JP7409659B2 - 新規サイトカイン、発現キット、およびその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、新規サイトカイン、発現キット、多発性硬化症の罹患可能性を試験する試験方法、抗がん剤、GM-CFSの産生促進方法に関する。
自己免疫性疾患、炎症性疾患等の様々な疾患において、サイトカインが関与することが知られている。しかしながら、特定の疾患に対して、どのようなサイトカインが、どのように関与しているかについては、いまだ未知の点があり、活発な研究が行われている。
そこで、本発明は、新たなサイトカインの提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の新規サイトカインは、p19とCD5Lとの会合分子であることを特徴とする。
本発明の新規サイトカインの発現キットは、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含むことを特徴とする。
本発明の多発性硬化症の罹患可能性を試験する試験方法は、生体サンプルについて、p19とCD5Lとの会合分子の発現量を検出する工程を含み、前記発現量と評価基準との比較によって、前記生体サンプルが多発性硬化症に罹患している可能性を試験方法である。
本発明の多発性硬化症に対する治療薬候補のスクリーニング方法は、候補物質と前記本発明の新規サイトカインとを共存させ、前記候補物質と前記新規サイトカインとの結合を検出し、前記新規サイトカインと結合する候補物質を、多発性硬化症に対する治療薬候補として選択することを特徴とする。
本発明の多発性硬化症に対する治療薬候補のスクリーニング方法は、前記本発明の新規サイトカインの発現キットを宿主に導入し、候補物質存在下における前記発現キットの発現を検出し、前記候補物質非存在下における前記発現キットの発現と比較して、前記発現キットの発現を有意に抑制する候補物質を、多発性硬化症に対する治療薬候補として選択することを特徴とする。
本発明の抗がん剤は、p19とCD5Lとの会合分子である前記本発明の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む前記本発明の新規サイトカインの発現キットを含むことを特徴とする。
本発明のがんの治療方法は、p19とCD5Lとの会合分子である前記本発明の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む前記本発明の新規サイトカインの発現キットを投与することを特徴とする。
本発明のGM-CFS産生促進剤は、p19とCD5Lとの会合分子である前記本発明の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む前記本発明の新規サイトカインの発現キットを含むことを特徴とする。
本発明のGM-CFSの産生促進方法は、p19とCD5Lとの会合分子である前記本発明の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む前記本発明の新規サイトカインの発現キットを投与することを特徴とする。
本発明は、本発明者らによって新たに見出されたサイトカインである。本発明の新規サイトカインによれば、例えば、多発性硬化症の罹患可能性を試験したり、がんの治療に利用することができる。このことから、本発明は、例えば、医療分野において非常に有用といえる。
図1はp19およびCD5Lを発現させたHEK293-F細胞の細胞溶解液および培養上清を免疫沈降反応後、ウェスタンブロッティングで両者の会合を検討した結果である。 図2は、Ba/F3細胞の増殖をH-チミジン取り込み(cpm)で測定したグラフである。 図3は、活性化して血清飢餓状態にしたCD4T細胞に対するSTAT1、STAT3、STAT5のリン酸化誘導能を解析したウェスタンブロッティングの結果を示す。 図4は、MOGペプチドで免疫後の結果であり、左が、野生型マウスとCD4T細胞特異的p19遺伝子欠損マウスのクリニカルスコアであり、右が、脳脊髄に浸潤したサイトカイン産生CD4T細胞の割合を示すグラフである。 図5は、MOG35-55ペプチドで免疫後の結果であり、左が、野生型マウスとCD5L遺伝子欠損マウスのクリニカルスコアであり、右が、脳脊髄に浸潤したサイトカイン産生CD4T細胞の割合を示すグラフである。 図6は、左が、血清中のp19とCD5Lとの会合分子の濃度を示し、右が、血清中のCD5Lの濃度を示す。 図7は、マウスメラノーマ細胞の形質転換体を注射したマウスにおける腫瘍の体積を示すグラフである。 図8は、CD5L遺伝子欠損ナイーブCD4T細胞におけるGM-CSF濃度の結果を示すグラフである。
<サイトカイン>
本発明の新規サイトカインは、前述のように、p19とCD5Lとの会合分子であることを特徴とする。本発明の新規サイトカインは、p19サブユニットとCD5Lサブユニットとのヘテロ二量体ということもできる。
