圧した水素を蓄圧する。
荷卸用蓄圧器の蓄圧運転を行っている間にもカードル11内の水素圧力は順次低下し、最終的には第2の吸入圧である0.9MPaを下回ることになる。油圧ブースター型圧縮機13の吸入圧がこの第2の吸入圧を下回ると、水素を中圧(40MPa)に昇圧することができなくなる。
このため、ステップS106では、圧力計26が計測する油圧ブースター型圧縮機13の吸入圧が第2の吸入圧を下回ったか否かを継続的にモニターし、吸入圧が第2の吸入圧を下回った段階でステップS107に移行する。
ステップS107では、水素取出配管24に設けた開閉バルブ22を閉止してカードル11からの水素供給停止を行う。
ステップS107を実行した後、交換用のカードルが既に準備されている場合は、カードルを交換し、再びステップS101から実行する。
なお、以上のカードル11からの水素の供給と停止を含む開閉バルブの開閉操作、圧縮機の供給圧のモニター、圧縮機の設定出力圧の切替は、全て制御部6により制御される。
一方、交換用カードルが準備されていない状態で、蓄圧器ユニット4の水素圧が低下した場合など、蓄圧器ユニット4のバンクを急速に復圧する必要が生じた際には、荷卸用蓄圧器14に中圧で蓄圧した水素を油圧ブースター型圧縮機13で高圧(82MPa)に昇圧して適宜のバンクに蓄圧し、蓄圧器の復圧を効率良く行うことができる。また、蓄圧器ユニット4のバンクを急速に復圧する場合でなくても、荷卸用蓄圧器14に中圧で蓄圧した水素を高圧(82MPa)に昇圧して蓄圧器ユニット4のバンクに蓄圧することにより、カードルに充填された水素の利用効率を高めることができる。
次に、本発明におけるオフサイト型水素ステーションの他の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図4は、本発明におけるオフサイト型水素ステーションの他の実施形態101のブロック図である。図4のブロック図において、図2のブロック線図と共通する部分は同一の符号を付し、説明を省略する。
図4のオフサイト型水素ステーション100では、圧縮機ユニット3内のレギュレータ12と並列にレギュレータ61を設けたことが、図2のオフサイト型水素ステーション1と相違する。レギュレータ12は水素供給源2から供給される水素を第1の供給圧である3MPaに減圧するが、レギュレータ61は水素供給源2から供給される水素を第2の供給圧である0.9MPaに減圧する。
このようにレギュレータ61を設けることにより、油圧ブースター型圧縮機13の設置出力圧を低圧に設定した場合でも、一定圧に減圧した水素を油圧ブースター型圧縮機13に供給することができるので、荷卸用蓄圧器14に中圧(40MPa)で水素を蓄圧する場合にも、油圧ブースター型圧縮機13を安定して動作させることができる。
このため、レギュレータ12の一次側と二次側に制御部6により流路を切替える三方電磁弁62、63を設置して迂回流路64を設け、この迂回流路64にレギュレータ61を設置している。
オフサイト型水素ステーション100の運転方法は、図3にフローチャートを示すオフサイト型水素ステーション1と略同様であり、違いは、ステップS101とステップS102の間に使用するレギュレータをレギュレータ12に切替える動作と、ステップS104とステップS105の間に使用するレギュレータをレギュレータ61に切替える動作が加わるだけである。
なお、制御部6により減圧値の切替が可能なレギュレータを使用する場合には、レギュレータを並列に設けることなく、油圧ブースター型圧縮機13の設置出力圧の切替に対応してレギュレータの減圧値を切替えることにより同様の効果を得ることができる。
以上、本発明のオフサイト型水素ステーションとその運転方法についは、水素供給源にカードルを使用した場合について詳述してきたが、本発明のオフサイト型水素ステーションとその運転方法は、水素供給源としてトレーラを使用した場合にも当然適用することができる。
本発明の水素ステーションとその運転方法は、水素ステーションで油圧ブースター型圧縮機を使用する際の課題であった水素の利用効率を改善することができるだけでなく蓄圧器の復圧を効率良く行うことができるので、水素ステーションの運用性を向上させることができる。また、本発明は、水素をガス改質や水の電気分解等によりその場で製造するオンサイト型水素ステーションにも適用することができる。オンサイトで製造される水素の圧力は、第1の吸入圧を下回っている場合が多いが、その場合、水素製造装置の後に、水素圧を第1の吸入圧以上に高め得る昇圧手段(小型の圧縮機等)を配置し、それらを合わせて水素供給源とする。そして、何らかの外的要因が生じるか、あるいは必要に応じて昇圧手段をオフにするなどして、レギュレータから圧縮機に供給される水素圧が第1の吸入圧を下回った場合等に、供給された水素を第2の圧力に昇圧して荷卸用蓄圧器への水素蓄圧を行うことができる。