本発明の新規サイトカインにおいて、p19は、インターロイキン(IL-23)のサブユニット(IL-23p19)である。p19の由来は、特に制限されず、例えば、後述する各種方法の対象と同じ種類の動物由来であることが好ましい。前記由来は、例えば、ヒトまたは非ヒト動物があげられる。非ヒト動物としては、例えば、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、サル、ウシ、ラクダ等があげられる。ヒト由来p19のアミノ酸配列およびそれをコードする遺伝子の塩基配列は、例えば、データベースにおいて、アクセッションNo.NM_016584.3に登録されている。
本発明の新規サイトカインにおいて、CD5Lは、CD5抗原様分子(CD5 antigen-like)である。CD5Lの由来は、特に制限されず、例えば、後述する各種方法の対象と同じ種類の動物由来であることが好ましい。前記由来は、例えば、前述と同様である。ヒト由来CD5Lのアミノ酸配列およびそれをコードする遺伝子の塩基配列は、例えば、データベースにおいて、アクセッションNo.NM_001347698.2に登録されている。
本発明の新規サイトカインは、例えば、p19とCDL5とを共存させることによって、前記会合分子(ヘテロ二量体)として形成できる。例えば、p19とCD5Lとが独立した分子であり、且つ、両分子が会合することによって、前記会合分子が形成されてもよいし(以下、「p19+CDL5」ともいう)、p19とCDL5とが、直接的または間接的に連結した1つ分子であり、且つ、分子内でp19とCD5Lとが会合することによって、前記会合分子が形成されてもよい(以下、「p19/CDL5」ともいう)。
前者(p19+CDL5)の場合、例えば、使用前または使用時に、p19とCD5Lとを共存させて、会合分子を形成してもよい。また、例えば、使用前までp19とCD5Lとを別個に取扱い、同時に同じ場所に投与することで両者を会合させてもよいし、別個に(すなわち時間差で)同じ場所に投与することで両者を会合させてもよい。同じ場所とは、例えば、投与する際の場所でもよいし、投与によって投与された物質がデリバリーされる場所であってもよい。また、前記投与は、例えば、p19およびCD5Lそのものの投与でもよいし、後述するような、p19を発現する遺伝子(p19遺伝子)およびCD5Lを発現する遺伝子(CD5L遺伝子)の投与であり、投与後に、p19およびCD5Lが発現され、会合分子を形成してもよい。
一方、後者(p19/CDL5)の場合、間接的な連結は、例えば、リンカーを介した連結であり、前記リンカーの種類は、特に制限されず、例えば、アミノ酸、またはペプチド等があげられる。また、前記連結の方向は、特に制限されず、例えば、前記リンカーを介して、p19のC末端にCD5LのN末端が連結してもよいし、CD5LのC末端にp19のN末端が連結してもよい。p19とCD5Lとが連結した連結分子は、例えば、使用前から会合分子を形成してもよいし、使用時において会合分子を形成してもよいし、投与された場所で会合分子を形成してもよい。前記投与は、例えば、p19とCD5Lとの連結分子そのものの投与でもよいし、p19遺伝子とCD5L遺伝子とのキメラ遺伝子(組み換え遺伝子)の投与であり、投与後に、p19とCD5Lとの連結分子が発現され、分子内での会合により会合分子を形成してもよい。
前記連結分子におけるリンカーの長さは、特に制限されず、分子内でp19とCD5Lとが会合できればよい。前記リンカーがペプチドの場合、その長さ(アミノ酸残基数)は、下限が、例えば、1個以上、10個以上であり、上限が、例えば、100個以下、80個以下、50個以下、30個以下である。
<発現キット>
本発明の発現キットは、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含むことを特徴とする、前記本発明の新規サイトカインの発現キットである。本発明は、p19とCD5Lとが会合可能に発現するように、p19遺伝子とCD5L遺伝子とを含んでいればよく、その他の構成および条件は、特に制限されない。
本発明の発現キットは、例えば、p19遺伝子とCD5L遺伝子とが、それぞれ別個の発現系で制御された形態でもよいし、p19遺伝子およびCD5L遺伝子の発現が、同じ発現系で制御された形態でもよい。
前者の場合、例えば、p19を発現する発現ベクターと、CD5Lを発現する発現ベクターとを含む形態があげられる。p19を発現する発現ベクターは、例えば、ベクターにp19遺伝子が発現可能に連結されており、CD5Lを発現する発現ベクターは、例えば、ベクターにCD5L遺伝子が発現可能に連結されている。前記ベクターの種類は、特に制限されず、例えば、投与する対象に基づいて宿主ベクター系を考慮して選択でき、具体例として、プラスミドベクター、ウイルスベクター等があげられる(以下、同様)。
後者の場合、例えば、p19とCD5Lとを発現する発現ベクターを含む形態があげられる。前記発現ベクターは、例えば、同じベクターにp19遺伝子およびCD5L遺伝子が発現可能に連結されている。p19遺伝子とCD5L遺伝子とは、例えば、前記ベクター内において、別個に発現が制御されてもよいし、共に発現が制御されてもよい。また、前記発現ベクターは、例えば、p19遺伝子とCD5L遺伝子とのキメラ遺伝子が発現可能に連結されてもよい。前記キメラ遺伝子は、例えば、p19遺伝子とCD5L遺伝子とが、リンカーをコードする遺伝子を介して連結された遺伝子である。前記リンカーをコードする遺伝子は、例えば、p19遺伝子およびCD5L遺伝子の読み枠を変更しない長さである。
<多発性硬化症の罹患可能性を試験する試験方法>
本発明の試験方法は、生体サンプルについて、p19とCD5Lとの会合分子(本発明の新規サイトカイン)の発現量を検出する工程を含み、前記発現量と評価基準との比較によって、前記生体サンプルが多発性硬化症に罹患している可能性を試験する方法である。本発明において、p19とCD5Lとの会合分子であるサイトカインまたはその発現量は、マーカ(指標)とも言える。
前記会合分子の発現量を検出することにより、多発性硬化症の他に、例えば、自己免疫脳脊髄炎、炎症性腸疾患、乾癬、関節リウマチ等の罹患可能性を試験することもできる。なお、以下の説明において、多発性硬化症は、例えば、これらの他の疾患に読み替え可能である。
前記生体サンプルは、例えば、生体から採取したサンプルであり、その種類は、特に制限されず、例えば、血液、細胞、組織等があげられ、前記サンプルは、例えば、生体の腕や足、骨、各臓器等から採取できる。前記生体の種類は、特に制限されず、例えば、ヒト、または前述のような非ヒト動物があげられる。
前記会合分子の発現量の検出方法は、特に制限されず、例えば、タンパク質としての発現量の検出でもよいし、mRNAとしての発現量の検出でもよい。タンパク質の検出方法は、特に制限されず、例えば、抗体を用いたELISA等の方法等が利用できる。また、mRNAの検出方法は、特に制限されず、例えば、プライマーおよびプローブ等を用いた逆転写PCR、リアルタイムPCR等の遺伝子増幅方法等が利用できる。以下、前記会合分子(本願発明の新規サイトカイン)の発現量とは、例えば、タンパク質としての発現量、mRNAとしての発現量のいずれにも読み替え可能である。
前記評価基準は、特に制限されず、例えば、自己免疫性脳脊髄炎であることがわかっている罹患患者について、前記会合分子の発現量を求めておき、これを評価基準とすることができる。また、自己免疫性脳脊髄炎の罹患患者は、例えば、その病態の程度で分類し、その分類ごとに前記会合分子の発現量を求めておき、これらを分類に紐付けた評価基準としてもよい。さらに、前記評価基準は、例えば、自己免疫性脳脊髄炎に罹患していない正常者についても、前記会合物質の発現量を求めておき、これを正常であることの評価基準としてもよい。このようにして前記評価基準を設定することで、例えば、目的の前記生体サンプルの前記会合分子の発現量と、各評価基準の前記会合分子の発現量との比較により、自己免疫性脳脊髄炎の罹患可能性があるか否か、自己免疫性脳脊髄炎の病態の程度がどの分類に属するか等を、容易に試験できる。
本発明の診断方法は、多発性硬化症の診断方法であり、生体サンプルのmRNAについて、p19とCD5Lとの会合分子(本発明の新規サイトカイン)の発現量を検出する工程と、前記発現量から、評価基準に基づいて、前記生体サンプルが多発性硬化症に罹患している可能性を判断する工程とを含む、ことを特徴とする。本発明の診断方法は、前記本発明の試験方法の記載を援用できる。
前述のように、本発明の新規サイトカインは、前記多発性硬化症のマーカとなるため、例えば、本発明の新規サイトカインに対する抗体(中和剤ともいう)、前記新規サイトカインの発現を抑制する発現抑制剤等は、前記新規サイトカインの機能を抑制したり、その発現を抑制できることから、前記多発性硬化症の治療薬として利用できる。前記発現抑制剤は、例えば、siRNA、アンチセンス等の核酸物質等があげられる。また、本発明の新規サイトカインと候補物質とを共存させ、前記新規サイトカインとの結合の有無を検出し、前記新規サイトカインと結合する候補物質を、前記多発性硬化症に対する治療薬候補としてスクリーニングすることもできる。
<多発性硬化症に対する治療薬候補のスクリーニング方法>
本発明のスクリーニング方法は、多発性硬化症に対する治療薬候補のスクリーニング方法であり、候補物質と前記本発明の新規サイトカインとを共存させ、前記候補物質と前記新規サイトカインとの結合を検出し、前記新規サイトカインと結合する候補物質を、多発性硬化症に対する治療薬候補として選択することを特徴とする。この方法によれば、前記新規サイトカインと結合する候補物質は、前記新規サイトカインに対する中和物質としての治療薬候補として選択できる。前記候補物質の種類は、特に制限されず、例えば、抗体またはその断片(抗原結合断片)等が例示できる。