1、100 オフサイト型水素ステーション
2 水素供給源
3 圧縮機ユニット
4 蓄圧器ユニット
5 ディスペンサー
6 制御部
11 カードル
12 レギュレータ
13 油圧ブースター型圧縮機
14 荷卸用蓄圧器
15 蓄圧器

Claims (12)

  1. 水素供給源と、前記水素供給源から供給される水素を減圧するレギュレータと、前記レギュレータから供給される水素を昇圧する圧縮機と、前記圧縮機により昇圧された第1の圧力の水素を蓄圧する蓄圧器ユニットと、前記圧縮機により昇圧された第1の圧力よりも低い第2の圧力の水素を蓄圧する荷卸用蓄圧器とを有し、前記水素供給源から前記レギュレータを介して供給される水素の圧力が第1の吸入圧である場合には前記圧縮機で第1の圧力に昇圧して前記蓄圧器ユニットに蓄圧し、前記水素供給源から前記レギュレータを介して供給される水素の圧力が第1の吸入圧を下回った場合には前記圧縮機で第2の圧力に昇圧して前記荷卸用蓄圧器に蓄圧するように制御する制御部を備えた水素ステーション。
  2. 前記荷卸用蓄圧器から供給される水素を前記レギュレータで減圧した後、前記圧縮機で昇圧して第1の圧力の水素を前記蓄圧器ユニットに蓄圧することができるようになっている、請求項1に記載の水素ステーション。
  3. 前記制御部は、前記水素供給源から前記レギュレータを介して供給される水素の圧力が第2の吸入圧を下回った場合には、その水素供給源からの水素の供給を停止するとともに、前記荷卸用蓄圧器に蓄圧した水素を前記圧縮機で第1の圧力に昇圧して前記蓄圧器ユニットに蓄圧するように制御する請求項2に記載の水素ステーション。
  4. 前記圧縮機は、昇圧する設定出力圧の切替えが可能である請求項1乃至3の何れか1項に記載の水素ステーション。
  5. 前記第1の吸入圧は、前記圧縮機が水素を前記第1の圧力に昇圧することができる最低吸入圧である請求項1乃至4の何れか1項に記載の水素ステーション。
  6. 前記第2の吸入圧は、前記圧縮機が水素を前記第2の圧力に昇圧することができる最低吸入圧である、請求項3に記載の水素ステーション。
  7. 前記レギュレータは、前記水素供給源から供給される水素の圧力が第1の吸入圧以上の場合には第1の吸入圧に減圧し、第1の供給圧を下回った場合にはそのままの圧力で前記圧縮機に供給する請求項1乃至6の何れか1項に記載の水素ステーション。
  8. 前記レギュレータは、前記水素供給源から供給される水素を前記第1の吸入圧に減圧する第1のレギュレータと、前記水素供給源から供給される水素を前記第2の吸入圧に減圧する第2のレギュレータとを並列に設けて構成され、前記圧縮機に供給する水素の圧力が切替え可能である請求項3又は6に記載の水素ステーション。
  9. 前記圧縮機は、油圧ブースター型圧縮機である請求項1乃至8の何れか1項に記載の水素ステーション。
  10. 水素供給源からレギュレータを介して圧縮機に供給される水素の圧力が第1の吸入圧である間は、供給された水素を第1の圧力に昇圧して蓄圧器ユニットに蓄圧する工程と、前記水素供給源から前記レギュレータを介して前記圧縮機に供給される水素の圧力が前記第1の吸入圧を下回った場合には、供給された水素を前記第1の圧力よりも低い第2の圧力に昇圧して荷卸用蓄圧器に蓄圧する工程と、前記水素供給源から前記レギュレータを介して前記圧縮機に供給される水素の圧力が第2の吸入圧を下回った場合には、前記水素供給源からの水素の供給を停止するとともに、前記荷卸用蓄圧器に蓄圧した水素を前記圧縮機で前記第1の圧力に昇圧して前記蓄圧器ユニットに蓄圧する工程と、を備えたことを特徴とする水素ステーションの運転方法。
  11. 前記第1の吸入圧は、前記圧縮機が水素を前記第1の圧力に昇圧することができる最低吸入圧であり、前記第2の吸入圧は、前記圧縮機が水素を前記第2の圧力に昇圧することができる最低吸入圧である請求項10に記載の水素ステーションの運転方法。
  12. 前記圧縮機は、油圧ブースター型圧縮機である請求項10又は11に記載の水素ステーションの運転方法。
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