本発明のスクリーニング方法は、多発性硬化症に対する治療薬候補のスクリーニング方法であり、前記本発明の新規サイトカインの発現キットを宿主に導入し、候補物質存在下における前記発現キットの発現を検出し、候補物質非存在下における前記発現キットの発現と比較して、前記発現キットの発現を有意に抑制する候補物質を、多発性硬化症に対する治療薬候補として選択することを特徴とする。本発明のスクリーニング方法において、前記発現の抑制は、例えば、最終的にp19とCD5Lとの会合分子である前記本発明の新規サイトカインの発現が抑制される形態であればよく、具体例として、転写の抑制、翻訳の抑制、転写物の分解、または翻訳物の分解等があげられる。すなわち、例えば、p19遺伝子およびCD5L遺伝子の少なくとも一方について、または、前記キメラ遺伝子について、転写が抑制されてもよいし、転写物からの翻訳が抑制されてもよいし、転写は行われるが得られた転写物の一部または全部が分解されてもよいし、転写物から翻訳は行われるが得られた翻訳物の一部または全部が分解されてもよい。前記候補物質の種類は、特に制限されず、例えば、siRNA等のRNA干渉を行う核酸物質等があげられる。
<抗がん剤等>
本発明の抗がん剤は、p19およびCD5Lとの会合分子である前記本発明の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む前記本発明の新規サイトカインの発現キットを含むことを特徴とする。
本発明のがんの治療方法は、p19およびCD5Lとの会合分子である前記本発明の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む前記本発明の新規サイトカインの発現キットを投与することを特徴とする。
本発明の新規サイトカインは、例えば、がんの治療に使用できる。また、本発明の発現キットは、本発明の新規サイトカインを発現することによって、同様に、がんの治療に使用できる。がんの種類は、特に制限されず、例えば、メラノーマ、前立腺がん、肝臓がん、大腸がん、乳がん、肺がん、血液がん等があげられる。
投与する生体の種類は、特に制限されず、例えば、前述のような、ヒトおよび非ヒト動物があげられる。また、投与する部位は、特に制限されず、例えば、がんが発生している部位、がんが発生している部位にまで物質をデリバリーできる部位等である。投与方法は、特に制限されず、例えば、経口投与、非経口投与等であり、前記非経口投与は、例えば、注射、点滴等があげられる。
本発明の新規サイトカインおよび本発明の発現キットの投与量は、特に制限されず、例えば、投与対象となる生体の大きさ、年齢、がんの進行度合い等に応じて、適宜決定できる。
本発明のGM-CFS産生促進剤は、p19およびCD5Lとの会合分子である前記本発明の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む前記本発明の新規サイトカインの発現キットを含むことを特徴とする。
本発明のGM-CFSの産生促進方法は、p19およびCD5Lとの会合分子である前記本発明の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む前記本発明の新規サイトカインの発現キットを投与することを特徴とする。
本発明の新規サイトカインは、例えば、GM-CFSの産生を促進することができ、その結果、前述のようながんの治療に利用ができる。また、本発明の発現キットは、本発明の新規サイトカインを発現することによって、同様に、GM-CFSの産生の促進に使用できる。
投与は、例えば、in vivo、in vitro、ex vivoのいずれでもよい。生体に投与する場合、その種類は、特に制限されず、例えば、前述のような、ヒトおよび非ヒト動物があげられ、投与する部位も、特に制限されず、例えば、産生を促進させたい場所、産生を促進させたい場所にまで物質をデリバリーできる部位等である。投与方法は、特に制限されず、例えば、前述と同様に、経口投与、非経口投与等である。
本発明の新規サイトカイン、すなわち、p19およびCD5Lとの会合分子は、がんの治療に使用するための会合分子、または、GM-CFSの産生の促進に使用するための会合分子ともいえる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明は、下記実施例により制限されない。市販の試薬は、特に示さない限り、それらのプロトコルに基づいて使用した。
[実施例1]
本発明の新規サイトカインについて、p19とCD5Lとの会合の確認、サイトカインとしての機能の確認を行った。
(1)発現および会合の確認
マウス由来p19 cDNAを、C末端に3×FLAG-エピトープタグ配列が付加されるp3FLAG-CMV-14ベクター(Sigma-Aldrich社)に連結し、p19発現ベクターを調製した。c-MYCタグ配列が付加されるマウス由来CD5L発現ベクターは、市販品(pCMV3-CD5L-c-MYC、Sino Biological社)を使用した。前記p19発現ベクターおよび前記CD5L発現ベクターを、ヒト胚腎(HEK)293細胞に由来する293-F細胞株に導入し、無血清のFreeStyle 293発現培地(商品名、Invitrogen社)を用いて、3日間、懸濁培養した。そして、培養後、培養液から細胞を回収し、さらに、細胞溶解を行った上で、遠心分離により、細胞溶解物と上清とに分離した。そして、細胞溶解物と上清とを、それぞれ別個に、抗FLAG抗体 (M2、Sigma-Aldrich社)および抗c-MYC抗体(9E10、Santa Cruz社)による免疫沈降に供し、さらに、それぞれ反対の抗体を用いてウェスタンブロティングを行った。細胞の培養条件は、5% CO、95%空気、37℃とした(以下、同様)。
これらの結果を図1に示す。図1は、p19およびCD5Lを発現させたHEK293-F細胞のウェスタンブロッティングの結果であり、細胞溶解画分と上清画分の結果を示す。図において、inputは、免疫沈降反応による分離前のサンプルであり、Controlは、それぞれの免疫沈降反応に用いた抗体のコントロール抗体である。図1に示すように、細胞溶解分画および上清分画共に、コントロール抗体では共沈されるバンドが、わずかか殆ど検出されず(左から2レーン目と5レーン目)、抗FLAG抗体を用いた免疫沈降反応よりCD5L-c-MYCのバンド(上の段左から3レーン目と6レーン目)が検出され、反対に、抗c-MYC抗体によりp19-FLAGのバンド(下の段左から3レーン目と6レーン目)が検出され共沈されることから、p19とCD5Lとの両方が発現し、且つ、p19とCD5Lとが会合していることが確認できた。
(2)サイトカインの機能の確認
(2-1)Ba/F3細胞に対する増殖能
サイトカインは、そのレセプターを強制発現したIL-3依存性のマウスpro-B細胞株Ba/F3細胞を増殖させることが知られている。そこで、p19とCD5Lとの会合分子が、Ba/F3細胞を増殖させるか否かを確認した。Ba/F3細胞としては、gp130/IL‐12Rβ1/IL‐12Rβ2/IL‐23Rαを強制発現した細胞を使用した。このBa/F3細胞の培養は、1ng/mL IL-23の存在下、10%FBS、50μmol/L 2-メルカプトエタノール、および100μg/mL カナマイシンを含むRPMI1640を使用した。
発現ベクターを単独または組合せて、前記(1)と同様にして、HEK293T細胞に導入し、3日間培養を行った。培養後の上清を、上記のBa/F3細胞の培養液に、10%(v/v)または30%(v/v)となるように添加して、3日間培養を行い、その増殖活性を、DNAへのH-チミジンの取り込みの測定により評価した。取り込みの測定は、FilterMate cell harvester(PerkinElmer社)およびTopCount マイクロプレートシンチレーションカウンター(PerkinElmer社)を用いて行った。チミジンの取り込み(cpm)は、平均±SD (n = 3)として算出した。P値は、両側ステューデントt検定で決定した。
これらの結果を図2に示す。図2は、H-チミジン取り込み(cpm)を示すグラフであり、縦軸が、H-チミジン取り込み量(cpm)を示し、グラフ下は、HEK293T細胞に導入したベクターの種類を示す。「Vector alone」は、cDNA未導入のp3×FLAG-CMV-14ベクター(Sigma-Aldrich社)のみ、「p19」は、マウス由来p19 cDNAを連結したp3×FLAG-CMV-14ベクター(Sigma-Aldrich社)、「CD5L」は、前記(1)で使用したpCMV3-CD5L-c-MYC(Sino Biological社)、「p19+CD5L」は、マウス由来p19 cDNAを連結したp3×FLAG-CMV-14ベクター(Sigma-Aldrich社)とpCMV3-CD5L-c-MYC(Sino Biological社)との混合物、「p19/CD5L」は、マウス由来CD5L cDNA、リンカー(Gly4Ser)3のコード配列、およびマウス由来p19 cDNAを、この順序で1本鎖に連結したp3×FLAG-CMV-14ベクター(Sigma-Aldrich社)、「p40/CD5L」は、マウス由来CD5L cDNA、リンカー(Gly4Ser)3のコード配列、およびマウス由来p40 cDNAを、この順序で1本鎖に連結したp3×FLAG-CMV-14ベクター(Sigma-Aldrich社)、「p19+p40」は、IL-23が産生されるポジティブコントロールとして用いたマウス由来p19 cDNAを連結したp3×FLAG-CMV-14ベクター(Sigma-Aldrich社)とマウス由来p40 cDNAを連結したp3×FLAG-CMV-14ベクター(Sigma-Aldrich社)との混合物の使用を意味する。図2において、P値は、*P < 0.05で表した。
図2に示すように、「p19+CD5L」は、p19とCD5Lとが共発現され、また「p19/CD5L」は、p19とCD5Lとを1本鎖融合タンパク質として発現し、会合分子を形成することによって、ポジティブコントロールの「p19+p40」と同様に、著しい増殖が確認できた。一方、「p19」、「CD5L」は、単独では増殖が確認されず、「p40/CD5L」も、増殖が確認されなかった。
(2-2)STAT5のリン酸化能
サイトカインは、STATをリン酸化することが知られている。そこで、p19とCD5Lとの会合分子が、どのSTATをリン酸化するか否かを調べた。
前記(2-1)の「p19/CD5L」発現ベクターを、HEK293T細胞に導入し、5%FCSを含むDMEM培地(Invitrogen社)で3日間培養し、上清を回収した。HiTRap NHS活性化HPカラム(GE Healthcare社)と抗p19抗体(G23-8、Bio X Cell社、または、R&D)とを用いて調製した抗19アフィニティゲルのアフィニティカラムを用いて、p19とCD5Lとが連結されたタンパク質(CD5L/p19タンパク質)を精製した。
WT C57BL/6マウス(Sankyo Labo Service社)から脾臓細胞を摘出し、AutoMACS Pro(ミルテニー社)を用いて、ナイーブCD4T細胞を分離した。ナイーブCD4T細胞の培養は、10% FBS、50μmol/L 2-メルカプトエタノール、および100μg/mLカナマイシン(明治製菓)を含むRPMI1640(Sigma-Aldrich社)を使用した。ナイーブCD4T細胞(5×10細胞/mL)を、抗CD3抗体および抗CD28抗体でコーティングされたプレートを用いて、前記抗体で刺激を与えて3日間培養した。培養後、ナイーブCD4T細胞を洗浄し、6時間血清飢餓状態とした。その後、精製した前記CD5L/p19タンパク質を、10ng/mLとなるように培地に添加して、20分間再度刺激を与えた。そして、抗pY-STAT1抗体(Cell Signaling)、抗STAT1抗体(Transduction Laboratories)、抗pY-STAT3抗体(Cell Signaling)、抗STAT3抗体(Santa Cruz)、抗pY-STAT5抗体(Cell Signaling)、抗STAT5抗体(Santa Cruz)を用いて、ウェスタンブロッティングを行った。
なお、ネガティブコントロールとして、タンパク質未添加の系(-)、マウス由来p19タンパク質を単独で添加した系(p19)、マウス由来CD5Lタンパク質を単独で添加した系(CD5L)、STAT1とSTAT3のリン酸化誘導のポジティブコントロールとしてIL-27、STAT5のリン酸化誘導のポジティブコントロールとしてIL-2を添加した系(IL-27またはIL-2)についても、同様に、ウェスタンブロッティングを行った。
これらの結果を図3に示す。図3は、ナイーブCD4T細胞のウェスタンブロッティングの結果を示す。図3に示すように、p19とCD5Lとが分子内で会合したp19/CD5Lタンパク質を添加した場合、ポジティブコントロールであるIL-2と同様に、STAT5のリン酸化が確認できた。STAT1やSTAT3のリン酸化は殆ど見られなかった。なお、図3において、右端レーンは、ポジティブコントロールであり、STAT1とSTAT3のリン酸化についてはIL-27で刺激した結果であり、STAT5のリン酸化についてはIL-2で刺激した結果である。
前記(2-1)および(2-2)に示すように、p19/CD5Lタンパク質は、サイトカインであることを示すBa/F3細胞に対する増殖能とSTAT5のリン酸化能の両方を示した。このことから、p19とCD5Lとの会合分子は、サイトカインであることが確認できた。
[実施例2]
本発明の新規サイトカインが、多発性硬化症の発症に重要であること、そのマーカとなることを確認した。具体的には、多発性硬化症のマウスモデルとして一般的に使用されているEAE(実験的自己免疫性脳脊髄炎)を用いて、以下の実験を行った。
CD4T細胞特異的p19遺伝子欠損マウス(CD4-Cre/p19flox/flox)は、CD4-Cre-Tgマウス(Jackson Laboratory社)とp19flox/floxマウス(Dr. P. Thakkerより分与)とを交配させて作製した。CRISPR/Cas9法により作製されたCD5L遺伝子欠損マウス(CD5L KO)は、東京大学宮崎徹先生より分与された。前記野生型のマウス(WT)と、CD4-Cre/p19flox/floxマウス、およびCD5L KOマウスに、MOG35-55ペプチド(Sigma-Aldrich社)150μgを皮下注射して、免疫した(0日目)。前記MOG35-55ペプチドは、5mg/mL H37RAを含有する完全フロイントアジュバント(Difco Laboratories社)で乳化したものを使用した。免疫後のマウスについて、臨床徴候を以下の基準にしたがってスコア化した。また、免疫後0日目と2日目に、百日咳毒素(List Biological Laboratories社)200ngを静脈内投与し、0、7、14日目に血清を採取した。そして、前記血清中のp19とCD5Lとの会合分子(ヘテロ二量体)、および単独のCD5Lを検出した。前記会合分子の検出は、捕捉抗体として抗p19抗体(5B2、eBioscience社)、検出抗体として西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)-結合抗CD5L抗体(Sino Biological社)、スタンダードタンパク質として精製した組換えp19/CD5Lタンパク質を使用したサンドイッチELISAにより行った。臨床徴候観察後、脳脊髄に浸潤した単核球細胞を単離し、サイトカインの細胞内染色によりその割合をFACSCantoII(BD Biosciences)を用いて解析した。P値は、*P < 0.05、**P < 0.01、***P < 0.001で表した。
スコア0:臨床徴候なし
スコア1:尾の完全下垂
スコア2:後肢脱力
スコア3:後肢麻痺
スコア4:死亡
図4と図5の左図は、クリニカルスコアを示すグラフであり、右図がサイトカインの細胞内染色の結果、図6は、左図が、血清中のp19とCD5Lとの会合分子の濃度を示し、右図が、血清中のCD5Lの濃度を示す。WTマウスは、図4および図5の左図に示すように、免疫後、経時的にクリニカルスコアが悪化し続け、図6に示すように、血清中の前記会合分子の濃度も、経時的に増加した。この時、CD5Lの濃度には、ほぼ変化が見られなかった。他方、CD4T細胞特異的p19遺伝子欠損マウス、および、CD5L KOマウスでは、図4と図5に示すように、免疫後、クリニカルスコアの悪化は抑制され、脳脊髄内に浸潤したGM-CSFCD4T細胞の割合も減少した。CD5L KOマウスでは、図6に示すように、血清中の前記会合分子もほぼ検出されなくなった。これらの結果から、前記p19とCD5Lとの会合分子の増加が、多発性硬化症の罹患およびその程度を間接に示し、前記会合分子が、多発性硬化症のマーカとなることが確認できた。さらに、CD4T細胞特異的p19遺伝子欠損マウス、および、CD5L KOマウスのいずれのマウスにおいても、GM-CSFCD4T細胞の割合が減少し、EAEの発症が軽減されたことより、前記会合分子がGM-CSFCD4T細胞への分化を増強し、EAE発症を促進する可能性が確認された。前記GM-CSFCD4T細胞への分化の増強が確認されたことから、前記会合分子は、GM-CSFの産生細胞への分化の促進剤となること、また、分化の促進を介してGM-CSF産生の促進剤になることがわかった。
[実施例3]
本発明の新規サイトカインが、メラノーマの改善剤となるとなることを確認した。
マウスメラノーマ細胞株B16F10に、前記実施例1(2-1)のベクターを導入した。前記マウスメラノーマ細胞株の培養は、10% FBSおよび100μg/mLカナマイシンを含むRPMI1640を使用した。そして、WT C57BL/6マウス(Sankyo Labo Service社、n=5)の右側腹部に、前記ベクターを導入したマウスメラノーマ細胞の形質転換体(1×10細胞/マウス)を皮下注射した。そして、腫瘍の増殖を電子カリパスでモニターし、下記式から腫瘍の体積を算出した。P値は、*P < 0.05で表した。
腫瘍の体積(mm)=0.5(ab
a:長径
b:短径
これらの結果を、図7に示す。図7は、マウスメラノーマ細胞の形質転換体を注射したマウスにおける腫瘍の体積を示すグラフである。図7に示すように、「Vector」、「p19」、「CD5L」の形質転換体を注入したマウスは、経時的に腫瘍の増大が見られたが、「CD5L/p19」のp19とCD5Lとを1本鎖融合タンパク質として発現した形質転換体を注入したマウスは、腫瘍の増大が有意に抑制された。この結果から、p19とCD5Lとの会合分子によって、メラノーマを抑制できることがわかった。これは、p19とCD5Lとの会合分子によって、GM-CSFの産生が促進され、その抗腫瘍効果によって、メラノーマが抑制されたと考えられる。
[実施例4]
p19とCD5Lとが連結した組換え体について、GM-CSF産生を促進することを確認した。
前記実施例1(2-1)の「p19」発現ベクター、「CD5L」発現ベクター、「p19/CD5L」発現ベクターを用い、前記実施例1(2-2)と同様にして、前記発現ベクターをHEK293T細胞に導入して培養を行い、それぞれの上清から、p19タンパク質、CD5Lタンパク質、p19/CD5Lタンパク質を精製した。
つぎに、CD5L遺伝子欠損ナイーブCD4T細胞(5×10細胞/mL)を、抗IL-12抗体、抗IFN-γ抗体および抗IL-4抗体の存在下、抗CD3抗体および抗CD28抗体でコーティング(固相化)されたプレートを用いて、前記固相化抗体で刺激を与え、3日間培養した。前記刺激する際、組換えp19タンパク質、CD5Lタンパク質、またはp19/CD5Lタンパク質を10ng/mlとなるように添加した。なお、コントールとして、組み換えタンパク質無添加で同様の処理を行った。培養条件は、前記実施例1(2-2)と同様とした。そして、培養3日後に、上清を回収し、GM-CSFの産生を、抗GM-CFS抗体を用いたELISAで測定した。
これらの結果を、図8に示す。図8は、GM-CSF濃度の結果を示すグラフである。図8に示すように、組換えタンパク質未添加のコントロール、p19単独添加、CD5L単独添加と比較して、p19/CD5Lの添加によって、GM-CSF産生が有意に増強することがわかった。
以上、実施形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
この出願は、2019年7月31日に出願された日本出願特願2019-140552を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、本発明者らによって新たに見出されたサイトカインである。本発明の新規サイトカインによれば、例えば、多発性硬化症の罹患可能性を試験したり、がんの治療に利用することができる。このことから、本発明は、例えば、医療分野において非常に有用といえる。

Claims (10)

  1. p19とCD5Lとの会合分子であることを特徴とする新規サイトカイン。
  2. p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子として、p19を発現する発現ベクターと、CD5Lを発現する発現ベクターとを含むことを特徴とする新規サイトカインの発現キット。
  3. p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子として、p19遺伝子とCD5L遺伝子とのキメラ遺伝子を発現する発現ベクターを含むことを特徴とする新規サイトカインの発現キット。
  4. 生体サンプルについて、p19とCD5Lとの会合分子の発現量を検出する工程を含み、
    前記発現量と評価基準との比較によって、前記生体サンプルが多発性硬化症に罹患している可能性を試験する試験方法。
  5. 候補物質と請求項1記載の新規サイトカインとを共存させ、前記候補物質と前記新規サイトカインとの結合を検出し、前記新規サイトカインと結合する候補物質を、多発性硬化症に対する治療薬候補として選択することを特徴とする、多発性硬化症に対する治療薬候補のスクリーニング方法。
  6. 請求項2または3に記載の新規サイトカインの発現キットを宿主に導入し、候補物質存在下における前記発現キットの発現を検出し、前記候補物質非存在下における前記発現キットの発現と比較して、前記発現キットの発現を有意に抑制する候補物質を、多発性硬化症に対する治療薬候補として選択することを特徴とする、多発性硬化症に対する治療薬候補のスクリーニング方法。
  7. p19とCD5Lとの会合分子である請求項1に記載の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む請求項2または3に記載の新規サイトカインの発現キットを含むことを特徴とする抗がん剤。
  8. p19とCD5Lとの会合分子である請求項1に記載の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む請求項2または3に記載の新規サイトカインの発現キットを含むことを特徴とするGM-CFS産生促進剤。
  9. p19とCD5Lとの会合分子である請求項1に記載の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む請求項2または3に記載の新規サイトカインの発現キットを投与し、投与対象が非ヒト動物であることを特徴とするGM-CFSの産生促進方法。
  10. p19とCD5Lとの会合分子である請求項1に記載の新規サイトカイン、または、p19とCD5Lとを会合可能に発現する遺伝子を含む請求項2または3に記載の新規サイトカインの発現キットを投与し、投与形態が、in vitroであることを特徴とするGM-CFSの産生促進方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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scientific reports,2021年03月04日,11, 5266,doi:10.1038/s41598-021-84624-9
The Journal of Immunology,2014年06月15日,Vol. 192, No. 12,p. 6028-6036,doi:10.4049/jimmunol.1400159

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